JP5924940B2 - モデル不一致を補償するためチューニング可能積分コンポーネントを備えるモデル予測コントローラ - Google Patents

モデル不一致を補償するためチューニング可能積分コンポーネントを備えるモデル予測コントローラ Download PDF

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Description

本出願は、正式に提出された出願形態であり、2009年2月2日に出願され、その全開示が参照により本明細書に明示的に組込まれる「モデル不一致を補償するためチューニング可能積分コンポーネントを備えるモデル予測コントローラ(Model Predictive Controller with Tunable Integral Component to Compensate for Model Mismatch)」という名称の米国仮特許出願第61/149,147号の出願日に対する優先権及びその出願日の利益を主張する。
本願は産業用プロセスプラント等で行われるプロセス制御に関し、より具体的には、チューニング可能積分コンポーネントを使用しモデル不一致を補償することでモデル不一致の存在下でより良いモデル予測コントローラ動作を提供する改良モデル予測コントローラに関する。
プロセス制御用のハードウェアとソフトウェアは、殆ど全ての化学、製薬、精製設備の主要コンポーネントであり、全世界で数十億ドル規模のビジネスになっている。これまで、特定の状況で最良の制御を得ることは必ずしも主要な関心事ではなかったが、近年は制御性能と最適化性能を念頭に置いて産業用プロセスプラント等の新しいプラントが設計されるようになっている。さらに、多くの既存プロセスプラントがこの目的で改修されている。この改修はリアクタ、タンク、パイプの位置等、設置されたハードウェアの幾何学的配置の改修ばかりでなく、プロセス制御に使われる各種制御、監視、測定要素の位置及びタイプの改修にまでおよんでいる。増加する天然資源コストと排出に伴う実効コストのため、エネルギー消費も重要なプラント設計要因となっている。
制御性能の監視にコントローラの再チューニングやモデルのスケジューリングを組み合わせることにより、産業プラントの効率を劇的に向上させ、毎年数百万ドルの節約を達成することができる。近年益々普及しつつあるもうひとつの技法に異常状況監視予防(ASP)がある。最新のデバイス及び制御システム設計は、故障や来るべき保守サイクルを予測できる埋め込み型統計アルゴリズムと斬新なセンサを含むことがある。これらの予測保守システムはプラント操業の稼動時間を劇的に向上し、危険でコストのかかる予期せぬ運転停止の発生を防ぐことができる。さらに、これらの技法の信頼性は過去10年で大幅に向上しており、プラント効率の向上に結びついている。
これらの取り組みの一部として、モデル予測制御(MPC)技法と一般的に呼ばれている予測制御技法の一種が、約25年前に初めて開発され適用されて以来、業界で大きな支持を得ている。一般的に言って、MPCは制御アルゴリズムの一種を指す。この制御アルゴリズムはプロセスモデル(通常は本質的に線形)を使って被操作変数プロファイルを計算し、将来の時間区間にわたって制約のもと線形又は二次開ループ性能目標を最適化する。その後、この開ループの最初の移動、最適被操作変数プロファイルがプロセス内で実施され、制御間隔又はコントローラサイクルのたびにこの手順を繰り返すことでプロセス制御を行う。制御中はプロセス測定値を使用し最適化問題を更新する。この種の制御アルゴリズムは後退ホライズン制御又は移動ホライズン制御とも呼ばれる。
ただしMPCは、その複雑さのため、主に先進制御分野において地位を確立しており、MPC構成の開発と試運転は制御の専門家によって通常行われている。結果的に、MPC実装を適用するだけの価値があるプロセスは通常、大きな実装コストの見返りに大きな増益が見込まれるプロセスだけであった。この場合、入力と出力の数で見たMPC適用の規模は通常大きく、このことが、単一変数ループ制御等の低水準ループ制御にMPCが通常使われてこなかった理由のひとつになっている。
より具体的に、制御システムの試運転コストはかなりのもので、特定のプロセスプラントで全ての制御ループの構成に細心の注意を払うことはおおよそ現実的ではない。その結果、全制御ループの約90パーセントは、比例・積分・微分(PID)コントローラや比例・積分(PI)コントローラ等従来の線形フィードバックコントローラによって制御されている。また、MPCコントローラが使用される場合、これらのコントローラもまた通常は本質的に線形である。残念ながら、プロセス制御業界では主に線形コントローラが使われているが、現実のプロセスの殆どは非線形挙動を呈する。この食い違いの結果、モデル不一致は不可避となる。モデル不一致に対処しないと制御性能が最適以下となるばかりでなく、制御性能と稼動時間を向上させるため開発された技術の利点の多くが帳消しになる。従って、モデル不一致は制御ハードウェア及びソフトウェアの点でコストがかかるばかりでなく、実際には他の関係プラント技術のコスト節約も損なう。
一般的に言って、産業用コントローラの性能は様々な方法で測定することができ、プロセスの品質・安全要求はプロセスによって大きく異なる。事実、プラント技師は、オーバーシュート、アレスト時間(プロセス統合)、振動特性、積分誤差、積分絶対誤差(IAE)等、様々な性能基準により制御ループの性能を評価する。ただしPIDコントローラの場合、コントローラで測定される制御性能は通常、設定点追跡と外乱排除挙動とのトレードオフの結果であり、設定点追跡の性能が向上すると外乱排除の性能が低下し、逆に、設定点追跡の性能が低下すると外乱排除の性能が向上する。例えば長い時定数(遅れ優勢プロセスに存在する時定数等)は、設定点追跡性能向けにチューニングされたPIDコントローラで不満足な外乱排除性能をもたらすことが知られている。PIDコントローラ開発に特有のこのトレードオフは、負荷変動排除のため理想的にチューニングされたPIDコントローラが比較的高い積分動作(すなわち比較的小さい積分時定数)を有することとなり、高い積分動作がコントローラの設定点変更性能にとって有害であるという事実によって説明できる。より具体的に、設定点変更中、プロセス誤差(e)は、たとえ被制御変数(y)が設定点(SP)に近づいている間でも、一定の時間大きいままである。非常に大きな積分利得により、積分項は急速且つ必要以上に増大し、設定点オーバーシュートを引き起こす。結果的に、設定点変更性能を目標とするPIDチューニングはより小さい積分動作とより劣悪な負荷変動又は外乱排除性能を有する。上述したように、どの業界でも依然として最もポピュラーなコントローラとして選ばれている従来のPID制御がこの問題を被るため、この問題の影響を軽減する試みとして、設定点フィルタリングやPIDコントローラに対する構造的修正等、数多くのアプローチが提案されてきた。
これらの修正をもってしてもPIDコントローラのチューニングは依然、設定点追跡性能と外乱排除性能とのトレードオフを正確に指定するという難題を呈する。各種のPIDチューニング方法では通常、設定点追跡性能か外乱排除性能のいずれか一方を優先する。さらに、多くのモデルベースチューニング技法は、PIDコントローラの内部パラメータを、制御されるプロセスのモデルの内部パラメータに一致させ、同じトレードオフに帰結する。例えば、ポールキャンセレーションやラムダチューニングといったPIDチューニング方法は、コントローラの積分時間をプロセスの支配的な時定数に一致させる。この場合、コントローラ利得は、一定の閉ループ時定数と一定の設定点変更応答(例えばオーバーシュートなし)を達成するよう設定される。そのようなコントローラの積分動作は比較的小さいため、この技法は非常に良好な設定点変更性能を呈するが、不満足な外乱排除性能を呈する。一方、ジーグラー・ニコルス法などのエンピリカルPIDチューニング方法は、外乱排除性能のため特別に設計されている。しかし、そのようなコントローラの積分動作は、プロセス変数を設定点に非常に急速に戻すほど十分強いため、設定点変更に応じて好ましくない設定点オーバーシュートをもたらす。
ごく稀に、ループの目的は外乱排除のみであり(設定点変更がないバッファタンクレベル等)、或いは設定点追跡のみである(外乱がないカスケード方式における二次ループ等)。この場合、チューニング構成の選択は容易いが、前述したトレードオフはしばしば完全に看過され、代わりにデフォルトチューニング方法が通常選ばれ、特定のプロセス状況でチューニングは最適に満たないものとなる。上述したように、このPIDチューニングの限界を克服するため、設定点フィルタリングや2自由度構造を含む数多くのチューニング方法が開発されてきたが、これらのチューニング方法は通常、外乱排除性能を優先するため、設定点変更に対するコントローラの反応は人為的に低減される。例えば設定点フィルタリングが選ばれる場合は、オーバーシュートを防止するため作業員による設定点変更がフィルタされ、設定点変更に対する反応は遅くなる。
いずれにせよ、上述した性能トレードオフの直接的結果として、異なる制御目標に応じて異なるチューニング方法を選ばなければならない。PIDチューニングとしてこれほど多くのチューニング方法が提案されてきた理由のひとつである。これほど多くのPIDチューニング技法があるもうひとつの理由は、使用する入力変数はチューニング規則又は方法によって異なり、特定のプロセスで容易に利用できるのはその一部に限られているということである。例えば、多くのチューニング方法はプロセスモデルに基づいてチューニングを計算するが、他の方法は他のプロセス特性に基づいてチューニングを計算する。後者の方法の一例として、ジーグラー・ニコルスチューニング規則で使用する臨界利得と臨界周波数は、一部の機械プロセスの場合は容易く特定できるが、多くの産業化学プロセスでは事実上特定できない。
一方、MPCコントローラの積分部分はPIDコントローラに見られるのと同じトレードオフを被らないため、MPCコントローラ等の予測コントローラは設定点変更と負荷変動に対し同様に機能できるはずである。より具体的に、移動ペナルティと誤差の項は本質的に別個であるため、MPCコントローラには通常、設定点追跡と外乱排除との性能トレードオフがなく、MPCコントローラは、理論的にはPIDコントローラに代わる望ましいコントローラである。また、予測コントローラでは被制御変数又はプロセス出力(y)が設定点に近づいている間に誤差(e)は増加しない。事実、誤差は最初の実行サイクルの後に理論上ゼロにできるため、PID制御に特有の積分利得問題は軽減されるか、もしくは解消される。残念ながらMPCコントローラの性能は、プロセスモデル不一致が存在する場合に、すなわちMPCコントローラによって使用されるプロセスモデルが実際のプロセス特性に完璧には一致しない場合に、急速に低下する。
さらに、産業用MPCコントローラの外乱排除性能は、外乱排除のため特別にチューニングされたPIDコントローラのそれに劣ることが知られている。状態更新分野における最近のMPC改良は、MPC技法で使われるオブザーバモデルが完璧に分かると仮定される場合に、この性能格差をある程度埋める。ただしモデル不一致の存在下では、積分絶対誤差(IAE)によって測定されるPIDコントローラの制御性能は、最良のチューニングを施したMPCコントローラの性能より依然として優れている。
