JP5729116B2 - 入力システム及びプログラム - Google Patents

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本発明は、電子ペンで読み取り可能なコード化パターンを利用した技術に関する。
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2及び特許文献3には、光学式タッチパネルに、ドットパターンを積層し、電子ペンによる入力と、指によるタッチパネル入力が可能なシステムが開示されている。さらに、特許文献4には、近接センサが設けられ、近接センサの検知信号に基づき、電子ペンが書込み面に接近している、または接触していることを特定可能な電子ペンが開示されている。
さらに、特許文献5には、ボールペンとシャープペンシルとを有し、そのうち、先端口から突出させるペン先を、ノック操作により切り替え可能なノック式の複合筆記具が開示されている。特許文献6にも同様に、ノック式の複合筆記具が開示されている。また、特許文献7には、ドットパターンを撮影した撮像画像を2値化画像にし、当該2値化画像の赤外線反射領域の面積と、赤外線吸収領域の面積との大小に基づき、当該2値化画像に対してネガポジ反転処理を行う技術が開示されている。
また、非特許文献1には、液晶を挿んで電磁誘導方式のタブレットを下部に、抵抗膜方式のタッチパネルを上部に配置された構成を有し、電子ペンによる入力と指による入力の両方が可能なタッチパネルが開示されている。
特表2003−511761号公報 米国特許出願公開第2010/1962号明細書 米国特許出願公開第2010/1963号明細書 特表2009−543181号公報 実開平4−64188号公報 実開平3−79993号公報 実用新案登録第3161860号公報
越石健司他著、「要点解説 タッチパネル」、初版、株式会社工業調査会、2010年3月15日、P36〜37、50〜63、78〜80
一般に、電子ペンにより記入を行う場合に、コード化パターンが形成されたシートの種類によって、インキを出して記入内容が視認できるようにすべき場合と、インキを出さずに記入すべき場合とが存在する。例えば、前者の場合は、コード化パターンが形成されたシートが用紙などの場合に相当し、後者の場合は、コード化パターンが形成されたシートがディスプレイに積層されたシートなどの場合に相当する。これらの場合に、シートの種類によらず、一つの電子ペンにより入力ができると便宜である。
そこで、本発明は、インキを出力するペン部とインキを出力しないペン部とを選択することができる電子ペン、当該電子ペンを用いた入力システム、及びプログラムを提供することを主な目的とする。
電子ペンの好適な例では、電子ペンは、開口部を有する筺体と、コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジ付き電子ペン部と、コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジなし電子ペン部と、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先と、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先とのいずれかを、前記開口部から突出していない収納状態から、前記開口部から突出した突出状態に遷移させるペン先遷移機構と、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先又は/及び前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態又は前記収納状態のいずれであるかを検知する検知部とを備える。
この構成により、電子ペンは、インキを出力可能なインクカートリッジ付き電子ペン部と、インキを出力しないインクカートリッジなし電子ペン部とのいずれかのペン先を筺体から突出させることが可能である。従って、この構成によれば、ユーザは、当該電子ペンを用いることで、インキを出して記入内容が視認できるようにすべきシート及びインキを残さないようにすべきシートの両方に対し適切に電子ペンによる記入を行うことができる。さらに、検知部は、長手方向におけるインクカートリッジ付き電子ペン部又は/及びインクカートリッジなし電子ペン部の移動を検出することで、当該インクカートリッジ付き電子ペン部又は/及びインクカートリッジなし電子ペン部のペン先が突出状態又は収納状態のいずれであるかを検知する。具体的には、検知部が、インクカートリッジ付き電子ペン部が突出状態か又は収納状態かを検知する場合、インクカートリッジなし電子ペン部が突出状態か又は収納状態かを検知する場合、インクカートリッジ付き電子ペン部とインクカートリッジなし電子ペン部とがそれぞれ、突出状態か又は収納状態かを検知する場合を含む。これにより、検知部は、好適にインクカートリッジ付き電子ペン部又は/及びインクカートリッジなし電子ペン部のペン先が突出状態又は収納状態のいずれであるかを特定することができる。
上記の電子ペンの他の一態様では、前記開口部の方向へ前記インクカートリッジ付き電子ペン部が移動した場合と、前記開口部の方向へ前記インクカートリッジなし電子ペン部が移動した場合とで異なる方向へ回動する回動部と、前記回動部が回動する軸であって、前記回動部と共に回動する軸部とを備え、前記検知部は、前記軸部の状態に基づき、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先及び前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態又は前記収納状態のいずれであるかを検知する。なお、「回動」とは、正逆方向に円運動することを指す。この態様により、検知部は、好適に、インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先及びインクカートリッジなし電子ペン部のペン先が突出状態又は収納状態のいずれであるかを特定することができる。
本発明に係る入力システムは、上記記載の電子ペンと、タッチパネルと、前記電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイと、前記タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置とを備える入力システムであって、前記電子ペンは、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信する送信手段をさらに備え、前記コンピュータ装置は、前記電子ペンから、前記検知信号を受信する受信手段と、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能を制限する処理手段とを備える。
この構成により、コンピュータ装置は、インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が突出状態か否かを示す検知信号を受信し、インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が突出状態である場合、ディスプレイのタッチパネルによる入力機能を制限する。これにより、入力システムは、タッチパネルとコード化パターン層とが積層されたディスプレイ上で、ユーザが電子ペンによる入力を行う場合に、当該タッチパネルが誤って入力を検知してしまうのを抑制することができる。
本発明に係る入力システムの別の態様では、上記記載の電子ペンと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層が積層されたタッチパネルと、前記タッチパネルと通信可能であり、当該タッチパネルによる入力と、前記電子ペン部による入力とが可能なコンピュータ装置と、前記コンピュータ装置から送信された画像信号に基づく表示画面を前記タッチパネルに投影するプロジェクタとを備える入力システムであって、前記電子ペンは、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信する送信手段をさらに備え、前記コンピュータ装置は、前記電子ペンから、前記検知信号を受信する受信手段と、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能を制限する処理手段とを備える。
この構成により、入力システムは、コード化パターン層が積層されたタッチパネルに、表示画面を投影させるため、プロジェクタへ画像信号を送信するコンピュータ装置を有する。そして、コンピュータ装置は、インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が突出状態か否かを示す検知信号を受信し、インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が突出状態である場合、タッチパネルによる入力機能を制限する。これにより、入力システムは、コード化パターン層が積層されたタッチパネル上で、ユーザが電子ペンによる入力を行う場合に、当該タッチパネルが誤って入力を検知してしまうのを抑制することができる。
上記の入力システムの一態様では、前記コンピュータ装置の処理手段は、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記インクカートリッジなし電子ペンの電子ペン部による記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限する。これにより、入力システムは、電子ペンによる入力を行わないユーザによるタッチパネルの入力を可能にすると共に、電子ペンによる入力中に意図せずに、指や手のひら等がディスプレイ装置に接触することがあっても、誤入力等を防ぐことができる。
上記の入力システムの一態様では、前記コンピュータ装置の処理手段は、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態でないと判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能の制限を解除する。この態様により、入力システムは、タッチパネル上で電子ペンによる記入が行われる虞が無いと判断される場合に、タッチパネルによる入力を可能にすることができる。
上記の入力システムの他の一態様では、前記電子ペンの送信手段は、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信し、前記コンピュータ装置の処理手段は、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能の制限を解除する。この態様によっても、入力システムは、タッチパネル上で電子ペンによる記入が行われる虞が無いと判断される場合に、タッチパネルによる入力を可能にすることができる。
上記の入力システムの一態様では、入力システムは、コード化パターンが形成された記入用紙をさらに備え、前記記入用紙に印刷されたコード化パターンと、前記コード化パターン層に形成されたコード化パターンとは、赤外線吸収性の素材又は赤外線反射性の素材のうち、異なるいずれかの素材により形成され、前記電子ペンは、前記記入用紙又は前記コード化パターン層に対して赤外線を照射する赤外線照射手段と、前記赤外線照射手段によって赤外線が照射された領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された撮像画像に対して所定の閾値を用いて2値化処理を行う2値化処理手段と、前記検知部が検知した結果に応じて、前記2値化処理された画像に対してネガポジ反転処理を行うネガポジ反転処理手段と、前記ネガポジ反転処理手段によって前記ネガポジ反転処理が行われた場合には、当該ネガポジ反転処理された画像に基づいて前記コード化パターンを認識し、前記ネガポジ反転処理手段によって前記ネガポジ反転処理が行われなかった場合には、前記2値化処理された画像に基づいて前記コード化パターンを認識するコード化パターン認識手段とをさらに備える。この態様により、入力システムは、シートに形成されたコード化パターンとコード化パターン層に形成されたコード化パターンとの両方を適切に認識することができる。
本発明に係るプログラムは、上記記載の電子ペンと、タッチパネルと、前記電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイと、前記タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置とを備える入力システムであって、前記電子ペンは、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信する送信手段をさらに備える入力システムの前記コンピュータ装置により実行されるプログラムであって、前記電子ペンから、前記検知信号を受信する受信手段、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能を制限する処理手段として前記コンピュータ装置を機能させる。
