以下に、本発明の各実施の形態について図を用いて説明する。
なお、以下の各実施の形態の図においては、同一または同様な構成要素については、同一または同様の番号を付け、各実施の形態の説明においてその記載及び説明を省略する場合がある。 また、同様の機能を有する構成要素が複数ある場合に、個々を区別して扱う場合に符号中にa、b、・・・等の文字を付加し、まとめて扱う場合に文字の付加を行わない場合がある。
また、図に記載した各構成要素は、本発明を説明するために便宜的に分割したものであり、その実装形態は図の構成、分割、名称等に限定されない。また、分割の仕方自体も図に示した分割に限定されない。
また、図中及び以下の説明の記載における「・・回路」は、例えば「・・手段」(「・・処理手段」)、「・・機能単位」(「・・処理機能単位」)、「・・部」(「・・処理回路」)、「・・装置」(「・・処理装置」)、「・・処理」、「・・ステップ」、「・・処理ステップ」と呼び換えたものを新たな実施の形態としてもよい。また、「・・回路」を「・・処理」、「・・ステップ」、「・・処理ステップ」と呼び換えた場合は、処理フローの図を表すものとみなしてもよい。
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1について図1から図6を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における、レーダ装置の内部構成の例の概略を示す図である。
図1において、1は送信機、2は送信アンテナ、3は受信アンテナ、4は受信機、5(5a、5b)はアナログ・デジタル変換器(以下、A/D変換器と記載。)、6はパルス圧縮回路、7は目標検出回路、12は窓関数設定回路、100はレーダ装置、Nは後述する図2のFFT回路20またはIFFT回路23における処理単位、または、各種処理におけるデータのひとまとまりにおけるデータ数、矢印は情報、信号およびデータのうちの少なくとも1つ(以下、情報等と記載。)、矢印の矢の方向は情報等の流れの向きを示す。
本実施の形態において、窓関数設定回路12が窓関数決定装置に対応する。 また例えば、窓関数設定回路12およびパルス圧縮回路6がパルス圧縮装置に対応する。 また例えば、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、窓関数設定回路12、パルス圧縮回路6および目標信号検出回路7がレーダ信号解析装置に対応する。 また、送信機1および送信アンテナ2が送信手段に、受信アンテナ3および受信機4が受信手段に、パルス圧縮回路6が圧縮手段に、目標検出回路7が検出手段に対応する。
なお、図示しない構成要素として各種機能および回路を含む、広義のレーダ装置100または窓関数決定装置12を各種定義することも可能である。例えば、(1)電源機能、(2)各種演算機能、(3)通信機能、(4)各種インターフェース機能、(5)表示機能、(6)各種アプリケーション処理機能、の中の1つ以上を含む装置を定義することが可能である。
また、図示した構成要素の一部を独立した装置、例えば上記(1)窓関数決定装置、(2)パルス圧縮装置、(3)レーダ信号解析装置、として作製してもよい。
また、以下の説明において「入力」及び「出力」の語を、各図に示した構成要素の間の情報等のやり取りの説明に関して用いるが、上記のような広義の装置を定義する場合または複数の構成要素が合体した構成要素を想定する場合には、各図で示した構成要素と追加または合体される構成要素との関係で、明示的に「入力」及び「出力」が定義(または装置として実装)がされない場合がありうる。
送信機1は、レーダ信号として送信される送信信号を出力する。 レーダ信号にはパルス状の信号が用いられる。 本実施の形態においては、送信信号がアナログ信号の場合を例に説明する。
送信アンテナ2は、送信機1から出力された送信信号をレーダ信号(電磁波)として放出する。
受信アンテナ3は、送信アンテナ2から送信され目標物および目標物以外(例えば地面、海面、等。)で反射されたレーダ信号(電磁波)を受信し、受信信号として出力する。 本実施の形態においては、受信信号がアナログ信号の場合を例に説明する。
受信機4は、受信アンテナ3から出力された受信信号に対して、レーダ装置100として不要な電磁波の帯域制限および受信した信号の検波を行、A/D変換器5bに出力する。 具体的には、検波としては位相検波が望ましい。
A/D変換器5は、入力信号(ここではアナログ信号。)を、サンプリングしてディジタル信号に変換して出力する。 送信機1に接続されたA/D変換器5aの出力信号(以下、参照信号と記載。)sr1,…,srN、および受信機4に接続されたA/D変換器5bの出力信号s1,…,sNは、共にパルス圧縮回路6に出力される。
パルス圧縮回路6は、パルス圧縮処理を行い、目標検出回路7に出力する。 具体的には、送信機1に接続されたA/D変換器5aの出力信号sr1,…,srNおよび窓関数設定回路12から出力された窓関数w1,…,wNを用いて、受信機4に接続されたA/D変換器5bの出力信号s1,…,sNに対しパルス圧縮処理を行い、圧縮処理後の信号r1,…,rNを、目標検出回路7へ出力する。 パルス圧縮回路6の構成については図2を用いて後述する。
目標検出回路7は、受信信号に含まれている、目標物で反射された信号(目標信号)を検出する。 具体的には例えば、不要信号を目標信号と誤って判定する誤警報確率等を基準として予め設定されたスレッショルド、とパルス圧縮信号のレベルと、を比較して目標信号の存在するレンジビンを検出する。
窓関数設定回路12は、パルス圧縮処理に用いる窓関数w1,…,wNを設定し、パルス圧縮回路6に出力する。 窓関数設定回路12の構成および動作については図3を用いて後述する。
図2は、本発明の実施の形態1における、パルス圧縮回路の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、6はパルス圧縮回路、20(20a、20b)はFFT(Fast―Fourier-Transform)回路、21は窓関数乗算回路、22は参照信号スペクトル乗算回路、23はIFFT(Inverse FFT)回路を示す。
FFT回路20(20a、20b)は、入力信号に対してFFT処理を行って、変換後の信号を出力する。 送信側のA/D変換器5aに接続されたFFT回路20aは、送信側のA/D変換器5bの出力信号(参照信号)sr1,…,srNに対してFFT処理を行い、参照信号の周波数スペクトルを表す信号xr1,…,xrNを出力する。
窓関数乗算回路21は、入力信号s1,…,sNと窓関数w1,…,wNとを成分毎に乗算して、乗算後の信号w1s1,…,wNsNを出力する。
FFT回路20bは、窓関数乗算回路21の出力信号w1s1,…,wNsNに対してFFT処理を行い、窓関数乗算後の受信信号の周波数スペクトルを表す信号x1,…,xNを出力する。
参照信号スペクトル乗算回路22は、FFT回路20bの出力信号x1,…,xNに対して、参照信号の周波数スペクトルを表す信号の複素共役を表す信号xr1*,…,xrN*を乗算し、乗算後の信号x1xr1*,…,xNxrN*を出力する。
IFFT回路23は、入力信号に対してIFFT処理を行い、処理後の信号を出力する。 具体的には、参照信号スペクトル乗算回路22の出力信号x1xr1*,…,xNxrN*に対してIFFT処理を行い、処理後の信号(=パルス圧縮回路6の出力信号)r1,…,rNを出力する。 これにより、目標の存在するレンジビンに目標信号を圧縮する。
図3は、本発明の実施の形態1における、窓関数設定回路の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、8は不要信号パワースペクトル生成回路、9は第一サイドローブ領域スペクトル調整回路、10は窓関数算出回路、11は第一サイドローブ抑圧レベル評価回路、12は窓関数設定回路である。 不要信号パワースペクトル生成回路8がスペクトル決定手段に、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9がスペクトル調整手段に、窓関数算出回路10が窓関数決定手段に、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11がスペクトル評価手段に、対応する。
不要信号パワースペクトル生成回路8は、窓関数を決定するもととなる不要信号のパワースペクトルを設定し、設定されたパワースペクトルを第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9へ出力する。 不要信号のパワースペクトルの設定については、図4を用いて後述する。
第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9は、不要信号パワースペクトル生成回路8から出力された不要信号のパワースペクトルの一部の帯域について、パワーレベルに対する重み付けを行い、重み付けされた不要信号の周波数スペクトルから不要信号の相関行列を決定して出力する。 重み付けについては図4を用いて、相関行列の決定については図6を用いて後述する。
