以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。また、以下で例示する数値(例えば計量部Cwの個数等)は一例であり、その数値に限定されるものではない。
(実施形態)
図1(a)は、本発明の実施形態の第1構成例の組合せ秤を上方から視た模式平面図であり、図1(b)は、同組合せ秤を側方から視たときの要部(計量部及び集合コンベア)を示す模式図である。また、図2は、本発明の実施形態の第1構成例の組合せ秤の概略構成を示すブロック図である。
本組合せ秤は、複数(例えば12個)の計量部Cwと、集合コンベア(搬送コンベア)13と、操作表示器4と、制御部5などを備えている。
集合コンベア13が略中央に配設され、集合コンベア13の両側に6個ずつの計量部Cwが配設されている。各々の計量部Cwは、計量コンベア1と、計量コンベア1上の被計量物の重量を計量する重量センサ2と、供給コンベア3とを備えている。
ここで、集合コンベア13の一方側の6個の計量部Cwからなるグループを計量グループG1とし、他方側の6個の計量部Cwからなるグループを計量グループG2として説明する。
計量グループG1の計量部Cwの6個の計量コンベア1は、集合コンベア13の一方の側方において並行に配置され、これら各々の搬送方向(矢印aの方向)が集合コンベア13の搬送方向(矢印cの方向)と交差(本例では直交)するように配置されている。そして、計量グループG1の計量部Cwの6個の供給コンベア3は並行に配置され、それぞれ計量コンベア1に対応して設けられている。また、計量グループG2の計量部Cwの6個の計量コンベア1は、集合コンベア13の他方の側方において並行に配置され、これら各々の搬送方向(矢印bの方向)が集合コンベア13の搬送方向と交差(本例では直交)するように配置されている。そして、計量グループG2の計量部Cwの6個の供給コンベア3は並行に配置され、それぞれ計量コンベア1に対応して設けられている。また、各供給コンベア3は、その搬送方向が、対応する計量コンベア1の搬送方向(矢印a、bの方向)と同一となるように配置されている。
計量コンベア1は、ベルトコンベアで構成され、供給コンベア3から被計量物が供給される。また、重量センサ2は、装置本体部15内で図示されない固定部材に固定され、その上部に取付部材を介して計量コンベア1が取り付けられている。すなわち、重量センサ2は、ロードセル等からなり、計量コンベア1を支持している。計量コンベア1の駆動モータ(図示せず)は、例えばステッピングモータまたはサーボモータ等で構成されている。
供給コンベア3は、ベルトコンベアで構成され、その駆動モータ(図示せず)は、例えばステッピングモータまたはサーボモータ等で構成されている。
集合コンベア13は、ベルトコンベアで構成され、例えば矢印cの方向へ被計量物を搬送する。そして、搬送先には組合せ秤の次段の後段装置(図示せず)が設置され、集合コンベア13によって搬送された被計量物は、後段装置へ供給される。ここでは、集合コンベア13には、搬送面の中央部が凹んだトラフ型のベルトコンベアを用いているが、搬送面が平坦な平型のベルトコンベアで構成することも可能である。
装置本体部15は架台(図示せず)上に取り付けられ、装置本体部15上に供給コンベア3及び集合コンベア13等が取り付けられている。
また、装置本体部15には、図2に示されたコンベア駆動回路部8a、8b、8c、A/D変換部9、制御部5及びI/O回路部12等が収納されている。
また、各計量コンベア1はロードセル等の重量センサ2によって支持されており、この重量センサ2によって計量コンベア1上の被計量物の重量が計量され、その計量値(アナログ重量信号)は、A/D変換部9でデジタル信号に変換され、制御部5に送られる。
制御部5は、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、CPU等からなる演算制御部6と、RAM及びROM等のメモリからなる記憶部7とを有している。記憶部7には、運転用プログラム、動作パラメータのデータ、計量データ等が記憶される。制御部5は、タイマー機能を備え、組合せ手段、コンベア制御手段、重量算出手段等として機能する。なお、制御部5は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
制御部5は、演算制御部6が記憶部7に記憶されている運転用プログラムを実行することにより、組合せ秤の全体の制御を行うとともに後述の組合せ処理等を行う。例えば、各重量センサ2によって計測される計量値をA/D変換部9を介してデジタル値として随時取得し、必要であれば記憶部7に記憶する。また、コンベア駆動回路部8a、8b、8cを介して各計量コンベア1、各供給コンベア3及び集合コンベア13の駆動動作を制御する。また、I/O回路部12を介して、後段装置(図示せず)から排出命令信号を入力し、後段装置へ排出完了信号を出力する。また、操作表示器4から信号が入力されるとともに、操作表示器4へ表示するデータ等の信号を出力する。
操作表示器4は、例えばタッチスクリーン式のディスプレイ(表示装置)を備え、このディスプレイの画面上で、組合せ秤の運転の開始及び停止等の操作、運転パラメータの設定等を行うことができるとともに、制御部5による組合せ処理の結果(組合せ重量等)をディスプレイ画面上に表示することができる。
なお、図2に二点鎖線で示した物品検出センサ10及びI/O回路部11は、第1構成例では設けられていない。これらは、後述する第2、第3、第5及び第6構成例において設けられる。
図3(a)は、第1構成例の1つの計量部Cwの構成及び被計量物Pを示す模式図である。また、図3(b)は、第2構成例の1つの計量部Cwの構成及び被計量物Pを示す模式図であり、図3(c)は、第3構成例の1つの計量部Cwの構成及び被計量物Pを示す模式図である。また、図3(d)は、第1〜第6構成例に用いられる供給コンベア3の一例を上から見た模式図である。
