JP5809327B2 - 通貨オプションプレミアム計算装置 - Google Patents

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Description

本発明は通貨オプションのプレミアム演算装置、プログラム及び記録媒体に係り、特に、
評価対象の通貨オプションのプレミアムを演算する通貨オプションのプレミアム演算装置
、コンピュータを前記通貨オプションのプレミアム演算装置として機能させるための通貨
オプションのプレミアム演算プログラム、及び、前記通貨オプションのプレミアム演算プ
ログラムが記録された記録媒体に関する。
通貨オプションは、通貨を所定の行使期日又は行使期間内に所定の行使価格(ストライク
・プライス)で購入(コールオプションの場合)又は売却(プットオプションの場合)で
きる権利である。例えば行使価格が1ドル100円であるドルコールオプションの保有者
は、ドル円相場のスポットレートがドルの値上がりによって1ドル100円を超えたとし
ても、オプションの権利を行使することで1ドル100円の為替レートでドルを購入する
ことができる。従って、1ドル100円より高いスポットレート(例えば1ドル105円
)でドルを売却する一方で、オプションの権利を行使して1ドル100円の為替レートで
ドルを購入することによって為替差益を得ることができる。また、ドル円相場のスポット
レートがドルの値下がりにより1ドル100円を下回った場合は、オプションの権利を行
使することなくスポットレートでドルを購入することができる。
同様に、行使価格が1ドル100であるドルプットオプションの保有者は、ドル円相場の
スポットレートがドルの値下がりによって1ドル100円を下回ったとしても、オプショ
ンの権利を行使し1ドル100円の為替レートでドルを売却することで為替差益を得るこ
とができ、ドル円相場のスポットレートが1ドル100円を超えた場合は、オプションの
権利を行使することなくスポットレートでドルを売却することができる。このように、通
貨オプションは、為替差益を得る機会を確保しながら、為替レートの変動に伴う損失リス
クをヘッジする機能を有しており、その対価として、通貨オプションの買い手は売り手に
対してプレミアムを支払う必要がある。
通貨オプションの取引が市場で適正に行われるためには、通貨オプションのプレミアム(
価格)を、通貨オプションのリスク引き受け手(通貨オプションの売り手)のリスクの大
きさを反映した値となるように演算・決定する必要がある。通貨オプションのプレミアム
演算方法としては現在、ブラック・ショールズ(Black=Sholes)モデルを通貨オプション用
に修正したGarman=Korhalgenモデル、又は、これをベースにして更に修正を加えたフレー
ムワーク(以下、GKモデルのフレームワークと称する)を用いることが一般的になって
いる。GKモデルのフレームワークでは、通貨オプションのプレミアムが、行使価格や為
替レートのボラティリティ(予想変動率)等を変数として定式化されている。行使価格等は
所与のパラメータであり、為替レートのボラティリティについても市場で提示されている
ので、GKモデルのフレームワークを用いることで通貨オプションのプレミアムを簡便に
計算することができる。
しかし、ブラック・ショールズ・モデルやこれをベースとしているGKモデルでは、為替
レート等の原資産価額の変動が正規分布で規定される確率分布に従うことを前提としてい
るのに対し、現実の為替レート等の変動の確率分布は正規分布と相違している。このため
、ブラック・ショールズ・モデルやGKモデルを用いて通貨オプションのプレミアムを求
めたとしても、得られるプレミアムの値が実際の確率分布(リスク)に対して乖離し、訂正
なプレミアムが得られないという問題がある。
上記問題を解決するため本願出願人は、特許文献1において、評価対象オプションと、該
評価対象オプションと同一期間のATM(At The Money)プレインオプション、25デルタ
コール・プレインオプション及び25デルタプット・プレインオプションの3種類のプレ
インオプションについてベガ、ボルガ、バンナを計算し、上記3種類のプレインオプショ
ンを組み合わせたポートフォリオのベガ、ボルガ、バンナが評価対象オプションのベガ、
ボルガ、バンナと一致するようにポートフォリオ構成比率を計算し、25デルタコール・
プレインオプション及び25デルタプット・プレインオプションについて、ATMフラッ
トボラティリティσATMから計算したプレミアムと、25デルタコール・プレインオプシ
ョン及び25デルタプット・プレインオプションのボラティリティの市場値σC25P25
から計算したプレミアムとの間の差額を計算し、上記構成比率を重みとする前記差額の重
み付け和により、σATMから計算した評価対象オプションのプレミアムを補正する技術を
提案している。
また、上記に関連して特許文献2には、期間に対するボラティリティの変化を示す時系列
のボラティリティ曲線を作成すると共に、デルタ値に対するボラティリティを示すスマイ
ル曲線を作成し、これらの時系列ボラティリティ曲線及びスマイル曲線から、基準となる
ボラティリティ曲面モデルを作成し、このボラティリティ曲面モデルにおいて、適正価格
帯を設定し、調べるボラティリティの入力を受けて適正価格帯を設定した基準ボラティリ
ティ曲面モデルにより、適正価格帯に入ったか否かを判断する技術が開示されている。
特開2002−230304号公報 特開2002−288436号公報
特許文献1に記載の技術では、各オプションのベガ、ボルガ、バンナを演算するために各
オプションの行使価格を演算しており、25デルタコール・プレインオプション及び25
デルタプット・プレインオプションの行使価格等の演算には、スポットレートでのボラテ
ィリティ(現時点でのボラティリティ)を用いている。但し、市場で取引されている通貨
オプションのうち1年未満の短期間の通貨オプションについては、スポットレートを基準
として取引が行われており、ボラティリティの市場値としてもスポットレート基準でのボ
ラティリティが用いられているのに対し、1年以上の長期間の通貨オプションについては
、通貨オプションの行使期日時点での為替レートであるフォワードレート(このフォワー
ドレートは、期間中の運用益(=金利×金利期間)に基づいてスポットレートから一意に算
出できる)を基準として取引が行われており、ボラティリティの市場値としてもフォワー
ドレート基準でのボラティリティが用いられている。
このため、特許文献1に記載の技術では、評価対象の通貨オプションの期間が1年以上の
長期間で、対応するボラティリティの市場値がフォワードレート基準でのボラティリティ
である場合、取得したボラティリティの市場値を金利及び金利期間に基づいてスポットレ
ート基準でのボラティリティに換算した後に行使価格の演算等に用いている。しかしなが
ら、評価対象の通貨オプションの期間が比較的長く、金利も比較的高い場合には、スポッ
トレートとフォワードレートとの換算に用いるディスカウントファクタ(=金利及び金利
期間:割引率)の値が0.5(50%)になることがあり、この場合、ATMプレインオプシ
ョン、25デルタコール・プレインオプション及び25デルタプット・プレインオプショ
ンの行使価格が揃ってしまい(25÷0.5=50で25デルタの値が50デルタ(=ATM)の値
と等しくなってしまう)、プレミアムが算出不能の状態に陥るという問題があった。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、評価対象の通貨オプションのプレミアムが
算出不能の状態に陥ることを回避できる通貨オプションのプレミアム演算装置、通貨オプ
ションのプレミアム演算プログラム及び記録媒体を得ることが目的である。
上記目的を達成するために第1の発明に係る通貨オプションのプレミアム演算装置は、評
価対象の通貨オプションの行使期日・行使期間を特定可能な第1パラメータ及び前記評価
対象の通貨オプションの行使価格又はデルタを表す第2パラメータを取得し、取得した前
記第1パラメータ及び前記第2パラメータを第1記憶手段に記憶させる第1取得手段と、
前記第1パラメータから特定できる前記評価対象の通貨オプションの行使期間と行使期間
が同一のATMプレインオプションのボラティリティの市場値を表すATMフラットボラ
ティリティと、前記評価対象の通貨オプションと行使期間が同一で、かつ前記第1パラメ
ータから特定できる前記評価対象の通貨オプションの行使期日における、スポットレート
、金利及び期間から一意に定まる為替レートであるフォワードレートを基準とするデルタ
が所定値となるフォワードデルタ・コールプレインオプション及びフォワードデルタ・プ
ットプレインオプションのボラティリティの市場値を表すボラティリティ情報を取得し、
取得した前記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報を第2記憶手段
に記憶させる第2取得手段と、前記第1記憶手段から前記第2パラメータを読み出すと共
に、前記第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティを読み出し、前記第1記憶
手段から読み出した前記第2パラメータが前記評価対象の通貨オプションのデルタを表し
ている場合は、コンピュータの演算処理により、前記第2パラメータが表す前記評価対象
の通貨オプションのデルタに基づいて前記評価対象の通貨オプションの行使価格を演算し
た後に、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフ
ラットボラティリティと、前記評価対象の通貨オプションの行使価格を用いて前記評価対
象の通貨オプションのプレミアムを演算し、演算した前記評価対象の通貨オプションのプ
レミアムを第3記憶手段に記憶させる第1プレミアム演算手段と、前記第2記憶手段から
前記ATMフラットボラティリティを読み出すと共に、前記第3記憶手段から前記評価対
象の通貨オプションのプレミアムを読み出し、コンピュータの演算処理により、前記第2
記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティリティと、前記第3記憶手段から読
み出した前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを用いて、前記評価対象の通貨オプ
ションについて所定のリスクパラメータを演算し、演算した前記所定のリスクパラメータ
を第4記憶手段に記憶させるリスクパラメータ演算手段と、前記第2記憶手段から前記A
TMフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報を読み出し、コンピュータの演
算処理により、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティリティを用
いて前記ATMプレインオプションの行使価格を演算すると共に、前記第2記憶手段から
読み出した前記ボラティリティ情報が表す前記フォワードデルタ・コールプレインオプシ
ョンのボラティリティを用いて前記フォワードデルタ・コールプレインオプションの行使
価格を演算し、更に、前記第2記憶手段から読み出した前記ボラティリティ情報が表す前
記フォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティを用いて前記フォワー
ドデルタ・プットプレインオプションの行使価格を演算し、演算した各プレインオプショ
ンの行使価格を第5記憶手段に記憶させる行使価格演算手段と、前記第2記憶手段から前
記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報を読み出すと共に、前記第
5記憶手段から前記各プレインオプションの行使価格を読み出し、コンピュータの演算処
理により、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティリティ及び前記
第5記憶手段から読み出した前記ATMプレインオプションの行使価格を用いて前記AT
