JP5924408B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線撮影において画像に対し線状の構造物が視認しやすいように処理を施す画像処理装置に関する。
医療機関には放射線で被検体の画像を取得する放射線撮影装置が備えられている。このような放射線撮影装置には、被検体の血管に挿入されたガイドワイヤを撮影する目的で使用されるものがある。このような画像処理を行うものとして例えば、特許文献1に記載の装置がある。
放射線撮影装置により被検体の透視画像を取得したとしても、ガイドワイヤが画像上にはっきりと写り込むとは限らない。そこで、従来の放射線撮影装置は、画像上のガイドワイヤの視認性を向上させるように画像処理を施すようにしている。この従来の画像処理の具体的な処理について説明する。特許文献1に記載の画像処理においては、統計処理により画像に写り込むノイズを除去する構成となっている。このノイズ除去処理ではガイドワイヤは除去されない。したがって、従来構成によればノイズが除去されることにより、ガイドワイヤがよりはっきりした画像が取得できるのである。
特開2001−111835号公報
しかしながら、従来の画像処理においては、次のような問題点がある。
すなわち、従来の画像処理においては、視認性の低い画像しか取得できない。すなわち、従来の画像処理においては、ガイドワイヤを強調するような処理ではできない。
ガイドワイヤが画像上で不鮮明となっているのは、画像上のノイズが原因であるとは限らない。ガイドワイヤがそもそも画像上で薄く写り込んでいることにより画像上のガイドワイヤが見えづらいという場合もある。従来構成においては、ガイドワイヤを強調するような画像処理は行えない。したがって、従来構成の画像処理を行っても画像上において薄く写り込んでいるガイドワイヤはそのままである。つまり、従来の画像処理においては、視認性の低い画像しか取得できないのである。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、視認性の高い画像が取得できる画像処理装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、被検体を透視することで得られる元画像を処理する画像処理装置であって、元画像を基に、元画像上の線状構造物であるかどうかを画素の各々について評価する評価画像を生成する評価画像生成手段と、元画像を基に、画素の各々が元画像上の線状構造物であるとしたときの線の伸びる方向を示す方向画像を生成する方向画像生成手段と、方向画像を基に、元画像を構成する画素の各々に方向性のフィ ルタを作用させることにより、元画像に写り込む線状構造物の部分の画素値から当該部分 の周辺の画素の画素値を減算して差分画像を生成する差分画像生成手段と、評価画像および差分画像を基に、元画像上の線状構造物が抽出された抽出画像を生成する抽出画像生成手段と、方向画像を基に抽出画像に写り込む線状構造物の伸びる方向を取得し、抽出画像上で線状構造物の伸びる方向に配列した始点画素と終点画素とを定めて、2つの画素の間を補間することにより、抽出画像に途切れて写り込んだ線状構造物を接続して断片化解消画像を生成する線接続処理手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成によれば、元画像に写り込んだ線状構造物を強調するような画像処理をすることができる。具体的には、元画像に写り込む線状構造物を2つの手法で識別する。第1の手法は、元画像上の線状構造物であるかどうかを画素の各々について評価する評価画像を作成することである。これにより、元画像上の線状構造物の位置が特定される。第2の手法は、元画像に写り込む線状構造物と線状構造物以外の部分の差分をとり、線状構造物が写り込んだ差分画像を生成することである。これにより、元画像において線状構造物が線状構造物以外の画素に比べてどの程度異なる画素値で写り込んでいるかが分かる。評価画像は、元画像における線状構造物の位置に関する情報しか有していない。一方、差分画像は、元画像の全域に方向性の差分処理を施すことに伴う偽像を含んでしまっている。このような短所を有する2つの画像を用いて線状構造物の抽出を行えば、2つの手法が有する短所を互いに補うことができる。したがって、取得された抽出画像は、元画像から線状構造物のみを濃淡を保ったまま抜き出したものとなっており、視認性の高いものとなっている。
さらに、上述の構成によれば、ノイズ等によって抽出画像に途切れて写り込んだ線状構造物を接続して断片化解消画像を生成する線接続処理手段を更に備える。線接続処理手段は、方向画像を基に抽出画像に写り込む線状構造物の伸びる方向を取得しながら抽出画像上で線状構造物の伸びる方向に画素の補間を行うので、線状構造物がその伸びる方向に延伸する。この動作をすることにより、抽出画像に途切れて写り込んでいる線状構造物が自然につながるので、視認性が更に高い画像が提供できる。
また、上述の画像処理装置において、線接続処理手段は、抽出画像上の画素の中から始点画素を定める際に、閾値以上の画素値を有する画素を始点画素と定めればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の構成のより具体的な構成を示すものとなっている。線接続処理手段が抽出画像上の画素の中から始点画素を定める際に、絶対値が閾値以上となっている画素値を有する画素を始点画素と定めれば、抽出画像上で目立っている線状構造物について線接続処理を確実に行うことができる。
また、上述の画像処理装置において、線接続処理手段は、抽出画像上の候補画素の中から終点画素を定める際に、候補画素と予め定められた始点画素とを結ぶ方向を取得するとともに、始点画素が属する画素線状構造物の伸びる方向を方向画像から取得し、取得した2つの方向の一致度が高いと判定された候補画素を優先的に終点画素と定めればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の構成のより具体的な構成を示すものとなっている。すなわち、線接続処理手段が線接続の終点となる終点画素の候補画素と予め定められた始点画素とを結ぶ方向を取得するとともに、始点画素が属する線状構造物の伸びる方向を方向画像から取得し取得した2つの方向の一致度が高いと判定された候補画素を優先的に終点画素と定めるようにすれば、候補画素の中から適切な終点画素を選択することができる。2つの方向の一致度が高い候補画素に向けて始点画素から線状構造物を延伸するようにすれば、線状構造物の伸びる方向に線状構造物が延ばされることになる。すなわち、上述の判定に基づいて線接続処理を行うようにすれば、より自然に線上構造物の線接続処理をすることができる。
また、上述の画像処理装置において、線接続処理手段は、抽出画像上の候補画素の中から終点画素を定める際に、候補画素の画素値の絶対値を抽出画像より取得することにより、画素値の絶対値が高いと判定された候補画素を優先的に終点画素と定めればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の構成のより具体的な構成を示すものとなっている。すなわち、画素値の絶対値が高いと判定された候補画素を優先的に終点画素と定めれば、抽出画像上で目立っている線状構造物について線接続処理を確実に行うことができる。
また、上述の画像処理装置において、線接続処理手段は、始点画素と終点画素とに挟まれる位置にある画素の画素値を変更することにより線接続処理を行えばより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の構成のより具体的な構成を示すものとなっている。すなわち、始点画素と終点画素とに挟まれる位置にある画素の画素値を変更することで線接続処理を行うようにすれば、僅かな画素に対して変更処理をすることによって線接続処理を完了することができる。
また、上述の画像処理装置において、線接続処理手段は、画素値変更処理に先立って変更後の画素値を求める際に、始点画素と画素値置換処理対象の画素との間の距離と、終点画素と画素値置換処理対象の画素との間の距離とを算出することにより、始点画素および終点画素のうち画素値置換処理対象の画素から距離が遠い方の画素の画素値よりも距離が近い方の画素の画素値に近づくように変更後の画素値を求めればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の構成のより具体的な構成を示すものとなっている。線接続処理実行中における画素値の変更を始点画素および終点画素のうち画素値置換処理対象の画素から距離が遠い方の画素の画素値よりも距離が近い方の画素の画素値に近づくように行えば、始点画素と終点画素とがより滑らかにつながる。すなわち、線接続処理後における始点画素から終点画素までの間における画素値の変化を見ていくと、始点画素の画素値が次第に変化して終点画素の画素値に移り変わる。このように始点画素と終点がその間に画素値の大きな段差を設けないようにして線接続処理を行えば、より視認性に優れた断片化解消画像を取得することができる。
