JP5565251B2 - 個人認証媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、パスポートや査証などの冊子または、カード等に個人特定の要である顔画像や指紋を印刷・印字・描画する画像形成体である個人認証媒体に関する。
パスポートや査証用ステッカー、あるいはカード類といった個人認証に係わる情報記録媒体においては、従来、色々なセキュリティ手法が提案されてきている。
例えば、パスポートにおいては、現在使用されているパスポートはいわゆるICAOの規定によれば、目視および光学文字識別方式の両方で読めなければならないとされている(ICAOは、International Civil Aviation Organizationの略)。ICAOの規定によれば、パスポートに使用する材質やセキュリティに関しては各国の自由裁量であり、セキュリティ機能として一般に使われているのは、有機溶剤等で反応する化学反応体、虹彩色のパールチップ、ファイバー(絹もしくは合成繊維、可視もしくは不可視、蛍光もしくは非蛍光)、ホログラムやマイクロ文字の印刷されたフィルムのセキュリティ糸、透かし模様等を盛り込んだ用紙や退色性インキ、蛍光インキ、感熱インキ、光学的に変化するインキ(いわゆるOVIなど)等の各種インキ、細線印刷、レインボー印刷、凹版印刷、ピクセル印刷等の様々な技法を組み込んでセキュリティと美観の同時向上を図っている。
また、パスポートの目視確認情報としての顔写真は、従来写真を貼り合わせたものであったが、近年では写真情報をデジタル化し、これをパスポートに再現する傾向にある。パスポートへの画像再現方法としては、昇華性(熱移行性)染料や、顔料を分散させた樹脂型溶融タイプやワックス溶融タイプを用いた転写リボンによる感熱転写記録法、あるいは電子写真法などが検討されている。
パスポートへの画像再現方法としては、上記方式以外に、インクジェットプリンタによる記録法や(例えば、特許文献1参照)、COもしくはYAGレーザーおよび感熱発色剤を使用したレーザー印字記録法(例えば、特許文献2参照)、さらには基材中に存在する炭素を利用して基材の深さ方向にも印字記録するレーザーエングレービング印字記録法(例えば、特許文献3参照)などがある。
査証用ステッカーにおいても、ステッカー自体を剥がそうとしても綺麗に剥がすことが困難な様に切り込みを一定パターン状に設けたものを使用するなどの工夫がされているものもある。
さらに、この種の個人認識データの入った画像表示体としては、画像データに基づいて形成された画像パターンをポリ塩化ビニル等のカード基材上に備えたもの、あるいは上記画像パターンに加えてホログラムや回折格子あるいは多層干渉を用いた光学的薄膜(光学設計によりカラーシフト等の効果を得られる)を用いることによる画像に代表されるいわゆるOVD画像を具備するもの等が知られている(OVDは、Optical Variable Deviceの略)。
これらホログラムや回折格子のOVD技術は、高度な製造技術を要し、複製の難しいことから有効な偽造防止手段としてクレジットカード、IDカード、プリペイドカード等のカード類に利用されてきた。さらには、その装飾性の高さから、包装材、書籍、パンフレット、POP等への利用も少なくない。これらOVDを物品に貼着するための手段として従来から転写箔を用いて転写形成するといった方法が採られている。この種の転写は、支持体上に剥離層、ホログラムや回折格子の画像パターンを形成されているレリーフ層と、公知の薄膜形成手段により形成される反射層、接着層を順次積層してなる構成のものが知られている。これら、転写箔に刻まれたOVDパターン(ホログラムおよび回折格子パターン)は、微少な凹凸パターンをニッケル性のプレス版に複製し、レリーフ層に加熱押圧するという周知の方法により大量複製が行われている。
また、上記反射層は屈折率の異なる透明な物質を真空蒸着法等の公知の薄膜形成手段により形成することで(以下透明薄膜層と呼ぶ)、透明ホログラムや透明回折格子形成体となることは、公知の技術である。この場合、レリーフ層と透明薄膜層との間の屈折率差が大きい程、反射率も大きくなることは、光学的見地からも明らかである。但し、ここで一般的には、(レリーフ層の屈折率)<(透明薄膜層の屈折率)の関係がある。
このようにして得られたホログラムまたは回折格子構造物は、偽造防止手段としてクレジットカード、キャッシュカード、会員証カード、社員証カード、プリペイドカード、運転免許証等の各種カード類、商品券、ギフト券、株券等の各種紙券類や申込用紙、領収書、複写伝票等の各種帳票類や、パスポート、通帳、年金手帳等の各種冊子類の他、本や手帳などの表紙やパネル等のディスプレイ用途等の一部または全体に貼着して使用されている。尚、本発明で述べている全体とは、概念的な意味であり、柄、パターン等を問わず、スポット状、ストライプ状、格子上に貼着されたものや、定型、不定形の網点状のドットで貼着されたものも含まれる。
