JP6098834B2 - 溶融アルミニウム合金用不定形耐火物 - Google Patents

溶融アルミニウム合金用不定形耐火物 Download PDF

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本発明は、溶融アルミニウム合金用の溶解炉、保持炉、溝型誘導炉等に使用される不定形耐火物に関し、特に、耐食性、耐浸透性、耐スポーリング性等の諸特性に優れた溶融アルミニウム合金用不定形耐火物に関する。
アルミニウム合金用(以下、Al合金用という。)の溶解炉や保持炉では、溶湯(この場合、溶融Al合金)に接する耐火物の選定が非常に重要である。例えば、耐火物としてアルミナ・シリカ質耐火物を採用した場合は、溶融Al合金は耐火物中のSiO成分と(1)式のような還元反応を生じることが知られている。

2Al(l) + 3/2SiO2(s) = Al2O3(s) + 3/2Si(l) (1)
この反応によって、Alが生成して溶湯と耐火物の界面に変質層が形成され、炉内を閉塞させてしまうという問題がある。
このような還元反応を抑制する観点で、特許文献1は、珪酸を含まない高純度耐火物に5〜20%のカルシウムアルミネートを焼結剤として添加したAl−Li合金溶解用耐火材及びライニング材(坩堝)を開示している。また、特許文献2は、カーボン30〜50重量%、SiC原料10〜35重量%、Al5〜30重量%及び結合剤と不可避的不純物で構成されたAl−Li合金溶解用耐火材料(坩堝)を開示している。
一方、非鉄金属製造設備における溶解炉や保持炉の加熱方法として、バーナー加熱、電気発熱体による加熱、溝型誘導加熱等が開発されている。この中で、溝型誘導加熱に使用される耐火物は、溶解炉や保持炉の側壁や下部に設置されており、その形状が複雑になる。そのため、特許文献1、2等で開示されている坩堝や煉瓦では施工が困難であった。そこで、煉瓦に変わる材料としてラミング材や緻密質キャスタブル等の不定形耐火物が広く使用されている(例えば、特許文献3−5等参照。)。
例えば、特許文献3は、Al分85重量%以上を含むアルミナ質耐火材に窒化ケイ素を配合したAl−Li合金溶融精錬炉用不定形耐火物を開示している。また、特許文献4は、Alを80重量%以上含むハイアルミナ質低セメントキャスタブル100重量部に対して、難溶性リン酸塩、フリット及び炭化硼素の中から選ばれる1種以上の添加物を合計で0.5〜3重量部含有するAl合金溶解炉用耐火物を開示している。さらに、特許文献5は、従来のボーキサイトや高純度アルミナを骨材とした低セメントキャスタブルに弗化化合物0.5〜5wt%を超微粉、分散剤とともに加え、混練物の流動性と硬化性を向上させた不定形耐火物を開示している。
また、溶融Al合金用耐火物では、耐火物中へのAl合金の浸潤がもう一つの問題である。Al合金が耐火物中へ浸潤すると、構造スポーリングが生じて損傷が進行する。そのため、耐火物中へのAl合金の浸潤を抑えることが重要になる。Al合金の中では、特に、Al−Li合金、Al−Zn合金が耐火物中に浸潤しやすいことが知られている。
その対策として、特許文献6は、耐火物中にフッ素含有量が0.01〜30重量%となる量のフッ素化合物を含有させたアルミニウム及びアルミニウム合金用流し込み耐火物を開示している。この技術では、弗化物添加によるAl合金の浸透防止添加効果が得られる理由について、耐火物中に存在する弗素化合物がAl溶湯中に浮遊・懸吊している酸化物等と反応することで酸化物の被膜、粒等が耐火物表面に生成され、Al溶湯の表面張力が高められる結果、Al溶湯の濡れ性を弱めることができるとしている。
特開平1−268826号公報 特開第4−285065号公報 特開平4−325457号公報 特開平11−199334号公報 特開平3−177365号公報 特開2002−274959号公報
しかしながら、特許文献3−5が開示する技術では、アルミナの含有量が多いため、熱膨張率が大きくなり、耐熱スポーリング性については十分に満足できるような性能が得られていない。また、特許文献6が開示する技術では、亀裂の抑制効果については不十分であり、耐熱スポーリング性についても未だ十分とはいえなかった。
