JP5338665B2 - 量子暗号鍵配付システム - Google Patents

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Description

本発明は、光変調技術に関し、特に光信号の強度を変調する際の動作点制御技術に関する。
急激な成長を続けるインターネットは、便利である反面、その安全性に大きな不安を抱えているため、通信の秘密保持のために高度な暗号技術の必要性が高まっている。現在、一般的に用いられている暗号方式は、DES(データ暗号化規格:Data Encryption Standard)やTriple DESといった秘密鍵暗号方式と、RSA(Rivest Shamir Adleman)や楕円曲線暗号方式のような公開鍵暗号に分類される。しかし、これらは「計算の複雑性」を元にその安全性を保証する暗号通信方法であり、膨大な計算量や暗号解読アルゴリズムの出現によって解読されてしまう危険性を常に孕んでいる。
こういった背景の下、量子力学の原理を応用した暗号化システムと情報伝達システムを統合した量子通信システムが研究されつつあり、その具体例の1つである量子暗号鍵配付システム(QKD:Quantum Key Distribution )は、「絶対に盗聴されない」暗号鍵配付技術として注目されている。
量子暗号鍵配付システムでは、一般に通信媒体として光子を使用し、その量子状態に情報を載せて伝送を行う。伝送路の盗聴者は伝送中の光子をタッピングする等して情報を盗み見るものの、Heisenbergの不確定性原理により、一度観測されてしまった光子を完全に観測前の量子状態に戻すことは不可能となるため、このことによって正規の受信者が検出する受信データの統計値に変化が生じる。この変化を検出することにより受信者は伝送路における盗聴者を検出することができる。
光子の位相を利用した量子暗号鍵配付システムの場合、送信者(いわゆるAlice)に相当する量子暗号送信器と受信者(いわゆるBob)に相当する量子暗号受信器で光学干渉計を構成し、各々の光子に量子暗号送信器および量子暗号受信器でそれぞれランダムに位相変調を施す。この変調位相深さの差によって「0」または「1」の出力を得て、その後、出力データを測定したときの条件の一部分を量子暗号送信器と量子暗号受信器で照合することによって最終的に量子暗号送信器-量子暗号受信器間で同一ビット列を共有することができる。
最も実用化に適した構成として頻繁に用いられている構成の1つとして特表2000−517499号公報(以下、文献1という)またはこの構成を簡略化した、"Automated 'plug & play' quantum key distribution", G. Ribordy, J. D. Gautier, N. Gisin, O. Guinnard and H. Zbinden(以下、文献2)に示されているPlug&Play方式が挙げられる。
図16の方式では、量子暗号受信器1303において、レーザーダイオード1335から光サーキュレータ1334を介して出力された多光子状態の光パルスが、光カプラ1333を介して偏波合分波器1331へ出力され、時間的に分割され偏光が直交した2つの光パルスが光伝送路1302を介して量子暗号送信器1301に送信される。
量子暗号送信器1301では、量子暗号受信器1303からの光パルスを、可変光減衰器1314、遅延線1313、および光位相変調器1312を介してファラデーミラー1311により当該光パルスの進行方向を反転させると同時に偏光方向を90度回転させた後、分割光パルスの間に位相変調器1312で位相差を与え、遅延線1313および可変光減衰器1314を介して量子暗号受信器1303へ送り返すという構成をとっている。
このような折り返し構成により、光パルスを時間的に分割する干渉計と時間的に再び結合させる干渉計は同一のものになるため、干渉計の光路差が光パルスの往復時間より長い時間だけ一定に保たれれば精度の良い干渉を実現できる。
量子暗号鍵配付システムを現実世界で実現した場合、有用な単一光子光源がないため、一般的な通信用レーザーダイオード(LD:Laser Diode)で発生させた光パルスを光減衰器によって単一光子レベルまで光強度を落とす、という方法が代替的に使用されており、このような光パルスをWCP(weak coherent pulse)という。このため、1パルス当たりに光子を2個以上含む可能性が残り、このことが盗聴者にとって有利に働く。中でも、"Quantum cryptography with coherent states", B. Huttner et al., Physical Review A, Vol.51, No.3, pp1863(以下、文献3という)に記載のPNS(Photon Number Splitting)と呼ばれる盗聴法を使用すると、1パルス当たりに光子が2個以上ある場合には、盗聴者はこのビットの情報を100%確実に盗聴することができる。
一方では、このPNS攻撃に対する防衛法も提案されている。例えば、"Quantum Key Distribution with High Loss : Toward Global Secure Communication", W. Y. Hwang et al., Physical Review Letters, Vol.91, No.5, 057901(以下、文献4)に記載のDecoy state(デコイ状態)を使用することによってWCPを使用してもPNS攻撃を防ぐことができる。この技術では、暗号鍵生成に使用するSignal state(例えば0.6[photon/pulse])と、光子検出情報を得るために光子数を変化させたDecoy state(例えば0.1[photon/pulse])を混在させ、ビット毎に両状態をランダムに変化させることによって、PNS攻撃を受けた場合に生じる受信光子数の統計量の変化をモニタする。
"Experimental Decoy State Quantum Key Distribution Over 15 km", Y. Zhao et al., quant-ph/0503192(以下、文献5という)では、図16の量子暗号鍵配付システムと同等の実験系を用いて、このような技術を利用した量子暗号鍵配付の実験報告がなされている。この方式では、量子暗号送信器1301において、量子暗号受信器1303からの光パルスをファラデーミラー1311で反射した後、位相変調器1312でφAの位相変調を施し、量子暗号受信器1303へ送り返す。
また、量子暗号受信器1303において、量子暗号送信器1301からの光パルスを、偏波合分波器1331を介して位相変調器1332と光カプラ1333へ分離し、光パルスに対して位相変調器1332でさらにφBの位相変調を施した後、光カプラ1333を介して光子検出器1336で光子を検出する。これにより、φA−φBの値によって暗号鍵「0」「1」を共有できる。ここで、可変光減衰器1314を駆動してパルス毎の平均光子数、つまり光強度を制御する。
