実施形態の通信網利用者情報提供システムは、通信網利用者情報提供サーバと、構内交換機と、インターネット上プッシュ通知サーバと、移動体通信網に接続される社員スマートフォンと、移動体通信網に接続される顧客スマートフォンまたは固定通信網に接続される顧客固定電話機と、を備える。通信網利用者情報提供サーバは、構内交換機に接続される顧客情報データベースサーバとインターネットに接続されるウエブ用電話帳サーバと、を具備する。
ウエブ用電話帳サーバと接続され相互に情報を伝達する顧客情報データベースサーバは、電話番号に関係づけられた顧客または社員の情報を顧客情報として記憶する。
社員スマートフォンの一つである着信先社員スマートフォンはウエブ用電話帳サーバに対してスマートフォン識別情報を送出してログインすることを求め、ウエブ用電話帳サーバはスマートフォン識別情報を認証した後に着信先社員スマートフォンのログインを許可する。
顧客情報データベースサーバはウエブ用電話帳サーバから送出されるスマートフォン識別情報を着信先社員スマートフォンの顧客情報と関連づけて記憶し、発信元である顧客固定電話機若しくは顧客スマートフォンまたは社員スマートフォンの他の一つである発信元社員スマートフォンは、構内交換機に対して着信先である着信先社員スマートフォンと接続することを依頼し、顧客情報データベースサーバは構内交換機の求めに応じて、発信元である顧客固定電話機若しくは顧客スマートフォンまたは発信元社員スマートフォンの顧客情報および着信先社員スマートフォンの顧客情報を検索する。
また、顧客情報データベースサーバはウエブ用電話帳サーバを介してインターネット上プッシュ通知サーバに対して検索した顧客情報の少なくとも一部および構内交換機の電話番号を選別顧客情報として送出する。
インターネット上プッシュ通知サーバは着信先社員スマートフォンに対して選別顧客情報のプッシュ通知をする。
着信先社員スマートフォンは選別顧客情報に含まれる発信元の情報を画面表示し、選別顧客情報を着信先社員スマートフォンの内部から消去し、着信先社員スマートフォンは選別顧客情報に含まれる構内交換機の電話番号を用いて構内交換機を介した発信元との接続を構内交換機に対して依頼する。構内交換機は着信先と発信元とを接続する。
実施形態の通信網利用者情報提供サーバは、構内交換機に接続される顧客情報データベースサーバとインターネットに接続されるウエブ用電話帳サーバと、を備える。
ウエブ用電話帳サーバと接続され相互に情報を伝達する顧客情報データベースサーバは、電話番号に関係づけられた顧客または社員の情報を顧客情報として記憶する。
ウエブ用電話帳サーバは、スマートフォン識別情報を送出してログインすることを求める社員スマートフォンの一つである着信先社員スマートフォンに対してスマートフォン識別情報を認証してログインを許可する。
顧客情報データベースサーバは、ウエブ用電話帳サーバから送出されるスマートフォン識別情報を着信先社員スマートフォンの顧客情報と関連づけて記憶し、顧客情報データベースサーバは構内交換機の求めに応じて、発信元である顧客固定電話機若しくは顧客スマートフォンまたは発信元社員スマートフォンの顧客情報および着信先社員スマートフォンの顧客情報を検索する。
顧客情報データベースサーバは、インターネット上プッシュ通知サーバが着信先社員スマートフォンに対してプッシュ通知をするために、ウエブ用電話帳サーバを介してインターネット上プッシュ通知サーバに対して検索した顧客情報の少なくとも一部および構内交換機電話番号を選別顧客情報として送出する。
実施形態の通信網利用者情報提供サーバ用プログラムは、構内交換機に接続される顧客情報データベースサーバとインターネットに接続されるウエブ用電話帳サーバとの中央演算装置において以下の処理を実行させるプログラムである。
ウエブ用電話帳サーバと接続され相互に情報を伝達する顧客情報データベースサーバの中央演算装置に、電話番号に関係づけられた顧客または社員の情報を顧客情報として記憶せる顧客情報記憶処理を実行させる。
ウエブ用電話帳サーバの中央演算装置に、スマートフォン識別情報を送出してログインすることを求める社員スマートフォンの一つである着信先社員スマートフォンに対してスマートフォン識別情報を認証してログインを許可し、顧客情報データベースサーバの中央演算装置に、ウエブ用電話帳サーバから送出されるスマートフォン識別情報を着信先社員スマートフォンの顧客情報と関連づけて記憶させるログイン処理を実行させる。
顧客情報データベースサーバの中央演算装置に、構内交換機の求めに応じて、発信元である顧客固定電話機若しくは顧客スマートフォンまたは発信元社員スマートフォンの顧客情報および着信先社員スマートフォンの顧客情報を検索させる顧客情報検索処理を実行させる。
顧客情報データベースサーバの中央演算装置に、インターネット上プッシュ通知サーバが着信先社員スマートフォンに対してプッシュ通知をするために、ウエブ用電話帳サーバを介してインターネット上プッシュ通知サーバに対して検索した顧客情報の少なくとも一部および構内交換機電話番号を選別顧客情報として送出させる顧客情報送出処理を実行させる。
実施形態の通信網利用者情報提供方法は、構内交換機と、構内交換機に接続される顧客情報データベースサーバとインターネットに接続されるウエブ用電話帳サーバとを有する通信網利用者情報提供サーバと、インターネット上プッシュ通知サーバと、社員スマートフォンと、顧客スマートフォンまたは顧客電話機と、を備える通信網利用者情報提供システムにおける通信網利用者情報提供方法であり。以下の処理を有する。
顧客情報データベースサーバが電話番号に関係づけられた顧客または社員の情報を顧客情報として記憶する顧客情報記憶処理を有する。
社員スマートフォンの一つである着信先社員スマートフォンがウエブ用電話帳サーバに対してスマートフォン識別情報を送出してログインすることを求め、ウエブ用電話帳サーバがスマートフォン識別情報を認証した後に着信先社員スマートフォンのログインを許可し、顧客情報データベースサーバがウエブ用電話帳サーバから送出されるスマートフォン識別情報を着信先社員スマートフォンの顧客情報と関連づけて記憶するログイン処理を有する。
発信元である顧客固定電話機若しくは顧客スマートフォンまたは社員スマートフォンの他の一つである発信元社員スマートフォンが構内交換機に対して着信先である着信先社員スマートフォンと接続することを依頼する社員スマートフォン接続依頼処理を有する。
顧客情報データベースサーバが構内交換機の求めに応じて、発信元である顧客固定電話機若しくは顧客スマートフォンまたは発信元社員スマートフォンの顧客情報および着信先社員スマートフォンの顧客情報を検索する顧客情報検索処理を有する。
顧客情報データベースサーバがウエブ用電話帳サーバを介してインターネット上プッシュ通知サーバに対して検索した顧客情報の少なくとも一部および構内交換機の電話番号を選別顧客情報として送出する顧客情報送出処理を有する。
インターネット上プッシュ通知サーバが着信先社員スマートフォンに対して選別顧客情報のプッシュ通知をするプッシュ通知処理を有する。
着信先社員スマートフォンが選別顧客情報に含まれる発信元の情報を画面表示し、選別顧客情報を着信先社員スマートフォンの内部から消去する発信元情報表示処理を有する。
着信先社員スマートフォンが選別顧客情報に含まれる構内交換機の電話番号を用いて構内交換機を介した発信元との接続を構内交換機に対して依頼する発信元接続依頼処理と、構内交換機が着信先と発信元とを接続する発信元着信先接続処理を有する。
ここで、社員スマートフォンとは社員が使用するスマートフォンである。社員とは通信網利用者情報を所有し利用する権利者(通信網利用者情報権利者)である自然人、法人の関係者、例えば、企業の役員、企業の社員含むものである。顧客スマートフォンとは顧客が使用するスマートフォンである。顧客とは通信網利用者情報権利者の取引関係者、例えば、納品業者、顧客を含むものである。顧客固定電話機とは顧客が使用する固定電話機である。顧客情報とは社員および顧客の情報であって、固定通信網、移動対通信網、氏名、職場等に係る情報であり、発信元であるか着信先であるかに関係しない。発信元社員スマートフォンとは、発信元の社員スマートフォンであり、発信元とは呼出す側である。着信先社員スマートフォンとは、着信先の社員スマートフォンであり、着信先とは呼出される側である。
図を参照して、実施形態について以下に説明をする。
「通信網利用者情報提供システムの構成について」
図1は、通信網利用者情報提供システムの一実施形態の構成の概念図である。
図1に示す通信網利用者情報提供システム1は、通信網利用者情報提供サーバ10と構内交換機(PBX: Private Branch Exchanger)20とインターネット上プッシュ通知サーバ30とインターネット40と固定通信網50と移動体通信網60と固定電話機51とスマートフォン61とスマートフォン62とスマートフォン63を備える。
ここで、スマートフォンとは、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)に通話、通信機能を付加した装置の総称をいい、多機能携帯電話とも称される端末装置である。
通信網利用者情報提供サーバ10は、顧客情報データベースサーバ11とウエブ(WEB)用電話帳サーバ12とを有する。顧客情報データベースサーバ11は、構内交換機20に接続される。また、顧客情報データベースサーバ11は、ウエブ用電話帳サーバ12と接続される。ウエブ用電話帳サーバ12はインターネット40に接続される。
通信網利用者情報提供サーバ10は、通信網利用者情報提供サーバ構築者によって構築される。通信網利用者情報提供サーバ構築者は、通信網利用者情報提供サーバ10の使用を予め契約を結んだ契約者である通信網利用者情報権利者に解放し、通信網利用者情報権利者から通信網利用者情報提供サーバ10の使用に対する対価を得る。通信網利用者情報提供サーバ10は、通信網利用者情報権利者の管理下にある構内交換機20からの要求によって後述する通信網利用者情報をインターネット40および移動体通信網60を介してスマートフォン62、スマートフォン63に提供する。
顧客情報データベースサーバ11とウエブ用電話帳サーバ12との各々は、図示しない中央演算装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、リードオンリーメモリ(ROM:Read Only Memory)、記憶内容を書き換え可能な不揮発性メモリ(Non-volatile memory)、ハードディスクドライブ(HDD: Hard disk drive)、インターフェイスを有している。そして、リードオンリーメモリまたはハードディスクドライブに格納される通信網利用者情報提供サーバ用プログラムをランダムアクセスメモリにロードして中央演算装置が実行することによって通信網利用者情報提供サーバとして機能する。顧客情報データベースサーバ11とウエブ用電話帳サーバ12とは、一体化して中央演算装置、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、可能な不揮発性メモリ、ハードディスクドライブを共通にするものとしても良い。しかしながら、本実施形態においては、顧客情報データベースサーバ11は構内交換機20が頻繁にアクセスをするものであるところから、顧客情報データベースサーバ11とウエブ用電話帳サーバ12との機能を認証機能とデータベース機能に分けてセキュリティを強化している。
