JP5304394B2 - 高強度鋼製粗形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度鋼製粗形品の製造方法に関する。高強度鋼製粗形品とは、例えば、自動車、トラック、その他産業機械の部品であるシャフト、ハブユニット、等速ジョイントなど高強度鋼製部品の素材となるものである。
自動車、トラック、その他産業機械の部品であるシャフト、ハブユニット、等速ジョイントなどの鋼製部品は、棒鋼あるいは線材を熱間鍛造して粗形品を製造した後、これを素材として切削加工を施し、最終形状の部品に仕上げることが多い。
近年、燃費効率の向上の観点から、産業界から軽量化を目的とした、部品の高強度化を強く求められている。一方、部品を高強度化すると、熱間鍛造後の切削加工性が低下するという問題点がある。またコストの低減についても、産業界から強く求められている。
そこで、上記の問題を解決する技術が、例えば、特許文献1および2に開示されている。
特許文献1に、熱間鍛造後の部分冷却によって硬化部と非硬化部を有する熱間鍛造品、鍛造品に対する冷却条件などを規定した熱間鍛造品の製造方法が開示されており、高い疲労強度を得るとともに、被削性を低下させることがない、「疲労強度に優れた熱間鍛造品およびその製造方法並びに機械構造部品」が開示されている。
特許文献2に、強度の必要な部位の表層を亜熱間鍛造と熱処理によって細粒化し、高強度・高耐久比を実現した「表層細粒鋼部品とその製造方法」が開示されている。
特開2007−39704号公報 特開2008−56956号公報
前述の特許文献1で開示された熱間鍛造品およびその製造方法の場合、その段落0006および実施例を見ると、部分的に焼入れを行うことにより、その部分をマルテンサイトやベイナイト組織にしている。自己焼戻しを行うため、実施例にあるように、冷却停止温度だけでなく、復熱最高温度も制御する必要がある。このため、量産で安定した特性を得ることが難しい。また、部分的にマルテンサイトやベイナイト組織を得るためには、部分的に低温まで冷却する必要がある。このため、冷却中のひずみによる変形が大きくなりやすく、量産での歩留まりが低下し、しかも、最終形状の部品に仕上げるための切削量が増加することによって、コストの上昇を招く。
特許文献2で開示された技術は、表層部をマルテンサイト組織やベイナイト組織を主体の組織にするものである。しかしながら、表層部をマルテンサイト組織やベイナイト組織を主体とするためには、表層部を低温まで冷却する必要があるため、冷却中のひずみによる変形が大きくなりやすく、量産での歩留まりが低下し、しかも、最終形状の部品に仕上げるための切削量が増加することによって、コストの上昇を招く。また目標の特性を有する部品を得るためには、800〜1000℃という比較的低温で、相当歪み1.5以上の大きな加工を付与する必要があり、金型寿命の低下によってコストの上昇を招く。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、高強度化および製造コストの低減が可能で、良好な被削性も兼ね備えた高強度鋼製粗形品の製造方法を提供することを目的とする。
自動車、トラック、その他産業機械の部品であるシャフト、ハブユニット、等速ジョイントなど、鋼製部品では、全ての部分で高強度が要求されるのではなく、高強度が必要な部分は一部分である。なお、一部分とは、部品の体積の半分未満とする。自動車、トラック、その他産業機械の部品の中で高強度が必要な部分としては、例えばハブユニットではフランジの付け根部分が挙げられる。
上記の部品には、引張試験での0.2%耐力、引張強さ、疲労強度などの性能が一定値以上であることが要求されるが、これらの性能は硬さと相関がある。現在量産化されている鋼製熱間鍛造部品のビッカース硬さは320程度が最高である。本発明においては、高強度が必要な部分のビッカース硬さは、この320を大きく上回る380以上にすることを目標とする。一方、被削性も硬さとの相関が強く、硬さを低減するほど、被削性が良くなる。従って、高強度が必要とされない部分のビッカース硬さは、高強度が必要な部分より50以上低減することを目標とする。また上限については、量産性の観点から100以下を目標とする。
以上により、本発明者らは、上記の部品の平均ビッカース硬さを、高強度が必要な部分では380以上とし、それ以外の部分では高強度が必要な部分より50以上低減することを目標として、最適な化学組成、金属組織および加工熱処理条件について調査・研究を重ねた。
