JP5937060B2 - 呼吸器ウイルス感染症の治療方法 - Google Patents

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Description

本出願は、2010年4月7日に出願された米国特許仮出願第61/321,802号、及び2011年1月24日に出願された米国特許仮出願第61/435,726号の優先権を主張するものであり、これらの仮出願は両方共それらの全体が本明細書中に組み込まれている。
(I. 分野)
対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答を調節する医薬組成物及び方法を、本明細書において提供する。また対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善、及び/又はその発症を遅延する医薬組成物及び方法も本明細書において提供する。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症としては、インフルエンザウイルス感染症(例えば、季節性インフルエンザ)、ライノウイルス感染症(例えば、普通感冒)、コロナウイルス感染症(例えば、重症急性呼吸器症候群及び普通感冒)、及び/又はパラミクソウイルス感染症(例えば、麻疹)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を投与することを含む。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、2種以上の活性薬の組合せを投与することを含み、ここでこれらの活性薬の少なくとも1つは、PDE4モジュレーター又は免疫調節化合物である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、PDE4モジュレーター又は免疫調節化合物を第2の薬物と一緒に投与することを含み、ここでこの第2の薬物は、抗生物質又は抗ウイルス化合物である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、PDE4モジュレーター又は免疫調節化合物を抗ウイルス性ワクチンと一緒に投与することを含む。
(II. 背景)
インフルエンザは、健康上大きい懸念があり、且つヒト及び動物の重要な疾患であり続けている。インフルエンザウイルス感染症は、例えば、幼児、高齢者、及び慢性疾患患者において、世界規模で広範にわたる罹患及び死亡を引き起こす。世界の人口の推定5〜15%が、毎年インフルエンザに感染し、世界中で300〜500万人に重度の疾患を引き起こし、250,000〜500,000人が死亡している。米国において、毎年約36,000人がインフルエンザ感染症により死亡している。更に過去300年間に関して、各100年の間にほぼ3回のインフルエンザの大流行が起こっている。1918年のスペイン風邪の大流行は、A型インフルエンザウイルスH1N1亜型により引き起こされ、結果的に1年間に約4000万人が死亡した。1957年のアジア風邪は、A型インフルエンザウイルスH2N2亜型により引き起こされ、1968年の香港風邪は、A型インフルエンザウイルスH3N2亜型により引き起こされ、同じく各々、約200万人及び約100万人が死亡した。2009年のH1N1インフルエンザの大発生(豚インフルエンザ)は、最も新しい大流行であり、これは全地球的に実質的経済的負担(例えば、入院、生産力の喪失、移動の寸断)を引き起こした。2010年2月の時点で、213以上の国と海外領又は共同体が、大流行性H1N1インフルエンザの研究室で確認された症例を報告し、これは世界中で少なくとも16,455の死亡例を含んだ。加えてA型インフルエンザウイルスH5N1亜型(家禽インフルエンザ又は鳥インフルエンザとしても公知)などの、高致死性強毒性インフルエンザウイルス株は、ウイルスの突然変異及び再集合が、ヒト間で効率的に伝播され得る株をもたらすという事情において、ヒトにおける潜在的大流行の深刻な脅威となった。
インフルエンザウイルスは、分節性のマイナス鎖リボ核酸(RNA)ウイルスである。これは、脂質二重層構造を持つウイルスエンベロープにより取り囲まれた、核タンパク質に会合された分節性RNAの内部コアと、外側糖タンパク質からなる。ウイルスゲノムの分節性の性質は、異なるウイルス株に細胞が混合感染した際に、遺伝子再集合(ゲノム分節の交換)が生じることを可能にする。インフルエンザは、他の感染症とは対照的に、動物の保有宿主株(reservoir strain)により継続的抗原性変化及び再集合を受ける。ウイルスエンベロープの内側層は、主にマトリックスタンパク質で構成され、且つ外側層は、宿主由来の脂質物質でほとんど構成されている。表面糖タンパク質ノイラミニダーゼ(NA)及びヘマグルチニン(HA)は、ウイルス粒子の表面にスパイクとして出現している。これらの表面タンパク質、特にHAタンパク質は、インフルエンザウイルスの抗原特異性を決定する。
インフルエンザウイルスは、内部抗原性タンパク質の違いを基に、A型、B型及びC型の3つの型に分類される。A型インフルエンザウイルスは、ウイルスの表面に存在する異なるHA及びNAウイルスタンパク質に従い、様々な亜型へ更に分類することができる。ウイルスの各亜型は、異なる病原性プロファイルを有する様々な株へ変異され得る。現在、16種の分かっているHA抗原亜型(H1からH16)と、9種の分かっているNA抗原亜型(N1からN9)が存在する。A型インフルエンザウイルスは、ヒト、トリ、ブタ、ウマ及び他の動物に感染することができる。非限定的にH1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、及びH10N7亜型を含むA型インフルエンザウイルス亜型のサブセットは、ヒトに感染することが確認されている。16種のHA亜型と9種のNA亜型の全ての組合せが、家禽種において同定されている。加えて、B型インフルエンザウイルス及びC型インフルエンザウイルスも、ヒトに感染し得る。
ウイルス組換えのために、1つの株に対する先行する免疫は、次の株に対する防御を必ずしももたらさない。感染時に、宿主は高度な炎症性一次免疫応答をしかけるが、新たなウイルスはチェックされずに複製する。インフルエンザ感染症は、頭痛、咳、咽喉炎、鼻炎、発熱及び全身の倦怠感を含む急性症状のセットを生じる。予め存在する肺疾患又は心臓血管疾患に関わる重症症例又は状況においては、入院が必要である。ウイルス感染症に直接起因したか又は細菌若しくはウイルスの進入に随伴した肺炎は、最も頻出する合併症である。
インフルエンザ感染症の転帰は、ウイルス及び宿主の両方によって決まる。HA及びNA遺伝子の遺伝的構築(genetic makeup)は、毒力をもたらす。例えば、比較的軽症のウイルスへの流行性H5N1株由来のHA及びNA遺伝子の導入は、このウイルスをマウスにおいて強毒性株へと形質転換する。複製時に、インフルエンザウイルスは、宿主のタンパク質生成機構を使用し、結果として、感染した細胞の死滅を引き起こす(細胞病理)。そのような呼吸上皮細胞の破壊は、炎症細胞(例えば、好中球及びCD4+/CD8+ T細胞)の肺の精巧な表面への動員を促進する炎症反応を開始する一連の警告シグナルを生じ(サイトカインカスケード)、気腔硬化及び動脈血酸素飽和の漸減に繋がる。ウイルスの除去において、この宿主反応は、呼吸細胞の死滅を更に引き起こし、反応している炎症細胞(例えばT細胞)は、炎症メディエーターの追加の組(例えばTNFαとIFNγ)を産生し、これらは過剰な場合サイトカイン攻撃(storm)に繋がり、毛細血管漏出を引き起こし、その結果として肺浮腫及び気腔への白血球浸出を生じ、これらにより急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症する。悪液質、発熱及び食欲抑制などの疾患のより慢性的な症状は、蓄積する全身のメディエーター/サイトカインの濃度に直接連結している。従って、この全体のカスケードは、ウイルスが誘導した細胞病理により開始されるが、死亡率は最終的には免疫応答から生じた炎症の大きさにより決定される。最後に、ウイルスが誘導した細胞病理及び宿主炎症反応の両方は、感染した対象を二次細菌感染に罹りやすくし、更に罹患率及び死亡率を上昇する。炎症の軽減は、場合によっては有益な作用を有するが、免疫抑制が非常に大きい場合、ウイルスが誘導した細胞病理が宿主を圧倒することの証拠が存在する。
インフルエンザワクチンは、インフルエンザの罹患率を制限する上では若干有効な方策である。しかし、インフルエンザウイルスの1つの型又は亜型に対するワクチンは、別のインフルエンザの型又は亜型に対する防御は限られたものであるか、又は防御しない。インフルエンザウイルスは動物の保有宿主株により連続的突然変異、抗原ドリフト、抗原シフト、及び再集合を受けて、ウイルス表面上にHA及び/又はNAタンパク質の新たな組合せを作出するので、ワクチンを毎年再製剤することが必要になる。ワクチン内に存在するウイルス株と流行するウイルス株の間にはミスマッチが存在することがあり、このことによりインフルエンザワクチンの有効性を低下している。更に、不活化ウイルスをベースにした現在のワクチンは一般に、65歳以下の健常者のほぼ70〜80%において疾病を予防することができるが、この割合は、高齢者又は免疫不全の対象においてははるかに低くなる。
現在、インフルエンザを治療するために、2つのクラスの抗ウイルス薬、ノイラミニダーゼ阻害薬(例えば、Tamiflu(登録商標)及びRelenza(登録商標))とアダマンタン誘導体(例えば、アマンタジン及びリマンタジン)が承認されている。ノイラミニダーゼ阻害薬は、ノイラミニダーゼ(NA)表面タンパク質の活性を阻害し、且つウイルス放出を停止する。アダマンタン誘導体は、ウイルスM2タンパク質を標的化し、且つウイルスが脱殻し、その遺伝物質を細胞へ放出するのを防止する。しかし両クラスの抗ウイルス薬に対するウイルス抵抗性の出現の報告が増えている。大規模な抵抗性のために、米疾病管理予防センター(CDCP)などは、インフルエンザウイルスの治療又は予防のためのアダマンタン誘導体の使用を推奨していない。現在の抗ウイルス療法の多くは、ウイルス成分の標的化に向かっており、従ってウイルスの回避機構/突然変異機構を代償する傾向がある。
従って、インフルエンザを治療し、且つインフルエンザ感染に関連する罹患率及び死亡率を低下するための代替療法の緊急の必要性が存在している。
PDE4モジュレーターは、TNF-α及びIL-12産生を強力に阻害し、且つLPS誘導性IL1βに対する適度の阻害作用を発揮する。例えば、L.G. Corralらの文献、J. Immunol., 163: 380-386 (1999)を参照されたい。PDE4は、ヒトの骨髄系細胞及びリンパ系細胞において認められる主要なホスホジエステラーゼイソ酵素のひとつである。この酵素は、遍在するセカンドメッセンジャーcAMPを分解し、且つcAMPを低い細胞内レベルで維持することにより、細胞活性の調節において重要な部分で役割を果たす。PDE4活性の阻害は、cAMPレベルの上昇を生じ、これは単球に加えリンパ球におけるTNF-α産生の阻害を含む、LPS誘導性サイトカインの調節へ繋がる。
TNF-αの異常な産生に関連する疾患を治療するために安全且つ効果的に使用することができる化合物を提供する目的で、多くの研究が成されている。例えば、Marriott, J.B.らの文献、Expert Opin. Biol. Ther. 1(4):1-8 (2001);G.W. Mullerらの文献、Journal of Medicinal Chemistry, 39(17): 3238-3240 (1996);及び、G.W. Mullerらの文献、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 8: 2669-2674 (1998)を参照されたい。いくつかの研究は、LPS刺激性PBMCによるTNF-α産生を強力に阻害する化合物の能力に関して選択された化合物群に焦点を当てている。L.G. Corralらの文献、Ann. Rheum. Dis., 58 (suppl I): 1107-1113 (1999)。これらの化合物は、免疫調節化合物と称されることが多いが、これらはTNF-αを強力に阻害するのみではなく、LPSが誘導した単球IL1β及びIL12産生も顕著に阻害する。LPS誘導性IL6も、部分的にではあるが、免疫調節化合物により阻害される。これらの化合物は、LPS誘導性IL10の強力な刺激因子である。特定の例としては、米国特許第6,281,230号及び第6,316,471号に開示されたような、置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。単球/マクロファージ機能は、感染症に対する防御の第一線として働く自然免疫系の一部である。宿主の単球及びマクロファージの調節により、PDE4モジュレーター及び免疫調節化合物は、インフルエンザなどのウイルス感染症に対する反応の動態(dynamics)を変更することができる。
加えて自然免疫系は、インフルエンザウイルスに対する体の反応において重要な役割を果たす。自然免疫系は、Toll-様受容体(TLR)、ヌクレオチド-結合ドメイン及びロイシン-リッチ-リピート受容体(NLR)などの生殖系列がコードしているインバリアントなパターン認識受容体(PRR)、並びにレチノイン酸誘導性遺伝子-1様受容体(RLR)に頼っている。細胞質ゾル内のインフルエンザウイルス複製の痕跡によるRIG-1-様受容体を含むRLRの活性化は、多くの核転写因子の下流の活性化及び宿主の抗ウイルス反応を生じる。生物学的プロセスによるか、又はインフルエンザウイルスの直接作用による、自然免疫応答の異常調節は、インフルエンザウイルスに対する宿主による貧弱な免疫学的反応を生じる。例えば、Samit R. Joshiらの文献、Yale J. Biol. Med., 82(4): 143-51 (2009)を参照されたい。本明細書に提供する化合物は、全般的に自然免疫系に対する、及び具体的にはRIG-1-様受容体に対する作用を有し得る。例えば、M.R. Barberらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 107(13): 5913-18 (2010)を参照されたい。
(III. 概要)
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答の調節に使用するための化合物を本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答の調節に使用するための医薬組成物を本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答の調節に使用するための単一単位剤形又はキットを本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答を調節するための医薬組成物、単一単位剤形、又はキットを本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答を調節する方法を本明細書に提供する。
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延するのに使用するための化合物を本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延するのに使用するための医薬組成物を本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延するのに使用するための単一単位剤形を本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延するのに使用するためのキットを本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する医薬組成物、単一単位剤形、又はキットを本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。
一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症としては、インフルエンザウイルス感染症(例えば、季節性インフルエンザ)、ライノウイルス感染症(例えば、普通感冒)、コロナウイルス感染症(例えば、重症急性呼吸器症候群及び普通感冒)、及び/又はパラミクソウイルス感染症(例えば、麻疹)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、非限定的にA型インフルエンザ、B型インフルエンザ、及びC型インフルエンザウイルス感染症を含む、インフルエンザウイルス感染症(例えば、季節性インフルエンザ)である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、ライノウイルス感染症(例えば、普通感冒)である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、コロナウイルス感染症(例えば、重症急性呼吸器症候群及び普通感冒)である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、パラミクソウイルス感染症(例えば、麻疹)である。
一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、A型インフルエンザウイルスのある亜型による感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、B型インフルエンザウイルスのある亜型による感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、C型インフルエンザウイルスのある亜型による感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、ライノウイルスのある血清型による感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、コロナウイルスのある型による感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、パラミクソウイルス(例えば麻疹ウイルス)のある型による感染症である。
一実施態様において、対象においてA型インフルエンザウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、A型インフルエンザウイルスの1つ以上の亜型によるウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、A型インフルエンザウイルスの亜型は、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、及びH10N7亜型を含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、A型インフルエンザウイルスの亜型は、H1からH16亜型及びN1からN9亜型の全ての組合せを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、A型インフルエンザウイルスの亜型は、ウイルスの突然変異、抗原シフト、抗原ドリフト、及び/又はウイルス再集合に由来するA型インフルエンザウイルスの新規株を含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症の一次感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症の二次感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、二次感染は、一次感染を引き起こしたウイルスと同じウイルスか又は異なる型のウイルスにより引き起こされる。一実施態様において、二次感染は細菌感染である。一実施態様において、二次感染は真菌感染である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する症状は、感染した対象の該ウイルス感染症それ自体に関連する又は起因する1つ以上の症状、及び該ウイルス感染症により引き起こされた合併症に関連する又は起因する1つ以上の症状を含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、ウイルス感染症の最初の発症又は診断から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日以内又は20日以上で本明細書に提供する化合物を投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、ウイルス感染症の最初の徴候の出現前に、本明細書に提供する化合物を投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、対象が、幼児、学齢期の小児、高齢者、免疫不全者(例えばHIV患者)、及び/又は慢性疾患患者(例えば、とりわけ慢性閉塞性肺疾患、喘息、気管支炎、又は気腫と診断されたか又は罹患している患者)を含むが、これらに限定されるものではない、高リスクの亜集団に属する、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含有する。一実施態様において、本明細書に提供する単一単位剤形は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含有する。一実施態様において、本明細書に提供するキットは、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含む。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含有する。一実施態様において、本明細書に提供する単一単位剤形は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含有する。一実施態様において、本明細書に提供するキットは、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含む。
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状の治療、予防、改善、及び/又はその発症の遅延に現在使用される他の治療薬と組合せた、1種以上のPDE4モジュレーターの使用を本明細書に提供する。別の実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状の治療、予防、改善、及び/又はその発症の遅延に使用される従来の療法と組合せた、1種以上のPDE4モジュレーターの使用を本明細書に提供する。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含有する。一実施態様において、本明細書に提供する単一単位剤形は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含有する。一実施態様において、本明細書に提供するキットは、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含む。
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善、及び/又はその発症を遅延するために現在使用される他の治療薬と組合せた、1種以上の免疫調節化合物の使用を本明細書に提供する。別の実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善、及び/又はその発症を遅延するために使用される従来型療法と組合せた1種以上の免疫調節化合物の使用を本明細書に提供する。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、例えば、経口、鼻腔内(IN)、静脈内(IV)、及び/又は皮下(SC)投与経路による、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体の投与を含む。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体の、それを必要とする対象において相乗的治療作用を提供する1種以上の追加の活性薬との共投与を含む。一実施態様において、共投与される薬剤は、本明細書の別所に記載のように、呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、管理、予防、及び/又はその発症を遅延するための薬剤であってよい。いくつかの実施態様において、共投与される薬剤は、例えば、経口的に、鼻腔内に、静脈内に、及び/又は皮下に投与することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、2種以上の活性薬の組合せを投与することを含み、ここで活性薬の少なくとも1つは、PDE4モジュレーター又は免疫調節化合物である。一実施態様において、第二の活性薬としては、抗ウイルス化合物(例えばTamiflu(登録商標)及びRelenza(登録商標))、抗生物質(例えば細菌性肺炎の治療又は予防に使用される抗生物質)、充血除去剤、抗ヒスタミン薬、鎮痛剤、解熱剤、及び/又は鎮咳剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、抗ウイルスワクチンと併用されたPDE4モジュレーター又は免疫調節化合物の投与を含む。
(IV. 図面の簡単な説明)
図1は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの0日目から7日目までの体重の変化の割合(%)を示す。菱形は、化合物1で処置したマウスを表す。四角は、媒体対照で処置したマウスを表す。三角は、未処置のマウスを表す。
図2は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの気道(BAL)及び肺組織内の3日目及び7日目の総生存細胞数を表す。三角は、化合物1で処置したマウスを表す。四角は、媒体対照で処置したマウスを表す。円は、未処置のマウスを表す。
図3は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの気道(BAL)及び肺における3日目のマクロファージ反応を表す。図3は、未処置、媒体対照で処置、又は化合物1で処置したマウスの気道(A、B)及び肺(C、D)内のマクロファージの割合(A及びC)及び総数(B及びD)を示している。
図4は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの気道(BAL)及び肺における3日目の好中球の総細胞数を表す。マウスは、未処置か、媒体対照で処置したか、又は化合物1で処置した。
図5は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの気道(BAL)及び肺における3日目のCD4細胞の割合及びCD4細胞の総数を表す。図5は、未処置、媒体対照で処置、又は化合物1で処置したマウスの気道(A、B)及び肺(C、D)内のCD4細胞の割合(A及びC)及び総数(B及びD)を示している。
図6は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの気道(BAL)及び肺における7日目のCD4細胞の割合及びCD4細胞の総数を表す。図6は、未処置、媒体対照で処置、又は化合物1で処置したマウスの気道(A、B)及び肺(C、D)内のCD4細胞の割合(A及びC)及び総数(B及びD)を示している。
図7は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの肺における7日目のIFN又はTFNを産生するCD4又はCD8細胞の割合を表す。図7は、未処置、媒体対照で処置、又は化合物1で処置したマウスの肺内のCD4陽性IFN又はTNF産生T細胞(A)及びCD8陽性IFN又はTNF産生T細胞(B)の割合を示している。
図8は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの気道(BAL)における7日目のIFN又はTFNを産生するCD4又はCD8細胞の割合を表す。図8は、未処置、媒体対照で処置、又は化合物1で処置したマウスの気道(BAL)内のCD4陽性IFN又はTNF産生T細胞(A)及びCD8陽性IFN又はTNF産生T細胞(B)の割合を示している。
図9は、0日目にインフルエンザX31(H3N2)の50HAユニットに感染させたマウスの肺ホモジネートに対するプラークアッセイにより特徴付けた3日目及び7日目のウイルス力価を表している。マウスは、未処置か、媒体対照で処置したか、又は化合物1で処置した。
(V. 詳細な説明)
他に特定しない限りは、本明細書において使用する全ての技術用語及び科学用語は、当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において言及した全ての刊行物及び特許は、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
(A. 定義)
本明細書及び添付する請求項において使用するように、不定冠詞「ひとつ(a, an)」及び定冠詞「その(the)」は、別に明確に状況を指摘しない限りは、単数の言及に加え複数の言及を含む。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「約」又は「およそ」は、一部その値をどのようにして測定又は決定したかにより左右される、当業者により決定される特定の値に関する許容し得る誤差を意味する。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差以内であることを意味する。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、所与の値又は範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、又は0.05%以内であることを意味する。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「治療する」、「治療している」及び「治療」とは、疾患又は障害の、或いは疾患又は障害に関連する又は起因する1つ以上の症状の根絶又は改善をいう。いくつかの実施態様において、この用語は、そのような疾患又は障害を持つ対象への1種以上の予防薬又は治療薬の投与に起因する疾患又は障害の拡散又は増悪の最小化を意味する。一部の実施態様において、これらの用語は、特定の疾患の診断又は症状の発症後に、1種以上の追加の活性薬を伴って又は伴わずに、本明細書に提供する化合物又は剤形を投与することをいう。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「予防する」、「予防している」及び「予防」とは、疾患又は障害、或いはそれらの1つ以上の症状の発症、再発又は拡散の予防をいう。いくつかの実施態様において、これらの用語は、特に本明細書に提供する疾患又は障害のリスクのある対象に対し、症状の発症前に、1種以上の他の追加の活性薬を伴って又は伴わずに、本明細書に提供する化合物又は剤形で治療するか又はこれを投与することをいう。これらの用語は、特定の疾患の症状の阻害又は軽減を包含している。いくつかの実施態様において、疾患のある病歴を有する対象は、予防的投薬計画の可能性のある候補である。いくつかの実施態様において、症状再発の病歴のある対象は、予防の可能性のある候補である。いくつかの実施態様において、ある社会群の対象(例えば、医師及び看護師)は、予防的投薬計画の可能性のある候補である。これに関して、用語「予防」は、用語「予防的治療」と互換的に使用することができる。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「管理する」、「管理している」、及び「管理」とは、疾患又は障害、或いはそれらの1つ以上の症状の進行、拡散又は増悪を予防又は遅延することをいう。しばしば、対象が予防薬及び/又は治療薬から得る有益な作用は、疾患又は障害の治癒をもたらさない。これに関して、用語「管理する」とは、特定の疾患の再発を予防するか又は最小化することを試みて該疾患に罹患していた対象を治療することを包含している。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、特定の化合物又は医薬組成物の投与により特定の障害の症状を「改善する」、「改善している」及び「改善」という用語は、化合物又は組成物の投与に起因するか又は投与に関連し得る、永久的又は一時的、持続的又は一過性のいずれかの軽減をいう。一実施態様において、用語「改善する」、「改善している」及び「改善」は、用語「管理する」、「管理している」及び「管理」と互換的に使用することができる。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、化合物の「治療的有効量」又は「有効量」という用語は、疾患又は障害の治療又は管理において治療的恩恵を提供するのに十分な量、或いは疾患又は障害に関連する1つ以上の症状を遅延又は最小化するのに十分な量を意味する。化合物の「治療的有効量」又は「有効量」は、疾患又は障害の治療又は管理において治療的恩恵を提供するような、単独の又は1つ以上の他の薬剤と組合せた治療薬の量を意味する。用語「治療的有効量」及び「有効量」は、全般的療法を改善する量、疾患又は障害の症状又は原因を軽減、遅延若しくは回避する量、或いは別の治療薬の治療的有効性を増強する量を包含し得る。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、化合物の「予防的有効量」は、疾患又は障害を予防するか、或いはその再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防的有効量は、疾患の予防において予防的恩恵を提供するような、単独の又は1つ以上の他の薬剤と組合せた治療薬の量を意味する。用語「予防的有効量」は、全般的予防を向上する量又は別の予防薬の予防有効性を増強する量を包含する。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「対象」は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、トリ、ニワトリなどを含むが、これらに限定されるものではない哺乳動物などの動物を含む。具体的実施態様において、対象はヒトである。一実施態様において、用語「対象」及び「患者」は、例えば、ヒトなどの哺乳動物の対象に関して、本明細書において互換的に使用される。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「モジュレーター」は、阻害因子及び刺激因子の両方を包含している。従って、ある受容体のモジュレーターは、その受容体の活性を阻害するか又は刺激することができる。一実施態様において、ある受容体のモジュレーターは、その受容体の活性を阻害する阻害因子である。一実施態様において、ある受容体のモジュレーターは、その受容体の活性を刺激する刺激因子である。一実施態様において、モジュレーターの効力は、所定濃度のモジュレーターの存在下で受容体の活性を阻害又は刺激する割合に関して測定することができる。一実施態様において、そのモジュレーターが阻害因子である場合、そのモジュレーターの効力は、所定濃度のモジュレーターの存在下で受容体の活性を阻害する割合として表すことができる。一実施態様において、ある濃度の阻害因子(例えば、約0.001μM、約0.01μM、約0.1μM、約1μM、約3μM、約10μM、又は約30μM)で、その阻害因子の効力は、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、又は約100%の阻害である。一実施態様において、モジュレーターが刺激因子である場合、そのモジュレーターの効力は、所定濃度のモジュレーターの存在下で受容体の活性を刺激する割合として表すことができる。一実施態様において、ある濃度の刺激因子(例えば、約0.001μM、約0.01μM、約0.1μM、約1μM、約3μM、約10μM、又は約30μM)で、その刺激因子の効力は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、又は約100%よりも大きい刺激である。