また、上述の画像処理装置において、線接続処理手段は、画素値変更処理に先立って変更後の画素値を求める際に、変更後の画素値が抽出画像上の同じ位置について複数算出された場合には、より絶対値の大きいものを変更処理に用いればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の構成のより具体的な構成を示すものとなっている。線接続処理手段が画素値変更処理に先立って変更後の画素値を求める際に、変更後の画素値が抽出画像上の同じ位置について複数算出されたときに、より絶対値の大きいものを変更処理に用いるように動作すれば、より視認性に優れた断片化解消画像を取得できる。すなわち、ある画素の画素値を変更する場合において、その画素が濃い線と薄い線とが交差する位置に属する場合に、濃い線が優先されて線接続処理が施される。このようにすることで、線接続処理手段は、元画像において目立って写り込んでいる濃い線を確実につなぐようにして線接続処理を実行することができる。
また、上述の画像処理装置において、元画像と断片化解消画像とを重ね合わせて重合画像を生成する重合画像生成手段を備え、線接続処理手段は、変更後の画素値を求た後、変更後の画素値の絶対値が始点画素の画素値の絶対値よりも大きくなるとともに、終点画素の画素値の絶対値よりも大きくなるように変更後の画素値を調整して、断片化解消画像において線が延長された部分を強調すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の構成のより具体的な構成を示すものとなっている。断片化解消画像と元画像とを重ね合わせれば、元画像における被検体の微細な構造と、断片化解消画像におけるはっきりとした線状構造物とが集合して視認性に優れた重合画像を生成できる。そのときに、断片化解消画像における線接続処理が施された画素と同一位置にある元画像上の画素には、線状構造物は写り込んでいない。したがって、断片化解消画上の線接続処理が施された画素と、これと同一位置にある元画像上の画素とが重ねられて生成された画素の濃度は、元画像上の画素の濃度が薄かった分だけ薄くなる。そこで、上述の構成によれば、変更後の画素値の絶対値をより大きくするように調整を施す。この様な構成とすることにより、重合画像に写り込む線状構造物が部分的に薄くなることがなく、視認性に優れた重合画像を生成できる。
また、本発明の線接続処理手段が始点画素と終点画素とのペアを複数定めることにより 動作する構成としてもよい。
本発明の画像処理装置は、元画像に写り込んだ線状構造物を抽出した画像である抽出画像に画像処理を施す構成を有している。すなわち、抽出画像において途切れて写り込んだ線状構造物を接続して断片化解消画像を生成する線接続処理手段を備えている。線接続処理手段は、方向画像を基に抽出画像に写り込む線状構造物の伸びる方向を取得しながら抽出画像上で線状構造物の伸びる方向に画素の補間を行うので、線状構造物がその伸びる方向に延伸する。この動作をすることにより、抽出画像に途切れて写り込んでいる線状構造物が自然につながるので、視認性が更に高い画像が提供できる。
実施例1に係る画像処理装置の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る線接続処理の効果を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る線接続処理部の動作を説明する模式図である。
以降、発明を実施するための形態として具体的な実施例について説明する。
以降、本発明の実施例を説明する。実施例におけるX線は本発明の放射線に相当する。また、画像に写り込むガイドワイヤ像などの暗線は本発明の線状構造物に相当する。
実施例1に係る画像処理装置1は、図1に示すように、X線で被検体の撮影をすることによって取得される画像(元画像P0と呼ぶ)を入力すると、この元画像P0に写り込んでいるガイドワイヤ像などの暗線の輝度が視認しやすいように調整された処理画像(重合画像P9)が出力される構成となっている。
<画像処理装置の全体構成>
実施例1に係る画像処理装置1は、図1に示すように、2次元ヘッセ行列を用いて元画像P0を解析する解析部13と、元画像P0上の線状構造物であるかどうかを画素の各々について評価する評価画像P3を生成する評価画像生成部15と、元画像P0を基に、画素の各々が元画像P0上の線状構造物であるとしたときの線の伸びる方向を示す方向画像P5を生成する方向画像生成部16と、方向画像P5を基に、線状構造物の部分の画素値から線状構造物以外の画素値が減算された差分画像P6を生成する差分画像生成部17と、評価画像P3および差分画像P6を基に、元画像P0上の線状構造物が元画像P0上の濃淡を保ったまま元画像P0から抽出された抽出画像P7を生成する抽出画像生成部18とを備えている。評価画像生成部15は、本発明の評価画像生成手段に相当し、方向画像生成部16は、本発明における方向画像生成手段に相当する。また、差分画像生成部17は、本発明の差分画像生成手段に相当し、抽出画像生成部18は、本発明の抽出画像生成手段に相当する。
また、実施例1に係る画像処理装置1は、方向画像P5を基に抽出画像P7に途切れて写り込んでいる線状構造物を接続して断片化解消画像P8を生成する線接続処理部19を備えている。線接続処理部19は、本発明の線接続処理手段に相当する。
また、画像処理装置1は、断片化解消画像P8と元画像P0とを重ね合わせて重合画像(重合画像P9)を生成する重合画像生成部20とを備えている。また、画像処理装置1は、元画像P0を解析部13が解析を行った結果である固有値が配列された固有値画像P2を生成し固有値画像P2を評価画像生成部15に出力する固有値画像生成部14を備えている。重合画像生成部20は、本発明の重合画像生成手段に相当する。
記憶部28は、各部13,14,15,16,17,18,19,20が動作する際のフィルターやパラメータが記憶された記憶装置となっている。各部13,14,15,16,17,18,19,20は、必要に応じて記憶部28にアクセスすることができる。
<画像処理装置の主な動作>
次に、画像処理装置1の主な動作について説明する。画像処理装置1は、主に解析部13,固有値画像生成部14,評価画像生成部15,方向画像生成部16,差分画像生成部17,抽出画像生成部18,線接続処理部19の各部により動作する。このうちまずは、各部13,14,15,16,17についての動作説明をまとめて行い、次に、線接続処理部19についての動作説明をするものとする。
<解析部の動作>
画像処理装置1に入力された元画像P0は、解析部13に入力される。解析部13の微分動作について説明する。元画像P0は、画像上の位置と画素値が関連している。すなわち、元画像P0におけるx方向、およびy方向の位置を指定すればそこに位置する画素の画素値が取得できるということである。つまり、元画像P0は、図2に示すように、x方向(横方向),y方向(縦方向)の2変数について画素値が関連した2変数関数と捉えることができる。画素値をdとすると、d=f(x,y)という関係が成り立つことになる。
解析部13は、微分フィルタを用いて、元画像P0をx方向に偏微分し、このとき得られる微分関数を更にx方向に偏微分する。また、解析部13は、元画像P0をx方向に偏微分し、このとき得られる微分関数を更にy方向に偏微分する。同様に解析部13は、元画像P0をy方向に偏微分し、このとき得られる微分関数を更にy方向に偏微分する。解析部13は、これらを用いてヘッセ行列Hを生成する。ヘッセ行列Hとは次のような行列である。
Figure 0005924408
ここで、x方向に偏微分したあとy方向に偏微分した2次微分関数と、y方向に偏微分したあとx方向に偏微分した2次微分関数とは同じ関数となる。したがって、ヘッセ行列は対称行列であり、2つの固有値λ1,λ2とそれに対応する固有ベクトルを有することになる。このとき、固有値λ1の絶対値は固有値λ2の絶対値よりも大きいものとする。解析部13は、固有値と固有ベクトルをヘッセ行列Hより求める。
次に、解析部13は、固有値λ1に対応する固有ベクトルv1を算出する。固有ベクトルv1は、x方向およびy方向の要素を有するベクトルとなっている。
<固有値画像生成部の動作>
解析部13は、絶対値が最大の固有値λ1を固有値画像生成部14に送出する。ヘッセ行列Hは、元画像P0の位置に応じた関数が行列化したものである。従って、固有値λ1は、元画像P0の位置に応じて値が変化するはずである。固有値画像生成部14は、固有値λ1を元画像P0の位置に対応させて配列し、固有値λ1が2次元マトリックス状に配列された固有値画像P2を生成する。
<評価画像生成部の動作>
固有値画像生成部14は、固有値画像P2を評価画像生成部15に送出する。評価画像生成部15は、固有値λ1の各々に所定の関数を作用させることにより、固有値λ1の値を調整する。すなわち、評価画像生成部15は、固有値画像P2における正の高い値の固有値λ1を全てほぼ1に近い値に変換する。そして、評価画像生成部15は、固有値画像P2における低い値の固有値λ1を全てほぼ0に近い値に変換する。また、評価画像生成部15は、固有値画像P2における中間的な値の固有値λ1を、例えば0.1〜0.9までのいずれかの値に変換する。この様にすることにより固有値画像P2において−16,384から16,383までのいずれかの値となっていた固有値λ1は、変換により0から1までのいずれかの値をとるようになる。
評価画像生成部15が変換に用いる関数としては、単調増加で非線形の関数が選択される。具体的には、ロジスティック関数などが用いられる。評価画像生成部15は、図3に示すように、固有値画像P2における正の中間的な固有値λ1のスケールを保つとともに、極端な固有値λ1や負の固有値λ1のスケールを圧縮して数値の変換を行う。このようにして、評価画像生成部15は、固有値画像P2を変換して評価画像P3を生成する。なお、負の固有値λ1は、すべて0に変換される。