パーライト組織は、マルテンサイト組織やベイナイト組織よりも高い温度域で変態するため、熱処理歪みが小さいこと、および焼戻しによる強度変化量が小さいことが知られている。しかし、一般的にパーライト組織からなる部品は、マルテンサイト組織やベイナイト組織を有する部品に較べて強度が低い場合が多い。
本発明者は、パーライト単相組織、または、パーライト組織を主体とする金属組織を得ることを基本とし、このような金属組織であっても、高強度が必要な部分については、マルテンサイト組織やベイナイト組織を主体とする金属組織の場合と同等以上の強度が得られ、かつ、高強度が不要な部分については、被削性を低下させないことを目標として、最適な化学組成、金属組織および加工熱処理条件について調査・研究を重ねた。その結果、下記(a)〜(f)の知見を得た。
なお、パーライト組織を主体とする金属組織とは、パーライトと、フェライト、ベイナイトおよびマルテンサイトのうちの1種以上との混合組織からなり、パーライト組織の面積分率が60%以上であることを意味する。特に好ましくはベイナイト組織+マルテンサイト組織の面積分率が10%以下である。
(a)Vを添加することによる析出強化を最大限利用するには、パーライト組織が最も適しており、加工熱処理条件と成分を最適化すれば、パーライト単相組織、又はパーライト組織を主体とする金属組織であっても、マルテンサイト組織やベイナイト組織と同等以上の強度を得ることができる。
(b)パーライト組織は、その変態温度の低い方が強度を高くできる。さらにVを添加した鋼では、その強度変化量が大きくなる。したがって、高強度が必要な部位を、他の場所よりも低い温度でパーライト変態させることで、高強度化と被削性確保のための強度差の確保が可能となる。
(c)局所的に高強度な部位を形成するためには、局所的に急速冷却することが有効である。
(d)中〜高炭素鋼において、パーライト組織を主体とする金属組織が得られる温度域は550℃〜700℃で、550℃未満ではベイナイト組織を主体とする金属組織となる。しかし、480〜550℃では相対的にベイナイト変態が進行するのに長時間を要するため、部分的に急速冷却すれば、480℃まで冷却しても、その後の復熱によりパーライト組織を主体とする金属組織が得られる。
(e)パーライト変態が始まると、変態発熱によって、冷却速度が遅くなる、場合によっては昇温するため、急速冷却した後、放冷してもパーライト組織を主体とする金属組織を得やすい。
(f)さらに所定の温度域の熱処理炉で保持することで、パーライト変態を進行させることにより安定した特性を得ることができる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)〜(4)に示す高強度鋼製粗形品の製造方法にある。
(1)質量%で、C:0.4〜0.9%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.5〜2.0%、V:0.3〜0.9%、P:0.10%以下、S:0.005〜0.2%、Al:0.01〜0.05%およびN:0.003〜0.020%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物としてのOが0.0015%以下である化学組成を有する鋼材を1100〜1300℃に加熱した後、仕上げ温度を900℃以上として熱間鍛造を行い、熱間鍛造終了後、被鍛造材の一部分3〜100℃/秒の冷却速度で480〜600℃まで急速冷却した後、放冷し、他の部分は該急速冷却せずに冷却する高強度鋼製粗形品の製造方法。
(2)質量%で、C:0.4〜0.9%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.5〜2.0%、V:0.3〜0.9%、P:0.10%以下、S:0.005〜0.2%、Al:0.01〜0.05%およびN:0.003〜0.020%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物としてのOが0.0015%以下である化学組成を有する鋼材を1100〜1300℃に加熱した後、仕上げ温度を900℃以上として熱間鍛造を行い、熱間鍛造終了後、被鍛造材の一部分3〜100℃/秒の冷却速度で480〜600℃まで急速冷却し、他の部分は該急速冷却せずに冷却した後、被鍛造材を炉内温度が480〜630℃の熱処理炉で200〜3600秒保持した後、放冷する高強度鋼製粗形品の製造方法。
(3)鋼材の化学組成が、質量%で、さらに、Ni:1.5%以下、Cr:1.5%以下およびMo:0.5%以下のうちの1種以上を含有するものである上記(1)または(2)の高強度鋼製粗形品の製造方法。
(4)鋼材の化学組成が、質量%で、さらに、Nb:0.08%以下およびTi:0.08%以下のうちの1種以上を含有するものである上記(1)〜(3)のいずれかの高強度鋼製粗形品の製造方法。
