JP6070549B2 - 超音波探触子 - Google Patents

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Description

本願は、医療用の超音波診断装置に用いられる超音波探触子に関する。
超音波診断装置100は、図11に示すように、超音波探触子101、ケーブル102および装置本体103を備える。超音波探触子101は、ケーブル102を介して装置本体103の電気回路と接続され、超音波と電気信号との相互変換を行う。装置本体103は、ケーブル102を介して超音波探触子101を駆動する高電圧の送信パルスを出力する送信処理、超音波探触子101が超音波を受信することによって生成した受信信号を増幅し、受信ビームを形成する受信処理、受信信号の輝度変調や受信信号からの血流情報検出等の信号処理を行ない、これらの信号処理に基づく画像信号を生成する。
図12は、超音波探触子101の内部の構造を模式的に示す。超音波探触子101は、一般に、複数の振動子105が一方向に配列された振動子アレイ104を備えている。振動子アレイ104の振動子105のそれぞれに信号線が接続され、これら信号線はケーブル102としてまとめられている。
装置本体103において、この振動子アレイ104の複数の振動子105に加える送信パルスのタイミングを制御するによって、超音波探触子101から出射する超音波の送信ビームを所望の形状にすることができる。一方、これら複数の振動子105から得られた受信信号を遅延させ、加算することによって所望の受信ビームを形成することができる。これにより自由度の高いビーム形成が可能となる。例えば、送信ビームおよび受信ビームを細く成形することによって方位方向の分解能(以下、指向性ともいう。)を鋭くし、超音波画像の画質を向上させる。
一般的に、振動子105の配列方向(以後、長軸方向とする。)における送信ビーム形成は、上述の手法で行われる。一方、振動子105の配列方向および超音波を送受信する方向である深さ方向と直交する方向(以後、短軸方向とする。)における送信ビームの成形は、音響レンズによって行われる。
図13を用いて短軸方向におけるビーム形成を説明する。図13は超音波探触子101の短軸方向における断面(以後、短軸断面とする。)を示す。振動子105は図12に示す振動子アレイ104の1つを示している。図13に示すように、振動子105の下面には、振動子105の振動を抑えるバッキング材106が設けられている。振動子105の上面には、振動子105と被検体(不図示)とのインピーダンスの差異を緩和するための音響整合層107が設けられている。音響整合層107の上面には、音響レンズ108が設けられている。例えば、生体に対して音速が遅い材料の音響レンズ108を用いた場合は、図13に示すように、音響レンズ108がその形状を短軸方向に沿って、超音波の送信方向に凸形状の表面を有することにより、短軸方向における送信ビームを細く形成することができる。
通常、送信ビームは、ある位置の深さにおいて、細くなるように集束させる。この場合、ビームが集束する位置より浅い位置や、深い位置では、ビームが広がり、方位分解能が劣化してしまう。
長軸方向における送信ビームの成形は、上述したように、振動子アレイ104を駆動する送信パルスのタイミングを制御することによって集束する深さ位置を変化させることができる。このため、長軸方向においては、深さ方向の広い範囲において送信ビームの細くなる位置を設定することができる。
これに対し、短軸方向における送信ビームの成形は、音響レンズ108によって行われる。このため、音響レンズ108の形状による定まった深さ位置においてのみ送信ビームを集束させることができ、その他の深さ位置において送信ビームを集束させることが困難である。
この課題を解決するために、短軸方向にも振動子を複数配置し、駆動する送信パルスのタイミングを制御することによって、長軸方向および短軸方向において、超音波が集束する深さ位置を変化させることのできる2次元振動子アレイが実現されている。しかし、2次元振動子アレイを用いた超音波探触子101は、振動子105の数が非常に多くなる。このため、各振動子105に接続する信号線の数も多くなり、ケーブル102が太くなって実用に耐えないという新たな課題が生じる。また、送信ビームを2次元で成形するため、電子回路の規模も大きくなってしまう。
特許文献1は、これらの課題を解決し得る超音波探触子を開示している。図14に示すように、特許文献1に開示された超音波探触子は、短軸方向に配列された振動子105a、105b、105cを備える。この超音波探触子において、被検体の深部を観察する時には、振動子105a〜105cの全てを用い、大きい開口で超音波を送信し、浅部を観察する場合には振動子105bのみを用い、小さい開口で超音波を送信する。
特許文献1によれば、振動子105bのみを用いることによって従来に比べて送信ビームを細くすることができ、得られる断層画像の解像度が向上する。
特開昭62−117539号公報
しかしながら、上述した従来の技術では、送信ビームを細くし、さらに取得する画像の画質を向上させることが求められていた。
本願の限定的ではない実施形態は、短軸方向にも送信ビームの幅を細くすることのできる超音波探触子を提供する。
