以下に添付図面を参照して、この発明にかかる音声通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(システム構成)
まず、この発明の実施の形態1にかかる音声通信方法を実現するための音声通信システムの全体構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態1にかかる音声通信方法を実現するための音声通信システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明の実施の形態1にかかる音声通信方法を実現するための音声通信システム100は、顧客端末装置(顧客の端末装置)110と、振り分けサーバ(所定のサーバ)120と、PBX(コールセンターの受付装置)130と、オペレータ端末装置(オペレータの端末装置)140と、を備えて構成されている。顧客端末装置110と振り分けサーバ120とは、インターネットなどのネットワーク101を介して、互いに通信可能に接続されている。顧客端末装置110とオペレータ端末装置140とは、公衆音声網102およびPBX130を介して互いに音声通信可能に接続することができる。
公衆音声網102は、固定電話網(公衆交換電話網)および携帯電話網を含む。公衆音声網102は、電話線を収容する加入者線交換機、加入者線交換機を束ねる中継交換機、ほかの事業者の電話網と接続する関門交換機など、図示を省略する複数の交換機によって構成されている。公衆音声網102については、公知の技術であるため説明を省略する。
顧客端末装置110は、顧客端末装置110ごとに固有の電話番号(顧客端末電話番号)が割り当てられている。また、顧客端末装置110は、インターネットなどのネットワーク101を介して振り分けサーバ120にリクエストを送信し、リクエストを送信した結果振り分けサーバ120から返信されてきたコンテンツを処理する顧客端末ソフト(ウエア)がインストールされている。顧客端末ソフトは、顧客端末装置110上で動作する。
顧客端末ソフトは、たとえば、振り分けサーバ120から返信されてきたコンテンツに基づいて、コールセンターにおいて対応可能なメニュー項目を含むWEBページを表示するブラウザソフト(ウエア)を含んでいる。WEBページは、たとえば、コールセンターへの発呼(発信、架電、音声通信)を要求するリクエスト(以下「架電リクエスト」という)の送信を指示するメニュー項目の画像(ボタン)など、各種のメニュー項目を示す画像(ボタン)を含む(図20−1、図20−2を参照)。
顧客端末ソフトは、たとえば、顧客によってWEBページ上の画像(ボタン)が選択された場合に、選択された画像(ボタン)に応じた特定のURLを指定し、選択された画像(ボタン)に該当するリクエストを振り分けサーバ120に対して送信する。顧客端末装置110は、たとえば、インターネットなどのネットワーク101に接続することが可能な携帯型電話機によって実現することができる。顧客端末装置110を実現する携帯型電話機については、説明を後述する。なお、顧客端末装置110は、携帯型電話機に限るものではなく、たとえば、インターネットなどのネットワーク101に接続することが可能であって、音声通信が可能な各種の端末装置によって実現することができる。
振り分けサーバ120は、インターネットなどのネットワーク101を介して顧客端末装置110から送信されたリクエストを受信した場合に、受信したリクエストに応じたコンテンツを返信する振り分けサーバソフト(ウエア)がインストールされている。振り分けサーバソフトは、たとえば、WWW(World Wide Web)システムにおける情報送信を実現する情報送信機能を備えており、HTTP(HyperText Transfer Protocol)にしたがって、顧客端末装置110が備えるブラウザソフトに対して、HTML(HyperText Markup Language)や画像などの各種オブジェクトを表示させる。
振り分けサーバソフトは、振り分けサーバ120上で動作する。振り分けサーバソフトは、架電リクエストを受信した場合に、当該架電リクエストの送信元である顧客端末装置110に最適な着信先オペレータあるいはグループを決定(判断)するACDソフト(ウエア)を含んでいる。顧客端末装置110に最適な着信先オペレータあるいはグループの決定方法については、説明を後述する。
ACDソフトは、ランクテーブル、顧客ランク判別テーブル、着信先判断テーブル、対応履歴テーブルなどに記憶されている各種の情報に基づいて、最適な着信先オペレータあるいはグループを決定する。ランクテーブル、顧客ランク判別テーブル、着信先判断テーブルおよび対応履歴テーブルについては、説明を後述する(図5、図6、図7、図8および図9を参照)。
また、振り分けサーバソフトは、架電リクエストを受信した場合、ACDソフトによって決定された最適な着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140を発呼する架電先電話番号を取得し、当該架電先電話番号を含むコンテンツを、該当する顧客端末装置110に送信(返信)する。振り分けサーバソフトは、架電先電話番号を含むコンテンツの送信に際して、送信する架電先電話番号が振り分けサーバソフトによって送信されたことを示す識別情報を、あわせて送信してもよい。
この識別情報は、振り分けサーバソフトから送信されたコンテンツに基づく顧客端末装置110からの発呼(着信呼)が、当該コンテンツの受信時(受信直後に)になされたか否かを識別するものであり、具体的には、たとえば、所定のDTMF(Dual−Tone Multi−Frequency)信号によって実現することができる。
振り分けサーバ120は、たとえば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置については、説明を後述する(図3を参照)。
上記の顧客端末ソフトは、振り分けサーバ120から架電先電話番号を含むコンテンツを受信した場合に、受信されたコンテンツに含まれる架電先電話番号に対する発呼をおこなう。コンテンツを受信した顧客端末装置110から架電先電話番号に対する発呼をおこなうソフト(ウエア)は、顧客端末ソフトの一部を構成し、顧客端末装置110にあらかじめインストールされている。あるいは、コンテンツを受信した顧客端末装置110から架電先電話番号に対する発呼をおこなうソフトは、振り分けサーバ120から受信されたコンテンツに含まれるアプリケーションソフト(ウエア)とし、コンテンツを受信した場合に1回限り動作するものであってもよい。
顧客端末ソフトは、架電先電話番号に対する発呼に際して、顧客端末装置110から公衆音声網102に対して、架電先電話番号を含む接続要求信号を出力する。接続要求信号には、架電先電話番号に加えて、発呼元(発信元)である顧客端末装置110の電話番号(以下「顧客端末電話番号」という)などが含まれている。
振り分けサーバ120から受信されたコンテンツに、DTMF信号などの識別情報が含まれている場合、顧客端末ソフト(またはアプリケーションソフト)は、架電先電話番号に対する発呼に際して、たとえば、受信したコンテンツに含まれる架電先電話番号に対して架電をおこなう。そして、架電先電話番号に対する接続が確立した後に、受信したコンテンツに含まれるDTMF信号などの識別情報を送信する。
PBX130は、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)があった場合に、顧客端末装置110から送信された架電先電話番号に基づいて、該当する着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140に発呼(着信呼)を転送する転送ソフト(ウエア)がインストールされている。具体的には、転送ソフトは、たとえば、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)があった場合、顧客端末装置110との間における接続が確立された後に、DTMF信号などの識別情報を受信するまで待機する。そして、DTMF信号などの識別情報を受信した場合に、受信されたDTMF信号などの識別情報に基づいて特定される架電先電話番号に基づいて、該当する着信先オペレータあるいはグループを決定する。そして、決定された着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140、すなわち架電先電話番号が割り当てられたオペレータ端末装置140に発呼(着信呼)を転送する。
より具体的には、転送ソフトは、たとえば、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)があった場合に電話テーブルを参照し、顧客端末装置110から送信された架電先電話番号に関連付けられている着信先オペレータあるいはグループを特定する。そして、特定された着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140に発呼(着信呼)を転送する。着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140は、通話(音声による通信)が可能であり、たとえば固定電話機などによって実現することができる。固定電話機の構成および電話テーブルについては、説明を後述する(図4および図10を参照)。
PBX130は、たとえば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。PBX130を実現するコンピュータ装置については、説明を後述する。振り分けサーバ120およびPBX130は、それぞれ独立したコンピュータ装置によって実現することができる。
(顧客端末装置110のハードウエア構成)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における顧客端末装置110を実現する携帯型電話機のハードウエア構成について説明する。この実施の形態1においては、顧客端末装置110を実現する携帯型電話機のハードウエア構成について説明する。
図2は、顧客端末装置110を実現する携帯型電話機は、ハードウエア構成を示すブロック図である。図2において、顧客端末装置110は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ディスプレイ204と、キーボード205と、マイク206と、スピーカ207と、タッチパネル208と、通信I/F209と、音声通信I/F210を備えている。また、各構成部はバス211によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、携帯型電話機全体の制御をつかさどる。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。また、ROM202は、たとえば、上記の顧客端末ソフトを記憶している。また、ROM202は、携帯型電話機の操作者によって登録された個人の電話番号情報やアドレス情報を含むアドレス帳情報などを記憶していてもよい。
RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。ディスプレイ204は、設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示し、主にTFT液晶ディスプレイなどの液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイによって実現される。
キーボード205は、文字、数値、通話の開始や終了などの各種指示の入力のためのキーを備えている。携帯型電話機においては、キーボード205を介して顧客端末装置110の操作者(顧客)による操作を受け付けることにより、携帯型電話機に対して各種のデータを入力することができる。
マイク206は利用者の声をアナログ/デジタル変換した音声データを入力し、スピーカ207は通話相手側から送信された音声データをデジタル/アナログ変換した音声を出力する。スピーカ207は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。
タッチパネル208は、ディスプレイ204の表示面側に積層される。タッチパネル208は、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネル208に対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。また、タッチパネル208は、タッチパネル208に対する筆記部材の接触が解除された場合、信号の出力を停止する。あるいは、タッチパネル202は、タッチパネル202に対する筆記部材の接触が解除された場合に、タッチパネル202に対する筆記部材の接触がないことを示す信号を出力してもよい。
タッチパネル208は、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式など公知の各種の方式によってタッチパネル208に対する筆記部材の接触位置を検出し、検出した接触位置に応じた電気信号を、CPU201に対して出力する。電磁誘導方式を採用する場合、電子ペンなどと称される専用の筆記部材を用いる。
通信I/F209は、インターネットなどのネットワーク101を介して振り分けサーバ120に接続される。通信I/F209は、携帯型電話機の内部と振り分けサーバ120とのインターフェースをつかさどる。通信I/F209は、携帯型電話機と振り分けサーバ120との間におけるデータ通信にかかるインターフェースをつかさどる。
具体的には、携帯型電話機は、通信I/F209を介して振り分けサーバ120に接続することにより、振り分けサーバ120に対して架電リクエストなどの各種のリクエストを送信したり、振り分けサーバ120から送信されたコンテンツを受信したりすることができる。
音声通信I/F210は、公衆音声網102を介してPBX130に接続される。さらに、音声通信I/F210は、公衆音声網102およびPBX130を介して着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に接続される。音声通信I/F210は、携帯型電話機の内部とPBX130との間における音声通信にかかるインターフェースをつかさどる。
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、振り分けサーバ120やPBX130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図3は、振り分けサーバ120やPBX130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。図3において、コンピュータ装置は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、HDD(ハードディスクドライブ)304と、HD(ハードディスク)305と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)306と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)307と、通信I/F(インターフェース)308と、を備えている。また、コンピュータ装置が備える各部301〜308は、バス309によってそれぞれ接続されている。
CPU301は、コンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM302は、ブートプログラムや各種のプログラムなどを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HDD304は、CPU301の制御にしたがってHD305に対するデータのリード/ライトを制御する。
