JP5406361B1 - 着色骨材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱の影響をほとんど受けることなく様々な場面で使用可能であり、スラグをリサイクルした着色骨材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】顔料を含有しまたは含有しない、かつ、硬化したセメントで被覆されたスラグからなることを特徴とする着色骨材である。このような着色骨材では、セメントが、さらに、蓄光材、香料、磁粉、鉱石粉、金粉および銀粉のうちの1種以上を含有するのが好ましい。その製造方法は、顔料を含有するまたは含有しないセメントのペーストとスラグとを混合し、当該スラグの表面をセメントのペーストで被覆する被覆工程を含むことを特徴とする。このような着色骨材の製造方法では、セメントのペーストとして、さらに、蓄光材、香料、磁粉、鉱石粉、金粉および銀粉のうちの1種以上を含有するセメントのペーストを用いるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶融スラグを用いた着色骨材の製造方法に関する。さらに詳しくは、熱の影響をほとんど受けることなく様々な場面で使用可能であり、溶融スラグをリサイクルした着色骨材の製造方法に関する。
大量に発生する都市ゴミを処理するため、都市ゴミを焼却すると、焼却灰が発生する。焼却灰は、そのまま埋め立てられる場合もあるが、埋め立て場所の確保の観点から溶融炉を用いて減容している。また、下水道の普及によって下水汚泥も増加傾向にあり、下水汚泥も溶融炉を用いて減容している。
溶融炉を用いた焼却灰や下水汚泥の減容では、溶融炉内で焼却灰等を加熱し、含まれる有害物質を燃焼させつつ溶融し、生成した溶融物を溶融炉から排出して冷却固化させて溶融スラグとする。その際、焼却灰や廃棄物等に含まれる金属類を溶融物から分離して回収する。このようにして得られる溶融スラグは、廃棄物溶融スラグや下水汚泥溶融スラグとも呼ばれる。溶融スラグは、路盤や路床、インターロッキングブロックといったブロック、タイル等における骨材としてリサイクル(再利用)される。
ここで、ブロックやタイル、プレート等の成型体は、骨材と硬化したセメントとからなる成型体であり、土木資材等として利用される。ブロック等の成型体の製造は、例えば、セメントのペーストに骨材を添加して混合した後、所定の形状に成型し、その後、成型体のセメントのペーストを硬化させることにより行われる。
しかしながら、溶融スラグが骨材といった資源としてリサイクルされる量は少なく、その大部分は埋め立てられている。また、溶融スラグは、リサイクルされることなく、海中投棄される場合もある。
溶融スラグのリサイクルに関し、従来から種々の提案がなされており、例えば、特許文献1および2がある。特許文献1では、溶融スラグといった原料に酸化物を混合し、次いで着色剤を添加し、所定の加熱温度および所定の時間にて処理することにより、着色骨材を製造する方法が提案されている。特許文献1の実施例では、着色剤に樹脂系接着剤を含有させている。このような特許文献1では、原料に酸化物を混合することにより、原料への着色剤の着色が強固になり、退色し難いとしている。
また、特許文献2では、溶融スラグといった原料に水性コロイダルシリカ分散液と、アルコキシシラン化合物との前処理剤で前処理し、次いで着色剤を添加し、所定の加熱温度および所定の時間にて処理することにより、着色骨材を製造する方法が提案されている。特許文献2の実施例では、着色剤に樹脂系接着剤を含有させている。このような特許文献2に提案される着色骨材の製造方法では、微小な凹凸構造を形成する物理的効果と、化学的な相互作用力と、キレート結合を生成することとの協働により、原料への着色剤の着色が強固になり、退色し難いとしている。
特開2006−176767号公報 特開2006−182639号公報
溶融スラグは、前述の通り、骨材としてリサイクルされる場合があるが、その大部分は埋め立てられている。用地確保や費用の観点から、溶融スラグの埋め立てには限界があり、溶融スラグのリサイクル量を増加させることにより、溶融スラグの埋め立て量を低減することが望まれている。