そのため、現状では、溶融Al合金用の耐火物としてアルミナ質耐火物を採用する場合は、Al含有量が70〜90重量%の高アルミナ質耐火物が一般的に使用されているものの、抜本的な改善は達成されておらず、その耐用性は未だ十分とはいえなかった。
加えて、溝型誘導炉では、耐火物は溶解炉や保持炉本体よりも高温下で使用されるとともに、Al溶湯の流動の影響も受ける。そのため、溝型誘導炉では、特に、溝部における閉塞と亀裂の対策が求められている。
本発明は、このような従来の事情を鑑みて提案されたものであって、特に耐火物への浸潤が生じやすいAl−Zn合金の溶解炉に適用した場合でも、優れた耐スポーリング性と耐反応性(Al合金による還元によって変質が生じ難い)を得ることができる、溶融アルミニウム合金用不定形耐火物を提供することを目的とする。
Al溶湯と反応し難い材質として、SiC(炭化珪素)や黒鉛のような非酸化物が知られている。しかしながら、これらの材質は、施工性及び酸化雰囲気中での安定性に問題があった。特に、SiCを主成分とする不定形耐火物は、水との馴染みが悪く、施工水分量の増加に伴う施工体組織の高気孔率化、強度低下が顕著であり、殆ど実用化されていなかった。また、溶融Al合金用耐火物では、上述のように、Al溶湯の浸潤に対する対策が求められるが、SiCを主成分とする耐火物では、浸潤抑制についての対策方法は知られていない。
本願発明者ら等は、溶融Al合金用不定形耐火組成物としてSiCの優れた特性を発揮させるため、流動性の改善と浸潤の抑制について鋭意研究を重ね、非晶質SiO超微粉とCaFを活用すればよいことを見出し、本発明を完成するに至った。
SiCは高熱伝導率で高硬度、耐摩耗性に優れており、熱膨張係数が小さいために耐熱スポーリング性が高いことが特徴であり、非鉄溶融金属に対する耐食性にも優れている。しかしながら、上述のように不定形耐火物の主原料として使用した場合、水との馴染みが悪く、施工水分量の増加に伴う施工体組織の高気孔率化、強度低下が顕著であった。これに対し、特定量の非晶質SiO超微粉を活用することによって流し込み施工に必要な水分量を低減し、緻密かつ高強度な施工体を得ることを見出した。また、本発明の不定形耐火物の硬化剤としてアルミナセメントを活用すれば、施工性に優れ高強度の施工体を得ることができることも見出した。
一方、非晶質SiO超微粉は、溶融Al合金によって還元され、金属SiとなってAl合金中に溶け出すという欠点を有している。また、この反応によってAlが溶融Al合金内に析出し閉塞物となるという問題点もある。
その対策として、本願発明者らはSiCを主成分とする不定形耐火物において非晶質SiO超微粉に特定の比率で組み合わせたCaF(弗化カルシウム)を添加することで、溶融Al合金によるSiO超微粉の還元を、大幅に抑制できることを見出した。本願発明者らの解析では、特定比率でCaFを添加することにより、Al溶湯と耐火物との境界面に、Al、SiO、CaOからなる膜が形成されていた。その膜によってAl溶湯の浸潤が抑制されたと考えられる。融液の生成は確認できないことから、SiOとCaOとが気相を介してAl溶湯界面に輸送され、SiOの一部がAlによって還元されることで、上述の膜が生成されていると考えられる。
加えて、特許文献6では弗化物添加による溶融Al合金の浸透防止添加効果について、耐火物中の存在する弗素化合物がAl溶湯中に浮遊・懸吊している酸化物等と反応することで酸化物の被膜、粒等が耐火物表面に生成され、Al溶湯の表面張力を高められる結果、Al溶湯の濡れ性を弱めことができるとしているが、本発明の事例はそのような現象は観察できなかった。すなわち、本発明は、少なくとも、特許文献6が開示する技術とは異なるメカニズムにより効果が得られていると考えられる。
本願発明者らは、以上のようにして得られた新たな知見に基づいて本発明に至った。まず、本発明は、耐火原料と硬化剤とを含む溶融アルミニウム合金用不定形耐火物を前提としている。そして、本発明に係る溶融アルミニウム合金用不定形耐火物は、主原料と当該主原料に添加されるCaF原料を含む。主原料は、SiC原料75〜96質量%、アルミナセメント2〜10質量%、非晶質SiO超微粉1〜8質量%、上記各成分の総和が100質量%未満である場合に総和が100質量%となる状態に添加される、Al、CaO、ZrO、MgOから選ばれる1種類以上の耐火原料からなる。そして、CaF原料は、前記SiC原料の4.0質量%以下であって、CaF原料の外掛け質量%値Aと非晶質SiO超微粉の質量%値Bとの比(A/B)が0.2≦(A/B)≦2を満足する範囲内で、前記主原料に添加される。