通信網利用者情報提供サーバ構築者は、通信網利用者情報提供サーバ10(ハードウエア)と通信網利用者情報提供サーバ用プログラム(ソフトウエア)の両方を提供する者であってもよく、通信網利用者情報提供サーバ10のみを提供するものであってもよく、通信網利用者情報提供サーバ用プログラムのみを提供するものであってもよい。
通信網利用者情報提供サーバ構築者は、通信網利用者情報を顧客情報データベースサーバ11とウエブ用電話帳サーバ12において取扱うが、通信網利用者情報自体の利用をする権利は、通信網利用者情報権利者が有する。通信網利用者情報権利者は、自然人または法人であり、法人には、株式会社、有限会社等の企業、公的機関等の組織が含まれる。
構内交換機20は、例えば、通信網利用者情報権利者である企業の本社、営業所等に配され、通信網利用者情報権利者によって管理される。また、構内交換機20は、複数の通信網利用者情報権利者によって共用されるものであってもよい。以下の説明においては、通信網利用者情報権利者と構内交換機20の管理者とが同一の者であるとして説明をする。
構内交換機20は、有線方式の固定通信網50を介して固定電話機51と接続される。また、構内交換機20は無線方式の移動体通信網60を介してスマートフォン61、スマートフォン62、スマートフォン63と接続される。固定電話機51は、固定通信網50の利用者の所有する固定電話機の代表例であり、スマートフォン61、スマートフォン62、スマートフォン63は、移動体通信網60の利用者の所有するスマートフォンの代表例である。また、固定通信網50と移動体通信網60は、固定通信網50の基地局と移動体通信網60の基地局を介して相互に通信が可能となるように有線または無線で接続される。
説明を簡易にするために、一例として、固定電話機51、スマートフォン61は、通信網利用者情報を所有し利用する権利者(通信網利用者情報権利者)の取引関係者、例えば、納品業者、顧客(これらの者を顧客で代表して顧客と称して説明をする)が使用するものであるとする。また、説明を簡易にするために、一例として、スマートフォン62、スマートフォン63は、通信網利用者情報権利者の関係者、例えば、組織の構成員、企業の役員、企業の社員(これらの者を社員で代表して社員等顧客と称して説明をする)が使用するものであるとする。スマートフォン62、スマートフォン63は、社員が企業から貸与され携帯するスマートフォンであるのみならず、企業に予め届出て承認を受けて企業の業務使用にも用いるだけでなく私用にも用いる社員の自己所有のスマートフォンであってもよい。
インターネット上プッシュ通知サーバ30は、スマートフォン62またはスマートフォン63のオペレーティングシステム(OS)に対して一方的な通知(プッシュ通知)を送るサービス(プッシュ通知サービス)をするためのサーバである。プッシュ通知サービスは、例えば、スマートフォンのオペレーティングシステムがiOS(アイオーエス:登録商標)の場合はAPNS(Apple Notification Service)と称される。また、プッシュ通知サービスは、スマートフォンのオペレーティングシステムがAndroid(アンドロイド:登録商標)の場合はGCM(Google Cloud Messaging for Android)と称される。インターネット上プッシュ通知サーバ30は、オペレーティングシステムがiOSの場合には、その開発者であるApple(登録商標)社が管理するサーバであり、オペレーティングシステムがAndroidの場合には、Android社の開発を引き継いだGoogle(登録商標)社が管理するサーバである。
インターネット上プッシュ通知サーバ30は、社員のスマートフォン62または社員のスマートフォン63のオペレーティングシステムにプッシュ通知を送り、スマートフォンのアプリ画面に表示の動作をさせる。
インターネット40は、インターネットプロトコル技術を利用してコンピュータ、サーバの相互接続を図る公知のコンピュータネットワークである。
固定通信網50は、当該通信網に有線方式によって接続される端末を固定電話機51で代表される固定電話機とする通信網である。移動体通信網60は、当該通信網に無線方式によって接続される端末をスマートフォン61ないしスマートフォン63で代表されるスマートフォンとする通信網である。
パーソナルコンピュータ(PC)71は、インターネット40および移動体通信網60、または、インターネット40および固定通信網50に接続されるコンピュータである。パーソナルコンピュータ71は、構内交換機20を管理する企業の社員がスマートフォン62、スマートフォン63に替えて用いるものである。パーソナルコンピュータ71は、移動体通信網60、または、固定通信網50を介してスマートフォン62、スマートフォン63と同様にデータおよび音響を送受信することができる。
構内交換機20と顧客情報データベースサーバ11との間は、大容量の専用回線で接続することが望ましいが、固定通信網50で接続してもよく、移動体通信網60で接続するようにしてもよい。
「通信網利用者情報提供システムの動作について」
(発信元である顧客の電話機を着信先である社員のスマートフォンに接続する場合の動作について)
図2は、通信網利用者情報提供システムにおいて、顧客の固定電話機または顧客のスマートフォンを社員のスマートフォン(社員スマートフォン)に接続する場合の一実施形態の動作の概念図である。
図2は、通信網利用者情報提供システム1の各構成部の間における情報の流れに注目する処理を示す。図2の上部の横一列の四角形は各構成部を示し、各構成部の間の矢印線の矢印の向きは情報が伝達される方向を示す。各々の矢印線の下部に付されたステップ(ST1)ないしステップ(ST12)の符号は情報の流れの方向と情報の内容を特定するための符号である。各々の矢印線の上部にステップ(ST1)ないしステップ(ST12)の処理の内容を記載する。
図3は、顧客情報データベースサーバに記憶される顧客情報データベースの概念図である。
図2に示すステップ(ST1)ないしステップ(ST12)に沿って通信網利用者情報提供システム1の動作について説明するに先立ち、図3を参照して、顧客情報データベースサーバ11に記憶される顧客情報データベースについて説明をする。
図3に示す顧客情報データベースは、顧客情報データベースサーバ11の不揮発性メモリ、または、ハードディスクドライブの所定の記録領域に形成される。例えば、64ビットのアドレスで指定される一つの記憶領域には、最下位ビット(LSB:least significant bit)から最上位ビット(MSB:most significant bit)までを適宜のビット数毎に分割して、組織名、部門名、氏名、固定通信網電話番号、移動体通信網電話番号、スマートフォン識別情報、スマートフォンのログイン情報(以下では単にログイン情報と省略する)の各情報の記憶領域が配される。
例えば、顧客情報データベースの一部である図3に示すアドレスX300、アドレスX301、アドレスX302、アドレスX3F3(Xは、適宜に選択する任意の16進数)には、通信網利用者情報権利者であるA社の社員等に関するデータが記憶される。アドレスX300には組織名(A株式会社)と部門名(代表電話)と固定通信網電話番号(XX-XXX-1111:Xは、適宜に選択する任意の10進数)とが記憶される。アドレスX301には組織名(A株式会社)と部門名(営業1部1課)と固定通信網電話番号(XX-XXX-1200)とが記憶される。アドレスX302には組織名(A株式会社)と部門名(営業1部1課)と氏名(山田一郎)と移動体通信網電話番号(XXX-XXXX-5678)とスマートフォン識別情報(221235674321)とログイン情報(ログイン)とが記憶される。
また、例えば、アドレスX493、アドレスX494、アドレスX3495には、通信網利用者情報権利者の顧客等に関するデータが記憶される。アドレスX493には組織名(B株式会社)と部門名(資材部2課)と氏名(上田三郎)と固定通信網電話番号(XX-XXX-3586)とが記憶される。アドレスX494には組織名(C公団)と部門名(企画部)と氏名(上川四郎)と固定通信網電話番号(XX-XXX-8386)と移動体通信網電話番号(XX-XXXX-3589)とが記憶される。アドレスX495には氏名(下山五郎)と移動体通信網電話番号(XXX-XXXX-9216)とが記憶される。
顧客情報データベースに示す固定通信網電話番号を有する固定電話機が発信元である場合には、当該固定通信網電話番号が記載された行と同一行に記載の情報が発信元情報として取り扱われる。一方、顧客情報データベースに示す固定通信網電話番号を有する固定電話機が着信先である場合には、当該固定通信網電話番号が記載された行と同一行に記載の情報が着信先情報として取り扱われる。同様に、顧客情報データベースに示す移動体通信網電話番号を有するスマートフォンが発信元である場合には、当該移動体通信網電話番号が記載された行と同一行に記載の情報が発信元情報として取り扱われ、一方、顧客情報データベースに示す移動体通信網電話番号を有するスマートフォンが着信先である場合には、当該移動体通信網電話番号が記載された行と同一行に記載の情報が着信先情報として取り扱われる。
顧客情報データベースサーバ11に記憶される組織名、部門名、氏名、固定通信網電話番号、移動体通信網電話番号、スマートフォン識別情報については、構内交換機20を管理する通信網利用者情報権利者が、それらの情報の登録、変更、削除の権利を有している。すなわち、通信網利用者情報権利者のみが、顧客情報データベースサーバ11に記憶される組織名、部門名、氏名、固定通信網電話番号、移動体通信網電話番号、スマートフォン識別情報を登録、変更、削除する権限を有している。
顧客情報データベースサーバ11に記憶されるログイン情報については、ウエブ用電話帳サーバ12のみが登録、変更する権限を有している。すなわち、ウエブ用電話帳サーバ12のみが予め顧客情報データベースサーバ11に登録されたスマートフォン識別情報を有するスマートフォンがログインしているかログアウトしているかを認証して、顧客情報データベースサーバ11に登録し、変更する権限を有している。
通信網利用者情報権利者の許可の下で、構内交換機20およびウエブ用電話帳サーバ12は、顧客情報データベースサーバ11に記憶されるすべての情報を共用することができる。共用の方法としては、構内交換機20とウエブ用電話帳サーバ12とが顧客情報データベースサーバ11に記憶されるすべての情報を読み出せる様にしてもよく、構内交換機20とウエブ用電話帳サーバ12とが、顧客情報データベースサーバ11と同じ内容の顧客情報データベースを有するようにしてもよい。以下においては、構内交換機20とウエブ用電話帳サーバ12は、顧客情報データベースを有せず、顧客情報データベースサーバ11に記憶されるすべての情報を読み出せるものであるとして説明をする。
図2に戻り、ステップ(ST1)について説明をする。
ステップ(ST1)において、例えば、スマートフォン62のオペレーティングシステム(OS)は、スマートフォン識別情報をウエブ用電話帳サーバ12(図2中においては、サーバ12と省略する場合もある。)に送る。ここで、スマートフォン識別情報は、スマートフォンのオペレーティングシステム開発者が管理するものであり、他のスマートフォンと区別するための個々のスマートフォンの有する唯一固有の識別情報である。通信網利用者情報権利者は、通信網利用者情報提供システム1において自己が管理するスマートフォンのスマートフォン識別情報をスマートフォンのオペレーティングシステム開発者から得ることができる。
