JP6073152B2 - 光多値信号送信器、光多値信号送受信器及び光多値信号処理ic - Google Patents

光多値信号送信器、光多値信号送受信器及び光多値信号処理ic Download PDF

Info

Publication number
JP6073152B2
JP6073152B2 JP2013031417A JP2013031417A JP6073152B2 JP 6073152 B2 JP6073152 B2 JP 6073152B2 JP 2013031417 A JP2013031417 A JP 2013031417A JP 2013031417 A JP2013031417 A JP 2013031417A JP 6073152 B2 JP6073152 B2 JP 6073152B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
optical
electric field
correction
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013031417A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014160985A (ja
Inventor
信彦 菊池
信彦 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2013031417A priority Critical patent/JP6073152B2/ja
Publication of JP2014160985A publication Critical patent/JP2014160985A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6073152B2 publication Critical patent/JP6073152B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Description

本発明は、光多値信号送信器、光多値信号送受信器及び光多値信号処理ICに関する。
近年、幹線系・メトロ系光ファイバ伝送システムは、光信号の変調速度の高速化による占有帯域の拡大と波長チャネルの増加の観点から光波長帯域が枯渇しつつあり、伝送可能な情報量(伝送容量)が限界に近づいている。そこで、光ファイバの伝送容量を更に拡大するための技術として、波長(周波数)帯域の利用効率を高める光多値変調の利用が検討されている。
光多値変調方式については、従来から多くの検討が報告されている。例えば、R. A. Griffin, et. al., "10Gb/s Optical Differential Quadrature Phase Shift Key (DQPSK) Transmission using GaAs/AlGaAs Integration," OFC2002, paper PD-FD6, 2002(非特許文献1)では、4値位相変調を行うQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)が報告され、N. Kikuchi and S. Sasaki, “Highly-sensitive Optical Multilevel Transmission of arbitrary QAM (Quadrature-Amplitude Modulation) Signals with Direct Detection,” J. of Lightwave Technology, Vol. 28, No. 1, 2010, pp. 123-130.(非特許文献2)では、直接検波の一種である光遅延検波を用いた16QAM信号の長距離伝送が報告されている。また、P. J. Winzer, "Spectrally Efficient Long-Haul Optical Networking Using 112-Gb/s Polarization-Multiplexed 16-QAM," JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL. 28, NO. 4, FEBRUARY 15, 2010, pp.547-556(非特許文献3)では、偏波多重を併用した16QAM信号のコヒーレント受信方式が報告されている。
図1の(A)〜(D)を用い、光伝送に用いられる複素位相平面の説明と、公知の各種変調方式の信号点配置を説明する。これらの図では、複素位相平面(もしくは複素平面、位相面、IQ平面)に、各種光多値信号の信号点(識別時刻における光電界の複素表示)がプロットされている。
(A)は、IQ平面上の信号点を説明する図である。各信号点は、複素直交座標(IQ座標)、又は、振幅r(n)と位相φ(n)で示す極座標で表示される。
(B)は、位相角φ(n)として4つの値(0、π/2、π、−π/2)を用いて1シンボルで2ビットの情報(00、01、11、10)を伝送する4値位相変調(QPSK)を示している。
(C)は、無線で広く用いられている16値直交振幅変調(16QAM)を示している。16QAMでは、信号点が格子状に配置され、1シンボルで4ビットの情報を伝送することができる。
(D)は、64QAM信号の例である。64QAMでは、1シンボルで6ビットの情報を伝送することができる。その一方、64QAMのように非常に多くの信号点を密に配置すると、信号点の位置ずれなどにより、受信感度などの性能劣化が生じやすいことが知られている。
図2に、従来用いられている光多値信号送信器の基本構成を示す。従来の光多値信号送信部の信号処理回路100は、外部から入力された情報信号101を多値符号化回路102に入力する。多値符号化回路102は、直交複素平面(図1)上において、入力された情報信号101を多値シンボル列103に変換する。デジタル的に表現された多値シンボル列103は、2倍補間回路104に与えられる。2倍補間回路104は、多値シンボル列103を2サンプル/シンボル等にオーバーサンプリングし、多値信号列105に変換する。多値信号列105は、必要に応じ、光ファイバの波長分散の影響を送信側で補償(予等化)するための予等化回路106に入力される。図2の例では、予等化回路106が信号処理回路100内に設けられており、その出力として多値信号107が出力される。多値信号107は、実部成分と虚部成分に応じて分離された後、それぞれに対応する変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2、線形応答補償回路109−1及び109−2に順番に入力され、デジタル信号処理による応答特性の補償を受ける。変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2は、正弦波型変調特性を持つマッハツェンダ型光変調器(後述)の電界変調の非線形性を打ち消して線形化する補償処理を実行する。線形応答補償回路109−1及び109−2は、後段に位置するドライバアンプや光変調器の高周波域での帯域劣化や応答特性のリップルなどの線形応答劣化を逆補償する処理を実行する。
このように生成されたデジタル多値信号の実部成分と虚部成分は、それぞれに対応するDA変換器110−1及び110−2に入力され、高速のアナログ変調信号111−1及び111−2に変換される。アナログ変調信号111−1及び111−2は、ドライバアンプ112−1及び112−2で所望の振幅に増幅された後、直交光電界変調器(ないしは、IQ光変調器)115の2つの変調入力端子(同相(I)入力端子と直交(Q)入力端子の2つ)に入力される。直交光電界変調器115には、入力光ファイバ114を通じ、レーザ光源113から出力された無変調レーザ光117が入力される。無変調レーザ光117は、前述したアナログ変調信号111−1及び111−2の変調を受け、出力光電界信号(光多値信号)118として出力光ファイバ116から出力される。
図3に、直交光電界変調器115の構成図を示す。入力光ファイバ114から入力された無変調レーザ光117(光電界Ei)は、内部の光導波路121中を伝播し、光分岐器120で2つに分離される。2つに分離された無変調レーザ光117のうちの一方はマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1に入力され、他方はマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−2に入力される。マッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1は、無変調レーザ光117を同相(I)側変調信号122で変調し、変調光として出力する。マッハツェンダ(MZ)型光変調器124−2は、無変調レーザ光117を直交(Q)側変調信号123で変調し、変調光として出力する。
後者の変調光は、更に90度移相部125により1/4波長だけ位相シフトされ、直交(Q)光電界信号127(EQ)となる。因みに、前者の変調光は、同相(I)光電界信号126(EI)である。同相(I)光電界信号126(EI)と直交(Q)光電界信号127は、光結合回路128で直交合成される。直交合成により、直交軸(I軸とQ軸)で与えられる複素二次元平面上の出力光電界信号118が生成され、出力光ファイバ116から出力される。
図4に、直交光電界変調器115(図3)に配置される2つのマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2の詳細構成と変調原理を示す。入力光導波路131から入力された無変調レーザ光130は、内部の光分岐回路120−1で2つに分離される。2つに分離された無変調レーザ光130は、2つの光位相変調器132−1及び132−2に入力される。図4の場合、電圧Vの電圧変調信号136(図3の同相(I)側変調信号122又は直交(Q)側変調信号123に対応する)は、2つの光位相変調器に近接して設けられた変調電極137に印加される。これにより、印加電圧Vにほぼ比例し、かつ、大きさが等しい、互いに逆符号の位相変調+φ(V)/2と−φ(V)/2が、無変調レーザ光130に加えられる。この結果、光位相変調器132−1及び132−2を通過したレーザ光は、互いに逆の位相変調を持つ正相位相変調光133(E)と逆相位相変調光134(E)として出力される。正相位相変調光133(E)と逆相位相変調光134(E)は、光結合回路128−1において干渉合成され、光電界変調信号138として出力光導波路135から出力される。
図4の場合、2つの光位相変調器132−1及び132−2には、予め固定位相差φ0が設けられている。位相変調量φ(V)=0の場合、両経路の光は互いに打ち消しあい、出力光が概ねゼロとなる。正相位相変調光133と逆相位相変調光134の振幅が同じ場合には、位相変調量φ(V)が任意の値でも、正負の位相変調が互いに打ち消し合う。このとき、出力光には理論的には位相ずれが生じず、電界変調信号138は、入力された無変調レーザ光の振幅変調信号となる。