本発明の不定形耐火物によれば、耐スポーリング性と溶融Al合金に対する耐反応性が大幅に改善されるのみならず、耐熱スポーリング性が改善される。また、施工時の流動性も十分に確保できるとともに、800℃焼成後の強度も十分にあるため、施工上の問題もない。そのため、本発明に係る不定形耐火物を、例えば、溶融Al合金用の溝型誘導炉に適用すれば、亀裂の発生が低減され、かつ溝部のAl閉塞も皆無となり、耐火物のトータルライフを大幅に向上させることができる。
本発明における溶融アルミニウム合金用(以下、溶融Al合金用という。)不定形耐火物は、主原料と当該主原料に添加されるCaF原料(弗化カルシウム原料)を含む。
主原料は、SiC原料(炭化珪素原料)、硬化剤、非晶質SiO超微粉、これらの各成分の総和が100質量%未満である場合に総和が100質量%となる状態に添加される、Al、CaO、ZrO、MgOから選ばれる1種類以上の耐火原料からなる。
SiC原料の添加量は60〜98質量%(60質量%以上かつ98質量%以下)である。より好ましくは、75〜96質量%(75質量%以上かつ96質量%以下)である。SiC原料の添加量が60質量%未満である場合、SiC原料の高熱伝導率、低熱膨張率かつ低弾性率が発揮されず、耐熱スポーリング性が低下するので好ましくない。また、SiC原料の添加量が98質量%を超える場合、必須の原料である非晶質SiO超微粉及び硬化剤の添加量が低下し、非晶質SiO超微粉及び硬化剤の機能が発揮されないため好ましくない。本発明において、SiC原料は、主骨材として耐熱スポーリング性を格段に向上させる役割を有する。
SiC原料として、SiOとカーボンの混合物を超高温で反応させてSiCとする、いわゆるアチソン法で生成されるSiCを利用することができる。また、金属SiとC(炭素)とを高温で反応させること合成したSiCを利用することも可能である。
SiC原料の純度は85質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上である。SiC原料の純度が85質量%未満の場合、炭素や金属Si等の不純物の影響で施工性が低下したり、施工体の強度が低下したりするため好ましくない。
SiC原料の粒度は特に限定されない。一般に不定形耐火物(流し込み材)として使用されている粒度配合を利用することができる。例えば、最大粒径が6mm、粒径1mm以上が40〜55質量%(40質量%以上かつ55質量%以下)、粒径0.1〜1mm(0.1mm以上かつ1mm未満)が10〜30質量%(10質量%以上かつ30質量%以下)、粒径0.1mm未満が15〜50質量%(15質量%以上かつ50質量%以下)等とし全量が100質量%になるようにすればよい。
硬化剤の添加量は1〜15質量%(1質量%以上かつ15質量%以下)である。より好ましくは、2〜10質量%(2質量%以上かつ10質量%以下)である。硬化剤の添加量が1質量%未満である場合、施工体の強度が十分に得られない上、Al溶湯界面におけるAl、SiO、CaOからなる膜が安定的に形成されないため好ましくない。また、硬化剤の添加量が15質量%を超える場合、添加量に応じて強度が向上することがなくなる上、流動性が低下するため好ましくない。
硬化剤として、公知である、セメント、水硬性アルミナ、リン酸塩、珪酸塩、シリカゾル、樹脂等を使用することができる。流し込み施工において硬化挙動を制御し易いアルミナセメントの使用が特に好ましい。アルミナセメントとしてはカルシア含有量が30質量%未満であって、カルシウムアルミネートとコランダムを主体鉱物とする高純度のハイアルミナセメントが特に好ましい。
非晶質SiO超微粉の添加量は1〜8質量%(1質量%以上かつ8質量%以下)である。より好ましくは、2〜6質量%(2質量%以上かつ6質量%以下)である。非晶質SiO超微粉の添加量が1質量%未満である場合、材料中の空隙に対して非晶質SiO超微粉量が不足する結果、緻密で高強度な施工体が得られなくなるため好ましくない。さらに、Al溶湯界面における安定なAl、SiO、CaOからなる膜が形成されないため好ましくない。また、非晶質SiO超微粉の添加量が8質量%を超える場合、非晶質SiO超微粉量が過剰となり、施工時の流動性が低下(粘性が増大)するため好ましくない。本発明において、非晶質SiO超微粉は、流し込み材の混練水分を低減させて緻密かつ高強度な施工体を形成させる役割を有する。