図4(a)は、第4構成例の1つの計量部Cwの構成及び被計量物Pを示す模式図である。また、図4(b)は、第5構成例の1つの計量部Cwの構成及び被計量物Pを示す模式図であり、図4(c)は、第6構成例の1つの計量部Cwの構成及び被計量物Pを示す模式図である。
計量コンベア1は、軸心が互いに平行に配置されていずれか一方が駆動される一対のローラ(上流側ローラ1S及び下流側ローラ1E)と、これら一対のローラ1S,1Eの間に張設された無端のコンベアベルト1Bとを備えている。同様に、供給コンベア3は、軸心が互いに平行に配置されていずれか一方が駆動される一対のローラ(上流側ローラ3S及び下流側ローラ3E)と、これら一対のローラ3S,3Eの間に張設された無端のコンベアベルト3Bとを備えている。
第1〜第6構成例において、供給コンベア3には作業者によって複数個の被計量物Pが間隔を置いて搬送方向(ここでは矢印a方向)に並ぶように供給される。そして、供給コンベア3が搬送動作することによって計量コンベア1へ被計量物Pが1個ずつ供給される。なお、以下の説明では被計量物を示す符号Pを省略する場合がある。
図3(a)〜(c)に示す第1、第2、第3構成例の各計量部Cwでは、供給コンベア3と計量コンベア1とを水平に配置した構成であり、供給コンベア3から計量コンベア1へ被計量物Pが水平に搬送される。この場合、供給コンベア3の搬送終端(搬出端)から送り出される被計量物Pは、水平搬送されて計量コンベア1で受け取られ、計量コンベア1によってその搬送終端領域に到達するまで搬送され、搬送終端領域に到達時点で停止して保持される。なお、計量コンベア1の搬送終端領域とは、予め定められた領域であって、計量コンベア1の搬送終端(搬出端)及びその直近の所定領域であり、例えば、下流側ローラ1Eの直上部分の領域1Fである。
一方、図4(a)〜(c)に示す第4、第5、第6構成例の各計量部Cwでは、計量コンベア1を供給コンベア3の少し下方に配置し、供給コンベア3と計量コンベア1との間に段差が設けられた構成であり、供給コンベア3の搬送終端から送り出される被計量物Pは少し落下して計量コンベア1上に供給される。この場合、供給コンベア3の搬送終端から送り出される被計量物Pは、少し落下して計量コンベア1で受け取られ、計量コンベア1によってその搬送終端領域に到達するまで搬送され、搬送終端領域に到達時点で停止して保持される。
供給コンベア3と計量コンベア1とを、第1〜第3構成例のように水平に配置するか、あるいは第4〜第6構成例のように段差をつけて配置するかは、被計量物の性状等に応じて選択すればよい。
また、図3(b)、図4(b)に示す第2及び第5構成例における物品検出センサ10は、供給コンベア3から計量コンベア1へ乗り移るときの被計量物Pを検出するために設けられている。また、図3(c)、図4(c)に示す第3及び第6構成例における物品検出センサ10は、被計量物Pが供給コンベア3上を搬送されて、供給コンベア3の搬送終端領域に到達した被計量物Pを検出するために設けられている。これらの物品検出センサ10は、例えばフォトセンサを用いて構成され、被計量物Pを検出しているときに物品検出信号を出力する。この物品検出信号はI/O回路部11を介して制御部5に入力される。なお、物品検出センサ10としては、被計量物を検出できるものであればよく、フォトセンサ以外に、例えば、超音波センサを用いたもの、静電容量型の近接センサを用いたもの、あるいは、カメラ及び画像処理装置を用いたもの等であってもよい。また、供給コンベア3の搬送終端領域とは、予め定められた領域であって、供給コンベア3の搬送終端(搬出端)及びその直近の所定領域であり、例えば、下流側ローラ3Eの直上部分の領域3Fである。
また、第1〜第6構成例における各供給コンベア3は、作業者が被計量物の供給作業を行いやすくするため、例えば図3(d)に示すように、コンベアベルト3Bの表面が、作業者が被計量物Pを載置するための領域である載置領域3aと、被計量物の載置を禁止する載置禁止領域3bとに区分されており、作業者が載置領域3aと載置禁止領域3bとを識別(視認)できるように、例えば色分けされている。この例では、載置領域3aがコンベアベルト3Bの当初の色のままであり、載置禁止領域3bが当初の色とは異なる色に色付けされている。ここで、載置領域3aと載置禁止領域3bとは交互に配置され、互いに隣接する1つの載置領域3aと1つの載置禁止領域3bとの周回方向の合計長さは所定長さLである。第1〜第6構成例において、作業者は、各供給コンベア3の被計量物が載っていない載置領域3aに被計量物Pを随時供給する(載せる)作業を行う。
なお、図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)には、二点鎖線で待機コンベア21が示されているが、これについては後述することとし、第1〜第6構成例では、待機コンベア21は設けられておらず、計量コンベア1から排出される被計量物は集合コンベア13へ供給される。
次に、第1構成例の組合せ秤の動作の一例について説明する。図5(a)、(b)は、第1構成例の組合せ秤の動作の一例を示すフローチャートである。この組合せ秤の動作は制御部5の処理によって実現される。なお、組合せ秤の動作を制御するために必要となる情報等は全て記憶部7に記憶される。被計量物は、例えば、農産物等である。また、図6は、第1構成例の組合せ秤の動作の一例を示すタイミングチャートである。