ウエブ用電話帳サーバ12は、スマートフォン62のスマートフォン識別情報によって、スマートフォン62が、ウエブ用電話帳サーバ12に予め登録されているスマートフォンであることを認証する。それとともに、スマートフォン62が、通信網利用者情報提供システム1にログインしていることを知ることができる。すなわち、スマートフォン識別情報は、スマートフォン62が通信網利用者情報提供システム1にログインしていることを示すログイン情報としての機能を有する。同様にして、ウエブ用電話帳サーバ12は、通信網利用者情報権利者が管理する、スマートフォン63および他のスマートフォンがウエブ用電話帳サーバ12に予め登録されているスマートフォンであることを認証する。
ステップ(ST2)において、ウエブ用電話帳サーバ12は、ログイン情報を顧客情報データベースサーバ11に送る。そして、顧客情報データベースサーバ11は、通信網利用者情報権利者が管理する、すべてのスマートフォンについて、ログインであるかログアウトであるかを記憶することとなる。スマートフォンがログインしている場合には構内交換機20を介し発信元との間における通信が可能である。一方、スマートフォンがログアウトしている場合には構内交換機20を介したこれらの発信元との間における通信は可能ではない。よって、顧客情報データベースサーバ11に記憶される移動体通信網電話番号に関係づけられたログイン情報を検索することによって、当該移動体通信網電話番号を有するスマートフォンが通信可能か否かを容易に判別できる。
このようにして、通信網利用者情報提供サーバ10のウエブ用電話帳サーバ12は、例えば、スマートフォン62が、通信網利用者情報権利者が管理する予め登録されたものであることを認証し、ログイン情報を送出する。通信網利用者情報提供サーバ10の顧客情報データベースサーバ11は、ログイン情報をデータベースの一つとして記憶する。ログイン情報は、通信可能な端末であるか否かの検出に用いられる。このように、ステップ(ST1)、ステップ(ST2)において、通信網利用者情報提供サーバ10のウエブ用電話帳サーバ12および顧客情報データベースサーバ11がログイン情報を受け取ることによって、スマートフォン62は、通信網利用者情報提供システム1を構成するものとして認証される。すなわち、スマートフォン62は、通信網利用者情報提供システム1にログインするものとなり、通信可能な端末となる。
上述した、ステップ(ST1)、ステップ(ST2)は、通信網利用者情報提供システム1を活用するための準備段階である。以下に、この準備段階が終了してからの情報の流れを順に説明する。
ステップ(ST3)において、発信元である顧客の固定電話機51、スマートフォン61ないしスマートフォン63は、構内交換機20と接続され、構内交換機20に着信先との接続を要求する。具体的には、発信元である固定電話機51、スマートフォン61ないしスマートフォン63は、社員が所属する部門の電話番号、または、社員毎に割り当てられた電話番号を着信先番号として発信する。
ステップ(ST4)において、構内交換機20は、発信元である固定電話機51、スマートフォン61ないしスマートフォン63に対して着信先を呼び出していることを認識させる呼出音を送出し発信元にそのまま待機することを促す。発信元に対して呼出音を送出する動作は、以下のステップ(ST5)ないしステップ(ST11)に示す処理が終了するまで継続する。ステップ(ST5)ないしステップ(ST11)に示す処理が終了するまでの時間は、例えば、10秒程度である。
なお、ステップ(ST4)の処理は、固定電話機51、スマートフォン61ないしスマートフォン63が代表電話番号を着信先番号として発信する場合には異なるので、この場合については後述する。
また、着信先番号が構内交換機20の管理する固定電話番号である場合には、固定電話機から発信元情報が漏洩する危険はないので、構内交換機20は、発信元である固定電話機51、スマートフォン61ないしスマートフォン63と当該固定電話機を接続して交換の処理を終了する。よって、次のステップ(ST5)以降の処理は、着信番号が移動体通信網電話番号である場合だけに行う処理である。
ステップ(ST5)において、構内交換機20は、顧客情報データベースサーバ11に対して発信元番号/着信先番号を送出する。ここで、発信元番号は、直接に構内交換機20と接続される固定電話機51、スマートフォン61ないしスマートフォン63の電話番号であり、発信元番号をこれら以外の電話番号に改竄することは我が国の通信法によって禁止されている。
顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、発信元番号に基づき発信元情報を検出する。
また、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、着信先のスマートフォン(例えば、スマートフォン62)の着信先番号に関係付けられたログイン情報を検索してログインであることを確認する。
さらに、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、着信先のスマートフォン62のスマートフォン識別情報を検索する。
なお、図2には、図示しないが、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、着信先のスマートフォン(例えば、スマートフォン62)の着信先番号に関係付けられたログイン情報を検索してログアウトであることを確認した場合には、構内交換機20に対してそれを知らせる。構内交換機20は、発信元に対する呼出音の送出を中止して、音声メッセージによって着信先のスマートフォンに現在は接続できないことを知らせるか、交換手と発信元とを接続する。交換手は、発信元に現在は接続できないことを知らせ、発信元の次の要望を聞く。
ステップ(ST6)において、顧客情報データベースサーバ11は、ウエブ用電話帳サーバ12に対して、着信先のスマートフォン識別情報(図2では、スマートフォン62のスマートフォン識別情報)/発信元番号/発信元情報/PBX発信元番号を送出する。
ステップ(ST7)において、ウエブ用電話帳サーバ12の中央演算装置は、以下の(1)ないし(4)の情報をインターネット上プッシュ通知サーバ30に対して送出する。
(1) 着信先のスマートフォン識別情報
(2) 発信元番号(例えば、固定電話機51またはスマートフォン61の電話番号)
(3) 発信元情報(固定電話機51またはスマートフォン61の電話番号に対応する顧客情報)
(4) PBX発信番号
ステップ(ST8)において、インターネット上プッシュ通知サーバ30は、プッシュ通知によってスマートフォン識別情報が特定するするスマートフォン62に対して、(2)発信元番号、(3)発信元情報、(4)PBX発信番号、を送出する。ここで、PBX発信元番号とは、構内交換機20が有する電話番号である。
上述したように、我が国の通信法は、発信元番号として、直接接続している機器の電話番号を発信元番号として送ることを義務付けている。よって、構内交換機20が発信元とスマートフォン62とを接続している場合には、スマートフォン62は、発信元の電話番号(発信元番号)ではなく、直接接続している機器である構内交換機20の発信元番号のみしか認識できない。そのために、固定通信網50または移動体通信網60ではなく、インターネット40を介して、スマートフォン62に対して、(2)発信元番号と(3)発信元情報とを送っている。
また、インターネット40を介して、スマートフォン62に対して(4)PBX発信元番号を送っている。その理由は以下である。構内交換機20を介してスマートフォン62を固定電話機51またはスマートフォン61に接続しようとしても、着信先であるスマートフォン62がPBX発信元番号を知らなければ、着信先であるスマートフォン62は構内交換機20に発信元との接続を依頼することができない。よって、インターネット40を介して、スマートフォン62に対してPBX発信元番号を送っている。
インターネット40を介してのスマートフォン62に対する情報の送出に際してはインターネット上プッシュ通知サーバ30を用いる。より、具体的には、ウエブ用電話帳サーバ12は、インターネット40およびインターネット上プッシュ通知サーバ30を介してスマートフォン62に対して、(2)発信元番号と(3)発信元情報とを送出している。インターネット上プッシュ通知サーバ30は、着信先のスマートフォン識別情報を知っていれば、一方的にスマートフォン識別情報で特定するスマートフォン(例えば、スマートフォン62)のオペレーティングシステム(OS)に対して、(2)発信元番号、(3)発信元情報、および(4)PBX発信番号をペイロード(Payload)とするプッシュ通知を行うことができる。
インターネット上プッシュ通知サーバ30は、一方的にスマートフォン62に対してプッシュ通知を行うので、スマートフォン62は電力消費が大きい送信モードで動作する必要がない。一方、REQ/ACK方式を採用する場合には、スマートフォン62は、図示しないインターネット上のサーバに対して情報を要求するために電力消費が大きい送信モードで動作することになる。そして、これに対する応答としてインターネット上のサーバがスマートフォン62に情報を発信することとなる。すなわち、プッシュ通知方式においては、スマートフォン62は、送信モードで動作する必要がないので長時間に渡り連続動作をすることができる。
また、プッシュ通知方式を採用する場合には、別の利点がある。スマートフォンのオペレーティングシステム(OS)によっては、電池の放電を抑えてスマートフォンの長時間動作を図るために、所定時間(例えば、7分間)、スマートフォンが操作されない場合に、スリープモードとなる。そして、一旦、スリープモードとなると、インターネット上プッシュ通知サーバ30からのプッシュ通知を受け付けない。すなわち、スマートフォンは所定時間後にログアウトしてしまう。そこで、インターネット上プッシュ通知サーバ30が、所定時間未満の時間(例えば、3分間)毎にペイロードなしのプッシュ通知を送るようにすれば、スマートフォンはログインを維持できる。
ステップ(ST9)において、スマートフォン62のオペレーティングシステム(OS)は、スマートフォンの画面上に以下の(1)、(2)を表示させる。
(1)発信元番号
(構内交換機(PBX)20で取得した固定電話機51またはスマートフォン61の発信元番号)
(2)発信元番号に対応する発信元情報
(顧客情報データベースサーバ11で得られる、構内交換機20が取得した固定電話機51またはスマートフォン61の電話番号に対応する発信元情報)
スマートフォン62の画面上の表示は、元来、スマートフォン62に備わっている電話帳機能をそのまま流用して行う。そのために、一旦、スマートフォン62の電話帳に、発信元番号と発信元番号に対応する発信元情報(発信元情報)とを書き込む。そして、電話帳機能が起動してから所定時間後(例えば、発信元番号と発信元番号に対応する発信元情報とを書き込んでから15秒後)に、この発信元番号と発信元情報とを削除する。このようにして、スマートフォン62の電話帳には、インターネット上プッシュ通知サーバ30が送出した発信元番号と発信元情報とが、スマートフォン62の電話帳に記憶されないようにする。