前述の特許文献1および2には、溶融スラグから着色骨材を製造する方法が提案されている。しかし、特許文献1および2に提案される着色骨材の製造方法では、着色剤に樹脂系接着剤が含まれることから、着色骨材が熱によって軟化や燃焼等し易く、使用範囲が制限される。また、樹脂系接着剤が含まれると、着色骨材をセメントのペーストと混合して成型体とした場合、硬化したセメントと着色骨材との接着性が不十分となり、その結果、成型体の強度が低下する。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、熱の影響をほとんど受けることなく様々な場面で使用可能であり、溶融スラグをリサイクルした着色骨材の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者が、溶融スラグのリサイクルが進まない理由を検討したところ、溶融スラグは黒色で明度が低いことから、インターロッキングブロック等の成型体において骨材としてそのまま溶融スラグを再利用すると、黒色の溶融スラグが表面に露出して美観が損なわれ、商品価値が低下することが原因との結論に至った。すなわち、溶融スラグを着色して熱による影響をほとんど受けない着色骨材とすれば、溶融スラグのリサイクル量を増加させることが可能である。
そこで、本発明者は、溶融スラグのリサイクルを促進するため、溶融スラグの着色について鋭意検討を重ね、種々の試験を行った結果、溶融スラグを、顔料を含有するまたは含有しないセメントのペーストで包含(被覆)することを見出した。このようにセメントを用いて着色した溶融スラグを骨材とし、セメントのペーストと混合してインターロッキングブロック等の成型体を得れば、溶融スラグの黒色が表面に露出することがなく、美観を向上させることができ、成型体の商品価値を向上できる。また、溶融スラグを着色する際にセメントを用いるので、熱による影響をほとんど受けない。
さらに、着色した溶融スラグを骨材としてセメントのペーストと混合すると、溶融スラグが硬化したセメントで包含(被覆)されていることから、流動性が改善され、その結果、成型体等の強度を向上できる。これらの効果は、着色した溶融スラグをセメントのペーストと混合して成型体とする場合に限らず、土木工事において着色した溶融スラグをセメントのペーストと混合して成型体とする場合にも発揮される。
上述の溶融スラグを、顔料を含有するまたは含有しないセメントのペーストで包含(被覆)する方法は、製鋼の製造過程発生する鉄鋼スラグや金属の精錬過程で発生する精錬スラグを骨材としてリサイクルする場合にも適用できる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記()〜()の着色骨材の製造方法を要旨としている。
(1)ガラス繊維を含むプライマーを溶融スラグの表面に塗布して乾燥させることにより、プライマー硬化体層を形成する前処理工程と、顔料を含有するセメントのペーストとプライマー硬化体層が形成された溶融スラグとを混合し、当該溶融スラグを前記セメントのペーストで被覆する被覆工程と、セメントのペーストで被覆された溶融スラグを、被覆するセメントのペーストの硬化が完了する前に加圧するプレス工程とを含み、前記セメントのペーストとして、さらに、蓄光材、香料、磁粉、鉱石粉、金粉および銀粉のうちの1種以上、並びに、カーボン繊維、チタン繊維および珪砂のうちの1種以上を含有するセメントのペーストを用い、前記前処理工程のプライマーとして、ポリエステル系、ポリアクリル系、エポキシ樹脂系またはエチレン−酢酸ビニル系のプライマーを用いることを特徴とする着色骨材の製造方法。
)前記セメントのペーストとして、さらに、高性能AE減水剤および/または収縮低減剤を含有するセメントのペーストを用いることを特徴とする上記(1)に記載の着色骨材の製造方法。
(3)前記セメントのペーストとして、さらに、プライマーを含有するセメントのペーストを用いることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の着色骨材の製造方法。
本発明の着色骨材の製造方法により製造される着色骨材は、溶融スラグをリサイクルした着色骨材であり、熱の影響をほとんど受けることなく様々な場面で使用可能であるとともに、骨材として用いた成型体において美観とともに強度を向上できる。また、溶融スラグに残留する有害成分の放出を防止でき、溶融スラグの安全性を向上できる。さらに、本発明の着色骨材の製造方法により製造される着色骨材は、取り扱いが容易であるとともに、セメントと混合した際の密着性を向上できる
本発明の参考例の発明である着色骨材(以下、単に「本発明の着色骨材」という)は、顔料を含有しまたは含有しない、かつ、硬化したセメントで被覆されたスラグからなることを特徴とする。このように本発明の着色骨材は、スラグの表面全面が硬化セメントで被覆され、すなわち、スラグが硬化セメントに包含されている。