窓関数算出回路10は、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9から出力された創刊行列をもとに、窓関数を決定して出力する。 窓関数の算出方法については、図6を用いた動作説明の際に後述する。
第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、窓関数算出回路10で得られた窓関数の周波数スペクトルを求め、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルを決定する。 また、窓関数算出回路10は、決定した第1サイドローブ抑圧レベルの値と、所定のサイドローブ抑圧レベル値と、の間の大小関係を評価する。
また、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、上記評価結果をもとに、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9における重み付けの大きさを変更するための制御信号(再計算指示信号)を出力する。
本実施の形態においては、所定のサイドローブ抑圧レベル値として、予め設定された評価用第1サイドローブ抑圧レベル値を用いる場合を例に説明する。
また、本実施の形態においては、(1)重み付けを変更する制御信号(再計算指示信号)が、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11から第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9へ直接出力され、さらに、(2)第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9が制御信号(再計算指示信号)に従って重み付けを変更する、場合を例に説明する。 重み付けの変更については、図6を用いて後述する。
次に、レーダ装置100の動作原理の概要を説明する。
まず、送信機1が、レーダ信号として送信される信号(送信信号)として、パルス状の信号を出力する。 本実施の形態においては、パルス期間内において周波数変調された信号を出力する場合を想定して説明する。
次に、送信アンテナ2が、送信機1から出力された送信信号を、送信アンテナ2からレーダ信号(電磁波)として放出する。
次に、受信アンテナ3が、送信アンテナ2から送信され目標物等で反射されたレーダ信号を受信し、受信信号として出力する。 受信信号は一般的に、目標信号、クラッタ信号およびその他の不要な信号が混在した状態の信号となる。
次に、受信機4が、受信アンテナ3から出力された受信信号に対し帯域制限および検波を行い、A/D変換器5bへ出力する。
次に、受信機4に接続されたA/D変換器5bが、受信機4から出力された受信信号をサンプリングし、ディジタル信号s1,…,sNとしてパルス圧縮回路6の窓関数乗算回路21へ出力する。 サンプリングは、具体的には例えば、(1)受信機の帯域幅から定まる時間間隔でサンプリングする。
但し、例えば、よりオーバーサンプリングを行うことで上記サンプリング間隔より短くすることも可能性あり、パルス圧縮処理の実装およびその性能に必要なサンプリング間隔であればよく、上記例の間隔に限定されない。
次に、窓関数乗算回路21が、A/D変換器5bから出力されたディジタル信号s1,…,sNと、窓関数設定回路12から出力された窓関数w1,…,wNと、を乗算する。 そして、窓関数乗算回路21は、乗算後の信号w1s1,…,wNsNをFFT回路20bへ出力する。
次に、FFT回路20bが、窓関数乗算回路21から出力された信号w1s1,…,wNsNに対して、FFT処理を行って、受信信号の周波数スペクトルを表す信号x1,…,xNとして参照信号スペクトル乗算回路22へ出力する。
一方、A/D変換器5aが、送信機1から出力された送信信号をサンプリングし、ディジタル信号(参照信号)sr1,…,srNとして、パルス圧縮回路6内のFFT回路20へ出力する。 サンプリングは、具体的には例えば、(1)受信機の帯域幅から定まる時間間隔でサンプリングする。
次に、FFT回路20aが、ディジタル信号(参照信号)sr1,…,srNを参照信号の周波数スペクトル(以下、参照信号スペクトルと記載。)を表す信号xr1,…,xrNに変換し、パルス圧縮回路6の参照信号スペクトル乗算回路22へ出力する。
次に、参照信号スペクトル乗算回路22が、FFT回路20bから出力された信号x1,…,xNの周波数スペクトルに対して、参照信号スペクトルを表す信号の複素共役を表す信号xr1*,…,xrN*を乗算し、乗算後の信号x1xr1*,…,xNxrN*をIFFT回路23へ出力する。
次に、IFFT回路23が、参照信号スペクトル乗算回路22から出力された乗算後の信号x1xr1*,…,xNxrN*に対しIFFT処理を行い、処理後の信号、すなわちパルス圧縮後の信号、を目標検出回路7へ出力する。
次に、目標検出回路7が、例えば不要信号を目標信号と誤って判定する誤警報確率等を基準として設定されたスレッショルドと、パルス圧縮信号レベルと、を比較して、目標信号の存在するレンジビンを検出する。
次に、窓関数設定回路12の動作を図4から図6を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における、重み付けされた不要信号の周波数スペクトルの例を示す図である。
図において、Pclutterはクラッタ信号の電力レベル、ξは重み、Pnoiseは雑音レベル、fminは周波数帯域の最小周波数、fmaxは周波数帯域の最大周波数、通過帯域は周波数帯域の中心周波数(0)を含む周波数範囲、サイドローブ領域は通過帯域以外の周波数範囲、第1サイドローブ領域は、各サイドローブ領域における通過帯域側の一部の周波数範囲を示す。また、 図において、網掛け部分が不要信号のスペクトルを示す。
図5は、本発明の実施の形態1における、窓関数の周波数スペクトル特性の例を示す図である。
図において、中央のスペクトル形状は窓関数のメインローブ、その両側のスペクトル形状は第1サイドローブ、以下順に両側に向かって第2サイドローブ、・・・第nサイドローブを示す。また、P^sl1は窓関数のメインローブと第1サイドローブとの比(または差異)、即ち第1サイドローブ抑圧レベル、を示す。 その他の図の見方は、上述した図20と同様である。
図6は、本発明の実施の形態1における、窓関数決定処理のフローの例の概略を示す図である。 図において、YはYES、NはNOを示す。
まず、窓関数設定回路12が、所定のサイドローブ抑圧レベルとして予め設定された評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslと、収束判定用の閾値εと、を設定する。 (ステップF1−2)
具体的には、窓関数設定回路12の第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11が、上記2つの値を設定する。
次に、不要信号パワースペクトル生成回路8が、窓関数を決定するもととなる不要信号のパワースペクトルを設定し、設定されたパワースペクトルを第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9へ出力する。 (ステップF1−3)
本実施の形態においては、不要信号パワースペクトル生成回路8が設定する不要信号のパワースペクトルとして、図4において重み(図中のξ。)の大きさが零の場合に相当するパワースペクトルを出力する。 すなわち、不要信号のパワースペクトルとして、2つのパラメータPclutterおよびPnoiseを用いて単純化した凹型のスペクトル形状を想定する場合の例となっている。 但し、周波数スペクトル形状としては他の形状であってもよく、また、他の形状を規定するための他のパラメータをさらに用いてもよく、本実施の形態に限定されない。
図4の「周波数領域」の幅としては、例えば、パルス状の送信信号を用いたレーダ装置100の距離分解能をc/2Bで近似する場合の「B」、すなわちパルスの近似された占有帯域幅、を想定する。 ここで、cは光速を表す。
また、窓関数の周波数スペクトルにおける通過帯域は、窓関数の周波数スペクトルの第1サイドローブに対応する周波数帯域となる。 また、雑音電力レベルPnoiseとしては、本実施の形態では主に受信機雑音を想定したレベルを想定する。
従って、具体的には、不要信号パワースペクトル生成回路8は、周波数帯域、通過帯域、第1サイドローブ領域、不要信号(クラッタ信号電力Pclutter、雑音電力Pnoise)から、不要信号のパワースペクトル(または不要信号のパワースペクトルの形状)を決定し、決定したパワースペクトル(またはパワースペクトルの形状)を表す信号を、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9へ出力する。
ここで、図4のように決定したパワースペクトル(またはパワースペクトルの形状)を表す関数C’(f)は、次の式で表すことができる。
(数1)