本発明に係るプログラムの別の態様では、上記記載の電子ペンと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層が積層されたタッチパネルと、前記タッチパネルと通信可能であり、当該タッチパネルによる入力と、前記電子ペン部による入力とが可能なコンピュータ装置と、前記コンピュータ装置から送信された画像信号に基づく表示画面を前記タッチパネルに投影するプロジェクタとを備える入力システムであって、前記電子ペンは、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信する送信手段をさらに備える入力システムの前記コンピュータ装置により実行されるプログラムであって、前記電子ペンから、前記検知信号を受信する受信手段、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能を制限する処理手段として前記コンピュータ装置を機能させる。
上記プログラムの一態様では、前記処理手段は、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記電子ペンの電子ペン部による記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限する。
上記プログラムの他の一態様では、前記処理手段は、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態でないと判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能の制限を解除する。
上記プログラムの他の一態様では、前記電子ペンの送信手段は、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信し、前記処理手段は、前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能の制限を解除する。
これらのプログラムをコンピュータ装置にインストールして機能させることで、本発明に係るコンピュータ装置を構成させることができる。
本発明によれば、電子ペンは、インキを出力可能なインクカートリッジ付き電子ペン部と、インキを出力しないインクカートリッジなし電子ペン部とのいずれかのペン先を筺体から突出させることが可能である。従って、この構成によれば、ユーザは、当該電子ペンを用いることで、インキを出して記入内容が視認できるようにすべきシート及びインキを残さないようにすべきシートの両方に適切に記入を行うことができる。
また、上記の電子ペンと、コンピュータ装置とを備える入力システムにおいて、電子ペンは、インクカートリッジ付き電子ペン部又はインクカートリッジなし電子ペン部のペン先が突出状態であるか否かを検知して、その検知信号をコンピュータ装置に送信し、コンピュータ装置は、当該検知信号に基づき、タッチパネルの機能を制限する。これにより、入力システムは、ユーザが電子ペンによる入力を行う場合に、タッチパネルが誤って入力を検知してしまうのを抑制することができる。
第1実施形態における入力システムのシステム構成図である。 第1実施形態に係るディスプレイ装置の構成を示す。 ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。 (a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。 電子ペンの分解斜視図である。 図4の矢印「AA」、「AB」の方向に電子ペンを切断した場合の断面図を示す。 図4の矢印「BA」、「BB」の方向に電子ペンを切断した場合の断面図を示す。 (a)は記入用紙の撮像画像を2値化処理した画像例を示し、(b)はDOLの撮像画像を2値化処理した画像例を示す。 記入情報送信処理フローを示すフローチャートである。 コード化パターン解析送信処理フローを示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例に係る電子ペン1の概略構成図である。 第1実施形態の変形例に係る電子ペン部及びタッチパネル用ペン部近傍の構造を示す。 第2実施形態に係る入力システムの構成を示す。 第2実施形態に係るディスプレイ装置の構成を示す。 第2実施形態において、コンピュータ装置が実行する処理フローを示すフローチャートである。 第2実施形態の変形例に係る入力システムのシステム構成図である。 第3実施形態における入力システムのシステム構成図を示す。 第3実施形態におけるディスプレイ装置の表示画面例である。 タッチパネルの入力機能を切り替える処理フローを示すフローチャートである。 制限モード時での電子ペン入力に基づく処理フローを示すフローチャートである。 電子ペンとDOLとの位置関係と、各位置関係の場合にコンピュータ装置へ送信される記入情報の内容とを示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態である第1実施形態乃至第3実施形態について順に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明に係る第1実施形態について説明する。
[入力システムの構成]
図1は、第1実施形態に係る入力システムの構成を示す。図1に示すように、入力システムは、ユーザが使用する電子ペン1と、ドットパターンが形成された層が積層されたディスプレイ装置3を備えたコンピュータ装置2と、ドットパターンが印刷された記入用紙4とを備える。入力システムでは、後述するように、電子ペン1のインクカートリッジ付き電子ペン部104により記入用紙4への記入が行われ、電子ペン1のインクカートリッジなし電子ペン部114によりディスプレイ装置3への記入が行われる。
(記入用紙)
まず、記入用紙(電子ペン用用紙)4について説明する。記入用紙4には、プリンターにより、その略全面に後述する位置座標を示すドットパターン(コード化パターン)が印刷される。ドットパターンは、電子ペン1により読み取ることができるように赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、記入用紙4には、絵柄や罫線等のイメージ画像が印刷されていてもよい。この場合、イメージ画像は、印刷されたドットパターンの上に、電子ペン1によるドットパターンの読み取りを疎外しないよう、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。なお、イメージ画像の上に、ドットパターンが印刷されてもよい。記入用紙4は、本発明における「シート」の一例である。
(ディスプレイ装置)
図2は、第1実施形態に係るディスプレイ装置3の構成を示す。図2に示すように、ディスプレイ装置3は、多層構造を有し、上層から順に、ドットパターンオーバーレイヤ(ドットパターン形成層)(単に「DOL」とも呼ぶ。)30と、ディスプレイパネル35とを備える。
DOL30は、ディスプレイ装置3の最上層に配置される。DOL30は、ポリエチレンテレフタラートなどの透明樹脂基板である基材フィルム33に、電子ペン1により読み取ることができるよう赤外線を反射する素材(酸化チタン、コレステリック液晶、赤外線反射性顔料など)を含んだインキによりドットパターン(コード化パターン)のドット32が印刷され、さらに透明なEB硬化樹脂などの保護層31で保護された層構成を有している。ここで、ドットパターンを、赤外線を反射する素材で印刷しているのは、DOL30の下層にあるディスプレイパネル35から様々な色の可視光が放射されても、電子ペン1によってコントラストよくドットパターンを認識させるのに、望ましいからである。DOL30は、本発明における「コード化パターン層」及び「シート」の一例である。
(ドットパターン)
続いて、ドットにより構成されるドットパターン(コード化パターン)について図3及び図4を用いて説明する。ドットパターンは、アノト社の方式によるものである。図3は、ドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、記入用紙4やDOL30上の位置座標が決定されるよう構成されている。なお、記入用紙4とDOL30とには、異なる座標範囲のドットパターンが形成される。
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、DOL30上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンが記入用紙4やDOL30上のどの位置にあるのか)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
(電子ペン)
次に、電子ペン1の構造について図5〜図7を用いて説明する。図5は、電子ペン1の分解斜視図である。また、図6は、図5の矢印「AA」、「AB」の方向に電子ペン1を切断した場合の断面図を示し、図7は、図5の矢印「BA」、「BB」の方向に電子ペン1を切断した場合の断面図を示す。電子ペン1は、ノック操作により、インクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103と、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113とのいずれかを開口部102から突出させることが可能な複合式のペンである。
ペン部側筺体101A及びノック操作側筺体101Bは、本発明における「筺体」の一例であり、基板100、インクカートリッジ付き電子ペン部104、インクカートリッジなし電子ペン部114、ノック操作部129、139などを収納する。そして、ペン部側筺体101Aはスレッド部115と螺合し、ノック操作側筺体101Bはガイド部116と螺合することで、ペン部側筺体101Aとノック操作側筺体101Bとが一体に固定される。
図5に示すようにインクカートリッジ付き電子ペン部104は、ペン先部103と反対に位置する端部と嵌合するバネ120を介してノック操作部129と接続する。同様に、インクカートリッジなし電子ペン部114は、ペン先部113と反対に位置する端部と嵌合するバネ130を介してノック操作部139と接続する。また、ノック操作部129の突出部121は、電子ペン1の長手方向に延在するスリット部122から突出する。同様に、ノック操作部139の突出部131は、電子ペン1の長手方向に延在するスリット部132から突出する。
また、ノック操作側筺体101Bには、図6に示すようにストッパ125が設けられている。ストッパ125は、操作により突出部121が開口部102の方向(単に「ペン先方向」とも呼ぶ。)に押し出された場合に、ノック操作部129の溝部128に端部が嵌め込まれ、ノック操作部129を固定する。この場合、ペン先部103は、開口部102に対して突出した状態(単に「突出状態」とも呼ぶ。)となる。同様に、ストッパ125は、操作により突出部131がペン先方向に押し出された場合に、ノック操作部139の溝部138に端部が嵌め込まれ、ノック操作部139を固定する。この場合、ペン先部113は、突出状態となる。
また、図6に示すように、ペン先部103が突出状態の場合に、突出部131をペン先方向に押し出す操作(ノック操作)が行われた場合、ノック操作部139の隆起部133、134がノック操作部129をスリット部122の方向に押し出す。これにより、溝部128からストッパ125の端部が外れる。従って、この場合には、バネ120の復元力により、ノック操作部129は、ペン先方向と逆方向に付勢されてストッパ125に沿って移動し、ペン先部103がペン部側筺体101A内に収納された状態(単に、「収納状態」とも呼ぶ。)となる。同様に、ペン先部113が突出状態の場合に、突出部121をペン先方向に押し出す操作(ノック操作)が行われた場合、ノック操作部129の隆起部123、124がノック操作部139をスリット部132の方向に押し出す。これにより、溝部138からストッパ125の端部が外れる。従って、この場合には、バネ130の復元力により、ノック操作部139は、ペン先方向と逆方向に付勢されてストッパ125に沿って移動し、ペン先部113は収納状態となる。
以上のように、電子ペン1は、ノック操作により、インクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103が突出状態かつインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が収納状態となる状態(第1の状態)、ペン先部103が収納状態かつペン先部113が突出状態となる状態(第2の状態)、又は、ペン先部103が収納状態かつペン先部113が収納状態となる状態(第3の状態)のいずれかの状態に切り替わる。そして、ノック操作部129、139、バネ120、130、及びストッパ125は、本発明における「ペン先遷移機構」の一例である。
次に、インクカートリッジ付き電子ペン部104について具体的に説明する。インクカートリッジ付き電子ペン部104の先端は、プラスチックやステンレスなどの素材により形成されたペン先部103となっており、ユーザは、インクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103を記入用紙4上に当接させて、ストローク(手書きストローク)を記入する。ここで、ペン先部103が記入用紙4に最初に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。ペン先部103のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。また、インクカートリッジ付き電子ペン部104の内部には、インクカートリッジが装填されている。これにより、インクカートリッジ付き電子ペン部104は、ボールペンとしても機能し、記入用紙4への書き込み後、記入内容が記入用紙4上でユーザに視認可能となる。
