(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るタイヤ空気圧監視システムについて説明する。
先ず、図1を参照して、第1の実施形態に係るタイヤ空気圧監視システム100、および当該システムを搭載する車両200の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るタイヤ空気圧監視システム100、および当該システムを搭載する車両200の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両200は、空気圧検知機1、空気圧監視装置2、車載装置制御機4、および車載装置5を搭載する。そして、空気圧検知機1、空気圧監視装置2、および携帯機3によりタイヤ空気圧監視システム100が構成される。
空気圧検知機1は、各々搭載されたタイヤの空気圧を検出して、無線送信する装置である。空気圧検知機1は、感圧センサ11および検知機RFアンテナ12から構成される。
感圧センサ11は、タイヤの空気圧を検出するセンサ装置である。感圧センサ11は、検出したタイヤの空気圧を示すデータ(以下、空気圧データと呼称する。)を検知機RFアンテナ12へ出力する。
検知機RFアンテナ12は、高周波数帯(例えば、315MHz)の無線信号を送信するアンテナ装置である。検知機RFアンテナ12は、感圧センサ11から受信した空気圧データを無線信号で送信する。
空気圧検知機1は、車両200の各タイヤに搭載される。例えば、車両200が4輪の自動車である場合、図2に示すように車両200の右前輪、右後輪、左前輪、左後輪の各タイヤに、空気圧検知機1a、1b、1c、1dが各々搭載される。なお、図2は、車両200に空気圧検知機1を搭載した様子を示した搭載図である。図2は、空気圧検知機1a、1b、1c、1dを透視するように示した車両200の側面図および平面図を示す。
空気圧監視装置2は、空気圧データ示す無線信号を受信して、当該空気圧データを監視する装置である。空気圧監視装置2は、監視RFアンテナ21、監視ECU22、警報装置23、監視LFアンテナ24を備える。
監視RFアンテナ21は、検知機RFアンテナ12と同じ高周波数帯(例えば、315MHz)の無線信号を受信するアンテナ装置である。監視RFアンテナ21は、各タイヤの空気圧データを示す無線信号を受信し、空気圧データを示す信号を有線通信で監視ECU22へ出力する。
監視ECU22は、典型的には、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)などの情報処理装置、メモリなどの記憶装置、およびインターフェース回路などを備える制御装置である。監視ECU22は受信した各タイヤの空気圧データに基づいて制御処理を行う。
警報装置23は、例えば、車両200のメーターパネル内に備えられたLEDランプである。警報装置23は、監視ECU22から出力される警報信号を受信した場合に、点灯する。
監視LFアンテナ24は、上記高周波数帯と帯域が重複しない低周波数帯(例えば、15kHz)の無線信号を送信するアンテナ装置である。監視LFアンテナ24は、監視ECU22の指示に応じて、中継モード移行信号を無線送信する。中継モード移行信号は、携帯機3の動作のモードを変更する指示信号である。
携帯機3は、車両200に搭載される車載装置5を遠隔制御する電子端末装置であり、所謂、スマートエントリーシステムのスマートキーである。携帯機3は、スイッチ31、マイクロコンピュータ32、携帯LFアンテナ33、携帯RFアンテナ34を備える。
スイッチ31は、例えば、押下式のスイッチである。スイッチ31は、ユーザーにより押下操作された場合、当該押下操作があったことを示す入力信号をマイクロコンピュータ32へ送信する。
マイクロコンピュータ32は、CPUなどの情報処理装置、メモリなどの記憶装置、およびインターフェース回路などを備える制御装置である。マイクロコンピュータ32の処理の詳細は、後述図6において説明する。
携帯LFアンテナ33は、監視LFアンテナ24と同じ低周波数帯(例えば、15kHz)の無線信号を送受信するアンテナ装置である。携帯LFアンテナ33は、監視LFアンテナ24から送信される中継モード移行信号、および車載装置制御機4から送信される無線信号を受信し、各信号をマイクロコンピュータ32へ有線送信する。また、携帯LFアンテナ33は、マイクロコンピュータ32から入力される信号を無線送信する。
携帯RFアンテナ34は、検知機RFアンテナ12と同じ高周波数帯(例えば、315MHz)の無線信号を送受信するアンテナ装置である。携帯RFアンテナ34は、検知機RFアンテナ12から送信された、各タイヤの空気圧データを示す無線信号を受信し、当該空気圧データを示す信号を有線通信でマイクロコンピュータ32へ出力する。そして、携帯RFアンテナ34は、マイクロコンピュータ32の指示に応じて、受信した空気圧データを示す信号を無線送信する。
車載装置制御機4は、車両200の本体に搭載されて所謂スマートエントリーシステムの制御処理を行う車載装置である。車載装置制御機4は、車載制御LFアンテナ41、および車載制御ECU42を備える。
車載制御LFアンテナ41は、監視LFアンテナ24と同じ低周波数帯(例えば、15kHz)の無線信号を送受信するアンテナ装置である。車載制御LFアンテナ41は、携帯機3の携帯LFアンテナ33から送信される信号、例えば、車両200のドアの開施錠を指示する信号を受信し、当該信号を車載制御ECU42へ送信する。
車載制御LFアンテナ41は、車両200に複数搭載される。例えば、図2に示すように、車両200のインストゥルメントパネル内部、左側ドア、右側ドア、後部トランクフロア内に、車載制御LFアンテナ41a、41b、41c、41dが各々搭載される。なお、上記の車載制御LFアンテナ41の搭載位置は一例であり、車両200内部の任意の位置に任意の数の車載制御LFアンテナ41を搭載して構わない。
車載制御ECU42は、CPUなどの情報処理装置、メモリなどの記憶装置、およびインターフェース回路などを備える制御装置である。車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41を介して、携帯機3と無線通信を行った処理の結果に基づいて、車載装置5を動作させる制御信号を当該車載装置5に対して出力する。