ステップ(ST10)において、スマートフォン62のオペレーティングシステム(OS)は、移動体通信網60を介して構内交換機(PBX)20に対して接続を要求する。スマートフォン62と構内交換機20との接続が完了した後、スマートフォン62のオペレーティングシステム(OS)は、構内交換機20に対して発信元である固定電話機51またはスマートフォン61に対する呼出音の送出の解除を依頼し、スマートフォン62と固定電話機51またはスマートフォン61とを接続することを依頼する。
なお、ステップ(ST9)とステップ(ST10)の時系列の順序は交換するようにしてもよい。
ステップ(ST11)において、構内交換機(PBX)20は、スマートフォン62と固定電話機51またはスマートフォン61とを接続する。
ステップ(ST12)において、スマートフォン62と固定電話機51またはスマートフォン61との間における通話が成立する。
図示はしないが、固定電話機51またはスマートフォン61が、着信先の代表電話番号を発信した場合の処理について説明をする。
固定電話機51またはスマートフォン61が、着信先の代表電話番号を発信した場合には、構内交換機20を操作する交換手が顧客に対応し、顧客は口頭で着信先情報である社員の氏名、部門名、または、社員の氏名および所属の部門名の着信先情報を告げて当該社員への接続を依頼する。そして、交換手は図示しない端末を操作して顧客情報データベースサーバ11に配される顧客情報データベースを検索して着信先情報に基づいて、着信先情報と一致する電話番号であって、社員の氏名、部門名の順で当該社員に最も近い電話番号を見つけ出して該当する電話に接続する。
図3を参照して説明をすれば、例えば、着信先情報が、「営業1部1課の山田一郎」である場合には、当該社員に最も近い電話の番号は、移動体通信網電話番号XXX-XXXX-5678であるのでログイン情報を検索しログインの場合には接続をする。また、例えば、着信先情報が、「技術2部2課の田中次郎」である場合には、当該社員に最も近い電話の番号は、固定通信網電話番号XX-XXX-1385と移動体通信網電話番号XXX-XXXX-5678であるが、この場合には、固定通信網電話番号XX-XXX-1385を優先して接続し、一定時間応答がない場合には、ログイン情報がログインであることを検索した後に、移動体通信網電話番号XXX-XXXX-5678に接続をする。ログイン情報がログアウトの場合には、現在、連絡が取れないことを顧客に知らせ、顧客からの次の指示を待つ。
構内交換機20が自動応答システムを有する場合には、構内交換機20は音声メッセージを発して顧客に着信先情報を問い、構内交換機20の有する音声認識機能によって着信先情報を得、着信先情報に基づいて上記手順に従って接続する。一方、ログイン情報がログアウトの場合には、現在、連絡が取れないことを音声メッセージによって顧客に知らせ、顧客からの次の指示に従うか、交換手が顧客に対応する。また、氏名と部門名が一致しない場合、該当する氏名または部門名が検索できない場合には、その旨を交換手または音声メッセージが顧客に告げて、顧客からの次の指示を待つ。
ここで、顧客情報データベースサーバ11に記憶される発信元情報、発信元番号、着信先情報および着信先番号は、通信網利用者情報権利者、通信網利用者情報権利者に委任された者(交換手を含む)、によって登録、変更、削除が行われ、これらの者は通信網利用者情報権利者に対して着信先情報および着信先番号を漏洩しない義務を負っている。よって、着信先情報および着信先番号の秘密性は保持される。なお、複数の通信網利用者情報権利者が同一の構内交換機を利用する場合においても、各通信網利用者情報権利者、各通信網利用者情報権利者に委任された者(交換手を含む)が、自己の権限範囲の着信先情報および着信先番号の登録、変更、削除を行うので秘密性は保持される。
発信元が、登録されていない顧客である場合には、発信元番号に対応する発信元情報は、顧客情報データベースサーバ11の顧客情報データベースには記憶されていない。このような場合には、交換手が新しい顧客の会社名等の発信元情報を顧客情報として聞くようにしてもよい。そして、交換手は構内交換機20に接続される端末を操作して顧客情報データベースに発信元番号および発信元情報を記憶させるようにしてもよい。
顧客情報データベースサーバ11の顧客情報データベースに発信元番号および着信先番号が登録されている限り上述したと同様に処理できる。すなわち、上述した技術は、発信元である顧客の固定電話機(例えば、固定電話機51)または顧客のスマートフォン(例えば、スマートフォン61)と着信先である社員のスマートフォン(例えば、スマートフォン62またはスマートフォン63)を接続するのみではなく、発信元が社員のスマートフォン(例えば、スマートフォン63が着信先であり発信元が社員スマートフォン62、または、スマートフォン62が着信先であり発信元が社員スマートフォン63)の場合も上述したと同様に処理できる。さらに、発信元が、図示しない顧客のパーソナルコンピュータ(後述する通信端末および音響端末が付属するもの)である場合も上述したと同様に処理できる。
なお、以下に本実施形態における特徴ある接続態様について説明する。まず、構内交換機20にダイヤルインをする場合について説明をする。ダイヤルインとは、多数の電話をもつ事業所などで,構内交換機20を介して外線から直接個々の電話機を呼び出せる方式である。構内交換機20は、外線からの電話を、その構内交換機20に予め登録された個々の電話機に交換手を通すことなく自動で接続できる。ここで、ダイヤルインする電話機が社員スマートフォンである場合には、ダイヤルインの番号として社員スマートフォンの電話番号を用いると、構内交換機20を介することなく直接、発信元の電話機と社員スマートフォンとが接続してしまう。よって、本実施形態においては、外線の電話機―>構内交換機20―>転送機能付きダイヤルイン固定電話機―>構内交換機20―>転送先の社員スマートフォンという経路で接続している。このようにすれば、ダイヤルイン固定電話機で対応する場合と、ダイヤルイン固定電話機で対応できない場合には社員スマートフォンで対応する場合との2つの対応モードとすることができる。
この場合においても、構内交換機20およびインターネット上プッシュ通信サーバ30の作用は、上述したものと同様であるので、社員スマートフォンにおいて発信元番号および発信元情報を得ることができるとともに。発信元には構内交換機20の電話番号しか知らされない。また、転送機能付きダイヤルイン固定電話機を実際に備えることなく、特定のダイヤルイン固定電話機の番号の場合には常に対応するスマートフォンの電話番号に転送するようにしてもよい。
また、顧客が、口頭で着信先情報である社員の氏名、部門名、または、社員の氏名および所属の部門名の着信先情報を告げて当該社員への接続を依頼した場合において、その顧客の電話番号が、予め、顧客情報データベースサーバ11に登録されていない場合においては、交換手が顧客情報を顧客から聞くことなく、構内交換機20が社員スマートフォン62と発信元である電話機(例えば、固定電話機51、スマートフォン61)とを接続するようにしてもよい。この場合には、ステップ(ST7)においてウエブ用電話帳サーバ12からインターネット上プッシュ通知サーバ30に対して送るべき「発信元番号」は存在するが、「発信元情報」が存在しない。そこで、ウエブ用電話帳サーバ12は、「発信元情報」の内容として「会社経由」を送るようにすることができる。このようにすると、ステップ(ST8)においてインターネット上プッシュ通知サーバ30から社員スマートフォン(例えば、スマートフォン62)に対して「発信元情報」の内容として「会社経由」を送ることができる。また、構内交換機20が、顧客情報データベースサーバ11に登録されていない顧客からの電話を自動的に社員スマートフォンに転送する場合においても、同様に「発信元情報」の内容として「会社経由」を送ることができる。
社員スマートフォン(例えば、スマートフォン62)は、上述したように、スマートフォンの電話帳機能を用いて、発信元番号を表示するとともに、「会社経由」を発信元情報の内容として表示することができる。そして、社員スマートフォンが発信元との通話に応じた直後、または、発信元番号および「会社経由」を所定の短時間だけ表示した後に、社員スマートフォンの内部の電話帳に記録されたこの発信元番号および「会社経由」を消去する。
社員スマートフォンを携帯する社員は、「会社経由」であれば、発信元が顧客であることを知り得るので、最初の対応において、自分の会社における所属と氏名を名乗って円滑にビジネス上の通話を開始することができる。特に、私用の用途と社用の用途とを一台の携帯電話で兼ねている場合には、「会社経由」の発信元情報は非常に有用なものである。
(発信元である社員のスマートフォンから着信先である他の社員のスマートフォンまたは顧客の電話機または顧客のスマートフォンに接続する場合の動作について)
スマートフォン62の電話帳には、上述したように仕事関係者に関する情報の一部または全部が存在しない。ここで、仕事関係者の電話帳を保持すること自体が秘密の漏洩の観点より問題となるから、仕事関係者の電話帳に関する手書きメモ帳、仕事関係者の電話帳に関するPDA等の電子的なメモ帳を保持することも適切ではない。よって、着信先の顧客の固定電話機または顧客のスマートフォンに電話をする場合は、自分が所属する部門または代表電話に連絡して、その都度、着信先の電話番号を教えてもらうこととなる。しかしながら、このような手段は、ビジネス効率が悪い。そこで、効率よくスマートフォン62から顧客の電話機(例えば、固定電話機51またはスマートフォン61)に接続する技術が望まれる。
図4は、通信網利用者情報提供システムにおいて、社員のスマートフォンを顧客の電話機に接続する場合の一実施形態の動作の概念図である。
図4は、図2と同様に通信網利用者情報提供システム1の各構成部の間における情報の流れに注目する処理を示す。
図4と図2との異なる点を中心に説明し、同様の処理をする部分については説明の一部を省略する。図4における、ステップ(ST1)、ステップ(ST2)の各処理の内容は、図2におけるものとで同様である。図4における、ステップ(ST6')ないしステップ(ST8')の各処理の内容は、図2におけるものと処理自体は同様であるが、処理する情報の内容が異なる。
また、社員のスマートフォン62を顧客の電話機51に接続する場合の処理においては、社員のスマートフォン62が発信元であるので、着信先の電話番号を探し出さなければ通話は成立しない。よって、着信先の電話番号を探し出す処理が追加されることになる。着信先の電話番号を探し出した後の処理は、図2を参照して既に説明した構内交換機20を介した着信先との接続の処理と同様である。
さらに、図4に示す、社員のスマートフォン62を顧客の電話機51に接続する場合のみならず、社員のスマートフォン(例えば、スマートフォン62)が発信元スマートフォンとなり、他の社員のスマートフォン(例えば、スマートフォン63)が着信先スマートフォンとなる場合、または、社員のスマートフォン(例えば、スマートフォン62)が発信元スマートフォンとなり、顧客のスマートフォン(例えば、スマートフォン61)が着信先スマートフォンとなる場合の通話については、図2に示す処理の一部と図4に示す処理の一部とを組み合わせることによって通話が可能となる。