一実施態様において、モジュレーター(例えば、阻害因子又は刺激因子)の効力又は有効性は、最大反応の50%に到達する化合物の濃度を意味するEC50に関して測定することができる。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「薬物抵抗性」とは、疾患が薬物又は薬物類の治療に反応しない状態をいう。薬物抵抗性とは、薬物又は薬物類に元々反応しないことを意味する内因性であるか、或いは疾患が先にそれに対し反応したことがある薬物又は薬物類に対する反応をしなくなることを意味する獲得性であるかのいずれかであることができる。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性は内因性である。いくつかの実施態様において、薬物抵抗性は獲得性である。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「共投与」及び「との組合せ」は、2種以上の治療薬を、他に指定しない限りは、同時に、併用して、又は具体的な時間制限なしで逐次的に投与することを含む。一実施態様において、これらの薬剤は、細胞内又は対象の体内に同時に存在するか、又はそれらの生物学的作用又は治療的作用を同時に発揮する。一実施態様においては、これらの治療薬は、同じ組成物又は単位剤形内にある。他の実施態様においては、これらの治療薬は、個別の組成物又は単位剤形内にある。いくつかの実施態様において、第一の薬剤は、第二の治療薬の投与の前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前に)、本質的に同時に、又は連続して(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)投与することができる。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「組成物」、「製剤」、及び「剤形」は、特定された成分(指定される場合は、特定された量で)を含有する製品、更には特定された量の特定された成分の組合せにより直接的又は間接的にもたらされるいかなる製品をも包含することが意図されている。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」とは、液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入剤などの、医薬として許容し得る物質、組成物、又は媒体をいう。一実施態様において、各成分は、医薬製剤の他の成分と相溶性があり、且つ妥当なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、又は他の問題点若しくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織又は臓器と接触しての使用に適しているという意味で、「医薬として許容し得る」ものである。一実施態様において、「医薬的」又は「医薬として許容し得る」により、組成物、製剤、又は剤形内の任意の希釈剤、賦形剤又は担体が、他の成分と相溶性があり、且つそれらのレシピエントに有害でないことが意味される。例えば、Remingtonの文献、「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版;Lippincott Williams & Wilkins:フィラデルフィア、PA、2005;「医薬賦形剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」、第5版;Roweら編集、The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2005;及び、「医薬添加剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Additives)」、第3版;Ash及びAsh編集、Gower Publishing Company:2007;「医薬予備処方及び処方(Pharmaceutical Preformulation and Formulation)」、Gibson編集、CRC Press LLC:ボカラトン、FL、2004を参照のこと。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「水和物」とは、非共有分子間力により結合された、化学量論的又は非-化学量論的な量の水を更に含む、本明細書に提供する化合物又はそれらの塩を意味する。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「溶媒和物」とは、本明細書に提供する化合物への1個以上の溶媒分子の会合から形成される溶媒和物を意味する。用語「溶媒和物」は、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)を含む。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、本明細書に記載の化合物は、特定の立体化学が指定されない限りは、全ての可能な立体異性体を包含することを意図している。化合物の構造異性体が低いエネルギー障壁により相互転換可能な場合、この化合物は、単独の互変異性体又は互変異性体の混合物として存在することができる。これは、プロトン互変異性の形;又は、例えば芳香族部分を含む化合物においていわゆる原子価互変異性体をとることができる。
(B. 化合物)
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答を調節するのに使用するための化合物を本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善、及び/又はその発症を遅延するのに使用するための化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、本明細書に提供する化合物は、ラセミ体の、立体異性的に純粋な、立体異性的に豊富な、又は鏡像異性的に純粋なPDE4モジュレーターを含む。一実施態様において、本明細書に提供する化合物は、選択的サイトカイン阻害活性を有する、ラセミ体の、立体異性的に純粋な、立体異性的に豊富な、又は鏡像異性的に純粋な化合物、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、及びプロドラッグを含む。一実施態様において、本明細書に使用する化合物は、Celgene社(NJ)のPDE4モジュレーターとして知られている。
一実施態様において、本明細書に提供する化合物の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、及びプロドラッグを本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び立体異性体を本明細書に提供する。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「PDE4モジュレーター」は、小型分子薬物、例えばペプチド、タンパク質、核酸、オリゴ糖又は他の大型分子ではない小型有機分子を包含している。一実施態様において、本化合物は、TNF-α産生を阻害する。一実施態様において、本化合物は、LPS誘導性IL1β及びIL12に対する適度の阻害作用を有することもできる。一実施態様において、本明細書に提供する化合物は、強力なPDE4モジュレーターである。理論により限定されるものではないが、PDE4モジュレーターは、T細胞、B細胞、NK細胞、好中球、マクロファージ、好塩基球、好酸球、及びマスト細胞を含む様々な白血球における細胞内cAMPレベルの上昇により、抗炎症作用を発揮すると考えられる。PDE4は、同じく炎症に寄与すると考えられる、内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、及びニューロンなどの非白血球においても発現される。
一実施態様において、PDE4モジュレーターの具体例は、米国特許第5,605,914号及び第5,463,063号に開示されている環状イミド;米国特許第5,728,844号、第5,728,845号、第5,968,945号、第6,180,644号、及び第6,518,281号のシクロアルキルアミド及びシクロアルキルニトリル;米国特許第5,801,195号、第5,736,570号、第6,046,221号、及び第6,284,780号のアリールアミド(例えば一実施態様は、N-ベンゾイル-3-アミノ-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)-プロパンアミドである);米国特許第5,703,098号に開示されているイミド/アミドエーテル及びアルコール(例えば、3-フタルイミド-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)プロパン-1-オール);米国特許第5,658,940号に開示されているスクシンイミド及びマレイミド(例えば、3-(3',4',5'6'-ペトラヒドロフタルイムド)-3-(3",4"-ジメトキシフェニル)プロピオン酸メチル(methyl 3-(3',4',5'6'-petrahydrophthalimdo)-3-(3",4"-dimethoxyphenyl)propionate)));米国特許第6,214,857号及びWO 99/06041に開示されているイミド及びアミド置換アルカノヒドロキサム酸;米国特許第6,011,050号及び第6,020,358号に開示されている置換フェネチルスルホン;2003年12月29日に出願された米国特許出願第10/748,085号に開示されているフルオロアルコキシ-置換1,3-ジヒドロ-イソインドリル化合物;米国特許第6,429,221号に開示されている置換イミド(例えば、2-フタルイミド-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)プロパン);米国特許第6,326,388号に開示されている置換1,3,4-オキサジアゾール(例えば、2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)エチル]-5-メチルイソインドリン-1,3-ジオン);米国特許第5,929,117号、第6,130,226号、第6,262,101号、及び第6,479,554号に開示されている置換スチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体(例えば、3,3-ビス-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリロニトリル);WO 01/34606及び米国特許第6,667,316号に開示されている、2位でα-(3,4-二置換フェニル)アルキル基により置換され、且つ4及び/又は5位で窒素含有基により置換された、イソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオン、例えば、シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、シクロプロピル-N-{2-[1(S)-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、及びシクロプロピル-N-{2-[1(R)-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;並びに、WO 01/45702及び米国特許第6,699,899号に開示されている、イミド及びアミド置換アシルヒドロキサム酸(例えば、プロパン酸(3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロパノイルアミノ))を含むが、これらに限定されない。その他のPDE4モジュレーターは、その内容全体が引用により本明細書中に組み込まれている2003年3月5日に出願された米国特許仮出願第60/452,460号に開示されているジフェニルエチレン化合物を含む。その他のPDE4モジュレーターは、両方共2004年7月28日に出願された米国特許出願第10/900,332号及び第10/900,270号に開示されているイソインドリン化合物を含む。その他のPDE4モジュレーターは、2005年12月13日に出願された米国特許出願第11/299,702号に開示されている化合物を含む。その他の特定のPDE4モジュレーターは、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン、及びその立体異性体を含む。(+)-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオンは、WO 03/080049に開示されている。本明細書で特定されたこれら特許及び特許出願のそれぞれの全体は、引用により本明細書中に組み込まれている。
一実施態様において、追加のPDE4モジュレーターは、その典型的な実施態様に3-(1,3-ジオキソベンゾ-[f]イソインドール-2-イル)-3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)プロピオンアミド及び3-(1,3-ジオキソ-4-アザイソインドール-2-イル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-プロピオンアミドを含む、合成された化合物のファミリーに属する。
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、それぞれが引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,698,579号、第5,877,200号、第6,075,041号、及び第6,200,987号と、WO 95/01348に開示されている、非ポリペプチド環状アミドのクラスに属する。代表的な環状アミドは、下記式の化合物を含む:
Figure 0005937060
(式中、nは、1、2、又は3であり;
R5は、置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子1〜10個のアルキル、炭素原子1〜10個のアルキル、及びハロからなる群からそれぞれ独立して選択された1〜4個の置換基で置換されたo-フェニレンであり;
R7は、(i)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(ii)置換されていないベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(iii)ナフチル、又は(iv)ベンジルオキシであり;
R12は、-OH、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、又は下記式の通りであり:
Figure 0005937060
R8は、水素、又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;並びに、
R9は、水素、炭素原子が1〜10個のアルキル、-COR10、又は-SO2R10であり、ここでR10は水素、炭素原子が1〜10個のアルキル、又はフェニルである。)。
一実施態様において、このクラスの具体的化合物は、下記を含むが、これらに限定されるものではない:
3-フェニル-2-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオン酸;
3-フェニル-2-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオンアミド;
3-フェニル-3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオン酸;
3-フェニル-3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオンアミド;
3-(4-メトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリン-イル)プロピオン酸;
3-(4-メトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリン-イル)プロピオンアミド;
3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオン酸;
3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)プロピオンアミド;
3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロピオンアミド;
3-(3,4-ジエトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリン-イル)プロピオン酸;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸メチル;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ブトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオンアミド;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ブトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオンアミド;
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-ブトキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸メチル;及び
3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-プロポキシ-4-メトキシフェニル)プロピオン酸メチル。
一実施態様において、その他の代表的な環状アミドは、下記式の化合物を含む:
Figure 0005937060
(式中、Zは下記式の通りであり:
Figure 0005937060
上式で、
R1は、置換されていない、或いはフェニルで置換された、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバミル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロにより置換されたフェニルで置換された、(i)3,4-ピリジン、(ii)ピロリジン、(iii)イミダゾール、(iv)ナフタレン、(v)チオフェン、又は(vi)炭素原子が2〜6個の直鎖状若しくは分枝状アルカンの2価の残基であり、ここで該残基の2価の結合は、ビシナル環炭素原子上にあるものであり;
R2は、-CO-又は-SO2-であり;
R3は、(i)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立して選択された1〜3個の置換基で置換されたフェニル、(ii)ピリジル、(iii)ピロリル、(iv)イミダゾリル、(iv)ナフチル、(vi)チエニル、(vii)キノリル、(viii)フリル、又は(ix)インドリルであり;
R4は、アラニル、アルギニル、グリシル、フェニルグリシル、ヒスチジル、ロイシル、イソロイシル、リシル、メチオニル、プロリル、サルコシル、セリル、ホモセリル、トレオニル、チロニル、チロシル、バリル、ベンズイミドール-2-イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、フェニルスルホニル、メチルフェニルスルホニル、又はフェニルカルバモイルであり;並びに
nは、1、2、又は3である。)。
一実施態様において、その他の代表的な環状アミドは、下記式の化合物を含む:
Figure 0005937060
(式中、R5は、(i)置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立して選択された1〜4個の置換基で置換されたo-フェニレン、或いは(ii)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの2価の残基であり、ここでこの2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるものであり;
R6は、-CO-、-CH2-、又は-SO2-であり;
R7は、(i)R6が-SO2-である場合に水素、(ii)炭素原子1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状アルキル、(iii)ピリジル、(iv)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(v)炭素原子が1〜10個のアルキル、(vi)置換されていないベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(vii)ナフチル、(viii)ベンジルオキシ、又は(ix)イミダゾール-4-イルメチルであり;
R12は、-OH、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、又は下記式の通りであり:
Figure 0005937060
nは、0、1、2、又は3であり;
R8'は、水素、又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;並びに
R9'は、水素、炭素原子が1〜10個のアルキル、-COR10、又は-SO2R10であり、ここでR10は水素、炭素原子が1〜10個のアルキル、又はフェニルである。)。
一実施態様において、その他の代表的なイミドは、下記式の化合物を含む:
Figure 0005937060
(式中、R7は、(i)炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状アルキル、(ii)ピリジル、(iii)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(iv)置換されていないベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されたベンジル、(v)ナフチル、(vi)ベンジルオキシ、又は(vii)イミダゾール-4-イルメチルであり;
R12は、-OH、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、-O-CH2-ピリジル、-O-ベンジル、又は下記式の通りであり:
Figure 0005937060
上式で、nは、0、1、2、又は3であり;
R8'は、水素、又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;並びに
R9'は、水素、炭素原子が1〜10個のアルキル、-CH2-ピリジル、ベンジル、-COR10、又は-SO2R10であり、ここでR10は水素、炭素原子が1〜4個のアルキル、又はフェニルである。)。
一実施態様において、その他の具体的PDE4モジュレーターは、その各々が引用により本明細書中に組み込まれているWO 99/06041及び米国特許第6,214,857号に開示されている、イミド及びアミド置換アルカノヒドロキサム酸を含む。一実施態様において、そのような化合物の例は、下記式の化合物を含むが、これらに限定されない:
Figure 0005937060
(式中、R1及びR2のそれぞれは、互いに独立して、水素、低級アルキルであるか、或いはR1及びR2は、各々が結合している図示の炭素原子と一緒になって、置換されていないo-フェニレン、o-ナフチレン、又はシクロヘキセン-1,2-ジイル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立して選択された1〜4個の置換基で置換されたo-フェニレン、o-ナフチレン、又はシクロヘキセン-1,2-ジイルであり;
R3は、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、炭素原子が1〜10個のアルキルチオ、ベンジルオキシ、炭素原子が3〜6個のシクロアルコキシ、C4-C6-シクロアルキリデンメチル、C3-C10-アルキリデンメチル、インダニルオキシ、及びハロからなる群から選択された1〜4個の置換基で置換されたフェニルであり;
R4は、水素、炭素原子が1〜6個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり;
R4'は、水素、又は炭素原子が1〜6個のアルキルであり;
R5は、-CH2-、-CH2-CO-、-SO2-、-S-、又は-NHCO-であり;並びに
nは、0、1、又は2である。)。
一実施態様において、本明細書に提供する追加の具体的PDE4モジュレーターは、下記を含むが、これらに限定されるものではない:
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-メトキシ-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
N-ベンジルオキシ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-フタルイミドプロピオンアミド;
N-ベンジルオキシ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(3-ニトロフタルイミド)プロピオンアミド;
N-ベンジルオキシ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-フタルイミドプロピオンアミド;
N-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-フタルイミドプロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(3-ニトロフタルイミド)プロピオンアミド;
N-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(4-メチル-フタルイミド)プロピオンアミド;
3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-フタルイミドプロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-2-イル)プロピオンアミド;
N-ヒドロキシ-3-{3-(2-プロポキシ)-4-メトキシフェニル}-3-フタルイミドプロピオンアミド;
3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(3,6-ジフルオロフタルイミド)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;
3-(4-アミノフタルイミド)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;
3-(3-アミノフタルイミド)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;
3-(3-アセトアミドフタルイミド)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;
N-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;
3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシ-3-(1-オキソイソインドリニル)プロピオンアミド;及び
N-ベンジルオキシ-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-(3-ニトロフタルイミド)プロピオンアミド。
一実施態様において、本明細書に提供する追加のPDE4モジュレーターは、オキソイソインジン基によりフェニル基上で置換された置換フェネチルスルホンを含む。一実施態様において、そのような化合物の例は、下記式の化合物を含む、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,020,358号に開示されたものを含むが、これらに限定されない:
Figure 0005937060
(式中、*で示される炭素原子は、キラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH2、SO2、又はCH2C=Oであり;R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、他とは独立して、水素、ハロ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又は-NR8R9であるか;或いは、隣接する炭素原子上のR1、R2、R3及びR4のいずれか2つは、示されたフェニレン環と一緒になって、ナフチリデンであり;
R5及びR6のそれぞれは、他方とは独立して、水素、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、シアノ、又は炭素原子が18個までのシクロアルコキシであり;
R7は、ヒドロキシ、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、ベンジル、又はNR8'R9'であり;
R8及びR9のそれぞれは、他方とは独立して、水素、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであるか、或いはR8及びR9の一方が水素であり他方が-COR10又は-SO2R10であるか、或いはR8及びR9が一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は、-O-、-S-又は-NH-であり;且つ
R8'及びR9'の各々は、他方とは独立して、水素、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、或いはR8'及びR9'の一方が水素であり他方が-COR10'又は-SO2R10'であり、或いはR8'及びR9'が一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は-CH2CH2X2CH2CH2-であり、ここでX2は-O-、-S-、又は-NH-である。)。
便宜上、上記化合物をフェネチルスルホンとしたが、R7がNR8'R9'である場合にスルホンアミドも含まれることが理解されよう。
一実施態様において、そのような化合物の具体的群は、YがC=O又はCH2のものである。
一実施態様において、更なるそのような化合物の具体的群は、R1、R2、R3及びR4の各々が他のものとは独立して、水素、ハロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又は-NR8R9であるものであり、ここで、R8及びR9のそれぞれは、他方とは独立して水素又はメチルであるか、或いはR8及びR9の一方は水素であり、他方は-COCH3である。
一実施態様において、R1、R2、R3及びR4のひとつが-NH2であり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素である化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R1、R2、R3及びR4のひとつが-NHCOCH3であり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素である化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R1、R2、R3及びR4のひとつが-N(CH3)2であり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素である化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、そのような化合物の更なる群は、R1、R2、R3及びR4のひとつがメチルであり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素であるものである。
一実施態様において、R1、R2、R3及びR4のひとつがフルオロであり、R1、R2、R3及びR4の残りが水素である化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R5及びR6の各々が他方とは独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロペントキシ、又はシクロへキサオキシである化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R5がメトキシであり、R6がモノシクロアルコキシ、ポリシクロアルコキシ、及びベンゾシクロアルコキシである化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R5がメトキシであり、R6がエトキシである化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R7がヒドロキシ、メチル、エチル、フェニル、ベンジル、又はNR8'R9'であり、ここでR8'及びR9'の各々が他方とは独立して、水素又はメチルである化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R7がメチル、エチル、フェニル、ベンジル、又はNR8'R9'であり、ここでR8'及びR9'の各々が他方とは独立して水素又はメチルである化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R7がメチルである化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R7がNR8'R9'であり、ここでR8'及びR9'の各々が他方とは独立して水素又はメチルである化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、追加のPDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている2003年12月29日に出願された米国特許出願第10/748,085号に開示された、フルオロアルコキシ置換1,3-ジヒドロ-イソインドリル化合物を含む。一実施態様において、代表的な化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
Yは、-C(O)-、-CH2、-CH2C(O)-、-C(O)CH2-、又はSO2であり;
Zは、-H、-C(O)R3、-(C0-1-アルキル)-SO2-(C1-4-アルキル)、-C1-8-アルキル、-CH2OH、CH2(O)(C1-8-アルキル)又は-CNであり;
R1及びR2は、それぞれ独立して、-CHF2、-C1-8-アルキル、-C3-18-シクロアルキル又は-(C1-10-アルキル)(C3-18-シクロアルキル)であり、且つR1及びR2の少なくとも一方がCHF2であり;
R3は、-NR4R5、-アルキル、-OH、-O-アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル、又は置換ベンジルであり;
R4及びR5は、それぞれ独立して-H、-C1-8-アルキル、-OH、-OC(O)R6であり;
R6は、-C1-8-アルキル、-アミノ(C1-8-アルキル)、-フェニル、-ベンジル、又は-アリールであり;
X1、X2、X3、及びX4は、それぞれ独立して、-H、-ハロゲン、-ニトロ、-NH2、-CF3、-C1-6-アルキル、-(C0-4-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C0-4-アルキル)-NR7R8、(C0-4-アルキル)-N(H)C(O)-(R8)、(C0-4-アルキル)-N(H)C(O)N(R7R8)、(C0-4-アルキル)-N(H)C(O)O(R8)、(C0-4-アルキル)-OR8、(C0-4-アルキル)-イミダゾリル、(C0-4-アルキル)-ピロリル、(C0-4-アルキル)-オキサジアゾリル、又は(C0-4-アルキル)-トリアゾリルであるか、或いはX1、X2、X3及びX4の2つを一緒に接合させて、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル環を形成することができ(例えば、X1及びX2、X2及びX3、X3及びX4、X1及びX3、X2及びX4、又はX1及びX4は、芳香族であることができる3、4、5、6、又は7員環を形成することができ、それによってイソインドリル環を持つ二環系を形成することができる。);並びに