車載装置5は、車両200のドアのロック装置や、ドアの自動開閉装置などの車載装置である。車載装置5は、車載制御ECU42からの制御信号に応じて、例えば、ドアのロック装置の開施錠動作や、ドアの開閉動作等の動作を各々行う。
上記の通り、携帯機3、車載装置制御機4、および車載装置5により従来周知のスマートエントリーシステムが構成される。
次いで、図3を参照して、監視ECU22が実行する処理(以下、監視制御処理と呼称する)について説明する。図3は、監視ECU22が実行する監視制御処理の一例を示すフローチャートである。監視ECU22は、自機に電力が供給されると、先ず、図3中ステップA1の処理を実行する。
ステップA1において、監視ECU22は、受信状態判定処理を実行する。受信状態判定処理は、全てのタイヤの空気圧データを正常に受信しているか否かを判定する処理である。以下、図4を参照して受信状態判定処理について説明する。なお、図4は受信状態判定処理の一例を示すフローチャートである。監視ECU22は、受信状態判定処理を開始すると、先ず、ステップA11の処理を実行する。
ステップA11において、監視ECU22は、空気圧検知機1aから空気圧データPaを正常に受信しているか否かを判定する。空気圧データPaは、空気圧検知機1aが取り付けられたタイヤの空気圧を示すデータである。空気圧データには、空気圧検知機1a〜1dの何れから検出されたデータであるかを示す識別コードが各々含まれる。監視ECU22は、上記識別コードに基づいて、受信した空気圧データが空気圧検知機1a〜1dの何れから検出されたデータであるかを判別する。監視ECU22は、空気圧データPaを正常に受信したと判定した場合、処理をステップA12へ進める。一方、監視ECU22は、空気圧検知機1aから空気圧データPaを正常に受信していないと判定した場合、処理をステップA16へ進める。
ステップA12において、監視ECU22は、空気圧検知機1bから空気圧データPbを正常に受信しているか否かを判定する。空気圧データPbは、空気圧検知機1bが取り付けられたタイヤの空気圧を示すデータである。監視ECU22は、空気圧データPbを正常に受信したと判定した場合、処理をステップA13へ進める。一方、監視ECU22は、空気圧検知機1bから空気圧データPbを正常に受信していないと判定した場合、処理をステップA16へ進める。
ステップA13において、監視ECU22は、空気圧検知機1cから空気圧データPcを正常に受信しているか否かを判定する。空気圧データPcは、空気圧検知機1cが取り付けられたタイヤの空気圧を示すデータである。監視ECU22は、空気圧データPcを正常に受信したと判定した場合、処理をステップA14へ進める。一方、監視ECU22は、空気圧検知機1cから空気圧データPcを正常に受信していないと判定した場合、処理をステップA16へ進める。
ステップA14において、監視ECU22は、空気圧検知機1dから空気圧データPdを正常に受信しているか否かを判定する。空気圧データPdは、空気圧検知機1dが取り付けられたタイヤの空気圧を示すデータである。監視ECU22は、空気圧データPdを正常に受信したと判定した場合、処理をステップA15へ進める。一方、監視ECU22は、空気圧検知機1dから空気圧データPdを正常に受信していないと判定した場合、処理をステップA16へ進める。
ステップA15において、監視ECU22は、正常受信フラグをオンに設定する。正常受信フラグは、監視ECUが各空気圧データを正常に受信したか否かを示すフラグである。正常受信フラグがオンである場合、各空気圧データを正常に受信したことが示される。一方、正常受信フラグがオフである場合、何れかのタイヤの空気圧データが正常に受信されていないことが示される。本ステップA15において、監視ECU22は、正常受信フラグをオンに設定して、当該フラグの状態を記憶装置に記憶する。監視ECU22は、正常受信フラグをオンに設定すると、受信状態判定処理を完了し、処理を図3のステップA2へ進める。
ステップA16において、監視ECU22は、正常受信フラグをオフに設定する。具体的には、監視ECU22は、正常受信フラグをオフに設定して、当該フラグの状態を記憶装置に記憶する。監視ECU22は、正常受信フラグをオフに設定すると、受信状態判定処理を完了し、処理を図3のステップA2へ進める。
上記受信状態判定処理によれば、車両200に備えられた全てのタイヤの空気圧データを監視ECU22が正常に受信している場合に、正常受信フラグがオンに設定され、車両200に備えられたタイヤの何れかの空気圧データを監視ECU22が正常に受信していない場合に、正常受信フラグがオフに設定される。
図3の説明に戻り、ステップA2において、監視ECU22は、正常受信フラグがオンであるか否かを判定する。具体的には、監視ECU22は、上述の受信状態判定処理において設定した正常受信フラグを読み出し、当該フラグの状態がオンまたはオフの何れであるかを判別する。監視ECU22は、正常受信フラグがオンである場合、処理をステップA3へ進める。一方、監視ECU22は、正常受信フラグがオフである場合、処理をステップA5へ進める。
ステップA3において、監視ECU22は、空気圧判定処理を実行する。以下、図5を参照して空気圧判定処理について説明する。なお、図5は空気圧判定処理の一例を示すフローチャートである。監視ECU22は、空気圧判定処理を開始すると、先ず、ステップA31の処理を実行する。
ステップA31において、監視ECU22は、空気圧データPaの値が閾値Pthより大きいか否かを判定する。閾値Pthは、予め監視ECU22の記憶装置に記憶された定数値である。閾値Ptは、例えば、タイヤの損傷の可能性が高くなる空気圧の値を予め実験的に計測し、当該計測値に基づいて設定するなどして良い。監視ECU22は、上記受信状態判定処理のステップA11において受信した空気圧データPaと、上記閾値Pthの値とを比較して、空気圧データPaの値が閾値Pthより大きいか否かを判定する。監視ECU22は、空気圧データPaの値が閾値Pthより大きいと判定した場合、処理をステップA32へ進める。一方、監視ECU22は、空気圧データPaの値が閾値Pth以下であると判定した場合、処理をステップA35へ進める。
ステップA32において、監視ECU22は、空気圧データPbの値が閾値Pthより大きいか否かを判定する。監視ECU22は、上記受信状態判定処理のステップA12において受信した空気圧データPbと、上記閾値Pthの値とを比較して、空気圧データPbの値が閾値Pthより大きいか否かを判定する。監視ECU22は、空気圧データPbの値が閾値Pthより大きいと判定した場合、処理をステップA33へ進める。一方、監視ECU22は、空気圧データPbの値が閾値Pth以下であると判定した場合、処理をステップA35へ進める。