さらに、インクカートリッジ付き電子ペン部104には、圧力センサ107が設けられている。圧力センサ107は、ユーザがペン先部103を開口部102から突出させて、記入用紙4等に文字やマークを書いたりタップしたりする際にペン先部103から伝達される圧力、即ち筆圧を検出し、その値を後述するプロセッサ108へ伝送する。
次に、インクカートリッジなし電子ペン部114について説明する。インクカートリッジなし電子ペン部114の先端は、プラスチックやステンレスなどの素材により形成されたペン先部113となっており、ユーザは、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113をディスプレイ装置3のDOL30上に当接させて、ストローク(手書きストローク)を記入する。ペン先部113のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。なお、インクカートリッジなし電子ペン部114の内部には、インクカートリッジが装填されていない。これにより、DOL30への書き込み後、DOL30にインキが残らない。
さらに、インクカートリッジなし電子ペン部114には、圧力センサ117が設けられている。圧力センサ117は、ユーザがペン先部113を開口部102から突出させて、DOL30等に文字やマークを書いたりタップしたりする際にペン先部113から伝達される圧力、即ち筆圧を検出し、その値を後述するプロセッサ108へ伝送する。
次に、基板100に載置される各要素について図7を参照して説明する。基板部100には、主に、LED105、CMOSカメラ106、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、ノック検知部140が設けられている。
リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザがインクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103を突出状態にして記入用紙4上に文字などを書くと、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。同様に、ユーザがインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113を突出状態にしてDOL30上に文字などを記入する(なぞる)と、ペン先部113に筆圧がかかり、圧力センサ117によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ117により検出されたペンダウン情報と、後述する電子ペン1の識別情報(以後、「ペンID」と呼ぶ。)とを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。また、ユーザが1つのストロークを記入し終えてインクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103を記入用紙4から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。同様に、ユーザが1つのストロークを記入し終えてインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113をDOL30から離すと、圧力センサ117は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107又は圧力センサ117により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103及びペン先部113付近に取り付けられており、ペン部側筐体101AにおけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、記入用紙4上のペン先部103又はDOL30上のペン先部113近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103が記入用紙4に接触する位置又はペン先部113がDOL30に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、記入用紙4のドットのインキ素材は、赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、ドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。また、DOL30のドットのインキ素材は、赤外線を反射するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットによって反射される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的多く、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的少ない。したがって、上記と同様にCMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、ドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)の記入用紙4又はDOL30におけるX、Y座標(以後、単に「座標データ」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上における配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算に利用されている。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、記入用紙4及びDOL30における6×6のドットパターンは、記入用紙4ないしDOL30内でそれぞれ重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置が記入用紙4あるいはDOL30内のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。また、プロセッサ108は、ノック検知センサ140の検知信号に応じて、後述するネガポジ反転処理を行う。これについては、[ドットパターンの認識手法]のセクションで詳しく説明する。
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、コンピュータ装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、コンピュータ装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。
ノック検知部140は、ノック操作部129、139へのノック操作によりインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態又は収納状態のいずれに遷移したかを検知する。例えば、ノック検知部140は、ペン先部113の状態を遷移させるノック操作が行われた場合、圧力センサ117の移動を検知することで、ペン先部113が突出状態又は収納状態のいずれに遷移したかを検知する。そして、ノック検知部140は、ペン先部113が突出状態であるか否かを示す検知信号(「ペン先状態検知信号Sd」とも呼ぶ。)をプロセッサ108へ伝送する。
(コンピュータ装置)
次に、コンピュータ装置2について再び図1を参照して説明する。コンピュータ装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、マウスやキーボード等で構成される。なお、コンピュータ装置2は、ディスプレイ装置3を表示部として備えるPC(パーソナルコンピュータ)、iPad(登録商標)などのタブレットPCやPDA(Personal Data Assistance)等で構成されてもよい。そして、コンピュータ装置2は、電子ペン1から受信した記入情報に基づいて所定の処理を行う。
[ドットパターンの認識手法]
次に、本実施形態における、電子ペン1によるドットパターンの認識手法について具体的に説明する。
上記したように、電子ペン1のLED105は、記入用紙4上のペン先部103近傍又はDOL30上のペン先部113近傍に向けて赤外線を照明し、電子ペン1のCMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域を撮像する。ここで、記入用紙4に対して赤外線を照明した場合、記入用紙4内のドットは赤外線吸収インキで印刷されているので、ドットの部分は赤外線を吸収するため赤外線の反射量が少なく、これに対して、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。一方で、DOL30に対して赤外線を照明した場合、DOL30内のドットは赤外線反射インキで印刷されているため、ドットの部分は赤外線を反射するため赤外線の反射量が多く、これに対して、ドット以外の部分は赤外線の反射量が少ない。このようなことから、記入用紙4の撮像画像とDOL30の撮像画像とは異なるものとなる。基本的には、記入用紙4の撮像画像とDOL30の撮像画像とでは、ドットの部分とドット以外の部分に関してコントラストが逆となる。
続いて、電子ペン1のプロセッサ108は、CMOSカメラ106から上記のような撮像画像が供給されて、撮像画像に対して処理を行うことでドットパターンを認識する。具体的には、まず、プロセッサ108は、供給された撮像画像に対して所定の閾値を用いて2値化処理を行う(以下では、2値化処理された画像を適宜「2値化画像」と呼ぶ。)。2値化処理を行う場合に用いる閾値は、予め設定した定数(固定値)を用いても良いし、変数を用いても良い。閾値に変数を用いる場合には、例えば撮像画像に応じて変化させた値を用いることができる。
図8は、2値化画像の一例を示している。具体的には、図8(a)は記入用紙4の撮像画像を2値化処理した画像例を示しており、図8(b)の左図はDOL30の撮像画像を2値化処理した画像例を示している。図8(a)に示すように、記入用紙4の2値化画像においては、ドットの部分は赤外線の反射量が少ないため黒の画像となり、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多いため白の画像となる。これに対して、図8(b)の左図に示すように、DOL30の2値化画像においては、ドットの部分は赤外線の反射量が多いため白の画像となり、ドット以外の部分は赤外線の反射量が少ないため黒の画像となる。このように、記入用紙4の2値化画像とDOL30の2値化画像とでは、ドットの部分とドット以外の部分に関して白黒が逆となる。
以下では、2値化画像において黒の部分の領域、換言すると赤外線の反射量が少ない領域(さらに換言すると赤外線の吸収量が多い領域)を、「赤外線吸収領域」と呼ぶ。これに対して、2値化画像において白の部分の領域、換言すると赤外線の反射量が多い領域を、「赤外線反射領域」と呼ぶ。
続いて、プロセッサ108は、ノック検知部140から受信したペン先状態検知信号Sdに基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態であると判断した場合、インクカートリッジなし電子ペン部114によりDOL30へ記入がなされたと推定する。そして、この場合、プロセッサ108は、撮像画像から生成した2値化画像に対してネガポジ反転処理を行う(以下では、ネガポジ反転処理された画像を適宜「ネガポジ反転画像」と呼ぶ。)。つまり、プロセッサ108は、黒である赤外線吸収領域を白に変換し、白である赤外線反射領域を黒に変換する。これにより、図8(b)の左図に示すような、ドットの部分が白でありドット以外の部分が黒である2値化画像が、図8(b)の右図に示すような、ドットの部分が黒でありドット以外の部分が白である画像に変換されることとなる。プロセッサ108は、このようにネガポジ反転処理を行った場合には、ネガポジ反転画像に基づいてドットパターンを認識する。
一方で、プロセッサ108は、ノック検知部140から受信したペン先状態検知信号Sdに基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が収納状態であると判断した場合、インクカートリッジ付き電子ペン部104により記入用紙4へ記入がなされたと推定する。そして、この場合、プロセッサ108は、撮影画像から生成した2値化画像に対してネガポジ反転処理を行わない。この場合には、プロセッサ108は、元の2値化画像に基づいてドットパターンを認識する。つまり、プロセッサ108は、図8(a)に示すような、ドットの部分が黒でありドット以外の部分が白である画像に基づいてドットパターンを認識する。
以上説明したドットパターンの認識手法によれば、ドットパターンを認識する際に用いる画像を、ドットの部分が黒でありドット以外の部分が白である画像に統一することができる。これにより、赤外線吸収インキにより印刷されたドットパターン及び赤外線反射インキにより印刷されたドットパターンの両方を適切に認識することが可能となる。
[処理フロー]
次に、第1実施形態の入力システムにおいて、電子ペン1による記入情報送信処理フロー及びコード化パターン解析送信処理フローについて図9及び図10を用いて説明する。
