JP5285615B2 - キャリアエンベロープ位相を安定化させる方法及び装置 - Google Patents

キャリアエンベロープ位相を安定化させる方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザパルスのキャリアエンベロープ位相(CE位相(Carrier Envelope Phase))を安定化させる方法に関し、特にフェムト秒レーザ増幅システムにおけるキャリアエンベロープ位相を安定化させる方法に関する。さらに本発明は、レーザパルスのCE位相を安定化させるための装置、特に前記安定化法を実行するための装置に関する。
超短レーザパルスと物質との相互作用に関する近年の研究により、多くの結果がキャリアエンベロープ位相(CE位相)とも呼ばれるパルス包絡線と搬送波間の相対的な位相に依存していることが示唆されている。G.G.パウルス他『ネイチャー』第414巻、2001年、182頁(G. G. Paulus et al., "Nature", vol. 414, 2001, p. 182)(非特許文献1)及びA.バルツスカ他『IEEEジャーナル量子エレクトロニクス編』、第9巻、2003年、972頁(A. Baltuska et al., "IEEE J. QE" vol. 9, 2003, p. 972)(非特許文献2)を参照されたい。数サイクルレーザのCE位相の制御によって、光サイクルよりも短い時間スケールでの研究が進み、アト秒計測(1as=10-18s)への扉が開かれ、「アト秒科学」とも呼ばれる物理学における新たな研究分野も出現している。R.キーエンベルガー他『ネイチャー』、第427巻、2004年、817頁(R. Kienberger et al., "Nature" vol. 427, 2004, p. 817)(非特許文献3)及びE.グーリエルマキス他『サイエンス』、第305巻、2004年、1267頁(E. Goulielmakis et al., "Science" vol. 305, 2004, p. 1267)(非特許文献4)を参照されたい。これらの実験では、長時間に亘ってCE位相を制御する必要があるとされている。
CE位相の安定化に関しては、基本的に2つの方法が提案されている。A.バルツスカら(『ネイチャー』、第421巻、2003年、611頁)(A. Baltuska et al., "Nature" vol. 421, 2003, p. 611)(非特許文献5)は、図8に示す安定化の構成を提案している。この構成では、2つの制御ループを用いてチャープパルス増幅器20’のCE位相を安定化させている。f―to―2f干渉法による干渉計41’及び同期用電子機器42’からなる第1のループ40’において、シード発振器10’が安定化されている。他のf―to―2f干渉法による干渉計51’からなる第2のループ50’において、増幅器20’の出力部においてCE位相を安定化させるため、発振器同期用電子機器42’に対して補正が行われている。発振器10’の位相安定化は、増幅器内に同期されたパルスのキャリアエンベロープ位相を強制的に変化させている。これは、同期用電子機器42’においてオフセット信号の値を変化させることで可能とはなるものの、現実には発振器のパルスの位相スリップを制御する必要がある。発振器10’の位相ドリフトは2つのパルス間で正確にπ/2になるように安定化されており、確実に発振器からのパルスが4つ目毎に同じ位相を有するようにしている。これはビート信号を発振器繰り返し速度の4分の1に同期させることによって行われる。アップダウン方式の高速カウンタを用いて、カウンタを基準周波数の周期毎に増加させ、周波数の周期毎に減少させて安定化を求めることによって、一の周波数を他の周波数と同期させることができる。カウンタの出力値が低域フィルタを用いて濾波されると、この値が基準値と比較されてエラー信号が生成される。基準値を変更すれば、基準値の変化に比例した制御済み位相シフトが得られる。
このようなA.バルツスカらの安定化構成における第一の欠点は、発振器の位相同期用電子機器の自由度が拡がり、同期の品質が低下する虞があることである。現実にこのような同期の品質低下が見られる結果、最終的には外乱が無い状態よりも早く同期が崩れてしまうことになる。また他の欠点として、単一の増幅器のみから発信される信号でもって同期用電子機器42’が作動するようにしていることも挙げられる。要するにA.バルツスカらの方法では、効率的に安定化させるための増幅器チェーンが欠如している。