文献5では、光パルス毎の光強度を制御する手段を、一般的に「可変光減衰器」としていた。さらに、"Realizing Decoy State on a High-Speed Quantum Cryptosystem" A. Tanaka et al., Proceedings of ECOC2006, We3.P.186(以下、文献6という)には、光子数制御手段として2電極マッハツェンダー(Mach-Zehnder)LN(LiNbO3:ニオブ酸リチウム)変調器を使用することによって、光信号の位相と強度の同時変調を可能とする構成が記されている。このような変調手法を採用することで、変調タイミング設計の簡便化および動作速度の高速化、システムコストの低減が可能となっている。
光通信において光強度を高速変調する場合、一般的にマッハツェンダー干渉計による光の干渉効果を利用したLN強度変調器か半導体の電界吸収現象を利用したEA(Electro-Absorption)変調器が利用される。後者のEA変調器は強度変調に伴って周波数変動(チャーピング:Chirping)が起こるため、光子の位相を利用した量子暗号鍵配付には適さない。このため、LN強度変調器が最も有力な光強度制御手段となるものの、LN強度変調器ではDCドリフトや温度ドリフトなどにより動作点電圧シフトが生じる。
以下にドリフトの影響と、ドリフトを補償するための一般的なオート・バイアス・コントロール(ABC:Auto Bias Control)回路の原理を示す。
正常な変調動作の場合、図17Aのような出力光が得られる。LN強度変調器の変調曲線(トランスファーカーブ)はcos2乗の函数曲線であり、この曲線上の最大点と最小点に合わせて駆動信号を施すことによって、最も特性の良い光信号、すなわち消光比(On/Off強度比)の最も大きい光信号を得ることができる。
駆動信号に対して変調曲線が負側(図左側)にドリフトした場合、出力光は図17Bのように変化する。この例では、図17Aで最も光を消光していた電圧「0」を施しても出力光は消光しきらず、最も光を透過していた電圧「1」を施しても出力光はある程度消光され弱くなる。
一方、駆動信号に対して変調曲線がプラス側(図右側)にドリフトした場合、出力光は図17Cのように変化し、この例でも出力光の消光比は劣化する。この際、「0」レベルの光強度が高くなり「1」レベルの光強度が低くなるため、出力光の合計強度はドリフトの有無に係わらずほぼ一定となり、この光強度情報を元にバイアス制御を行っても精度の良い制御は行えない。
このため、光通信において、LN強度変調を用いて光強度を高速変調する場合、その光強度変調動作を長時間安定動作させるためには、このような動作点電圧シフトを補償する必要がある。
従来、光強度変調器のバイアス制御技術として、特開2004−093969号公報(以下、文献7という)には、図18Aに示すように、マッハツェンダー干渉計出力にモニタPD(フォトダイオード)を配置して、光強度変調後の光信号をモニタし、この光信号に重畳されているパイロット信号をバイアス制御にフィードバックする技術が提案されている。
図18B,図18Cに示すように、変調器駆動信号に周波数fp[Hz]のパイロット信号を重畳した場合、動作点が正しい位置にある場合、駆動信号の「0」レベルおよび「1」レベルはともに変調曲線の極小・極大点に相当するため、出力光は極点で折り返されて2fp[Hz]の速度で強度変化する。一方、動作点が誤った位置にある場合は、出力光に2fp[Hz]成分は発生しない。したがって、このような現象を利用して、光強度変調後の出力光に重畳されている2fp[Hz]成分をモニタし、この出力光の2fp[Hz]成分を最大にするようバイアス制御を行うことにより、ドリフトを補償することが可能となる。
その他、"NOVEL AUTOMATIC BIAS VOLTAGE CONTROL FOR TRAVELLING-WAVE ELECTRODE OPTICAL MODULATORS", T. Kataoka et al., ELECTRONICS LETTERS, Vol.27, No.11, p943(以下、文献8という)では、進行波型電極の特徴を利用したバイアス制御方法が提案されている。この方式では、変調器駆動信号の伝播方向に対し光の伝播方向が逆方向であるときに変調器の帯域が大幅に削減される、という現象を利用し、駆動信号と逆方向に伝播するプローブ光の平均パワーの変動から変調器のバイアス変動を検知している。
しかしながらこのような従来技術では、光強度変調後の光信号に重畳されている特定の周波数成分をモニタして、光強度変調時のバイアス制御にフィードバックしているため、光信号が微小強度である量子通信に対して適用できないという問題点があった。
量子通信では、微小強度の光信号を用いているため、このような光信号をモニタしても、各々の光パルスの中に光子が「1:検出できた」か「0:検出できなかった」かの2値データしか得られない。また、伝送路損失や光子検出器効率によって大部分のパルスで光子は検出できない。したがって、光強度変調後の光信号を光子検出器でモニタした場合の出力は、大部分の「0」(光子未検出)の中に稀に「1」(光子検出)が現れるようなデータとなる。
このため、微小強度の光信号に対して、従来技術のように、例えば図18Aに示したような2fp[Hz]成分からなるパイロット信号を重畳しても、この周波数成分を適切にモニタすることができず、光強度変調のバイアス制御に利用できない。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、微小強度の光信号を通信媒体として用いる量子通信であっても、その光信号を光強度変調する際の動作点を適切に制御することが可能な量子暗号鍵配付システム、光送信器、光変調制御回路、および光変調制御方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる量子暗号鍵配付システムは、光子源から出力された光パルスを第1の乱数に基づき位相変調する第1の光位相変調器と、前記第1の光位相変調器で位相変調した後の光パルスを第2の乱数に基づき強度変調し、光伝送路を介して第2の光位相変調器へ送信する光強度変調器と、前記光伝送路を介して受信した光パルスを第3の乱数に基づき位相変調する前記第2の光位相変調器と、前記第2の光位相変調器で位相変調した光パルスから光子を検出する光子検出器と、前記光子検出器で検出した各光子の光子検出結果および前記第3の乱数を示す乱数情報を前記第1の鍵蒸留回路へ通知する第1の鍵蒸留回路と、前記第1の鍵蒸留回路から通知された前記光子検出結果および前記乱数情報と前記第1の乱数とを照合することにより暗号鍵を生成する第2の鍵蒸留回路と、前記光強度変調器で強度変調された後の光パルスに含まれる光子の数を計数する計数回路と、前記計数回路で得られた光子数に基づいて前記光強度変調器の動作点を制御する光変調制御回路とを備えている。
また、本発明にかかる光送信器は、入力された光信号を強度変調して出力する光変調器と、光変調器の強度変調を制御する駆動信号を生成して光変調器へ出力する駆動信号生成回路と、光変調器で強度変調した光信号から検出した光子数に関する光子検出情報に基づいて駆動信号の動作点を制御する光変調制御回路とを備えている。
また、本発明にかかる光変調制御回路は、光変調器で強度変調した光信号から検出した光子数に関する光子検出情報を取得する情報取得部と、この情報取得部で取得した光子検出情報に基づき光変調器の動作点を制御する動作点制御部とを備えている。
また、本発明にかかる光変調制御方法は、光変調器で強度変調した後の光信号から検出した光子数に関する光子検出情報に基づいて光変調器の動作点を制御している。