本願に開示された超音波探触子は、第1方向および前記第1方向とは異なる第2方向に2次元に配列されており、電気パルスと超音波との相互の変換を行う複数の振動子を有する振動子アレイと、前記第1方向および前記超音波の送信方向に平行な断面において、前記送信方向に凸状の表面を有し、前記複数の振動子から送信される超音波を集束させる音響レンズと、前記音響レンズと音速が異なる材料で構成されており、前記第1方向に配列された複数の振動子の少なくとも2つと前記音響レンズとの間にそれぞれ配置された少なくとも2つの音響調整層であって、前記少なくとも2つの音響調整層の前記材料および前記送信方向における厚さの少なくとも一方が互いに異なる、少なくとも2つの音響調整層とを備え、前記音響調整層の第2の方向の両端面は、前記振動子の第2の方向の両端面とほぼ一致するように配置された、構成を採る
また、本願に開示された他の超音波探触子は、第1方向に配列されており、電気パルスと超音波との相互の変換を行う複数の振動子を有する振動子アレイと、前記第1方向および前記超音波の送信方向に平行な断面において、前記送信方向に凸状の表面を有し、前記複数の振動子から送信される超音波を集束させる音響レンズと、前記音響レンズと音速が異なる材料で構成さており、前記第1方向に配列された振動子の複数のうちのいくつかのみと前記音響レンズとの間にそれぞれ配置された音響調整層とを備える。
前記音響調整層は、前記音響レンズよりも音速の速い材料で構成されており、前記第1方向において前記振動子アレイの中心から外側に位置する振動子に対応する前記音響調整層ほど前記厚さが大きくてもよい。
前記少なくとも2つの音響調整層は、前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する第1音響調整層と、前記第1方向において前記第1音響調整層に隣接する第2音響調整層とを含み、前記第1音響調整層の厚さは、前記第2音響調整層の厚さよりも大きくてもよい。
前記音響調整層は、前記音響レンズよりも音速が遅い材料で構成されており、前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する前記音響調整層ほど前記厚さが小さくてもよい。
前記少なくとも2つの音響調整層は、前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する第1音響調整層と、前記第1方向において前記第1音響調整層に隣接する第2音響調整層とを含み、前記第1音響調整層の厚さは、前記第2音響調整層の厚さよりも小さくてもよい。
前記音響調整層は、前記音響レンズより音速の速い材料によって構成され、前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する前記音響調整層ほど構成する材料の音速が速くてもよい。
前記音響調整層は前記音響レンズより音速の遅い材料によって構成され、前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する前記音響調整層ほど構成する材料の音速が遅くてもよい。
前記音響調整層は、前記音響レンズの音響インピーダンスの値と同一あるいは近似する音響インピーダンスを有する材料によって構成されていてもよい。
前記音響レンズは、前記第1方向および前記送信方向に平行断面において、第1曲率の表面形状を有する第1音響レンズ部と、前記送信方向において、前記第1音響レンズ上に配置され、第2曲率の表面形状を有する第2音響レンズ部とを含んでいてもよい。
前記第2曲率は前記第1曲率よりも大きくてもよい。
前記第1音響レンズ部および前記第2音響レンズ部は、同じ材料によって構成されていてもよい。
本願に開示された超音波探触子によれば、送信ビームを被検体内の深い位置においても十分細くすることができ、その結果、良好な画質の超音波画像を取得することができる。
本発明の超音波探触子の第1の実施形態の一部を示す斜視図である。 本発明の超音波探触子の第1の実施形態の一部を示す断面図である。 (a)および(b)は、第1の実施形態および従来例による超音波探触子の送信ビームのシミュレーション結果を示す図である。 第1の実施形態の他の例を示す断面図である。 第1の実施形態の他の例を示す断面図である。 本発明の超音波探触子の第2の実施形態の一部を示す断面図である。 (a)および(b)は、第2の実施形態および第1の実施形態による超音波探触子の送信ビームのシミュレーション結果を示す図である。 (a)および(b)は、第2の実施形態および第1の実施形態による超音波探触子の送信ビームの他のシミュレーション結果を示す図である。 第2の実施形態の他の例を示す断面図である。 第2の実施形態の他の例を示す断面図である。 本発明の超音波探触子の第3の実施形態の一部を示す断面図である。 図9の部分拡大図である。 従来の超音波診断装置の構成を示す概略図である。 従来の超音波超音波探触子の構成を示す模式図である。 従来の超音波探触子の断面図である。 従来の超音波探触子の断面図である。
本願発明者は、特許文献1等に開示された従来の超音波探触子の特性を詳細に検討した。その結果、特許文献1の超音波探触子を用い、開口を大きくして超音波を送信した場合、送信方向の深い位置において、短軸方向に送信ビームを十分に細くできないことがあることが分かった。
