JP5439054B2 - X線診断装置 - Google Patents

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本発明はX線診断装置(以下、「X線撮影装置」と記載することがある)に関するもので、特に被検体に対する挿入物の挿入操作を支援する医用画像提示機能に関する。
X線撮影装置は、対向配置されたX線源とX線検出器との間に配置された被検体に対してX線を曝射する。さらにX線撮影装置は、被検体を透過したX線を検出し、当該検出したX線に基づいて被検体内の情報を示す医用画像を生成するものである。
また従来、診断、治療行為、排液や供給等を実施するため、患者の脈管にカテーテル、ガイドワイヤ等の挿入物が挿入される。また術者は当該患者の脈管にカテーテル等を挿入する際、医用画像診断装置等により生成された被検体内の情報を示す医用画像を閲覧することにより、リアルタイムで被検体(患者等)の体内のカテーテル等を観察しながら挿入を行うIVR(Interventional Radiology)が普及している。例えば被検体の血管等に対してカテーテル等を挿入するにあたり、X線撮影装置を用いて被検体内のカテーテル等の観察を行う場合は、カテーテル等を挿入する被検体の血管等に対し造影剤を注入する。さらにX線撮影装置によって被検体のX線画像を撮影し、透視を行う。術者はこの透視像を閲覧しつつ、被検体内におけるカテーテル等の位置を把握しつつカテーテル等を挿入、進行させる。
このような透視をするためのX線撮影装置の動作は次のように行われる。まずX線管とX線検出器との間に配置された被検体に対し、X線管からX線が照射される。さらに当該被検体を透過したX線をX線検出器が検出する。この検出した透過X線に対し画像処理などの各種処理を行ってX線画像を周期的又は連続的に生成し、表示する。これによって透視が行われる。
ここでX線撮影装置が、被検体内に挿入されたカテーテル等の進行に合わせて、被検体内におけるカテーテル等の位置(先端位置等)を順次表示する必要がある。例えば従来、術者がカテーテル等の挿入と共に、操作入力部から撮影部位の移動指示を入力し、カテーテル等の進行に従って、当該撮像部位を順次移動させることによって、カテーテル等の先端部分を所望の位置にまで誘導するX線透視撮影装置があった(特許文献1:段落0010、0053等参照)。
しかしながら、特許文献1におけるX線透視撮影装置では、カテーテル等が進行していくごとに操作入力部によって撮像部位を移動する必要があり、装置の操作が煩雑となる上検査治療効率を落とすことにもなる。特に、カテーテル等の挿入・進行操作は熟練した技術と集中力が必要であり、カテーテル等の進行に合わせた撮像部位の移動操作が困難である。
これに対し、次のようなX線撮影装置が提案されている(特許文献2:段落0002〜0012、0018、0033〜0038等参照)。すなわちこのX線撮影装置では、まず透視前に透視画像の範囲よりも広い範囲の参照画像(ロードマップ)を予め形成して記憶しておく。そして、透視時において、透視範囲検出手段(撮影範囲検出手段)が透視画像の透視範囲を検出する。さらに予め記憶された参照画像のうち当該透視範囲に対応する範囲を読み出す。この上で、切り出された部分的な参照画像と透視画像を重ね合わせ、表示手段上に表示する。そして、透視範囲が変更された場合は、これに追従して読み出す参照画像の読み出し範囲を変更する。
特開2001−78992号公報 特開2000−342565号公報
特許文献1や特許文献2におけるX線撮影装置では、被検体の透視範囲(透視撮影部位)が広範であればあるほど、透視画像の視野は大きくなる。しかし、撮影部位が広範であるということは、X線の照射野が広がることになる。透視をするためにはX線を周期的又は連続的に照射しなければならないため、X線の照射野を広げると被検体の被爆量が増大してしまう。またX線の照射野が広がることにより、透過X線の検出をするX線検出器の大型化も招来してしまう。このX線検出器の大型化は、透視画像の解像度の低下を招くおそれがある。例えば視野40cm程度のFPD(Flat Panel Detector/平面検出器)であれば、画素サイズは150〜200μm程度となる。
特に脳血管等の血管走行の複雑な部位に対するカテーテルの挿入においては、透視画像の解像度が低下することにより、術者によるカテーテル等の挿入物の識別が困難となり、カテーテル等の把握に支障をきたすおそれがある。したがって、透視においては被爆量の低減および透視画像を高精細(高解像度)とすることが望まれる。これらはX線の照射野を狭めつつX線検出器を小型化することにより実現可能である。
しかしながら、このような構成によるX線撮影装置では、表示される透視画像の視野が狭くなってしまうおそれがある。例えば、画素サイズを20μmとすると視野は20mm〜30mm程度となる。このように透視画像の視野が狭くなれば狭くなるほど、被検体内に挿入されたカテーテルの進行に合わせて、カテーテルの位置(先端等)を表示することが困難となる。例えば、術者のカテーテル挿入の熟練度によっては、カテーテルの進行速度が速くなることがあり、カテーテルの進行に対し、カテーテルの先端位置の表示・表示操作が追いつかなくなってしまうおそれがある。
また、単にX線検出器を大型化かつ高精細化することは困難である。例えば高精彩のFPDとして、CCD上にシンチレータを載せ、容器に格納されて構成されるものがある。このFPDにおけるCCDは単結晶Si素材によって構成されているので、1辺40cm程度の大視野を実現することが困難である。また仮に、X線検出器を大型化かつ高精細化することが可能であっても、X線検出器を大型化かつ高精細化してしまうと、FPD等のX線検出器にかかるコストが増大し、結果としてX線撮影装置の高コスト化を招来してしまう。例えば1辺40cmのFPDの画素サイズを50μmとした場合、画素数が1600万にもなり、画像処理に過大のハードウェアが必要となる。また、仮に透視画像の視野が広い状態で高精彩にしたとしても、カテーテル等の表示面積が大きくなければカテーテル等の状態の把握に寄与せず、カテーテル等の挿入操作の支援を効率的になし得ない。つまり、X線検出器を大型化し、かつ高精細化しても透視画像全体の表示面積を大型化しない限りは、カテーテル等の状態の把握に寄与しない。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、X線診断装置によってカテーテルやガイドワイヤ等の挿入物の挿入操作を支援する医用画像を生成するにあたり、被検体の被爆量を低減させるとともに、術者による挿入物の把握を容易とし、かつ挿入物の進行に合わせたX線画像の生成を可能とする技術を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被検体に照射されるX線を生じるX線源と、前記被検体に対する前記X線の照射範囲を絞るX線絞り手段と、前記被検体を透過したX線を検出する第1のX線検出器と、前記第1のX線検出器より検出範囲が狭い第2のX線検出器と、前記X線絞り手段を制御して、前記X線の照射方向および照射範囲を変更させる第1の制御手段と、前記第1のX線検出器によって検出されたX線に基づき第1の画像を生成し、その後、前記第2のX線検出器によって経時的に検出されたX線に基づき、少なくとも被検体内に挿入された挿入物の先端を含む第2の画像を順次生成するX線画像生成手段と、前記第2の画像を基に、前記挿入物の先端位置の変位を求める位置検出手段と、前記被検体と前記第2のX線検出器との相対的位置を変位させる第2の制御手段と、前記相対的位置の移動に応じて、前記第1の画像中に該相対的位置を示すとともに、並行して前記第2の画像を表示する表示手段と、をえ、前記第1の制御手段は、前記第1の画像が生成された後、前記第2のX線検出器の検出範囲に応じて前記X線絞り手段によって前記X線の照射範囲を絞り、前記第2の制御手段は、前記位置検出手段により求められた前記挿入物の変位に応じて、前記被検体と前記第2のX線検出器との相対的位置を変位させ、さらに該変位に応じて前記第1の制御手段が、前記X線絞り手段がX線の照射方向を変更させること、を特徴とするX線診断装置である
た、上記の課題を解決するために請求項に記載の発明は、あらかじめ指定された被検体の撮影範囲において、第1のX線検出器により検出されたX線に基づき参照画像を取得する参照画像取得手段と、前記撮影範囲より狭い範囲において、第2のX線検出器により検出されたX線に基づき前記被検体に挿入された挿入物の先端位置を示す透視画像を順次取得する透視画像取得手段と、順次取得される前記透視画像それぞれにおける、前記先端位置を順次検出する挿入物検出手段と、前記挿入物検出手段により検出された前記先端位置が、前に取得された前記透視画像における先端位置に対して変位している場合、該変位を打ち消すように前記被検体に対する前記第2の検出器の位置を相対的に移動させる検出器移動手段と、前記検出器移動手段による前記第2の検出器の相対的移動に応じて、前記参照画像中の前記透視画像の位置を示すとともに、該参照画像中の該透視画像の位置の表示より、前記透視画像を拡大して表示させる表示手段と、を備えたこと、特徴とするX線診断装置である。