まず、制御部5による組合せ処理について説明しておく。この組合せ処理では、各重量センサ2の計量値から得られる各計量コンベア1上の被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行い、被計量物の合計重量(組合せ重量)が目標重量範囲(組合せ目標重量に対する許容範囲)内になる被計量物の組合せを全て求め、1つの組合せを排出組合せに決める。ここで、目標重量範囲内になる組合せが複数存在する場合には、その複数の組合せのうちの、組合せ重量と組合せ目標重量との差の絶対値が最小である組合せを排出組合せに決める。そして、排出組合せに選択された被計量物は、同被計量物を載せている計量コンベア1の搬送動作によって集合コンベア13へ排出され、さらに集合コンベア13によって搬送されて外部の後段装置へ供給される。
後段装置では、所定のタイミングで排出命令信号を組合せ秤へ出力し、組合せ秤からの排出完了信号を入力すると所定の動作を開始するように構成されている。後段装置としては、例えば被計量物を袋詰めするための給袋式の包装機が配置される場合がある。また、後段装置として、例えば複数のトレー(浅い箱)を環状に連結して間欠的に水平移動させる装置(間欠搬送装置)が配置される場合がある。この場合、集合コンベア13から排出される被計量物が各トレーに供給され、間欠搬送装置を担当の作業者が各トレーに載っている被計量物を1つのパックに詰める。この場合、間欠搬送装置は、例えば、トレーを移動させて空のトレーを集合コンベア13の排出口に移動させたときに排出命令信号を組合せ秤へ出力し、排出完了信号を組合せ秤から入力してから所定時間経過後にトレーを移動させて、次の空のトレーを集合コンベア13の排出口に移動させる。
次に、本組合せ秤の動作の詳細及び作業者の作業について説明する。
本組合せ秤を担当している作業者は、供給コンベア3の被計量物が載っていない載置領域3aに被計量物Pを随時供給する(載せる)作業を行う。また、図示していないが、制御部5は、A/D変換部9から一定時間間隔で各重量センサ2の計量値(デジタル値)を取得し、重量センサ2の計量値に基づいて被計量物が供給されている計量コンベア1を認識するとともにその被計量物の重量値を算出する。ここで、被計量物が供給されている計量コンベア1を認識する際、計量値(重量信号)を予め設定されている載荷検出基準値Wt(図6参照)と比較し、計量値が載荷検出基準値Wt以上であれば被計量物が供給されていると判定し、載荷検出基準値Wt未満であれば被計量物は供給されていないと判定する。なお、制御部5には、予め、上記の載荷検出基準値Wtが設定され、記憶部7に記憶されている。
図5(a)は、任意の計量部Cwに関する組合せ秤の動作の一例を示すフローチャートである。また、図6では、制御部5が組合せ処理を行う組合せ処理期間を除いて、任意の計量部Cwに関する組合せ秤の動作のタイミングを示す。
例えば、作業開始時に、作業者は、組合せ秤の運転開始スイッチ(図示せず)を操作して、組合せ秤の運転を開始させる。
上述の運転開始操作がなされると、各々の計量部Cwに対して、制御部5は、供給コンベア3及び計量コンベア1の駆動を開始する(ステップS1)。
ステップS2では、計量コンベア1への被計量物の供給が開始されたか否かの判定を行い、供給が開始されたと判定するとステップS3の処理を行う。ここで、ステップS2の判定は、重量センサ2の計量値(重量信号)が載荷検出基準値Wt以上になると、被計量物の供給が開始されたと判定する。ここでの重量センサ2及び制御部5が乗り移り時点検出手段として機能している。
そして、ステップS2において被計量物の供給が開始されたと判定してから第1所定時間T1(図6参照)の経過後に、供給コンベア3の駆動を停止する(ステップS3)。ここでの第1所定時間T1は、供給コンベア3の被計量物が計量コンベア1へ乗り移りはじめてから完全に乗り移るまでに要する時間として設定されている。
さらに、ステップS2において被計量物の供給が開始されたと判定してから第2所定時間T2(図6参照)の経過直後の重量値取得期間(Ta)において、重量センサ2の計量値に基づいて計量コンベア1上の被計量物の重量を取得し記憶する(ステップS4)。
そして、ステップS2において被計量物の供給が開始されたと判定してから第3所定時間T3(図6参照)の経過後(被計量物の重量を取得後)に、計量コンベア1の駆動を停止する(ステップS5)。
ここで、第3所定時間T3は、図3(a)に示すように被計量物Pの先頭部分が計量コンベア1の搬送終端領域(例えば領域1F)に到達時点で停止するように設定されている。また、被計量物の重量を取得するタイミングを決める第2所定時間T2は、
T2=T3−Ta
として設定されている。ここで、Taは、重量値取得に要する所定時間である。
次に、図5(b)を参照して組合せ秤の繰り返し動作の一例を説明する。
制御部5は、ステップS11で、組合せ処理を行うタイミングになると(例えば後段装置から排出命令信号を入力すると)、ステップS12の処理へ進み、前述の組合せ処理を行い、排出組合せを求める。
次に、ステップS13の排出及び供給処理を行う。ここで、排出処理として、排出組合せに選択されている被計量物を保持している計量コンベア1を駆動して被計量物を排出させるとともに、集合コンベア13を所定時間駆動して計量コンベア1から排出される被計量物を後段装置へ搬送させる。そして、所定のタイミングで後段装置へ排出完了信号を出力する。さらに、供給処理として、駆動した計量コンベア1に対応する計量値(重量信号)が載荷検出基準値Wt未満になると、同計量コンベア1へ次の被計量物Pを供給するために同計量コンベア1に対応する供給コンベア3を駆動する。
以上の動作が繰り返し行われる。ここで、ステップS13で駆動された供給コンベア3は、計量コンベア1への次の被計量物の供給が開始されてステップS3で停止させるまで搬送動作を行う。また、ステップS13で駆動された計量コンベア1は、同計量コンベア1への次の被計量物の供給が開始されてステップS5で停止させるまで搬送動作を行う。