HD305は、HDD304の制御で書き込まれたデータを記憶する。HD305は、HDD304の制御で書き込まれたデータを、不揮発に記憶する。HDD304は、HD305に記憶されている各種の情報を、適宜更新(追加、消去など)することが可能とされている。
FDD306は、CPU301の制御にしたがってFD307に対するデータのリード/ライトを制御する。FD307は、FDD306の制御で書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体として、FD307の他、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などであってもよい。
通信I/F308は、コンピュータ装置と顧客端末装置110とを接続するインターフェースとして機能する。通信I/F308は、コンピュータ装置と顧客端末装置110との間におけるデータの入出力を制御する。振り分けサーバ120やPBX130を実現するコンピュータ装置は、たとえばCRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどによって実現されるディスプレイや、キーボード、マウス、スキャナなどの入力装置を備えていてもよい(いずれも図示を省略する)。この場合、ディスプレイや入力装置は、それぞれ、バス309に接続される。コンピュータ装置がPBX130を実現する場合、通信I/F308は、公衆音声網102に接続される音声通信I/Fを実現する。
(オペレータ端末装置140のハードウエア構成)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100におけるオペレータ端末装置140を実現する固定型電話機のハードウエア構成について説明する。この実施の形態1においては、オペレータ端末装置140を実現する固定型電話機のハードウエア構成について説明する。
図4は、オペレータ端末装置140を実現する固定型電話機のハードウエア構成を示す説明図である。図4において、オペレータ端末装置140を実現する固定型電話機は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ディスプレイ404と、操作キー部405と、マイク406と、スピーカ407と、通信I/F408と、を備えている。各構成部は、バス409によってそれぞれ接続されている。
CPU401は、固定型電話機の制御をつかさどる。ROM402は、各種のプログラムを記憶している。また、ROM402は、固定型電話機の操作者によって登録された個人の電話番号情報を含む電話帳情報などを記憶していてもよい。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
ディスプレイ404は、顧客端末電話番号など発信元となる電話機の電話番号や、オペレータ端末装置140が実行可能な各種の機能情報など、各種の情報を表示する。ディスプレイ404は、たとえば、各種の情報をモノクロあるいはカラー表示する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイによって実現することができる。また、ディスプレイ404は、たとえば、各種の情報をモノクロ表示する7セグメント方式のディスプレイによって実現してもよい。
操作キー部405は、「0」〜「9」までのテンキーや、「#」キー、「*」キー、その他の各種のキーなどを備えている。固定型電話機においては、操作キー部405において入力操作を受け付けることにより、ディスプレイ404の表示内容を切り替えたり、消去したりすることができる。また、固定型電話機においては、たとえば、操作キー部405において入力操作を受け付けることにより、発呼(着信呼)を保留したり、発呼(着信呼)を別の固定型電話機に転送したりすることができる。
マイク406は、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。スピーカ407は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。
通信I/F408は、加入者線を介して加入者線交換機に接続されている。通信I/F408は、公衆音声網102(あるいはPBX130)と固定型電話機の内部とのインターフェースをつかさどり、通話相手側から送信された音声データやマイク406から入力された音声データの、固定型電話機における入出力を制御する。
固定型電話機は、さらに、スキャナおよび当該スキャナで読み取った画像情報を電話回線網に送出可能な形式に変換する変換機を備え、ファクシミリの機能を実現するものであってもよい。スキャナは、画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。スキャナについては、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
オペレータ端末装置140を実現する固定型電話機は、音声通信(電話)を実現可能な構成であればよい。具体的には、たとえば「黒電話」などと称される、日本電信電話公社の黒色(黒色以外も存在する)のダイヤル式電話機によって実現することができる。ダイヤル式電話機は、たとえば600−A1型、600−A2型、601−A2型などの各種の機種が存在する。このようなダイヤル式電話機については、公知の技術であるため説明を省略する。
(各種データベース)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100において用いられる各種のデータベースについて説明する。この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100においては、ランクテーブル、顧客ランク判別テーブル、着信先判断テーブルおよび対応履歴テーブルなどに記憶された各種の情報を用いて、顧客からの着信呼に対応する着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140を決定する。また、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100においては、顧客からの着信呼に対応する着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140の決定に際して、電話テーブルに記憶された各種の情報を用いる。
ランクテーブル、顧客ランク判別テーブル、着信先判断テーブルおよび対応履歴テーブルなどの各種の情報は、たとえば、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置のHD305に記憶されている。電話テーブルは、たとえば、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置およびPBX130を実現するコンピュータ装置のHD305に記憶されている。
ランクテーブル、顧客ランク判別テーブル、着信先判断テーブルおよび対応履歴テーブルなどの各種の情報は、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置のHD305に記憶されているものに限らない。ランクテーブル、顧客ランク判別テーブル、着信先判断テーブルおよび対応履歴テーブルなどの各種の情報は、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置とは別のコンピュータ装置に記憶されていてもよい。
電話テーブルは、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置のみに記憶されていてもよい。この場合、PBX130を実現するコンピュータ装置は、インターネットなどのネットワーク101を介して振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置との間で通信をおこない、電話テーブルに記憶された情報を取得する。
また、電話テーブルは、PBX130を実現するコンピュータ装置のみに記憶されていてもよい。この場合、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置は、インターネットなどのネットワーク101を介してPBX130を実現するコンピュータ装置との間で通信をおこない、電話テーブルに記憶された情報を取得する。
あるいは、電話テーブルは、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置やPBX130を実現するコンピュータ装置とは別のコンピュータ装置に記憶されていてもよい。この場合、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置やPBX130を実現するコンピュータ装置は、電話テーブルを記憶する別のコンピュータ装置との間で通信をおこない、電話テーブルに記憶された情報を取得する。
振り分けサーバ120やPBX130を実現するコンピュータ装置においては、上述した各種データベースや各種のデータテーブルなどの各種の情報のすべてが同一のコンピュータ装置に記憶されているものに限らず、その一部の情報が記憶されているものであってもよい。
(ランクテーブル)
つぎに、ランクテーブルの一例について説明する。図5は、ランクテーブルの一例を示す説明図である。図5において、ランクテーブル500は、複数段階に分類されたランク(あるいは、ランクの識別情報)ごとに、各ランクに属する顧客に関する情報を関連付けて記憶している。ランクテーブル500におけるランクは、顧客の優先度であってもよい。また、ランクテーブル500におけるランクは、各顧客の応対をおこなうオペレータのプレゼンス、稼働率、スキル(経験、対応可能言語など)など、オペレータの属性情報であってもよい。
顧客に関する情報は、たとえば、カード会員の種別(特別会員か通常会員か)、所定期間におけるカード利用金額、累積のカード利用金額、カード会員の継続期間など、顧客あるいは当該顧客のカードの利用状況など、顧客あるいは当該顧客のカードの利用状況を特定可能な情報によって実現することができる。
(顧客ランク判別テーブル)
つぎに、顧客ランク判別テーブルの一例について説明する。図6は、顧客ランク判別テーブルの一例を示す説明図である。図6において、顧客ランク判別テーブル600は、顧客端末電話番号と、当該顧客のランクと、を関連付けて記憶している。顧客端末電話番号は、たとえば、カードの発行時などにおいて、顧客あるいはカード発行元によって登録される。
各顧客のランクは、ランクテーブル500を参照し、顧客に関する情報に基づいて、顧客ごとに設定される。すなわち、顧客ランク判別テーブル600において、顧客端末電話番号には、それぞれ、複数段階に分類されたランクの中のいずれかのランクが関連付けて記憶されている。
具体的には、各顧客のランクは、たとえば、顧客のカード会員としての種別(特別会員か通常会員か)、顧客の所定期間におけるカード利用金額、顧客の累積のカード利用金額、顧客のカード会員としての継続期間などのように、顧客あるいは当該顧客のカードの利用状況などに関する情報に基づいて設定される。顧客端末電話番号に関連付けられるランクは、たとえば、顧客のカードの利用履歴などのように、顧客に関する情報が更新されるごとに、更新された顧客に関する情報に応じて適宜更新されるものであってもよい。
(着信先判断テーブル(その1))
つぎに、着信先判断テーブルの一例について説明する。図7は、着信先判断テーブルの一例を示す説明図である。図7において、着信先判断テーブル700は、複数段階に分類されたランクごとに、着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報を関連付けて記憶している。図7に示した着信先判断テーブル700を用いることにより、各顧客のランクにしたがって、着信先オペレータまたはグループを判断することができる。
着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報は、たとえば、着信先オペレータまたはグループごとに固有の識別情報とすることができる。着信先判断テーブル700において、着信先オペレータまたはグループを特定可能な識別情報は、たとえば、コールセンターにおいて任意に設定された複数桁の数字情報によって実現することができる。また、着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報は、たとえば、コールセンターにおいて任意に設定された複数桁の文字情報であってもよく、数字情報と文字情報とを組み合わせた情報であってもよい。
(着信先判断テーブル(その2))
つぎに、着信先判断テーブルの一例について説明する。図8は、着信先判断テーブルの一例を示す説明図である。図8において、着信先判断テーブル800は、コールセンターにおいて対応可能なメニュー項目ごとに、着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報を関連付けて記憶している。図8に示した着信先判断テーブル800を用いることにより、各顧客によって指定されたメニュー項目にしたがって、着信先オペレータまたはグループを決定することができる。
着信先判断テーブル800において、着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報は、メニュー項目ごとに複数関連付けられていてもよい。図8に示した着信先判断テーブル800を用いることにより、異なる顧客が同じメニュー項目を指定した場合は、指定されたメニューに対応可能な着信先オペレータまたはグループの中から、顧客端末電話番号に関連付けられている顧客ランクに基づいて、顧客ランクに応じた着信先オペレータまたはグループを決定することができる。
(対応履歴テーブル)
つぎに、対応履歴テーブルの一例について説明する。図9は、対応履歴テーブルの一例を示す説明図である。図9において、対応履歴テーブル900は、顧客端末電話番号と、当該顧客端末電話番号によって特定される電話機からの着信呼に対応した対応履歴に関する情報と、を関連付けて記憶している。
対応履歴テーブル900において、対応履歴に関する情報は、たとえば、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)がオペレータに接続された日時(着信日時)、当該発呼(着信呼)に対応した着信先オペレータまたはグループ(最終応対オペレータID、専任オペレータID)、当該発呼(着信呼)による通話時間などを特定可能な情報を含んでいる。また、対応履歴に関する情報は、たとえば、対応内容に関する情報を含んでいてもよい。
対応履歴に関する情報は、各顧客端末装置110からの発呼(着信呼)をどの着信先オペレータまたはグループが受けたかを特定可能な情報であればよく、着信呼がオペレータに接続された日時(着信日時)、当該着信呼に対応した着信先オペレータまたはグループ、当該着信呼による通話時間などを含むものに限らない。
(電話テーブル)
つぎに、電話テーブルの一例について説明する。図10は、電話テーブルの一例を示す説明図である。図10において、電話テーブル1000は、着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報と、着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140の電話番号と、を関連付けて記憶している。電話テーブル1000において、着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に割り当てられた電話番号は、着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報に対して、複数関連付けられていてもよい。
