JP6034695B2 - イオン誘起衝突電離検出器及びその使用 - Google Patents

イオン誘起衝突電離検出器及びその使用 Download PDF

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Description

本開示は、包括的には、イオン検出器の分野に関し、より詳細には、物質内での電離放射線の相互作用の特徴付けを可能にするためにイオンを検出するためのシステム及び方法、並びに、イオン検出ベース分析システムにおける利用のためのシステム及び方法に関する。
[優先権の主張]
本出願は、2009年10月1日に出願された「ION INDUCED IMPACT IONIZATION DETECTOR AND HIGH-RESOLUTION IONIZING TRACK STRUCTURE IMAGING METHOD」という名称の米国仮特許出願第61/247,916号及び2009年10月26日に出願された「ION INDUCED IMPACT IONIZATION DETECTOR AND USES THEREOF」という名称の米国仮特許出願第61/255,053号の米国特許法第119条(e)による優先権の利益を主張し、これらの出願はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用され、本明細書の一部とみなされる。
いくつかの検出装置及び方法は、電流を検出することによる電子検出に依拠している。電子を生成し測定することがより容易である可能性があるが、これらの方法は、或る用途について十分に感度を有しない場合がある。
或る用途では、正イオンを検出することによって試料又は相互作用を分析するか又は特徴付けることがより望ましい場合がある。こうした正イオンは、いくつかの方法で生成することができる。
或る特定の実施の態様では、本開示は、第1の面及び第2の面を有し、複数のアパーチャを画定するアノードを備えるイオン誘起衝突電離検出器に関する。本検出器は、第1の面及び第2の面を有する誘電体層であって、該誘電体層の前記第1の面は前記アノードの第1の面に隣接して配置され、誘電体層は約1mm〜50mmの厚さを有する、誘電体層を更に備える。本検出器は、前記誘電体層を貫通して延在する複数のウェルであって、前記アノードの複数のアパーチャは、前記複数のウェルと前記アノードの第2の面との間に開口を画定するように、前記複数のウェルに対して配置される、複数のウェルを更に備える。本検出器は、前記誘電体層の第2の面に隣接して配置されて、前記複数のウェルのそれぞれの底部を形成する、カソードを更に備える。
或る特定の実施の形態では、前記厚さは約1mm〜5mmの範囲にある。或る特定の実施の形態では、前記厚さは約2mm〜5mmの範囲にある。
或る特定の実施の形態では、前記アノードは、導電性材料の1つ又は複数の層を備える。或る特定の実施の形態では、前記カソードは、抵抗性カソード層を備える。
或る特定の実施の形態では、前記アノード及び前記カソードは、前記誘電体層の厚さと実質的に同じ厚さである距離だけ分離される。
或る特定の実施の形態では、本イオン誘起衝突電離検出器は、前記複数のウェルのそれぞれにおいて単一電離イベントに感度を有する。
或る特定の実施の形態では、本イオン誘起衝突電離検出器は、第1の配向で構成され、前記誘電体層の前記第1の面上に配設された第1の複数の読出しストリップを更に備える。本検出器は、イオンを検出したウェルの識別を可能にするために、第2の配向で構成され、前記第1の複数の読出しストリップ上に配設された第2の複数の読出しストリップを更に備える。或る特定の実施の形態では、前記第1の配向及び前記第2の配向は、X配向及びY配向を規定するように実質的に垂直である。
或る特定の実施の形態では、本イオン誘起衝突電離検出器は、実質的に同時にイオンを検出した2つ以上のウェルの確定を可能にするために、第3の配向で構成され、前記第2の複数の読出しストリップ上に配設された第3の複数の読出しストリップを更に備える。或る特定の実施の形態では、前記第1の配向、前記第2の配向及び前記第3の配向は、X配向、U配向及びV配向を規定するように実質的に垂直である。
或る特定の実施の形態では、前記複数のウェルはそれぞれ、円柱形状を有し、前記開口はそれぞれ、或る直径を有する円を規定する。或る特定の実施の形態では、前記直径は、前記厚さの約1/10から1/1の厚さの範囲にあるように選択される。或る特定の実施の形態では、前記直径は、前記厚さの約1/4から前記厚さの約1/3の厚さの範囲にあるように選択される。
或る特定の実施の形態では、前記複数のウェルは、2つの隣接した開口のエッジ間にピッチ距離を規定するようにアレイで配列され、前記ピッチは、該ピッチと前記直径との比が約1〜5の範囲にあるように選択される。或る特定の実施の形態では、前記ピッチと前記直径との比は、約1.1〜3の範囲である。
或る特定の実施の態様では、本開示は、或る容積の低圧ガスを有する格納容器を備える検出器システムに関する。本システムは、前記容積の低圧ガス内に配設されたドリフトアノードを更に備える。本システムは、上記に概要を示したような前記イオン誘起衝突電離検出器であって、前記ドリフトアノードと該イオン誘起衝突電離検出器の前記アノードとの間に検出ガス容積を規定するために、前記容積の低圧ガス内に配設され、前記ウェルは、前記開口に起因して、前記容積の低圧ガス内と実質的に同じ低圧を有する、前記イオン誘起衝突電離検出器を更に備える。本システムは、前記ドリフトアノード並びに前記イオン誘起衝突電離検出器の前記アノード及び前記カソードに結合された電源を更に備える。前記イオン誘起衝突電離検出器の前記アノードはグラウンド電位にあり、前記ドリフトアノードは、グラウンドに対して正電位にあり、前記カソードは、グラウンドに対して負電位にある。前記正電位は、前記イオン誘起衝突電離検出器の前記アノードに向かう正イオンをドリフトさせる第1の電界を前記検出ガス容積内に与えるように選択される。前記負電位は、前記正イオンがドリフトして入る前記ウェル内で制限されたガイガーアバランシェを提供するように選択される検出器システム。
或る特定の実施の形態では、前記ガスの前記低圧は、約1トル〜100トルの範囲である。或る特定の実施の形態では、前記ガスの前記低圧は、約1トル〜10トルの範囲である。
或る特定の実施の形態では、前記負電位は、前記ウェル内の電界強度が、該ウェル内の前記ガスの絶縁破壊に関連する閾値より大きくなるように選択される。或る特定の実施の形態では、前記負電位は、前記ウェル内の前記電界強度が、該ウェルの表面における電界放出破壊に関連する閾値より小さくなるように選択される。
或る特定の実施の形態では、前記負電位は、前記ウェル内の電界強度が、前記ウェル内の前記ガスを超高圧状態にするように選択される。
或る特定の実施の形態では、前記ウェル、該ウェルの間の間隔、及び前記負電位の1つ又は複数の大きさは、前記ウェル内で形成された電界が、別の到来イオンを別の近くのウェルに向けるために前記イオン誘起アバランシェ進行として変化することが可能であるように選択される。
或る特定の実施の態様では、本開示は、粒子を検出する方法に関する。本方法は、上記に概要を示した前記イオン誘起衝突電離検出器を使用して1つ又は複数の正イオンを検出することを含む。
或る特定の実施の形態では、本方法は、前記アノードの第2の面をガスにさらすことと、前記イオン誘起衝突電離検出器を囲む環境を約10トル未満の圧力に維持することと、を更に含む。
或る特定の実施の形態では、本方法は、負電圧を前記カソードに印加することと、正イオンが前記セルに入ると、前記ウェル内の前記ガスのアバランシェ絶縁破壊が生じるように、前記アノードをグラウンド電位に維持し、前記アバランシェの結果、電荷の検出可能な集合体が生じることと、を更に含む。
或る特定の実施の形態では、前記印加される負電圧は約600V〜900Vの範囲であり、前記作動圧は約10トル未満であるように選択される。或る特定の実施の形態では、前記作動圧は約2トル未満であるように選択され、前記負電圧は、約2000V/(cm・トル)の値を有する、電界強度を圧力で割った量(E/p)を生じるように選択される。
或る特定の実施の形態では、本開示は、凝縮物質の試料をモデル化する方法に関する。本方法は、前記凝縮物質に対する局所損傷の原因である電離クラスターを識別することを含む。
或る特定の実施の形態では、前記凝縮物質は、細胞、ポリマー、ナノエレクトロニクス、及び核酸分子からなる群から選択される。
或る特定の実施の形態では、本方法は、上記に概要を示した前記イオン誘起衝突電離検出器によって生成された電離放射線に前記凝縮物質をさらすことを更に含み、前記さらすステップは、前記凝縮物質内に異常を誘起する。或る特定の実施の形態では、本方法は、前記凝縮物質に及ぼす前記電離放射線の作用を評価することを更に含む。或る特定の実施の形態では、前記作用は、DNA二重鎖切断、中枢神経作用、発がん作用から選択される。
或る特定の実施の態様では、本開示は、飛跡イオン検出方法に関する。本方法は、上記に概要を示した前記イオン誘起衝突電離検出器を使用して正イオンを検出することによって、凝縮物質内の初期エネルギー付与の空間分布を撮像することを含む。
或る特定の実施の形態では、本方法は、前記撮像するステップからの測定値を前記凝縮物質における放射線作用に相関させることを更に含む。或る特定の実施の形態では、前記イオン誘起衝突電離検出器は、飛跡セグメントの電離パターンの実質的に完全なトポロジーを提供し、凝縮物質の長さにわたって前記放射線飛跡に沿って単一電離イベント及びクラスター化電離イベントを分離する。
或る特定の実施の態様では、本開示は、上記に概要を示した前記イオン誘起衝突電離検出器を備える飛跡イオン検出器に関する。
或る特定の実施の態様では、本開示は、上記に概要を示した前記イオン誘起衝突電離検出器を備える質量分析計、イオン移動度分光計、又はガスクロマトグラフに関する。
或る特定の実施の態様では、本開示は、粒子の存在及び場所を検出する粒子検出器に関する。本検出器は、第1の電気板と、第2の電気板とを備える。該第1の電気板及び該第2の電気板は、該第1の電気板と該第2の電気板との間に電界を規定するように互いに対してバイアスされる。本検出器は、前記電界内に配置されるように、前記第1の電気板と前記第2の電気板との間に挿入された絶縁層を更に備える。該絶縁層は、自身を貫通して延在する複数のウェルを含み、該ウェルは、粒子を受取るように空間的に分散される。前記ウェルは、粒子が入ることができる開口を含む。本検出器は、前記ウェル内の粒子の存在を示す信号を提供するように、前記ウェルに対して配置される少なくとも1つのセンサーを更に備える。前記電界、前記ウェルの長さ、及び前記ウェル内の雰囲気は、前記ウェルに入る荷電粒子が、前記ウェル内で制限されたガイガーアバランシェ絶縁破壊をもたらし、それにより、前記ウェルに入る前記粒子を示す前記センサーによる検出可能信号が得られるように選択される。
或る特定の実施の形態では、前記ウェルの直径に対する前記ピッチの比は約1.1〜3である。或る特定の実施の形態では、前記ウェルは約2mm〜5mmの長さを有し、前記ウェル内の雰囲気は約10トル未満の圧力に維持され、前記ウェルの直径は約0.1mm〜2mmであり、前記ピッチは約0.2mm〜5mmである。或る特定の実施の形態では、前記圧力は約2トル未満であり、前記ウェルは約3.2mmの長さを有し、前記ウェルの直径は約0.8mmであり、前記ピッチは約2mmである。或る特定の実施の形態では、本検出器は、約1個〜10000個のウェルを備える。
或る特定の実施の形態では、前記粒子検出器は、検出されるイオンの相対的場所を確定するように構成された少なくとも2つの読出しストリップを更に備える。
或る特定の実施の形態では、本開示は、正イオンの存在及び場所を検出する方法に関する。本方法は低圧ガス環境内に電界を確立することであって、イオンを生成する、確立することを含み、前記電界は、制限されたガイガーアバランシェ絶縁破壊を生成するのに十分である。本方法は、前記アバランシェ絶縁破壊によって生成された信号を検出することを更に含む。
或る特定の実施の態様では、本開示は、第1の電極層を備える放射線量計に関する。本線量計は、第1の面及び第2の面を有する第2の電極層を更に備え、該第2の電極層の前記第1の面及び前記第1の電極層は、或る圧力のガス分子によって占有される相互作用領域を画定し、前記第2の電極層は、前記相互作用領域を通過する放射線による前記ガス分子の電離によって生成される荷電粒子の通過を可能にするための複数のアパーチャを画定する。本線量計は、前記第2の電極層の第2の面上に配設された第3の電極層を更に備える。本線量計は、前記第2の電極層と前記第3の電極層との間に挿入された絶縁層を更に備え、該絶縁層は、前記相互作用領域に向いて開口する複数のウェルを画定する。該ウェルは、前記第2の電極層の複数のアパーチャに実質的に一致し、前記複数のアパーチャを通過する前記荷電粒子を受取るように空間的に分散される。本線量計は、電荷増倍なしで前記第2の電極層に向かう前記荷電粒子のドリフトを可能にする第1の電界を前記相互作用領域に与えるように、前記第1の電極層、前記第2の電極層、及び前記第3の電極層に異なる電位を与えるように構成された電圧制御回路部を更に備える。前記ウェルは、前記荷電粒子が入るウェル内で電荷増倍をもたらす第2の電界を与える。本線量計は、前記第2の電極層及び前記第3の電極層のうちの少なくとも一方と通信し、前記ウェル内の前記電荷増倍を検出するように構成された検出回路部を更に備える。