上述した請求項1および8にかかる本発明によれば、第1の検出器で被検体の撮影範囲全体を撮影し、その後、挿入物の進行に合わせて撮影範囲が限定された第2の検出器で経時的に撮影を行う。さらに被検体と第2の検出器の相対的な位置を、第1の検出器に基づく画像内に示すように構成されている。したがって、術者は被検体の撮影範囲、例えば挿入物の挿入位置から病変部までの間において、挿入物がどの位置にあるかを把握することができる。その結果、術者が被検体内の挿入物の位置を見失ってしまう事態を回避することが可能である。さらに撮影範囲全体に対する挿入物の位置を表示するだけでなく、第2の検出器で第2の画像、すなわち挿入物の先端部分に焦点を合わせた画像を並行して表示するので、挿入物の先端部分を示す第2の画像の解像度が低下する事態を回避することが可能である。結果として術者による挿入物の進行の把握に支障をきたさないようにすることができる。さらに第2の画像の撮影においてはX線の照射範囲を絞るので、被検体の被爆量を低減させることも可能である。
この発明の実施形態にかかるX線撮影装置の全体構成を示す概略ブロック図である。 (A)この発明の実施形態にかかるX線撮影装置の各X線検出器およびX線検出器移動機構の構成を示す概略側面図である。(B)この発明の実施形態にかかるX線撮影装置の各X線検出器およびX線検出器移動機構をX線発生部側から見た概略図である。 この発明の実施形態にかかるX線撮影装置のX線発生部、天板、各X線検出器、および当該天板に載置された被検体の位置関係を示す概略側面図である。 この発明の実施形態にかかるX線撮影装置のシステム制御部の機能構成の一部を表す概略ブロック図である。 この発明の実施形態にかかるX線撮影装置によって撮影された参照画像の一例を示す概略図である。 この発明の実施形態にかかるX線撮影装置によって撮影された参照画像、ならびに当該参照画像上に示されたX線検出器の位置表示およびマーカの進行軌跡を示す概略図である。 この発明の実施形態にかかるX線撮影装置によって撮影され拡大された透視画像を示す概略図である。 この発明の実施形態にかかるX線撮影装置による参照画像と、当該参照画像に表示されたマーカと位置表示の進行軌跡を示す概略図である。 この発明の実施形態のX線撮影装置における、参照画像の撮影範囲設定から表示を経て透視撮影開始までの動作の概略を示すフローチャートである。 この発明の実施形態のX線撮影装置によって透視画像が生成されてから、挿入物の先端に配置したマーカの変位を求めるまでの動作の概略を示すフローチャートである。 この発明の実施形態のX線撮影装置の変位算出手段によって求められた算出結果に基づき機構部の各移動機構が制御されてから、マーカの進行軌跡を記憶するまでの動作の概略を示すフローチャートである。 この発明の実施形態の変形例にかかるX線撮影装置によって生成された参照画像および透視画像を示す概略図である。
[第1実施形態]
この発明の第1実施形態にかかるX線撮影装置の構成の一例にについて、図1〜図11を参照して説明する。
(X線撮影装置全体の概要)
図1に示すように、第1実施形態におけるX線撮影装置は、被検体の体内の状態などの撮影を行うX線発生部1と、X線検出部2とを有する。またX線撮影装置は、当該X線発生部1やX線検出部2における各部の移動等にかかる駆動を行う機構部3と、X線発生部1に高電圧を供給する高電圧発生部4と、X線検出部2のX線検出器21a、21bとX線発生部1とが対向するように支持するCアーム5と、被検体を載置する天板6とを有している。またX線撮影装置の天板6に載置された被検体に対し、X線発生部1からX線が照射され、被検体を透過したX線がX線検出部2に検出されると、検出されたX線はX線検出部2による各処理を経て画像データに変換される。X線撮影装置は、この画像データを処理する画像処理部7を有している。さらにX線撮影装置は、画像処理部7により画像処理されたX線画像を表示する表示部8と、術者による操作を受け付けX線撮影装置の各部の操作を行うための操作部9と、全体の制御を行うシステム制御部10とを有する。以下、それぞれが具備する構成要素について説明する。
X線発生部1は、天板6上の被検体に照射するX線を発生する装置であり、X線管11と、X線絞り器12とを有する。X線管11には高電圧発生部4から高電圧が供給され、X線管11はこの高電圧によってX線を発生する。X線絞り器12はX線管11が発生したX線の照射野の一部を遮蔽する。この遮蔽の程度によって、X線の照射野の広狭を変更し、またX線の照射方向を変更することが可能となる。
X線検出部2は、被検体を透過したX線を検出して画像データを生成する装置であり、被検体を撮影する場合に通常用いられる平面検出器であるX線検出器21aと、X線検出器21aより検出範囲が狭いが(小視野)高精細であり、病変部などの詳細観察に用いられるX線検出器21bと、X線検出器21a、21bから電荷を取り出すゲートドライバ22と、X線検出器21a、21bにより検出された電荷を電圧に変換する電荷・電圧変換器23と、電荷・電圧変換器23により変換された電圧をデジタル値に変換するA/D変換器24とを有する。X線検出器21bの検出範囲はカテーテルやガイドワイヤ等の挿入物の先端とその周囲を少なくとも撮影可能な範囲である。なお、本実施形態におけるX線検出器21aは、本発明にかかる「第1のX線検出器」の一例に該当する。また本実施形態におけるX線検出器21bは、本発明にかかる「第2のX線検出器」の一例に該当する。
機構部3は、X線検出器21a、21b、Cアーム5および天板6等を移動する移動機構群である。すなわち機構部3はX線検出器21a、21bを移動するX線検出器移動機構31と、Cアーム5の回転、移動を行うCアーム回動・移動機構32と、天板6を移動する天板移動機構33とを有する。さらに機構部3は、これらのX線検出器移動機構31、Cアーム回動・移動機構32および天板移動機構33の駆動をそれぞれ制御する機構制御部34を有している。この機構制御部34によるX線検出器移動機構31、Cアーム回動・移動機構32および天板移動機構33の制御は、システム制御部10からの制御信号に基づいて行われる。
また、X線検出器移動機構31、Cアーム回動・移動機構32および天板移動機構33には、それぞれロータリーエンコーダ等の検出手段(不図示)が設けられている。すなわち、X線検出器移動機構31は、各X線検出器21a、21bの位置を検出する検出手段を有しており、Cアーム回動・移動機構32は、Cアーム5の移動、回転角度を検出する検出手段を有している。同じく天板移動機構33も天板6の位置を検出する検出手段を備えている。これらの各検出手段は、検出対象(各X線検出器21a、21b、Cアーム5、天板6)の移動に応じて、機構制御部34に変位情報を送信する。機構制御部34は、各検出手段からの各X線検出器21a、21b、Cアーム5、天板6の変位情報を受け、各X線検出器21a、21b、Cアーム5、天板6それぞれの相対的な位置(距離)を算出する。
高電圧発生部4は、X線制御部41と高電圧発生器42とを含んで構成され、X線発生部1によるX線の照射に必要な高電圧を供給する。X線制御部41は、システム制御部10からの制御信号に基づいて、高電圧発生器42を制御する。高電圧発生器42は、X線制御部41に制御されて高電圧を発生しX線管11に供給する。これによってX線の照射が制御される。
画像処理部7は、画像演算回路71と、画像データ記憶回路72とを有する。画像演算回路71はX線検出部2により生成された画像データに対し再構成演算やサブトラクション演算などの画像処理を行う。また、画像演算回路71は後述する挿入物の先端位置の検出のために画像解析も行う。表示部8は、表示制御部81と、画像データ記憶回路72に記憶された画像を表示するモニタ82とを有する。表示制御部81はモニタ82による画像の表示を制御する。また表示部8のモニタ82は、単一であってもよく、また複数であってもよい。さらに表示部8は、後述するマーカMの進行軌跡122を表示する制御を行う。
(X線検出器移動機構)
次に、X線撮影装置における機構部3のX線検出器移動機構31の構成について図2(A)、(B)および図3を参照して説明する。図2(A)は、この発明の実施形態にかかるX線撮影装置のX線検出器21a、21bおよびX線検出器移動機構31の構成を示す概略側面図である。図2(B)は、この発明の実施形態にかかるX線撮影装置のX線検出器21a、21bおよびX線検出器移動機構31をX線発生部1側から見た概略図である。図3は、この発明の実施形態にかかるX線撮影装置のX線発生部1、天板6、各X線検出器21a、21bおよび当該天板6に載置された被検体の位置関係を示す概略側面図である。図1に示すように大視野のX線検出器21aは、Cアーム5の一端に支持されている。また図2(A)に示すように、このX線検出器21aの側面には、当該側面から突出するように小視野のX線検出器21bが接続されている。
