以下、図面を参照して、本発明に係る梱包箱用シート及び梱包体の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、実施形態に係る梱包体を上方から見た斜視図である。図2は、実施形態に係る梱包体を下方から見た斜視図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る梱包体1は、梱包箱用シート20を直方体に組み立てた梱包箱2と、梱包箱2に梱包される複数の内容物3と、を備えている。
内容物3は、特に限定されるものではないが、例えば、ビールが充填された缶ビール等の缶飲料製品や清涼飲料が充填されたペットボトル等のペットボトル飲料製品とすることができる。内容物3の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、缶ビールのような円柱状とすることができる。なお、以下の説明では、内容物3として円柱状の缶飲料製品を用いた場合について説明する。
梱包箱2は、梱包箱用シート20を直方体に組み立てたラップラウンドケースであり、天面部11と、天面部11と対向する底面部12と、天面部11及び底面部12に隣接する前面部13と、天面部11及び底面部12に隣接して前面部13と対向する背面部14と、天面部11、底面部12、前面部13及び背面部14に隣接する第一側面部15と、天面部11、底面部12、前面部13及び背面部14に隣接して第一側面部15と対向する第二側面部16と、を備える。なお、梱包箱2を載置面に設置した際に、底面部12は当該載置面に載置され、天面部11は底面部12の上方に配置され、前面部13は手前側に配置され、背面部14は奥側に配置される。但し、梱包箱2は、梱包箱2の設置方向はこれに限定されるものではなく、任意に変更することが可能である。例えば、第二側面部16が載置面に載置され第一側面部15が第二側面部16の上方に配置される場合や、第一側面部15が載置面に載置されて第二側面部16が第一側面部15の上方に配置される場合等がある。
梱包箱2が梱包する内容物3の数及び配置は、特に限定されるものではないが、例えば、24缶、10缶、6缶とすることができる。ここで、梱包箱2としては、24缶の内容物3を梱包するものが一般的であるが、24缶の内容物3を梱包するものだと、重く嵩張るため、そのまま冷蔵庫に収納することが難しい。そこで、梱包箱2として、高さ方向に2缶、奥行き方向に5缶、合計10缶の内容物3を梱包するものとすることで、冷蔵庫に収納し易くなる。このため、以下の説明では、梱包箱2として、高さ方向に2缶、奥行き方向に5缶、合計10缶の内容物3を梱包するものとして説明する。
図3は、梱包箱の展開図(梱包箱用シートの平面図)である。図3に示すように、梱包箱用シート20は、屈曲可能なシート材料により略平面状に形成されている。梱包箱用シート20の材料は、特に限定されるものではないが、コストや強度の観点から、段ボールとすることができる。このため、以下の説明では、梱包箱用シート20の材料として段ボールを用いるものとして説明する。
梱包箱用シート20は、梱包箱2の天面部11となる天面シート部21と、梱包箱2の底面部12となる底面シート部22と、梱包箱2の前面部13となる前面シート部23と、梱包箱2の背面部14となる背面シート部24と、梱包箱2の第一側面部15となる第一側面シート部25と、梱包箱2の第二側面部16となる第二側面シート部26と、を備える。
天面シート部21には、第一側面シート部25と第二側面シート部26とが接続されている。一方、底面シート部22には、第一側面シート部25が接続されているが、第二側面シート部26が接続されておらず、第二側面シート部26の代わりに第二側面シート部26に接着するための接着代27が接続されている。このため、接着代27を第二側面シート部26に接着することで、天面シート部21、第一側面シート部25、底面シート部22及び第二側面シート部26が角筒状となって内容物3を包むことができる。
そして、天面シート部21と第一側面シート部25との境界、天面シート部21と第二側面シート部26との境界、底面シート部22と第一側面シート部25との境界、底面シート部22と接着代27との境界に、それぞれ、折れ曲がり易いように段ボールの段を凹ました(潰した)罫線が形成されている。ここで、天面シート部21と第一側面シート部25との境界に形成される罫線を、第一罫線31といい、第一罫線31は、梱包箱2の天面部11と第一側面部15との間の稜線となる。また、天面シート部21と第二側面シート部26との境界に形成される罫線を、第二罫線32といい、第二罫線32は、梱包箱2の天面部11と第二側面部16との間の稜線となる。