とはいえ、MPCコントローラは予測制御性能の利点と数少ない多少直感的なチューニングパラメータの利便性とを組み合わせることができると考えられているため、MPCは、PIDコントローラに代わる主要な制御技術のひとつと考えられてきた。ただし、学界や制御システムの販売業者は近年、MPCの応用範囲を広げるため多大な努力を注いできたが、現時点でMPCコントローラの成功は一般的に、PID制御が十分に機能しないか実装や維持があまりに困難な産業環境に限られている。基本的に、かなりの数のプロセスでは依然としてMPCよりPID制御のほうが良好に機能し、またPIDコントローラはMPCタイプのコントローラより安価で速やかに配備できるため、実際のプロセスプラント構成の中でPIDコントローラが実際にMPCコントローラに差し替えられた割合はごく僅かである。
先に指摘したように、MPCコントローラの性能がPIDコントローラより劣る傾向にある大きな理由のひとつは、MPCコントローラがPIDコントローラよりプロセスモデル不一致による性能低下を被りやすいからである(遅れ優勢プロセスの場合を除く)。制御要素及び送信器の線形化やコントローラ利得スケジューリングの使用等、プロセスにおける非線形性(又は他の発生源)に起因するモデル不一致に対処する実用的な方法は存在するが、モデル不一致に対処する最も一般的な方法はコントローラチューニングを実施することである。しかし、コントローラのチューニングに伴う困難のため、プロセス作業員又は技師はしばしば最悪の場合のシナリオ(例えば最も高いプロセス利得)でコントローラをチューニングし、プロセスの他の領域については最適に満たないチューニングに甘んじている。このため産業用PID又はMPCコントローラのデフォルトチューニングパラメータは通常、保存的であり、種々のプロセスアプリケーションで最初はうまく機能する。ただしコントローラは通常、いつまでもデフォルト設定のまま放置されるため、総合的な性能は低下する。たとえそうでなくても、同定誤差やプラントドリフトに起因するモデル不一致はチューニングによる対処が難しい。事実、モデル同定を実施するには十分なプロセス摂動が必要とされるため、この種のモデル不一致は検出することが難しく、これは通常、プロセス制御の目標(プロセス外乱に応じてプロセスを定常状態に保つこと)に矛盾する。さらに、プロセス摂動を未測定外乱から識別することは困難である。
モデル不一致に応じてMPCコントローラを「チューニング」する一方法として、プロセス変化を考慮してプロセスモデルを再生成し、次にこの新しいモデルをMPCコントローラの中で使用する方法がある。残念ながら、まず第一にモデルベースのコントローラに使用する正確なプロセスモデルを開発するには実際上の障害が数多く存在する。例えば、多くの産業プロセスが最小位相であっても、大多数の閉ループは最小位相ではない。むだ時間としても知られる時間遅延と高次遅れは、正確なプロセスモデルの開発を著しく複雑にするライトハンドポールを生成する。殆どの場合、閉ループのむだ時間は、コンピュータ制御システムでは不可避である離散的サンプリング機構とパイプ内での材料輸送遅延によって生じ、高次遅れは通常、測定及び制御デバイスにおけるフィルタ時定数の結果である。産業用プラントのプロセスモデルを定義する際にしばしば見られる他の難題は、バルブやパッキングの機械的挙動によって生じる分解能及び不感帯を含む。
こうした要因は、コントローラのプロセスモデルを開発する産業用プラントの制御技師に数多くの難題を投げかける。例えば、あるプロセスが、ある利得と時定数を有する一次フィルタのように働くことが見込まれる場合でも、制御技師は、管形状により、送信器からのさらなる時定数、制御要素、コンピュータサンプリング、及びジッタを考慮しなければならない。特に、いずれのデジタル制御システムも中央処理ユニット(CPU)及び通信制約を有しており、これは十分なオーバーサンプリングがプラント内のあらゆるタイプのループについて実際的でないことを意味する。例えば、最大時定数とむだ時間を足した値の3倍か、むだ時間の5倍の、いずれか大きい方のサンプリングレートがしばしば合理的に十分であると考えられるが、このサンプリングレートは通常、プラント内の多くの制御ループ(流量ループ、圧力ループ等)で達成できない。結果的に技師は通常、反応の一部について利用可能な第一原理モデルにのみ依存することはできない。さらに、プロセスモデル同定は理想的には統合自動ツールによって実行される。しかし、実際のプラントでプロセスモデルを同定するため通常使用される第一原理モデリングと汎用サードパーティソリューションは、フィールド機器に直接接続することによってプロセスモデルを同定する。従って、これらのソリューションは、ループ性能に対するコンピュータ制御システム自体の影響を考慮しない(或いは精々近似するだけである)ため、統合されない。これらの要因はいずれも、プロセスと、プロセスを制御するため開発されたプロセスモデルとの間に著しい不一致をもたらす可能性があり、モデルベース制御及びチューニング方法を実際の状況では好ましくないものにする。
状態更新技法やオブザーバモデルを使用するMPCコントローラは非常に重要且つ有望なMPCコントローラの一種である。MPCに使われる状態更新方法に関する文献は豊富に存在し、モデル予測コントローラの状態更新コンポーネントの性能を向上させ応答性に優れるMPCコントローラを提供するための技法は数多く開発されている。ただし、モデルベースコントローラの性能はモデル不一致によってひどく低下することがあるため、モデル予測コントローラで制御性能を改善するための取り組みの殆どは、モデル不一致の影響を補正する状態更新アルゴリズムの性能と精度を改善することに重点を置いている。制御文献の大半は、初期モデル品質を改善すること、プロセスパラメータの変化にプロセスモデルを適応させること、或いはプロセスパラメータの変化を検出してユーザに通知しマニュアルプロセスモデル再評価をトリガすることに関するものである。残念ながら、これらの技法は多くの状況において実用的でなく、これらの技法のうち、多様な状況の中でPIDコントローラに匹敵するかPIDコントローラを凌ぐMPCコントローラ性能を達成するものはごく僅かである。
MPCコントローラのフィードバック制御能力の欠陥が、特にプロセスモデル不一致の存在下で、PIDコントローラとMPCコントローラの性能格差の1つの理由になっていることを確認した。この事実を踏まえ、ここで説明するMPCコントローラはMPCタイプのコントローラで今日一般的に使われている方法より良好に、チューニング可能フィードバック制御性能を統合し、プロセスモデル不一致の存在下で従来のMPC技法より良好に機能するチューニング可能MPCコントローラをもたらす。
具体的には、チューニング可能積分ブロックをMPCコントローラに加えることでMPCコントローラの性能が強化される。このチューニング可能積分ブロックは、予測誤差や他のコントローラ誤差を示す積分コンポーネントを形成し、このコンポーネントをMPCコントローラアルゴリズムの出力へ加えることで、予測又は制御誤差のそもそもの究極的理由であるモデル不一致の存在下でより良好な制御を提供する。この技法により、MPCコントローラはより速やかに反応し、且つMPCコントローラのロバスト性を大幅に低下させることなく、モデル不一致の存在下でより良好な設定点変更及び負荷変動性能を提供することが可能となる。
MPCコントローラを実装する上級コントローラ機能ブロックを有する制御モジュールを含むプロセス制御システムのブロック図である。 典型的なMPCコントローラのブロック図である。 プロセスプラントを制御するため接続された、MPCコントローラ及び状態オブザーバを有する、典型的なMPCコントローラユニットのブロック図である。 PID及びMPCの外乱排除性能を比較する、化学プラントの作業員インターフェイスのスクリーンショットである。 負荷変動に対する一次プラスむだ時間プロセスのための3通りのMPCコントローラとPIDコントローラの比較を示す。 負荷変動に対する一次プラスむだ時間プロセスのための3通りのMPCコントローラとPIDコントローラの比較を示す。 種々MPCコントローラとPIDコントローラの比較を示すものであり、モデル不一致とペナルティチューニングに依存するフィードバック制御性能を図示する。 種々MPCコントローラとPIDコントローラの比較を示すものであり、モデル不一致とペナルティチューニングに依存するフィードバック制御性能を図示する。 事実上20の独立した遅れ時定数を順次生成する20のトレーを備える蒸留塔のステップ応答例を示す。 むだ時間を伴う一次及び二次プロセスでモデル不一致とペナルティチューニングに依存するフィードバック制御性能を示す。 むだ時間を伴う一次及び二次プロセスでモデル不一致とペナルティチューニングに依存するフィードバック制御性能を示す。 一次及び二次プロセスにおけるモデル不一致による振動を示す。 一次及び二次プロセスにおけるモデル不一致による振動を示す。 未測定単位ステップ外乱が導入される場合にPIコントローラの比例及び積分動作が種々のプロセス特性でコントローラの負荷性能にどう影響するかを例証するため、異なるチューニング設定によるPIコントローラの単位ステップ外乱応答を示す。 フィードバック経路にてチューニング可能積分動作を有するよう構成されたモデル予測コントローラの概略図を示す。 MPCコントローラにおいて将来誤差ベクトルにチューニング可能積分動作を加える前後のロバスト性の比較を示すチャートである。 MPCコントローラにおいて将来誤差ベクトルにチューニング可能積分動作を加える前後のロバスト性の比較を示すチャートである。 種々MPCコントローラの将来誤差ベクトル計算にチューニング可能積分動作を加える前後の負荷排除性能の比較を示すチャートである。 種々MPCコントローラの将来誤差ベクトル計算にチューニング可能積分動作を加える前後の負荷排除性能の比較を示すチャートである。 一次プロセスにおいてMPCコントローラの将来誤差ベクトルに対する積分動作のマニュアルチューニングによるロバスト性と性能の比較を示すチャートである。 一次プロセスにおいてMPCコントローラの将来誤差ベクトルに対する積分動作のマニュアルチューニングによるロバスト性と性能の比較を示すチャートである。 二次プロセスにおいてMPCコントローラの将来誤差ベクトルに対する積分動作のマニュアルチューニングによるロバスト性と性能の比較を提供するチャートを示す。 二次プロセスにおいてMPCコントローラの将来誤差ベクトルに対する積分動作のマニュアルチューニングによるロバスト性と性能の比較を提供するチャートを示す。
一般的に言って、ここでは、所望の、又は適切な、コントローラ設定で使用される様々なタイプのモデル予測制御(MPC)コントローラに適用できる新しいチューニング可能MPCコントローラ設計を説明する。ただし、この新しいMPCコントローラ方法は、薬剤及び化学製造プラントや精製プラントのような産業用プロセスプラント等のプロセスプラントで使用される制御システムでとりわけ有用である。さらに、ここでは分散プロセス制御ネットワークの一部として実装されるものとして新しいMPCコントローラ設計を説明するが、新しいMPCコントローラ設計はタイプの異なる制御環境で実装することもでき、例えば集中制御システムの一部として、プログラマブル論理制御(PLC)システムの一部として、スタンドアロン制御システムの一部として、実装することもできる。