図4に示すステップ(ST3−1)において、スマートフォン62のオペレーティングシステム(OS)は、各種アイコンを表示させる(図6(2)を参照)。なお、スマートフォン62を拾った者または窃盗した者が、通信網利用者情報提供システムを用いた電話番号の検索の機能を利用することによる顧客情報データベースに配される情報の流出を防ぐために、各種アイコンを表示させるに際しては以下のようにしてもよい。スマートフォン62の電話番号の検索の機能を利用するに際してログインIDとパスワードの入力を要求するようにしてもよい(図6(1)を参照)。ログインIDおよびパスワードが、予め設定するログインIDおよびパスワードと一致しない場合には、通信先の電話番号を検索する処理を終了する。
各種アイコンとは、例えば、図6(2)に示す、メニューの欄の中に配置される「履歴」、「ピックアップ」、「キーパッド」、「設定」、メニューの欄の下に配置される「社内」、「共有」、「個人」、「部署」、「電話登録」、「発信」、「着信」である。ここで、着信先の電話番号を探し出すに際して用いるアイコンは、「社内」、「共有」、「個人」、「部署」、「キーパッド」であるので、これらについて説明をする。
「社内」とは、社内電話帳である。社内電話帳には、その会社に属する電話の電話番号または、使用者が社員である電話機の電話番号が登録されている。社内電話帳には、社内の電話機または社員(ログインIDとパスワード等を用いて社員であることを認識できる。)が使用する予め登録した電話機の電話番号のスマートフォンのみがアクセスできる。社内電話帳は、顧客情報データベースサーバ11の特定の領域に配されるか、顧客情報データベースサーバ11のデータに社内電話帳である旨のインデックスが付されている。
「共有」とは、共有電話帳である。共有電話帳には、社員の中で仕事内容が密接に関連する社員または関係者(例えば、プロジェクトチームのメンバー等)が登録されている。共有電話帳は、予め登録した者または予め登録した電話番号のスマートフォンのみがアクセスできる。共有電話帳は、顧客情報データベースサーバ11の特定の領域に配されるか、顧客情報データベースサーバ11のデータに共有電話帳である旨の共有毎の特定のインデックスが付されている。
「個人」とは、個人電話帳である。個人電話帳には、個々の特定の社員にとって仕事上必要な電話番号が登録されている。共有電話帳は、その特定の社員または、その特定の社員が使用する予め登録した電話番号のスマートフォンのみがアクセスできる。個人電話帳は、顧客情報データベースサーバ11の特定の領域に配されるか、顧客情報データベースサーバ11のデータに個人電話帳である旨の特定人固有のインデックスが付されている。
「部署」とは、部署電話帳である。部署電話帳には、個々の特定の部署に属する社員の電話番号が登録されている。部署電話帳には、社員または、社員が使用する予め登録したスマートフォンのみがアクセスできる。部署電話帳は、顧客情報データベースサーバ11の特定の領域に配されるか、顧客情報データベースサーバ11のデータに部署電話帳である旨の部署固有のインデックスが付されている。例えば、社員数が1万人の会社においては、社内電話帳を用いると所望の着信先の検索に長時間を要するが、部署電話帳を用いれば短時間に所望の着信先の検索が可能となる。
ステップ(ST3−2)において、スマートフォン62のオペレーティングシステムは、「社内」、「共有」、「個人」、「部署」のいずれの電話帳を用いるかを認識する。例えば、スマートフォン62の使用者が「社内」のアイコンにタッチすれば、社内電話帳を用いることを認識し、「共有」のアイコンにタッチすれば、共有電話帳を用いることを認識し、「個人」のアイコンにタッチすれば、個人電話帳を用いることを認識し、「部署」のアイコンにタッチすれば、個人電話帳を用いることを認識する。
また、スマートフォン62のオペレーティングシステムは、例えば、「社内」、「共有」、「個人」、「部署」のいずれかのアイコンにスマートフォン62の使用者がタッチする時間が一定時間以上であれば「一括検索」を行うと認識する。また、例えば、「社内」、「共有」、「個人」、「部署」のいずれかのアイコンと「キーパッド」のアイコンを同時にタッチすれば「個別検索」を行うと認識する。ここで、「一括検索」とは該当する電話帳のすべてのデータをスマートフォンの電話帳に書き込んで検索を行うことをいう。一方、「個別検索」とは、1個の検索着信先番号(検索した着信先の電話番号)とその検索着信先番号に対応する検索着信先情報を表示するものである。「一括検索」を用いれば、一度に多量の検索結果が得られるものの、スマートフォン62の電話帳に書き込むまでの時間が長くなり、また、検索結果から所望の情報を選び出すのにも時間がかかる。一方、「個別検索」を用いる場合には、例えば、氏名がはっきりと分かっている等、情報が正確であれば、瞬時に1個の所望の検索結果を選び出すことができるが、情報が不正確な場合には所望の検索結果にたどり着くまでに手間がかかることとなる。
「一括検索」に際しては、「社内」、「共有」、「個人」、「部署」のいずれかを所定時間以上タッチすることによって、スマートフォン62は、電話帳のダウンロードをウエブ用電話帳サーバ12に依頼し、インターネット上プッシュ通知サーバ30を介して該当する電話帳の全体を検索結果としてスマートフォン62の電話帳に書き込み、それを利用することができる。例えば、「一括検索」で「社内」を選択するばあいの例を、図6(4)に示す。
「個別検索」に際しては、「社内」、「共有」、「個人」、「部署」のいずれか、および、所定の「キーパッド」を同時にタッチすることによって、スマートフォン62は、電話帳のダウンロードをウエブ用電話帳サーバ12に依頼し、インターネット上プッシュ通知サーバ30を介して該当する電話帳の中の1個の検索結果をスマートフォン62の電話帳に書き込み、それを利用することができる。
「個別検索」の一例についてより具体的に説明をする。「社内」、「共有」、「個人」、「部署」のいずれか、および、「キーパッド」をタッチすることによって、スマートフォン62のオペレーティングシステムは、ソフトウエアキーボード(キーパット画面)を表示させる。ここで、ソフトウエアキーボードとは、スマートフォンの画面上にキーボードの形を表示し、指先で各キーを指定して文字入力を行なうようにするものである。
スマートフォン62のオペレーティングシステムは、スマートフォン(例えば、スマートフォン62)のソフトウエアキーボードを使用する社員が行う文字入力によって、「検索着信先情報の先頭の1文字」、ソフトウエアキーボードの例えば「記号」を押しながら「->」、または、「<-」のいずれかを選択する。文字入力に際しては、必要に応じて、半角/全角を切り替える。
ステップ(ST4')において、スマートフォン62のオペレーティングシステムは、ウエブ用電話帳サーバ12に対して、「社内」、「共有」、「個人」または「部署」のいずれか、および、「一括検索」または「個別検索」のいずれかを通知する。さらに、「個別検索」の場合には、「検索着信先情報の先頭の1文字」、「記号」+「->」、または、「記号」+「<-」のいずれかを通知する。
ステップ(ST5')において、ウエブ用電話帳サーバ12は、顧客情報データベースサーバ11に対して、「社内」、「共有」、「個人」または「部署」のいずれか、および、「一括検索」または「個別検索」のいずれかであることを知らせてデータ検索を依頼する。
以下において、「個別検索」、「個人」を選択する場合の顧客情報データベースサーバ11におけるデータ検索の一例について説明をする。
図5は、顧客情報データベースに配される個人電話帳の一例を示す概念図である。
個人電話帳は、顧客情報データベースの所定領域に配される。個人電話帳は、予め登録されたスマートフォンの電話番号(個人電話帳登録者番号)のグループに連続するアドレスを対応させている。個人電話帳には、図2に示すと同様に、組織名、部門名、氏名、固定通信網電話番号、移動体通信網電話番号、スマートフォン識別情報、スマートフォンのログイン情報が記憶され、加えて、個人電話帳登録者番号が記憶される。個人電話帳登録者番号は、誰の個人電話帳であるかを識別するための番号であり、例えば、移動体通信網電話番号(スマートフォンの電話番号)を用いることができる。また、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、検索を依頼した者の移動体通信網電話番号に基づき、図2に示す顧客情報データベースを検索して移動体通信網電話番号に対応するスマートフォン識別情報を容易に検索することができる。
ウエブ用電話帳サーバ12を介してスマートフォン62が顧客情報データベースサーバ11に対して検索を要求する個人電話帳のアドレスは、ステップ(ST3−2)において設定された「着信先情報の先頭の1文字」によって特定される。顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、発信元であるスマートフォン62の電話番号(個人電話帳登録者番号)であるXXX-XXXX-2387を検出して、顧客情報データベースサーバ11の記憶装置(例えば、不揮発性メモリ)を検索し、スマートフォン62の個人電話帳がアドレスX600から始まることを認識する。そして、例えば、「着信先情報の先頭の1文字」が「A」である場合には、まず、個人電話帳のアドレスX600を特定する。また、例えば、「着信先情報の先頭の1文字」が「B」である場合には、まず、個人電話帳のアドレスX605を特定する。
より、具体的には、ステップ(ST5')において、ウエブ用電話帳サーバ12は、顧客情報データベースサーバ11に対して、現在、指定される個人電話帳のアドレスおよび発信元番号を送出する。例えば、ウエブ用電話帳サーバ12は、個人電話帳の現在、指定されるアドレスとしてX600、発信元番号として移動体通信網電話番号(スマートフォン62の電話番号)XXX-XXXX-2387を顧客情報データベースサーバ11に対して送る。
顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、個人電話帳の現在、指定されるアドレスの内容を検索して、検索着信先番号および検索着信先情報を検出する。例えば、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、固定電話機(例えば、固定電話機51)の電話番号を検索着信先番号とし、その固定電話機(例えば、固定電話機51)の情報を検索着信先情報として検出する。
また、別の例として、例えば、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、着信先のスマートフォン(例えば、社員のスマートフォン63)の電話番号を検索着信先番号とし、スマートフォン63の情報を検索着信先情報として検出する。このようにして、顧客の電話機である固定電話機51であっても、社員のスマートフォンであるスマートフォン63であっても区別なく検索して、以下の様にして検索着信先と接続できる。
ステップ(ST6')において、顧客情報データベースサーバ11は、ウエブ用電話帳サーバ12に対して、発信元のスマートフォン識別情報(スマートフォン62の識別情報)/検索着信先番号/検索着信先情報/PBX発信元番号を送出する。
ステップ(ST7')において、ウエブ用電話帳サーバ12の中央演算装置は、発信元のスマートフォン識別情報(スマートフォン62の識別情報)/検索着信先番号/検索着信先情報/PBX発信元番号をインターネット上プッシュ通知サーバ30に対して送出する。
ステップ(ST8')において、インターネット上プッシュ通知サーバ30は、プッシュ通知によってスマートフォン識別情報が特定するするスマートフォン62に対して、検索着信先番号/検索着信先情報/PBX発信元番号を送出する。