非晶質SiO超微粉は、一般的にシリカフラワーやシリカヒュームと呼ばれるものが使用できる。いずれも、気相を介して生成されたSiOヒュームであり、金属Siの溶解時や、ジルコンを還元してジルコニアを製造する際に副生物として発生する。一次粒径はサブミクロンの粒子である。また、非晶質SiO超微粉の純度はSiOが90%以上であることが好ましく、ジルコンやジルコニアを若干含有していてもかまわない。
CaF原料は、CaF原料の外掛け質量%値Aと非晶質SiO超微粉の質量%値Bとの比(A/B)が0.2≦(A/B)≦2を満足する範囲内で主原料に添加される。より好ましくは、0.3≦(A/B)≦1.5である。(A/B)が0.2未満である場合、Al溶湯界面におけるAl、SiO、CaOからなる膜が十分には形成されないため好ましくない。また、(A/B)が2を超える場合も、Al溶湯界面におけるAl、SiO、CaOからなる膜が十分には形成されない上、流動性が低下するため好ましくない。
CaF原料は鉱産物として産出する蛍石を使用してもよく、化学試薬を使用してもよい。CaFの純度は95質量%以上であることが好ましい。また、CaFの粒度は特には規定されないが、材料中への分散性から粒径0.5mm以下が好ましく、粒径0.3mm以下がより好ましい。
本発明は、SiC原料、硬化剤、非晶質SiO超微粉と、非晶質SiO超微粉に対して特定割合のCaF原料とを含むことで効果を発揮する。しかしながら、主原料は、SiC原料、硬化剤、非晶質SiO超微粉のみで構成されることは必須ではなく、本発明の効果を奏する範囲において他の耐火原料を添加することができる。すなわち、SiC原料、硬化剤、非晶質SiO超微粉の各成分の総和が100質量%未満である場合、総和が100質量%となる状態に他の耐火原料を添加することができる。当該他の耐火原料として、Al、CaO、ZrO、MgOから選ばれる1種類以上を使用することができる。例えば、SiC原料が60質量%、硬化剤が1質量%、非晶質SiO超微粉が1質量%の場合、当該耐火原料が38質量%添加される。
公知のように、Alの融点は約660℃であり、Al溶解炉の操業温度は1000℃程度である。また、操業中に形成される酸化物もAlが主体であるため、溶融Al合金用不定形耐火物では、製鉄用の耐火物のように、溶融スラグとの反応により溶損することはない。しかしながら、上述の(1)式に示すAlによる還元反応は抑制する必要がある。そのため、酸化物として安定しており、Alによって還元され難い上述のAl、CaO、ZrO、MgOであれば、本発明の効果を損なうことはない。
なお、耐食性と容積安定性の観点では、当該他の耐火原料はアルミナ質原料であることが好ましい。例えば、Al含有量が80質量%以上のばん土頁岩やボーキサイト、Al含有量が95質量%以上の焼結アルミナ品や電融アルミナ、Al含有量が98質量%以上の仮焼アルミナ等を使用することができる。
以上のような配合を使用することで、Al溶湯界面におけるAl、SiO、CaOからなる膜を安定的に形成することができる。
ここで、Al溶湯界面におけるAl、SiO、CaOからなる膜の形成機構について考察する。
Al溶湯によるSiOの還元反応は上述の(1)式で示されるが、Al溶湯に接するような耐火物の気孔中では、もう少し複雑な反応が生じていると考えられる。すなわち、例えば、Al合金用溶融炉において溶融Al合金と接するワーク耐火物の厚さは150〜200mm程度あり、稼働面では溶融Al合金と接しているが、反対面では大気と流通できる雰囲気になっている。そのため、稼働面側では、溶融Al合金と酸素とが反応するため酸素分圧が低くなり、反対面側では稼働面側に比べて酸素分圧が高くなる。したがって、耐火物内で酸素の濃度勾配が存在する。
このように、稼働面近傍では酸素分圧が低いために(2)式によるSiOの分解が生じ、SiO(g)として気孔中を移動することが可能である。

SiO2 = SiO(g) + 1/2O2 (2)
さらには、アルミナセメントに含有されるCaOも低酸素分圧下では蒸発が起こりやすく、(3)式に示す状態が発生する。