一方、C.リーらも図9に示す安定化構成を提案している(『オプティクスレター』、第31巻、2006年、3113頁)(C. Li et al., "Optics letters" vol. 31, 2006, p. 3113)(非特許文献6)。この構成でも、チャープパルス増幅器20’のCE位相を安定化させるために2つの制御ループ、すなわち、シード発振器10’を安定化させるためのf―to―2f干渉法による干渉計41’及び同期用電子機器42’を有する第1のループ40’と、他のf―to―2f干渉法による干渉計51’を有する第2のループ50’とを用いている。ここではA.バルツスカらの手法とは対照的に、第2のループ50’が増幅器20’を直接制御している。CE位相は増幅器20’のパルス伸張器22’において伸縮式にグレーティング距離を変化させることで安定化される。このようなC.リーらの方法における第一の欠点は、グレーティングに基づいたパルス伸張器を用いて作動させる単一の増幅器のみを有する特殊なレーザシステムに限定されることである。グレーティングに基づくパルス伸張器は光学系が複雑になり、グレーティングがずれるたびに望ましくない結果が生じる。さらにC.リーらの手法は、安定化に対して過敏すぎるいう本質的な欠点を有する。例えばグレーティングを約1μm並進させただけで180°以上のCE位相シフトが発生してしまう。したがって、グレーティングの並進に関する実用的な制御範囲は約2μm以下の値に限定される結果、CE位相を確実に安定化させるためには高精度の駆動装置が必要になるという問題があった。
一方で、数サイクルパルスの位相制御を可能にする他の方法も開示されている(『アプライドフィジックスB』、第79巻、2004年、1021頁(M. Schatzel et al., "Appl. Phys . B", vol. 79, 2004, p. 1021)(非特許文献7)におけるM.シェッツェルら)。ただ、この方法は増幅器系から直接送られるパルスのような長めのパルスには応用できず、また起動時に位相安定な入力パルスが必要という問題があった。
G.G.パウルス他、『ネイチャー』、第414巻、2001年、182頁(G. G. Paulus et al., "Nature", vol. 414, 2001, p. 182) A.バルツスカ他、『IEEEジャーナル量子エレクトロニクス編』、第9巻、2003年、972頁(A. Baltuska et al., "IEEE J. QE" vol. 9, 2003, p. 972) R.キーエンベルガー他、『ネイチャー』、第427巻、2004年、817頁(R. Kienberger et al., "Nature" vol. 427, 2004, p. 817) E.グーリエルマキス他、『サイエンス』、第305巻、2004年、1267頁(E. Goulielmakis et al., "Science" vol. 305, 2004, p. 1267) A.バルツスカ他、『ネイチャー』、第421巻、2003年、611頁(A. Baltuska et al., "Nature" vol. 421, 2003, p. 611) C.リー他、『オプティックスレター』、第31巻、2006年、3113頁(C. Li et al., "Optics letters" vol. 31, 2006, p. 3113) M.シェッツェル他、『アプライドフィジックスB』、第79巻、2004年、1021頁(M. Schatzel et al., "Appl. Phys . B", vol. 79, 2004, p. 1021) T.ウーデム他、『オプティクスレター』、第24巻、1999年、881頁(T. Udem et al., "Opt. Lett." vol. 24, 1999, p. 881) S.サルタニア他、『オプティクスレター』、第2巻、1997年、1563頁(S. Sartania et al., "Optics Letters", vol. 2, 1997, p.1563) G.G.パウルス他、『フィジカルレビューレター』、第91巻、2003年、253004頁(G. G. Paulus et al., "Phys. Rev. Lett." vol. 91, 2003, p. 253004)
本発明の目的は、レーザパルスのキャリアエンベロープ位相を安定化させるため改良された方法を提供することにあり、この方法によれば従来の安定化法の欠点を解消することができる。さらに本発明の他の目的は、従来の光学的構成の問題点を解消してレーザパルスのキャリアエンベロープ位相を安定化させるための改良された安定化装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
これらの目的は、独立請求項に係る特徴を備えた安定化方法、安定化装置、レーザ装置により達成される。本発明における好適な実施形態及び応用例は、従属請求項に記載されている。
概略的に第1発明によれば、上述の目的はCE位相安定化方法により達成される。光源部で生成され、少なくとも一の増幅部で増幅されるレーザパルスは、少なくとも一の増幅部においてレーザパルスの光路を調整することで安定化される。この調整とは、分散性物質を光路に挿入することを含む。分散性物質の量すなわち分散性物質を介した光路長は、増幅器出力信号に従って光路に分散性物質を挿入することで調整される。本発明者の知見によれば、C.リーらが提唱する調整困難なグレーティング調整に代えて、分散性物質を挿入することができ、これによりCE位相制御の安定性及び堅牢さを改善できるという本質的な利点がもたらされる。本発明の他の利点は、増幅器のループ及び分散性物質を利用することにより、利用可能なレーザ装置はどれでもアップグレードできる点が挙げられる。特にパルス伸張器又はパルス圧縮器において分散を僅かに変更するだけで、出力パルスの持続時間を大きく変化させることもなく、増幅された超短パルスのCE位相を制御することができる。