このようなOVD転写箔は偽造防止効果としては、充分な機能を果たすが、パスポートの様に顔写真などの画像形成後に該画像上にOVD転写層を熱的に転写して形成しているため、偽造技術の発達した現在では何らかの手法により転写層をいったん取り去り、画像データ等の改竄を行った後に改めてOVD転写箔を載せるといったことが行われる可能性もでてきた。
また、顔写真などの画像情報を形成するする手段としての昇華転写方式、熱溶融性の転写リボン方式あるいは電子写真方式などのプリンタは、昨今では一般に広く普及している状況を考慮すると、画像形成部を取り除いた後の領域に新たに画像を形成することは、必ずしも困難とは、言いきれなくなりつつある。
上記のような問題を解決すべく、顔写真の他に個人を特定する情報を複数個入れる方法が考えられている。顔写真の中に電子透かし情報を入れ、その情報を同一媒体中のICチップに記憶して、電子透かし情報とICチップの情報を照合することで認証する方法がある(例えば、特許文献4参照)。また、顔写真情報の特徴点を数値化して、その値を2次元コード化し、同一媒体中に印字する。2次元コードのデータと顔写真の特徴点を照合することで認証する方法がある(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、上記の方式では顔写真やICチップや2次元コードを読み取るための専用のデコーダーが必要であり、読み取り装置およびデコーダーを所有している人以外認証出来ないという問題がある。
他の検証方法として目視情報による認証が可能な顔写真を複数個入れる方法が考えられる。前記方式で設けた顔写真の他に蛍光材料を用いて同じ顔写真を形成する方法がある(例えば特許文献6、特許文献7、特許文献8参照)。また、パール顔料を溶融型熱転写インクリボン化して顔写真を形成する方法がある(例えば特許文献9参照)。
しかしながら、上記蛍光材料を用いる方法では、紫外線ランプ(ブラックライト)を用いる必要があるため、認証できる場面が限られている。一方パール顔料による顔写真は、目視による確認は可能であるが、パール顔料の粒子が大きいため、精細な画像の形成が困難なことより、あくまで補助的な認証にしかならないという問題がある。
また、個人認証媒体の偽造防止技術として、顔写真等の個人情報をオンデマンドでホログラム化する方法も考えられている。例えば、ホログラムリボンを用いた熱転写方式(特許文献10参照)が知られているが、この方法であると、表現できるオンデマンドホログラムの解像度に限界があり、解像度を上げるほど画質が汚くなってしまい、目視での真偽判定が困難になるという問題がある。
特開2002−226740号公報 特開昭49−131142号公報 特開2006−123174号公報 特開2001−126046号公報 特開2004−70532号公報 特開平7−125403号公報 特開2000−141863号公報 特開2002−226740号公報 特開2003−170685号公報 特開平10−049647号公報
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、高セキュリティ性を必要とする個人認証用の画像形成体に対して、偽造や改竄あるいは変造に対する予防性能を持ち、表示された個人情報がはっきり視認でき、かつ万一それらの不正がなされた場合であっても被疑不正品を容易に発見できる個人認証媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、個人の認証に必要な個別情報を画像として表示する個人認証媒体であって、個別情報を画像として表示させる第1のインキ層が形成された受像層を有する中間転写箔と、ホログラムもしくは回折格子の微細凹凸を有し前記ホログラムもしくは回折格子の微細凹凸を前記第1のインキ層の部分に転写するOVD転写箔と、前記中間転写箔と前記OVD転写箔とを、前記第1のインキ層を前記OVD転写箔に対面させて前記中間転写箔と反対の前記OVD転写箔の面から支持する支持体とを備え、前記第1のインキ層のインキの色は、前記支持体の色と同一もしくは類似の色を呈し、前記第1のインキ層で表示される画像情報パターンは、不透明部、半透明部及び透明部の三つの領域により構成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の個人認証媒体において、前記第1のインキ層のインキが有機顔料もしくは無機顔料からなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の個人認証媒体において、前記第1のインキ層の半透明部は、インキの微小面積ドットを構成要素とした網点で表示され、かつドットの密度によって濃淡が表現されることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