ステップA33において、監視ECU22は、空気圧データPcの値が閾値Pthより大きいか否かを判定する。監視ECU22は、上記受信状態判定処理のステップA13において受信した空気圧データPcと、上記閾値Pthの値とを比較して、空気圧データPcの値が閾値Pthより大きいか否かを判定する。監視ECU22は、空気圧データPcの値が閾値Pthより大きいと判定した場合、処理をステップA34へ進める。一方、監視ECU22は、空気圧データPcの値が閾値Pth以下であると判定した場合、処理をステップA35へ進める。
ステップA34において、監視ECU22は、空気圧データPdの値が閾値Pthより大きいか否かを判定する。監視ECU22は、上記受信状態判定処理のステップA13において受信した空気圧データPdと、上記閾値Pthの値とを比較して、空気圧データPdの値が閾値Pthより大きいか否かを判定する。監視ECU22は、空気圧データPdの値が閾値Pthより大きいと判定した場合、空気圧判定処理を完了し、処理を図3のステップA4へ進める。一方、監視ECU22は、空気圧データPdの値が閾値Pth以下であると判定した場合、処理をステップA35へ進める。
ステップA35において、監視ECU22は、警報信号を出力する。警報信号は、警報装置23を動作させる指示信号である。具体的には、監視ECU22は、警報信号を警報装置23へ送信する。警報信号を受信した警報装置23は、ランプを点灯して、空気圧の低下をユーザーに対して報知する。ステップA35の処理を完了すると、監視ECU22は、空気圧判定処理を完了し、処理を図3のステップA4へ進める。
上記空気圧判定処理によれば、何れかのタイヤの空気圧が閾値Pth以下となった場合、警報装置23から発せられる警報により、当該空気圧の低下をユーザーに知らせることができる。
ステップA4において、監視ECU22は、不通カウンタNをリセットする。不通カウンタNは、監視ECU22の記憶装置に記憶される変数である。監視ECU22は、後述ステップA5およびステップA6において不通カウンタNの値に基づいた制御処理を行う。本ステップA4において、監視ECU22は、不通カウンタNの値を、予め定めた初期値で上書きして記憶装置に記憶する。ステップA4の処理を完了すると、監視ECU22は処理をステップA1へ戻す。
ステップA5において、監視ECU22は、不通カウンタNをカウントアップする。具体的には、不通カウンタNの値に、例えば1などの定められた定数を加算し、当該加算後の値を記憶装置に上書きして記憶する。ステップA5の処理を完了すると監視ECU22はステップA6へ処理を進める。
ステップA6において、監視ECU22は、不通カウンタNの値が閾値Nthより大きいか否かを判定する。閾値Nthは、監視ECU22の記憶装置に予め記憶された定数値である。監視ECU22は、不通カウンタNの値と、閾値Nthとを記憶装置から読み出して比較し、不通カウンタNの値が閾値Nthより大きいか否か判定する。監視ECU22は、不通カウンタNの値が閾値Nthより大きいと判定した場合、処理をステップA7へ進める。一方、監視ECU22は、不通カウンタNの値が閾値Nth未満である場合、処理をステップA1へ戻す。
ステップA7において、監視ECU22は、中継モード移行信号を送信する。上記の通り、中継モード移行信号は、携帯機3の動作のモードを変更する指示信号である。監視ECU22は、監視LFアンテナ24を介して、中継モード移行信号を低周波数帯の無線信号で携帯機3へ送信する。ステップA7の処理を完了すると、監視ECU22は処理をステップA1へ戻す。
上記監視制御処理のステップA1からステップA7の処理によれば、監視ECU22は、何れかのタイヤの空気圧データが正常に受信できない場合、不通カウンタNの値が閾値Nthに達するまでの所定時間待機した後、中継モード移行信号を送信する。一方、全てのタイヤから空気圧データを正常に受信している場合には、監視ECU22は、不通カウンタNの値をリセットして、中継モード移行信号を送信しない。
なお、上記の通り、閾値Nthの値に応じて、中継モード処理を開始するまでの時間が決定される。したがって、より早く中継モード処理を開始したい場合、閾値Nthの値を比較的小さな値とし、中継モード処理の開始を遅らせたい場合、閾値Nthの値を比較的大きな値として設定すると良い。
次いで、図6を参照して、車載制御ECU42が実行する車載装置制御処理について説明する。図6は、車載制御ECU42が実行する車載装置制御処理の一例を示すフローチャートである。車載制御ECU42は、電力を供給されると図6の車載装置制御処理を開始し、先ずステップB1の処理を実行する。
ステップB1において、車載制御ECU42は、リクエスト信号を送信する。リクエスト信号は、携帯機3が車載装置制御機4と通信可能な範囲に存在するか否かを確認するための信号である。車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41a〜41dの各々からリクエスト信号を低周波数帯で無線送信する。なお、詳細は後述するが、リクエスト信号を受信した携帯機3は、当該リクエスト信号を受信したことを示すリプライ信号を返送する。ステップB1の処理を完了すると処理をステップB2へ進める。
ステップB2において、車載制御ECU42は、車内判定処理を実行する。車内判定処理は、携帯機3が車両200の内部に存在しているか否かを判定する処理である。以下、図7を参照して車内判定処理について説明する。なお、図7は車内判定処理の一例を示すフローチャートである。車載制御ECU42は、受信状態判定処理を開始すると、先ず、ステップB21の処理を実行する。
ステップB21において、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41aでリプライ信号を受信したか否かを判定する。具体的には、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41aから入力される信号にリプライ信号が含まれるか否かを判定する。車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41aでリプライ信号を受信したと判定した場合、処理をステップB22へ進める。一方、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41aでリプライ信号を受信していないと判定した場合、車内判定処理を完了し、処理を図6のステップB3へ進める。