ここで、本発明の着色骨材は、スラグとして、溶融スラグ(例えば廃棄物溶融スラグや下水汚泥溶融スラグ)や製鋼スラグ、精錬スラグを用いることができる。例えば、溶融スラグの表面は黒色であるが、上述の本発明の着色骨材は、黒色の溶融スラグの表面が露出することなく、硬化セメントが露出する。このため、本発明の着色骨材では、硬化セメントが顔料を含有すれば、その顔料の色の硬化セメントが露出し、顔料を含有しなければ、グレー(本来のセメントの色)の硬化セメントが露出する。したがって、インターロッキングブロック等の成型体において、骨材として本発明の着色骨材を用いれば、スラグの地色が露出して美観を損なうことなく、美観を向上させることができる。その際、本発明の着色骨材とその着色骨材と同色の顔料を含有するセメントのペーストとを混合して成型体を得れば、より美観を向上させることができる。
また、本発明の着色骨材は、スラグが硬化したセメントで被覆されており、熱による影響をほとんど受けない。このため、樹脂系接着剤を用いる従来の着色骨材と比べ、本発明の着色骨材は、適用範囲を拡大できる。
ここで、溶融スラグには、人体に有害な成分(例えば、フッ素、ホウ素、六価クロム、鉛、ヒ素、カドミウム、水銀、セレン、シアン等の化合物)が基準値以下であり、微量であるが残留している。本発明の着色骨材は、硬化したセメントで溶融スラグを被覆していることから、スラグに残留する有害成分の放出を防止でき、スラグの安全性を向上できる。
また、溶融スラグは、水砕等によって粒度が調整されるが、鋭角な凸状の部分を有するものや、より鋭角に尖った針状の部分を有するものが含まれる。このため、溶融スラグは危険で取り扱いが難しく、溶融スラグをセメントと混合した際に、流動性が悪いことから、隙間が生じて強度が低下し易い。これに対し、本発明の着色骨材は、上記凸状部分や針状部分が硬化セメントの被覆によって丸味のある形状となる。これにより、本発明の着色骨材は取り扱いが容易であるとともに、本発明の着色骨材をセメントと混合した際の密着性を向上でき、得られる成型体等の強度を向上できる。
ここで、被覆されていない溶融スラグとセメントのペーストとを混合すると、その理由は明確でないが、セメントに含まれる水酸化カルシウムと水とが反応して水素ガスが発生し、その水素ガスにより硬化したセメントに孔が形成される。これは、溶融スラグが触媒として作用し、水酸化カルシウムと水との反応を促進することによるものと推測される。このように硬化したセメントに孔が形成された場合、成型体等の品質や強度が低下して問題となる。
本発明の着色骨材は、溶融スラグが硬化したセメントで被覆されていることから、水素ガスを発生させることなく、セメントのペーストと混合できる。このため、硬化したセメントに孔が形成されて成型体等の品質や強度が低下する問題を防止できる。
セメントは、特に制限がなく、例えば、各種ポルトランドセメントのほか、高炉セメントやフライアッシュセメント、シリカセメント等の混合セメント等を用いることができる。また、廃材等を主原料として製造されたリサイクルセメントを用いることもできる。
顔料は、特に制限がなく、例えば、グリーンやベンガラ、イエロー、ブルー、グレー等の顔料を使用できる。また、顔料は、一種を単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれであっても良い。
このように本発明の着色骨材は、骨材として用いた成型体において美観を向上できるとともに、熱による影響をほとんど受けない。また、スラグに残留する有害成分の放出を防止でき、スラグの安全性を向上できる。さらに、本発明の着色骨材は、取り扱いが容易であるとともに、セメントと混合した際の密着性を向上ができ、斬新な骨材である。したがって、本発明の着色骨材は、スラグを有用な着色骨材としてリサイクルできる。また、本発明の着色骨材は、従来の砂利や砕石といった骨材の使用量を低減し、砂利や砕石の採掘による自然破壊の防止に繋げることが可能である。さらに、本発明の着色骨材は、用途に制限はなく、土木工事やインターロッキングブロック等の成型体をはじめとして、広く日曜大工等にも使用できる。
本発明の着色骨材は、スラグを被覆する硬化セメントが、さらに、蓄光材、香料、磁粉、鉱石粉、金粉および銀粉のうちの1種以上を含有するのが好ましい。硬化セメントが蓄光材を含有すれば、蓄光性の着色骨材として活用できる。また、硬化セメントが香料を含有すれば、芳香性の着色骨材として活用できる。硬化セメントが磁粉または鉱石粉を含有すれば、健康増進機能を有する着色骨材として活用できる。硬化セメントが金粉または銀粉を含有すれば、例えば装飾用着色骨材として活用できる。