図5に、従来のマッハツェンダ型光変調器124−1及び124−2の光電界変調特性を示す。本図の横軸は電圧を示し、縦軸は出力光電界のうち、入力された無変調レーザ光と同相成分の実部(real(EI))を示す。出力光は直交成分(imag(EI))を持たず、印加電圧に対して光電界実部は正弦波上に変化する。図5の場合、電圧値が-Vπのときに最小値(<0、点A)、+Vπのときに最大値(>0、点B)となり、それらの中間値(電圧値ゼロの点)で振幅が完全にゼロとなる。出力光の振幅値は、原点の周囲ではほぼ電圧に比例して変化し(線形に変化し)、振幅ゼロの点で出力光の位相が反転する。
図6の(A)〜(D)に、マッハツェンダ型光変調器124−1及び124−2と直交光電界変調器115の出力光の光電界変調特性を示す。
(A)は、マッハツェンダ型光変調器124−1から得られる光電界変調信号138(図3中の同相光電界信号126)の変調状態の変化を複素二次元平面(IQ平面)上に表示した図である。図の横軸(I軸)が同相成分であり、縦軸が直交成分である。図中の点Aと点Bが、図5における電界実部の最小点と最大点に対応する。電圧変調信号136(図4)を-Vπ〜+Vπで変化させると、同相光電界信号126の座標は、点Aから原点を通り点Bまで、図中の軌跡140上を移動する。よって、任意の電圧Vを与えると、軌跡140上の任意の一点に、同相光電界信号126(すなわち、EI)を生成することができる。
(B)は、直交(Q)光電界信号127(すなわち、EQ)の変調状態の変化を複素二次元平面(IQ平面)上に表示した図である。やはり、図の横軸(I軸)が同相成分であり、縦軸が直交成分である。マッハツェンダ型光変調器124−2の後段には、90度移相部125が配置されているため、直交光電界信号127の軌跡141は、同相成分を90度回転した直交成分(Q成分)のみとなる。よって、前述の同相成分のように、印加電圧に応じて任意の直交光電界信号127(すなわち、EQ)を生成することができる。
前述の通り、直交光電界変調器115(図3)は、同相光電界信号126と直交光電界信号127を干渉合成する。ここで、両信号は互いに直交する。このため、出力光電界信号118(すなわち、E0)は、図6の(C)に示すように、両信号のベクトル合成で与えられる。このように、同相側変調信号122と直交側変調信号123の電圧を組み合わせることにより、I軸成分がEI、Q軸成分がEQとなる二次元複素平面上の任意点に相当する光電界信号を生成することができる。これが、従来用いられている直交光電界変調器(IQ光変調器)115の動作原理である。
この動作原理のように、従来の直交光電界変調器(IQ光変調器)115では、2つのマッハツェンダ型光変調器124−1及び124−2のいずれもが、理想的には、図6の(A)及び(B)に示すように、I成分のみの光信号とQ成分のみの光信号を生成することを想定している。
しかし、現実の光デバイスには消光劣化という問題がある。消光劣化とは、マッハツェンダ型光変調器の内部において、正相と逆相の2つの光位相変調信号が完全には打ち消されない現象(光出力の最小点でも光電界がゼロにならずに残存してしまう現象)をいう。消光劣化は、(1) 光分岐回路120−1や光結合回路128−1における分岐・結合比率のわずかな差、(2) 正相側の光位相変調器132−1、逆相側の光位相変調器132−2及び経路となる導波路における損失差、(3) 導波路内での偏波のずれ等の様々な要因で生じる可能性がある。因みに、市販されているマッハツェンダ型光変調器の消光比(電圧Vを変化させた場合の最大出力光強度と最小光強度の比)は、一般に20〜27dB程度の値である。
図6の(D)に、消光比が有限のマッハツェンダ型光変調器124−1を用いる場合に得られる同相光電界信号126の軌跡を示す。A、Bの二点には大きな位置変化は無いが、軌跡140−1は、原点(光強度=0)を通ることができずに曲がった曲線となる。このとき、残留する光電界振幅の最小値E0Iの大きさは消光比によって決まる。例えば消光比が20dBの場合、最小値E0Iの大きさは、光電界振幅の最大値(A・B各点の振幅)の約10%となり、消光比が30dBの場合、最小値E0Iの大きさは光電界振幅の最大値(A・B各点の振幅)の約3%となる。
R. A. Griffin, et. al., "10Gb/s Optical Differential Quadrature Phase Shift Key (DQPSK) Transmission using GaAs/AlGaAs Integration," OFC2002, paper PD-FD6, 2002 N. Kikuchi and S. Sasaki, "Highly-sensitive Optical Multilevel Transmission of arbitrary QAM (Quadrature-Amplitude Modulation) Signals with Direct Detection," J. of Lightwave Technology, Vol. 28, No. 1, 2010, pp. 123-130. P. J. Winzer, "Spectrally Efficient Long-Haul Optical Networking Using 112-Gb/s Polarization-Multiplexed 16-QAM," JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL. 28, NO. 4, FEBRUARY 15, 2010, pp.547-556
図7に、数値シミュレーションによって得られる16QAM信号の信号点配置の例(A)〜(C)を示す。各例に対応する図中の白丸は、消光比が∞の理想的なマッハツェンダ型光変調器を用いた場合の信号点を示し、図中の黒丸は、消光劣化のあるマッハツェンダ型光変調器を用いた場合の信号点を示す。
(A)は、消光比が比較的高い直交光電界変調器(2つのマッハツェンダ型光変調器の消光比は各27dB)を用いた場合の信号点配置の例である。図に示すように、信号点には位置ずれが認められる。しかし、信号点の位置は、概ね消光比が∞の場合と重なっており、劣化はわずかである。
(B)は、消光比が比較的悪い直交光電界変調器(2つのマッハツェンダ型光変調器の消光比が各20dB)を用いた場合の信号点配置の例である。この例の場合、各信号点の位置は、理想位置から左斜め上方向に大きくずれていることが分かる。しかし、この例の場合、どの信号点も理想位置に対して均一に同じ方向にずれている。このため、この例は、受信方式によっては、必ずしも大きな感度劣化にはつながらない可能性がある。
(C)は、直交光電界変調器を構成する2つのマッハツェンダ型光変調器の消光比が異なる場合(I側の消光劣化量が20dB、Q側の消光劣化量が27dB)における信号点配置の例である。この例の場合、信号点の位置のずれは信号点ごとに不均一である。(C)に示す信号点の配置は、比較的大きな特性劣化につながり易いだけでなく、信号点数を増加する上で大きな障害になり兼ねない。
また、この消光劣化による信号点の配置のずれは、伝送距離の制限要因となる可能性がある。その理由は、前述の消光劣化は、光多値信号の振幅などに依存する非線形現象と考えられることによる。既存の送受信器には、線形デバイス(デジタル等化フィルタ、光波長分散補償デバイスなど)が内蔵されており、波長分散などの伝送路上の大きな線形劣化要因に起因した伝送劣化を等化しているが、消光劣化のような非線形現象が重畳すると、既存の線形等化技術の有効性を低下させ(大きな伝送劣化を生じさせ)、伝送距離を制限する要因になる可能性があるためである。
そこで、本発明は、直交光電界変調器における消光劣化に起因する光多値信号の特性劣化を軽減でき、より実用性が高い光多値信号の送信技術を提供する。
上記課題を解決するために、本発明に係る光多値信号送信器は、伝送すべき情報信号を光電界変調信号に符号化する多値符号化回路と、光電界変調信号の同相成分と直交成分により無変調レーザ光をそれぞれ変調し、その合成光を光多値信号として出力する直交光電界変調器と、直交光電界変調器の消光劣化を補正する変換特性に基づいて同相駆動信号と直交駆動信号の2つの駆動信号を変換し、変換後の同相駆動信号と直交駆動信号を直交光電界変調器に出力する消光劣化補正回路とを有する。
本発明によれば、直交光電界変調器における消光劣化を補正して信号点配置の歪や伝送チャネルの線形性を高めることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
光電界信号の表示方法と光多値信号の信号点配置を説明する図。 波長分散予等化方式による光多値信号送信器を説明する図(従来例)。 図2の直交光電界変調器の構成を説明する図。 図3のマッハツェンダ型光変調器の構成を説明する図。 マッハツェンダ型光変調器の光電界変調特性を示す図。 マッハツェンダ型光変調器及び直交光電界変調器の出力光の光電界変調特性を示す図。 マッハツェンダ型光変調器の消光劣化に起因する光多値信号の信号点配置の劣化を説明する図。 第1の実施例における光多値信号送信器の構成例を示す図。 第1の実施例における信号点位置変換関数を説明する図。 第2の実施例における光多値信号送信器で使用する消光劣化補正回路の構成例を示す図。 図10に示すI成分補正量算出回路の特性を示す図。 第3の実施例における光多値信号送信器で使用する消光劣化補正回路の構成例を示す図。 図12に示す補正量算出回路の特性を示す図。 第4の実施例における光多値信号送信器で使用する消光劣化補正回路の構成例と変調器非線形応答補償回路の接続構成を示す図。 図14に示す変調器非線形応答補償回路の特性と補正量算出回路の特性とを示す図。 第5の実施例における光多値信号送信器の構成例を示す図。 第5の実施例における消光補正の最適点の検出原理を説明する図。 第6の実施例における光多値信号送信器の構成例を示す図。 第7の実施例における光多値信号送受信器の構成例を示す図。 第8の実施例における光多値信号送受信器の構成例を示す図。
以下、本発明の幾つかの実施例を、図面を参照して説明する。なお、本発明の実施例は、後述する実施例に限定されるものでなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
まず、各実施例に係る光多値信号送信器の基本構成を説明する。各実施例に係る光多値信号送信器は、伝送すべき情報信号を光電界変調信号に符号化する多値符号化回路と、光電界変調信号の同相成分と直交成分により無変調レーザ光をそれぞれ変調して出力する直交光電界変調器と、直交光電界変調器の消光劣化を補正する変換特性に基づいて同相駆動信号と直交駆動信号の2つの駆動信号を変換し、変換後の同相駆動信号と直交駆動信号を直交光電界変調器に出力する消光劣化補正回路とを有する。