また、電話テーブル1000において、一つの電話番号に対して着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報が複数関連付けられていてもよい。この場合、PBX130の転送ソフトは、同一の電話番号が割り当てられたオペレータ端末装置140のうち、空き状態にあるオペレータ端末装置140に顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送する。そして、この場合、PBX130の転送ソフトによって顧客端末装置110からの着信呼の転送がおこなわれたオペレータ端末装置140が呼び出し(着信)状態になる。
あるいは、PBX130の転送ソフトは、同一の電話番号が割り当てられたすべてのオペレータ端末装置140に顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送するようにしてもよい。この場合、PBX130の転送ソフトは、同一の電話番号が割り当てられたすべてのオペレータ端末装置140に顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送する。そして、この場合、PBX130の転送ソフトによって顧客端末装置110からの着信呼の転送がおこなわれたすべてのオペレータ端末装置140が一斉に呼び出し(一斉着信)状態になる。
(音声通信システム100の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100の機能的構成について説明する。図11は、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100の機能的構成を示すブロック図である。
図11において、顧客端末装置110は、入力部1111と、発信要求情報送信部1112と、電話番号受信部1113と、発呼部1114と、を含んでいる。入力部1111、発信要求情報送信部1112、電話番号受信部1113および発呼部1114の機能は、顧客端末装置110が備える各部によって実現することができる。
振り分けサーバ120は、発信要求情報受信部1121と、決定部1122と、電話番号抽出部1123と、電話番号送信部1124と、データベース(DB)1125と、を含んでいる。発信要求情報受信部1121、決定部1122、電話番号抽出部1123、電話番号送信部1124およびDB1125の機能は、振り分けサーバ120が備える各部によって実現することができる。
PBX130は、受付部1131と、転送部1132と、判断部1133と、音声案内出力部1134と、DB1135と、を含んでいる。受付部1131、転送部1132、判断部1133、音声案内出力部1134およびDB1135の機能は、PBX130が備える各部によって実現することができる。
顧客端末装置110の入力部1111は、顧客からの発信要求の入力を受け付ける。入力部1111は、たとえば、顧客端末装置110が備えるディスプレイ204に所定の表示画面(WEB画面)を表示している状態で、キーボード205を介して所定の入力操作を受け付ける。具体的には、所定のWEB画面(図20−1、図20−2を参照)を表示している状態において、「オペレータに発信」などのメニュー項目を選択する入力操作を受け付ける。
顧客端末装置110の発信要求情報送信部1112は、顧客の端末装置のアプリケーションが、入力部1111によって発信要求の入力が受け付けられると、転送先を判定するために必要な情報を含む発信要求情報をインターネットを介して振り分けサーバ120へ送信する。発信要求情報送信部1112は、たとえば、顧客端末装置110が備えるディスプレイ204に所定のWEB画面を表示している状態で、キーボード205を介して所定の入力操作を受け付けた場合に、通信I/F209を介して架電リクエストを送信する。
具体的には、発信要求情報送信部1112は、たとえば、図20−2に示したWEB画面を表示している状態において、「オペレータに発信」というメニュー項目を示す画像(ボタン)が操作された場合に、振り分けサーバ120に対して架電リクエストを送信する。架電リクエストは、転送先を判定するために必要な情報を含んでいる。
架電リクエストは、たとえば、当該架電リクエストの送信元となる顧客端末装置110に割り当てられた顧客端末電話番号を含む。架電リクエストは、必ずしも顧客端末電話番号を含まなくてもよい。また、架電リクエストには「画面から入力を受け付けた情報」、「事前にブラウザに設定していた情報」、「顧客端末装置IDやセッションID」などの情報が含まれていてもよい(図32〜図38を参照)。
振り分けサーバ120の発信要求情報受信部1121は、顧客端末装置110から送信された発信要求情報を受信する。発信要求情報受信部1121は、たとえば、通信I/F308を介して、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信する。
振り分けサーバ120の決定部1122は、発信要求情報受信部1121によって受信された発信要求に基づいて、当該発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140を決定する。DB1125は、決定部1122におけるオペレータ端末装置140の決定に用いられる各種のデータを記憶している。
決定部1122は、たとえば、発信要求情報受信部1121によって受信された架電リクエストに基づいて、当該架電リクエストに含まれる顧客端末電話番号を取得する。そして、顧客ランク判別テーブル600を参照して、取得された顧客端末電話番号に関連付けられている顧客のランクを特定する。つぎに、着信先判断テーブル700、800を参照して、特定された顧客のランクに関連付けられている着信先オペレータまたはグループを決定する。
また、決定部1122は、たとえば、対応履歴テーブル900を参照して、取得された顧客端末電話番号に関連付けられている履歴情報があるか否かを判断する。対応履歴テーブル900において該当する履歴情報がある場合は、当該履歴情報に含まれる着信先オペレータまたはグループを決定する。
そして、対応履歴テーブル900を参照して特定された着信先オペレータまたはグループと、着信先判断テーブル700、800を参照して決定された着信先オペレータまたはグループと、が一致するか否かを判断する。一致する場合は、一致すると判断された着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140を、発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140に決定する。
一方、一致しない場合は、該当する履歴情報に含まれる各種の情報に基づいて、対応履歴テーブル900を参照して特定された着信先オペレータまたはグループと、着信先判断テーブル700、800を参照して特定された着信先オペレータまたはグループの、いずれかのオペレータ端末装置140を、発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140に決定する。たとえば、該当する履歴情報に含まれる着信日時に基づいて、前回通話してから所定時間内にふたたび架電リクエストが送信された場合は、対応履歴テーブル900を参照して特定された着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140を、発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140に決定する。
また、たとえば、該当する履歴情報に含まれる着信日時に基づいて、前回通話してから所定時間以上経過してから架電リクエストが送信された場合であれば、着信先判断テーブル700、800を参照して特定された着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140を、発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140に決定するようにしてもよい。
また、たとえば、該当する履歴情報に含まれる対応内容に基づいて、顧客からの折り返し連絡を待機している用件があった場合は、対応履歴テーブル900を参照して特定された着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140を、発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140に決定してもよい。
振り分けサーバ120の振り分けサーバソフトは、顧客端末装置110からの架電リクエストを受信すると、受信された架電リクエストに含まれる転送先を判定するために必要な情報に基づいて、適切な判断方法によって着信先オペレータまたはグループを決定する(図12における矢印1210を参照)。着信先オペレータまたはグループの決定にかかる判断方法は、以下に示すような、各種の方法を用いることができる。
振り分けサーバ120の電話番号抽出部1123は、決定部1122によって決定されたオペレータ端末装置140に割り当てられた電話番号を抽出する。電話番号抽出部1123は、たとえば、電話テーブル1000を参照して、決定部1122によって決定された着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に関連付けられている電話番号を抽出する。
なお、電話番号抽出部1123は、決定部1122によって決定されたオペレータ端末装置140に割り当てられた電話番号を抽出するごとに、抽出された電話番号と、架電リクエストの送信元となる顧客端末電話番号とを関連付けて記憶してもよい。抽出された電話番号と、架電リクエストの送信元となる顧客端末電話番号とを関連付けることによって生成されたデータは、たとえば、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置が備えるHD305に記憶する。
振り分けサーバ120の電話番号送信部1124は、電話番号抽出部1123によって抽出された電話番号をインターネットを介して顧客端末装置110へ送信する。電話番号送信部1124は、電話番号抽出部1123によって抽出された電話番号を架電先電話番号とし、当該架電先電話番号を含むコンテンツを、架電リクエストの送信元の顧客端末装置110へ送信する。
電話番号送信部1124が送信するコンテンツは、当該コンテンツを受信した顧客端末装置110に対して、当該顧客端末装置110から架電先電話番号に発信させるソフト(アプリケーション)を含んでいる。顧客端末装置110から架電先電話番号に発信させるソフトは、顧客端末装置110にあらかじめインストールされていてもよい。電話番号送信部1124が送信するコンテンツは、所定のDTMF信号を含んでいてもよい。
なお、電話番号抽出部1123によって、抽出された電話番号に架電リクエストの送信元となる顧客端末電話番号が関連付けられたデータが生成された場合、電話番号送信部1124は、当該生成されたデータを、PBX130に対して送信してもよい。これにより、PBX130においては、顧客端末電話番号に基づいて、電話番号抽出部1123によって抽出された電話番号を特定することができる。
顧客端末装置110の電話番号受信部1113は、振り分けサーバ120から送信された電話番号を受信する。具体的には、電話番号受信部1113は、振り分けサーバ120から送信された電話番号を含むコンテンツを受信する。電話番号受信部1113は、たとえば、振り分けサーバ120の電話番号送信部1124から送信されたコンテンツを、通信I/F209を介して受信する。
顧客端末装置110の発呼部1114は、電話番号受信部1113によって電話番号を受信すると、当該電話番号へ公衆音声網102を介して発呼する。発呼部1114は、たとえば、電話番号受信部1113によって架電先電話番号を含むコンテンツを受信すると、受信されたコンテンツに含まれる架電先電話番号を抽出し、当該コンテンツに含まれるソフト(アプリケーション)によって、抽出された架電先電話番号へ発呼する。
発呼に際して、顧客端末装置110が架電先電話番号にダイヤルすると、公衆音声網102に対する接続を要求する接続要求信号が出力される。公衆音声網102においては、公衆音声網102中に出力された接続要求信号に基づいてルーティングがおこなわれる。また、公衆音声網102においては、PBX130の電話線を収容する交換機に対する接続要求信号の転送、PBX130に対する情報受信端末起動信号の送信、PBX130や顧客端末装置110に対する呼出信号の送信などがおこなわれる。
また、発呼部1114は、電話番号受信部1113によって受信されたコンテンツに所定のDTMF信号が含まれる場合、顧客端末装置110から架電先電話番号へのダイヤルに際して、まず、公衆音声網102に対して、架電先電話番号を出力する。そして、架電先電話番号に対する接続が確立した後に、所定のDTMF信号を出力する。この場合、公衆音声網102に対して、所定のDTMF信号の後に、架電先電話番号のDTMF信号が出力される。
PBX130の受付部1131は、顧客端末装置110からの発呼を受け付ける。受付部1131は、たとえば、上記のルーティングなどの公衆音声網102における処理の結果、PBX130の電話線を収容する交換機から情報受信端末起動信号を受信することによって、顧客端末装置110からの発呼を受け付ける。
PBX130の転送部1132は、受付部1131によって受け付けた発呼(着信呼)にかかる電話番号に基づいて、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)をオペレータ端末装置140へ転送する。DB1135は、転送部1132による、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)のオペレータ端末装置140への転送に用いられる各種のデータを記憶している。
接続要求信号には架電先電話番号が含まれているため、転送部1132は、たとえば、電話テーブル1000を参照して、受付部1131によって受け付けた発呼(着信呼)に基づいて特定される架電先電話番号に関連付けられている着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に対して、顧客端末装置110からの発呼を送信する。
なお、振り分けサーバ120の電話番号抽出部1123によって、抽出された電話番号に顧客端末電話番号が関連付けたデータが生成され、当該生成データが電話番号送信部1124によってPBX130に送信されている場合、転送部1132は、振り分けサーバ120からPBX130に送信されたデータに基づいて、受付部1131によって受け付けた顧客端末電話番号に関連付けられている着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に対して、顧客端末装置110からの発呼を送信するようにしてもよい。
PBX130の判断部1133は、受付部1131によって受け付けた発呼が顧客端末装置110のアプリケーションによるものか否かを判断する。判断部1133は、たとえば、受付部1131によって受け付けた発呼に、所定のDTMF信号が含まれるか否かを判断し、所定のDTMF信号が含まれる場合に受付部1131によって受け付けた発呼が顧客の端末装置アプリケーションによるものであると判断する。転送部1132は、判断部1133によって判断された結果、発呼が顧客端末装置110のアプリケーションによるものであると判定された場合に、当該発呼を該当するオペレータ端末装置140へ転送する。
PBX130の判断部1133は、電話番号送信部1124が送信し所定の時間経過後に受付部1131によって発呼を受け付けた場合は、オペレータに接続することはできないと判断するようにしてもよい。この場合の所定の時間は、たとえば、コールセンター側において任意に設定するようにしてもよい。