R7及びR8は、それぞれ独立して、H、C1-9-アルキル、C3-6-シクロアルキル、(C1-6-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C1-6-アルキル)-N(R7R8)、(C1-6-アルキル)-OR8、フェニル、ベンジル、又はアリールである。)。
一実施態様において、追加のPDE4モジュレーターには、その全てが引用により本明細書中に組み込まれている、2003年3月19日に出願された米国特許出願第10/392,195号;2003年3月20日に出願された国際特許出願PCT/US03/08737及びPCT/US03/08738;G. Mullerらの両方共2003年1月7日に出願された米国特許仮出願第60/438,450号及び第60/438,448号;G. Mullerらの2003年3月5日に出願された米国特許仮出願第60/452,460号;並びに、2003年11月17日に出願された米国特許出願第10/715,184号に開示されている、鏡像異性的に純粋な化合物が含まれる。一実施態様において、本明細書に提供する化合物は、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオンの鏡像異性体、及び3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドの鏡像異性体を含む。
一実施態様において、本明細書に提供するPDE4モジュレーターは、Celgene社(ウォーレン、NJ)から入手可能な3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミド、及びシクロプロパンカルボン酸{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}-アミドである。3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミドは、下記の化学構造を有する:
Figure 0005937060
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、その各々が引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,728,844号、第5,728,845号、第5,968,945号、第6,180,644号、及び第6,518,281号と、WO 97/08143及びWO 97/23457のシクロアルキルアミド及びシクロアルキルニトリルを含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
R1及びR2の一方は、R3-X-であり、他方は水素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、又はR3-X-であり;
R3は、モノシクロアルキル、ビシクロアルキル、又は炭素原子が18個までのベンゾシクロアルキルであり;
Xは、炭素-炭素結合、-CH2-、又は-O-であり;
R5は、(i)置換されていないo-フェニレン、或いは低級アルキル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アシルアミノ、又は低級アルコキシで置換されたか、又は置換されていない、ニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、又はカルバモイルからそれぞれ独立して選択された1〜3個の置換基で置換されたo-フェニレン;(ii)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンのビシナル2価残基であって、ここでこの2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるもの;(iii)置換されていない炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル又はシクロアルケニル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択された1〜3個の置換基で置換された炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル又はシクロアルケニル;(iv)低級アルキルで二置換されたビニレン;又は、(v)置換されていないエチレン、或いは低級アルキルで一置換の又は二置換されたエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、又は-CH2CO-であり;
Yは、-COZ、-C≡N、-OR8、低級アルキル、又はアリールであり;
Zは、-NH2、-OH、-NHR9、-R9、又は-OR9であり;
R8は、水素又は低級アルキルであり;
R9は、低級アルキル又はベンジルであり;並びに
nは、0、1、2、又は3である。)。
別の実施態様において、R1及びR2の一方がR3-X-であり、他方は水素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、又はR3-X-であり;
R3は、炭素原子が10個までのモノシクロアルキル、炭素原子が10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子が10個までのベンゾ環状アルキルであり;
Xは、-CH2-、又は-O-であり;
R5は、(i)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンのビシナル2価残基であって、ここでこの2価残基の2つの結合がビシナル環炭素原子上にあるもの;
(ii)置換されていない炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択された1〜3個の置換基で置換された炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル;
(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロで置換された、二置換ビニレン;
(iv)置換されていないエチレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立して選択された1〜2個の置換基で置換されたエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、又は-CH2CO-であり;
Yは、-COX、-C≡N、-OR8、炭素原子が1〜5個のアルキル、又はアリールであり;
Xは、-NH2、-OH、-NHR、-R9、-OR9、又は炭素原子が1〜5個のアルキルであり;
R8は、水素又は低級アルキルであり;
R9は、アルキル又はベンジルであり;並びに
nは、0、1、2、又は3である。
別の実施態様において、R1及びR2の一方が、R3-X-であり、他方が水素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、HF2CO、F3CO、又はR3-X-であり;
R3は、モノシクロアルキル、ビシクロアルキル、炭素原子が18個までのベンゾシクロアルキル、テトラヒドロピラン、又はテトラヒドロフランであり;
Xは、炭素-炭素結合、-CH2-、-O-、又は-N=であり;
R5は、(i)置換されていないo-フェニレン、或いは低級アルキル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アシルアミノ、又は低級アルコキシで置換されたか、又は置換されていない、ニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、又はカルバモイルからそれぞれ独立して選択された1〜3個の置換基で置換されたo-フェニレン;(ii)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンのビシナル2価残基であって、ここでこの2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるもの;(iii)置換されていない炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル又はシクロアルケニル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボ(低級)アルコキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜10個のビシナル2価シクロアルキル又はシクロアルケニル;(iv)低級アルキルで二置換されたビニレン;又は、(v)置換されていないエチレン、或いは低級アルキルで一置換又は二置換されたエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、又は-CH2CO-であり;
Yは、-COX、-C≡N、-OR8、炭素原子が1〜5個のアルキル、又はアリールであり;
Xは、-NH2、-OH、-NHR、-R9、-OR9、又は炭素原子が1〜5個のアルキルであり;
R8は、水素又は低級アルキルであり;
R9は、アルキル又はベンジルであり;並びに
nは、0、1、2、又は3である。
一実施態様において、他の代表的化合物は、下記式である:
Figure 0005937060
(式中:
Yは、-C≡N又はCO(CH2)mCH3であり;
mは、0、1、2、又は3であり;
R5は、(i)置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立して選択された1〜3個の置換基で置換されたo-フェニレン;(ii)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの2価の残基であって、ここでこの2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるもの;(iii)置換されていない炭素原子が4〜10個の2価のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜10個の2価のシクロアルキル;(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロで置換された、二置換ビニレン;又は、(v)置換されていないエチレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立して選択された、1〜2個の置換基で置換されたエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、-CH2CO-、又は-SO2-であり;
R7は、(i)炭素原子が1〜12個の直鎖状又は分枝状アルキル;(ii)炭素原子が1〜12個の環状又は二環式アルキル;(iii)ピリジル;(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個の直鎖状、分枝状、環状、又は二環式アルキル、炭素原子が1〜10個の直鎖状、分枝状、環状、又は二環式アルコキシ、CH2RであってRが炭素原子が1〜10個の環状若しくは二環式アルキルであるもの、又はハロから、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル;(v)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群からそれぞれ独立して選択された、1〜3個の置換基で置換されたベンジル;(vi)ナフチル;又は、(vii)ベンジルオキシであり;並びに
nは、0、1、2、又は3である。)。
別の実施態様において、具体的PDE4モジュレーターは、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
R5は、(i)ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェンの2価残基であって、ここでこの2価の結合がビシナル環炭素原子上にあるもの;(ii)置換されていない炭素原子が4〜10個の2価のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜10個の2価のシクロアルキル;(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロで置換された、二置換ビニレン;又は、(iv)置換されていないエチレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロからそれぞれ独立して選択された、1〜2個の置換基で置換されたエチレンであり;
R6は、-CO-、-CH2-、-CH2CO-、又は-SO2-であり;
R7は、(i)炭素原子が4〜12個の環状又は二環式アルキル;(ii)ピリジル;(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個の直鎖状、分枝状、環状、又は二環式アルキル、炭素原子が1〜10個の直鎖状、分枝状、環状、又は二環式アルコキシ、CH2RであってRが炭素原子が1〜10個の環状若しくは二環式アルキルであるもの、又はハロから、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル;(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群からそれぞれ独立して選択された、1〜3個の置換基で置換されたベンジル;(v)ナフチル;又は、(vi)ベンジルオキシであり;
Yは、COX、-C≡N、OR8、炭素原子が1〜5個のアルキル、又はアリールであり;
Xは、-NH2、-OH、-NHR、-R9、-OR9、又は炭素原子が1〜5個のアルキルであり;
R8は、水素又は低級アルキルであり;
R9は、アルキル又はベンジルであり;並びに
nは、0、1、2、又は3である。)。
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、その各々が引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,801,195号、第5,736,570号、第6,046,221号、及び第6,284,780号の、アリールアミド(例えば、ある実施態様ではN-ベンゾイル-3-アミノ-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)-プロパンアミドである)を含むが、これらに限定されない。代表的な化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
Arは、(i)炭素原子が1〜12個の、直鎖状、分枝状、又は環状の置換されていないアルキル;(ii)炭素原子が1〜12個の、直鎖状、分枝状、又は環状の置換アルキル;(iii)フェニル;(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル;(v)ヘテロシクリル(heterocycle);又は、(vi)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたヘテロシクリルであり;
Rは、-H、炭素原子が1〜10個のアルキル、CH2OH、CH2CH2OH、又はCH2COZであって、ここでZは、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、ベンジルオキシ、又はNHR1であって、ここでR1は、H又は炭素原子が1〜10個のアルキルであり;並びに
Yは、i)置換されていないフェニル又は複素環、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、互いに独立してそれぞれ選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル又は複素環;又はii)ナフチルである。)。一実施態様において、本化合物の具体例は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
Arは、各置換基が、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された、3,4-二置換フェニルであり;
Zは、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、ベンジルオキシ、アミノ、又は炭素原子が1〜10個のアルキルアミノであり;並びに
Yは、(i)置換されていないフェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、及びハロからなる群から、互いに独立にそれぞれ選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、又は(ii)ナフチルである。)。
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,703,098号に開示されている、イミド/アミドエーテル及びアルコール(例えば、3-フタルイミド-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)プロパン-1-オール)を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式を有する:
Figure 0005937060
(式中:
R1は、(i)炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状の置換されていないアルキル;(ii)炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状の置換アルキル;(iii)フェニル;又は、(iv)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が3〜10個のシクロアルキル、炭素原子が5〜12個のビシクロアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、炭素原子が3〜10個のシクロアルコキシ、炭素原子が5〜12個のビシクロアルコキシ、及びハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニルであり;
R2は、水素、炭素原子が1〜8個のアルキル、ベンジル、ピリジルメチル、又はアルコキシメチルであり;
R3は、(i)エチレン、(ii)ビニレン、(iii)炭素原子が3〜10個の分枝状アルキレン、(iv)炭素原子が3〜10個の分枝状アルケニレン、(v)置換されていない炭素原子が4〜9個のシクロアルキレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜6個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜6個のアシルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立して選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜9個のシクロアルキレン、(vi)置換されていない炭素原子が4〜9個のシクロアルケニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜6個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜6個のアシルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立して選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜9個のシクロアルケニレン、(vii)置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜6個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜6個のアシルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜12個のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立して選択された1個以上の置換基で置換されたo-フェニレン、(viii)ナフチル、又は(ix)ピリジルであり;
R4は、-CX-、-CH2-又は-CH2CX-であり;
Xは、O又はSであり;並びに
nは、0、1、2、又は3である。)。
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,658,940号に開示されている、スクシンイミド及びマレイミド(例えば、3-(3',4',5'6'-ペトラヒドロフタルイムド)-3-(3",4"-ジメトキシフェニル)プロピオン酸メチル)を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は下記式である:
Figure 0005937060
(式中:
R1は、-CH2-、-CH2CO-、又は-CO-であり;
R2及びR3は一緒になって、(i)置換されていないエチレン、或いは炭素原子が1〜10個のアルキル又はフェニルで置換されたエチレン、(ii)炭素原子が1〜10個のアルキル及びフェニルからなる群から、それぞれ他方とは独立して選択された2個の置換基で置換されたビニレン、又は、(iii)置換されていない炭素原子が5〜10個の2価のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたか若しくは置換されていないカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、ノルボルニル、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が5〜10個の2価のシクロアルキルであり;
R4は、(i)炭素原子が4〜8個の直鎖状又は分枝状の置換されていないアルキル、(ii)置換されていない炭素原子が5〜10個のシクロアルキル又はビシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個の分枝状、直鎖状、又は環状アルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が5〜10個のシクロアルキル又はビシクロアルキル、(iii)ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、炭素原子が3〜10個のシクロアルキル又はビシクロアルキル、炭素原子が3〜10個のシクロアルコキシ又はビシクロアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群から、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(iv)置換されていないピリジン又はピロリジン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニル、又はハロからなる群からそれぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたピリジン又はピロリジンであり;
R5は、-COX、-CN、-CH2COX、炭素原子が1〜5個のアルキル、アリール、-CH2OR、-CH2アリール、又は-CH2OHであり、
Xは、NH2、OH、NHR、又はOR6であり、
Rは、低級アルキルであり;並びに
R6は、アルキル又はベンジルである。)。
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,429,221号に開示されている置換イミド(例えば、2-フタルイミド-3-(3',4'-ジメトキシフェニル)プロパン)を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式を有する:
Figure 0005937060
(式中:
R1は、(i)炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状アルキル、(ii)フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個の直鎖状又は分枝状アルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル、(iii)ベンジル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたベンジル、又は、(iv)-Y-Phであり、ここでYが、炭素原子が1〜12個の直鎖状、分枝状、又は環状アルキルであり、且つPhが、フェニル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ他とは独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニルであり;
R2は、-H、炭素原子が1〜10個の分枝状又は非分枝状アルキル、フェニル、ピリジル、ヘテロシクリル、-CH2-アリール、又は-CH2-ヘテロシクリルであり;
R3は、i)エチレン、ii)ビニレン、iii)炭素原子が3〜10個の分枝状アルキレン、iv)炭素原子が3〜10個の分枝状アルケニレン、v)置換されていない炭素原子が4〜9個のシクロアルキレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ独立して選択された1〜2個の置換基で置換された炭素原子が4〜9個のシクロアルキレン、vi)置換されていない炭素原子が4〜9個のシクロアルケニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ独立して選択された1〜2個の置換基で置換された炭素原子が4〜9個のシクロアルケニレン、又は、vii)置換されていないo-フェニレン、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、又はハロから、それぞれ独立して選択された1〜2個の置換基で置換されたo-フェニレンであり;
R4は、-CX、又は-CH2-であり;並びに
Xは、O又はSである。)。
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,326,388号に開示された置換1,3,4-オキサジアゾール(例えば、2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)エチル]-5-メチルイソインドリン-1,3-ジオン)を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
*で示される炭素原子はキラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH2、SO2又はCH2C=Oであり;
Xは、水素、又は炭素原子が1〜4個のアルキルであり;
R1、R2、R3、及びR4のそれぞれは、他のものとは独立して、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アセチル、炭素原子が1〜8個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、-CH2NR8R9、-(CH2)2NR8R9、又は-NR8R9であり、或いは
隣接する炭素原子上のR1、R2、R3、及びR4のいずれか2つは、示されるベンゼン環と一緒になって、ナフチリデン、キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、又は2-ヒドロキシベンゾイミダゾールであり;
R5及びR6のそれぞれは、他方とは独立して、水素、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜6個のアルコキシ、シアノ、ベンゾシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのビシロアルコキシ(bicyloalkoxy)、炭素原子が18個までのトリシルコアルコキシ(tricylcoalkoxy)、又は炭素原子が18個までのシクロアルキルアルコキシであり;
R8及びR9のそれぞれは、他方とは独立して、水素、炭素原子が1〜8個の直鎖状又は分枝状アルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリジルメチルであるか、或いはR8及びR9の一方が水素であり他方が-COR10若しくは-SO2R10であるか、或いはR8及びR9が一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、-CH=NCH=CH-、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、但しX1は、-O-、-S-、又は-NH-であり;
R10は、水素、炭素原子が1〜8個のアルキル、シクロアルキル、炭素原子が6個までのシクロアルキルメチル、フェニル、ピリジル、ベンジル、イミダゾリルメチル、ピリジルメチル、NR11R12、CH2R14R15、又はNR11R12であり、
但しR14及びR15は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、又はプロピルであり;並びに
R11及びR12は、互いに独立して、水素、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルである。)。
一実施態様において、本化合物の具体例は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
*で示される炭素原子はキラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH2、SO2又はCH2C=Oであり;
Xは、水素、又は炭素原子が1〜4個のアルキルであり;
(i)R1、R2、R3及びR4のそれぞれは、他のものとは独立して、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アセチル、炭素原子が1〜8個のアルキル、炭素原子が1〜4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、-CH2NR8R9、-(CH2)2NR8R9、又は-NR8R9であり、或いは
(ii)隣接する炭素原子上のR1、R2、R3及びR4のいずれか2つは、これらが結合される示されたベンゼン環と一緒になって、ナフチリデン、キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、又は2-ヒドロキシベンゾイミダゾールであり;
R5及びR6のそれぞれは、他方とは独立して、水素、炭素原子が1〜4個のアルキル、炭素原子が1〜6個のアルコキシ、シアノ、ベンゾシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのシクロアルコキシ、炭素原子が18個までのビシロアルコキシ、炭素原子が18個までのトリシルコアルコキシ、又は炭素原子が18個までのシクロアルキルアルコキシであり;
(i)R8及びR9のそれぞれは、他方とは独立して、水素、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリジルメチルであり、又は
(ii)R8及びR9の一方が水素であり、他方が-COR10又は-SO2R10であり、ここでR10は、水素、炭素原子が1〜8個のアルキル、シクロアルキル、炭素原子が6個までのシクロアルキルメチル、フェニル、ピリジル、ベンジル、イミダゾリルメチル、ピリジルメチル、NR11R12、又はCH2NR14R15であり、ここでR11及びR12は、互いに独立して、水素、炭素原子が1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、R14及びR15は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、又はプロピルであり;又は
(iii)R8及びR9は、一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、-CH=NCH=CH-、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は、-O-、-S-、又は-NH-である。)。
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、各々引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,929,117号、第6,130,226号、第6,262,101号、及び第6,479,554号に開示されている、置換スチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体(例えば、3,3-ビス-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリロニトリル)を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
(a)Xは、-O-又は-(CnH2n)-であり、ここでnは、0、1、2、又は3であり、R1は、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が10個までのモノシクロアルキル、炭素原子が10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子が10個までのベンゾ環式アルキルであり、或いは
(b)Xは、-CH=であり、R1は、炭素原子が10個までのアルキリデン、炭素原子が10個までのモノシクロアルキリデン、又は炭素原子が10個までのビシクロアルキリデンであり;
R2は、水素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルキリデンメチル、低級アルコキシ、又はハロであり;
R3は、(i)置換されていないフェニル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜5個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が10個までのアルキル、炭素原子が10個までのシクロアルキル、炭素原子が10個までのアルコキシ、炭素原子が10個までのシクロアルコキシ、炭素原子が10個までのアルキリデンメチル、炭素原子が10個までのシクロアルキリデンメチル、フェニル、又はメチレンジオキシからそれぞれ独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル;(ii)ピリジン、置換ピリジン、ピロリジン、イミダゾール、ナフタレン、又はチオフェン;(iii)置換されていない炭素原子数が4〜10個のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、フェニルからそれぞれ独立して選択された1以上の置換基で置換された炭素原子数が4〜10個のシクロアルキルであり;
R4及びR5のそれぞれは、個々に水素であるか、或いはR4及びR5は、一緒になって炭素-炭素結合であり;
Yは、-COZ、-C≡N、又は炭素原子が1〜5個の低級アルキルであり;
Zは、-OH、-NR6R6、-R7、又は-OR7であり;R6は、水素又は低級アルキルであり;並びに、
R7は、アルキル又はベンジルである。)。
一実施態様において、本化合物の具体例は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