CaO = Ca(g) + 1/2O2 (3)
(2)式、(3)式は平衡反応であるため、移動先でSiO、CaOに戻ることも可能である。
一方、稼働面から少し距離が離れると酸素分圧が上昇する。本発明の不定形耐火物は主成分としてSiCを含むため、CaFは微量に存在する酸素と相まって(4)式に示すようにSiCと反応する。ただし、この反応は、酸素分圧の極めて低い稼働面近傍では生じない。

SiC + 2CaF2+ 3/2O2 → SiF4(g) + 2CaO + CO (4)
一方、SiFはCaOと共存すると不安定で、(5)式に示すようにSiOとCaFに分解する。

2CaO + SiF4(g) → SiO2 + 2CaF2 (5)
なお、(4)式と(5)式の和は(6)式となり、SiCの酸化反応である。

SiC + 3/2O2 → SiO2 + CO (6)
したがって、CaFはあたかも触媒のような働きをして、耐火物内面から稼働面の表面に向かってSiO成分の気相を介した輸送を可能にしていると考えることができる。このため、CaF成分を一定量以上含むことで、(4)式と(5)式の反応によって稼働面の表面へのSiO成分の輸送量を増大させることができる。しかしながら、基本的には酸化反応であるため、その輸送量の最大値は酸素の供給量によって定まり、CaF量を増やしたとしても一定の値に飽和する。
以上の結果、(2)式、(4)式と(5)式の反応によってSiO成分がAl溶湯面に輸送され、(1)式の反応によってその一部がAlになり、また、(3)式の反応によってCaO成分が輸送されるため、Al溶湯界面にAl、SiO、CaOからなる膜が形成されたものと考えられる。
本願発明者らは、以上の考察に基づいて、この膜が形成される条件について、CaFとSiOの含有量の比によって整理できることを見出した。すなわち、CaF量が少なくSiO量が多い場合、(4)式、(5)式の反応が進まず、SiO成分の供給が不十分となるため、膜の生成は不完全となる。また、CaF量が多く、SiO量が少ない場合には、(2)式の反応によって供給されるSiO量が少なくなるため、この場合も不完全となる。したがって、SiO成分とCaF成分の比を特定範囲とすることで、安定なAl、SiO、CaOからなる膜が形成されたものと考えられる。
なお、以上の原料には、本発明の効果を阻害しない範囲で公知の各種添加材を配合することができる。例えば、非鉄溶融金属の難濡れ性物質として公知である硼酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、硫酸バリウム、さらに必要に応じて、粘土、アルミニウム粉末、金属ファイバー、有機ファイバー、セラミックファイバー、分散剤として縮合燐酸塩やポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩やそれらの重合体又は共重合体等を添加することができる。
また、本発明に係る不定形耐火物は、使用現場における流し込み施工に限定されず、事前に成形されたプレキャストブロックとして使用現場に搬入し、各種炉に設置されて使用することもできる。
(実施例1)
以下に実施例及び比較例を提示して、本発明の不定形耐火物を説明する。なお、本発明は以下の例示に限定されるものではない。
表1及び表2では、表中に示す配合割合で原料を配合、混練することにより調整した不定形耐火物の特性を評価している。
各配合において使用したSiC原料は、アチソン法で製造されたものであり、純度は97質量%である。また、電融アルミナの純度は98質量%である。なお、SiC原料の粒子径及び電融アルミナの粒子径も、表1、表2中に示している。表1、表2において、「6−1mm」は、粒径が1mm以上、かつ6mm以下を意味する。「−1mm」は、粒径が1mm未満を意味する。
また、仮焼アルミナの純度は99.8質量%であり、粒度は20μm以下である。非晶質SiO超微粉にはシリカフュームを使用している。CaF原料は蛍石の粉砕粉末を使用している。CaF原料の純度は97質量%、粒度は0.1mm以下である。アルミナセメントには、アルミナ成分74質量%のハイアルミナセメントを使用した。さらに、分散剤として、ポリカルボン酸塩を添加した。なお、表1、表2中における「−」は、その成分が含まれていないことを意味する。
