JP5398820B2 - 焼結用造粒物の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉用原料に使用する焼結用造粒物の処理方法に関する。
高炉用原料である焼結鉱は、鉄鉱石、燃料、副原料などを、造粒機を用い、水を添加して混合し造粒した後、これを焼結機で焼成して得られる。この焼結鉱の生産性を維持、更には向上させるため、焼結機で焼成中の焼結原料内の通気性を確保することが重要であり、造粒は不可欠の操作となっている。
しかし、造粒に用いた水分は、焼成の過程で蒸発し、下部の未焼成の造粒物に凝縮する、いわゆる湿潤帯を形成し、この過剰な水分に曝された造粒物が崩壊して、焼結機での通気を阻害するという問題を招いている。なお、このような既設の造粒ラインでは、核粒子となる粗粒に微粉を付着させた造粒物、即ち擬似造粒物を製造している。
一方、近年、焼結原料の劣質化に伴って増加する焼結原料内の微粉に対処するため、この焼結原料から微粉原料を抜き出し、これを、上記した既設の造粒ラインに並設した別系統の造粒ラインで造粒し、この造粒物(以下、微粉造粒物ともいう)を、既設の造粒ラインで造粒した擬似造粒物と共に焼成するセミペレット法も検討されている。
例えば、特許文献1には、上記した方法で製造した微粉造粒物を更に乾燥することで、その強度を向上させ、焼結機での通気性を確保する効果を拡大する試みがなされている。
しかし、乾燥させた微粉造粒物と、湿潤状態の擬似造粒物とを混合した場合、擬似造粒物中の水分を乾燥した微粉造粒物が吸水し、この微粉造粒物の強度が低下するという問題が生じている。
以上のことから、擬似造粒物が焼成中に湿潤帯で過剰な水分に曝された場合や、また乾燥させた微粉造粒物を湿潤した擬似造粒物に混入させ、微粉造粒物が再吸水した場合でも、擬似造粒物と微粉造粒物の強度を確保できる技術が求められている。
このような湿潤状態での造粒物の強度改善も含め、造粒物の強度を向上させる手段としては、例えば、粘着性バインダー、粘土系バインダー、分散性バインダー、炭酸化処理、又は水硬性バインダーを使用する方法がある。以下、詳しく説明する。
粘着性バインダーとは、粘着性の物質を介して粒子間を結合する作用を示すバインダーであり、その代表例として、セルロースやデンプンなどがある。
例えば、特許文献2には、粘着性バインダーとして粘着力に優れるロジン系化合物成分を造粒の際に用いることにより、湿潤強度や乾燥強度に優れる原料用粒状体が得られることが開示されている。
また、粘土系バインダーとは、粒子の大きさが10μm以下の微粒子を多く含み、これが粒子間に入り込んで結合する作用を示すバインダーであり、その代表例として、ベントナイトなどがある。
特許文献3には、この粘土系バインダーであるベントナイトを凝集剤として記載しており、粘土分が凝集機能も有するものと考えられる。また、特許文献3では、有機質粘結剤に加え、ベントナイトなどの無機質凝集剤を用いることで、乾燥強度の高い酸化鉄ペレットが得られることも開示されている。そして、特許文献3には、ベントナイトを原料に添加した後に、水を添加して造粒し、これを骨材として活用する記載があるものの、少なからず微粒子の凝集作用があることも考えられる。
分散性バインダーとは、鉱石に含まれる粘土分を、水中に分散させて粒子間に再配置させることで、結合を促進する作用を示すバインダーであり、その代表例として、ポリアクリル酸ナトリウムなどがある。
特許文献4には、分散性バインダーとして分散性に優れる高分子化合物を含む造粒添加剤を用いることで、湿潤強度や乾燥強度に優れる原料用粒状体が得られることが開示されている。
また、炭酸化処理とは、化学的な反応により、造粒物の強度を向上させる方法である。
特許文献5には、生石灰を添加して造粒する際に、排ガスなどのCO2を含有する気体を接触させることで、生石灰を炭酸化し、強固な化学結合を形成する方法が開示されている。この方法によれば、造粒物が過剰な水分に曝された場合や再吸水した場合でも、ある程度の強度に維持することは可能である。
更に、特許文献6には、水硬性バインダーとして鉄を含む水硬性鉱物結合剤を用いて造粒し、長時間の養生を行うことで、高強度の造粒物が得られることが記載されている。これにより、造粒物が過剰な水分に曝された場合や再吸水した場合でも、造粒物は、これに十分に耐えられる強度を備えることができる。