(a)Xは、-O-又は-(CnH2n)-であり、ここでnは、0、1、2、又は3であり、R1は、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が10個までのモノシクロアルキル、炭素原子が10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子が10個までのベンゾ環式アルキルであり、或いは
(b)Xは、-CH=であり、R1は、炭素原子が10個までのアルキリデン、炭素原子が10個までのモノシクロアルキリデン、又は炭素原子が10個までのビシクロアルキリデンであり;
R2は、水素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルキリデンメチル、低級アルコキシ、又はハロであり;
R3は、置換されていないピロリジン、イミダゾール、又はチオフェン、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択された1個以上の置換基で置換されたピロリジン、イミダゾール、又はチオフェンであり;
R4及びR5のそれぞれは、個々に水素であるか、或いはR4及びR5は、一緒になって炭素-炭素結合であり;
Yは、-COZ、-C≡N、又は炭素原子が1〜5個の低級アルキルであり;
Zは、-OH、-NR6R6、-R7、又は-OR7であり;R6は、水素原子又は低級アルキルであり;並びに、
R7は、アルキル又はベンジルである。)。
一実施態様において、下記式のニトリル化合物を本明細書に提供する:
Figure 0005937060
(式中:
(a)Xは、-O-又は-(CnH2n)-であり、ここでnは、0、1、2、又は3であり、R1は、炭素原子が10個までのアルキル、炭素原子が10個までのモノシクロアルキル、炭素原子が10個までのポリシクロアルキル、又は炭素原子が10個までのベンゾ環式アルキルであるか、或いは
(b)Xは、-CH=であり、R1は、炭素原子が10個までのアルキリデン、又は炭素原子が10個までのモノシクロアルキリデンであり;
R2は、水素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、又はハロであり;並びに
R3は、(i)置換されていないフェニル又はナフチル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、又は炭素原子が1〜3個のアルキルで置換されたカルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜5個のアルキルで置換されたアミノ、炭素原子が1〜10個のアルコキシ又はシクロアルコキシから、それぞれ独立して選択された1個以上の置換基で置換されたフェニル又はナフチル;或いは、(ii)置換されていない炭素原子が4〜10個のシクロアルキル、或いはニトロ、シアノ、ハロ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、置換アミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、又はフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択された1個以上の置換基で置換された炭素原子が4〜10個のシクロアルキルである。)。
一実施態様において、下記式のニトリルを本明細書に提供する:
Figure 0005937060
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれているWO 01/34606及び米国特許第6,667,316号に開示されている、2位でα-(3,4-二置換フェニル)アルキル基により置換され、且つ4位及び/又は5位で窒素含有基により置換された、イソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオンを含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
X及びX'の一方は、=C=O又は=SO2であり、且つX及びX'の他方は、=C=O、=CH2、=SO2又は=CH2C=Oであり;
nは、1、2又は3であり;
R1及びR2は、それぞれ独立して、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、シアノ、(C3-C18)シクロアルキル、(C3-C18)シクロアルコキシ、又は(C3-C18)シクロアルキル-メトキシであり;
R3は、SO2-Y、COZ、CN又は(C1-C6)ヒドロキシアルキルであり、ここで:
Yは、(C1-C6)アルキル、ベンジル、又はフェニルであり;
Zは、-NR6R7、(C1-C6)アルキル、ベンジル、又はフェニルであり;
R6は、H、(C1-C4)アルキル、(C3-C18)シクロアルキル、(C2-C5)アルカノイル、ベンジル、又はフェニルであり、このそれぞれは、任意に、ハロ、アミノ、又は(C1-C4)アルキル-アミノで置換することができるものであり;
R7は、H又は(C1-C4)アルキルであり;
R4及びR5は一緒になって、-NH-CH2-R8-、NH-CO-R8-、又は-N=CH-R8-を提供し;
ここでR8は、CH2、O、NH、CH=CH、CH=N、又はN=CHであるか;或いは
R4及びR5の一方がHであり、R4及びR5の他方がイミダゾイル、ピロリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、又は式(A)の構造であり、
Figure 0005937060
上式で、zは、0又は1であり;
R9は:H;ハロ、アミノ、(C1-C4)アルキル-アミノ、又は(C1-C4)ジアルキル-アミノで任意に置換された(C1-C4)アルキル、(C3-C18)シクロアルキル、(C2-C5)アルカノイル、又は(C4-C6)シクロアルカノイル;フェニル;ベンジル;ベンゾイル;(C2-C5)アルコキシカルボニル;(C3-C5)アルコキシアルキルカルボニル;N-モルホリノカルボニル;カルバモイル;(C1-C4)アルキルで置換されたN-置換カルバモイル;又は、メチルスルホニルであり;並びに
R10は、H、(C1-C4)アルキル、メチルスルホニル、又は(C3-C5)アルコキシアルキルカルボニルであるか;又は
R9及びR10は一緒に、任意にアミノ、(C1-C4)アルキル-アミノ、又は(C1-C4)ジアルキル-アミノで置換された-CH=CH-CH=CH-、-CH=CH-N=CH-、又は(C1-C2)アルキリデンを提供するか;又は
R4及びR5は、共に式(A)の構造である。)。
一実施態様において、(i)R3が、-SO2-Y、-COZ、又は-CNであり、且つ(ii)R4又はR5の一方が、水素である場合、zは0ではない。別の実施態様において、R9及びR10は一緒になって、アミノ、(C1-C4)アルキル-アミノ、又は(C1-C4)ジアルキル-アミノで置換された、-CH=CH-CH=CH-、-CH=CH-N=CH-、又は(C1-C2)アルキリデンである。別の実施態様において、R4及びR5は共に、式(A)の構造である。
一実施態様において、具体的化合物は、下記式のもの、並びにそれらの鏡像異性体である:
Figure 0005937060
別の実施態様において、具体的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
一実施態様において、更なる例は:2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4,5-ジニトロイソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4,5-ジアミノイソインドリン-1,3-ジオン;7-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-3-ピロリノ[3,4-e]ベンゾイミダゾール-6,8-ジオン;7-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]ヒドロ-3-ピロリノ[3,4-e]ベンゾイミダゾール-2,6,8-トリオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-3-ピロリノ[3,4-f]キノキサリン-1,3-ジオン;シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;2-クロロ-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;2-アミノ-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;2-N,N-ジメチルアミノ-N-{2-[-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}-2,2,2-トリフルオロアセトアミド;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}メトキシカルボキサミド;4-[1-アザ-2-(ジメチルアミノ)ビニル]-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]イソインドリン-1,3-ジオン;4-[1-アザ-2-(ジメチルアミノ)プロパ-1-エニル]-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;4-(アミノメチル)-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-(ピロリルメチル)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1S-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1S-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;4-アミノ-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチルイソインドリン-1,3-ジオン;4-アミノ-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;2-クロロ-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドール-4-イル}アセトアミド;2-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;4-アミノ-2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]イソインドリン-1,3-ジオン;4-アミノ-2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;2-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1R-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;シクロペンチル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;3-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}プロパンアミド;2-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}プロパンアミド;N-{2-[(1R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}-2-(ジメチルアミノ)アセトアミド;N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}-2-(ジメチルアミノ)アセトアミド;4-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]ピロリル}-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン-1,3-ジオン;シクロプロピル-N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;2-[1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;N-{2-[1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}-2-(ジメチルアミノ)アセトアミド;シクロプロピル-N-{2-[1-(3,4-ジメトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;シクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;2-(ジメチルアミノ)-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;シクロプロピル-N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;シクロプロピル-N-{2-[(1R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;(3R)-3-[7-(アセチルアミノ)-1-オキソイソインドリン-2-イル]-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;(3R)-3-[7-(シクロプロピルカルボニルアミノ)-1-オキソイソインドリン-2-イル]-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;3-{4-[2-(ジメチルアミノ)アセチルアミノ]-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル}-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;(3R)-3-[7-(2-クロロアセチルアミノ)-1-オキソイソインドリン-2-イル]-3-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;(3R)-3-{4-[2-(ジメチルアミノ)アセチルアミノ]-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル}-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;3-(1,3-ジオキソ-4-ピロリルイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルプロパンアミド;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4-(イミダゾリル-メチル)イソインドリン-1,3-ジオン;N-({2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}メチル)アセトアミド;2-クロロ-N-({2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}メチル)アセトアミド;2-(ジメチルアミノ)-N-({2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}メチル)アセトアミド;4-[ビス(メチルスルホニル)アミノ]-2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]イソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4-[(メチルスルホニル)アミノ]イソインドリン-1,3-ジオン;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシペンチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソペンチル]1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;2-[(1R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-4-(ピロリルメチル)イソインドリン-1,3-ジオン;2-[(1R)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-(ピロリルメチル)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;N-{2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル}アセトアミド;2-[1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-ピロリルイソインドリン-1,3-ジオン;2-[1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソブチル]-4-[ビス(メチルスルホニル)アミノ]イソインドリン-1,3-ジオン;並びに、それらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び立体異性体を含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、他の具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれているWO 01/45702及び米国特許第6,699,899号に開示された、イミド及びアミド置換アシルヒドロキサム酸(例えば、プロパン酸(3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)プロパノイルアミノ)を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
*で示される炭素原子はキラル中心を構成し、
R4は、水素又は-(C=O)-R12であり、
R1及びR12のそれぞれは、互いに独立して、炭素原子が1〜6個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジルメチル、ピリジル、イミダゾリル、イミダゾリルメチル、又は、CHR*(CH2)nNR*R0であり、ここで、R*及びR0は他方とは独立して、水素、炭素原子が1〜6個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジルメチル、ピリジル、イミダゾイル、又はイミダゾリルメチルであり、且つn=0、1、又は2であり;
R5は、C=O、CH2、CH2-CO-、又はSO2であり;
R6及びR7のそれぞれは、他方とは独立して、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、炭素原子が1〜6個のアルキル、炭素原子が1〜6個のアルコキシ、炭素原子が3〜8個のシクロアルコキシ、ハロ、炭素原子が18個までのビシクロアルキル、炭素原子が18個までのトリシクロアルコキシ、1-インダニルオキシ、2-インダニルオキシ、C4-C8-シクロアルキリデンメチル、又はC3-C10-アルキリデンメチルであり;
R8、R9、R10、及びR11のそれぞれは、他のものとは独立して
(i)水素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、炭素原子が1〜10個のアルキル、炭素原子が1〜10個のアルコキシ、ハロであるか、又は
(ii)R8、R9、R10及びR11のひとつは、低級アルキルを含むアシルアミノであり、残りのR8、R9、R10及びR11は水素であるか、又は
(iii)R8及びR9が一緒になってベンゾ、キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、メチレンジオキシ、ジアルコキシ、又はジアルキルである場合、水素であるか、又は、
(iv)R10及びR11が一緒になってベンゾ、キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、メチレンジオキシ、ジアルコキシ、又はジアルキルである場合、水素であるか、又は
(v)R9及びR10が一緒になってベンゾである場合、水素である。)。
一実施態様において、具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている2004年3月12日に出願された米国特許出願第10/798,317号に開示された、7-アミド-イソインドリル化合物を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的化合物は下記式のものであるか:
Figure 0005937060
(式中:
Yは、-C(O)-、-CH2、-CH2C(O)-又はSO2であり;
Xは、Hであり;
Zは、(C0-4-アルキル)-C(O)R3、C1-4-アルキル、(C0-4-アルキル)-OH、(C1-4-アルキル)-O(C1-4-アルキル)、(C1-4-アルキル)-SO2(C1-4-アルキル)、(C0-4-アルキル)-SO(C1-4-アルキル)、(C0-4-アルキル)-NH2、(C0-4-アルキル)-N(C1-8-アキル(akyl))2、(C0-4-アルキル)-N(H)(OH)、又はCH2NSO2(C1-4-アルキル)であり;
R1及びR2は、独立して、C1-8-アルキル、シクロアルキル、又は(C1-4-アルキル)シクロアルキルであり;
R3は、NR4R5、OH、又は0-(C1-8-アルキル)であり;
R4は、Hであり;
R5は、-OH、又は-OC(O)R6であり;並びに
R6は、C1-8-アルキル、アミノ-(C1-8-アルキル)、(C1-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、C3-6-シクロアルキル、フェニル、ベンジル、又はアリールである。);
又は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
Yは、-C(O)-、-CH2、-CH2C(O)-、又はSO2であり;
Xは、ハロゲン、-CN、-NR7R8、-NO2、又は-CF3であり;
Zは、(C0-4アルキル)-SO2(C1-4-アルキル)、-(C0-4-アルキル)-CN、-(C0-4-アルキル)-C(O)R3、C1-4-アルキル、(C0-4-アルキル)OH、(C0-4-アルキル)O(C1-4-アルキル)、(C0-4-アルキル)SO(C1-4-アルキル)、(C0-4-アルキル)NH2、(C0-4-アルキル)N(C1-8-アルキル)2、(C0-4-アルキル)N(H)(OH)、(C0-4-アルキル)-ジクロロピリジン又は(C0-4-アルキル)NSO2(C1-4-アルキル)であり;
Wは、-C3-6-シクロアルキル、-(C1-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、-(C0-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)-NR7R8、(C0-8-アルキル)-NR7R8、(C0-4-アルキル)-CHR9-(C0-4-アルキル)-NR7R8であり;
R1及びR2は、独立して、C1-8-アルキル、シクロアルキル、又は(C1-4-アルキル)シクロアルキルであり;
R3は、C1-8-アルキル、NR4R5、OH、又はO-(C1-8-アルキル)であり;
R4及びR5は、独立して、H、C1-8-アルキル、(C0-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、OH、又は-OC(O)R6であり;
R6は、C1-8-アルキル、(C0-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、アミノ-(C1-8-アルキル)、フェニル、ベンジル、又はアリールであり;
R7及びR8は、それぞれ独立して、H、C1-8-アルキル、(C0-8-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、フェニル、ベンジル、アリールであるか、或いはこれらを接続する原子と一緒になって、3〜7員ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール環を形成することができ;並びに
R9は、C1-4アルキル、(C0-4-アルキル)アリール、(C0-4-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C0-4-アルキル)-ヘテロシクリルである。)。
別の実施態様において、Wは下記式の通りである:
Figure 0005937060
別の実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
R1、R2及びR3は、R1、R2及びR3の少なくともひとつがHではないことを条件に、独立して、H、又はC1-8-アルキルである。)。
一実施態様において、具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている2004年7月28日に出願された米国特許出願第10/900,332号に開示されているイソインドリン化合物を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的な化合物は、下記の表1に列挙した化合物、並びにそれらの医薬として許容し得るプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物、及び立体異性体を含む:
Figure 0005937060
Figure 0005937060
別の実施態様において、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4,5-ジニトロイソインドリン-1,3-ジオン及びその酸付加塩を本明細書に提供する。一実施態様において、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4,5-ジニトロイソインドリン-1,3-ジオン塩酸塩を本明細書に提供する。
一実施態様において、具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている2004年7月28日に出願された米国特許出願第10/900,270号に開示されているイソインドリン化合物を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、代表的な化合物は、下記の化学構造を有するシクロプロパンカルボン酸{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル-エチル]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}-アミド、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、及び立体異性体である:
Figure 0005937060
一実施態様において、具体的PDE4モジュレーターは、各々引用により本明細書中に組み込まれている2003年3月12日に出願された米国特許仮出願第60/454,149号、及びManらの米国特許出願第10/798,372号として2004年3月12日に出願された「N-アルキル-ヒドロキサム酸-イソインドリル化合物及びその医薬用途」と題するその米国特許非仮出願に開示されたN-アルキル-ヒドロキサム酸-イソインドリル化合物を含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
Yは、-C(O)-、-CH2、-CH2C(O)-又はSO2であり;
R1及びR2は、独立して、C1-8-アルキル、CF2H、CF3、CH2CHF2、シクロアルキル、又は(C1-8-アルキル)シクロアルキルであり;
Z1は、H、C1-6-アルキル、-NH2-NR3R4又はOR5であり;
Z2は、H又はC(O)R5であり;
X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、NO2、OR3、CF3、C1-6-アルキル、(C0-4-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C0-4-アルキル)-N-(R8R9)、(C0-4-アルキル)-NHC(O)-(R8)、(C0-4-アルキル)-NHC(O)CH(R8)(R9)、(C0-4-アルキル)-NHC(O)N(R8R9)、(C0-4-アルキル)-NHC(O)O(R8)、(C0-4-アルキル)-O-R8、(C0-4-アルキル)-イミダゾリル、(C0-4-アルキル)-ピロリル、(C0-4-アルキル)オキサジアゾリル、(C0-4-アルキル)-トリアゾリル又は(C0-4-アルキル)-ヘテロシクリルであり;
R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、H、C1-6-アルキル、O-C1-6-アルキル、フェニル、ベンジル、又はアリールであり;
R6及びR7は、独立して、H又はC1-6-アルキルであり;並びに
R8及びR9は、それぞれ独立して、H、C1-9-アルキル、C3-6-シクロアルキル、(C1-6-アルキル)-(C3-6-シクロアルキル)、(C0-6-アルキル)-N(R4R5)、(C1-6-アルキル)-OR5、フェニル、ベンジル、アリール、ピペリジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、又はC3-7-ヘテロシクロアルキルである。)。
一実施態様において、具体的PDE4モジュレーターは、引用により本明細書中に組み込まれている2004年3月5日に出願された米国特許出願第10/794,931号に開示されたジフェニルエチレン化合物を含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
R1は、-CN、低級アルキル、-COOH、-C(O)-N(R9)2、-C(O)-低級アルキル、-C(O)-ベンジル、-C(O)O-低級アルキル、-C(O)O-ベンジルであり;
R4は、-H、-NO2、シアノ、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアルコキシ、ハロゲン、-OH、-C(0)(R10)2、-COOH、-NH2、-OC(O)-N(R10)2であり;
R5は、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアルコキシ、或いは置換又は非置換のアルケニルであり;
Xは、置換又は非置換のフェニル、置換又は非置換のピリジン、置換又は非置換のピロリジン、置換又は非置換のイミダゾール、置換又は非置換のナフタレン、置換又は非置換のチオフェン、或いは置換又は非置換のシクロアルキルであり;
R9は、その出現のたびに独立して、-H、或いは置換又は非置換の低級アルキルであり;並びに
R10は、その出現のたびに独立して、-H、或いは置換又は非置換の低級アルキルである。)。別の実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
R1及びR2は、独立して、-H、-CN、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアルケニル、置換又は非置換のアルキニル、-COOH、-C(O)-低級アルキル、-C(O)O-低級アルキル、-C(O)-N(R9)2、置換又は非置換のアリール、或いは置換又は非置換のヘテロシクリルであり;
Ra、Rb、Rc及びRdは、その出現のたびに独立して、-H、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R3は、-H、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2-であるか、或いはR3は、Ra又はR4のいずれかと一緒になって、-O-C(R16R17)O-若しくは-O-(C(R16R17))2-O-を形成し;
R4は、-H、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R5は、-H、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(0)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R6は、-H、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R7は、-H、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(O)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であり;
R8は、-H、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアルコキシ、ハロゲン、シアノ、-NO2、-OH、-OPO(OH)2、-N(R9)2、-OC(O)-R10、-OC(O)-R10-N(R10)2、-C(O)N(R10)2、-NHC(O)-R10、-NHS(O)2-R10、-S(O)2-R10、-NHC(O)NH-R10、-NHC(O)N(R10)2、-NHC(O)NHSO2-R10、-NHC(O)-R10-N(R10)2、-NHC(0)CH(R10)(N(R9)2)、又は-NHC(O)-R10-NH2であるか、或いはR8は、Rc又はR7のいずれかと一緒に、-O-C(R16R17)-O-又は-O-(C(R16R17))2-O-を形成し;
R9は、その出現のたびに独立して、-H、置換又は非置換の低級アルキル、或いは置換又は非置換のシクロアルキルであり;
R10は、その出現のたびに独立して、置換又は非置換の低級アルキル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換の低級ヒドロキシアルキルであるか、或いは、R10とそれに結合する窒素は、置換又は非置換のヘテロシクリルを形成するか、或いはR10は、適切な場合-Hであり;並びに
R16及びR17は、その出現のたびに独立して、-H又はハロゲンである。)。
一実施態様において、本明細書に提供する化合物は、各々下記構造を有する、2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン、及びシクロプロピル-N-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグである:
Figure 0005937060

別の実施態様においては、これらの化合物の立体異性体も包含される。
一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060

別の実施態様において、この化合物の立体異性体も、本明細書に提供する。一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060

一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060
一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060

別の実施態様において、この化合物の立体異性体も本明細書に提供する。一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060
一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060
一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060

別の実施態様において、この化合物の立体異性体も本明細書に提供する。一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060

一実施態様において、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、本明細書に提供する:
Figure 0005937060
一実施態様において、免疫調節化合物、及びそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、及び/又はプロドラッグを本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、及びプロドラッグを本明細書に提供する。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「免疫調節化合物」は、LPS誘導性単球のTNF-α、IL-1β、IL-12、IL-6、MIP-1α、MCP-1、GM-CSF、G-CSF、及び/又はCOX-2産生を阻害する、いくつかの小型有機分子を包含している。具体的免疫調節化合物は、本明細書の別所において考察している。
一実施態様において、TNF-αは、急性炎症時にマクロファージ及び単球により産生された炎症サイトカインである。TNF-αは、細胞内の多様な範囲のシグナル伝達事象を担っている。特定の理論により限定されるものではないが、本明細書に提供する免疫調節化合物により発揮される生物学的作用の一つは、骨髄細胞のTNF-α産生の低下である。本明細書に提供する免疫調節化合物は、TNF-α mRNAの分解を増強することができる。
一実施態様において、理論により限定されるものではないが、本明細書に提供する免疫調節化合物はまた、T細胞の強力な共刺激因子であり、且つ用量依存的様式で細胞増殖を劇的に増加することもできる。一実施態様において、本明細書に提供する免疫調節化合物はまた、CD4+ T細胞サブセットよりもCD8+ T細胞サブセットに対し、より大きい共刺激作用を有することができる。一実施態様において、本化合物は、骨髄細胞反応に対する抗炎症特性を有し、更にT細胞を効果的に共刺激し、より多量のIL-2、IFN-γを産生し、且つT細胞増殖及びCD8+ T細胞の細胞傷害性を増強する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、本明細書に提供する免疫調節化合物は、サイトカイン活性化を介して間接的に、並びにナチュラルキラー("NK")細胞及びナチュラルキラーT("NKT")細胞に対し直接的にの両方で作用することが可能であり、且つNK細胞の、非限定的にIFN-γなどの有益なサイトカインを産生する能力及びNK細胞及びNKT細胞の細胞傷害性を増大する能力を増強する。
一実施態様において、免疫調節化合物の具体例は、米国特許第5,929,117号に開示されたもののような、置換スチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体;米国特許第5,874,448号及び第5,955,476号に開示されたもののような、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン;米国特許第5,798,368号に記載されている、四置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン;非限定的に、米国特許第5,635,517号、第6,281,230号、第6,316,471号、第6,403,613号、第6,476,052号及び第6,555,554号に開示されたものを含む、1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン(例えば、サリドマイドの4-メチル誘導体)、置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドール;米国特許第6,380,239号に記載されている、インドリン環の4位又は5位で置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリン(例えば、4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-4-カルバモイルブタン酸);米国特許第6,458,810号に記載されている、2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルにより2-位で置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオン(例えば、2-(2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシ-5-フルオロピペリジン-5-イル)-4-アミノイソインドリン-1-オン);米国特許第5,698,579号及び第5,877,200号に開示されている、非-ポリペプチド環状アミドのクラス;並びに、2003年3月6日に公開された米国特許公報第2003/0045552号、2003年5月22日に公開された米国特許公報第2003/0096841号、及び国際出願第PCT/US01/50401号(国際公開公報第WO 02/059106号)に開示されたもののような、イソインドール-イミド化合物を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書に指定する各特許及び特許出願の全体は、引用により本明細書中に組み込まれている。一実施態様において、免疫調節化合物は、サリドマイドを含まない。
一実施態様において、本明細書に提供する様々な免疫調節化合物は、ひとつ以上のキラル中心を含み、且つ鏡像異性体のラセミ混合物又はジアステレオマーの混合物として存在することができる。そのような化合物の立体異性的に純粋な形のものの使用に加え、これらの形の混合物の使用を、本明細書に提供する。例えば等量の又は等量ではない本明細書に提供する免疫調節化合物の鏡像異性体を含む混合物を、本明細書に提供する方法及び組成物に使用してよい。これらの異性体は、不斉合成されるか、又はキラルカラム若しくはキラル分割剤などの標準技術を用い分割されることができる。例えば、Jacques, J.らの文献、「鏡像異性体、ラセミ体及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)」(Wiley-Interscience社、ニューヨーク、1981);Wilen, S. H.らの文献、Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E. L.の文献、「炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)」(McGraw-Hill社、NY、1962);及び、Wilen, S. H.の文献、「分割剤及び光学分割一覧(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions)」、268頁(E.L. Eliel編集、Univ. of Notre Dame Press、ノートルダム、IN、1972)を参照されたい。
一実施態様において、本明細書に提供する免疫調節化合物は、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,635,517号に説明されたような、ベンゾ環においてアミノにより置換された1-オキソ-及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンを含むが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、下記構造Iを有する:
Figure 0005937060
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、且つR2は、水素又は低級アルキルであり、一実施態様において、メチルである。
一実施態様において、具体的免疫調節化合物は、下記のもの:
Figure 0005937060
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;
Figure 0005937060
1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;及び
Figure 0005937060
1,3-ジオキソ-2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドール、並びにそれらの光学的に純粋な異性体を含むが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、標準的合成方法により得ることができる(例えば、引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第5,635,517号参照)。これらの化合物は、Celgene社(ウォーレン、NJ)からも入手可能である。
本明細書に使用するように、及び他に特定しない限りは、用語「光学的に純粋」とは、化合物の1つの光学異性体を含み、且つその化合物の他の異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の光学的に純粋な組成物は、その化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まないであろう。2つのキラル中心を有する化合物の光学的に純粋な組成物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないであろう。典型的な光学的に純粋な化合物は、化合物の1つの鏡像異性体を約80重量%以上及びその化合物の他の鏡像異性体を約20重量%未満、化合物の1つの鏡像異性体を約90重量%以上及びその化合物の他の鏡像異性体を約10重量%未満、化合物の1つの鏡像異性体を約95重量%以上及びその化合物の他の鏡像異性体を約5重量%未満、化合物の1つの鏡像異性体を約97重量%以上及びその化合物の他の鏡像異性体を約3重量%未満、又は化合物の1つの鏡像異性体を約99重量%以上及びその化合物の他の鏡像異性体を約1重量%未満含む。
一実施態様において、本明細書に提供する他の具体的免疫調節化合物は、その各々が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第6,281,230号;第6,316,471号;第6,335,349号;及び、第6,476,052号、並びに国際特許出願第PCT/US97/13375号(国際公開公報第WO 98/03502号)に開示されたものなどの、置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールのクラスに属する。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3、及びR4の各々は他から独立して、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3、及びR4の1つは-NHR5であり、且つR1、R2、R3、及びR4の残りは水素であり;
R5は、水素又は炭素原子1〜8個のアルキルであり;
R6は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンジル、又はハロであり;
但し、X及びYがC=Oであり、且つ(i)R1、R2、R3、及びR4の各々がフルオロであるか、又は(ii)R1、R2、R3、若しくはR4のひとつがアミノである場合、R6は水素以外であることを条件とする。)。
一実施態様において、このクラスの代表的な化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
R1は、水素又はメチルである。)。個別の実施態様において、これらの化合物の鏡像異性的に純粋な形(例えば、光学的に純粋な(R)又は(S)鏡像異性体)の使用を本明細書に提供する。
一実施態様において、本明細書に提供する他の具体的免疫調節化合物は、各々が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許出願公開第US 2003/0096841号及び第US 2003/0045552号、並びに国際出願第PCT/US01/50401号(国際公開公報第WO 02/059106号)に開示されている、イソインドール-イミドのクラスに属する。一実施態様において、代表的化合物は、式IIのものである:
Figure 0005937060
(式中:
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
R1は、H、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'、又は(C1-C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H、F、ベンジル、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、又は(C2-C8)アルキニルであり;
R3及びR3'は、独立して、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C0-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5、又はC(O)OR5であり;
R4は、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C1-C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、又は(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリールであり;
R5は、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C2-C5)ヘテロアリールであり;
R6はその出現のたびに独立して、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2-C5)ヘテロアリール、又は(C0-C8)アルキル-C(O)O-R5であるか、或いはR6基は一緒に、ヘテロシクロアルキル基を形成することができ;
nは、0又は1であり;並びに
*は、キラル-炭素中心を表す。)。
一実施態様において、nが0である場合、R1は、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(O)OR4、(C1-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、C(S)NHR3、又は(C1-C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H又は(C1-C8)アルキルであり;並びに
R3は、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C5-C8)アルキル-N(R6)2;(C0-C8)アルキル-NH-C(O)O-R5;(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5、又はC(O)OR5であり;且つ、他の変数(variable)は同じ定義を有する、式IIの具体的化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R2が、H又は(C1-C4)アルキルである、式IIの具体的化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R1が、(C1-C8)アルキル又はベンジルである、式IIの具体的化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R1が、H、(C1-C8)アルキル、ベンジル、CH2OCH3、CH2CH2OCH3、又は
Figure 0005937060
である、式IIの具体的化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R1が:
Figure 0005937060
(式中:
Qは、O又はSであり、並びにR7はその出現のたびに独立して、H、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、ハロゲン、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C0-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5、又はC(O)OR5であるか、或いはR7の隣接する出現は一緒に、二環式アルキル又はアリール環を形成することができる)である、式IIの化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R1が、C(O)R3である、式IIの具体的化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R3が、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C1-C8)アルキル、アリール、又は(C0-C4)アルキル-OR5である、式IIの化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、ヘテロアリールが、ピリジル、フリル、又はチエニルである、式IIの具体的化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、R1が、C(O)OR4である、式IIの具体的化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、C(O)NHC(O)のHが、(C1-C4)アルキル、アリール、又はベンジルにより置換され得る、式IIの具体的化合物を本明細書に提供する。
一実施態様において、このクラスの化合物の更なる例は:[2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル]-アミド;(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル;4-(アミノメチル)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;N-(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-アセトアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}シクロプロピル-カルボキサミド;2-クロロ-N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}アセトアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-3-ピリジルカルボキサミド;3-{1-オキソ-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン;2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}プロパンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-3-ピリジルカルボキサミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}ヘプタンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-2-フリルカルボキサミド;{N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)カルバモイル}酢酸メチル;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ペンタンアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-2-チエニルカルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ブチルアミノ)カルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(オクチルアミノ)カルボキサミド;及び、N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ベンジルアミノ)カルボキサミドを含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、本明細書に提供する他の具体的免疫調節化合物は、各々引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許出願公開第US 2002/0045643号、国際公開公報第WO 98/54170号、及び米国特許第6,395,754号に開示されたイソインドール-イミドのクラスに属する。一実施態様において、代表的化合物は、式IIIのものである:
Figure 0005937060
(式中:
X及びYの一方はC=Oであり、他方はCH2又はC=Oであり;
Rは、H又はCH2OCOR'であり;
(i)R1、R2、R3、又はR4の各々は他から独立して、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3、又はR4の1つはニトロ又は-NHR5であり、且つR1、R2、R3、又はR4の残りは水素であり;
R5は、水素又は炭素原子1〜8個のアルキルであり;
R6は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロであり;
R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、ここでnは、0、1、2、3、又は4であり;
R8及びR9の各々は他から独立して、水素又は炭素原子1〜8個のアルキルであるか、或いはR8及びR9は一緒に、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は、-O-、-S-、又は-NH-であり;
R10は、水素、炭素原子8個までのアルキル、又はフェニルであり;且つ
*は、キラル-炭素中心を表す。)。
一実施態様において、他の代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3、又はR4の各々は他から独立して、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3、及びR4の1つは-NHR5であり、且つR1、R2、R3、及びR4の残りは水素であり;
R5は、水素又は炭素原子1〜8個のアルキルであり;
R6は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロであり;
R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、ここでnは、0、1、2、3、又は4であり;
R8及びR9の各々は他方から独立して、水素又は炭素原子1〜8個のアルキルであるか、或いはR8及びR9は一緒に、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は、-O-、-S-、又は-NH-であり;且つ
R10は、水素、炭素原子8個までのアルキル、又はフェニルである。)。
一実施態様において、他の代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
R1、R2、R3、及びR4の各々は他から独立して、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3、及びR4の1つは、ニトロ若しくは保護されたアミノであり、且つR1、R2、R3、及びR4の残りは水素であり;並びに
R6は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロである。)。
一実施態様において、他の代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)R1、R2、R3、及びR4の各々は他から独立して、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3、及びR4の1つは、-NHR5であり、且つR1、R2、R3、及びR4の残りは水素であり;
R5は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、又はCO-R7-CH(R10)NR8R9であり、ここでR7、R8、R9、及びR10の各々は本明細書に定義されており;並びに
R6は、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンゾ、クロロ、又はフルオロである。)。
一実施態様において、本化合物の具体例は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり;
R6は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、ベンジル、クロロ、又はフルオロであり;
R7は、m-フェニレン、p-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、ここでnは、0、1、2、3、又は4であり;
R8及びR9の各々は他方から独立して、水素又は炭素原子1〜8個のアルキルであるか、或いはR8及びR9は一緒に、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は、-O-、-S-、又は-NH-であり;並びに
R10は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、又はフェニルである。)。
一実施態様において、本明細書に提供する他の具体的免疫調節化合物は、各々が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第5,874,448号及び第5,955,476号に開示されているものなどの、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリンを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
Yは、酸素又はH2であり、且つ
R1、R2、R3、及びR4の各々は他から独立して、水素、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、又はアミノである。)。
一実施態様において、本明細書に提供する他の具体的免疫調節化合物は、それが引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第5,798,368号に開示された、四置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリンを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中、R1、R2、R3、及びR4の各々は他から独立して、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、又は炭素原子1〜4個のアルコキシである。)。
一実施態様において、本明細書に提供する他の具体的免疫調節化合物は、それが引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第6,403,613号に開示された、1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
Yは、酸素又はH2であり、
R1及びR2の第一のものは、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、又はカルバモイルであり、R1及びR2の第二のものは、第一のものとは独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、又はカルバモイルであり、並びに
R3は、水素、アルキル、又はベンジルである。)。
一実施態様において、本化合物の具体例は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
R1及びR2の第一のものは、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、各アルキルが炭素原子1〜4個のものであるジアルキルアミノ、シアノ、又はカルバモイルであり;
R1及びR2の第二のものは、第一のものとは独立して、水素、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、アルキルが炭素原子1〜4個のものであるアルキルアミノ、各アルキルが炭素原子1〜4個のものであるジアルキルアミノ、シアノ、又はカルバモイルであり;並びに
R3は、水素、炭素原子1〜4個のアルキル、又はベンジルである。)。具体例は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリンを含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、他の代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
R1及びR2の第一のものは、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、各アルキルが炭素原子1〜4個のものであるジアルキルアミノ、シアノ、又はカルバモイルであり;
R1及びR2の第二のものは、第一のものとは独立して、水素、ハロ、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、アルキルが炭素原子1〜4個のものであるアルキルアミノ、各アルキルが炭素原子1〜4個のものであるジアルキルアミノ、シアノ、又はカルバモイルであり;並びに
R3は、水素、炭素原子1〜4個のアルキル、又はベンジルである。)。
一実施態様において、本明細書に提供する他の具体的免疫調節化合物は、それらが引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第6,380,239号及び2004年7月28日に出願された米国特許同時係属出願第10/900,270号に開示された、インドリン環の4位又は5位で置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリンを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のもの、並びに、それらの塩である:
Figure 0005937060
(式中、C*と指定された炭素原子は、キラル中心を構成し(nが0ではなく、且つR1がR2と同じではない場合);X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH-Zであり、且つX1又はX2の他方は、水素であり;R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、水素、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又はハロアルキルであり;Zは、水素、アリール、炭素1〜6個のアルキル、ホルミル、又は炭素1〜6個のアシルであり;且つ、nは0、1、又は2であり;但し、X1がアミノであり、且つnが1又は2である場合、R1及びR2は、その両方が共にヒドロキシになることはない。)。
一実施態様において、更なる代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中、C*と指定された炭素原子は、nが0ではなく、且つR1がR2ではない場合、キラル中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH-Zであり、且つX1又はX2の他方は、水素であり;R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素であり;Zは、水素、アリール又は炭素1〜6個のアルキル若しくはアシルであり;且つ、nは、0、1、又は2である。)。
一実施態様において、具体例は、各々下記構造を有する、2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸及び4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、及び立体異性体を含むが、これらに限定されるものではない:
Figure 0005937060
一実施態様において、他の代表的化合物は、下記式のもの、及びそれらの塩である:
Figure 0005937060
(式中、C*と指定された炭素原子は、nが0ではなく、且つR1がR2ではない場合、キラル中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH-Zであり、且つX1又はX2の他方は、水素であり;R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり; R3は、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素であり;Zは、水素、アリール、又は炭素1〜6個のアルキル若しくはアシルであり;且つ、nは、0、1、又は2である。)。
一実施態様において、具体例は、各々下記構造を有する、4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、4-カルバモイル-2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸、及び2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ペンタン二酸、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、及び立体異性体を含むが、これらに限定されるものではない:
Figure 0005937060
一実施態様において、本化合物の他の具体例は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
X1及びX2の一方は、ニトロ、又はNH-Zであり、且つX1又はX2の他方は、水素であり;
R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;
R3は、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素であり;
Zは、水素、フェニル、炭素1〜6個のアシル、又は炭素1〜6個のアルキルであり;並びに
nは、0、1、又は2であり;並びに
C*と指定された炭素原子は、-COR2と-(CH2)nCOR1が異なる場合、キラル中心を構成する。)。
一実施態様において、他の代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
X1及びX2の一方は、炭素1〜6個のアルキルであり;
R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;
R3は、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素であり;
Zは、水素、フェニル、炭素1〜6個のアシル、又は炭素1〜6個のアルキルであり;並びに
nは、0、1、又は2であり;並びに
C*と指定された炭素原子は、-COR2と-(CH2)nCOR1が異なる場合、キラル中心を構成する。)。
一実施態様において、本明細書に提供する他の具体的免疫調節化合物は、それが引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第6,458,810号に開示された2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルにより2位で置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオンを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、代表的化合物は、下記式のものである:
Figure 0005937060
(式中:
*と指定された炭素原子は、キラル中心を構成し;
Xは、-C(O)-又は-CH2-であり;
R1は、炭素原子1〜8個のアルキル又は-NHR3であり;
R2は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、又はハロゲンであり;並びに
R3は、水素、
非置換の炭素原子1〜8個のアルキル、又は炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノで置換された炭素原子1〜8個のアルキル、
炭素原子3〜18個のシクロアルキル、
非置換のフェニル、又は炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノにより置換されたフェニル、或いは
非置換のベンジル、又は炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノ、若しくは-COR4により置換されたベンジルであり、
ここでR4は、水素、
非置換の炭素原子1〜8個のアルキル、又は炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノで置換された炭素原子1〜8個のアルキル、
炭素原子3〜18個のシクロアルキル、
非置換のフェニル、又は炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノにより置換されたフェニル、或いは
非置換のベンジル、又は炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜8個のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子1〜4個のアルキルアミノにより置換されたベンジルである。)。
いくつかの実施態様において、本化合物は、下記式のもの、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物又は立体異性体である:
Figure 0005937060
一実施態様において、本明細書に説明する化合物は、商業的に購入することができるか、又は本明細書に明らかにされた特許若しくは特許公報に記載された方法に従い調製することができるかのいずれかである。更に光学的に純粋な化合物は、不斉合成するか、又は公知の分割剤又はキラルカラムを使用するか、更には他の標準の合成有機化学技術を使用し、分割することができる。
一実施態様において、本明細書において使用する化合物は、分子量約1,000g/mol未満を有する小型有機分子であってよく、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖又は他の高分子ではない。
一実施態様において、本明細書に提供する様々なPDE4モジュレーター又は免疫調節化合物は、1つ以上のキラル中心を含み、鏡像異性体のラセミ混合物又はジアステレオマーの混合物として存在することができる。一実施態様において、そのような化合物の立体異性的に純粋な形の使用に加え、それらの形の混合物の使用を、本明細書に提供する。例えば、PDE4モジュレーター又は免疫調節化合物の鏡像異性体を等量又は非等量含む混合物を、本明細書に提供する方法及び組成物において使用することができる。本明細書に開示された具体的化合物の純化された(R)又は(S)鏡像異性体は、その他方の鏡像異性体を実質的に含まずに使用することができる。
示される構造と、その構造に与えられた名称との間に不一致がある場合、示された構造により重きを置くことに留意すべきである。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば太線又は破線で示されていない場合、構造又はその構造の一部は、その立体異性体全てを包含すると解釈されるべきである。本明細書に提供する化合物が、アルケニル基又はアルケニレン基を含む場合、その化合物は、シス/トランス(又はZ/E)幾何異性体のひとつとして又は混合物として存在してよい。構造異性体が相互変換型である場合、この化合物は、単独の互変異性体又は互変異性体の混合物として存在してよい。これは、例えば、イミノ基、ケト基、又はオキシム基を含む化合物におけるプロトン互変異性の形;又は、芳香族部分を含む化合物におけるいわゆる原子価互変異性の形をとることができる。これは、単独の化合物は、2つ以上の異性型を示すことができることに従う。
本明細書に提供する化合物は、単独の鏡像異性体若しくは単独のジアステレオマーなど、鏡像異性的に純粋であるか、又は例えば2つの鏡像異性体のラセミ混合物のような鏡像異性体の混合物;若しくは、2つ以上のジアステレオマーの混合物など、立体異性体混合物であってよい。場合によっては、インビボにおいてエピマー化を受ける化合物に関して、当業者は、化合物のその(R)型での投与は、その化合物のその(S)型での投与と同等であることを認めるであろう。個々の鏡像異性体の調製/分離に関する従来の技術は、好適な光学的に純粋な前駆体からの合成、アキラル出発材料からの不斉合成、又は例えばキラルクロマトグラフィー、再結晶、分割、ジアステレオマー塩形成による鏡像異性体混合物の分割、或いはジアステレオマー付加物への誘導体化と、それに続く分離を含む。
本明細書に提供する化合物が酸性部分又は塩基性部分を含む場合、これは医薬として許容し得る塩として提供されてもよい(例えば、Bergeらの文献、J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19;及び、「医薬品の塩、特性及び使用ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, and Use)」、Stahl及びWermuth編集;Wiley-VCH and VHCA、チューリッヒ、2002を参照)。
医薬として許容し得る塩の調製における使用に適した酸は、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ホウ酸、(+)-カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイヒ酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、L-グルタミン酸、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、過塩素酸、リン酸、L-ピログルタミン酸、サッカリン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、及び吉草酸を含むが、これらに限定されるものではない。
医薬として許容し得る塩の調製における使用に適した塩基は、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、又は水酸化ナトリウムなどの、無機塩基;並びに、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リシン、モルホリン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、第二級アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、及びトロメタミンを含む、第一級、第二級、第三級、及び第四級脂肪族及び芳香族アミンなどの、有機塩基を含むが、これらに限定されるものではない。
本明細書に提供する化合物は、化合物の機能的誘導体であり、且つインビボにおいて親化合物へ容易に変換可能である、プロドラッグとして提供されることもある。プロドラッグは、場合によっては、親化合物よりも投与がより容易であるので、これらは有用であることが多い。例えば、親化合物は経口投与により生体利用可能ではないのに対し、これらは生体利用可能であることがある。プロドラッグは、親化合物に勝る、医薬組成物中での増強された溶解度を有することもある。プロドラッグは、酵素的プロセス及び代謝的加水分解を含む、様々な機構により親薬物に変換されることができる。例えば、Harperの文献、Progress in Drug Research, 1962, 4, 221-294;Morozowichらの文献、「プロドラッグ及びアナログによる生体医薬特性の設計(Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs)」、Roche編集、APHA Acad. Pharm. Sci. 1977;「薬物設計における薬物の生体可逆性担体、理論と応用(Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application)」、Roche編集、APHA Acad. Pharm. Sci. 1987;「プロドラッグ設計(Design of Prodrugs)」、Bundgaard, Elsevier, 1985;Wangらの文献、Curr. Pharm. Design 1999, 5, 265-287;Paulettiらの文献、Adv. Drug. Delivery Rev., 1997, 27, 235-256;Mizenらの文献、Pharm. Biotech. 1998, 11, 345-365;Gaignaultらの文献、Pract. Med. Chem. 1996, 671-696;Asgharnejadの文献、「医薬システムにおける輸送過程(Transport Processes in Pharmaceutical Systems)」、Amidonら編集、Marcell Dekker, 185-218, 2000;Balantらの文献、Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1990, 15, 143-53;Balimane及びSinkoの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 183-209;Browneの文献、Clin. Neuropharmacol. 1997, 20, 1-12;Bundgaardの文献、Arch. Pharm. Chem. 1979, 86, 1-39;Bundgaardの文献、Controlled Drug Delivery, 1987, 17, 179-96;Bundgaardの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1992, 8, 1-38;Fleisherらの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 115-130;Fleisherらの文献、Methods Enzymol. 1985, 112, 360-381;Farquharらの文献、J. Pharm. Sci. 1983, 72, 324-325;Freemanらの文献、J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1991, 875-877;Friis及びBundgaardの文献、Eur. J. Pharm. Sci. 1996, 4, 49-59;Gangwarらの文献、Des. Biopharm. Prop. Prodrugs Analogs, 1977, 409-421;Nathwani及びWoodの文献、Drugs, 1993, 45, 866-94;Sinhababu及びThakkerの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 241-273;Stellaらの文献、Drugs 1985, 29, 455-73;Tanらの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 117-151;Taylorの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 131-148;Valentino及びBorchardtの文献、Drug Discovery Today 1997, 2, 148-155;Wiebe及びKnausの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 63-80;並びに、Wallerらの文献、Br. J. Clin. Pharmac. 1989, 28, 497-507を参照されたい。
(C. 医薬組成物)
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答の調節において使用するための医薬組成物を、本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答の調節において使用するための単一単位剤形を、本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答の調節において使用するためのキットを、本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答を調節するための医薬組成物、単一単位剤形、又はキットを、本明細書に提供する。
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し及び/又はその発症を遅延するのに使用するための医薬組成物を、本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し及び/又はその発症を遅延するのに使用するための単一単位剤形を、本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し及び/又はその発症を遅延するのに使用するためのキットを、本明細書に提供する。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し及び/又はその発症を遅延するための医薬組成物、単一単位剤形、又はキットを、本明細書に提供する。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含有する。一実施態様において、本明細書に提供する単一単位剤形は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含有する。一実施態様において、本明細書に提供するキットは、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含む。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含有する。一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含有する。一実施態様において、本明細書に提供する単一単位剤形は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含有する。一実施態様において、本明細書に提供する単一単位剤形は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含有する。一実施態様において、本明細書に提供するキットは、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含む。一実施態様において、本明細書に提供するキットは、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含む。
一実施態様において、活性成分として、1種以上の本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、1種以上の医薬として許容し得る担体と組合せて含有する医薬組成物を、本明細書に提供する。一実施態様において、この医薬組成物は、少なくとも1種の非放出制御性の賦形剤又は担体を含有する。一実施態様において、この医薬組成物は、少なくとも1種の放出制御性の賦形剤又は担体及び少なくとも1種の非放出制御性の賦形剤又は担体を含有する。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含有する。一実施態様において、本明細書に提供する単一単位剤形は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含有する。一実施態様において、本明細書に提供するキットは、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを含む。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物において使用する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグは、固体形状である。好適な固体形状は、本化合物の遊離塩基を含む固体形状、及び本化合物の塩を含む固体形状を含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する固体形状は、本化合物及び/又はそれらの塩を含む、多形体、溶媒和物(水和物を含む)、及び共結晶を含む。いくつかの実施態様において、この固体形状は、本化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物の結晶形である。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、経口、非経口、及び局所的投与のための様々な剤形で製剤することができる。この医薬組成物は、遅延放出、拡張放出、延長放出、持続放出、パルス放出、制御放出、加速放出及び即時放出、標的指向放出、時間設定型放出、並びに胃貯留剤形を含む、改変された放出剤形として製剤することもできる。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従い調製することができる(例えば、Remington、「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版;Lippincott Williams & Wilkins:フィラデルフィア、PA, 2005;「改変された放出の薬物送達技術(Modified-Release Drug Delivery Technology)」、Rathboneら編集、Drugs and the Pharmaceutical Science, Marcel Dekker社:ニューヨーク、NY, 2003; Vol.126参照)。
一実施態様において、本医薬組成物は、経口投与のための剤形で提供される。別の実施態様において、本医薬組成物は、非経口投与のための剤形で提供される。更に別の実施態様において、本医薬組成物は、局所的投与のための剤形で提供される。一実施態様において、本医薬組成物は、鼻腔内投与のための剤形で提供される。一実施態様において、本医薬組成物は、吸入剤としての剤形で提供される。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、単位剤形又は反復剤形で提供されることができる。本明細書において使用される単位剤形とは、ヒト及び動物の対象への投与に適し、且つ当該技術分野において公知であるように個別に包装された、物理的に個別の単位をいう。各単位投与量は、必要とされる医薬担体又は賦形剤と会合された、所望の治療的作用を生じるのに十分な活性成分の予め決定された量を含有する。単位剤形の例は、アンプル、シリンジ、並びに個別包装された錠剤及びカプセル剤を含む。単位剤形は、その分数又は倍数で投与することができる。反復剤形は、分離された単位剤形で投与される単独の容器内に包装された複数の同一の単位剤形である。反復剤形の例は、バイアル、錠剤又はカプセル剤の瓶、又はパイント若しくはガロン瓶である。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、一度に又は時間間隔をおいて複数回投与することができる。正確な用量及び治療期間は、治療される患者の年齢、体重及び状態により変動し得ること、並びに公知の試験プロトコールを用いるか又はインビボ若しくはインビトロ試験若しくは診断データからの外挿により経験的に決定され得ることは理解されるべきである。任意の特定の個人に関して、具体的投薬計画は、必要とする個人に従い、且つその製剤を投与する人又はその投与を監督する人の専門的判断に従い、ある期間にわたり調節されなければならないことが更に理解されるべきである。
(1. 経口投与)
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、経口投与のために固体、半固体、又は液体の剤形で提供されることができる。本明細書に使用するように、経口投与は、頬側、舌側、及び舌下投与も含む。好適な経口剤形は、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、舐剤、香錠、カシェ剤、ペレット剤、医療用チューインガム、顆粒剤、バルク散剤、発泡性若しくは非発泡性散剤若しくは顆粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、溶液、ウェファー、散粉剤(sprinkles)、エリキシル剤、及びシロップ剤を含むが、これらに限定されるものではない。医薬組成物は、活性成分に加え、非限定的に結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色移り阻害薬、甘味剤、及び香味剤を含む、医薬として許容し得る担体、又は賦形剤を1種以上含有することができる。
一実施態様において、結合剤又は造粒剤は、錠剤に凝集性を付与し、成形後錠剤が無傷であり続けることを確実にする。好適な結合剤又は造粒剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びα化デンプン(例えばSTARCH 1500)などの、デンプン;ゼラチン;ショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜、及び乳糖などの、糖類;アカシアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、トチャカ抽出物、パンワールガム(panwar gum)、ガッティガム、イサゴール殻皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan)、トラガカント末、及びグアーガムなどの、天然及び合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの、セルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC社、マルクス・フック、PA)などの、微晶質セルロース;並びに、それらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。好適な充填剤は、タルク、炭酸カルシウム、微晶質セルロース、粉末化セルロース、デキストラート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。結合剤又は充填剤は、本明細書に提供する医薬組成物中約50〜約99重量%で存在することができる。
一実施態様において、好適な希釈剤は、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉糖を含むが、これらに限定されるものではない。マンニトール、乳糖、ソルビトール、ショ糖、及びイノシトールなどの、いくつかの希釈剤は、十分量で存在する場合、一部の圧縮錠剤に咀嚼により口中で崩壊を可能にする特性を与えることができる。そのような圧縮錠剤は、咀嚼錠剤として使用することができる。
一実施態様において、好適な崩壊剤は、寒天;ベントナイト;メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどの、セルロース;木材製品;天然海綿;カチオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガム及びビーガムHVなどの、ゴム;柑橘類パルプ;クロスカルメロースなどの、架橋セルロース;クロスポビドンなどの、架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;デンプングリコール酸ナトリウムなどの、微晶質セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びα化デンプンなどの、デンプン;クレイ;アライン(aligns);及び、それらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書に提供する医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の型に応じて変動し、且つ当業者は容易に識別可能である。本明細書に提供する医薬組成物は、崩壊剤を約0.5〜約15重量%、又は約1〜約5重量%含有してよい。
一実施態様において、好適な滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽質鉱油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG400及びPEG6000)などの、グリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油を含む、硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;寒天;デンプン;リコポジウム;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace社、ボルチモア、MD)及びCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot社、ボストン、MA)などの、シリカ(二酸化ケイ素)又はシリカゲル;並びに、それらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書に提供する医薬組成物は、滑沢剤を約0.1〜約5重量%含有してよい。
一実施態様において、好適な流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot社、ボストン、MA)、及びアスベスト非含有タルクを含む。着色剤は、任意の承認された認証水溶性FD&C色素、及びアルミナ水和物上に懸架された非水溶性FD&C色素、及びレーキ顔料、並びにそれらの混合物を含む。レーキ顔料は、水溶性色素の重金属の水和酸化物への吸着による組合せであり、この色素は不溶型となる。香味剤は、果実などの、植物から抽出された天然香料、及びペパーミント及びサリチル酸メチルなどの、好ましい味覚を生じる化合物の合成配合物を含む。甘味剤は、ショ糖、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びにサッカリン及びアスパルタムなどの人工甘味料を含む。好適な乳化剤は、ゼラチン、アカシアゴム、トラガカント、ベントナイト、並びに、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(例えばTWEEN(登録商標)20)、ポロキサマー(例えばPLURONIC(登録商標)F68)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(例えばTWEEN(登録商標)80)、及びオレイン酸トリエタノールアミンなどの、界面活性剤を含む。懸濁化剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アカシアゴム、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びラウロイルポリオキシルグリセリド(例えばGELUCIRE(登録商標)44/14)を含む。保存剤は、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウム及びアルコールを含む。湿潤剤は、モノステアリン酸プロピレングリコール、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。溶媒は、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップを含む。乳剤中で利用される非水性液体の例は、鉱油及び綿実油を含む。有機酸は、クエン酸及び酒石酸を含む。二酸化炭素給源は、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む。
一実施態様において、好適な錯化剤は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex社、レネクサ、KS)を含む、シクロデキストリンを含むが、これらに限定されるものではない。
多くの担体及び賦形剤は、例え同じ製剤内であっても、いくつかの機能を果たすことができることは理解されなければならない。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、圧縮錠剤、湿製錠剤、咀嚼舐剤、即時溶解錠剤、多層圧縮錠剤、又は腸溶性コーティング錠、糖衣錠、又はフィルムコーティング錠として提供することができる。一実施態様において、腸溶性コーティング錠は、胃酸の作用に抵抗するが、腸において溶解するか若しくは崩壊し、結果胃の酸性環境から活性成分を保護する物質によりコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティングは、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラック、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されるものではない。糖衣錠は、好ましくない味覚又は臭気を遮蔽し、且つ錠剤を酸化から保護する点で有益であり得る、糖衣により取り囲まれた圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠は、水溶性物質の薄層又はフィルムによりコートされた圧縮錠剤である。フィルムコーティングは、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴をもたらす。多層圧縮錠剤は、層状錠剤、及びプレスコーティング錠又は乾燥コーティング錠を含む、2回以上の圧縮サイクルにより製造された圧縮錠剤である。
一実施態様において、錠剤剤形は、粉末形状、結晶形状、又は顆粒形状の活性成分から、単独で、又は結合剤、崩壊剤、放出制御ポリマー、滑沢剤、希釈剤、及び/又は着色剤を含む、本明細書記載の1種以上の担体若しくは賦形剤と組合せて、調製することができる。香味剤及び甘味剤は、咀嚼錠剤及び舐剤の形成において特に有用である。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから製造することができる軟又は硬カプセル剤として提供することができる。乾燥充填カプセル剤(DFC)としても公知である、硬ゼラチンカプセル剤は、2つの部分からなり、一方が他方の上に滑り込み、従って活性成分を完全に閉じ込めている。軟弾性カプセル剤(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加によって可塑化される、ゼラチンシェルなど、軟質で球状のシェルである。軟ゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために保存剤を含んでもよい。好適な保存剤は本明細書に記載されているものであり、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む。本明細書に提供する液体、半固体、及び固体の剤形が、カプセル剤に封入されてもよい。適切な液体及び半固体の剤形は、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中の溶液及び懸濁液を含む。このような溶液を含むカプセル剤は、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び、第4,410,545号に開示されているよう調製することができる。また、カプセル剤は、活性成分の溶解を改変するか又は持続させるために、当業者に公知のようにコーティングされてもよい。
一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、及びシロップ剤を含む液体及び半固体の剤形で提供されてもよい。乳剤は2相の系であり、そのうち一方の液体は別の液体の全体に小球の形態で分散しており、水中油又は油中水であることができる。乳剤は、医薬として許容し得る非水性の液体又は溶媒、乳化剤、及び保存剤を含んでもよい。懸濁剤は、医薬として許容し得る懸濁化剤及び保存剤を含んでもよい。水性アルコール液剤には、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールなどの医薬として許容し得るアセタール;並びに、プロピレングリコール及びエタノールなど、1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を含んでもよい。エリキシル剤は、透明で、甘味のある水性アルコール溶液である。シロップ剤は、糖、例えばショ糖の濃縮された水溶液であり、また、保存剤を含んでもよい。液体剤形のために、例えばポリエチレングリコールにおける溶液は、投与のために簡便に量られるように、十分な量の医薬として許容し得る液体担体、例えば水で希釈してもよい。
一実施態様において、他の有用な液体及び半固体の剤形は、本明細書に提供する活性成分を含むもの、並びに、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグライム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化したモノ-又はポリ-アルキレングリコールとを含むが、これらに限定されるわけではなく、ここで、350、550、及び750とは、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤は更に、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバメートなどの1種以上の抗酸化剤を含んでもよい。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、液体剤形へ再構成するために、非発泡性又は発泡性の顆粒剤及び散剤として提供してもよい。非発泡性顆粒剤又は散剤において使用する医薬として許容し得る担体及び賦形剤には、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含んでもよい。発泡性顆粒剤又は散剤において使用する医薬として許容し得る担体及び賦形剤には、有機酸及び二酸化炭素源を含んでもよい。
着色料及び香味剤は、前記剤形すべてにおいて使用することができる。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出の形態を含む即時放出又は改変された放出の剤形として製剤されてもよい。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、望ましい治療作用を損なわない他の活性成分とともに、又は望ましい作用を補強する物質とともに同時製剤されてもよい。
一実施態様において、本明細書に提供する活性成分は、当業者に周知の放出制御手段又は送達装置により投与することができる。例としては、それぞれが引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;並びに、第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号、及び第5,733,566号に開示されているものを含むが、これらに限定されるものではない。そのような剤形は、様々な割合で所望の放出プロファイルを供するように、例えばヒドロプロピルメチルセルロース、その他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はこれらの組合せを使用して、1種以上の活性成分の緩徐な又は制御された放出をもたらすのに使用することができる。本明細書に記載のものを含む、当業者に公知の好適な放出制御製剤は、本明細書に提供する活性薬と共に使用するために容易に選択することができる。一実施態様において、放出制御に適合させた錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ剤、及びカプレット剤などであるがこれらに限定されることのない、経口投与に適した単一単位剤形を提供する。