ステップB22において、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41bでリプライ信号を受信したか否かを判定する。具体的には、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41bから入力される信号にリプライ信号が含まれるか否かを判定する。車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41bでリプライ信号を受信したと判定した場合、処理をステップB23へ進める。一方、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41bでリプライ信号を受信していないと判定した場合、車内判定処理を完了し、処理を図6のステップB3へ進める。
ステップB23において、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41cでリプライ信号を受信したか否かを判定する。具体的には、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41cから入力される信号にリプライ信号が含まれるか否かを判定する。車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41cでリプライ信号を受信したと判定した場合、処理をステップB24へ進める。一方、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41cでリプライ信号を受信していないと判定した場合、車内判定処理を完了し、処理を図6のステップB3へ進める。
ステップB24において、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41dでリプライ信号を受信したか否かを判定する。具体的には、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41dから入力される信号にリプライ信号が含まれるか否かを判定する。車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41dでリプライ信号を受信したと判定した場合、処理をステップB25へ進める。一方、車載制御ECU42は、車載制御LFアンテナ41dでリプライ信号を受信していないと判定した場合、車内判定処理を完了し、処理を図6のステップB3へ進める。
ステップB25において、車載制御ECU42は、車内フラグ信号を送信する。車内フラグ信号は、携帯機3が車内に存在することを示す信号である。車載制御ECU42は、車内フラグ信号を、低周波数帯の無線信号で携帯機3へ送信する。ステップB25の処理を完了すると、車載制御ECU42は、車内判定処理を完了し、処理を図6のステップB3へ進める。
上記車内判定処理によれば、全ての車載制御LFアンテナがリプライ信号を受信した場合、すなわち全ての車載制御LFアンテナと通信可能な位置に携帯機3が存在している場合、携帯機が車両200の内部に存在すると判定される。なお、上記車内判定処理は一例であり、携帯機3が車内に存在するか否かが判定可能であれば、従来周知の任意の手法を用いて、携帯機3が車内に存在するか否か判定して構わない。
図6の説明に戻り、ステップB3において、車載制御ECU42は、入力指示信号を受信しているか否かを判定する。入力指示信号は、ユーザーのスイッチ31への入力操作に応じて携帯機3から送信される信号であって、車載装置5の動作を指示する指示信号である。車載制御ECU42は、入力指示信号を車載制御LFアンテナ41a〜41dの何れかから受信しているか否かを判定する。車載制御ECU42は、入力指示信号を受信していると判定した場合処理をステップB4へ進める。一方、車載制御ECU42は、入力指示信号を受信していないと判定した場合処理をステップB5へ進める。
ステップB4において、車載制御ECU42は、車載装置制御信号を出力する。車載装置制御信号とは、入力指示信号に応じて車載装置5の動作を制御する信号である。車載制御ECU42は、車載装置5に対して、車載装置制御信号を出力する。例えば、車載装置5として電子制御式のドアのロック装置が車両200に備えられている場合、ユーザーが携帯機3のスイッチ31を押下して当該ロック装置の開施錠操作を行うことにより、開施錠の指示を示す車載装置制御信号が当該ロック装置に対して出力される。ステップB4の処理を完了すると、車載制御ECU42は、処理をステップB5へ進める。
ステップB5において、車載制御ECU42は、タイマー値TSをカウントアップする。タイマー値TSは、車載制御ECU42の記憶装置に記憶される変数である。車載制御ECU42は、タイマー値TSに、例えば1などの定められた定数を加算し、当該加算後の値を記憶装置に上書きして記憶する。ステップB5の処理を完了すると車載制御ECU42は、処理をステップB6へ進める。
ステップB6において、車載制御ECU42は、タイマー値TSが閾値TSthより大きいか否かを判定する。閾値TSthは、車載制御ECU42の記憶装置に予め記憶された定数値である。車載制御ECU42は、タイマー値TSの値と、閾値TSthとを記憶装置から読み出して比較し、タイマー値TSの値が閾値TSthより大きいか否か判定する。車載制御ECU42は、タイマー値TSの値が閾値TSthより大きいと判定した場合、処理をステップB2へ進める。一方、車載制御ECU42は、タイマー値TSの値が閾値TSth未満である場合、処理をステップB1へ戻す。
上記ステップB5からステップB6の処理によれば、車載制御ECU42に電力が供給されている間、定期的にリクエスト信号が送信される。
次いで、図8を参照して、携帯機3のマイクロコンピュータ32が実行する携帯機制御処理について説明する。図8は、マイクロコンピュータ32が実行する携帯機制御処理の一例を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ32は、電力を供給されると、図8の携帯機制御処理を開始し、先ずステップC1の処理を実行する。
