JP5772646B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却水(放熱用の熱媒体)を用いて暖房を行う「温水式暖房手段」と、電力を用いて暖房を行う「電気式暖房手段」とを搭載する車両用空調装置に関する。
〔従来技術〕
ハイブリッド車に搭載される空調装置の一例として、特許文献1に開示された技術が知られている。
この特許文献1は、「内燃機関(以下、エンジンと称す)の運転」または「電動発電機のモータ作動」によって走行が可能なハイブリッド車において、エンジン稼働率を抑える技術を開示している。
具体的に特許文献1は、充電範囲の上限値を高めて、エンジン稼働中の充電量を増やすものである。これによって、低負荷走行中における発電のためのエンジン再稼働の頻度を減らして、燃料消費を抑えるものである。
〔従来技術の問題点〕
従来技術では、エンジン稼働中の充電量を増やすことで、低負荷走行時におけるエンジンの稼働率を抑えるものであるため、低負荷走行中は冷却水の温度が下がる。
すると、温水式暖房手段による暖房能力が低下することになり、温水式暖房手段の暖房能力の低下分(不足分)を、電気式暖房手段によって補うことになる。その結果、電気式暖房手段に要求される暖房能力が大きくなる。即ち、電力消費が大きくなってしまう。
そして、従来技術では、電力消費の大きい電気式暖房手段が消費した電力分を、エンジンの運転で回復させるため、結果的に燃料消費が大きくなる。
また、高負荷走行中は、エンジンの稼働率が高いため、エンジン排熱量が大きい。その結果、冷却水による暖房能力が余り、エンジンの発生した排熱を捨てることになってしまう。
特開2002−262401号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、暖房運転中に捨てられる排熱量を減らして、電気式暖房手段の電力消費を抑えるとともに、燃料消費を抑えることができる車両用空調装置の提供にある。
〔請求項1の手段〕
車両用空調装置は、暖房運転中において、エンジンの冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」よりも高い場合にエンジン稼働率を抑えた電動発電機のモータ作動優先制御を実施し、エンジンの冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」よりも低い場合にエンジン稼働率を高めた電動発電機のジェネレータ作動優先制御を実施する
これにより、暖房運転中の温水式暖房手段の暖房能力が広い運転範囲において高められるため、電気式暖房手段の電力消費を広い運転範囲において抑えることができる。
そして、電気式暖房手段の電力消費が抑えられるため、電気式暖房手段が消費した電力分を回復させるためのエンジン稼働を抑えることができ、結果的に燃料消費を抑えることが可能になる。
さらに、暖房運転中に捨てられる排熱量を減らすことができるため、暖房運転時におけるエネルギーの無駄を最小に抑えることができる。
〔請求項2の手段〕
電気式暖房手段は、温水式暖房手段による暖房能力の不足分を補うものである。
これにより、電気式暖房手段の暖房割合を抑えることができ、電気式暖房手段による電力消費を抑えることができる。
〔請求項3の手段〕
制御手段は、「冷却水の温度」に基づいてエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御する。
即ち、冷却水の温度を直接検出し、検出した冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」に向かうようにエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御するものである。
〔請求項4の手段〕
制御手段は、「車両の走行負荷」に基づいてエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御する。
即ち、「車両の走行負荷」に基づいて冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」に向かうようにエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御するものである。
〔請求項5の手段〕
制御手段は、「車両の平均車速」に基づいてエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御する。
即ち、「車両の走行負荷」の形態として「車両の平均車速」を用いるものである。
〔請求項6の手段〕
制御手段は、「エンジンの平均稼働率」に基づいてエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御する。