(記入情報送信処理フロー)
図9は、電子ペン1による記入情報送信処理フローを示すフローチャートである。
まず、ステップS101では、電子ペン1のプロセッサ108は、圧力センサ107又は圧力センサ117によってペンダウンが検知されたか否かを判定する。具体的には、プロセッサ108は、圧力センサ107又は圧力センサ117によって所定値以上の筆圧が検出されたか否かを判定する待機状態となっている。ペンダウンが検知された場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進む。この場合には、プロセッサ108は、ペンID及びペンダウン情報を通信ユニット111によってコンピュータ装置2へ送信させる(ステップS102)。そして、処理はステップS103に進む。これに対して、ペンダウンが検知されなかった場合(ステップS101;No)、処理は終了する。
ステップS103では、プロセッサ108は、記入用紙4又はDOL30に付されたドットパターンを解析し、求めた情報を通信ユニット111によってコンピュータ装置2へ送信させる処理(コード化パターン解析送信処理)を行う。コード化パターン解析送信処理の詳細は図10を用いて後述する。そして、処理はステップS104に進む。ステップS104では、プロセッサ108は、圧力センサ107又は圧力センサ117によってペンアップが検知されたか否かを判定する。具体的には、プロセッサ108は、圧力センサ107又は圧力センサ117によって所定値以上の筆圧が検出されなくなったか否かを判定する。ペンアップが検知された場合(ステップS104;Yes)、処理はステップS105に進む。この場合には、プロセッサ108は、ペンID及びペンアップ情報を通信ユニット111によってコンピュータ装置2へ送信させる(ステップS105)。そして、処理は終了する。これに対して、ペンアップが検知されなかった場合(ステップS104;No)、処理はステップS103に戻る。
(コード化パターン解析送信処理フロー)
本実施形態の電子ペン1によるコード化パターン解析送信処理フローを、図10を参照して説明する。コード化パターン解析送信処理フローは、図9に示した記入情報送信処理フローのステップS103で行われる。
まず、ステップS201では、電子ペン1のプロセッサ108は、LED105より、記入用紙4上のペン先部103近傍又はDOL30上のペン先部113近傍に向けて赤外線を照明させる。そして、処理はステップS202に進む。ステップS202では、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって、LED105によって照明された領域を撮像させる。また、プロセッサ108は、LED105によって撮像された撮像画像を取得する。そして、処理はステップS203に進む。
ステップS203では、プロセッサ108は、ステップS202で取得された撮像画像に対して所定の閾値を用いて2値化処理を行う。例えば、プロセッサ108は、撮像画像における画素の値(濃度値/輝度値)が閾値よりも大きい場合には当該画素を白に設定し、撮像画像における画素の値(濃度値/輝度値)が閾値以下である場合には当該画素を黒に設定する。そして、処理はステップS204に進む。
ステップS204では、プロセッサ108は、ペン先状態検知信号Sdに基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114により記入がなされたか否か判定する。具体的には、プロセッサ108は、ペン先状態検知信号Sdに基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態であると判断した場合には、インクカートリッジなし電子ペン部114によりDOL30へ記入がなされたと判断する。一方、プロセッサ108は、ペン先状態検知信号Sdに基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が収納状態であると判断した場合には、インクカートリッジ付き電子ペン部104により記入用紙4へ記入がなされたと判断する。
インクカートリッジなし電子ペン部114により記入がなされた場合(ステップS204;Yes)、処理はステップS205に進む。ステップS205では、プロセッサ108は、ステップS203で生成された2値化画像に対してネガポジ反転処理を行う。つまり、2値化画像の白黒を反転させる処理を行う。そして、処理はステップS206に進む。これに対して、インクカートリッジなし電子ペン部114により記入がなされていない場合(ステップS204;No)、処理はステップS206に進む。この場合には、プロセッサ108は、ネガポジ反転処理を行わない。
ステップS206では、プロセッサ108は、画像からドットパターンが認識可能か否かを判定する。具体的には、プロセッサ108は、ネガポジ反転処理が行われた場合にはネガポジ反転画像に基づいて当該判定を行い、これに対して、ネガポジ反転処理が行われなかった場合には元の2値化画像に基づいて当該判定を行う。例えば、プロセッサ108は、ある範囲の直径のドット(コードシンボル)が存在するか否かに応じて、ドットパターンとして認識可能か否かを判定する。ドットパターンが認識可能である場合(ステップS206;Yes)、ドットパターンを認識して、処理はステップS207に進み、ドットパターンが認識可能でない場合(ステップS206;No)、処理は終了する。
ステップS207では、プロセッサ108は、ステップS206で認識されたドットパターンに基づいて、所定の演算方法により座標値を算出する。そして、処理はステップS208に進む。ステップS208では、プロセッサ108は、ステップS207で算出された座標値をペンIDに関連付けて、記入情報として通信ユニット111によってコンピュータ装置2へ送信させる。そして、処理は終了する。
[第1実施形態の入力システムによる作用効果]
第1実施形態の入力システムによれば、電子ペン1は、ユーザのノック操作に基づき、インクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103が開口部102から突出した状態と、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が開口部102から突出した状態との切り替えが可能である。従って、電子ペン1は、記入用紙4に対しては記入内容をインキにより残す記入を可能にすると共に、ディスプレイ装置3のDOL30に対しては記入内容をインキにより残さない記入を可能にすることができる。
また、電子ペン1は、ペン先部113が突出状態であるか否かを示すペン先状態検知信号Sdに基づき、2値化画像に対してネガポジ反転処理を行うことで、赤外線吸収インキにより印刷されたドットパターン及び赤外線反射インキにより印刷されたドットパターンの両方に関して、ドットの部分及びドット以外の部分が同様の態様で表された画像をドットパターンの認識に用いることができる。したがって、赤外線吸収インキにより印刷されたドットパターン及び赤外線反射インキにより印刷されたドットパターンの両方を適切に認識することが可能となる。具体的には、記入用紙4に印刷されたドットパターン及びDOL30に形成されたドットパターンの両方を適切に認識することが可能となる。
[第1実施形態の変形例]
次に、第1実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の第1実施形態に適用してもよい。
(変形例1)
図5〜図7に示す電子ペン1は、ノック操作により、インクカートリッジ付き電子ペン部104及びインクカートリッジなし電子ペン部114の突出状態と収納状態とを切り替え可能なノック式の複合ペンであった。しかし、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。
図11は、第1実施形態の変形例1に係る電子ペン1の概略構成図である。図11に示すように、ペン部側筺体101Aがノック操作側筺体101Bに対して、両矢印「Yx」の方向に回転することにより、電子ペン1は、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態との間で遷移する。このように、ペン部側筺体101Aの回転動作により、開口部102から突出するペン先部103、113が切り替わる態様であっても、電子ペン1により、好適に、タッチパネル入力及び電子ペン入力の両方を実行することができる。
(変形例2)
上述の説明では、ノック検知部140は、圧力センサ117の移動を検出することで、ペン先部113が突出状態か収納状態かを検出した。しかし、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。
図12は、変形例2に係るインクカートリッジ付き電子ペン部104及びインクカートリッジなし電子ペン部114に設けられた構造を示す。図12に示すように、インクカートリッジ付き電子ペン部104は、8字型回動部151の孔152を通る位置に延在し、かつ、孔152よりも大きなナット状の形状を有するナット状部材155が、孔152よりもバネ120側の電子ペン部104に固定されている。同様に、インクカートリッジなし電子ペン部114は、8字型回動部151に設けられた孔153を通る位置に延在し、かつ、孔153よりも大きなナット状の形状を有するナット状部材156が、孔153よりもバネ130側の電子ペン部114に固定されている。また、8字型回動部151は、基板100に設けられたロータリースイッチに相当するノック検出部140と連通した軸部150を回動軸として、軸部150と共に回動する。
そして、ノック操作により、インクカートリッジ付き電子ペン部104がペン先方向へ移動した場合、8字型回動部151の孔152の形成部分がナット状部材155によりペン先方向へ押し出され、8字型回動部151は、矢印「Y1」の方向に軸部150と共に回動する。この場合、ロータリースイッチであるノック検知部140は、軸部150の状態(位相)に基づき、インクカートリッジ付き電子ペン部104が突出状態であることを検知する。一方、ノック操作により、インクカートリッジなし電子ペン部114がペン先方向へ移動した場合、8字型回動部151の孔153の形成部分がナット状部材156によりペン先方向へ押し出され、8字型回動部151は、矢印「Y2」の方向に軸部150と共に回動する。この場合、ノック検知部140は、軸部150の状態(位相)に基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114が突出状態であり、インクカートリッジ付き電子ペン部104が収納状態であることを検知する。なお、インクカートリッジ付き電子ペン部104及びインクカートリッジなし電子ペン部114が共に収納状態の場合には、8字型回動部151及び軸部150は、矢印Y1及び矢印Y2のいずれの方向にも傾いていない平衡状態となる。この場合、ノック検知部140は、軸部150の位相に基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113及びインクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103が共に収納状態であることを検知する。
他の例では、ノック検知部140は、歪ゲージであってもよい。この場合、ノック検知部140は、圧力センサ117と基板100のプロセッサ108とを接続する図示しない導線に設けられる。そして、ノック検知部140は、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先方向及びその反対方向への移動に基づく導線の歪み(伸縮)の変化を検出し、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113の突出状態及び収納状態を検知する。
(変形例3)
ノック検知部140は、ペン先部113が突出状態か収納状態かを検出したが、これに代えて、ペン先部103が突出状態か収納状態かを検知してもよい。この場合、例えば、ノック検知部140は、インクカートリッジなし電子ペン部114の長手方向での圧力センサ117の移動を検出する代わりに、インクカートリッジ付き電子ペン部104の長手方向での圧力センサ107の移動を検出することで、ペン先部103が突出状態か収納状態かを検知し、プロセッサ108へペン先状態検知信号Sdを送信する。
そして、電子ペン1のプロセッサ108は、図10のステップS204で、ペン先状態検知信号Sdに基づき、ペン先部103が収納状態であると判断した場合には、インクカートリッジなし電子ペン部114により記入がなされたと判断し(ステップS204;Yes)、ステップS205でネガポジ反転処理を行う。一方、ペン先部103が突出状態であると判断した場合には、インクカートリッジなし電子ペン部114により記入されていないと判断し(ステップS204;No)、プロセッサ108は、ステップS205のネガポジ反転処理を行わない。これによっても、好適に、電子ペン1は、記入用紙4に印刷されたドットパターン及びDOL30に形成されたドットパターンの両方を適切に認識することができる。
(変形例4)
図10のステップS208で、プロセッサ108は、インクカートリッジ付き電子ペン部104又はインクカートリッジなし電子ペン部114のいずれにより記入されたかを示す情報を、記入情報に含ませてもよい。これにより、コンピュータ装置2は、記入用紙4又はディスプレイ装置3のDOL30のいずれに記入がなされたのかの判定処理を容易に実行することができる。