蓄光材、香料、磁粉、鉱石粉、金粉および銀粉は、セメントのペーストに含有させることかができれば、特に制限はない。蓄光材および香料は、例えば、粉状または液状のものを用いることができる。
続いて、本発明の着色骨材の製造方法について説明する。本発明の着色骨材の製造方法は、顔料を含有するまたは含有しないセメントのペーストとスラグとを混合し、スラグをセメントのペーストで被覆する被覆工程を含むことを特徴とする。このように顔料を含有するセメントのペーストでスラグの表面を被覆し、セメントのペーストの硬化を適宜完了させれば、上述の本発明の着色骨材を得ることができる。
セメントおよび顔料に特に制限はなく、前述したセメントおよび顔料を用いることができる。セメントのペーストにおける顔料の含有率は、得られる着色骨材の色合いに応じて適宜調整すればよい。
本発明の着色骨材の製造方法は、セメントのペーストとスラグとを混合し、スラグの表面をセメントのペーストで被覆する処理を回転するドラム内で行うのが好ましい。これにより、得られる着色骨材がより丸味を帯びた形状となり、着色骨材をセメントのペーストと混合してコンクリートや成型体等とする際に着色骨材とセメントのペーストとに隙間が生じるのをさらに抑制できる。また、スラグと硬化したセメントが密着するので、得られる着色骨材の強度を向上できる。
また、本発明の着色骨材の製造方法は、上記混合して被覆する処理に加えて、スラグを被覆するセメントのペーストを硬化させる処理も回転するドラム内で行うのがより好ましい。これにより、得られる着色骨材が丸味を帯びた形状となり、着色骨材をセメントのペーストと混合してコンクリートや成型体等とする際に着色骨材とセメントのペーストとに隙間が生じるのを抑制できる効果が、より顕著となる。なお、セメントのペーストを硬化させる処理を回転するドラム内で行う場合、セメントのペーストで被覆されたスラグ同士がその後の処理で固着しない程度までセメントのペーストを硬化させればよい。
前述の通り、被覆されていない溶融スラグとセメントのペーストとを混合すると、その理由は明確でないが、セメントに含まれる水酸化カルシウムと水とが反応して水素ガスが発生し、その水素ガスにより硬化したセメントに孔が形成される。しかし、本発明の着色骨材の製造方法は、セメントのペーストが溶融スラグを被覆するために用いられることから、溶融スラグに対するセメントのペーストの割合が、土木工事や成型体等の場合と比べて少ない。このため、本発明の着色骨材の製造方法でも水素ガスが発生するが、その量が微量であるとともにセメントのペーストの被覆から水素ガスが拡散し易いことから、孔が形成される問題は生じない。
本発明の着色骨材の製造方法は、セメントのペーストとして、さらに、蓄光材、香料、磁粉、鉱石粉、金粉および銀粉のうちの1種以上を含有するペーストを用いるのが好ましい。セメントのペーストが蓄光材を含有すれば、得られる着色骨材を蓄光性の着色骨材として活用できる。また、セメントのペーストが香料を含有すれば、得られる着色骨材を芳香性の着色骨材として活用できる。セメントのペーストが磁粉または鉱石粉を含有すれば、得られる着色骨材を健康増進機能を有する着色骨材として活用できる。セメントのペーストが金粉または銀粉を含有すれば、得られる着色骨材を例えば装飾用着色骨材として活用できる。
蓄光材、香料、磁粉、鉱石粉、金粉および銀粉は、セメントのペーストに含有させることができれば、特に制限はない。蓄光材および香料は、例えば、粉状または液状のものを用いることができる。
ここで、骨材は、その用途に応じて要求強度が設定される。このため、本発明の着色骨材の製造方法は、要求強度に応じて、以下に記載の実施形態を採用するのが好ましい。
本発明の着色骨材の製造方法は、被覆工程の前工程として、ガラス繊維を含むプライマーを溶融スラグの表面に塗布して乾燥させることにより、プライマー硬化体層を形成する前処理工程を含むのが好ましい。このようにプライマー硬化体層が形成された溶融スラグをセメントのスラリーと混合し、その溶融スラグの表面をセメントのスラリーで被覆すれば、得られる着色骨材で硬化したセメントの被覆が溶融スラグから剥離するのを防止でき、その結果、強度が向上する。また、プライマー硬化体層がガラス繊維を含むことにより、上記の効果がより顕著となる。
プライマーとして、例えば、ポリエステル系、ポリアクリル系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル系などのプライマーを用いることができる。ガラス繊維として、例えば、耐アルカリガラスからなる繊維を用いることができる。