次に、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9が、不要信号パワースペクトル生成回路8から出力された不要信号のパワースペクトル(または不要信号のパワースペクトルの形状)の一部の周波数帯域(第1サイドローブ領域)について、パワーレベルに対する重み(ξ)付けを行い、重み付けされた不要信号の周波数スペクトルを決定する。
次に、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9が、重み付けされた不要信号の周波数スペクトルの相関行列Rcξを決定する。 相関行列Rcξは、重み付けされた不要信号の周波数スペクトルを表す関数C’(f)を用いて次式により決定できる。
(式2)
(式3)
ここで、a(f)は周波数スペクトルの各周波数を規定する行列、aH(f)はa(f)のHermite共役を、Mは周波スペクトル成分の周波数の数、Tsはサンプリング間隔を示す。
次に、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9が、決定した相関行列Rcξを窓関数算出回路10へ出力する。
次に、窓関数算出回路10が、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9から出力された相関行列Rcξをもとに、次式により窓関数w1,…,wNを算出して、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11へ出力する。 (ステップF1−4)
(式4)
ここで、Wは、窓関数w1,…,wNを表す行列を示す。
ここで、上記で求めたwの技術的な意味を説明する。
目標信号のパワーレベルと図4の不要信号の信号電力との比(信号対不要信号電力比)を目的関数I1(w)とし、窓関数のサイドローブのレベルの上昇をペナルティ項I2(w)とする、ペナルティ関数I(w)を考える。
(式5)
(式6)
(式7)
ここでRcは、重み(ξ)の大きさを零とした場合の不要信号の相関行列を表す。
このとき、Wは、ペナルティ関数I(w)を最大化する窓関数となっている。 すなわち、信号対不要信号電力比を最大にする窓関数が求まる。
なお、上記説明においては、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9において不要信号の相関行列Rcξを求め、それをもとに関数算出回路10において窓関数wを直接求める場合の例を説明しているが、領域スペクトル調整回路9において上記のようにペナルティ関数I(w)を設定し、それをもとに不要信号の相関行列Rcξを求める機能を有するように、装置を構成してもよい。
窓関数設定回路12の動作説明(図6の処理フロー)に戻って、ステップF1−4の次に、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、窓関数算出回路10で得られた窓関数の周波数スペクトル(図5参照。)を求め、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブのレベルP^sl1を決定する。 (ステップF1−5)
また、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、評価した第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値と、所定のサイドローブ抑圧レベル値と、の間の大小関係を評価する。 (ステップF1−6)
本実施の形態は、所定のサイドローブ抑圧レベル値として、予め設定された評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslを用いる場合の例となっている。
また、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、評価結果をもとに、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9における重み(ξ)付けの大きさを変更する制御を行う。 (ステップF1−6、F1−7、F1−8、F1−9)
第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9は、重み(ξ)付けの大きさを変更するための制御信号(再計算指示信号)が第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11から出力された場合、再計算指示信号に従って重み(ξ)付けの大きさの設定を変更する。 (ステップF1−4)
重み(ξ)付けの大きさを変更する制御は、具体的には、まず、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11が、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値と評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslとの差(絶対値)と、収束判定用の閾値εとの大小関係を評価する。(ステップF1−6)
すなわち、具体的には、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslに収束したと判断したかを決定する。
次に、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、収束したと判断する場合(ステップF1−6のY)、ステップF1−10に移行し、窓関数決定処理は終了する。
一方、収束していないと判断した場合(または収束したと判断していなかった場合)、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が、評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslより大きいか判断する。 (ステップF1−7)
第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が、評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslより大きい場合(ステップF1−7のY)、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、重み(ξ)付けの大きさを小さくする再計算指示信号を第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9に出力する。 (ステップF1−8)
窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が、評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslより小さい場合(または大きくない場合。ステップF1−7のN)、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、重み(ξ)付けの大きさを大きくする再計算指示信号を第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9に出力する。 (ステップF1−9)
以上の処理フローに従って、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslに収束したと判断するまで処理を繰り返す。
以上のように、本実施の形態の窓関数決定装置によれば、通過帯域の幅を変更することなく窓関数の第1サイドローブ抑圧レベルを変更(従って第1サイドローブを抑圧)できるので、信号対雑音電力比を劣化させないようにしながら信号対不要信号電力比を向上させることができる窓関数を決定することができる。
実施の形態2.
以下に、本発明の各実施の形態2について図7から図9を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態2における、レーダ装置の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、14は第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路を示す。 その他の構成要素は上記実施の形態1の図1と同様である。
本実施の形態のレーダ装置と上記実施の形態1のレーダ装置との間の主要な差異は、実施の形態1の窓関数設定回路12が第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14に置き換わっている点である。 その他の構成及び動作については、上記実施の形態1と同様であるので、以下では差異を中心に説明し、同様な構成要素および同様な動作についてはその説明を省略する。
また、上記実施の形態1においては、窓関数算出回路10において算出された窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルの値を、予め設定した評価用第1サイドローブ抑圧レベル値と比較する場合の例について説明した。
本実施の形態は、窓関数算出回路10において算出された窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルの値と、窓関数算出回路10において算出された窓関数における第2サイドローブの抑圧レベル(以下、第2サイドローブ抑圧レベルと記載。)の値と、を評価する場合の例となっている。