固有値λ1の意味について説明する。固有値λ1の絶対値が大きいと言うことは、元画像P0における2次偏微分値の絶対値が大きいということである。また、固有値λ1の符号は、2次偏微分値の符号にそのまま対応する。2次偏微分値の絶対値の大きさは、関数におけるU型のカーブがどの程度急となっているかを表している。また、2次偏微分値の符号は、関数におけるU型のカーブの凹凸に対応している。例えば、図4に示すような位置と画素値の関係があったとする。図4における矢印は、グラフにおいて大きく凹んだ場所を表している。このような場所は、周りと比べて画素値が極端に小さくなっている部分であり、画像上の暗線を表している。図4のグラフを位置に沿って2回微分すると、微分値は矢印の部分で正の高い値をとる。つまり、固有値がスケーリングされた変換値が配列した評価画像P3は、元画像P0を位置と画素値が関連した関数と見たときの極小の位置を表している。評価画像P3における値が1に近い部分は、元画像P0において暗線が写り込んだ部分となっており、値が0に近い部分は、元画像P0において暗線が写り込んでいない平坦な部分となっている。
逆に、元画像P0において明線が写り込んだ部分では、微分値は負の小さな値をとる。すなわち、明線を抽出したい場合には、評価画像生成部15が変換に用いる関数としては、単調減少で非線形の関数が選択される。つまり、固有値がスケーリングされた変換値が配列した評価画像P3は、元画像P0を位置と画素値が関連した関数と見たときの極大の位置を表している。評価画像P3における値が1に近い部分は、元画像P0において明線が写り込んだ部分となっており、値が0に近い部分は、元画像P0において明線が写り込んでいない平坦な部分となっている。
<方向画像生成部の動作>
解析部13は、固有ベクトルv1を方向画像生成部16に送出する。方向画像生成部16は、固有ベクトルv1とx軸とがなす角θ1を算出する。そして、解析部13は、この角θ1と90°とを足し合わせて角θ2を算出する。ヘッセ行列Hは、元画像P0の位置に応じた関数が行列化したものである。従って、角θ2は、元画像P0の位置に応じて値が変化するはずである。方向画像生成部16は、角θ2を元画像P0の位置に対応させて配列し、角θ2が2次元マトリックス状に配列された方向画像P5を生成する。
実際の方向画像P5における角θ2は、0°〜360°の間で自由な値をとるようにはなっていない。すなわち、角θ2は、離散化処理により0°、18°、36°、54°、72°、90°、108°、126°、144°、162°のいずれかの角度に近い角度に振り分けられている。従って、方向画像P5は、0°〜162°の10通りの角度のいずれかを示す値が2次元マトリックス状に配列された画像となっている。このように、方向画像生成部16は、角度を10通りに絞って方向画像P5を生成することで、後段の演算処理を単純なものとしている。なお、角θ2が360°までの値をとらず、162°が最大となっている理由は後述する。
角θ2の意味について説明する。角θ2は、固有ベクトルv1とx方向とのなす角を90°回転させた角度となっている。この固有ベクトルv1の方向の意味について考える。図5に示すように、元画像P0における暗線上にある画素pについて考える。この画素pに対する固有ベクトルは図5においてv1で表されている。固有ベクトルv1は、絶対値が大きい方の固有値λ1についての固有ベクトルである。したがって、固有ベクトルv1が示す方向は、元画像P0の画素pにおける暗線の連接方向と直交する方向を意味している。すなわち、角θ2は、暗線に沿う方向と直交する方向を90°回転させたときの方向とx方向とのなす角を表していることになる。これを簡単に言うと、角θ2は、元画像P0に写り込んだ暗線に沿う方向とx方向とのなす角を表しているということである。ここでの暗線に沿う方向とは、画素pで暗線に接する接線の伸びる方向を意味している。
角θ2が162°が最大となっている理由について説明する。角θ2が18°であるとすると、x軸と暗線Bとのなす角は図6の左側に示すように、18°であることになる。同様に、角θ2が198°であったとすると、x軸と暗線Bとのなす角は図6の右側に示すように、198°であることになる。図6の左側と右側とを比較すれば分かるように、角θ2が18°であるときの暗線Bの方向と、198°であるときの暗線Bの方向は一致する。つまり、角θ2に180°を足しても、この角度が示す暗線Bの方向はもとの角θ2の示す方向と同じとなる。ということは、角θ2を0°以上180°未満としても、暗線Bの方向を全方向に亘って表現できることになる。実際には、角θ2は、離散化処理が施されているので、取り得る最大の角度は162°である。
<差分画像生成部の動作>
方向画像P5は、差分画像生成部17に送出される。差分画像生成部17は、方向画像P5を参照しながら、元画像に写り込む線状構造物と線状構造物以外の部分の差分をとり、線状構造物が写り込んだ差分画像を生成する。以降、この差分画像生成部17の動作について説明する。
図7左側は、差分画像生成部17が生成するフィルタを表している。図7左側のフィルタfは、3つの領域からなり、中心の領域の画素値と斜線で示す周辺の領域の画素値との差分を取る差分フィルタとなっている。このフィルタfを元画像P0に施せば、注目画素の画素値が周辺画素の画素値と比べてどの程度の違いがあるかを知ることができる。フィルタfの大きさは、例えば縦横に15×15ピクセルとなっている。
差分画像生成部17が使用するフィルタfは方向性を有する異方性フィルタ(異方性平滑化フィルタ)でもある。例えば、図7左側に示すフィルタfは、暗線が縦方向に写り込んでいる元画像P0に適したフィルタとなっている。実際の元画像P0には暗線が湾曲して写り込んでいる。したがって、差分画像生成部17が元画像P0に対してフィルタを施すときは、暗線の部分によって変化する暗線の伸びる方向に応じてフィルタを切替えなければならない。そこで、記憶部28は、図7左側に示すフィルタを18°ずつ回転させた例えば図7右側のようなフィルタを複数記憶している。差分画像生成部17は、元画像P0を構成する画素の各々に対し記憶部28に記憶されたフィルタのいずれかを作用させて差分画像を生成する。この動作に用いられるフィルタは、暗線が伸びる方向に応じて10種類が用意されている。
差分画像生成部17は、動作に際し、元画像P0の各画素に10種類のうちのどのフィルタを施すのかを決定しなければならない。そこで差分画像生成部17は、方向画像P5を参照しながらフィルタの選択を行う。方向画像P5は、各画素に写り込んでいる暗線の伸びる方向を表した画像となっている。したがって、差分画像生成部17が元画像P0を構成する各画素に対して、方向画像P5が示す10通りの方向に応じたフィルタを選択して、このフィルタをかけることにより差分画像P6を生成するのである。差分画像P6は、元画像P0に対して暗線の伸びる方向に平滑化処理が施されるとともに、暗線の画素値が暗線以外の部分の画素値を減算されたものとなっている。
図8は、差分画像生成部17が元画像P0上の画素pについて動作している状態を表している。差分画像生成部17は、元画像P0上の画素pと同じ位置にある方向画像P5の画素(対応画素)の画素値を取得する。方向画像P5の画素値は、暗線の伸びる方向を表す値となっている。対応画素が90°を表す画素値であったとする。すると、差分画像生成部17は、図7左側で説明した縦方向のフィルタfを記憶部28から読み出してこれを元画像P0の画素pに作用させる。このとき画素pはフィルタfの中心に位置することになる。差分画像生成部17は、元画像P0を構成する各画素に対して同様の動作を行い、図9に示すような差分画像P6を生成する。
差分画像P6は、図9に示すように、元画像P0に写り込んでいた被検体像が消え去り、元画像P0に写り込んでいた暗線が抜き出された状態となっている。元画像P0上の被検体像は、図8において網掛けで示されている。差分画像P6に現れる暗線は、元画像P0の画素値に関する情報を保持したものとなっている。したがって、差分画像P6に写り込む暗線をよく見ると、部分的に暗線の濃さが異なっている。この暗線の濃さの部分的な相違は、暗線が元画像P0に写り込んでいたときに見られた部分的な濃さの相違をそのまま表している。
また、図9に示すように、差分画像P6には、暗線以外に細かい線状のノイズが現れる。これは、元画像P0の全域に方向性のフィルタを施すことによって生じた偽像である。この偽像は取り除かれなければならない。この偽像の除去は、抽出画像生成部18によって行われる。
<抽出画像生成部の動作>
差分画像P6および評価画像P3は、抽出画像生成部18に送出される。抽出画像生成部18は、評価画像P3と差分画像P6とを積算処理することにより、元画像P0から暗線が抽出された抽出画像P7を生成する。評価画像P3は、元画像P0に暗線が現れている部分を1とし、現れていない部分を0としている。評価画像P3は、0から1までの間の画素値を含むものの、元画像P0における暗線の位置を表した二値画像に近い画像である。したがって、評価画像P3は、元画像P0において暗線がどのような濃度で写り込んでいるかを示す情報を有していない。差分画像P6は、方向性フィルタを元画像P0に施した画像であるので、暗線の濃度情報は保持している。しかし、方向性フィルタを施すことによって偽像を含んでしまっている画像である。