なお、本発明でいう「温度」、および「冷却速度」は、特に記載のない場合は対象となる鋼材、被鍛造材または該当部位の表面での値を指す。
本発明の高強度鋼製粗形品の製造方法によれば、高い強度を有するとともに製造コストの低減が可能で、また、良好な被削性も備えた高強度鋼製粗形品を得ることができる。この高強度粗形品は、自動車、トラック、その他産業機械の部品であるシャフト、ハブユニット、等速ジョイントなど、高強度鋼製部品の素材として好適に用いることができる。
加工熱処理のパターンを示す図 試験片の冷却部位を示す図 組織の観察および硬さの測定を行う位置を示す図
本発明において、鋼材の化学組成、および製造条件を上述のように規定した理由について、以下に詳述する。なお、各成分元素の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
(A)鋼材の化学組成
C:0.4〜0.9%
Cは、部品の強度を高めるのに有効な元素である。Cの含有量が0.4%未満では強度が不十分である。一方、Cの含有量が0.9%を超えると、その効果が飽和し、切削性が低下する。したがって、Cの含有量を0.4〜0.9%とした。なお、C含有量の望ましい下限は0.5%である。また、望ましい上限は0.7%である。
Si:0.1〜1.5%
Siは、部品の強度を高めるのに有効な元素である。Siの含有量が0.1%未満では強度が不十分である。一方、Siの含有量が1.5%を超えると、その効果が飽和し、むしろ切削性が低下する。したがって、Siの含有量を0.1〜1.5%とした。なお、Si含有量の望ましい下限は0.4%である。また、望ましい上限は1.0%である。
Mn:0.5〜2.0%
Mnは、部品の強度を高めるのに有効な元素である。Mnの含有量が0.5%未満では強度が不十分であり、他の要件を満たしていても所望の硬さが得られない。一方、Mnの含有量が2.0%を超えると、その効果が飽和し、むしろ切削性が低下する。したがって、Mnの含有量を0.5〜2.0%とした。なお、Mn含有量の望ましい下限は0.9%である。また、望ましい上限は1.5%である。
V:0.3〜0.9%
Vは、CおよびNの一方または両方と結合して炭化物、窒化物または炭窒化物として鋼中に析出し、特にオーステナイトからパーライトに変態するときの界面で析出すると、微細に析出して部品の強度を高めるのに有効である。Vの含有量が0.3%未満では強度が不十分である。一方、Vの含有量が0.9%を超えると、その効果が飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Vの含有量を0.3〜0.9%とした。なお、V含有量の望ましい下限は0.4%である。また、望ましい上限は0.7%である。
P:0.10%以下
Pは、粒界偏析して粒界を脆化させやすい元素である。このため、コンロッドのように、部品の製造中に破断分離させる工程が含まれる場合には、破断時の変形を抑制するために積極的に添加する必要がある。しかしながら、その含有量が多くなって0.10%を超えると、疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Pの含有量を0.10%以下とした。なお、破断分離を行わない部品においては、Pの含有量は低減する方が好ましく、0.03%以下とすることが好ましい。
S:0.005〜0.2%
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、被削性を向上させる作用を有する。しかしながら、その含有量が0.005%未満では、前記の効果が得難い。一方、粗大なMnSは疲労強度を低下させる傾向があり、Sの含有量が0.2%を超えると、粗大なMnSを形成しやすくなって疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Sの含有量を0.005〜0.2%とした。なお、Sを0.02%以上含有する場合には、被削性が一層向上するので、より被削性を重視する場合には、S含有量の下限は0.02%とすることが好ましい。また、より疲労強度を重視する場合には、S含有量の上限は0.05%とすることが好ましい。
Al:0.01〜0.05%
Alは、脱酸作用を有すると同時に、Nと結合してAlNを形成しやすく、結晶粒を微細化させるため、疲労強度向上に有効である。しかしながら、Alの含有量が0.01%未満ではこれらの効果は得難い。一方で、Alは硬質な酸化物系介在物を形成して疲労強度を低下させてしまう。特に、Alの含有量が0.05%を超えると、疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Alの含有量を0.01〜0.05%とした。なお、Al含有量の望ましい下限は0.02%である。また、望ましい上限は0.04%である。