PBX130の音声案内出力部1134は、判断部1133によって判断された結果、発呼が顧客端末装置110のアプリケーションによるものではないと判定された場合に、当該発呼に対して、音声案内を出力する。音声案内出力部1134は、具体的には、たとえば、「お客様がおかけになった番号には接続することができません。」などのように、所定のDTMF信号が含まれない発呼での通話はできないことを案内する音声案内を出力する。
また、音声案内出力部1134は、具体的には、たとえば、「ご用の際は××−××××−××××(たとえば、コールセンターの代表電話番号など)におかけ直しください。」などのように、オペレータとの通話が可能な電話番号を案内する音声案内を出力してもよい。あるいは、オペレータとの通話が可能な電話番号である「××−××××−××××」に顧客の操作を介することなく自動的に転送するようにしてもよい。
上記のように、PBX130の判断部1133が、振り分けサーバ120の電話番号送信部1124が電話番号を送信してから所定の時間が経過した後に受付部1131によって受け付けた発呼はオペレータに接続することはできないと判断するようにした場合、音声案内出力部1134は、たとえば「一定時間が経過しましたので、お客様がおかけになった番号には接続することができませんでした。もう一度初めからオペレータへの発信操作をおこなってください。」などのように、所定の時間経過後は通話できないことを示す音声案内で出力するようにしてもよい。
(音声通信システム100の処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における処理手順について説明する。図12、図13、図14、図15および図16は、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における処理手順を示す説明図である。
図12、図13、図14、図15および図16において、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100において、顧客端末装置110において所定のWEB画面(図20−1、図20−2を参照)が表示されている状態で、当該顧客端末装置110に対して「オペレータに発信」というメニュー項目を選択する入力操作などの所定の入力操作を受け付けると、顧客端末装置110の顧客端末ソフトは、振り分けサーバ120に対して架電リクエストを送信する(図12および図16における矢印1200を参照)。
振り分けサーバ120の振り分けサーバソフトは、顧客端末装置110からの架電リクエストを受信すると、受信された架電リクエストに含まれる転送先を判定するために必要な情報に基づいて、適切な判断方法によって着信先オペレータまたはグループを決定する(図12における矢印1210を参照)。着信先オペレータまたはグループの決定にかかる判断方法は、以下に示すような、各種の方法を用いることができる。
そして、振り分けサーバ120の振り分けサーバソフトは、決定された着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に割り当てられた電話番号を架電先電話番号として取得し、取得された架電先電話番号を含むコンテンツを、架電リクエストの送信元となる顧客端末装置110へ送信する(図13および図16における矢印1300を参照)。振り分けサーバソフトは、架電先電話番号およびDTMF信号を含むコンテンツを顧客端末装置110へ送信してもよい。
顧客端末装置110の顧客端末ソフトは、振り分けサーバソフトから架電先電話番号を含むコンテンツを受信し、受信されたコンテンツに含まれる架電先電話番号を抽出する。そして、受信されたコンテンツに含まれるソフトの動作によって、抽出された架電先電話番号に対する発呼をおこなう(図14および図16における矢印1400を参照)。架電先電話番号およびDTMF信号を含むコンテンツを受信した場合、顧客端末ソフトは、発呼に際して、DTMF信号をあわせて送信する。
PBX130の転送ソフトは、架電先電話番号に基づいて、電話テーブル1000を参照し、該当する着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140を特定する(図14における矢印1410を参照)。そして、PBX130の転送ソフトは、特定された、該当する着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送する(図15および図16におけるにおける矢印1500を参照)。これにより、顧客は、着信呼の転送を受けた電話機のオペレータと通話をおこなうことができる。
顧客端末装置110におけるリダイヤル機能によって、WEB画面2020など所定の経路を経由せず、特定のオペレータまたはグループに対して直接発呼(着信呼)がおこなわれた場合(図15における矢印1510を参照)は、所定のDTMF信号が含まれない発呼での通話はできないことを案内する音声案内を出力する。
(顧客端末装置110(顧客端末ソフト)の処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における顧客端末装置110(顧客端末ソフト)の処理手順について説明する。図17は、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における顧客端末装置110(顧客端末ソフト)の処理手順を示すフローチャートである。
図17のフローチャートにおいて、まず、WEB画面の表示指示があったか否かを判断する(ステップS1701)。ステップS1701においては、所定のWEB画面(図20−2を参照)の表示指示があったか否かを判断する。ステップS1701において、WEB画面の表示指示がない場合(ステップS1701:No)は、WEB画面の表示指示があるまで待機する。
ステップS1701において、WEB画面の表示指示があった場合(ステップS1701:Yes)は、指示に該当するWEB画面を表示する(ステップS1702)。ステップS1702においては、所定のWEB画面(図20−2を参照)をディスプレイ204に表示する。
つぎに、架電リクエストの送信指示があったか否かを判断する(ステップS1703)。ステップS1703においては、たとえば、所定のWEB画面(図20−2を参照)を表示している状態で、「オペレータに発信」というメニュー項目を示す画像(ボタン)を選択する入力操作がおこなわれたか「否かを判断する。
ステップS1703において、架電リクエストの送信指示があった場合(ステップS1703:Yes)は、振り分けサーバ120に対して架電リクエストを送信する(ステップS1704)。そして、架電リクエストを送信した結果、振り分けサーバ120から架電先電話番号を含むコンテンツを受信したか否かを判断する(ステップS1705)。
ステップS1705において、振り分けサーバ120から架電先電話番号を含むコンテンツを受信した場合(ステップS1705:Yes)は、受信されたコンテンツに含まれる架電先電話番号に発信(発呼)する(ステップS1706)。ステップS1706の処理によって、コールセンターにおいては、顧客に応じたオペレータが発呼され、顧客とオペレータとの間における通話状態を確立するための処理がおこなわれる。
つぎに、通話が確立したか否かを判断し(ステップS1713)、確立していない場合(ステップS1713:No)は通話が確立するまで待機する。ステップS1713において、通話が確立した場合(ステップS1713:Yes)は、識別情報を示すDTMF信号を出力する(ステップS1714)。
ステップS1714においてDTMF信号を出力することによって、当該DTMF信号に基づいて識別されるオペレータとの通話をおこなうことができる。その後、通話が終了するまで待機し(ステップS1707:No)、通話が終了した場合(ステップS1707:Yes)は、一連の処理を終了する。
一方、ステップS1705において、ステップS1704において架電リクエストを送信した後、振り分けサーバ120から架電先電話番号を含むコンテンツを受信していない場合(ステップS1705:No)は、ステップS1704において架電リクエストを送信してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1708)。所定時間は、たとえば、振り分けサーバ120からの返信が得られず通信エラーが発生したと判断するための時間であって、任意に設定することができる。
ステップS1708において、所定時間が経過していない場合(ステップS1708:No)は、ステップS1705に戻る。一方、ステップS1708において、所定時間が経過した場合(ステップS1708:Yes)は、通信エラーなどのエラーが発生したと判断して、所定のエラー処理をおこなう(ステップS1709)。ステップS1709におけるエラー処理については、説明を省略する。
一方、ステップS1703において、架電リクエストの送信指示がない場合(ステップS1703:No)は、その他の指示があったか否かを判断する(ステップS1710)。ステップS1710において、架電リクエスト以外の、その他の指示があった場合(ステップS1710:Yes)は、受け付けた指示に対応するその他の処理をおこなって(ステップS1711)、一連の処理を終了する。
ステップS1710において、架電リクエスト以外の、その他の指示がない場合(ステップS1710:No)は、終了操作を受け付けた否かを判断する(ステップS1712)。ステップS1712において、終了操作を受け付けていない場合(ステップS1712:No)は、ステップS1703に戻る。一方、ステップS1712において、終了操作を受け付けた場合(ステップS1712:Yes)は、一連の処理を終了する。
(振り分けサーバ120(振り分けサーバソフト)の処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における振り分けサーバ120(振り分けサーバソフト)の処理手順について説明する。図18は、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における振り分けサーバ120(振り分けサーバソフト)の処理手順を示すフローチャートである。図18のフローチャートにおいて、まず、図17におけるステップS1704において顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信したか否かを判断する(ステップS1801)。ステップS1801において、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信していない場合(ステップS1801:No)は、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信するまで待機する。
一方、ステップS1801において、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信した場合(ステップS1801:Yes)は、受信された架電リクエストに基づいて、転送先を決定(判定)するための情報を取得する(ステップS1802)。そして、ステップS1802において取得された顧客端末電話番号に基づいて、着信先オペレータまたはグループを決定(判断)する(ステップS1803)。
つぎに、ステップS1803において決定された着信先オペレータまたはグループに基づいて、電話テーブル1000を参照して、架電先電話番号を取得する(ステップS1804)。その後、架電先電話番号を含むコンテンツを生成する(ステップS1805)。ステップS1805においては、たとえば、架電先電話番号およびDTMF信号を含むコンテンツを生成する。また、ステップS1805においては、たとえば、受信したコンテンツに含まれる架電先電話番号に対して架電(発信)をおこなわせるソフトを含むコンテンツを生成してもよい。
その後、ステップS1805において生成されたコンテンツを、図17におけるステップS1704において架電リクエストを送信した顧客端末装置110に対して送信して(ステップS1806)、一連の処理を終了する。
(PBX130(転送ソフト)の処理手順)
つぎに、PBX130(転送ソフト)の処理手順について説明する。図19は、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100におけるPBX130(転送ソフト)の処理手順を示すフローチャートである。図19のフローチャートにおいて、まず、PBX130に対する着信呼があったか否かを判断する(ステップS1901)。ステップS1901において、PBX130に対する着信呼がない場合(ステップS1901:No)は、着信呼があるまで待機する。
ステップS1901において、PBX130に対する着信呼があった場合(ステップS1901:Yes)は、該当する着信呼からDTMF信号を検出したか否かを判断する(ステップS1902)。DTMF信号を検出していない場合(ステップS1902:No)は、ステップS1906へ移行する。
ステップS1902において、該当する着信呼からDTMF信号を検出した場合(ステップS1902:Yes)は、当該着信呼に含まれる架電先電話番号を取得する(ステップS1903)。そして、ステップS1903において取得された架電先電話番号に基づいて、当該架電先電話番号に該当するオペレータ端末装置140(電話機)を特定する(ステップS1904)。ステップS1904においては、たとえば、電話テーブル1000を参照して、ステップS1903において取得された架電先電話番号に関連づけられたオペレータ端末装置140の電話番号を特定する。
その後、ステップS1903において取得された架電先電話番号に基づいて、ステップS1904において特定されたオペレータ端末装置140(電話機)に、ステップS1901:Yesにおける着信呼を転送して(ステップS1905)、一連の処理を終了する。
ステップS1906においては、ステップS1901:Yesにおいて着信呼があったと判断してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1906)。ステップS1906においては、たとえば振り分けサーバ120の管理者などによって任意に設定された所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS1901:Yesにおいて着信呼があったと判断してから所定時間が経過していない場合(ステップS1906:No)は、ステップS1902へ移行する。
一方、ステップS1906において、ステップS1901:Yesにおいて着信呼があったと判断してから所定時間が経過した場合(ステップS1906:Yes)は、所定の音声案内を出力して(ステップS1907)、一連の処理を終了する。ステップS1907においては、たとえば、「××−××××−××××へおかけなおしください。」などのように、架電先を案内する音声データを出力する。また、ステップS1907においては、たとえば、該当する転送先へ、顧客の操作を介することなく自動的に転送するようにしてもよい。
なお、上記のように、ステップS1902:Yesにおいて該当する着信呼からDTMF信号を検出した以降に、当該着信呼(すなわち、振り分けサーバ120から顧客端末装置110に対して送信された電話番号に基づく当該顧客端末装置110からの着信呼)が、振り分けサーバ120から顧客端末装置110に対して電話番号を送信してから所定時間以上の時間が経過した後の着信呼であれば、当該着信呼をオペレータに接続することはできないと判断するようにしてもよい。
このような判断をおこなうようにした場合、たとえば、振り分けサーバ120から顧客端末装置110に対して電話番号を送信してから所定時間以上の時間が経過した後の着信呼の発信元となる顧客端末装置110に対して、「一定時間が経過しましたので、お客様がおかけになった番号には接続することができませんでした。もう一度初めからオペレータへの発信操作をおこなってください。」などのように、所定の時間経過後は通話できないことを示す音声案内を出力するようにしてもよい。