本明細書で用いる「分散性物質」とは、対象とする波長帯、特に赤外光から可視光を経て紫外光までの波長帯における吸収がない任意の透明物質を意味する。一般に、分散性物質は形状を有し、用途に応じた条件に従って選択される。
概略的に第2発明によれば、上述の目的はレーザパルスのCE位相を安定化させるために配置される安定化装置により達成される。特にこの安定化装置は、レーザパルスを増幅するための増幅部の光路に分散性物質を挿入するために設けられた分散設定装置を含む。
概略的に第3発明によれば、レーザパルスを生成するために配置される、特にレーザ発振器のような光源部と、上記第2発明に係る安定化装置とからなるレーザ装置が提案されている。本発明のレーザ装置は安定化されたCE位相でもってレーザパルスを生成できるという特長を有し、これにより特にフェムト秒領域の物理学の分野又は光学的にデータを転送し処理する分野においてレーザ装置の新たな応用を実現する。
好適なことに、増幅部の光路に置かれる分散性物質の位置に関しては、特別な制約がない。本発明における第1の好ましい変形例によれば、分散性物質は増幅部におけるパルス伸張器の光路に置かれる。この場合、レーザパルスが増幅部のパルス増幅器を未だ通過していないので、相対的に低強度であるとの利点が得られる。したがって、例えばパルスが分散性物質と非線形的に相互作用することによる何らかの好ましくない結果が回避される。レーザビームは非伸張状態であり、分散性物質は小さなもので良い。
本発明の他の好ましい変形例によれば、分散性物質は増幅部におけるパルス圧縮器の光路に置かれる。この場合には、通常、分散性物質を挿入し調整するための自由空間をパルス圧縮器が提供していることで、多くの利点が得られる。パルスが分散性物質と非線形的に相互作用するのを回避するため、分散性物質を置いた位置より、少なくとも手前でレーザビームを伸張させることができる。
他の代替例として、増幅部に含まれるパルス増幅器の光路上に分散性物質を直接置くことも可能である。
好適なことに、本発明の方法によりチャープパルス増幅器チェーンの各ステージを独立に安定化させることが可能となる。本発明の方法を多段のチャープパルス増幅器チェーンにグレードアップすることができ、その場合は個々のステージに同一原理を各々独立に適用できる。したがって、本発明の他の好ましい実施形態によれば、少なくとももう一の増幅部を用いてレーザパルスが増幅される。このような別の増幅部から出力されるレーザパルスのCE位相は、このような少なくとも一の他の増幅部の光路上に分散性物質を挿入するよう制御する別の対応する増幅器のループでもって安定化される。
本発明に係る他の独立した技術的事項である増幅器チェーンは、複数の増幅部を含み、出力パルスのCE位相を制御する増幅部の内少なくとも一が増幅器のループに設けられている。
本発明の好ましい実施形態によれば、分散性物質は少なくとも一の分散性プリズムからなる。好適なことに、この分散性プリズムを線形に並進させるだけで、増幅部の光路に分散性物質を正確かつ確実に挿入することが可能となる。
したがって、分散性物質を移動(特に並進)させることにより増幅部の光路上に挿入するのが好ましい。分散性プリズムの場合、ズレの範囲を5μmよりも大きく、500μmよりも小さくするように選択するのが好ましい。特に好ましいのは10μm〜100μmのズレ範囲である。本発明者の知見によれば、ズレが小さすぎると分散性物質を光路に正確かつ再現可能に挿入することが困難となる。ズレが大きすぎると、応答時間と利用可能なスペースの面で不利となる。
好ましくは、圧電変換器を有する増幅部の光路上に分散性物質が置かれる。圧電変換器は、上述の好ましいズレ範囲内における正確な駆動装置として特に好ましい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、増幅器出力信号を生成する工程は、増幅部で増幅されたパルスの一部をf―to―2f干渉法による干渉計に分岐させ、このf―to―2f干渉法による干渉計でもって干渉縞を生成し、この干渉縞をフーリエ変換させることからなる。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、CE位相はさらに、レーザパルスを生成する光源部を安定化させるために配置された光源ループを用いることにより制御される。この光源ループを用いて、分散性物質を増幅部に挿入することでCE位相の安定化がさらに効率的なものとなる。
本発明のさらなる詳細及び利点については、添付図面を参照しつつ以下に詳述する。