或る特定の実施の形態では、前記荷電粒子は、前記電離によって生成された正イオンを含む。或る特定の実施の形態では、前記第2の電極層は、電気グラウンドに電気的に接続される。或る特定の実施の形態では、前記第1の電極層は、前記第2の電極層に向かう前記正イオンのドリフトを可能にするように、前記電気グラウンドに対して正電位を与えられる。或る特定の実施の形態では、前記第3の電極層は、前記ウェル内の前記正イオンを加速して前記電荷倍増の誘起を可能にするように、前記電気グラウンドに対して負電位を与えられる。
或る特定の実施の形態では、前記相互作用領域内の電離断面が、ナノスケール凝縮物質オブジェクトの電離断面と同様であるように、前記相互作用領域が寸法決定され、前記圧力が選択される。或る特定の実施の形態では、前記圧力は、前記相互作用領域寸法を比較的大きく拡大して前記ナノスケール凝縮物質オブジェクトの前記電離断面を近似することを可能にするように約10トル未満であるように選択される。或る特定の実施の形態では、前記ウェルの深さは、前記選択された圧力及びそれに対応する、前記電荷増倍が起こる電界強度/圧力(E/p)値の範囲に基づいて選択される。或る特定の実施の形態では、前記ウェルの深さは、前記電荷増倍が十分な検出可能電荷をもたらす確率に基づいて選択される。或る特定の実施の形態では、前記ウェルの深さは、前記絶縁層の絶縁破壊の可能性を減少させるように選択される。或る特定の実施の形態では、前記ウェルの深さは約2mm以上であるように選択される。或る特定の実施の形態では、前記ウェルの深さは約2mmから5mmの間であるように選択される。
或る特定の実施の態様では、本開示は、ガス容積を通過する放射線が、該放射線とナノスケール凝縮物質オブジェクトとの電離相互作用の確率と同様である、或る圧力のガス分子との電離相互作用の確率を有するような該ガス容積を設けることを含む放射線量測定方法に関する。本方法は、前記ガス容積の第1の面に対する、1つ又は複数の電離ガス分子から生成された1つ又は複数の正イオンのドリフトを誘起するために、前記ガス容積に第1の電界を与えることを更に含む。該第1の電界は、前記1つ若しくは複数の正イオン又は対応する電子から電荷増倍ではなく前記ドリフトをもたらすように、前記圧力の前記ガス容積について選択される。本方法は、前記ガス容積内の前記電離相互作用を特徴付けるために、前記第1の面において前記ドリフトする1つ又は複数の正イオンを検出することを更に含む。前記ガス分子の前記圧力及び前記放射線が進む前記ガス容積の寸法は、前記ガス容積内の前記電離相互作用の前記特徴付けが、前記放射線と前記ナノスケール凝縮物質オブジェクトとの前記電離相互作用を近似するように選択される。
或る特定の実施の態様では、本開示は、アノードと、第1の面及び第2の面を有する絶縁体層とを備えるイオン検出器素子に関する。前記絶縁体層の前記第1の面は前記アノードに隣接して配設され、前記絶縁体層は約1mm〜5mmの範囲の厚さを有する。本イオン検出器素子は、前記絶縁体層の前記第2の面に隣接して配設されたカソードを更に備える。前記絶縁体層は、該絶縁体層の前記第1の面と前記第2の面との間に延在するウェルを画定する。該ウェルは、約1トル〜10トルの圧力のガスを与えられる。前記アノード及び前記カソードは、約600V〜900Vの電位差を与えられる。
或る特定の実施の態様では、本開示は、上記に概要を示した前記イオン検出器素子のうちの1つ又は複数を備えるガスクロマトグラフに関する。
或る特定の実施の態様では、本開示は、上記に概要を示した前記イオン検出器素子の1つ又は複数を備えるイオン移動度分光計に関する。
或る特定の実施の態様では、前記分光計は、爆発物、薬物、及び化学兵器に関連する1つ又は複数の化学物質の痕跡量を検出するように構成される。
或る特定の実施の態様では、本開示は、前記検出器素子に入射するイオンの空間的決定を可能にするために、アレイで配列された、上記に概要を示した複数の前記検出器素子を備えるイオン検出器に関する。或る特定の実施の態様では、こうしたアレイは、線量計の一部とすることができる。或る特定の実施の態様では、こうしたアレイは、質量分析計の一部とすることができる。
本開示を要約するために、本発明の或る特定の態様、利点、及び新規の特徴が本明細書で述べられている。必ずしも全てのこうした利点を、本発明の任意の特定の実施形態によって達成することができるわけではないことが理解される。そのため、本発明は、本明細書で教示又は示唆される可能性がある他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点又は利点の群を達成するか又は最適化するように、具現化又は実行することができる。
電離誘起イオンが、低圧ガス容積内で生成され、高真空環境内のイオンカウンター内に抽出されるイオン計数システムの例を概略的に示す図である。 約1トルのプロパンのガス容積内で、陽子、アルファ粒子、及び炭素イオンによって誘起することができるイオンクラスターのサイズの分布を示す図である。 3.5桁にわたるモンテカルロモデルシミュレーションと実験データとの比較を示す図である。 或る特定の実施態様において、イオン検出器の2次元アレイを、ガス容積内の電離から生じるようなイオンを検出するように構成することができ、イオン検出器アレイが、そのガス容積のガス圧力環境と同様のガス圧力環境で動作できることを示す図である。 撮像を含むいくつかの目的のために使用することができる2次元イオン検出器の一部分を示す図であり、検出器は、誘電体層内に形成されたウェルのアレイを含むことができる。 図4Aの検出器のウェルの1つの詳細図である。 0.1mmあたり約1000Vの電界下でウェルを横切ってプロパン内をドリフトする放射線誘起イオンの計算されたエネルギー分布の例を示す図である。 図6Aおよび図6Bは正イオンによってトリガーされた制限されたガイガーアバランシェの最中と終了間近のウェル内の例示的な電界の向きの線(electric field line)を示す図である。 イオン誘起衝突電離を容易にするように構成された、いくつかのウェルを有する検出器装置の一部分を示す図である。 或る特定の実施形態において、図7の検出器装置を、プリント回路基板(PCB)上に作製することができることを示す図である。 図9Aおよび図9Bは図8の検出器装置に実装することができる実施例又は読出し電極ストリップを示す図である。 図8の検出器を試験するためのアルファ粒子を使用する実験セットアップを示す図である。 図10Aの例示的なセットアップから抽出することができる信号の例を示す図である。 約3トルの圧力のプロパン内で約800Vで動作する図8の検出器から生じる電荷の例示的な分布を示す図である。 或る特定の実施態様において、図11Aの電荷出力に対応する平均(mean)信号振幅が、動作電圧に依存することができることを示す図である。 約1トルプロパン内で約40nmのドリフト経路を辿るイオンについて、組織等価(TE)単位での横解像度(rms)の例示的なプロットを示す図である。 低圧ガス容積内の放射線の相互作用が、ナノスケール凝縮物質に送出される放射線の等価線量の推定値を提供できる例示的な用途を概略的に示す図である。 図13の線量測定システムを容易にするために実装することができる例示的なプロセスを示す図である。 或る特定の実施態様において、ガスモデルが、DNA分子等の凝縮物質をシミュレートでき、それにより、拡大した大きなスケールにおいて、凝縮物質と放射線との相互作用の特徴付けが可能になることを示す図である。 電離生成物を生成、収集、及び検出することができる、ガスの相互作用容積の例示的な構成を示す図である。 図17のガス相互作用容積内で起こる電離等のイベントから生じる単一イオンの検出を容易にするために実装することができる例示的なプロセスを示す図である。 単一イオンの検出を達成できるウェルベース検出器の例示的な構成を示す図である。 分析システム内のイオンの検出から、データをどのように取得することができるかの例を概略的に示す図である。 図19のプロセスを容易にすることが可能なシステムに提供することができる種々のコンポーネントを概略的に示す図である。 単一イオンを検出することが可能なイオン検出器素子を概略的に示す図である。 図21の多数の検出器素子を有するアレイを概略的に示す図である。 図22の検出器アレイを有する分析システムを概略的に示す図である。 図24Aから図24Cは図21の検出器素子の1つ又は複数を有するシステムの非限定的な例を示す図である。
本明細書に設けられる表題は、もしあれば、単に便宜上のものであり、必ずしも特許請求される本発明の範囲又は意味に影響を及ぼさない。
本明細書で述べる実施形態では、ガスベース検出器は、検出器設計に関連する種々の問題に対処できる。本明細書で同様に述べるように、スケーリングされた寸法(例えば、ナノメートルスケール)に等価な解像度が、本開示の1つ又は複数の特徴を使用して達成可能である。こうした解像度機能は、多数の用途で実施でき、種々の利益を提供できる。例えば、陽子放射線治療及び重イオン放射線治療の処置計画は、これらの粒子の変化する生物学的有効性を考慮することによってより的確にすることができるため、患者は利益を得ることができる。別の例では、放射線暴露限界のよりよい規定を可能にし、それにより、がん及び遺伝子変異等の放射線の好ましくない副作用から社会の構成員を保護することによって、社会は全体として、利益を得ることができる。
なお別の例では、放射線飛跡構造の高解像度撮像は、本開示の1つ又は複数の特徴を使用して達成することができる。こうした能力は、医学、物理学、放射線生物学、及び工学等の、物質との放射線相互作用に関連する多くの技術分野に関連することができる。
医学における飛跡構造撮像の用途又は潜在的な用途の例は、陽子及び重イオン等の粒子による治療についての処置計画の最適化、及び、がんリスク推定のための宇宙放射線の評価を含むことができる。他の分野での用途は、太陽ニュートリノ研究、暗黒物質調査、宇宙物理学におけるx線偏光測定、放射線防護、核廃棄物管理、荷電粒子による放射線治療計画、有人宇宙使命、並びに、加速器及び宇宙空間環境内の強烈な放射線場におけるマイクロ電子素子及びナノ電子素子に対する損傷を含むことができる。本開示の或る特定の実施態様では、ナノメートル等価解像度機能は、上記の例示的な用途の一部又は全てに適用することができる。
飛跡撮像デバイスから利益を受けることができる重要な分野は、細胞及びDNAに対する放射線損傷の研究である。しかし、飛跡撮像用の現在のデバイス及び方法は、一般に、DNAから染色体までのスケールに関する飛跡構造研究に適しない。或る特定の状況では、こうしたナノメートルスケールの相互作用の研究は、ナノ線量計と呼ばれることがある検出器及びデバイスによって容易にすることができる。
本開示の或る特定の実施態様では、デバイス(例えば、ナノ線量計)は、低圧ガス(例えば、約1トルのプロパン)内で粒子放射線によって誘起される正イオンを検出するように構成することができる。低ガス圧の使用は、イオンがそこから収集されるミリメートルサイズのガス容積をナノメートルサイズの等価単位密度容積にスケールダウンすることを可能にする。この特定の例では、スケーリングは、約10−6の係数である。ナノ線量計は、こうして、長さが約20nmで直径が2nm〜4nmのDNAの短いセグメントをシミュレートできる。
或る特定の実施態様では、上記の例示的なナノ線量計は、こうした容積内で形成される異なるサイズのイオンクラスターの度数に対して構成することができる。例えば大きなクラスターが、比較的まれであるにもかかわらず、生細胞における回復不能なDNA損傷の主な原因であるという仮説に起因して、こうした情報は、生物医学的用途にとって関心対象とすることができる。
正イオン等の電離生成物を検出するためのいくつかの方法が存在する。例えば、図1は、イオン計数ナノ線量計10の一実施形態を概略的に示す。電離誘起イオンは、低圧ガス(例えば、1トルのプロパン)の容積等の有効容積(sensitive volume)内に堆積しているのが示される。例えばDNAセグメントを表すこうした容積内で形成されるイオンが、高真空イオンカウンター内に抽出されるのが示される。高真空イオンカウンターにおいて、イオンは、増倍され、個々に検出され計数される。有効容積内で形成されるイオンの数は、堆積したエネルギーに比例することができ、パルス列に沿う検出可能な時間遅延は、有効容積(DNA)軸に沿う相互作用場所に関する情報を提供できる。
或る特定の実施形態では、こうしたイオン測定から得られる情報を使用して、種々のエネルギーの異なるタイプの放射線を特徴付けることができる。放射線及びその代表的な物質(例えば、ナノスケール凝縮物質)との相互作用のこうした特徴付けを使用して、例えば、シミュレーションモデルを改良することができる。