また、このような判断をおこなうようにした場合、たとえば、たとえば、振り分けサーバ120から顧客端末装置110に対して電話番号を送信してからの経過時間が、所定時間よりも短い場合、ステップS1903へ移行し、着信呼に含まれる架電先電話番号を取得する。
(表示画面例)
つぎに、顧客端末装置110のディスプレイ204に表示される画面例について説明する。図20−1および図20−2は、表示画面例を示す説明図である。図20−1、図20−2において、WEB画面(表示画面)2010、2020は、顧客端末装置110のディスプレイ204に表示されるWEBページを示している。WEB画面2010、2020は、たとえばカード会社などカードの発行元において対応可能なメニュー項目が表示されている。
顧客端末ソフトが備えるブラウザ機能により、たとえば、WEB画面2010における「各種問い合わせ」2011を選択すると、WEB画面2020を表示させることができる。WEB画面2020は、たとえば、コールセンターにおいて対応可能なメニュー項目を示している。
具体的には、たとえば、利用明細の内容についての問い合わせ、累積ポイントの確認、利用可能額(利用限度額)など、WEBサーバ上で対応可能なメニュー項目や、オペレータとの通話を指定するメニュー項目を含んでいる。上記の架電リクエストは、WEB画面2020における「オペレータに通話」2021が選択された場合に、振り分けサーバ120に対して送信される。
以上説明したように、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法は、顧客端末装置110とコールセンターのオペレータ端末装置140との間で音声通信をおこなう音声通信方法であって、顧客端末装置110が、当該顧客からの発信要求の一例としての架電リクエストの送信(出力)を指示する入力を受け付け、架電リクエストの送信(出力)を指示する入力が受け付けられると、顧客端末ソフトが該当する顧客に関する情報を含む発信要求情報の一例としての架電リクエストをインターネットを介して所定のサーバへ送信する。
そして、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法は、振り分けサーバ120が、顧客端末装置110から送信された発信要求情報(架電リクエスト)を受信し、受信された発信要求(架電リクエスト)に基づいて当該発信要求(架電リクエスト)に対して対応すべきオペレータ端末装置140を決定し、決定されたオペレータ端末装置140の電話番号を抽出し、抽出された電話番号を架電先電話番号として、当該架電先電話番号を含むコンテンツをインターネットを介して顧客の端末装置へ送信する。その後、顧客端末装置110の顧客端末ソフトが、振り分けサーバ120から送信された架電先電話番号を受信すると、当該架電先電話番号へ公衆音声網102を介して発呼することを特徴としている。
この発明の実施の形態1にかかる音声システム100における音声通信方法によれば、WEB画面2020を閲覧している顧客に対して、顧客端末装置110を用いて架電リクエストを送信させる操作をおこなわせるだけで、顧客に応じた最適なオペレータに着信させることができる。これによって、顧客に負担をかけることなく、顧客の用件に応じて最適なオペレータに着信させることができる。
また、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法は、コールセンターの受付装置を実現するPBX130が、顧客の端末装置からの発呼を受け付け、受け付けた発呼にかかる電話番号に基づいて顧客端末装置110からの発呼をオペレータ端末装置140へ転送するようにしたことを特徴としている。
この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法によれば、たとえば、着信呼の転送などを公衆音声網102を使用せずにコールセンター内でおこなうことが可能になる。これによって、コールセンターにおけるオペレータ端末装置140の数よりも外部に接続可能な電話回線数を少なくした場合にも、顧客に負担をかけることなく、顧客からの着信呼を当該顧客の用件に応じて最適なオペレータに着信させることができる。
また、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法は、コールセンターの受付装置の一例としてのPBX130が、顧客端末装置110から受け付けた発呼(着信呼)が顧客端末装置110のアプリケーションによるものか否かを判断し、発呼(着信呼)が顧客端末装置110のアプリケーションによるものであると判断された場合に、当該発呼(着信呼)をオペレータ端末装置140へ転送することを特徴としている。
この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法によれば、WEB画面2020を経由した発呼(着信呼)とそれ以外の発呼(着信呼)とを識別することができる。これによって、たとえば、顧客端末装置110におけるリダイヤル機能によって、WEB画面2020など所定の経路を経由せず、特定のオペレータまたはグループに対して直接発呼(着信呼)がおこなわれることを防止することができる。
また、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法は、PBX130が、顧客端末装置110から受け付けた発呼(着信呼)が顧客端末装置110のアプリケーションによるものか否かを判断し、発呼(着信呼)が顧客の端末装置のアプリケーションによるものではないと判定された場合に、当該発呼(着信呼)に対して、音声案内を出力するようにしたことを特徴としている。
この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法によれば、たとえば、顧客端末装置110におけるリダイヤル機能によって、WEB画面2020など所定の経路を経由せずにコールセンターに対して発呼(架電)をおこなった顧客に対して、リダイヤルではオペレータに接続できないことを案内することができる。これによって、WEB画面2020など所定の経路を経由せずにコールセンターに対して架電をおこなった顧客に、「コールセンターへ電話がつながらない」、「電話機が故障したかもしれない」という不安を持たせたり、「コールセンターに不具合が生じている」という不満を持たせたりすることを防止することができる。
また、発明の実施の形態1にかかる音声通信システム100における音声通信方法によれば、WEB画面2020など所定の経路を経由せずにコールセンターに対して発呼(架電)をおこなった顧客に対して、オペレータとの通話が可能な電話番号を案内する音声案内を出力することにより、対応先(架電先)が分からずに困窮する顧客をなくし、オペレータとの直接通話を求める顧客に対して迅速かつ的確に対応することができる。
上述した、この発明の実施の形態1の音声通信システム100における顧客端末装置110は、携帯型電話機によって実現するものに限らない。この発明の実施の形態1の音声通信システム100における顧客端末装置110は、たとえば、スカイプテクノロジー社のスカイプ(Skype)を用いた音声通信のように、顧客ごとに一意に定められた顧客IDを使用してネットワークに対してログインされた端末装置どうしでおこなう、いわゆるP2P(Peer to Peer)電話によって実現してもよい。
また、顧客端末装置110は、スカイプなどのP2P電話によって実現することにより、ユーザごとに一意に定められたユーザIDを使用してネットワークに対してログインされた端末装置どうしで、音声通信だけでなく、互いに文字を送信しあう文字通信(たとえば、いわゆるチャットなど)をおこなうことが可能となる。このため、音声通信システム100においては、音声通信のみではなく、スカイプを用いたP2Pの文字通信などをおこなってもよい。
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2にかかる音声通信方法を実現するための音声通信システムの全体構成について説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分は同一符号で示し、適宜説明を省略する。
図21は、この発明の実施の形態2にかかる音声通信方法を実現するための音声通信システムのシステム構成を示す説明図である。図21において、この発明の実施の形態2にかかる音声通信方法を実現するための音声通信システム2100は、顧客端末装置(顧客の端末装置)110と、振り分けサーバ(所定のサーバ)120と、PBX(コールセンターの受付装置)2130と、オペレータ端末装置(オペレータの端末装置)140と、を備えて構成されている。顧客端末装置110と振り分けサーバ120とは、インターネットなどのネットワーク101を介して、互いに通信可能に接続されている。顧客端末装置110とオペレータ端末装置140とは、公衆音声網102およびPBX2130を介して互いに音声通信可能に接続することができる。
振り分けサーバ120は、振り分けサーバソフトがインストールされている。振り分けサーバソフトは、たとえば、架電リクエストを受信した場合に、当該架電リクエストの送信元である顧客端末装置110に最適な着信先オペレータあるいはグループを決定(判断)するACDソフト(ウエア)を含んでいる。
ACDソフトは、上述した実施の形態1と同様に、ランクテーブル500、顧客ランク判別テーブル600、着信先判断テーブル700、800、対応履歴テーブル900などに記憶されている各種の情報に基づいて、最適な着信先オペレータあるいはグループを決定する。顧客端末装置110に最適な着信先オペレータあるいはグループの決定方法については、説明を後述する。
また、振り分けサーバソフトは、架電リクエストを受信した場合、ACDソフトによって決定された最適な着信先オペレータあるいはグループに関連付けられたチケット番号を取得し、取得されたチケット番号と架電先電話番号とを含むコンテンツを、該当する顧客端末装置110に送信(返信)する。
架電先電話番号は、たとえば、コールセンターに接続可能な電話番号のうち、本実施の形態2の音声通信システム2100を利用する際に用いる電話番号など、PBX2130に接続される電話番号とすることができる。架電先電話番号は、振り分けサーバ120から送信されるコンテンツに含まれているものに限らず、顧客端末装置110にあらかじめ記憶されていてもよい。
この場合の電話番号は、たとえば、パンフレットやホームページなどに記載される代表電話番号ではなく、本実施の形態2の音声通信システム2100を利用する際に用いる専用の電話番号とすることができる。振り分けサーバ120は、着信先オペレータあるいはグループを特定可能な情報と、チケット番号と、を関連付けて記憶するチケットテーブルを備えている。チケットテーブルについては、説明を後述する。
また、振り分けサーバソフトは、チケット番号を含むコンテンツを、該当する顧客端末装置110に送信(返信)する際に、送信するチケット番号が振り分けサーバソフトによって送信されたことを示す識別情報を、あわせて送信する。識別情報は、振り分けサーバソフトから送信されたコンテンツに基づく顧客端末装置110からの発呼(着信呼)が、当該コンテンツの受信時(受信直後に)になされたか否かを識別する情報であって、チケット番号と同様に複数桁の数字によって実現することができる。複数桁の数字は、具体的には、たとえば、DTMF信号によって表現することができる。
上記の顧客端末ソフトは、振り分けサーバ120からチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを受信した場合に、受信されたコンテンツに含まれる架電先電話番号に対する発呼をおこなう。コンテンツを受信した顧客端末装置110から架電先電話番号に対する発呼をおこなうソフト(ウエア)は、顧客端末ソフトの一部を構成し、顧客端末装置110にあらかじめインストールされている。あるいは、コンテンツを受信した顧客端末装置110から架電先電話番号に対する発呼をおこなうソフトは、振り分けサーバ120から受信されたコンテンツに含まれるアプリケーションソフト(ウエア)とし、コンテンツを受信した場合に1回限り動作するものであってもよい。
顧客端末ソフトは、架電先電話番号に対する発呼に際して、顧客端末装置110から公衆音声網102に対して、架電先電話番号を含む接続要求信号を出力する。また、顧客端末ソフト(またはアプリケーションソフト)は、架電先電話番号に対して発呼をおこなうことによってPBX2130に接続された場合、振り分けサーバ120から受信されたコンテンツに含まれるチケット番号を示すDTMF信号をPBX2130に送信する。これにより、DTMF信号でわたされたチケット番号をキーにして転送先を知ることができる。
PBX2130は、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)があった場合に、顧客端末装置110から送信された識別情報を示すDTMF信号に基づいてチケット番号を特定し、特定されたチケット番号に基づいて、着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140に発呼(着信呼)を転送する転送ソフト(ウエア)がインストールされている。
具体的には、転送ソフトは、たとえば、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)があった場合に、顧客端末装置110から送信されたチケット番号に基づいて、該当する着信先オペレータあるいはグループを決定する。そして、決定された着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140、すなわちチケット番号が割り当てられたオペレータ端末装置140に発呼(着信呼)を転送する。
より具体的には、転送ソフトは、たとえば、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)があった場合に電話テーブルを参照し、顧客端末装置110から送信されたチケット番号に関連付けられている着信先オペレータあるいはグループを特定する。そして、特定された着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140に発呼(着信呼)を転送する。PBX2130は、たとえば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。
(チケットテーブル)
つぎに、チケットテーブルの一例について説明する。図22は、チケットテーブルの一例を示す説明図である。図22において、チケットテーブル2200は、着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報と、チケット番号と、を関連付けて記憶している。
チケットテーブル2200において、着信先オペレータまたはグループを特定可能な情報は、一つのチケット番号に対して、複数関連付けられていてもよい。この場合、PBX2130の転送ソフトは、同一のチケット番号が割り当てられた着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140のうち、空き状態にあるオペレータ端末装置140に顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送する。そして、この場合、PBX2130の転送ソフトによって顧客端末装置110からの着信呼の転送がおこなわれたオペレータ端末装置140が呼び出し(着信)状態になる。