本発明によれば、微小強度の光信号についても変調後の光信号状態を光子検出数として検出でき、この光子検出数に基づいて光強度変調時の動作点を制御することが可能となる。したがって、微小強度の光信号を媒体とする量子通信であっても、その光信号を光強度変調する際の動作点を適切に制御でき、長時間安定して光変調動作を維持することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる量子通信システムの構成を示すブロック図である。 図2Aは、バイアス制御回路の構成例を示すブロック図である。 図2Bは、乱数源の構成例を示すブロック図である。 図3は、光子の位相を利用した量子暗号鍵配付の概念を示す説明図である。 図4は、残留エラー検知過程を示す従来例である。 図5は、公知の秘匿増強過程のフローシーケンス図である。 図6Aは、量子暗号送信器の光変調器での光変調動作(正常時)を示す信号波形図である。 図6Bは、量子暗号送信器の光変調器での光変調動作(負側シフト時)を示す信号波形図である。 図6Cは、量子暗号送信器の光変調器での光変調動作(正側シフト時)を示す信号波形図である。 図7は、本発明の第1の実施形態にかかる量子通信システムにおける光変調器バイアス制御処理を示すフローチャートである。 図8は、本発明の第1の実施形態にかかる量子通信システムの他の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第2の実施形態にかかる量子通信システムの構成を示すブロック図である。 図10Aは、2電極型光強度変調器を示す簡略図である。 図10Bは、2電極型光強度変調器の変調動作を示す信号波形図である。 図11は、本発明の第2の実施形態にかかる量子通信システムにおける光変調器バイアス制御処理を示すフローチャートである。 図12Aは、駆動信号間のオフセットを変化させた際(Pμ:Pμ':P0=1:1:1)の光子検出器の計測数の変化を説明図である。 図12Bは、駆動信号間のオフセットを変化させた際(Pμ:Pμ':P0=4:1:1)の光子検出器の計測数の変化を説明図である。 図12Cは、駆動信号間のオフセットを変化させた際(Pμ:Pμ':P0=16:1:1)の光子検出器の計測数の変化を説明図である。 図13は、本発明の第2の実施形態にかかる量子通信システムにおける光変調器バイアス制御処理を示す他のフローチャートである。 図14は、本発明の第2の実施形態にかかる量子通信システムにおける光変調器バイアス制御処理を示す他のフローチャートである。 図15は、本発明の第2の実施形態にかかる量子通信システムにおける光変調器バイアス制御処理を示す他のフローチャートである。 図16は、一般的な量子暗号鍵配付システムの構成を示すブロック図である。 図17Aは、ドリフトの影響による光波形歪み(正常時)を示す信号波形図である。 図17Bは、ドリフトの影響による光波形歪み(負側ドリフト時)を示す信号波形図である。 図17Cは、ドリフトの影響による光波形歪み(正側ドリフト時)を示す信号波形図である。 図18Aは、文献7に記載されたバイアス電圧制御の構成を示すブロック図である。 図18Bは、文献7に記載されたバイアス電圧制御動作(正常時)を示す信号波形図である。 図18Cは、文献7に記載されたバイアス電圧制御動作(正側ドリフト時)を示す信号波形図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態にかかる量子通信システムについて説明する。
図1の量子通信システムは、乱数や暗号鍵などの所望のデータにより単一光子レベルの微小強度の光信号を光変調して送信する量子暗号送信器11と、光伝送路12を介して量子暗号送信器11から届いた光信号を検出して元のデータを出力する量子暗号受信器13とから構成されている。
本実施形態は、量子暗号送信器11により、所望のデータに基づいて光信号に対し光位相変調および光強度変調を行うことにより量子暗号受信器13へ送信する所望の光信号を生成し、この所望の光信号から検出された光子検出数に基づいて光強度変調時の動作点を制御するようにしたものである。
本実施形態では、量子通信システムのうち、"BB84 Quantum Key Distribution System Based on Silica-Based Planar Lightwave Circuits", Y. Nambu et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol.43, No.8B, 1109(以下、文献9)に記載されたような単一方向型の量子暗号鍵配付システムにDecoy stateを導入した場合を例に説明する。以下では、Decoy stateとして平均光子数=0.1[photon/pulse]の状態を設定し、Signal stateとして平均光子数=0.6[photon/pulse]の状態と設定する。
量子暗号送信器(光送信器)11は、単一光子レベルの微小強度の光信号を光変調して量子通信を行う光通信装置であり、主な機能部として、光子源1101、非対称マッハツェンダー干渉計1102、位相変調器1103,1104、LN強度変調器1105、変調器ドライバ1106,1107,1109、バイアス制御回路1108、乱数源1110〜1112、および鍵蒸留回路1113が設けられている。この際、位相変調器1103,1104が請求項1の第1の光位相変調器に相当し、LN強度変調器1105が請求項5の光変調器に相当し、変調器ドライバ1109が請求項5の駆動信号生成回路に相当し、鍵蒸留回路1113が請求項1の第2の鍵蒸留回路に相当する。また、乱数源1110、1111で生成される乱数が請求項1の第1の乱数に相当し、乱数源1112で生成される乱数が請求項1の第2の乱数に相当する。
量子暗号通信時において、量子暗号送信器11は、光子源1101によって単一光子レベルの微小強度からなる光パルス(光子パルス)を送出し、非対称マッハツェンダー干渉計1102で時分割された2連パルスを作り出す。この2連パルスの内に片方に対して、位相変調器1103、1104で位相変調を施し、4状態の位相変調信号(「0」,「π/2」,「π」,「3π/2」)を作り出す。位相変調器1103は乱数源1110出力の乱数で駆動し、位相変調器1104は乱数源1111出力の乱数で駆動する。
この際、位相変調器1103では、光パルスに対して「0」または「π」の位相変調が加わるように、また、位相変調器1104では、光パルスに対して「0」または「π/2」の位相変調が加わるように、各々の変調器ドライバ1106、1107の利得を設定する。
図2Aに示すように、バイアス制御回路1108(光変調制御回路)は、計数回路135から送信されたデータ信号を受信することにより、計数回路135から通知された光子検出情報を取得する情報取得部1108Aと、この光子検出情報に基づいてLN強度変調器1105の強度変調を制御するための駆動信号のバイアス電圧を制御することにより動作点を制御する動作点制御部1108Bとを有しており、量子暗号受信器13で取得された光子検出情報に基づいて、動作点制御部によりLN強度変調器1105の動作点を制御する。