特許文献7には、粉鉄鉱石、炭材の一部を混合、造粒して予備造粒物を形成し、この予備造粒物の外側にCaOを含む副原料を被覆して、被覆予備造粒物を形成して、さらに、この被覆予備造粒物と残りの配合原料とを混合して3層構造の擬似粒子に造粒し、これを焼結機に供給する焼結鉱の製造方法が開示されている。これにより、スラグを形成する成分であるSiO2、CaOの含有量が少なくても落下強度が高く、被還元性の劣化を防止可能な焼結鉱を製造することができるとされている。
特許文献8には、ペレットフイードなどの微粉鉱石とCaO源となる生石灰粉、消石灰粉と反応性の低いペレットフイードなどの微粉鉱石とを付着層として、返鉱、褐鉄鉱などの粗粒鉱石と予め混合造粒しておき、これを他の焼結原料と共に混合する焼結原料の事前処理法が開示されている。これにより、通気性および被還元性の向上を図ることができるとされている。
特開2006−336064号公報 特開2005−89861号公報 特開平11−193423号公報 特開2005−15919号公報 特開2001−279335号公報 特表2006−508251号公報 特開2007−211289号公報 特開昭60−248827号公報
しかしながら、前記従来の方法には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献2では、粘着性バインダーが水溶性であるため、造粒物が過剰な水分に曝された場合や再吸水した場合には、粘着性バインダーが溶解し、造粒物の強度維持を十分にできないという問題がある。
また、特許文献3では、凝集作用のあるベントナイトを、造粒開始時から焼結原料に混入させているため、造粒物の強度低下を招く。強固な造粒物を製造するには、バインダーと微粒子(粘土)の良好な分散が必要であるが、上記した方法では、ベントナイトの凝集作用により、分散が阻害され、これが欠陥となるからである。
なお、ベントナイトの凝集作用が少なく、良好な分散が得られたとしても、粘土系バインダーは水中に再分散し易いため、造粒物が過剰な水分に曝された場合や再吸水した場合には、その強度を十分に確保できない。
そして、特許文献4に記載されたバインダーの分散作用は、焼結原料を造粒することで失われるものではなく、焼結原料を一旦造粒して乾燥した後も、その機能を発揮する。このため、造粒物が過剰な水分に曝された場合や再吸水した場合には、粘土分の再分散が生じ、造粒物の強度を十分に維持することができなくなる。
また、特許文献5で、生石灰を炭酸化させるための反応を十分に起こすには、長時間を要するため、この方法を、現状の連続処理プロセス、例えば、1時間あたり数百トンの造粒処理を行うプロセスに導入することは困難である。また、上記した反応に長時間を要するため、この反応が十分に進行する前に、造粒物が過剰な水分に曝された場合や再吸水した場合には、生石灰の再分散が生じ、造粒物の強度を十分に維持することができない。
更に、特許文献6の方法は、造粒物の養生を長時間行うことを前提としているため、この方法を、現状の連続処理プロセスに適用することは困難である。また、造粒物の養生前に、造粒物が過剰な水分に曝された場合には、上記した特許文献5と同様の課題を有する。
特許文献7の方法では、CaO層は、3層構造の造粒物(擬似粒子)の中層に存在するため、擬似粒子の表層から侵入する水分に対しては凝集域は疎水・撥水する効果が小さく、このため造粒物(擬似粒子)の表層部の強度を十分に維持することができない。
また、特許文献8においては、粗粒鉱石の表面に付着する層は、微粉鉱石とCaO源としての石灰粉の混合物として存在し、CaO/SiO2比を上昇させ、かつCaOとSiO2との反応を遅らせるようにするものである。このようなCaOは、後述するように、凝集効果、疎水・撥水効果が小さく、造粒物の強度低下を抑制することはできない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、造粒物が湿潤帯で過剰な水分に曝された場合や、乾燥造粒物を湿潤造粒物に混入させて乾燥造粒物が再吸水した場合でも、造粒物の強度維持が可能であり、しかも連続処理ライン内で連続的に造粒処理を実施できる焼結用造粒物の処理方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る焼結用造粒物の処理方法は、粉鉄鉱石を含