あるいは、PBX2130の転送ソフトは、同一のチケット番号が割り当てられた着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140のうち、すべてのオペレータ端末装置140に顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送するようにしてもよい。この場合、PBX2130の転送ソフトは、同一のチケット番号が割り当てられたすべてのオペレータ端末装置140に顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送する。そして、この場合、PBX2130の転送ソフトによって顧客端末装置110からの着信呼の転送がおこなわれたすべてのオペレータ端末装置140が一斉に呼び出し(一斉着信)状態になる。
チケットテーブル2200は、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置のみに記憶されていてもよい。この場合、PBX2130を実現するコンピュータ装置は、インターネットなどのネットワーク101を介して振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置との間で通信をおこない、チケットテーブル2200に記憶された情報を取得する。
また、チケットテーブル2200は、PBX2130を実現するコンピュータ装置のみに記憶されていてもよい。この場合、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置は、インターネットなどのネットワーク101を介してPBX2130を実現するコンピュータ装置との間で通信をおこない、チケットテーブル2200に記憶された情報を取得する。
あるいは、チケットテーブル2200は、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置やPBX2130を実現するコンピュータ装置とは別のコンピュータ装置に記憶されていてもよい。この場合、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置やPBX2130を実現するコンピュータ装置は、チケットテーブル2200を記憶する別のコンピュータ装置との間で通信をおこない、チケットテーブル2200に記憶された情報を取得する。
振り分けサーバ120やPBX2130を実現するコンピュータ装置においては、上述した各種データベースや各種のデータテーブルなどの各種の情報のすべてが同一のコンピュータ装置に記憶されているものに限らず、その一部の情報が記憶されているものであってもよい。
(音声通信システム2100の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100の機能的構成について説明する。図23は、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100の機能的構成を示すブロック図である。
図23において、顧客端末装置110は、入力部1111と、発信要求情報送信部1112と、特定番号受信部2301と、発呼部1114と、を含んでいる。入力部1111、発信要求情報送信部1112、特定番号受信部2301および発呼部1114の機能は、顧客端末装置110が備える各部によって実現することができる。
振り分けサーバ120は、発信要求情報受信部1121と、決定部1122と、特定番号生成部2321と、特定番号送信部2322と、DB1125と、を含んでいる。発信要求情報受信部1121、決定部1122、特定番号生成部2321、特定番号送信部2322およびDB1125の機能は、振り分けサーバ120が備える各部によって実現することができる。
PBX2130は、受付部1131と、転送部1132と、判断部1133と、音声案内出力部1134と、DB1135と、を含んでいる。受付部1131、転送部1132、判断部1133、音声案内出力部1134およびDB1135の機能は、PBX2130が備える各部によって実現することができる。
顧客端末装置110の入力部1111は、顧客からの発信要求の入力を受け付ける。入力部1111は、たとえば、顧客端末装置110が備えるディスプレイ204に所定のWEB画面を表示している状態で、キーボード205を介して所定の入力操作を受け付ける。具体的には、WEB画面2020を表示している状態において、「オペレータに発信」などのメニュー項目を選択する入力操作を受け付ける。
顧客端末装置110の発信要求情報送信部1112は、顧客の端末装置のアプリケーションが、入力部1111によって発信要求の入力が受け付けられると、転送先を判定するために必要な情報を含む発信要求情報をインターネットを介して振り分けサーバ120へ送信する。発信要求情報送信部1112は、たとえば、顧客端末装置110が備えるディスプレイ204にWEB画面2020を表示している状態で、キーボード205を介して所定の入力操作を受け付けた場合に、通信I/F209を介して架電リクエストを送信する。
振り分けサーバ120の発信要求情報受信部1121は、顧客端末装置110から送信された発信要求情報を受信する。発信要求情報受信部1121は、たとえば、通信I/F308を介して、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信する。
振り分けサーバ120の決定部1122は、発信要求情報受信部1121によって受信された発信要求に基づいて、当該発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140を決定する。DB1125は、決定部1122におけるオペレータ端末装置140の決定に用いられる各種のデータを記憶している。
決定部1122は、たとえば、発信要求情報受信部1121によって受信された架電リクエストに基づいて、当該架電リクエストに含まれる顧客端末電話番号を取得する。そして、顧客ランク判別テーブル600を参照して、取得された顧客端末電話番号に関連付けられている顧客のランクを特定する。つぎに、着信先判断テーブル700、800を参照して、特定された顧客のランクに関連付けられている着信先オペレータまたはグループを決定する。
また、決定部1122は、たとえば、上述した実施の形態1と同様に、対応履歴テーブル900を参照して、取得された顧客端末電話番号に関連付けられている履歴情報があるか否かを判断する。対応履歴テーブル900において該当する履歴情報がある場合は、当該履歴情報に含まれる着信先オペレータまたはグループを決定する。
そして、対応履歴テーブル900を参照して特定された着信先オペレータまたはグループと、着信先判断テーブル700、800を参照して決定された着信先オペレータまたはグループと、が一致するか否かを判断する。一致する場合は、上述した実施の形態1と同様に、一致すると判断された着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140を、発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140に決定する。
一方、一致しない場合は、該当する履歴情報に含まれる各種の情報に基づいて、対応履歴テーブル900を参照して特定された着信先オペレータまたはグループと、着信先判断テーブル700、800を参照して特定された着信先オペレータまたはグループの、いずれかのオペレータ端末装置140を、発信要求に対して対応すべきオペレータ端末装置140に決定する。
振り分けサーバ120の特定番号生成部2321は、決定部1122によって決定されたオペレータ端末装置140に割り当てられるチケット番号を生成する。この実施の形態2においては、チケット番号によって特定番号を実現することができる。特定番号生成部2321は、たとえば、チケットテーブル2200を参照して、既に記憶されているチケット番号とは異なるチケット番号を生成する。
チケット番号は、決定部1122によって着信先オペレータまたはグループが決定されるごとに新しく採番され、該当する着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に割り当てられる。チケットテーブル2200においては、新しく採番されたチケット番号と、決定部1122によって決定された着信先オペレータまたはグループとが関連付けして記憶されている。チケット番号を新しく採番し、決定部によって決定された着信先オペレータまたはグループと新しく採番したチケット番号を関連付けて記憶する。
振り分けサーバ120の特定番号送信部2322は、特定番号生成部2321によって生成されたチケット番号をインターネットを介して顧客端末装置110へ送信する。特定番号送信部2322は、特定番号生成部2321によって生成されたチケット番号および架電先電話番号(コールセンターに接続可能な専用の電話番号など)を含むコンテンツを、架電リクエストの送信元の顧客端末装置110へ送信する。振り分けサーバ120の特定番号送信部2322は、特定番号生成部2321によって生成されたチケット番号を示すDTMF信号を含むコンテンツを、顧客端末装置110へ送信してもよい。
特定番号送信部2322が送信するコンテンツは、当該コンテンツを受信した顧客端末装置110に対して、当該顧客端末装置110から架電先電話番号に発信させ、顧客端末装置110とPBX2130との通話状態が確立した場合にチケット番号を示すDTMF信号を送信させるソフト(アプリケーション)を含んでいる。顧客端末装置110から架電先電話番号に発信させ、顧客端末装置110とPBX2130との通話状態が確立した場合にチケット番号を示すDTMF信号を送信させるソフトは、顧客端末装置110にあらかじめインストールされていてもよい。
顧客端末装置110の特定番号受信部2301は、振り分けサーバ120から送信されたチケット番号を受信する。具体的には、特定番号受信部2301は、振り分けサーバ120から送信されたチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを受信する。特定番号受信部2301は、たとえば、振り分けサーバ120の特定番号送信部2322から送信されたコンテンツを、通信I/F209を介して受信する。
顧客端末装置110の発呼部1114は、特定番号受信部2301によってチケット番号を受信すると、当該電話番号へ公衆音声網102を介して発呼する。発呼部1114は、たとえば、特定番号受信部2301によってチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを受信すると、受信されたコンテンツに含まれる架電先電話番号を抽出し、当該コンテンツに含まれるソフト(アプリケーション)によって、抽出された架電先電話番号へ発呼する。
発呼に際して、顧客端末装置110が架電先電話番号にダイヤルすると、公衆音声網102に対する接続を要求する接続要求信号が出力される。公衆音声網102においては、公衆音声網102中に出力された接続要求信号に基づいてルーティングがおこなわれる。また、公衆音声網102においては、PBX2130に接続されている電話線を収容する交換機に対する接続要求信号の転送、PBX2130に対する情報受信端末起動信号の送信、PBX2130や顧客端末装置110に対する呼出信号の送信などがおこなわれる。
また、発呼部1114は、顧客端末装置110とPBX2130との通話状態が確立した場合に、チケット番号を示すDTMF信号を、PBX2130に対して送信する。発呼部1114は、顧客端末装置110とPBX2130との通話状態が確立することによってPBX2130から応答信号が出力され、当該応答信号を受信した顧客端末装置110側の交換機から顧客端末装置110に対してPBX2130が応答したことを示す信号が出力された場合(あるいは、顧客端末装置110への呼び出し音(RBT:Ring Back Tone)が停止された場合)に、チケット番号を示すDTMF信号をPBX2130に対して送信する。
PBX2130の受付部1131は、顧客端末装置110からの発呼を受け付けるとともにチケット番号を受信する。受付部1131は、たとえば、上記のルーティングなどの公衆音声網102における処理の結果、PBX2130に接続された電話線を収容する交換機から情報受信端末起動信号を受信することによって、顧客端末装置110からの発呼を受け付ける。
情報受信端末起動信号を受信したPBX2130は、情報受信端末起動信号を受信したことを示す信号を、情報受信端末起動信号の送信元となる交換機に送信する。交換機は、情報受信端末起動信号を受信したことを示す信号をPBX2130から受信した場合に、顧客端末装置110側の交換機に対して上記の応答信号を出力する。
PBX2130の転送部1132は、受付部1131によって受信したチケット番号に基づいて、顧客端末装置110からの発呼をオペレータ端末装置140へ転送する。DB1135は、転送部1132による、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)のオペレータ端末装置140への転送に用いられる各種のデータを記憶している。
転送部1132は、たとえば、受付部1131によって顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を受け付けた場合に、チケットテーブル2200を参照して、当該発呼(着信呼)につづいて受信したチケット番号に関連付けられた着信先オペレータまたはグループを特定し、特定された着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140へ顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送する。
PBX2130の判断部1133は、受付部1131によって受け付けた発呼が顧客端末装置110のアプリケーションによるものか否かを判断する。判断部1133は、たとえば、受付部1131によって発呼(着信呼)を受け付けた後に、チケット番号を示すDTMF信号を受信したか否かを判断し、チケット番号を示すDTMF信号が受信された場合に、受付部1131によって受け付けた発呼が顧客端末装置110のアプリケーションによるものであると判断する。転送部1132は、判断部1133によって判断された結果、発呼が顧客端末装置110のアプリケーションによるものであると判定された場合に、当該発呼を該当するオペレータ端末装置140へ転送する。
PBX2130の音声案内出力部1134は、判断部1133によって判断された結果、発呼が顧客端末装置110のアプリケーションによるものではないと判定された場合に、当該発呼に対して、音声案内を出力する。音声案内出力部1134は、具体的には、たとえば、「お客様がおかけになった番号には接続することができません。」などのように、チケット番号を示すDTMF信号を受信していない発呼での通話はできないことを案内する音声案内を出力する。
また、音声案内出力部1134は、具体的には、たとえば、「ご用の際は、××−××××−××××(たとえば、公にされているコールセンターに接続可能な専用の電話番号など)におかけ直しください。」などのように、オペレータとの通話が可能な電話番号を案内する音声案内を出力してもよい。あるいは、オペレータとの通話が可能な電話番号である「××−××××−××××」に顧客の操作を介することなく自動的に転送するようにしてもよい。
(音声通信システム2100の処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における処理手順について説明する。図24、図25、図26、図27および図28は、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における処理手順を示す説明図である。