図1を参照し、プロセス制御システム10ではここで説明する新しいMPCコントローラ技法を実装できる。プロセス制御システム10はプロセスコントローラ11を含み、プロセスコントローラ11は、データヒストリアン12と、表示画面14を各々有する1つ以上のホストワークステーション又はコンピュータ13(どんなタイプのパーソナルコンピュータ、ワークステーション等でもよい)とへ、通信できるよう接続される。コントローラ11はまた、入力/出力(I/O)カード26及び28を通じてフィールドデバイス15−22へ接続される。データヒストリアン12はデータを蓄積するため任意のメモリと任意又は既知のソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアとを有する任意のデータ収集ユニットでよく、ワークステーション13のいずれか1つから独立したものであってよく(図1に図示)、或いはワークステーション13のいずれか1つの一部をなしてもよい。コントローラ11は、例えばEmerson Process Managementにより販売されているDeltaV(商標)コントローラでよく、例えばイーサネット(登録商標)接続を通じて、或いは他の何らかの任意の通信ネットワーク29を通じて、ホストコンピュータ13とデータヒストリアン12とへ接続される。通信ネットワーク29はローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、遠隔通信ネットワーク等の形をとってよく、有線又は無線技術を用いて実装してよい。コントローラ11は、例えばFOUNDATION(登録商標) Fieldbusプロトコル(Fieldbus)、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(商標)プロトコル等の標準4−20 maデバイス及び/又はスマート通信プロトコルに関連する任意のハードウェア及びソフトウェアを用いてフィールドデバイス15−22へ通信できるよう接続される。
フィールドデバイス15−22は、センサ、バルブ、送信器、ポジショナ等、どんなタイプのデバイスであってもよく、I/Oカード26及び28は、任意の通信又はコントローラプロトコルに準拠するどんなタイプのI/Oデバイスであってもよい。図1に図示された実施形態でフィールドデバイス15−18は、アナログ回線又はアナログ/デジタル複合回線を通じてI/Oカード26と通信する標準4−20 maデバイス又はHART(登録商標)デバイスであり、フィールドデバイス19−22は、Fieldbusプロトコル通信を使用しデジタルバスを通じてI/Oカード28と通信するFieldbusフィールドデバイス等のスマートデバイスである。勿論、フィールドデバイス15−22は、既存の規格又はプロトコルや将来開発される規格又はプロトコルを含む、他の何らかの任意の規格又はプロトコルに準拠することもある。同様に、必要とあらば有線技術、無線技術、又は有線及び無線技術の組み合わせにより、フィールドデバイス15−22間の通信を実装することもできる。
コントローラ11はプラント10内に分散された多数のコントローラの1つであり、少なくとも1つのプロセッサ11Aを有する。プロセッサ11Aは、プロセッサ11Aに蓄積された、或いはプロセッサ11Aに対応付けられた、制御ループを含む、1つ以上のプロセス制御ルーチンを遂行又は監視する。コントローラ11はまた、プロセスを任意の方法で制御するためデバイス15−22、ホストコンピュータ13、及びデータヒストリアン12と通信する。尚、ここで説明する制御ルーチン又は要素は必要に応じ別のコントローラにより、又は他のデバイスにより、部分的に遂行又は実行されることがある。さらに、プロセス制御システム10の中で遂行されるここで説明する制御ルーチン又は要素は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア等の形をとる。この説明で、プロセス制御要素は、例えばコンピュータ可読媒体に蓄積されコンピュータデバイスのCPU等のプロセッサによって実行されるルーチン、ブロック、モジュール等、プロセス制御システムの一部である。制御ルーチンは、サブルーチン、サブルーチンの一部(コード行等)等、制御プロシージャの一部又はモジュールであってよく、ラダーロジック、順次機能チャート、機能ブロック図、オブジェクト指向プログラミング又は他のソフトウェアプログラミング言語又は設計パラダイムなどを使用し、任意のソフトウェア形式で実装できる。さらに制御ルーチンは、1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何らかのハードウェア又はファームウェア素子にハードコードされることがある。さらに制御ルーチンは、グラフィカル設計ツールや他の何らかのソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアプログラミング又は設計ツールを含む、何らかの設計ツールを用いて設計してよい。従ってコントローラ11は、制御方式又は制御ルーチンを任意の方法で遂行するよう通常構成される。
一実施形態において、コントローラ11は機能ブロックと一般的に呼ばれるものを用いて制御方式を実施し、各々の機能ブロックは制御ルーチン全体の一部又は対象であり、(リンクと呼ばれる通信により)他の機能ブロックと連携しながらプロセス制御システム10内でプロセス制御ループを遂行する。機能ブロックは通常、送信器、センサ、又は他のプロセスパラメータ測定装置等に関連する入力機能か、PID、MPC、ファジーロジック等を実行する制御ルーチンに関連する制御機能か、或いはプロセス制御システム10内で何らかの物理的機能を実行するためバルブ等のデバイスの動作を制御する出力機能を、実行する。勿論、ハイブリッド機能ブロックやタイプの異なる機能ブロックは存在する。機能ブロックはコントローラ11に蓄積されコントローラ11により実行されることがある。これらの機能ブロックが標準4−20 maデバイスやHART(登録商標)デバイス等のスマートフィールドデバイスに使用される場合、又は関連する場合、がこれに該当する。或いは機能ブロックは、フィールドデバイスそのものに蓄積されフィールドデバイスそのものにより遂行されることがある。FOUNDATION(登録商標) Fieldbusデバイスの場合がこれに該当する。さらに、ここで説明するチューニング可能可能MPCコントローラルーチン又は技法等のコントローラルーチンを遂行する機能ブロックは、ホストワークステーション又はコンピュータ13や他の何らかのコンピュータデバイスにて全面的に、又は部分的に、遂行されることがある。ここではオブジェクト指向プログラミングパラダイムを使用する機能ブロック制御方式を使って制御システムを説明するが、制御方式又は制御ループ又はモジュールは、他の方法を使用し且つ任意のプログラミング言語又はパラダイムを使用し、実装又は設計することもできる。
図1の拡大ブロック30に図示されているように、コントローラ11は、ルーチン32及び34として図示された多数の単ループ制御ルーチンを含み、制御ループ36として図示された1つ以上の上級制御ループを遂行する。各ループは制御モジュールと通常呼ばれる。図示された単ループ制御ルーチン32及び34は、バルブ等のプロセス制御デバイスに、温度及び圧力送信器等の測定デバイスに、又はプロセス制御システム10内の他の何らかのデバイスに、対応付けられた、該当するアナログ入力(AI)及びアナログ出力(AO)機能ブロックへそれぞれ接続された、単一入力/単一出力ファジーロジック制御ブロックと単一入力/単一出力PID制御ブロックとを使用し、単ループ制御を実行する。上級制御ループ36は、多数のAI機能ブロックへ通信するよう接続された入力と多数のAO機能ブロックへ通信するよう接続された出力とを有する上級制御ブロック38を含むものとして図示されているが、上級制御ブロック38の入力及び出力が他の何らかの任意機能ブロック又は制御素子へ通信するよう接続され、他種入力を受け入れ且つ他種制御出力を提供することもある。また、上級制御ブロック38は多変数(例えば多入力多出力)制御を遂行するものとして図示されているが、単一変数(単一入力単一出力)制御を遂行するため使用することもできる。後述するように、上級制御ブロック38はチューニング可能積分ユニットを含むモデル予測制御(MPC)ルーチンを統合する制御ブロックであってよく、これがここで説明するモデル不一致を補償することで、モデル不一致の存在下でプロセス又はプロセスの一部を良好に制御する。また、ここではモデル予測制御(MPC)ブロックを含むものとして上級制御ブロック38を説明するが、上級制御ブロック38は実際には様々なMPC技法を遂行でき、場合によってはそれらの技法を切り替えることすら可能である。上級制御ブロック38やこれのコンポーネントを含む図1に図示された制御モジュールやモジュールのサブコンポーネントはコントローラ11により実行できるほか、ワークステーション13のいずれか1つやフィールドデバイス19−22のいずれか1つ等、他の何らかの処理デバイス内に配置し同処理デバイスにより実行することもできる。例えば一実施形態においては、MPCコントローラブロック42がコンピュータ13に蓄積され且つコンピュータ13により実行され、コントローラ11にて実行される上級制御ブロック38に対し出力又は制御信号を提供する。
図1に図示されているように、ワークステーション13のいずれか1つは、上級制御ブロック38を作成、ダウンロード、及び遂行するため使用される上級制御ブロック生成ルーチン44を含む。上級制御ブロック生成ルーチン44はワークステーション13内のメモリに蓄積されワークステーション13内のプロセッサにより実行されるが、必要とあらばそうすることに加え、或いはそうする代わりに、このルーチン(又はこれの一部)をプロセス制御システム10内の他の何らかのデバイスに蓄積し同デバイスにより実行することもできる。さらに、ユーザインターフェイスルーチン46は、プロセス作業員や制御技師等のユーザが、上級制御ブロック38に関連するチューニング、設計、又は制御パラメータを指定又は変更すること、設定点を変更すること、調整手順を開始すること、新規モデルパラメータを提供すること等を可能にする。
参考として、多くの産業MPC実装は、モデルアルゴリズム制御(MAC)技法と動的マトリックス制御(DMC)技法を含む。DMC技術はプロセスのインパルス応答又は線形ステップ応答モデルを使用する。この場合は最適制御経路がオフラインで事前に計算され、大きな行列に蓄積される。次にこのコントローラ行列を使用し、重ね合わせにより被操作変数のオンライン移動を計算する。その結果、最適式をオンラインで解くMPC法に比べ計算コストは大幅に軽減される。DMC技術のもうひとつの利点として、DMC技術で使用される状態変数はプロセスモデルから直感的に計算され、明示的な将来出力予測を表す。これは、制約に関する変数等、プロセス出力の将来予測を速やかに入手できユーザに向けて表示できることを意味する。
他のMPC実装は、線形目的関数を使用し、且つ制約を明示的に組み込むIDCOM及び線形動的マトリックス制御(LDMC)、二次性能関数を組み込むDMCの拡張であり、且つ制約の組み込みが明示的である二次動的マトリックス制御(QDMC)、最初の実装の反復的ソリューション技法を置き換えるため二次プログラミングアルゴリズムを使用するIDCOMの拡張であるIDCOM−M、ならびに状態空間実装であるシェル多変数最適化制御(SMOC)を含む。別の種類のMPC技法は、良好なMPC性能を提供するため状態オブザーバを使用する。
多変数プロセス制御を実行するため図1の上級制御ブロック38により実装される多変数MPCコントローラユニット52(プロセス50へ通信するよう結合)の一実施形態の詳細ブロック図を図2に示す。この場合のMPCコントローラ52ユニットはDMC制御技法の実装に使用できる。ただしこの説明は、MPC制御を全般的に理解するにあたって十分な基礎を提供する。図2に見られるように、上級制御ブロック38によって生成される1組の被操作変数(MV)は、プロセス50の制御入力へ接続された他の機能ブロックへ提供される。図2に図示されているように、上級制御ブロック38は、標準MPCルーチン又はプロシージャを含む、又は遂行する、MPCコントローラブロック52を含む。これは通常、出力と同数の入力を有するが、必ずしもそうでなくてもよい。MPCコントローラ52は、プロセス50内で測定される値のベクトルを通常構成する1組のN個の被制御変数(CV)及び補助変数(AV)と、将来のある時期にプロセス50へ提供される既知又は予期変化又は外乱である1組の外乱変数(DV)と、例えばオプティマイザ(図示せず)、ユーザ、その他から提供される1組の定常状態目標制御及び補助変数(CV)及び(AV)とを、入力として受け取る。MPCコントローラ52はこれらの入力を使用し、制御信号の形で1組のM個の被操作変数(MV)信号を生成し、バルブアクチュエータ、バーナ、ポンプ等の動作に関係するプロセス50の制御入力にそれらの被操作変数信号MVを引き渡す。