本発明に係る安定化装置を備えたレーザ装置を示す概略図である。 本発明に係る安定化方法に従ったレーザパルスのグラフ表示である。 本発明に係るレーザ装置に関する第1の実施形態を示す概略図である。 本発明に係る安定化方法で得られた利点を示す実験結果のグラフ表示である。 本発明に係る安定化方法で得られた利点を示す実験結果のグラフ表示である。 本発明に係るレーザ装置に関する第2の実施形態を示す概略図である。 安定化された増幅器チェーンを示す概略図である。 先行技術に係るCE位相を安定化させるようにした従来の光学的構成である。 先行技術に係るCE位相を安定化させるようにした従来の光学的構成である。
図1のレーザ装置100は、光源部10、増幅部20、及び必要に応じてパルス整形部30からなる。このレーザ装置100を例示的に参照しながら、以下に本発明の実施形態について説明する。光源部10は光源ループ40で安定化され、増幅部20は干渉計51及び同期用電子機器52を含む独立した増幅器ループ50で安定化される。概略的に、増幅部20はパルス伸張器22、パルス増幅器21、パルス圧縮器23からなる。
図1は構成要素10〜50を模式的に図示している。また図1は、本発明の重要な特長である増幅部20の光路中に分散性物質53を挿入する状態の制御も示している。レーザ装置100の詳細な構成は、実際の構成例として図3又は図6に示す光学的構成物や、このレーザ装置100の各機能及び効果を実現する他の代替物で実現可能である。なお光学的構成要素の詳細やレーザ装置の操作、制御ループの詳細等については、先行技術等から周知であるものは以下詳細説明を省略する。
ここで、まず光源ループ40を用いたシード発振器10のキャリアエンベロープ位相の安定化について検討する。具体的に、光源ループ40は、フォトニック結晶ファイバ及びマッハツェンダー構成を有するf―to―2f干渉法による干渉計41と、同期用電子機器42とからなる。これらは、例えば『ネイチャー』、第421巻、2003年、611頁(A. Baltuska et al., "Nature" vol. 421, 2003, p. 611)(非特許文献5)におけるA.バルツスカら、『オプティックスレター』、第24巻、1999年、881頁(T. Udem et al., "Opt. Lett." vol. 24, 1999, p. 881)(非特許文献8)におけるT.ウーデムらによって記述されるように構成され操作される。また、これらの代替として、光源ループは、f―to―2f干渉法による干渉計を用いずに、以下の図3に基づいて説明する非線形結晶及び赤外フォトダイオードの組み合わせでも実現できる。
光源ループ40は以下を考慮して操作する。任意の共振器において、次段のモードのみが存在し、整数の発振回数が一往復で合致するという簡単な条件を満たす場合、レーザとしてnλ=1(1はキャビティ長)である波長λのみが共振器に存在することができ、出力カプラーから出射可能となる。周波数領域において、Tをキャビティの往復時間とすれば、レーザ内で共振する全モード(ただし光周波数はv)はfrep=1/Tの整数倍であり、frepは繰返し率である。理想的にモードが同期されたレーザであれば、レーザから出射される全パルスが同一のキャリアエンベロープ位相を有するものの、実際のシステムにおいては異なる。共振モードが発振器の繰り返し率freprの整数倍ではなく、図2のグラフで示す通り、特定量foffsetでオフセットされるように共振器内の分散により共振モードがシフトされる。図2の太線はフェムト秒クラスの発振器の光周波数コムのスペクトルを示している。挿入図は光周波数コムに対応するパルス列を示しており、各パルス間の位相シフトがπ/2であることを明瞭に示している。細線は光周波数コムの外挿であり、コムを消失状態からオフセットしている。このオフセットは発振器から発せられる2つの後続パルス間の位相シフトΔφに直接リンクされており、Δφ=2πfoffset/frepなる。オフセット周波数を安定化させることにより、シード発振器のパルス間位相シフトは第1のループ40で安定化させることができる。例えば『ネイチャー』、第421巻、2003年、611頁(A. Baltuska et al., "Nature" vol. 421, 2003, p. 611)(非特許文献5)でA.バルツスカらが述べる増幅のため、同一のCE位相を有するパルスが選択できる。
一般に、発振器のパルス間位相シフトはπ/2となるように安定化されるので、発振器繰り返し率を4の整数倍で除することにより、同一のCE位相を有するパルスが選択される。増幅器システムの繰り返し率はシード発振器の繰り返し率よりも遙かに低いため、増幅器繰り返し率は事実上何ら制約を受けない。増幅のために抽出されたパルスのキャリアエンベロープ位相が同一であっても、増幅後は同一ではない。増幅後にキャリアエンベロープ位相ドリフトを測定してみると、数秒内に数ラジアンに亘って、すなわち数千回のレーザパルスに亘ってキャリアエンベロープ位相がドリフトしていることが判る。
このように遅いドリフトは様々な発生源によるものであり、そのうち最も顕著な発生源は励起レーザ及びシード発振器のエネルギー変動、及びビームの指向変動である。CE位相のドリフトが相対的に遅いため、これを増幅器のループ50で補償することができる。位相ドリフトは、分散性物質53(すなわち分散)によりビーム経路にもたらされる位相シフトに基づいた本発明の手法により補償できる。例えばビーム経路におけるガラスの量を数マイクロメートル変化させて、キャリアエンベロープ位相を大きく変化させることができる。