X線検出器21bは、接続基部210、支持ガイド211、Y軸移動機構212、X軸移動機構213を含んで構成される。図2(A)に示すように接続基部210は、X線検出器21aの側面側に接続されてX線検出器21b全体を支持する。また支持ガイド211は、図2(A)、(B)に示すように接続基部210における突出端側に接続されており、かつX線管11側(被検体側)の面にガイド溝211aが設けられている。このガイド溝211aは図2(A)に示すように天板6と略平行であって、図2(B)に示すように当該天板6の長手方向(被検体の体軸方向)に長さ方向を有する。この方向は、図2(A)、(B)に示されるところのY方向である。図2(A)に示すようにこのガイド溝211aにY軸移動機構212の突部が係合することにより、支持ガイド211がY軸移動機構212を移動可能に保持している。
このY軸移動機構212は、図2(A)に示すように支持ガイド211における天板6側に隣接して配置され、この支持ガイド211との対向面において、ガイド溝211aと同じ方向に延伸する略レール状の突部が設けられている。この突部は、ガイド溝211aに係合する幅を有しており、ガイド溝211aに対し、スライド可能に係合されている。したがってY軸移動機構212は、支持ガイド211に対して図2(A)、(B)に示すY方向に往復移動することが可能であって、かつ支持ガイド211に支持されている。
このY軸移動機構212には、天板6の被検体載置面と略平行かつガイド溝211aと略直交する方向(図2(A)(B)におけるX方向)に伸縮するX軸移動機構213が接続されている。このX軸移動機構213には延伸方向の端部にX線検出器21bが設けられている。当該X線検出器21bは、天板6およびX線検出器21aの双方に対して略平行である。このような構成のX線検出器移動機構31によれば、天板6の被検体の載置面および大視野のX線検出器21aの検出面に対して平行に、かつ2次元的に、小視野高精細のX線検出器21bを移動することが可能である。ここで2次元的移動とは、図2(A)、(B)に示すように一方のY方向と、当該Y方向に直交するX方向において、天板6およびX線検出器21aと平行に移動することである。このようにX線検出器21bが例えばX方向に移動すると、天板6上に載置された被検体に対してX線検出器21bが相対的に移動することにより、図3に示すようにX線検出器21bによる透視撮影領域が被検体に対して変位する。また、このようにX線検出器21bが変位すると上述の検出手段(不図示)は、検出した天板6等に対する相対的な位置の情報を、機構制御部34へ送信する。
なお、X線検出器21bを必要としないその他のX線画像の撮影においては、X線検出器移動機構31ごと、被検体とX線検出器21aとの間の撮影領域から退避させることも可能である。
(参照画像撮影)
次に、本実施形態にかかるX線撮影装置によって参照画像を取得する際の制御構成について図1〜図5を参照して説明する。図4は、この発明の実施形態にかかるX線撮影装置のシステム制御部10の機能構成の一部を表す概略ブロック図である。図5は、この発明の実施形態にかかるX線撮影装置によって撮影された参照画像110の一例を示す概略図である。図4に示すようにシステム制御部10は、送受信手段10a、撮影制御手段10b、記憶手段10c、変位算出手段10dを含んで構成される。また図4に示すように送受信手段10aは、操作部9、表示制御部81、機構制御部34や画像演算回路71と、システム制御部10との間でそれぞれ信号の送受信を行うものである。送受信手段10aが受けた信号や画像データは、撮影制御手段10b、変位算出手段10dが処理し、また記憶手段10cに適宜記憶される。撮影制御手段10b、変位算出手段10dは、送受信手段10aを介して、処理結果に基づき表示制御部81、機構制御部34等に制御信号等を送信する。
本実施形態におけるX線撮影装置では、カテーテルやガイドワイヤ等の挿入物の挿入操作の支援を行う場合、まず参照画像(ロードマップ/図5および図6の符号110参照)の撮影範囲が定められ、大視野のX線検出器21aによって被検体の参照画像が撮影される。ここで参照画像とは、被検体に対するカテーテル等の挿入位置から、挿入されたカテーテル等の帰着点である病変部等に至るまでの領域を含む画像である。この参照画像は、小視野のX線検出器21bによって透視画像(図7の符号120参照)を撮影しているときにおいて、被検体に対する当該X線検出器21bの相対的位置を把握するための画像である。
X線撮影装置の天板6に被検体が載置された後、表示部8のモニタ82に表示された操作画面上等で、術者が操作部9によってIVRにかかる撮影開始の指示操作を行うと、システム制御部10の送受信手段10aは、当該指示操作に基づく信号を受ける。システム制御部10がこの信号を受けると、撮影制御手段10bは記憶手段10cから参照画像の撮影範囲設定画面(不図示)の画像フォーマットを読み出し、表示制御部81に送る。表示制御部81は、モニタ82に撮影範囲設定画面を表示する。
術者は、マウス等の操作部9により、モニタ82に表示された撮影範囲設定画面上で被検体(または天板6)を基準に参照画像の撮影範囲を設定することが可能である。当該撮影範囲の設定は、術者により操作部9を介して行われる。例えば撮影範囲設定画面において被検体および天板6が示されているものとする。また当該画面上では当該被検体の表示に対して撮影範囲を示す枠表示が示されており、この枠表示は術者の操作により、拡大または縮小して範囲指定するができるものとする。術者は操作部を介してこの枠表示内にカテーテル等の挿入位置および病変部が含まれるように操作して撮影範囲を確定することができる。ここで確定された撮影範囲は、参照画像の撮影範囲として撮影制御手段10bにより設定される。
すなわち、このように撮影範囲設定画面において撮影範囲が設定されると、表示制御部81は撮影範囲設定画面上の座標位置を基準に、例えば天板6に対しての撮影範囲の相対的位置を撮影範囲の情報として設定する。この天板6に対しての撮影範囲の相対的位置とは、言い換えれば天板6に対してのX線検出器21a(大視野)の相対的位置を示すものである。ここで設定された撮影範囲の情報は、表示制御部81からシステム制御部10に送信される。なお、タッチパネル式のモニタ82が用いられる場合は、モニタ82に直接入力があり、撮影範囲が設定される。
システム制御部10は、送受信手段10aを介して当該設定された撮影範囲の情報を受け、撮影制御手段10bによって次のように処理する。すなわち撮影制御手段10bは画面上で設定された撮影範囲の情報を実空間のサイズにおける撮影範囲の情報に変換する。例えば上述したように撮影範囲設定画面上において撮影範囲の外縁を枠表示で設定する場合であれば、撮影範囲の外縁が、画面上の天板6のどの位置にあるかについて、当該画面上の座標に対応付けられて設定されている。撮影制御手段10bはこの撮影範囲の情報を撮影範囲設定画面の表示倍率によって変換することによって撮影範囲の情報を、実空間のサイズに対応した情報に変換する。言い換えれば天板6に対してのX線検出器21a(大視野)の相対的位置を、実空間に対応した天板6との距離に変換したものである。また、この表示倍率は予め定められているものであり、例えば記憶手段10cに一時的に記憶されているか、もしくは随時読み出し可能に記憶されているものとする。
さらに撮影制御手段10bは、当該撮影範囲がX線検出器21aのX線検出範囲に含まれるようにするため、少なくともX線検出器21aの検出範囲の外縁が当該撮影範囲のやや外側に位置するように機構部3を制御する。すなわち撮影制御手段10bは、変換後の撮影範囲の情報により、天板6に対応付けられた撮影範囲の外縁を基準に、天板6とX線検出器21aとの相対的距離の情報を機構部3の機構制御部34に送信する。機構制御部34は、天板6とX線検出器21aとの相対的距離の情報を受け、当該情報に基づいてX線検出器移動機構31を駆動させる。これによって天板6に対してX線検出器21aが移動して、設定された撮影範囲が少なくともX線検出器21aの検出範囲内となる。なお、機構制御部34は、天板6とX線検出器21aとの相対的距離の情報を受けた際に、必ずしもX線検出器移動機構31を駆動させる必要は無く、天板移動機構33を駆動させて、天板6を移動し、X線検出器21aの検出範囲と撮影範囲を合わせるように構成することも可能である。