即ち、「車両の走行負荷」の形態として「エンジンの平均稼働率」を用いるものである。
〔請求項7の手段〕
制御手段は、車両走行に要求される「平均要求パワー」に基づいてエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御する。
即ち、「車両の走行負荷」の形態として「平均要求パワー」を用いるものである。
〔請求項8の手段〕
制御手段は、車両に搭載されたカーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)から得られる「今後のルート情報(距離、傾斜、速度、渋滞など)」に基づいてエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御する。
これにより、「今後の車両の走行負荷」を推定することができる。その結果、推定される「今後の車両の走行負荷」に基づいてエンジンおよび電動発電機の作動状態を制御することができ、冷却水を介して捨てられる排熱量を減らすことが可能になる。
〔請求項9の手段〕
「目標水温」または「目標水温範囲」は、車室内の暖房に要求される「暖房要求熱量」に応じて変更される。
これにより、暖房能力が変化しても、冷却水を介して捨てられる排熱量を抑えることができる。
〔請求項10の手段〕
請求項10の車両用空調装置は、ハイブリッド車を燃料電池車に置き代えたものであり、温水式暖房手段は、電力系の放熱を行う冷却水を用いて車室内の暖房を行うものである。
これにより、請求項1と同様の効果を得ることができる。
即ち、暖房運転中に捨てられる排熱量を減らすことができ、暖房中の電力消費を抑えるとともに、燃料消費(水素消費:燃料電池車は「水素を燃料」として走行する車両)を抑えることができる。
車両用空調装置の説明図である(実施例1)。 制御例を示すフローチャートである(実施例1)。 作動説明のためのタイムチャートである(実施例1)。 制御例を示すフローチャートである(実施例2)。
図面を参照して発明の実施形態1、2を説明する。
実施形態1の車両用空調装置は、「エンジン1の運転(この時、電動発電機2はジェネレータ作動)」または「電動発電機2のモータ作動」を切り替えて走行可能なハイブリッド車に搭載される。
そして、この車両用空調装置は、
エンジン1の冷却水を用いて暖房を行う温水式暖房手段3と、
温水式暖房手段3による暖房能力の不足分を補う電気式暖房手段4と、
暖房要求時に、エンジン冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」エンジンの冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」よりも高い場合にエンジン稼働率を抑えた電動発電機のモータ作動優先制御を実施し、エンジンの冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」よりも低い場合にエンジン稼働率を高めた電動発電機のジェネレータ作動優先制御を実施する制御手段と、
を備える。
実施形態2の車両用空調装置は、燃料電池の「水素供給による充電作動」または「放電作動」を切り替えて走行可能な燃料電池車に搭載される。
そして、この車両用空調装置は、
電力系の放熱を行う冷却水を用いて暖房を行う温水式暖房手段3と、
温水式暖房手段3による暖房能力の不足分を補う電気式暖房手段4と、
暖房要求時に、エンジン冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」エンジンの冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」よりも高い場合にエンジン稼働率を抑えた電動発電機のモータ作動優先制御を実施し、エンジンの冷却水の温度が「所定の目標水温」あるいは「所定の目標水温範囲」よりも低い場合にエンジン稼働率を高めた電動発電機のジェネレータ作動優先制御を実施する制御手段と、
を備える。
以下において本発明の具体的な一例(実施例)を、図面を参照して説明する。以下の実施例は具体的な一例を示すものであって、本発明が実施例に限定されないことはいうまでもない。
なお、以下の実施例において、上記「発明を実施するための形態」と同一符号は同一機能物を示すものである。
[実施例1]
図1〜図3を参照して実施例1を説明する。
この実施例の車両用空調装置は、ハイブリッド車に搭載される。
ハイブリッド車は、
・燃料(ガソリン等)の燃焼により走行用の出力を発生する水冷式のエンジン1と、
・電力を消費して走行用の出力を発生可能な電動発電機2と、
・車両の運転状態(乗員の運転状態を含む)に応じてエンジン1および電動発電機2の運転状態を制御する制御手段と、