ここで、消光劣化補正回路は、例えば消光劣化によって発生する信号点の配置のずれを予め逆方向にずらす逆変換回路として実現する。より簡易的には、消光劣化補正回路の内部に2つの補正量算出回路を配置し、消光劣化補正回路に入力される同相駆動信号と直交駆動信号をそれぞれ補正量算出回路に入力し、各駆動信号の振幅に応じた補正信号を生成し、各補正信号を互いに直交関係にある駆動信号に加算又は減算する構成を採用する。すなわち、各駆動信号をそれぞれに直交する他の駆動信号の振幅を用いて補正する構成を採用する。本構成は近似的な補正ではあるが、補正関数を1入力関数として簡易に実現することができる。このような関数は、直交型光電界変調器の変調非線形性を無視できる小振幅駆動の領域では、補正量算出回路に入力される駆動信号の振幅をU(Uは該直交光電界変調器内部でのπ変調電圧の2倍で正規化した値)とすると、該補正量算出回路の出力信号がcos(πU)にほぼ比例する形状とすればよい。
また、前述の直交型光電界変調器の変調非線形性を無視できない大振幅駆動の領域では、前述の補正回路と前述の直交光電界変調器との間の同相駆動信号及び直交駆動信号のそれぞれに対応する経路上に、直交光電界変調器の電界変調特性の非線形性を補正する2つの逆正弦特性補正回路を配置しても良い。この場合、補正量算出回路に入力される駆動信号の振幅をV(Vは、直交光電界変調器の内部におけるπ変調電圧の2倍で正規化した値)とすると、補正量算出回路の出力信号がsqrt(1-(πV)^2)にほぼ比例する関数を逆正弦特性補正回路に採用すれば良い。
なお、消光劣化は、デバイス毎又は温度や使用条件の変化によって変化する可能性がある。このような変化が想定される場合、補正量を自動的に最適化するための機能として、直交光電界変調器から出射される光信号の一部を分離して検出し、電気信号に変換して出力する光検出器と、電気信号を入力とする制御回路とを光多値信号送信器に配置すれば良い。ここでの制御回路には、電気信号から光多値信号における消光劣化情報を抽出し、消光劣化が最小となるように制御信号入力端子に制御信号を出力する構成を採用すれば良い。なお、消光劣化補正回路が半導体ICに内蔵される場合には、消光劣化の補正量を外部から制御する制御信号を入力するための入力ポートを半導体ICに設けることが望ましい。
さらに、補正量を自動的に最適化するための機能を簡易に実現する構成の1つとして、前述の光検出器を入力光信号の平均光強度を検出する光強度検出器とし、前述の制御回路が、平均光強度を消光劣化情報として入力し、かつ、入力した平均光強度が最小となるように制御信号を最小制御する構成を採用しても良い。
また、補正量を自動的に最適化するための機能を簡易に実現する別の構成として、前述の光検出器を入力光信号の瞬時光強度又は光電界情報を高速で検出する光信号検出器とし、前記制御回路が、前記電気信号から光多値信号の振幅情報又は信号点配置情報を検出し、理想振幅値又は理想信号点配置からの誤差情報を消光劣化情報として抽出し、該誤差情報が最小となるように制御信号を最小制御する構成を採用しても良い。
また、消光劣化をより精密かつ簡易に検出する必要がある場合、光多値信号送信器には、直交光電界変調器内部の同相成分と直交成分を変調するマッハツェンダ光変調器から出射される光信号の一部をそれぞれ分離して検出し、さらに電気信号に変換して出力する2つの光検出器と、これら2つの電気信号をそれぞれ入力する2つの制御回路とを配置すれば良い。ここでの2つの制御回路は、前記同相成分を変調するマッハツェンダ型光変調器側から検出した電気信号から同相成分の光多値信号における消光劣化情報を抽出し、消光劣化が最小となるように同相成分制御信号入力端子に制御信号を出力すると共に前記逆相成分を変調するマッハツェンダ型光変調器側から検出した電気信号から逆相成分の光多値信号における消光劣化情報を抽出し、消光劣化が最小となるように逆相成分制御信号入力端子に制御信号を出力する構成とすれば良い。なお、消光劣化補正回路が半導体ICに内蔵される場合には、消光劣化の補正量を外部から制御する制御信号を入力するための入力ポートを半導体ICに設けることが望ましい。
これらの構成のように、2つの光検出器を入力光信号の平均光強度を検出する光強度検出器とし、2つの制御回路が上記平均光強度信号を消光劣化情報とし、上記平均光強度が最小となるように上記制御信号をおのおの独立に最小制御すれば、消光劣化の補正量の自動最適化機能をより簡易に実現することができるようになる。
また、上記のような消光劣化補正機能を持つ光多値信号送信器を、光多値信号を受信する光受信器を組み合わせれば、実用的で高性能の光多値信号送受信器を実現することができる。
また、本発明を有効に適用するには、上記の機能を持つ消光劣化補正回路と送信側信号処理回路と、受信側信号処理回路を一つの集積回路(IC)上に作り込むのが最も効率的である。その際、集積回路(IC)には、消光劣化補正回路の変換特性を制御する制御信号を入力するための入力ポートを設けることが望ましい。さらに、この集積回路(IC)に光検出信号の入力ポートを少なくとも1つ設け、上記直交光変調器又はその内部に備えられたマッハツェンダ型光変調器の平均出力強度の検出信号を入力し、該光検出信号に基づいて前記直交光電界変調器の消光劣化を補正しても良い。
以下、これらの基本構成に対応する実施例を説明する。
[実施例1]
(装置構成)
図8に、第1の実施例に係る光多値信号送信器の構成例を示す。図8には、図2との対応部分に同一符号を付して表している。
実施例に係る光多値信号送信部の信号処理回路190は、従来の信号処理回路100(図2)に、消光劣化補正回路150を付与した点を特徴とする。消光劣化補正回路150は、直交光電界変調器115の出力光の干渉が引き起こす非線形変換を補正する回路である。
本実施例の場合、消光劣化補正回路150は、予等化回路106の後段であって、変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2の前段に配置する。その理由は、送信側に配置する各種の補正回路は、DA変換器側から順番に直近の伝送劣化を打ち消すことにより、伝送路の線形化と無歪み化を実現しているためである。
例えばDA変換器110−1及び110−2の直近に配置する線形応答補正回路109−1及び109−2は、DA変換器とその直後に位置するドライバアンプ112−1、112−2及び変調電極137(図4)による応答劣化を補正する。また、線形応答補正回路の直前に配置する変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2は、直交光電界変調器115の内部に配置された2つのマッハツェンダ(MZ)型光変調器の内部の光干渉によって生じる正弦波型の振幅変調特性を線形化する。
一方、消光劣化補正回路150の補償対象である消光劣化は、前述したように、I変調成分とQ成分の合成時に光多値信号の配置に影響を与えるため、図8で示す位置に配置することが望ましい。
なお、図8では、信号処理回路190に、予等化回路106、変調器非線形応答補償回路108、線形応答補償回路109を実装する例を示しているが、これらの回路は消光劣化補正回路150による機能の実現に必須のものではなく、必要に応じて省略することができる。また、実施態様によっては、図8に示していない別の補償回路を信号処理回路190に実装しても構わない。
消光劣化補正回路150は、入力される二次元の入力複素デジタル信号151を入力変数とし、出力複素デジタル信号152を出力変数とする2入力2出力関数と等価の変換特性を有する回路である。ここでの変換特性は、直交光電界変調器115の消光劣化によって生じる信号点配置の歪みを予め打ち消す信号点位置変換関数(逆関数)と等価である。
図9に、本実施例に係る消光劣化補正回路150に適用する信号点位置変換関数の概念を説明する。ここで、(A)は、直交光電界変調器115による消光劣化の影響を示している。本来、直交光電界変調器115に実装される2つのマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2は、それぞれI軸及びQ軸に平行な光電界変調を実現する。しかし、消光劣化がある場合、直交光電界変調器115は、図6の(D)に示すような弧を描いて変化する2つの電界信号を直交合成した信号点を出力することになる。このため、図9の(A)に示すように、本来は白丸で示す位置に現れるべき信号点(I,Q)inは、図中の曲線に沿うように座標軸上の黒丸の位置(I,Q)outに移動する。
この座標変換は、1:1の座標変換関数F()を用い、(I,Q)out=F((I,Q)in)と記述することができる。このような1:1の座標変換関数には、必ず逆関数F-1()が存在する。そこで、本実施例に係る消光劣化補正回路150には、当該逆関数F-1()に相当する変換特性を有するものを適用する。図9の(B)に、逆関数F-1()により実現される信号点の移動特性を示す。消光劣化補正回路150は、入力信号点の電圧値(VI,VQ)inを逆関数F-1()を用いて出力信号点の電圧値(VI,VQ)out=F-1((VI,VQ) in)に変換して出力する。この結果、直交光電界変調器115からは、消光劣化の影響が補正された信号点位置(白丸で示す本来の位置)を有する光多値信号が出力されることになる。
なお、逆関数F-1()は、例えば予め消光劣化による信号点位置移動関数F()を光電界上のマップとして測定しておけば、その逆変換として容易に生成することが可能である。
(効果)
本実施例に係る光多値信号送信器によれば、直交光電界変調器115における消光劣化を消光劣化補正回路150により補正することができる。このため、本実施例に係る光多値信号送信器では、光多値信号の信号点配置の歪みや伝送チャネルの線形性を高めることができ、受信感度や最大伝送距離などの特性劣化を防止又は改善することができる。同時に、本実施例に係る光多値信号送信器では、従来装置に比してより高精度での多値変調が可能となる。このため、多値数を増やし、情報伝送速度を向上することができる。
また、本実施例のように消光劣化補正回路150を使用すれば、半導体、シリコン、ポリマーなどを材料とする一般には消光特性が高くない光デバイスをマッハツェンダ型光変調器に使用でき、消光劣化を比較的小さく抑えることができるリチウム・ニオベイト結晶を利用したマッハツェンダ型光変調器を用いる場合に比して光変調器の更なる小型化や省電力化を実現することができる。
また一部のマッハツェンダ型光変調器においては、印加電圧に応じて光損失が変化したり、印加電圧に伴い振幅変調のみならず無視できない量の位相変化を生じたり、振幅変調量が印加電圧に比例しないなどの非線形特性を持つ場合がある。このような非線形な変調特性を持つ代表例としては、半導体デバイスのシュタルク効果を用いたマッハツェンダ型光変調器の例が挙げられる。本発明の第一の実施例においては、多くのマッハツェンダ型光変調器の代表的な劣化特性である消光劣化を主に補償する構成を示したが、本実施例の構成を用いれば上記のような非線形特性による信号点配置の劣化も同時に補償することが可能である。