または2記載の個人認証媒体において、前記第1のインキ層の半透明部は、該半透明部を構成するインキの膜厚を調整することによって濃淡が表現されることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4に何れか1項記載の個人認証媒体において、前記支持体の前記OVD転写箔を支持する面に細紋パターンが印刷されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5に何れか1項記載の個人認証媒体において、前記受像層は、前記個別情報と同様の画像を含む文字情報を表示する第2のインキ層を有することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至5に何れか1項記載の個人認証媒体において、前記受像層の前記第1のインキ層と反対の面に、前記個別情報と関係の無い固定柄の第二OVD層を設けたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7に何れか1項記載の個人認証媒体において、前記OVD転写箔は、前記受層と対向する前記OVD転写箔の面に第一OVD層を有し、前記ホログラムもしくは回折格子は前記第一OVD層に形成され、前記第一OVD層のホログラムもしくは回折格子の微細凹凸が形成された面に前記第一OVD層の屈折率と異なる屈折率の透明被膜が形成されていることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に項記載の個人認証媒体において、前記第一OVD層のホログラムもしくは回折格子の微細凹凸が形成された面に形成された透明被膜が金属薄膜であることを特徴とする。
請求項1の本発明によれば、ホログラム画像として表示された個別情報を有する個人認証媒体が提供できる。また、偽造によりホログラム画像を形成することはきわめて困難であり、また、正規品を用いて改竄を行おうとしても、ホログラム画像は個々に異なるため、第1インキ層パターンのデータを照合することにより正規の所有者の特定が可能となり、データが改竄されたものであることが容易に判別できる。また、第1のインキ層とホログラムもしくは回折格子を組み合わせて個別情報を表示しているため、第1のインキ層を高解像度で表示することができ、しかも、ホログラム画像を高画質で表現できるため、個別情報の視認性が良好となり、個人認証媒体の真偽判定が目視で容易に行うことができる。
請求項2の本発明によれば、第1のインキ層の色を個人認証媒体の下地である支持体の色に合わせることができるため、あたかも支持体上にホログラム画像のみが形成されたように見え、より自然な個別情報の表現が可能となる。
請求項3の本発明によれば、ホログラムもしくは回折格子の回折光が、第1のインキ層によって遮光される。つまり、網点ドットの密度が小さい場合、回折光を多く透過し、輝度はその分高くなる。しかし、網点ドットの密度が大きいと、回折光をその分遮断するため、その分輝度は低下する。このように、ドット密度の濃淡を調節することで、ホログラム輝度を制御することができ、ホログラムで諧調表現が可能となる。そのため、写真のように滑らかな個別情報がオンデマンドホログラムで表現でき、万一偽造、改竄された際にも、目視での真偽判定も容易になる。
請求項4の本発明によれば、半透明部を構成するインキ層の膜厚を調節することにより、請求項3と同様にホログラム輝度を制御することができ、ホログラムで諧調表現が可能となる。そのため、写真のように滑らかな個別情報がオンデマンドホログラムで表現でき、しかも、万一の偽造、改竄された際にも、目視での真偽判定も容易になる。
請求項5の本発明によれば、個人認証媒体の支持体表面上にあらかじめ偽造防止用の細紋パターンを印刷しておくことで、より偽造が困難な個人認証媒体が提供される。これは、偽造を行おうとする者が、支持体側に直接ホログラム画像を転写しようとした場合に、プライマーなどの易接着処理を行うことをより困難にさせる効果を狙ったものである。基材側に直接ホログラム画像を転写すると、基材の凹凸の影響が顕著に現れるため、転写前にこの凹凸をなくすための処理が必要となるが、この処理を行うことで、細紋パターンの外観は正規品と異なったものとなり、偽造品であることが容易に判別できる。
請求項6の本発明によれば、昇華転写方式や溶融転写方式のインクリボンにより顔写真や個人情報を含んだ文字情報を設けることで、改竄防止効果の高い個人認証媒体を提供できる。これは、発行された正規品の顔写真や文字情報を改竄して偽造品を作製しようとしたときに、ホログラム画像も同時に破壊されるため、実質的に改竄が不可能となるためである。
請求項7の本発明によれば、第二OVD層のような個別情報を表示するホログラム画像とは別に、個別情報を持たない一定パターンのホログラム画像を設けることで、正規品であることの識別が容易であるとともに、偽造および改竄防止効果の高い個人認証媒体を提供できる。