N:0.003〜0.020%
Nは、Al、V、Nb、Tiと結合して窒化物、あるいは炭窒化物を形成しやすく、結晶粒を微細化させるため、疲労強度向上に有効である。しかしながら、Nの含有量が0.003%未満ではこの効果は得難い。一方で、Nの含有量が0.020%を超えると、粗大な窒化物が形成されやすくなり、疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Nの含有量を0.003〜0.020%とした。なお、N含有量の望ましい下限は0.006%である。また、望ましい上限は0.015%である。
本発明の鋼材の化学組成の一つは、上記元素のほか、残部がFeと不純物からなる。不純物とは、鉱石、スクラップ等の原料その他製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。不純物としてのO(酸素)は、0.0015%以下とする必要がある。
O(酸素):0.0015%以下
Oは、Alと結合して硬質な酸化物系介在物を形成しやすく、特にOの含有量が0.0015%を超えると、粗大な酸化物系介在物を形成しやすくなり、疲労強度が低下する場合がある。したがって、Oの含有量を0.0015%以下とした。さらに、不純物としてのOの含有量はできる限り少なくすることが望ましい。但し、製鋼でのコストを考慮すると、0.0010%以下にすることが好ましい。
本発明の鋼材の化学組成の他の一つは、上記の元素に加えてさらに、Ni、Cr、Mo、NbおよびTiのうちから選んだ1種以上の元素を含有するものである。以下、これらの元素の作用効果と、含有量の限定理由について説明する。
Ni、CrおよびMoは、いずれも強度を高める作用を有する。このため、より高い強度を具備させたい場合には、以下の範囲で含有させてもよい。
Ni:1.5%以下
Niは、強度を高めるのに有効な元素であるので、高強度化のためにNiを含有させてもよい。しかしながら、Niを1.5%を超えて含有させても、強度を高める効果が飽和して、コストが嵩むばかりである。したがって、Niを含有させる場合には、その含有量を1.5%以下とする。なお、Niの含有量は1.0%以下とすることが望ましい。Niの強度向上効果を確実に得るためには、Ni含有量の下限は、0.1%とすることが望ましく、0.3%とすれば一層望ましい。
Cr:1.5%以下
Crは、強度を高めるのに有効な元素であるので、高強度化のためにCrを含有させてもよい。しかしながら、Crの含有量が1.5%を超えると、その効果が飽和し、むしろ切削性が低下する。したがって、Crを含有させる場合には、その含有量を1.5%以下とする。なお、Crの含有量は0.8%以下とすることが望ましい。Crの強度向上効果を確実に得るためには、Cr含有量の下限は、0.1%とすることが望ましく、0.2%とすれば一層望ましい。
Mo:0.5%以下
Moも、強度を高めるのに有効な元素であるので、高強度化のためにMoを含有させてもよい。しかしながら、Moを0.5%を超えて含有させても、強度を高める効果が飽和して、コストが嵩むばかりである。したがって、Moを含有させる場合には、その含有量を0.5%以下とする。なお、Moの含有量は0.3%以下とすることが望ましい。Moの強度向上効果を確実に得るためには、Mo含有量の下限は、0.03%とすることが望ましく、0.08%とすれば一層望ましい。
なお、上記のNi、CrおよびMoは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種以上の複合で含有させることができる。2種以上を複合で含有させる場合には、合計含有量を2.0%以下とすることが望ましい。
次に、NbおよびTiは、いずれも結晶粒を微細化して疲労強度を高める作用を有する。このため、より優れた疲労強度を得たい場合には、以下の範囲で含有させてもよい。
Nb:0.08%以下
Nbは、C、Nと結合して炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成しやすく、結晶粒を微細化して疲労強度を高める作用を有するので、この効果を得るためにNbを含有させてもよい。しかしながら、Nbの含有量が0.08%を超えると、粗大な炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成しやすくなり、疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Nbを含有させる場合には、その含有量を0.08%以下とする。なお、Nbの含有量は0.05%以下とすることが望ましい。Nbの疲労強度向上効果を確実に得るためには、Nb含有量の下限は、0.005%とすることが望ましく、0.01%とすれば一層望ましい。