第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14は、パルス圧縮回路6に出力する窓関数w1,…,wNを求める。
図8は、本発明の実施の形態2における、第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、13は第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路を示す。 本実施の形態の第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14と上記実施の形態1の窓関数設定回路12との間の主要な差異は、上記実施の形態1の第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11が第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13に置き換わっている点である。
図9は、本発明の実施の形態2における、窓関数の周波数スペクトルの例を示す図である。 図において、P^sl2は窓関数の周波数スペクトルにおける第2サイドローブ抑圧レベルを示す。
第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14がパルス圧縮回路6に出力する窓関数w1,…,wNを求める際に、窓関数算出回路10において算出された窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値および第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2の値を求める。
また、第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、求めた第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1および第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2の値を評価し、評価結果にもとづいて、重み(ξ)付けの大きさを変更するための再計算指示信号を出力する。
次に、第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14の動作について図10を用いて説明する。
図10は、本発明の実施の形態2における、窓関数決定処理のフローの例の概略を示す図である。 図の見方は、上記実施の形態1の図6と同様である。
まず、第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14が、収束判定用の閾値εを設定する。 (ステップF2−2)
具体的には、第二サイドローブレベル考慮型第窓関数設定回路14の第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13が、上記閾値εを設定する。
次に、不要信号パワースペクトル生成回路8が、上記実施の形態1と同様に、窓関数を決定するもととなる不要信号のパワースペクトルを設定し、設定されたパワースペクトルを第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9へ出力する。 (ステップF2−3)
本実施の形態においては、不要信号パワースペクトル生成回路8が設定する不要信号のパワースペクトルは、上記実施の形態1と同様であるとする。 なお、上記実施の形態1と同様に、他の形状を規定するための他のパラメータをさらに用いてもよく、本実施の形態に限定されない。
次に、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9が、上記実施の形態1と同様に、不要信号パワースペクトル生成回路8から出力された不要信号のパワースペクトル(または不要信号のパワースペクトルの形状)の一部の周波数帯域(第1サイドローブ領域)について、パワーレベルに対する重み(ξ)付けを行い、重み付けされた不要信号の周波数スペクトルを決定する。
次に、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9が、上記実施の形態1と同様に、重み付けされた不要信号の相関行列Rcξを決定し、決定した相関行列Rcξを窓関数算出回路10へ出力する。
次に、窓関数算出回路10が、上記実施の形態1と同様に、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9から出力された相関行列Rcξをもとに、窓関数w1,…,wNを算出して、第二サイドローブ考慮型第第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13へ出力する。 (ステップF2−4)
次に、第二サイドローブ考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、窓関数算出回路10で得られた窓関数の周波数スペクトル(図9参照。)を求め、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブのレベルP^sl1および第2サイドローブのレベルP^sl2を決定する。 (ステップF2−5)
また、第二サイドローブ考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、決定した第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1と、第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2と、の間の大小関係を評価する。 (ステップF2−6)
したがって本実施の形態は、評価の基準となる所定のサイドローブ抑圧レベル値として、算出された窓関数の周波数スペクトルにおける第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2の値を用いる場合の例となっている。
また、第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、評価結果をもとに、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9における重み(ξ)付けの大きさを変更する制御を行う。 (ステップF2−6、F2−7、F2−8、F2−9)
第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9は、再計算指示信号が第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13から出力された場合、実施の形態1と同様に、再計算指示信号に従って重み付け(ξ)の大きさを変更する。 (ステップF2−4)
重み(ξ)付けの大きさを変更する制御は、具体的には、まず、第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13が、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値と第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2との差(絶対値)と、収束判定用の閾値εと、の大小関係を評価する。(ステップF2−6)
すなわち、具体的には、第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2の値に収束したと判断したかを決定する。
次に、第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブレベルサイドローブ抑圧レベル評価回路13は、収束したと判断する場合(ステップF2−6のY)、ステップF2−10に移行し、窓関数決定処理は終了する。
一方、収束していないと判断した場合(または収束したと判断していない場合。ステップF2−6のN)、第二サイドローブ考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が、第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2より大きいかを判断する。 (ステップF2−7)
第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が、第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2の値より大きい場合(ステップF2−7のYの場合。)、第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、重み(ξ)付けの大きさを小さくするために再計算指示信号を第一サイドローブレベル調整回路9に出力する。 (ステップF2−8)