む鉄源原料、適宜、炭材、及び石灰を含む副原料を含む配合原料を、バインダーを用いて湿式造粒した造粒物の表層に、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、マグネシウムイオン、カルシウムイオンを含む水溶液、アニリン−ホルムアルデヒド重複合物塩酸塩、ポリヘキサメチレンチオ尿素酢酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤の1つ、又は、これらを組合せた凝集剤、疎水剤、及び撥水剤のいずれか1又は2以上からなる強度低下抑制剤を付着させ、焼結機に供給する被覆造粒物とする焼結用造粒物の処理方法である。なお、本発明において被覆造粒物とは、湿式造粒した造粒物の少なくとも表層の一部に強度低下抑制剤を被覆したものをいう。
本発明に係る焼結用造粒物の処理方法において、前記造粒物に前記強度低下抑制剤を付着させる前に、前記造粒物を乾燥処理することが好ましい。
本発明に係る焼結用造粒物の処理方法において、前記バインダーは、粘着性バインダー、粘土系バインダー、及び分散性バインダーのいずれか1又は2以上であってもよい。
本発明に係る焼結用造粒物の処理方法は、バインダーを用いて湿式造粒した造粒物の表層に、強度低下抑制剤を付着させて、被覆造粒物とするので、造粒物の強度低下を抑制できる。
ここで、強度低下抑制剤に凝集剤を使用する場合は、造粒物の表層を構成する粒子の凝集状態を維持できるので、造粒物が過剰な水分に曝されたときや再吸水したときでも、造粒物が再分散することを抑制できる。
また、強度低下抑制剤に疎水剤又は撥水剤を使用する場合は、水分が造粒物内に過剰に侵入することを抑制できるので、造粒物が過剰な水分に曝されても、造粒物が再分散することを抑制できる。
更に、強度低下抑制剤は、造粒物の表層に付着させればよいので、付着処理を短時間に実施できる。
従って、造粒物が湿潤帯で過剰な水分に曝された場合や、乾燥造粒物を湿潤造粒物に混入させて乾燥造粒物が再吸水した場合でも、造粒物の強度維持が可能であり、しかも連続処理ライン内で連続的に造粒処理を実施できる。
また、造粒物に強度低下抑制剤を付着させる前に、造粒物を乾燥処理する場合は、造粒物の強度維持の効果がより顕著に現れる。
造粒物を乾燥処理した場合、造粒物の強度は乾燥前と比較して上昇するが、この造粒物が過剰な水分に曝されたときや再吸水したときには、造粒物の強度が乾燥前と同程度まで低下する。つまり、乾燥処理した造粒物の表層に強度低下抑制剤を付着させることで、乾燥処理後の強度を維持できるからである。
そして、バインダーが、粘着性バインダー、粘土系バインダー、及び分散性バインダーのいずれか1又は2以上である場合は、造粒物の強度維持の効果がより顕著に現れる。これは、粘着性バインダー、粘土系バインダー、及び分散性バインダーが、水分によって結合力を失うバインダーであることによる。
なお、生石灰、セメント、及び水硬性バインダーなどのように、化学的結合を用いるバインダーは、上記した粘着性バインダー、粘土系バインダー、及び分散性バインダーとは異なり、水分による結合力への影響が小さい。しかし、化学的結合が発揮される前までは、本発明の課題、即ち水分による造粒物の強度低下が生じるため、強度低下抑制剤の付着による造粒物の強度維持の効果が顕著に現れる。また、化学的結合が発揮された後でも、改善代は小さいが、強度低下抑制剤による効果は、少なからずある。
造粒物の粘土割合と圧壊強度との関係を示す説明図である。 造粒物の造粒に使用するバインダーの種類及び固形分割合と製造した造粒物の圧壊強度との関係を示す説明図である。 造粒物への凝集剤の付着量と造粒物の圧壊強度との関係を示す説明図である。 造粒物への撥水剤の付着量と造粒物の圧壊強度との関係を示す説明図である。 強度低下抑制剤の付着の有無による乾燥後の造粒物の圧壊強度の変化を示す説明図である。 強度低下抑制剤の付着の有無による未乾燥の造粒物の圧壊強度の変化を示す説明図である。 造粒物への凝集剤溶液の付着量と通気指数との関係を示す説明図である。 造粒物への凝集剤粉体の付着量と通気指数との関係を示す説明図である。 造粒物への撥水剤の付着量と通気指数との関係を示す説明図である。
添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明の一実施の形態に係る焼結用造粒物の処理方法を想到するに至った経緯について説明した後、焼結用造粒物の処理方法について説明する。