Mプレインオプションのプレミアムを演算すると共に、前記第2記憶手段から読み出した
ボラティリティ情報が表す前記フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティ
リティ及び前記第5記憶手段から読み出した前記フォワードデルタ・コールプレインオプ
ションの行使価格を用いて前記フォワードデルタ・コールプレインオプションのプレミア
ムを演算し、更に、前記第2記憶手段から読み出したボラティリティ情報が表す前記フォ
ワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティ及び前記第5記憶手段から読
み出した前記フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を用いて前記フォ
ワードデルタ・プットプレインオプションのプレミアムを演算し、演算した各プレインオ
プションのプレミアムを第6記憶手段に各々記憶させる第2プレミアム演算手段と、前記
第4記憶手段から前記評価対象の通貨オプションの所定のリスクパラメータを読み出すと
共に、前記第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ
情報を読み出し、かつ前記第6記憶手段から前記各プレインオプションのプレミアムを読
み出し、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフ
ラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報、前記第6記憶手段から読み出した前
記各プレインオプションのプレミアムから求まる、前記各プレインオプションを組合わせ
たポートフォリオについての前記所定のリスクパラメータの値が、前記第4記憶手段から
読み出した前記評価対象の通貨オプションの所定のリスクパラメータの値と等しくなると
きの、前記ポートフォリオにおける前記各プレインオプションの構成比率を演算し、演算
した構成比率を第7記憶手段に記憶させる構成比率演算手段と、前記第2記憶手段から前
記ATMフラットボラティリティを読み出すと共に、前記第5記憶手段から前記各プレイ
ンオプションの行使価格を読み出し、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段
から読み出した前記ATMフラットボラティリティ及び前記第5記憶手段から読み出した
前記フォワードデルタ・コールプレインオプションの行使価格を用いて前記フォワードデ
ルタ・コールプレインオプションのプレミアムを演算すると共に、前記第2記憶手段から
読み出した前記ATMフラットボラティリティ及び前記第5記憶手段から読み出した前記
フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を用いて前記フォワードデルタ
・プットプレインオプションのプレミアムを演算し、演算した前記各プレインオプション
のプレミアムを第8記憶手段に記憶させる第3プレミアム演算手段と、前記第6記憶手段
及び前記第8記憶手段から前記各プレインオプションのプレミアムを各々読み出し、コン
ピュータの演算処理により、前記第6記憶手段から読み出したプレミアムと前記第8記憶
手段から読み出したプレミアムとの偏差を前記各プレインオプション毎に演算し、演算し
た偏差を第9記憶手段に記憶させる偏差演算手段と、前記第9記憶手段から前記各プレイ
ンオプション毎の偏差を読み出すと共に、前記第7記憶手段から前記構成比率を読み出し
、コンピュータの演算処理により、前記評価対象の通貨オプションのプレミアムに対する
補正値として、前記第9記憶手段から読み出した前記各プレインオプション毎の偏差を、
前記第7記憶手段から読み出した前記構成比率に応じて重み付けして加算した値を演算し
、演算した補正値を第10記憶手段に記憶させる補正値演算手段と、前記第3記憶手段か
ら前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを読み出すと共に、前記第10記憶手段か
ら前記補正値を読み出し、コンピュータの演算処理により、前記第3記憶手段から読み出
した前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを、前記第10記憶手段から読み出した
前記補正値によって補正し、補正後のプレミアムを第11記憶手段に記憶させる補正手段
と、前記第11記憶手段から前記補正後のプレミアムを読み出し、読み出した前記補正後
のプレミアムを、前記評価対象の通貨オプションのプレミアムとして出力する出力手段と
、を備えている。
第1の発明では、評価対象の通貨オプションの行使期日・行使期間を特定可能な第1パラ
メータ及び評価対象の通貨オプションの行使価格又はデルタを表す第2パラメータが第1
取得手段によって取得される。また、評価対象の通貨オプションと行使期間が同一のAT
Mプレインオプションのボラティリティの市場値を表すATMフラットボラティリティと
、前記評価対象の通貨オプションと行使期間が同一で、かつフォワードレート(スポット
レート、金利及び期間から一意に定まる、評価対象の通貨オプションの行使期日における
為替レート)を基準とするデルタが所定値となるフォワードデルタ・コールプレインオプ
ション及びフォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティの市場値を表
すボラティリティ情報が第2取得手段によって取得される。
なお、上記のフォワードデルタ・コールプレインオプションとしては、例えば第8の発明
として記載したように、フォワードレートを基準とするデルタが0.25となる25フォワー
ドデルタ・コールプレインオプションが好適であり、フォワードデルタ・プットプレイン
オプションとしても、例えば第8の発明として記載したように、フォワードレートを基準
とするデルタが0.25となる25フォワードデルタ・プットプレインオプションが好適であ
るが、これに限られるものではなく、フォワードレートを基準とするデルタが0.25以外の
値となる他のフォワードデルタ・プレインオプションを適用することも可能である。
また、第1プレミアム演算手段により、第2パラメータが評価対象の通貨オプションのデ
ルタを表している場合は、第2パラメータが表す評価対象の通貨オプションのデルタに基
づいて評価対象の通貨オプションの行使価格が演算された後に、ATMフラットボラティ
リティと、評価対象の通貨オプションの行使価格を用いて評価対象の通貨オプションのプ
レミアムが演算される。また、リスクパラメータ演算手段により、ATMフラットボラテ
ィリティと、評価対象の通貨オプションのプレミアムを用いて、評価対象の通貨オプショ
ンについて所定のリスクパラメータが演算される。なお、上記の所定のリスクパラメータ
としては、例えば第6の発明として記載したように、ボラティリティの変化に対するリス
クを表すパラメータが好適であり、具体的には、例えば第7の発明として記載したように
、通貨オプションのプレミアムをボラティリティで1階微分したベガ、通貨オプションの
プレミアムをボラティリティで2階微分したボルガ、前記ベガをスポットレートで1階微
分したバンナの少なくとも1つを含むことができるが、これに限られるものではなく、他
のパラメータを適用することも可能である。
更に、行使価格演算手段により、ATMフラットボラティリティを用いてATMプレイン
オプションの行使価格が演算されると共に、ボラティリティ情報が表すフォワードデルタ
・コールプレインオプションのボラティリティを用いてフォワードデルタ・コールプレイ
ンオプションの行使価格が演算され、更に、ボラティリティ情報が表すフォワードデルタ
・プットプレインオプションのボラティリティを用いてフォワードデルタ・プットプレイ
ンオプションの行使価格が演算される。また、第2プレミアム演算手段により、ATMフ
ラットボラティリティ及びATMプレインオプションの行使価格を用いてATMプレイン
オプションのプレミアムが演算されると共に、ボラティリティ情報が表すフォワードデル
タ・コールプレインオプションのボラティリティ及びフォワードデルタ・コールプレイン
オプションの行使価格を用いてフォワードデルタ・コールプレインオプションのプレミア
ムが演算され、更に、ボラティリティ情報が表すフォワードデルタ・プットプレインオプ
ションのボラティリティ及びフォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を
用いてフォワードデルタ・プットプレインオプションのプレミアムが演算される。
また、構成比率演算手段により、ATMフラットボラティリティ及びボラティリティ情報
、各プレインオプションのプレミアムから求まる、各プレインオプションを組合わせたポ
ートフォリオについての所定のリスクパラメータの値が、評価対象の通貨オプションの所
定のリスクパラメータの値と等しくなるときの、前記ポートフォリオにおける各プレイン
オプションの構成比率が演算される。なお、構成比率演算手段は、より詳しくは、第5の
発明として記載したように、ATMフラットボラティリティ、ボラティリティ情報、各プ
レインオプションのプレミアムを用いて、ATMプレインオプション、フォワードデルタ
・コールプレインオプション及びフォワードデルタ・プットプレインオプションの所定の
リスクパラメータを各々演算した後に、演算した各プレインオプションの所定のリスクパ
ラメータを用いて、前記ポートフォリオにおける各プレインオプションの構成比率の演算
を行うように構成することができる。
更に、第3プレミアム演算手段により、ATMフラットボラティリティ及びフォワードデ
ルタ・コールプレインオプションの行使価格を用いてフォワードデルタ・コールプレイン
オプションのプレミアムが演算されると共に、ATMフラットボラティリティ及びフォワ
ードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を用いてフォワードデルタ・プットプ
レインオプションのプレミアムが演算される。また、偏差演算手段により、第2プレミア
ム演算手段によって演算されたプレミアムと第3プレミアム演算手段によって演算された
プレミアムとの偏差が各プレインオプション毎に演算される。また、補正値演算手段によ
り、評価対象の通貨オプションのプレミアムに対する補正値として、偏差演算手段によっ
て演算された各プレインオプション毎の偏差を、構成比率演算手段によって演算された構
成比率に応じて重み付けして加算した値が補正値として演算される。また、補正手段によ
り、第1プレミアム演算手段によって演算された評価対象の通貨オプションのプレミアム
が、補正値演算手段によって演算された補正値によって補正され、補正手段による補正を
経たプレミアムが、出力手段により、評価対象の通貨オプションのプレミアムとして出力
される。
このように、第1の発明では、フォワードデルタ・コールプレインオプションについて、
フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリティを用いた場合のプレミア
ムと、ATMフラットボラティリティを用いた場合のプレミアムを各々演算してその偏差
を演算すると共に、フォワードデルタ・プットプレインオプションについても、フォワー
ドデルタ・プットプレインオプションのボラティリティを用いた場合のプレミアムと、A
TMフラットボラティリティを用いた場合のプレミアムを各々演算してその偏差を演算し
、それぞれの偏差を、ATMプレインオプション、フォワードデルタ・コールプレインオ
プション及びフォワードデルタ・プットプレインオプションを組合わせたポートフォリオ
の所定のリスクパラメータの値が、評価対象の通貨オプションの所定のリスクパラメータ
の値と等しくなるときの、前記ポートフォリオの各オプションの構成比率に応じて重み付
けして加算することで補正値を演算し、ATMフラットボラティリティを用いて演算した
評価対象の通貨オプションのプレミアムを前記補正値によって補正しているので、特許文