さらに、表1、表2中に各配合の化学成分を示している。化学成分は、SiC、Al、SiOの代表3成分を示している。代表3成分の総和が100質量%未満である場合の残部はCaO等不純物由来の成分である。
各配合により得られる不定形耐火物について、流動性、曲げ強さ、耐熱スポーリング性、耐湿潤性を評価し、表1、表2中に記載した。
流動性は、各配合に水を外掛け5.0質量%添加し、定法に従って混練することで得られた混練物により評価した。当該評価では、JIS R 2521に規定されている上辺70φ、下辺100φ、高さ60mmのフローコーンを用い、2.7Gの振動を5秒間与えた。広がった後の不定形耐火物の径を最大と認められる方向とこれに直角な方向について測り、この2つの方向の径の平均値をフロー値とした。「+」は、フロー値が160mm未満であることを示している。「++」は、フロー値が160以上かつ180mm未満であることを示している。「+++」は、フロー値が180mm以上であることを示している。ここでは、フロー値160mm未満を流動性不良と判定した。
曲げ強度は、40mm×40mm×160mmの形状を有する試験片を使用し、JIS R 2553に準じた試験方法により評価した。ここでは、800℃−3時間焼成後の曲げ強度を評価している。試験片は、各配合に水を外掛け5.0質量%添加し、定法に従って混練した混練物を上記形状の型枠に鋳込み、24時間常温養生した後脱枠し、引き続き110℃で24時間乾燥した後、800℃で3時間焼成することで生成した。ここでは、曲げ強度10MPa未満を強度不良と判定した。
耐熱スポーリング性は、40mm×40mm×160mmの形状を有する試験片に対して、加熱、急冷サイクルを繰り返し、亀裂が生じたサイクル数により評価した。試験片は、各配合に水を外掛け5.0質量%添加し、定法に従って混練した混練物を上記形状の型枠に鋳込み、24時間常温養生した後脱枠し、110℃で24時間乾燥することで生成した。加熱、急冷サイクルは、1000℃に加熱した電気炉に試験片を投入して15分間加熱し、その後、電気炉から取り出して流水で2分間急冷した。この加熱、急冷サイクルを10回繰り返し、試験片に何回目で亀裂が発生するかを観察した。「+」は3サイクル未満で亀裂が生じたことを示している。「++」は3〜6サイクルで亀裂が生じたことを示している。「+++」は7サイクル目以降で亀裂が生じたことを示している。亀裂が生じたサイクル数の少ない方(3サイクル未満)が、耐熱スポーリング性不良と判定した。
耐浸潤性は、5mm×114mm×230mmの形状を有する試験片を55%Al−Zn合金融液溶解炉中に6ヵ月浸漬し、Al合金との接触面における変質層の生成厚みにより評価した。試験片は、各配合に水を外掛け5.0質量%添加し、定法に従って混練した混練物を上記形状の型枠に鋳込み、24時間常温養生した後脱枠し、110℃で24時間乾燥することで生成した。変質層の生成厚みは、試験片を回収・切断し、Al合金との接触面を観察することで取得した。「+」は、変質層の厚さが10mm以上であることを示している。「++」は、変質層の厚さが、5〜10mm(5mm以上かつ10mm未満)であることを示している。「+++」は、変質層の厚さが5mm未満であることを示している。変質層が厚く形成されている方(10mm以上)が耐浸潤性不良と判定した。
また、表中の総合評価欄に記載している記号は、以上の各特性を総合的に評価したものである。「◎」は、全ての特性について優れている配合に付している。「○」は、「◎」に比べれば劣る特性が存在しているが、実用上問題のない配合に付している。「△」は、耐熱スポーリング特性を除く各特性について1項目が不良と判定された配合に付している。「×」は、各特性について2項目以上が不良あるいは耐熱スポーリング特性が不良と判定された配合に付している。
Figure 0006098834
Figure 0006098834
表1、表2から理解できるように、実施例1〜18では、流動性、曲げ強度、耐熱スポーリング性、耐浸潤性の各特性について優れた特性が得られている。
ここで、表1に示す配合について簡単に説明する。