〔計量コンベアの駆動方法〕
図7は、ステップS2において被計量物の供給が開始されたと判定されてから、ステップS5で停止するまでの計量コンベア1の駆動方法を示す図である。図7において、L1は、計量コンベア1を定速(一定速度)で搬送動作させる場合の搬送速度と搬送時間の関係を示すグラフであり、L2は、計量コンベア1を負の一定加速度で減速しながら搬送動作させる場合の搬送速度と搬送時間の関係を示すグラフである。
計量コンベア1は、例えば、グラフL1のように定速で搬送動作させてもよいし、グラフL2のように減速しながら搬送動作させてもよい。
グラフL1で示すように、計量コンベア1を一定速度V1で搬送動作させる場合には、供給コンベア3の搬送速度もV1である。この場合、運転開始時のステップS1及びステップS13で駆動する計量コンベア1及び供給コンベア3の搬送速度もV1である。
また、グラフL2で示すように、計量コンベア1を減速しながら搬送動作させる場合には、供給コンベア3の搬送速度は、計量コンベア1の初めの速度V2と同じ速度で一定である。この場合、運転開始時のステップS1及びステップS13で駆動したときの計量コンベア1及び供給コンベア3の搬送速度はV2で一定であり、その後のステップS2において被計量物の供給が開始されたと判定されると、計量コンベア1をグラフL2で示すように減速搬送動作させる。
〔被計量物の重量値取得方法(算出方法)〕
グラフL2のように、計量コンベア1を負の一定加速度で減速しながら搬送動作させる場合の被計量物の重量値取得方法の一例について説明する。
例えば、加速度αで移動する物品(被計量物)を計量する場合、物品の質量をMとすると、物品に対して、進行方向にF=−α・Mの力が作用する。この力Fが荷重検出方向に直角であれば検出荷重に作用しないが、計量コンベア1が水平面に対して傾いている場合には、その分力ΔFが作用する。ここで、計量コンベア1を水平となるように配設しようとしても、水平面に対してわずかに傾くことが往々にしてあり、その場合、物品の進行方向が水平面に対してわずかに傾き、力Fの分力ΔFが検出荷重に作用するので、それによる誤差(加速度の影響による誤差)が検出荷重に含まれる。
また、減速搬送する場合であっても定速搬送する場合であっても、移動する物品(被計量物)を計量する場合、供給コンベア3から計量コンベア1へ被計量物が乗り移ったときの衝撃による振動的な過渡応答信号の収束が十分でない場合には、その未収束分の誤差が検出荷重に含まれる。
したがって、減速搬送する場合には、加速度の影響による誤差と、過渡応答信号の未収束分の誤差とが、重量センサ2から得られる計量値に含まれることになる。
そこで、通常の動作モードに対してテストモードを設け、テストモードにおいて、テスト用のサンプル品を使用して次のテストを行う。サンプル品は、稼働運転時に測定される被計量物Pとほぼ同じ外形形状で、重量が同被計量物Pの平均的な値とほぼ同じで、その重量値(Ws)が既知のものである。
まず、グラフL2で減速搬送する場合の第2所定時間T2内の平均速度Vaを算出する。この平均速度Vaは、図7から、(V2+V21)/2である。この速度Va(一定速度)で計量コンベア1及び供給コンベア3を搬送動作させて上記サンプル品を搬送し、供給コンベア3から計量コンベア1への被計量物の供給が開始されてから第2所定時間T2経過後に計量値を取得する。これを複数回繰り返し行い、計量値の平均値Wa1を算出し、この平均値Wa1とサンプル品の既知の重量値Wsとの差wd1を、次式により算出する。
wd1=Wa1−Ws・・・(1)
この差wd1が、過渡応答信号の未収束分の誤差である。
次に、同じサンプル品を用いて、稼働運転時と同じ減速パターン(グラフL2)で搬送し、供給コンベア3から計量コンベア1への被計量物の供給が開始されてから第2所定時間T2経過後に計量値を取得する。これを複数回繰り返し行い、計量値の平均値Wa2を算出し、この平均値Wa2とサンプル品の既知の重量値Wsとの差wd2を、次式により算出する。
wd2=Wa2−Ws・・・(2)
この差wd2の中には、過渡応答信号の未収束分の誤差と、加速度の影響による誤差とが含まれる。これに含まれる過渡応答信号の未収束分の誤差は、一定速度Vaで搬送中に同じタイミングで測定した場合の過渡応答信号の未収束分の誤差(wd1)と等しいと考えられるので、加速度の影響による誤差wd3は、次式で示される。
wd3=wd2−wd1・・・(3)
このサンプル品における加速度の影響による誤差(wd3)は、質量、すなわち、ほぼ重量値に比例するが、過渡応答信号の未収束分の誤差(wd1)は被計量物の重量に大きな差がない場合は一定と考えることができる。
そこで、稼働運転時に実際の被計量物Pについて取得した計量値をWxとし、この計量値Wxからそれに含まれる過渡応答信号の未収束分の誤差(wd1)と計量値Wxの被計量物における加速度の影響による誤差(wdx)とを除いた補正後の計量値をWsxとすれば(すなわち、Wsx=Wx−wd1−wdx)、次の(4)式が成立つ。
(Ws+wd3)/Ws=(Wsx+wdx)/Wsx・・・(4)
ここで、
Wsx+wdx=Wx−wd1
であるので、これを(4)式に代入すると、次の(5)式が得られる。
(Ws+wd3)/Ws=(Wx−wd1)/Wsx・・・(5)
この(5)式を変形すると、補正後の計量値Wsxを算出するための次式が得られる。
Wsx=Ws・(Wx−wd1)/(Ws+wd3)・・・(6)
この(6)式において、(Ws+wd3)は、(Wa2−wd1)に等しい。(6)式において、Ws、wd1、wd3は、既知の値であり、制御部5に、(6)式を記憶しておく。なお、上記テストは、各々の計量部Cwに対して行い、(6)式は各々の計量部Cwに対して求めておく。