例えば、図2Aは、図1を参照して述べたナノ線量計の例示的な有効容積(約1トルのプロパンガスで動作する)内の、陽子、アルファ粒子、及び炭素イオンによって誘起された種々のイオンクラスターサイズ分布を示す。図2Bは、モンテカルロモデルシミュレーションの比較を示し、3.5桁にわたる実験データとの実質的な一致並びに他の領域における乖離が存在する。こうした差は、モデルにおいて適切に対処することができる。
図1及び図2の例では、イオンの計数は、有効容積に対して選択された場所で実施され、電離イベントに関する空間情報は、イオンパルス列から得られる。
本開示の或る特定の実施態様によれば、本明細書で述べるイオン誘起衝突電離検出器は、実質的に完全な飛跡構造撮像を可能にできる。或る特定の実施形態では、本明細書で述べるイオン誘起衝突電離検出器は、単純な幾何学的形状(例えば、円柱、球、又はボックス)を有する有効容積を有することができる。或る特定の実施態様では、本明細書で述べるイオン誘起衝突電離検出器を使用して、染色体等価寸法にわたって、クラスター化電離イベントの相関を測定することもできる。
或る特定の実施形態では、有効容積とイオンカウンターとの間に有意の圧力差は存在せず、したがって、図1の例示的なデバイスに一般に関連する二重差動ポンピングシステム(例えば、2つのターボ分子ポンプを有するシステム)が不要にされる。したがって、本明細書で述べるイオン誘起衝突電離検出器は、比較的コンパクトで、可動性があり、安価であることができる。また有意の圧力勾配がないことによって、電離クラスターが勾配を通して移動するときの、該クラスターの歪みを最小にできる。
或る特定の実施態様では、本開示の1つ又は複数の特徴は、飛跡セグメントの電離パターンの実質的に完全なトポロジーを提供し、凝縮物質内の或る長さにわたる放射線飛跡に沿って単一電離イベント及びクラスター化電離イベントを効率的に分離することができるナノ線量測定飛跡構造撮像方法に関することができる。
或る特定の実施態様では、低圧(例えば、約1トル)ガス検出器を設けることができる。図3は、ガスの容積(実験室フレームでD1×D2×2D3、組織等価表現でD1TE×D2TE×2D3TE)102を有するガス検出器100を概略的に示し、電離が、電離粒子の所与の飛跡セグメントにそって誘起されるのが示される。例えば、D1TE及びD2TEはそれぞれ、約100nmのTE寸法を有することができる。D3TE寸法の例は以下で論じられる。
1次電離は120として示され、2次電離は122として示される。クラスター形成は124として示される。電離生成物は、検出平面110に向かってドリフトするものとして示される(矢印130)。或る特定の実施形態では、検出平面110は、本明細書で述べる正イオン検出器の2次元アレイを含むことができる。
図3に示す検出平面110は、ガス容積102の一方の面上に配置されることができる。或る特定の実施形態では、ガス容積102、及び/又は検出平面110の配置は、検出平面110(the detection plane 110)に対する誘起イオンのドリフト距離をできる限り小さく(as small as possible)維持するように選択することができる。例えば、計算された推定によれば、1次飛跡を中心とする約16nm〜40nmの半径(TE表現ではD3TE)の組織等価(TE)円柱(ガス容積の入口及び出口の円104で示される)は、それぞれ1MeV〜100MeVの陽子によって誘起される電離(1次120及び2次122)の約95%を含む。1トルのプロパンでは、これは、約6mm〜15mm(実験室フレームでD3)の半径範囲に対応する。
放射線と検出器ガスとの相互作用は、分子励起及び電離の痕跡をもたらすことができる。後者は、電子イオン対の形態で、付与エネルギーの測定のためにマイクロ線量測定及びナノ線量測定でも利用することができる。
或る特定の実施態様では、実験室フレームのドリフト長lLABを含む検出器サイズ及びセルサイズ等の種々の検出器パラメーターは、ガス圧力に基づくことができる。一般に、圧力が高くなればなるほど、セルサイズ及び全体的な検出器寸法を小さくすることができる。例えば、1トルのプロパン(1mmガスのスケール変換は約2.6nmTEに等価である)において、検出器の垂直サイズ(ドリフト長の上限を示す)は、それぞれ1MeV及び100MeVの陽子について約6mm及び15mmとすることができる。いくつかの実施形態では、約1μm長の飛跡を撮像するために、検出器の撮像平面は、約400×400mmのサイズを有することができる。こうした検出器内のセルサイズは、約0.2mm(約0.5nmTEセル)とすることができる。
図4Aは、検出セル154のアレイの一部分160を示す。図4Bは、図4Aの検出セルのうちの1つの検出セルの拡大図を示す。
図示する例では、比較的多数の独立したウェルベースガス検出器164を設けることができる。或る特定の実施形態では、検出器164は、制限されたガイガーモード(発火(fired)/未発火)で動作できる。
比較的多数の個々の検出セルの使用は、ガイガーモードで動作する個々のセルに存在する可能性があるデッドタイムが比較的長いにもかかわらず、単一イオンについて高い検出効率を提供できる。イオンの拡散のために、低ガス圧力では、同じ堆積ポイントから生じるイオンであっても、異なるセル内に登録される可能性が高い。したがって、いくつかの実施形態の有効な計数効率は非常に高くすることができる。
或る特定の実施態様では、各ガス検出器164は、該ガス検出器に入射するイオン176を増倍するように構成することができる。荷電粒子の飛跡に沿う、放射線誘起の1次(デルタ電子)電離及び2次(デルタ電子)電離から生じる個々の正イオンは、相互作用容積を横切る電界下で、イオン増倍器164までドリフトすることができる。いくつかの実施形態では、イオン増倍器164は、図4A及び図4Bに示すような穴タイプ検出器構造を有することができる。
或る特定の実施形態では、イオン増倍器164は、マイクロウェル検出器(MWD)と呼ばれることがあるもの等のデバイスとのある程度の類似性を有するように構成することができる。しかし、MWDデバイスと違って、イオン増倍器164の或る特定の実施形態は、反転した極性下で制限されたガイガーモードで動作できる。
より詳細には、通常のMWDデバイスは、マイクロウェルに入る電子によってトリガーされるように設計される。それに応じて、アノードは、通常、マイクロウェルの底部に設置され、カソードは、入口表面に設置される。そのため、マイクロウェル内の増倍プロセスから生じる電子は、こうしてアノードまで加速され、電荷信号をアノードから収集することができる。
本明細書で述べるように、本開示の或る特定の実施形態は、通常のMWDデバイスから実質的に反転される電極の配置構成を含むことができる。こうした反転極性配置構成では、カソードは、ウェルの底部に又はその近くに配置することができ、(カソードに対して)アノードは、入口表面に又はその近くに配置することができる。こうした構成の種々の非限定的な例は(単独で又は検出ガス容積と組合せて)より詳細に本明細書で述べられる。
MWDデバイスのいくつかの実施形態は、比較的薄い絶縁体層(例えば、両方の面のそれぞれの上に薄い金属被覆を有する約50μm厚のカプトン層)上に形成された密に穿孔された穴を含むことができることが留意される。このような絶縁体層は穴(例えば50μmの直径)を含むことができる。こうした構成では、また、電極の上記のMWD極性を用いて、放射線誘起電子は、ウェルに収束し、ウェル内で増倍することができる。
或る特定の実施形態では、検出器アレイ160は、上記のMWDの例よりずっと厚くすることができる。絶縁体層162は、約1mm〜5mmの範囲の厚さを有することができ、その上側表面は、読出しストリップ166として薄い金属ストリップを備えることができる。穴はそれぞれ、約0.5mm〜1mmの範囲の直径を有することができ、穴は、約200μm〜1000μmの範囲の距離だけ離間することができる。いくつかの実施形態では、ガイガー動作モードを得るために、高い抵抗性の電極層168が、ウェルの底部で導電層を置換できる。
或る特定の実施形態では、ウェル164内へのイオンの収束及びウェル内での電荷増幅プロセスは、ウェルを横切る電界によって制御することができる。こうした電界は、下側抵抗性電極168に負電圧を印加することによって提供することができる。上側電極166は、穴の各列に共通のストリップで形成し、グラウンド電位に維持することができる。
電極間に比較的小さな分離距離を有するウェルベース検出器には、電極間に動作電圧差を与えることができることが留意される。平行板としてこうした電極の配置構成を近似すると、こうした電圧差(V)は、電界強度(E)に分離距離(d)を掛けた値で表すことができる。比較的厚い誘電体構成の場合に(同様な検出プロセスを提供するように)ウェル内で同じ電界強度を維持するために、分離距離(d)の対応する増加によって、(直線的に)電圧を増加させることが必要となる。或る動作条件においてこうした比較的厚い検出器を利用することは、大きくかつおそらくは有害な電圧差をもたらす可能性がある。
セル164に入るイオンは、ガス分子との衝突及び/又はガスの正イオン衝突電離を受けて、電子アバランシェ180をもたらす可能性がある。さらに、イオンは、セルの壁又は底部電極と衝突し、2次電子放出(図4Bの182)をもたらす可能性がある。こうした電離するイオンガス衝突のための断面は、ガスのタイプ、ガス圧力、及びセルに関連する電界強度に依存することができる。正イオン衝突電離について入手可能なデータは、比較的少なく、したがって、O−N衝突について入手可能なデータ(J.B. Hasted,Physics of Atomic Collisions, London Butterworths,1964)が、本明細書においていくつかの概算推定値を得るために使用された。
例えば、図5を参照して、0.1mm厚ウェルにおけるイオンのエネルギー分布が、本明細書で述べるイオン計数ナノ線量計の実施形態の場合の計算のために構成されたイオン輸送モデルによって得られた。
正イオンによるガス電離についての結果として得られる推定確率は、表1に提示される。表1に挙げた値は、およその値である。各ガス圧力について挙げた確率は、約1000V/0.1mmの電界強度下での約0.1mmの深さのウェル内の少なくとも1つのガス電離についての確率である。
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表1に提示される値は、電離がイオン分子衝突によってのみ引起されると仮定する。高速中性分子が生じる電荷交換衝突もまた、電離を誘起できるが、確率がずっと低い。これらの大雑把な推定は、ガス相における衝突電離が、2次電子を生成する非常に低い確率(1トルでせいぜい0.15)を有し、したがって、イオンを検出するための所望の効率を提供しないことを示す。したがって、約0.1mmのマイクロパターン検出器厚は、一般に、単一正イオン登録の高い効率を提供するには小さ過ぎる。それに応じて、より厚い(例えば、数mmの)検出器構造を設けて、イオンがセル内を進むときにイオン衝突電離の高い確率(例えば、100%に近い確率)を与えることができる。
電離確率はまた、高い電界強度を設けることによって増加させることができる。しかし、こうした高い電界は、検出器構造を永久的に損傷する可能性がある電界放出絶縁破壊をもたらす可能性がある。
制限されたガイガーモードでは、電子は、セルの穴で実質的に無制限のアバランシェを始動する可能性があり、こうしたアバランシェは、2次電子とガス分子との電離衝突により生じる可能性がある。プロセスは、一旦開始すると、穴の中の実質的に全てのガスが電離するまで継続する可能性がある。ガイガーカウンターの場合と同様に、空間電荷効果によって、かつ/又は、外部デバイス若しくは回路(例えば、高電圧バイアスチェーン内の抵抗器)によって電界が制限されない限り、放電が生じる可能性がある。或る特定の状況では、セルの底部負電極の容積抵抗が高いために電圧が降下すると、放電を停止させることができる。
制限されたガイガーモードでは、各セルは、独立したガイガーマイクロカウンターとして動作でき、出力信号は、セルのコンデンサーに蓄積された電荷によって決めることができる。こうした電荷は、QCELL=CCELLVとして表すことができ、式中、CCELLは静電容量であり、Vは、セルの両端の動作電圧である。セルサイズに応じて、CCELLは、ほぼ数十fF(フェムトファラド)程度とすることができ、したがって、約500V〜1000Vの範囲のVの場合、数十pC(ピコクーロン)の範囲のQCELL値を予想することができる。或る特定の実施態様では、こうした電荷出力を読み出して処理することができる。
セルの回復時間は、電荷収集時間及び再充電時間に依存することができ、電荷収集時間は、μs未満〜μsの範囲にあると予想される。ガス圧力が低い(例えば、約1トル)実施形態では、こうした回復時間は、一般に、特に比較的低い電離密度においてイオン検出効率に影響を及ぼすべきでない。こうした電離密度では、2つ以上のイオンが同じセルに入ることは極めてまれである。また、イオンは、比較的低いドリフト速度(例えば、100V/(cmトル)において1トルのプロパンで約0.05cm/μs)に起因して、時間的に離間して到達する可能性が高い。