また、撮影制御手段10bは術者が設定した参照画像撮影にかかる各種撮影条件や、上記撮影範囲の設定に合わせて機構制御部34を介して、Cアーム回動・移動機構32を駆動させる制御を行う。Cアーム回動・移動機構32が駆動されると、X線検出器21aの位置に合うようにCアーム5が回動される。また、撮影制御手段10bは設定された各種撮影条件に基づきX線制御部41を介して高電圧発生器42を制御する。さらに撮影制御手段10bは、X線管11から発生したX線が、設定された撮影範囲に対応したX線照射野となるようにX線発生部1のX線絞り器12を制御する。
この参照画像の撮影に当たって、被検体に照射されたX線は、被検体を透過して大視野のX線検出器21aに検出される。さらに検出されたX線は、上述のようにX線検出部2によって画像データに変換される。X線検出部2によって変換された画像データは画像処理部7に送信される。ここで、造影剤が注入された状態で撮影したコントラスト画像を参照画像とする場合は、画像演算回路71がX線検出部2から受信した画像データに再構成処理等を行う。これに対し、血管のみのDSA画像を参照画像とする場合は、一端上記の工程によって造影剤が注入されていない状態で撮影されたマスク画像を生成し、その後造影剤を注入してからコントラスト画像を生成する。画像処理部7の画像演算回路71は、このコントラスト画像とマスク画像との間でサブトラクション処理を行い、DSA画像を生成する。このようにして画像演算回路71によって処理された参照画像110(図5参照)は表示部8に送信され、表示制御部81を介してモニタ82に表示される。
(透視画像撮影)
次に、術者によるカテーテルやガイドワイヤ等の挿入物の挿入操作を支援するため本実施形態にかかるX線撮影装置によって透視画像を取得する際の制御構成について図1〜図7を参照して説明する。図6は、この発明の実施形態にかかるX線撮影装置によって撮影された参照画像110ならびに当該参照画像110上に示されたX線検出器21bの検出範囲の位置表示121およびマーカMの進行軌跡122を示す概略図である。また図7は、この発明の実施形態にかかるX線撮影装置によって撮影され拡大された透視画像120を示す概略図である。
図5に示すような参照画像110が生成されモニタ82表示されると、次に術者によってカテーテル等の挿入物が被検体に挿入される。このカテーテル等の挿入位置は、あらかじめ設定された撮影範囲内であって、かつ参照画像110に含まれる範囲内のいずれかの位置となる。術者は、カテーテル等の進行状況を把握するため透視画像120を取得する操作を行う。この透視画像120とは、X線検出器21aより小視野かつ高精細で病変部などの詳細観察に用いられるX線検出器21bによって、連続的に、または所定間隔で断続的に検出された透過X線に基づいて生成されたX線画像であり、主としてカテーテル等の先端位置を中心とし、当該先端位置の周囲の領域を含む画像である。またこの透視画像120は、カテーテル等の挿入操作を行っているときにおいて、当該X線検出器21bの形状等の状態をより確実に把握するための高精彩の拡大画像である。以下、カテーテル等の移動に伴って機構部3がX線検出器21bを移動させる際の、システム制御部10の制御構成について各工程ごとに説明する。
《イニシャライズ》
カテーテル等の挿入物が被検体に挿入され、X線撮影装置によってカテーテル等の透視を行う場合、術者により表示部8のモニタ82に表示された操作画面上で、操作部9を介し透視画像撮影開始の指示操作が行われる。システム制御部10の送受信手段10aは、当該指示操作に基づく信号を受ける。システム制御部10がこの信号を受けると、撮影制御手段10bは、まず画像処理部7の画像データ記憶回路72から参照画像110のデータを表示制御部81に送る。表示制御部81は、モニタ82に図5に示すような参照画像110を表示する。
また撮影制御手段10bは、天板6と小視野のX線検出器21bとの相対的な位置情報を機構制御部34から取得する。撮影制御手段10bはさらに、X線検出器21bと天板6との相対的な位置情報を取得すると、当該位置情報に基づいて参照画像110上に、現在のX線検出器21bの位置における撮影領域を表示する(図6の符号121参照)。すなわち、あらかじめ設定された参照画像110の撮影範囲も天板6に対する相対的な位置に基づいて設定されているので、X線検出器21bの位置と参照画像110の撮影範囲とは、天板6における座標位置を基準とした相対的位置の情報である点において対応している。
したがって撮影制御手段10bは、取得したX線検出器21bと天板6との相対的な位置情報を、あらかじめ定められた表示倍率により変換することにより、参照画像110中における座標位置に置き換えてX線検出器21bの位置を求めることができる。撮影制御手段10bは、このX線検出器21bの現在の位置と、当該X線検出器21b検出範囲に基づく現在撮影可能である撮影領域の情報を表示部8に送信する。表示制御部81は図6における位置表示121に示すように、当該情報に基づいて参照画像110中に現在のX線検出器21bの位置において撮影可能な撮影領域の位置をモニタ82に表示する。この位置表示121は天板6に載置された被検体に対するX線検出器21bの相対的な位置を示すものである。
術者は、マウス等の操作部9により、モニタ82に表示された参照画像110の画面上で被検体(または天板6)に対するX線検出器21bの相対的な位置を示し位置表示121をドラッグするなどして移動させることが可能である。例えば参照画像110中のカテーテル等の挿入位置が、X線検出器21bの撮影領域に含まれていない場合、術者は操作部9によって参照画像110中のX線検出器21bの撮影領域を当該挿入位置に合わせて移動させる。参照画像110の画面上においてX線検出器21bの撮影領域(検出位置A1等)が移動されると、撮影制御手段10bが機構制御部34を介してX線検出器21bを移動させる。
すなわち、まず移動された参照画像110中のX線検出器21bの撮影領域の画像座標位置(図6の検出位置A1〜An等)の情報を表示制御部81がシステム制御部10に送信する。この位置情報は、撮影制御手段10bによって、天板6に対する物理的な座標位置の情報に変換されて機構制御部34に送信される。機構制御部34は、この位置情報を天板6に対するX線検出器21bの相対的位置の情報とする。さらに機構制御部34はこの位置情報に基づいてX線検出器移動機構31を駆動してX線検出器21bを、参照画像110におけるX線検出器21bの撮影領域の位置に対応して移動させる。
《透視撮影開始》
さらに撮影制御手段10bは、X線検出器21bの移動に応じてX線絞り器12を制御してX線の照射方向を移動させるとともに、当該照射野をX線検出器21bの検出範囲に限定する。このように本実施形態におけるX線撮影装置では、大視野のX線検出器21aによって参照画像110を取得した後、被検体内のカテーテル等を示す透視画像120を小視野のX線検出器21bに切り替え、さらにX線絞り器12によってX線の照射野をX線検出器21bの検出範囲に応じて限定して撮影を行う。したがって、透視画像120を大視野のX線検出器21aで検出するX線撮影装置と比較して、透視画像120の撮影による被検体の被爆量を低減させることが可能となる。
撮影制御手段10bは、透視撮影に切り替わると、X線発生部1から照射され、被検体を透過したX線をX線検出器21bによって検出する。この検出されたX線は、上述のようにX線検出部2によって画像データに変換され、画像処理部7に送信される。画像処理部7の画像演算回路71は再構成処理等を行い、図7に示すような透視画像120を生成する。このX線の照射から透視画像120の生成までの工程は、連続的または所定間隔を置いて断続的に行われる。またこのようにして生成された透視画像120は、画像処理部7から表示部8に送信され、表示制御部81を介してモニタ82に順次表示される。
《先端位置変位の算出》
次に本実施形態のX線撮影装置におけるシステム制御部10の変位算出手段10dによるカテーテル等の先端位置の変位の算出について説明する。変位算出手段10dは、画像処理部7によりカテーテル等の挿入物の先端を透視画像120中において認識させることで、透視画像120における当該先端の座標位置を求める。さらにシステム制御部10は、変位算出手段10dが求めた当該先端の座標位置があらかじめ設定された所定範囲を超えた場合、求めた画像座標位置の情報に基づき、撮影制御手段10bにX線検出器21bの移動制御を行わせる。その結果、X線検出器21bは、先端位置の変位を打ち消すように移動される。これらの制御は次のように行われる。