ステップF2−7において、第1サイドローブのレベルP^sl1の値が第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2の値より小さい場合(または大きくない場合。ステップF2−7のNの場合)、第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、重み(ξ)付けの大きさを大きくする再計算指示信号を、第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9に出力する。 (ステップF2−9)
以上のようにして、窓関数の第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が、上記説明した処理ループによって第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2の値に近づくように変化することにより、第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が改善された窓関数が得られることになる。
レーダ装置100及び第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14におけるその他の動作は、上記実施の形態1のレーダ装置100及び窓関数設定回路12における対応する動作と同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、本実施の形態の窓関数決定装置によれば、上記実施の形態1と同様に、通過帯域の幅を変更することなく窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブを変更(=抑圧)できるので、信号対雑音電力比を劣化させないようにしながら信号対不要電力比を向上させることができる窓関数を決定することができる。
実施の形態3.
以下に、本発明の各実施の形態3について図11から図13用いて説明する。
図11は、本発明の実施の形態3における、レーダ装置の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、16は二分法探索型窓関数設定回路を示す。 その他の構成要素は上記実施の形態1の図1と同様である。
本実施の形態のレーダ装置と上記実施の形態1のレーダ装置との間の主要な差異は、実施の形態1の窓関数設定回路12が二分法探索型窓関数設定回路16に置き換わっている点である。 その他の構成及び動作については、上記実施の形態1と同様であるので、以下では差異を中心に説明し、同様な構成要素および同様な動作についてはその説明を省略する。
また、上記実施の形態1においては、窓関数算出回路10において算出された窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルの値を、予め設定した評価用第1サイドローブ抑圧レベル値と比較し、重み(ξ)付けの大きさを変更する場合の例について説明した。
本実施の形態は、重み(ξ)付けの大きさを変更する際の変更幅を二分法により決定する場合の例となっている。
二分法探索型窓関数設定回路16は、パルス圧縮回路6に出力する窓関数w1,…,wNを決定する。
図12は、本発明の実施の形態2における、二分法探索型窓関数設定回路16の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、15は二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路を示す。
本実施の形態の二分法探索型窓関数設定回路と上記実施の形態1の窓関数設定回路12との間の主要な差異は、上記実施の形態1の第一サイドローブ領域スペクトル調整回路9が二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15に置き換わっている点である。
第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、上記実施の形態1と同様な評価を行い、評価結果をもとに、重み(ξ)付けの大きさを変更するために再計算指示信号を、二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15へ出力する。
二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15は、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11から出力された再計算指示信号に従って、重み(ξ)付けの大きさを変更する。 その際に、重み(ξ)付けの大きさの変更幅を二分法にもとづいて行なう。
次に、二分法探索型窓関数設定回路16の動作について図13を用いて説明する。
図13は、本発明の実施の形態3における、窓関数決定処理のフローの例の概略を示す図である。 図の見方は、上記実施の形態1の図6と同様である。 図において、ξmaxは重み(ξ)の最大値、ξminは重み(ξ)の最小値、ξ=0は重み(ξ)の初期値を示す。
図において、上記実施の形態1の図6との主要な差異は、図6のステップF1−8に対応する図13のステップF3−8および図6のステップF1−9に対応する図13のステップF3−9、と図6のステップ1−4に対応する図13のステップF3−4と、の間にステップF3−10が挿入されている点である。
まず、二分法探索型窓関数設定回路16が、評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslと、収束判定用の閾値ε、重み(ξ)の最大値ξmax、重み(ξ)の最小値ξmin、および重み(ξ)の初期値としてξ=0を設定する。 (ステップF3−2)
具体的には、二分法探索型窓関数設定回路16の第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11が、上記閾値を設定する。
次に、不要信号パワースペクトル生成回路8が、上記実施の形態1と同様に、窓関数を決定するもととなる不要信号のパワースペクトルを設定し、設定されたパワースペクトルを二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15へ出力する。 (ステップF3−3)
本実施の形態においては、不要信号パワースペクトル生成回路8が設定する不要信号のパワースペクトルは、上記実施の形態1と同様であるとして説明する。 なお、上記実施の形態1と同様に、他の形状を規定するための他のパラメータをさらに用いてもよく、本実施の形態に限定されない。
次に、二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15が、上記実施の形態1と同様に、調整された不要信号の周波数スペクトルを決定する。
次に、二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15が、上記実施の形態1と同様に、決定した相関行列Rcξを窓関数算出回路10へ出力する。
次に、窓関数算出回路10が、上記実施の形態1と同様に、窓関数w1,…,wNを算出して、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11へ出力する。 (ステップF3−4)
第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、上記実施の形態1と同様に、窓関数算出回路10で得られた窓関数の周波数スペクトル(図5参照。)を求め、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1を決定する。 (ステップF3−5)
また、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、上記実施の形態1と同様に、評価結果をもとに、二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15における重み(ξ)付けの大きさを変更する制御を行う。 (ステップF3−6、F3−7、F3−8、F3−9、F3−10)
重み(ξ)付けの大きさを変更する制御は、具体的には、まず、上記実施の形態1と同様に、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11が、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値と評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslとの差(絶対値)と、収束判定用の閾値εと、の間の大小関係を評価する。(ステップF3−6)
すなわち、具体的には、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslに収束したと判断したかを決定する。
次に、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、上記実施の形態1と同様に、収束したと判断する場合(ステップF3−6のY)、ステップF3−10に移行し、窓関数決定処理は終了する。