(変形例5)
上記第1実施形態において、電子ペン、ドットパターン(コード化パターン)、記入情報に、アノト方式を用いたが、アノト方式に限られなくともよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図13は、第2実施形態に係る入力システムの構成を示す。第2実施形態の入力システムは、主に、ディスプレイ装置3にタッチパネル34が積層されている点、及び、ディスプレイ装置3のタッチパネル機能のオン及びオフを、電子ペン1から送信されるペン先状態検知信号Sdに基づき切り替える点で、第1実施形態の入力システムと異なる。その他、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。したがって、第2実施形態において、記入用紙4やDOL30のドット印刷に用いたインキの赤外線特性、電子ペン1のネガポジ反転機能等は、第1実施形態と同様である。
図13に示すように、第2実施形態に係る入力システムは、ユーザが使用する電子ペン1と、電子ペン1及びディスプレイ装置3から情報を受信して処理するコンピュータ装置2と、コンピュータ装置2に接続されたディスプレイ装置3と、記入用紙4とを備える。入力システムは、後述するように、電子ペン1に基づく入力(「電子ペン入力」とも呼ぶ。)と、指などによるタッチパネル34に基づく入力(「タッチパネル入力」とも呼ぶ。)とが可能である。
(ディスプレイ装置)
図14は、第2実施形態に係るディスプレイ装置3の構成を示す。図14に示すように、ディスプレイ装置3はDOL30とディスプレイパネル35との間に、タッチパネル34が設けられている。タッチパネル34は、DOL30上での接触位置を検出する。タッチパネル34は、例えば、抵抗膜方式タッチパネル、超音波方式タッチパネル、光学方式タッチパネル、静電容量方式タッチパネルなどである。
また、タッチパネル34が静電容量方式のタッチパネルである場合、DOL30のドット32は、導電性を有しない素材、又はタッチパネル34が検知する静電容量に影響を及ぼさない程度に導電性が低い素材により構成される。これにより、電子ペン1のインクカートリッジなし電子ペン部114によるタッチパネル入力に対する静電容量の変化を捉えやすくすることができる。
(コンピュータ装置)
次に、第2実施形態のコンピュータ装置2について再び図13を参照して説明する。第2実施形態のコンピュータ装置2は、図13に示すように、機能的には、マウスやキーボードといった入力手段21、受信手段22、処理手段24、記憶手段25を備える。そして、コンピュータ装置2は、電子ペン1から受信した記入情報、及びタッチパネル34から受信した入力情報(「タッチパネル入力情報」とも呼ぶ。)に基づいて所定の処理を行う。
受信手段22は、アンテナ受信回路等により構成され、電子ペン1から記入情報を受信し、処理手段24に伝送する。また、コンピュータ装置2は、DOL30に形成されたドットパターンにかかる座標系(「DOL座標系」とも呼ぶ。)をディスプレイパネル35にかかる座標系(「ディスプレイ座標系」とも呼ぶ。)に変換するための第1座標変換関数、及び、タッチパネル34にかかる座標系(「タッチパネル座標系」とも呼ぶ。)をディスプレイ座標系に変換するための第2座標変換関数、をそれぞれ求めるキャリブレーション処理機能を有している。さらに、コンピュータ装置2は、そのキャリブレーション処理により求められた第1座標変換関数を用いて、DOL座標系のデータを受信したときに、ディスプレイ座標系のデータに変換し、ストロークを描画したり、所定の処理を行ったりする機能、及び、第2座標変換関数を用いて、タッチパネル座標系のデータを受信した
ときに、ディスプレイ座標系のデータに変換し、アイコンの選択等の所定の処理を行う機能を有している。
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成され、コンピュータ装置2の全体の制御を行う。具体的には、処理手段24は、ディスプレイパネル35へコンピュータ装置2により生成された画像信号を送信して当該画像信号に相当する画像を表示させる。また、処理手段24は、上記キャリブレーション処理機能により求めた第1座標変換関数及び第2座標変換関数を記憶手段25に記憶する。
コンピュータ装置2が電子ペン1から記入情報を受信すると、処理手段24の第1座標変換手段241は、DOL座標系のデータである、当該記入情報に含まれる座標データを、第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系のデータに変換する。そして、処理手段24は、変換後の座標データに基づいて、電子ペン1によって記入された位置が、DOL30のドットパターンであることを認識する。そして、処理手段24は、変換後の座標データを記憶手段25に記憶するとともに、当該変換後の座標データ等に基づくストロークをディスプレイパネル35に表示させたり、ストロークの該当する位置にフォルダやアプリケーション等のアイコンが表示されていた場合には、当該アイコンの選択等の処理を行ったりする。
また、コンピュータ装置2がタッチパネル34からタッチパネル入力情報を受信すると、処理手段24の第2座標変換手段242は、タッチパネル入力情報が示すタッチパネル座標系の座標データを、第2座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系のデータに変換する。そして、処理手段24は、ディスプレイパネル35が表示中の画像において、変換後の座標データ上にフォルダやアプリケーション等のアイコンが表示されていた場合には、当該アイコンの選択等の処理を行う。
処理手段24のタッチパネル機能切替手段243は、コンピュータ装置2が電子ペン1から受信したペン先状態検知信号Sdに基づき、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフを切り替える。具体的には、タッチパネル機能切替手段243は、受信したペン先状態検知信号Sdが、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態であることを示す場合、タッチパネル34の入力機能をオフにする。即ち、この場合、タッチパネル機能切替手段243は、ディスプレイ装置3のDOL30への電子ペン入力が行われる可能性が高いと判断し、電子ペン入力を優先し、タッチパネル34への誤入力を防止する。このとき、タッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル34が停止状態になるように、タッチパネル34に制御信号を送信してもよく、または、タッチパネル34の入力機能をオフにしている間は、タッチパネル34から送信されるタッチパネル入力情報を処理手段24で処理することなく破棄してもよい。
一方、タッチパネル機能切替手段243は、ペン先状態検知信号Sdが、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がペン部側筺体101Aに収納された収納状態であることを示す場合、タッチパネル34の入力機能をオンにする。そして、タッチパネル34の入力機能をオンにしている間は、処理手段24は、タッチパネル入力があった場合には、タッチパネル34から受信するタッチパネル入力情報に基づき所定の処理を行う。
記憶手段25は、ROMやRAMといったメモリによって構成される。記憶手段25は、第1座標変換関数及び第2座標変換関数を記憶する。また、記憶手段25は、処理手段24の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶したり、プログラムの実行により生成される所定のデータを記憶したりする。
[処理フロー]
次に、第2実施形態の入力システムにおいて、コンピュータ装置2が実行する処理フローについて説明する。図15は、第2実施形態において、コンピュータ装置2が実行する処理フローを示すフローチャートである。
ユーザが、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113の状態を遷移させるノック操作を行うと、電子ペン1は、ノック検知部140により、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113の移動を検知する(ステップS301)。そして、電子ペン1は、ノック検知部140が生成したペン先状態検知信号Sdをコンピュータ装置2へ送信する(ステップS302)。
コンピュータ装置2では、受信手段22が、電子ペン1から送信されたペン先状態検知信号Sdを受信すると(ステップS401)、処理手段24は、受信したペン先状態検知信号Sdに基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が開口部102から突出した突出状態に遷移したか否か判定する(ステップS402)。そして、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態の場合(ステップS402;Yes)、処理手段24のタッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル34による入力機能をオフにする(ステップS403)。これにより、コンピュータ装置2は、ディスプレイ装置3への電子ペン入力が行われる可能性が高いと推定される場合に、電子ペン入力を優先し、タッチパネル34への誤入力を防止する。
一方、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態でない場合(ステップS402;No)、処理手段24は、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がペン部側筺体101A内に収納された収納状態であると特定する(ステップS404)。そして、処理手段24のタッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル34による入力機能をオンにする(ステップS405)。そして、処理手段24は、タッチパネル入力があった場合には、タッチパネル34から受信するタッチパネル入力情報に基づき所定の処理を行う。
[第2実施形態の入力システムによる作用効果]
第2実施形態の入力システムによれば、電子ペン1は、ノック検知部140によりノック操作に基づくインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113の状態変化を検知した場合に、コンピュータ装置2に対しペン先状態検知信号Sdを送信する。そして、コンピュータ装置2は、受信したペン先状態検知信号Sdにより、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態であると判断した場合には、タッチパネル34の入力機能をオフにする。このようにすることで、入力システムは、ディスプレイ装置3のDOL30への電子ペン入力が行われる可能性が高い場合に、電子ペン入力を優先し、タッチパネル34の誤入力を防ぐことができる。従って、入力システムは、DOL30への電子ペン入力中に、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がDOL30上に接触することに起因したタッチパネル入力の誤検出や、電子ペン入力中に電子ペン1を把持する手の側部等がDOL30に接触することに起因したタッチパネル入力の誤検出等を防ぐことができる。
[第2実施形態の変形例]
次に、第2実施形態の変形例について説明する。第2実施形態では、第1実施形態の変形例1〜5に加え、以下の変形例6〜8を任意に組み合わせて適用可能である。
(変形例6)
本発明が適用可能なディスプレイ装置3の構成は、図14の構成に限定されない。これに代えて、ディスプレイ装置3は、ドットパターンと基材フィルム33との間、あるいは基材フィルム33とタッチパネル34との間に赤外線反射層が設けられ、さらにドットパターンが赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される構成であってもよい。この場合には、電子ペン1は、図10のステップS204、S205に相当するネガポジ判定処理を行わず、ステップS203の後ステップS206を実行する。
(変形例7)
本第2実施形態では、電子ペン1は、インクカートリッジなし電子ペン部114の移動を検知して、ペン先状態検知信号Sdを送信したが、さらに、電子ペン1のノック検知部140が、インクカートリッジ付き電子ペン部104の移動をも検知して、ペン先状態検知信号を送信するようにしてもよい。この場合、図15のステップS301の処理に代えて、電子ペン1は、インクカートリッジ付き電子ペン部104とインクカートリッジなし電子ペン部114とのいずれの移動をも検知して、ペン先状態検知信号を送信することとなる。そして、コンピュータ装置2は、図15のステップS402〜405の処理に代えて、ペン先状態検知信号Sdがインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態であることを示す場合に、タッチパネル機能をオフにし、ペン先状態検知信号Sdがインクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103が突出状態であることを示す場合に、タッチパネル機能をオンにする。コンピュータ装置2は、インクカートリッジ付き電子ペン部104とインクカートリッジなし電子ペン部114とのいずれも収容状態のときは、タッチパネル機能をオンにする。この態様によっても、好適に、入力システムは、ディスプレイ装置3のDOL30への電子ペン入力が行われる可能性が高い場合に、電子ペン入力を優先し、タッチパネル34の誤入力を防ぐことができる。