図3によれば、このようなアプローチはパルス圧縮器23内でプリズムの一を横方向にシフトさせることで実行される。光源部10はチタンサファイア発振器11であり、その出力レーザパルスは非線形結晶12に集束され、ダイクロイックミラー13を介して増幅部20のパルス伸張器22の入力部へ伝送される。非線形結晶12は、差周波混合のため配置され、周期的に分極されたMgO/LN結晶からなる。レーザパルスの一部は赤外フォトダイオード14へ分岐される。チタンサファイア発振器11は、例えばフェムトレーザ社(オーストリア国・ウィーン)の「フェムトソース・レインボー(Femtosource Rainbow)」が利用できる。
非線形結晶12及び赤外フォトダイオード14は、光源部10(図1を参照)を安定化させるための光源ループを実現するために設けられる。この非線形結晶12でもって、1オクターブ(f、2f)に亘るレーザパルスの周波数成分が重畳される。非線形結晶12の出力は赤外フォトダイオード14でもって測定され、赤外フォトダイオード14は測定結果に基づいて光源部10の発振器11を安定化させる同期用電子機器(図3には図示せず)の制御信号を生成する。
増幅部20は、パルス伸張器22、パルス増幅器21、パルス圧縮器23で構成される。パルス伸張器22は、レーザパルスを約5fsから約15psまで伸張させるために設けられる。このためパルス伸張器22は、例えば高分散性のSF57ガラスと、三次分散及び四次分散を有するいわゆるTODミラーで作製されるガラスブロック等のように、信頼性の高い分散機能を発揮する構成を含む。一例として、パルス伸張器は『オプティクスレター』第2巻(1997年)1563頁(S. Sartania et al., "Optics Letters", vol. 2, 1997, p.1563)(非特許文献9)においてS.サルタニアらの記載のように構成される。パルス増幅器21は多重リング共振器、例えば3kHzの繰り返し率を発揮する9経路のチャープパルス増幅器で構成される。
増幅後、レーザパルスはパルス圧縮器23内でパルス圧縮される。パルス圧縮器23は圧縮用プリズム24を備えるプリズム圧縮器であり、パルス持続時間を調整するために設けられる。圧縮用プリズムの一である分散性プリズム53は、さらにパルス圧縮器23内の光路を調整して、レーザパルスのCE位相を制御するように構成されている。このため、分散性プリズム53は圧電駆動型の並進ステージ54に配置される。並進ステージ54はマイクロメートル級の距離でプリズムをずれさせるために配置される。圧縮器用プリズム24をプリズム式パルス圧縮器23内に挿入すると、物質の量をミリメートルのオーダーで変動させることによりパルス持続時間が制御される。さらに、CE位相は、分散性プリズム53をマイクロメートルのオーダーでずれさせることにより変動される。
本例で使用されているチタンサファイアレーザ装置のように、分散性物質53が溶融石英で中心波長が800nmのパルスである場合、約50μmの物質を加えると、パルスを著しく長引かせることなく2πのCE位相シフトがもたらされる。好適なことに、さらに光学的構成部品を置く必要はなく、厳密に言えばパルス持続時間を最適化するためにプリズム圧縮器23内の物質分散も使用されるので、増幅器には僅かな自由度であっても付加されることはない。並進ステージ54にはさらにもう一つの圧縮用プリズムを付加することもできる。数マイクロメートルに亘り、圧縮用プリズムのうち横方向にシフトするプリズムは、パルス持続時間に影響することはないが、CE位相を強く変位させてしまう。換言すれば、分散制御の機能は、パルス持続時間が本質的に変動することなく、圧縮器用プリズムの一によって実行される。
或いは、追加の部材として分散性物質を圧縮器23内の光路に置いても良い。一例として、図6に示す類似した態様で、2つのプリズムを一対にして設けても良い。
CE位相は増幅器のループ50で安定化される。パルス圧縮器の出力部25において、圧縮されたレーザパルスの僅かな部分(約0.7%)が増幅器のループ50に分岐され、圧縮されたレーザパルスの大部分がパルス整形部30に案内される。増幅器のループ50は、光学的増幅器の出力信号を生成するために設けられるf―to―2f干渉法による干渉計51と、パルス圧縮器23において分散プリズム53を制御するための同期用電子機器52とからなる。同期用電子機器52は、スペクトルアナライザー、処理部、DA出力カードとからなる。処理部はコンピュータを備えており、このコンピュータはf―to―2f干渉法による干渉計51で測定されたスペクトルを読み取るため、及び干渉計からのフィードバック信号を計算するために設けられる。増幅器のループ50を作動させるために、f―to―2f干渉法による干渉計51の出力部において測定された干渉縞はフーリエ変換される。