請求項8または請求項9の本発明によれば、ホログラム画像が透明で下地の色も自然に透過して見えるため、インキ層の色が下地の色と同一なら全体的に自然で滑らかな個別情報の表現が可能となる。
本発明の一実施の形態に係る個人認証媒体完成前の個別情報インキ層を有する中間転写箔の概略断面図。 本発明の一実施の形態に係る個人認証媒体完成前のOVD転写箔の概略断面図。 本発明の一実施の形態に係る個人認証媒体完成前のOVD転写箔を中間転写箔上に熱転写してできる個別情報表示体の概略断面図。 本発明の一実施の形態に係る個人認証媒体の概略断面図。 本発明の一実施の形態に係る個人認証媒体の平面図。
本発明の個人認証媒体は、まず透明転写基材上にインキを用いて個別情報を印刷した中間転写箔とOVD転写箔を用意し、このOVD転写箔を中間転写箔上に熱転写して個別情報表示体を形成し、この個別情報表示体を紙、プラスチック等の支持体上に熱転写して形成されるものであり、必要に応じて他の媒体およびプロセスを有しても良いものである。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施の形態に係る個人認証媒体について、図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。
中間転写箔10は、図1に示したように、透明基材50と、この透明基材50の一方の面に剥離層51を介して設けられた受像層52を備える。受像層52の剥離層51と反対の面には、インキを用いてインクジェット方式、サーマルヘッド方式等により、個別認証のための正当な所有者、もしくは使用者、発行者、作成者を識別できる顔画像、指紋、サイン等の個別情報を画像として表示させるための第1のインキ層53と、一般的な個人認証情報を表示させる第2のインキ層54がそれぞれ異なる領域に印刷により形成されている。また、第1のインキ層53の画像情報パターンは、不透明部、半透明部、透明部の三つの領域により表示される。
第1のインキ層53の半透明部は、インキの微小面積ドットを構成要素とした網点で表示され、かつドットの密度によって濃淡が表現される。これにより、後述する第一OVD層62の輝度を制御できる。
また、第1のインキ層の半透明部は、インキの膜厚を調整することによって濃淡が表現されるこれにより、後述する第一OVD層62の輝度を制御できる。
透明基材50の材料としては、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)等のプラスチックシート等のプラスチックシートが挙げられる。その厚みも形成後の用途次第であるが、10〜100μm程度が好ましい。
剥離層51の材料としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂にシリコーンやフッ素系の添加剤を加えたものが好ましく、もしくはフッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂等、基材50から剥離しやすいものを選出しても良い。
受像層52の材料としては、プロプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いる。これらの樹脂は、前記したように白色インキやカラーインキを用いて顔写真、名前、生年月日等の文字情報等、いわゆる個人認証に係わる情報を印刷して書き込むことができ、同時に被写体の基材上へ熱転写した際に密着する接着剤としての機能を兼ね備えていると良い。
第1のインキ層53は、後述する第一OVD層62と合わせて個別情報を表示するための層であり、材料としては、最終的に下地となる紙、プラスチック等の支持体の色と同一色もしくは類似色となる有機顔料もしくは無機顔料を用いると良い。一般的には、支持体の色は白色の場合が多く、その場合、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウムおよびバライト粉等の白色顔料を一般的に用いることができる。これらを用いて高解像度画像情報を正確に印刷するには、インクジェット印刷方式等が有効である。
第2のインキ層54は、公知のインクリボン等を用いたサーマルヘッド印刷等により所有者の顔写真、名前、生年月日等の文字情報等の一般的な個人認証情報を書き込むための層である。
また、中間転写箔10においては、偽造防止特性を向上させるために、剥離層51と受像層52の間に固定柄の第二OVD層(図示せず)を設けても良い。
OVD転写箔11は、図2に示したように、透明基材60と、この透明基材60の一方の面に剥離層61を介して図示の順に積層して設けられた第一OVD層62と、透明被膜層63及び接着層64とを含んで構成されている。第一OVD層62の透明被膜層63との接触面にはホログラムもしくは回折格子状の微細凹凸が形成されている。