ステップ(ST9')において、スマートフォン62のオペレーティングシステム(OS)は、スマートフォンの画面上に、外部からの着信ではなく、「検索結果」であることを明示できるようにして以下の(1)、(2)を表示させる(図6(4)、図7を参照)。
(1)検索着信先番号
(顧客情報データベースサーバ11の個人電話帳で検索した着信先番号の候補)
(2)検索着信先番号に対応する検索着信先情報
(顧客情報データベースサーバ11の個人電話帳で検索した着信先情報)
スマートフォン62の画面上の表示は、元来、スマートフォン62に備わっている電話帳機能の電話番号検索の機能をそのまま流用して行う。そのために、一旦、電話帳に、検索着信先番号と検索着信先情報とを書き込む。そして、電話帳に検索着信先番号と検索着信先情報とを書き込んでから、例えば、15秒後に、これらを削除する。このようにして、検索着信先番号と検索着信先情報とが、スマートフォン62の電話帳に記憶されないようにする。
スマートフォン62は、検索着信先番号と検索着信先情報の表示を見て、目的とする着信先番号、着信先情報であることを確認した場合には、以下の2つの接続方法のいずれかを用いて目的とする着信先番号の電話機(例えば、固定電話機51)またはスマートフォン(例えば、スマートフォン61またはスマートフォン63)と接続をすることができる。
第1の接続方法は、構内交換機20を介して接続する方法である。この方法を採用する場合には、着信先が知り得るのは構内交換機20の電話番号であるので、私用と社用に利用する一台のスマートフォン(例えば、スマートフォン62)を使用する場合においても、スマートフォン62の電話番号が相手方に知られることはない。よって、私生活が突然の顧客からの電話によって乱されるというような問題が生じない。
第1の接続方法は、ステップ(ST10')ないしステップ(ST12')の処理によって達成される。
スマートフォン62の使用者が、所望の検索着信先情報を見つけた場合には、所望の「検索着信先情報」と適宜に割り当てられたアイコンを同時にタップして処理は(ST10')に移る。
(ST10')において、スマートフォン62のオペレーティングシステムは、移動体通信網60を介して構内交換機(PBX)20に対して、スマートフォン62を検索着信先と接続することを要求する。
(ST11')において、構内交換機20は、スマートフォン62と検索着信先(例えば、固定電話機51)とを接続する。
(ST12')において、スマートフォン62と検索着信先(例えば、固定電話機51)との通話(または、データ通信)が成立する。
第2の接続方法は、ステップ(ST13')の処理によって達成される。
スマートフォン62の使用者が、所望の検索着信先情報を見つけた場合には、所望の「検索着信先情報」と適宜に割り当てられた第1の方法におけると異なるアイコンを同時にタップして処理は(ST13')に移る。
(ST13')において、スマートフォン62は、検索着信先(例えば、固定電話機51)を呼出す。これによって、スマートフォン62と固定電話機51との通話(または、データ通信)が成立する。この場合には、固定電話機51のディスプレイには、スマートフォン62の発信元番号(電話番号)、または、スマートフォン62の発信元番号および発信元情報が表示され得る。
「個別検索」を用いる場合においては、ステップ(ST9')において、検索着信先番号と検索着信先情報の表示を見て、目的とする検索着信先番号、検索着信先情報ではないことをスマートフォン62を使用する者が確認した場合には、処理は、再び、ステップ(ST3−1)、ステップ(ST3−2)に戻り、例えば、「記号」と「->」とを同時にタップして個人電話帳の現在、指定されるアドレスを1だけインクリメントする。または、例えば、「記号」と「<-」とを同時にタップして個人電話帳の現在、指定されるアドレスを1だけデクリメントする。または、「着信先情報の先頭の1文字」を異なるものに変更する。さらに、ソフトウエアキーボードを使用して検索を終了することができる。
なお、着信先が社員のスマートフォン(例えば、社員のスマートフォン63)の場合には、上述したステップ(ST6')ないしステップ(ST13')の処理に替えて、図2に示すステップ(ST6)以降の処理を行ってスマートフォン63に対して、スマートフォン62が接続を要求していることを知らせるようにしてもスマートフォン62とスマートフォン63とを接続できる。すなわち、スマートフォン63のスマートフォン識別情報を用いて、図2に示す、ステップ(ST6)以降の処理を行ってスマートフォン63の画面に発信元番号(スマートフォン62の電話番号)と発信元情報(スマートフォン62に対応する情報)とを表示できる。このようにすれば、ウエブ用電話帳サーバ12は、スマートフォン62の電話番号を発信元番号、スマートフォン63の電話番号を着信先番号として置き換えて、顧客情報データベースサーバ11に送り、発信元(スマートフォン62)と着信先(スマートフォン63)との間における通信が可能となる。
「実施形態の変形例」
(顧客の電話機等または社員のスマートフォンを社員のパーソナルコンピュータに接続する場合の動作について)
<顧客の電話機等または社員のスマートフォンが発信元であり、社員のパーソナルコンピュータが着信先の場合>
この実施形態の変形例においては、移動体通信網60または固定通信網50に接続可能とするパーソナルコンピュータ(PC)71を着信先として構内交換機20を介して発信元との通信を可能とする。この実施形態においては、インターネット上プッシュ通知サーバ30を用いることなく、パーソナルコンピュータ(PC)71のディスプレイの画面上に発信元情報を表示することができる。
パーソナルコンピュータ71は、移動体通信網60に接続する通信端末を備え、マイクとスピーカまたはイヤホーンとを有する音響端末を備える。通信端末は対価を支払うことによって移動体通信網電話番号を取得する。このような通信端末と音響端末とを備えることによって、パーソナルコンピュータ71は、スマートフォンと同様に発信元との間で、データ通信、音響通信を可能とする移動体通信網60の通信端末としての機能を有することとなる。
パーソナルコンピュータ71は、汎用機器であるのでアプリケーションソフトをインストールすることによって電話帳機能を有することとなる。しかしながら、上述したように電話帳に会社の関連部門の電話番号、顧客の電話番号を記憶する場合には、パーソナルコンピュータ71の紛失、盗難に際して、それらの情報が悪用される虞がある。また、構内交換機20を介して、パーソナルコンピュータ71と顧客または社員と通信するに際して、パーソナルコンピュータ71は、通信法の規定に従い、構内交換機20の電話番号は取得できるだけで通信の相手方の電話番号を取得することができない。
そこで、パーソナルコンピュータ71は、その内部に電話帳を有せず、ウエブ用電話帳サーバ12を介して通信相手の発信元番号および情報発信元情報、もしくは、検索着信先番号および検索着信先情報を取得して電話帳機能を有すようにしている。また、インターネット40を介して通信相手の発信元番号および情報発信元情報、もしくは、検索着信先番号および検索着信先情報を取得するので、通信法の規定にも違反しない。
より具体的には、以下のようにする。
会社が管理するパーソナルコンピュータ、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)71は、ウエブ(WEB)用電話帳サーバ12にログインする。ログインは、例えば、以下の手順で行う。ウエブ用電話帳サーバ12によって内容が更新されるウエブ画面のユニフォームリソースロケータ(URL: Uniform Resource Locator)を用いてパーソナルコンピュータ71に認証用のウエブ画面を表示する。
次に、この認証用のウエブ画面で入力することを要求される社員毎の固有のパスワードを入力する。これによって、ウエブ用電話帳サーバ12は、当該社員がパーソナルコンピュータ71を使用していることを認証する。
そして、パーソナルコンピュータ71を使用している社員を認証した後にウエブ用電話帳サーバ12は、パーソナルコンピュータ71に対して、パーソナルコンピュータ71の通信端末の移動体通信網電話番号をウエブ用電話帳サーバ12に対して送出することを要求する。パーソナルコンピュータ71は、移動体通信網電話番号をウエブ用電話帳サーバ12に送出する。ウエブ用電話帳サーバ12は、移動体通信網電話番号が予め登録されているものであることを認証する。社員の認証、移動体通信網電話番号の認証が完了するとログインは完了する。
ログインが完了すると、ウエブ用電話帳サーバ12は、パーソナルコンピュータに表示するログイン後のウエブ画面である着信通知ウエブ画面の情報をパーソナルコンピュータ71に送る。また、ログインの完了後、パーソナルコンピュータ71は、例えば、5秒毎に定期的に着信通知ウエブ画面を再ダウンロードし、最新の更新された着信通知ウエブ画面を表示する。
次に、ウエブ用電話帳サーバ12は、パーソナルコンピュータ71がログインしていることを表すログイン情報を顧客情報データベースサーバ11に送る。そして、顧客情報データベースサーバ11は、通信網利用者情報権利者が管理する通信端末の移動体通信網電話の一つである、パーソナルコンピュータ71の通信端末の移動体通信網電話についても、ログインであるかログアウトであるかを記憶することとなる。顧客情報データベースサーバ11のログイン情報を検索すれば、どのパーソナルコンピュータを用いて誰がログインしているかを知ることができる。
このようにして、通信網利用者情報提供サーバ10のウエブ用電話帳サーバ12は、パーソナルコンピュータ71の通信端末の移動体通信網電話が予め登録されたものであることと、パーソナルコンピュータ71の使用者が社員であることを認証する。また、通信網利用者情報提供サーバ10の顧客情報データベースサーバ11は、ログイン情報をデータベースの一つとして、どのパーソナルコンピュータを用いて特定の社員と通信可能であるかを検出するための顧客情報データベースを提供する。
すなわち、通信網利用者情報提供サーバ10の顧客情報データベースサーバ11がログイン情報を受け取ることによって、パーソナルコンピュータ71は、通信網利用者情報提供システム1を構成するものとして認証される。すなわち、パーソナルコンピュータ71は、通信網利用者情報提供システム1にログインするものとなり、通信可能な端末となる。
上述した、処理は、通信網利用者情報提供システム1を活用するための準備段階である。
次に、発信元である顧客の固定電話機51またはスマートフォン61または社員のスマートフォン63は、構内交換機20に着信先との接続を要求する。具体的には、これらの発信元は、パーソナルコンピュータの通信端末に割り当てられた電話番号を着信先番号として発信する。
構内交換機20は、発信元である固定電話機51またはスマートフォン61に対して着信先を呼び出していることを認識させる呼出音を送出し顧客にそのまま待機することを促す。
構内交換機20は、顧客情報データベースサーバ11に対して発信元番号/着信先番号を送出する。
顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、発信元番号に基づき発信元情報を検出する。