マイクロガイガーセル構造232として動作する検出器は、電界230構成が、穴の中での放電生成中に変化する可能性がある特徴を含むことができる。その特徴は、電子234に関連する放電の前に、その最中に、及び放電の終了の近くで、図6A及び図6Bに示す電子軌跡に基づいて説明することができる動的プロセスとすることができる。わかるように、2次電子234の大部分は、ストリップの近くで生成されるため、放電の初期段階でストリップ上に収集される(図6A)。
セル電界は、ウェルの底部の抵抗性電極上の電荷をイオンの正電荷がスクリーニングすることに起因して低下する可能性がある。非アクティブな隣接セルの電界は、空き領域まで拡大して、普通なら上方に電離容積までドリフトし、その後到着する任意のイオンを近くの空きセル内に偏向させることになる残留電子をトラップすることができる。残留電子は、ここでもストリップによって、低減した電界構成内でゆっくり収集することができる(図6B)。
或る特定の状況では、一部の電子は、トラップを脱出するか、又はセルの側壁に当たる可能性がある。こうした動的プロセス、並びに電子脱出及び考えられる壁上方充電(up-charging)等の作用の推定は、シミュレートすることが難しい可能性がある。
検出信号は、セルから抽出され、接地された電極ストリップによって収集された電子によって誘起することができる。ガイガーモードでは、こうした読出しストリップは、セルのアノードに堆積することができる。負電極の下側面上の更なるピックアップストリップ(例えば、図4Aの170)は、第2の座標を提供することができる。代替的に、ピクセル化された2D読出し回路が、デバイスの底部に直接結合され、アバランシェ誘起信号を測定することができる。こうした読出しシステムによって、検出器は、飛跡の3D画像を提供することができ、ストリップ又はパッド読出し回路は、検出イオンの2D位置を提供し、パルスタイミング信号は、第3の座標を提供することができる。
或る特定の実施形態では、光学読出し技法を実装することができる。こうした構成は、増倍CCDカメラシステム等のセンサーによってアバランシェ誘起光子を記録することを含むことができる。CCDカメラは、飛跡の2D画像を提供し、第3の座標は、光電子増倍管によってアバランシェ光フラッシュを同時に記録することによって提供することができる。図4Aに示す例示的な検出器構成では、光学読出しコンポーネント174は、こうしたセンサー(例えば、CCDカメラ)を含むことができる。また、レンズ等の光学要素172は、こうした光学読出しコンポーネント174への光信号の送出を容易にすることができる。
図7は、例示的なイオン検出器351を示す。こうした図が、必ずしも一定比例尺に従っていないことが理解される。検出器351は、誘電体層又は絶縁層352上に形成された多数のセルを含むことができる。誘電体層352は、限定はしないが、無視できる電気導電率を有する、セラミック、二酸化シリコン、酸化表面、磁器、又は同様なもの等の絶縁体材料を含むことができる。或る特定の実施形態では、プリント回路基板絶縁体(例えばFR4)は、絶縁層352として使用することができる。或る特定の実施形態では、誘電体層352の一方の面はアノード層354に隣接し、他方の面はカソード層356(例えば、ガラスカソード層)に隣接する。或る特定の実施形態では、誘電体層352は、介在層が全く存在しないように、アノード層354及び/又はカソード層356に直接隣接することができる。
いくつかの実施形態では、電極間ギャップ距離を規定する2つの電気板又は電極354と356との間の距離は、誘電体層352の厚さ353と同じか又はほぼ同じとすることができる。或る特定の実施形態では、こうした電極間ギャップ距離は、約1mm〜数cm(例えば5cm)の範囲とすることができる。或る特定の実施形態では、ギャップ距離は、約1mm〜5mmの範囲とすることができる。或る特定の実施形態では、ギャップ距離は約2mm〜5mmの範囲内とすることができる。図7及び図8を参照して述べる例示的な検出器では、ギャップ距離は、約3.2mmとすることができる。或る特定の実施形態では、電極354、356の間のギャップ距離は、誘電体層352の厚さと同じであっても、同じでなくてもよい。
或る特定の実施態様では、作動ガス圧力の増加は、電極間ギャップ距離の減少によって対処することができる。そのため、例えば、約10トルのガス圧力の場合、約1mm〜2mmの範囲のギャップ距離が適切である可能性がある。約1トルの低いガス圧力の場合、約5mmのギャップ距離が適切である可能性がある。電極間ギャップ距離が約3.2mm(例えば、PCBの厚さ)である図8を参照して述べる例示的な検出器では、約2トルのガス圧力が、イオン測定のために適切とすることができる。
或る特定の実施態様では、電極間ギャップ距離及び/又はガス圧力は、異なるタイプのガスについて調整することができる。
或る特定の実施形態では、アノード層354は、金属(例えば、金又は銅)等の導電性材料から形成されてもよい。アノード層354は、不活性金属(例えば、金又はパラジウム)等の材料によって更にコーティングされてもよい。アノード層354は、誘電体層352内のウェル355の開口と実質的に整列する開口を含んでもよい。
或る特定の実施形態では、アノード層354は、ウェル354の各列に共通のストリップを含むことができる。或る特定の実施形態では、アノード層354は、ウェル開口に対応する開口を画定するが、他の点では誘電体層352の一方の面を実質的に覆うことができる。或る特定の実施形態では、アノード層354は、実質的に連続又は不連続とすることができ、誘電体層352の少なくとも一部分を覆うことができる。
或る特定の実施態様では、カソード層356は、アノード層354が配置される面と反対の誘電体層352の一方の面上に電極を含むことができる。或る特定の実施形態では、カソード層356は、光学的検出器読出しが所望又は実装される場合、伝導性ガラス等の光学的に透過性又は半透過性の材料から形成することができる抵抗性カソードを含むことができる。或る特定の実施形態では、抵抗性カソードは、適切な基材(例えば、シリカ、ガラス)上で焼成された(fired)、抵抗性カプトン、伝導性セラミック、又はルテニウム抵抗性ペースト等の複合材料を含むことができる。
或る特定の実施形態では、抵抗性カソード356は、誘電体層352内のウェル355の底部357を形成する層とすることができる。抵抗性カソード356は、誘電体層352に直接隣接しても、しなくてもよい。或る特定の実施形態では、抵抗性カソード356と誘電体層352との間に金属等の介在層が全く存在しない。
誘電体層352は、アノード層354に隣接する面上に形成された開口362を有するウェル355を画定できる。アノード層354はまた、同様に寸法決定され配置された開口を画定できる。或る特定の実施態様では、こうした開口は、抵抗性イオンエッチング、プリント回路基板(PCB)技術、又は他の適切な方法等の技法によって形成することができる。図8に示す例では、ウェル355は、カソード356が各ウェル355の床357を画定するように、カソード356の上側表面まで延在する。
図8の説明において、ウェルは、セルと呼ばれることがある。
或る特定の実施形態では、開口362は、ウェル355が、検出器351の上のガス容積(図示せず)と連通することを可能にする。そのため、ウェル355は、ガス容積と実質的に同じ圧力の同じガスによって占有することができる。
図8を参照して述べる特定の例351では、誘電体層352は、約3.2mm厚である厚さ353を有する。ウェル355はそれぞれ、円柱状であり、約0.8mmの直径364を有する。ウェル355は、約1mmのピッチ363を有するアレイで配列される。
或る特定の実施態様では、誘電体層厚353は、電極354、356間のギャップ距離以下とすることができる。それに応じて、或る特定の実施形態では、厚さ353は、約1mm〜数cm(例えば、5cm)の範囲とすることができる。或る特定の実施形態では、厚さ353は、約1mm〜5mmの範囲とすることができる。或る特定の実施形態では、厚さ353は、約2mm〜5mmの範囲とすることができる。図8を参照して述べる例示的な検出器では、厚さ353は約3.2mmとすることができる。
或る特定の実施態様では、本明細書で述べるウェルは、誘電体層352内に複数の穴355を含むことができる。穴は、円柱状又は角柱状等の比較的単純な幾何学的形状を有してもよい。或る特定の実施形態では、ウェル開口362又はウェル355の断面は、実質的に丸くすることができる。
或る特定の実施態様では、各穴の直径364は、約0.1mm〜2mm、0.5mm〜1.5mm、0.6mm〜1mmの範囲にあるとすることができる。図8の例示的な検出器では、直径は約0.8mmである。
或る特定の実施態様では、各ウェル355のそれぞれの直径364は、誘電体層352の厚さ353に基づいて選択することができる。或る特定の実施形態では、直径と厚さとの比は約1/10〜1/1の範囲とすることができる。或る特定の実施形態では、比は約1/4〜1/3の範囲とすることができる。或る特定の実施形態では、比は約1/3とすることができる。そのため、或る特定の実施形態では、直径は、誘電体層厚の上記の例示的な範囲に基づく比の範囲に基づくことができる。
或る特定の実施態様では、1つのウェルのエッジと隣接ウェルのエッジとの間のピッチ363又は間隔は、ウェルの所望の密度及び/又は各ウェルの直径等の因子に基づいて選択することができる。或る特定の実施形態では、ピッチ363は、約1mm〜10mm又は約2mm〜5mmの範囲とすることができる。
或る特定の実施態様では、ピッチ363と直径364との比は約1〜5又は約1.1〜3とすることができる。例えば、一実施形態では、直径364は約0.8mmとすることができ、したがって、ピッチ613は約2mmとすることができる。
或る特定の実施態様では、検出アレイは、約50個〜10000個のウェル355を含むことができる。ウェルの数は、こうした例示的な範囲より大きくすることも小さくすることもできる。
上側読出し電極ストリップ360は、ウェルの各列に対して設けられ、グラウンド電位に保持される。上側ストリップ360に対し垂直に延在する下側読出し電極ストリップ361もまた設けられる。上側読出しストリップ360及び下側読出しストリップ361は、ウェル355用の2次元読出し機能を提供する。
或る特定の実施態様では、読出し電極ストリップは、いくつかの方法で構成することができる。図9Aは、図7に関連する構成と同様とすることができる例示的な構成500を示し、読出し電極ストリップ504の第1のセットが第1の方向に延在し、ストリップ506の第2のセットが(例えば、第1の方向に垂直な)第2の方向に延在する。ストリップ504、506はそれぞれ、ウェルの開口502を収容するための多数のアパーチャを含むことができる。
或る状況では、図9Aの読出し構成の結果、2つ以上のイオンが、時間的に十分接近して(例えば、実質的に同時に)アレイに到着するときに衝突場所の曖昧さが生じる可能性がある。こうした問題に対処するために、読出し構成510(図9B)の或る特定の実施形態は、読出し電極ストリップの3つ以上のセットを含むことができる。例示的な構成510では、第1のセットは、第1の方向に沿って延在するストリップ514を有するように示される。ストリップ516、518の第2のセット及び第3のセットは、第1の方向及び第1の方向の垂線以外の、2つの異なる方向(例えば、第1の方向に対して約135度及び45度)に沿って延在するものとして示される。(図9Aの「X」配向及び「Y」配向の文脈で)「U」配向及び「V」配向と呼ばれることがあるこうした角度付き構成は、上記の曖昧さを解決することを容易にすることができる。こうした解決技法及び角度選択等のパラメーターは、知られている方法で達成することができる。
検出器平面の上の低圧(例えば、約1トル〜10トル)作動ガス内で生成される正イオンは、正電源に接続されたアノード(電極354に対するアノードであり、図示しない)によって提供される比較的弱い(例えば、約10V/cm〜100V/cm)電界下で、検出器平面にドリフトする。検出器開口362内にイオンを収束させながら、ウェルガス内でのイオンの加速及びそれに続く電荷増倍プロセスは、下側電極(カソード356)に負電圧を印加することによって制御することができ、負電圧は、ウェルにわたって非常に高い換算電界(reduced-electric field)を与える。損傷を与える放電及びスパークを防止するために、この電極は、抵抗性が高い材料(例えば、ガラス)で作製することができ、各検出器セルは、電界放出絶縁破壊閾値より十分に小さい電圧下で動作できる。
図8に示す例示的な3.2mm厚の誘電体層352の場合、また、使用されるガスが、約2トル圧のプロパン、空気、又は水蒸気であるとき、カソード356に印加される電圧は、約650V〜850Vの範囲とすることができる。ウェル内で結果として得られる換算電界(E/p)は約2000V/(cm・トル)であり、電子及びイオンについての電荷増倍閾値(プロパンで、それぞれ約30及び70V/(cm・トル))より十分に大きい。
ウェルの穴内の制限されたアバランシェは、正イオン衝突電離によって始まる可能性があり、2次電子及び正イオンの電離衝突により生じる可能性があり、正イオン衝突電離は、ほとんどの電荷増倍の原因である。低エネルギー(例えば、10eV〜1000eV)の正イオン衝突についての電離断面は少ない。しかし、光イオン(H,He)について入手可能なデータは、正イオンについての電離断面が、同じエネルギーの電子の電離断面より約2倍〜10倍小さいことを示す。低圧ガス内でのイオン誘起電荷増倍の観察に基づく推定によれば、ほぼ1000V/cm程度の電界下での1トルプロパン内の0.1mmのイオン経路上での少なくとも1つのガス電離の確率は、10%より小さい。