もっとも、本実施例は、リチウム・ニオベイト結晶を利用したマッハツェンダ型光変調器の直交光電界変調器115への使用を排除するものではない。例えば消光劣化補正回路150とリチウム・ニオベイト結晶を利用したマッハツェンダ型光変調器を組み合わせて使用すれば、リチウム・ニオベイト結晶を利用したマッハツェンダ型光変調器だけを用いて光多値信号送信器を構成する場合に比して、消光劣化による特性劣化を一段と小さくすることができる。
[実施例2]
(装置構成)
続いて、第2の実施例に係る光多値信号送信器について説明する。第2の実施例に係る光多値信号送信器の基本的な構成は、第1の実施例(図8)と同じである。本実施例と第1の実施例との違いは、消光劣化補正回路150の構成である。図10に、本実施例で使用する消光劣化補正回路150の構成例を示す。
本実施例は、第1の実施例における二次元平面上の逆関数の実現をより容易にするために、補正関数をI軸成分とQ軸成分に分離して構成している。なお、本実施例の消光劣化補正回路150も、2入力2出力の回路構成を採用する点で、第1の実施例と同じである。
本実施例の場合、入力複素デジタル信号151は、消光劣化補正回路150の内部において、同相成分(VI,0)と直交成分(VQ,0)の2つに分離される。同相成分(VI,0)は2つに分離される。分離された2つの同相成分(VI,0)の一方は遅延回路155−1に入力され、他方はQ成分補正量算出回路153に入力される。Q成分補正量算出回路153に入力された同相成分(VI,0)は、Q成分の補正信号の生成に用いられる。直交成分(VQ,0)も2つに分離される。分離された直交成分(VQ,0)の一方は遅延回路155−2に入力され、他方はI成分補正量算出回路154に入力される。I成分補正量算出回路154に入力された直交成分(VQ,0)は、I成分の補正信号の生成に用いられる。
このように、被補正対象の信号成分に対して直交する別の信号成分を用いて補正する構成を採用する理由は、直交光電界変調器115の内部における消光劣化がI成分とQ成分の間で干渉を引き起こすためである。同相(I)側のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1(図3)の消光劣化は、本来はI成分のみであるはずの同相(I)光電界信号126中にQ成分の残留光を生じさせる。そこで、本実施例では、逆相(Q)側のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−2に、前記残留光と逆符号のQ成分を意図的に発生させ、前記残留光を打ち消す。同様に、直交(Q)側のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−2の消光劣化も、本来はQ成分のみであるはずの逆相(Q)光電界信号127中にI成分の残留光を生じさせる。そこで、同相(I)側のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1に、前記残留光と逆符号のI成分を意図的に発生させ、前記残留光を打ち消す。
すなわち、本実施例では、Q成分補正量算出回路153とI成分補正量算出回路154において必要な補正量をそれぞれ算出して減算回路156−1と156−2に与え、各信号成分から補正量を差し引く構成を採用する。もっとも、補正量を加算器で加算する構成でも良い。いずれにしても、消光劣化補正回路150からは、消光劣化による歪みを除去する成分が重畳された出力複素デジタル信号152が出力される。なお、Q成分補正係数信号157は後述するyであり、I成分補正係数信号158は後述するxである。
以下では、Q成分補正量算出回路153及びI成分補正量算出回路154が入力信号に適用する補正関数の導出方法を説明する。マッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2(図4)の光結合回路128−1を通過した後の正相位相変調光133(すなわち、E)と逆相位相変調光134(すなわち、E)は、それぞれ以下の式1及び式2で表記することができる。
Figure 0006073152
Figure 0006073152
式1及び式2より、各変調光は、φ(V)=0の場合に互いにπの位相差を持つことが分かる。また、xは両変調光の振幅差を表すパラメータ(電界消光)であり、マッハツェンダ(MZ)型光変調器の光強度での消光比はxとなる。例えばx=0.1のときに、光強度の消光比は20dBとなる。
このとき、同相側のマッハツェンダ(MZ)光変調器124−1(図3)から得られる同相(I)光電界信号126(すなわち、EI)は、式3のように表記することができる。
Figure 0006073152
同様に、直交側のマッハツェンダ(MZ)光変調器124−2(図3)から得られる直交(Q)光電界信号127(すなわち、EQ)は、式4のように表記することができる。
Figure 0006073152
ここで、yは直交側のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−2の電界消光である。従って、消光劣化を考慮した出力光電界信号118の同相成分(実部)EI’と直交成分(実部)EQ’はそれぞれ以下の式5及び式6のように書き表すことができる。
Figure 0006073152
Figure 0006073152
どちらも第1項(sin部分)が所望の振幅変調成分であり、式中では所望の信号点座標(EI0,EQ0)と置換した。また、第2項(cos部分)が消光劣化による信号点の位置変化となる。なお上記は理想的なマッハツェンダ型光変調器を用いて構成した直交光電界変調器を想定した場合の式であり、前述の電界変調特性に非線形特性を持つマッハツェンダ型光変調器を用いた場合等においては第2項は余弦関数(cos)に限られず、他の関数で表現される場合も想定される。もっとも、以下の説明では、第2項が余弦関数(cos)で与えられるものとして説明する。
第1の実施例では、式5及び式6が、図9の(A)に示す信号点の位置変化関数であったので、マッハツェンダ(MZ)型変調器124−1及び124−2の消光劣化(電界消光)x及びyさえ予め求めておけば、位置変化関数の逆関数を計算することができる。
一方、本実施例の場合、本方程式を予め解き、その解を算出するように補正量算出回路153及び154を構成する。特に、消光劣化x及びyが十分小さい場合には、第一次近似の解として、式5と式6を互いに独立に解き、その解を用いることが可能である。すなわち、同相側のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1(式5が対応する)においては、VI0を消光劣化の無い場合の変調電圧(補正回路153への入力)であり、消光劣化がある場合に出力信号点を正しく生成するには式7の関係を満たせばよい。
Figure 0006073152
式7をVIを含む項について解くと、式8が得られる。
Figure 0006073152
ここで、位相変調量φ(V)は印加電圧Vと比例関係にある理想的なマッハツェンダ型光変調器を想定すると、例えば式9のように書くことができる(VπIは、同相側のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1のπ変調電圧)。
Figure 0006073152
また、図5のように、マッハツェンダ(MZ)型光変調器の電界変調特性が線形に近い領域で使用できる場合、sin(x)=xと近似することができる。この場合、式8から式10の補正式を導出することができる。
Figure 0006073152
式10の右辺のうちVI0とVQ以外は定数である。よって、式10の第2項の補正項は、VQだけから算出できることが分かる。このため、図10のようにI成分補正量算出回路154は、直交側の印加電圧VQだけから簡単に計算することができる。このとき、I成分補正量算出回路154の入出力関係は、図11に示すような特性曲線で与えられる。
なお、本回路はあくまで近似演算のための構成であり、より高精度な演算を実現するための回路を実装することも、より簡易な演算を実現するための回路を実装することもできる。より高精度な演算を実現する回路の実装を想定する場合には、例えば式10を再度式7及び式8に代入し、繰り返し解を求めて精度を高める手法等が考えられる。また、より簡易な演算を実現する回路の実装を想定する場合には、例えば折れ線近似や電界消光を幾つかの値に離散化し、複数のテーブルで近似する手法等が考えられる。
また、図11の図中には、点線により使用域(変調電圧の可変範囲)を示しているが、本例における使用域は±1(正規化のため、印加電圧-Vπから+Vπまでに相当)以下の任意の値で規定される範囲であっても構わない。実際、式10の近似式が成立するのは、電界変調特性が線形に近い領域、すなわち使用域が±1より小さい領域(概ね最大振幅の70〜50%以下)である。このように式10の近似式が成立するケースは、図8に示す変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2の補正量がほとんど無視できるか、又は、そもそも変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2自体が不要な場合に相当する。このような場合、補正量算出回路153及び154(図10)の入力範囲も±1より小さいとすることが可能であり、この範囲内に限った近似式を利用しても構わない。
このとき、最大補正量a(=yVπI/π)は、主として直交側のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−2の消光劣化yから決まる定数であり、現実の変調器においては、通常、個別に異なる値となる。そこで、本実施例の補正量算出回路153及び154においては、外部からQ成分補正係数信号157及びI成分補正係数信号158を与え、個々のデバイス特性に応じて補正量を可変できるようにしている。
ここで、Q成分補正係数信号157及びI成分補正係数信号158は、個々の直交光電界変調器115の消光特性の測定結果によって一定の値を設定してもよいし、伝送特性又は変調器の消光特性が最良となるように適応的に最適な値を設定してもよい。
なお、このような補正量算出回路153及び154は、デジタル信号処理を用いる場合には、ルックアップテーブルや関数近似などの手法を適用することにより容易に実現することができる。また、補正量算出回路153及び154は、高周波アナログ信号の直接演算処理回路によっても実現することが可能である。
(効果)
本実施例に係る光多値信号送信器によれば、実施例1よりも簡易な構成で補正量算出回路を実現することができる。
[実施例3]
(装置構成)