本願発明者の検討結果によれば、音響レンズ108の表面が凸形状を有する場合、図14に示すように、振動子105bから送信された超音波が音響レンズ108を伝搬する距離は、振動子105a、105cから送信された超音波が音響レンズ108を伝搬する距離に比べて長くなる。このため、(被検体に比べて音響レンズ108における超音波の伝搬速度、つまり音速が小さい場合、)振動子105bから送信された超音波よりも振動子105a、105cから送信された超音波が速く被検体に到達することによって、集束する送信ビームの集束性が乱れ、特に送信方向の深い位置における短軸方向において、送信ビームが2つに割れ、送信ビームが広がってしまうことが分かった。
このような課題に鑑み、本願発明者は、特に相対的に深い位置においても送信ビームを十分に細くすることができ、その結果、良好な画質の超音波画像を取得し得る新規な構造の超音波探触子を想到した。以下、図面を参照しながら、本発明による超音波探触子の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1Aは、本発明による超音波探触子の第1実施形態の斜視図である。超音波探触子1は、振動子アレイ2と音響整合層3と音響レンズ4と音響調整層5とを備える。振動子アレイ2は、図1Aに示すように、x方向(第1方向)およびy方向(第2方向)に2二次元に配列された複数の振動子2’を含む。x軸方向およびy軸方向はそれぞれ短軸方向および長軸方向に対応する。図1Aには示していないが、複数の振動子2’のそれぞれは、従来の超音波探触子と同様、信号線と接続されている。信号線はケーブルとしてまとめられ、超音波診断装置の本体と電気的に接続される(図示せず)。複数の振動子2’のそれぞれは、電気パルスと超音波との相互の変換を行うトランスデューサーであり、圧電体素子によって構成される。
ケーブルを介して振動子アレイ2に印加される電気パルスによって振動子アレイ2のそれぞれの振動子2’が振動し、振動子2’から超音波が送信される。超音波は音響整合層3を介して音響レンズ4によって集束し、z軸方向(超音波の送信方向)に送信される。
図1Bは、超音波探触子1のx軸方向およびz軸方向に平行な断面を示している。
振動子アレイ2は、x軸方向に配列された複数の振動子2’である振動子2a、2b、2c、2d、2eを含む。振動子2a〜2eの下面には、振動子2a〜2eの振動を抑えるバッキング材(不図示)が設けられていてもよい。一方、振動子2a〜2eの上面には、振動子2a〜2eと被検体との音響インピーダンスの差を緩和するための音響整合層3が設けられていてもよい。音響整合層3の上面には、音響レンズ4が位置している。図1Bに示すように音響レンズ4は超音波のz軸方向であって超音波探触子1の外部側に凸形状を有する。つまり、表面4sはz軸方向に凸状である。
振動子2a〜2cと音響レンズ4との間には、音響調整構造5が配置されている。音響調整構造5は、少なくとも2つの振動子と音響レンズ4との間に位置している。本実施形態では、音響調整構造5は、振動子2a、2b、2cと音響レンズ4との間にそれぞれ配置された、音響調整層5a、5b、5cを含む。音響調整層5a、5b、5cは、音響レンズ4の材料と比較して音速の速い材料で構成されている。また、本実施形態では、音響調整層5a、5b、5cを構成する材料は同じである。
超音波の伝搬性を考慮し、音響調整層5a、5b、5cを構成する材料および音響レンズ4を構成する材料は、同一、または、近似した音響インピーダンス値を有していることが好ましい。ここで、音響インピーダンス値が近似しているとは、音響レンズ4を構成する材料の音響インピーダンスに対する音響調整層5a、5b、5cを構成する材料の音響インピーダンスの比が概ね0.5から1.5の範囲内であることをいう。一般に、被検体の音響インピーダンスに対して1.5程度の音響インピーダンスを有するシリコーンゴムが音響レンズ4の材料として用いられる。このため、この範囲の材料を用いることによって、2つの材料における界面での超音波の反射を抑制し、効率よく超音波を伝搬させることができる。
また、本実施形態では、音響調整層5a、5b、5cを構成する材料の音速は、音響レンズ4を構成する材料の音速よりも速い。音響レンズ4の材料にシリコーンゴムを用いる場合、音響調整層5a、5b、5cの材料には、例えば、酸化亜鉛や酸化チタン等のフィラーを添加したシリコーンゴムを用いることができる。また、音響インピーダンスがシリコーンゴムに近いエポキシ樹脂等を選択してもよい。これらの材料は例示に過ぎず、他の材料を用いて音響レンズ4および音響調整層5a、5b、5cを構成してもよい。
図1Bに示すように、音響調整層5aのx軸方向の長さ(幅)は、振動子2aのx軸方向の長さと略同一である。また、音響調整層5aは、図1Bの破線で示すように、振動子2aと振動子2bとの境界および振動子2aと振動子2cとの境界に、音響調整層5aの両端面がほぼ一致するように配置される。
同様に、音響調整層5b、5cのx軸方向の長さは、それぞれ振動子2b、2cの長さと略同一である。また、音響調整層5bは、振動子2aと振動子2bとの境界および振動子2bと振動子2dとの境界に音響調整層5bの両端面がほぼ一致するように配置される。音響調整層5cは、振動子2aと振動子2cとの境界および振動子2cと振動子2eとの境界に音響調整層5cの両端面がほぼ一致するように配置される。すなわち、音響調整層5aは振動子2aから送信される超音波に、音響調整層5bは振動子2bから送信される超音波に、音響調整層5cは振動子2cから送信される超音波に対応するように配置されている。