図24、図25、図26、図27および図28において、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100において、顧客端末装置110においてWEB画面2020が表示されている状態で、当該顧客端末装置110に対して「オペレータに発信」というメニュー項目を選択する入力操作などの所定の入力操作を受け付けると、顧客端末装置110の顧客端末ソフトは、振り分けサーバ120に対して架電リクエストを送信する(図24および図28における矢印2400を参照)。
その後、チケット番号を新しく採番し、着信先オペレータまたはグループと関連付けて記憶する。そして、新しく採番したチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを、架電リクエストの送信元となる顧客端末装置110へ送信する(図25および図28における矢印2500を参照)。
顧客端末装置110の顧客端末ソフトは、振り分けサーバソフトからチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを受信し、受信されたコンテンツに含まれる架電先電話番号を抽出する。そして、受信されたコンテンツに含まれるソフトの動作によって、抽出された架電先電話番号に対する発呼をおこない、顧客端末装置110とPBX2130との通話状態が確立された場合に、チケット番号を示すDTMF信号を出力する(図26および図28における矢印2600を参照)。
PBX2130の転送ソフトは、受信したチケット番号に基づいて、チケットテーブル2200を参照し、該当する着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140を特定する(図26における矢印2610を参照)。そして、PBX2130の転送ソフトは、該当する着信先オペレータまたはグループのオペレータ端末装置140に、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送する(図27および図28におけるにおける矢印2700を参照)。これにより、顧客は、着信呼の転送を受けた電話機のオペレータと通話をおこなうことができる。
顧客端末装置110におけるリダイヤル機能によって、WEB画面2020など所定の経路を経由せず、特定のオペレータまたはグループに対して直接発呼(着信呼)がおこなわれた場合(図27における矢印2710を参照)は、所定のDTMF信号が含まれない発呼での通話はできないことを案内する音声案内を出力する。
(顧客端末装置110(顧客端末ソフト)の処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における顧客端末装置110(顧客端末ソフト)の処理手順について説明する。図29は、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における顧客端末装置110(顧客端末ソフト)の処理手順を示すフローチャートである。
図29のフローチャートにおいて、まず、WEB画面の表示指示があったか否かを判断する(ステップS2901)。ステップS2901においては、所定のWEB画面(図20−2を参照)の表示指示があったか否かを判断する。ステップS2901において、WEB画面の表示指示がない場合(ステップS2901:No)は、WEB画面の表示指示があるまで待機する。
ステップS2901において、WEB画面の表示指示があった場合(ステップS2901:Yes)は、指示に該当するWEB画面を表示する(ステップS2902)。ステップS2902においては、WEB画面2020をディスプレイ204に表示する。
つぎに、架電リクエストの送信指示があったか否かを判断する(ステップS2903)。ステップS2903においては、たとえば、WEB画面2020を表示している状態で、「オペレータに発信」というメニュー項目を示す画像(ボタン)を選択する入力操作がおこなわれたか否かを判断する。
ステップS2903において、架電リクエストの送信指示があった場合(ステップS2903:Yes)は、振り分けサーバ120に対して架電リクエストを送信する(ステップS2904)。そして、架電リクエストを送信した結果、振り分けサーバ120からチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを受信したか否かを判断する(ステップS2905)。
ステップS2905において、振り分けサーバ120からチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを受信した場合(ステップS2905:Yes)は、受信されたコンテンツに含まれる架電先電話番号に発信(発呼)する(ステップS2906)。ステップS2906の処理によって、コールセンターにおいては、顧客に応じたオペレータが発呼され、顧客とオペレータとの間における通話状態を確立するための処理がおこなわれる。
つぎに、通話が確立したか否かを判断し(ステップS2913)、確立していない場合(ステップS2913:No)は通話が確立するまで待機する。ステップS2913において、通話が確立した場合(ステップS2913:Yes)は、チケット番号を示すDTMF信号を出力する(ステップS2914)。
ステップS2914においてDTMF信号を出力することによって、当該DTMF信号に基づいて識別されるオペレータとの通話をおこなうことができる。その後、通話が終了するまで待機し(ステップS2907:No)、通話が終了した場合(ステップS2907:Yes)は、一連の処理を終了する。
一方、ステップS2905において、ステップS2904において架電リクエストを送信した後、振り分けサーバ120からチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを受信していない場合(ステップS2905:No)は、ステップS2904において架電リクエストを送信してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS2908)。所定時間は、たとえば、振り分けサーバ120からの返信が得られず通信エラーが発生したと判断するための時間であって、任意に設定することができる。
ステップS2908において、所定時間が経過していない場合(ステップS2908:No)は、ステップS2905に戻る。一方、ステップS2908において、所定時間が経過した場合(ステップS2908:Yes)は、通信エラーなどのエラーが発生したと判断して、所定のエラー処理をおこなう(ステップS2909)。ステップS2909におけるエラー処理については、説明を省略する。
一方、ステップS2903において、架電リクエストの送信指示がない場合(ステップS2903:No)は、その他の指示があったか否かを判断する(ステップS2910)。ステップS2910において、架電リクエスト以外の、その他の指示があった場合(ステップS2910:Yes)は、受け付けた指示に対応するその他の処理をおこなって(ステップS2911)、一連の処理を終了する。
ステップS2910において、架電リクエスト以外の、その他の指示がない場合(ステップS2910:No)は、終了操作を受け付けた否かを判断する(ステップS2912)。ステップS2912において、終了操作を受け付けていない場合(ステップS2912:No)は、ステップS2903に戻る。一方、ステップS2912において、終了操作を受け付けた場合(ステップS2912:Yes)は、一連の処理を終了する。
(振り分けサーバ120(振り分けサーバソフト)の処理手順)
図30は、この発明の実施の形態1にかかる音声通信システム2100における振り分けサーバ120(振り分けサーバソフト)の処理手順を示すフローチャートである。図30のフローチャートにおいて、まず、図29におけるステップS2904において顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信したか否かを判断する(ステップS3001)。ステップS3001において、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信していない場合(ステップS3001:No)は、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信するまで待機する。
一方、ステップS3001において、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信した場合(ステップS3001:Yes)は、受信された架電リクエストに基づいて、当該架電リクエストに含まれる顧客端末電話番号を取得する(ステップS3002)。そして、ステップS3002において取得された顧客端末電話番号に基づいて、着信先オペレータまたはグループを決定(判断)する(ステップS3003)。
つぎに、ステップS3003において決定された着信先オペレータまたはグループに基づいて、チケット番号を生成するとともに生成されたチケット番号をチケットテーブル2200に記憶する(ステップS3004)。その後、ステップS3004において生成されたチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツを生成する(ステップS3005)。
ステップS3005においては、たとえば、チケット番号を示すDTMF信号および架電先電話番号を含むコンテンツを生成する。また、ステップS3005においては、たとえば、受信したコンテンツに含まれる架電先電話番号に対して発呼(発信、架電)をおこなわせるソフトを含むコンテンツを生成してもよい。
その後、ステップS3005において生成されたコンテンツを、図29におけるステップS2904において架電リクエストを送信した顧客端末装置110に対して送信して(ステップS3006)、一連の処理を終了する。
(PBX2130(転送ソフト)の処理手順)
つぎに、PBX2130(転送ソフト)の処理手順について説明する。図31は、PBX2130(転送ソフト)の処理手順を示すフローチャートである。図31のフローチャートにおいて、まず、PBX2130に対する着信呼があったか否かを判断する(ステップS3101)。ステップS3101において、PBX2130に対する着信呼がない場合(ステップS3101:No)は、着信呼があるまで待機する。
ステップS3101において、PBX2130に対する着信呼があった場合(ステップS3101:Yes)は、チケット番号を受信したか否かを判断する(ステップS3102)。チケット番号を受信していない場合は(ステップS3102:No)は、チケット番号を取得するまで待機する。ステップS3102においては、ステップS3101:YesにおいてPBX2130に対する着信呼があってから所定時間チケット番号を受信していない場合、「××−××××−××××におかけ直しください。」などの所定の音声案内を流したり、「××−××××−××××」に自動で転送したりする。
ステップS3102において、チケット番号を受信した場合(ステップS3102:Yes)は、チケットテーブル2200を参照して、受信されたチケット番号に関連付けられた、着信(転送)先のオペレータ端末装置140を特定する(ステップS3103)。ステップS3103においては、チケットテーブル2200を参照して、受信されたチケット番号に関連付けられた着信先オペレータあるいはグループのオペレータ端末装置140を、ステップS3102:Yesにおいて受信されたチケット番号に関連付けられたオペレータ端末装置140、すなわち、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)に対応すべきオペレータの端末装置に特定する。
その後、ステップS3103において特定された、顧客端末装置110からの発呼(着信呼)に対応すべきオペレータの端末装置に、ステップS3101:Yesにおける着信呼を転送して(ステップS3104)、一連の処理を終了する。
以上説明したように、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法は、顧客端末装置110とコールセンターのオペレータの端末装置との間で音声通信をおこなう音声通信方法であって、顧客端末装置110が、当該顧客からの発信要求の一例としての架電リクエストの送信(出力)を指示する入力を受け付け、架電リクエストの送信(出力)を指示する入力が受け付けられると、顧客端末ソフトが該当する顧客に関する情報を含む発信要求情報の一例としての架電リクエストをインターネットを介して所定のサーバへ送信する。
そして、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法は、振り分けサーバ120の振り分けサーバソフトが、顧客端末装置110から送信された発信要求情報(架電リクエスト)を受信し、受信された発信要求(架電リクエスト)に基づいて当該発信要求(架電リクエスト)に対して対応すべきオペレータ端末装置140を決定し、決定されたオペレータ端末装置140の特定番号の一例としてのチケット番号を生成し、生成されたチケット番号および架電先電話番号を含むコンテンツをインターネットを介して顧客端末装置110へ送信する。
その後、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法は、顧客端末装置110の顧客端末ソフトが、振り分けサーバ120から送信されたコンテンツを受信すると、当該コンテンツに含まれる架電先電話番号へ公衆音声網102を介して発呼するとともに、顧客端末装置110とPBX2130との接続が確立された場合に、チケット番号を送信する。顧客端末装置110が架電先電話番号をあらかじめ記憶している場合、顧客端末装置110の顧客端末ソフトは、振り分けサーバ120から送信されたコンテンツを受信すると、あらかじめ記憶している架電先電話番号へ公衆音声網102を介して発呼するようにしてもよい。
そして、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法は、PBX2130の転送ソフトが、顧客端末装置110から受信したチケット番号に基づいて、顧客端末装置110からの発呼を転送するオペレータ端末装置140を特定し、特定されたオペレータの端末装置に対して顧客端末装置110からの発呼(着信呼)を転送することを特徴としている。
この発明の実施の形態2にかかる音声システム2100における音声通信方法によれば、WEBページを閲覧している顧客に対して、顧客端末装置110を用いて架電リクエストを送信させる操作をおこなわせるだけで、顧客に応じた最適なオペレータに着信させることができる。これによって、顧客に負担をかけることなく、顧客の用件に応じて最適なオペレータに着信させることができる。
また、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法は、コールセンターの受付装置の一例としてのPBX2130が、顧客端末装置110から受け付けた発呼(着信呼)が顧客端末装置110のアプリケーションによるものか否かを判断し、発呼(着信呼)が顧客端末装置110のアプリケーションによるものであると判定された場合に、当該発呼(着信呼)をオペレータ端末装置140へ転送することを特徴としている。
この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法によれば、WEB画面2020を経由した発呼(着信呼)とそれ以外の発呼(着信呼)とを識別することができる。これによって、たとえば、顧客端末装置110におけるリダイヤル機能によって、WEB画面2020など所定の経路を経由せず、特定のオペレータまたはグループに対して直接発呼(着信呼)がおこなわれることを防止することができる。
また、この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法は、PBX2130が、顧客端末装置110から受け付けた発呼(着信呼)が顧客端末装置110のアプリケーションによるものか否かを判断し、発呼(着信呼)が顧客端末装置110のアプリケーションによるものではないと判定された場合に、当該発呼(着信呼)に対して、音声案内を出力するようにしたことを特徴としている。