続いて、第3の実施例に係る光多値信号送信器について説明する。第3の実施例に係る光多値信号送信器の基本的な構成は、第1の実施例(図8)と同じである。本実施例と第1の実施例との違いは、消光劣化補正回路150の構成である。図12に、本実施例で使用する消光劣化補正回路150の構成例を示す。図12には、図10との対応部分に同一符号を付して表している。
図12に示す消光劣化補正回路150は、第2の実施例における式10のうち電界消光x及びyに依存する部分を乗算器161−1及び161−2によって実現したものである。通常、直交光電界変調器115を構成する2つのマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2(図3)のπ変調電圧はほとんど同一であり、デバイス間のばらつきもさほど大きくない。そこで、図12に示す消光劣化補正回路150では、補正量算出回路160−1及び160−2の構成(同相成分と直交成分の補正回路の構成)を完全に共通化している。
図13に、本実施例に係る補正量算出回路160−1及び160−2の特性を示す。図13では、最大補正量を適切な一定値(図では1)とし、横軸・縦軸ともに、個別のデバイスに依存しないようにする。これにより、補正量算出回路160−1及び160−2の構成を簡素化・共通化することが可能となる。
本実施例の場合、外部からは、I成分補正量係数162とQ成分補正量係数163が入力される。I成分補正量係数162は、乗算器161−1において、補正量算出回路160−2の出力と乗算される。Q成分補正量係数163は、乗算器161−2において、補正量算出回路160−1の出力と乗算される。これにより、I成分とQ成分に応じた補正量が算出され、減算回路156−1及び156−2に与えられる。
(効果)
本実施例に係る光多値信号送信器によれば、実施例2とは異なり、補正量算出回路160−1及び160−2の回路構成を共通化することができる。これにより、補正量算出回路160−1及び160−2の回路構成を実施例2に比して簡易化できる。また、これら2つの補正量算出回路160−1及び160−2を実装する消光劣化補正回路150の回路構成を簡略化できる。
[実施例4]
(装置構成)
続いて、第4の実施例に係る光多値信号送信器について説明する。第4の実施例に係る光多値信号送信器の基本的な構成は、第1の実施例(図8)と同じである。本実施例と第1の実施例との違いは、消光劣化補正回路150の構成である。なお、本実施例は、第3の実施例の変形例に相当する。このため、図14には、図12との対応部分に同一符号を付して表している。
図14に示す消光劣化補正回路150は、第3の実施例における消光劣化補正回路150とは異なり、後段の変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2を積極的に利用し、大振幅変調時への対応を可能とする。
一般に変調振幅を大きくすると、光電界変調の線形性が失われる。この場合、変調器の非線形応答の補償が必要となる。ただし、この場合、光変調器の透過率が高い領域を使用できるため、光損失が減少するという利点がある。
ところで、大振幅変調では、前述までの実施例のように、式10に示す近似式の適用が困難になる。そこで、本実施例では、新たな補正式を以下に示すように算出する。まず、前述の式8を式9に代入し、式11を得る。
Figure 0006073152
ここで、VI,VQは、変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2から出力される印加電圧であり、VI0,VQ0を消光劣化補正回路150への入力複素デジタル信号151とする。
変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2は、式11中の正弦関数(sin)を図15の(A)に示すような逆正弦関数(arcsin)で打ち消して線形化する補償を行う回路であり、その入出力関係は式12で記述できる。
Figure 0006073152
式12で与えられる値を式11に代入し、理想信号点位置を取り直すと、式13が得られる。
Figure 0006073152
この式13より、新たな補正式として式14及び式15が求められる。
Figure 0006073152
Figure 0006073152
図15の(B)は、変調器非線形応答補償回路108−1及び108−2を用いる場合に補正量算出回路160−1及び160−2で使用する補正関数の波形であり、前述の図13の例とは異なる関数形となるが、実装方法はほぼ同一でよい。
(効果)
本実施例に係る光多値信号送信器によれば、変調振幅が大きい領域についても、簡易な構成により、消光劣化補正回路150を実現することができる。
[実施例5]
(装置構成)
続いて、第5の実施例に係る光多値信号送信器について説明する。図16に、第5の実施例に係る光多値信号送信器の構成例を示す。図16に示す光多値信号送信器の基本的な構成は、第1の実施例(図8)と同じである。従って、図16には、図8との対応部分に同一符号を付して表している。
本実施例に係る光多値信号送信器では、直交光電界変調器115の消光劣化が常に最小となるように、消光劣化を自動的に補正する機能を搭載する点で第1の実施例と相違する。
前述したように、消光劣化量は個々のマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2により異なり、温度、駆動電流、バイアス電圧などの使用条件によっても変化する可能性がある。本実施例では、このような消光変化量の非対称性や変化が想定される場合でも、広い動作範囲で安定した消光劣化補正を実現することができる。このため、本実施例では、直交光電界変調器115から出力される出力光電界信号(光多値信号)118の光量を計測する光検出器170と、その光強度信号171に基づいてI成分補正量制御信号173及びQ成分補正量制御信号174を生成する2変数最小制御回路172を追加する。
まず、図17を用い、消光補正の最適点の検出原理を説明する。図17の(A)は、I成分の消光劣化による信号点位置(I成分に4個の信号点がある場合)の変化を示している。図中の白丸は、消光劣化が存在しない場合の信号点の位置を示し、灰色の丸は、消光劣化によって移動した信号点の位置を示している。図から明らかなように、消光劣化(XI)があると、原点に近い信号点の光強度(原点からの距離の二乗)が増加し、出力光電界信号118の平均強度が増大する。すなわち、出力光電界信号118の平均強度は、図17の(B)のように消光劣化量XIの関数となり、消光劣化量XIゼロの点で最小となる。このため、出力光電界信号118の平均強度が最小となるように、I成分補正量係数aI(すなわち、I成分補正量係数162)の大きさを変化させれば、消光劣化の自動補正機能を実現することができる。
このため、本実施例に係る光多値信号送信器では、出力光電界信号118が伝送される出力光ファイバ116を分岐し、その一方を光検出器170に接続し、出力光電界信号118の平均強度を観測する。出力光電界信号118は、直交光電界変調器115を構成する2つのマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2の出力光の合成光である。このため、この分岐構成では、観測変数1個を用いて2つの制御変数を最適化する2変数制御を行う。そこで、図16においては、光検出器170から出力される光強度信号171を2変数最小制御回路172に入力する構成を採用する。2変数最小制御回路172は、光強度信号171に基づいてI成分補正量制御信号173とQ成分補正量制御信号174の2つの制御信号を生成し、消光劣化補正回路150に出力する。I成分補正量制御信号173は図14のI成分補正量係数162(aI)に相当し、Q成分補正量制御信号174は図14のQ成分補正量係数163(aQ)に相当する。このように、I成分補正量係数162(aI)とQ成分補正量係数163(aQ)の値を個別に制御することにより、消光劣化の自動補正量を実現する。
図17の(C)は、前述した2変数制御における補正量と光強度信号171(Pav)の関係を示す図である。図に示すように、光強度信号171は、制御信号がI側とQ側の2つの変調器の消光劣化が最小となる点(aI,opt,aQ,opt)で最小となる。よって、通常の2次元最小制御により、最適補償を実現することができる。ここでの最適制御法には、最大傾斜法や各制御信号にわずかな変調を施すディザリング法など、通常の多変数最大・最小制御に用いる制御法を適用することができる。
上述の説明において、出力光電界信号118の平均強度を光強度信号171として使用する理由は、光検出器170の応答速度が出力光電界信号118に対して比較的遅い場合にも係数の最適化を実現可能とするためである。
ただし、光検出器170の応答速度が十分に速く、光信号の瞬時光強度や光電界情報を検出できる場合には、これらの情報を使用して消光劣化補正の自動最適化を実現することができる。ここで、「十分に早い」とは、光多値信号のシンボル毎の光強度又は光電界振幅を検出できるだけの帯域(すなわち、光検出器170の帯域が変調速度Rの1/2以上)を持つ場合である。
このような場合では、例えば無線多値信号や光多値信号の受信において広く用いられるCMA(一定包楽線制御:constant modulous algorithm)やMMA(多振幅包楽線制御:multi modulous algorithm)を用いることがことができる。
例えば図9の(A)のように16値信号に消光劣化を生じた場合を考える。消光劣化が無い場合(白丸)、16値信号の振幅レベルは3値(内周、中間、外周)であるが、消光劣化があると信号点がシフトし、振幅分布が広がってしまうことがわかる。前述のMMA制御は、理想的な3値の分布からの振幅分布の広がりを誤差として検出し、その誤差がゼロに収束するようにLMS(最小二乗制御、Least Mean Square)などのアルゴリズムで自動補正する最適化法であるので、本実施例に消光劣化補償の自動最適化制御にそのまま適用することができる。同様に、振幅情報から信号点配置の誤差が検出できる場合や高速の電界受信器を備える場合には、その誤差が最小となるようにLMS制御を行うことで本実施例に係る消光劣化補正の自動最適化に適用することができる。
(効果)
前述したように、本実施例に係る光多値信号送信器によれば、マッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2の消光劣化が異なる場合や使用条件に応じて消光劣化が変化する場合にも、直交光電界変調器115の消光劣化が常に最小となるように、消光劣化補償の自動最適化を実行することができる。
[実施例6]
(装置構成)
続いて、第6の実施例に係る光多値信号送信器について説明する。第6の実施例に係る光多値信号送信器の基本的な構成は、第5の実施例(図16)と同じである。図18に、本実施例における光多値信号送信器の構成例を示す。図18には、図16との対応部分に同一符号を付して示す。本実施例は、前述した消光劣化の補正量を外部から手動で設定したり、自動制御によって常に最適値が保たれるように制御できる機能構成を有する場合について説明する。