一方、収束していないと判断した場合(または収束したと判断していない場合)、第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11は、上記実施の形態1と同様に、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が、評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslより大きいか判断し、判断結果に応じて再計算指示信号を出力する。 (ステップF3−7)
次に、二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15は、再計算指示信号が第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11から出力された場合、指示内容に従って重み付け(ξ)の大きさを変更する。 (ステップF3−8、F3−9、F3−10、F3−4)
具体的には、ステップF3−7においてYの場合、二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15は、重み(ξ)付けの最大値ξmaxの値を、現在の重み(ξ)の値に設定(∴ξmax=ξ)とする。 (ステップF3−8)
また、ステップF3−7においてNの場合、二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15は、重み(ξ)付けの最小値ξminの値を、現在の重み(ξ)の値に設定(∴ξmin=ξ)とする。 (ステップF3−9)
次に、二分法探索型第一サイドローブ領域スペクトル調整回路15は、新たに重み(ξ)をξ=(ξmin+ξmax)/2とする。 (ステップF3−10)
以上の処理フローに従って、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値が評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslに収束したと判断するまで、処理を繰り返す。
レーダ装置100及び二分法探索型窓関数設定回路16におけるその他の動作は、上記実施の形態1のレーダ装置100及び窓関数設定回路12における対応する動作と同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、本実施の形態の窓関数決定装置によれば、上記実施の形態1および実施の形態2と同様に、通過帯域の幅を変更することなく窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブを変更(=抑圧)できるので、信号対雑音電力比を劣化させないようにしながら信号対不要電力比を向上させることができる窓関数を決定することができる。
また、重み(ξ)付けの大きさを変更する際の変更幅を二分法により決定するようにしているので、ループ処理における計算量および計算のための時間およびエネルギーを低減することができる。
実施の形態4.
以下に、本発明の各実施の形態4について図14から図16用いて説明する。
図14は、本発明の実施の形態4における、レーダ装置の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、17は二分法探索型第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路を示す。
本実施の形態3のレーダ装置と上記実施の形態3のレーダ装置との間の主要な差異は、実施の形態3の二分法探索型窓関数設定回路16が二分法探索型第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路17に置き換わっている点である。
図15は、本発明の実施の形態4における、二分法探索型第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路の内部構成の例の概略を示す図である。
本実施の形態の二分法探索型第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路17と上記実施の形態3の二分法探索型窓関数設定回路16との間の主要な差異は、実施の形態3の二分法探索型窓関数設定回路16の第一サイドローブ抑圧レベル評価回路11が、第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13に置き換わっている点である。 第二サイドローブレベル考慮型第一サイドローブ抑圧レベル評価回路13は、上記実施の形態2の二分法探索型窓関数設定回路(図8および図9参照。)において説明したものと同様である。
図16は、本発明の実施の形態4における、窓関数決定処理のフローの例の概略を示す図である。
本実施の形態の処理フローと上記実施の形態3との主要な差異は、(1)実施の形態3の処理ステップF3−6においては実施の形態1のF1−6と同様に、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値と評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslとの差(絶対値)と、収束判定用の閾値εと、の間の大小関係を評価するのに対し、(2)本実施の形態の処理フローのステップF4−6においては上記実施の形態2のステップF2−6と同様に、窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブ抑圧レベルP^sl1の値と第2サイドローブ抑圧レベルP^sl2との差(絶対値)と、収束判定用の閾値εと、の大小関係を評価する点である。
このため、ステップF4−2において設定するパラメータは、上記実施の形態3のF3−2で設定するパラメータから、評価用第1サイドローブ抑圧レベル値Pslが除かれている。
その他の処理ステップについては、上記各実施の形態に記載した対応する同様な処理ステップにおける処理と同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、本実施の形態の窓関数決定装置によれば、上記実施の形態1から実施の形態3と同様に、通過帯域の幅を変更することなく窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブを変更(=抑圧)できるので、信号対雑音電力比を劣化させないようにしながら信号対不要電力比を向上させることができる窓関数を決定することができる。
また、重み付け(ξ)の大きさを変更する際の変更幅を二分法により決定するようにしているので、ループ処理における計算量および計算のための時間およびエネルギーを低減することができる。
実施の形態5.
以下に、本発明の実施の形態5について図17を用いて説明する。
なお、上記各実施の形態と同一または同様な動作については、その説明を省略する場合がある。
図17は、本発明の実施の形態5における、レーダ装置の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、18はデータテーブルを示す。 その他の構成要素は上記実施の形態1の図1と同様である。
本実施の形態のレーダ装置と上記実施の形態1のレーダ装置との間の主要な差異は、窓関数設定回路12とパルス圧縮回路6との間にデータテーブル18が介在する点である。
窓関数設定回路12は、実施の形態1と同様に窓関数を決定するが、レーダ装置100またはパルス圧縮装置6において窓関数を使用する前または使用と並行して、実施の形態1の説明において使用した各種のパラメータの少なくとも一部(例えばPclutter。)を変化させた場合に対応する窓関数を計算し、データテーブル18に出力する。
データテーブル18は、窓関数設定回路12から出力された各種窓関数w1,…,wNを入力して記憶する。 また、データテーブル18は、窓関数w1,…,wNをパルス圧縮回路6に出力する。
以上のように、本実施の形態の窓関数決定装置によれば、上記実施の形態1から実施の形態3と同様に、通過帯域の幅を変更することなく窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブを変更(=抑圧)できるので、信号対雑音電力比を劣化させないようにしながら信号対不要電力比を向上させることができる窓関数を決定することができる。
また、パルス圧縮回路6において窓関数w1,…,wNを使用する際に、窓関数w1,…,wNが予め決定されてデータテーブル18に記憶されているので、窓関数設定回路12に窓関数決定のためのパラメータを設定してからパルス圧縮処理6を行うまでの時間を短くすることができる。
なお、本実施の形態の上記説明では、窓関数設定回路12およびデータテーブル18を別のブロックとして説明したが、実装においては、図17の構成に限定されない。 例えば、(1)データテーブル18を有するように窓関数設定回路12を構成する、(2)データテーブル18を有するようにパルス圧縮処理6を構成する、の一方を適用することができる。
実施の形態6.