そして、制御部5は、前述のステップS4において、(6)式に基づいて、稼働運転時に取得した計量値Wxから、補正後の計量値Wsxを算出し、それを計量コンベア1上の被計量物Pの重量値とする。
なお、サンプル品と実際の被計量物Pとの重量の差が大きい場合には、過渡応答信号の未収束分の誤差(wd1)についても重量値に比例するとして、例えば、wd1の代わりに、wd1・(Wx/Ws)を使用するようにしてもよい。
次に、グラフL1のように、計量コンベア1を一定速度V1で搬送動作させる場合の被計量物の重量値取得方法の一例について説明する。この場合、テストモードにおいて、前述と同様のサンプル品を使用して次のテストを行う。
ここでは、計量コンベア1及び供給コンベア3を稼働運転時と同じ一定速度V1で搬送動作させてサンプル品を搬送し、供給コンベア3から計量コンベア1への被計量物の供給が開始されてから第2所定時間T2経過後に計量値を取得する。これを複数回繰り返し行い、計量値の平均値Wbを算出し、この平均値Wbとサンプル品の既知の重量値Wsとの差wdbを、次式により算出する。
wdb=Wb−Ws・・・(7)
この差wdbが、過渡応答信号の未収束分の誤差である。
この場合、稼働運転時に実際の被計量物Pについて取得した計量値Wxと、補正後の計量値Wsxとの関係は、次式で示される。
Wsx=Wx−wdb・・・(8)
この(8)式において、wdbは既知の値であり、制御部5に、(8)式を記憶しておく。なお、上記テストは、各々の計量部Cwに対して行い、(8)式は各々の計量部Cwに対して求めておく。
そして、制御部5は、前述のステップS4において、(8)式に基づいて、稼働運転時に取得した計量値Wxから、補正後の計量値Wsxを算出し、それを計量コンベア1上の被計量物Pの重量値とする。
なお、ステップS4において、計量コンベア1上の被計量物Pの重量値(補正後の計量値Wsx)を算出する際、例えば、重量値取得期間(Ta)において重量センサ2から取得する複数個の計量値の平均値を算出し、この平均値を稼働運転時に取得した計量値Wxとし、これを補正するようにしてもよい。
以上に述べた第1構成例では、計量コンベア1へ供給された被計量物を計量コンベア1の搬送終端領域に到達時点で停止させて保持するようにしているため、排出組合せに選択された被計量物を排出するときに計量コンベア1から即座に排出することができる。したがって、排出時間を短縮し、組合せ処理を短い時間間隔で繰り返すことが可能となり、生産性(処理能力)の向上を図ることができる。
また、計量コンベア1へ供給された被計量物が計量コンベア1の搬送終端領域に到達する直前の計量値を取得して被計量物の重量値を算出することにより、供給コンベア3から計量コンベア1へ被計量物が乗り移ったときの衝撃による過渡応答信号の未収束分の誤差が小さくなり、計量精度の向上を図ることができる。
さらに、例えば図7のグラフL2で示されるように、減速搬送する場合には、被計量物が計量コンベア1の搬送終端領域に到達する直前の計量値を取得する時点では搬送速度が小さくなっているため、計量コンベア1の駆動による振動も小さくなり、この振動による計量値への影響が小さく、計量精度の向上を図ることができる。
さらに減速搬送する場合に、前述のように、取得した計量値を加速度の影響による誤差が除かれるように補正することにより、計量コンベア1に若干の傾きがあっても計量精度の向上を図ることができる。
なお、上記第1構成例で述べた〔計量コンベアの駆動方法〕及び〔被計量物の重量値取得方法(算出方法)〕については、第2〜第6構成例の場合も同様である。
次に、第2構成例の組合せ秤の動作の一例について説明する。
第2構成例では、図3(b)に示すように、各計量部Cwに、供給コンベア3から計量コンベア1へ乗り移る被計量物Pを検出するための物品検出センサ10が設けられている。各々の計量部Cwにおける動作は、図5(a)のフローチャートで示されるが、ステップS2における判定方法が第1構成例の場合とは異なる。この第2構成例では、物品検出センサ10によって被計量物Pが検出されたときに、計量コンベア1への被計量物の供給が開始されたと判定する。ここでは、物品検出センサ10が乗り移り時点検出手段として機能している。
また、第2構成例では、図5(b)のステップS13の処理が第1構成例の場合とは異なる。第1構成例の場合、重量センサ2の計量値(重量信号)によって計量コンベア1への被計量物の供給が開始されたか否かを判定していたので、排出組合せに選択されている被計量物を排出するために計量コンベア1の駆動を開始した後、重量センサ2の計量値が載荷検出基準値Wt未満になってから供給コンベア3の駆動を開始する必要があったが、第2構成例では、計量コンベア1の駆動開始と同時に供給コンベア3の駆動を開始するようにする。上記以外の動作及び処理は第1構成例の場合と同様である。
この第2構成例の場合、第1構成例の場合と同様の効果を得ることができる。そしてさらに、被計量物を排出する計量コンベア1の駆動開始と同時に供給コンベア3の駆動を開始するため、計量コンベア1への次の被計量物の供給を早く行うことができ、生産性(処理能力)のさらなる向上を図ることができる。
なお、上記第1及び第2構成例では、作業者による供給作業が行いやすいように、供給コンベア3のコンベアベルト3Bの表面が、被計量物を載せる位置の目安となる載置領域3aと載置禁止領域3bとに区分されているが、区分されていなくてもよい。これらが区分されていない場合には、作業者は、適当な間隔をおいて各被計量物Pを搬送方向に並べるようにして供給コンベア3上へ被計量物Pを載せるようにすればよい。また、供給コンベア3のフレームに被計量物を載せる位置の目安となる目印等が設けられてあってもよい。