また、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、着信先のパーソナルコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ71)の着信先番号に関係付けられたログイン情報を検索してログインであることを確認する。
さらに、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、パーソナルコンピュータ71のスマートフォン識別情報を検索する。
顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置は、顧客情報データベースを検索して、着信先のパーソナルコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)の着信先番号に関係付けられたログイン情報を検索してログアウトであることを確認した場合には、構内交換機20に対してそれを知らせる。構内交換機20は、発信元に対する呼出音の送出を中止して、音声メッセージによって着信先のスマートフォンに現在は接続できないことを知らせるか、交換手と発信元とを接続する。交換手は、発信元に現在は接続できないことを知らせ、発信元の次の要望を聞く。
顧客情報データベースサーバ11は、ウエブ用電話帳サーバ12に対して、着信先のスマートフォン識別情報(パーソナルコンピュータ71のスマートフォン識別情報)/発信元番号/発信元情報/PBX発信元番号を送出する。
ステップ(ST7')において、ウエブ用電話帳サーバ12の中央演算装置は、インターネット40を介してパーソナルコンピュータ71がグインしているの着信通知ウエブ画面に以下(1)ないし(3)の情報を表示するとともに、パーソナルコンピュータ71の音響端末を用いて呼出し音を出すための情報を送出する。
(1) 発信元番号
(2) 発信元情報
(3) PBX発信番号
パーソナルコンピュータ71の中央演算装置(CPU)は、パーソナルコンピュータ71の画面上に以下の(1)、(2)を表示させ、パーソナルコンピュータ71の音響端末を用いて(3)を発生させる。
(1)発信元番号
(構内交換機(PBX)20で取得した固定電話またはスマートフォンの発信元番号)
(2)発信元番号に対応する発信元情報
(顧客情報データベースサーバ11で得られる、構内交換機20が取得した固定電話またはスマートフォンの電話番号に対応する発信元情報)
(3)呼出し音
ここで、パーソナルコンピュータ71の画面上に表示させる(1)発信元番号、(2)発信元番号に対応する発信元情報は、パーソナルコンピュータ71の内部に記憶されないように、発信元との通信の完了後にはそれらの情報を削除する。
パーソナルコンピュータ71の中央演算装置は、パーソナルコンピュータ71の通信端末および移動体通信網60を介して構内交換機(PBX)20に対して接続を要求する。パーソナルコンピュータ71の通信端末と構内交換機20との接続が完了した後、パーソナルコンピュータ71の通信端末から構内交換機20に対して発信元である固定電話機51またはスマートフォン61に対する呼出音の送出の解除を依頼し、パーソナルコンピュータ71の通信端末と固定電話機51またはスマートフォン61とを接続することを依頼する。
構内交換機(PBX)20は、パーソナルコンピュータ71の通信端末と固定電話機51またはスマートフォン61とを接続する。
パーソナルコンピュータ71の通信端末と固定電話機51またはスマートフォン61との間における通話が成立する。
<顧客の電話機が着信先であり、社員のパーソナルコンピュータが発信元の場合>
この実施形態の変形例においても、説明は省略するが、上述した種々の実施形態を組み合わせて実施することができる。
「スマートフォンのアプリケーションプログラムの動作の概要」
スマートフォン62におけるアプリケーションプログラムの動作の概要について説明をする。以下の説明はスマートフォン62を使用する者が行う処理が主となる。スマートフォン62のオペレーティングシステムが直接に行う処理、または、スマートフォンのOSがスマートフォン62のハードウエアを制御して行う処理については、2重鉤括弧を用いて、≪スマートフォン62のオペレーティングシステムは・・・・≫のように記載する。なお、アプリケーションプログラムは、種々の機能を有するが、上述した通信網利用者情報提供システム1、通信網利用者情報提供サーバ10が関係する部分についてのみ、使用する者が行う処理、スマートフォンのOSが行う処理について説明をする。
図6、図7、図8はスマートフォン62の液晶パネルに表示される画面を示す図である。
図6(1)はブラウザ起動時の画面、図6(2)は、メニュー画面、図6(3)はキーパッド画面、図6(4)は、社内電話帳を一括検索した画面である。図7は、個人電話帳を個別検索した詳細画面である。図8は電話帳登録画面である。
スマートフォン62は、アドレスバーに所定のURLを入力してブラウザを起動する(図6(1)のブラウザ起動時の画面を参照)。
ブラウザの画面から「ログインID」、「パスワード」を入力する。
入力後、「ログイン」をタップしてログインする。
「ログイン状態を保持する」にチェックを入れログインすると、次回にアプリケーションを立ち上げた時に、ログインIDとパスワードを入力する必要がない。なお、ログアウトした場合以外は、スマートフォン62の電源をオフにしてもログイン状態は保存される。しかしながら、上述したようにスマートフォン62の電話帳の検索機能が盗難等によって悪用されないようにするために、「ログイン状態を保持する」にチェックを入れずに、一定時間以上スマートフォンを使用しない場合には、再び、スマートフォンの要求に従いログインIDとパスワードを入力しなければならないようにすることが望ましい。
ログイン画面表示の後、スマートフォン62にメニュー画面(図6(2)を参照)が表示される。
メニュー画面には、「履歴」、「ピックアップ」、「キーパット」、「設定」の各種メニューが表示され、それらのメニューをタップすると、メニューの内容に応じた処理をするための画面が表示される。以下では、上述した通信網利用者情報提供システム1、通信網利用者情報提供サーバ10に関係するメニューについてのみ説明をする。
(電話の発信の方法)
<電話番号を入力して電話を発信する場合>
メニュー画面の上部のメニューの欄の「キーパッド」をタップするとキーパッド画面(図6(3)を参照)が表示される。
表示されたキーパッドをタップして、かけたい電話番号を入力し「発信」をタップする。
<社内電話帳・共有電話帳・個人電話帳、部署電話帳の各種電話帳を用いて電話を発信する場合>
上述したように4種類の電話帳を利用することが出来る。各種電話帳を用いる場合にはメニュー画面(図6(2)を参照)を利用する。着信先の連絡を取りたい相手が登録されている電話帳に対応するタブである「社内」、「共有」、「個人」、「部署」のいずれかをタップして電話帳の種類を選択する。
該当する電話帳である、「社内電話帳」、「共有電話帳」、「個人電話帳」、「部署電話帳」のいずれかについて「一括検索」をする場合には、画面上に順次、検索着信先番号と検索着信先情報とが表示される(図6(4)を参照)。
着信先情報の詳細画面が表示されたら、所望の電話番号(固定電話機の電話番号、スマートフォンの電話番号)をタップして、その電話番号の固定電話機またはスマートフォンに発信することができる。
一方、「個別検索」をする場合には、メニュー画面(図6(2)を参照)の上部の検索ボックスに検索したい相手の名前等を入力する。
例えば、「社内」をタップして、キーパット画面の「さ」をタップして、「変換」をタップして、検索ボックスに「佐」と入れる。
「佐」が検索ボックスに入力された状態において検索ボックスの中の「虫眼鏡マーク」をタップする。
検索ボックスの中の虫眼鏡マークをタップすることによって、
≪スマートフォン62のオペレーティングシステムは、移動体通信網60およびウエブ用電話帳サーバ12を介して顧客情報データベースサーバ11に検索したい相手の名前または予め登録するキーワードを送る。≫
≪スマートフォン62のオペレーティングシステムは、顧客情報データベースサーバ11が検索した相手の名前または予め登録するキーワードに一致する着信先情報を、ウエブ用電話帳サーバ12およびインターネット上プッシュ通知サーバ30を介して受け取る。≫
≪スマートフォン62のオペレーティングシステムは、スマートフォン62の内部の電話帳に着信先情報を書き込み、15秒後に電話帳に一旦書き込んだ当該着信先情報を消去する。≫
電話帳への着信先情報の書き込みによって、着信先情報の詳細画面が表示される(図7を参照)。
所望の着信先情報の詳細画面が表示されたら、電話番号(固定電話機の電話番号、スマートフォンの電話番号)をタップして、その電話番号の固定電話機またはスマートフォンに発信することができる。
スマートフォン62の使用者は、着信先情報の詳細画面に表示された着信先情報が望むものでなかった場合には、着信先情報の詳細画面の左上の「メニュー」をタップして、再び、メニュー画面(図6(2)を参照)に戻り、再び、メニュー画面(図6(2)を参照)の上部の検索ボックスに検索したい相手の名前等のより詳細な情報、または、異なる情報を入力する。そして、検索ボックスの中の「虫眼鏡マーク」をタップする。これによって、別の着信先情報の詳細画面が表示される。
または、スマートフォン62の使用者は、着信先情報の詳細画面に表示された着信先情報が望むものでなかった場合には、例えば、「記号」と中央部の左隅の「<-」の左方向の矢印、または、「記号」と右隅の「->」の右方向の矢印をタップする。これによって、「<-」をタップした場合には、「佐」に近い、50音順で、一つ前の、別の着信先情報の着信先情報の詳細画面を表示させることができる。「->」をタップした場合には、「佐」に近い、50音順で、一つ後の、別の着信先情報の着信先情報の詳細画面を表示させることができる。
また、スマートフォン62の使用者は、「->」をタップして検索しても着信先情報の詳細画面に表示された着信先情報が望むものでなかった場合には、さらに、「->」をタップして、さらに、一つ前の、さらに別の着信先情報の着信先情報の詳細画面を表示させることができる。
また、スマートフォン62の使用者は、「<-」をタップして検索しても着信先情報の詳細画面に表示された着信先情報が望むものでなかった場合には、さらに、「<-」の矢印をタップして、さらに、一つ後の、さらに別の着信先情報の着信先情報の詳細画面を表示させることができる。
なお、発信の方法としては、「直接発信」、「プレフィックス発信(直接発信)」、「構内交換機を介する発信」、「コールバック発信」のいずれかを選択することができる。
直接発信とは、通常のスマートフォンの発信と同様に、直接発信する方法である。着信先の相手には自分の携帯電話番号が表示される。
プレフィックス発信とは、プレフィックス番号を自動で付与し発信することが出来る機能である。「184」や、「010」といったプレフィックス番号の入力を省略することが可能である。
構内交換機を介する発信とは、構内交換機20を介して発信する方法である。着信先の相手には構内交換機の電話番号が表示される。
コールバック発信とは、相手に発信する前に自分の携帯端末にコールバックさせてから発信する方法である。(携帯電話側に通話料は発生しない。)