本実施形態では、x軸方向において振動子アレイ2の中心に位置する振動子に対応する音響調整層ほど音響調整層のz軸方向における厚さが大きい。具体的には、x軸方向において振動子アレイ2の中心に位置する振動子2aに対応する音響調整層5aは、振動子アレイ2の中心より外側に位置する振動子2b、2cに対応する音響調整層5b、5cよりもz軸方向における厚さが大きい。つまり、音響調整層5a、5b、5cの厚さをta、tb、tcとした場合、ta>tb、ta>tcの関係を満たしている。本実施形態ではtbとtcは略同一である。
超音波探触子1は、被検体の比較的浅い位置に超音波を送信し、浅い位置における画像を取得する場合、振動子2aのみを駆動し、比較的深い位置に超音波を送信し、深い位置における画像を取得する場合、振動子2a〜2eのすべてを駆動する。また、これらの中間の位置に超音波を送信し、中間の位置における画像を取得する場合、振動子2a〜2cを駆動する。
音響レンズ4は、x軸方向およびz軸方向に垂直な断面において、送信方向に凸状の表面4sを有する。このため、z軸方向における振動子2a〜2eの上面から音響レンズ4の表面4sまでの距離は、x軸方向における中央部ほど端部よりも長くなる。しかし、音響レンズ4よりも速い音速の材料によって構成される音響調整層5a、5b、5cが振動子2a〜2eと音響レンズ4との間に設けられている。
x軸方向において中央に位置する音響調整層5aのz軸方向の厚さは、音響調整層5aよりも端側に位置する音響調整層5b、5cのz軸方向の厚さよりも大きい。このため、x軸方向における位置による、振動子2a〜2eの上面から音響レンズ4の表面4sまでの距離の差による超音波の到達時間差、あるいは、超音波の位相の差が小さくなるように音響調整層5a、5b、5cが機能する。よって、音響レンズ4の表面4sから出射する、振動子2a〜2eからの超音波の位相差が小さくなり、被検体へ到達する超音波の時間差が小さくなる。これによって、振動子2a〜2eのすべてから超音波を送信した場合に、集束する送信ビームの位相差を小さくし、送信方向の深い位置において、送信ビームが2つに割れ、送信ビームが広がるのを抑制することができる。よって、深い位置においても十分に細い送信ビームを被検体に送信することができ、高い解像度で超音波画像を得ることができる。
本実施形態による超音波探触子1の効果を確認するために行ったシミュレーション結果を以下に示す。
図2(a)および(b)は本実施形態による超音波探触子および従来の超音波探触子のx軸方向におけるビーム形状のシミュレーション結果である。送信の中心周波数は、約9MHzである。
図2(a)のシミュレーションに用いた超音波探触子1の音響レンズ4を構成する材料は、1000m/sの音速を有する。音響レンズ4の表面形状の曲率半径は10mmである。また、振動子2a〜2eのx軸方向における振動子の長さは、振動子2aが2.8mm、振動子2b、2cが0.6mm、振動子2d、2eが1.1mmである。振動子2aのみを使用して超音波を送信した場合(以下、開口小とする。)の開口幅は2.8mmとなり、振動子2a〜2cを使用して超音波を送信した場合(以下、開口中とする。)の開口幅は4.0mmとなる。振動子2a〜2eを使用した超音波を送信した場合(以下、開口大とする。)の開口幅は6.2mmとなる。
音響調整層5a〜5cは、1500m/sの音速を有する材料によって構成される。z軸方向の厚さは、音響調整層5aが0.12mmであり、音響調整層5b、5cがそれぞれ0.06mmである。また、音響調整層5a〜5cは、音響レンズ4と同一の音響インピーダンスを有する材料としてシミュレーションを行っている。
図2(b)のシミュレーションに用いた従来の超音波探触子は、音響調整層を設けてない点以外は、図2(a)のシミュレーションに用いた超音波探触子1と同様の構造を備える。
図2(a)、(b)に示すシミュレーション結果は、ある深さ位置(Z軸方向のある位置)において、最も超音波の強度が強い位置を0dB(原点)とし、そのZ軸方向の位置のx軸方向において、その原点に対し−3dBに相当する超音波の強度を有する位置(距離(mm))をプロットする。これを任意の深さ位置において行うことによって深さ方向のビームプロファイルを得た。したがって、図2における横軸は、超音波を送信する深さ方向における超音波探触子1からの距離(mm)を示し、縦軸は、ビーム中心から−3dBの強度が得られるビームの幅(mm)を示す。
また、図2(a)、(b)に示すシミュレーション結果は、開口小、開口中、開口大の場合のそれぞれについて、深さ位置が5〜55mmまでのデータを取得し、開口小、開口中、開口大のそれぞれの送信ビームが十分に集束されている領域のデータを抽出し、合成している。
図2(a)に示すように、本実施形態の超音波探触子1によれば、開口小、開口中、開口大によるほとんどすべての深さにおいて、送信ビームを集束させることができる。
一方、図2(b)に示すように、従来の超音波探触子によれば、特に、開口大で送信した超音波による送信ビームの幅が、概ね25mm以上の深さにおいて、急激に広がっている。このことから、開口大の場合において、特に深い位置における送信ビームの集束が十分ではないことが分かる。