まず変位算出手段10dは、画像処理部7が透視画像120を生成する度に、画像演算回路71によって画像解析を行わせることにより、透視画像120中におけるカテーテル等の挿入物の先端位置を検出する。例えば、図7に示すようにカテーテルの先端にX線透過率が低いマーカMを設けておくことにより、画像演算回路71は画像解析によって透視画像中において特定の画素値を有するマーカMを検出する。結果として変位算出手段10dはカテーテル等の先端の座標位置を取得することが可能となる。なお、カテーテルの先端にマーカMが設けられていなくても、画像演算回路71が当該先端の形状を解析することにより、当該先端を検出することも可能である。
本実施形態におけるX線撮影装置では、あらかじめ透視画像120中の所定範囲が透視画像120の座標位置に対応して設定されている。例えば、透視画像120の中心位置Cから、X方向・Y方向(図7参照)にそれぞれ所定の閾値分だけ離れた範囲までを所定範囲とするように設定されている(図7中央の破線参照)。またこの所定範囲の情報はシステム制御部10の記憶手段10c等に記憶されている。変位算出手段10dは透視画像120中のカテーテル等の先端位置(マーカ位置a等)を、経時的に生成される透視画像120のフレームごとに検出しており、その検出したカテーテル先端の画像座標位置(マーカ位置a〜a等)をあらかじめ設定された所定範囲の情報と対比する。
変位算出手段10dによる上記対比の結果、先端位置(図7のマーカ位置a〜a等)が所定範囲を超えている場合は、変位算出手段10dは、この場合、画像における所定範囲の中心の座標位置である中心位置Cと、現在の透視画像120中のカテーテルの先端の座標位置(例えばマーカ位置a)とを比較し、当該中心の座標位置に対しX方向・Y方向(図7参照)にそれぞれどれだけ変位しているかを求める。なお、本実施形態における変位算出手段10dは、本発明にかかる「位置検出手段」の一例に該当する。
《X線検出器の移動》
変位算出手段10dによって求められたマーカMの変位情報に基づき、撮影制御手段10bは、カテーテル等の先端位置が透視画像120中の所定範囲における中心位置C(または当該透視画像120の中心位置C)に表示されるように、X線検出器21bを移動させる。
すなわち撮影制御手段10bは当該変位情報に基づき、その変位を打ち消すようにX線検出器21bを移動させる制御を行う。例えば図7に示すように中心位置Cと先端のマーカ位置aを対比して、(X,Y)だけ変位していることにより所定範囲を超えている場合は、撮影制御手段10bは画像座標における変位(X,Y)の情報を、実空間における物理的座標の変位情報に変換して、機構制御部34に送信する。機構制御部34はこの変位情報を受け、当該変位情報に基づいてX線検出器移動機構31を制御し、X線検出器移動機構31によってX線検出器21bを移動させる。具体的には、X線検出器移動機構31のY軸移動機構212、X軸移動機構213をそれぞれ駆動させ、変位情報におけるX方向・Y方向それぞれにX線検出器21bを移動させる。なお、この変位情報は撮影制御手段10bによるX線絞り器12の絞り制御にも用いられ、X線検出器21bの移動と連動してX線絞り器12によるX線照射方向の変更動作が行われる。
これにより、カテーテル等の進行によって透視画像120におけるカテーテル等の先端の座標位置が所定範囲を超えても、透視画像120中におけるカテーテル等の当該先端の座標位置の変位を打ち消すようにX線検出器21bが移動するので、当該先端の座標位置が中心位置Cに戻る方向に移動する。したがって、術者によるカテーテル等の進行に合わせて透視画像の撮影領域を移動させることができ、その結果、術者が透視画像中におけるカテーテル等の先端を見失わないようにすることが可能となる。
《撮影領域の位置および進行軌跡の表示》
上述のように、本実施形態におけるX線撮影装置において操作部9から透視撮影開始の指示がなされると、撮影制御手段10bが機構部3からX線検出器21bの現在の位置情報を取得し、これに基づいて現在の透視画像120の撮影領域の情報を表示部8に送信する。表示制御部81は当該情報に基づいて参照画像110中に現在のX線検出器21bの位置における透視画像撮影が可能な撮影領域の位置(図6の検出位置A1〜An参照)をモニタ82に表示する。
また上述のように術者によって参照画像110中のカテーテル等の挿入位置にX線検出器21bの撮影領域を示す位置表示121を合わせる操作がなされると、次に撮影制御手段10bは、図6に示すようなカテーテル等の先端の進行軌跡122および位置表示121の表示制御が開始される。例えばカテーテル等の挿入位置が、図6における検出位置A1におけるマーカ位置aであって、かつカテーテル等の進行によって求めたマーカMの位置の変位がマーカ位置aからマーカ位置aへ変位した場合、上述のように撮影制御手段10bが透視画像120に基づいてX線検出器21bを移動させると、さらに撮影制御手段10bは、X線検出器21bの移動に対応して参照画像110における位置表示121を検出位置A1から、変位算出手段10dが求めたマーカMの位置の変位情報に基づいて、検出位置A2に移動させる。
すなわち透視画像120の撮影開始の時点から、撮影制御手段10bは変位算出手段10dが求めた透視画像120中のマーカMの座標位置の変位情報および表示倍率の差の情報を基に、参照画像110におけるマーカMの座標位置の変位を求める。さらに撮影制御手段10bは求めたマーカMの変位の情報を表示部8に送信する。表示部8は表示制御部81により、受信した変位情報に基づき、参照画像110におけるマーカMの座標位置を変位後の位置に移動させてモニタ82に表示させる。さらに表示制御部81は、変位前と変位後のマーカMの位置を結ぶマーカMの進行軌跡122を、図6に示すように参照画像110に表示させる。
また、表示制御部81により表示された進行軌跡122は、システム制御部10に送信され記憶手段10cに記憶される。この記憶された進行軌跡122の情報は例えばステント、バルーン等の挿入時の透視撮影に用いられる。すなわち、カテーテル等の挿入物の挿入後、さらに当該カテーテルの挿入位置から他の挿入物(ステント、バルーン等)を挿入する操作を行う場合、操作部9を介して透視撮影を再び行う旨の操作がなされると、撮影制御手段10bは、記憶手段10cから当該進行軌跡122の情報を読み出す。このように読み出した当該情報に基づき、撮影制御手段10bは機構制御部34を介してX線検出器21bの移動を制御することが可能である。
このように、参照画像110においてカテーテルの進行に応じて位置表示121を移動させることにより、術者が被検体内におけるカテーテルの進行の程度を把握することが可能となる。なお、本実施形態における位置表示121は、本発明にかかる「相対的位置の表示」、「透視画像の位置」の一例に該当する。
《挿入物先端の探索》
上述のように本実施形態のX線撮影装置におけるシステム制御部10の変位算出手段10dは、X線検出器21bを術者によるカテーテル等の進行に合わせて、透視画像中に表示されたカテーテル先端の位置に基づき、透視画像120の撮影領域を移動させることができるものである。ただし術者が熟練であればあるほど、そのカテーテル挿入操作は円滑であり、被検体内におけるカテーテルの進行速度が速くなる。したがって術者によってはカテーテルの進行速度が極めて速い場合がある。この場合、X線検出器21bを迅速に移動させても実際のカテーテルの進行に追随できない場合が生じうる。このようにX線検出器21bが追随できない場合は透視画像中にカテーテルの先端が表示されなくなり、術者がカテーテルの先端位置を見失ってしまうおそれがある。
このような事態に応じて本実施形態にかかる変位算出手段10dは、過去画像を複数参照し、カテーテルの進行量および進行方向を推定し、X線検出器21bを当該推定された変位に応じて移動させる。その結果、再び先端位置がX線検出器21bによる撮影領域内に含まれ、透視画像120に先端が表示される。これらの制御について、以下図8を参照して説明する。図8は、この発明の実施形態にかかるX線撮影装置による参照画像110と、当該参照画像110に表示されたマーカMと位置表示121の進行軌跡122とを示す概略図である。なお図8については、説明の便宜上、図6に示す参照画像110と異なる画像を示すものである。
図8によって具体例を説明する。図8の参照画像110の場合では、検出位置A6におけるマーカ位置aは中心位置C(図7参照)を含む所定範囲内にあるが、カテーテル等の進行によって、検出位置A6においてマーカMがマーカ位置aに移動すると、図7に示すように変位算出手段10dが透視画像120におけるマーカMの変位を算出する。撮影制御手段10bは当該算出された画像座標位置の情報に基づき、機構制御部34を介してX線検出器21bを移動させる。これによって、図8に示すようにX線検出器21bが検出位置A7に移動され、マーカ位置aは当該検出位置A7の所定範囲内となる。同様にマーカMがマーカ位置aに移動されるとX線検出器21bが追随し検出位置A8に移動される。