ここで、「社内電話帳」、「共有電話帳」、「個人電話帳」、「部署電話帳」を用いて電話番号を検索して得られた着信先情報の詳細画面に表示された電話番号(固定電話機、携帯電話など)をタップして、その電話番号に発信した場合には、構内交換機20を介して着信先と接続することもできる。このときには、着信先が得る発信元情報は構内交換機20の電話番号等であり、スマートフォン62の電話番号は通知されない。
(電話の受け方)
<発信元からスマートフォンが電話を着信する場合>
構内交換機20を介さない電話に関しては、通常のスマートフォンによる着信と何ら変わるところがない。スマートフォン62の内部の電話帳に登録された発信元からの電話であれば、着信先情報がスマートフォン62の画面に表示される。
構内交換機20を介した電話であれば、インターネット上プッシュ通知サーバ30を介してプッシュ通知によって発信元情報がスマートフォン62送られる。
≪スマートフォン62のオペレーティングシステムは、スマートフォン62に着信先情報の詳細画面を表示させる。≫
<発信元から構内交換機を介してスマートフォンが電話を着信する場合>
通信網利用者情報提供システム1の説明において上述したように、発信元情報がインターネット上プッシュ通知サーバ30を介して発信元情報をスマートフォン62に送信する。
スマートフォン62のオペレーティングシステムは、スマートフォン62の内部の電話帳へ発信元情報を書き込み、15秒後に内部の電話帳に書き込んだ発信元情報を消去する。
スマートフォン62のオペレーティングシステムは、スマートフォン62の画面に発信元情報の詳細画面(図示せず)を表示させる。
スマートフォン62の使用者が、着信先情報の詳細画面によって着信先情報を確認して通信をする意思がある場合には「受信」アイコンをタップする。
(スマートフォンの顧客情報データベースサーバの電話帳への登録機能)
スマートフォン62は、顧客情報データベースサーバ11の電話帳に顧客情報(発信元情報、着信先情報)を新規登録することができる。新規登録を「個人電話帳」に対して行う例について説明をする。
メニュー画面の「個人電話帳登録」アイコンをタップする。
≪スマートフォン62のオペレーティングシステムは、電話帳登録画面(図8を参照)をスマートフォン62の画面に表示させる。≫
表1に記載された項目を順次入力し、右上の「完了」ボタンをタップする。
表1において*印のついている「名前」「電話番号」は必須項目であるが、他は省略しても良い。
上述した実施形態をまとめる。要するに実施形態の通信網利用者情報提供システム1は、通信網利用者情報提供サーバ10と、構内交換機20と、インターネット上プッシュ通知サーバ30と、移動体通信網60に接続される社員スマートフォン62、63と、移動体通信網60に接続される顧客スマートフォン61または固定通信網50に接続される顧客固定電話機51と、を備える。通信網利用者情報提供サーバ10は、構内交換機20に接続される顧客情報データベースサーバ11とインターネット40に接続されるウエブ用電話帳サーバ12と、を具備する。ウエブ用電話帳サーバ12と接続され相互に情報を伝達する顧客情報データベースサーバ11は、電話番号に関係づけられた顧客または社員の情報を顧客情報として記憶する。社員スマートフォンの一つである着信先社員スマートフォン62はウエブ用電話帳サーバ12に対してスマートフォン識別情報を送出してログインすることを求め、ウエブ用電話帳サーバ12はスマートフォン識別情報を認証した後に着信先社員スマートフォン62のログインを許可する。顧客情報データベースサーバはウエブ用電話帳サーバ12から送出されるスマートフォン識別情報を着信先社員スマートフォン62の顧客情報と関連づけて記憶(スマートフォン識別情報+(社員情報でもあり、着信先情報でもある)が記憶される)し、発信元である顧客固定電話機51または顧客スマートフォン61または社員スマートフォンの他の一つである発信元社員スマートフォン63は、構内交換機20に対して着信先である着信先社員スマートフォン62と接続することを依頼し、顧客情報データベースサーバ11は構内交換機20の求めに応じて、発信元である顧客固定電話機51の顧客情報(顧客情報でもあり、発信元情報でもある)または顧客スマートフォン61の顧客情報(顧客情報でもあり、発信元情報でもある)または発信元社員スマートフォン63の顧客情報(社員情報でもあり、発信元情報でもある)および着信先社員スマートフォン62の顧客情報(社員情報でもあり、着信先情報でもある)を検索する。また、顧客情報データベースサーバ11はウエブ用電話帳サーバ12を介してインターネット上プッシュ通知サーバ30に対して検索した顧客情報の少なくとも一部および構内交換機の電話番号を選別顧客情報(着信先のスマートフォン62の識別番号、発信元情報、発信元番号、構内交換機(PBX)20の発信番号(電話番号))として送出する。インターネット上プッシュ通知サーバ30は着信先社員スマートフォン62に対して選別顧客情報のプッシュ通知をする。着信先社員スマートフォン62は選別顧客情報に含まれる発信元の情報を画面表示し、選別顧客情報を着信先社員スマートフォン62の内部から消去し、着信先社員スマートフォン62は選別顧客情報に含まれる構内交換機20の電話番号を用いて構内交換機20を介した発信元との接続を構内交換機20に対して依頼する。構内交換機20は着信先と発信元とを接続する。
要するに実施形態の通信網利用者情報提供サーバ10は、構内交換機20に接続される顧客情報データベースサーバ11とインターネットに接続されるウエブ用電話帳サーバ12と、を備える。ウエブ用電話帳サーバ12と接続され相互に情報を伝達する顧客情報データベースサーバ11は、電話番号に関係づけられた顧客または社員の情報を顧客情報として記憶(社員情報でもあり、着信先情報でもある)する。ウエブ用電話帳サーバ12は、スマートフォン識別情報を送出してログインすることを求める社員スマートフォンの一つである着信先社員スマートフォン62に対してスマートフォン識別情報を認証してログインを許可する。顧客情報データベースサーバ11は、ウエブ用電話帳サーバ12から送出されるスマートフォン識別情報を着信先社員スマートフォンの顧客情報と関連づけて記憶(スマートフォン識別情報+(社員情報でもあり、着信先情報でもある)が記憶される)し、顧客情報データベースサーバ11は構内交換機20の求めに応じて、発信元である顧客固定電話機51の顧客情報(顧客情報でもあり、発信元情報でもある)または顧客スマートフォン61の顧客情報(顧客情報でもあり、発信元情報でもある)または発信元社員スマートフォン63の顧客情報(社員情報でもあり、発信元情報でもある)および着信先社員スマートフォンの顧客情報(社員情報でもあり、着信先情報でもある)を検索する。顧客情報データベースサーバ11は、インターネット上プッシュ通知サーバ30が着信先社員スマートフォン62に対してプッシュ通知をするために、ウエブ用電話帳サーバ12を介してインターネット上プッシュ通知サーバ30に対して検索した顧客情報の少なくとも一部および構内交換機電話番号を選別顧客情報(着信先のスマートフォン62の識別番号、発信元情報、発信元番号、構内交換機(PBX)20の発信番号(電話番号))として送出する。
要するに実施形態の通信網利用者情報提供サーバ用プログラムは、構内交換機20に接続される顧客情報データベースサーバ11とインターネットに接続されるウエブ用電話帳サーバ12との中央演算装置において以下の処理を実行させるプログラムである。ウエブ用電話帳サーバ12と接続され相互に情報を伝達する顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置に、電話番号に関係づけられた顧客または社員の情報を顧客情報として記憶せる顧客情報記憶処理を実行させる。また、ウエブ用電話帳サーバ12の中央演算装置に、スマートフォン識別情報を送出してログインすることを求める社員スマートフォンの一つである着信先社員スマートフォン62に対してスマートフォン識別情報を認証してログインを許可し、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置に、ウエブ用電話帳サーバ12から送出されるスマートフォン識別情報を着信先社員スマートフォン62の顧客情報と関連づけて記憶させるログイン処理を実行させる。また、顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置に、構内交換機20の求めに応じて、発信元である顧客固定電話機51または顧客スマートフォン61または発信元社員スマートフォン63の顧客情報および着信先社員スマートフォン62の顧客情報を検索させる顧客情報検索処理を実行させる。顧客情報データベースサーバ11の中央演算装置に、インターネット上プッシュ通知サーバ30が着信先社員スマートフォン62に対してプッシュ通知をするために、ウエブ用電話帳サーバ12を介してインターネット上プッシュ通知サーバ30に対して検索した顧客情報の少なくとも一部および構内交換機電話番号を選別顧客情報として送出させる顧客情報送出処理を実行させる。
実施形態の通信網利用者情報提供方法は、構内交換機20と、構内交換機に接続される顧客情報データベースサーバ11とインターネットに接続されるウエブ用電話帳サーバ12とを有する通信網利用者情報提供サーバ10と、インターネット上プッシュ通知サーバ30と、社員スマートフォン62と、顧客スマートフォン61または顧客固定電話機51と、を備える通信網利用者情報提供システム1における通信網利用者情報提供方法であり、以下の処理を有する。
顧客情報データベースサーバ11が電話番号に関係づけられた顧客または社員の情報を顧客情報として記憶する顧客情報記憶処理を有する。社員スマートフォンの一つである着信先社員スマートフォン62がウエブ用電話帳サーバ12に対してスマートフォン識別情報を送出してログインすることを求め、ウエブ用電話帳サーバ12がスマートフォン識別情報を認証した後に着信先社員スマートフォン62のログインを許可し、顧客情報データベースサーバ11がウエブ用電話帳サーバ12から送出されるスマートフォン識別情報を着信先社員スマートフォン62の顧客情報と関連づけて記憶するログイン処理を有する。発信元である顧客固定電話機51または顧客スマートフォン61または社員スマートフォンの他の一つである発信元社員スマートフォン63が構内交換機20に対して着信先である着信先社員スマートフォン62と接続することを依頼する社員スマートフォン接続依頼処理を有する。顧客情報データベースサーバ11が構内交換機20の求めに応じて、発信元である顧客固定電話機51または顧客スマートフォン61または発信元社員スマートフォン63の顧客情報および着信先社員スマートフォン62の顧客情報を検索する顧客情報検索処理を有する。顧客情報データベースサーバ11がウエブ用電話帳サーバ12を介してインターネット上プッシュ通知サーバ30に対して検索した顧客情報の少なくとも一部および構内交換機の電話番号を選別顧客情報として送出する顧客情報送出処理を有する。インターネット上プッシュ通知サーバ30が着信先社員スマートフォン62に対して選別顧客情報のプッシュ通知をするプッシュ通知処理を有する着信先社員スマートフォン62が選別顧客情報に含まれる発信元の情報を画面表示し、選別顧客情報を着信先社員スマートフォン62の内部から消去する発信元情報表示処理を有する。着信先社員スマートフォン62が選別顧客情報に含まれる構内交換機20の電話番号を用いて構内交換機20を介した発信元との接続を構内交換機20に対して依頼する発信元接続依頼処理を有する。構内交換機20が着信先と発信元とを接続する発信元着信先接続処理を有する。