さらにMPCコントローラ52は、制御区間にて、1組の予測定常状態制御変数(CVSS)及び補助変数(AVSS)を、被操作変数(MV)、補助変数(AV)、及び制御変数(CV)の予測値を表す1組の予測定常状態被操作変数(MVSS)とともに、計算し、生成する。目標制御及び補助変数CV及びAVを形成しプロセス50を最適作動状態まで駆動するため、これらの変数は1つ以上のMPC最適化ルーチンで使用される。
目標制御及び補助変数CT及びAVは、どのように形成されようと、MPCコントローラ52へ入力として提供される。先に述べたように、MPCコントローラ52はこれらの目標値CV及びAVを使用し、(制御区間に沿って)新たな1組の定常状態被操作変数MVSSを決定する。これが制御区間の最後に現在の制御及び被操作変数CV及びAVを目標値CV及びAVまで駆動する。勿論周知のように、MPCコントローラ52は定常状態被操作変数MVSSの定常状態値への到達を試み被操作変数を段階的に変更し、その結果、理論的にはプロセスは目標制御及び補助変数CV及びAVを得る。MPCコントローラ52はプロセススキャンのときに上記のとおりに作動するため、被操作変数の目標値はスキャンからスキャンにかけて変化することがある。その結果MPCコントローラ52は、プロセス50にノイズ、予期せぬ外乱、変化等がある場合は特に、実際には目標被操作変数MVのいずれにも到達しないことがある。
周知のとおり、MPCコントローラ52は制御予測プロセスモデル70(「コントローラモデル」とも呼ばれる)を含む。これは、種々MPC制御技法で使用されるどんなタイプのモデルであってもよい。例えばモデル70は、N×M+Dステップ応答行列であってよい(Nは制御変数CVの数に補助変数AVの数を加えたもの、Mは被操作変数MVの数、Dは外乱変数DVの数)。ただしモデル70は、一次、二次、三次等の予測モデル又は第一原理モデル、状態空間モデル、コンボリューションプロセスモデル、又は何らかの他種プロセスモデルであってよい。コントローラモデル70は、多大な基礎的モデリング作業を必要としない時系列解析技法を使用するプロセスアップセット試験から決定されてもよく、或いは、1組又は複数組の線形モデル又は非線形モデルを重ね合わせる技法を含む、他の何らかの既知プロセスモデリング技法を使用して決定されてもよい。いずれにせよ、制御予測プロセスモデル70は、制御及び補助変数CV及びAVのそれぞれについて以前に計算された予測を規定する出力72を生成し、ベクトル加算器74は、現在時間ついてのこれらの予測値を、制御及び補助変数CV及びAVの実際の測定値から減算し、入力76にて誤差又は補正ベクトル(残差としても知られている)を生成する。この誤差は予測誤差と通常呼ばれる。
次に制御予測プロセスモデル70は、制御予測プロセスモデル70の他の入力へ提供される外乱及び被操作変数に基づき、制御区間にわたって制御変数及び補助変数CV及びAVの各々につき将来制御パラメータを予測する。制御予測プロセスモデル70はまた、上述した制御変数及び補助変数の予測定常状態値CVSS及びAVSSを生成する。
制御目標ブロック80は、ブロック38のため予め設置された軌道フィルタ82を使用し目標変換ブロック55により提供されたN個の目標制御及び補助変数CV及びAVの各々につき制御目標ベクトルを決定する。具体的に、軌道フィルタ82は、制御及び補助変数がどのようにして時間の経過にともない目標値まで駆動されるかを規定する単位ベクトルを提供する。制御目標ブロック80はこの単位ベクトルと目標変数CV及びAVを使用し、制御及び補助変数の各々につき動的制御目標ベクトルを生成する。これは、制御区間時間によって定まる期間にわたり目標変数CV及びAVの変化を規定する。ベクトル加算器84はその後、動的制御ベクトルから制御及び補助変数CV及びAVの将来制御パラメータベクトルを減算し、制御及び補助変数CV及びAVの各々につき将来誤差ベクトルを規定する。次に、制御及び補助変数CV及びAVの将来誤差ベクトルがMPCアルゴリズム86へ提供される。MPCアルゴリズム86は、制御区間にわたって最小二乗誤差、積分絶対誤差(IAE)等を最小にする被操作変数MVステップを選択する。一部の実施形態において、MPC制御アルゴリズム86は必要に応じ、MPCコントローラ52へ入力されるN個の制御及び補助変数とMPCコントローラ52により出力されるM個の被操作変数との関係から作成されるM×M制御行列を使用する。より具体的に、MPC制御アルゴリズム86は2つの主たる目標を有する。MPC制御アルゴリズム86は第一に、動作制約の中で最小のMV移動によりCV制御誤差を最小にすることを試み、第二に、最適定常状態MV値と最適定常状態MV値から直接計算される目標CV値の達成を試みる。
典型的モデル予測コントローラの状態方程式は次のように表すことができる。
Figure 0005924940
Q、R、Sは誤差、コントローラ移動、及びインクリメンタル移動のペナルティウェイトであり、xはモデル状態行列であり、yはプロセス出力であり、uはコントローラ出力である。Q、R、及びSペナルティベクトルは本質的に独立しているため、MPCコントローラは通常、設定点追跡と外乱排除との性能トレードオフを有さない。ただしMPCコントローラは、特定の多変数プロセス制御目標のためチューニングされる必要がある。プロセスモデルは常にMPCコントローラの内部構造に一致されるが(状態空間MPC定式によるプロセス状態空間等)、さらなるチューニングパラメータが設定点変更と外乱排除に関して挙動を決定する。
具体的に、ペナルティベクトルは、エンドユーザによって規定される特定プロセスの制御目標に従いある1つの変数を他の変数に対し強調するため使用することができる。モデル不一致が疑われる場合は、コントローラをよりロバストにするため(コントローラをデチューニングするため)ペナルティベクトルQ及びRを使用することもできる。ただし、ファンネル制御や参照軌道等の方法は実質的に誤差ベクトルをフィルタするため、ロバスト性により明瞭な影響をおよぼす。このため、産業プロセスアプリケーションでモデル予測コントローラをチューニングする技師や作業員に好まれる方法となっている。モデル予測コントローラは本来プロセスに「一致」するため、制御移動は特定のプロセスモデルにとって常に最適である。この事実は、コントローラが(最終制御要素に対する物理的制限に従い)専らデチューニングされ、非常に強引にはチューニングされないことを意味する。例えば、バルブ開放速度は決して無限になることはないため、Rの値は現実的には決してゼロになりえない。PIDコントローラが外乱排除のため特別にチューニングされる場合は、産業用MPCコントローラの外乱排除がPIDコントローラのそれに劣ることが知られている。状態更新における最近のMPC改善は、MPCルーチンに使用されるオブザーバモデルが完璧に分かると仮定される場合に、その性能格差を埋める。ただしモデル不一致の存在下では、PIDコントローラの制御性能(例えばIAEで評価)は依然、最良のチューニングによるMPCコントローラのそれより優れている。とはいえ、オブザーバによるMPC技法はフィードバック制御性能の改善に役立てることができ、この点に関しては通常、DMC技法より良好に機能する。
オブザーバに基づくMPCコントローラシステム88の一例を図3に示す。ここで、MPCコントローラシステム88はMPCコントローラ90とオブザーバ92とを含む。この場合のオブザーバ92はカルマンフィルタと仮定する。MPCコントローラ90は、プロセスプラント94とカルマンフィルタ92とに制御信号uを提供する。また、MPCコントローラとカルマンフィルタ92は外乱入力dを受信する。外乱入力dはプロセスプラント94にも提供され、さもなくばプロセスプラント94に存在する。MPCコントローラとカルマンフィルタ92はまた、測定被制御変数yの形でプラント94からフィードバックを受信する。図3にはプロセスプラント94がモデル化された形で図示されており、プラント94は、制御信号uと外乱信号dとを受信するプラント伝達関数96と、種々の期待誤差又は外乱源とを含む。具体的に、外乱及びノイズモデル98(伝達関数G)はノイズw(例えばホワイトノイズ)を受信し、ノイズモデル98の出力は(純粋に理論的な加算器100にて)プラント伝達関数96の出力へ加えられる。加算器100の出力は別の理論的加算器102にて測定誤差又は測定ノイズzに加えられ、測定プロセス出力yが生成される。
この構成で、確率的状態空間モデルにより特徴づけられるプロセスの状態変数xの更新は、ガウス分布プロセスノイズw、測定ノイズnの場合に次のように表すことができる。
Figure 0005924940
図3のオブザーバ92等、状態オブザーバの一般的目的は、測定可能なシステム入力及び出力に基づきシステムの内部状態の推定を提供することである。具体的に、もしもベクトルA、B、及びC(プロセスをモデル化)が正確に分かるということが式(4)及び(5)の仮定なら、オブザーバ利得は計算できる。カルマンフィルタと呼ばれる1960年代に開発されたフィルタ定式は、プロセス制御においてノイジーな、又は不完全な、測定に基づき、内部プロセス状態を推定する最もポピュラーな方法であった。式(1)〜(3)で与えられたMPC定式を使用する離散的サンプリングシステムの場合、次の状態xk+lを推定するカルマンフィルタ方程式は以下のとおりである。
Figure 0005924940
Jはカルマンフィルタ利得であり、x^はk個の状態変数による状態ベクトルであり、yは予測プロセス出力であり、y^はプロセス出力の実際の値である。もしも測定ノイズと未測定外乱の共分散が分かるなら、プラントモデルにG(外乱及びノイズモデル)を付加し、さらに付加されたモデルについてMPCコントローラ利得を再計算することにより(図3に図示)、一般的なカルマンフィルタ構造を作ることができる。フィルタ利得Jはリカッチ式を数値的に解くことによって割り出すことができ、QKFはwによる外乱の共分散を表す正半定値行列であり、RKFは測定ノイズzの共分散を表す正定値行列である。共分散が分からない場合にはカルマンフィルタの簡略版を使用できる。この定式では、外乱wが単独であり、従って外乱wの各要素がプロセス出力yの1(ただ1つの)要素に作用すると仮定する。この仮定の結果、QKF及びRKF、入力及び測定ノイズ共分散は必要ない。代わりにこの簡略化は、フィルタ時定数τと外乱当たりの信号対ノイズ比SNRの推定とを使用し、次のように外乱モデルを作成する。
Figure 0005924940
ここでa=e−T/ti、0≦τ≦∞であり、Tはサンプリング周期である。τ→0にともないGw(q)はユニティゲインに接近し、τ→∞にともないGwはインテグレータになる。Δwの要素iはゼロ平均及び標準偏差σwiによる定常ホワイトノイズ信号である(w(k)=w(k)−w(k−1))。zの要素iはゼロ平均及び標準偏差σZiによる定常ホワイトノイズ信号である。