本発明の着色骨材の製造方法は、セメントのペーストとして、さらに、カーボン繊維、チタン繊維および珪砂のうちの1種以上を含有するセメントのペーストを用いるのが好ましい。これにより、得られる着色骨材において、硬化したセメントの強度を向上させることができる。
本発明の着色骨材の製造方法は、セメントのペーストとして、さらに、高性能AE減水剤および収縮低減剤のいずれか一方または両方を含有するセメントのペーストを用いるのが好ましい。これにより、得られる着色骨材において、硬化したセメントと溶融スラグとに隙間が生じるのをより低減でき、その結果、強度が向上する。
本発明の着色骨材の製造方法は、被覆工程の後工程として、セメントのペーストで被覆されたスラグを、被覆するセメントのペーストの硬化が完了する前に加圧するプレス工程を含むのが好ましい。このようにセメントのペーストで被覆されたスラグを加圧すれば、得られる着骨材において、硬化したセメントの強度をより向上できる。
加圧は、例えば、矩形状の凹部に有する金型と、その凹部に対応する矩形状の凸部を有する別の金型とを用いて行うことができる。この場合、セメントのペーストで被覆されたスラグを金型の凹部に敷き詰め、別の金型の凸部をスラグに押し付けることにより加圧できる。セメントのペーストで被覆されたスラグを金型の凹部に敷き詰める際、セメントのペーストで被覆されたスラグの間に珪砂を装入するのが好ましい。これにより、スラグに均等に圧力を付加することができるとともに、スラグ同士の固着を防止できる。
加圧処理は、加圧によりセメントのペーストで被覆されたスラグ同士が固着しない程度に硬化し、かつ、セメントのペーストの硬化が完了する前に行えばよい。加圧は、例えば、縦30cm、横30cmおよび深さ20cmの凹部を有する金型を用いる場合、15〜20tとするのが好ましい。これは、加圧によって被覆された溶融スラグに発生する圧力が小さ過ぎると、強度向上の効果が発現し難いからである。一方、加圧によって被覆された溶融スラグに発生する圧力が大き過ぎると、セメントのペーストにひびや割れが生じるおそれがある。また、加圧する場合の時間は、例えば、10〜30分間とすればよい。

本発明の着色骨材およびその製造方法による効果を確認するため、溶融スラグから着色骨材を得る試験を行った。
[試験条件]
参考例1では、ドラムミキサーの内部に溶融スラグを投入し、そのドラムミキサーを回転させた状態で顔料を含有しないセメントペーストAをドラムミキサー内に投入した。これにより、セメントのペーストと溶融スラグとを混合し、溶融スラグの表面をセメントのペーストで被覆した。セメントのペーストで被覆した溶融スラグをドラムミキサー内に配置した状態でドラムミキサーをさらに30分間に亘って回転させることにより、セメントのペーストで被覆された溶融スラグ同士がその後の自然乾燥で固着しない程度まで、セメントのペーストを硬化させた。その後、自然乾燥によってセメントのペーストの硬化を完了させ、着色骨材を得た。
溶融スラグは、電気炉内で都市ゴミ焼却施設における焼却灰を加熱して溶融し、溶融物から金属を分離して回収するとともに、その残滓を冷却して固化させることによって得られる溶融スラグを用いた。溶融スラグの粒径は概ね0.2〜8.0mmであった。
セメントのペーストAは、溶融スラグ1000gに対し、ポルトランドセメント(住友大阪セメント(株)社製、商品名:ポルトランド普通)が300g、かつ、水が115gとなるように混合して作製し、さらに上述のようにドラムキサーで溶融スラグと混合した。
本発明例2では、ガラス繊維を含むプライマーを溶融スラグの表面に塗布した後、乾燥させてプライマー硬化体層を溶融スラグの表面に形成した。プライマーの塗布は、溶融スラグにガラス繊維を含むプライマーを投入して混合することによって行った。プライマー硬化体層が形成された溶融スラグをドラムミキサーの内部に投入し、そのドラムミキサーを回転させた状態で顔料を含有するセメントペーストBをドラムミキサー内に投入した。これにより、セメントのペーストと溶融スラグとを混合し、溶融スラグの表面をセメントのペーストで被覆した。セメントのペーストで被覆した溶融スラグをドラムミキサー内に配置した状態でドラムミキサーをさらに30分間に亘って回転させた後でドラムミキサーから排出した。ドラムミキサーから排出した溶融スラグに加圧処理を施した後、自然乾燥によってセメントのペーストの硬化を完了させ、着色骨材を得た。
ガラス繊維を含むプライマーは、溶融スラグ1000gに対して旭化成ケミカルズ(株)社製、商品名:モルタックが6g、ガラス繊維である旭ファイバーグラス社製、商品名アクリアが1g、水が16gとなるように配合して混合したものを用いた。