乱数源1112は、乱数源1110、1111と異なり、出現頻度に偏りを有する複数の異なる振幅値をとる乱数として、例えば単位時間あたりの「1」の割合を示すマーク率が50%でない乱数を作り出し、得られた乱数パルス信号に基づき、複数の異なる振幅値、例えば2値をとる電気信号を駆動信号として出力する。ここでの強度2値はSignal StateとDecoy Stateに対応する。
バイアス制御回路1108は、情報取得部1108Aで取得した光子検出情報(デジタル情報)を、動作点制御部1108BによりD/A変換して、ドライバで適正な直流のバイアス制御電圧に変換した後、変調器ドライバ1109を介して入力された乱数源1112からの乱数パルス信号、すなわち駆動信号に対して、加算器でバイアス制御電圧を加算した後、LN強度変調器1105へ出力する。
LN強度変調器1105は、光検出情報に基づきバイアス制御された、乱数源1112からの乱数パルス信号からなる駆動信号で駆動され、位相変調器1104からの光パルスに対して2値の強度変調を行う。これにより、LN強度変調器1105では、入力された光信号の各光パルスに対して、駆動信号に基づき変調度の異なる強度変調を不均一な頻度で施すことになる。
このようにして、量子暗号送信器11において、それぞれ乱数に基づき個別に位相変調および強度変調された光パルスは、光伝送路12を通り、量子暗号受信器13へと入射する。
量子暗号受信器13は、単一光子レベルの微小強度からなる光信号を光変調して量子通信を行う光通信装置であり、主な機能部として、位相変調器131、非対称マッハツェンダー干渉計132、光子検出器133、変調器ドライバ134、計数回路135、乱数源136、および鍵蒸留回路137が設けられている。この際、位相変調器131が請求項1の第2の光位相変調器に相当し、鍵蒸留回路137が請求項1の第1の鍵蒸留回路に相当する。また、乱数源136で生成される乱数が請求項1の第3の乱数に相当する。
量子暗号受信器13では、位相変調器131により、2連パルスの内の量子暗号送信器で変調を施さなかった光パルスに対して「0」または「π/2」の2値位相変調を施し、量子暗号送信器側の非対称マッハツェンダー干渉計1102と同じ光路差を有する非対称マッハツェンダー干渉計132によって2つのパルスを干渉させる。干渉後の光パルスは、特開2003−243691号公報(以下、文献10という)に記載の平衡型ゲートモードの光子検出器133を用いて検出する。鍵蒸留回路1113,137は、各変調に使用した乱数と光子検出器133において検出した光子検出情報を元に最終鍵を生成する。
ここで、量子暗号受信器13は、計数回路135によって、光子検出器133における単位時間当たりの光子数(光子検出数)を計測し、光子検出情報として量子暗号送信器11のバイアス制御回路1108へデータ信号により送信する。
バイアス制御回路1108は、計数回路135から送信されたデータ信号を受信することにより、計数回路135から通知された光子検出情報を取得する情報取得部と、この光子検出情報に基づいてLN強度変調器1105の動作点を制御する動作点制御部とを有し、情報取得部で取得された光子検出情報に基づいて、動作点制御部によりLN強度変調器1105の駆動信号のバイアスを制御する。
乱数源1112では、マーク率が50%より外れた乱数を出力しなければならないものの、乱数に周期性や規則性が存在してはならない。これは盗聴者に各パルスの平均光子数を推定させないためである。
乱数源1110〜1112は、図2Bに示すように、セレクタ204,205,209,210、ゲート回路206〜208、およびDFF212の組合せ回路から構成されている。
乱数源1110〜1112において、制御レジスタ211によりセレクタ204,205,209,210を切替制御することにより、物理源乱数201〜203からの乱数出力データが所望のマーク率で組み合わされて、DFF212で所定のクロックに合わせて同期出力される。本回路を使用すると出力乱数のマーク率を0〜100%まで12.5%刻みに設定することができる。乱数の規則性を無くすために物理乱数源201〜203からの出力乱数を元に出力乱数を作成する。
マーク率50%の乱数を出力したい場合は、セレクタ204で「0」を出力するように選択することによってANDゲート206の出力を常に「0」とすることで、NORゲート208の出力が物理乱数源203出力の反転となるため、セレクタ209でNORゲート208出力を選択すれば、セレクタ210の設定に係わらず出力乱数のマーク率は50%となる。マーク率25%や75%の乱数を出力したい場合は、セレクタ204で物理乱数201出力を選択し、セレクタ205で「1」を出力するように選択することによって、物理乱数201出力がANDゲート206出力となるため、ANDゲート207出力乱数のマーク率は25%となる。セレクタ209ではANDゲート207出力を選択し、セレクタ210を切り替えることで、出力乱数のマーク率を25%と75%で切り替えることができる。
マーク率12.5%や87.5%の乱数を出力したい場合は、セレクタ204で物理乱数源201出力を選択し、セレクタ205で物理乱数源202出力を選択することによってANDゲート207出力は12.5%の乱数となるため、セレクタ209でANDゲート207出力を選択し、セレクタ210を切り替えることで、出力乱数のマーク率を12.5%と87.5%で切り替えることができる。最後に、マーク率37.5%や62.5%の乱数を出力したい場合は、セレクタ204で物理乱数源201出力を選択し、セレクタ205で物理乱数源202出力を選択することによってNORゲート208出力乱数のマーク率は37.5%となるため、セレクタ209でNORゲート208出力を選択し、セレクタ210を切り替えることで、出力乱数のマーク率を37.5%と62.5%で切り替えることができる。
図3には、図1に示した量子暗号送信器11および量子暗号受信器13を量子暗号鍵配付システムの送信側および受信側として用いた場合が示されている。この場合、量子暗号送信器11において、乱数源1110,1111の出力乱数が図3の送信側におけるデータAと基底Bにそれぞれ相当し、位相変調器1104から出力される位相変調信号の位相が図3の送信側における位相Cに相当する。なお、乱数源1112の出力乱数は、光強度変調に用いられる乱数である。
一方、量子暗号受信器13の乱数源136の出力乱数が図3の送信側における基底Dに相当し、位相変調器131のから出力される位相変調信号の位相が図3の送信側における位相Eに相当する。また、量子暗号受信器13の光子検出器133から鍵蒸留回路137へ出力される乱数情報が出力F(光子検出情報)に相当する。
鍵蒸留回路137は、光子検出器133で検出した光子検出情報と乱数源136で生成した乱数を示す乱数情報を、光伝送路12とは別個の通信回線を介して鍵蒸留回路1113へ通知する。鍵蒸留回路1113は、鍵蒸留回路137から通知された光子検出結果および乱数情報と、乱数源1110〜1112で生成した乱数とを照合することにより暗号鍵を生成する。
光子の位相を利用した量子暗号鍵配付方法の場合、送信者と受信者(以下AliceとBobと称する)で干渉計を組織し、各々の光子にAliceおよびBobでそれぞれランダムに位相変調を施す。この変調位相深さの差によって「0」または「1」の出力を得た後、出力データを測定したときの条件の一部分をAliceとBobで照合することによって最終的にAliceとBob間で同一ビット列を共有することができる。以降、この共有ビット列を秘密ビット列(秘密鍵)と称する。