また、上記第1及び第2構成例では、供給コンベア3を駆動する場合、計量コンベア1への被計量物の供給が開始されてから所定時間T1経過後に供給コンベア3の駆動を停止するようにしたが、供給コンベア3を駆動する場合に、計量コンベア1への被計量物の供給が開始されるまで、供給コンベア3に所定長さ(例えば、図3(d)に示す長さL)を1回の搬送距離とする搬送動作(間欠搬送動作)を繰り返し行わせるようにしてもよい。この場合、供給コンベア3のコンベアベルト3Bの表面が、被計量物を載せる位置の目安となる載置領域3aと載置禁止領域3bとに区分されていることにより、作業者が適切な位置に被計量物Pを載せることができる。また、コンベアベルト3Bの表面を載置領域3aと載置禁止領域3bとに区分する代わりに、供給コンベア3のフレームに被計量物を載せる位置の目安となる目印等が設けられてあってもよい。
次に、第3構成例の組合せ秤の動作の一例について説明する。図8(a)、(b)、(c)は、第3構成例の組合せ秤の動作の一例を示すフローチャートである。この組合せ秤の動作は制御部5の処理によって実現される。なお、組合せ秤の動作を制御するために必要となる情報等は全て記憶部7に記憶される。
第3構成例では、図3(c)に示すように、各計量部Cwに、供給コンベア3の搬送終端領域(例えば領域3F)に存在する被計量物Pを検出するための物品検出センサ10が設けられている。
図8(a)、(b)は、第3構成例における任意の計量部Cwに関する組合せ秤の動作の一例を示すフローチャートである。
例えば、作業開始時に、作業者は、組合せ秤の運転開始スイッチ(図示せず)を操作して、組合せ秤の運転を開始させる。
上述の運転開始操作がなされると、各々の計量部Cwに対して、制御部5は、供給コンベア3の駆動を開始する(ステップS21)。
次に、ステップS22で、物品検出センサ10から物品検出信号を入力すると、即座に供給コンベア3の駆動を停止する(ステップS23)。これにより、被計量物Pは、その先頭部分が、図3(c)に示すように供給コンベア3の搬送終端領域(例えば領域3F)に到達した時点で停止する。ここで、物品検出センサ10は被計量物検出手段として機能している。
そして、ステップS24では、計量コンベア1上に被計量物が存在するか否かの判定を行い、存在しない場合にはステップS26へ進み、存在する場合にはステップS25へ進む。このステップS24では、重量センサ2から得られる計量値(重量信号)が載荷検出基準値Wt以上であれば被計量物が存在すると判定し、載荷検出基準値Wt未満であれば被計量物は存在しないと判定する。
ステップS24で計量コンベア1上に被計量物が存在すると判定した場合には、ステップS25へ進み、同計量コンベア1上の被計量物が排出組合せに選択されるまで待ち、排出組合せに選択されると、ステップS26へ進む。
ステップS26で計量コンベア1の駆動を開始すると、即座に供給コンベア3の駆動も開始する(ステップS27)。ここで、計量コンベア1と供給コンベア3とは同時に駆動を開始してもよい。ステップS27で駆動を開始された供給コンベア3は、次に物品検出信号を入力するまで連続駆動され、物品検出信号をしたときに停止される(ステップS23)。
また、制御部5は、図8(b)に示されるステップS31で、計量コンベア1への被計量物の供給が開始されたか否かの判定を行い、供給が開始されたと判定するとステップS32の処理を行う。このステップS31では、前述のステップS22において入力されていた物品検出信号が入力されなくなると、被計量物の供給が開始されたと判定する。すなわち、ステップS26、S27で計量コンベア1及び供給コンベア3の駆動が開始され、供給コンベア3の搬送終端領域の被計量物が供給コンベア3から計量コンベア1へ乗り移るときに、物品検出センサ10からの物品検出信号が入力されなくなると、被計量物の供給が開始されたと判定される。ここでの物品検出センサ10及び制御部5は乗り移り時点検出手段として機能している。
そして、ステップS31において被計量物の供給が開始されたと判定してから第2所定時間T2の経過直後に、重量センサ2から得られる計量値に基づいて計量コンベア1上の被計量物の重量を取得し記憶する(ステップS32)。このステップS32における被計量物の重量の取得方法は、第1構成例で述べたステップS4の場合と同様である。
そして、ステップS31において被計量物の供給が開始されたと判定してから第3所定時間T3の経過後(被計量物の重量を取得後)に、計量コンベア1の駆動を停止する(ステップS33)。
ここで、第3所定時間T3は、図3(c)に示すように、被計量物Pが、その先頭部分が計量コンベア1の搬送終端領域に到達時点で停止するように設定されている。また、被計量物の重量を取得するタイミングを決める第2所定時間T2は、
T2=T3−Ta
として設定されている。ここで、Taは、重量値取得に必要な所定時間である。すなわち、所定時間T2,T3は、その計測開始タイミングが第1構成例の場合とは異なるが、第1構成例の場合と同様にして設定されている。
なお、所定時間T2,T3は、その計測開始タイミングを、ステップS27における供給コンベア3の駆動を開始した時点として設定するようにしてもよい。例えば、ステップS26、S27で計量コンベア1と供給コンベア3とを同時に駆動を開始し、その開始時点から所定時間T2後に被計量物の重量を取得し、同開始時点から所定時間T3後に計量コンベア1を停止させるようにしてもよい。
次に、図8(c)を参照して本組合せ秤の繰り返し動作の一例を説明する。
制御部5は、ステップS41で、組合せ処理を行うタイミングになると(例えば後段装置から排出命令信号を入力すると)、ステップS42の処理へ進み、第1構成例の場合と同様の組合せ処理を行い、排出組合せを求める。