前面シート部23は、天面シート部21から延びる天面フラップ部23aと、底面シート部22から延びる底面フラップ部23bと、第一側面シート部25から延びる第一側面フラップ部23cと、第二側面シート部26から延びる第二側面フラップ部23dと、により構成される。つまり、接着代27が第二側面シート部26に接着された状態において、まず、天面フラップ部23a及び底面フラップ部23bが天面シート部21及び底面シート部22に対して折り曲げられ、次に、第一側面フラップ部23c及び第二側面フラップ部23dが第一側面シート部25及び第二側面シート部26に対して折り曲げられて天面フラップ部23a及び底面フラップ部23bに接着される、これにより、梱包箱2の前面部13が形成される。
そして、天面フラップ部23aと天面シート部21との境界、底面フラップ部23bと底面シート部22との境界、第一側面フラップ部23cと第一側面シート部25との境界、第二側面フラップ部23dと第二側面シート部26との境界に、それぞれ、折れ曲がり易いように段ボールの段を凹ました(潰した)罫線が形成されている。ここで、第一側面フラップ部23cと第一側面シート部25との境界に形成される罫線を、第三罫線33といい、第三罫線33は、梱包箱2の前面部13と第一側面部15との間の稜線となる。また、第二側面フラップ部23dと第二側面シート部26との境界に形成される罫線を、第四罫線34といい、第四罫線34は、梱包箱2の前面部13と第二側面部16との間の稜線となる。
背面シート部24は、天面シート部21から延びる天面フラップ部24aと、底面シート部22から延びる底面フラップ部24bと、第一側面シート部25から延びる第一側面フラップ部24cと、第二側面シート部26から延びる第二側面フラップ部24dと、により構成される。つまり、接着代27が第二側面シート部26に接着された状態において、まず、天面フラップ部24a及び底面フラップ部24bが天面シート部21及び底面シート部22に対して折り曲げられ、次に、第一側面フラップ部24c及び第二側面フラップ部24dが第一側面シート部25及び第二側面シート部26に対して折り曲げられて天面フラップ部24a及び底面フラップ部24bに接着される、これにより、梱包箱2の背面部14が形成される。
そして、天面フラップ部24aと天面シート部21との境界、底面フラップ部24bと底面シート部22との境界、第一側面フラップ部24cと第一側面シート部25との境界、第二側面フラップ部24dと第二側面シート部26との境界に、それぞれ、折れ曲がり易いように段ボールの段を凹ました(潰した)罫線が形成されている。ここで、第一側面フラップ部24cと第一側面シート部25との境界に形成される罫線を、第五罫線35といい、第五罫線35は、梱包箱2の背面部14と第一側面部15との間の稜線となる。また、第二側面フラップ部24dと第二側面シート部26との境界に形成される罫線を、第六罫線36といい、第六罫線36は、梱包箱2の背面部14と第二側面部16との間の稜線となる。
そして、天面シート部21、底面シート部22、前面シート部23、背面シート部24、第一側面シート部25及び第二側面シート部26は、梱包箱2に組み立てた際に、高さ方向に2缶、奥行き方向に5缶、合計10缶の内容物3を梱包することができる寸法に形成されている。
このように構成される梱包箱用シート20には、梱包箱2に梱包された内容物3を梱包箱2から取り出すための取出口28(図7〜図10参照)を形成するための切目線として、基端切目線41と、第一天面切目線42aと、第二天面切目線42bと、第一前面切目線43aと、第二前面切目線43bと、分離用前面切目線44と、第一側面切目線45aと、第二側面切目線45bと、第三側面切目線46aと、第四側面切目線46bと、が形成されている。これらの切目線は、梱包箱用シート20を切断しやすくするための切目線(切込線ともいう。)であり、例えば、ミシン線のように間欠的に直線状に延びる形状や、ジッパー線のように間欠的に屈曲した形状とすることができる。なお、これらの切込線は、梱包箱用シート20を貫通してもよく、梱包箱用シート20を貫通しない半切り状態としてもよい。
図4は、梱包体の上方から見た平面図である。図3及び図4に示すように、基端切目線41は、天面シート部21に形成されて、その両端が第一罫線31と第二罫線32とに至る切目線である。基端切目線41は、第一基端切目線41aと、第二基端切目線41bと、第三基端切目線41cと、により構成される。
第一基端切目線41aは、略U字状又は略コ字状に形成された切目線であり、第一基端切目線41aを切断することで、略U字状又は略コ字状の切断片51を形成することが可能となっている。
天面シート部21の長さ方向における第一基端切目線41aの形成位置は、特に限定されるものではないが、次の位置であることが好ましい。つまり、第一基端切目線41aは、通常、梱包箱2の外側から指で切断片51となる部分を梱包箱2内に押し込むことにより切断するものである。そこで、切断片51となる部分を梱包箱2内に押し込み易くするため、第一基端切目線41aは、梱包箱2に梱包された隣接する内容物3の間の位置に形成することが好ましい。この場合、取出口28から内容物3を取り出しやすくするために、第一基端切目線41aは、梱包箱2に梱包された内容物3のうち前面部13側から2缶目の内容物3と3缶目の内容物3との間の位置に形成されることが好ましい(図7〜図10参照)。なお、天面シート部21の長さ方向とは、天面フラップ部23aと天面フラップ部24aとの対向方向をいう。