状態更新の目的は、毎回(離散的コントローラのスキャン周期のたびに)現在の状態変数の最良の推定を見つけることである。ただし、十分にチューニングされたMPCコントローラで最良の状態推定を使用することは、必ずしも最良の制御性能に結びつくことを意味しない。具体的に、状態更新モデルの閉ループフィードバック経路の動的挙動はオブザーバ利得Jに依存する。しかしオブザーバ利得Jはノイズ共分散(簡略型カルマンフィルタ定式の場合は信号対ノイズ比)から導き出されるため、オブザーバ伝達関数を考慮に入れるチューニングパラメータ又はジェネリック変数はない。従って、閉ループ制御性能には好ましくない(最適以下の)影響がおよぶ。ただし、大きいJ範囲の場合に閉ループ応答が特定のコントローラ状況で非常に類似することが確認されている。このため、制御性能に対するJの値の影響は非常に小さいように思われる。驚くべきことに、この所見は完璧なモデルの場合とモデル不一致の場合の両方に当てはまる。事実、オブザーバ内での誤差ペナルティと移動ペナルティのチューニングはモデル不一致がある場合とない場合の両方で制御性能に対し格段に大きな影響をおよぼすため、MPCコントローラのチューニングにあたってはこれらのチューニングパラメータが通常使用される。
オブザーバはMPCフィードバック性能を改善するが、PIDコントローラのような経験的にチューニングされるコントローラにはない仮定がある。さらに、モデルベースのオブザーバを使用しようがしまいが、モデルベースの予測コントローラはモデルが完璧に分かると仮定するが、そのようなことは実際のプロセスプラントでほぼありえない。残念ながら、たとえ小さいモデル誤差であっても大きな予測及び状態更新誤差を引き起こし、コントローラ性能の低下に結びつくこととなる。
上述したように、モデル予測コントローラのチューニングパラメータは通常、コントローラ挙動を特定のプラントアプリケーションにとって望ましい挙動となるよう調整するために使用される。例えば、移動ペナルティRを一定の値にチューニングすることで所望の応答速度を設定できる。しかし、試運転技師によって設計される期待挙動のとおりになるのはモデル不一致が取るに足りない場合に限り、そのようなことは産業プラントではめったにない。実務者はしばしば、明らかなモデル不一致に対処するため所望の挙動が見られるまで反復チューニングを行う。これは多大な時間がかかる作業であり、実働プラントで制御及び制約シナリオのすべてをカバーすることは困難であるため、最良の方法ではない。この方法により一定のモデル不一致で望ましいプラント挙動が得られるとしても、モデル不一致の規模が変化すると挙動が変化することが見込まれる。さらに、モデル不一致の量と変化が分かるとしても、この情報からチューニング情報を導き出す手立てはない。
モデル不一致存在下でのMPC制御性能の改善
周知のように、MPCコントローラの中で未測定外乱等の負荷変化を排除する能力はエンピリカルチューニングにより改善できる。勿論、もしもプロセス又はプラントモデルが完璧に分かるなら、モデルベースコントローラのフィードバック性能は理想的になるようチューニングでき、且つ設定点変更性能と同じくらい良好となるようチューニングできる。ただしモデル不一致がある場合は通常、技師は保守的なチューニングを選ぶ。ここで説明するMPCコントローラはコントローラのデチューニングに代わる方法を提供する。特に、コントローラは傾斜など予測誤差が増加することに反応する場合、コントローラは標準MPCコントローラより急速に未測定外乱に対処することができる。MPC制御式(1)〜(3)から分かるように、コントローラ出力は、以前の制御誤差ではなく、専ら以前の入力、出力、及び設定点に依存する。実際、以前の制御誤差は以前の設定点と比例関係にある。ただしこの比例関係は、未測定外乱がない場合に限り当てはまる。もしも過去に未測定外乱が発生したなら、制御式の中でそれらを考慮することが重要である。ここに提示するMPCコントローラ方法はこの問題に対処するものであり、誤差情報を用いてコントローラ出力を直接駆動することでフィードバック制御性能を改善する。MPCコントローラのフィードバック制御を改善するこの方法を実施することで、モデル不一致の不在下で全体的性能と設定点変更性能への悪影響を回避できる。
2000年のアラバマ州Solutia(旧Monsanto)の大規模化学プラント敷地での発明者の実地経験は、ここで述べる知見に向けて特別な動機を提供した。一般的に、埋め込みコントローラハードウェアユニットでのモデル予測制御を可能にする埋め込みMPCの使用には多数の利点(並びに課題)がある。冗長性、高速サンプル周期、簡便且つシームレスな構成、実働プロセスに支障をきたさない試運転等、埋め込みMPCにはサードパーティソリューションを凌ぐ利点が数多くある。PID方式からMPC方式への転換にあたっては2つの非常に困難なプロセスが候補として選ばれた。ひとつは、プラント技師により首尾よく実装され傑出した性能改善に結びついた減結合アプリケーションであった。もうひとつの困難なプロセスは、フィードバック制御にひどく依存していた単一入力プロセスであった。プロセスパラメータは多数の未測定外乱(上流ユニットと下流ユニットの両方から)のため著しくドリフトし、フィードバック制御に影響を与えていたからである。一連の実験で5名の制御エキスパートはまず、MPCを使用することで当初のPIDフィードバック制御性能の改善を試み、その後5日間余りにわたりPIDにより観察されたものにMPCを一致させることを試みたが、成功しなかった。図4は、50年余りにわたってこのプロセスの制御に使われていたPID制御の外乱排除と比較した最良のMPC外乱排除性能を示すプロットである。
ほぼ同じ未測定外乱に晒された場合にMPC制御は大きい制御誤差を示すが、特定の生産基準に応じて被制御変数を全体的に若干早く設定点に戻すことが図4から分かる。このパフォーマンスは小さな改善とみなすこともみなさないこともできる。ただし、MPC等の最新制御アルゴリズムが実際のプラントアプリケーションに適用された場合に、100年余り前に開発された技術であるPIDほど良好には機能しないのはなぜかという疑問が残る。最も普及し成功しているモデル予測制御アプリケーションは勿論、蒸留塔の多変数制御である。殆どの多変数アプリケーションと同様、これはPIDコントローラによる制御が非常に困難なプロセスである。ただしMPCは遅れ優勢単ループアプリケーションとしてしばしば宣伝され使用されており、このアプリケーションでは通常、PIDに劣る。いずれにせよ、ここで説明するMPCコントローラはMPCフィードバック補正アルゴリズムに対する修正を含んでおり、MPCとPIDとのフィードバック性能格差を埋めるのに役立てることができる。
モデルベース制御の欠点
設定点追跡アプリケーションの場合、プロセス状態の近似値を蓄積し更新する予測コントローラの能力は、モデルを使わないコントローラを凌ぐモデルベースコントローラの制御性能優位を提供する。しかしこのメカニズムは、未測定外乱シナリオに反応するため、十分に速やかにコントローラ出力を動かすための予測コントローラの能力を低下させる。なぜなら、実際の制御誤差が計算される前に、従って何らかの是正制御措置が講じられる前に、近似された状態を補正しなければならないからである。換言すると、予期せぬ出力変化は、制御移動を引き起こす前に予測更新を引き起こさなければならない。もしもモデルが完璧であると仮定できるなら、誤差項全体を未測定外乱に直接起因させることができる、状態更新手順は容易である。つまり、サンプル周期のたびに完全状態更新がある。ただし、産業アプリケーションでは完璧なモデルも線形モデルも見込まれないため、現代の商用MPCコントローラは、不安定性を防ぐため多数のサンプル周期にわたってそのような変化を均等化するフィルタ係数を有する。研究者たちはこれまで未測定外乱とモデル誤差を区別する方法を提案してきたが、そのような方法をコントローラの実行中に実施することは非常に困難であり高くつく。さらに、たとえ予測誤差に占める未測定外乱とモデル誤差の割合が正確にわかるとしても、プロセスモデルが再同定されるまではコントローラの是正措置は最適に迅速なものとはならない。
モデルベースコントローラの試運転では、コントローラモデルパラメータをプロセスモデルパラメータに一致させることを必然的に要する。PIDコントローラのためのモデルベースチューニング方法は、モデルベースコントローラの挙動を模倣することによってPIDチューニングを簡素化することを目的とする。PIDコントローラ方程式ではむだ時間を考慮できないため、スミス予測器構成はスミス予測器むだ時間へプロセスむだ時間を一致させることを可能にする。ポールキャンセレーションやラムダチューニングといった方法は、コントローラの積分時間をプロセスの支配的な時定数に一致させる。ラムダチューニングはさらなるチューニングパラメータ(λ)を加える。このチューニングパラメータより、技師は望ましい閉ループ整定時間を選ぶことができる。
前述したように、むだ時間モデルパラメータは対応するむだ時間コントローラパラメータに一致させることができるため、モデルベースコントローラはむだ時間優勢単ループプロセスに優れている。フローループ、静的ミキサー、抄紙機はかかるプロセスの例である。遅れ優勢プロセスの最も一般的な例は温度及び圧力ループと、上述したSolutiaの化学プロセスを含む。他方、遅れ優勢プロセスは、マッチドモデルベースコントローラやモデルベースチューニングによるPIDコントローラより、チューンドコントローラによってより良く制御される。この挙動の理由の大部分はPIDコントローラの積分動作に関係があるとされている。
ただしモデルベースコントローラは、フィードバック計算に適用できる積分動作の直接チューニングを可能にするコンポーネントを有さない。線形二次レギュレータ(LQR)は、状態更新のためカルマンフィルタが追加される場合に積分動作を有するが、その積分動作は単独でチューニングできない。目的は目的関数(J)を最小化することである。
Figure 0005924940
この組み合わせは、線形モデルベース制御の基本形である線形象限ガウシアン(LQG)コントローラとしても知られている。PIDコントローラと同様、オフセットを残さず設定点まで制御するにはモデル予測コントローラにおいて積分動作が必要である。
以上のチューニング説明から、むだ時間優勢プロセスが遅れ優勢プロセスとは異なるコントローラ機能を必要とすることは明らかである。過度の遅延が存在する場合、最良の性能は
Figure 0005924940
であり、マッチドチューニングによるモデルベースコントローラが必要とされる。過度の遅れが存在する場合は、プロセスがモデルベースコントローラによって制御されるのではなく、適切なアンマッチド積分チューニングによるPIDによって制御されるなら、性能は
Figure 0005924940
より良い。ただし発明者は、両シナリオの利点を兼ね備えより良好なMPC制御を提供するMPCコントローラ形態を開発した。
モデルベース制御のチューニング
前の説明では、フラクショナルむだ時間に関しモデルベース及びPIDコントローラの利点並びに理想的動作範囲に触れたが、以降の説明では、2種類のコントローラのロバスト性を比較する。上述したように、MPCコントローラ等のモデルベースコントローラはむだ時間優勢領域においてより良いフィードバック性能を有する。少なくともむだ時間優勢領域と同じくらいは一般的な遅れ優勢領域においては、PIDコントローラが一般的により良いフィードバック制御性能を提供する。カルマンフィルタの追加等、この所見から当初のMPCアルゴリズムに対し数多くの改良がなされ、産業用MPC製品に幅広く普及し実用化されている。市販のモデル予測コントローラは現在、従来の内部モデル制御(IMC)より良好に機能する。これより、フラクショナルむだ時間に関しモデルベースコントローラとPIDコントローラとの性能及びチューニングの違いについて説明する。