次に、ステップS43の排出及び供給処理を行う。ここで、排出処理として、排出組合せに選択されている被計量物を保持している計量コンベア1を駆動して被計量物を排出させるとともに、集合コンベア13を所定時間駆動して計量コンベア1から排出される被計量物を後段装置へ搬送させる。そして、所定のタイミングで後段装置へ排出完了信号を出力する。さらに、供給処理として、被計量物を排出する計量コンベア1へ次の被計量物を供給するために同計量コンベア1に対応する供給コンベア3を駆動する。このステップS43で行われる計量コンベア1及び供給コンベア3の駆動は、該当する計量部Cwにおいて、図8(a)のステップS25の後に続いて行われる場合のステップS26、S27に相当する。
この第3構成例の場合、第2構成例の場合と同様の効果を得ることができる。そしてさらに、供給コンベア3上の搬送方向先頭の被計量物Pを供給コンベア3の搬送終端領域に到達時点で停止させて保持するようにしているため、被計量物を排出する計量コンベア1への次の被計量物の供給を即座に行うことができ、生産性(処理能力)のさらなる向上を図ることができる。
なお、第3構成例では、作業者による供給作業が行いやすいように、供給コンベア3のコンベアベルト3Bの表面が、被計量物を載せる位置の目安となる載置領域3aと載置禁止領域3bとに区分されているが、区分されていなくてもよい。これらが区分されていない場合には、作業者は、適当な間隔をおいて各被計量物Pを搬送方向に並べるようにして供給コンベア3上へ被計量物Pを載せるようにすればよい。また、供給コンベア3のフレームに被計量物を載せる位置の目安となる目印等が設けられてあってもよい。
また、各計量部Cwが図4(a)、(b)、(c)で示される第4、第5、第6構成例の場合には、供給コンベア3と計量コンベア1とが段差をもって配設されていることが、第1、第2、第3構成例の場合と異なるが、第4、第5、第6構成例における動作は第1、第2、第3構成例の場合と同様であり、その説明を省略する。
なお、第1〜第6の各構成例では、後段装置から排出命令信号が入力されると組合せ処理を行うようにしたが、これに限らない。例えば予め設定された所定時間間隔で組合せ処理を行い、排出命令信号が入力されると、排出組合せに選択されている計量コンベア1及び集合コンベア13を駆動して被計量物を後段装置へ排出するようにしてもよい。また、集合コンベア13は、常時駆動させるようにしてもよい。
また、第1〜第6の各構成例では、各供給コンベア3に複数個の被計量物を間隔を置いて供給するように構成したが、1個ずつ供給するように構成してもよい。しかし、各供給コンベア3に複数個の被計量物を供給することにより、計量コンベア1へ供給する被計量物のストックを多くでき、組合せ処理を短い時間間隔で繰り返す場合でも、供給コンベア3から計量コンベア1への被計量物の供給が遅滞なく、かつ確実に実現可能になる。
また、上記の第1〜第6の各構成例では、計量コンベア1上を搬送中に被計量物の重量値を取得し記憶するようにしたが、同被計量物が即座に排出組合せに選択されない場合には、計量コンベア1の搬送終端領域に停止されている被計量物の重量値を再取得し、同被計量物の重量の記憶値を更新するようにしてもよい。
また、第1〜第6の各構成例では、計量コンベア1で被計量物を搬送中にその重量値を取得するようにしたが、被計量物を計量コンベア1の搬送終端領域まで、定速搬送(例えば図7のグラフL1)または減速搬送(例えば図7のグラフL2)して停止した後で、被計量物の重量値を取得するように構成してもよい。例えば、図7において、搬送を停止(時刻t2)した後、所定の安定時間経過後の時刻t3において、被計量物の重量値を取得する。このように計量コンベア1を停止状態で計量することにより、計量精度の向上を図ることができる。
この場合、計量コンベア1の停止による急激な加速度変化が生じると、それによる新たな振動が発生し、この新たな振動の収束を待つための時間(安定時間)が必要になるので、図7のグラフL2で示されるように、減速しながら搬送し、停止時点の前後における加速度変化が小さくなるように搬送することが安定時間を短縮する上で好ましい。
また、この場合、計量コンベア1の機長を短くすることで、計量コンベア1の搬送時間を短縮することができる。
また、第1〜第6の各構成例等において、例えば、計量コンベア1を定速搬送させる場合、計量コンベア1の搬送終端領域に到達した被計量物Pを検出するための物品検出センサを設け、この物品検出センサによって被計量物が新たに検出されたときに計量コンベア1を停止させるように構成してもよい。
また、計量部Cwが図4(c)で示される第6構成例において、計量コンベア1の搬送終端領域に到達して保持されている被計量物Pの重量値を取得済みの場合には、供給コンベア3を駆動して、供給コンベア3の搬送終端領域に到達して保持されている被計量物Pを、被計量物Piで示すように計量コンベア1の搬送上流部に供給し、その重量を計量するようにしてもよい。この場合、計量コンベア1の搬送終端側の被計量物Pを排出するときに、搬送上流部の被計量物Piの重量値を取得済みであれば、計量コンベア1を高速で搬送動作させることにより、搬送上流部の被計量物Piを搬送終端領域まで短時間で搬送することができ、計量コンベア1の搬送時間を短縮することができる。
また、第1〜第6の各構成例では、集合コンベア13の両側に計量部Cwを配置することにより、集合コンベア13の長さを短くして集合コンベア13での被計量物の排出時間を短縮できる。なお、集合コンベア13の一方の側にのみ計量部Cwを配置した構成としてもよいが、その場合には所定個数の計量部Cwを配置するために集合コンベア13の長さが長くなり、被計量物の排出時間も長くなるので、計量サイクルを短縮する上では前述のように両側に配置した方が好ましい。