天面シート部21の幅方向における第一基端切目線41aの形成位置は、特に限定されるものではないが、第一基端切目線41aの切断性の観点から、天面シート部21の幅方向における中央部であることが好ましい。天面シート部21の幅方向とは、第一側面シート部25と第二側面シート部26との対向方向(第一罫線31と第二罫線32との対向方向)をいう。
第二基端切目線41bは、基端切目線41の一方端から第一罫線31に至る切目線であり、第三基端切目線41cは、基端切目線41の他方端から第二罫線32に至る切目線である。
第二基端切目線41b及び第三基端切目線41cは、直線状又は曲線状に形成されており、基端切目線41の両端から、第一罫線31及び第二罫線32に対して傾斜しながら、前面シート部23(天面フラップ部23a)側に延びている。このため、第二基端切目線41b及び第三基端切目線41cを切断することで、略台形状の切断片52を形成することが可能となっている。但し、第二基端切目線41b及び第三基端切目線41cの傾斜方向は、特に限定されるものではなく、また、第二基端切目線41b及び第三基端切目線41cは、第一罫線31及び第二罫線32に対して垂直な方向であってもよい。
第二基端切目線41b及び第三基端切目線41cが第一罫線31及び第二罫線32に至る位置は、特に限定されるものではないが、取出口28(図7〜図10参照)から内容物3を取り出しやすくするために、梱包箱2に梱包された内容物3のうち最も前面部13側に配置される内容物3よりも背面部14側の位置に形成されることが好ましい。図面では、第二基端切目線41b及び第三基端切目線41cが第一罫線31及び第二罫線32に至る位置が、梱包箱2に梱包された内容物3のうち前面部13側から1缶目の内容物3と2缶目の内容物3との間の位置となっている。
第一天面切目線42aは、第二基端切目線41bの先端から第一罫線31に沿って第一罫線31の前面シート部23(天面フラップ部23a)側の先端に至る切目線である。第二基端切目線41bの先端とは、第一罫線31側の先端をいい、第二基端切目線41bが第一罫線31に至る位置となる。第一罫線31の前面シート部23(天面フラップ部23a)側の先端は、梱包箱2の天面部11と第一側面部15との間の稜線における前面部13側の頂点となる。第二天面切目線42bは、第三基端切目線41cの先端から第二罫線32に沿って第二罫線32の前面シート部23(天面フラップ部23a)側の先端に至る切目線である。第三基端切目線41cの先端とは、第二罫線32側の先端をいい、第三基端切目線41cが第二罫線32に至る位置となる。第二罫線32の前面シート部23(天面フラップ部23a)側の先端は、梱包箱2の天面部11と第二側面部16との間の稜線における前面部13側の頂点となる。このため、第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bを切断することで、矩形状の切断片53を形成することが可能となっている。
図5は、梱包体の前方から見た正面図である。図3及び図5に示すように、第一前面切目線43aは、第一天面切目線42aの先端から梱包箱2の底面部12側となる方向に延びる切目線である。第一天面切目線42aの先端とは、第一罫線31の前面シート部23(天面フラップ部23a)側の先端をいい、梱包箱2の前面部13と第一側面部15との間の稜線における天面部11側の頂点となる。第一前面切目線43aは、第三罫線33に沿って形成されている。但し、第一前面切目線43aは、必ずしも第三罫線33に沿う必要はなく、例えば、第三罫線33の前面シート部23(第一側面フラップ部23c)側に形成されてもよく、第三罫線33の第一側面シート部25側に形成されもよい。
第二前面切目線43bは、第二天面切目線42bの先端から梱包箱2の底面部12側となる方向に延びる切目線である。第二天面切目線42bの先端とは、第二罫線32の前面シート部23(天面フラップ部23a)側の先端をいい、梱包箱2の前面部13と第二側面部16との間の稜線における天面部11側の頂点となる。第二前面切目線43bは、第三罫線33に沿って形成されている。但し、第二前面切目線43bは、必ずしも第四罫線34に沿う必要はなく、例えば、第四罫線34の前面シート部23(第二側面フラップ部23d)側に形成されてもよく、第四罫線34の第二側面シート部26側に形成されもよい。
第一前面切目線43aと第二前面切目線43bとは、同じ長さとなっており、第一前面切目線43aの先端位置と第二前面切目線43bの先端位置とは、梱包箱2における第三罫線33及び第四罫線34の延在方向(第三罫線33及び第四罫線34と平行な方向)において同じ位置となっている。このため、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bを切断することで、矩形状の切断片54を形成することが可能となっている。