下記伝達関数により一次プラスむだ時間(FOPDT)プロセスについて3通りのMPCコントローラの比較を図5A及び5Bに示す。
Figure 0005924940
ここで、外乱排除に関連する種々コントローラのモデルパラメータはプロセス利得(K)=1、一次時定数(T)=50、二次時定数(T)=0、むだ時間(T)=1となるよう設定される。PIDコントローラについては、コントローラ利得(Kc)=25、積分時定数(Ti)=8、微分時定数(Td)=0によりスコゲシュタッドチューニングが使用された。MPCコントローラチューニングで予測区間(P)=10、制御区間(M)=3、ペナルティ変数(Q)=1である。ただし図5Aでペナルティ変数(R)=0.1、図5BでR=0.01である。比較のためスコゲシュタッドチューニングによるPIDコントローラが含められている。図5Aに図示されているように、予測誤差を計上するため予測バイアス計算を当初使用した動的マトリックス制御(DMC)は3.17の積分絶対誤差を達成する。これは、未測定外乱Δq=1と上記伝達関数の場合に
Figure 0005924940
を与える。従って、この種のコントローラは比較されたコントローラで最悪のフィードバック制御性能を呈する。異なるカルマンフィルタ実装が使用される場合、正規化積分誤差
Figure 0005924940
はそれぞれ0.68及び0.35になり、
Figure 0005924940
によるIMCより大幅な改善となる。ただし、このシナリオにおいてMPCは
Figure 0005924940
を達成するPIDを若干下回る。そのような良好な性能数値が達成されるのは、カルマンフィルタの適用に加え、式(3)からの誤差及び移動項のバランスが高速制御移動に向けて強制されるからである。換言すると、コントローラ速度のペナルティチューニングは、フィードバック経路がカルマンフィルタを使用する場合に有効となる。ペナルティチューニングはDMCコントローラに対し有効であるが、正規化積分誤差を1より下げることはできない。図5AのペナルティチューニングバランスQ=1及びR=0.1が性能のためさらにQ=1、R=0.01(図5B)まで調整されるなら、正規化積分誤差はそれぞれ0.21及び0.14となり、大幅に改善される。
図5A及び5Bの比較は、カルマンフィルタが使用される限り、現代のモデル予測コントローラがPID制御に基づく従来の内部モデルコントローラより、すなわち
Figure 0005924940
より、良好に機能するようチューニングできることを示している。ただし、MPCにチューニングパラメータを加える当初の目的は、コントローラを鈍化することによりモデル不一致の場合にロバスト性を増大させることであった。性能を向上させるため同じチューニングを使用することは明らかに当初のアイデアの誤用であり、モデル不一致とペナルティチューニングに依存するフィードバック制御性能を示す図6A及び6Bに見られるように、必然的にロバスト性の損失を招くこととなる。図6A及び6BでプロセスモデルはK=1、T=50、T=0 T=1となるよう設定され、PIDコントローラはKc=25、Ti=8、Td=0を使用しスコゲシュタッドチューニングによりチューニングされ、MPCコントローラはP=10、M=3、Q=1となるようチューニングされ、図6AでR=0.1、図6BでR=0.01であった。この例で、一次時定数におけるモデル不一致は僅か2(τ/τ=2)であり、モデル予測制御は振動的になる。図6A及び6Bは、カルマンフィルタを使用する場合のモデル予測制御における性能とロバスト性とのチューニングトレードオフを示している。上述した簡略型カルマンフィルタ実装の場合、よりバランスのとれた誤差及び移動項Q/R=10(図6A)による積分絶対誤差プロットは、Q/R=100(図6B)による高性能チューニングのそれより著しく平坦である。この性能は、一次時定数においてモデル不一致に対する大幅なロバスト性の向上を示すものである。ただし図6Bは、τ/τ=1あたりで、すなわちモデルが完璧に分かる場合に、大幅に良好な制御性能を示している。τ>τの場合に同じチューニングによる通常型カルマンフィルタMPCで看取されるものは、簡略型カルマンフィルタMPCについての結論に直感的に反する。移動ペナルティの減少にともない性能は良くなり、曲線は平坦になっている。ただしこれはτ<τの場合に当てはまらない。
これを踏まえ、MPCペナルティチューニングはモデル不一致の影響が考慮されるまで恣意的であるように思われる。外乱排除性能の改善にともない設定点変更性能は悪化するため、項のバランスは最良性能の方向にさらに崩されることとなるであろう。
産業プロセス特性のためのチューニング
一次プラスむだ時間プロセスは産業用制御システムによって制御されるプロセスを忠実に代表するものではない。産業プラントにおける一般的プロセスは、被制御変数に対する作用がセンサにより測定される前に順次変化する多数の物理的、化学的、生物学的特性を含む。産業プロセスはしばしば一連の動的伝達関数に相当する。一般的な制御ループは、プロセスのほかに、数々のバルブ、バルブポジショナ、及びハードウェアセンサを含み、これらが数多くの伝達関数をループに加えることでプロセスモデルオーダは大幅に増大することがある。制御デバイスや送信器の製造業者は、高速機械的リンク機構とセンサ材を使用することにより、製品の時定数がループ性能におよぼす影響を軽減することに努めている。これらの技法にもかかわらず、過度のスピードと過度のサンプリングレートを要求することは、ノイズ軽減とエイリアシングの課題と衝突するほか、非常に高くつく及び/又はエネルギーを消費する。産業プロセスはしばしばより多くの時定数を有するが、遅れは通常相互作用するため、全体的な曲線形状は二次プロセスモデルにより僅かなモデリングエラーで近似させることができる。
20トレーを備える蒸留塔のステップ応答を図7に示す。これは事実上20の独立した遅れ時定数を順次生成する。全体的な曲線形状は二次曲線によく似ており、時定数は次のように計算できる。
Figure 0005924940
産業アプリケーションでは被制御プロセスの一次及び二次近似が最も一般的である。決して除去できない一定量のモデル不一致を検討すると、二次及び三次プロセスモデルはモデル誤差に関し非常に類似する。このため産業ユーザは通常、2以下の時定数、プラスむだ時間をモデル化する。以降の説明では、二次プラスむだ時間(SOPDT)プロセスを制御する場合にこれまで説明した動的挙動のどれが異なるかを指摘する。ただし、二次及び三次プラスむだ時間プロセスを比較する場合に著しい違いは見られないであろう。上述したチューニングがFOPDTプロセスとSOPDTプロセスでどのように作用するかを例証するため、モデル不一致とペナルティチューニングに依存するフィードバック制御性能を図8A及び8Bに示す。図8A及び8BでプロセスモデルはK=1、T=50、T=0、T=1となるよう設定された。PIDコントローラはKc=25、Ti=8、Td=0によりスコゲシュタッドチューニングを使用しチューニングされ、MPCコントローラはP=10、M=3、Q=1となるようチューニングされ、図8AでR=0.1、図8BでR=0.01であった。
FOPDTプロセスと同様、SOPDTプロセスもまたτ=τ(モデル不一致なし)で最良の制御性能を達成する。ただし2つの異なるコントローラが2つの異なるプロセスを制御するため、IAE値は異なる。
Figure 0005924940
及び
Figure 0005924940
最適な予測及び制御区間も2つのコントローラで異なる。FOPDTにとってはP=10及びM=3が理想的であり、SOPDTはP=30及びM=9で最良に制御される。τ=50によるFOPDTの合計整定時間がτ=30及びτ=20によるSOPDTのそれによく似ていても、追加オーダが傾斜にさらなる変化を加えるため、この結果は驚きに価しない。2つのカルマンフィルタ定式は、一次又は二次プロセスへ接続される場合に非常に異なる挙動を示す。簡略型カルマンフィルタによるMPCは範囲全体にわたって大幅に向上し、傾斜は著しく平坦化するが、通常型カルマンフィルタによるMPCの性能は二次プロセスで大幅に低下する。ただし、通常型カルマンフィルタによるMPCの制御性能はモデル誤差に対する感度がかなり低いようである。伝統的DMCは、予測ベクトルをバイアスすることで機能するその予測誤差補正アルゴリズムがモデル不一致を良好に処理しないため、二次時定数の導入により悪影響を受ける。二次フィルタ時定数の存在は簡略型カルマンフィルタによるモデル予測コントローラに有利に働く。図9A及び9Bに一次プロセス(図9A)と二次プロセス(図9B)でのモデル不一致(τ/τ=2)による振動を示す。プロセスモデルは上記のとおりであり、PIDスコゲシュタッドチューニングはKc=25、Ti=8、Td=0、MPCチューニングはQ=1、R=0.01、FOPDTプロセス(図9A)でP=10、M=3、SOPDTプロセス(図9B)でP=30、M=9である。モデル不一致の存在下で高速チューニングにより発生した振動(図9A)は完全に抑えられており(図9B)、これは二次プロセスを制御するMPCで同じペナルティチューニング及びモデル不一致をプロットする。
勿論、簡略型カルマンフィルタは、フィードバック経路にてチューニング可能フィルタ時定数を使用することによりチューニングを簡略化する状態更新方法である。上述したように、この時定数は信号対ノイズ比に関する情報に基づき設定される。PID制御もまた、一次プロセスシナリオより二次プロセスシナリオにおいてモデル不一致に対する感度がかなり低い。PIDは、2つの異なるプロセス時定数を補償するため使用できる2つの項を有するから、この所見はかなり論理的である。PIコントローラは、簡略型カルマンフィルタによるMPCより一次プロセスの制御に適している。以上のことから、簡略型カルマンフィルタによるMPCは、フィルタ時定数によるチューニングの点で、通常型カルマンフィルタによるMPCよりPIDと類似点が多いと見ることができる。この種のエンピリカルチューニングはモデル不一致が存在する場合に性能に良い影響をもたらす。
ただし図8A及び8Bから導き出される主な結論は、高次プロセスを含むあらゆるタイプのプロセスで、τがτにほぼ等しい場合に、すなわちモデル不一致が皆無か非常に小さい場合に、PIDコントローラが通常型か簡略型のMPCコントローラに劣るということである。ただし、モデル予測コントローラでそのような制御性能を達成するのに要求されるチューニングのため、モデル不一致の存在下ではPIDが格段に安定している。結果的に、実際の業務で起こる見込みが格段に高いプロセスシナリオではPID制御がMPC制御を凌ぐ。PIDコントローラのこの簡素な定式化により、ある程度の時間にわたり誤差が存在する場合に積分動作は出力に直接影響する。上述したように、これはリード優勢プロセスにとって有利であるが、むだ時間優勢プロセスにとっては不利である。ただしこの問題を克服するため、或いは埋め合わせるため、発明者はPIDコントローラのこの利点をMPCコントローラに提供するためPIDに見られるチューニング可能積分動作によるモデルベースコントローラを開発した。
MPCへのチューニング可能フィードバックの追加
上述したように、MPCにおけるPIDのような積分動作が適切か否かを判断するにあたって、そしてこれをどの程度までチューニングするべきかを判断するにあたっては、フラクショナルむだ時間が大きな役割を果たす。従って、積分動作の最適チューニングはフラクショナルむだ時間に直接依存しなければならない。具体的に、遅れ優勢プロセスでは強い積分動作によってフィードバック制御性能が大いに改善するが、むだ時間優勢プロセスではこれを軽減するか遮断しなければならない。このように、プロセスのフラクショナルむだ時間プロパティにMPCコントローラを適合させるため積分動作のチューニングを使用することができる。プロセスが異なるフラクショナルむだ時間領域間を遷移する場合は積分チューニングをオンラインで自動的に適応させることもできる。このチューニングはモデル不一致にごく僅かしか依存しないため、そのような適応は実際的である。代わりに、チューニングは、モデル不一致より測定が容易いフラクショナルむだ時間により大きく依存する。