透明基材60と剥離層61の材料としては、基本的に前述の図1に示した透明基材50及び剥離層51と同一で良いが、剥離層61に関しては、中間転写箔10上に熱転写するため、剥離層51よりも剥離力が軽いものを選定しなければならない。もし、剥離層51よりも剥離層61の剥離力が重いと、中間転写箔10がOVD転写箔11側に移ってしまい、所望の構成が得られなくなる。
第一OVD層62の材料としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の光硬化性樹脂、またはアクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、またはプロプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等を設けた後、所望の凹凸をエンボスすることにより賦型し形成する。これらの樹脂の硬化物は全て光透過性であり、屈折率は一般的には1.5程度である。
透明被膜63の材料としては、第一OVD層62と屈折率が異なる誘電体、誘電体多層膜、もしくは高屈折率材料を使用する。例えば、屈折率が2.0以上であるZnS、TiO2、PbTiO2、ZrO、ZnTe、PbCrO4等が好ましい。これは、第一OVD層62との屈折率差が小さいと、第一OVD層62の凹凸による回折光の視覚効果が弱まってしまうためである。
なお、屈折率差は大きければ大きい程良好であるが、現実的に2.5以上の屈折率を持った透明被膜材料は入手困難のため、実際の屈折率差は最大でも|2.5−1.5|の1.0程度と考えられる。また、膜厚は50nm〜100nmが好ましい。
接着層64の材料としては、前記受像層52のものと類似のもので良い。但し、熱圧により接着剤としての機能を有すれば良く、受像特性を持たせる必要は無い。
個別情報表示体12は、図3に示したように、中間転写箔10にOVD転写箔11を熱転写することで構成される。この場合、OVD転写箔11はOVD転写箔11の第1のインキ層53に重ね合わされた状態に置かれる。そして、OVD転写伯11の透明基材60を剥離除去した後の個別情報表示体12を、図4に示したように、支持体71上に熱転写することによって個人認証媒体13が構成される。
このように構成することで、図5に示すように、第1のインキ層53及び第2のインキ層54を有する個人認証媒体(パスポート)を得ることができる。
なお、支持体上には、個別情報表示体12との接着力を持たせるため、プライマー処理を施したり、接着層70を設けても良い。
また、支持体71のOVD転写箔11を支持する面に、図示省略の細紋パターンを印刷により形成することができる。
上記したように本実施の形態によれば、第1のインキ層53と第一OVD層62との重ね合わせにより、個人を識別するのに必要な個別情報を表現することができる。第1のインキ層53の半透明部を、インキ層のドット密度や膜厚により濃淡を調節することで、第一OVD層62の輝度を制御することができる。これにより、OVDの諧調表現が可能となり、高解像度の個別情報OVD画像の表示が可能になる。
また、顔画像等の個別情報を正確に表示するためには、最低300dpi(ドットの一辺の長さが0.085mm)の解像度が必要であるが、本実施の形態に示す第1のインキ層53のパターン印刷においては、公知のインクジェット印字の技術等で300dpi以上の解像度を表現することができるため、高解像度の個別情報OVD画像を容易に実現できる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、中間転写箔を作成した。基材として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、これに剥離層と受像層を、この順にグラビアコーターによる印刷で形成した。オーブンでの乾燥後の剥離層の膜厚は0.6μm、受像層の膜厚は6μmであった。
更に、受像層面上にYMCKのインキリボンを用いたサーマルヘッド印刷により、所有者の顔写真と文字情報を印字した。
次に、前記顔写真をディザー処理した画像データを作成し、白インキを用いたインクジェット印刷により、前記サーマルヘッド印刷による情報と重ならない受像層の領域に印刷した。ここで、顔写真の処理は、まず、グレースケールにしてモノクロデータとした後に、部分的にディザー処理を行い、データ化した。画像データは600dpi相当で作成した。このモノクロ画像のデータにおいて、黒ベタ部分が前記インキ層の不透明部、ディザー処理で濃淡を表現したグレー部分が半透明部、白部分がインキ層の打たれない透明部に、それぞれ当たる。
次に、OVD転写箔を作成した。中間転写箔と同様に、基材として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、これに剥離層とOVD層を、この順にグラビアコーターによる印刷で形成した。オーブンでの乾燥後の剥離層の膜厚は0.6μm、OVD層の膜厚は0.7μmであった。