第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bの先端位置は、特に限定されるものではないが、次の位置であることが好ましい。つまり、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bを切断すると、梱包箱2の前面部13にも取出口28が形成される。そこで、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bを切断した際に梱包箱2に梱包された内容物3が前面部13によって支持されるように、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bの先端位置は、梱包箱用シート20を梱包箱2に組み立てた際に、梱包箱2に梱包された内容物3のうち最も天面部11側に配置される内容物3の下端よりも天面部11側となる位置とすることが好ましい(図7〜図11参照)。
分離用前面切目線44は、梱包箱2に組み立てられた際に、第一前面切目線43aの先端と第二前面切目線43bの先端とに至る切目線である。第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bの先端とは、梱包箱2の底面部12側の先端をいう。分離用前面切目線44は、第一側面フラップ部23cに形成される第一分離用前面切目線44aと、第二側面フラップ部23dに形成される第二分離用前面切目線44bと、により構成される。第一分離用前面切目線44aは、第一前面切目線43aの先端から、第三罫線33と直交する方向に延びて、第一側面フラップ部23cを横断している。第二分離用前面切目線44bは、第二前面切目線43bの先端から、第四罫線34と直交する方向に延びて、第二側面フラップ部23dを横断している。
図6は、梱包体の側面図である。図3及び図6に示すように、第一側面切目線45aは、第一前面切目線43aの先端から第一側面シート部25に延びる切目線である。第一側面切目線45aは、第五罫線35に向けて第一罫線31と平行な方向(第一罫線31の延在方向と同じ方向)に延びている。但し、第一側面切目線45aは、必ずしも第一罫線31と平行な方向に延びる必要はなく、例えば、第一罫線31に対して傾斜する方向に延びてもよい。
第二側面切目線45bは、第二前面切目線43bの先端から第二側面シート部26に延びる切目線である。第二側面切目線45bは、第六罫線36に向けて第二罫線32と平行な方向(第二罫線32の延在方向と同じ方向)に延びている。但し、第二側面切目線45bは、必ずしも第二罫線32と平行な方向に延びる必要はなく、例えば、第二罫線32に対して傾斜する方向に延びてもよい。
第一側面切目線45aの先端位置と第二側面切目線45bの先端位置とは、第一罫線31及び第二罫線32の延在方向(第一罫線31及び第二罫線32と平行な方向)において同じ位置となっている。第一側面切目線45aの先端とは、第五罫線35側の先端をいい、第二側面切目線45bの先端とは、第六罫線36側の先端をいう。このため、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bを切断することで、図9及び図10に示すように、一対の矩形状の切断片55を形成することが可能となっている。
第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bの先端位置は、特に限定されるものではないが、次の位置であることが好ましい。つまり、梱包箱用シート20を構成する段ボールの段目は、第一罫線31及び第二罫線32に対して垂直な方向に延びるように配置されており、段目に沿って折り曲げると、容易に折り曲げることができる。そこで、第一側面切目線45aの切断により形成される切断片55を容易に折り曲げられるように、第一側面切目線45aの先端位置は、第一罫線31の延在方向(第一罫線31と平行な方向)において、基端切目線41(第二基端切目線41b)の先端位置(基端切目線41が第一罫線31に至る位置)と同じ位置とすることが好ましい。また、第二側面切目線45bの切断により形成される切断片55を容易に折り曲げられるように、第二側面切目線45bの先端位置は、第二罫線32の延在方向(第二罫線32と平行な方向)において、基端切目線41(第三基端切目線41c)の先端位置(基端切目線41が第二罫線32に至る位置)と同じ位置とすることが好ましい。
更に、第一側面シート部25に、第一側面切目線45aの先端位置と基端切目線41(第二基端切目線41b)の先端位置とを結ぶ切目線(不図示)が形成されていてもよい。この場合であっても、第一罫線31の延在方向において、第一側面切目線45aの先端位置と基端切目線41(第二基端切目線41b)の先端位置とが同じ場所にあることが望ましい。また、第二側面シート部26に、第二側面切目線45bの先端位置と基端切目線41(第三基端切目線41c)の先端位置とを結ぶ切目線(不図示)が形成されていてもよい。この場合であっても、第二罫線32の延在方向において、第二側面切目線45bの先端位置と基端切目線41(第三基端切目線41c)の先端位置とが同じ場所にあることが望ましい。