PI制御とPID制御は今なおプロセス制御業界で最もポピュラーなフィードバックコントローラであるため、PIDコントローラにおけるI項のチューニングと機能はよく理解されている。場合によっては、既知のチューニング規則に基づきリセット及びその他チューニングパラメータが計算される。既に述べたように、チューニング規則にはプロセスモデルが必要なものと、クリティカルゲインやクリティカルピリオド等の閉ループ特性を使用するものがある。例えそのようなパラメータが不明であっても、プラント作業員や制御技師は多くの場合、自身の経験に基づきコントローラを現在の設定から徐々にチューニングする方法を直感的に心得ている。図10は、未測定単位ステップ外乱が導入される場合に様々なプロセス特性でPIコントローラの比例及び積分動作がコントローラの負荷性能にどう影響するかを示すものである。図10のようなチャートでは、チューニングパラメータの理想的設定が現在の値より上か下かを容易に判断できる。これらのチャートに表された知識をもとに理想的チューニングを試行錯誤で見つけることができ、プロセスモデルを同定する必要はない。
図10のチャートから分かるように、積分動作を加えることで(t減少)負荷変動排除は加速するが、既に述べたように、通常は設定点変更挙動に悪影響がおよぶ。2自由度コントローラ定式は、PIDには当てはまるがモデルベース制御には当てはまらないこの問題を補償する。実際、そのようなチューニング方法と制御式修正は明らかにモデルベースではなく、エンピリカルである。研究者や実務者が当初の3つ(利得、リセット、レート)にチューニングパラメータを加える場合は通常、PIDアルゴリズムを特定の使用シナリオに適合させるという意図がある。そのようなパラメータは特定のアプリケーションでチューニングを簡素化するが、多くの場合、モデル知識に基づくチューニングを難しくする。それらのパラメータは、モデル知識を、実際の制御性能対所望の制御性能に関する知識と、置き換えることを可能にする場合がある。
ただし上述したように、モデルベースコントローラにはフィードバック計算で積分動作の直接チューニングを適用するためのコンポーネントがない。モデルベースコントローラがオフセットなしで未測定外乱を考慮できるという事実は、モデルベースコントローラが積分のような動作を示すことを意味するが、この積分動作はチューニングできない。モデル予測コントローラのフィードバック経路にチューニング可能積分動作を追加してMPCコントローラにチューニング可能積分コンポーネントを提供し、モデル不一致の存在下でMPCコントローラの性能を向上させる方法を図11に示す。具体的に、図11のMPCコントローラは図2のそれに類似しており、同様の素子には同じ参照番号が付いている。ただし、MPCコントローラ52の中で誤差信号を積分し、この積分コンポーネントをMPC制御アルゴリズム86によって出力される制御信号に加えるため、チューニング可能積分コンポーネント100A又は100Bが設けられている。
具体的に、追加積分器又は積分ブロック100Aを使用することにより、将来誤差ベクトルを積分できる(ブロック100Aの実線)、或いは残差を積分できる(ブロック100Bの点線)。残差は誤差ベクトルに寄与する要因のひとつにすぎず、制御アルゴリズム86により計算される制御動作にさほど影響しないから、通常は前者(ブロック100A)が最良の結果を達成する。残差に追加され直接積分動作の影響を低減できる要因は、設定点と残差のためのフィルタ方法を含む。両方のシナリオにおいて、特徴的PID積分挙動は、PIDコントローラで行われるように、コントローラ出力へ直接加えることによって達成される。この技法により、コントローラ52は外乱が発生した期間と同じサンプル期間内に速やかに未測定外乱に反応することができ、これはモデル予測コントローラの大きな利点である(プロセスモデルとプロセス出力の将来予測に基づき多数の将来移動を予備計算できる)。
さらなる説明として、式(3)で規定されたMPCが時間離散サンプリング制御システムで実装されると、フィルタ時定数を使用し未測定外乱とモデル不一致を補正する再帰アルゴリズムになる。ここで、予測将来プロセス出力と目標設定点軌道は将来制御移動を計算するため使用され、予測将来移動は、状態変数すなわち将来出力予測を更新するため使用される。式(3)に記載されたデフォルトチューニングによる標準MPCは可能な限り速やかに未測定外乱を補正する。モデル不一致が存在する場合は、PIDコントローラの積分項の作用の対象となるモデル不一致がない場合より長時間にわたり、この再帰計算のバランスは失われる。従って、図11に示された将来誤差ベクトルのどの部分が設定点変更対未測定外乱の結果なのかを区別することは可能である。積分動作のチューニング次第で、積分チューニングの実際の作用は、モデル不一致が存在する場合に限り顕著となる。モデル不一致の不在下では最良の制御性能のためより少ない積分動作が必要とされる。
図12A及び12Bは、上述したチューニング可能積分動作がない場合(図12A)とチューニング可能積分動作がある場合(図12B)の負荷変動に対するコントローラ動作を示すものである。図12A及び12Bに見られるように、通常型カルマンフィルタによるMPCコントローラの場合、積分動作のメリットはごく僅かである。ただしτ/τ=1では、モデル不一致の増加にともない積分動作の性能改善効果が顕著になっている。図13A及び13Bには時間の経過に伴う制御性能が描かれている。3通りのモデル予測コントローラで図13Aはチューニング可能積分動作を含んでおらず、図13Bはチューニング可能積分動作を含んでいる。
図13A及び13Bには参考のためPID応答がプロットされており、3つのMPCコントローラは大幅な性能改善を示している。最も大きな絶対的改善はDMCコントローラに見ることができる。事実、DMCコントローラのIAEは1.49減少し、標準DMC定式から47%の改善となっている。通常型カルマンフィルタによるMPCコントローラと簡略型カルマンフィルタによるMPCはそれぞれ29.1%、46.6%改善している。ただし最も注目すべき結果は、性能の改善にともないロバスト性が一切損なわれていないことである。図12A及び12Bはモデル不一致に関する性能比較を提供している。図12BのMPCプロットは、図12Aのそれに比べて下がっているばかりでなく、追加積分動作がない場合より平坦か積分動作がない場合と同じくらい平坦になっている。PIDコントローラのチューニングと同様、スコゲシュタッド規則により計算される積分動作のチューニングははT=8sの積分時定数をもたらした。図14Aにはモデル不一致に対するこのチューニングの結果が図示されている。追加積分器のマニュアルチューニングはさらにフィードバック制御性能を向上させることができる。エンピリカルチューニングはT=4sでより強い積分動作をもたらした。図14Bにはこれの結果が示されている。積分動作は実際、T=2で曲線の傾きが再び急峻になり、顕著な性能利得なくロバスト性の低下を示すまで、さらに増加させることができる。
モデル予測コントローラチューニングにより前述した二次プロセスに対し同様のチューニング分析を行った。図15A及び15Bには、種々モデル不一致によるこのシナリオのコントローラ性能結果が図示されている。図15Aのプロトコルはチューニング可能積分動作がない場合のコントローラ性能を示しており、図15Bは積分動作がある場合のコントローラ性能を示している。図15A及び15Bに見られるように、結果は驚くほど異なる。FOPDTループへの積分器の追加はどのモデル予測コントローラにとってもプラスになったが、まったく同じ積分器をSOPDTループへ追加した場合は簡略型カルマンフィルタによるMPCの性能だけが改善した。上述したように、この種のMPCは、二次プロセスに適用された場合に、モデル不一致に対する感度が比較的低い。簡略型カルマンフィルタによるMPCのほぼ平坦な性能プロットがそのような大きな量で下がると、τ/τ=2で通常型カルマンフィルタによるMPCの曲線と重複する。
従って、モデル不一致が皆無かごく僅かしか見込まれない場合は二次プロセスで通常型カルマンフィルタを使用すると有利であるが、モデル不一致が0.75<τ/τ<2から外れることが見込まれる場合は簡略型カルマンフィルタに切り替えるのがベストである。追加積分器によるモデル予測コントローラへ設定点変更が導入される場合は、PIDコントローラの場合と同じ悪影響が設定点変更性能に生じるであろう。PID制御と同様、この影響を軽減するか完全に打ち消すには2自由度定式を使用できる。
これは、PIDの制御性能がMPC等のモデルベースコントローラよりモデル不一致の影響を受けないことを意味する。さらに、PIDコントローラのフィードバック制御性能は、すなわち未測定外乱の排除は、プロセスが遅延時間優勢である限り、MPCコントローラの性能より優れている。むだ時間フラクションがむだ時間優勢に変わる場合は、むだ時間を考慮するため内部モデルを使用するMPCがプロセス制御に優れている。ここでは、MPCとPIDの特徴を組み合わせフィードバック制御性能に良い影響をおよび方法を説明する。この方法は、フラクショナルむだ時間のしかるべき領域でモデルベース制御と積分チューニングを活用する。MPCはオフセットフリー制御を可能にする固有の積分動作を有するが、積分動作のチューニングはフィードバック制御性能にとって極めて重要である。妥当なチューニングを計算するためには、適応チューニングかフィードバック制御性能を優先する従来のPIDチューニング規則を適用できる。積分動作は将来誤差ベクトル計算にだけ適用されるため、モデル不一致(外乱又は設定点変更ではなく)によって誤差が生じる場合は必然的により顕著となる。換言すると、積分動作は、これが必要とされる場合に寄与し、これが必要とされない場合に性能を損なわない。結果的に、追加積分動作はロバスト性を低減させることなく制御性能を改善する。
もうひとつの興味深い点として、積分動作の影響は一次又は二次プロセスが制御される場合に大幅に異なる。最適化を通じて全てのチューニングパラメータを自動的に判定するためアルゴリズムが使用される場合は、モデルオーダが目的関数において重要な変数となる。ただし、著しい違いは一次プロセスと二次プロセスだけに見られる。二次プロセスと高次プロセスとの違いは取るに足りない。
ここで説明する新たに開発された技術はフィードバック制御性能の改善をもたらす。この方法はまた、上述したSolutiaのプロセス等、困難なプロセスに非常に好ましい影響をおよぼすと考えられる。実際、PID制御性能と同程度かPID制御性能を凌ぐMPC制御性能が可能である。既知又は未知のモデル不一致を最適に補償するため別の方法を使用することもできるが、ここで説明する技法なら、チューニング可能積分動作を加えるだけでモデル予測コントローラのフィードバック制御性能を改善できる。そのような積分動作のチューニングは、PI及びPIDチューニングで通常使われる十分に検証済みの周知のチューニング規則を使って簡単に果たすことができる。PIDにはプロセスモデルの知識がなくてもチューニングできるという大きな利点がある。性能とロバスト性とのユーザ指定可能トレードオフに対応するため、シンプルなファクタを利用し所望の利得及び位相マージンを構成するPIDチューニング方法が開発されてきた。これらのチューニング方法の多くは、混乱が殆どないプロセスのテストを可能にする。同時に、チューニング規則が豊富にあることが不都合な場合もある。しかし、ここで説明するMPC方法はMPC制御にチューニング可能積分動作を加えることによってモデル予測制御性能を改善し、外乱の動的挙動を利用しモデル予測コントローラの被操作変数に直接加えることができる補正動作を計算する方法を提供する。この動作は、PIDアルゴリズムが補正動作の計算に過去の誤差特性を含めるのに似ており、モデル不一致及び/又は変化するダイナミクスを含む制御シナリオでフィードバック制御性能を劇的に向上させる。