したがって、約0.1mm程度のマイクロパターン検出器厚は、高い効率の単一正イオン登録のためのいくつかの実施形態では薄過ぎる可能性が高い。或る特定の実施形態では、ずっと厚い(例えば、数mmの)検出器構造は、イオンがセルを通過するときにイオン衝突電離の高い確率を提供できる。
より高い電界を設けることによってイオン衝突電離確率を増加させようとする試みの結果、検出器構造を永久的に損傷する可能性がある電界放出絶縁破壊が生じる可能性があることも留意される。
イオン誘起電離が起こった後、セルにわたる高電界内で加速する2次電子(複数の場合もあり)は、セルの上部に伝搬するアバランシェを始動する可能性がある。こうした高電界では、プロセスは、一旦始動すると、セル内のガスの実質的に全てが電離するまで継続する。空間電荷効果によって又は外部デバイス若しくは回路(例えば、HVバイアスチェーン内の抵抗器)によって電界が制限されない限り、放電が生じる可能性がある。或る特定の実施形態では、放電は、カソード357の容積抵抗が高いためにセルの両端の電圧が降下すると停止する。この作用は、例えば高抵抗板チャンバー(resistive plate chamber)(RPC)内で起こる制限されたストリーマープロセスと同様である。
放電が始まったセル内に放電が実質的に閉じ込められるため、放電は、時間的にのみでなく空間的にも制限することができる。UV光子フィードバックによる放電の伝搬は、セル壁によって制限することができ、検出器の反転極性が、アノード354からの光電子放出を防止する。
検出器の電界構成が、穴の中での放電生成中に変化できるため、アバランシェ電子はセルに拘束される。それは、電子パーツの放電の前にまた放電の終了の近くで、図7を参照して述べた電子軌跡に基づいて特徴付けすることができる動的プロセスとすることができる。発火セル電界は、変化する(例えば、降下する)可能性がある。その理由は、セルの上部で生成される大多数の2次電子(アバランシェヘッド)を、読出しストリップ上に迅速に収集することができ、アバランシェイオンの非補償正電荷が、セルの底部でカソードの負電位をスクリーニングすることができるからである。非発火の隣接セルの電界は、空き領域に拡大することができ、残留電子を発火セル内にトラップし、その後到着する任意のイオンを近くの空きセル内に偏向させる。発火セル内の残留電子は、弱い電界構成内でストリップ上に収集するか、又は、下方にカソード正電荷クラウドまでゆっくり移動するイオンと再結合することができる。
発火セルの回復時間は、電荷収集時間及び再充電時間に依存することができ、μs以下〜μsの範囲にあると推定される。この発火セル回復時間は、イオン検出効率に影響を及ぼさないはずである。その理由は、イオンのドリフト速度が比較的遅い(例えば、100V/(cm・トル)において2トルのプロパンで約1mm/マイクロ秒)ために、イオンが、時間的に十分に離間して到着する可能性が高いからである。また、上記で述べたように、セル放電中に到着するイオンは、隣接セルに偏向される可能性が高い。
或る特定の実施形態では、読出しストリップからの信号は、セルのコンデンサー内に蓄積した電荷によって決まることができる。こうした電荷は、Qcell=CcellVとして推定することができ、式中、Cは静電容量であり、Vは動作電圧である。例示的な検出器351のセル静電容量は、ほぼ数十fF(フェムトファラド)程度のオーダーである。そのため、約700VのVの場合、数十pC範囲の電荷(QCELL)値を予想することができる。
図8は、図8を参照して述べた種々の特徴を含む検出器150を示す。例示的な検出器150は、多層プリント回路基板(PCB)技術を使用して製造することができる。例示的な検出器150は、検出セル(図8の355)を形成する穴154のアレイ152を含む。上記で述べたように、例示的な検出器150は、約3.2mmの厚さを有する。また、アレイ152は、約2cm×5cmのアクティブ検出エリアを有する。アレイ152内に576個の穴154が存在する。
セルからの電荷(QCELL)出力を示す信号振幅を検証するために、図8の検出器150が使用された。より詳細には、検出器PCBは、埋め込まれたガラスカソードを有するテフロン(登録商標)ベース上に搭載されたため、HV電極表面は、検出器穴だけを通して作動ガスに露出された。検出器組立体は、その後、約0.1トル圧〜10トル圧の制御可能ガス環境及び最大1000V/cmのドリフト電界を与えるドリフトチャンバー格納容器内に設置された。チャンバーはまた、コリメートされたAm−241アルファ線源と、直径が約2mmで、全体的に検出器平面に平行でかつ検出器平面の上約5mmにある、アルファ粒子ビームを規定するSi検出器とを装備した。(図10Aに概略的に示す)このセットアップによって、上部電極からの信号が、50オーム負荷時に約10mVの振幅を有する約200ns継続時間を有する負パルスとして取得された。こうした信号は、約20pCの電子電荷を示し、予想される数十pC範囲に概して整合する。観察される信号振幅は、約10電子程度のオーダーのアバランシェ電荷に対応し、ガスの絶縁破壊についてのRaether Limitを十分に超えている。すなわち、各セルは、独立したガイガーマイクロカウンターとして動作することができる。
異なるアノード電圧(したがって、異なるイオンドリフト電界及びイオンドリフト速度)における平均イオン到着時間を測定して、登録されたイオンが、アルファ粒子飛跡から到来することが検証された。100V及び10Vのアノード電圧で測定されたイオンドリフト時間分布が、図10Bに示される。散発放電並びに宇宙線及びバックグラウンド放射線からのイオンから生じる検出器の総バックグラウンドレートも測定された。これらの測定について、作動ガス容積(2トルのプロパンを充填された約2.5×5×5cm)が使用された。バックグラウンドレートは、576個のセルの全てについて1Hzを超えなかった。これらの結果は、図8の2次元検出器を、イオン時間投射チャンバー(TPC)の平面イオン検出器として利用することができることを示す。
図11A及び図11Bは、検出器150(図8)のセルからの電荷(QCELL)出力を示す信号振幅を特徴付ける他の例を示す。図11Aに示すデータ220は、約800Vでかつ約3トルに保たれたプロパンで動作する検出器によって得られた。データ220は、単一電荷によって始動されるアバランシェプロセスを特徴付けるために一般に使用されるポリア分布(Polya distribution)222でフィッティングされる。
図11Aに示すように、フィット分布222は、約35pCの平均電荷振幅をもたらし、これは、予想される数十pC範囲とも概して整合する。推定範囲(数十pC)とデータとの間のこうした整合性は、図11Bに示す他の動作電圧で継続する。いくつかの平均電荷振幅値が、動作電圧に対してプロットされる。図示するように、測定された電荷振幅は、約600V〜800Vの範囲の電圧について約25pC〜35pCの範囲にある。また、出力電荷振幅は、これも予想されるように電圧の関数として線形に増加する。
本開示の或る特定の実施態様では、凝縮物質及び等価ガスモデルにおける、異なる検出器内の輸送及び増倍プロセスの放射線誘起電離パターンをシミュレートすることができる。検出器設計を改良又は最適化するために、及び、その性能を評価するために、モンテカルロ放射線輸送コードを適用することができる。モンテカルロ飛跡構造コードは、ガス状でかつ凝縮された媒体内でのイオン及び2次電子の輸送をシミュレートするために改良することができる。モンテカルロコードで使用される相互作用断面の妥当性は、検出器からのデータを使用して試験することができる。
或る特定の実施態様では、図7及び図8を参照して述べる例示的なイオン誘起衝突電離検出器又は同様な検出器デバイスは、異なる放射線場に関連する実験的な飛跡構造データを得るために利用することができる。こうした実験データは、ロマリンダ大学(Loma Linda University)の陽子サイクロトロン(最大250MeVの陽子を提供できる)、カルフォルニア大学デービス(UC Davis)のクロッカー原子核研究所(Crocker Nuclear Laboratory)(低エネルギー及び中間エネルギーの陽子及び光イオンを、その76インチのイソクロナスサイクロトロンから提供できる)、及び、ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)−NASA宇宙放射線研究所(NASA Space Radiation Laboratory)(最大数GeVの陽子及び重イオンをAGSブースターから提供できる)を含むがそれに限定されない、いくつかの施設で得ることができる。
荷電粒子ビームの上記の例に加えて、広い範囲の線エネルギー付与(LET)値を示すアルファ線源、ベータ(電子)線源、及びガンマ線源を含む放射線源によってデータを得ることができる。低強度の放射性中性子線源からのナノ線量測定データもまた測定することができる。そのため、妥当性確認及び実用的な用途のためのナノ線量測定飛跡構造データベースを、生成し、かつ/又は、維持することができる。
図7及び図8を参照して述べる例示的なイオン誘起衝突電離検出器を用いて測定された飛跡構造データは、DNAにおいて観察される放射線作用を推定し、放射線防護のための有意の線質係数を生成するために有用であることが示された。測定は、種々の幾何学的ビーム条件下でDNAセグメントの概略寸法(約4nm直径、FWHM及び約20又は47の塩基対長)を有するナノメトリック有効容積内の電離イベントサイズの度数分布について行われた。本明細書で述べるように、図2A及び図2Bは、種々の1次イオン及びエネルギーについて測定されたナノ線量測定イベントサイズ分布の例並びに陽子についての実験分布とモンテカルロシミュレートされた分布との比較を示す。約2×10−3の度数(クラスターあたり約6イオンに対応)まで、測定値とシミュレーションとの間に良好な一致が存在する。より大きなクラスターの場合、シミュレーション結果に対して過剰な測定イオンが存在するように見える。
いかなる特定の理論に束縛されることを欲するものでも意図するものでもないが、上記の実験的分布に見られるこれらの更なるイオンが、検出セルアパーチャの下のイオン加速チャネルの中間真空内で起こる稀ガス増倍プロセスによって引起される場合があることを、いくつかの実験結果が示唆する。
種々の放射線場のナノ線量測定データを放射線化学データ及び放射線生物学データに関連付ける更なる研究は、種々の方法の妥当性を確認し、妥当性確認されたこうした方法を実用的な用途に変換することができる。上記の放射線場の1つ又は複数を利用して、多数のより具体的な用途用のデータを得ることができ、こうした用途は、過酸化水素又は他の安定した放射線分解生成物のクラスターのナノ粒子での放射線化学的収率、DNAモデルシステムにおけるDNA二重鎖切断及び他の複雑な損傷収率、細胞におけるDNA二重鎖切断及び他の複雑な損傷収率、適した動物モデルにおけるCNS作用、適した動物モデルにおける発がん作用を含むことができる。さらに、既存のインビトロデータ及びインビボデータを、ナノ線量測定予測モデルを試験するために使用することができる。
或る特定の実施態様では、本明細書で述べる特徴の1つ又は複数は、ガスの容積を通過する飛跡の撮像を可能にし、次に該容積は、組織等価(TE)スケール及び単位にスケーリングすることができる。こうしたシステムの場合、正イオン撮像の解像度を推定することができる。
飛跡撮像検出器上でのイオン拡散によって課される制約は、スケーリング係数kpによって規定される組織等価(TE)単位で表すことができる。ここで、pは圧力であり、kは、約10−6〜10−7程度のガス依存の「dE/dx」スケーリング係数である。TEスケールで、ドリフト距離lTEによるrmsブロードニングは、
Figure 0006034695
で表すことができる。式中、D、K、及びEは、それぞれ、イオン拡散、イオン移動度、及び電界を表す。
平均D/K値に基づいて、rmsTE解像度ΔxTEは、E/pの関数として推定することができる。こうした推定は、異なるガスについて図12に示される。適度のE/p値(例えば、本明細書で述べる構成の少なくともいくつかで使用される約100V/(cm・トル))の場合、TEドリフト距離の上限が約40nmであるとき、≦1.4nm(rms)の通常のTE解像度を予想することができる。仮に十分に高い換算電界をこれらのガス中に維持することができるとすると、メタン又は水蒸気は、更に良好な解像度をもたらすことができる。
実験室フレームでは、ガス圧力は、ドリフト長lLABの上限及び解像度ΔxLABを含む検出器の実際の寸法及び解像度を規定するか又はそれに影響を及ぼす可能性があり、その実際の寸法及び解像度は、次に、セルの検出器のアレイのピクセル化に関連する設計パラメーター(例えば、ピッチ及び/又はセルサイズ)を提供できる。