ここでは図示しなかったが、従来の超音波探触子において、音響レンズの曲率半径を大きくした場合、開口大における深い位置におけるビーム形状は細くなる。しかし、この場合、開口小の浅い位置におけるビーム形状は太くなってしまう。つまり、従来の超音波探触では、浅い位置と深い位置の両方において、細い送信ビームを形成することは困難である。
このシミュレーション結果が示すように、本実施形態の超音波探触子1によれば、相対的に深い位置であっても、送信ビームを十分に集束することができ、従来よりも深さ方向における送信ビームを集束できる範囲を広くできる。したがって、より広い範囲で良好な画質の超音波画像を取得できる。
なお、本実施形態では、振動子2d、2eに対応する音響調整層は設けていない。しかし、振動子2a〜2eから同時に送信された超音波のある深さ位置における到達時間をできる限り一致させるという条件を満たすならば、振動子2d、2eに対応した音響調整層を設けてもよい。この場合、振動子2d、2eに対応する音響調整層のz軸方向の厚さは、x軸方向において、超音波探触子1の中心側に隣接する振動子2b、2cに対応する音響調整層5b、5cの厚さtb、tcより小さく設定する。
本実施形態の超音波探触子1は、音響レンズ4よりも音速の速い材料によって構成される音響調整層5a〜5cを設けることにより、音響調整層を設けない場合よりも、超音波が振動子2a〜2cから音響レンズ4を介して超音波探触子1から所望の深さ位置に到達するまでの時間を相対的に短くする。また、音響レンズ4が超音波の送信方向に凸状の形状を有するため、中心に位置する振動子に対応する音響調整層ほど、その厚さを大きくすることによって、超音波の伝搬時間を短くし、音響レンズ4へ入射させる。このため、振動子2a〜2eから同時に送信された超音波が、超音波の送信方向に凸状の形状を有する音響レンズ4を伝搬しても被検体内のある深さ位置における到達時間をできる限り一致させることができる。
このような、超音波の伝搬時間の調整は、音響レンズ4よりも音速の遅い材料によって構成される音響調整層5a〜5cを設けることによっても行うことができる。具体的には、音響調整層を音響レンズ4よりも音速の速い材料で構成する場合、x軸方向において振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する音響調整層ほど、その厚さを小さくする、言い換えれば、振動子アレイの中心から外側に位置する振動子に対応する音響調整層ほど、その厚さを大きくすればよい。
より具体的には、図3Aに示すように、音響レンズ4よりも音速の遅い材料によって構成される音響調整層5b〜5eを用いる。音響調整層5b〜5eはそれぞれ振動子2b〜2eの上面に位置しており、振動子2b〜2eに対応している。
音響調整層5b〜5eにおける音速は音響レンズ4における音速より遅いので、音響調整層5b〜5eを透過した超音波の伝搬時間は長くなる。このため、x軸方向の中心に位置する振動子2aには、対応する音響調整層を設けないことによって、相対的に音響レンズ4へ入射する超音波の伝搬時間を短くすることができる。また、音響調整層5b、5cの厚さtb、tcよりも、中心に対し、より外側に位置する音響調整層5d、5eの厚さtd、teを大きくすることにより、振動子2b、2cから送信される超音波の到達時間を振動子2d、2eから送信される超音波の到達時間より進めることができる。これより、中心に位置する振動子から送信される超音波ほど伝搬時間を短くし、音響レンズ4へ入射させることができる。よって、振動子2a〜2eから同時に送信された超音波が、超音波の送信方向に凸状の形状を有する音響レンズ4を伝搬しても被検体内のある深さ位置における到達時間をできる限り一致させることができる。
また、本実施形態では、開口を大、中、小の3段階に切り替えて超音波を送信することのできる超音波探触子を説明した。しかし、大および小の2段階に開口を切り替えて超音波を送信する超音波探触子を実現してもよい。この場合、例えば、図3Bに示すように、音響レンズ4よりも音速の速い材料によって構成される音響調整層5aを振動子2aの上面に設ければ、上述した実施形態の効果を得ることができる。また、図示しないが、音響レンズ4よりも音速の遅い材料によって構成される音響調整層5b、5cを振動子2b、2cの上面に設けてもよい。つまり、音響レンズ4と音速が異なる材料で構成されており、x軸方向に配列された振動子の複数のうちのいくつかのみと音響レンズ4との間に音響調整層を設けてもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、音響調整層を用いることで、ビームを集束させる深さ方向の相対的に深い位置であっても、ビーム幅を十分細くすることができる超音波探触子の形態を説明した。本実施形態では、相対的に浅い位置から深い位置にわたってビーム幅をさらに良好に集束させることができる超音波探触子の形態を説明する。
図4は本実施形態の超音波探触子1のx軸方向の断面を示す。超音波探触子1は、振動子2a〜2eを含む振動子アレイ2、音響調整層5、音響レンズ6を備える。振動子アレイ2および音響調整層5の配置や構造、材料等については第1の実施形態の超音波探触子1と同じである。