最初に、造粒物が過剰な水分に曝された場合や再吸水した場合において、造粒物の強度が低下する原因を検討した。
造粒物の強度は、水の液体架橋による付着のみならず、図1に示すように、微粒子(粘土)が粒子間に入り込み接着作用を発現することで保たれている。なお、この造粒物は、微粉を分散性バインダー(高分子分散剤)用いて造粒した微粉造粒物である。
ここで、図1の横軸の粘土割合とは、造粒物を構成する全焼結原料中の粘土の割合である。また、図1の縦軸の圧壊強度(以下、単に強度ともいう)は、直径が7〜8mmの造粒物を採取し、この造粒物をロードセルに載せ、上部より5mm/分で降下する金属板で押下し、ロードセルの示す圧縮力値が上昇した後、急激に低下を示した時点の最高圧縮力(N)を把握し、これを造粒物の断面積(cm2)で除して求めた測定値を、5個の造粒物で平均した値である(以下、同様)。
しかし、図2に示すように、分散性バインダーを用いて造粒した微粉造粒物を乾燥後(○)、湿潤した造粒物と共に混合した場合(●)、乾燥後の造粒物が湿潤した造粒物の水分を吸水するため、圧壊強度が低下する現象が生じている(○→●)。これは、バインダーの分散作用が、焼結原料を造粒して乾燥した後も機能するため、一旦粒子間で凝集した粘土分が、吸収した水分によって再分散し、結合力を失ったためであると推定される。
また、粘着性バインダー(セルロース)も水溶性であることから、同様の傾向(△→▲)がみられ、過剰な水分によって、粘着性バインダーもその結合力が失われることが分かる。
なお、図2の横軸は、各バインダーの固形分(有効成分)の割合を示している。
こうした現象を踏まえ、連続処理ライン内(インライン)で、連続的に造粒処理が可能な対策を検討した結果、本発明の一実施の形態に係る焼結用造粒物の処理方法に着想した。即ち、本発明の一実施の形態に係る焼結用造粒物の処理方法は、バインダーを用いて湿式造粒した造粒物の表層に、凝集剤、疎水剤、及び撥水剤のいずれか1又は2以上からなる強度低下抑制剤を付着させる方法である。以下、詳しく説明する。
まず、造粒物の表層への凝集剤の付着効果について説明する。
微粉を分散系バインダー(高分子分散剤)を用いて造粒し乾燥させ、この乾燥状態の造粒物を、湿潤原料に一旦混合した後に取り出し、その圧壊強度を比較した結果を、図3に示す。なお、図3の横軸の凝集剤の付着量とは、造粒物の乾燥重量(g)と、この造粒物の表層に付着させた凝集剤の固形分重量(g)との総和に対する凝集剤の固形分重量割合(mass%)である。従って、図3の横軸において、凝集剤の付着量が「0」とは、造粒物の表層に、凝集剤が付着していない場合の結果である。
図3に示すように、乾燥後の造粒物は、約1MPa(10kgf/cm2)の圧壊強度を示したが、この造粒物の表層に凝集剤を付着させることなく、湿潤原料に混合した場合、圧壊強度は約0.2MPa(2kgf/cm2)まで低下した。
これに対し、凝集剤の一例である高分子化合物を用い、この凝集剤の水溶液(●)を、造粒物の表層に事前に付着させた場合、付着量が約0.06質量%で圧壊強度が最大(0.8MPa)となり、それ以上では、効果が飽和する結果となった。これは、造粒物の表層が凝集剤で強度確保されるものの、水分が内部まで浸透することで、造粒物の内部強度が低下し、効果が相殺されるためと推定され、凝集剤の付着量及び表層厚みに、適正量があるものと考えられる。
また、凝集剤の水溶液の水の影響を緩和する目的で、凝集剤を粉体のまま付着させた場合は、粉体の量に応じて圧壊強度は次第に上昇する傾向となった。
従って、目的とする造粒物の強度、粒度、及びその分布を踏まえ、凝集剤を付着させる方法を適宜選択して適正化する必要があるものと考えられる。
続いて、造粒物の表層への撥水剤(疎水剤)の付着効果について説明する。
上記した凝集剤の代わりに、撥水剤の一例である流動パラフィン(液体)を用いた結果を、図4に示す。なお、図4の横軸の撥水剤の付着量とは、造粒物の乾燥重量(g)と、この造粒物の表層に付着させた撥水剤の重量(g)との総和に対する撥水剤の重量割合(mass%)である。従って、図4の横軸において、撥水剤の付着量が「0」とは、造粒物の表層に、撥水剤が付着していない場合の結果である。