また図8に示すように、カテーテル等が被検体内の脈管にしたがって方向を変え、かつ変位量が増加して(変位L1から変位L2)マーカ位置aからマーカ位置a10へ移動したとしても、透視画像120中にマーカMが表示されている以上は、変位算出手段10dがその変位を算出するので、撮影制御手段10bはマーカMの移動に追随してX線検出器21bを検出位置A9から検出位置A10へ移動させることが可能である。しかしながら、透視画像120中にマーカMが表示されていない場合は、上述の変位算出方法では、マーカMの変位を算出することができず、カテーテル等の進行に応じてX線検出器21bを移動させることが困難である。
すなわち図8に示す場合であれば、マーカ位置aからマーカ位置a10への移動や、マーカ位置a10からマーカ位置a11への移動については、X線検出器21bの検出範囲内であるので、変位の算出が可能である。これに対し、マーカ位置a11からマーカ位置a12への移動の場合、検出位置A11にマーカ位置a12が含まれていないため、上述の変位算出方法では、変位を求めることができない。この場合変位算出手段10dは、次のようにカテーテル等の進行量および進行方向を推定する。
変位算出手段10dによりカテーテル等の先端位置が検出されなかった場合、すなわち生成された透視画像120中に図7に示すようなマーカMが検出されなかった場合、まず変位算出手段10dは、画像処理部7の画像データ記憶回路72から複数の過去画像を読み出す。この過去画像とは、順次生成される透視画像120のうち、マーカMが検出されなかった画像より少なくとも1フレーム以上前に生成された画像である。例えば変位算出手段10dは、マーカMが検出されなかった画像より、2フレーム前の過去画像と3フレーム前の過去画像とを画像データ記憶回路72から読み出す。
図8に示す場合であれば、マーカ位置a12が検出されなかった検出位置A11の透視画像120に対して2フレーム前の過去画像、すなわち検出位置A10にマーカ位置a11が示されている画像を読み出す。さらに変位算出手段10dは、3フレーム前の過去画像、すなわち検出位置A10にマーカ位置a10が示されている画像を読み出す。さらに変位算出手段10dは過去画像を読み出すと、3フレーム前の過去画像におけるマーカMの座標位置および3フレーム前の過去画像におけるマーカMの座標位置を取得する。図8の例では、変位算出手段10dは、透視画像120における検出位置A10に示されたマーカ位置a11とマーカ位置a10の座標位置を求める。
さらに変位算出手段10dは時系列にこれらのマーカ位置a11と、マーカ位置a10との座標を対比する。その結果、変位算出手段10dは3フレーム前のマーカMに対する、2フレーム前のマーカMの位置の変位を求める。変位算出手段10dは変位を求めた結果、読み出した過去画像間におけるマーカMの変位方向と、変位量を取得する。
さらに変位算出手段10dは、検出位置A11において検出されなかったマーカMのマーカ位置a12が、上記求めた変位方向に向かって、求めた変位量のn倍の量だけ進んでいるものと仮定する。その上で仮定したマーカ位置a12が次の検出位置A12に含まれるようにX線検出器21bを移動させる。図8の例であれば、変位算出手段10dは、マーカ位置a12が求めた変位方向に向かって、求めた変位量の2倍の量だけ進んでいるものとし、X線検出器21bを移動させてさせることにより、検出位置A12において撮影した透視画像120中においてマーカM、つまりカテーテル等の先端を表示させている。ここで変位算出手段10dが求めた変位情報に基づき撮影制御手段10bによってX線検出器21bを移動させる制御は、上述の撮影制御手段10bの制御と同様である。
このような構成によれば、術者のカテーテル等の挿入操作が円滑で被検体内におけるカテーテル等の進行速度が極めて速いことにより、マーカMの移動にX線検出器21bが追随できない場合が生じても、変位算出手段10dがカテーテル等の先端位置を探索し、撮影制御手段10bによってX線検出器21bが移動され、再び透視画像120にカテーテルの先端が表示されるので、術者がカテーテルの先端位置を見失ってしまうおそれを回避することが可能である。
(動作)
次に、上記説明した第1実施形態におけるX線撮影装置の動作について図9〜図11を参照して説明する。図9は、この発明の実施形態のX線撮影装置における、参照画像110の撮影範囲設定から表示を経て透視撮影開始までの動作の概略を示すフローチャートである。図10は、この発明の実施形態のX線撮影装置によって透視画像120が生成されてから、挿入物の先端に配置したマーカMの変位を求めるまでの動作の概略を示すフローチャートである。図11は、この発明の実施形態のX線撮影装置の変位算出手段10dによって求められた算出結果に基づき機構部3の各移動機構が制御されてから、マーカMの進行軌跡を記憶するまでの動作の概略を示すフローチャートである。
(ステップ01)
操作部9からIVRにかかる撮影開始の指示操作があると、X線撮影装置におけるシステム制御部10の撮影制御手段10bは、表示部8を介して撮影範囲設定画面(不図示)をモニタ82に表示させる。また撮影制御手段10bは当該設定画面上で撮影範囲が設定されると、天板6を基準に、画面上の座標位置を実空間上の天板6とX線検出器21aとの相対的な位置情報(距離等)に変換する。機構制御部34は変換された相対的距離の情報を受け、当該情報に基づいてX線検出器移動機構31を駆動させることによりX線検出器21aを移動させて、当該設定された撮影範囲とX線検出器21aの検出範囲とを合わせる。
(ステップ02)
さらに撮影制御手段10bは設定された各種撮影条件に基づきX線制御部41を介してX線管11からX線を発生させるとともに、設定された撮影範囲に対応したX線照射野となるようにX線発生部1のX線絞り器12を制御し、被検体にX線を照射させる。被検体を透過したX線は、大視野のX線検出器21aに検出される。
(ステップ03)
検出されたX線は、さらにX線検出部2によって変換されて画像データとなり、画像処理部7に送信される。この画像データは画像演算回路71により再構成処理等が施され、参照画像110(図5参照)が生成される。さらに参照画像110のデータは表示部8に送信され、表示制御部81を介してモニタ82に表示される。
(ステップ04)
参照画像110が表示されると、撮影制御手段10bは機構部3から天板6とX線検出器21bとの相対的な位置情報(距離等)を取得して、この位置情報に基づき現在のX線検出器21bの位置を参照画像110に表示する。
(ステップ05)
術者の操作により参照画像110上で、カテーテル等の挿入物の挿入位置にX線検出器21bの位置表示121が合わせられると、システム制御部10は、表示制御部81から参照画像110中のX線検出器21bの撮影領域の画像座標位置(図6の検出位置A1〜An等)の情報を取得する。この位置情報は、撮影制御手段10bによって、天板6に対する物理的な座標位置の情報に変換されて機構制御部34に送信される。さらに機構制御部34はこの位置情報に基づいてX線検出器移動機構31を駆動して、X線検出器21bを参照画像110における位置表示121に対応して移動させる。
(ステップ06)
X線検出器21bが位置表示121に対応して移動されると、さらに撮影制御手段10bは、X線絞り器12を制御して、X線の照射方向を変更し、かつ照射野をX線検出器21bの検出範囲に限定する。さらに撮影制御手段10bは、X線発生部1にX線を照射させ、X線検出部2により透過X線を検出させて画像データに変換させる。
(ステップ07)
さらに画像処理部7によって画像データに再構成処理等が施され、図7に示すような透視画像120が生成される。このX線の照射から透視画像120の生成までの工程は、連続的または所定間隔を置いて断続的に行われる。またこのようにして生成された透視画像120は、画像処理部7から表示部8に送信され、表示制御部81を介してモニタ82に表示される。
(ステップ08)
変位算出手段10dは、画像処理部7が透視画像120を生成する度に、画像演算回路71によって画像解析を行わせることにより、図7に示すような挿入物の先端のマーカMを検出する。さらに変位算出手段10dはマーカMの透視画像120中の座標位置を取得する。
(ステップ09)
変位算出手段10dは、図6に示すようにその検出したカテーテル先端の画像座標位置(マーカ位置a〜a等)をあらかじめ設定された所定範囲の情報と対比し、マーカMが透視画像120における所定範囲にあるかを判断する。変位算出手段10dにより、マーカ位置aが設定された所定範囲内にあると判断された場合(ステップ09;Yes)は撮影制御手段10bがステップ08のように、次に生成されたフレームにかかるマーカMの透視画像120中の座標位置を取得する。
(ステップ10)
変位算出手段10dにより、マーカ位置aが設定された所定範囲を超えたと判断された場合(ステップ09;No)、変位算出手段10dは、透視画像120中にマーカMが検出されたかを判断する。