そこで、図10に示すように、評価画像P3と差分画像P6とを積算処理すれば、元画像P0において暗線となっていない部分では、差分画像P6の画素値に評価画像P3の画素値である0が積算され、この部分の画素値は0となる。このようにして、差分画像P6に現れていた偽像は、消去されるのである。生成された抽出画像P7は、元画像P0に写り込んでいる暗線をそのまま抽出したような画像となっている。抽出画像P7においては暗線の視認は容易である。
<線接続処理部の動作>
次に、本発明において最も特徴的な構成である線接続処理部19の動作について説明する。線接続処理部19は、図11に示すように、ノイズ等によって線状構造物が途切れ途切れに写り込んでいる抽出画像P7に線接続処理を加えて、線状構造物の断片化が解消された断片化解消画像P8を生成するものである。このとき、線接続処理部19は、方向画像P5を参照する。より具体的には、線接続処理部19は、抽出画像P7における線を接続する始点の画素と終点の画素の2つを決定する。そして、これら2点の間に短い線を書き足すことにより線接続処理を実現するのである。図11においては、線接続の始点をフロンティア画素F,終点を終点画素Gとして表している。線接続処理部19は、方向画像P5を基に抽出画像P7に写り込む線状構造物の伸びる方向を取得し、抽出画像P7における線状構造物の伸びる方向に配列したフロンティア画素Fと終点画素Gとを定めて、2つの画素の間を補間することにより、抽出画像P7に途切れて写り込んだ線状構造物を接続して断片化解消画像P8を生成する。フロンティア画素Fは、本発明の始点画素に相当する。
図12は、線接続処理部19の動作を表したフローチャートである。図12に示すように線接続処理部19は、まず抽出画像P7に前処理を施し、後段の画像処理の下準備をする(前処理ステップS1)。そして、線接続処理部19は抽出画像P7を構成する画素の各々に画素ラベルを付し、ラベル画像Q1を生成する(ラベル画像生成ステップS2)。そして、線接続処理部19は、ラベル画像Q1において線状構造物を構成する画素を示すラベルが付されたフロンティア画素Fのうちの1つを処理対象とし(処理対象フロンティア画素設定ステップS3),処理対象フロンティア画素について補間画素IPを検索する(補間画素検索ステップS4)。そして、補間画素IPの各々について後述の新画素値を取得する(新画素値取得ステップS5)。線接続処理部19は、処理対象のフロンティア画素Fを変更しながら補間画素検索ステップS4,および新画素値取得ステップS5を繰り返す。最後に、線接続処理部19は、補間画素IPの画素値を変更して断片化解消画像P8を生成する(画素値変更ステップS6)。以降、これらの詳細について順を追って説明する。
<前処理ステップS1>
まず、線接続処理部19は、記憶部28より設定値を読み出して、抽出画像P7における絶対値が設定値よりも低い部分の画素値について符号を反転させない状態で絶対値が更に低くなるように変更する。具体的には、画素値を0に変更する。これにより、抽出画像P7に含まれていたノイズや細かな被検体像が除かれ、線状構造物がより際立った簡略化抽出画像P7aが生成される。この様にすることで、後段の画像処理が単純なものとなる。
<ラベル画像生成ステップS2>
次に、線接続処理部19は、簡略化抽出画像P7aの各画素を2種類に種類分けをして分類を示すラベルを各画素について取得する。すなわち、線接続処理部19は、記憶部28より閾値を読み出して、読み出した閾値よりも絶対値が高い画素をフロンティア画素Fと分類し、絶対値が低い画素を非フロンティア画素Nと分類する。このフロンティア画素Fは、これから線接続をしようとするときの始点となる画素である。線接続処理部19は、抽出画像P7(簡略化抽出画像P7a)上の画素の中からフロンティア画素Fを定める際に、閾値以上の画素値を有する画素をフロンティア画素Fであると定める。
図13は、線接続処理部19が簡略化抽出画像P7aの各画素を分類して、この分類の分布を示すラベル画像Q1を生成する様子を示している。簡略化抽出画像P7aにおける画素値の絶対値が小さい画素は全て非フロンティア画素Nとされ、画素値の絶対値が大きい画素は、フロンティア画素Fとされる。以降、線接続処理部19は、フロンティア画素Fの各々について同じ処理を繰り返す。図13における簡略化抽出画像P7aに暗い画素(画素値の絶対値が大きい画素)は8個あるので、線接続処理部19は、以降に説明するステップS4およびステップS5を8回繰り返すことになる。
<処理対象フロンティア画素設定ステップS3>
線接続処理部19は、ラベル画像Q1を参照してこれから画像処理をしようとする処理対象のフロンティア画素Fを選択する。図14において、選択されたフロンティア画素Fを符号F0で表すことにする。
<補間画素検索ステップS4:候補画素Tの設定>
次に、線接続処理部19は、画素値の補間を行う補間画素IP0の検索を開始する。補間画素IP0とは、これから画素値が変更される画素であり、フロンティア画素F0とこれから取得する終点画素G0との間に位置している。フロンティア画素F0とは、線接続処理部19が簡略化抽出画像P7aにおける途切れた線を接続するときの始点となる画素である。同様に、終点画素G0とは、線接続処理部19が簡略化抽出画像P7aにおける途切れた線を接続するときの終点となる画素である。つまり、線接続処理部19は、フロンティア画素F0を始点とし、終点画素G0を終点とする線を抽出画像P7に書き足すことで線接続処理を実現するのである。まずは、この終点画素G0の取得方法について説明する。この終点画素G0が決定されないと補間画素IP0の探索ができないからである。
図14は、線接続処理部19が終点画素G0の候補となる候補画素Tを指定する様子を示している。線接続処理部19は、フロンティア画素F0を中心とした正方形の領域を設定して、この領域に属する画素の全てを候補画素Tと設定する。ただし、フロンティア画素F0自体は候補画素Tから除外される。簡略化抽出画像P7aにおける候補画素Tの位置は、候補画素マッピング画像Q2(F0)に保持される。正方形領域としては例えば5×5ピクセルの大きさが好ましい。
なお、実施例1においては、フロンティア画素F0を中心とした正方形領域に含まれる画素の全てを候補画素Tに設定するように構成する必要はない。すなわち、線接続処理部19が正方形領域に属するフロンティア画素Fのみを候補画素Tと設定するようにしてもよい。
<補間画素検索ステップS4:候補画素Tの判定>
線接続処理部19は、まず、候補画素Tのうち判定対象となる候補画素T0を決定し、これについて終点画素G0かどうかの判定を行う。候補画素Tは、図14右側に示すように、24個あることからすると線接続処理部19は、判定動作を24回繰り返すことになる。
図15は、候補画素T0が終点画素G0であるかどうかが判定される様子を示している。線接続処理部19は、フロンティア画素F0の中心と候補画素T0と中心とを通過する線分の伸びる方向をベクトルとして取得する。具体的には、線接続処理部19は、フロンティア画素F0と候補画素T0との位置関係に応じて、これに対応するベクトルを記憶部28から読み出して動作する。つまり、記憶部28には、画素の位置関係とベクトルとが対応したテーブルが用意されていることになる。このベクトルを説明上の区別のため画素配列方向ベクトルと呼ぶことにする。図15右側においては、画素配列方向ベクトルを実線で表している。すなわち、画素配列方向ベクトルはフロンティア画素F0を起点とし、候補画素T0方向に向けて伸びるベクトルである。
線接続処理部19は、今度は、記憶部28に記憶された方向画像P5を参照して、フロンティア画素F0にどのようなベクトルが割り当てられているかを取得する。方向画像P5は、ベクトルが画素と関連づけられて配列された画像であり、ベクトルの方向は、元画像P0において、線状構造物がどの方向に伸びているかを各画素ごとに示したものとなっている。このベクトルを説明上の区別のため構造物延伸方向ベクトルと呼ぶことにする。図15右側においては、構造物延伸方向ベクトルを破線で表している。すなわち、構造物延伸方向ベクトルはフロンティア画素F0を起点とし、画像上の線状構造物のうちフロンティア画素F0が属するものの延伸方向に伸びるベクトルである。
線接続処理部19は、画素配列方向ベクトルと構造物延伸方向ベクトルとのなす角θを取得する。取得された角θと候補画素T0の位置との関係は、角マッピング画像Q3(F0)に保持される(図17左側参照)。角θは、そもそもはフロンティア画素Fを起点とする二つのベクトルのなす角である。しかし、角マッピング画像Q3において角θがマッピングされる位置は、角マッピング画像Q3上のフロンティア画素Fと同一の位置ではなく、候補画素Tと同一の位置である。この点は、本発明を理解する上で留意が必要である。例えば、図17左側において斜線の枠で囲んで示す候補画素T1と同一の位置にある角θは、図16で説明した動作で得られた候補画素T1についてのものである。
この角θは、ある有益な特性を有している。すなわち、この角θが十分に小さいと、候補画素Tは、終点画素Gであると判定できる。この点についてより詳細に説明する。図16は、簡略化抽出画像P7aにおける暗線に属する候補画素T1が線接続処理部19により判定をされている様子を示している。候補画素T1における画素配列方向ベクトルの方向は、フロンティア画素F0から見た候補画素T1の方向と一致し、右斜め下方向である。一方、候補画素T1における構造物延伸方向ベクトルの方向は、フロンティア画素F0が属する線状構造物の延伸方向と一致し、下方向である。