また、電子ペン1のノック検知部140は、インクカートリッジ付き電子ペン部104だけの移動を検知して、電子ペン1が、ペン先状態検知信号Sdを送信するようにし、コンピュータ装置2は、インクカートリッジ付き電子ペン部104が突出状態であると判断したときに、タッチパネル機能をオンにし、インクカートリッジ付き電子ペン部104が収納状態であると判断したときに、タッチパネル機能をオフにするようにしてもよい。
なお、この場合、電子ペン1は、インクカートリッジ付き電子ペン部104のノック操作を検知するノック検知センサをさらに備える代わりに、図12に示す構成のように、ペン先部103とペン先部113の両方の状態を検出できる構成であってもよい。
(変形例8)
図13及び図14では、DOL30及びタッチパネル34は、ディスプレイパネル35に積層されていた。しかし、本発明が適用可能な入力システムの構成は、これに限定されない。
図16は、第2実施形態の変形例4に係る入力システムのシステム構成図である。図16に示すように、第2実施形態の変形例8に係る入力システムは、コンピュータ装置2のディスプレイの表示画面と同じ画像をDOL30上に投影するプロジェクタ6を備える。また、DOL30及びタッチパネル34は、コンピュータ装置2のディスプレイと離れた位置に積層されて配置されている。また、タッチパネル34は、コンピュータ装置2と接続し、タッチパネル入力情報をコンピュータ装置2へ送信する。なお、図16に示すプロジェクタ6は、フロントプロジェクタであるが、リアプロジェクタであってもよい。また、DOL30またはタッチパネル34を構成する層に、投影された光を結像拡散する結像拡散層を採用するか、DOL30やタッチパネル34とは別に、結像拡散層を積層させるとよい。
このように、DOL30及びタッチパネル34がディスプレイに積層されていない構成であっても、コンピュータ装置2の処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換し、電子ペン1の入力処理を行う。また、処理手段24は、タッチパネル34から受信したタッチパネル入力情報が示すタッチパネル座標系座標情報を、記入手段25により記憶された第2座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換し、タッチパネル34の入力処理を行う。さらに、電子ペン1は、ユーザのノック操作に基づき、ペン先状態検知信号Sdを生成し、コンピュータ装置2へ送信する。処理手段24は、受信したペン先状態検知信号Sdに基づき、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフを切り替える。
この構成によっても、入力システムは、好適に、電子ペン入力と、ユーザの指によるタッチパネル入力とを処理し、かつ、ユーザの任意のタイミングでタッチパネル34の入力機能を制限し、タッチパネル34の誤入力を防ぐことができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。図17は、第3実施形態における入力システムのシステム構成図を示す。第3実施形態では、タッチパネル機能切替手段243に代えて、タッチパネル入力が有効な期間及び範囲を制限するタッチパネル機能制限手段244を備える点、及び、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態の間はLED105及びCMOSカメラ106が常にオンに設定される点で第2実施形態と異なる。その他、第2実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。なお、ペンIDの異なる電子ペン1が複数本、使用されてもよい。
第3実施形態では、電子ペン1のプロセッサ108は、圧力センサ117から与えられる筆圧データによらず、ノック検知部140から送信されるペン先状態検知信号Sdに基づき、ペン先部113が突出状態であると判断した場合にはLED105及びCMOSカメラ106を常時駆動させる。従って、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がドットパターンに近接して、プロセッサ108がCMOSカメラ106によって供給される画像データからドットパターンのX,Y座標を演算できるようになると、プロセッサ108は、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がDOL30に接触する前であっても、筆圧を0(ゼロ)とした記入情報を生成する。そして、プロセッサ108は、生成した記入情報を、通信ユニット111を介して、コンピュータ装置2へ送信する。
そして、コンピュータ装置2がペン先状態検知信号Sdを受信すると、処理手段24のタッチパネル機能切替手段243は、ペン先状態検知信号Sdに基づき、タッチパネル34の入力機能を切り替える。具体的には、ペン先状態検知信号Sdによりインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態であると判断した場合には、処理手段24は、タッチパネル34の入力機能を、後述する制限モードにする。一方、ペン先状態検知信号Sdによりインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が収納状態であると判断した場合には、処理手段24は、タッチパネル34の入力機能に制限を設けない通常モードにする。
次に、制限モード時のタッチパネル入力の処理について具体的に説明する。処理手段24のタッチパネル機能制限手段244は、コンピュータ装置2が電子ペン1から記入情報を受信している間、記入情報の座標情報が示すインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先位置(「電子ペン入力位置」とも呼ぶ。)から所定範囲内でのタッチパネル34の入力機能をオフにする。そして、処理手段24は、電子ペン入力位置が変化した場合には、変化後の電子ペン入力位置に基づき、タッチパネル34の入力機能をオフにする範囲を定める。以後では、電子ペン入力位置に基づき、タッチパネル34の入力機能をオフにする範囲を「制限範囲Wr」とも呼ぶ。
タッチパネル34の入力機能が制限モードである場合のタッチパネル機能制限手段244の具体的な処理についてさらに図18を参照して説明する。図18は、第3実施形態におけるディスプレイ装置3の表示画面の一例である。
図18では、ユーザがDOL30上にインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部103を当接させている。この場合、処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報に含まれる座標データを、第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標データに変換し、当該座標データの位置を電子ペン入力位置に定める。そして、処理手段24は、当該電子ペン入力位置を中心とした半径Rの円領域を制限範囲Wrに定め、制限範囲Wrでのタッチパネル34の入力機能をオフにし、制限範囲Wr以外の領域でのタッチパネル34の入力機能をオンにする。上述の半径Rは、DOL30上でインクカートリッジなし電子ペン部114による入力を行う場合に、電子ペン入力位置から、当該電子ペン1を把持する手の側部がDOL30上で接触する可能性がある位置までの最大距離を予め実験等によって求めて、半径Rを当該最大距離に定める。具体的には、半径Rは、例えば10cm〜15cmに設定するのが望ましい。
また、処理手段24は、電子ペン入力位置が変化した場合には、変化後の電子ペン入力位置に基づき新たに制限範囲Wrを定め、その範囲でのタッチパネル34の入力機能をオフにする。したがって、インクカートリッジなし電子ペン部114によってストロークが描かれている間は、電子ペン入力位置の移動に伴って、制限範囲Wrも移動する。さらに、処理手段24は、複数の電子ペン1から記入情報を受信している場合には、それぞれの電子ペン1に対応した制限範囲Wrを設ける。具体的には、処理手段24は、この場合、各電子ペン1の記入情報に基づき、それぞれの電子ペン入力位置を特定し、当該電子ペン入力位置に基づき制限範囲Wrを定める。この場合、制限範囲Wrは、各電子ペン入力位置を中心とした半径Rの円領域をあわせたDOL30上の領域となる。
[処理フロー]
次に、第3実施形態の入力システムにおいて、コンピュータ装置2によるタッチパネル34の入力機能を切り替える処理フロー、及び制限モード時での電子ペン入力に基づく処理フローについて説明する。
(タッチパネル入力機能の切り替え)
図19は、タッチパネル34の入力機能を切り替える処理フローを示すフローチャートである。図19に示す処理フローは、コンピュータ装置2が電子ペン1からペン先状態検知信号Sdを受信するごとに、又は、所定の周期で繰り返し実行される。
ユーザが、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113の状態を遷移させるノック操作を行うと、電子ペン1は、ノック検知部140により、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113の移動を検知する(ステップS501)。そして、電子ペン1は、ノック検知部140が生成したペン先状態検知信号Sdをコンピュータ装置2へ送信する(ステップS502)。なお、電子ペン1は、インクカートリッジなし電子ペン部114が突出状態の間は、LED105による赤外線照射とCMOSカメラ106による撮像を行い、ペンダウン前からドットパターンを認識しようとする。
コンピュータ装置2では、受信手段22が、電子ペン1から送信されたペン先状態検知信号Sdを受信すると(ステップS601)、処理手段24は、受信したペン先状態検知信号Sdに基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が開口部102から突出した突出状態に遷移したか否か判定する(ステップS602)。そして、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態の場合(ステップS602;Yes)、処理手段24のタッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル34の入力機能を制限モードに設定する(ステップS603)。これにより、コンピュータ装置2は、ディスプレイ装置3への電子ペン入力が行われる可能性が高いと推定される場合に、電子ペン入力を優先し、タッチパネル34への誤入力を防止する。
一方、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態でない場合(ステップS602;No)、処理手段24は、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がペン部側筺体101A内に収納された収納状態であると特定する(ステップS604)。そして、処理手段24のタッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル34の入力機能の制限モードを解除する(ステップS605)。言い換えると、タッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル34の入力機能を通常モードに設定する。そして、処理手段24は、タッチパネル入力があった場合には、タッチパネル34から受信するタッチパネル入力情報に基づき所定の処理を行う。
(制限モードでの処理)
図20は、制限モード時でのインクカートリッジなし電子ペン部114による電子ペン入力に基づく処理フローを示すフローチャートである。図20に示す処理フローは、コンピュータ装置2が電子ペン1により筆圧0の記入情報を受信するごとに繰り返し実行される。なお、図20に示す処理フローは、同時に複数の電子ペン1により記入情報が生成された場合には、電子ペン1のペンIDごとに並行して実行される。
ユーザが、電子ペン1のインクカートリッジなし電子ペン部114をDOL30に対しドットパターンを読み取り可能な位置まで近接させると、電子ペン1は、ドットパターンが撮像されて演算された座標情報を含む座標属性情報とペンIDとが関連付けられた筆圧0の記入情報をコンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2では、受信手段22が、電子ペン1から送信された筆圧0の記入情報を受信すると、処理手段24は、カウントを開始して、初期値が0の変数tを所定時間幅ごとに1だけ加算していく(ステップS701)。そして、処理手段24は、受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換する(ステップS702)。そして、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき電子ペン入力位置を定め、当該電子ペン入力位置から所定範囲におけるタッチパネル34の入力機能を制限する(ステップS703)。具体的には、処理手段24は、電子ペン入力位置から半径Rの円領域のタッチパネル34の入力機能をオフにする。