(ステップ11)
変位算出手段10dによる判断の結果、透視画像120中にマーカMが検出されたと判断された場合(ステップ10;Yes)は、変位算出手段10dは、マーカ位置aの座標位置と中心位置Cの座標位置とを対比する。
(ステップ12)
変位算出手段10dによるステップ12の対比の結果、変位算出手段10dは、当該中心位置Cの座標位置に対しX方向・Y方向(図7参照)にそれぞれどれだけ変位しているかを求める。
(ステップ13)
変位算出手段10dによる判断の結果、透視画像120中にマーカMが検出されなかったと判断された場合(ステップ10;No)は、変位算出手段10dは、マーカMが検出されなかった画像より少なくとも1フレーム以上前に生成された画像と、その画像よりさらに1フレーム前の過去画像とを画像データ記憶回路72から読み出す。
(ステップ14)
変位算出手段10dは、読み出した複数の過去画像におけるマーカMの座標位置をそれぞれ取得する。
(ステップ15)
変位算出手段10dは、時系列順にマーカMの座標位置を対比する。図8の例では、透視画像120における検出位置A10に示されたマーカ位置a11とその前のフレームにかかるマーカ位置a10の座標位置を求める。その結果、変位算出手段10dはマーカMの位置の変位を求める。
(ステップ16)
変位算出手段10dは変位を求めた結果、マーカMの変位方向と、変位量を取得する。さらに変位算出手段10dは、求めた変位方向に向かって、求めた変位量のn倍の量だけ進んでいるものと仮定し、現在のX線検出器21bの位置を予測する。
(ステップ17)
撮影制御手段10bは、変位算出手段10dによって求められた変位情報または、予測された現在のX線検出器21bの位置に基づき、機構部3の機構制御部34によってX線検出器移動機構31が駆動される。
(ステップ18)
X線検出器移動機構31が駆動されることによって、マーカMの移動すなわちカテーテル等の挿入物の進行に応じて、天板6とX線検出器21bとの相対的位置が変位する。さらに撮影制御手段10bによって、X線絞り器12が制御されて被検体に対するX線の照射方向が変更される。
(ステップ19)
X線検出器21bが移動されると、さらに撮影制御手段10bは参照画像110における位置表示121を変位算出手段10dが求めたマーカMの位置の変位情報に基づいて移動させて表示させる。すなわち透視画像120の撮影開始の時点から、撮影制御手段10bは変位算出手段10dが求めた透視画像120中のマーカMの座標位置の変位情報および表示倍率の差の情報を基に、参照画像110におけるマーカMの座標位置の変位を求める。さらに撮影制御手段10bは求めたマーカMの変位の情報を表示部8に送信する。表示部8は表示制御部81により、マーカMの座標位置を変位後の位置に移動させてモニタ82に表示させる。
(ステップ20)
さらに表示制御部81は、変位前と変位後のマーカMの位置を結ぶマーカMの進行軌跡122を、図6または図8に示すように参照画像110に表示させる。この進行軌跡122は、システム制御部10に送信され記憶手段10cに記憶される。
(作用・効果)
上述した本実施形態のX線撮影装置では、大視野のX線検出器21aで、カテーテル等の挿入物の挿入位置から病変部等までを含む参照画像110を撮影する。また挿入物が挿入されると透視撮影が開始され、小視野のX線検出器21bによる撮影に切り替わり、X線の照射野もX線検出器21bの検出範囲に応じて限定される。
さらに、変位算出手段10dは、画像処理部7により透視画像120中におけるカテーテル等の挿入物の先端(マーカM等)を解析させ、変位算出手段10dが透視画像120における当該先端の座標位置を求める。その結果、当該先端の座標位置が所定範囲を超えた場合、求めた画像座標位置の情報に基づき、撮影制御手段10bにX線検出器21bの移動制御を行わせる。その結果、X線検出器21bは先端位置の変位を打ち消すように移動される。
また撮影制御手段10bは、参照画像110中にX線検出器21bの位置表示121をし、さらにX線検出器21bの移動に応じてX線検出器21bの検出位置Anを移動させる。以上のような構成によれば、術者は挿入物の挿入位置から病変部までの間において、挿入物が被検体内におけるどの位置にあるかを把握することができるとともに、カテーテル等の挿入物を高精細の透視画像で表示することが可能である。
したがって、術者が被検体内の挿入物の位置を見失ってしまう事態を回避するのと同時に、カテーテル等の挿入物を示す透視画像を並行して表示するので、透視画像解像度が低下する事態を回避し、結果として術者によるカテーテル等の挿入物の進行の把握に支障をきたさないようにすることができる。さらに透視撮影においては小視野のX線検出器21bに切り替わり、それに応じてX線の照射野が限定されるので、被検体の被爆量を低減させることも可能である。
[第2実施形態]
次にこの発明の第2実施形態にかかるX線撮影装置の構成について説明する。第2実施形態においては、前述の第1実施形態にかかるX線撮影装置と比較して、参照画像110における位置表示121をカテーテル等の挿入位置に移動させる制御構成が異なる。その他の部分については第1実施形態と同様である。以下、第2実施形態について第1実施形態と異なる構成のみについて説明する。
第2実施形態にかかるX線撮影装置においては、カテーテル等の挿入物が被検体に挿入され、X線撮影装置によってカテーテル等の透視を行う場合、術者による操作によって位置表示121が挿入位置に移動されるのではなく、X線撮影装置の機能としてマーカMの位置を検出してX線検出器21bを移動させ、位置表示121を挿入位置に合わせてから透視撮影が開始される。
なお、第2実施形態におけるX線撮影装置においても、操作部9から透視撮影を開始する旨の操作を受け、撮影制御手段10bが画像データ記憶回路72から参照画像110のデータを表示制御部81に送り、モニタ82に図5に示すような参照画像110を表示されるまでの工程については第1実施形態にかかるX線撮影装置と同様である。
また撮影制御手段10bが、天板6と小視野のX線検出器21bとの相対的な位置情報を機構制御部34から取得し、当該位置情報に基づいて参照画像110上に、現在のX線検出器21bの位置における撮影領域を表示する(図6参照)制御についても第1実施形態と同様である。
第2実施形態にかかるX線撮影装置では、操作部9から透視撮影を開始する旨の操作を受けたことにより、さらにシステム制御部10における撮影制御手段10bが、X線発生部1により参照画像110における撮影範囲においてX線の照射を行う。このとき照射され被検体を透過したX線は、X線検出器21aによって検出されX線検出部2により画像データに変換される。ここで画像処理部7は、参照画像110を再度生成して表示させるわけではなく、画像演算回路71によって、このとき撮影した参照画像110の画像データ中におけるどの位置に挿入物の先端があるかについて検出する。すなわち、画像演算回路71は、参照画像110において特定の輝度値を持つマーカMの位置を検出する。さらに撮影制御手段10bは、画像演算回路71によってこのマーカMの参照画像110中における座標位置を取得する。なお、第1実施形態と同様に、挿入物にマーカMが設けられていなくても、画像演算回路71が画像解析によって、先端位置の形状を特定し、この先端位置の座標位置を取得する構成であってもよい。
この位置情報は、撮影制御手段10bによって、天板6に対する物理的な座標位置の情報に変換されて機構制御部34に送信される。機構制御部34は、この位置情報を天板6に対するX線検出器21bの相対的位置の情報とする。さらに機構制御部34はこの位置情報に基づいてX線検出器移動機構31を駆動してX線検出器21bを、参照画像110におけるX線検出器21bの撮影領域の位置に対応して移動させる。
(作用・効果)
上述した第2実施形態のX線撮影装置によっても、第1実施形態と同様に術者が被検体内の挿入物の位置を見失ってしまう事態を回避するのと同時に、カテーテル等の挿入物を示す透視画像を並行して表示するので、透視画像解像度が低下する事態を回避し、結果として術者によるカテーテル等の挿入物の進行の把握に支障をきたさないようにすることができる。なおかつ透視撮影においては小視野のX線検出器21bに切り替わ理それに応じてX線の照射野が限定されるので、被検体の被爆量を低減させることも可能である。さらに透視撮影開始位置にX線検出器21bを移動させる操作を省略させることにより、術者がカテーテル等の挿入物の挿入操作に集中することができ、挿入操作をより好適に支援することが可能となる。
[第1変形例]