図4に示すように、撥水剤の付着量の増加と共に、圧壊強度は向上するが、次第に効果が飽和する傾向を示している。
従って、撥水剤の適正な付着量や付着厚さがあると推定され、目標とする造粒物の強度や粒度に応じて、付着方法を適正化する必要があるものと考えられる。
これら凝集剤、撥水剤、及び疎水剤のいずれか1又は2以上からなる強度低下抑制剤を、連続処理ライン内(インライン)で造粒物に付着させて被覆造粒物とする方法としては、例えば、粉体、液体、水溶液、及びスラリーのいずれか1つの状態で行う方法、又は2以上の状態を組み合わせて行う方法がある。なお、強度低下抑制剤は、造粒物の表層全体を覆った状態で付着することが好ましいが、表層の一部(例えば、表面積の50%以上)を部分的に覆った状態で付着しても、その効果は得られる。具体的には、以下の方法を用いる。
強度低下抑制剤の粉体状態での吹付けには、例えば、粉体を乾燥状態のまま空気搬送して造粒物に吹付ける方法や、ベルトコンベアで搬送して造粒物上に添加する方法がある。
また、液体状態での吹付けには、強度低下抑制剤そのものが液体であれば、例えば、ノズルを用いて造粒物に散布する方法や、発泡剤を混合して泡状としこれを造粒物に混ぜ込む方法がある。なお、強度低下抑制剤そのものが液体でなければ、水溶液やスラリーの状態にして、上記した方法で吹付ける。
この強度低下抑制剤を付着させる位置としては、以下の位置がある。
例えば、既設の造粒ラインを使用して、造粒機で造粒核粒子となる粗粒に微粉を付着させた擬似造粒物を製造する場合、造粒機の後半から、焼結機に装入するまでの間の搬送装置で、強度低下抑制剤を添加して付着させて被覆造粒物とする。なお、造粒機の後半とは、造粒機の造粒途中、例えば、造粒処理が70〜90%終了した段階を意味する。ここで、造粒処理が、例えば、90%終了した段階とは、造粒物の造粒完了時間(全造粒時間)T分に対して、0.9×T(分)の時期を意味する。従って、強度低下抑制剤は、造粒完了時間の90%が終了した造粒物に対して、付着させることになる。
また、上記した既設の造粒ラインに並設した別系統の造粒ラインを使用して、焼結原料から抜出した微粉原料を造粒機で造粒して微粉造粒物を製造する場合、この微粉造粒物を乾燥処理する乾燥機から排出した後、上記した擬似造粒物(湿潤原料)と混合するまでの間の搬送経路中で、強度低下抑制剤を添加して付着させ、被覆造粒物とする。
このような造粒物を、上記した既設の造粒ライン又は別系統の造粒ラインで造粒するに際しては、造粒機(例えば、ドラムミキサーやアイリッヒミキサー等)に、焼結原料、バインダー、及び水等を供給して、湿式造粒する。
このバインダーには、例えば、粘着性バインダー、粘土系バインダー、分散性バインダー、及び水硬性バインダーのいずれか1又は2以上を使用できる。
ここで、粘着性バインダーには、例えば、セルロースやデンプンなどがあり、粘土系バインダーには、例えば、ベントナイトや生石灰などがあり、分散性バインダーには、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムがあり、水硬性バインダーには、例えば、鉄を含む水硬性鉱物結合剤があるが、これらに限定されるものではない。
なお、上述の分散性バインダーは、焼結原料の造粒時に水と共に添加することで焼結原料中に含有される10μm以下の超微粒の水分中での分散性を促進させる作用を有するものであれば良く、無機化合物、有機化合物、低分子化合物あるいは高分子化合物に限らず、特に限定されるものではないが、酸基および/又はその塩を有する高分子化合物が好適である。この中で、重量平均分子量が1000以上、10万以下のポリアクリル酸ナトリウム又は、ポリアクリル酸アンモニウムが、微粒子を分散させる能力が高く、価格的にも安価なため、最も好適に使用できる。
また、上記したバインダーのうち、造粒後に水分の影響を受け易い粘着性バインダー、粘土系バインダー、及び分散性バインダーを使用した場合には、本発明の強度低下抑制剤の効果が顕著に得られる。
ここで、強度低下抑制剤を付着させる対象となる造粒物には、上記した擬似造粒物と微粉造粒物があるが、その中でも、篩い目2mmオーバーのものが50質量%以上(100質量%でもよい)含まれる造粒物が望ましい。
造粒物の大きさが、篩い目2mmアンダーの場合、造粒物の表面積が過大となり、強度低下抑制剤の使用量が増加して経済的でない。また、このように小さな造粒物に強度低下抑制剤を付着させても、この効果が現れない。