ステップC1において、マイクロコンピュータ32は、リクエスト信号を受信しているか否かを判定する。具体的には、マイクロコンピュータ32は、携帯LFアンテナ33を介して車載制御ECUから送信されるリクエスト信号を受信しているか否かを判定する。マイクロコンピュータ32は、リクエスト信号を受信していると判定した場合、処理をステップC2に進めてリプライ信号を返送する。一方、マイクロコンピュータ32は、リクエスト信号を受信していないと判定した場合、ステップC2の処理を省略して、処理をステップC3へ進める。
ステップC2において、マイクロコンピュータ32は、リプライ信号を送信する。具体的には、マイクロコンピュータ32は、携帯LFアンテナ33を介してリプライ信号を低周波数帯で送信する。ステップC2の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は、処理をステップC3へ進める。
ステップC3において、マイクロコンピュータ32は、スイッチ入力を検出したか否かを判定する。具体的には、マイクロコンピュータ32は、スイッチ31から信号が入力されたか否かを判定する。マイクロコンピュータ32は、スイッチ入力が検出されたと判定した場合、処理をステップC4へ進める。一方、マイクロコンピュータ32は、スイッチ入力が検出されていないと判定した場合、処理をステップC6へ進める。
ステップC4において、マイクロコンピュータ32は、入力指示信号を送信する。具体的には、マイクロコンピュータ32は、車載装置5の動作を指示する指示信号である入力指示信号を、上記スイッチ31からの入力信号に応じて携帯LFアンテナ33を介して無線送信する。ステップC4の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は、処理をステップC5へ進める。
上記ステップC3およびステップC4の処理によれば、ユーザーのスイッチ31への入力操作に応じて車載装置5を動作させる。すなわち、ユーザーのスイッチ31への入力操作があった場合、携帯機3は、スマートキーとしての処理を実行するスマートモードで動作する。例えば、ユーザーが携帯機3のスイッチ31を押下して車両200のドアのロック装置の開錠操作を行った場合、当該ロック装置の開錠を指示する入力指示信号が送信される。なお、上記では、ユーザーのスイッチ31への入力操作により、車両200のドアのロック装置が動作する例について説明したが、ロック装置以外の車載装置を操作可能としても構わない。例えば、ユーザーのスイッチ31への入力操作により、車両200に搭載されたウィンドウの開閉、電動式ドアミラーの回動などを操作可能としても良い。
なお、上記のスマートモードの処理は一例であり、マイクロコンピュータ32は、スイッチ31へのユーザーの入力操作に限らず、車載制御ECU42との通信結果に応じて車載装置5を動作させる指示信号を出力して構わない。例えば、携帯機3が車両200に接近した場合に、車両200のドアのロックを開錠する等の処理を行っても構わない。
ステップC5において、マイクロコンピュータ32は、タイマー値TKをリセットする。タイマー値TKは、マイクロコンピュータ32の記憶装置に記憶される変数である。マイクロコンピュータ32は、タイマー値TKの値を、予め定めた初期値で上書きして記憶装置に記憶する。ステップC5の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は処理をステップC10へ進める。
ステップC6において、マイクロコンピュータ32は、車内フラグ信号を受信しているか否かを判定する。上述の通り、車内フラグ信号は、携帯機3が車両200の内部に存在することを示す信号であり、車載制御ECU42により車載制御LFアンテナ41を介して無線送信される。マイクロコンピュータ32は、車内フラグ信号を受信していると判定した場合、処理をステップC7へ進める。一方、マイクロコンピュータ32は、車内フラグ信号を受信していないと判定した場合、処理をステップC10へ進める。
ステップC7において、マイクロコンピュータ32は、中継モード移行信号を受信しているか否かを判定する。マイクロコンピュータ32は、中継モード移行信号を受信している場合、処理をステップC8へ進める。一方、マイクロコンピュータ32は、中継モード移行信号を受信していない場合、処理をステップC10へ進める。
上記ステップC6およびステップC7の処理によれば、マイクロコンピュータ32は、携帯機3が車両200の内部に存在し、且つ、中継モード移行信号を受信している場合にのみ、以下に説明するステップC8の中継モード処理を実行する。
ステップC8において、マイクロコンピュータ32は、中継モード処理を実行する。中継モード処理は、空気圧検知機1から送信された空気圧データを受信して空気圧監視装置2へ中継する処理である。図9は、第1の実施形態に係る中継モード処理の一例を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ32は、中継モード処理を開始すると、先ず図9のステップC81の処理を実行する。なお、後述ステップC12の処理により中継モードの処理に必要な回路への給電が停止されている場合、マイクロコンピュータ32は、ステップC81の処理を開始する前に上記回路への給電を開始する。
ステップC81において、マイクロコンピュータ32は、空気圧データを受信しているか否かを判定する。具体的には、マイクロコンピュータ32は、携帯RFアンテナ34で、空気圧検知機1から送信される空気圧データを受信しているか否かを判定する。マイクロコンピュータ32は、空気圧データを受信していると判定した場合、処理をステップC82へ進める。一方、マイクロコンピュータ32は、空気圧データを受信していないと判定した場合、中継モード処理を終了して、処理を図8のステップC9へ進める。
ステップC82において、マイクロコンピュータ32は、空気圧データを中継する。具体的には、上述ステップC81において受信した空気圧データを携帯RFアンテナ34から高周波数帯で無線送信する。ステップC82の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は、中継モード処理を終了し、処理をステップC9へ進める。
上記ステップC6からステップC8の処理によれば、携帯機3が車両200の内部に存在し、且つ、中継モード移行信号が送信されている場合、すなわち、車両200が走行中である可能性が高く、空気圧データが監視できていない場合、携帯機3は、空気圧検知機1から送信される空気圧データを空気圧監視装置2へ中継する、中継モードで動作する。