第1の実施形態の超音波探触子1は、超音波の送信方向に単一の曲率を有する凸状の表面形状を有する音響レンズ4を備えていた。これに対し、本実施形態の超音波探触子1が備える音響レンズ6は、2つの異なる曲率を有する凸状の表面形状を有する。
具体的には、音響レンズ6は、第1曲率の表面形状を有する第1音響レンズ部6aと第2曲率の表面形状を有する第2音響レンズ部6bとを含む。第2曲率は第1曲率よりも大きく、第1音響レンズ部6aと第2音響レンズ部6bとは同一の材料で構成される。第1音響レンズ部6aおよび第2音響レンズ部6bは別々に形成され、接着されていてもよいし、一体的に成形されていてもよい。
図4に示すように、第1音響レンズ部6aは、振動子2a〜2eに対応するように、超音波の送信方向に音響調整層5a〜5cを介して配置されている。第2音響レンズ部6bは、振動子2aに対応し、振動子2aから送信される超音波が入射するように、第1音響レンズ部6a上(z軸方向における被検体側あるいは外部側)に配置されている。より具体的には、x軸方向において、第2音響レンズ部6bは、第1音響レンズ部6aとの境界が、図4の破線で示すように超音波の送信方向において、振動子5aと振動子5bとの境界および振動子5aと振動子5cとの境界とほぼ一致するように第1音響レンズ部6a上に配置される。
この構造を有す音響レンズ6を用いることによって、開口を小さくした場合であっても相対的に浅い位置から深い位置にわたってビーム幅を十分細くすることができる。
本実施形態による超音波探触子1の効果を確認するために行ったシミュレーション結果を以下に示す。ここでは、本実施形態と第1の実施形態との差異を分かりやすく説明するために第1の実施形態による超音波探触子1のシミュレーション結果を参照する。超音波探触子から送信する超音波の中心周波数は、約9MHzである。
図5(a)および(b)は本実施形態による超音波探触子および第1の実施形態の超音波探触子のx軸方向におけるビーム形状のシミュレーション結果である。
第1の実施形態と同様、シミューションに用いた超音波探触子1の音響レンズ4、6を構成する材料は、1000m/sの音速を有する。振動子2a〜2eのx軸方向における振動子の長さは、振動子2aが2.8mm、振動子2b、2cが0.6mm、振動子2d、2eが1.1mmである。
また、第1の実施形態と同様、音響調整層5a〜5cは、1500m/sの音速を有する材料によって構成される。z軸方向の厚さは、音響調整層5aが0.12mmであり、音響調整層5b、5cがそれぞれ0.06mmである。音響調整層5a〜5cは、音響レンズ4と同一の音響インピーダンスを有する材料としてシミュレーションを行っている。
図5(a)のシミュレーションに用いた音響レンズ6において、第1音響レンズ部6aの第1曲率は16.36mmであり、第2音響レンズ部6bの第2曲率は8.4mmである。図5(b)のシミュレーションに用いた音響レンズ4の曲率は16.36mmである。
第1の実施形態と同様、図5(a)、(b)に示すシミュレーション結果は、ある深さ位置(Z軸方向のある位置)において、最も超音波の強度が強い位置を0dB(原点)とし、そのZ軸方向の位置のx軸方向において、その原点に対し−3dBに相当する超音波の強度を有する位置(距離(mm))をプロットする。これを任意の深さ位置において行うことによって深さ方向のビームプロファイルを得た。したがって、図5における横軸は、超音波を送信する深さ方向における超音波探触子1からの距離(mm)を示し、縦軸は、ビーム中心から−3dBの強度が得られるビームの幅(mm)を示す。
また、図5(a)、(b)に示すシミュレーション結果は、開口小、開口中、開口大の場合のそれぞれについて、深さ位置が5〜55mmまでのデータを取得し、開口小、開口中、開口大のそれぞれの送信ビームが十分に集束されている領域のデータを抽出し、合成している。
図5(a)および図5(b)に示すシミュレーション結果から分かるように、本実施形態によれば、小さい開口を用いた部分、具体的には相対的に浅い位置(7mm近傍)付近から27mm近傍の深さ位置にわたって、よりビーム幅を細くできることが分かる。
本実施形態の効果をより詳細に検討するため、0dB(ビーム中心)に対し、−12dBに相当する超音波の強度を有する距離(mm)をプロットした結果を図6(a)、(b)に示す。図6(a)は本実施形態の超音波探触子1、図6(b)は第1の実施形態の超音波探触子1のx軸方向におけるビーム形状のシミュレーション結果である。
図6(a)および図6(b)に示すシミュレーション結果から分かるように、本実施形態によれば、7mm近傍から30mm近傍の深さ位置にわたって、十分にビームを集束できていることが分かる。また、40mmより深い位置では、第1の実施形態に較べ、本実施形態の方が、やや送信ビームが太くなっている。しかし、送信周波数が約9MHzであることを考慮すると、この深さにおいては、送信ビームが多少太くなることによる影響より、周波数に依存する減衰などの影響で画質の劣化が大きいと考えられる。
このように、本実施形態の超音波探触子は、音響調整層5a〜5cに加え、音響レンズ6を、第1曲率の表面形状を有する第1音響レンズ部6aと、開口を小さくした場合に対応する第2表面形状を有する第2音響レンズ部6bとによって構成している。したがって、相対的に深い位置のビーム幅を細く維持しつつ、相対的に浅い位置における送信ビームの形状を改善することができる。よって、良好な画質の超音波画像を取得することができる。