干渉縞の遅延点における位相は、CE位相に対応する。測定された干渉縞の位相は増幅器の出力信号を表わしており、これに基づいて並進ステージ54に分散性物質53をセットするために比例したバランスされたフィードバック信号が発せられる。対応する計算は、『IEEEジャーナル量子エレクトロニクス編』、第9巻、2003年、972頁(A. Baltuska et al., "IEEE J. QE" vol. 9, 2003, p. 972)(非特許文献2)におけるA.バルツスカらが示すように実行される。フィードバック信号は、プリズム圧縮器内のプリズムの一の基で並進ステージでもって、好ましくは分散性プリズム53に印加される。あるいは、フィードバック信号は残るプリズムの一、例えば一又は複数の圧縮器用プリズム24に印加されても良い。
パルス整形部30は、パルス圧縮器23から圧縮済みパルスを受ける。圧縮済みパルスは、例えば1mJのエネルギーと25fsの持続時間を有する。レーザパルスは、ネオンを充填した中空ファイバ31を介して、チャープミラーパルス圧縮器32に案内され、その出力は例えば400μJのエネルギーと5fsのパルス持続時間を有するレーザパルスである。その後レーザパルスは、例えば自己相関器61を含む監視装置60に案内され、自己相関器61は中空ファイバ31以降のパルス持続時間を監視するために用いられる。必要に応じて、以下に記述するパルスの位相安定性を試験的に監視するために用いられる超閾イオン化検出装置62を設けても良い。監視装置60を通過した後、レーザパルスは、例えば実験用や光学的信号処理装置といった更なる用途に応じて出力される。
図4A及び図4Bは、従来の方法(図8)及び本発明の方法によるCE位相ドリフトの補償をそれぞれ示している。2つの出力結果4A及び4Bはいずれも短時間のうちに記録したものであり、他のいかなる実験条件を大きく変化させたわけではないことは明確である。本発明の方法ではRMS位相ノイズが小さくなっていることが明確に判る。本発明の特長としては、RMS位相ノイズが従来方法の0.19radに比べて0.15radという少なさにある。従来の位相ノイズの方が大きい理由は、発振器の安定性を著しく劣化させることなくフィードバックを強くすることができなかったためと考えられる。
更なる利点として、本発明者の知見によれば、本発明による安定化は30時間さらには1週間といった時間スケールで確実に作動させることができる。このことは、数時間内だけの安定化を可能とした従来の方法に比べ、根本的な改善が行われたことを如実に示している。特に、適切な統計的分析に十分な信号を測定するために、例えば1分間にほんの僅かでも測定可能な事象を生じるような場面でも実施が可能となる。
本発明の方法が正確に機能していることを証明する実験結果を、図5に示す。超閾イオン化検出装置62を用いて、『フィジカルレビューレター』、第91巻、2003年、253004頁(G. G. Paulus et al., "Phys. Rev. Lett." vol. 91, 2003, p. 253004)(非特許文献10)におけるG.G.パウルスら及び『アプライドフィジックスB』、第79巻、2004年、1021頁(M. Schatzel et al., "Appl. Phys . B", vol. 79, 2004, p. 1021)(非特許文献7)におけるM.シェッツェルらにより報告されている通りイオン化測定を行うことができ、本発明の方法による位相安定性が確認できる。本発明の方法におけるf―to―2f干渉法による干渉計51からの遅いフィードバックで増幅器のCE位相を安定化させると、ループ外測定として、超閾イオン化検出装置62を用いて増幅器の位相同期の質を決定することができる。図5から、この測定結果が判る。f―to―2f干渉法による干渉計51を用いてループ内で測定したRMS位相ノイズは0.15rad(下方の曲線)であり、超閾イオン化検出装置62を用いてループ外で測定したRMS位相ノイズは0.23rad(上方の曲線)である。これにより本発明の方法がCE位相を正確に安定化させることが確認された。
次に第2実施形態に係るレーザ装置100を、図6の模式図に示す。この図に示すレーザ装置100は、光源部10と、パルス伸張器22、パルス増幅器21、パルス圧縮器23を有する増幅部20を備える。増幅部20は、干渉計51及び同期用電子機器52を備える増幅器のループ50で安定化される。図6によれば、増幅前に分散性物質として1対のブリュースタープリズム53をパルス伸張器22内に置くことで安定化が実行される。
パルス圧縮器23の出力パルスからの僅かなスプリットオフが、f―to―2f干渉法による干渉計51に送出される。CE位相は、上述した同期用電子機器52で安定化される。パルス伸張器23内のブリュースタープリズム53の一が装着されている圧電駆動型の並進ステージ54でフィードバックが適用される。プリズムを数マイクロメートル並進させるとCE位相を大きく変化させることができる。