献1に記載の技術と同様に、通貨オプションのプレミアムの演算に用いるモデル(例えば
ブラックショールズモデルやGKモデルのフレームワーク等)が前提としている確率分布
の誤差を補正することができ、評価対象の通貨オプションのプレミアムとして、通貨オプ
ションのリスク引き受け手のリスクの大きさを正確に反映した適正な値を得ることができ
る。
また、第1の発明では、補正値の演算等に用いるATMプレインオプション以外のオプシ
ョンとして、評価対象の通貨オプションと行使期間が同一で、かつフォワードレートを基
準とするデルタが所定値となるフォワードデルタ・コールプレインオプション及びフォワ
ードデルタ・プットプレインオプションを適用しており、第2取得手段は、上記のフォワ
ードデルタ・コールプレインオプション及びフォワードデルタ・プットプレインオプショ
ンのボラティリティの市場値を表すボラティリティ情報を取得し、行使価格演算手段は、
フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリティを用いてフォワードデル
タ・コールプレインオプションの行使価格を演算すると共に、フォワードデルタ・プット
プレインオプションのボラティリティを用いてフォワードデルタ・プットプレインオプシ
ョンの行使価格を演算している。このため、評価対象の通貨オプションが、スポットレー
トを基準として取引が行われる1年未満の短期間の通貨オプションである場合はディスカ
ウントファクタを用い、ボラティリティ等のパラメータを、特許文献1に記載の技術と逆
にスポットレート基準での値からフォワードレート基準での値へ変換して用いる必要があ
る。
しかしながら、ディスカウントファクタは金利と金利期間の積であるのに対し、第1の発
明において、パラメータをスポットレートを基準とする値からフォワードレートを基準と
する値へ変換する必要が生ずる場合は、評価対象の通貨オプションの期間が短い場合であ
るので、金利期間も小さな値となり、ディスカウントファクタが0.5(50%)もの大きな
値となることは生じ得ない。従って、第1の発明によれば、ATMプレインオプションの
行使価格と、フォワードデルタ・コールプレインオプション及びフォワードデルタ・プッ
トプレインオプションの行使価格が揃ってしまうことを防止できるので、評価対象の通貨
オプションのプレミアムが算出不能となる事態が生ずることを回避することができる。
なお、第1の発明において、例えば第2の発明として記載したように、行使価格演算手段
は、評価対象の通貨オプションで為替の対象とされる第1通貨及び第2通貨のうち、通貨
オプションのプレミアムの支払における基準通貨での行使価格を演算し、第1〜第3プレ
ミアム演算手段は前記基準通貨でのプレミアムを演算するように構成することが好ましい
。一般に、ボラティリティの市場値は基準通貨を基準とする値となっており、上記のよう
に、演算対象の行使価格やプレミアムにおける基準通貨をボラティリティの市場値におけ
る基準通貨と一致させることで、第2取得手段によるATMフラットボラティリティ及び
ボラティリティ情報の取得にあたり、基準通貨が相違しているためにボラティリティの換
算を行う必要が無くなるので、評価対象の通貨オプションのプレミアムをより簡易に得る
ことができる。
また、第1の発明において、行使価格演算手段は、例えば第2の発明として記載したよう
に、標準正規分布の累積確率密度関数をN( )、フォワードレートを基準とするデルタ値
をΔ、フォワードデルタ・プレインオプションのボラティリティをσ、前記フォワードデ
ルタ・プレインオプションの行使期間をTとしたときに、コンピュータの演算処理によ
り、以下の(1)式を満足する変数Dの値を探索して決定し、
Figure 0005809327
スポットレートをS、前記評価対象の通貨オプションで為替の対象とされる第1通貨及
び第2通貨のうち通貨オプションのプレミアムの支払における基準通貨の金利をr、前
記第1通貨及び前記第2通貨のうち非基準通貨の金利をr、金利期間をTとしたとき
に、コンピュータの演算処理により、前記決定した前記(1)式を満足する変数Dの値を
以下の(2)式に代入し、
Figure 0005809327
行使価格Kを演算する処理を、フォワードデルタ・コールプレインオプション及びフォワ
ードデルタ・プットプレインオプションについて各々行うことで、フォワードデルタ・コ
ールプレインオプション及びフォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を
演算するように構成することができる。
また、第1の発明において、通貨オプションのプレミアム等の演算にはスポットレートや
金利も用いられるが、これらの情報(特にスポットレート)は短い周期で変動していること
を考慮すると、例えば第4の発明として記載したように、通信回線を介して接続された他
のコンピュータから、評価対象の通貨オプションで為替の対象とされる第1通貨及び第2
通貨のスポットレート、第1通貨及び第2通貨の金利を各々取得し、取得したスポットレ
ート、第1通貨及び第2通貨の金利を第12記憶手段に記憶させる第3取得手段を設け、
第1〜第3プレミアム演算手段、リスクパラメータ演算手段、行使価格演算手段及び構成
比率演算手段を、第12記憶手段からスポットレート及び金利を読み出し、第12記憶手
段から読み出したスポットレート及び金利も用いて演算を各々行うように構成することが
好ましい。
第9の発明に係る通貨オプションのプレミアム演算プログラムは、第1記憶手段〜第11
記憶手段を備えたコンピュータを、評価対象の通貨オプションの行使期日・行使期間を特
定可能な第1パラメータ及び前記評価対象の通貨オプションの行使価格又はデルタを表す
第2パラメータを取得し、取得した前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを前記第
1記憶手段に記憶させる第1取得手段、前記第1パラメータから特定できる前記評価対象
の通貨オプションの行使期間と行使期間が同一のATMプレインオプションのボラティリ
ティの市場値を表すATMフラットボラティリティと、前記評価対象の通貨オプションと
行使期間が同一で、かつ前記第1パラメータから特定できる前記評価対象の通貨オプショ
ンの行使期日における、スポットレート、金利及び期間から一意に定まる為替レートであ
るフォワードレートを基準とするデルタが所定値となるフォワードデルタ・コールプレイ
ンオプション及びフォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティの市場
値を表すボラティリティ情報を取得し、取得した前記ATMフラットボラティリティ及び
前記ボラティリティ情報を前記第2記憶手段に記憶させる第2取得手段、前記第1記憶手
段から前記第2パラメータを読み出すと共に、前記第2記憶手段から前記ATMフラット
ボラティリティを読み出し、前記第1記憶手段から読み出した前記第2パラメータが前記
評価対象の通貨オプションのデルタを表している場合は、コンピュータの演算処理により
、前記第2パラメータが表す前記評価対象の通貨オプションのデルタに基づいて前記評価
対象の通貨オプションの行使価格を演算した後に、コンピュータの演算処理により、前記
第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティリティと、前記評価対象の通貨
オプションの行使価格を用いて前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを演算し、演
算した前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを前記第3記憶手段に記憶させる第1
プレミアム演算手段、前記第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティを読み出
すと共に、前記第3記憶手段から前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを読み出し
、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラット
ボラティリティと、前記第3記憶手段から読み出した前記評価対象の通貨オプションのプ
レミアムを用いて、前記評価対象の通貨オプションについて所定のリスクパラメータを演
算し、演算した前記所定のリスクパラメータを前記第4記憶手段に記憶させるリスクパラ
メータ演算手段、前記第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラ
ティリティ情報を読み出し、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み
出した前記ATMフラットボラティリティを用いて前記ATMプレインオプションの行使
価格を演算すると共に、前記第2記憶手段から読み出した前記ボラティリティ情報が表す
前記フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリティを用いて前記フォワ
ードデルタ・コールプレインオプションの行使価格を演算し、更に、前記第2記憶手段か
ら読み出した前記ボラティリティ情報が表す前記フォワードデルタ・プットプレインオプ
ションのボラティリティを用いて前記フォワードデルタ・プットプレインオプションの行
使価格を演算し、演算した各プレインオプションの行使価格を前記第5記憶手段に記憶さ
せる行使価格演算手段、前記第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティ及び前
記ボラティリティ情報を読み出すと共に、前記第5記憶手段から前記各プレインオプショ
ンの行使価格を読み出し、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出
した前記ATMフラットボラティリティ及び前記第5記憶手段から読み出した前記ATM
プレインオプションの行使価格を用いて前記ATMプレインオプションのプレミアムを演
算すると共に、前記第2記憶手段から読み出したボラティリティ情報が表す前記フォワー
ドデルタ・コールプレインオプションのボラティリティ及び前記第5記憶手段から読み出
した前記フォワードデルタ・コールプレインオプションの行使価格を用いて前記フォワー
ドデルタ・コールプレインオプションのプレミアムを演算し、更に、前記第2記憶手段か
ら読み出したボラティリティ情報が表す前記フォワードデルタ・プットプレインオプショ
ンのボラティリティ及び前記第5記憶手段から読み出した前記フォワードデルタ・プット
プレインオプションの行使価格を用いて前記フォワードデルタ・プットプレインオプショ
ンのプレミアムを演算し、演算した各プレインオプションのプレミアムを前記第6記憶手
段に各々記憶させる第2プレミアム演算手段、前記第4記憶手段から前記評価対象の通貨
オプションの所定のリスクパラメータを読み出すと共に、前記第2記憶手段から前記AT
Mフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報を読み出し、かつ前記第6記憶手
段から前記各プレインオプションのプレミアムを読み出し、コンピュータの演算処理によ
り、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラテ
ィリティ情報、前記第6記憶手段から読み出した前記各プレインオプションのプレミアム
から求まる、前記各プレインオプションを組合わせたポートフォリオについての前記所定
のリスクパラメータの値が、前記第4記憶手段から読み出した前記評価対象の通貨オプシ
ョンの所定のリスクパラメータの値と等しくなるときの、前記ポートフォリオにおける前
記各プレインオプションの構成比率を演算し、演算した構成比率を前記第7記憶手段に記
憶させる構成比率演算手段、前記第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティを
読み出すと共に、前記第5記憶手段から前記各プレインオプションの行使価格を読み出し