表1において実施例1〜5は、SiC原料の配合割合を変更している。また、実施例6〜10は非晶質SiO超微粉の配合割合を変更している。実施例11〜14は、上述の比(A/B)を変更している。実施例15〜18は、アルミナセメントの配合割合を変更している。
以下、表2の各比較例について簡単に説明する。
比較例1は、電融アルミナを主体とする従来型のアルミナ質不定形耐火物の配合である。また、上記(A/B)が0.75となるようにCaF原料を添加している。この比較例1は、耐熱スポーリング性が劣っている。これは、アルミナ質の熱膨張率が高いために耐スポーリング性が劣ったものである。また、CaF原料を3質量%含有させ、また、上記(A/B)が0.75と本発明の範囲内にしたにもかかわらず、耐浸潤性も劣っていた。これは、SiCを主体にした配合ではないため、Al溶湯界面に安定なAl、SiO、CaOからなる膜が形成できなかったためと考えられる。
比較例2は、SiC原料を99質量%、非晶質SiO超微粉を1質量%含有し、硬化剤であるアルミナセメントを含まない配合である。この比較例2は、流動性及び曲げ強度が不良である。
比較例3は、SiC原料の添加量を50質量%と実施例5よりもさらに少なくした配合である。この比較例3は、耐スポーリング性が著しく劣っている。
比較例4は、実施例6〜10との対比において、非晶質SiO超微粉を含まない配合である。この比較例4は、流動性、曲げ強度及び耐浸潤性が不良である。また、比較例5は、実施例6〜10との対比において、非晶質SiO超微粉を10質量%と多くした配合である。この比較例5は、大変粘り気が強く流動性が不良である。
比較例6は、実施例11〜14との対比において、上記比(A/B)を0.1と低くした配合である。この比較例6は耐浸潤性が不良である。また、比較例7は、実施例11〜14との対比において、上記比(A/B)を2.5と高くした配合である。この比較例7は耐浸潤性及び流動性が不良である。
比較例8は、実施例15〜18との対比において、アルミナセメントを含まない配合である。この比較例8は、流動性、曲げ強度、耐浸潤性が不良である。また、比較例9は、実施例15〜18との対比において、アルミナセメントを20質量%と多くした配合である。この比較例9は、流動性が不良である。
このように、本発明の各実施例によれば、流動性、曲げ強度、耐熱スポーリング性に優れ、また、溶融Al合金に対する耐浸潤性に優れた不定形耐火物を得ることができる。
(実施例2)
表1において総合評価の高い実施例3について、溶解量50tの55%Al−Zn合金溶解用のAl合金溶解炉のインダクターブロックに施工し、実機使用した。また、対比用として表2の比較例3(従来のアルミナ質不定形耐火物)をインダクターブロックに施工し、同一設備で使用した。比較例3の配合では、平均寿命が8.9ヶ月(サンプル数n=13)であったのに対し、実施例3の配合では、平均寿命が30ヶ月(サンプル数n=3)であった。この結果からも、本発明に係る不定形耐火物が耐用性に優れることが理解できる。
以上説明したように、本発明によれば、耐熱スポーリング性、溶融Al合金に対する耐浸潤性に優れ、従来の耐火物と比較して高耐用の溶融Al合金用不定形耐火物を実現することができる。
本発明は、流動性、曲げ強度、耐熱スポーリング性、溶融Al合金に対する耐浸潤性に優れ、従来の耐火物と比較して高耐用の溶融Al合金用不定形耐火物を実現することができ、溶融Al合金用不定形耐火物として有用である。

Claims (1)

  1. 耐火原料と硬化剤とを含む溶融アルミニウム合金用不定形耐火物であって、
    SiC原料75〜96質量%、
    アルミナセメント2〜10質量%、
    非晶質SiO超微粉1〜8質量%、
    上記各成分の総和が100質量%未満である場合に総和が100質量%となる状態に添加される、Al、CaO、ZrO、MgOから選ばれる1種類以上の耐火原料、からなる主原料と、
    前記主原料に添加されるCaF原料と、
    を含み、
    前記CaF原料が、前記SiC原料の4.0質量%以下であって、CaF原料の外掛け質量%値Aと非晶質SiO超微粉の質量%値Bとの比(A/B)が0.2≦(A/B)≦2を満足する範囲内で、前記主原料に添加されることを特徴とする溶融アルミニウム合金用不定形耐火物。
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