なお、図3Aを参照して説明したように、本実施形態において、音響調整層を音響レンズ4よりも音速の遅い材料によって構成し、x軸方向において中央に位置する振動子2b、2cに対応する音響調整層5b、5cの厚さよりも、端部に位置する振動子2d、2eに対応する音響調整層5d、5eの厚さを大きくしてもよい。
また、本実施形態では、音響レンズ6は、第1曲率の表面形状を有する第1音響レンズ部6a上に振動子2aに対応する第2曲率の表面形状を有する第2音響レンズ部6bを配置する構成を備えている。しかし、それぞれの開口幅に対応する異なる曲率の音響レンズを設ける構成であれば、よりビーム形状が好適になる。
具体的には、図8に示すように、音響レンズ6は、第1音響レンズ部6a、第2音響レンズ部6b、第3音響レンズ部6cを含んでいてもよい。第1音響レンズ部6aは振動子2a〜2eに対応し、第1曲率の表面形状を有する。第3音響レンズ部6cは、振動子2a〜2cに対応し、第1音響レンズ部6a上に配置される。第3音響レンズ部6cの表面は第3の曲率を有する。第2音響レンズ部6bは、振動子2aに対応し、第3音響レンズ部6c上に配置される。第2音響レンズ部6bの表面は第2の曲率を有する。第2の曲率は第3の曲率より大きく、第3の曲率は第1の曲率よりも大きい。
以上、第1および第2の実施形態では、振動子と音響レンズとの間に複数の音響調整層を配置し、複数の音響調整層の厚さを異ならせることによって、各振動子から送信された超音波が、音響レンズによって集束され、被検体のある深さ位置に到達する際の到達時間の差を抑制し、送信ビームが細くなるように成形していた。すなわち、第1および第2の本実施形態は、音響レンズの材料とは音速の異なる材料で構成された音響調整層を用いて、各振動子から送信された超音波のある深さ位置における到達時間を制御する点が1つの特徴である。このため、超音波の到達時間の制御は、音響調整層の厚さ以外の構造を用いて行ってもよい。
例えば、それぞれの振動子から送信される超音波が入射する音響調整層を、それぞれ音速が異なる材料を用いて構成することによって、超音波のある深さ位置における到達時間の制御を行ってもよい。つまり、音響調整層の材料および厚さの少なくとも一方によって、超音波のある深さ位置における到達時間の制御が可能であり、音響調整層の材料および厚さの組合せによって到達時間の制御を行ってもよい。
音響調整層が音響レンズの音速より速い材料で構成される場合、x軸方向において中心に位置する振動子に対応する音響調整層、つまり、中心に位置する振動子から送信される超音波が伝搬する音響調整層ほど、音速が速い材料で構成することによって、それぞれの振動子から同時に送信された超音波のある深さ位置における到達時間をできる限り一致させることができる。
一方、伝搬材が音響レンズの音速より遅い材料で構成された場合、x軸方向において中心に位置する振動子に対応する音響調整層、つまり、中心に位置する振動子から送信される超音波が伝搬する音響調整層ほど、音速が遅い材料で構成することによって、それぞれの振動子から同時に送信された超音波のある深さ位置における到達時間をできる限り一致させることができる。
この場合、それぞれの音響調整層を構成する材料と音響レンズを構成する材料との音響インピーダンスの値は、同一、または、近似していることが好ましい。
音響調整層を構成する材料の音速は、上述したように、シリコーンゴムに添加する酸化亜鉛等のフィラーの量を変化させることによって、調整することができる。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、振動子と音響レンズとの間に音響調整層を設けることによって、各振動子から送信される超音波の位相、つまり、ある深さ位置における到達時間を調整し、送信ビームが細くなるように成形をおこなっていた。
本実施形態では、外部に対して凹面を有し、凹面から超音波を送信する振動子を用い、外側と内側の振動子から発せられる超音波パルスの到達時間の制御、あるいは、位相の制御を行い、それぞれの振動子から同時に送信された超音波のある深さ位置における到達時間をできる限り一致させる構成を備える。
本実施形態の超音波探触子は、図9に示すようにx軸方向に5つに分割され、x軸方向に沿って配列された振動子7a〜7eを備える。振動子7a〜7eは、z軸方向であって外部側つまり、被検体側に凹面を有している。振動子7a〜7eは、x軸方向において振動子7bを中心とし、振動子7bを挟むように振動子7d、7eが配置され、さらに振動子7b、7d、7eを挟むように、振動子7a、7cが配置されている。また、中心に位置する振動子7bに対して外側に位置する振動子ほどz軸方向において、被検体側(外部側)に位置している。このため、振動子7a〜7eは、全体として超音波が出射する面が凹部を構成するように配置されている。
また、x軸方向において、中央に位置する振動子よりも外側に位置する振動子のほうが、超音波が送信される面が小さい曲率を有する形状を備えている。具体的には振動子7bの曲率は振動子7d、7eよりも大きく、振動子7d、7eは、振動子7a、7cよりも大きい。