以下に、本発明の実施の形態6について図18を用いて説明する。
なお、上記各実施の形態と同一または同様な動作については、その説明を省略する場合がある。
図18は、本発明の実施の形態6における、レーダ装置の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、14は第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路、19は第二サイドローブレベル考慮型データテーブルを示す。 その他の構成要素は上記実施の形態2の図7と同様である。
本実施の形態のレーダ装置と上記実施の形態2のレーダ装置との間の主要な差異は、第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14とパルス圧縮回路6との間に第二サイドローブレベル考慮型データテーブル19が介在する点である。
第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14は、実施の形態2と同様に窓関数を決定するが、レーダ装置100またはパルス圧縮装置6において窓関数を使用する前または使用と並行して、実施の形態1の説明において使用した各種のパラメータの少なくとも一部(例えばPclutter。)を変化させた場合に対応する窓関数を計算し、第二サイドローブ考慮型データテーブル19に出力する。
第二サイドローブレベル考慮型データテーブル19は、第2サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14から出力された各種窓関数w1,…,wNを入力して記憶する。 また、に第二サイドローブレベル考慮型データテーブル19は、窓関数w1,…,wNをパルス圧縮回路6に出力する。
以上のように、本実施の形態の窓関数決定装置によれば、上記実施の形態1から実施の形態3と同様に、通過帯域の幅を変更することなく窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブを変更(=抑圧)できるので、信号対雑音電力比を劣化させないようにしながら信号対不要電力比を向上させることができる窓関数を決定することができる。
また、上記実施の形態5と同様に、パルス圧縮回路6において窓関数w1,…,wNを使用する際に、予め決定されて第二サイドローブレベル考慮型データテーブル19に記憶されているので、窓関数設定回路12に窓関数決定のためのパラメータを設定してからパルス圧縮処理6を行うまでの時間を短くすることができる。
なお、本実施の形態の上記説明では、第二サイドローブレベル考慮型窓関数設定回路14と第二サイドローブ考慮型データテーブル19を用いた構成について説明したが、窓関数を決定する回路として、上記実施の形態3用いた二分法探索型窓関数設定回路16または実施の形態4において用いた第二サイドローブレベル考慮型二分法探索型窓関数設定回路17を代わりに用い、用いた回路に対応するデータベースを構成して、新たな実施の形態とすることができる。
また、上記実施の形態1から4の窓関数を決定する回路およびデータベースのうちの複数の場合に対応可能な装置を構成してもよい。
実施の形態7.
以下に、本発明の実施の形態7について図19を用いて説明する。
なお、上記各実施の形態と同一または同様な動作については、その説明を省略する場合がある。
図19は、本発明の実施の形態7における、レーダ装置の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、30は窓関数制御回路を示す。 その他の構成要素は上記実施の形態5の図17と同様である。
本実施の形態のレーダ装置と上記実施の形態5のレーダ装置100との間の主要な差異は、実施の形態5の窓関数設定回路12が窓関数制御回路30に置き換わっている点である。
窓関数制御回路30は、例えば上記実施の形態1の窓関数設定回路12と同様に窓関数を決定するための、各種パラメータを設定する。 また、窓関数制御回路30は、設定した各種パラメータに対応する窓関数を識別する識別信号をデータテーブル18に出力する。
データテーブル18は、窓関数制御回路30から出力された識別信号に従って、記憶している窓関数の中から窓関数w1,…,wNを読みだしてパルス圧縮回路6に出力する。
その他の動作は上記実施の形態5と同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、本実施の形態の窓関数決定装置によれば、上記実施の形態1から実施の形態6と同様に、通過帯域の幅を変更することなく窓関数の周波数スペクトルにおける第1サイドローブを変更(=抑圧)できるので、信号対雑音電力比を劣化させないようにしながら信号対不要電力比を向上させることができる窓関数を決定することができる。
また、上記実施の形態5および実施の形態6と同様に、パルス圧縮回路6において窓関数w1,…,wNを使用する前に予め決定されてデータテーブルに記憶されているので、窓関数設定回路12に窓関数決定のためのパラメータを設定してからパルス圧縮処理6を行うまでの時間を短くすることができる。
なお、本実施の形態の上記説明では、窓関数をパルス圧縮回路6に設定するためのパラメータを窓関数制御回路30において設定しているが、パラメータに対応して窓関数をパルス圧縮回路6に設定できればよく、本実施の形態の構成に限定されない。
例えば、(1)上記パラメータ、または(2)パラメータに対応した窓関数の識別情報、を外部から入力するように装置を構成してもよい。
実施の形態8.