、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラット
ボラティリティ及び前記第5記憶手段から読み出した前記フォワードデルタ・コールプレ
インオプションの行使価格を用いて前記フォワードデルタ・コールプレインオプションの
プレミアムを演算すると共に、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラ
ティリティ及び前記第5記憶手段から読み出した前記フォワードデルタ・プットプレイン
オプションの行使価格を用いて前記フォワードデルタ・プットプレインオプションのプレ
ミアムを演算し、演算した前記各プレインオプションのプレミアムを前記第8記憶手段に
記憶させる第3プレミアム演算手段、前記第6記憶手段及び前記第8記憶手段から前記各
プレインオプションのプレミアムを各々読み出し、コンピュータの演算処理により、前記
第6記憶手段から読み出したプレミアムと前記第8記憶手段から読み出したプレミアムと
の偏差を前記各プレインオプション毎に演算し、演算した偏差を前記第9記憶手段に記憶
させる偏差演算手段、前記第9記憶手段から前記各プレインオプション毎の偏差を読み出
すと共に、前記第7記憶手段から前記構成比率を読み出し、コンピュータの演算処理によ
り、前記評価対象の通貨オプションのプレミアムに対する補正値として、前記第9記憶手
段から読み出した前記各プレインオプション毎の偏差を、前記第7記憶手段から読み出し
た前記構成比率に応じて重み付けして加算した値を演算し、演算した補正値を前記第10
記憶手段に記憶させる補正値演算手段、前記第3記憶手段から前記評価対象の通貨オプシ
ョンのプレミアムを読み出すと共に、前記第10記憶手段から前記補正値を読み出し、コ
ンピュータの演算処理により、前記第3記憶手段から読み出した前記評価対象の通貨オプ
ションのプレミアムを、前記第10記憶手段から読み出した前記補正値によって補正し、
補正後のプレミアムを前記第11記憶手段に記憶させる補正手段、及び、前記第11記憶
手段から前記補正後のプレミアムを読み出し、読み出した前記補正後のプレミアムを、前
記評価対象の通貨オプションのプレミアムとして出力する出力手段として機能させる。
第9の発明に係る通貨オプションのプレミアム演算プログラムは、第1記憶手段〜第11
記憶手段を備えたコンピュータを、上記の第1取得手段、第2取得手段、第1プレミアム
演算手段、リスクパラメータ演算手段、行使価格演算手段、第2プレミアム演算手段、構
成比率演算手段、第3プレミアム演算手段、偏差演算手段、補正値演算手段、補正手段、
及び、出力手段として機能させるためのプログラムであるので、上記のコンピュータが第
9の発明に係る通貨オプションのプレミアム演算プログラムを実行することで、コンピュ
ータが第1の発明に記載の通貨オプションのプレミアム演算装置として機能することにな
り、第1の発明と同様に、評価対象の通貨オプションのプレミアムが算出不能の状態に陥
ることを回避することができる。
第10の発明に係る記録媒体は、第1記憶手段〜第11記憶手段を備えたコンピュータを
、評価対象の通貨オプションの行使期日・行使期間を特定可能な第1パラメータ及び前記
評価対象の通貨オプションの行使価格又はデルタを表す第2パラメータを取得し、取得し
た前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを前記第1記憶手段に記憶させる第1取得
手段、前記第1パラメータから特定できる前記評価対象の通貨オプションの行使期間と行
使期間が同一のATMプレインオプションのボラティリティの市場値を表すATMフラッ
トボラティリティと、前記評価対象の通貨オプションと行使期間が同一で、かつ前記第1
パラメータから特定できる前記評価対象の通貨オプションの行使期日における、スポット
レート、金利及び期間から一意に定まる為替レートであるフォワードレートを基準とする
デルタが所定値となるフォワードデルタ・コールプレインオプション及びフォワードデル
タ・プットプレインオプションのボラティリティの市場値を表すボラティリティ情報を取
得し、取得した前記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報を前記第
2記憶手段に記憶させる第2取得手段、前記第1記憶手段から前記第2パラメータを読み
出すと共に、前記第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティを読み出し、前記
第1記憶手段から読み出した前記第2パラメータが前記評価対象の通貨オプションのデル
タを表している場合は、コンピュータの演算処理により、前記第2パラメータが表す前記
評価対象の通貨オプションのデルタに基づいて前記評価対象の通貨オプションの行使価格
を演算した後に、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出した前記
ATMフラットボラティリティと、前記評価対象の通貨オプションの行使価格を用いて前
記評価対象の通貨オプションのプレミアムを演算し、演算した前記評価対象の通貨オプシ
ョンのプレミアムを前記第3記憶手段に記憶させる第1プレミアム演算手段、前記第2記
憶手段から前記ATMフラットボラティリティを読み出すと共に、前記第3記憶手段から
前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを読み出し、コンピュータの演算処理により
、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティリティと、前記第3記憶
手段から読み出した前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを用いて、前記評価対象
の通貨オプションについて所定のリスクパラメータを演算し、演算した前記所定のリスク
パラメータを前記第4記憶手段に記憶させるリスクパラメータ演算手段、前記第2記憶手
段から前記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報を読み出し、コン
ピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラテ
ィリティを用いて前記ATMプレインオプションの行使価格を演算すると共に、前記第2
記憶手段から読み出した前記ボラティリティ情報が表す前記フォワードデルタ・コールプ
レインオプションのボラティリティを用いて前記フォワードデルタ・コールプレインオプ
ションの行使価格を演算し、更に、前記第2記憶手段から読み出した前記ボラティリティ
情報が表す前記フォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティを用いて
前記フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を演算し、演算した各プレ
インオプションの行使価格を前記第5記憶手段に記憶させる行使価格演算手段、前記第2
記憶手段から前記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報を読み出す
と共に、前記第5記憶手段から前記各プレインオプションの行使価格を読み出し、コンピ
ュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティ
リティ及び前記第5記憶手段から読み出した前記ATMプレインオプションの行使価格を
用いて前記ATMプレインオプションのプレミアムを演算すると共に、前記第2記憶手段
から読み出したボラティリティ情報が表す前記フォワードデルタ・コールプレインオプシ
ョンのボラティリティ及び前記第5記憶手段から読み出した前記フォワードデルタ・コー
ルプレインオプションの行使価格を用いて前記フォワードデルタ・コールプレインオプシ
ョンのプレミアムを演算し、更に、前記第2記憶手段から読み出したボラティリティ情報
が表す前記フォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティ及び前記第5
記憶手段から読み出した前記フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を
用いて前記フォワードデルタ・プットプレインオプションのプレミアムを演算し、演算し
た各プレインオプションのプレミアムを前記第6記憶手段に各々記憶させる第2プレミア
ム演算手段、前記第4記憶手段から前記評価対象の通貨オプションの所定のリスクパラメ
ータを読み出すと共に、前記第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティ及び前
記ボラティリティ情報を読み出し、かつ前記第6記憶手段から前記各プレインオプション
のプレミアムを読み出し、コンピュータの演算処理により、前記第2記憶手段から読み出
した前記ATMフラットボラティリティ及び前記ボラティリティ情報、前記第6記憶手段
から読み出した前記各プレインオプションのプレミアムから求まる、前記各プレインオプ
ションを組合わせたポートフォリオについての前記所定のリスクパラメータの値が、前記
第4記憶手段から読み出した前記評価対象の通貨オプションの所定のリスクパラメータの
値と等しくなるときの、前記ポートフォリオにおける前記各プレインオプションの構成比
率を演算し、演算した構成比率を前記第7記憶手段に記憶させる構成比率演算手段、前記
第2記憶手段から前記ATMフラットボラティリティを読み出すと共に、前記第5記憶手
段から前記各プレインオプションの行使価格を読み出し、コンピュータの演算処理により
、前記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティリティ及び前記第5記憶
手段から読み出した前記フォワードデルタ・コールプレインオプションの行使価格を用い
て前記フォワードデルタ・コールプレインオプションのプレミアムを演算すると共に、前
記第2記憶手段から読み出した前記ATMフラットボラティリティ及び前記第5記憶手段
から読み出した前記フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を用いて前
記フォワードデルタ・プットプレインオプションのプレミアムを演算し、演算した前記各
プレインオプションのプレミアムを前記第8記憶手段に記憶させる第3プレミアム演算手
段、前記第6記憶手段及び前記第8記憶手段から前記各プレインオプションのプレミアム
を各々読み出し、コンピュータの演算処理により、前記第6記憶手段から読み出したプレ
ミアムと前記第8記憶手段から読み出したプレミアムとの偏差を前記各プレインオプショ
ン毎に演算し、演算した偏差を前記第9記憶手段に記憶させる偏差演算手段、前記第9記
憶手段から前記各プレインオプション毎の偏差を読み出すと共に、前記第7記憶手段から
前記構成比率を読み出し、コンピュータの演算処理により、前記評価対象の通貨オプショ
ンのプレミアムに対する補正値として、前記第9記憶手段から読み出した前記各プレイン
オプション毎の偏差を、前記第7記憶手段から読み出した前記構成比率に応じて重み付け
して加算した値を演算し、演算した補正値を前記第10記憶手段に記憶させる補正値演算
手段、前記第3記憶手段から前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを読み出すと共
に、前記第10記憶手段から前記補正値を読み出し、コンピュータの演算処理により、前
記第3記憶手段から読み出した前記評価対象の通貨オプションのプレミアムを、前記第1
0記憶手段から読み出した前記補正値によって補正し、補正後のプレミアムを前記第11
記憶手段に記憶させる補正手段、及び、前記第11記憶手段から前記補正後のプレミアム
を読み出し、読み出した前記補正後のプレミアムを、前記評価対象の通貨オプションのプ
レミアムとして出力する出力手段として機能させる通貨オプションのプレミアム演算プロ
グラムが記録されている。
第10の発明に係る記録媒体は、第9の発明に係る通貨オプションのプレミアム演算プロ