図10は、振動子7aと振動子7dとで構成される振動子境界8示す。振動子全体では、外側に位置する振動子7aのほうが内側に位置する振動子7dよりも被検体より遠い位置に配置される。一方、振動子7aと振動子7dとが近接する振動子境界8では、振動子7aよりも振動子7dの一部が、被検体に近い位置に配置されている。このことにより、中央よりの振動子7dから放射された超音波パルスとの時間的な整合を図ることができ、第1の実施形態と同様に良好なビーム形状が得られる。また、第1〜第3の実施形態で示した構造の音響レンズも不要となり、簡便な構成で細い送信ビームを生成することが可能となる。
本願に開示された超音波探触子は、短軸開口を大きくした場合にも、深部においてビーム形状の乱れを抑制し、方位分解能に優れたビームを形成することができる。その結果、超音波診断装置の本体側に良好な信号を提供することが可能となり、超音波画像の画質の向上を図ることができる。
したがって、高画質の超音波画像を取得できる超音波探触子として、特に医療用の診断に活用することができる。
1 超音波探触子
2a、2b、2c、2d、2e 振動子
3 音響整合層
4、6 音響レンズ
5a、5b、5c 音響調整層
6a 第1音響レンズ部
6b 第2音響レンズ部
7a、7b、7c、7d、7e 振動子
8 振動子境界
100 超音波診断装置
101 超音波探触子
102 ケーブル
103 装置本体
104 振動子アレイ
105、105a、105b、105c 振動子
107 音響整合層
108 音響レンズ

Claims (11)

  1. 第1方向および前記第1方向とは異なる第2方向に2次元に配列されており、電気パルスと超音波との相互の変換を行う複数の振動子を有する振動子アレイと、
    前記第1方向および前記超音波の送信方向に平行な断面において、前記送信方向に凸状の表面を有し、前記複数の振動子から送信される超音波を集束させる音響レンズと、
    前記音響レンズと音速が異なる材料で構成されており、前記第1方向に配列された複数の振動子のうち少なくとも2つの振動子と前記音響レンズとの間にそれぞれ配置された少なくとも2つの音響調整層であって、前記少なくとも2つの音響調整層の前記材料および前記送信方向における厚さの少なくとも一方が互いに異なる、少なくとも2つの音響調整層と、
    を備え、
    前記少なくとも2つの音響調整層の各々は、前記方向における、その両端面の位置が、前記少なくとも2つの振動子の何れかの振動子の前記方向における両端面の位置致するように配置された超音波探触子。
  2. 前記音響調整層は、前記音響レンズよりも音速の速い材料で構成されており、
    前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する前記音響調整層ほど前記厚さが大きい請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記少なくとも2つの音響調整層は、
    前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する第1音響調整層と、
    前記第1方向において前記第1音響調整層に隣接する第2音響調整層と
    を含み、
    前記第1音響調整層の厚さは、前記第2音響調整層の厚さよりも大きい請求項に記載の超音波探触子。
  4. 前記音響調整層は、前記音響レンズよりも音速が遅い材料で構成されており、
    前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する前記音響調整層ほど前記厚さが小さい請求項1に記載の超音波探触子。
  5. 前記少なくとも2つの音響調整層は、
    前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する第1音響調整層と、
    前記第1方向において前記第1音響調整層に隣接する第2音響調整層と
    を含み、
    前記第1音響調整層の厚さは、前記第2音響調整層の厚さよりも小さい請求項に記載の超音波探触子。
  6. 前記音響調整層が前記音響レンズより音速の速い材料によって構成され、
    前記第1方向において前記振動子アレイの中心に位置する振動子に対応する前記音響調整層ほど構成する材料の音速が速い請求項1に記載の超音波探触子。
  7. 前記音響調整層が前記音響レンズより音速の遅い材料によって構成され、
    前記第1方向において前記振動子アレイの中心から外側に位置する振動子に対応する前記音響調整層ほど構成する材料の音速が遅い請求項1に記載の超音波探触子。
  8. 前記音響調整層は、前記音響レンズの音響インピーダンスの値と同一あるいは近似する音響インピーダンスを有する材料によって構成されている請求項1からのいずれかに記載の超音波探触子。
  9. 前記音響レンズは、前記第1方向および前記送信方向に平行断面において、第1曲率の表面形状を有する第1音響レンズ部と、
    前記送信方向において、前記第1音響レンズ上に配置され、第2曲率の表面形状を有する第2音響レンズ部と
    を含む請求項1からのいずれかに記載の超音波探触子。
  10. 前記第2曲率は前記第1曲率よりも大きい請求項に記載の超音波探触子。
  11. 前記第1音響レンズ部および前記第2音響レンズ部は、同じ材料によって構成されている請求項または10に記載の超音波探触子。
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