図16の例では、画素配列方向ベクトルの方向と構造物延伸方向ベクトルの方向とが一致しているとは言えないが、極端な例として一致していたとする。このときフロンティア画素F0と候補画素T1との間に線を書き足せば確実に簡略化抽出画像P7aの視認性は向上する。この理由について説明する。線接続処理部19は、フロンティア画素Fと終点画素Gとを繋ぐように簡略化抽出画像P7aに線を書き足すことで動作する。仮に、図16の例において候補画素T1がフロンティア画素F0の下に位置していたとし、フロンティア画素F0と候補画素T1との間に線を書き足したものとする。すると、この書き足された線の伸びる方向は、画素配列方向ベクトルの方向の方向と一致し、下方向である。一方、フロンティア画素F0は縦方向 に伸びた線状構造物の一員である。フロンティア画素F0の構造物延伸方向ベクトルは、下方向に伸びているからである。すなわち、線の書き足しにより、下方向に伸びた線状構造物が更に下方向に延伸するように延ばされることになる。このように線状構造物の伸びる方向が保存されるように線を書き足す動作を行えば、より自然で視認性の高い画像が提供できるのである。
以降、候補画素T1における角θは、十分に小さいものとして説明を続ける。線接続処理部19は、図17に示すように生成した角マッピング画像Q3(F0)から角θを読み出すとともに簡略化抽出画像P7aから画素値を読み出して候補画素Tの各々が線接続処理の対象にふさわしいかを示す接続信頼値Rを取得する。すなわち、ある候補画素Tの接続信頼値Rは、その候補画素Tの角θと、その候補画素Tの画素値とにより算出される。具体的には、接続信頼値Rは、角θの小ささを示す項と画素値の絶対値の大きさを示す項をかけ合わせることにより算出される。したがって、角θが小さいほど接続信頼値Rは増加し、画素値の絶対値が大きいほど接続信頼値Rは増加する。取得された接続信頼値Rと画素の位置との関係は、接続信頼値マッピング画像Q4(F0)に保持される(図17右側参照)。
接続信頼値Rが角θが小さいほど増加するようにしているのは、上述のように線状構造物の伸びる方向とこれから書き足す線の伸びる方向が一致するからである。ここでは、画素値の絶対値が大きいほど接続信頼値Rが高いようにしている理由について説明する。簡略化抽出画像P7aにおいて目立つ線状構造物が途切れていると、これが画像を視認する際に目立ってしまう。ところで、簡略化抽出画像P7aにおいて目立っている線状構造物とは、極端に明るいか極端に暗いものである。そこで、このような画素値が極端に大きいか極端に小さい画素から構成される線状構造物に対して優先的に線接続処理を実行するようにする必要がある。具体的には、画素値の絶対値が大きいほど接続信頼値Rは増加するようにしている。
線接続処理部19は、記憶部28より設定値を読み出して、候補画素Tの接続信頼値Rがある値以上となっている場合は、その候補画素Tを後続の線接続処理対象とする。そして、線接続処理部19は、候補画素Tの接続信頼値Rがある値未満となっている場合は、その候補画素Tを後続の線接続処理対象とはしない。図18左側においては、線接続処理対象とされた候補画素Tをプラス記号、線接続処理対象とされなかった候補画素Tをマイナス記号で表している。この接続信頼値Rを用いた評価結果は、接続信頼値マッピング画像Q5(F0)に保持されるものとする。
このように、線接続処理部19は、抽出画像上の候補画素Tの中から終点画素Gを定める際に、候補画素Tと予め定められたフロンティア画素Fとを結ぶ方向を取得するとともに、候補画素Tが属する画素線状構造物の伸びる方向を方向画像P5から取得し、取得した2つの方向の一致度が高いと判定された候補画素Tを優先的に終点画素Gと定める。
また、線接続処理部19は、抽出画像上の候補画素Tの中から終点画素Gを定める際に、候補画素Tの画素値の絶対値を抽出画像P7(簡略化抽出画像P7a)より取得することにより、画素値の絶対値が高いと判定された候補画素Tを優先的に終点画素Gと定める。
線接続処理部19は、接続信頼値Rを基に線接続処理の対象とされた候補画素Tを線接続の終点画素Gであると認定する。以降、このうちの終点画素G0について線接続処理部19が行う動作について説明する。
<補間画素検索ステップS4:補間画素IPの特定>
線接続処理部19は、図18に示すようにフロンティア画素F0と終点画素G0とを結ぶ直線が通過する画素を補間画素IPと特定する。ただし、フロンティア画素Fは補間画素IPから除外される。簡略化抽出画像P7aにおける補間画素IPの位置は、補間画素マッピング画像Q6(F0,G0)に保持される。図18においては、フロンティア画素F0と終点画素G0とが画素1つぶんだけしか離間していないので、補間画素IPは1つしかない。しかし、図19左側に示すように補間画素IPの特定に係るフロンティア画素Fと終点画素Gとのペアが互いに離れていれば、それだけ多くの補間画素IPが特定されることになる。線接続処理部19は、この補間画素IPの画素値を変更することで線接続処理を実現する。すなわち、線接続処理部19は、フロンティア画素Fと終点画素Gとに挟まれる位置にある画素の画素値を変換することにより線接続処理を行う。
<新画素値取得ステップS5>
補間画素IPの画素値を具体的にどのような画素値に変更するかについて説明する。線接続処理部19は、補間画素IP,フロンティア画素F0および終点画素Gの位置関係を基に変更後の画素値を算出する。線接続処理部19がこれから求めようとする変更後の画素値を新画素値nと呼ぶことにする。
図19右側は、補間画素IPの新画素値nを求める方法について説明している。線接続処理部19は、フロンティア画素Fの中心から補間画素IPの中心までの距離Aと、補間画素IPの中心から終点画素G0までの距離Bとを求める。次に線接続処理部19は、フロンティア画素Fおよび終点画素G0の画素値を簡略化抽出画像P7aより読み出す。そして、線接続処理部19は、距離A,Bを基に互いの画素値に重み付けを加えて新画素値nを算出する。すなわちフロンティア画素Fの画素値をVfとし、終点画素Gの画素値をVgとすると、新画素値nは、次のように求められる。新画素値nは、本発明の変更後の画素値に相当する。
n=Vf・B/(A+B)+Vg・A/(A+B)
すなわち、線接続処理部19は、画素値変換処理に先立って新画素値nを求める際に、フロンティア画素Fと画素値置換処理対象の画素との間の距離Aと、終点画素Gと画素値置換処理対象の画素との間の距離Bとを算出することにより、フロンティア画素Fおよび終点画素Gのうち画素値置換処理対象の補間画素IPから距離が遠い方の画素の画素値よりも距離が近い方の画素の画素値に近づくように新画素値nを求める。
新画素値nと画素の位置との関係は、新画素値マッピング画像Q7に保持される。図20は、補間画素マッピング画像Q6(F0,G0)より新画素値マッピング画像Q7が生成される様子を示している。
<画素値変更ステップS6>
図21は、線接続処理部19が抽出画像P7に対し画素値変更を行い線接続処理を実行する様子を示している。すなわち、線接続処理部19は、新画素値マッピング画像Q7における新画素値nが算出されている新画素値算出済画素の位置を特定して、この画素と同一位置にある抽出画像P7上の画素を特定する。そして、線接続処理部19は、抽出画像P7上で特定された画素の画素値を同一位置の新画素値算出済画素の画素値に変更する。この様にして図21に示すように、抽出画像P7に線接続処理がなされ、断片化解消画像P8が生成されるのである。一方、線接続処理部19は、新画素値マッピング画像Q7における新画素値nが算出されていない新画素値非算出画素と同一位置にある抽出画像P7上の画素については画素値の変更を行わない。
<動作の繰り返しについて>
以上の説明は、簡略化抽出画像P7aが有している8つのフロンティア画素Fのうちの1つであるF0についての動作である。線接続処理部19は、他のフロンティア画素F1〜F7についても同様な動作を行う。すなわち、図14で説明した候補画素Tの特定は、フロンティア画素F0〜F7の各々について8回行われ、図15,図16,図17,図18を用いて説明した終点画素Gの判定はフロンティア画素F0〜F7の各々について8回行われることになる。その度に複数の終点画素Gが特定される。すなわち、フロンティア画素F0〜F7には、図22に示すように、それぞれに対応する終点画素グループ[G0]〜[G7]が存在することになる。
そして線接続処理部19は、今度は、フロンティア画素F0と対応する終点画素グループ[G0]内の終点画素G0a,G0b,……のいずれかとをペアにして、補間画素IPを特定する。例えば、フロンティア画素F0に対して終点画素G0が5つあるとすれば、線接続処理部19は、図19,図20で説明した動作を5回繰り返すことになる。その度に複数の補間画素IPが特定される。このようにして終点画素G0a,G0b,……には、図23に示すようにそれぞれに対応する補間画素グループ[IP0a],[IP0b],……が特定される。線接続処理部19は、フロンティア画素F0についての補間画素IPの特定が終了すると、他のフロンティア画素F1〜F7についても補間画素IPの特定を続ける。したがって、終点画素Gの各々について補間画素グループ[IP0a],[IP0b],……が特定される事情は他のフロンティア画素F1〜F7に対応した終点画素グループ[G1]〜[G7]においても同様である。