第一側面シート部25の幅方向における第一側面切目線45aの位置及び第二側面シート部26の幅方向における第二側面切目線45bの位置は、特に限定されるものではないが、次の位置であることが好ましい。第一側面シート部25の幅方向とは、天面シート部21と底面シート部22との対向方向をいい、第二側面シート部26の幅方向とは、天面シート部21と接着代27との対向方向をいう。つまり、梱包箱2は、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bの切断により第一側面部15及び第二側面部16まで取出口28が広げられる。そこで、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bを切断した際に梱包箱2に梱包された内容物3が第一側面部15及び第二側面部16によって支持されるように、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bは、梱包箱用シート20を梱包箱2に組み立てた際に、梱包箱2の最も天面部11側に配置される内容物3の下端よりも天面部11側となる位置とすることが好ましい。
第三側面切目線46aは、梱包箱用シート20を梱包箱2に組み立てた際に、第一側面切目線45aの途中から底面部12側且つ背面部14側に延びる切目線である。第三側面切目線46aは、第一側面切目線45aの途中から底面部12側に第三罫線33と平行な方向に延びた後に第五罫線35に向けて背面部14側に第一罫線31と平行な方向に延びることで、底面部12側且つ背面部14側に延びている。但し、第三側面切目線46aの線形状は、このような屈曲形状とする必要はなく、例えば、第一側面切目線45aの途中から底面部12側且つ背面部14側に第一罫線31及び第三罫線33に対して傾斜する方向に直線状に延びてもよい。
第四側面切目線46bは、梱包箱用シート20を梱包箱2に組み立てた際に、第二側面切目線45bの途中から底面部12側且つ背面部14側に延びる切目線である。第四側面切目線46bは、第二側面切目線45bの途中から底面部12側に第四罫線34と平行な方向に延びた後に第六罫線36に向けて背面部14側に第二罫線32と平行な方向に延びることで、底面部12側且つ背面部14側に延びている。但し、第四側面切目線46bの線形状は、このような屈曲形状とする必要はなく、例えば、第二側面切目線45bの途中から底面部12側且つ背面部14側に第二罫線32及び第四罫線34に対して傾斜する方向に直線状に延びてもよい。
第三側面切目線46aの先端位置と第四側面切目線46bの先端位置とは、第一罫線31及び第二罫線32の延在方向(第一罫線31及び第二罫線32と平行な方向)において同じ位置となっている。第三側面切目線46aの先端とは、第五罫線35側の先端をいい、第四側面切目線46bの先端とは、第六罫線36側の先端をいう。このため、第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bを切断することで、一対の矩形状の切断片56を形成することが可能となっている。
第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bの先端位置は、特に限定されるものではないが、次の位置であることが好ましい。つまり、梱包箱用シート20を構成する段ボールの段目は、第一罫線31及び第二罫線32に対して垂直な方向に延びるように配置されており、段目に沿って折り曲げると、容易に折り曲げることができる。そこで、第三側面切目線46aの切断により形成される切断片56を容易に折り曲げられるように、第三側面切目線46aの先端位置は、第一罫線31の延在方向(第一罫線31と平行な方向)において、第一側面切目線45aの先端位置と同じ位置とすることが好ましい。また、第四側面切目線46bの切断により形成される切断片56を容易に折り曲げられるように、第四側面切目線46bの先端位置は、第二罫線32の延在方向(第二罫線32と平行な方向)において、第二側面切目線45bの先端位置と同じ位置とすることが好ましい。
更に、第一側面シート部25に、第一側面切目線45aの先端位置と第三側面切目線46aの先端位置とを結ぶ切目線(不図示)が形成されていてもよい。この場合であっても、第一罫線31の延在方向において、第一側面切目線45aの先端位置と第三側面切目線46aの先端位置とが同じ場所にあることが望ましい。また、第二側面シート部26に、第二側面切目線45bの先端位置と第四側面切目線46bの先端位置とを結ぶ切目線(不図示)が形成されていてもよい。この場合であっても、第二罫線32の延在方向において、第二側面切目線45bの先端位置と第四側面切目線46bの先端位置とが同じ場所にあることが望ましい。