以下に、本発明の実施の形態8について図20を用いて説明する。
なお、上記各実施の形態と同一または同様な動作については、その説明を省略する場合がある。
図20は、本発明の実施の形態8における、レーダ装置の内部構成の例の概略を示す図である。
図において、201はCPU(Central Processing Unit)、202は入力インターフェース、203は制御用インターフェース、204はバス(Bus)、205はRAM(Random Access Memory)、206はROM(Read Only Memory)、207は出力インターフェース、208は表示回路を示す。
なお、図示しない機能または構成要素を含む広義のレーダ装置100を各種定義することも可能である。 例えば、(1)電源機能、(2)各種演算機能、(3)通信機能、(4)各種インターフェース機能、(5)各種アプリケーション処理機能、(6)表示制御機能、の中の1つ以上を含む装置を定義することが可能である。 また、図中の構成要素の一部を用いてレーダ装置の内部構成の一部(例えば窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)の概要を示す図としてみることもできる。
CPU201は、各種処理、例えば(1)制御処理、(2)演算処理、(3)決定処理のうち1つ以上を行なう。
入力インターフェース202は、レーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)の外部から、例えば(1)信号、(2)情報、(3)プログラムのうち少なくとも1つ以上を入力する。
制御用インターフェース203は、レーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)の外部、たとえばレーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置、レーダ装置)のユーザ、との間で各種制御情報をやり取りする。
バス204は、図に示したブロックの間を接続し、各種信号、データ、情報のうちの1つ以上のやり取りに用いられる。 なお、バス204の接続関係は図に示した接続関係に限定されず、レーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)の実装形態によって異なってよい。
RAM205及びROM206は、レーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)の動作において記憶することが必要な、例えば(1)各種信号データ、(2)各種情報、(3)処理中の一時的なデータ、(4)レーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)として機能させためのプログラム、のうちの1つ以上を記憶する。
出力インターフェース207は、レーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)の外部へ、例えば(1)各種処理結果、(2)各種処理途中の情報等、(3)外部の機器へ制御信号、のうちの1つ以上を出力する。
表示回路208は、レーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)における各種処理結果を表示する。 なお、表示用の制御回路のみを有し、表示は公知または新規の汎用外部表示装置(いわゆるモニタディスプレー)の画面に表示させるようにレーダ装置100(または窓関数決定装置、パルス圧縮装置、レーダ信号解析装置)を構成してもよい。
本実施の形態においては、図20に示した構成要素と、上記各実施の形態の図に示したいずれか1つまたは複数の構成要素と、を対応させることができる。
例えば、主にCPU201、RAM205、ROM206を、上記各種窓関数設定回路、パルス圧縮回路6、目標検出回路7の少なくとも1つに対応させることができる。
また、例えば、主にCPU201、RAM205、表示回路208を、目標検出回路7に対応させることができる。
例えば、主にRAM205を、各種データテーブル18、19に対応させることができる。
また、例えば、主にRAM205またはROM206を、プログラムを記憶する媒体に対応させることができる。
また、例えば、主に制御インターフェース203を、各種窓関数設定回路のパラメータ設定回路、または、窓関数制御回路30に対応させることができる。
また、例えば、主に入力インターフェース202を、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5に対応させることができる。
また、例えば、主に出力インターフェース207を、送信機1、送信アンテナ2、A/D変換器5に対応させることができる。
以上のように、本実施の形態の窓関数決定装置およびレーダ装置によれば、対応させる上記実施の形態に応じて、対応させた実施の形態に記載した効果と同じ効果または同様な効果を奏する。
なお、本実施の形態の上記説明においては単に「CPU」と記載しているが、各種実装形態が選択可能であり、決定処理に代表される各種処理を実現可能であればよく、例えば、(1)マイクロプロセッサ(Microprocessor)、(2)FPGA(Field Programmable Gate Array)、(3)ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、(4)DSP(Digital Signal Processor)に代表されるPLD(Programmable Logic Device)のいずれか1つ、または複数の選択肢の組合せであってもよい。 また、汎用品を用いても、専用品を用いても、両者を組み合わせて構成してもよい。
また、図においてCPU201は1つのみ記載しているが、各種実装形態が選択可能であり、例えば、(1)複数のCPUを有して、複数の処理機能、例えば各種制御処理と画像データ演算処理、を異なるCPUで処理をする、(2)複数のCPUが連携して1つの処理をする、ように構成してもよい。 その他の構成要素についても同様である。
また、各種の処理の実装形態としては、(1)アナログ処理、(2)ディジタル処理、(3)両者の混在処理、のいずれであってもよい。さらに、(1)ハードウェアによる実装、(2)ソフトウェア(プログラム)による実装、(3)両者の混在による実装、などが可能である。
また、上記説明においては単に「RAM」と記載しているが、データを揮発的に記憶保持可能なものであればよく、例えば、(1)SRAM(Static RAM)、(2)DRAM(Dynamic RAM)、(3)SDRAM(Synchronous DRAM)、(4)DDR−SDRAM(Double Data Rate SDRAM)、(5)HDD(Hard Disk Drive)、(6)SSD(Solid State Device)であってもよい。また、その数も1つに限定されない。
また、RAM205は、(1)ハードウェアによる実装、(2)ソフトウェアによる実装、(3)両者の混在による実装、などが選択可能である。
また、上記説明においては単に「ROM」と記載しているが、データを記憶保持可能なものであればよく、例えば、(1)EPROM(Electrical Programmable ROM)、(2)EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、であってもよい。また、ハードウェアによる実装、ソフトウェアによる実装、両者の混在による実装、などが可能である。
また、図のその他の各構成要素についても、(1)ハードウェアによる実装、(2)ソフトウェアによる実装、(3)両者の混在による実装、などが選択可能である。
また、バス204によって運ばれる信号および情報の内容は、各装置の内部構成の分割の仕方によって変わることがあり、その場合、信号および情報が、(1)明示的に実装されるか否か、また(2)明示的に規定される情報か否か、といった情報の属性が異なってもよい。
また、上記各実施の形態の図において実線及び矢印でやり取りされる情報等の内容は、各装置の内部構成の分割の仕方によってその属性が変わることがあり、その場合、(1)明示的に実装されるものか黙示的に実装されるものか、また、(2)明示的に規定されるものか否か、といった属性が異なってもよい。また、上記各実施の形態に記載した以外の情報等を含んでいてもよい。
また、各実施の形態において説明した各種処理は、(1)実質的に等価(または相当する)処理(または動作)に変形して実装する、(2)実質的に等価な複数の処理に分割して実装する、(3)複数のブロックに共通する処理はそれらを含むブロックの処理として実装する、(4)あるブロックがまとめて実装する、など本発明の課題及び効果の範囲で各種変形が可能である。
また、上記各実施の形態における装置の構成、機能および処理の分割のしかたは一例であり、装置の実装においては、等価な機能を実現できればよく各本実施の形態に限定されない。