Ti:0.08%以下
Tiも、C、Nと結合して炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成しやすく、結晶粒を微細化して疲労強度を高める作用を有するので、この効果を得るためにTiを含有させてもよい。しかしながら、Tiの含有量が0.08%を超えると、粗大な炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成しやすくなり、疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Tiを含有させる場合には、その含有量を0.08%以下ととする。なお、Tiの含有量は0.05%以下とすることが望ましい。Tiの疲労強度向上効果を確実に得るためには、Ti含有量の下限は、0.005%とすることが望ましく、0.01%とすれば一層望ましい。
なお、上記のNbおよびTiは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種の複合で含有することができる。2種を複合で含有させる場合には、合計含有量を0.10%以下とすることが望ましい。
(B)製造条件
本発明においては、所定の組織状態、および硬さを得るために、鋼材を1100〜1300℃に加熱した後、仕上げ温度を900℃以上として熱間鍛造を行い、熱間鍛造終了後、被鍛造材の一部分を3〜100℃/秒の冷却速度で480〜600℃まで急速冷却した後、放冷することが必要である。特に、急速冷却の後に、炉内温度が480〜630℃の熱処理炉で200〜3600秒保持し、その後、放冷するのが望ましい。
加熱温度:1100〜1300℃
熱間鍛造前の加熱温度が1100℃未満の場合、その後に急速冷却しても、その部分のビッカース硬さを380以上にすることができないか、急速冷却をした部分と、急速冷却をしない部分とのビッカース硬さの差を50以上にすることができない。一方、加熱温度が1300℃を上回ると、脱炭や酸化スケールの生成が激しくなる。したがって、加熱温度は1100〜1300℃とした。
熱間鍛造の仕上げ温度:900℃以上
鍛造の仕上げ温度が900℃未満の場合、急速冷却をした部分と、急速冷却をしない部分とのビッカース硬さの差を50以上にすることができない。したがって、熱間鍛造の仕上げ温度は900℃以上とした。
被鍛造材の一部への冷却:
冷却速度:3〜100℃/秒
冷却停止温度:480〜600℃、その後、放冷
急速冷却をした部分の冷却速度が3℃/秒未満の場合、急速冷却した部分と急速冷却をしない部分とのビッカース硬さの差を50以上にすることができない。一方、冷却速度を100℃/秒にするには、コストが大幅に嵩む。したがって、冷却速度は3〜100℃/秒とした。のぞましくは、5〜100℃/秒、よりのぞましくは11〜100℃/秒である。
冷却終了温度が480℃未満の場合、パーライト単相組織、又はパーライト組織を主体とする金属組織を得ることができず、また急速冷却した部分と急速冷却をしない部分とのビッカース硬さの差を50以上にすることができない。しかし、急速冷却の終了温度が600℃を超えると、急速冷却した部分のビッカース硬さを380以上とすることができないか、急速冷却した部分と急速冷却をしない部分とのビッカース硬さの差を50以上とすることができない。したがって、冷却終了温度は480〜600℃とした。
冷却方法については、特に制限はないが、スプレーノズルを用いた空気や窒素による風冷、気体と液体を混合したミスト冷却が好適である。
急速冷却を480〜600℃の温度域で終了させた後は、放冷してもよいが、炉内温度が480〜630℃の熱処理炉で200〜3600秒保持した後に放冷してもよい。特に、ベイナイト組織+マルテンサイト組織の面積分率を安定して10%以下とするためには、さらに、炉内温度が500〜630℃の熱処理炉で300〜3600秒保持した後に放冷するのが好ましい。
ここで、上記熱処理炉の炉内温度が630℃を超える温度では、急速冷却した部分と急速冷却をしない部分とのビッカース硬さの差を50以上にすることができない。また、炉内温度が480℃未満または保持時間が200秒未満では、急速冷却した部分と急速冷却をしない部分とのビッカース硬さの差を50以上にすることができない場合があり、3600秒を超える保持時間では、効果が飽和して、コストが嵩むだけである。特に、上記熱処理炉の炉内温度を500℃以上で、かつ保持時間を300秒以上とすることで、ベイナイト組織+マルテンサイト組織の面積分率を安定して10%以下にすることができる。