梱包箱用シート20を梱包箱2に組み立てる際は、まず、天面シート部21、第一側面シート部25、底面シート部22及び第二側面シート部26が角筒状となるように梱包箱用シート20の各罫線を折り曲げて、接着代27を第二側面シート部26に接着する。
そして、天面フラップ部23a及び底面フラップ部23bが第一側面フラップ部23c及び第二側面フラップ部23dの内側に配置されるように梱包箱用シート20の各罫線を折り曲げて、天面シート部21及び底面シート部22と第一側面フラップ部23c及び第二側面フラップ部23dとを接着する。このとき、分離用前面切目線44を切断した際に、切断片54が第一側面フラップ部23c及び第二側面フラップ部23dから分離されるように、天面フラップ部23aを、第一側面フラップ部23c及び第二側面フラップ部23dの切断片54となる部分にのみ接着する。
また、天面フラップ部24a及び底面フラップ部24bが第一側面フラップ部24c及び第二側面フラップ部24dの内側に配置されるように梱包箱用シート20の各罫線を折り曲げて、天面フラップ部24a及び底面フラップ部24bと第一側面フラップ部24c及び第二側面フラップ部24dとを接着する。
なお、梱包体1は、梱包箱用シート20の第二側面シート部26上に全ての内容物3を載せた状態で梱包箱用シート20を梱包箱2に組み立てることにより形成される。
次に、図7〜図11も参照して、各切目線を切断して梱包箱2を開封する動作について説明する。図7〜図10は、梱包箱の開封動作を示す斜視図である。図11は、梱包体を開封した状態を示す側面図である。
まず、梱包箱2の天面部11の切断片51となる部分を指で押し込む。すると、図7(a)に示すように、第一基端切目線41aが切断されて、切断片51が形成される。これにより、天面部11に切断片51に対応する開口が形成される。
次に、天面部11に押し込んだ指で天面部11の切断片52となる部分を引っ張る。すると、図7(b)に示すように、第二基端切目線41b及び第三基端切目線41cが切断されて、切断片52が形成される。これにより、天面部11に切断片52に対応する開口が形成される。
更に、切断片51及び切断片52を引っ張る。すると、図8(a)に示すように、第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bが切断されて、切断片53が形成される。これにより、天面部11に切断片53に対応する開口が形成される。このとき、第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bは、第一罫線31及び第二罫線32に沿って形成されているため、小さい力で、第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bを切断することができる。これにより、天面部11に切断片53に対応する開口が形成されて、天面部11に形成される取出口28が全て開かれる。
更に、切断片51、切断片52及び切断片53を引っ張る。すると、図8(b)に示すように、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bが切断されて、切断片54が形成される。これにより、前面部13に切断片54に対応する開口が形成される。このとき、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bは、第三罫線33及び第四罫線34に沿って形成されているため、小さい力で、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bを切断することができる。これにより、前面部13に切断片54に対応する開口が形成されて、前面部13に形成される取出口28が全て開かれる。
次に、図9(a)に示すように、分離用前面切目線44を切断して、切断片51、切断片52、切断片53及び切断片54を梱包箱2から切り離す。なお、切断片51、切断片52、切断片53及び切断片54が邪魔にならなければ、分離用前面切目線44を切断する必要はない。
次に、切断片55となる部分を引っ張る。すると、図9(b)に示すように、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bが切断されて、一対の切断片55が形成される。これにより、第一側面部15及び第二側面部16に各切断片55に対応する開口が形成されて、取出口28が第一側面部15及び第二側面部16にも広がる。そして、図10(a)に示すように、各切断片55を第一側面部15及び第二側面部16の外側表面に折り畳む。なお、第一側面シート部25に、第一側面切目線45aの先端位置と第二基端切目線41bの先端位置とを結ぶ切目線が形成されており、また、第二側面シート部26に、第二側面切目線45bの先端位置と基端切目線41の先端位置とを結ぶ切目線が形成されている場合は、これらの切目線を切断することで、梱包箱2から各切断片55を切り離すことができる。