本発明の方法における他の重要な利点としては、この方法が他の任意のフィードバックとは独立に機能するので、一のシステムで何度でも利用できる点が挙げられる。したがって、増幅器チェーンとしては、この方法が唯一可能なものである。図7に、光源ループ40を有する光源部10と、各々パルス伸張器、パルス増幅器、パルス圧縮器23を備える増幅部20.1、20.2で構成された多段階式チャープパルス増幅器システム101の模式図を示す。各増幅部20.1、20.2は、干渉計51.1、51.2及び同期用電子機器52.1、52.2を含む関連増幅器のループ50.1、50.2で安定化される。それぞれの安定化は上述した制御法に従って実行される。
この増幅器システム101は増幅部20.1、20.2を2つ以上、例えば5つの増幅部まで備えても良い。この方法により、CE位相の制御をペタワット(1015W)の領域における超短パルスまで高めることができる。
上記説明、図面、請求項の範囲にて開示した本発明の特長は、単独であるいは組み合わせて使用する場合において、本発明を多様な実施形態で実現するためにはいずれも重要なものである。
10・・・光源部
10’・・・シード発振器
11・・・チタンサファイア発振器
12・・・非線形結晶
13・・・ダイクロイックミラー
14・・・赤外フォトダイオード
20・・・増幅部
20’・・・増幅器
20.1・・・増幅部
20.2・・・増幅部
21・・・パルス増幅器
22・・・パルス伸張器
22’・・・パルス伸張器
23・・・パルス圧縮器
24・・・圧縮器用プリズム
25・・・パルス圧縮器の出力部
30・・・パルス整形部
31・・・中空ファイバ
32・・・チャープミラーパルス圧縮器
40・・・種光源ループ
40’・・・第1のループ
41・・・f―to―2f干渉法による干渉計
41’・・・f―to―2f干渉法による干渉計
42・・・同期用電子機器
42’・・・発振器同期用電子機器
50・・・増幅器のループ
50’・・・第2のループ
50.1・・・増幅器のループ
50.2・・・増幅器のループ
51・・・f―to―2f干渉法による干渉計
51’・・・f―to―2f干渉法による干渉計
51.1・・・干渉計
51.2・・・干渉計
52・・・同期用電子機器
52.1・・・同期用電子機器
52.2・・・同期用電子機器
53・・・分散性物質
54・・・圧電駆動型の並進ステージ
60・・・監視装置
61・・・自己相関器
62・・・超閾イオン化検出装置
100・・・レーザ装置
101・・・多段階式チャープパルス増幅器システム

Claims (17)

  1. レーザ装置(100)を用いて生成されるレーザパルスのキャリアエンベロープ位相を安定させる安定化方法であって、
    光源部(10)を用いてレーザパルスを生成する工程と、
    増幅部(20, 20.1)を用いてレーザパルスを増幅させる工程と、
    前記増幅部(20, 20.1)を用いて増幅されたレーザパルスから得られた増幅器出力信号を生成する工程と、
    前記増幅器出力信号に基づき増幅器のループ(50, 50.1)を用いてレーザパルスのキャリアエンベロープ位相を制御する工程と
    を含み、
    前記制御工程は、前記増幅器出力信号に従って前記増幅部(20, 20.1)の光路を調整する工程を含み、
    前記調整工程は、前記増幅部(20, 20.1)の光路内に分散性物質(24, 53)挿入することを含む
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記調整工程が、前記増幅部(20, 20.1)に含まれるパルス圧縮器(22)又はパルス伸張器(23)の光路内に、前記分散性物質(24, 53)を挿入することを含んでなることを特徴とする安定化方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法であって、
    前記増幅器出力信号を生成する工程が、
    増幅されたパルスの一部をf―to―2f干渉法による干渉計(51)に結合させる工程と、
    f―to―2f干渉法による干渉計(51)を用いて干渉縞を生成する工程と、
    該干渉縞をフーリエ変換させる工程と、
    を含むことを特徴とする安定化方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一に記載の方法であって、さらに、
    少なくとも一の、他の増幅部(20.2)を用いてレーザパルスを増幅させる工程と、
    前記少なくとも一の他の増幅部(20.2)を用いて増幅されたレーザパルスから得られた、少なくとも一の他の増幅器出力信号を生成する工程と、
    少なくとも一の他の増幅器のループ(50.2)を用いて、レーザパルスのキャリアエンベロープ位相を制御する工程と
    を含み、
    前記制御工程が、前記少なくとも一の他の増幅器出力信号に従って、前記少なくとも一の他の増幅部(20.2)の光路内に他の分散性物質を挿入することを含む
    ことを特徴とする安定化方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、