この熱処理炉での200〜3600秒の保持は、480〜630℃の温度域のある特定の温度でもよいし、480〜630℃の温度域内で昇温や降温を行って上記温度域における合計の保持時間が200〜3600秒となるようにしてもよい。また熱処理炉としては、一般的なガス雰囲気の炉、液体を媒体とする塩浴炉、流動層炉のいずれでもよいが、一般的なガス雰囲気の炉の場合は、炉内温度を500〜580℃とすることが望ましく、液体を媒体とする塩浴炉、および流動層炉の場合は、550〜630℃にすることが望ましい。
前記(A)項に記載の化学組成を有する鋼材を、上記の方法によって製造すれば、低コストで、しかも容易に、パーライト単相組織、又はパーライト組織を主体とする金属組織となり、強化部の平均ビッカース硬さが380以上で、強化部以外の部分の平均ビッカース硬さが、強化部よりもビッカース硬さで50以上低い鋼製粗形品が得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
次に示す調査を実施し、その結果に基づいて、適正な製造方法を規定した。
表1に示す化学組成を有する鋼A〜Sを50kg真空溶解炉で溶解した後、鋳造してインゴットを得た。表1の鋼A、B、E、Fおよび鋼H〜Sは、本発明で規定される化学組成を満足する鋼である。一方、鋼C、Dおよび鋼Gは、本発明で規定される化学組成の範囲を外れる比較例の鋼である。
Figure 0005304394
各インゴットを一旦室温まで冷却した後、再度1250℃で30分加熱し、仕上げ温度を950℃以上として熱間鍛造して、直径50mmの丸棒を得た。次いで、上記の直径50mmの各丸棒を、850℃で1時間保持して室温まで放冷する処理を行った後、機械加工によって、以下の加工熱処理試験に用いる直径38.5mm、長さ55mmの試験片を作製した。
加工熱処理試験は、熱間鍛造を模擬するため、大気雰囲気炉2台、前方押出金型、プレス、および冷却装置を用い、熱間押出方法により行った。冷却は、試験片を円周方向に回転させながら、図2に示す位置を中心に行った。この部分の冷却開始前と冷却終了後の表面温度を放射温度計で測定し、冷却開始前および冷却終了後の温度ならびに冷却時間から冷却速度を求めた。なお、冷却速度10℃/秒未満の例では圧縮空気による空冷、冷却速度10℃/秒以上の例では空気と水を混合させたミスト冷却で行った。加工熱処理試験の条件を図1および表2に示す。
Figure 0005304394
なお、図1における表示の意味は次のとおりである。
A(℃)×30分:温度A(℃)で30分保持したこと、
B(℃)×60%:直径38.5mmの試験片を直径24.3mmに、すなわち断面減少率60%の熱間押出を行った時の押出終了温度(仕上温度)がB(℃)であること、
C(℃/秒):加工後の冷却速度、
D(℃):加工後の冷却終了温度、
E(℃)×F(秒):炉温E(℃)の炉内でF秒保持したこと。
上記の加工熱処理を行った各試験片から図3に示されるXおよびYの位置を切断し、軸方向に垂直な断面を得た。XおよびYの位置における断面を鏡面研磨した後、表面から2mmの位置について、次に示す条件でビッカース硬さを測定した。さらに、ナイタールで腐食した後、表面から1〜3mmの位置について、次に示す条件で光学顕微鏡による金属組織の観察を行い、光学顕微鏡で撮影した写真を用いて、パーライト組織とフェライト組織の面積分率を測定した。また残部をベイナイト組織またはマルテンサイト組織とした。6視野の面積分率の平均値をその試験番号のパーライト組織の面積分率、ベイナイト組織+マルテンサイト組織の面積分率とした。なお、位置Xが急速冷却をした部位、即ち、高強度化した部分である。これらの結果を表3および表4に示す。
〈ビッカース硬さ測定〉
・試験力:9.8N、
・測定数:10点、
・測定間隔:1mm。
〈光学顕微鏡による金属組織観察〉
・倍率:400倍、
・視野数:6、
・各視野の大きさ:0.25mm×0.25mm。
金属組織は、マルテンサイト組織やベイナイト組織主体の組織となると、熱処理歪みが大きく、また焼戻しによる強度変化量も大きくなるため、パーライトの単相組織またはパーライト組織が主体とする金属組織となることを目標とした。ここでパーライト組織を主体とする金属組織の定義としては、パーライト組織の面積分率が60%以上であることとした。より望ましくはベイナイト組織+マルテンサイト組織が10%以下とした。