<新画素値マッピング画像生成時における新画素値nの上書き>
この様な事情からすると簡略化抽出画像P7aには相当に多数の補間画素IPが認定されるようにも思われるが、実はそうではない。線接続処理部19が補間画素検索ステップS4を繰り返していくと、簡略化抽出画像P7aにおける同じ位置の画素が何度も補間画素IPとして特定されるからである。線接続処理部19は、補間画素IPを特定する度に新画素値nを算出するので、簡略化抽出画像P7a上の同じ位置の画素に対して複数の新画素値nが算出されることになる。そこで、図21で説明した画素値変更処理において、これら新画素値nのうちどれを用いるかという問題がある。
実施例1の構成によれば、新画素値マッピング画像Q7の値を上書きすることでこの問題を解決している。図24は新画素値マッピング画像Q7の値が上書きされていく様子を示している。図24においては、線接続処理部19が処理を繰り返していくうちに、簡略化抽出画像P7aにおける同じ位置の画素が補間画素IP0〜IP7として重複して特定されてしまった場合を示している。線接続処理部19は、補間画素IP0〜IP7を特定するごとに新画素値nを算出するのであるから、補間画素IP0〜IP7の各々には対応する新画素値nが存在することになる。線接続処理部19は、新画素値マッピング画像Q7を生成する際に、最も絶対値が大きい新画素値nが残るように上書き処理を繰り返す。この様子を図24で説明すると、まず線接続処理部19が補間画素IP0を特定したとき、これに対応する新画素値332を新画素値マッピング画像Q7に配置する。その後、線接続処理部19は、補間画素IP1,補間画素IP2を順に特定していくが、このとき算出される新画素値は332より低いので、新画素値マッピング画像Q7を変更しない。そして、線接続処理部19が補間画素IP3を特定したときに算出される新画素値1045は、新画素値マッピング画像Q7上の新画素値332よりも高い。そこで、線接続処理部19は、新画素値nを1045に上書きする。その後、線接続処理部19は、補間画素IP4〜IP7を順に特定していくが、算出される新画素値は1045より低いので新画素値マッピング画像Q7を変更しない。
すなわち、線接続処理部19は、画素値変換処理に先立って新画素値nを求める際に、新画素値nが抽出画像P7(簡略化抽出画像P7a)上の同じ位置について複数算出された場合には、より絶対値の大きいものを変換処理に用いる。したがって、補間画素IP0〜IP7がどの順番で特定されても最終的な新画素値nは変わらない。
なお、図24は、新画素値マッピング画像Q7の画素値が補間画素IPの画素値のいずれかに変更される様子を説明している。しかし、線接続処理部19の実際の処理としては、必ずしも図24で説明したような画素値の変更をするとは限らない。具体的には、線接続処理部19は、絶対値の最も大きい補間画素IPの画素値と、簡略化抽出画像P7aにおけるこの補間画素IPと同一位置の画素の画素値とを比較する。そして、線接続処理部19は、簡略化抽出画像P7aの画素の画素値の絶対値が補間画素IPの画素値の絶対値よりも大きい場合、新画素値マッピング画像Q7の同一位置に新画素値nを設定しない。この様な動作により、線接続処理部19は、簡略化抽出画像P7a上の画素値の絶対値が大きい画素を線接続処理に伴う画素変換処理の対象外にする。
このように新画素値マッピング画像Q7を更新する構成とする効果について説明する。いま図25のような抽出画像P7を考える。抽出画像P7には、縦方向および横方向に伸びる2本の線状構造物が写り込んでいる。そして抽出画像P7においてはこの2本の線状構造物の交わる部分が欠損しており、ここで線が2本とも途切れている。この様な抽出画像P7に対して線接続処理を行うものとする。
図26は、図25の抽出画像P7を簡略化した簡略化抽出画像P7aを基に新画素値マッピング画像Q7が生成される様子を示している。図26は、新画素値マッピング画像Q7の生成途中を表しており、これで新画素値マッピング画像Q7が完成したわけではない。図26の状態においては、左側図の太線で囲まれた2つの画素について補間画素IPを探索している。従って、太線で囲まれた2つの画素のうち、一方は、フロンティア画素Fでありもう一方は終点画素Gであることになる。線接続処理部19は、この2つの画素に挟まれた縦3つ分の画素を補間画素IPと特定してそれぞれについて新画素値nを算出する。このとき算出された新画素値nは、図左側において太線で囲まれた2つの画素の画素値に似通っている。新画素値nは、フロンティア画素Fおよび終点画素Gを基に算出されるからである。新画素値nの実際の算出の様子は図19を用いて既に説明済みである。
図27は、線接続処理部19が画像処理を更に進めた状態を示している。図27の状態においては、左側図の太線で囲まれた2つの画素について補間画素IPを探索している。従って、太線で囲まれた2つの画素のうち、一方は、フロンティア画素Fであり、もう一方は終点画素Gであることになる。線接続処理部19は、この2つの画素に挟まれた横3つ分の画素を補間画素IPと特定してそれぞれについて新画素値nを算出する。このとき算出された新画素値nもやはり、図左側において太線で囲まれた2つの画素の画素値に似通っている。
ここで、図27の新画素値マッピング画像Q7において丸印で示した画素に注目する。この画素における新画素値nは、2回算出されている。具体的には、新画素値nは、図26を用いて説明した1回目の処理と、図27を用いて説明した2回目の処理との両方で算出されている。このとき算出された2つの新画素値nの絶対値を比較すると、2回目の処理で算出された新画素値nの絶対値の方が1回目のものよりも大きい。したがって、線接続処理部19は、丸印の画素について2回目の処理のときに新画素値nの上書きを行ったのである。図27の状態で新画素値マッピング画像Q7は完成する。
図28は、線接続処理部19が上述の過程を通じて完成した新画素値マッピング画像Q7を用いて画素値の変更を実行している様子を示している。生成された断片化解消画像P8を参照すると次のようなことが分かる。すなわち、抽出画像P7に写り込んでいた2本の線状構造物のうち、より暗く写り込んでいる横方向に伸びる線状構造物が優先して接続されているのである。抽出画像P7において目立って写り込んでいる線状構造物は、周辺と比べて極端に明るいか極端に暗いかのどちらかである。実施例1の構成によれば、新画素値nの上書き処理を工夫することで抽出画像P7において目立ち、かつ途切れて写り込んでいる線状構造物がより自然に接続された断片化解消画像P8が生成できる。
<重合画像生成部の動作>
重合画像生成部20は、断片化解消画像P8と元画像P0とを重み付けを加えて加算し、両者が重ね合わせられた重合画像P9を生成する。これにて、画像処理装置1の動作は終了となる。断片化解消画像P8には、元画像P0に写り込んだ線状構造物が濃淡を保った状態で写り込んでいる。しかも、線状構造物は、線接続処理により途切れることなく自然に接続されている。したがって、このような断片化解消画像P8と元画像P0とを重ね合わせれば、視認性の高い重合画像P9が生成できる。
<線接処理部が有する他の効果>
上述のように線接続処理部19は、抽出画像P7において途切れて写り込んでいる線状構造物を連結することで、重合画像P9の視認性を向上させる。しかし、線接続処理部19は、別異の理由によって重合画像P9の視認性を向上させてもいる。そこで、実施例1の構成が有する別異の効果について説明する。
いま図29のような抽出画像P7を考える。抽出画像P7には、斜め方向に伸びる線状構造物が写り込んでいる。しかし、この線状構造物の太さは部位によってまちまちとなっている。すなわち、本来一様な太さに抽出されるべき線状構造物が、ノイズ等によって部分的にくびれて抽出されている。抽出画像P7をこの状態のまま元画像P0に重ね合わせたのでは、視認性の高い重合画像P9を取得することができない。重合画像P9に写りこむ線状構造物の太さがまちまちで、不自然な画像だからである。
この抽出画像P7を基に新画素値マッピング画像Q7を生成すると、図29のようになる。すなわち、新画素値マッピング画像Q7には、抽出画像P7上の線状構造物におけるくびれた部分を埋め戻すように新画素値nが配列されているのである。このくびれ部分Saは、線状構造物に属する部分Sb1,Sb2に挟まれている。したがって、くびれ部分Saを構成する画素は、補間画素検索ステップS4において補間画素IPと特定されるのである。
この様にして生成された新画素値マッピング画像Q7を用いて画素値変更処理を行うと、図29に示すように線状構造物が同じ太さで写り込んだ断片化解消画像P8が生成される。このような断片化解消画像P8と元画像P0とを重ね合わせれば、視認性の高い重合画像P9が生成できる。