グラム、すなわち、第1記憶手段〜第11記憶手段を備えたコンピュータを、上記の第1
取得手段、第2取得手段、第1プレミアム演算手段、リスクパラメータ演算手段、行使価
格演算手段、第2プレミアム演算手段、構成比率演算手段、第3プレミアム演算手段、偏
差演算手段、補正値演算手段、補正手段、及び、出力手段として機能させるためのプログ
ラムが記録されているので、上記のコンピュータが記録媒体から上記の通貨オプションの
プレミアム演算プログラムを読み出して実行することで、上記コンピュータが第1の発明
に記載の通貨オプションのプレミアム演算装置として機能することになり、第1の発明と
同様に、評価対象の通貨オプションのプレミアムが算出不能の状態に陥ることを回避する
ことができる。
以上説明したように本発明は、評価対象の通貨オプションと行使期間が同一のATMプレ
インオプションのボラティリティの市場値を表すATMフラットボラティリティと、前記
評価対象の通貨オプションと行使期間が同一で、かつフォワードレートを基準とするデル
タが所定値となるフォワードデルタ・コールプレインオプション及びフォワードデルタ・
プットプレインオプションのボラティリティの市場値を表すボラティリティ情報を取得し
、ボラティリティ情報が表すフォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリ
ティを用いてフォワードデルタ・コールプレインオプションの行使価格を演算すると共に
、ボラティリティ情報が表すフォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリ
ティを用いてフォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を演算し、当該行
使価格を用いて、フォワードデルタ・コールプレインオプション及びフォワードデルタ・
プットプレインオプションのプレミアムや、評価対象の通貨オプションのプレミアムに対
する補正値等の演算を行っているので、評価対象の通貨オプションのプレミアムが算出不
能の状態に陥ることを回避できる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に
係るコンピュータ10が示されている。コンピュータ10は、CPU10A、ROMやR
AM等から成るメモリ10B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等から成る
不揮発性の記憶部10C、通信制御部10Dを各々備えている。またコンピュータ10に
は、各種の周辺機器として、CRTやLCD等から成るディスプレイ12、キーボード1
4、マウス16が各々接続されている。また、コンピュータ10の通信制御部10Dは、
通信回線を介して為替情報提供システム20と接続されている。為替情報提供システム2
0は為替相場における各種パラメータ(例えばスポットレートや金利、ボラティリティ等)
の現在の市場値を為替情報として外部へ配信するシステムであり、単一のコンピュータ、
又は、LAN等のネットワークを介して互いに接続された複数台のコンピュータから構成
されている。
コンピュータ10の記憶部10Cには、為替情報提供システム20から取得した為替情報
を登録するための為替情報テーブルが設けられており、後述するプレミアム演算処理を行
うためのプレミアム演算プログラムと、スポットレートでのボラティリティをフォワード
レートでのボラティリティへ換算する機能を備えたボラティリティ換算プログラムもイン
ストールされている。プレミアム演算プログラムは本発明に係る通貨オプションのプレミ
アム演算プログラムに対応しており、コンピュータ10はCPU10Aがプレミアム演算
プログラムを実行することで本発明に係る通貨オプションのプレミアム演算装置として機
能し、メモリ10Bは本発明に係る第1記憶手段〜第11記憶手段として用いられ、記憶
部12Cは第4の発明として記載の第12記憶手段として用いられる。なお、コンピュー
タ10は第9,10の発明として記載のコンピュータに対応しており、例えばパーソナル
・コンピュータ(PC)で構成することができるが、第9,10の発明として記載のコンピ
ュータはPCに限られるものではなく、例えばワークステーションや汎用のホストコンピ
ュータ等であってもよい。
次に本実施形態の作用として、利用者によってキーボード14やマウス16が操作され、
評価対象の通貨オプションについてプレミアムの演算が指示されると、CPU10Aによ
りプレミアム演算プログラムが実行されることで、コンピュータ10によって実現される
プレミアム演算処理について、図2を参照して説明する。
プレミアム演算処理では、まずステップ50において、評価対象の通貨オプションを規定
する各種情報の入力を要請するメッセージをディスプレイ12に表示させることで、評価
対象の通貨オプションに関する上記各情報を利用者に入力させる。次のステップ52では
上記各情報が入力されたか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ52を繰り返す。デ
ィスプレイ12に上記メッセージが表示されたことを認識すると、利用者はキーボード1
4等を操作し、評価対象の通貨オプションを規定する情報として、評価対象の通貨オプシ
ョンの種別(例えばプレインオプション/リバースノックアウトオプション等のオプショ
ンの種類と、コール/プットの何れであるか等)を表す情報や、評価対象の通貨オプショ
ンで為替の対象とする第1通貨及び第2通貨の種類(例えばUSドルや日本円等)を表す
情報、評価対象の通貨オプションの行使期間T(通貨オプションの評価日(本日)から通
貨オプションの行使期日に至る期間)等を入力すると共に、評価対象の通貨オプションの
デルタ値(スポットレートの変化に対するオプション価値の変化率=オプションプレミア
ムの為替スポットレートでの1階微分値)Δ、又は、評価対象の通貨オプションの行使
価格Kも入力する。また、評価対象の通貨オプションがノックアウトオプションであれ
ば、利用者によってノックアウト価格Kも入力される。
利用者によってキーボード14等が操作されることで上記各情報が入力されると、ステッ
プ52の判定が肯定されてステップ54へ移行し、利用者によって入力された行使期間T
に基づいて、評価対象の通貨オプションの行使期日を演算すると共に、評価対象の通貨
オプションの金利期間T(資金の受渡日(通常は評価日の2営業日後)から為替の受渡日(
通常は通貨オプションの行使期日の2営業日後)に至る期間)を演算し、演算した金利期間
を、利用者によって入力された各情報と共にメモリ10Bに記憶させる。なお、以下
では、評価対象の通貨オプションの種類としてリバースノックアウトオプションが指定さ
れ、評価対象の通貨オプションのプレミアムとしてリバースノックアウトオプションのプ
レミアムを演算する場合を説明するが、本発明において、評価対象の通貨オプションはリ
バースノックアウトオプションに限られるものではなく、他のエキゾチックオプションで
もよいし、プレインオプションでもよい。
次のステップ56では、第1通貨及び第2通貨の種類をメモリ10Bから読み出して為替
情報提供システム20へ送信することで、第1通貨と第2通貨との現在のスポットレート
、第1通貨の現在の金利r、第2通貨の現在の金利rを為替情報提供システム2
0に問い合わせ、為替情報提供システム20から受信したスポットレートS、金利r
,rを記憶部10Cに設けられた為替情報テーブルに格納する。
本実施形態に係るプレミアム演算処理では、詳細は後述するが、通貨オプション市場で取
引されているプレインオプションの情報に基づいて評価対象の通貨オプションのプレミア
ムを演算している。本実施形態では、上記のプレインオプションとして、市場での流動性
が高いATMプレインオプション、25デルタコール・プレインオプション及び25デル
タプット・プレインオプションの3種類のプレインオプションを用いている。ここで、A
TMプレインオプションとは、コール・プットのデルタ値が等しい行使価格となるオプシ
ョンである。また、25デルタコールオプションは、図5に示すように、デルタが25%
になる点に行使価格が設定されたコールオプションであり、25デルタプットオプション
は、図6に示すように、デルタが25%になる点に行使価格が設定されたプットオプショ
ンである。これらのプレインオプションは、ボラティリティをクオートして取引が行われ
、ボラティリティ及び取引時の諸変数(スポットレートや金利等)からGKモデルを用い
て計算されたプレミアム金額が受払いされる。すなわち、これらプレインオプションのボ
ラティリティの値は市場から入手可能である。
このため、次のステップ58では、評価対象の通貨オプションの行使期間Tをメモリ1
0Bから読み出してディスプレイ12に表示させると共に、表示した行使期間Tと同一
の行使期間(評価対象の通貨オプションと行使期間が同一)のATMフラットボラティリ
ティσATM、25デルタのリスクリバーサルのボラティリティΔσRR、及び、25デ
ルタのバタフライのボラティリティΔσBFの入力を要請するメッセージをディスプレイ
12に表示させることで、上記各情報を利用者に入力させる。なお、本実施形態に係るプ
レミアム演算処理では、プレミアム支払通貨として第1通貨(第1/第2通貨がUSドル
/日本円であれば第1通貨はUSドル)を、基準レートとしてフォワードレートを各々適
用して評価対象の通貨オプションのプレミアムを演算しており、上記のステップ58では
、より詳しくは、第1通貨支払で基準レートがフォワードレートの通貨オプションのボラ
ティリティを利用者に入力させる。次のステップ60では上記各情報が入力されたか否か
判定し、判定が肯定される迄ステップ60を繰り返す。
上記のメッセージがディスプレイ12に表示されると、利用者は、ディスプレイ12に表
示された評価対象の通貨オプションの行使期間Tと同一の行使期間のATMフラットボ
ラティリティσATM、25デルタのリスクリバーサルのボラティリティΔσRR、及び
、25デルタのバタフライのボラティリティΔσBFの市場値を入手し(これらの市場値
は為替情報提供システム20からオンラインで入手することも可能である)、入手した市
場値をキーボード14を介して入力する操作を行う。但し、市場で取引されている通貨オ
プションのうち1年以上の長期間の通貨オプションは、フォワードレートを基準として取
引が行われ(例えば「25デルタのオプション」はフォワードレート基準でデルタ値が2
5(=0.25)となるオプション(以下、このオプションを「25フォワードデルタ」のオプ
ションと称する)を指している)、対応するボラティリティの市場値が第1通貨支払かつ
フォワードレート基準でのボラティリティであるのに対し、1年未満の短期間の通貨オプ
ションは、スポットレートを基準として取引が行われ(例えば「25デルタのオプション
」はスポットレート基準でデルタ値が25(=0.25)となるオプション(以下、このオプシ
ョンを「25スポットデルタ」のオプションと称する)を指している)、対応するボラテ
ィリティの市場値が第1通貨支払ではあるもののスポットレート基準でのボラティリティ
である。
このため、本実施形態ではスポットレート基準のボラティリティをフォワードレート基準
のボラティリティへ換算する機能を備えたボラティリティ換算プログラムがコンピュータ
10の記憶部10Cにインストールされており、評価対象の通貨オプションの行使期間T
が、市場での取引がスポットレートを基準として行われる比較的短い期間(例えば1年
未満)であり、入手したボラティリティの市場値がスポットレート基準の値であった場合
、利用者は、ボラティリティ換算プログラムをCPU10Aによって実行させ、入手した
スポットレート基準のボラティリティをキーボード14を介して入力することで、スポッ
トレート基準のボラティリティをボラティリティ換算プログラムによってフォワードレー
ト基準のボラティリティへ換算させる。そして、換算後のフォワードレート基準のボラテ
ィリティをキーボード14を介して入力することで、第1通貨支払かつフォワードレート