こうして共有した秘密ビット列KA,KBには伝送路および受信器の性能に起因する誤りが含まれており、最終的な暗号鍵を生成するためには、暗号鍵抽出作業が必要となる。この作業には、誤り訂正過程、後段の秘匿増強過程を行う前に共有ビット列に誤りがないことを確認する残留エラー検知過程、および当該誤りが伝送路における盗聴によって発生していると仮定して鍵情報の振るい落としを行う秘匿増強過程がある。
上記の誤り訂正過程の従来例として、"Secret-key Reconciliation by Public Discussion" G.Brassard and L.Salvail, in Advances in Cryptology - EUROCRYPT '93 Procedings, Lecture Notes in Comuter Science, Vol.765, p410-423(以下、文献11という)に示されたような方法がある。この方法では、送受信者が秘密ビット列を複数のブロックに分割し、各ブロックのパリティを照合することによって誤りを含むブロックを特定し、当該ブロックに関してハミング符号を適用する等して誤り訂正を行う。加えて、1つのブロック内に偶数個の誤りを含む場合を想定し、秘密ビット列をランダムに並び替えて再度パリティ照合並びに誤り訂正を行う。ここで、ランダム置換を行うために上記の秘密ビット列KA,KBとは別の乱数を共有する必要がある。前述の、量子暗号鍵配付で共有した乱数(秘密ビット列)との混同を避けるために、以降、暗号鍵抽出作業で使用する乱数を単に共有乱数と称する。この過程で秘密ビット列KA,KBは圧縮されてKA’,KB’になる。
図4に示すように、残留エラー検知過程を示す従来例において、Aliceは内部で乱数(パリティ検査ビット情報)を生成し、自身の保有する誤り訂正後の秘密ビット列KA’に関して上記乱数で指定されたビット位置のパリティを計算し、乱数(パリティ検査ビット情報)とともにBobに送信する。Bobは受け取った乱数に基づいて自身の保有する秘密ビット列KB’のパリティを計算し、Aliceの計算したパリティと一致するかどうかを判断してOKかNGかを送信者に連絡する。以上のような確認作業を複数回(V回とする)繰り返すことによって秘密ビット列の残留エラー検知を行う。ただし、以上のようにパリティを公開することによってVビットの情報量が第三者に漏れているため、Vビットの鍵を破棄する。この過程で秘密ビット列KA’,KB’はKA”,KB”となる。
また、秘匿増強過程の従来例としては、"Generalized Privacy Amplification" C. H. Bennet, G. Brassard, C. Crepeau, and U. M. Maurer, IEEE Trans. Inf. Theory, Vol.41, No.6, p1915(以下、文献12という)に示されたような方法がある。図5に示すように、公知の秘匿増強過程では、Aliceは内部で乱数(パリティ計算ビット)を生成し、自身の保有する秘密ビット列KA”に関して上記乱数で指定されたビット位置のパリティを計算して、概パリティを1ビットの鍵とする。続いて上記の乱数(パリティ計算ビット)をBobに送信する。受信者は受け取った乱数に基づいて自身の保有する秘密ビット列KB”のパリティを計算し、概パリティを1ビットの鍵とする。上記作業を繰り返し、伝送路において盗聴されたと考えうる分の情報量を破棄して、新たな秘密鍵を作成する。以上に示したように、誤り訂正過程、残留エラー検知過程、および秘匿増強過程には、ともにビット位置を指定するための共有乱数が必要となる。
[第1の実施形態の動作]
次に、図6A〜図6Cを参照して、本発明の第1の実施形態にかかる量子通信システムの動作について説明する。
まず、図6Aは、LN強度変調器の動作点が正しい位置にある場合を示しており、光強度の最も強い状態がSignal stateに、弱い状態がDecoy stateに対応している。ここで、LN強度変調器駆動信号のマーク率は50%からずれていて、Signal stateをより多く作り出すようになっている。したがって、平均光強度はSignal stateのそれに近く、つまり光子検出器での計測数もSignal stateの光強度でほぼ決定される。
一方、図6Bは、変調曲線が変調器駆動信号に対して負側(図左側)にシフトした場合を示している。図6Aで最も光を消光していた電圧を施した場合の光出力が高くなり最も光を透過していた電圧を施した場合の光出力は弱くなるものの、平均光強度はSignal stateのそれに近いため、図6Aと比べて明らかに低くなる。
変調曲線がプラス側(図右側)にシフトした場合も同様、図6Cに示すように平均光強度は図6Aと比べて明らかに低くなる。つまり、変調曲線と変調器駆動信号を図6Aの状態に保つためには、計数回路135での計測数が最大となるよう、図1のバイアス制御回路1108を駆動すればよい。
次に、図7を参照して、本発明の第1の実施形態にかかる量子通信システムにおける光変調器バイアス制御動作について説明する。ここでは、単位時間当たりにおけるすべての光パルスからの光子検出数を光子検出情報として用いる場合を例として説明するが、いずれかの変調度の光パルスからの光子検出数を光子検出情報として用いてもよく、異なる変調度の光パルスごとに計数した光子検出数の比を光子検出情報として用いてもよい。
量子暗号受信器13の計数回路135は、単位時間T秒毎の計測数をバイアス制御回路1108へ順次送信する。量子暗号送信器11のバイアス制御回路1108は、単位時間当たりの光子検出数からなる計測数Nを量子暗号受信器13から受信し、バイアス制御方向の正負を決定する変数Flgとして初期値「0」を記憶部(図示せず)に保存した後(ステップS401)、初回のみ、仮に変調信号のバイアスを+V0だけシフトする(ステップS402)。
続いて、バイアス制御回路1108は、量子暗号受信器13から通知された光子計測数NをN'として記憶部に保存し、次の単位時間当たりの計測数Nと比較する(ステップS403)。ここで、N−N'が予め記憶部に設定してある参照値Nref1より大きい場合、つまりバイアスシフトによって計測総数が増加した場合(ステップS404:YES)、変数Flgの値を確認する。ここで、Flgの値が「0」であれば(ステップS405:YES)、変調信号のバイアスを+V0だけ、すなわち正側にシフトし(ステップS406)、逆にFlgの値が「1」であれば(ステップS405:NO)、変調信号のバイアスを−V0だけ、すなわち負側にシフトする(ステップS407)。
この際、ステップS405の判断を初回に行う場合、変数Flgは初期値「0」に設定されているため、常にステップS406へ移行することになる。また、ステップS406またはS407でのバイアスシフト後、ステップS403へ戻って、現在の光子計測数N'と次の新たな単位時間当たりの計測数Nとの比較を繰り返し実行する。