なお、造粒物が大きくなれば、強度低下抑制剤の効果が現れるため、特に限定していないが、造粒機で造粒して製造される造粒物の大きさの上限は、常識的には20mm程度である。
次に、強度低下抑制剤に使用する凝集剤、撥水剤、及び疎水剤の種類について説明する。凝集剤とは、一旦凝集状態にある粘土分が、過剰な水分中でも再分散しないような、凝集効果がある(分散機能を抑える)物質である。
こうした物質としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、マグネシウムイオン、又はカルシウムイオンを含む水溶液がある。また、アニリン−ホルムアルデヒド重複合物塩酸塩、ポリヘキサメチレンチオ尿素酢酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの有機凝結剤や、アニオン性、ノニオン性、又はカチオン性の高分子凝集剤などがある。
なお、凝集剤は、上記したものに限らず、粘土分を凝集させる効果のある物質であればよい。また、使用に際しては、上記した物質や形態を組み合わせて使うこともできる。
撥水剤や疎水剤は、水分が造粒物内に侵入することを抑え、造粒物内に過剰に侵入しないような、撥水効果又は疎水効果がある物質である。
こうした物質としては、流動パラフィンや塩化パラフィン、天然ロウや合成ロウなどのパラフィン系撥水剤、トリメチルシリコンや変性アルキルシリコンなどのシリコン系撥水剤、トリクロルメチルシランなどのシラン系ポリマー、フッ素系撥水剤、ウレタン系ポリマーなどがある。
なお、撥水剤や疎水剤は、上記したものに限らず、撥水作用や疎水作用のある物質であればよい。また、使用に際しては、上記した物質や形態を組み合わせて使うこともできる。ここで、撥水剤や疎水剤として例示したこれらの物質は、先行事例を調査したところ、厳密な区別はされていないが、水と鉄鉱石との濡れ性を悪くする物質を意味する。
また、上記した強度低下抑制剤には、酸化カルシウム(生石灰)粉は含めない。これは凝集効果、疎水・撥水効果が小さく、造粒物の強度低下を抑制できないためである。また、酸化カルシウム(生石灰)は、焼結後の焼結鉱の強度を向上させるために重要であり、焼結鉱に含まれる酸化カルシウム量の変化は操業に影響を及ぼすことから、強度低下抑制剤として使用することは好ましくない。
以上に示した造粒物の表層に強度低下抑制剤を付着させる処理の効果は、事前に乾燥処理した造粒物に対して行うことで、より顕著になる。この結果を、図5、図6に示す。
ここで、図5は、乾燥処理した造粒物の結果であり、図6は、乾燥処理していない造粒物の結果である。なお、図5、図6で使用した造粒物は、共に、微粉を分散性バインダー(高分子分散剤)を用いて造粒した微粉造粒物であり、図5、図6中の「○」印は、造粒物の表層に凝集剤の一例である硫酸アルミニウム水溶液(固形分重量:0.06質量%)を付着させたときの結果(処理実施)、「▲」印は、硫酸アルミニウム水溶液を付着させなかったときの結果(無処理)である。
図5に示すように、造粒物に乾燥処理を施した場合は、乾燥によって造粒物の強度が一旦高くなるが、そのまま再湿潤すると、強度は乾燥前と同程度まで低下する(図5中の▲)。これに対し、造粒物の表層に、硫酸アルミニウム水溶液を付着させた場合は、再湿潤による造粒物の強度低下を抑えることができ、高い強度を維持できる(図5中の○)。
また、図6に示すように、造粒物を乾燥しない場合は、造粒物の表層に硫酸アルミニウム水溶液を付着させることで、再湿潤してもその強度を維持できるものの、強度レベルが低位となる(図6中の○)。
以上のことから、造粒物に乾燥処理を施した後、造粒物の表層に強度低下抑制剤を付着させることで、造粒物の強度をより高く維持できることを確認できた。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
まず、前記した既設の造粒ラインを使用して製造した擬似造粒物の表層に、強度低下抑制剤を付着させた結果について説明する。
数種類の鉄鉱石粉と炭材、石灰、および蛇紋岩などの焼結原料を配合した配合原料(鉱石粉:70.5%、石灰:10.0%、蛇紋岩:1.0%、炭材:3.5%、返鉱:15.0%:合計100%)を用い、ドラムミキサー(造粒機)を用いて、加水しながら4分間混合して造粒し、造粒物の水分量を7質量%に調整した。この湿式造粒に際しては、粘土系バインダーとしての作用のある生石灰を添加した。なお、造粒物の水分量は、造粒物の乾燥重量と水分との総和に対する水分の割合である。