次に、切断片56となる部分を引っ張る。すると、図10(a)に示すように、第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bが切断されて、一対の切断片56が形成される。これにより、第一側面部15及び第二側面部16に各切断片56に対応する開口が形成されて、第一側面部15及び第二側面部16に形成される取出口28が全て開かれる。そして、図10(b)及び図11に示すように、各切断片56を第一側面部15及び第二側面部16の外側表面に畳み込む。なお、第一側面シート部25に、第一側面切目線45aの先端位置と第三側面切目線46aの先端位置とを結ぶ切目線が形成されており、また、第二側面シート部26に、第二側面切目線45bの先端位置と第四側面切目線46bの先端位置とを結ぶ切目線が形成されている場合は、これらの切目線を切断することで、梱包箱2から各切断片56を切り離すことができる。
このように、本実施形態によれば、梱包箱2に組み立てた際に、基端切目線41を切断して当該切断部分を引っ張ると、基端切目線41に沿って第一罫線31及び第二罫線32まで切断され、更に第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bに沿って切断が進行する。このとき、第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bが第一罫線31及び第二罫線32に沿って形成されており、第一罫線31及び第二罫線32は、梱包箱2の天面部11と第一側面部15との間の稜線及び天面部11と第二側面部16との間の稜線となる。これにより、第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bが切断されやすくなるため、小さい力でも第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bを切断することが可能となる。そして、第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bが第一罫線31及び第二罫線32に沿って第一罫線31及び第二罫線32の前面シート部23側の先端に至り、これらの先端は、梱包箱2の天面部11と第一側面部15との間の稜線及び天面部11と第二側面部16との間の稜線における前面部13側の頂点となる。これにより、天面部11の基端切目線41から前面部13に至る全ての部分を開封することができる。また、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bが、第一天面切目線42a及び第二天面切目線42bの先端から梱包箱2の底面部12側となる方向に延びるため、更に切断部分を引っ張ると、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bに沿って切断が進行して、天面部11から前面部13に至る部分に、梱包箱2から内容物3を取り出す取出口28が形成される。これにより、小さい力でも梱包箱2に取出口28を容易に形成することができる。
また、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bの先端を、梱包箱2の最も天面部11側に配置される内容物3の下端よりも天面部11側となる位置とすることで、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bを切断した際に、梱包箱2に梱包された内容物3を前面部13によって支持することができる。
また、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bが第三罫線33及び第四罫線34に沿って形成され、第三罫線33及び第四罫線34は、梱包箱2の前面部13と第一側面部15との間の稜線及び前面部13と第二側面部16との間の稜線となる。これにより、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bが切断されやすくなるため、小さい力でも第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bを切断することが可能となる。
また、第一側面シート部25及び第二側面シート部26に、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bの先端から延びる第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bを形成することで、第一前面切目線43a及び第二前面切目線43bを切断した後に第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bを切断することで、取出口28を梱包箱2の第一側面部15及び第二側面部16にまで広げることができる。これにより、内容物3の取り出し性を更に向上することができる。