一方、ステップS404において、N−N'が参照値Nref1以下の場合(ステップS404:NO)、N'−Nと予め記憶部に設定してある参照値Nref2を比較する。ここで、N'−Nが参照値Nref2より大きい場合、つまりバイアスシフトによって計測総数が減少した場合(ステップS408:YES)、変数Flgの値を確認する。ここで、Flgの値が「0」であれば(ステップS409:YES)、変調信号のバイアスを−V0だけ、すなわち負側にシフトするとともにFlgに「1」を設定し(ステップS410)、逆にFlgの値が「1」であれば(ステップS409:NO)、変調信号のバイアスを+V0だけ、すなわち正側にシフトするとともにFlgに「0」を設定する(ステップS411)。
光子受信器での計測数は特定の誤差をもって変動するため、Nref1およびNref2はこの誤差範囲以上とすることが望ましい。ステップS406またはS407でのバイアスシフト後、ステップS403へ戻って、現在の光子計測数N'と次の新たな単位時間当たりの計測数Nとの比較を繰り返し実行する。
以上のようなフローにしたがって変調信号のバイアスを制御することによって、変調曲線と変調信号が正しい関係に保たれる。
[第1の実施形態の効果]
従来のオート・バイアス・コントロール回路は、量子通信システムで使用する光強度変調器のバイアスを制御することができなかった。これは、従来の方式が変調器出力の光をモニタPDで受光し、変調後の光信号の情報を元にバイアス制御を行っていたのに対し、量子通信システムでは単一光子レベルの微小強度の光強度を使用するため、モニタPDで変調光信号情報を得ることができなかったためである。
これに対して、本実施形態は、量子暗号送信器11において、位相変調器1103,1104とLN強度変調器1105を用いて、所望のデータに基づいて光信号に対し光位相変調および光強度変調を行うことにより量子暗号受信器13へ送信する所望の光信号を生成し、この所望の光信号から検出された光子検出数に基づいて、バイアス制御回路1108により、LN強度変調器1105での光強度変調時の動作点を制御するようにしたので、単一光子レベルの光強度を利用する量子通信であっても、変調後の光信号状態を光子検出数として検出でき、この光子検出数に基づいて光強度変調時の動作点を制御することが可能となる。
したがって、微小強度の光信号を媒体として所望のデータを送受信する量子通信システムであっても、その光信号を光変調する際の動作点を適切に制御でき、長時間安定して光変調動作を維持することができる。
また、単一光子レベルの信号を受光するために量子暗号受信器13に配置された光子検出器133での光子検出情報に基づいて量子暗号送信器11の光LN強度変調器1105のバイアス制御を行うようにしたので、光子検出のための新たに追加する構成を最小限に抑えることができ、システム全体のコストを低減できる。
本実施形態では、量子暗号受信器13で得られた光子検出情報を量子暗号送信器11へ通知する場合を例として説明したがこれに限定されるものではなく、量子暗号送信器11で光子検出情報を得るようにしてもよい。
図8の例では、量子暗号送信器51のLN強度変調器1105からの出力直後に分光器5101を設けて光を分岐し、その一方は、光伝送路52を介して量子暗号受信器53へ送信し、他方は、光子検出器5102で光子を検出し、得られた光子検出情報に基づいて、計数回路5103で光子検出器133における単位時間当たりの光子検出数を計測して、バイアス制御回路1108へフィードバックしている。この際、分光器5101での分岐により光強度の低減を考慮してLN強度変調器1105から適切な光強度で光を出力すればよい。
また、従来のバイアス制御回路で使用していた、変調器駆動信号に周波数fp[Hz]のパイロット信号を重畳して変調後光信号の2fp[Hz]成分をモニタすることによって制御精度を向上させる、という方法は、量子暗号鍵配付で使用する光強度変調器を制御するためには用いることができなかった。これは、量子暗号鍵配付において強度変調後の信号情報を得るためには上記のように光子検出器を使用せざるを得ないにも係わらず、光子検出器で得られる情報は各々のパルスの中に光子が検出されたか否かの2値情報のみであるため、変調器駆動信号にfp[Hz]のパイロット信号を重畳しても、光子検出情報からは2fp[Hz]成分を抽出することができないためである。
本実施形態では、変調器駆動信号のマーク率を50%からシフトさせることによって、光子検出総数の情報のみによって変調器のバイアス変動を精度良く監視することを可能としている。通常の光通信において送信信号のマーク率を50%からシフトさせると、送信できる情報量が減少するというデメリットを有するが、Decoy stateを利用した量子暗号鍵配付ではこのマーク率の偏りを有効利用できる。この際、マーク率を50%からシフトさせる代わりに、後述する第2の実施形態のように、3つ以上の多値レベルの比を代えても同じことが云える。
一般的に、Decoy stateの光パルスは生成暗号鍵の元となる乱数共有には使用せず、PNS盗聴が存在した場合の計測数の変化や伝送路損失を監視するために利用する。この理由として、Decoy stateの光パルスを乱数共有に利用した場合には漏洩情報量推定のための計算量が増加すること、およびDecoy stateの平均光子数はSignal stateよりも低く本質的に多くのビットを共有できないこと、が挙げられる。このような理由により、Signal stateの光強度が変調曲線の最大透過強度となり、またDecoy stateの光強度が適切に消光した状態となるように変調器駆動信号レベルを設定し、Signal stateの割合が多くなる方向にマーク率を50%からシフトさせることによって、効率良く量子暗号鍵配付を行うことができる。
また、本実施形態では、Decoy stateの平均光子数をSignal stateのそれよりも低く設定したが、Decoy stateの平均光子数をSignal stateのそれよりも高く設定する場合は、逆に、Decoy stateの光パルスを乱数共有に利用し、マーク率偏りを本実施形態と逆にすることによって同様の議論が行える。
また本実施形態では、送信光信号を生成する際、光パルスの位相変調を行った後に強度変調を行ったが、これらの変調順序は逆でもよい。光パルスの位相を4状態に設定するために本実施形態では2つの位相変調器を使用したが、1つの位相変調器を4値信号で駆動する構成としてもよい。
[第2の実施形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施形態にかかる量子通信システムについて説明する。
この量子通信システムは、乱数や暗号鍵などの所望のデータにより単一光子レベルの微小強度の光信号を光変調して送信する量子暗号送信器61と、光伝送路62を介して量子暗号送信器61から届いた光信号を検出して元のデータを出力する量子暗号受信器63とから構成されている。
第1の実施形態では、文献9に記載されたような単一方向型の量子暗号鍵配付システムにDecoy stateを導入した場合を例に説明した。本実施形態では、文献2に記載されたような往復型の量子暗号鍵配付システムにDecoy stateを導入した場合を例に説明する。以下では、Decoy stateとして平均光子数=0.3[photon/pulse]の状態を設定するとともに、Signal Stateとして平均光子数=0.6[photon/pulse]の状態と設定し、さらに、漏洩情報量を精度よく推定するために、平均光子数=0の状態も混在させて設定する。