次に、第1実施形態および第2実施形態にかかるX線撮影装置の第1変形例について説明する。第1実施形態および第2実施形態に係るX線撮影装置は、参照画像110の撮影範囲の設定、X線検出器21bの移動の基準として天板6が用いられている。しかし本発明にかかるX線撮影装置においてはこの構成に限られず、少なくとも参照画像110の撮影範囲の設定後において、天板6とX線検出器21aとの相対的位置が固定されていれば、天板6を基準とせず、X線検出器21aを基準とすることも可能である。
[第2変形例]
次に図12を参照して、第1実施形態および第2実施形態の第2変形例について説明する。図12は、この発明の実施形態の変形例にかかるX線撮影装置によって生成された参照画像110および透視画像120を示す概略図である。第1実施形態および第2実施形態にかかるX線撮影装置では、図6および図7に示すように参照画像110と透視画像120を別途表示するか、少なくとも単一のモニタ82に分割して表示する構成であるが、本発明にかかるX線撮影装置においてはこの構成に限られず、例えば図12に示すように、参照画像110における脈管等が表示されない空き領域を透視画像120の表示領域とすることも可能である。
[第3変形例]
次に第3の変形例について説明する。第1実施形態および第2実施形態にかかるX線撮影装置では、透視画像120中にマーカMが検出されなかった場合、変位算出手段10dが、複数の過去画像を参照して現在のX線検出器21bの位置を予測し、X線検出器21bを移動させる構成である。しかし、本発明にかかるX線撮影装置においてはこの構成に限られず、次のような構成を採ることも可能である。
この変形例にかかるX線撮影装置は、挿入物先端位置検出システムを有している。この挿入物先端位置検出システムは、撮影領域の周囲に受信器を複数配置し、当該受信器からの信号がそれぞれ位置検出部に送信される。この複数の受信器の各設置位置は、あらかじめ設定され記憶されている。また、挿入物の先端には発信器が設けられており、位置を検出する際は、発信器が固有の識別情報を含む信号を発信する。複数の受信器は、発信器からの信号の電界強度を、識別情報とともに測定する。位置検出部では、複数の受信器の測定結果により各受信器が受けた信号の電界強度の高さを判定する。またこの位置検出部は、各受信器の位置と電界強度の分布とによって、先端位置の座標を仮定する。この仮定された座標位置の情報に基づき、システム制御部10の撮影制御手段10bは、X線検出器21bを移動させる制御を行う。
以上述べた第1変形例から第3変形例にかかるX線撮影装置の構成によっても、上記実施形態と同様の効果を実現することができる。
1 X線発生部
2 X線検出部
3 機構部
4 高電圧発生部
5 Cアーム
6 天板
7 画像処理部
8 表示部
9 操作部
10 システム制御部
10a 送受信手段
10b 撮影制御手段
10c 記憶手段
10d 変位算出手段
11 X線管
12 X線絞り器
21a・21b X線検出器
22 ゲートドライバ
23 電荷・電圧変換器
24 A/D変換器
31 X線検出器移動機構
32 Cアーム回動・移動機構
33 天板移動機構
34 機構制御部
41 X線制御部
42 高電圧発生器
71 画像演算回路
72 画像データ記憶回路
81 表示制御部
82 モニタ
110 参照画像
120 透視画像
121 位置表示
122 進行軌跡
210 接続基部
211 支持ガイド
211a ガイド溝
212 Y軸移動機構
213 X軸移動機構
A1〜An 検出位置
C 中心位置
a1〜an マーカ位置

Claims (8)

  1. 被検体に照射されるX線を生じるX線源と、
    前記被検体に対する前記X線の照射範囲を絞るX線絞り手段と、
    前記被検体を透過したX線を検出する第1のX線検出器と、
    前記第1のX線検出器より検出範囲が狭い第2のX線検出器と、
    前記X線絞り手段を制御して、前記X線の照射方向および照射範囲を変更させる第1の制御手段と、
    前記第1のX線検出器によって検出されたX線に基づき第1の画像を生成し、前記第2のX線検出器によって経時的に検出されたX線に基づき、少なくとも被検体内に挿入された挿入物の先端を含む第2の画像を順次生成するX線画像生成手段と、
    前記第2の画像を基に、前記挿入物の先端位置の変位を求める位置検出手段と、
    前記被検体と前記第2のX線検出器との相対的位置を変位させる第2の制御手段と、
    前記相対的位置の移動に応じて、前記第1の画像中に該相対的位置を示すとともに、並行して前記第2の画像を表示する表示手段と、を備え、
    前記第1の制御手段は、前記第1の画像が生成された後、前記第2のX線検出器の検出範囲に応じて前記X線絞り手段によって前記X線の照射範囲を絞り、
    前記第2の制御手段は、前記位置検出手段により求められた前記挿入物の変位に応じて、前記被検体と前記第2のX線検出器との相対的位置を変位させ、さらに該変位に応じて前記第1の制御手段が、前記X線絞り手段がX線の照射方向を変更させること、
    を特徴とするX線診断装置。
  2. 前記第2の制御手段は前記第1の画像が生成された後、前記第2のX線検出器の検出範囲に少なくとも前記挿入物の挿入位置が含まれるように該第2のX線検出器を移動させ、
    前記第1の制御手段は、前記X線絞り手段による前記X線の照射範囲を該第2のX線検出器の検出範囲に応じて限定すること、
    を特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記位置検出手段は、前記第2の画像における前記挿入物の先端位置を順次検出することにより、前に検出された先端位置に対する変位量および変位方向を求めること、
    を特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  4. 前記位置検出手段は前記第1の画像が生成された後、さらに前記第1のX線検出器によって前記挿入物の先端を検出し、
    前記位置検出手段が前記先端を検出することにより、前記第2の制御手段が該先端位置に合わせて前記第2のX線検出器を移動させること、
    を特徴とする請求項2に記載のX線診断装置。
  5. 前記被検体が横臥する寝台を備え、
    前記第2の制御手段は、少なくとも前記第2の検出器または前記寝台のいずれか一方を移動させることにより、前記被検体と該第2の検出器との相対的位置を移動させること、
    を特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  6. 前記位置検出手段は、前記第2の画像から前記挿入物の先端位置が検出されなかった場合、該第2の画像より前の第1の過去画像と、該第1の過去画像より前の第2の過去画像とを含む複数の過去画像を参照することにより、前記挿入物の先端位置を推定し、
    前記第2の制御手段は、前記推定された先端位置が前記第2のX線検出器の検出範囲に含まれるように、前記被検体と前記第2のX線検出器との相対的位置を変位させること、
    を特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のX線診断装置。
  7. 前記位置検出手段は、
    前記第2の画像から前記挿入物の先端位置が検出されなかった場合、該第2の画像より前の第1の過去画像から検出された第1の先端位置と、該第1の過去画像より前の第2の過去画像から検出された第2の先端位置とを対比し、
    さらに対比結果から、前記第1の先端位置と前記第2の先端位置の変位方向および変位量を求め、
    さらに前記第1の先端位置から、求められた前記変位方向に向かって、求められた変位量のn倍だけ変位した位置を、前記推定された先端位置として求めること、
    を特徴とする請求項6に記載のX線診断装置。
  8. あらかじめ指定された被検体の撮影範囲において、第1のX線検出器により検出されたX線に基づき参照画像を取得する参照画像取得手段と、
    前記撮影範囲より狭い範囲において、第2のX線検出器により検出されたX線に基づき前記被検体に挿入された挿入物の先端位置を示す透視画像を順次取得する透視画像取得手段と、
    順次取得される前記透視画像それぞれにおける、前記先端位置を順次検出する挿入物検出手段と、
    前記挿入物検出手段により検出された前記先端位置が、前に取得された前記透視画像における先端位置に対して変位している場合、該変位を打ち消すように前記被検体に対する前記第2の検出器の位置を相対的に移動させる検出器移動手段と、
    前記検出器移動手段による前記第2の検出器の相対的移動に応じて、前記参照画像中の前記透視画像の位置を示すとともに、該参照画像中の該透視画像の位置の表示より、前記透視画像を拡大して表示させる表示手段と、を備えたこと、
    を特徴とするX線診断装置。
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