また、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bの先端を、第一罫線31及び第二罫線32の延在方向において、基端切目線41が第一罫線31及び第二罫線32に至る位置と同じ位置とすることで、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bの先端と基端切目線41が第一罫線31及び第二罫線32に至る位置とが同じ段目となる。これにより、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bの切断により形成される一対の切断片55を容易に折り曲げることができる。
また、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bを、梱包箱2の最も天面部11側に配置される内容物3の下端よりも天面部11側となる位置とすることで、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bを切断した際に、梱包箱2に梱包された内容物3を第一側面部15及び第二側面部16によって支持することができる。
また、第一側面シート部25及び第二側面シート部26に、梱包箱2を組み立てた際に第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bの途中から底面部12側且つ背面部14側に延びる第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bを形成することで、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bを切断した後に第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bを切断することで、第一側面部15又は第二側面部16まで広げられた取出口28を更に底面部12側にも広げることができる。これにより、内容物3の取り出し性を更に向上することができる。
また、第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bが、底面部12側に延びた後に背面部14側に延びることで、第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bの切断により形成される第一側面部15又は第二側面部16の取出口28を広くすることができる。これにより、内容物3の取り出し性を更に向上することができる。
また、第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bの先端を、第一罫線31及び第二罫線32の延在方向において、第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bの先端と同じ位置とすることで、第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bの先端と第一側面切目線45a及び第二側面切目線45bの先端とが同じ段目となる。これにより、第三側面切目線46a及び第四側面切目線46bの切断により形成される一対の切断片56を容易に折り曲げることができる。
また、梱包箱用シート20が組み立てられる梱包箱2をラップラウンドケースとすることで、梱包箱2に容易に組み立てることができるとともに、内容物3を容易に梱包箱2で梱包することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態において、梱包箱は、各面の間の角部が直角に屈曲された直方体のものとして説明したが、図12及び図13に示すように、各面の間の角部が面取りされ梱包箱及び当該梱包箱に組み立てられる梱包箱用シートであってもよい。図12は、変形例の梱包箱の斜視図である。図13は、変形例の梱包箱の展開図(梱包箱用シートの平面図)である。図12に示す梱包箱60は、基本的に上記実施形態の梱包箱2と同様であるが、各面の角部に面取り部61が形成されている点のみ上記実施形態の梱包箱2と相違する。このため、図13に示す梱包箱用シート70も、梱包箱60の面取り部61が形成される面取りシート部71は、罫線が罫線72aと罫線72bとに二分岐されている。このような場合、罫線に沿った切目部は、罫線72a及び罫線72bの何れか一方又は双方に沿って形成することで、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、梱包箱の前面部側にのみ切目線が形成されるものとして説明したが、店舗や家庭(冷蔵庫など)における梱包箱の設置形態によっては背面部が前面部になり得るため、梱包箱の背面部側にも切目線が形成されてもよい。この場合、梱包箱の背面部側に形成される切目線は、必ずしも梱包箱の前面部側に形成される切目線と同一である必要はないが、製造容易性の観点から、梱包箱の前面部側に形成される切目線と同一であることが好ましい。