以上のように、上述の構成によれば、元画像に写り込んだ線状構造物を強調するような画像処理をすることができる。具体的には、元画像P0に写り込む線状構造物を2つの手法で識別する。第1の手法は、元画像上の線状構造物であるかどうかを画素の各々について評価する評価画像P3を作成することである。これにより、元画像上の線状構造物の位置が特定される。第2の手法は、元画像P0に写り込む線状構造物と線状構造物以外の部分の差分をとり、線状構造物が写り込んだ差分画像P6を生成することである。これにより、元画像P0において線状構造物が線状構造物以外の画素に比べてどの程度異なる画素値で写り込んでいるかが分かる。評価画像P3は、元画像P0における線状構造物の位置に関する情報しか有していない。一方、差分画像P6は、元画像P0の全域に方向性の差分処理を施すことに伴う偽像を含んでしまっている。このような短所を有する2つの画像を用いて線状構造物の抽出を行えば、2つの手法が有する短所を互いに補うことができる。したがって、取得された抽出画像P7は、元画像P0から線状構造物のみを濃淡を保ったまま抜き出したものとなっており、視認性の高いものとなっている。
さらに、上述の構成によれば、抽出画像P7に途切れて写り込んだ線状構造物を接続して断片化解消画像P8を生成する線接続処理部19を更に備える。線接続処理部19は、方向画像P5を基に抽出画像P7に写り込む線状構造物の伸びる方向を取得しながら抽出画像P7における線状構造物の伸びる方向に画素の補間を行うので、線状構造物がその伸びる方向に延伸する。この動作をすることにより、抽出画像P7に途切れて写り込んでいる線状構造物が自然につながるので、視認性が更に高い断片化解消画像P8が提供できる。
また、線接続処理部19が抽出画像上の画素の中からフロンティア画素Fを定める際に、絶対値が閾値以上となっている画素値を有する画素を始点画素と定めれば、抽出画像上で目立っている線状構造物について線接続処理を確実に行うことができる。
そして、線接続処理部19が線接続の終点となる終点画素Gの候補画素Tと予め定められたフロンティア画素Fとを結ぶ方向を取得するとともに、フロンティア画素Fが属する線状構造物の伸びる方向を方向画像P5から取得し取得した2つの方向の一致度が高いと判定された候補画素Tを優先的に終点画素Gと定めるようにすれば、候補画素Tの中から適切な終点画素Gを選択することができる。2つの方向の一致度が高い候補画素Tに向けてフロンティア画素Fから線状構造物を延伸するようにすれば、線状構造物の伸びる方向に線状構造物が延ばされることになる。すなわち、上述の判定に基づいて線接続処理を行うようにすれば、より自然に線上構造物の線接続処理をすることができる。
そして、実施例1に示すように、画素値の絶対値が高いと判定された候補画素Tを優先的に終点画素Gと定めれば、抽出画像上で目立っている線状構造物について線接続処理を確実に行うことができる。
また、フロンティア画素Fと終点画素Gとに挟まれる位置にある画素の画素値を変更することで線接続処理を行うようにすれば、僅かな画素に対して変更処理をすることによって線接続処理を完了することができる。
そして、線接続処理実行中における画素値の変更をフロンティア画素Fおよび終点画素Gのうち画素値置換処理対象の画素から距離が遠い方の画素の画素値よりも距離が近い方の画素の画素値に近づくように行えば、フロンティア画素Fと終点画素Gとがより滑らかにつながる。すなわち、断片化解消画像P8におけるフロンティア画素Fから終点画素Gまでの間における画素値の変化を見ていくと、フロンティア画素Fの画素値が次第に変化して終点画素Gの画素値に移り変わる。このようにフロンティア画素Fと終点がその間に画素値の大きな段差を設けないようにして線接続処理を行えば、より視認性に優れた断片化解消画像P8を取得することができる。
上述のように、線接続処理部19が画素値変更処理に先立って新画素値nを求める際に、新画素値nが抽出画像上の同じ位置について複数算出されたときに、より絶対値の大きいものを変更処理に用いるように動作すれば、より視認性に優れた断片化解消画像P8を取得できる。すなわち、ある画素の画素値を変更する場合において、その画素が濃い線と薄い線とが交差する位置に属する場合に、濃い線が優先されて線接続処理が施される。このようにすることで、線接続処理部19は、元画像P0において目立って写り込んでいる濃い線を確実につなぐようにして線接続処理を実行することができる。
上述のように、断片化解消画像P8と元画像P0とを重ね合わせれば、元画像P0における被検体の微細な構造と、断片化解消画像P8におけるはっきりとした線状構造物とが集合して視認性に優れた重合画像P9を生成できる。そのときに、断片化解消画像P8における線接続処理が施された画素と同一位置にある元画像上の画素には、線状構造物は写り込んでいない。したがって、線接続処理が施された画素と、これと同一位置にある元画像上の画素とが重ねられて生成された画素の濃度は、元画像上の画素の濃度が薄かった分だけ薄くなる。そこで、上述の構成によれば、新画素値nの絶対値をより大きくするように調整を施す。この様な構成とすることにより、重合画像P9に写り込む線状構造物が部分的に薄くなることがなく、視認性に優れた重合画像P9を生成できる。
本発明は、上述の構成に限られず、下記のように変形実施することができる。
(1)上述の構成では、断片化解消画像P8は、線が延長された部分が強調された画像となってはいなかったが、延長部分を強調して断片化解消画像P8を生成するようにしてもよい。この様な構成とすると、より視認性が向上した重合画像P9が生成できる。以降、上述の実施例からの改善点について説明する。
まず、上述の実施例における問題点について説明する。いま、図30左側のような元画像P0を考える。元画像P0には、横に伸びる一本の線状構造物が画像中央部で寸断された状態で写り込んでいる。このような元画像P0を基に抽出画像P7を生成すると、抽出画像P7は、元画像P0と同様な画像となる。抽出画像P7は、元画像P0から線状構造物を抽出した画像に過ぎないからである。
図30右側は、抽出画像P7における線状構造物が写り込んでいる行についてのプロファイルを棒グラフで表したものである。このプロファイルによれば、3画素分の幅で画素値が0となっている。プロファイルにおける他の部分は、抽出画像P7において線状構造物が写り込んでいる部分に相当し、正の値をとっている。
図31は、上述で説明した実施例において断片化解消画像P8が生成される様子をプロファイルで表している。抽出画像P7を基に生成された新画素値マッピング画像Q7のプロファイルは、図31のようになる。すなわち、新画素値マッピング画像Q7には、抽出画像P7上で画素値が0となっている3画素分の領域に、新画素値取得ステップS5で算出された新画素値nが用意されている。このような抽出画像P7および新画素値マッピング画像Q7を基に断片化解消画像P8を生成すると、抽出画像P7において途切れていた横線が接続された断片化解消画像P8が取得される(図35右側参照)。
図31で生成された断片化解消画像P8における画素の画素値について注目する。上述の構成によれば、抽出画像P7上の画素の画素値が新画素値マッピング画像Q7上の画素の画素値の基になっている。図31における抽出画像P7は、同じ画素値が5つの画素にわたって並んでいるので、新画素値マッピング画像Q7上の画素の画素値もこの画素値と同じとなる(詳細は新画素値取得ステップS5参照)。このような抽出画像P7および新画素値マッピング画像Q7から断片化解消画像P8を生成すると、断片化解消画像P8は、図35右側に示すように同じ画素値がすき間無く8つの画素にわたって配列した画像となる。
図32は、図31で得られた断片化解消画像P8を基に重合画像P9が生成される様子をプロファイルで表している。元画像P0のプロファイルは、上述の抽出画像P7のプロファイルと同様となる。区別のため、元画像P0のプロファイルは網掛けで表している。このよう元画像P0および断片化解消画像P8を重ね合わせて重合画像P9を生成すると、重合画像P9のプロファイルは、図32のようになる。
図32で生成された重合画像P9における画素の画素値について注目する。重合画像P9のプロファイルは、3画素分だけ凹んだ領域が存在している。つまり、重合画像P9には、図35左側に示すように、元画像P0に写り込む3画素幅の明るい部分が薄く現れてしまうのである。
図32における重合画像P9のプロファイルに、このような凹んだ領域が如何にして発生したかを考える。図32における断片化解消画像P8のプロファイルを見ると、この時点では線接続が理想通りに完了している。すなわち、このときの断片化解消画像P8は、図35右側に示すように横一列に配列した8つ画素の画素値は同じであり、どこが線接続処理により延長された部分なのか判別できない。一方、元画像P0には、図30左側に示すように線が写り込んだ暗い部分と線が途切れている明るい部分とが存在する。したがって、元画像P0に断片化解消画像P8を重ね合わせたとしても、断片化解消画像P8は、元画像P0における画素3つ分の明るい部分を打ち消すことができない。したがって、元画像P0における線が途切れた明るい部分が画素3つ分の凹みとなって重合画像P9のプロファイルに現れるのである。このような線接続は理想通りとは言えず、画像の視認性を悪化させる。
本変形例では、この様な不具合を改善する目的で、新画素値マッピング画像Q7を生成する際に工夫が施されている。すなわち、線接続処理部19は、新画素値取得ステップS5で画素値を算出した際、フロンティア画素F,終点画素Gを基に算出された新画素値nに所定の値を足して、新画素値nを暗めに調整するのである。すると、図33のように新画素値マッピング画像Q7は、抽出画像P7上の画素値よりも高い画素値が配列されることになる。
すなわち、線接続処理部19は、新画素値nを求めた後、新画素値nの絶対値がフロンティア画素Fの画素値の絶対値よりも大きくなるとともに、終点画素Gの画素値の絶対値よりも大きくなるように新画素値nを調整して、断片化解消画像P8において線が延長された部分を強調する。