ステップC9において、マイクロコンピュータ32は、上述ステップC5と同様にしてタイマー値TKをリセットする。ステップC4の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は処理をステップC10へ進める。
上記ステップC3からステップC9の処理によれば、監視ECU22およびユーザーの要求に応じて携帯機3が中継モードまたはスマートモードの何れかの処理のみを実行する。したがって、各モードの機能が不要な状況下では当該不要なモードの処理をすることなく、マイクロコンピュータ32の処理量および消費電力を低減することができる。
また、上記ステップC3からステップC9の処理によれば、ステップC8の中継モード処理を実行している場合であっても、ユーザーによるスイッチ31への入力が検知された場合、ステップC4のスマートモードの処理が優先的に実行される。そのため、携帯機3のスマートキーとしての動作が阻害されることがなく、ユーザーの利便性が損なわれることがない。
ステップC10において、マイクロコンピュータ32は、タイマー値TKをカウントアップする。マイクロコンピュータ32は、タイマー値TKに、例えば1などの定められた定数を加算し、当該加算後の値を記憶装置に上書きして記憶する。ステップC10の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は、処理をステップC11へ進める。
ステップC11において、マイクロコンピュータ32は、タイマー値TKが閾値TKthより大きいか否かを判定する。閾値TKthは、マイクロコンピュータ32の記憶装置に予め記憶された定数値である。マイクロコンピュータ32は、タイマー値TKの値と、閾値TKthとを記憶装置から読み出して比較し、タイマー値TKの値が閾値TKthより大きいか否か判定する。マイクロコンピュータ32は、タイマー値TKの値が閾値TKthより大きいと判定した場合、処理をステップC12へ進める。一方、マイクロコンピュータ32は、タイマー値TKの値が閾値TKth未満である場合、処理をステップC1へ戻す。
ステップC12において、マイクロコンピュータ32は、節電モード処理を実行する。節電モード処理とは、携帯機3に搭載された一部の電子部品への電力供給を停止する処理である。例えば、マイクロコンピュータ32は、携帯RFアンテナ34およびその駆動に要する電気回路への電力供給を停止する。なお、マイクロコンピュータ32は、本ステップC12の節電モード処理において、携帯LFアンテナ33への給電は停止せず、車載制御LFアンテナ41、および監視LFアンテナ24から送信される中継モード移行信号や、リクエスト信号等の信号は受信可能な状態を常に維持する。以下、節電モード処理により消費電力を低減された携帯機3の動作の状態を節電モードと呼称する。ステップC12の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は処理をステップC1へ戻す。
上記ステップC11およびステップC12の処理によれば、中継モード処理が行われてから所定の時間が経過し、且つ、ユーザーによるスイッチ入力が行われてから所定の時間が経過した場合、携帯機3の動作のモードが、節電モード処理を行う節電モードに移行する。このように、携帯機3を節電モードへ移行することにより、携帯機3のバッテリーの消耗を抑制することができる。
上記の携帯機制御処理および携帯機3の構成によれば、所謂スマートエントリーシステムのスマートキーである携帯機3を、空気圧データの中継機として兼用することができる。したがって、スマートエントリーシステムが搭載され、予めスマートキーが附属する車両では、上記中継モード処理を実行する装置を別途に用意しなくて済む。そのため、低コストで空気圧情報を確実に監視可能なシステムを構築可能である。また、ユーザーは、スマートキーと別途に上記中継モード処理を実行する装置を携帯する必要がなく、複数の機器を携帯しなくて済む。
次いで、空気圧データが送受信される様子について図1を参照して説明する。通常、車両200に備えられたタイヤの空気圧データは、検知機RFアンテナ12から監視RFアンテナ21へ経路R1で、常時、無線送信される。ここで、周囲の物体や、電波干渉等の影響により、経路R1での空気圧データの送信が妨害された場合、すなわち、監視ECU22が経路R1で空気圧データを受信できない場合、監視ECU22は、中継モード移行信号を監視LFアンテナ24から携帯LFアンテナ33へ経路R2で無線送信する(上記ステップA7)。中継モード移行信号を受信した場合、携帯機3のマイクロコンピュータ32は、中継モード処理を実行する(上記ステップC7からステップC8)。上記中継モード処理により、空気圧データは、検知機RFアンテナから経路R3で携帯RFアンテナ34に一旦受信された後、携帯RFアンテナ34から経路R4で監視RFアンテナ21へ中継される。
以上より、タイヤ空気圧監視システム100によれば、監視ECU22は、検知機RFアンテナ12から経路R1で空気圧データを直接受信できない場合、携帯RFアンテナ34を経由した経路R4からも空気圧データを受信することができる。すなわち、監視ECU22は、空気圧検知機1から空気圧データを直接受信できない場合であっても、携帯機3を中継機として正確に空気圧データを受信し、車両200のタイヤの空気圧を監視することができる。
また、上記タイヤ空気圧監視システム100の構成によれば、中継モード移行信号は低周波数帯で、空気圧データは高周波数帯で、各々送受信される。つまり、中継モード移行信号、および空気圧データは、各々異なる周波数帯で送受信されるため、互いに混信することがない。したがって、中継モード移行信号、および空気圧データを分離する処理を行うことなく、携帯LFアンテナ33および携帯RFアンテナ34で各々分離して受信することができる。
なお、上記第1の実施形態では、空気圧データは高周波数帯で、中継モード移行信号は低周波数帯で、各々送受信される例について説明したが、監視ECU22およびマイクロコンピュータ32が空気圧データおよび中継モード移行信号を各々区別して送受信可能であれば、重複した周波数帯で空気圧データおよび中継モード移行信号を送受信しても構わない。
(第2の実施形態)