また、第1〜第6の各構成例において、図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)に示すように、計量コンベア1の後段に待機コンベア21を設けた構成、すなわち、計量コンベア1と集合コンベア13との間に待機コンベア21が配設された構成としてもよい。待機コンベア21はベルトコンベアで構成され、その搬送方向は、計量コンベア1及び供給コンベア3の搬送方向(例えば矢印aの方向)と同一である。待機コンベア21の動作は例えば制御部5によって制御される。
図3(a)〜(c)の場合、待機コンベア21は、計量コンベア1と水平に配置され、計量コンベア1から待機コンベア21へ被計量物Pが水平に搬送される。また、図4(a)〜(c)の場合、待機コンベア21は、計量コンベア1の少し下方に配置され、計量コンベア1と待機コンベア21との間に段差が設けられた構成であり、計量コンベア1の搬送終端から排出される被計量物Pは少し落下して待機コンベア21上に供給される。
このように待機コンベア21を設けた場合、計量コンベア1上で計量済みの被計量物が待機コンベア21へ供給されて待機コンベア21上で一時保持される。そして、制御部5では、待機コンベア21上の被計量物の組合せによって排出組合せを求めるようにする。そして、排出組合せに選択されている待機コンベア21上の被計量物は集合コンベア13へ排出され、集合コンベア13によって例えば後段装置へ搬送される。
この場合、被計量物を計量コンベア1の搬送終端領域に到達時点で停止させて保持することにより、排出組合せに選択された被計量物を排出する待機コンベア21へ次の被計量物を計量コンベア1から即座に供給することができる。したがって、待機コンベア21への供給時間を短縮し、組合せ処理を短い時間間隔で繰り返すことが可能となり、生産性(処理能力)の向上を図ることができる。また、排出組合せに選択された被計量物を排出する待機コンベア21へ、次の被計量物(計量済みの被計量物)が計量コンベア1から供給されると、この供給された被計量物の重量を用いて即座に次の組合せ処理を行うことができる。このことからも、組合せ処理を短い時間間隔で繰り返すことが可能となり、生産性の向上を図ることができる。
また、待機コンベア21を設けた場合において、例えば待機コンベア21の機長を少し長くして、各待機コンベア21上に複数個の被計量物Pが間隔をおいて搬送方向に並んで保持されるように構成してもよい。
この場合、制御部5は、組合せ処理において、各待機コンベア21に保持されている全ての被計量物の中から、組合せ重量が目標重量範囲内となる排出組合せを1つ求める。その際、各々の待機コンベア21において、搬送方向の上流側の被計量物が排出組合せに選択される場合には、その被計量物よりも下流側の被計量物が必ず同排出組合せに選択されるようにして、排出組合せを求めるようにする。
ここで、例えば、各待機コンベア21上に2個の被計量物P(上流側と下流側の被計量物P)が保持される場合の待機コンベア21の動作の一例を説明する。待機コンベア21のコンベアベルトの1周の長さが所定長Lsの2倍(コンベア機長が略Ls)であるとした場合に、例えば、上流側の被計量物Pは、待機コンベア21の上流端(搬入端)から下流方向に略Ls/4離れた位置(上流位置)に保持され、下流側の被計量物Pは、待機コンベア21の上流端(搬入端)から下流方向に略3Ls/4離れた位置(下流位置)に保持されるようにする。
この場合において、下流位置の被計量物Pのみが排出組合せに選択された場合には、待機コンベア21はLs/2の距離だけ搬送動作して下流位置の被計量物Pを排出する。この待機コンベア21の搬送動作中において、待機コンベア21がLs/4の距離だけ搬送動作したときに計量コンベア1の被計量物Pが待機コンベア21へ供給されるように計量コンベア1を搬送動作させる。これにより、待機コンベア21が搬送動作を終了したときには、同待機コンベア21において、搬送前に上流位置にあった被計量物Pは下流位置に保持され、計量コンベア1から供給された被計量物Pが上流位置に保持された状態となる。
また、下流位置と上流位置の両方の被計量物Pが排出組合せに選択された場合には、待機コンベア21はLsの距離だけ搬送動作して両方の被計量物Pを排出する。この待機コンベア21の搬送動作中において、待機コンベア21が3Ls/4の距離だけ搬送動作したときに計量コンベア1の被計量物Pが待機コンベア21へ供給されるように計量コンベア1を搬送動作させる。これにより、待機コンベア21が搬送動作を終了したときには、同待機コンベア21において、搬送前に保持されていた2個の被計量物Pが排出され、計量コンベア1から供給された被計量物Pが上流位置に保持された状態となる。そして、計量コンベア1から次の被計量物Pが供給されるときには、待機コンベア21はLs/2の距離だけ搬送動作し、この搬送動作中において、待機コンベア21がLs/4の距離だけ搬送動作したときに計量コンベア1の被計量物Pが待機コンベア21へ供給されるように計量コンベア1を搬送動作させる。これにより、待機コンベア21の上流位置と下流位置のそれぞれに被計量物Pが保持された状態となる。
このように待機コンベア21上に複数個の被計量物を保持する場合、排出組合せを求める際に用いる重量値の個数が増加し、組合せ精度の向上を図ることができる。
以上のように待機コンベア21を設けた場合でも、計量コンベア1へ被計量物を供給するときの供給コンベア3の搬送動作は、第1〜第6構成例の場合と同様にして行われる。
なお、本実施形態では、供給コンベア、計量コンベア、待機コンベア及び集合コンベアに、ベルトコンベアを用いたが、被計量物の種類等によっては、ローラコンベア等を用いてもよい。
また、本実施形態では、供給コンベアへの被計量物の供給を手動で行うようにしたが、自動で行われるよう供給コンベアへの供給装置が設けられてあってもよい。