一実施態様において、放出制御医薬品は、それらの非制御型の対応品によって実現されるよりも、薬物療法を改善する。別の実施態様において、放出制御調製品の医学的治療における使用は、最小限の時間で状態を治癒又は管理するために用いられる最小限の薬物によって特徴付けられる。放出制御製剤の利点には、薬物の活性の延長、投薬頻度の減少、及び患者の服薬遵守の増加が含まれる。更に放出制御製剤は、作用の開始時又は例えば薬物の血中濃度などのその他の特徴に、影響を及ぼすのに使用することができ、従って副(例えば有害)作用の出現に影響を及ぼすことができる。
別の実施態様において、放出制御製剤は、所望の治療作用又は予防作用を即座にもたらす薬物(活性成分)の量を最初に放出し、このレベルの治療作用又は予防作用を維持する別の量の薬物を長期間にわたって徐々に且つ連続的に放出するように設計される。一実施態様において、一定レベルの薬物を体内で維持するために、該薬物は、身体から代謝され排出される薬物の量に取って代わるような速度で剤形から放出され得る。活性成分の制御された放出は、pH、温度、酵素、水、又はその他の生理的条件、又は化合物を含むがこれらに限定されることのない様々な条件によって、刺激を受けることができる。
(2. 非経口投与)
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、局所投与又は全身投与のために、注射、注入、又は埋め込みによって非経口的に投与されてもよい。本明細書において使用される非経口投与は、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、尿管内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑膜内投与、及び皮下投与を含む。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステムを含む非経口投与に適したいずれかの剤形で、及び注射前に液体中の溶液又は懸濁液に適した固体形状で製剤されてもよい。このような剤形は、医薬科学分野の業者に公知の従来の方法に従って製造することができる(例えば、Remingtonの文献「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」前掲、参照)。
一実施態様において、非経口投与のために意図された医薬組成物は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、抗菌薬又は微生物の増殖に対する保存剤、安定化剤、溶解度増強剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、凍結保護剤、リオプロテクタント(lyoprotectant)、増粘剤、pH調整剤、及び不活性ガスを含むがこれらに限定されるわけではない1つ以上の医薬として許容し得る担体及び賦形剤を含んでもよい。
一実施態様において、好適な水性媒体は、水、食塩水、生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース及び乳酸加リンゲル注射液を含むが、これらに限定されるわけではない。非水性媒体は、植物起源の不揮発性油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、硬化植物油、硬化大豆油、及びココナツ油の中鎖トリグリセリド、及びヤシ種子油を含むが、これらに限定されるわけではない。水混和性媒体は、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドを含むが、これらに限定されるわけではない。
一実施態様において、好適な抗微生物薬又は保存剤は、フェノール、クレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びプロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル-及びプロピル-パラベン、並びにソルビン酸を含むが、これらに限定されるわけではない。好適な等張化剤は、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースを含むが、これらに限定されるわけではない。好適な緩衝剤は、リン酸塩及びクエン酸塩を含むが、これらに限定されるわけではない。好適な抗酸化剤は、重亜硫酸塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載されたものである。好適な局所麻酔薬は、塩酸プロカインを含むが、これに限定されるわけではない。好適な懸濁化剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む、本明細書に記載されたものである。好適な乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、及びトリエタノールアミンオレアートを含む、本明細書に記載されたものを含む。好適な金属イオン封鎖剤又はキレート剤にはEDTAを含むが、これに限定されるわけではない。好適なpH調整剤は、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸を含むが、これらに限定されるわけではない。好適な錯化剤は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex社、レネクサ、KS)を含む、シクロデキストリンを含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、単回用量又は反復用量の投与のために製剤されてもよい。単回用量製剤は、アンプル、バイアル、又はシリンジに包装される。反復用量の非経口製剤は、静菌濃度又は静真菌濃度で抗微生物薬を含んでよい。すべての非経口製剤は、当技術分野で公知であり且つ実践されるように、滅菌済みでなければならない。
一実施態様において、本医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌溶液として提供される。別の実施態様において、本医薬組成物は、使用前に媒体により再構成されるべき凍結乾燥した散剤及び皮下錠剤を含む滅菌済み乾燥可溶性製品として提供される。更に別の実施態様において、本医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌済み懸濁液として提供される。更に別の実施態様において、本医薬組成物は、使用前に媒体により再構成されるべき滅菌済み乾燥不溶性製品として提供される。更に別の実施態様において、本医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌済みエマルションとして提供される。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出の形態を含む即時的な又は改変された放出の剤形として製剤されてもよい。
一実施態様において、医薬組成物は、埋め込み型デポ剤としての投与のために、懸濁液、固体、半固体、又はチキソトロープ液体として製剤されてもよい。一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、体液には不溶性だがそれを通じ医薬組成物中の活性成分を拡散することのできる外側ポリマーメンブレンによって取り囲まれている固体内側マトリックス中に分散している。
一実施態様において、好適な内側マトリックスは、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル-メタクリレート、可塑化した又は非可塑化のポリ塩化ビニル、可塑化したナイロン、可塑化したポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなどの親水性ポリマー、コラーゲン、架橋したポリビニルアルコール、並びに架橋し部分的に加水分解したポリ酢酸ビニルを含む。
一実施態様において、好適な外側ポリマーメンブレンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化したポリエチレン、ポリビニルクロリド、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、並びにエチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマーを含む。
(3. 局所的投与)
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、坐薬、ペッサリー、ブジー、湿布剤又はパップ剤、泥膏、散剤、包帯、クリーム剤、硬膏、避妊薬、軟膏、液剤、乳剤、懸濁剤、タンポン、ゲル剤、泡剤、スプレー、又は浣腸の形態で、直腸、尿道、膣、又は膣周辺に投与することができる。これらの剤形は、例えば、Remingtonの文献「調剤の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」(前掲)に説明されたような従来の方法を用いて製造することができる。
一実施態様において、直腸、尿道、及び膣用の坐薬とは、常温では固体であるが、体温で溶融又は軟化し、開口部に活性成分を放出する、体の開口部に挿入するための固体本体である。直腸及び膣用の坐薬において利用される医薬として許容し得る担体は、本明細書に提供する医薬組成物と共に製剤された場合に、体温付近に融点を生じる、硬化剤;並びに、重亜硫酸塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む本明細書に記載された抗酸化剤などの、基剤又は媒体を含む。好適な媒体は、カカオバター(カカオ脂)、グリセリン-ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨ろう、パラフィン、白色ワックス及び黄色ワックス、並びに脂肪酸のモノ-、ジ-及びトリグリセリドの適切な混合物、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸などのヒドロゲル;グリセリンゼラチンを含むが、これらに限定されるものではない。様々な媒体の組合せを使用してよい。直腸及び膣用坐薬は、圧縮法又は成形により調製することができる。直腸及び膣用坐薬の典型的重量は、約2〜約3gである。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、鼻腔内、又は気道への吸入により投与することができる。医薬組成物は、単独で、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン若しくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの好適な噴射剤と組合せて、加圧容器、ポンプ、スプレー、細かい霧を発生するために電気流体力学を使用するアトマイザーなどのアトマイザー、又はネブライザーを使用する送達のためにエアゾール又は溶液の形態で提供することができる。本医薬組成物は、単独で、又は乳糖若しくはリン脂質などの不活性担体と組合せて吹送のための乾燥散剤;並びに、点鼻薬として提供することもできる。鼻腔内使用のためには、散剤は、キトサン又はシクロデキストリンを含む、生体接着剤を含有してもよい。
一実施態様において、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、又はネブライザーにおいて使用するための液剤又は懸濁剤は、エタノール、水性エタノール、又は本明細書に提供する活性成分を分散し、溶解し、又は放出を延長するのに適した改変剤、溶媒としての噴射剤;並びに/又は、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、又はオリゴ乳酸などの界面活性剤を含むように製剤することができる。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物は、約50μm以下、又は約10μm以下など、吸入による送達に適したサイズにまで微細化することができる。そのようなサイズの粒子は、螺旋式ジェットミル、流動床式ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流動法、高圧均質化、又は噴霧乾燥などの、当業者に公知の粉砕方法を用いて調製することができる。
一実施態様において、吸入器又は吹送器において使用するためのカプセル、ブリスター及びカートリッジは、本明細書に提供する医薬組成物の粉末混合物;乳糖又はデンプンなどの、好適な粉末基剤;並びに、L-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムなどの、性能調節剤を含むように製剤することができる。乳糖は、無水物又は一水和物の形状であってよい。他の好適な賦形剤又は担体は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖、及びトレハロースを含む。吸入/鼻腔内投与のための本明細書に提供する医薬組成物は、メントール及びレボメントールなどの好適な香料、又はサッカリン若しくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を更に含有してよい。
一実施態様において、局所的投与のための本明細書に提供する医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出を含む即時放出又は改変した放出であるよう製剤されてもよい。
(4. キット)
一実施態様において、本明細書に提供する活性成分は、同時に又は同じ投与経路では患者に投与されない。別の実施態様において、適量の活性成分の投与を簡便にすることができるキットを、本明細書に提供する。
一実施態様において、キットは、本明細書に提供する化合物の剤形を含む。更にキットは、本明細書に記載の1種以上の第二の活性成分、又はそれらの医薬活性のある変異体若しくは誘導体、又はそれらの組合せを含むことができる。
他の実施態様において、キットは更に、活性成分の投与に使用される装置を含むことができる。そのような装置の例には、シリンジ、ドリップバッグ、パッチ、及び吸入器が含まれるが、これらに限定されない。
一実施態様において、キットは更に、移植のための細胞又は血液に加え、1種以上の活性成分の投与に使用することができる、医薬として許容し得る媒体を含むことができる。例えば活性成分を、非経口投与のために再構成されなければならない固体形態で提供する場合、キットは、非経口投与に適した粒子を含まない滅菌溶液が形成されるように、活性成分を溶解することができる適切な媒体の密閉容器を含むことができる。医薬として許容し得る媒体の例は、注射用水(米薬局方);塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、乳酸加リンゲル液などであるがこれらに限定されることのない水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどであるがこれらに限定されることのない水混和性媒体;並びに、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジルなどであるがこれらに限定されることのない非水性媒体を含むが、これらに限定されない。
(D. 使用方法)
一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に対する免疫応答を調節する方法を、本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し、及び又はその発症を遅延する方法を、本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療する方法を、本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を予防する方法を、本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を改善する方法を、本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状の発症を遅延する方法を、本明細書に提供する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、2種以上の活性薬を共投与することを含む。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを、抗-ウイルスワクチンと一緒に共投与することを含む。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、対象が呼吸器ウイルス感染症のための抗-ウイルスワクチンを受けた後に、対象において本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、対象が呼吸器ウイルス感染症のための抗-ウイルスワクチンを受ける前に、対象において本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む。いくつかの実施態様において、対象は哺乳動物である。いくつかの実施態様において、対象はヒトである。
一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、インフルエンザウイルス感染症(例えば、季節性インフルエンザ)、ライノウイルス感染症(例えば、普通感冒)、コロナウイルス感染症(例えば、重症急性呼吸器症候群及び普通感冒)、及び/又はパラミクソウイルス感染症(例えば、麻疹)を含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、及びC型インフルエンザウイルス感染症を含むが、これらに限定されるものではない、インフルエンザウイルス感染症(例えば、季節性インフルエンザ)である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、様々な血清型のライノウイルスを含む、ライノウイルス感染症(例えば、普通感冒)である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、様々な型のコロナウイルスを含む、コロナウイルス感染症(例えば、重症急性呼吸器症候群及び普通感冒)である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、様々な型のパラミクソウイルス(例えば、麻疹ウイルス)を含む、パラミクソウイルス感染症(例えば、麻疹)である。
一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、A型インフルエンザウイルスのある亜型による感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、B型インフルエンザウイルスのある亜型による感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、C型インフルエンザウイルスのある亜型による感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、ある血清型のライノウイルスによる感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、ある型のコロナウイルスによる感染症である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症は、ある型のパラミクソウイルスによる感染症である。
一実施態様において、本明細書に提供する呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する症状は、発熱(一実施態様において、高熱)、悪寒、発汗、頭痛、疲労(一実施態様において、極度の疲労)、疲労感(一実施態様において、過労)、消耗(一実施態様において、極度の消耗)、咳(一実施態様において、空咳;一実施態様において、粘液を伴う咳)、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、咽喉炎、体の痛み、筋肉痛、関節痛、副鼻腔痛、耳痛、胸痛、胸の不快感、副鼻腔うっ血、下痢、吐気、腹痛、脱水、息切れ、及び/又は本明細書において別所に提供する症状を含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、本明細書に提供する呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する症状は、原発性ウイルス感染により引き起こされた合併症、例えば、肺炎(ウイルス性又は細菌性)、喘息、気管支炎、耳感染症、副鼻腔感染症(副鼻腔炎)、筋肉の炎症(筋炎)、中枢神経系の感染症、心膜炎、脱水、うっ血性心不全、糖尿病の増悪、及び/又は本明細書において別所に提供する合併症のいずれかなどに関連している。
一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象においてA型インフルエンザウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、A型インフルエンザウイルスの1種以上の亜型によるウイルス感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、A型インフルエンザウイルスの亜型は、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、及びH10N7亜型を含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、A型インフルエンザウイルスの亜型は、H1からH16亜型及びN1からN9亜型の全ての組合せを含むが、これらに限定されるものではない。一実施態様において、A型インフルエンザウイルスの亜型は、例えば、ウイルスの突然変異、抗原シフト、抗原ドリフト、及び/又はウイルス再集合に由来するA型インフルエンザウイルスの新規株を含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象においてB型インフルエンザウイルス感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、B型インフルエンザウイルスの1種以上の亜型によるウイルス感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、B型インフルエンザウイルス亜型は、香港/330/2001を含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象においてC型インフルエンザウイルス感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、C型インフルエンザウイルスの1種以上の亜型によるウイルス感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、A型インフルエンザウイルスの亜型は、カリフォルニア/78を含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症の一次感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症の二次感染に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、二次感染は、一次感染を引き起こすウイルスと同じ型のウイルスにより引き起こされる。一実施態様において、二次感染は、一次感染を引き起こすウイルスと異なる型のウイルスにより引き起こされる。一実施態様において、二次感染は細菌感染である。一実施態様において、二次感染は真菌感染である。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する症状は、ウイルス感染に関連する1つ以上の症状、及びウイルス感染から生じる合併症に関連する1つ以上の症状を含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、ウイルス感染の最初の発症又は診断から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日以内、又は21日以上に、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、ウイルス感染の初期症状の出現又は診断前に、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体及びプロドラッグを投与することを含む、幼児、学齢期の小児、妊婦、喫煙者、高齢者、免疫不全患者(例えば、HIV患者又は移植患者)、慢性疾患患者(例えば、とりわけ慢性閉塞性肺疾患、喘息、気管支炎、又は気腫と診断されるか又はそれを罹患した患者)、及び/又は医療従事者(例えば、医師及び看護師)を含むが、これらに限定されるものではない、高リスク小集団に属する対象における、呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延する方法を本明細書に提供する。例えば、インフルエンザ、ライノウイルス、コロナウイルス、及び/又はパラミクソウイルス感染症などの呼吸器ウイルス感染症は、ある患者集団において、肺炎、気管支炎、副鼻腔若しくは耳の感染症、冠動脈性心臓病、うっ血性心不全、又はギラン・バレー症候群などの合併症を引き起こし得る。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、呼吸器ウイルス感染症により引き起こされたか又はこれに関連する合併症に関連する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し及び/又はその発症を遅延する。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、50歳以上又は5歳未満である対象における、呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し及び/又はその発症を遅延する。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、呼吸器ウイルス感染症の結果として1種以上の慢性的医学的状態を有し、且つ恐らく合併症を発症する対象における、呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し及び/又はその発症を遅延する。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を含有する、本明細書に提供する医薬組成物を投与することを含む。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を治療的有効量投与することを含む。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及び/若しくは立体異性体を予防的有効量投与することを含む。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、PDE4モジュレーター、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを投与することを含む。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを投与することを含む。
一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延するために現在使用されている他の治療薬と組合せた、1種以上のPDE4モジュレーターの使用を、本明細書に提供する。別の実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延するために使用される従来の療法と組合せた、1種以上のPDE4モジュレーターの使用を、本明細書に提供する。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、免疫調節化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを投与することを含む。一実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延するために現在使用されている他の治療薬と組合せた1種以上の免疫調節化合物の使用を本明細書に提供する。別の実施態様において、対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又は起因する1つ以上の症状を治療、予防、改善及び/又はその発症を遅延するために使用される従来の療法と組合せた、1種以上の免疫調節化合物の使用を、本明細書に提供する。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグの、例えば、経口、鼻腔内(IN)、静脈内(IV)、及び/又は皮下(SC)投与経路による投与を含む。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、それを必要とする対象において、相乗的治療作用を供するために、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、1種以上の追加の活性薬と共投与することを含む。一実施態様において、共投与される物質は、呼吸器ウイルス感染症の1つ以上の症状を治療するための物質であってよい。一実施態様において、共投与される物質は、呼吸器ウイルス感染症の抗ウイルスワクチンであってよい。いくつかの実施態様において、共投与される物質は、例えば、経口、鼻腔内、静脈内、及び/又は皮下に投薬されてよい。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、2種以上の活性薬の組合せを投与することを含み、ここで活性薬の少なくとも1つは、本明細書において別所に提供するPDE4モジュレーター又は免疫調節化合物である。
一実施態様において、第二の活性薬は、抗ウイルス化合物(例えば、Tamiflu(登録商標)及びRelenza(登録商標))、抗生物質(例えば、細菌性肺炎の治療又は予防に使用される抗生物質)、充血除去剤、抗ヒスタミン薬、鎮痛剤、解熱剤、及び/又は鎮咳剤を含むが、これらに限定されるものではない。利用可能な療法に関しては、例えば、http://www.fda.gov/、「メルクマニュアル(The Merck Manual)」第18版、2006年、及び「米国医師用卓上参考書(PDR: Physician Desk Reference)2010」、第64版、2009年を参照することとし;これら各々の内容は、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法は、PDE4モジュレーター又は免疫調節化合物を、抗ウイルスワクチンと一緒に投与することを含む。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書において別所に提供する呼吸器ウイルスの型、亜型又は株を含むが、これらに限定されるものではない、呼吸器ウイルスのいくつかの型、亜型又は株の存在を、対象において確定する工程を任意に含む。一実施態様において、本明細書に提供する方法は、ウイルス感染の診断後に、呼吸器ウイルスのある型、亜型又は株を有する対象において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを投与する工程を含む。
一実施態様において、ある型の呼吸器ウイルスに対する本明細書に提供する化合物のEC50は、0.001μM未満、約0.001μM、約0.005μM、約0.01μM、約0.05μM、約0.1μM、約0.2μM、約0.3μM、約0.4μM、約0.5μM、約0.6μM、約0.7μM、約0.8μM、約0.9μM、約1μM、約2μM、約3μM、約4μM、約5μM、約6μM、約7μM、約8μM、約9μM、約10μM、又は10μM以上である。
一実施態様において、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、呼吸器ウイルス、例えば、本明細書において別所に提供する呼吸器ウイルスのある型、亜型又は株に感染した1個以上の細胞と接触させる工程を含む方法を、本明細書に提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、例えば、細胞ベースのアッセイ又は動物モデルのように、インビボ、インビトロ、及び/又はエクスビボにおいて実行することができる。いくつかの実施態様において、本方法は、動物、例えばマウス又はラットにおいて実行することができる。いくつかの実施態様において、本方法は、当該技術分野において公知の方法を用い、動物(例えば、マウス又はラット)を、ある型、亜型又は株の呼吸器ウイルスで感染させる工程、それに続くこの動物を、1種以上の本明細書に提供する化合物で治療する工程を更に含む。いくつかの実施態様において、本方法は、当該技術分野において公知の方法を用い、動物(例えば、マウス又はラット)を、ある型、亜型又は株の呼吸器ウイルスで感染させる工程、その前にこの動物を、1種以上の本明細書に提供する化合物で治療する工程を更に含む。感染工程と治療工程の間の時間及び順番は、変動することができる。
一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症(例えば、インフルエンザ感染症)の可能性のある治療を評価するために使用することができる呼吸器ウイルス感染症(例えば、インフルエンザ感染症)のネズミ科モデルを、本明細書に提供する。一実施態様において、呼吸器ウイルス感染症(例えば、インフルエンザ感染症)の可能性のある治療を評価するために使用することができる呼吸器ウイルス感染症(例えば、インフルエンザ感染症)のマウスモデルを、本明細書に提供する。一実施態様において、ネズミ科モデル又はマウスモデルは、流行性H5N1ウイルス感染の可能性のある治療を評価するために使用することができる。
一実施態様において、標準の実験用マウス又はフェレットなどの他の感受性のある種は、鼻腔内投与又はエアゾール投与により呼吸器ウイルス(例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、又はC型インフルエンザウイルスのある型、亜型又は株)により感染され、呼吸器上皮細胞及び肺胞マクロファージへのウイルス進入に至る。一実施態様において、ウイルス株は、マウス馴化株(mouse-adapted)である。一実施態様において、ウイルス株は、マウス非馴化株である。一実施態様において、ウイルス株(例えば、マウス馴化株又はマウス非馴化株のいずれか)は、例えばアマンタジン及びリバビリンなどの抗ウイルス薬による早期治療により軽減することができる、毒性肺炎を誘発し得る。一実施態様において、ウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)は、肺から容易に回収され、且つその感染は、ヒトにおける感染に類似した速度論(kinetics)に従う。一実施態様において、肺におけるウイルス力価は、感染後約4〜約6日でピークに達し、その後漸減する。一実施態様において、このウイルスは、約14日目には、プラークアッセイにより回収することができない。一実施態様において、ヒトにおける症状に類似したこの疾患の症状は、ウイルス株(例えば、インフルエンザ株)及び投与されるウイルスの量によって決まる。