を備える。
電動発電機2は、モータジェネレータであり、
・車載のバッテリ(電池)5からインバータ6を介して電力の供給を受けると回転出力を発生する電動機(モータ)の機能の他に、
・エンジン1等により駆動された際に発電を行う発電機(ジェネレータ)の機能を有するものである。
制御手段は、通常運転時(後述する暖房運転時とは異なる運転状態の時)に、極力エンジン稼働率を抑えつつ、且つエンジン1の軸効率を優先した「エンジン軸効率優先制御」を実施するものである。
具体的なエンジン1および電動発電機2の切替状態の基本制御は、
・発進時および低速・低負荷走行時には「電動発電機2のモータ作動のみ」により車両走行を実施させ、
・中速・中負荷走行時には「電動発電機2のモータ作動のみ」または「電動発電機2をジェネレータ作動しながらエンジン1の運転」により車両走行を実施させ、
・高速・高負荷走行時には「電動発電機2のモータ作動とエンジン1の運転の両方」により車両走行を実施させるものである。
もちろん、この制御例は、一例であって限定されるものではない。
車両用空調装置は、車室内の前部に搭載されるエアコンユニット11を備える。
このエアコンユニット11は、
・車室内に空調風を導く空調ダクト12と、
・この空調ダクト12内において車室へ向かう空気流を生じさせる送風機13と、
・この送風機13が吸い込む空気を外気または内気に切り替える内外気切替手段14と、を備える。
なお、空調ダクト12の空気下流側には、複数の吹出口(デフロスタ吹出口15、フェイス吹出口16、足元吹出口17など)が設けられており、それぞれがドア18によって手動あるいは自動制御により開閉可能に設けられている。
また、車両用空調装置は、
・空調ダクト12を通過する空気の冷却が可能な冷房手段21と、
・エンジン1の冷却水(温水)を用いて暖房を行う温水式暖房手段3と、
・電力を用いて暖房を行う電気式暖房手段4と、
を備える。
冷房手段21は、冷凍サイクルであり、
・電力を消費して冷媒の吸入と圧縮を行う電動コンプレッサ22と、
・この電動コンプレッサ22で圧縮された高温・高圧の冷媒を外気(車両走行風など)と熱交換して凝縮・液化させる室外熱交換器(冷房運転時におけるコンデンサ)23と、
・室外熱交換器23で凝縮された冷媒を減圧させる減圧器24と、
・空調ダクト12内に配置され、減圧器24で減圧された霧状冷媒と空調ダクト12内を通過する空気と熱交換して空調ダクト12内の空気冷却を行う冷房用エバポレータ25と、
・電動コンプレッサ22にガス冷媒のみを供給するアキュムレータ26と、
を備えて構成される。
温水式暖房手段3は、エンジン1の排出する熱を放熱するための冷却水(温水)を用いて車室内の暖房を行うものであり、
・冷房用エバポレータ25より空気下流側の空調ダクト12内に配置されるヒータコア31と、
・エンジン1を通過した冷却水をヒータコア31へ導く冷却水回路32と、
を備える。
空調ダクト12内には、
・ヒータコア31を迂回するバイパス路33と、
・ヒータコア31を通過する空気とバイパス路33を通過する空気の割合をコントロールするエアミックスドア34と、
が設けられている。
なお、このエアミックスドア34は、「乗員による温度設定」や「冷房用エバポレータ25を通過した空気温度(所謂、エバ後温度)」などに基づいて自動制御可能に設けられている。
電気式暖房手段4は、上述した温水式暖房手段3の暖房能力の不足分を補うものである。即ち、暖房運転時(この時、上述した冷凍サイクルは運転を停止している)で、温水式暖房手段3のみで要求される暖房を実施できない場合に、電気式暖房手段4が温水式暖房手段3の暖房能力の不足分を補うものである。
この実施例の電気式暖房装置は、上述した冷凍サイクルを利用したヒートポンプサイクルであり、ヒータコア31を通過した空気を再加熱する暖房用コンデンサ41を備える。この暖房用コンデンサ41は、上述した電動コンプレッサ22で圧縮された高温・高圧の冷媒と、空調ダクト12内を通過する空気(ヒータコア31を通過した空気)と熱交換させて、車室に向かう空気を加熱するものである。
さらに、電気式暖房手段4は、上述した冷凍サイクルをヒートポンプサイクルとして作動させる手段として、
・暖房時に室外熱交換器23へ導かれる冷媒を減圧する暖房用減圧器42と、
・暖房時に冷媒の流れを暖房用減圧器42に切り替える第1切替弁43と、
・暖房時に冷房用の室内熱交換器をバイパスさせる第2切替弁44と、
を備える。
もちろん、この実施例に示すヒートポンプサイクルは、具体的な一例であり、限定されるものではない。
ここで、車両用空調装置は、
・冷房手段21と温水式暖房手段3とを用いて車室内の温度を目標温度に制御する制御モードと、
・温水式暖房手段3と電気式暖房手段4とを用いて車室内の温度を目標温度に制御する制御モード(暖房運転時)と、