このようにして造粒した造粒物を、後述するような試験条件で強度低下抑制剤を付着させて被覆造粒物とした後、鍋焼成装置に積付け、鍋下部より1000mm水柱の負圧で空気を吸引しながら、積付けた造粒物の上表層部に着火して造粒物を焼成した。そして、焼成中の吸引風量(Nm3/時間)を計測し、比較例1の吸引風量を1として、各実施例の通気指数を算出した。従って、通気指数が大きくなるほど、通気性が良好になることになる。
この試験条件と結果を表1に示すと共に、試験結果を図7(A)〜図7(C)に示す。
Figure 0005398820
表1中の比較例1は、造粒物に強度低下抑制剤を付着させることなく、そのまま焼成した場合の結果である。
一方、実施例1〜11は、ドラムミキサーでの造粒時間を4分間とし、造粒途中である3分を経過した時点(造粒処理が75%終了した時点)で、各種の強度低下抑制剤(凝集剤、撥水剤)を散布し、造粒物の表層に付着させた場合の結果である。なお、強度低下抑制剤の付着量を変える試験は、0.01〜0.1質量%の範囲について行ったが、前記した図3、図4に示したように、強度低下抑制剤の付着量の増加に伴って、その効果が徐々に飽和してくるため、ここでは、0.01〜0.03質量%の範囲についてのみ記載した。ここで、実施例1〜3で使用した凝集剤(硫酸アルミニウム)の溶液は、一旦水溶液を造り、これを圧送して造粒物にノズルで噴霧した。図7(A)に、凝集剤溶液の付着量と通気指数との関係を示す(以下の実施例も同様)。なお、凝集剤溶液の付着量とは、凝集剤の粉体重量(有効成分量)である。
また、実施例4〜6で使用した凝集剤(硫酸アルミニウム)の粉体は、篩を用いて解砕しながら、造粒物上に均一に振りかけた。図7(B)に、凝集剤粉体の付着量と通気指数との関係を示す(以下の実施例も同様)。
そして、実施例7〜9で使用した撥水剤(流動パラフィン)は、液体そのものを圧送して造粒物にノズルで噴霧した。図7(C)に、撥水剤の付着量と通気指数との関係を示す(以下の実施例も同様)。更に、実施例10、11は、上記した凝集剤の溶液と撥水剤を同量噴霧した結果である。
表1及び図7(A)〜図7(C)から明らかなように、実施例1〜11のいずれも、比較例1に対して通気性が改善する傾向が確認され、しかも強度低下抑制剤の付着量の増加に伴って、その効果が大きくなる結果が得られた(図7(A)〜図7(C)中の生石灰:◆)。特に、実施例11に示すように、凝集剤の溶液と撥水剤を0.02質量%ずつ、同量噴霧することで、5%の通気改善が可能であった。
以上の結果から、強度低下抑制剤を造粒物の表層に付着させることで、水分凝縮に伴う造粒物の崩壊が抑制され、通気を改善する効果が発現したと考えられる。
なお、上記した結果は、ドラムミキサーの造粒後半で、造粒物の表層に強度低下抑制剤を付着させた場合の結果であるが、ドラムミキサーで造粒処理した後、鍋焼成装置に装入するまでの間で、造粒物の表層に強度低下抑制剤を付着させた場合も、上記した結果と同様の傾向がみられた。
次に、前記した既設の造粒ラインに並設した別系統の造粒ラインを使用して製造した微粉造粒物の表層に、強度低下抑制剤を付着させた結果について説明する。
数種類の鉱石中から、微粉含有量の多い鉱石20質量%を抜出し、これをボールミルで粉砕して、後述する各種のバインダー0.1質量%を添加し、造粒物の水分を9質量%にして、ドラムミキサーで造粒した後、従来公知の熱風バンド式乾燥機で造粒物の水分が2質量%になるまで乾燥した。なお、造粒過程で強度低下抑制剤を添加した。
そして、この微粉造粒物を、残りの80質量%の鉱石から製造した擬似造粒物に混合した後、鍋焼成装置に積付け、鍋下部より1000mm水柱の負圧で空気を吸引しながら、積付けた造粒物の上表層部に着火して造粒物を焼成し、上記した方法で、各実施例の通気指数を算出した。なお、微粉造粒物を混合する擬似造粒物は、上記した比較例1の造粒物、つまり表層に強度低下抑制剤の付着がない水分7質量%の湿潤状態の造粒物である。
この試験条件と結果を表2に示すと共に、試験結果を図7(A)〜図7(C)に示す。
Figure 0005398820