量子暗号受信器63は、単一光子レベルの光信号を光変調して量子通信を行う光通信装置であり、主な機能部として、偏波合成器631、位相変調器632、光カプラ633、サーキュレータ634、レーザーダイオード635、光子検出器636、および計数回路637が設けられている。
量子暗号受信器63において、レーザーダイオード635から出力された光パルスは、サーキュレータ634によって光カプラ633へと送られる。この光パルスは光カプラ633によって2分岐され、一方は、直接、偏波合成器631へと送られ、他方は位相変調器632を通過して偏波合成器631へと送られる。
偏波合成器631は、光カプラ633と位相変調器632から入力された2つの光パルスを合波して光伝送路62へと送り出すが、この際2つの経路に差を与えておき、2つのパルスは時間的に分割されて多重化される。
量子暗号送信器61は、単一光子レベルの光信号を光変調して量子通信を行う光通信装置であり、主な機能部として、2電極型LN変調器611、偏波合分波器612、光減衰器613、バイアス制御回路614、およびAM/PM駆動信号ドライバ615が設けられている。この際、2電極型LN変調器611から第1の光変調器および第2の光変調器が実現される。
光伝送路62を通過した光パルスは、量子暗号送信器61で受信され、偏波合分波器612で偏波状態によって分離される。分離後、PBSループを周回する間に2電極型LN変調器611において位相変調および強度変調が施され、再度、偏波合分波器612で結合され、量子暗号受信器63へ反射される。ここで、特開2003−335228号公報(以下、文献13)に記載の変調方法を使用することによって偏光を90°回転して反射することができる。
文献13記載の変調方法を実現するために、本実施形態では2電極型LN変調器611を使用した文献6の方法を利用している。AM/PM駆動信号ドライバ615の入力信号RND1〜RND4の値を元に、2電極型LN変調器611において光パルスの位相と強度を設定する。ここでは、例えばRND1およびRND2により、データおよび基底を設定することにより位相を設定し、RND3およびRND4で強度を設定すればよい。
光伝送路62を通過して量子暗号受信器63に到達した時点で、光パルスは往路とは偏波状態が90°回転されているため、偏波合成器631で往路とは異なった経路に各々のパルスを送り出す。
したがって、量子暗号受信器63から送り出し時に光カプラ633で分岐された光は、どちらも量子暗号受信器63→量子暗号送信器61→量子暗号受信器63の同じ長さの経路を通過し、再び光カプラ633で合波され干渉が生じる。干渉後の単一光子レベルの光パルスは文献10に記載の平衡型ゲートモードの光子検出器636を用いて検出する。
本実施形態では文献6の方法を利用して、光信号の位相および強度を同時変調する手法を採用したが、図10A,10Bのように、2電極型光強度変調器の機能は等価的に光位相変調部と光強度変調部を分離して表すことができる。強度変調によってパルス毎の平均光子数をμ:0.6[photon/pulse]、μ':0.3[photon/pulse]、0[photon/pulse]の3通りに設定する。但し、μ>μ’>0とする。このために変調器駆動信号を3値信号とし、3値の設定割合を1:1:1からシフトさせる。
[第2の実施形態の動作]
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施形態にかかる量子通信システムの動作について説明する。
本実施形態では、図7の光変調器バイアス制御処理を少し変更した図11のフローチャートを使用してバイアス制御を行うことができる。すなわち図7のS402、S406、S407、S4010、S411で行っていたバイアスシフトに代えて、バイアス制御回路614により、量子暗号受信器63の計数回路637からの光子検出情報、すなわち単位時間当たりの光子検出数に基づいて、2電極型LN変調器611の駆動信号V1(T)、V2(T)の間のオフセットを変化させる(S802、S806、S807、S810、S811)。他のステップについては、図7と同様であり、ここでの説明は省略する。
また、第1の実施形態では、2値の駆動信号により変調度の異なる強度変調を不均一な頻度で施す場合について説明したが、本実施形態では、3値の駆動信号を用いる場合について説明する。なお、第1の実施形態において3値の駆動信号を用いてもよく、本実施形態において2値の駆動信号を用いてもよい。
変調器駆動信号の3値の設定割合Pμ:Pμ':P0を1:1:1、4:1:1、16:1:1と3通りにランダムに変化(シフト)させる。
図12A〜図12Cにおいて、○印でプロットされた値は平均光子数μのパルスの単位時間あたりの計測数であり、△印でプロットされた値は平均光子数μ'の光パルスの単位時間あたりの計測数ある。また◇印でプロットされた値は平均光子数0の光パルスの単位時間当たりの計測数であり、―印でプロットされた値は全ての計測数の合計値である。図10の動作点が理想状態であるため、平均光子数μの計測数が最大となるオフセット量が最適動作点である。
図12Aに示したPμ:Pμ':P0=1:1:1の場合には、平均光子数μの計測数が最大となるオフセット量と計測数合計が最大となるオフセット量にΔVのずれが存在する。これは、μ'の設定割合が十分大きいため、計測数合計の中でμ'が占める割合が無視できなくなるためである。
一方、図12Bに示したPμ:Pμ':P0=4:1:1の場合には、このずれが小さくなる。また、図12Cに示したPμ:Pμ':P0=16:1:1の場合には、このずれがさらに小さくなり、ΔVはほぼゼロになることが確認できる。つまり、バイアス制御回路614において、変調器駆動信号の設定割合を偏らせた状態で光子検出数の合計が最大となるように、図11の光変調器バイアス制御処理にしたがってオフセット量を変化させることによって、2電極型LN変調器611のバイアス制御を行うことができる。
[第2の実施形態の効果]
従来の往復型の量子暗号鍵配付システムでは、単純なモニタPDで出力光の情報を得ることができない。特に、文献8のようなプローブ光を使用すると、プローブ光と信号光の波長が同一波長でも別波長でもRayleigh散乱やRaman散乱などの雑音光に単一光子レベルの信号光が埋もれてしまう。また、量子暗号送信器において十分な光強度で変調信号をモニタした後に信号光を単一光子レベルに抑圧する、という手段も以下の理由により適用できない。この理由を以下に示す。
往復型量子暗号鍵配付システムでは、往路の光パルスの後方散乱光がノイズとなって光子検出器で観測される。後方散乱光の中でも波長変化を伴わないRayleigh散乱は波長フィルタで信号光と分離することが不可能であるため、最も暗号鍵生成性能に影響する。Rayleigh散乱光強度は送信光強度、つまり量子暗号受信器出力時の光パルス強度で決定されるため、量子暗号送信器内部の光学損失によっては、量子暗号送信器で折り返された正規の信号光は後方散乱ノイズ光に埋もれてしまう。具体的な数値としては、例えばファイバへの入力光強度をPin、Rayleigh後方散乱係数をCs、伝送損失をαとした場合、Rayleigh後方散乱光強度Pは以下の数式で記述できる。
Figure 0005338665