本発明のタイヤ空気圧監視システムにおいて、監視ECU22が中継モード移行信号を送信しても、尚、空気圧データを受信できない場合、監視ECU22は、監視RFアンテナ21および携帯RFアンテナ34間の空気圧データの通信方式を切り替えても構わない。以下、第2の実施形態に係るタイヤ空気圧監視システムについて説明する。
第2の実施形態に係るタイヤ空気圧監視システムでは、監視RFアンテナ21および携帯RFアンテナ34は各々、複数の通信方式を切り替え可能に構成される。例えば、監視RFアンテナ21は、空気圧データを示す信号の受信方式を、振幅変調方式、または周波数変調方式に切り替え可能に構成される。具体的には、監視RFアンテナ21は、振幅変調方式の電波を受信可能なアンテナ装置および複合回路を備えたAMチューナーと、周波数変調方式の電波を受信可能なアンテナ装置および複合回路を備えたFMチューナーとを備え、何れかのチューナーにより空気圧データを受信する。また、携帯RFアンテナ34は、空気圧データを示す信号の送信方式を振幅変調方式、または周波数変調方式の何れかに切り替え可能に構成される。なお、他の構成については上記第1の実施形態に係るタイヤ空気圧監視システムと同様であるため、説明を省略する。
第2の実施形態に係る監視ECU22が実行する監視制御処理について、図10を参照して説明する。図10は、第2の実施形態に係る監視ECU22が実行する監視制御処理の一例を示すフローチャートである。監視ECU22は、自機に電力が供給されると、先ず、図10中ステップD1の処理を実行する。
ステップD1において、監視ECU22は、上述図4の処理と同様にして受信状態判定処理を実行する。監視ECU22は、ステップD1の処理を完了すると、処理をステップD2へ進める。
ステップD2において、監視ECU22は、上述ステップA2と同様にして正常受信フラグがオンであるか否かを判定する。監視ECU22は、正常受信フラグがオンである場合、処理をステップD3へ進める。一方、監視ECU22は、正常受信フラグがオフである場合、処理をステップD5へ進める。
ステップD3において、監視ECU22は、上述図5の処理と同様にして空気圧判定処理を実行する。監視ECU22は、ステップD3の処理を完了すると、処理をステップD4へ進める。
ステップD4において、監視ECU22は、上述ステップA4と同様にして不通カウンタNをリセットする。監視ECU22は、ステップD4の処理を完了すると、処理をステップD1へ戻す。
ステップD5において、監視ECU22は、上述ステップA5と同様にして不通カウンタNをカウントアップする。監視ECU22は、ステップD5の処理を完了すると、処理をステップD6へ進める。
ステップD6において、監視ECU22は、上述ステップA6と同様にして不通カウンタNの値が閾値Nthより大きいか否かを判定する。監視ECU22は、不通カウンタNの値が閾値Nthより大きいと判定した場合、処理をステップD7へ進める。一方、監視ECU22は、不通カウンタNの値が閾値Nth未満である場合、処理をステップD1へ戻す。
ステップD7において、監視ECU22は、上述ステップA7の処理と同様にして中継モード移行信号を送信する。ステップD7の処理を完了すると、監視ECU22は処理をステップD8へ進める。
ステップD8において、監視ECU22は、通信方式設定処理を実行する。以下、図11を参照して、通信方式設定処理の一例について説明する。図11は、通信方式設定処理の一例を示すフローチャートである。監視ECU22は、通信方式設定処理を開始すると、先ず、ステップD81の処理を実行する。
ステップD81において、監視ECU22は、監視RFアンテナ21の受信方式を振幅変調方式に設定する。具体的には、監視ECU22は、AMチューナーにより受信される振幅変調信号のみを監視ECU22へ送信するよう、設定する。ステップD81の処理を完了すると、監視ECU22は、処理をステップD82へ進める。
ステップD82において、監視ECU22は、AM通信設定信号を送信する。AM通信設定信号は、携帯RFアンテナ34の送信方式を振幅変調方式に設定するよう指示する指示信号である。監視ECU22は、AM通信設定信号を監視LFアンテナ24から無線送信する。ステップD82の処理を完了すると、監視ECU22は、処理をステップD83へ進める。
上記ステップD81およびステップD82の処理によれば、空気圧監視装置2および携帯機3の間で送受信される空気圧データの通信方式が振幅変調方式に設定される。
ステップD83において、監視ECU22は、上述図4の処理と同様にして受信状態判定処理を実行する。監視ECU22は、ステップD83の処理を完了すると、処理をステップD84へ進める。
ステップD84において、監視ECU22は、上述ステップA2と同様にして正常受信フラグがオンであるか否かを判定する。監視ECU22は、正常受信フラグがオンである場合、通信方式切り替え処理を完了して、処理を図10のステップD1へ戻す。一方、監視ECU22は、正常受信フラグがオフである場合、処理をステップD85へ進める。
上記ステップD83およびステップD84の処理によれば、振幅変調方式で空気圧データの送受信が正常に行われている場合、空気圧データの通信方式が振幅変調方式に維持される。一方、振幅変調方式で空気圧データの送受信が正常に行われていない場合、以下のステップD85およびステップD86の処理により、空気圧データの通信方式が周波数変調方式に変更される。
ステップD85において、監視ECU22は、監視RFアンテナ21の受信方式を周波数変調方式に設定する。具体的には、監視ECU22は、FMチューナーにより受信される周波数変調信号のみを監視ECU22へ送信するよう、監視RFアンテナ21の受信方式を設定する。ステップD85の処理を完了すると、監視ECU22は、処理をステップD86へ進める。
ステップD86において、監視ECU22は、FM通信設定信号を送信する。FM通信設定信号は、携帯RFアンテナ34の送信方式を周波数変調方式に設定するよう指示する指示信号である。監視ECU22は、FM通信設定信号を監視LFアンテナ24から無線送信する。ステップD86の処理を完了すると、監視ECU22は、処理をステップD87へ進める。
ステップD87において、監視ECU22は、上述図4の処理と同様にして受信状態判定処理を実行する。監視ECU22は、ステップD87の処理を完了すると、処理をステップD88へ進める。
ステップD88において、監視ECU22は、上述ステップA2と同様にして正常受信フラグがオンであるか否かを判定する。監視ECU22は、正常受信フラグがオンである場合、通信方式切り替え処理を完了して、処理を図10のステップD1へ戻す。一方、監視ECU22は、正常受信フラグがオフである場合、処理をステップD81へ戻す。