例えば、約1トルのプロパンの圧力で、イオン拡散による解像度限界は、約15mmのドリフトの場合、約0.5mm(rms)であると推定され、したがって、約0.2mmのセルサイズが適切とすることができる。いくつかの状況では、圧力を増加することは、ピクセルサイズが不変のままである場合、TEスケールでの解像度を改善するのではなく、実験室フレームでの解像度を減少させることになる。その結果、同じTE解像度を提供するために、より小さいピクセル化を有する検出器が、こうした場合に必要とされることになる。同様に、いくつかの状況では、検出器の寸法及びドリフト長は、圧力とともにスケーリングし、検出器設計全体に影響を及ぼす可能性がある。
或る特定の実施態様では、ガス選択及び換算電界は、TEドリフト長lTEの所与の上限についてTEスケールで、イオン拡散及び解像度ΔxTEを規定することができ、TEドリフト長lTEは、次に、撮像される放射線のタイプによって規定することができる(例えば、1MeV及び100MeVの陽子についてそれぞれ約16nm及び40nmのlTE)。プロパン内で約40nmのTEドリフト長の上限を超えてドリフトするイオンについてのrmsTE解像度の標準値は、約1.4nm以下とすることができる。
或る特定の実施態様では、本開示は、放射線とナノスケール凝縮物質との相互作用を近似するように放射線を特徴付けるシステム及び方法に関する。DNA分子は、こうしたナノスケール凝縮物質の例である。本開示の1つ又は複数の技法を適用することができる、いくつかの他の材料及び状況が存在する。
図13は、電離放射線(矢印256)が、ガス相互作用領域252を通過する放射線測定構成250を概略的に示す。説明のために、相互作用領域252は、電離放射線256とガス分子又は粒子との間の電離相互作用の確率を表す相互作用断面σを提供するために、選択された圧力で又は或る圧力範囲内に全体が維持された1つ又は複数のタイプのガスを含むことができる。同様に、相互作用領域252は、電離放射線256の方向に全体的に沿うD2の寸法を有するものとして示される。
或る特定の実施形態では、また、本明細書で例として述べるように、ガスの構成及び相互作用領域の寸法D2は、電離放射線256と、ナノスケール凝縮物質254等のずっと小さくかつ密度の高い材料との相互作用を近似するように選択することができる(D1の相互作用寸法を有するものとして示される)。或る特定の実施形態では、ナノスケール相互作用と測定される相互作用との間の寸法及び/又は密度スケーリングは、ナノスケール凝縮物質254(断面σに依存する)及びガス領域252の通過中の相互作用確率を同等にすることによって達成することができる。
本明細書で述べるように、こうしたスケーリングは、より扱いやすいかつ/又は好都合な検出フォーマットでナノスケール材料の代表的な測定及び特徴付けを可能にできる。例えば、ナノメートル範囲の寸法で相互作用を近似し特徴付けるために、ミリメートル範囲の寸法を有する検出器素子が利用される状況では、約百万倍の有効検出容積スケーリング拡大が存在することができる。
図14は、或る特定の実施態様において、プロセス260を、検出容積のこうしたスケーリング式拡大を達成するために実装することができることを示す。プロセスブロック262において、ガス環境及び相互作用容積を、電離放射線とナノスケール凝縮物質との相互作用を近似するように選択することができる。プロセスブロック264にて、検出器は、相互作用から生じる電離生成物(例えば、正イオン)を検出するように設け構成することができる。
図15は、小さなスケールの物質(例えば、ナノスケール凝縮物質)から大きなスケールの検出容積までの特徴付けの例を概略的に示す。図示するように、例示的なナノスケール凝縮物質は、放射線256が通過するDNA鎖340とすることができる。放射線256とDNA鎖340とのこうした相互作用は、同じ又は同様の放射線とガス検出器容積との相互作用を特徴付けることによって特徴付けられることが示される。正イオン等の電離生成物の検出及びガス検出器容積を通る放射線飛跡の特徴付けは、放射線256がDNA分子とどのように相互作用するかについてのガスモデル表現を提供できる。ガスモデルが、より実用的な検出パラメーター(例えば、mm範囲の寸法、ガス選択、ガス圧力、電離生成物を検出するモード等)に基づくことができるため、DNA鎖等のナノスケールサイズのオブジェクトとの放射線の相互作用のモデリング及び特徴付けは、より制御されかつ実用的な方法で達成することができる。
或る特定の実施形態では、本明細書で述べる1つ又は複数の特徴は、入射放射線(例えば、荷電粒子)についての空間情報を検出することが可能な検出器に実装することができる。図16は、図13で容積252を表すガス相互作用容積278を、電離生成物(例えば、正イオン290)の検出を可能にするためにどのように構成することができるかを概略的に示す。或る特定の実施形態では、相互作用装置270は、電極272と274との間に画定されたガス容積278を通る電離放射線256の通過を可能にするように配置された、第1の電極272及び第2の電極274を含むことができる。電極272及び274は、ΔVの電位差に保たれるのが示される。
相互作用装置270は、第2の電極274と第3の電極276との間に配設された検出器層280を含むのが更に示される。検出器層280及び関連する電極274、276は、本明細書で述べる方法(例えば、図7及び図8)と同様な方法で構成することができる。
第2の電極274は、グラウンドとして働くことができ、第1の電極272は、グラウンドに対して選択された正電圧+ΔVに保つことができる。そのため、ガス容積278について、第1の電極272はアノードとして働き、第2の電極274はカソードとして働くことができる。
第3の電極276は、グラウンドに対して選択された負電圧(−ΔV)に保つことができる。そのため、検出器層280について、第2の電極274はアノードとして働き、第3の電極276はカソードとして働くことができる。
ガス容積278についての電位差ΔVは、所与のガスタイプ及びガス圧力について比較的弱い電界(例えば、約10V/cm〜100V/cm)を提供するように選択することができる。こうした比較的弱い電界は、容積278内での電荷増倍プロセスを促進することなく、電離相互作用及び/又は2次相互作用から生成される正イオン290のドリフト(矢印292として示す)を容易にすることができる。
検出器層280についての電位差ΔVは、こうした電荷増倍プロセスを促進するように選択することができる。こうした電位差に関連する種々の設計考慮事項(例えば、ガスタイプ、ガス圧力、電極間の間隔)は、本明細書でより詳細に述べられる。
或る状況では、単一電離イベントを検出することが望ましい場合がある。こうしたイベントのそれぞれにおいて、正イオン及び電子が、電離によって生成される。本明細書で述べるように、電離したガス分子からのこうした正イオンは、単一イオン解像度で検出されて、DNA鎖等の物質に対する損傷に寄与する大きな電離クラスターの形成等の放射線相互作用の影響の特徴付けが可能になる。
図17は、こうした単一電離イベント特徴付けを容易にするために実装されることができるプロセス300を示す。ブロック302において、相互作用容積を、本明細書で述べるように構成することができる。ブロック304において、本明細書で述べる検出器(例えば、図16の検出器層280及び関連する電極)を、相互作用容積内で生成される単一イオンの検出を可能にするように構成することができる。
図18は、こうした単一イオン検出能力を提供するように構成することができる検出器310の一部分を概略的に示す。また、検出器310は、相互作用容積内で起こる電離相互作用の空間的特徴付けを可能にするために検出素子のアレイを有することができる。
図示するように、検出器310は、2つの電極274と276との間に画定された複数のウェル320を含むことができる。或る特定の実施形態では、電極274及び276は、図16を参照して本明細書で述べる、それぞれ第2の電極及び第3の電極とすることができる。電極274及び276に関する更なる詳細(グラウンド電極274を介するアレイ読出しスキームの例を含む)並びに電極によって生成される電界は、本明細書でより詳細に述べられる。
或る特定の実施形態では、ウェル320は、誘電体層等の絶縁層314上に形成することができる。図18の例示的なウェル320は、深さ「d」、幅「w」、及びウェル間間隔「s」を有するものとして示される。こうした寸法の選択は、本明細書でより詳細に述べられる。或る特定の実施形態では、ウェル320は、ウェル320内のガス圧力を、相互作用容積278のガス圧力と概して同じにすることができるように、相互作用容積278に向く面で開口することができる。こうした特徴部は、検出器280の設計及び動作を単純にすることができる。
図18に示す例示的な構成では、容積278内での相互作用(図示せず)による単一イオン290は、ウェル320b内にドリフトする(点線330)ものとして示される。電極274及び276によって与えられる電界E及び/又はガス構成に起因して、入って来るイオン290は、カソード276に向かって加速し、実質的にウェル320b内で電荷の増倍(例えば、アバランシェ334)をもたらす可能性がある。こうした電界及びガス構成、並びに、電荷増倍プロセス及びその検出に関する詳細は、本明細書でより詳細に述べられる。
(例えば、図6A及び図6Bを参照して)同様に本明細書でより詳細に述べるように、所与のウェル開口で又はその周りで形成される電界は、イオン誘起電荷増倍がウェル内(例えば、320b内)で起こるにつれて動的に変化する可能性がある。電界のこうした動的な性質は、生成された電荷のウェル内への実質的な封じ込めを促進し、また、更なる入射イオン(複数の場合もあり)の他の未占有ウェル(複数の場合もあり)への偏向を促進できる。例えば、ウェル170b内での電荷増倍プロセスの結果、別の入射イオン(点線332として示す)の別の未占有ウェル(例えば、近くのウェル320a)内への偏向を促進する電界変化が生じる可能性がある。
或る特定の実施態様では、図18の例示的な検出器310等のイオン検出器は、システムの一部であるように構成されることができる。こうしたシステムは、こうしたイオンを生成する相互作用及び/又はプロセスの特徴付けを可能にするために(1次及び/又は2次)イオンを検出するように構成することができる。例として、図19は、イオン生成物を検出することによって、電離放射線と低圧ガス容積との相互作用を特徴付けるように構成することができるプロセス370を示す。
本明細書で述べるように、低圧ガス内での相互作用のこうした特徴付けは、多数の放射線−物質相互作用設定の飛跡構造研究のために利用することができる。こうした研究は、電離パターン撮像と呼ばれることがあり、電離放射線の、DNA鎖等のナノスケール凝縮物質オブジェクトとの特徴付けに適用することができる。
図19を参照して、プロセス370は、低圧ガス容積374に入り、その中のガスと相互作用する電離放射線(矢印372)を示す。1次イオン及び/又は2次イオン(矢印376)等の相互作用生成物は、イオン検出器378によって検出することができる。或る特定の実施形態では、こうした相互作用生成物は、イオンを検出器に移動(例えば、ドリフト又は加速)させるための電界及び/又は磁界を受けることができる。イオンの検出は、検出器378からアナログ信号(矢印380)をもたらし、こうした信号は、アナログ−デジタル変換器(ADC)382によってデジタル信号384に変換することができる。こうしたデジタル化信号は、更なる処理及び/又は分析のためにコンピューティングデバイス386に提供することができる。
或る特定の実施形態では、いくつかのコンポーネントを有するシステム390は、図19の例示的なプロセス370を容易にするように構成することができる。システム390は、例えば相互作用ガス容積内のドリフト電界及び多数の検出セルのそれぞれのセル内のイオン検出用電界を規定する電極に対して電力を提供する電力源392を含むことができる。システム390は、例えば相互作用ガス容積を提供するように構成されたハウジングを含む、1つ又は複数のハウジングコンポーネント394を更に含むことができる。システム390は、例えばコンピューティングデバイスによる更なる処理のために、検出セルのアレイからの信号の読出し及びこうした信号の代表的なデジタル信号への変換を行うように構成されたデータ取得(DAQ)コンポーネント396を更に含むことができる。システム390は、本明細書で述べる1つ又は複数の検出器特徴及び/又は機能を提供するように構成された検出器コンポーネント398を有することができる。
或る特定の実施態様では、上記の検出器コンポーネント398は、単一イオンの効率的な検出を可能にするように構成された1つ又は複数のイオン検出器素子に基づくことができる。図21は、こうした検出器素子400を概略的に示す。
或る特定の実施形態では、多数のこうした検出器素子400は、アレイ上でのイオンの入射場所の空間的な確定を可能にするために、アレイで配列することができる。図22は、検出器素子400のこうしたアレイ410を概略的に示す。
或る特定の実施形態では、こうしたイオン検出器素子のアレイは、イオン検出コンポーネントを有する分析システムで使用されることができる。図23は、イオン検出器アレイ410を有するこうしたシステム420を概略的に示す。