基準でのボラティリティσATM,ΔσRR,ΔσBFをプレミアム演算処理(図2)へ受
け渡す。
上記のようにしてボラティリティの市場値(第1通貨支払かつフォワードレート基準での
ボラティリティσATM,ΔσRR,ΔσBF)が利用者によって入力されると、ステップ
60の判定が肯定されてステップ62へ移行する。ここで、25デルタに関して入手可能
なボラティリティの市場値は、25デルタコールプレインオプションのボラティリティと
25デルタプットプレインオプションのボラティリティとの偏差である25デルタのリス
クリバーサルのボラティリティΔσRRと、25デルタコールプレインオプションと25
デルタプットプレインオプションのボラティリティの平均値とATMプレインオプション
のボラティリティの偏差である25デルタのバタフライのボラティリティΔσBFである
ので、ステップ62では入力された各情報を用いて次の(3),(4)式の演算を行うことで
、25フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリティσC25及び25
フォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティσP25を各々算出する

σC25=σATM+ΔσBF+ΔσRR/2 ...(3)
σP25=σATM+ΔσBF−ΔσRR/2 ...(4)
そして、算出した25フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリティσ
C25及び25フォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティσP25
を、利用者によって入力されたATMプレインオプションのボラティリティと共にメモリ
10Bに記憶させる。
なお、上記ではボラティリティの市場値を利用者に入力させているが、これに限られるも
のではなく、為替情報提供システム20からボラティリティの一覧を取得し、取得した一
覧から、評価対象の通貨オプションと行使期間が同一の各プレインオプションのボラティ
リティを抽出するようにしてもよいし、評価対象の通貨オプションの行使期間Tを為替
情報提供システム20へ通知すると共に、行使期間が通知した行使期間Tと同一の各プ
レインオプションのボラティリティを為替情報提供システム20へ問い合わせ、該当する
ボラティリティを為替情報提供システム20から受信するようにしてもよい。これらの態
様において、取得したボラティリティの市場値がスポットレート基準の値であった場合は
、ボラティリティ換算プログラムを自動的に起動し、スポットレート基準のボラティリテ
ィをフォワードレート基準のボラティリティへ自動的に換算させて上記 (3),(4)式の演
算を行うことが望ましい。
次のステップ64では、スポットレートS、金利r,rを為替情報テーブルから読
み出すと共に、評価対象の通貨オプションのデルタΔ又は行使価格K、行使期間T
、金利期間T、ATMフラットボラティリティσATMをメモリ10Bから読み出し、
読み出した各情報を用いて評価対象の通貨オプションのプレミアムPを演算し、演算し
たプレミアムPをメモリ10Bに記憶させる。GKモデルのフレームワークにおいて、
リバースノックアウトオプションのプレミアムPは、コールオプションかプットオプショ
ンかに拘わらず次の(5)式で表される。
Figure 0005809327
但し、(5)式におけるd1〜d8,ξは次の(6)式で表される。
Figure 0005809327
ここで、上記の(5),(6)式において、Kは行使価格、Kはオプションの権利が消滅す
るノックアウト価格、N( )は標準正規分布の累積確率密度関数であり、行使価格Kとし
て評価対象の通貨オプションの行使価格Kを、ボラティリティσとしてATMフラット
ボラティリティσATMを各々用いて上記(5),(6)式の演算を行うことで、リバースノ
ックアウトオプションである評価対象の通貨オプションのプレミアムPを算出すること
ができる。なお、評価対象の通貨オプションを規定する情報として評価対象の通貨オプシ
ョンの行使価格Kが利用者によって入力された場合は、入力された行使価格Kを(5)
,(6)式における行使価格Kとしてそのまま用いればよいが、行使価格Kに代えて評価
対象の通貨オプションのデルタ値Δが入力された場合には、入力されたデルタ値Δ
所定の演算式に代入して評価対象の通貨オプションの行使価格Kを算出した後に(5),(
6)式へ代入することで、評価対象の通貨オプションのプレミアムPを算出することが
できる。
評価対象の通貨オプションのデルタ値Δから行使価格Kの算出は、具体的には、例え
ば後出の (9)式又は(11)式におけるデルタ値"0.25"に代えて評価対象の通貨オプション
のデルタ値Δを代入して変数dを演算した後、算出された変数dを後出の(10)式又
は(12)式に代入して行使価格Kを演算することで実現できる。
次のステップ66では、為替情報テーブルからスポットレートSを読み出すと共に、ス
テップ64で演算した評価対象の通貨オプションのプレミアムPと、ATMフラットボ
ラティリティσATMをメモリ10Bから各々読み出し、読み出した各情報を次の(7)式
に各々代入することで、評価対象の通貨オプションの所定のリスクパラメータとして、評
価対象の通貨オプションのベガV、ボルガVσ、バンナVsを各々演算し、演算したベガ
V、ボルガVσ、バンナVsをメモリ10Bに各々記憶させる。
Figure 0005809327
次のステップ68では、ATMプレインオプション、25フォワードデルタ・コールプレ
インオプション及び25フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格を各々
演算する行使価格演算処理を行う。
この行使価格演算処理について、図3を参照して説明すると、まずステップ100では、
為替情報テーブルからスポットレートSを読み出すと共に、金利期間T、行使期間T
、ATMフラットボラティリティσATMをメモリ10Bから各々読み出し、読み出し
た各情報を次の(8)式に各々代入することで、第1通貨支払でのATMプレインオプショ
ンの行使価格KATMを演算し、演算したATMプレインオプションの行使価格KATM
をメモリ10Bに記憶させる。
Figure 0005809327
次のステップ102、104では25フォワードデルタ・コールプレインオプションの行
使価格を算出する。すなわち、まずステップ102では、25フォワードデルタ・コール
プレインオプションのボラティリティσC25及び行使期間Tをメモリ10Bから各々
読み出し、読み出した各情報を次の(9)式に各々代入し、ボラティリティσC25及び行
使期間Tを代入した(9)式を満足する変数Dを求める。
Figure 0005809327
なお、(9)式におけるN( )は標準正規分布の累積確率密度関数であり、(9)式中の"0.25
"はフォワードデルタの値を表している。(9)式を満足する変数Dの値は直接算出する
ことができないため、ステップ102では、(9)式を満足しているか否かを判定すること
を変数Dの値を変化させながら繰り返すことで、(9)式を満足する変数Dの値を探索
する。以下、変数Dの値を探索する処理の一例について、図4を参照して説明する。
図4に示す解探索処理では、ステップ120〜ステップ138で変数Dの値の絞り込み
を行った後、ステップ142〜ステップ152でニュートン法を適用して変数Dの解を
探索している。すなわち、まずステップ120において、変数Dに予め定められた初期
値Dinitを代入する。なお、初期値Dinitとしては、例えば"10"程度の値を用い
ることができる。ステップ122では変数Dを演算式((9)式)に代入し、演算式の右辺
の値Xを演算する。次のステップ124では、ステップ122の演算によって得られた
値Xの絶対値が0に十分近い値か否か判定する。図4の例では|X|が1×10-12より
も小さいか否かを判定しており、判定が肯定された場合は変数Dの値の絞り込みを終了
してステップ142へ移行するが、判定が否定された場合はステップ126でカウンタi
に1を代入する。
次のステップ128では、カウンタiと変動幅wの積に初期値Dinitを加算した値を
変数Dに代入する(D←Dinit+i×w)ことで、変数Dの値を変動幅wだけ変
更する。なお、変動幅wとしては、例えば"1"程度の値を用いることができる。ステップ
130では、ステップ128で値を変更した変数Dを演算式((9)式)に代入し、演算式
の右辺の値Xを演算する。次のステップ132では、ステップ130の演算によって得
られた値Xの絶対値が0に十分近い値か否か判定する。図4の例では|X|が1×10-1
2よりも小さいか否かを判定しており、判定が肯定された場合は変数Dの値の絞り込み
を終了してステップ142へ移行するが、判定が否定された場合はステップ134へ移行
し、値Xと1つ前の値Xi−1の符号が相違しているか否か判定する。この判定が肯定
された場合、変数Dの解は、現在のiに対応する値と(i−1)に対応する値の間に存在
していると判断できるので、変数Dの値の絞り込みを終了してステップ142へ移行す
る。
また、ステップ134の判定が否定された場合はステップ136へ移行し、カウンタiの
値が30になったか否か判定する。この判定が否定された場合は、ステップ138でカウ
ンタiの値を1だけインクリメントした後にステップ128に戻る。これにより、ステッ
プ132、134、136の何れかの判定が肯定される迄ステップ128〜ステップ13
8が繰り返される。カウンタiの値が30になる迄の間ステップ132、134の判定が
何れも肯定されなかった場合は、ステップ136の判定が肯定されてステップ140へ移
行し、変数Dの解無しを出力して処理を終了する。この場合の変数Dの解の探索は、
別の手法(例えば二分法等)を適用して行うことができる。なお、ステップ128〜ステ
ップ138のループ回数の上限値としては、上記の"30"以外の値を適用してもよいこと
は言うまでもない。
一方、ステップ124,132,134の何れかの判定が肯定された場合には、まずステ
ップ142でカウンタjに1を代入する。またステップ144では、現在の変数Dを演
算式((9)式)に代入し、演算式の右辺の値Xを演算する。次のステップ146では、ステ
ップ144の演算によって得られた値Xの絶対値が0に十分近い値(|X|<1×10-12)
か否か判定する。先のステップ124又はステップ132の判定が肯定されていた場合は
この判定が肯定されるが、この場合は変数Dの現在の値が変数Dの解であると判断で
きるので、ステップ154で現在の変数Dの値を解として出力し(メモリ10Bに記憶
させ)、処理を終了する。一方、ステップ146の判定が否定された場合はステップ14
8へ移行し、カウンタjの値が20になったか否か判定する。この判定が否定された場合
はステップ150へ移行し、次の(10)式に従って変数Dの値を更新する。
←D−X/F'(D) ...(10)
但し、(10)式におけるF'(D)は次の(11)式で表せる。
Figure 0005809327
なお、このときの変数Dの値の探索は、25フォワードデルタ・コールプレインオプシ
ョンの行使価格の算出が目的であるので、上記(11)式におけるボラティティσとしては、
25フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリティσC25を用いるこ
とができる。
次のステップ152ではカウンタjの値を1だけインクリメントしてステップ144に戻
る。これにより、ステップ146、148の何れかの判定が肯定される迄ステップ144
〜ステップ152が繰り返される。カウンタjの値が20になる迄の間ステップ146の
判定が肯定されなかった場合は、ステップ148の判定が肯定されてステップ140へ移
行し、変数Dの解無しを出力して処理を終了する。なお、ステップ144〜ステップ1
52のループ回数の上限値としても、上記の"20"以外の値を適用してもよいことは言う
までもない。また、当初はステップ146の判定が否定されたものの、その後ステップ1