が運転状態に応じて自動的に切り替わるように設けられている。
制御手段は、暖房運転時に、エンジン冷却水の温度が所定の目標水温(例えば、50℃)に向かうように、エンジン1と電動発電機2の作動状態を制御する。
具体的にこの実施例の制御手段は、暖房運転時に、冷却水温度検出手段(水温センサ)から冷却水の温度を直接的に検出し、
・検出した冷却水の温度が目標水温よりも高い場合に、「電動発電機2のモータ作動優先制御(エンジン稼働率を抑えた制御)」を実施し、
・検出した冷却水の温度が目標水温よりも低い場合に、「電動発電機2のジェネレータ作動優先制御(エンジン稼働率を高めた制御)」を実施する。
この制御例を、図2のフローチャートを参照して説明する。
この制御ルーチンに進入すると(スタート)、暖房要求があるか否かの判断を行う(ステップS1)。
このステップS1の判断結果がNOの場合(暖房要求が無い場合)は、上述した「エンジン軸効率優先制御」を実施し(ステップS2)、その後この制御ルーチンを終了する(エンド)。
上記ステップS1の判断結果がYESの場合(暖房要求がある場合)は、エンジン冷却水の温度が目標水温(所定値)以上であるか否かの判断を行う(ステップS3)。
このステップS3の判断結果がYESの場合(冷却水温度が目標水温以上の場合)は、「電動発電機2のモータ作動優先制御(駆動優先)」を実施し(ステップS4)、その後この制御ルーチンを終了する(エンド)。
また、上記ステップS3の判断結果がNOの場合(冷却水温度が目標水温未満の場合)は、「電動発電機2のジェネレータ作動優先制御(発電優先)」を実施し(ステップS5)、その後この制御ルーチンを終了する(エンド)。
次に、図3を参照して作動イメージを説明する。
この作動例では、従来技術の作動を「一点鎖線」で示し、この実施例の作動を「実線」で示す。
図3(a)は、車両の走行負荷の変化例を示す。
即ち、この作動例では、車両の走行負荷が「軽負荷時X」→「軽負荷後の高負荷時Y」→「高負荷後の軽負荷時Z」と変化した時の動作イメージを示す。
図3(b)は、エンジン冷却水の温度の変化例を示す。
図3(c)は、必要とされる暖房熱量に対する温水式暖房手段3の暖房熱量の変化を示す。
図3(d)は、暖房に要する電力(電気式暖房手段4による暖房熱量)の変化を示す。
図3(e)は、SOC(バッテリ5の充電率)の変化を示す。
図3(f)は、燃料消費量の変化を示す。
「軽負荷時X」
(i)従来技術は、極力エンジン稼働率を抑えるものであるため、「軽負荷時X」には「電動発電機2がモータ作動側」で優先制御され、エンジン稼働率が抑えられて、エンジン冷却水の温度が下がる。
そして、エンジン冷却水の温度が許容できる下限に達するか、SOCが所定値を下回るまでエンジン再始動が行われない。その結果、温水式暖房手段3の暖房能力が小さくなり、その不足分を電気式暖房手段4が補う。即ち、電力消費が大きくなる。
(ii)これに対し、この実施例では、エンジン冷却水の温度が目標水温に向かうように、エンジン1と電動発電機2の作動状態が制御され、エンジン冷却水の温度が目標水温に近づく。
その結果、従来技術に比較して温水式暖房手段3の暖房能力が大きくなり、電気式暖房手段4の暖房割合が小さくなる。即ち、電力消費を従来技術に比較して小さくすることができる。
なお、従来技術とこの実施例との消費電力の差を、図中の符号αに示す。
「軽負荷後の高負荷時Y」
(iii)従来技術では、走行負荷が大きくなると、大きな駆動力を発生させるためにエンジン1の運転を行う。即ち、「高負荷時Y」は、「電動発電機2がジェネレータ作動側」で優先制御されて、軸効率の向上を行うとともに、「軽負荷運転時」で消費した電力の回復を行う。このようにエンジン稼働率が高められることによって、エンジン冷却水の温度が上がる。
その結果、冷却水の温度が、温水式暖房手段3に要求される暖房能力よりも大きくなり、暖房に利用されずにラジエータから外気へ捨てられる冷却水の熱量が大きくなる。即ち、暖房運転中に捨てられる排熱量が大きくなる。
なお、暖房中に捨てられる排熱量を、図中の符号βに示す。
(iv)これに対し、この実施例では、上記(ii)と同様、エンジン冷却水の温度が目標水温に向かうように、エンジン1と電動発電機2の作動状態が制御され、エンジン冷却水の温度が目標水温に近づく。
その結果、暖房に利用されずに捨てられる冷却水の熱量を抑えることができる。即ち、暖房運転中に捨てられる排熱量を抑えることができる。
「高負荷後の軽負荷時Z」
(v)従来技術は、上記(i)と同様、「高負荷後の軽負荷時Z」において「電動発電機2がモータ作動側」で優先制御され、エンジン稼働率が抑えられて、エンジン冷却水の温度が下がる。