本発明を指導し例証するための代表的実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、開示されたMPC技法はそれらの実施形態に限定されない。当業者は様々な修正、改良、追加を加えることができ、かかる修正、改良、追加は本発明の範囲から逸脱しない。
例えば、上記のMPC技法は一次プラスむだ時間モデルの形をとるプロセスモデルとの関係で説明されているが、例えば状態空間プロセスモデル、ARXモデル等の回帰モデル、有限インパルス応答モデル(FIR)、ステップ応答モデル等、タイプの異なるプロセスモデルとともにこれらの技法を使用することもできる。さらに、ここに提示されたチューニング可能積分動作によるMPCコントローラは単ループMPCコントローラの文脈の中で説明されているが、多変数MPCコントローラ構成にこの技法を適用し拡張することもできる。
また当業者は、コントローラの実装及び作動を担当する者がここで説明したMPCコントローラブロック及びコントローラユニットのコンポーネントを任意に分割できることを理解するであろう。これらの機能を任意のデバイスで任意の方法により実装できることは理解されるであろう。さらに、ここで説明したMPCコントローラ技法は望ましくはソフトウェアで実装されるが、ここで説明したMPCコントローラ技法又はその一部はハードウェア、ファームウェア等で実装することもでき、プロセス制御システムに関連する他の何らかのプロセッサにより実装することもできる。ここで説明した要素は、標準汎用CPUで、或いは特定用途向け集積回路(ASIC)等の専用ハードウェア又はファームウェア、又は他の結線デバイスで、適宜実装できる。ソフトウェアで実装される場合のソフトウェアルーチンは、磁気ディスク、レーザディスク(CD、DVD等)、フラッシュドライブ、その他蓄積媒体等のコンピュータ可読メモリに、コンピュータ又はプロセッサのRAM又はROMに、データベース等に、蓄積できる。また、このソフトウェアは既知又は任意の引渡し方法により、例えばコンピュータ可読ディスク、スマートカードメモリ、フラッシュドライブ、その他可搬型コンピュータ蓄積機構により、或いは電話回線、インターネット等の通信チャネルにより(可搬型蓄積媒体による提供方法と同じとみなされる、或いは可搬型蓄積媒体による提供方法に代わる方法とみなされる)、ユーザ又はプロセスプラントに引き渡すことができる。
さらに、ここに記載された請求項は、本発明並びにこれの実質的等価物の精神及び範囲内にある修正、変更、改善を含むものとして適切に解釈される。従って、ここで説明されていない本発明の他の実施形態も本発明の範囲内にあると理解される。

Claims (23)

  1. プロセス制御に使用するモデルベースプロセスコントローラであって、
    前記プロセス内の被制御変数の測定値を受信するコントローラ入力と、
    前記プロセスの被操作プロセス変数を制御するため1つ以上の制御信号を提供するコントローラ出力と、
    プロセスの動作をモデル化するプロセスモデルを含み、前記プロセスモデルに基づき予測プロセス変数値を作成する、プロセスモデルユニットと、
    前記予測プロセス変数値とプロセス変数設定点との差を使用し予備制御信号を生成する制御ユニットと、
    前記予測プロセス変数値と、被制御変数の測定値又はプロセス変数設定点とを使用し誤差信号を生成する誤差ユニットと、
    前記誤差信号を積分し積分誤差信号を作成する積分器と、
    前記積分器と前記制御ユニットとへ結合され、前記積分誤差信号に前記予備制御信号を結合し、前記プロセスの前記被操作プロセス変数の制御に使用する1つ以上の制御信号を作成する、結合器ユニットと、を備える、
    モデルベースプロセスコントローラ。
  2. (1)前記誤差ユニットは前記予測プロセス変数値とプロセス変数設定点との誤差を判定し、前記制御ユニットは前記誤差を使用し前記予備制御信号を作成するか、又は、
    (2)前記誤差ユニットは前記予測プロセス変数値と前記被制御変数の測定値との誤差を判定することにより前記誤差信号を生成する、請求項1に記載のモデルベースプロセスコントローラ。
  3. 前記積分器はチューニング可能である、請求項1又は2に記載のモデルベースプロセスコントローラ。
  4. 前記積分器は前記プロセスのむだ時間の割合に基づきチューニング可能である、請求項3に記載のモデルベースプロセスコントローラ。
  5. 前記制御ユニットはモデル予測制御アルゴリズムを遂行する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモデルベースプロセスコントローラ。
  6. 前記プロセスモデルは、1つ以上の線形ステップ応答モデルを、又は1つ以上のインパルス応答モデルを、備え、前記制御ユニットは動的マトリックス制御アルゴリズムを遂行し前記予備制御信号を作成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のモデルベースプロセスコントローラ。
  7. 前記プロセスモデルは、第一原理モデル、一次プラスむだ時間プロセスモデル、二次プロセスモデル、および二次プラスむだ時間プロセスモデルのうちの少なくとも一つを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のモデルベースプロセスコントローラ。
  8. 前記制御ユニットは通常型カルマンフィルタ又は簡略型カルマンフィルタを含むモデル予測制御アルゴリズムを遂行する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のモデルベースプロセスコントローラ。
  9. 前記誤差ユニットは前記予測プロセス変数値とプロセス変数設定点との誤差を判定し、前記制御ユニットは前記誤差を使用し前記予備制御信号を作成する、請求項1に記載のモデルベースプロセスコントローラ。
  10. プロセスの制御に使用する1組のプロセス制御信号を形成する方法であって、
    前記プロセスの動作をモデル化するプロセスモデルから、且つ前記プロセスモデルへ入力として提供される1組のコントローラ出力値から、1組の予測プロセス変数値を作成することと、
    1組の予備制御信号を生成するため前記1組の予測プロセス変数値と1組のプロセス変数設定点との差を使用することと、
    前記1組の予測プロセス変数値と、1組の被制御変数の測定値又はプロセス変数設定点とから誤差信号を生成することと、
    積分器によって積分誤差信号を作成するため前記誤差信号を積分することと、
    前記1組のプロセス制御信号を作成するため前記積分誤差信号に前記1組の予備制御信号を結合することと、を備える、
    1組のプロセス制御信号を形成する方法。
  11. 前記積分器のチューニングを可能にすることをさらに含む、請求項10に記載の1組のプロセス制御信号を形成する方法。
  12. 前記プロセスのむだ時間の割合に基づき前記積分器のチューニングを可能にすることをさらに含む、請求項11に記載の1組のプロセス制御信号を形成する方法。
  13. 前記1組の予測プロセス変数値を作成することは、前記1組のコントローラ出力値として以前の1組のプロセス制御信号を使用することを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の1組のプロセス制御信号を形成する方法。
  14. 前記1組の予測プロセス変数値を作成するため、前記プロセス内の被制御変数の測定値を、前記プロセスモデル並びに前記1組のコントローラ出力値とともに、使用することをさらに含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の1組のプロセス制御信号を形成する方法。
  15. 前記1組の予測プロセス変数値を作成するため、前記プロセス内の測定外乱を示す1つ以上のプロセス測定値を、前記プロセスモデル並びに前記1組のコントローラ出力値とともに、使用することをさらに含む、請求項10〜14のいずれか一項に記載の1組のプロセス制御信号を形成する方法。
  16. 前記1組の予備制御信号を生成するため前記1組の予測プロセス変数値を使用することは、前記1組の予備制御信号を作成するためモデル予測制御アルゴリズムを使用することを含む、請求項10〜15のいずれか一項に記載の1組のプロセス制御信号を形成する方法。
  17. 前記モデル予測制御アルゴリズムとともに状態オブザーバを遂行することをさらに含み、前記状態オブザーバは通常型カルマンフィルタか簡略型カルマンフィルタのいずれか一方である、請求項16に記載の1組のプロセス制御信号を形成する方法。
  18. プロセスの制御に使用するプロセスコントローラであって、
    プロセッサと、
    コンピュータ可読メモリと、
    前記コンピュータ可読メモリに蓄積され、前記プロセスの動作をモデル化する、プロセスモデルと、
    前記コンピュータ可読メモリに蓄積され、前記プロセッサにて実行されたときに、プロセス制御出力信号と前記プロセスモデルとを使用し予測プロセス変数値を作成する、予測ルーチンと、
    前記コンピュータ可読メモリに蓄積され、前記プロセッサにて実行されたときに、前記予測プロセス変数値とプロセス変数設定点との差を使用し予備制御信号を生成する、制御ルーチンと、
    前記コンピュータ可読メモリに蓄積され、前記プロセッサにて実行されたときに、前記予測プロセス変数値と、被制御変数の測定値又はプロセス変数設定点との差を示す誤差信号を判定する、誤差検出ルーチンと、
    前記コンピュータ可読メモリに蓄積され、前記プロセッサにて実行されたときに、前記誤差信号を積分し積分誤差信号を作成するチューニング可能積分ルーチンと、
    前記コンピュータ可読メモリに蓄積され、前記プロセッサにて実行されたときに、
    前記積分誤差信号に前記予備制御信号を結合し、前記プロセスの被操作プロセス変数の制御に使用する1つ以上の制御信号を作成する、結合ルーチンと、を備える、
    プロセスコントローラ。
  19. 前記チューニング可能積分ルーチンは、前記プロセスのむだ時間の割合に基づき異なる積分設定にチューニングできる、請求項18に記載のプロセスコントローラ。
  20. 前記予測ルーチンは、前記プロセス制御出力信号として予め計算された最終制御信号を使用する、請求項18〜19のいずれか一項に記載のプロセスコントローラ。
  21. 記誤差検出ルーチンは、前記予測プロセス変数値と前記プロセス変数設定点との差として前記誤差信号を形成する、請求項20に記載のプロセスコントローラ。
  22. 制御ルーチンは動的マトリックス制御アルゴリズムおよびモデル予測制御アルゴリズムの少なくとも一つを遂行し前記予備制御信号を生成する、請求項20に記載のプロセスコントローラ。
  23. 制御ルーチンはモデル予測制御アルゴリズムと通常型カルマンフィルタか簡略型カルマンフィルタのいずれか一方を含む状態オブザーバアルゴリズムとを遂行し前記予備制御信号を生成する、請求項20に記載のプロセスコントローラ。
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