セメントのペーストBは、溶融スラグ1000gに対し、ポルトランドセメント(住友大阪セメント(株)社製、商品名:ポルトランド普通)が300g、水が80g、ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製、商品名アクリア)が5g、プライマーの原液(旭化成ケミカルズ(株)社製、商品名:モルタック)が30g、ベンガラの無機顔料(戸田工業(株)社製、主成分:酸化鉄)が20g、珪砂が200g、ポリカルボル酸エーテル系の高性能AE減水剤(BASFジャパン(株)社製、レオビルドSP8SV)が3gとなるように混合して作製し、さらに上述のようにドラムキサーで溶融スラグと混合した。
加圧処理は、30cm角、深さ20cmの矩形状の凹部を有する金型と、その凹部に対応する矩形状の凸部を有する別の金型とを用いて行った。具体的には、セメントのペーストで被覆された溶融スラグを金型の凹部に敷き詰め、別の金型の凸部を溶融スラグに圧力15tで20分間に亘って押し付けることにより行った。セメントのペーストで被覆された溶融スラグを金型の凹部に敷き詰める際、セメントのペーストで被覆された溶融スラグの間に珪砂を装入した。加圧処理後、装入した珪砂をセメントのペーストで被覆された溶融スラグから分離して除去した。
[評価基準]
得られた着色骨材の強度を評価するため、本試験では、各試験によって得られた着色骨材を用いてすりへり試験を行った。すりへり試験は、JIS A 1121に基づいてロサンゼルスすりへり減量を測定した。
[試験結果]
参考例1では、セメントのペーストを被覆し、ロサンゼルスすりへり減量が62.4%であった。
また、本発明例2では、ガラス繊維を含むプライマーを溶融スラグに塗布するとともに、セメントのペーストに珪砂および高性能AE減水剤を添加し、さらに被覆したセメントペーストの硬化が完了する前に加圧処理を施した。その本発明例2では、ロサンゼルスすりへり減量が33.6%であった。したがって、ガラス繊維を含むプライマーを溶融スラグに塗布するとともに、セメントのペーストに珪砂および高性能AE減水剤を添加し、さらに被覆したセメントペーストの硬化が完了する前に加圧処理を施すことにより、得られる着色骨材において強度向上が可能なことが明らかになった。
本発明の着色骨材の製造方法によれば、前述の通り、溶融スラグをリサイクルして着色骨材にすることができる。このため、本発明の着色骨材の製造方法を溶融スラグのリサイクルに適用すれば、溶融スラグの埋め立て量の低減によって都市ゴミ処理における埋め立て費用の削減に大きく寄与することができる。また、本発明の着色骨材の製造方法によりリサイクルされた着色骨材とセメントとを混合して土木工事やインターロッキングブロック等の成型体とすれば、美観を向上させることができるので、着色骨材として有効に活用できる。したがって、本発明の着色骨材の製造方法は、溶融スラグのリサイクル率の向上に大きく寄与でき、溶融スラグのリサイクル分野において有効に利用できる。

Claims (3)

  1. ガラス繊維を含むプライマーを溶融スラグの表面に塗布して乾燥させることにより、プライマー硬化体層を形成する前処理工程と、
    顔料を含有するセメントのペーストとプライマー硬化体層が形成された溶融スラグとを混合し、当該溶融スラグを前記セメントのペーストで被覆する被覆工程と、
    セメントのペーストで被覆された溶融スラグを、被覆するセメントのペーストの硬化が完了する前に加圧するプレス工程とを含み、
    前記セメントのペーストとして、さらに、蓄光材、香料、磁粉、鉱石粉、金粉および銀粉のうちの1種以上、並びに、カーボン繊維、チタン繊維および珪砂のうちの1種以上を含有するセメントのペーストを用い
    前記前処理工程のプライマーとして、ポリエステル系、ポリアクリル系、エポキシ樹脂系またはエチレン−酢酸ビニル系のプライマーを用いることを特徴とする着色骨材の製造方法。
  2. 前記セメントのペーストとして、さらに、高性能AE減水剤および/または収縮低減剤を含有するセメントのペーストを用いることを特徴とする請求項1に記載の着色骨材の製造方法。
  3. 前記セメントのペーストとして、さらに、プライマーを含有するセメントのペーストを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の着色骨材の製造方法。
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