上記ステップD87およびステップD88の処理によれば、周波数変調方式で空気圧データの送受信が正常に行われている場合、空気圧データの通信方式が周波数変調方式に維持される。一方、周波数変調方式で空気圧データの送受信が正常に行われていない場合、再度、空気圧データの通信方式が振幅変調方式に切り替えられる。
次いで、第2の実施形態に係るマイクロコンピュータ32の実行する処理について説明する。第2の実施形態に係るマイクロコンピュータ32の処理は、ステップC8の中継モード処理を除いて上述図8に示した第1の実施形態に係るマイクロコンピュータ32の携帯機制御処理と同様であるので、以下では第2の実施形態に係る中継モード処理についてのみ説明し、他のステップの処理については説明を省略する。図12は、第2の実施形態に係る中継モード処理の一例を示すフローチャートである。第2の実施形態に係るマイクロコンピュータ32は、上述図8のステップC8において図12の中継モード処理を開始すると、先ず、ステップE11の処理を実行する。
ステップE11において、マイクロコンピュータ32は、AM通信設定信号を受信しているか否かを判定する。具体的には、上述ステップD82の処理で監視ECU22から監視LFアンテナ24を介して送信されるAM通信設定信号を、携帯LFアンテナ33を介して受信しているか否か判定する。マイクロコンピュータ32は、AM通信設定信号を受信していると判定した場合、処理をステップE12へ進める。一方、マイクロコンピュータ32は、AM通信設定信号を受信していないと判定した場合、処理をステップE13へ進める。
ステップE12において、マイクロコンピュータ32は、携帯RFアンテナ34の送信方式を振幅変調方式に切り替える。具体的には、マイクロコンピュータ32は、空気圧データを振幅変調して無線送信する指示信号を携帯RFアンテナ34に対して出力する。ステップE12の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は処理をステップE15へ進める。
上記ステップE11およびステップE12によれば、マイクロコンピュータ32は、監視ECU22の要求に応じて、空気圧データを振幅変調方式で送信する。
ステップE13において、マイクロコンピュータ32は、FM通信設定信号を受信しているか否かを判定する。具体的には、上述ステップD86の処理で監視ECU22から監視LFアンテナ24を介して送信されるFM通信設定信号を、携帯LFアンテナ33を介して受信しているか否か判定する。マイクロコンピュータ32は、FM通信設定信号を受信していると判定した場合、処理をステップE14へ進める。一方、マイクロコンピュータ32は、FM通信設定信号を受信していないと判定した場合、処理をステップE15へ進める。
ステップE14において、マイクロコンピュータ32は、携帯RFアンテナ34の送信方式を周波数変調方式に切り替える。具体的には、マイクロコンピュータ32は、空気圧データを周波数変調して無線送信する指示信号を携帯RFアンテナ34に対して出力する。ステップE14の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は処理をステップE15へ進める。
上記ステップE13およびステップE14によれば、マイクロコンピュータ32は、監視ECU22の要求に応じて、空気圧データを周波数変調方式で送信する。
ステップE15において、マイクロコンピュータ32は、上述ステップC81と同様にして空気圧データを受信しているか否かを判定する。マイクロコンピュータ32は、空気圧データを受信していると判定した場合、処理をステップE16へ進める。一方、マイクロコンピュータ32は、空気圧データを受信していないと判定した場合、中継モード処理を終了して、処理を図8のステップC9へ進める。
ステップE16において、マイクロコンピュータ32は、上述ステップC82と同様にして空気圧データを中継する。具体的には、上述ステップE15において受信した空気圧データを携帯RFアンテナ34から高周波数帯で無線送信する。ステップC82の処理を完了すると、マイクロコンピュータ32は、中継モード処理を終了し、処理を図8のステップC9へ進める。
以上より、第2の実施形態に係るタイヤ空気圧監視システムによれば、中継モード移行信号を送信しても、尚、空気圧データを受信できない場合、監視RFアンテナ21および携帯RFアンテナ34の間で通信する空気圧データの送受信方式が、空気圧データの受信が正常に行われるまで順次切り替えられる。したがって、所定の通信方式について通信を阻害する電波が発生している状況であっても、監視ECU22は、空気圧データを確実に受信することができる。
なお、上記に説明した通信方式設定処理では、監視ECU22が、監視RFアンテナ21の受信方式を振幅変調方式または周波数変調方式の何れかに変更する例について示したが、他の複数の異なる受信方式に切り替え可能としても構わない。同様に、携帯RFアンテナ34の送信方式も、振幅変調方式または周波数変調方式に限らず、他の複数の異なる方式に切り替え可能としても構わない。
なお、上記第1の実施形態、および第2の実施形態では、従来のスマートキーに上述の中継モードの処理機能を付加することにより携帯機3を構成する例を示したが、スマートキーに限らず、ユーザーが携帯可能な任意の携帯機器に上述の中継モードの処理機能、および携帯LFアンテナ33、および携帯RFアンテナ34を備えるようにして携帯機3を構成しても構わない。
また、上記第1の実施形態、および第2の実施形態では、携帯機3がスマートモード、中継モード、または節電モードの何れかのモードで動作する例について説明したが、マイクロコンピュータ32は、上記中継モードの処理、およびスマートモードの処理を切り替えることなく、各処理を独立並行して実行しても構わない。
また、上記第1の実施形態、および第2の実施形態では、警報装置23がLEDランプである例について説明したが、警報装置23は、ユーザーにタイヤの空気圧の低下を報知可能な機器であれば、他の出力装置であっても構わない。例えば、警報装置23として液晶ディスプレイ等の表示装置に、上記空気圧の低下を示す画像を表示させても構わないし、音声出力装置により上記空気圧の低下を示す音声を出力させても構わない。さらに、LEDランプと、これらの表示装置および音声出力装置を併用して、同時に異なる方法で警報を報知しても構わない。