一般的なシングルモード光ファイバ(SMF:Single Mode Fiber)に対するRayleigh後方散乱係数Csは、波長1550[nm]で約−70[dB/m]である。したがって、長さ40[km]のシングルモード光ファイバでは、送信光強度に対して−30.75[dB]の後方散乱光が観測される。一方、40km往復分の伝送路損失−20[db](=−0.25[dB/km]×40[km]×2)および量子暗号送信器の光学損失約10[dB]を考えると量子暗号受信器に戻ってくる主信号の光強度は送信光強度−30[dB]となる。つまり、本例では信号光と同等の強度のノイズ光が観測される計算となる。勿論、後方散乱光は連続光、正規の光信号はパルス光であるため、光子検出時には計算通りのSN比とはならないものの、量子暗号送信器の光学損失は可能な限り小さくする必要があることが分かる。以上の結果、変調器のバイアス変動のためには単一光子レベルの光強度をモニタせざるを得ない。
これに対して、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、位相変調および強度変調を行った光信号から検出した光子検出数に基づいて光強度変調時の動作点を制御するようにしたので、単一光子レベルの光強度を利用する量子通信であっても、変調後の光信号状態を光子検出数として検出でき、この光子検出数に基づいて光強度変調時の動作点を制御することが可能となる。
したがって、微小強度の光信号を媒体として所望のデータを送受信する量子通信システムであっても、その光信号を光変調する際の動作点を適切に制御でき、長時間安定して光変調動作を維持することができる。
また、本実施形態では、変調器駆動信号のマーク率を50%からシフトさせることによって、光子検出総数の情報のみによって変調器のバイアス変動を精度良く監視することを可能としている。通常の光通信において送信信号のマーク率を50%からシフトさせると、送信できる情報量が減少するというデメリットを有するが、Decoy stateを利用した量子暗号鍵配付ではこのマーク率の偏りを有効利用できる。この際、マーク率を50%からシフトさせる代わりに、多値レベルの比を代えても同じことが云える。
一方、変調器駆動信号の各レベルの設定割合を偏らせない状態でも、図13〜図15に示した光変調器バイアス制御処理に沿って変調器のバイアス制御を行うこともできる。
図13では、平均光子数μのパルスの単位時間当たりの計測数を最大とするようにオフセット量を変化させ、図14では平均光子数0のパルスの単位時間当たりの計測数を最小とするようにオフセット量を変化させている。
また、図15では平均光子数μと0のパルスの単位時間当たりの計測数の比を最大とするようにオフセット量を変化させる。これらは、図10に示すように、最適動作条件では、平均光子数μの光強度が最大に、平均光子数0の光強度が最小になることを利用した制御フローである。なお、図11と比較して図13〜図15に示したフローチャートでは、光子検出器での計測数を設定平均光子毎に管理する必要が生じる。このためにS801,S1001,S1101,S1201)における通信量が増加するとともに、S1001’,S1101’,S1201’のステップがそれぞれ追加され処理が複雑化する、というデメリットを有している。
本実施形態では、2電極型LN変調器611のバイアスドリフトを補償する方法を例として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば光減衰器613にLN強度変調器を使用して、光子検出器636における光子検出情報を元に光減衰器(LN強度変調器)613のバイアスドリフトを補償することもできる。この場合、図11のフローチャートに示したような計測数最大制御ではなく、2電極型LN変調器611に施すバイアス電圧を制御して光子検出器636における計測数を最大とした状態で、計測数を一定に保持するように光減衰器(LN強度変調器)613のバイアスを制御すればよい。
[実施形態の拡張]
以上の各実施形態では、バイアス制御回路1108では、光子検出情報に基づいて光変調器のバイアス電圧を制御することにより、LN強度変調器1105の動作点を制御する場合について説明したが、LN強度変調器1105の動作点制御については、バイアス電圧調整以外の方法を用いてもよい。例えば、LN強度変調器1105として、入力された光信号を2つの光導波路に分岐した後に合波して出力するマッハツェンダー型光変調器を用いるとともに、これら両方の光導波路を任意の温度差に維持する温度調整部を設け、バイアス制御回路1108により、光子検出情報に基づいて温度調整部で維持される温度差を制御するようにしてもよい。
本発明の各実施形態は、量子通信システムにおいて、量子暗号鍵配付技術に代表される、単一光子検出によって乱数を生成する技術に利用可能である。量子暗号鍵配付プロトコルについてもBB84に限定されるものではなく、E91やB92などのプロトコル、さらには差動位相シフトに情報をコーディングする技術など、光子の量子状態に情報を載せて暗号鍵配付を行う技術に、パルス毎の光強度を変化させるDecoy Stateを導入する際に、本発明の各実施形態を適用可能である。また、量子暗号鍵配付システムについては、単一方向型・往復型を問わず、いずれにも適用可能である。

Claims (4)

  1. 光子源から出力された光パルスを第1の乱数に基づき位相変調する第1の光位相変調器と、
    前記第1の光位相変調器で位相変調した後の光パルスを第2の乱数に基づき強度変調し、光伝送路を介して第2の光位相変調器へ送信する光強度変調器と、
    前記光伝送路を介して受信した光パルスを第3の乱数に基づき位相変調する前記第2の光位相変調器と、
    前記第2の光位相変調器で位相変調した光パルスから光子を検出する光子検出器と、
    前記光子検出器で検出した各光子の光子検出結果および前記第3の乱数を示す乱数情報を第2の鍵蒸留回路へ通知する第1の鍵蒸留回路と、
    前記第1の鍵蒸留回路から通知された前記光子検出結果および前記乱数情報と前記第1の乱数とを照合することにより暗号鍵を生成する前記第2の鍵蒸留回路と、
    前記光強度変調器で強度変調された後の光パルスに含まれる光子の数を計数する計数回路と、
    前記計数回路で得られた光子数に基づいて前記光強度変調器の動作点を制御する光変調制御回路と
    を備えることを特徴とする量子暗号鍵配付システム。
  2. 請求項1に記載の量子暗号鍵配付システムにおいて、
    前記光伝送路を介して接続された量子暗号送信器と量子暗号受信器とからなり、
    前記量子暗号送信器は、前記第1の光位相変調器、前記光強度変調器、および前記第2の鍵蒸留回路を含み、
    前記量子暗号受信器は、前記第2の光位相変調器、光子検出器、第1の鍵蒸留回路、および光変調制御回路を含む
    ことを特徴とする量子暗号鍵配付システム。
  3. 請求項2に記載の量子暗号鍵配付システムにおいて、
    前記計数回路は、前記量子暗号受信器に設けられて、前記光子検出結果に基づいて前記光子数を計数することを特徴とする量子暗号鍵配付システム。
  4. 請求項2に記載の量子暗号鍵配付システムにおいて、
    前記計数回路は、前記量子暗号送信器に設けられて、前記光強度変調器から前記光伝送路へ出力される光パルスの分岐出力から前記光子数を計数することを特徴とする量子暗号鍵配付システム。
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