その結果、温水式暖房手段3の暖房能力が小さくなり、その不足分を電気式暖房手段4が補う。即ち、電力消費が大きくなる。
(vi)これに対し、この実施例では、上記(ii)と同様、エンジン冷却水の温度が目標水温に向かうように、エンジン1と電動発電機2の作動状態が制御され、エンジン冷却水の温度が目標水温に近づく。
その結果、従来技術に比較して温水式暖房手段3の暖房能力が大きくなり、電気式暖房手段4の暖房割合が小さくなる。即ち、電力消費を従来技術に比較して小さくすることができる。
なお、従来技術とこの実施例との消費電力の差を、図中の符号γに示す。
(実施例1の効果)
この実施例の車両用空調装置は、上述したように、暖房運転中において、エンジン冷却水の温度が「所定の目標水温」に向かうように、エンジン1および電動発電機2の作動状態が制御される。
これにより、広い運転範囲において温水式暖房手段3の暖房能力が高められるため、広い運転範囲において電気式暖房手段4の電力消費を抑えることができる。
また、従来技術に比較して、暖房運転中に捨てられる排熱量を減らすことができ(符号β参照)、エネルギーの無駄を最小に抑えることができる。
さらに、広い運転領域において電気式暖房手段4の電力消費が抑えられるため(符号α、γ参照)、電気式暖房手段4が消費した電力分を回復させるためのエンジン稼働を抑えることができる。その結果、図3(f)に示すように、従来技術に比較して燃料消費を抑えることができる。
[実施例2]
図4を参照して実施例2を説明する。なお、この実施例2において上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
上記の実施例1では、暖房運転時に、「冷却水の温度」を直接検出してエンジン1および電動発電機2の作動状態を制御する例を示した。
これに対し、この実施例2では、暖房運転時に、「車両の走行負荷」からエンジン1および電動発電機2の作動状態を制御するものである。
即ち、この実施例2は、「車両の走行負荷」に基づいて冷却水の温度が「所定の目標水温」に向かうようにエンジン1および電動発電機2の作動状態を制御するものである。
なお、「車両の走行負荷」は、
・所定時間前(例えば、5分前)の過去から現在に至る「車両の平均車速(km/h)」から求めても良いし、
・所定時間前の過去から現在に至る「エンジン1の平均稼働率(%)」から求めても良いし、
・所定時間前の過去から現在に至る「車両走行に要求される平均要求パワー(kW)」から求めても良い。
あるいは、「車両の走行負荷」を、車両に搭載されたカーナビから得られる「今後のルート情報」に基づいて求めても良い。
即ち、「今後のルート情報」から得られる「走行距離、路面の傾斜角、予想車速、予想される渋滞状況など」に基づいて「車両の走行負荷」を推定し、推定した「車両の走行負荷」を考慮してエンジン1および電動発電機2の作動状態を制御しても良い。
「車両の走行負荷」に基づく制御例を、図4のフローチャートを参照して説明する。
この制御ルーチンに進入すると(スタート)、暖房要求があるか否かの判断を行う(ステップS1)。
このステップS1の判断結果がNOの場合(暖房要求が無い場合)は、上述した「エンジン軸効率優先制御」を実施し(ステップS2)、その後この制御ルーチンを終了する(エンド)。
上記ステップS1の判断結果がYESの場合(暖房要求がある場合)は、車両の平均走行負荷を算出する(ステップS10)。
続いて、ステップS10で算出された平均走行負荷が所定負荷(所定値)以上であるか否かの判断を行う(ステップS11)。
このステップS11の判断結果がYESの場合(平均走行負荷が所定負荷以上の場合)は、「電動発電機2のモータ作動優先制御」を実施し(ステップS4)、その後この制御ルーチンを終了する(エンド)。
また、上記ステップS11の判断結果がNO場合(平均走行負荷が所定負荷未満の場合)は、「電動発電機2のジェネレータ作動優先制御」を実施し(ステップS5)、その後この制御ルーチンを終了する(エンド)。
このように、「車両の走行負荷」に基づいて電動発電機2の作動状態を制御しても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、カーナビに連動させて「今後の車両の走行負荷」を推定することにより、「高負荷走行後の水温が高い状態で目的地に到着して、冷却水の熱が無駄に捨てられる不具合」を回避することが可能になる。
[変形例]
上記の実施例1では、冷却水温が「所定の目標水温(例えば、50℃)」となるように制御を行う例を示したが、冷却水温が「所定の目標水温範囲(例えば、50℃〜60℃)」となるように制御を行っても良い。
上記の実施例では、冷却水の目標水温が変化する例を開示しなかったが、暖房に要求される暖房要求熱量に応じて冷却水の目標水温(あるいは目標水温範囲)を変更しても良い。