次に、処理手段24は、筆圧(p)が0より大きい記入情報を受信したか否か判定する(ステップS704)。これにより、処理手段24は、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がDOL30に接触した状態で電子ペン入力が行われているか、又は、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がDOL30に接触せずに近接しているか判断する。そして、筆圧が0より大きい記入情報を受信していない場合(ステップS704;No)、処理手段24は、変数tが所定値Tより大きいか否か判定し(ステップS705)、変数tが所定値T以下の場合では(ステップS705;No)、処理手段24は、ステップS704の処理へ戻り、筆圧が0より大きい記入情報を受信したか否か引き続き監視する。そして、処理手段24は、変数tが所定値Tよりも大きくなった場合に(ステップS705;Yes)、当該処理フローにおいて処理対象となっている電子ペン1の電子ペン入力位置に基づくタッチパネル34の入力機能の制限を解除する(ステップS712)。
一方、筆圧が0より大きい記入情報を受信したと判定した場合(ステップS704;Yes)、処理手段24は、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がDOL30に接触した状態で電子ペン入力が行われたと判断し、記憶手段25に、その記入情報をペンID毎に記憶させる(ステップS706)。次に、処理手段24は、受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換する(ステップS707)。そして、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき電子ペン入力位置を定め、当該電子ペン入力位置から半径Rの円領域のタッチパネル34の入力機能をオフにする(ステップS708)。そして、処理手段24は、電子ペン入力処理を行う(ステップS709)。例えば、処理手段24は、変換後の座標情報に基づいて、ディスプレイパネル35により現在表示中の画像に、記入されたストロークを重畳して描画し、ディスプレイパネル35による表示を更新させると共に、描画後の画像を記憶手段25に更新して記憶させる。
次に、処理手段24は、筆圧が0より大きい記入情報を受信しているか否か判定し(ステップS710)、筆圧が0より大きい記入情報を受信していると判定した場合(ステップS710;Yes)、引き続きステップS706の処理へ移行し、記入情報に基づき処理を行う。一方、筆圧が0より大きい記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS710;No)、処理手段24は、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113がDOL30から離れたと判断し、次に、筆圧0の記入情報を受信しているか否か判定する(ステップS711)。そして、筆圧0の記入情報を受信していると判定した場合(ステップS711;Yes)、処理手段24は、電子ペン1はDOL30に対してドットパターンが読み取り可能な近接状態にあると判断し、ステップS710の処理へ戻り、再び電子ペン1のペンダウンが行われるか否か判定する。
一方、筆圧0の記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS711;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に対してドットパターンを読み取れない位置まで離れ、ユーザによる電子ペン入力が終了したと判断し、当該処理フローにおいて処理対象となっている電子ペン1の電子ペン入力位置に基づくタッチパネル34の入力機能の制限を解除する(ステップS712)。
[具体例]
次に、図21に示す制限モード時のフローチャートの処理の具体例について、図21を参照してさらに詳しく説明する。図21は、電子ペン1とDOL30との位置関係と、各位置関係の場合にコンピュータ装置2へ送信される記入情報の内容とを示す図である。なお、図21に示す記入情報において、(Xa、Ya)乃至(Xd、Yd)は、DOL座標系の座標値を示し、「PD」は、ペンダウンを示し、「PU」は、ペンアップを示すものとする。
まず、図21(a)では、ユーザが電子ペン1のインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113をDOL30に近接させる。これにより、電子ペン1は、ドットパターンを読み取り、DOL座標系の座標値と、筆圧0の情報とを含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信し、変数tを増加させてカウントを開始し(ステップS701参照)、電子ペン入力位置から半径Rの円領域のタッチパネル34の入力機能をオフにする(ステップS703参照)。そして、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信している間、変数tが所定値Tより大きくならないか否か監視する(ステップS704、ステップS705参照)。
次に、図21(b)では、ユーザは、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113をDOL30上にペンダウンする。この場合、電子ペン1は、ペンダウン情報と、0より大きい筆圧の情報とを含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2は、筆圧が0より大きい記入情報を受信したことから(ステップS704参照)、制限範囲Wrでのタッチパネル34の入力機能をオフにしつつ、記入情報に基づき電子ペン入力処理を行う(ステップS706乃至ステップS709参照)。その後、電子ペン1は、ユーザがインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113のペンダウンをして記入を継続している間、DOL30座標系の座標値と、0より大きい筆圧の情報とを含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。この場合、コンピュータ装置2は、筆圧が0より大きい記入情報を受信していることから(ステップS710参照)、引き続き電子ペン入力処理等を行う(ステップS706乃至ステップS709参照)。
次に、図21(c)では、ユーザは、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113をペンアップし、DOL30と近接させた状態とする。この場合、電子ペン1は、ペンアップ情報と、筆圧0の情報とを含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。この場合、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信しているか否か監視を行う(ステップS711参照)。
そして、図21(d)では、ユーザは、図21(c)の状態から再びインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113をDOL30上にペンダウンする。この場合、コンピュータ装置2は、再び筆圧が0より大きい記入情報を電子ペン1から受信し(ステップS710参照)、記入情報に基づき電子ペン入力処理を行う(ステップS706乃至ステップS709参照)。
一方、図21(e)では、ユーザは、図21(c)の状態からさらにインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113をDOL30から遠ざける。この場合、電子ペン1は、ドットパターンを読み取ることができないため、記入情報を生成しない。従ってこの場合、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信しなくなったことから(ステップS711参照)、タッチパネル機能の制限を解除する(ステップS712参照)。
[第3実施形態の入力システムによる作用効果]
第3実施形態の入力システムによれば、コンピュータ装置2は、各電子ペン1から送信されたペン先状態検知信号Sdに基づき、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態である場合、タッチパネル機能を制限モードに設定する。また、インクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態である間はLED105及びCMOSカメラ106も常にオンに設定され、コンピュータ装置2は、制限モード時に記入情報を受信した場合に、電子ペン入力位置から所定範囲Wrにおけるタッチパネル34の入力機能を制限する。これにより、ユーザが電子ペン入力を行う場合に、電子ペン1がドットパターンを読み取れる状態になれば、電子ペン1のペン先がDOL30に当接する前から、電子ペン1を把持する手の側部がDOL30に接触する前であっても、電子ペン入力位置から制限範囲Wrにおけるタッチパネル34の入力機能をオフにすることができる。従って、第3実施形態の入力システムは、電子ペン入力に伴うタッチパネル入力の誤検出を防ぐことができる。
また、コンピュータ装置2は、制限モード時では、電子ペン入力位置から所定範囲に限ってタッチパネル34の入力機能をオフにすることで、電子ペン1を把持する手の側部等がDOL30に接触することに起因した誤入力を防ぎつつ、一方の手の指又は他のユーザの手の指によるタッチパネル入力を有効に処理することができる。従って、第3実施形態は、ディスプレイ装置3が大型の画面を有し、複数人によりタッチパネル入力とペン入力とを行う可能性がある場合にも好適に適用される。
また、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信後に変数tによりカウントを開始し、その後、筆圧が0より大きい記入情報を受信しない場合であっても、変数tが所定値Tより大きくなるまでは、タッチパネル34の入力機能の制限を解除しない。これにより、タッチパネル34の入力機能の制限の設定及び解除が頻繁に発生するのを抑制することができる。
[第3実施形態の変形例]
次に、第3実施形態の変形例について説明する。第3実施形態では、第1実施形態の変形例1〜5、第2実施形態の変形例6〜8に加え、以下の変形例9及び変形例10を任意に組み合わせて適用可能である。
(変形例9)
図18の説明では、処理手段24は、電子ペン入力位置から半径Rの円領域を制限範囲Wrに定めたが、制限範囲Wrの設定方法は、これに限定されない。これに代えて、例えば、処理手段24は、楕円、その他円以外の予め定めた形状の領域を、電子ペン入力位置に基づき制限範囲Wrに定めてもよい。
(変形例10)
図19の処理に代えて、コンピュータ装置2は、インクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103が突出状態である場合に、タッチパネル機能の制限モードを解除してもよい。この場合、電子ペン1は、例えばインクカートリッジ付き電子ペン部104のノック操作を検知するノック検知センサをさらに備え、当該ノック検知センサが生成したインクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103の状態を示すペン先状態検知信号Sdをさらにコンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2は、図19の処理に代えて、ペン先状態検知信号Sdがインクカートリッジなし電子ペン部114のペン先部113が突出状態であることを示す場合に、タッチパネル機能を制限モードに設定し、ペン先状態検知信号Sdがインクカートリッジ付き電子ペン部104のペン先部103が突出状態であることを示す場合に、タッチパネル機能の制限モードを解除する。なお、この場合、電子ペン1は、インクカートリッジ付き電子ペン部104のノック操作を検知するノック検知センサをさらに備える代わりに、第1実施形態の変形例2の図12に示す構成のように、ノック検知センサ140によりペン先部103とペン先部113の両方の状態を検出できる構成であってもよい。
1…電子ペン
2…コンピュータ装置
3…ディスプレイ装置
4…記入用紙
6…プロジェクタ
21…入力手段
22…受信手段
24…処理手段
25…記憶手段
30…DOL
34…タッチパネル
35…ディスプレイパネル

Claims (13)

  1. 開口部を有する筺体と、
    コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジ付き電子ペン部と、
    コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジなし電子ペン部と、