本実施例における光多値信号送信部の信号処理回路190には、補正量設定用入力ポート188が設けられており、消光劣化補正回路150の同相(I)側及び直交(Q)側の補正量の初期値又は手動設定値を外部から設定できるようになっている。
マッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2の消光特性が使用中にあまり大きく変化しない場合には、このように個々の変調器の消光特性に応じた設定値を外部から設定することにより、前述した各実施例と同様の効果を実現することができる。このような信号処理回路190は、受信側の信号処理回路などと共に1つ又は複数の集積回路(IC)上に実装することができる。この際、補正量設定用入力ポート188は、レジスタ、IOポート、デジタル又はアナログ信号線として実装される。
また、本実施例では、直交光電界変調器115を構成する2つのマッハツェンダ(MZ)型光変調器124−1及び124−2の直後において光信号を分岐し(すなわち、同相側の光信号と直交側の光信号を合成する前に分岐し)、それぞれの光強度をI成分光検出器176とQ成分光検出器175により観測する。この分岐構成の場合、同相側と直交側の消光劣化の自動補正を独立に実施することができる。
図18に示す構成の場合、I成分光強度信号177とQ成分光強度信号178はそれぞれ1変数最小制御回路179−1と179−2に入力される。1変数最小制御回路179−1から得られたI成分補正量制御信号173と、1変数最小制御回路179−2から得られたQ成分補正量制御信号174は、それぞれI成分補正量係数162(aI)及びQ成分補正量係数163(aQ)として消光劣化補正回路150に入力される。
(効果)
本実施例に係る光多値信号送信器のように、信号処理回路190を補正量設定用入力ポート188を有するIC構成とすれば、信号処理回路190の小型化を実現できる。
また、本実施例に係る光多値信号送信器のように、同相(I)成分と直交(Q)成分のそれぞれについて光信号の強度を観測すれば、同相(I)側の補正係数の制御と直交(Q)側の補正係数の制御を独立に実行できる。結果的に、補正係数の制御精度が高くなり、装置立ち上げ時の引き込み速度や応答速度を向上することができる。
[実施例7]
(装置構成)
本実施例では、デジタル遅延検波を用いた偏波ダイバーシティコヒーレント光受信器と前述した各実施例に係る光多値信号送信器を一体的に内蔵した光多値信号送受信器(トランスポンダ)について説明する。すなわち、光多値信号送信器として、前述した消光劣化補正機能を搭載した光多値信号送受信器(トランスポンダ)について説明する。なお、以下では、光多値信号送受信器を「送受信器」とも呼ぶ。
図19に、第7の実施例に係る光多値信号送受信器342の構成例を示す。図19には、図8との対応部分に同一符号を付して示している。
光ファイバ通信においては、図19に示すように、送信器と受信器を一体化するパッケージ構成の送受信器が広く用いられる。本実施例の送受信器に用いられる受信器は、入力電界をコヒーレント受信し、その後、受信器内部のデジタル信号処理で遅延検波し、光多値信号を受信する方式を想定する。当該構成の受信器の利点や構成は、非特許文献3に示すものと同一であるので、説明は省略する。
本実施例の偏波多重光信号送信部320の場合、その内部において、レーザ光源113から出力される無変調レーザ光が2つに分岐され、2つの直交光電界変調器(IQ光変調器)115−1及び115−2にそれぞれ入力される。
また、本実施例の場合、情報信号101は、フレーム生成回路321においてX偏波の情報信号322とY偏波の情報信号323に分離される。X偏波の情報信号322はX偏波成分の送信側信号処理部195に入力され、Y偏波の情報信号323はY偏波成分の送信側信号処理部196に入力される。送信側信号処理部195及び196のそれぞれは、多値信号への符号化、波長分散などの予等化処理、前述の各実施例における消光劣化補正処理、変調器非線形等化処理などの信号処理を実行する。
これらの信号処理回路の出力となるX偏波I成分とQ成分、Y偏波I成分とQ成分の4つの信号は、それぞれDA変換器110−1〜110−4において高周波アナログ信号に変換された後、ドライバアンプ112−1〜112−4で増幅される。ドライバアンプ112−1及び112−2で増幅された信号は、直交光電界変調器(IQ光変調器)115−1の変調信号として使用される。ドライバアンプ112−3及び112−4で増幅された信号は、直交光電界変調器(IQ光変調器)115−2の変調信号として使用される。
直交光電界変調器115−1から得られたX偏波の光多値信号324及び直交光電界変調器115−2から得られたY偏波の光多値信号325は、偏波多重器326で互いに直交する偏波に多重化され、偏波多重光多値信号327として光ファイバ伝送路に出力される。
一方、偏波多重光信号送信部320と対をなす、デジタル遅延検波を用いた偏波ダイバーシティコヒーレント光受信器330は、前記光ファイバ伝送路を挟んで遠隔地に配置された対向するトランスポンダ(前記偏波多重光信号送信部320を内蔵する)から送信された偏波多重光多値信号328を受信する。ここで、偏波多重光多値信号328には、偏波多重光多値信号327と同じ変調が施されている。つまり、消光劣化の補正処理が施されている。
偏波ダイバーシティコヒーレント光受信部330は、受信器内部に配置された局部発生光源331の出力光を光電界及び光位相の基準に利用する。偏波多重光多値信号328は、偏波分離・光90度ハイブリッド回路334により、S偏波成分340及びP偏波成分341に分離され、4台のバランス型光受信器332−1、332−2、332−3、332−4で受光される。
受信器内に配置された局部発生レーザ光源331の光周波数は、偏波多重光多値信号328とほぼ同一に設定される。局部発生レーザ光源331の出力光は、偏波分離・光90度ハイブリッド回路334のもう一つの入力ポートに接続され、偏波多重光多値信号328と同様に、バランス型光受信器332−1、332−2、332−3、332−4に分配される。各バランス型光受信器332−1、332−2、332−3、332−4は、入力された信号光と局部発生光を干渉させて高速電気信号に変換する。生成された高速電気信号は、対応するAD変換器333−1、333−2、333−3、333−4に出力される。
4つのAD変換器333−1、333−2、333−3、333−4は、それぞれ入力された高速電気信号を所定のサンプリングレートでサンプリングし、デジタル信号に変換する。受信側信号処理回路335は、AD変換器333−1、333−2、333−3、333−4から入力される4つのデジタル信号に対して伝送路の波長分散、非線形効果の等化、偏波成分の分離などの処理を実行する。この結果、受信側信号処理回路335において、送信元の情報信号が復元される。フレーム分離回路336は、復元された情報信号からフレーム部を除去し、フレーム部除去済み情報信号314として出力する。
本実施例の場合、偏波多重光信号送信部320の内部に、X偏波成分光検出器191とY偏波成分光検出器192が配置される。X偏波成分光検出器191とY偏波成分光検出器192は、それぞれX偏波側の変調に用いられる直交光電界変調器115−1とY偏波成分の変調に用いられる直交光電界変調器115−2の出力光強度を観測する。X偏波成分光検出器191は観測された強度をX偏波成分光強度信号193として出力し、Y偏波成分光検出器192は観測された強度をY偏波成分光強度信号194として出力する。X偏波成分光強度信号193とY偏波成分光強度信号194は、いずれも消光補正制御回路180に入力される。消光補正制御回路180は、その内部において、X偏波成分とY偏波成分のそれぞれについて独立に、第5の実施例に示す1観測変数・2出力変数の消光劣化補正制御を適用し、X偏波成分補正量制御信号181とY偏波成分補正量制御信号182を生成する。
(効果)
本実施例に示す構成の光多値信号送受信器(トランスポンダ)によれば、送信側のX偏波成分の送信側信号処理部195、Y偏波成分の送信側信号処理部196、受信側信号処理回路は、全てデジタル信号処理で実現される。このため、これらの処理部を一つの送受信号処理部、すなわち一個のICとして実現すれば、製造コストや処理部の小型化の面で有利となる。
勿論、本実施例では、前述の各実施例で説明した光多値信号送信器をその送信部として使用するため、直交光電界変調器の消光劣化による特性劣化を防ぐことが可能な光多値信号送受信器(例えば偏波多重コヒーレント送受信器)を実現することができる。
なお、本実施例では、多値信号として偏波多重信号を用いる例を示したが、単一偏波の送受信器の場合にも適用可能である。また、本実施例に係る光多値信号送受信器は、直交直交光電界変調器を利用していればよく、その変復調原理は、必ずしもコヒーレント技術に限るものではない。例えば非特許文献2に示すような光遅延検波を用いた非コヒーレント多値伝送方式、複数の光サブキャリアを用いて情報伝送を行う光OFDM伝送方式などにも広く適用可能である。
[実施例8]
(装置構成)
図20に、第8の実施例に係る光多値信号送受信器342の構成例を示す。図20には、図19との対応部分に同一符号を付して示している。本実施例と第7の実施例との違いは、消光劣化補正のための光信号の強度監視のために専用の光検出器を設けない点である。具体的には、本実施例の場合、光多値信号送受信器342の内部に含まれる偏波ダイバーシティコヒーレント光受信部330を消光劣化の補正に利用することを特徴とする。
このため、図20に示す光多値信号送受信器342は、偏波多重光多値信号327の一部を消光モニタ用光信号経路185に分岐し、偏波ダイバーシティコヒーレント光受信部330に導く構成を採用する。なお、偏波ダイバーシティコヒーレント光受信部330の入力段には光スイッチ184が配置される。この光スイッチ184は、偏波分離・光90度ハイブリッド回路334に入力される光信号を、光ファイバ伝送路を挟んで対向する他の光多値信号送受信器に送信される偏波多重光多値信号327の一部(分岐光)とするか、光ファイバ伝送路を挟んで対向する他の光多値信号送受信器から受信される偏波多重光多値信号328とするかを切り替える。
光スイッチ184の入力切替は、消光補正制御回路180が実行する。例えば消光劣化補正を実行する場合、消光補正制御回路180は、光スイッチ切替信号183により偏波多重光多値信号327の一部が偏波分離・光90度ハイブリッド回路334に入力されるように切り替える。このとき、受信側信号処理回路335は、信号点配置の誤差などから検出されるX偏波成分の偏差信号186及びY偏波成分の偏差信号187を消光補正制御回路180に出力する。これらの誤差信号には、前述の各偏波成分の平均光強度の他に、例えば各偏波成分の信号点配置のEVM(エラーベクタマグニチュード)、符号誤り率、Q値などを利用することが可能である。