上記の実施例では、ヒータコア31を通過する冷却水の流量を変化させる例を開示しなかったが、ウォータポンプにより冷却水の流量を変更したり、ヒータコア31に導かれる冷却水の流量を調整する流量調整弁を用いて、ヒータコア31を通過する冷却水の流量をコントロールしても良い。
具体的に、暖房運転中、ヒータコア31から冷却水の熱量を奪いすぎて、冷却水回路32中の冷却水の温度が短時間で低下することが考えられる。そこで、ヒータコア31を通過する冷却水の流量をコントロール(ヒータコア31の放熱量を制限)して、冷却水の温度が短時間で低下するのを抑えても良い。
上記の実施例では、電気式暖房手段4による空気の加熱手段(実施例では暖房用コンデンサ41)をヒータコア31と直列に配置する例を示したが、電気式暖房手段4による空気の加熱手段(実施例では暖房用コンデンサ41)とヒータコア31を並列に配置しても良い。
上記の実施例では、電気式暖房手段4の一例として、ヒートポンプサイクルを用いる例を示したが、PTCヒータなど他の電気ヒータを用いても良い。
上記の実施例では、ハイブリッド車に搭載される空調装置に本発明を適用する例を示したが、「エンジン冷却水を用いて暖房を行う温水式暖房手段3」に代えて「電力系の放熱を行う冷却水を用いて暖房を行う温水式暖房手段3」を用いた車両用空調装置に本発明を適用しても良い。
具体的には、
・電力系の放熱を行う冷却水を用いて暖房を行う温水式暖房手段3と、
・電力を消費して暖房を行う電気式暖房手段4と、
を備える車両用空調装置(燃料電池車に搭載される空調装置など)に本発明を適用しても良い。
1 エンジン(内燃機関)
2 電動発電機
3 温水式暖房手段
4 電気式暖房手段

Claims (10)

  1. 内燃機関(1)および電動発電機(2)を切り替えて走行可能なハイブリッド車に搭載される車両用空調装置において、
    この車両用空調装置は、
    前記内燃機関(1)の冷却水を用いて暖房を行う温水式暖房手段(3)と、
    電力を用いて暖房を行う電気式暖房手段(4)と、
    前記内燃機関(1)の冷却水の温度が所定の目標水温あるいは所定の目標水温範囲よりも高い場合に、エンジン稼働率を抑えた前記電動発電機(2)のモータ作動を優先する制御を実施し、
    前記内燃機関(1)の冷却水の温度が所定の目標水温あるいは所定の目標水温範囲よりも低い場合に、エンジン稼働率を高めた前記電動発電機(2)のジェネレータ作動を優先する制御を実施する制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記電気式暖房手段(4)は、前記温水式暖房手段(3)による暖房能力の不足分を補うことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、前記冷却水の温度に基づいて前記内燃機関(1)および前記電動発電機(2)の作動状態を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、車両の走行負荷に基づいて前記内燃機関(1)および前記電動発電機(2)の作動状態を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、車両の平均車速に基づいて前記内燃機関(1)および前記電動発電機(2)の作動状態を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、前記内燃機関(1)の平均稼働率に基づいて前記内燃機関(1)および前記電動発電機(2)の作動状態を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、車両走行に要求される平均要求パワーに基づいて前記内燃機関(1)および前記電動発電機(2)の作動状態を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムから得られる今後のルート情報に基づいて前記内燃機関(1)および前記電動発電機(2)の作動状態を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記目標水温または前記目標水温範囲は、車室内の暖房に要求される暖房要求熱量に応じて変更されることを特徴とする車両用空調装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    この車両用空調装置は、前記ハイブリッド車を燃料電池車に置き代えたものであり、
    前記温水式暖房手段(3)は、電力系の放熱を行う冷却水を用いて車室内の暖房を行うことを特徴とする車両用空調装置。
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