    前記レーザ装置(100)が連鎖状増幅部(20.1, 20.2, ...)を含み、前記連鎖状増幅部(20.1, 20.2, ...)から出力されたレーザパルスのキャリアエンベロープ位相は、各増幅部(20.1, 20.2 ...)の光路に各々分散性物質を挿入することにより制御されてなることを特徴とする安定化方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一に記載の方法であって、
    分散性物質を挿入する工程が、
    各増幅部(20, 20.1 ...)の光路に分散性プリズム(24, 53)を配置することを含むことを特徴とする安定化方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、
    前記分散性プリズム(24, 53)の一部が、5μmないし500μmの範囲内で分散性プリズムを並進させることにより設定されることを特徴とする安定化方法。
  8. 請求項1から8のいずれか一に記載の方法であって、さらに、
    前記光源部(10)を用いて生成されたレーザパルスから得られた光源の出力信号を生成する工程と、
    前記光源の出力信号に基づき、光源ループ(40)でもってレーザパルスのキャリアエンベロープ位相を制御する工程と、
    を含むことを特徴とする安定化方法。
  9. レーザパルスのキャリアエンベロープ位相を安定化させるための安定化装置であって、
    レーザパルスを増幅するために配置された増幅部(20, 20.1)と、
    レーザパルスから得られた増幅器出力信号を生成するために配置された増幅器出力信号生成器(51, 51.1)と、
    増幅器出力信号に基づきレーザパルスのキャリアエンベロープ位相を制御するために配置された増幅器のループ(50, 50.1)と、
    を備え、
    前記安定化装置はさらに、
    増幅器出力信号に従って前記増幅部(20, 20.1)の光路に分散性物質(24, 53)を挿入するために設けられた分散設定装置(54)を有することを特徴とする安定化装置。
  10. 請求項9に記載の安定化装置であって、
    前記分散設定装置(54)が、パルス圧縮器(22)又はパルス伸張器(23)の光路に配置されてなることを特徴とする安定化装置。
  11. 請求項9又は10に記載の安定化装置であって、
    前記増幅器のループ(50, 50.1)が、
    f―to―2f干渉法による干渉計(51)と、
    前記分散設定装置(54)に連結されたフーリエ変換部(52)と
    を有することを特徴とする安定化装置。
  12. 請求項9から11のいずれか一に記載の安定化装置であって、さらに、
    レーザパルスを増幅させるために配置された少なくとも一の他の増幅部(20.2)と、
    前記レーザパルスから得られた少なくとも一の他の増幅器出力信号を生成するために配置された、少なくとも一の他の増幅器出力信号生成器(51.2)と、
    前記少なくとも一の他の増幅器出力信号に基づき、レーザパルスのキャリアエンベロープ位相を制御するために配置された少なくとも一の他の増幅器のループ(50.2)と、
    前記少なくとも一の他の増幅器出力信号に従って前記少なくとも一の他の増幅部(20.2)の光路に分散性物質を挿入するために設けられた、少なくとも一の他の分散設定装置と、
    を備えることを特徴とする安定化装置。
  13. 請求項9から12のいずれか一に記載の安定化装置であって、
    前記分散性物質は分散性プリズム(24, 53)を含み、前記分散設定装置(54)は増幅器出力信号に従って、前記増幅部(20, 20.1)の光路に分散性プリズム(24, 53)を設定するために配置されてなることを特徴とする安定化装置。
  14. 請求項13に記載の安定化装置であって、
    前記分散設定装置(54)は、5μm〜500μmの範囲内で分散性プリズム(24, 53)の一を設定するために配置されてなることを特徴とする安定化装置。
  15. 請求項9から14のいずれか一に記載の安定化装置であって、
    前記分散設定装置が圧電式並進器(54)を含むことを特徴とする安定化装置。
  16. レーザ装置(100, 101)であって、
    レーザパルスを生成するために配置された光源部(10)と、
    請求項9から15のいずれか一に記載の少なくとも一の安定化装置であって、前記光源部(10)を用いて生成されるレーザパルスのキャリアエンベロープ位相を安定化させるために配置された安定化装置と、
    を備えることを特徴とするレーザ装置。
  17. 請求項16に記載のレーザ装置であって、さらに、
    レーザパルスから得られた光源出力信号を生成するために配置された光源出力信号生成器(41)と、
    光源出力信号に基づきレーザパルスのキャリアエンベロープ位相を制御するために配置された光源ループと、
    を備えることを特徴とするレーザ装置。
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