なお、偏波多重光多値信号328の受信時(消光劣化補正を実行しない場合)、消光補正制御回路180は、光スイッチ切替信号183により偏波多重光多値信号328を偏波分離・光90度ハイブリッド回路334に入力する。この場合、第7の実施例で説明したように、既知の受信処理が実行される。
なお、本実施例の構成の場合(すなわち、光スイッチ184で偏波分離・光90度ハイブリッド回路334に入力される光信号を切り替える場合)、消光劣化補正を行う間は偏波多重光多値信号328を受信することができない。このため、本実施例の場合には、消光劣化補正の実行タイミングに制約がある。そこで、例えば光多値信号送受信器342の立ち上げ時にのみ消光劣化補正を行う、偏波多重光多値信号328が伝送すべき情報を持たないアイドル期間に補正を行うなどの手法を採用する。これにより、本来の通信への影響を最小限に抑えることができる。
(効果)
本実施例の構成によれば、第7の実施例に比して、光多値信号送受信器に搭載する光検出器の数を削減でき、その分、回路構成を簡易化できる。
(他の実施例)
以上、様々な実施例について説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば上述した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために、一部の実施例について詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要は無い。また、ある実施例の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成を追加、削除又は置換することも可能である。
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等の一部又は全部を集積回路その他のハードウェアとして実現しても良い。また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
100:光多値信号送信部の信号処理回路(従来例)、
101:情報信号、
102:多値符号化回路、
103:多値シンボル列、
104:2倍補間回路、
105:補間後の多値信号列、
106:予等化回路、
107:予等化後の多値信号、
108−1、108−2:変調器非線形応答補償回路、
109−1、109−2:線形応答補償回路、
110−1、110−2:DA変換器、
111−1、111−2:アナログ変調信号、
112−1、112−2:ドライバアンプ、
113:レーザ光源、
114:入力光ファイバ、
115、115−1、115−2:直交光電界変調器(IQ光変調器)、
116:出力光ファイバ、
117:無変調レーザ光、
118:出力光電界信号、
120:光分岐回路、
120−1:光分岐回路
121:光導波路、
122:同相(I)側変調信号、
123:直交(Q)側変調信号、
124−1、124−2:マッハツェンダ(MZ)型光変調器、
125:90度移相部、
126:同相(I)光電界信号、
127:直交(Q)光電界信号、
128:光結合回路、
128−1:光結合回路、
130:無変調レーザ光、
131:入力光導波路、
132−1、132−2:光位相変調器、
133:正相位相変調光、
134:逆相位相変調光、
135:出力光導波路、
136:電圧変調信号、
137:変調電極、
138:光電界変調信号、
140:同相光電界信号126の軌跡、
140−1:消光劣化が有限である場合の同相光電界信号126の軌跡、
141:直交光電界信号127の軌跡、
150:消光劣化補正回路、
151:入力複素デジタル信号、
152:出力複素デジタル信号、
153:Q成分補正量算出回路、
154:I成分補正量算出回路、
155−1、1155−2:遅延回路、
156−1、156−2:減算回路、
157:Q成分補正係数信号、
158:I成分補正係数信号、
160−1、160−2:補正量算出回路、
161−1、161−2:乗算器、
162:I成分補正量係数、
163:Q成分補正量係数、
170:光検出器、
171:光強度信号、
172:2変数最小制御回路、
173:I成分補正量制御信号、
174:Q成分補正量制御信号、
175:Q成分光検出器、
176:I成分光検出器、
177:I成分光強度信号、
178:Q成分光強度信号、
179−1、179−2:1変数最小制御回路、
180:消光補正制御回路、
181:X偏波成分補正量制御信号、
182:Y偏波成分補正量制御信号、
183:光スイッチ切替信号、
184:光スイッチ、
185:消光モニタ用光信号経路、
186:X偏波成分の偏差信号、
187:Y偏波成分の偏差信号、
188:補正量設定用入力ポート、
190:光多値信号送信部の信号処理回路(実施例)、
191:X偏波成分光検出器、
192:Y偏波成分光検出器、
193:X偏波成分光強度信号、
194:Y偏波成分光強度信号、
195:X偏波成分の送信側信号処理部、
196:Y偏波成分の送信側信号処理部、
320:偏波多重光信号送信部、
321:フレーム生成回路、
322:X偏波の情報信号、
323:Y偏波の情報信号、
324:X偏波の光多値信号、
325:Y偏波の光多値信号、
326:偏波多重器、
327:偏波多重光多値信号、
328:偏波多重光多値信号、
330:偏波ダイバーシティコヒーレント光受信部、
331:局部発生レーザ光源、
332−1〜332−4:バランス型光検出器、
333−1〜333−4:AD変換器、
334:偏波分離・光90度ハイブリッド回路、
335:受信側信号処理回路、
336:フレーム分離回路、
337:送受信号処理部(IC)、
340:S偏波成分、
341:P偏波成分、
342:偏波多重光多値信号送受信器(トランスポンダ)

Claims (10)

  1. 伝送すべき情報信号を光電界変調信号に符号化し、同相成分に対応する第1の同相駆動信号と直交成分に対応する第1の直交駆動信号を生成する多値符号化回路と、
    前記光電界変調信号の同相成分に対応する第2の同相駆動信号と前記光電界変調信号の直交成分に対応する第2の直交駆動信号により無変調レーザ光を変調し、その合成光を光多値信号として伝送路に出力する直交光電界変調器と、
    前記直交光電界変調器における消光劣化を補正する変換特性を有し、前記第1の同相駆動信号と前記第1の直交駆動信号を前記変換特性に基づいて変換し、前記第2の同相駆動信号と前記第2の直交駆動信号を生成する消光劣化補正回路と
    を有し、
    前記消光劣化補正回路は、
    前記第1の同相駆動信号を入力し、その信号振幅に応じた第1の補正信号を生成する第1の補正量算出回路と、
    前記第1の直交駆動信号を入力し、その信号振幅に応じた第2の補正信号を生成する第2の補正量算出回路と、
    前記第1の補正信号を前記第1の直交駆動信号に加算又は減算する第1の演算器と、
    前記第2の補正信号を前記第1の同相駆動信号に加算又は減算する第2の演算器と
    を有し、
    前記第1の同相駆動信号又は前記第1の直交駆動信号の振幅をU(Uは前記直交光電界変調器の内部におけるπ変調電圧の2倍で正規化した値)とすると、前記第1及び第2の補正量算出回路から出力される前記第1及び第2の補正信号がcos(πU)にほぼ比例する
    ことを特徴とする光多値信号送信器。
  2. 伝送すべき情報信号を光電界変調信号に符号化し、同相成分に対応する第1の同相駆動信号と直交成分に対応する第1の直交駆動信号を生成する多値符号化回路と、
    前記光電界変調信号の同相成分に対応する第2の同相駆動信号と前記光電界変調信号の直交成分に対応する第2の直交駆動信号により無変調レーザ光を変調し、その合成光を光多値信号として伝送路に出力する直交光電界変調器と、
    前記直交光電界変調器における消光劣化を補正する変換特性を有し、前記第1の同相駆動信号と前記第1の直交駆動信号を前記変換特性に基づいて変換し、前記第2の同相駆動信号と前記第2の直交駆動信号を生成する消光劣化補正回路と
    を有し、
    前記消光劣化補正回路は、
    前記第1の同相駆動信号を入力し、その信号振幅に応じた第1の補正信号を生成する第1の補正量算出回路と、
    前記第1の直交駆動信号を入力し、その信号振幅に応じた第2の補正信号を生成する第2の補正量算出回路と、
    前記第1の補正信号を前記第1の直交駆動信号に加算又は減算する第1の演算器と、
    前記第2の補正信号を前記第1の同相駆動信号に加算又は減算する第2の演算器と、
    前記第2の同相駆動信号に対し、前記直交光電界変調器の電界変調特性の非線形を補正する第1の逆正弦特性補正回路と、
    前記第2の直交駆動信号に対し、前記直交光電界変調器の電界変調特性の非線形を補正する第2の逆正弦特性補正回路と
    を有し、
    前記第1及び第2の補正量算出回路に入力される前記第1の同相駆動信号又は前記第1の直交駆動信号の振幅をV(Vは、前記直交光電界変調器の内部におけるπ変調電圧の2倍で正規化した値)とすると、前記第1及び第2の補正量算出回路から出力される前記第1及び第2の補正信号がsqrt(1-(πV)^2)にほぼ比例する
    ことを特徴とする光多値信号送信器。
  3. 請求項1に記載の光多値信号送信器において、
    前記直交光電界変調器から伝送路に出力される光多値信号の強度を検出し、強度信号として出力する光検出器と、
    前記強度信号から前記直交光電界変調器の消光劣化情報を抽出し、前記消光劣化情報に基づいて前記直交光電界変調器の消光劣化が最小になるように前記消光劣化補正回路における前記変換特性を制御する制御回路と
    を有することを特徴とする光多値信号送信器。
  4. 請求項に記載の光多値信号送信器において、
    前記光検出器は、前記光多値信号の平均光強度を検出する光強度検出器であり、
    前記制御回路は、検出された平均光強度を前記消光劣化情報とし、前記平均光強度が最小になるように前記変換特性を制御する
    ことを特徴とする光多値信号送信器。
  5. 請求項に記載の光多値信号送信器において、
    前記光検出器は、前記光多値信号の瞬時光強度又は光電界情報を高速で検出する光信号検出器であり、
    前記制御回路は、前記強度信号から前記光多値信号の振幅情報又は信号点配置情報を検出し、理想振幅値又は理想信号点配置からの誤差情報を前記消光劣化情報として抽出し、前記誤差情報が最小になるように前記変換特性を制御する
    ことを特徴とする光多値信号送信器。
  6. 請求項1に記載の光多値信号送信器において、
    前記第2の同相駆動信号により駆動される第1のマッハツェンダ型光変調器から出力される第1の光信号の強度を検出し、第1の強度信号として出力する第1の光検出器と、
    前記第2の直交駆動信号により駆動される第2のマッハツェンダ型光変調器から出力される第2の光信号の強度を検出し、第2の強度信号として出力する第2の光検出器と、