48の判定が肯定される前にステップ146の判定が肯定された場合は、ステップ154
で現在の変数Dの値を解として出力し(メモリ10Bに記憶させ)、処理を終了する。
以上の処理を行うことで、(9)式を満足する変数Dの値を得ることができる。
行使価格演算処理(図3)では、続いてステップ104において、スポットレートS、金
利r,rを為替情報テーブルから各々読み出すと共に、金利期間T、行使期間T
、変数D、25フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリティσC2
をメモリ10Bから各々読み出し、読み出した各情報を次の(12)式に各々代入すること
で、第1通貨支払の25フォワードデルタ・コールプレインオプションの行使価格KC2
を演算し、演算した第1通貨支払の25フォワードデルタ・コールプレインオプション
の行使価格KC25をメモリ10Bに記憶させる。
Figure 0005809327
続いてステップ106、108では25フォワードデルタ・プットプレインオプションの
行使価格を算出する。すなわち、ステップ106では25フォワードデルタ・コールプレ
インオプションのボラティリティσP25及び行使期間Tをメモリ10Bから各々読み
出し、読み出した各情報を次の(13)式に各々代入し、ボラティリティσP25及び行使期
間Tを代入した(13)式を満足する変数Dを求める。
Figure 0005809327
なお、(13)式におけるN( )は標準正規分布の累積確率密度関数であり、(13)式中の"0.25
"もフォワードデルタの値を表している。(13)式を満足する変数Dの値も直接算出する
ことができないため、ステップ106においても、前述の解探索処理(図4)を行う(但し
、先の(11)式におけるボラティティσとしては、25フォワードデルタ・プットプレイン
オプションのボラティリティσP25を用いる)ことで、上記の(13)式を満足する変数D
の値を探索する。
そしてステップ108では、スポットレートS、金利r,rを為替情報テーブルか
ら各々読み出すと共に、金利期間T、行使期間T、変数D、25デルタのプットプ
レインオプションのボラティリティσP25をメモリ10Bから各々読み出し、読み出し
た各情報を次の(14)式に各々代入することで、第1通貨支払の25フォワードデルタ・プ
ットプレインオプションの行使価格KP25を演算し、演算した第1通貨支払の25フォ
ワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格KP25をメモリ10Bに記憶させ
る。
Figure 0005809327
以上の行使価格演算処理によってATMプレインオプション、25フォワードデルタ・コ
ールプレインオプション及び25フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価
格を各々演算すると、プレムアム演算処理(図2)のステップ70へ移行する。
ステップ70では、スポットレートS、金利r,rを為替情報テーブルから各々読
み出すと共に、金利期間T、ATMプレインオプション、25フォワードデルタ・コー
ルプレインオプション及び25フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格
ATM,KC25,KP25、ATMフラットボラティリティσATM、25フォワード
デルタ・コールプレインオプション及び25フォワードデルタ・プットプレインオプショ
ンのボラティリティσC25P25をメモリ10Bから各々読み出し、読み出した各
情報を、演算対象のオプションがコールオプションであれば(15)式に、演算対象のオプシ
ョンがプットオプションであれば(16)式に代入して、ATMプレインオプション、25フ
ォワードデルタ・コールプレインオプション及び25フォワードデルタ・プットプレイン
オプションのプレミアムPATM,PC25,PP25を各々演算し、演算したプレミアム
ATM,PC25,PP25をメモリ10Bに各々記憶させる。
Figure 0005809327
なお、ステップ70の演算において、25フォワードデルタ・コールプレインオプション
のプレミアムPC25の演算時には、ボラティティとして、25フォワードデルタ・コー
ルプレインオプションのボラティリティσC25が用いられ、25フォワードデルタ・プ
ットプレインオプションのプレミアムPP25の演算時には、ボラティティとして、25
フォワードデルタ・プットプレインオプションのボラティリティσP25が用いられる。
続いてステップ70では、スポットレートSを為替情報テーブルから各々読み出すと共
に、ATMプレインオプション、25フォワードデルタ・コールプレインオプション及び
25フォワードデルタ・プットプレインオプションのプレミアムPATM,PC25,P
25、ボラティリティσATMC25P25をメモリ10Bから各々読み出し、読
み出した各情報を先の(7)式に各々代入することで、ATMプレインオプションのベガV
ATM、ボルガVσATM、バンナVsATM、25フォワードデルタ・コールプレイン
オプションのベガVC25、ボルガVσC25、バンナVsC25、25フォワードデル
タ・プットプレインオプションのベガVP25、ボルガVσP25、バンナVsP25
各々演算し、演算したベガVATM,VC25,VP25、ボルガVσATM,VσC25,
σP25、バンナVsATM,VsC25,VsP25をメモリ10Bに各々記憶させる
次のステップ74では、先のステップ66で演算した評価対象の通貨オプションのベガV
、ボルガVσ、バンナVsをメモリ10Bから読み出すと共に、ステップ70で演算した
ATMプレインオプション、25フォワードデルタ・コールプレインオプション、25フ
ォワードデルタ・プットプレインオプションのベガVATM,VC25,VP25、ボルガ
σATM,VσC25,VσP25、バンナVsATM,VsC25,VsP25をメモリ
10Bから読み出し、ATMプレインオプション、25フォワードデルタ・コールプレイ
ンオプション、25フォワードデルタ・プットプレインオプションを組合わせたポートフ
ォリオのベガ、ボルガ、バンナが、評価対象の通貨オプションのベガV、ボルガVσ、バ
ンナVsと等しくなる(次の(17)式に示す関係を満足する)ときの、各プレインオプショ
ンの構成比率(金額比率)AATM,AC25,AP25を演算し、演算した構成比率A
TM,AC25,AP25をメモリ10Bに記憶させる。
Figure 0005809327
なお、上記の(17)式の関係を満足する構成比率AATM,AC25,AP25は、メモリか
ら読み出した各データを次の(18)式に各々代入して演算することで求めることができる。
Figure 0005809327
次のステップ76では、スポットレートS、金利r,rを為替情報テーブルから各
々読み出すと共に、金利期間T、25フォワードデルタ・コールプレインオプション及
び25フォワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格KC25,KP25、A
TMフラットボラティリティσATMをメモリ10Bから各々読み出し、読み出した各情
報を、25フォワードデルタ・コールプレインオプションについては先の(15)式に、25
フォワードデルタ・プットプレインオプションについては(16)式に代入することで、ボラ
ティリティσとしてATMフラットボラティリティσATMを用いたときの25フォワー
ドデルタ・コールプレインオプション及び25フォワードデルタ・プットプレインオプシ
ョンのプレミアムP'C25,P'P25を各々演算し、演算したプレミアムP'C25,P'
P25をメモリ10Bに各々記憶させる。
これにより、25フォワードデルタ・コールプレインオプション及び25フォワードデル
タ・プットプレインオプションについては、ボラティリティσとして25フォワードデル
タ・コールプレインオプションのボラティリティσC25、25フォワードデルタ・プッ
トプレインオプションのボラティリティσP25を用いて演算したプレミアムPC25,
P25と、ボラティリティσとしてATMフラットボラティリティσATMを用いて演
算したプレミアムP'C25,P'P25がメモリ10Bに各々記憶されることになる。
ステップ78では、25フォワードデルタ・コールプレインオプションのプレミアムP
25,P'C25と、25フォワードデルタ・プットプレインオプションのプレミアムP
25,P'P25をメモリ10Bから各々読み出し、25フォワードデルタ・コールプレイ
ンオプションの2種類のプレミアムを次の(19)式に代入してその偏差(差額)ZetaC25
演算すると共に、25フォワードデルタ・プットプレインオプションの2種類のプレミア
ムを次の(20)式に代入してその偏差(差額)ZetaP25を演算し、演算した偏差ZetaC25
,ZetaP25をメモリ10Bに記憶させる。
ZetaC25=PC25−P'C25 ...(19)
ZetaP25=PP25−P'P25 ...(20)
またステップ80では、ステップ78で演算した偏差ZetaC25,ZetaP25及び先のス
テップ74で演算した構成比率AC25,AP25をメモリ10Bから各々読み出し、読
み出した各情報を次の(21)式に各々代入して補正値Zetaを演算し、演算した補正値Zetaを
メモリ10Bに記憶させる。
Zeta=AC25・ZetaC25+AP25・ZetaP25 ...(21)
ところでノックアウトオプションでは、スポットレートSがオプションの権利が消滅す
るノックアウト価格Kに近づくに従ってオプションの権利消滅の確率が高くなり、その
プレミアムはオプションの権利消滅の確率が高くなるに従って低下する。次のステップ8
2では、スポットレートSのノックアウト価格Kへの到達確率に応じて補正値Zetaを
更に補正することを目的として、スポットレートSのノックアウト価格Kへの到達確
率を表すGap到達率Rを演算する。Gap到達率Rは、ノックアウト価格Kへが設定
されていないプレインオプション等では一律に0(%)になるが、評価対象の通貨オプショ
ンがリバースノックアウトオプション等である場合は、デジタルタッチオプション(Digit
al Touch Option)のプレミアムを演算することで求めることができる。
デジタルタッチオプションとは、図7に示すように、オプション行使期日前にスポットレ
ートSが一度でも行使価格K以上(又は以下)となった場合に、予め定められたリベート
Zを受取ることができるオプションである。なお、デジタルタッチオプションのうち、図
7(A)に示すようにスポットレートSが行使価格K以上になるとリベートZを受取ること
ができるものをコールオプション、スポットレートSが行使価格K以下になるとリベート
Zを受取ることができるものをプットオプションという。デジタルタッチオプションのプ
レミアムは、スポットレートSの行使価格Kへの到達確率を反映したものとなり、図7に
破線で示すように、スポットレートSが行使価格Kに近くなる従ってリベートZに近づき
、行使価格K以上又は以下になるとリベートZに一致する。すなわち、デジタルタッチオ
プションの単位リベート額当りのプレミアムは、スポットレートSの行使価格Kへの到達
確率を表していると見なすことができるので、評価対象のオプションのノックアウト価格
に等しい行使価格Kを有するデジタルタッチオプションのプレミアムを用いてGap
到達率Rを求めることができる。
GKモデルのフレームワークにおいて、コールのデジタルタッチオプションのプレミアム
は次の(22)式で、プットのデジタルタッチオプションのプレミアムは次の(23)式で各々表
される。
Figure 0005809327
但し、
Figure 0005809327
である。
上記のように、コールのデジタルタッチオプションは、行使期日前に行使価格K以上にな
るとリベートZを受取ることができるものであるので、リベートZが「1」であるコール
のデジタルタッチオプションのプレミアムは、スポットレートSが行使期日前に行使価格
K以上になる確率を表している。そして、コールのリバースノックアウトオプション又は
プットのOTMノックアウトオプションは、スポットレートSがノックアウト価格K