イオン検出器アレイ410を実装することができる多数の分析システムが存在する。図24A〜図24Cは、図23の分析システムの非限定的ないくつかの例を示す。例えば、図24Aは、イオン検出器アレイ410を有する線量計システム430を示す。種々の構成及び動作パラメーターが、こうした線量計システムの文脈で本明細書において述べられる。しかし、同様な検出器素子及びそのアレイもまた、他の分析システムで実装することができる。
或る特定の実施形態では、図24Bは、質量分析計440又は同様なシステムが、イオンを検出するイオン検出器アレイ410を含むことができることを示す。例えば、電界及び/磁界(複数の場合もあり)に起因した質量分離を受けるイオンは、検出器アレイ410によって検出することができ、検出されたイオンの空間的分離を、質量識別のために分析することができる。
或る特定の実施形態では、図24Cは、ガスクロマトグラフ450又は同様なシステムが、イオンを検出するイオン検出器アレイ410を含むことができることを示す。例えば、カラム出口から出るイオンは、分析のために検出器アレイ410によって検出することができる。
本明細書において使用されるとき、質量分析計は、試料又は分子の元素組成又は構造を決定するための分析技法を含むことができる。質量分析計は、質量分析の分析技法を実装するために使用される機器を含むことができる。本明細書において使用されるとき、ガスクロマトグラフは、混合物内の化合物を分離する分析技法を含むことができ、混合物は、蒸発するが分解しない。ガスクロマトグラフは、ガスクロマトグラフィーの分析技法を実装するために使用される機器を含むことができる。
イオン検出器素子及び/又はこうした素子によって形成されるアレイは、他のシステムで利用することができる。例えば、本明細書で述べるイオン検出構成は、非常に低い濃度の化学物質を検出するためのシステムに実装することができる。イオン移動度分光計は、爆発物、薬物、化学兵器等の化学物質の痕跡濃度を検出することができる例である。こうした分光計は、イオンの効率的かつ正確な特徴付けを可能にするために、本明細書で述べるイオン検出器の1つ又は複数の特徴を含むことができる。
いくつかの実施形態では、イオン誘起衝突電離検出器は、ガス及び固体とのイオン相互作用、光放出、ガスの増倍プロセス、並びに高度放射線医学撮像技法に関連する検出器物理学の分野において新しい貴重なデータを提供することを可能とすることができる。
本明細書で述べるいくつかの実施形態は、低密度ガスで動作する高解像度で高感度の3D撮像飛跡構造撮像デバイスを対象とすることができる。本明細書で述べるイオン誘起衝突電離検出器は、電離放射線と凝縮相内の物質との相互作用の特徴付けを容易にすることができる。一態様では、こうした特徴付けに対する手法は、ナノ線量測定等の実験的技法及びモンテカルロ(MC)飛跡構造シミュレーションに基づくことができる。手法は、その後例えば、ガス相飛跡構造と凝縮相飛跡構造とを関連付けることができる。こうした手法は、両方の相に共通であり、生細胞及びDNAナノ構造に及ぼす電離放射線の作用に関連するマイクロメートル及びナノメートルスケールの飛跡構造特性の発見を容易にすることができる。いくつかの実施態様では、実験的飛跡構造データは、MCコードをベンチマークするために使用されてもよい。
本明細書において使用されるとき、凝縮物質は、異常が誘起される可能性がある、細胞、組織、ポリマー、ナノエレクトロニクス、及びDNA等の核酸分子を含むことができる。本明細書において使用されるとき、異常は、識別された電離クラスターに関連する凝縮物質に対する局所的損傷を含むことができる。本明細書において使用されるとき、電離クラスターは、クラスターあたり約2〜20イオン等の複数の電離生成物を含むことができる。いくつかの場合には、電離クラスターは、クラスターあたり約6イオンを有することができる。
放射線医学及び防護についての例示的な用途は、DNA及び染色体に対する放射線損傷の改善された機構的理解を得るために高解像度飛跡構造研究を実施することに関することができる。このために、DNAスケールでかつ1組織等価μmの飛跡セグメント長にわたって電離のクラスタリングを研究するために、電離飛跡を、約1組織等価nmの精度で希釈ガス内で記録することができる。放射線治療(高エネルギー電子、光子、及び光イオン)で使用される異なるタイプの放射線についてのこれらのクラスタリング作用の研究、及びそれらのクラスタリング作用の、モンテカルロシミュレーションの予測との比較を使用して、DNA及び他の重要な生物分子に及ぼす放射線作用の精緻な機構的モデルを生み出すことができる。
いくつかの実施形態では、飛跡構造撮像システムは、これらのスケールで電離パターンの非常に効率的でかつ精密な位置特定を可能にするように構成することができる。いくつかの実施形態では、電離誘起正イオンは、低圧ガス内に記録及び堆積することができる。
或る特定の実施態様では、低圧ガスターゲットを用いて組織をモデル化することは、例えば1トルの場合、約10までの「dE/dx比」スケーリング係数に従って組織スケールを拡大することを可能にできる。こうしたスケーリング係数は、入手可能なガス検出器が利用できる寸法及び/又は研究される凝縮物質のスケールに従って選択することができる。いくつかの実施形態では、実質的に完全な飛跡構造及び単一電荷感度を提供するように構成されたイオン誘起衝突電離検出器は、マイクロメートル組織等価範囲にわたるnm以下の組織等価精度の解像度を提供することができる。同じ寸法はまた、ナノエレクトロニクスデバイスに関連するような非生物学的用途にも関連することができる。
本明細書において使用されるとき、「ナノメートル等価解像度(nanometer equivalent resolution)」は、マイクロメートル組織等価範囲にわたるnm以下の組織等価精度の解像度及びナノエレクトロニクスデバイスの同様な寸法を含むことができる。ナノメートル等価解像度は、凝縮物質内の個々のエネルギー付与イベント(例えば、電子−イオン、電子−正孔対)の空間的分離に関連する場合がある。いくつかの実施形態では、空間的分離は、DNA分子又はDNA鎖及びナノエレクトロニクスのいくつかの素子の横方向寸法とほぼ同じ程度、すなわちナノメートル領域とすることができる。例えば、ナノメートル等価解像度は、約1組織等価nmの精度を含み、こうした精度は、DNAスケールでかつ1組織等価μmの飛跡セグメント長にわたる電離のクラスタリングの研究にとって有用とすることができる。
或る特定の実施態様では、図21のイオン検出器素子400は、本明細書で述べる特徴の1つ又は複数を含むように構成することができる。或る特定の実施形態では、こうした特徴は、図7〜図9を参照して述べた特徴を含むことができる。
或る特定の実施態様では、こうしたイオン検出器素子400は、制限されたガイガーモード(例えば、発火/非発火)で動作できる。こうした動作モードの或る特定の実施態様では、イオン検出器素子400に関連する1つ又は複数の特徴は、検出器素子400の壁に印加された電界によって超応力(super-stress)下のガス環境を提供するように構成することができる。こうした状態は、温度が凍結温度より低くなるか又は沸騰温度を超えた後でも相遷移(凍結又は沸騰)が起こっていない、液体の超冷却状態又は超加熱状態に類似することができる。こうした状態では、わずかな外乱及び/又はシード条件が、急速な相遷移をトリガーする可能性がある。
或る特定の実施態様では、イオン検出器素子400の超応力ガス環境は、電界強度が、ガスの絶縁破壊に関連する閾値又は値の範囲より高くなるように、ウェルに電界を与えることによって達成することができる。こうした閾値又は範囲は、ガスのタイプ、圧力、及び/又は温度等の因子に依存する可能性がある。或る特定の実施態様では、電界強度はまた、イオン増倍に関連する閾値又は値の範囲より高くなるように選択することができる。こうした閾値又は範囲は、通常、対応するガス絶縁破壊閾値又は範囲より高い。
或る特定の実施態様では、電界強度は、上記の閾値の1つ又は複数に基づいて、また、ウェルの表面における電界放出絶縁破壊に関連する閾値又は値の範囲より低くなるように選択されることができる。こうした値又は範囲は、ウェル表面に関連する材料に依存する可能性がある。
上記の電界強度に関連する電圧は、電極の分離距離及び電極幾何形状等の因子に依存する可能性がある。そのため、印加電圧は、上記の特性の1つ又は複数を有する所望の電界強度が得られるように、所与のウェルサイズ(例えば、深さ)、ガスタイプ、ガス圧力、及び/又はガス温度について選択することができる。
例えば、図8の例示的な検出器構成には、該検出構成が、約3.2mmの深さを有するウェル内に約2トルのプロパン、空気、又は水蒸気を含むときに所望のガス条件が得られるように、電極間に約600V〜900Vの電圧を供給することができる。
或る検出状況では、検出器の感度及びその安定性は、バランスを取ることができる。例えば、感度が高くなるように構成された検出器は、所望の粒子(例えば、イオン)以外の粒子(例えば、電子)によって容易にトリガーすることができる。超高圧(super-tensioned)ガス環境の文脈では、電子は、制限されたガイガープロセスを容易にトリガーすることができる。しかし、本開示の或る特定の実施態様では、こうした電子がイオン検出器素子(例えば、図21の400)のウェルに入る可能性は、電圧バイアス構成の反転極性によって減少する可能性がある。
例えば、図10A、図16、及び図18を参照して、本開示の或る特定の実施形態は、ウェルの深い端部を、ウェルの開口に対して負電位に保つことができるように構成することができる。また、検出器に向かう正イオンのドリフトを容易にするアノードは、ウェルの開口に対して正電位に保つことができる。それに応じて、ウェルの近くの電子は、電子をウェルから(アノードの方に)遠ざける力を受けることになる。
或る特定の実施形態では、本明細書で述べる特徴の1つ又は複数を有するイオン検出セルは、ガイガー動作モードに通常関連する比較的大きなデッドタイムで動作できる。こうした特性にもかかわらず、2つ以上のイオンが単一検出セルに入る可能性を低減するように分配され構成された多数のこうしたセルの使用によって、単一イオンについての高い検出効率を提供することができる。
また、低圧ガス容積内で生成されるイオンの拡散に起因して、同じ付着ポイントから生じるイオンでさえも、異なるセル内に登録される可能性が高い。したがって、実効効率は比較的高くすることができる。
本明細書において使用されるとき、ガスは、生物学的媒体及び半導体媒体をシミュレートするために、多原子ガス及びガス混合物を含むことができる。例えば、ガスは、以下のガス、すなわちプロパン、周囲空気、及び水蒸気の1つ又は複数を含むことができる。或る特定の実施態様では、ガスは、ウェル内でガスのアバランシェ絶縁破壊を始動することによって、電離することができ、それにより、電離は、増倍される電荷を誘起し、それにより、検出可能な信号を形成する。
本明細書において使用されるとき、低圧又は低圧ガスは、約100トル未満の圧力のガスを含むことができる。或る特定の実施態様では、低圧は約1トル〜10トルの範囲の圧力を含むことができる。
本明細書において使用されるとき、絶縁破壊電位は、非伝導性ガスが伝導性になり、pd積(p=圧力、d=電極間ギャップ距離)及びタウンゼントメカニズムによって左右されるようなポイントを含むことができる。いくつかの実施形態では、絶縁破壊電位は、電界が特定の値を超えると起こる可能性があり、電子アバランシェは、例えばカスケード電離における一部の1次電子の増倍に起因して開始する。いくつかの実施形態では、絶縁破壊電位は、約1トル〜10トルの動作圧力及び2mm〜5mmの間の電極間ギャップ距離において、約0.1cm・トル〜1.5cm・トルとすることができる。いくつかの実施形態では、絶縁破壊電位は、例えばプロパン、空気、及び水蒸気について、約0.6cm・トルのpd値(約2トル及び約3.2mmのギャップ)とすることができ、実質的に均一な電界を仮定して、約400V〜600Vとすることができる。いくつかの実施形態では、電界放出絶縁破壊電位は、検出器について約5kVを超えるとすることができ、pd<0.00003cm・トルにおいて絶縁破壊は全く観察されなかった(3.2mmギャップにわたって0.0001トルの真空及び5kVよりよい)。
本明細書において使用されるとき、本明細書で使用されE/p値(電界強度を圧力で割った値)は、「換算電界(reduced-electric field)」と呼ばれることがある。そのため、それぞれ、約10V/cm〜100V/cm及び約1トル〜10トルのE及びpの例示的な範囲について、対応する換算電界(E/p)は、約1V〜100V/(cm・トル)の範囲の値を有することができる。