新画素値取得ステップS5で算出された新画素値nにどのような演算を施して新画素値nを暗めに調節するかについては、所定の値を新画素値nに加えるようにしてもよいし、フロンティア画素Fと同一位置となっている元画像P0上の画素値を参照して、この画素値の絶対値が大きくなるにしたがって絶対値の大きな値を新画素値nに加えるようにしてもよい。また、終点画素Gと同一位置となっている元画像P0上の画素値を参照して、この画素値の絶対値が大きくなるにしたがって絶対値の大きな値を新画素値nに加えるようにしてもよい。なお、参照されるフロンティア画素F等の画素値が負の場合、新画素値nに足し合わせられる値は負であり、参照されるフロンティア画素F等の画素値が正の場合、新画素値nに足し合わせられる値は正である。
本変形例で生成された断片化解消画像P8は、線接続が施された部分が線接続処理前からある線状構造物より暗く強調された状態となっている。すなわち、断片化解消画像P8のプロファイルは、3画素分だけ盛り上がった領域が存在するのである。このように生成された断片化解消画像P8を見ると、線状構造物が滑らかに接続されているようには見えない。しかし、断片化解消画像P8は、画像処理に生成される中間画像に過ぎず、これが診断に用いられるという性格のものではない。
図34は、本変形例における重合画像P9が生成される様子をプロファイルで表している。図34における画素の画素値について注目する。重合画像P9のプロファイルは、盛り上がった部分も凹んだ部分もなく理想通りとなっている。すなわち、このときの重合画像P9は、図35右側に示すように横一列に配列した8つ画素の画素値は同じであり、どこが線接続処理により延長された部分なのか判別できなくなっているのである。このような理想通りの線接続がなされるのには重合画像P9の生成過程に理由がある。すなわち、重合画像P9を生成する際に、断片化解消画像P8のプロファイルが有する盛り上がりと、元画像P0のプロファイルが有する凹みとが相殺して消滅したのである。重合画像P9は、視認性に優れた画像であり、これを基に適切な診断を下すことができる。
本発明において生成される断片化解消画像P8における線接続処理が施された画素と同一位置にある元画像上の画素には、線状構造物は写り込んでいない。したがって、断片化解消画像上の線接続処理が施された画素と、これと同一位置にある元画像上の画素とが重ねられて生成された画素の濃度は、元画像上の画素の濃度が薄かった分だけ薄くなる。そこで、上述の構成によれば、変更後の画素値の絶対値をより大きくするように調整を施す。この様な構成とすることにより、重合画像P9に写り込む線状構造物が部分的に薄くなることがなく、視認性に優れた重合画像P9を生成できる。
本発明の構成は上述の構成に限られず、下記のように変形実施をすることができる。
(1)上述の実施例では、構造物延伸方向ベクトルは、フロンティア画素Fに割り当てられたベクトルであったが本発明はこの構成に限られない。すなわち、これを候補画素Tの各々に割り当てるように構造物延伸方向ベクトルを求めて接続信頼値Rを算出してもよい。この場合、角θは、候補画素Tを起点とする構造物延伸方向ベクトルおよび画素配列方向ベクトルとのなす角となる。この角θは、角マッピング画像Q3において、構造物延伸方向ベクトルの起点となった候補画素Tと同一の位置に配置される。また、候補画素Tに係る構造物延伸方向ベクトルとフロンティア画素Fに係る構造物延伸方向ベクトルとを求めるようにしてもよい。この場合、各々の構造物延伸方向ベクトルについて角θが求められることになる。そして、これらから接続信頼値Rを算出するようにしてもよい。
(2)上述の実施例では、接続信頼値Rは、角θと候補画素Tの画素値とにより算出されるようになっていたが本発明はこの構成に限られない。すなわち、接続信頼値Rは、候補画素Tの画素値に代えてフロンティア画素Fの画素値により算出するようにしてもよい。また、候補画素Tの画素値とフロンティア画素Fの画素値から接続信頼値Rを算出するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る画像処理装置は、医療分野に適している。
n 新画素値(変更後の画素値)
F フロンティア画素(始点画素)
G 終点画素
P0 元画像
P3 評価画像
P5 方向画像
P6 差分画像
P7 抽出画像
P8 断片化解消画像
P9 重合画像
T 候補画素
15 評価画像生成部(評価画像生成手段)
16 方向画像生成部(方向画像生成手段)
17 差分画像生成部(差分画像生成手段)
19 線接続処理部(線接続処理手段)
18 抽出画像生成部(抽出画像生成手段)
20 重合画像生成部(重合画像生成手段)

Claims (9)

  1. 被検体を透視することで得られる元画像を処理する画像処理装置であって、
    前記元画像を基に、元画像上の線状構造物であるかどうかを画素の各々について評価する評価画像を生成する評価画像生成手段と、
    前記元画像を基に、画素の各々が元画像上の線状構造物であるとしたときの線の伸びる方向を示す方向画像を生成する方向画像生成手段と、
    前記方向画像を基に、前記元画像を構成する画素の各々に方向性のフィルタを作用させ ることにより、前記元画像に写り込む線状構造物の部分の画素値から当該部分の周辺の画 素の画素値を減算して差分画像を生成する差分画像生成手段と、
    前記評価画像および前記差分画像を基に、元画像上の線状構造物が抽出された抽出画像を生成する抽出画像生成手段と、
    前記方向画像を基に前記抽出画像に写り込む線状構造物の伸びる方向を取得し、前記抽出画像上で線状構造物の伸びる方向に配列した始点画素と終点画素とを定めて、2つの画素の間を補間することにより、前記抽出画像に途切れて写り込んだ線状構造物を接続して断片化解消画像を生成する線接続処理手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記線接続処理手段は、前記抽出画像上の画素の中から前記始点画素を定める際に、
    絶対値が閾値以上となっている画素値を有する画素を前記始点画素と定めることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置において、
    前記線接続処理手段は、前記抽出画像上の候補画素の中から前記終点画素を定める際に、
    前記候補画素と予め定められた前記始点画素とを結ぶ方向を取得するとともに、
    前記始点画素が属する画素線状構造物の伸びる方向を前記方向画像から取得し、
    取得した2つの方向の一致度が高いと判定された前記候補画素を優先的に前記終点画素と定めることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像処理装置において、
    前記線接続処理手段は、前記抽出画像上の候補画素の中から前記終点画素を定める際に、
    前記候補画素の画素値の絶対値を前記抽出画像より取得することにより、
    画素値の絶対値が高いと判定された前記候補画素を優先的に前記終点画素と定めることを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像処理装置において、
    前記線接続処理手段は、前記始点画素と前記終点画素とに挟まれる位置にある画素の画素値を変更することにより線接続処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置において、
    前記線接続処理手段は、画素値変更処理に先立って変更後の画素値を求める際に、
    前記始点画素と画素値置換処理対象の画素との間の距離と、前記終点画素と画素値置換処理対象の画素との間の距離とを算出することにより、
    前記始点画素および前記終点画素のうち画素値置換処理対象の画素から距離が遠い方の画素の画素値よりも距離が近い方の画素の画素値に近づくように変更後の画素値を求めることを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項5に記載の画像処理装置において、
    前記線接続処理手段は、画素値変更処理に先立って変更後の画素値を求める際に、
    変更後の画素値が抽出画像上の同じ位置について複数算出された場合には、より絶対値の大きいものを変更処理に用いることを特徴とする画像処理装置。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の画像処理装置において、
    前記元画像と前記断片化解消画像とを重ね合わせて重合画像を生成する重合画像生成手段を備え、
    前記線接続処理手段は、変更後の画素値を求めた後、
    変更後の画素値の絶対値が前記始点画素の画素値の絶対値よりも大きくなるとともに、前記終点画素の画素値の絶対値よりも大きくなるように変更後の画素値を調整して、前記断片化解消画像において線が延長された部分を強調することを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像処理装置において、
    前記線接続処理手段は、前記始点画素と前記終点画素とのペアを複数定めることにより 動作することを特徴とする画像処理装置。
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