一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症の最初の3日間、感染した上皮細胞及びマクロファージは、それぞれ、I型IFN及びTNFαを産生する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、NK細胞は、それらの細胞傷害性機能に加え、IFNγ、TNFα及びGM-CSFを放出するサイトカイン環境に寄与し、これらは全てAPCを活性化する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、この免疫応答の自然免疫相(innate phase)は、その後のT細胞及びB細胞の蓄積の大きさに寄与する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、好中球も顕著であり、且つそれらの数は、ウイルスの毒力及び投与量を反映している。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、ネズミ科モデル(例えばマウスモデル)において産生されたサイトカインは、ヒト感染時に観察されるものを再現している。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、ネズミ科モデル(例えばマウスモデル)の肺を浸潤する細胞の組成は、ヒト感染時に観察されるものを再現している。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、ネズミ科モデル(例えばマウスモデル)の疾患パラメータは、ヒト感染時に観察されるものを再現している。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、複数の疾患パラメータが、感染症のネズミ科モデル(例えばマウスモデル)において測定可能であり、ここでこれらのパラメータは、死亡までの平均時間、動脈血酸素飽和量、肺ガス交換、肺スコア、肺重量、宿主の体重変化、宿主の体温変化、肺ウイルス力価、組織学的硬化スコア、並びに浸潤細胞の表現型及び機能を含むが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症(例えば季節性インフルエンザウイルス感染症)のネズミ科モデル(例えばマウスモデル)を使用し、防御と病理の相関関係を分析する。一実施態様において、例えば、週齢約6〜約10週のマウスを、吸入麻酔下で、ウイルスを最大約50HAユニット含有するPBS(リン酸緩衝食塩水)50μLにより、インフルエンザウイルスにより鼻腔内感染させる。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、ウイルスの最大約50HAユニットの投与は、ウイルス接種材料による下気道の曝露、及び胃腸管への最小且つ低頻度のウイルス進入を確実にする。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、投与されるウイルスの投与量は、病理学的転帰を決定する。例えば一実施態様において、X31株(H3N2)約50HAユニットは、急激な体重減少を引き起こし、約5日目に最大となり、ウイルス投与量に応じ約7日目から約9日目までに回復する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、より高いウイルス投与量は、ネズミ科モデルの死亡につながり得る。一実施態様において、APR8株(H1N1)は、X31株(H3N2)よりもより毒性であり、より低い投与量で死亡を引き起こす。
一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、未治療の対象における体重減少と比べ、減少の低下を生じる。
一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、走化性因子の産生、機能又は受容体結合を調節する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、肺ではなく気腔への初期免疫細胞の動員を促進する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、免疫細胞の初期の有害作用の軽減を生じる。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、免疫細胞により生成された毒性生成物の作用を調節する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、呼吸バースト及び免疫細胞(例えば好中球)の増殖を調節する。
活性酸素中間体及び窒素種は、インフルエンザが誘導する病理に寄与する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、炎症性微小環境の縮小を生じ、これは例えば体重減少の低下及び軽減された肺損傷をもたらす。
一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、適応免疫には影響を及ぼさない。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、ウイルス負荷の減少を生じる。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、ピークウイルス負荷を低下する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、早い時点での炎症性環境の縮小を生じる。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、気道内のT細胞動員の減少を生じる。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、呼吸器ウイルス感染症を有する対象における本明細書に提供する化合物の投与は、気道内での好中球の減少を生じる。一実施態様において、気道内の細胞数の減少は、ウイルス感染後の早い時点で起こる。
一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、本明細書に提供する化合物の投与は、βインターフェロンを活性化する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、本明細書に提供する化合物の投与は、RIG-1-様受容体経路を調節する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、本明細書に提供する化合物の投与は、RIG-1-様受容体経路の活性を調節する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、本明細書に提供する化合物の投与は、RIG-1-様受容体の活性を調節する。一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、本明細書に提供する化合物の投与は、RIG-1-様受容体の活性を活性化する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法の1つにより治療される対象は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグの投与前に、他の療法により治療されていない。いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法の1つにより治療される対象は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグの投与前に、1つ以上の療法(例えば、抗ウイルス薬投薬又は市販薬投薬)により治療されている。一実施態様において、本明細書に提供する方法の1つにより治療される対象は、ある種の抗ウイルス療法に対し耐性がある呼吸器ウイルスの型、亜型又は株により感染されている。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、患者の年齢とは無関係に対象を治療することを包含しているが、一部の疾患又は障害は、ある年齢群においてより一般的であるか又は重症である。入院した対象を治療する方法を、更に本明細書に提供する。入院していない対象を治療する方法を、更に本明細書に提供する。呼吸器ウイルス感染症を有する対象は、不均質な臨床症状発現及び変動する臨床転帰を有し得るので、特定の対象に施される治療は、とりわけ対象の生理的状態、疾患進行に応じて変えることができる。熟練した医師は、過度の試験をすることなく、呼吸器ウイルス感染症の対象個人を治療するために効果的に使用することができる具体的投薬計画、二次的薬剤、及び薬物ベースでない標準療法の種類を容易に決定することができるであろう。
本明細書に提供する各実施態様において、本方法は、例えば、呼吸器ウイルスの型、亜型若しくは株、並びに/又は感染症の症状及び重症度を決定するための、1つ以上の診断工程を更に含んでよい。
本明細書に提供する各実施態様において、本方法は、例えば、対象の生理的状態の変化及び予後を決定するため、対象が本明細書に提供する化合物の投与量を1回以上受けた後、1回以上疾患評価する工程を更に含んでよい。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを、例えば、静脈内(IV)、皮下(SC)又は経口の投与経路により投与することを含む。本明細書のいくつかの実施態様は、相乗的治療作用を必要とする対象においてその作用を提供するための、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグの、1種以上の追加の活性薬との共投与を提供する。いくつかの実施態様において、共投与される薬剤は、例えば、経口又は注射(例えば、IV又はSC)により投与することができる。
一実施態様において、本明細書に提供する方法は、例えば、IV、SC及び/又は経口投与法を用い、本明細書に提供する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、若しくはプロドラッグを投与することを含む。いくつかの実施態様において、治療サイクルは、それを必要とする対象へ複数日にわたり投与し(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日、又は14日以上)、任意にその後休薬する(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日、又は14日以上)、反復投与量を含む。本明細書に提供する方法に関する好適な用量は、例えば、治療的有効量及び予防的有効量を含む。例えば、いくつかの実施態様において、本明細書に提供する方法において投与される化合物の量は、例えば、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日、約100mg/m2/日〜約1,000mg/m2/日、約100mg/m2/日〜約500mg/m2/日、又は約120mg/m2/日〜約250mg/m2/日の範囲であってよい。いくつかの実施態様において、特定の用量は、例えば、約120mg/m2/日、約140mg/m2/日、約150mg/m2/日、約180mg/m2/日、約200mg/m2/日、約220mg/m2/日、約240mg/m2/日、約250mg/m2/日、約260mg/m2/日、約280mg/m2/日、約300mg/m2/日、約320mg/m2/日、約350mg/m2/日、約380mg/m2/日、約400mg/m2/日、約450mg/m2/日、又は約500mg/m2/日である。いくつかの実施態様において、特定の用量は、例えば、最大約120mg/m2/日、最大約140mg/m2/日、最大約150mg/m2/日、最大約180mg/m2/日、最大約200mg/m2/日、最大約220mg/m2/日、最大約240mg/m2/日、最大約250mg/m2/日、最大約260mg/m2/日、最大約280mg/m2/日、最大約300mg/m2/日、最大約320mg/m2/日、最大約350mg/m2/日、最大約380mg/m2/日、最大約400mg/m2/日、最大約450mg/m2/日、最大約500mg/m2/日、最大約750mg/m2/日、又は最大約1000mg/m2/日である。
一実施態様において、本明細書に提供する方法において投与される本化合物の量は、例えば、約5mg/日〜約2,000mg/日、約10mg/日〜約2,000mg/日、約20mg/日〜約2,000mg/日、約50mg/日〜約1,000mg/日、約100mg/日〜約500mg/日、約150mg/日〜約500mg/日、又は約150mg/日〜約250mg/日の範囲であることができる。いくつかの実施態様において、特定の用量は、例えば、約10mg/日、約20mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約120mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、約800mg/日、約900mg/日、約1,000mg/日、約1,200mg/日、又は約1,500mg/日である。いくつかの実施態様において、特定の用量は、例えば、最大約10mg/日、最大約20mg/日、最大約50mg/日、最大約75mg/日、最大約100mg/日、最大約120mg/日、最大約150mg/日、最大約200mg/日、最大約250mg/日、最大約300mg/日、最大約350mg/日、最大約400mg/日、最大約450mg/日、最大約500mg/日、最大約600mg/日、最大約700mg/日、最大約800mg/日、最大約900mg/日、最大約1,000mg/日、最大約1,200mg/日、又は最大約1,500mg/日である。
一実施態様において、本明細書に提供する医薬組成物又は剤形中の本化合物の量は、例えば、約5mg〜約2,000mg、約10mg〜約2,000mg、約20mg〜約2,000mg、約50mg〜約1,000mg、約100mg〜約500mg、約150mg〜約500mg、又は約150mg〜約250mgの範囲であることができる。いくつかの実施態様において、特定の量は、例えば、約10mg、約20mg、約50mg、約75mg、約100mg、約120mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1,000mg、約1,200mg、又は約1,500mgである。いくつかの実施態様において、特定の量は、例えば、最大約10mg、最大約20mg、最大約50mg、最大約75mg、最大約100mg、最大約120mg、最大約150mg、最大約200mg、最大約250mg、最大約300mg、最大約350mg、最大約400mg、最大約450mg、最大約500mg、最大約600mg、最大約700mg、最大約800mg、最大約900mg、最大約1,000mg、最大約1,200mg、又は最大約1,500mgである。
一実施態様において、治療される疾患及び対象の状態に応じ、本化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内注射又は注入、皮下注射、又は移植)、吸入、経鼻、経膣、経直腸、舌下、又は局所性(例えば、経真皮若しくは局所)投与経路により投与することができる。本化合物は、単独で、又は1種以上の活性薬と一緒に、各投与経路に適した医薬として許容し得る賦形剤、担体、アジュバント及び媒体と一緒に、好適な用量単位(dosage unit)で製剤することができる。一実施態様において、本化合物は経口投与される。別の実施態様において、本化合物は、非経口投与される。更に別の実施態様において、本化合物は、静脈内に投与される。
一実施態様において、本化合物は、例えば、単回ボーラス注射、又は経口錠剤若しくは丸剤などの単回投与量として;或いは、例えば、ある期間にわたる連続注入、又はある期間にわたる分割ボーラス投与量など、ある期間にわたり送達することができる。一実施態様において、本化合物は、例えば、患者が安定した疾患を経験するまで、必要に応じ反復投与することができる。安定した疾患又はそれらの欠如は、患者の症状の評価及び生理的試験など、当該技術分野において公知の方法により決定される。
一実施態様において、本化合物は、1日1回(QD)、又は1日2回(BID)、1日3回(TID)、及び1日4回(QID)など複数の1日投与量に分割して、投与することができる。一実施態様において、投与は、連続して(すなわち、連続日又は毎日)、断続的に、例えばサイクルで(すなわち、薬物が投与されない休薬の日、週、又は月を含む)行うことができる。一実施態様において、本化合物は、例えば、ある期間各日1日1回以上で、毎日投与される。一実施態様において、本化合物は、少なくとも7日間の中断されない期間、一部の実施態様においては最大52週間、毎日投与される。一実施態様において、本化合物は、中断して、すなわち定期的間隔又は不定期的間隔のいずれかで中止及び再開して投与される。一実施態様において、本化合物は、1週間当たり1〜6日間投与される。一実施態様において、本化合物は、隔日で投与される。一実施態様において、本化合物は、サイクルで投与される(例えば、ある期間にわたり毎日又は連続して投与され、休薬期間で中断される)。
一実施態様において、投与頻度は、ほぼ毎日からほぼ毎月までの範囲である。いくつかの実施態様において、本化合物は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おき、週2回、週1回、2週おき、3週おき、又は4週おきに投与される。一実施態様において、本化合物は、1日1回投与される。別の実施態様において、本化合物は、1日2回投与される。更に別の実施態様において、本化合物は、1日3回投与される。また別の実施態様において、本化合物は、1日4回投与される。
一実施態様において、本化合物は、1日から6ヶ月まで、1週間から3ヶ月まで、1週間から4週間まで、1週間から3週間まで、又は1週間から2週間までについて、1日1回投与される。いくつかの実施態様において、本化合物は、1週間、2週間、3週間、又は4週間の間、1日1回投与される。一実施態様において、本化合物は、1週間の間、1日1回投与される。別の実施態様において、本化合物は、2週間の間、1日1回投与される。更に別の実施態様において、本化合物は、3週間の間、1日1回投与される。また別の実施態様において、本化合物は、4週間の間、1日1回投与される。
一実施態様において、本化合物は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間、約9週間、約12週間、約15週間、約18週間、約21週間、又は約26週間の間、1日1回投与される。いくつかの実施態様において、本化合物は、断続的に投与される。いくつかの実施態様において、本化合物は、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日の量で断続的に投与される。いくつかの実施態様において、本化合物は、連続的に投与される。いくつかの実施態様において、本化合物は、約50mg/m2/日〜約1,000mg/m2/日の量で連続的に投与される。
いくつかの実施態様において、本化合物は、サイクルで患者に投与される。サイクリング療法は、ある期間の活性薬の投与、それに続くある期間の休薬、並びにこの逐次投与の繰り返しを含む。サイクリング療法は、この治療に対する耐性の発生を低下し、この療法の副作用を回避若しくは軽減し、及び/又はこの治療の有効性を改善することができる。
いくつかの実施態様において、本化合物は、約1〜約52週間連続投与される。いくつかの実施態様において、本化合物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月間連続投与される。いくつかの実施態様において、本化合物は、約14、約28、約42、約84、又は約112日間連続投与される。
いくつかの実施態様において、本化合物は、患者がウイルスに曝露されて2日以内に投与される。これらの実施態様において、本化合物は、少なくとも5連続日の間、1日2回投与される。これらの実施態様の特定の態様において、本化合物は、経口投与される。
他の実施態様において、本化合物は、患者がウイルスに曝露されて2日以内に投与される。これらの実施態様において、本化合物は、少なくとも10連続日の間、1日1回投与される。これらの実施態様の特定の態様において、本化合物は、経口投与される。
治療期間は、治療される対象の年齢、体重及び状態により変動することができ、且つ公知の試験プロトコールを用い経験的に又は治療を提供若しくは監督する専門家の判断に従い、決定することができることは、理解されるべきである。熟練した医師は、特定の型の呼吸器ウイルス感染症を有する個々の対象の治療に関して、過度の試験をすることなく、有効な薬物投与量及び治療期間を容易に決定することができるであろう。
(VI. 実施例)
いくつかの実施態様を、以下の非限定的実施例により例示する。
(1. 試験デザイン:インフルエンザウイルスに感染したマウス及び化合物治療の作用)
10匹のマウス群を使用した。各マウスには、独自の実験番号を与え、個別に分析した。気管支肺胞洗浄液(BAL)、鼻腔組織/洗浄液及び血清を収集し、それらの対応する実験番号をつけて貯蔵した。肺の1葉を、病原体力価を決定するプラークアッセイのためにホモジナイズした。組織学的分析のために、マウス1匹につき分離した肺葉を、ホルマリン中に固定した。肺の残りを、フローサイトメトリーによる細胞亜型の分析のために、単独の細胞浮遊液へと消化した。この方法で、1回の実験につき5つの個別のデータ点を作製し、これらを用いてデータの再現性を数量化した。
防御と病理の相関関係を、以下のように決定した:
a.病原体クリアランスは、ウイルスプラークアッセイによりモニタリングした。ウイルス拡散に対する感染又は治療の作用を、肺組織のホモジネートにおいて試験した。
b.病理を、悪液質の程度、移動度及び/又は体重を基にした標準スコアリングシステムを用い、体重減少及び疾患により毎日モニタリングした。
免疫は、(1)フローサイトメトリーにより決定した、T細胞、B細胞及びNK細胞;並びに、(2)フローサイトメトリーにより決定した、細胞内サイトカイン(例えば、IL2、TNFα、及びIFNγ)又は活性化の表面マーカー(例えば、CD69)を発現しているT細胞(CD4+及びCD8+の両方)の頻度:の定量により、モニタリングした。結果が陽性を示した場合、洗浄液、血清及び鼻腔洗浄液中のサイトカイン濃度を、ELISAにより分析した。
下記の構造を有する化合物1を、本明細書の実施例に記載のように、マウスに投与した。
Figure 0005937060
1群につき10匹のマウスに、容量50μL中インフルエンザX31株(H3N2)の50HAユニットを、0日目に鼻腔内感染させた。0、1、2、3、4、5及び6日目に、化合物1を、腹腔内投与した。1群につき5匹のマウスを、インフルエンザ感染後3日目及び7日目に屠殺した。
媒体(水を溶媒とする0.5%CMC/0.25%Tween80)を、蒸留水中に調製し、磁気攪拌機上で一晩攪拌することにより溶解した(例えば、CMC 0.5gとTween80 0.25mLを水99.75mLに入れ、全体で0.5%CMC/0.25%Tween80媒体100mLを作製)。化合物1を、この媒体に溶解した。この溶液100μgを、各マウスへ、1日投与量0.1mg/日で注射した。
これらの動物を3群に分けた。グループ1は、処置を受けなかった。グループ2は、媒体対照(化合物1を含まない希釈液)を受けた。グループ3は、媒体中の化合物1を受けた。
Figure 0005937060
インフルエンザ感染の前後のマウスの体重を記録した。3日目及び7日目に、マウスを屠殺し、細胞内サイトカイン産生、T細胞亜型、マクロファージ、B細胞、NK細胞、及び好中球を含む細胞の気道、肺、及びリンパ節への浸潤について分析した。
血清は、インフルエンザ-特異抗体の分析のために貯蔵した。肺の1葉を、ウイルス力価分析(プラークアッセイ)のために瞬間凍結し、且つ1葉を組織分析のためにホルマリン中に配置した。
一実施態様において、特定の理論により限定されるものではないが、化合物1などのサイトカイン遮断化合物の、季節性インフルエンザ感染症の治療の可能性を評価する。
(2. 体重減少)
体重減少は、肺における感染の重症度の直接の指標であることができ、且つ特にT細胞の細胞浸潤の程度と相関し得る。インフルエンザに感染したマウスにおいて、当初の体重に対する割合を、ウイルス感染前の0日目の体重から算出した(図1)。感染4日目に、ピークウイルス負荷後に、体重減少が生じた。5日目及び6日目までに、ウイルス力価は下がったが、T細胞浸潤は最高であった。従って体重減少は、気腔の閉塞、並びに感染した呼吸器上皮の細胞傷害性T細胞及びナチュラルキラー細胞の溶解により引き起こされる損傷並びにIL-6及びTNFなどのパイロジェン性サイトカインを介して生じるように見えた。
インフルエンザ感染マウスへの化合物1の投与(図1の菱形)は、媒体対照(図1の四角)及び未処置マウス(図1の三角)に比べ、体重減少の有意な低下を生じた。化合物1で処置したマウスは、肉眼でより良い健康状態に見えた。対照及び未処置マウスは、5日目に体を丸め、悪液質に見えた。
(3. 気道(BAL)及び肺組織中の総生存細胞数)
総生存細胞数は、トリパンブルー色素排除法及び光学顕微鏡により数え上げた。約1×105個の細胞を、肺胞マクロファージのほぼ全体(CD11c+、CD11b+、F4/80+)を含む非感染動物の気道から回収した。非感染動物の肺は、消化時に約5×105個の細胞を遊離した。
化合物1による処置は、感染の3日目に、気道(BAL)への細胞浸潤を有意に低下し(図2)、これは非処置動物と比べた体重減少の低下により説明されるであろう。この作用は、7日目より遅い時点で、又は3日目若しくは7日目のいずれかの肺実質においては認められなかった(図2)。3日目に化合物1で処置したマウスの気道(BAL液)の細胞数は、化合物1で処置しなかった感染マウスにおいて認められる細胞数の半分未満であった。
(4. 気腔内マクロファージ)
非感染マウスにおいて、気腔は、主にマクロファージを含み、且つそれらの減少は、他の型の細胞の気腔への浸潤の信頼できる指標である。
1群につき5匹のマウスについて、感染の3日目に採取し、マクロファージをフローサイトメトリーにより数え上げた。結果を、平均±SEMとして示した(図3)。化合物1で処置したマウスにおいて、感染3日目に、より高い割合の気腔から回収された細胞がマクロファージであった。
化合物1で処置したマウスの気腔内の3日目の総細胞の減少は、好中球(CD11c+及びLy6g+)に主に関連するように見えた(図4)。ウイルスの上皮における複製、その後の走化因子KC(IL-8)及びMIP2の放出のために、一般に好中球がインフルエンザ-感染マウスにおいて顕著である。
7日目には、動物群間の全ての部位において、マクロファージ及び好中球の両方の数について、有意差は認められなかった。
(5. T細胞動員に対する作用)
インフルエンザウイルスに感染したマウスにおいて、化合物1による処置は、T細胞動員を低下した。T細胞動員は、フローサイトメトリーによる表面マーカーCD4及びCD8の分析により評価した。気道(BAL)への早期のCD4+ T細胞動員は、化合物1で処置したマウスにおいて低下し、肺実質においては、それらの相応の蓄積を伴った。これは、化合物1は、気腔内の細胞により生成された走化因子、恐らく上皮から誘発される走化因子に影響を及ぼすことを暗示している。このことは、免疫媒介性病理が、気腔において発生し、且つ増強された細胞は肺組織においては病原性ではないことを示している先の研究の結果に類似している。
7日目まで、動物群間で、T細胞動員に差異は認められなかった。早い時点での低下した細胞充実性(cellularity)は、獲得免疫の発生に影響を及ぼすようには見えなかった。従って、ウイルス排泄は、全ての群においてほぼ等しく、且つ免疫学的記憶は損なわれないことが予想される。
図5は、化合物1による処置は、早期T細胞動員に影響を及ぼしたことを示している。化合物1若しくは媒体による処置を毎日受けたマウス、又は非処置マウスは、感染後3日目に屠殺した。気管支肺胞洗浄(BAL)を行い、且つ肺組織を処理し、細胞を採取した。気道細胞(A、B)及び肺細胞(C、D)を、CD4について染色した。左側パネルは、CD4+細胞の割合を示し、右側パネルは、実際の細胞数を表している。データは、1群につき5匹の個別のマウスからの平均±SEで表している。
図6は、化合物1による処置は、遅いT細胞集団に影響を及ぼさなかったことを示している。化合物1若しくは媒体による処置を毎日受けたマウス、又は非処置マウスは、感染後7日目に屠殺した。気管支肺胞洗浄(BAL)を行い、且つ肺組織を処理し、細胞を採取した。気道細胞(A、B)及び肺細胞(C、D)を、CD4について染色した。左側パネルは、CD4+細胞の割合を示し、右側パネルは、実際の細胞数を表している。データは、1群につき5匹の個別のマウスからの平均±SEで表している。
CD8+ T細胞においては、分析したいずれの時点においても差異は認められなかった。
(6. 肺のT細胞サイトカイン産生に対する作用)
IFNγを産生するCD4+ T細胞の部分的減少が、非処置マウス及び媒体対照と比べ、化合物1処置マウスにおいて、7日目に肺組織において認められたが、気道(BAL)において認められなかった(図7)。この作用は、CD4+集団において認められた。CD8+ T細胞のサイトカイン発現は、変化しないままであった。
T細胞IFNγ発現は、フローサイトメトリーにより分析した。肺細胞を最初にCD4及びCD8について染色し、次にサポニンを用い透過性を向上し、その後関連サイトカインに対する抗体を添加した。CD4陽性T細胞(カラムA)又はCD8陽性T細胞(カラムB)の割合をフローサイトメトリーにより決定した。その後示されたサイトカイン発現の割合を算出した(図7)。
T細胞IFNγ発現は、フローサイトメトリーにより分析した。気道細胞を、最初にCD4及びCD8について染色し、次にサポニンを用い透過性を向上し、その後関連サイトカインに対する抗体を添加した。CD4陽性T細胞(カラムA)又はCD8陽性T細胞(カラムB)の割合をフローサイトメトリーにより決定した。その後示されたサイトカイン発現の割合を算出した(図8)。
(7. ピークウイルス負荷に対する作用)
インフルエンザウイルスに感染したマウスにおいて、化合物1による処置はピークウイルス負荷を低下した。ウイルスクリアランスに対する処置の作用を特徴決定するために、肺ホモジネートに対するプラークアッセイを行った。マウスから、3日目(A)及び7日目(B)に採取した。肺葉を、プラークアッセイのためにホモジネートし、ウイルス力価を確立した。データは、1時点n=5についての、平均値±SEMを表している(図9)。
概して、全ての群のウイルス力価は、3日目から7日目まで低下した(図9において、AとBの間のスケールの差に注意)。ウイルス複製の早期段階において、化合物1処置は、ウイルス力価の回復を鈍化した。7日目には、化合物1で処置した群は、2つの対照群と同様のウイルス力価を示した。
(8. BALB/cマウスにおけるインフルエンザA/CA/04/2009(大流行H1N1)ウイルス感染症治療に関するPDE-4阻害薬の評価)
各々下記に示した構造を有する化合物1、2、3及び4を、BALB/cマウスにおけるインフルエンザA/CA/04/2009(H1N1)ウイルス感染症の治療におけるそれらの有効性について評価する:
Figure 0005937060
インフルエンザウイルスを、体重18〜20gのBALB/cマウスへ、鼻腔内投与する。下記表に示した実験デザインに従い、各々0.5%CMC/0.25%Tween80を溶媒とする化合物1、2、3又は4を、アンピシリンを含めて又は含ませずに、感染したマウスへ投与する。対照として、プラセボ、アンピシリン及びリバビリンを、各々、感染したマウスへ被験化合物を伴わずに投与する。加えて前記化合物のいずれも投与しない、感染していない健常マウスを、体重増加の観察のための陽性対照として含める。各治療群の10匹のマウス、各プラセボ群の20匹のマウス、及び各健常対照群の5匹を、本試験は含む。
処置は、感染の4時間後に開始する。化合物1-4及びアンピシリンは、1日1回7日間、腹腔内投与する。リバビリンは、1日2回5日間経口投与する。生存率、死亡判定までの平均日数、感染期間中に隔日測定した体重の変化、及び肺パラメータ(例えば、スコア、重量、及びウイルス力価)などの、パラメータを記録し、且つ評価する。
Figure 0005937060
Figure 0005937060
前述の実施態様は、単なる例証を意図し、且つ当業者は、慣習的実験、具体的化合物、材料及び手順の多くの等価物を使用し、認めるか又は解明することができるであろう。そのような等価物は全て、開示の範囲内であり、且つ添付の請求項により包含される。
本明細書に列記された特許、特許出願及び文献は全て、それらの全体が引用により本明細書に組入れられている。更に本明細書の任意の参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本出願の先行技術として利用可能であることを承認するものではない。本開示の完全な範囲は、添付の請求項を参照することによって、より良く理解される。

Claims (13)

  1. 対象における呼吸器ウイルス感染症に関連する又はこれに起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し又はその発症を遅延するための医薬組成物であって、下記の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくは立体異性体を含み、
    化合物が、3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(1-オキソイソインドリン-2-イル)プロパンアミドであり;
    Figure 0005937060
    該呼吸器ウイルス感染症が、インフルエンザ感染症であり;かつ
    該呼吸器ウイルス感染症に関連する又はこれに起因する症状が、発熱、悪寒、発汗、頭痛、疲労、疲労感、消耗、咳、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、咽喉炎、体の痛み、筋肉痛、関節痛、副鼻腔痛、耳痛、胸痛、胸の不快感、副鼻腔うっ血、下痢、吐気、腹痛、脱水、又は息切れである、前記医薬組成物。
  2. 少なくとも1の第二の活性薬と組合せて使用するための、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 前記第二の活性薬が、抗ウイルス薬又は抗生物質である、請求項2記載の医薬組成物。
  4. 前記インフルエンザが、A型インフルエンザである、請求項1〜3のいずれか一項記載の医薬組成物。
  5. 前記A型インフルエンザが、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、及びH10N7亜型からなる群から選択される亜型である、請求項4記載の医薬組成物。
  6. 前記インフルエンザが、B型インフルエンザである、請求項1〜3のいずれか一項記載の医薬組成物。
  7. 前記インフルエンザが、C型インフルエンザである、請求項1〜3のいずれか一項記載の医薬組成物。
  8. 前記化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくは立体異性体が、経口、非経口、鼻腔内、又は局所的に投与される、請求項1〜7のいずれか一項記載の医薬組成物。
  9. 前記対象がヒトである、請求項1〜8のいずれか一項記載の医薬組成物。
  10. 前記化合物の立体異性体が、鏡像異性的に純粋である、請求項1〜9のいずれか一項記載の医薬組成物。
  11. 前記呼吸器ウイルス感染症に関連する又はこれに起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し又はその発症を遅延することが、未処理の対象と比べて、体重減少の低下をもたらす、請求項1〜10のいずれか一項記載の医薬組成物。
  12. 前記呼吸器ウイルス感染症に関連する又はこれに起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し又はその発症を遅延することが、未処理の対象と比べて、肺損傷の減少をもたらす、請求項1〜11のいずれか一項記載の医薬組成物。
  13. 前記呼吸器ウイルス感染症に関連する又はこれに起因する1つ以上の症状を治療し、予防し、改善し又はその発症を遅延することが、未処理の対象と比べて、ウイルス負荷の減少をもたらす、請求項1〜12のいずれか一項記載の医薬組成物。
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