    前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先と、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先とのいずれかを、前記開口部から突出していない収納状態から、前記開口部から突出した突出状態に遷移させるペン先遷移機構と、
    前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先又は/及び前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態又は前記収納状態のいずれであるかを検知する検知部と、を備える電子ペンと、
    タッチパネルと、前記電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイと、
    前記タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置と、を備える入力システムであって、
    前記電子ペンは、
    前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信する送信手段をさらに備え、
    前記コンピュータ装置は、
    前記電子ペンから、前記検知信号を受信する受信手段と、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能を制限する処理手段と、
    を備えることを特徴とする入力システム。
  2. 開口部を有する筺体と、
    コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジ付き電子ペン部と、
    コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジなし電子ペン部と、
    前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先と、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先とのいずれかを、前記開口部から突出していない収納状態から、前記開口部から突出した突出状態に遷移させるペン先遷移機構と、
    前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先又は/及び前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態又は前記収納状態のいずれであるかを検知する検知部と、を備える電子ペンと、
    電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層が積層されたタッチパネルと、
    前記タッチパネルと通信可能であり、当該タッチパネルによる入力と、前記電子ペン部による入力とが可能なコンピュータ装置と、
    前記コンピュータ装置から送信された画像信号に基づく表示画面を前記タッチパネルに投影するプロジェクタと、を備える入力システムであって、
    前記電子ペンは、
    前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信する送信手段をさらに備え、
    前記コンピュータ装置は、
    前記電子ペンから、前記検知信号を受信する受信手段と、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能を制限する処理手段と、
    を備えることを特徴とする入力システム。
  3. 前記検知部は、長手方向における前記インクカートリッジ付き電子ペン部又は/及び前記インクカートリッジなし電子ペン部の移動を検出することで、当該インクカートリッジ付き電子ペン部又は/及びインクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態又は前記収納状態のいずれであるかを検知することを特徴とする請求項1または2に記載の入力システム
  4. 前記電子ペンは、
    前記開口部の方向へ前記インクカートリッジ付き電子ペン部が移動した場合と、前記開口部の方向へ前記インクカートリッジなし電子ペン部が移動した場合とで異なる方向へ回動する回動部と、
    前記回動部が回動する軸であって、前記回動部と共に回動する軸部とを備え、
    前記検知部は、前記軸部の状態に基づき、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先及び前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態又は前記収納状態のいずれであるかを検知することを特徴とする請求項1または2に記載の入力システム
  5. 前記コンピュータ装置の処理手段は、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、
    前記インクカートリッジなし電子ペンの電子ペン部による記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の入力システム。
  6. 前記コンピュータ装置の処理手段は、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態でないと判断した場合、
    前記タッチパネルによる入力機能の制限を解除することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の入力システム。
  7. 前記電子ペンの送信手段は、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信し、
    前記コンピュータ装置の処理手段は、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、
    前記タッチパネルによる入力機能の制限を解除することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の入力システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の入力システムであって、
    コード化パターンが形成された記入用紙をさらに備え、
    前記記入用紙に印刷されたコード化パターンと、前記コード化パターン層に形成されたコード化パターンとは、赤外線吸収性の素材又は赤外線反射性の素材のうち、異なるいずれかの素材により形成され、
    前記電子ペンは、
    前記記入用紙又は前記コード化パターン層に対して赤外線を照射する赤外線照射手段と、
    前記赤外線照射手段によって赤外線が照射された領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段によって撮像された撮像画像に対して所定の閾値を用いて2値化処理を行う2値化処理手段と、
    前記検知部が検知した結果に応じて、前記2値化処理された画像に対してネガポジ反転処理を行うネガポジ反転処理手段と、
    前記ネガポジ反転処理手段によって前記ネガポジ反転処理が行われた場合には、当該ネガポジ反転処理された画像に基づいて前記コード化パターンを認識し、前記ネガポジ反転処理手段によって前記ネガポジ反転処理が行われなかった場合には、前記2値化処理された画像に基づいて前記コード化パターンを認識するコード化パターン認識手段と
    をさらに備えることを特徴とする入力システム。
  9. 開口部を有する筺体と、
    コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジ付き電子ペン部と、
    コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジなし電子ペン部と、
    前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先と、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先とのいずれかを、前記開口部から突出していない収納状態から、前記開口部から突出した突出状態に遷移させるペン先遷移機構と、
    前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先又は/及び前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態又は前記収納状態のいずれであるかを検知する検知部と、を備える電子ペンと、
    タッチパネルと、前記電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイと、
    前記タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置とを備える入力システムであって、
    前記電子ペンは、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信する送信手段をさらに備える入力システムの前記コンピュータ装置により実行されるプログラムであって、
    前記電子ペンから、前記検知信号を受信する受信手段、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能を制限する処理手段
    として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
  10. 開口部を有する筺体と、
    コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジ付き電子ペン部と、
    コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成するインクカートリッジなし電子ペン部と、
    前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先と、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先とのいずれかを、前記開口部から突出していない収納状態から、前記開口部から突出した突出状態に遷移させるペン先遷移機構と、
    前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先又は/及び前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態又は前記収納状態のいずれであるかを検知する検知部と、を備える電子ペンと、
    電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層が積層されたタッチパネルと、
    前記タッチパネルと通信可能であり、当該タッチパネルによる入力と、前記電子ペン部による入力とが可能なコンピュータ装置と、
    前記コンピュータ装置から送信された画像信号に基づく表示画面を前記タッチパネルに投影するプロジェクタとを備える入力システムであって、
    前記電子ペンは、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信する送信手段をさらに備える入力システムの前記コンピュータ装置により実行されるプログラムであって、
    前記電子ペンから、前記検知信号を受信する受信手段、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、前記タッチパネルによる入力機能を制限する処理手段
    として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
  11. 前記処理手段は、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、
    前記電子ペンの電子ペン部による記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限することを特徴とする請求項9または10に記載のプログラム。
  12. 前記処理手段は、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジなし電子ペン部のペン先が前記突出状態でないと判断した場合、
    前記タッチパネルによる入力機能の制限を解除することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載のプログラム。
  13. 前記電子ペンの送信手段は、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先が前記突出状態か又は前記収納状態かを示す検知信号を前記コンピュータ装置に送信し、
    前記処理手段は、
    前記検知信号に基づき、前記インクカートリッジ付き電子ペン部のペン先が前記突出状態であると判断した場合、
    前記タッチパネルによる入力機能の制限を解除することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載のプログラム。
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