本明細書で使用される用語「約(approximately)」、「約(about)」、及び「実質的に(substantially)」は、依然として所望の機能を実施するか又は所望の結果を達成する、述べた量に近い量を表す。例えば、用語「約(approximately)」、「約(about)」、及び「実質的に(substantially)」は、述べた量の10%未満内、5%未満内、1%未満内、0.1%未満内、及び0.01%未満内である量を指すことができる。本明細書で使用される用語「の少なくとも一部分(at least a portion of)」は、全体を含むことができる全体の或る量を含む全体の或る量を表す。例えば、用語「の一部分(a portion of)」は、全体の0.01%より多い、0.1%より多い、1%より多い、10%より多い、20%より多い、30%より多い、40%より多い、50%より多い、60%より多い、70%より多い、80%より多い、90%より多い、95%より多い、99%より多い、及び100%の量を指すことができる。
文脈上別途明確に必要としない限り、説明及び特許請求の範囲全体を通じて、語「備える」、「備える」、及び同様なものは、排他的意味又は網羅的意味と対照的に、包含的意味で、すなわち、「含むが、それに限定されない」という意味で解釈される。本明細書で一般に使用される語「結合した」は、直接接続されるか又は1つ若しくは複数の中間要素によって接続することができる2つ以上の要素を指す。さらに、語「その中(herein)」、「上」、「下」、及び同様の意味の語は、本出願で使用されるとき、本出願を全体として指し、本出願のいかなる特定の部分も指さないものとする。文脈が許可する場合、単数又は複数を使用する上記詳細な説明内の語はまた、複数又は単数をそれぞれ含むことができる。語「又は、若しくは」は、2つ以上のアイテムのリストを参照し、その語は、語の以下の解釈、すなわち、リスト内のアイテムの任意のもの、リスト内のアイテムの全て、及びリスト内のアイテムの任意の組合せ、の全てを包含する。
本発明の実施形態の上記で詳述された説明は、網羅的であることも、上記で開示された厳密な形態に本発明を限定することも意図しない。本発明の特定の実施形態及び例が例証のために上述されるが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で種々の等価な修正が可能である。例えば、プロセス又はブロックは所与の順序で提示されるが、代替の実施形態は、異なる順序で、ステップを有するルーチンを実施することも、ブロックを有するシステムを使用することもでき、いくつかのプロセス又はブロックは、削除し、移動し、追加し、細分し、組み合わせる、かつ/又は修正することができる。これらのプロセス又はブロックはそれぞれ、種々の異なる方法で実装することができる。同様に、プロセス又はブロックは、時として直列に実施されるものとして示されるが、これらのプロセス又はブロックは、代わりに、並列に実施することも、異なる時点で実施することもできる。
本明細書に提供される本発明の教示は、必ずしも上述したシステムではなく、他のシステムに適用することができる。上述した種々の実施形態の要素及び動作は、更なる実施形態を提供するために組み合わせることができる。
本発明の或る特定の実施形態が述べられたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、開示の範囲を制限することを意図されない。実際には、本明細書で述べる新規な方法及びシステムは、種々の他の形態で具現化することができ、さらに、本明細書で述べる方法及びシステムの形態における種々の省略、置換、及び変更を、開示の趣旨から逸脱することなく行うことができる。添付特許請求の範囲及びその均等物は、開示の範囲及び趣旨内に入るこうした形態又は修正形態をカバーすることを意図される。

Claims (34)

  1. イオン誘起衝突電離検出器であって、
    第1の面及び第2の面を有し、複数のアパーチャを画定するアノードと、
    第1の面及び第2の面を有する誘電体層であって、該誘電体層の前記第1の面はアノードの前記第1の面に隣接して配置され、該誘電体層は2mm〜50mmの厚さを有する、誘電体層と、
    前記誘電体層を貫通して延在する複数のウェルであって、前記アノードの前記複数のアパーチャは、該複数のウェルと前記アノードの前記第2の面との間に開口を画定するように、該複数のウェルに対して配置され、前記複数のウェルのそれぞれは、前記厚さの1/10から1/1の厚さの範囲にある幅を有する、複数のウェルと、
    前記誘電体層の前記第2の面に隣接して配置されて、前記複数のウェルのそれぞれの底部を形成するカソードと、
    を備え、前記複数のウェルのそれぞれにおいて単一電離イベントに感度を有し、100トル未満の圧力の環境に維持され、
    前記アノード及び前記カソードは、600V〜900Vの電位差を与えられる、イオン誘起衝突電離検出器。
  2. 前記厚さは3.2mmである、請求項1に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  3. 前記厚さは2mm〜5mmの範囲にある、請求項1に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  4. 前記アノードは、導電性材料の1つ又は複数の層を備える、請求項1に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  5. 前記カソードは、抵抗性カソード層を備える、請求項1に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  6. 前記アノード及び前記カソードは、前記誘電体層の厚さと同じ厚さである距離だけ分離される、請求項1に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  7. 第1の配向で構成され、前記誘電体層の前記第1の面上に配設された第1の複数の読出しストリップと、
    イオンを検出したウェルの識別を可能にするために、第2の配向で構成され、前記第1の複数の読出しストリップ上に配設された第2の複数の読出しストリップと、
    を更に備える、請求項1に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  8. 前記第1の配向及び前記第2の配向は、X配向及びY配向を規定するように垂直である、請求項7に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  9. 時にイオンを検出した2つ以上のウェルの確定を可能にするために、第3の配向で構成され、前記第2の複数の読出しストリップ上に配設された第3の複数の読出しストリップを更に備える、請求項7に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  10. 前記第1の配向、前記第2の配向及び前記第3の配向は、X配向、U配向及びV配向を規定する、請求項9に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  11. 前記複数のウェルはそれぞれ、円柱形状を有し、前記開口はそれぞれ、或る直径を有する円を規定する、請求項1に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  12. 前記直径は、前記厚さの1/3となるように選択される、請求項に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  13. 前記直径は、前記厚さの1/4から前記厚さの1/3の範囲にあるように選択される、請求項に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  14. 前記複数のウェルは、2つの隣接した開口のエッジ間にピッチ距離を規定するようにアレイで配列され、前記ピッチは、該ピッチと前記直径との比が1〜5の範囲にあるように選択される、請求項に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  15. 前記ピッチと前記直径との前記比は、1.1〜3の範囲である、請求項14に記載のイオン誘起衝突電離検出器。
  16. 検出器システムであって、
    或る容積の低圧ガスを有する格納容器と、
    前記容積の低圧ガス内に配設されたドリフトアノードと、
    請求項1に記載の前記イオン誘起衝突電離検出器であって、前記ドリフトアノードと該イオン誘起衝突電離検出器の前記アノードとの間に検出ガス容積を規定するために、前記容積の低圧ガス内に配設され、前記ウェルは、前記開口に起因して、前記容積の低圧ガス内と同じ低圧を有し、前記ガスの前記低圧は1トル以上100トル未満の範囲である、前記イオン誘起衝突電離検出器と、
    前記ドリフトアノード並びに前記イオン誘起衝突電離検出器の前記アノード及び前記カソードに結合された電源であって、前記イオン誘起衝突電離検出器の前記アノードはグラウンド電位にあり、前記ドリフトアノードは、グラウンドに対して正電位にあり、前記カソードは、グラウンドに対して負電位にあるようにされ、前記正電位は、前記イオン誘起衝突電離検出器の前記アノードに向かう正イオンをドリフトさせる第1の電界を前記検出ガス容積内に与えるように選択され、前記負電位は、前記正イオンがドリフトして入る前記ウェル内で制限されたガイガーアバランシェを提供するように選択される、電源と、を備える検出器システム。
  17. 前記ガスの前記低圧は、1トル〜10トルの範囲である、請求項16に記載の検出器システム。
  18. 前記負電位は、前記ウェル内の電界強度が、該ウェル内の前記ガスの絶縁破壊に関連する閾値より大きくなるように選択される、請求項16に記載の検出器システム。
  19. 前記負電位は、前記ウェル内の前記電界強度が、該ウェルの表面における電界放出破壊に関連する閾値より小さくなるように選択される、請求項18に記載の検出器システム。
  20. 前記ウェル、該ウェルの間の間隔、及び前記負電位の1つ又は複数の大きさは、前記ウェル内で形成された電界が、別の到来イオンを別の近くのウェルに向けるために前記イオン誘起アバランシェ進行として変化することが可能であるように選択される、請求項16に記載の検出器システム。
  21. 粒子を検出する方法であって、
    請求項1に記載の前記イオン誘起衝突電離検出器を使用して、前記単一電離イベントによって電離された1つ又は複数の正イオンを検出すること、
    を含む方法。
  22. 前記アノードの前記第2の面をガスにさらすことと、
    前記イオン誘起衝突電離検出器を囲む環境を10トル未満の圧力に維持することと、を更に含む、請求項21に記載の方法。
  23. 負電圧を前記カソードに印加することと、
    正イオンが前記セルに入ると、前記ウェル内の前記ガスのアバランシェ絶縁破壊が生じるように、前記アノードをグラウンド電位に維持し、前記アバランシェの結果、電荷の検出可能な集合体が生じることと、
    を更に含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記印加される負電圧は600V〜900Vの範囲であり、
    前記作動圧は10トル未満であるように選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記作動圧は2トル未満であるように選択され、
    前記負電圧は、2000V/(cm・トル)の値を有する、電界強度を圧力で割った量(E/p)を生じるように選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 請求項1に記載の前記イオン誘起衝突電離検出器を備える飛跡イオン検出器。
  27. 請求項1に記載の前記イオン誘起衝突電離検出器を備える質量分析計、イオン移動度分光計、又はガスクロマトグラフ。
  28. イオン検出器素子であって、
    複数のアパーチャを画定するアノードと、
    第1の面及び第2の面を有する絶縁体層であって、該絶縁体層の前記第1の面は前記アノードに隣接して配設され、該絶縁体層は2mm〜50mmの範囲の厚さを有する、絶縁体層と、
    前記絶縁体層の前記第2の面に隣接して配設されたカソードと、
    を備え、
    前記絶縁体層は、該絶縁体層の前記第1の面と前記第2の面との間に延在する複数のウェルを画定し、前記複数のウェルのそれぞれは、前記厚さの1/10から1/1の厚さの範囲にある幅を有し、1トル〜10トルの圧力のガスを与えられ、前記アノード及び前記カソードは、600V〜900Vの電位差を与えられ、単一電離イベントに感度を有する、イオン検出器素子。
  29. 請求項28に記載の前記イオン検出器素子のうちの1つ又は複数を備える、ガスクロマトグラフ。
  30. 請求項28に記載の前記イオン検出器素子のうちの1つ又は複数を備える、イオン移動度分光計。
  31. 前記分光計は、爆発物、薬物、及び化学兵器に関連する1つ又は複数の化学物質の痕跡量を検出するように構成される、請求項30に記載のイオン移動度分光計。
  32. 前記検出器素子に入射するイオンの空間的決定を可能にするために、アレイで配列された請求項28に記載の複数の前記イオン検出器素子を備える、イオン検出器。
  33. 請求項32に記載の前記イオン検出器アレイを備える、線量計。
  34. 請求項32に記載の前記イオン検出器アレイを備える、質量分析計。
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