    前記第1の強度信号から同相成分の光多値信号に関する第1の消光劣化情報を抽出し、前記第1の消光劣化情報に基づいて前記第1のマッハツェンダ型光変調器の消光劣化が最小になるように前記消光劣化補正回路における前記変換特性のうち同相成分用の変換特性を制御する第1の制御回路と、
    前記第2の強度信号から直交成分の光多値信号に関する第2の消光劣化情報を抽出し、前記第2の消光劣化情報に基づいて前記第2のマッハツェンダ型光変調器の消光劣化が最小になるように前記消光劣化補正回路における前記変換特性のうち直交成分用の変換特性を制御する第2の制御回路と
    を有することを特徴とする光多値信号送信器。
  7. 請求項に記載の光多値信号送信器において、
    前記第1及び第2の光検出器は、前記第1及び第2の光信号の平均光強度を検出する光強度検出器であり、
    前記第1及び第2の制御回路は、検出された平均光強度を前記第1及び第2の消光劣化情報とし、前記平均光強度がそれぞれ最小になるように前記同相成分用の変換特性と前記直交成分用の変換特性をそれぞれ独立に制御する
    ことを特徴とする光多値信号送信器。
  8. 第1の光多値信号を出力する請求項1に記載の光多値信号送信器と、
    他の光多値信号送信器から送信された第2の光多値信号を受信する光受信器と
    を有することを特徴とする光多値信号送受信器。
  9. 直交光電界変調器を用いて第1の光変調信号を生成する光多値信号送信器の送信側信号処理部であり、伝送すべき情報信号を光電界変調信号に符号化し、同相成分に対応する第1の同相駆動信号と直交成分に対応する第1の直交駆動信号を生成する多値符号化回路と、前記直交光電界変調器における消光劣化を補正する変換特性を有し、前記第1の同相駆動信号と前記第1の直交駆動信号を前記変換特性に基づいて変換し、前記直交光電界変調器を駆動する第2の同相駆動信号と第2の直交駆動信号を生成する消光劣化補正回路とを有する送信側信号処理部であって、
    前記消光劣化補正回路は、
    前記第1の同相駆動信号を入力し、その信号振幅に応じた第1の補正信号を生成する第1の補正量算出回路と、
    前記第1の直交駆動信号を入力し、その信号振幅に応じた第2の補正信号を生成する第2の補正量算出回路と、
    前記第1の補正信号を前記第1の直交駆動信号に加算又は減算する第1の演算器と、
    前記第2の補正信号を前記第1の同相駆動信号に加算又は減算する第2の演算器と
    を有し、
    前記第1の同相駆動信号又は前記第1の直交駆動信号の振幅をU(Uは前記直交光電界変調器の内部におけるπ変調電圧の2倍で正規化した値)とすると、前記第1及び第2の補正量算出回路から出力される前記第1及び第2の補正信号がcos(πU)にほぼ比例する送信側信号処理部と、
    他の光多値信号送信器から送信された第2の光変調信号を受信する光多値信号受信器の信号処理部と、
    前記消光劣化補正回路における前記変換特性を制御する制御信号の第1の入力ポートと
    を有することを特徴とする光多値信号処理IC。
  10. 請求項に記載の光多値信号処理ICにおいて、
    前記直交光電界変調器又はその内部に設けられた個々のマッハツェンダ型光変調器から出力される光信号の平均出力強度の検出信号であり、前記消光劣化補正回路における前記変換特性を制御に使用される検出信号が入力される少なくとも1つの第2の入力ポート
    を更に有することを特徴とする光多値信号処理IC。
JP2013031417A 2013-02-20 2013-02-20 光多値信号送信器、光多値信号送受信器及び光多値信号処理ic Active JP6073152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013031417A JP6073152B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 光多値信号送信器、光多値信号送受信器及び光多値信号処理ic

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013031417A JP6073152B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 光多値信号送信器、光多値信号送受信器及び光多値信号処理ic

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014160985A JP2014160985A (ja) 2014-09-04
JP6073152B2 true JP6073152B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=51612385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013031417A Active JP6073152B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 光多値信号送信器、光多値信号送受信器及び光多値信号処理ic

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6073152B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6330802B2 (ja) * 2013-04-04 2018-05-30 日本電気株式会社 デジタル光送信機、それを用いた光通信システムおよびデジタル光送信方法
JP6468346B2 (ja) 2015-03-20 2019-02-13 日本電気株式会社 プラガブル光モジュール、光通信システム及びプラガブル光モジュールの制御方法
JP6444832B2 (ja) * 2015-08-27 2018-12-26 日本電信電話株式会社 光変調器のドライバ装置
JP6947982B2 (ja) * 2018-01-19 2021-10-13 日本電信電話株式会社 光送信器及び光送受信システム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2405620A1 (en) * 2009-03-02 2012-01-11 Hitachi, Ltd. Optical multi-level transmission system
JP5760419B2 (ja) * 2010-12-13 2015-08-12 富士通株式会社 光送信装置および光送信方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014160985A (ja) 2014-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6234777B2 (ja) 光多値送信器および光トランスポンダ
US8676060B2 (en) Quadrature amplitude modulation signal generating device
US9240838B2 (en) Optical transmitter and method for controlling bias for optical modulator
US8463138B2 (en) Multi-value optical transmitter
US20090214224A1 (en) Method and apparatus for coherent analog rf photonic transmission
EP2896988B1 (en) Optical transmitter and dc bias control method
US7266306B1 (en) Method for optical carrier suppression and quadrature control
US8718487B2 (en) Optical transmitter
JP6179275B2 (ja) M−qam送信機のための光変調器を監視及び制御するシステム及び方法
US10270632B2 (en) Modulator, modulation system, and method for implementing higher order modulation
WO2010000863A1 (en) Optical i-q-modulator
US10567077B2 (en) Imbalance compensation device, transmission device, and imbalance compensation method
US9787403B2 (en) Digital optical transmitter, optical communication system using the same, and digital optical transmission method
JP6073152B2 (ja) 光多値信号送信器、光多値信号送受信器及び光多値信号処理ic
JP6540952B2 (ja) 光ツートーン信号の生成方法およびdp−mzm型光変調器の制御方法
JP5811531B2 (ja) 光送信機、光通信システムおよび光送信方法
US8606114B2 (en) Alignment of a data signal to an alignment signal
WO2017056440A1 (ja) 光変調器、光送信器および光変調方法
JP6863147B2 (ja) 光送信器、変調方法、及び光伝送装置
US20170170907A1 (en) Optical transmission device and optical transmission method
JP2001159750A (ja) 光送信装置及び光変調器
Dou et al. Electronic pre-distortion operating at 1 sample/symbol with accurate bias control for CD compensation
WO2022042415A1 (zh) 光信号发射电路的发射光信号处理方法、装置及设备
Kawanishi Integrated mach–zehnder interferometer-based modulators for advanced modulation formats
JPWO2018180537A1 (ja) 光送信器及び光送信方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170104

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6073152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151