上記フィルムを、空間周波数1000本/mm、深さ100nmの回折格子が、上記顔写真と同サイズのベタ柄となっているOVD版を用いてロールエンボス装置にて連続的に熱エンボスを行い、フィルム状にして巻き取った。
OVD形成層上にZnS蒸着を行い、透明薄膜層を設けた。ZnS蒸着の膜厚は80nmであった。また、このフィルムに接着層を印刷により形成した。接着層の膜厚は0.6μmであった。
上記のようにして作成したOVD転写箔を、これが前記中間転写箔の受像層側の白インキで顔写真パターンを印刷した部分に重なるように位置合わせをして熱転写し、個別情報表示体を作成した。
次に、パスポート等で用いられる白紙にプライマー処理を施した支持体上に、前記個別情報表示体を熱転写し、個人認証媒体(パスポート)のサンプルを作成した。
以上のように作成した本実施例の個人認証媒体は、インクリボンによる情報画像と、ホログラムにより表現された個別情報が同一面上に存在することで偽造、改竄が困難となり、高いセキュリティ性を有するものとなる。更に、ホログラムにより表現された個別情報は、600dpi相当のため、非常に滑らかに表現できており、同一面上にあるフルカラー顔写真と見比べて目視で容易に真偽を判別できるようになった。そのため、万が一偽造、改竄品が出回った際に、目視で容易に真偽判定が行える高いセキュリティ性を有する個人認証媒体が完成した。
1…観察者方向、10…中間転写箔、11…OVD転写箔、12…個別情報表示体、13…個人認証媒体、50…透明基材、51…剥離層、52…受像層、53…第1のインキ層、54…第2のインキ層、60…透明基材、61…剥離層、62…第一OVD層、63…透明被膜、64…接着層、70…プライマー、71…支持体。

Claims (9)

  1. 個人の認証に必要な個別情報を画像として表示する個人認証媒体であって、
    個別情報を画像として表示させる第1のインキ層が形成された受像層を有する中間転写箔と、
    ホログラムもしくは回折格子の微細凹凸を有し前記ホログラムもしくは回折格子状の微細凹凸を前記第1のインキ層の部分に転写するOVD転写箔と、
    前記中間転写箔と前記OVD転写箔とを、前記第1のインキ層を前記OVD転写箔に対面させて前記中間転写箔と反対の前記OVD転写箔の面から支持する支持体とを備え、
    前記第1のインキ層のインキの色は、前記支持体の色と同一もしくは類似の色を呈し、
    前記第1のインキ層で表示される画像情報パターンは、不透明部、半透明部及び透明部の三つの領域により構成されている、
    ことを特徴とする個人認証媒体。
  2. 前記第1のインキ層のインキが有機顔料もしくは無機顔料からなることを特徴とする請求項1に記載の個人認証媒体。
  3. 前記第1のインキ層の半透明部は、インキの微小面積ドットを構成要素とした網点で表示され、かつドットの密度によって濃淡が表現されることを特徴とする請求項1または2記載の個人認証媒体。
  4. 前記第1のインキ層の半透明部は、該半透明部を構成するインキの膜厚を調整することによって濃淡が表現されることを特徴とする請求項1または2記載の個人認証媒体。
  5. 前記支持体の前記OVD転写箔を支持する面に細紋パターンが印刷されていることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の個人認証媒体。
  6. 前記受像層は、前記個別情報と同様の画像を含む文字情報を表示する第2のインキ層を有することを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の個人認証媒体。
  7. 前記受像層の前記第1のインキ層と反対の面に、前記個別情報と関係の無い固定柄の第二OVD層を設けたことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の個人認証媒体。
  8. 前記OVD転写箔は、前記受層と対向する前記OVD転写箔の面に第一OVD層を有し、
    前記ホログラムもしくは回折格子の微細凹凸は前記第一OVD層に形成され、
    前記第一OVD層のホログラムもしくは回折格子の微細凹凸が形成された面に前記第一OVD層の屈折率と異なる屈折率の透明被膜が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至7に何れか1項記載の個人認証媒体。
  9. 前記第一OVD層のホログラムもしくは回折格子の微細凹凸が形成された面に形成された透明被膜が金属薄膜であることを特徴とする請求項8に項記載の個人認証媒体。
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