上になるとオプションの権利が消滅する。このため、評価対象のオプションがコールのリ
バースノックアウトオプション又はプットのOTMノックアウトオプションである場合は
、スポットレートS、金利r,rを為替情報テーブルから各々読み出すと共に、金
利期間T、オプション期間T、評価対象の通貨オプションの行使価格K、ATMフ
ラットボラティリティσATMをメモリ10Bから各々読み出し、読み出した各情報を(2
2),(24)式に各々代入すると共にZに1を代入し、金利期間T及びオプション期間T
が評価対象の通貨オプションと同一で、かつリベートZが「1」のコールのデジタルタッ
チオプションのプレミアムPを演算し、演算したプレミアムPをGap到達率Rとしてメ
モリ10Bに記憶させる。
一方、プットのデジタルタッチオプションは、行使期日前に行使価格K以下になるとリベ
ートZを受取ることができるものであるので、リベートZが「1」であるプットのデジタ
ルタッチオプションのプレミアムは、スポットレートSが行使期日前に行使価格K以下に
なる確率を表している。そして、プットのリバースノックアウトオプション又はコールの
OTMノックアウトオプションは、スポットレートSがノックアウト価格K以下になると
オプションの権利が消滅する。このため、評価対象オプションがプットのリバースノック
アウトオプション又はコールのOTMノックアウトオプションである場合は、スポットレ
ートS、金利r,rを為替情報テーブルから各々読み出すと共に、金利期間T
オプション期間T、評価対象の通貨オプションの行使価格K、ATMフラットボラテ
ィリティσATMをメモリ10Bから各々読み出し、読み出した各情報を(23),(24)式に
各々代入すると共にZに1を代入し、金利期間T及びオプション期間Tが評価対象の
通貨オプションと同一で、かつリベートZが「1」のプットのデジタルタッチオプション
のプレミアムPを演算し、演算したプレミアムPをGap到達率Rとしてメモリ10Bに
記憶させる。
次のステップ84では、先のステップ80で演算した補正値Zeta、ステップ82で演算し
たGAP到達率Rをメモリ10Bから各々読み出し、読み出した各情報を次の(25)式に代入
して補正値Zetaの補正演算を行い、補正後の補正値Zetaをメモリ10Bに記憶させる。
Zeta=(1−R)・Zeta ...(25)
上記の(25)式における(1−R)は評価対象の通貨オプションが行使期日まで生存している
(権利が消滅していない)確率を表しており、ノックアウト価格Kが設定されていないプ
レーンオプション等ではGAP到達率R=0(%)であるので、(1−R)=1となり、上記の
補正演算に拘わらず補正値Zetaの値は変化しないが、ノックアウト価格Kが設定されて
いるノックアウトオプションやノックインオプション等のバリア系オプションでは、GAP
到達率R>0(%)であるので、(1−R)<1となり、評価対象の通貨オプションが行使期
日まで生存している確率が小さくなるに従って、上記の補正演算後の補正値Zetaの値は小
さくなる。
次のステップ86では、先のステップ80で演算した評価対象の通貨オプションのプレミ
アムP、ステップ84の補正演算を経た補正値Zetaをメモリ10Bから各々読み出し、
読み出した各情報を次の(26)式に代入して演算することで、評価対象の通貨オプションの
プレミアムPを補正値Zetaによって補正し、補正後のプレミアムPをメモリ10Bに
記憶させる。
=P+Zeta ...(26)
そしてステップ88では、ステップ84の補正演算を経たプレミアムPをメモリ10B
から読み出し、読み出したプレミアムPを評価対象の通貨オプションのプレミアムとし
て出力し(例えばディスプレイ12に表示させ)、プレミアム演算処理を終了する。
このように、本実施形態では、25フォワードデルタ・コールプレインオプションについ
て、25フォワードデルタ・コールプレインオプションのボラティリティσC25を用い
た場合のプレミアムPC25と、ATMフラットボラティリティσATMを用いた場合の
プレミアムP'C25を各々演算してその偏差ZetaC25を演算すると共に、25フォワ
ードデルタ・プットプレインオプションについても、25フォワードデルタ・プットプレ
インオプションのボラティリティσP25を用いた場合のプレミアムPP25と、ATM
フラットボラティリティσATMを用いた場合のプレミアムP'P25を各々演算してそ
の偏差ZetaP25を演算し、それぞれの偏差を、ATMプレインオプション、25フォワ
ードデルタ・コールプレインオプション及び25フォワードデルタ・プットプレインオプ
ションを組合わせたポートフォリオのベガV、ボルガVσ、バンナVsが、評価対象の通
貨オプションのベガV、ボルガVσ、バンナVsと等しくなるときの、前記ポートフォリ
オの各プレインオプションの構成比率に応じて重み付けして加算することで補正値Zetaを
演算し、ATMフラットボラティリティσATMを用いて演算した評価対象の通貨オプシ
ョンのプレミアムPを補正値Zetaによって補正しているので、通貨オプションのプレミ
アムの演算に用いたモデル(GKモデルのフレームワーク)が前提としている確率分布の
誤差を補正することができ、評価対象の通貨オプションのプレミアムとして、通貨オプシ
ョンのリスク引き受け手のリスクの大きさを正確に反映した適正な値を得ることができる
また、本実施形態では、補正値Zetaの演算等に用いるATMプレインオプション以外のオ
プションとして、評価対象の通貨オプションと行使期間が同一で、かつフォワードレート
を基準とするデルタが0.25となる25フォワードデルタ・コールプレインオプション及び
25フォワードデルタ・プットプレインオプションを適用し、25フォワードデルタ・コ
ールプレインオプション及び25フォワードデルタ・プットプレインオプションのボラテ
ィリティの市場値を表す25デルタのリスクリバーサルのボラティリティΔσRR及び2
5デルタのバタフライのボラティリティΔσBFを取得し、25フォワードデルタ・コー
ルプレインオプションのボラティリティσC25を用いて25フォワードデルタ・コール
プレインオプションの行使価格KC25を演算すると共に、25フォワードデルタ・プッ
トプレインオプションのボラティリティσP25を用いて25フォワードデルタ・プット
プレインオプションの行使価格KP25を演算しているので、ATMプレインオプション
の行使価格KATMと、25フォワードデルタ・コールプレインオプション及び25フォ
ワードデルタ・プットプレインオプションの行使価格KC25,KP25が揃ってしまう
ことを防止することができ、評価対象の通貨オプションのプレミアムが算出不能となる事
態が生ずることを回避することができる。
なお、上記では評価対象の通貨オプションのプレミアムに対する補正値の演算に用いるプ
レインオプションとして、流動性の高い25フォワードデルタ・プレインオプション及び
ATMプレインオプションを適用した態様を説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、流動性が確保されていれば、例えば10フォワードデルタ・プレインオプショ
ン等、フォワードレートを基準とするデルタが他の値のフォワードデルタ・コールプレイ
ンオプションを用いることも可能である。
また、上記では本発明に係る所定のリスクパラメータ(より詳しくはボラティリティの変
化に対するリスクを表すパラメータ)として、ベガ、ボルガ及びバンナを用いる態様を説
明したが、これに限定されるものではなく、上記のベガ、ボルガ及びバンナの中から1個
又は2個のパラメータを選択して用いてもよいし、別のリスクパラメータ(例えばボラテ
ィリティ以外の指標の変化に対するリスクを表すパラメータ)を用いてもよいし、ベガ、
ボルガ及びバンナ(又はこれらの中から選択した1個又は2個のパラメータ)に、前記別
のリスクパラメータを加えて用いるようにしてもよい。
また、上記では本発明に係る通貨オプションのプレミアム演算プログラムがコンピュータ
10の記憶部10Cに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に
係る通貨オプションのプレミアム演算プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の
記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。この態様は第10の発明に
対応している。
本実施形態に係るコンピュータの概略構成を示すブロック図である。 プレミアム演算処理の内容を示すフローチャートである。 行使価格演算処理の内容を示すフローチャートである。 解探索処理の内容を示すフローチャートである。 25デルタコールプレインオプションを説明するための線図である。 25デルタプットプレインオプションを説明するための線図である。 デジタルタッチオプションを説明するための線図である。
10 コンピュータ
10B メモリ
10C 記憶部
12 ディスプレイ
14 キーボード
20 為替情報提供システム

Claims (2)

  1. スポットレートと第1通貨金利と第2通貨金利と該第1通貨金利に対応する金利期間と権利行使期間と特定のデルタ値に関連する第1ボラティリティと該デルタ値に関連する第2ボラティリティと標準ボラティリティとの入力を受け付ける入力受付部と、
    前記入力受付部により受け付けられた前記第1ボラティリティと前記第2ボラティリティと前記標準ボラティリティとに基づき、前記デルタ値に対応するボラティリティを算出するボラティリティ算出部と、
    前記ボラティリティ算出部において算出された前記デルタ値に対応するボラティリティと、前記入力受付部において受け付けられた前記スポットレートと前記第1通貨金利と前記第2通貨金利と前記金利期間と前記権利行使期間とに基づいて、該デルタ値に対応する権利行使価格を算出する権利行使価格算出部と、
    前記ボラティリティ算出部により算出された前記ボラティリティと前記権利行使価格算出部により算出された権利行使価格とに基づいて、オプションプレミアムを算出するプレミアム算出部と
    前記入力受付部において受け付けられた前記特定のデルタ値に関連する第1ボラティリティと該デルタ値に関連する第2ボラティリティと前記標準ボラティリティとがスポットレートを基準とした数値であるときには、フォワードレートを基準とした数値に変換する変換部とを備える、通貨オプションプレミアム計算装置。
  2. スポットレートと第1通貨金利と第2通貨金利と該第1通貨金利に対応する金利期間と権利行使期間と特定のデルタ値に関連する第1ボラティリティと該デルタ値に関連する第2ボラティリティと標準ボラティリティとの入力を受け付ける入力受付部と、
    前記入力受付部により受け付けられた前記第1ボラティリティと前記第2ボラティリティと前記標準ボラティリティとに基づき、前記デルタ値およびオプションの種別に対応する複数のボラティリティを算出するボラティリティ算出部と、
    前記ボラティリティ算出部において算出された前記デルタ値に対応する複数のボラティリティと、前記入力受付部において受け付けられた前記スポットレートと前記第1通貨金利と前記第2通貨金利と前記金利期間と前記権利行使期間とに基づいて、該デルタ値および前記オプションの種別に対応する複数の権利行使価格をそれぞれ算出する権利行使価格算出部と、
    前記ボラティリティ算出部により算出された前記複数のボラティリティと前記権利行使価格算出部により算出された複数の権利行使価格とに基づいて、前記オプションの種別に対応するオプションプレミアムをそれぞれ算出するプレミアム算出部と
    前記入力受付部において受け付けられた前記特定のデルタ値に関連する第1ボラティリティと該デルタ値に関連する第2ボラティリティと前記標準ボラティリティとがスポットレートを基準とした数値であるときには、フォワードレートを基準とした数値に変換する変換部と
    を備える、通貨オプションプレミアム計算装置。
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