Figure 0005304394
Figure 0005304394
表3および4に示すように、鋼材の化学組成が本発明で規定する条件から外れた鋼C、Dおよび鋼Gを用いた比較例の試験番号33〜36、41および42の場合、位置Xのビッカース硬さが本発明で目標とする380に達しておらず、また位置XとYのビッカース硬さの差も50未満である。
また、鋼材の化学組成が本発明で規定する範囲内であっても、製造条件が請求項1に係る発明で規定する条件から外れた試験番号3、5、7、8、10、19、21、23、24、26、38、40、44、46、49、51、53、56および57の場合、位置Xのビッカース硬さが本発明で目標とする380に達していないか、位置XとYのビッカース硬さの差も50未満であるか、位置Xの金属組織におけるパーライト組織の面積分率が60%未満である。
また、鋼材の化学組成が本発明で規定する範囲内であっても、製造条件が請求項2に係る発明で規定する条件から外れた試験番号11、27、48および64の場合、位置XとYのビッカース硬さの差が50未満である。
一方、化学組成も製造条件も本発明で規定される範囲を満足する試験番号1、2、4、6、9、12〜18、20、22、25、28〜32、37、39、43、45、47、50、52、54、55、58〜63、65および66では、いずれも位置Xのビッカース硬さが本発明で目標とする380以上であり、位置XとYのビッカース硬さの差も50以上である。また、位置Xの金属組織におけるパーライト組織の面積分率が60%以上である。特に、熱処理炉の炉内温度が500℃以上で、かつ保持時間が300秒以上であった試験番号12、13、16、28、29、32、50、54、58および66では、いずれも位置Xの金属組織におけるベイナイト組織+マルテンサイト組織の面積分率が10%以下である。
本発明の高強度鋼製粗形品の製造方法によって、高い強度を有するとともに製造コストの低減が可能で、また、良好な被削性も備えた、自動車、トラック、その他産業機械の部品であるシャフト、ハブユニット、等速ジョイントなど、高強度鋼製部品の素材として好適な高強度鋼製粗形品を製造することができる。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.4〜0.9%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.5〜2.0%、V:0.3〜0.9%、P:0.10%以下、S:0.005〜0.2%、Al:0.01〜0.05%およびN:0.003〜0.020%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物としてのOが0.0015%以下である化学組成を有する鋼材を1100〜1300℃に加熱した後、仕上げ温度を900℃以上として熱間鍛造を行い、熱間鍛造終了後、被鍛造材の一部分3〜100℃/秒の冷却速度で480〜600℃まで急速冷却した後、放冷し、他の部分は該急速冷却せずに冷却することを特徴とする高強度鋼製粗形品の製造方法。
  2. 質量%で、C:0.4〜0.9%、Si:0.1〜1.5%、Mn:0.5〜2.0%、V:0.3〜0.9%、P:0.10%以下、S:0.005〜0.2%、Al:0.01〜0.05%およびN:0.003〜0.020%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物としてのOが0.0015%以下である化学組成を有する鋼材を1100〜1300℃に加熱した後、仕上げ温度を900℃以上として熱間鍛造を行い、熱間鍛造終了後、被鍛造材の一部分3〜100℃/秒の冷却速度で480〜600℃まで急速冷却し、他の部分は該急速冷却せずに冷却した後、被鍛造材を炉内温度が480〜630℃の熱処理炉で200〜3600秒保持した後、放冷することを特徴とする高強度鋼製粗形品の製造方法。
  3. 鋼材の化学組成が、質量%で、さらに、Ni:1.5%以下、Cr:1.5%以下およびMo:0.5%以下のうちの1種以上を含有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度鋼製粗形品の製造方法。
  4. 鋼材の化学組成が、質量%で、さらに、Nb:0.08%以下およびTi:0.08%以下のうちの1種以上を含有するものであることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の高強度鋼製粗形品の製造方法。
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