この発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法によれば、たとえば、顧客端末装置110におけるリダイヤル機能によって、WEB画面2020など所定の経路を経由せずにコールセンターに対して発呼(架電)をおこなった顧客に対して、リダイヤルではオペレータに接続できないことを案内することができる。
これによって、WEB画面2020など所定の経路を経由せずにコールセンターに対して架電をおこなった顧客に、「コールセンターへ電話がつながらない」、「電話機が故障したかもしれない」という不安を持たせたり、「コールセンターに不具合が生じている」という不満を持たせたりすることを防止することができる。
また、発明の実施の形態2にかかる音声通信システム2100における音声通信方法によれば、WEB画面2020など所定の経路を経由せずにコールセンターに対して発呼(架電)をおこなった顧客に対して、オペレータとの通話が可能な電話番号を案内する音声案内を出力することにより、対応先(架電先)が分からずに困窮する顧客をなくし、オペレータとの直接通話を求める顧客に対して迅速かつ的確に対応することができる。
なお、上述した実施の形態においては、振り分けサーバ120が架電リクエストに基づいて応対すべきオペレータ(またはグループ)を決める際に、応対すべきオペレータ(またはグループ)を、「顧客端末電話番号」を活用して決める例や、直前の対応オペレータを活用して決める例について説明したが、応対すべきオペレータ(またはグループ)の決定方法についてはこれに限るものではない。
(決定方法の変形例・その1)
ここで、決定方法の変形例の一例について説明する。応対すべきオペレータ(またはグループ)は、たとえば、以下に説明する方法(決定方法の変形例・その1)によって決定することができる。変形例(その1)として説明する決定方法においては、オペレータに発信するための画面で顧客番号や用件を入力させ、入力された情報に基づいて、応対すべきオペレータ(またはグループ)を決定することができる。
変形例(その1)として説明する決定方法においては、顧客番号と顧客名と当該顧客のランクとを関連付けして記憶する顧客テーブルと、用件とランクと転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)とを関連付けして記憶する着信先判断テーブルと、を用いて転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)を決定する。着信先判断テーブルにおいては、同じ用件であってもランクごとに異なる転送先が関連付けして記憶されている。これらの顧客テーブルおよび着信先判断テーブルは、たとえば、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置のHD305に記憶されている。
変形例(その1)として説明する決定方法による応対すべきオペレータ(またはグループ)の決定に際しては、まず、顧客端末装置110において、所定の操作を受け付けることによって、顧客番号および用件の入力を受け付ける。顧客端末装置110は、顧客端末装置110において受け付けた情報(顧客番号および用件)を含む架電リクエストを、振り分けサーバ120に送信する。
振り分けサーバ120は、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信すると、顧客テーブルを参照して、受信された顧客番号に対応するランクを取得する(ランク判定)。そして、着信先判断テーブルを参照して、取得されたランクと受信された用件とに該当する転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)を決定する。転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)の決定以降は、上記と同様の処理をおこなう。このようにして応対すべきオペレータ(またはグループ)を決定することにより、IVRの音声案内によるプッシュボタン入力に比べて、顧客は自身が入力した内容を視覚的に把握することができるので、顧客番号の入力や用件の選択がわかりやすい。
(決定方法の変形例・その2)
つぎに、決定方法の変形例の別の一例について説明する。変形例(その2)として説明する決定方法においては、Content−Negotiation(コンテントネゴシエーション)を利用して、応対すべきオペレータ(またはグループ)を決定することにより、顧客に応じた適切な言語が話せるオペレータ(またはグループ)に転送することができる。
コンテントネゴシエーションは、言語やファイルタイプなど複数の表現形式のファイルを振り分けサーバ120上に用意しておき、顧客端末装置110(のブラウザ)からの架電リクエストに応じて振り分けサーバ120が最適な言語を特定し、特定された言語にしたがったレスポンスを顧客端末装置110(のブラウザ)に返す仕組みによって実現される。コンテントネゴシエーションをおこなうことにより、顧客ごとに最適なオペレータ(またはグループ)を判断し、当該オペレータ(またはグループ)による対応をおこなうことができる。
変形例(その2)として説明する決定方法においては、言語の種類と転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)とを関連付けして記憶する着信先判断テーブルを用いて転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)を決定する。着信先判断テーブルは、たとえば、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置のHD305に記憶されている。
変形例(その2)として説明する決定方法による応対すべきオペレータ(またはグループ)の決定に際しては、まず、顧客端末装置110(のブラウザ)において、所定の操作を受け付けることによって、顧客が希望する言語を指定する情報の入力を受け付ける。顧客端末装置110は、顧客端末装置110に対する所定の操作によって顧客が希望する言語を指定する情報の入力を受け付けた場合、受け付けた情報(言語を指定する情報)を含む架電リクエストを、振り分けサーバ120に送信する。この架電リクエストの送信に際して、顧客端末装置110(のブラウザ)は、たとえば「Accept−Language:ja,en;q=0.3」というヘッダを付加した架電リクエストを送信する。
振り分けサーバ120は、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信すると、当該架電リクエストに付加されているヘッダをおよび着信先判断テーブルを参照して、「Accept−Language」に指定された言語に関連付けされた転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)を決定する。転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)の決定以降は、上記と同様の処理をおこなう。このようにして応対すべきオペレータ(またはグループ)を決定することにより、顧客ごとに最適な言語での応対をおこなうことができる。
(決定方法の変形例・その3)
つぎに、決定方法の変形例の別の一例について説明する。変形例(その3)として説明する決定方法においては、過去にWeb上で収集した情報に基づいて、応対すべきオペレータ(またはグループ)を決定する。
図32、図33、図34および図35は、変形例(その3)の方法にしたがって転送先を決定する際に用いるテーブルを示す説明図である。また、図36、図37および図38は、変形例(その3)の方法にしたがって転送先を決定する際の、顧客端末装置110における表示画面例を示す説明図である。
図32、図33、図34および図35において、変形例(その3)として説明する決定方法においては、顧客テーブル(図32を参照)、端末情報テーブル(図33を参照)、着信先判断テーブル(図34を参照)、操作履歴テーブル(図35を参照)、を用いて転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)を決定する。これらの顧客テーブルおよび着信先判断テーブルは、たとえば、振り分けサーバ120を実現するコンピュータ装置のHD305に記憶されている。
図32において、顧客テーブル3200は、顧客番号と顧客名とパスワードとランクとを関連付けして記憶する。図33において、端末情報テーブル3300は、端末装置IDと顧客番号とを関連付けして記憶する。端末装置IDは、各顧客端末装置110を識別可能な情報であれば任意の情報を設定することができる。
図34において、着信先判断テーブル3400は、用件とランクと転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)とを関連付けして記憶する。着信先判断テーブル3400においては、同じ用件であってもランクごとに異なる転送先が関連付けして記憶されている。たとえば、複数の顧客が「ポイントの確認」という用件を指定した場合、各顧客のランクに応じて転送先が異なる。
図35において、操作履歴テーブル3500は、端末装置IDと、各顧客端末装置110において操作がおこなわれた日時に関する情報と、当該日時において操作がおこなわれた画面に関する情報と、を関連付けして記憶する。操作履歴テーブル3500においては、たとえば顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信するごとに、受信された架電リストに含まれる情報に基づいて、適宜、操作履歴テーブル3500の内容を更新する。
変形例(その3)として説明する決定方法による応対すべきオペレータ(またはグループ)の決定に際しては、まず、以下に示すような準備処理をおこなう。準備処理に際しては、まず、顧客端末装置110において、図36に示した表示画面3600を表示している状態で所定の操作を受け付けることによって、顧客番号およびパスワードの入力を受け付ける。顧客端末装置110は、受け付けた情報(顧客番号およびパスワード)を含む架電リクエストを、振り分けサーバ120に送信する。
振り分けサーバ120は、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信すると、顧客テーブル3200を参照してパスワード認証(ログイン認証)をおこない、当該架電リクエストに含まれる顧客番号が同じく架電リクエストに含まれるパスワードに関連付けられたものであるか否かを判断する。そして、振り分けサーバ120は、架電リクエストに含まれる顧客番号が同じく架電リクエストに含まれるパスワードに関連付けられたものであると判断した場合に、端末情報テーブル3300において端末装置IDと顧客番号を関連付けて記憶(保存)する。
ここで、変形例(その3)として説明する決定方法による応対すべきオペレータ(またはグループ)の決定に際しては、端末装置IDに代えて「セッションID」を用いてもよい。端末装置IDの代わりに「セッションID」を用いる場合、振り分けサーバ120は、振り分けサーバ120は、架電リクエストに含まれる顧客番号が同じく架電リクエストに含まれるパスワードに関連付けられたものであると判断した場合に、セッションIDを採番し、セッションIDと顧客番号を関連付けて記憶(保存)する。
つぎに、振り分けサーバ120は、パスワード認証(ログイン認証)の結果を、該当する顧客端末装置110に対して送信する。端末装置IDに代えて「セッションID」を用いる場合、振り分けサーバ120は、パスワード認証(ログイン認証)の結果およびセッションIDを、該当する顧客端末装置110に対して送信する。セッションIDを受信した顧客端末装置110は、受信されたセッションIDを記憶(保存)する。
その後、顧客端末装置110において、図37に示した表示画面3700を表示している状態で所定の操作を受け付けることによって、用件(メニュー項目)の入力を受け付ける。顧客端末装置110は、受け付けた情報(用件すなわちメニュー項目)を含むリクエストを、振り分けサーバ120に送信する。顧客端末装置110は、端末装置IDを含むリクエストを送信する。または、受信したセッションIDを記憶(保存)している場合は、当該セッションIDを含むリクエストを送信する。図37においては、「ご利用明細」というメニュー項目が選択された状態を示している。
変形例(その3)として説明する決定方法によって応対すべきオペレータ(またはグループ)を決定する場合、送信するリクエストは、架電するかどうかにはかかわらない。リクエストを送信するまでの操作および当該操作にもとづく処理は、通常のWeb画面でのサービス利用に際しておこなわれ、送信するリクエストは、架電するかどうかにはかかわらず、架電を要求する架電リクエストは、上記のリクエストを送信した後におこなう。
リクエストの送信が完了した段階においては、「端末装置ID(あるいはセッションID)を使用する顧客番号」が、端末情報テーブル3300において記憶されている。また、リクエストの送信が完了した段階においては、「端末装置ID(あるいはセッションID)によって特定される顧客端末装置110が直前の操作で閲覧していた画面(メニュー項目)」が、操作履歴テーブル3500において記憶されている。
変形例(その3)として説明する決定方法による応対すべきオペレータ(またはグループ)の決定に際しては、上記の準備処理のつぎに、架電処理をおこなう。架電処理は、上記のリクエストの送信の後に「オペレータに発信」が指定された場合、あるいは、上記のリクエストの送信時に「オペレータに発信」が指定された場合、におこなわれる。
架電処理は、「端末装置ID(あるいはセッションID)を使用する顧客番号」が端末情報テーブル3300に記憶され、かつ、「端末装置ID(あるいはセッションID)によって特定される顧客端末装置110が直前の操作で閲覧していた画面(メニュー項目)」が操作履歴テーブル3500に記憶された状態において、顧客端末装置110において、図38に示した表示画面3800を表示している状態で所定の操作を受け付けることによって、「オペレータに発信」を指定する入力操作を受け付けた場合におこなわれる。
図38においては、「オペレータに発信」というメニュー項目が選択された状態を示している。この「オペレータに発信」というメニュー項目が選択されることによって、顧客端末装置110から架電リクエストが送信される。顧客端末装置110は、この場合に、振り分けサーバ120に対して端末装置IDを含む架電リクエストを送信する。または、受信したセッションIDを記憶(保存)している場合は、当該セッションIDを含む架電リクエストを送信する。
振り分けサーバ120は、顧客端末装置110から送信された架電リクエストを受信すると、端末情報テーブル3300を参照して顧客番号を取得するとともに、操作履歴テーブル3500を参照して、直前の利用日時および直前の操作画面に関する情報を取得する。そして、顧客テーブル3200を参照して、取得された顧客番号に関連付けされたランクを取得する。
つぎに、着信先判断テーブルを参照して、記憶されている用件と取得されたランクとに関連付けされた転送先を、架電リクエストを送信した顧客端末装置110の顧客に対する転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)に決定する。転送先(応対すべきオペレータまたはグループ)の決定以降は、上記と同様の処理をおこなう。
なお、この実施の形態1、2で説明した音声通信方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワーク101を介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。