ここでは、微粉鉱石の湿式造粒に際し、バインダーとして粘着性のあるセルロース(粘着性バインダーの一例)、粘土系のベントナイト(粘土性バインダーの一例)、又は分散性の高分子分散剤(分散性バインダーの一例)を用いた。
また、表2中の比較例2は、微粉造粒物に強度低下抑制剤を付着させることなく、混合した微粉造粒物と擬似造粒物とを、そのまま焼成した場合の結果である。
一方、実施例12〜22は、微粉造粒物を乾燥処理した後、80質量%の湿潤した擬似造粒物に混合する前に、各種の強度低下抑制剤(凝集剤、撥水剤)を微粉造粒物の表層に付着させた結果である。なお、強度低下抑制剤の付着量を変える試験は、0.01〜0.1質量%の範囲について行ったが、前記した試験と同様の理由から、ここでは、0.02〜0.06質量%の範囲についてのみ記載した。
ここで、強度低下抑制剤の付着は、乾燥処理後の微粉造粒物をドラムミキサーに入れ、強度低下抑制剤を散布した後、ドラムを3回転させて混合することで行った。
なお、強度低下抑制剤である凝集剤の粉体の散布、また凝集剤の溶液や撥水剤の噴霧は、上記した試験と同様の方法で行った。
このようにして、各種強度低下抑制剤の付着処理を施した微粉造粒物を、80質量%の湿潤した擬似造粒物と合わせ、ドラムミキサーを用いて5回転混合した。その後、一部の微粉造粒物を採取して、その圧壊強度を測定した。
表2及び図7(A)〜図7(C)から明らかなように、実施例12〜22のいずれも、比較例2に対して、造粒物の強度確保と通気の改善効果が認められ、しかも強度低下抑制剤の付着量の増加に伴って、その効果が大きくなる結果が得られた(図7(A)〜図7(C)中のセルロース:●、ベントナイト:▲、高分子分散剤:□)。
なお、粉体の凝集剤を用いた場合は、溶液の凝集剤や撥水剤と比較して、やや効果が低位となったが、これは、粉体が造粒物の表層に均一に分散され難いためと推定される。また、凝集剤は、溶液として用いても、粘着性バインダー(セルロース)に対する効果が、やや小さい結果が得られた。
以上の結果から、本発明の焼結用造粒物の処理方法を使用することで、造粒物が湿潤帯で過剰な水分に曝された場合や、乾燥造粒物を湿潤造粒物に混入させて乾燥造粒物が再吸水した場合でも、造粒物の強度維持が可能であり、しかも連続処理ライン内で連続的に造粒処理を実施できることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の焼結用造粒物の処理方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前述したように、本発明に係る焼結用造粒物の処理方法は、バインダーを用いて湿式造粒した造粒物の表層に、強度低下抑制剤を付着させて、被覆造粒物とするので、造粒物の強度低下を抑制できる。よって、本発明は、鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。

Claims (3)

  1. 粉鉄鉱石を含む鉄源原料、適宜、炭材、及び石灰を含む副原料を含む焼結鉱用の配合原料をバインダーを用いて湿式造粒した造粒物の表層に、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、マグネシウムイオン、カルシウムイオンを含む水溶液、アニリン−ホルムアルデヒド重複合物塩酸塩、ポリヘキサメチレンチオ尿素酢酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤の1つ、又は、これらを組合せた凝集剤、疎水剤、及び撥水剤のいずれか1又は2以上からなる強度低下抑制剤を付着させ、焼結機に供給する被覆造粒物とすることを特徴とする焼結用造粒物の処理方法。
  2. 請求項1記載の焼結用造粒物の処理方法において、前記造粒物に前記強度低下抑制剤を付着させる前に、前記造粒物を乾燥処理することを特徴とする焼結用造粒物の処理方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の焼結用造粒物の処理方法において、前記バインダーは、粘着性バインダー、粘土系バインダー、及び分散性バインダーのいずれか1又は2以上であることを特徴とする焼結用造粒物の処理方法。
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