JP5176964B2 - ジペプチジルペプチダーゼiv阻害剤 - Google Patents

ジペプチジルペプチダーゼiv阻害剤 Download PDF

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Description

本発明は、従来から食材として用いられてきたコラーゲンあるいはゼラチン由来のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤に関する。さらに本発明は、糖尿病治療・予防剤、哺乳動物の糖尿病の予防・治療法に関する。
近年、全世界において糖尿病が爆発的に増加している。日本では糖尿病患者600万人、その予備軍は1200万人〜1500万人といわれている。糖尿病では高血糖が続くことによって血管が徐々に障害を受け、さまざまな臓器に異常が生じる。糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症が三大合併症として以前から知られているが、近年では高脂血症や高尿酸血症などの代謝異常を併発し、動脈硬化症発症のリスクが高くなることも知られている。糖尿病には「膵β細胞の破壊的病変でインスリンの欠乏が生じて起こる」I型糖尿病と「膵β細胞の機能異常によるインスリン分泌能低下と肝、筋、脂肪組織等の標的臓器におけるインスリン感受性低下が併発することによって発症する」II型糖尿病がある。昨今激増する糖尿病はII型に由来するものであり、糖尿病の90〜95%を占めていると考えられている。II型糖尿病は「生活習慣病」といわれているように、ストレス、肥満、運動不足による基礎代謝能低下と、それに加えての高カロリー食摂取等、現代型社会生活によって引き起こされている。
このような糖尿病に関する研究分野において、消化管ホルモンであるインクレチンが注目されつつある。インクレチンはインスリン分泌を増強する消化管ホルモンの総称で、GIP(グルコース依存性インスリン分泌ポリペプチド(glucose-dependent insulinotropic polypeptide))やGLP-1(グルカゴン様ペプチド‐1(glucagon-like peptide-1))等が知られている。これらは、膵β細胞に発現する受容体を介したグルコース応答性インスリン分泌を促進し、食後の血糖上昇を抑制する。また、インスリン分泌促進以外に、膵β細胞の保護および増殖作用といった活性を持っている。しかしながら、インクレチンの問題点として、安定性が挙げられる。すなわち、インクレチンは体内に普遍的に存在するジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)によって速やかに不活性なものへと分解され、数分間で半減してしまう。そこで、DPPIV阻害剤の開発が進められている(たとえば特許文献1参照)。しかしながら、医薬品として開発されているDPPIV阻害剤は非天然物の化学合成物であり、摂取する際の安全性に問題がある。
コラーゲンは従来から食品として利用されており、コラーゲンを摂取することにより新陳代謝が促進されること(特許文献2)や頭髪の直径が太くなること(非特許文献1)、関節症治療用薬剤として利用可能なこと(特許文献3)等が報告されている。また、コラーゲンタンパクもしくはその加水分解物の経口摂取による皮膚の新陳代謝促進に関する特許(特許文献2)や生体内でのコラーゲン合成の促進に関する特許(特許文献4)も開示され、主に美容向けの健康食品が多数販売されている。
コラーゲンおよびその熱変性体であるゼラチンは粘性が高く凝固し易い性質を持つため、加工適性を向上させるため、タンパク質分解酵素を用いて処理したもの、あるいは酸‐塩基分解により部分加水分解処理したものを使用することが多い。また、タンパク質であるため抗原性を有し、アレルギー体質のヒトの摂取には問題がある。そのため、コラーゲンをコラゲナーゼによって、低分子化することにより抗原性をなくしアレルギー患者向けのタンパク質源あるいは輸液製剤成分としての利用が開示されている(特許文献5)。また、コラゲナーゼによるコラーゲンの分解物の生理活性については、フィブリン凝集阻害活性(特許文献6)、麻酔作用(非特許文献2)が知られている。しかしながら、コラーゲンあるいはその分解物にDPPIVの阻害活性があるといった報告はない。
一方で、ペプチド性のDPPIV阻害剤に関する報告がいくつかある(非特許文献3〜6)。しかしながら、これらのペプチド性のDPPIV阻害剤は、食品由来ではないため、摂取する際の安全性の点で充分とはいえない。また、コラーゲンあるいはゼラチン由来のペプチドによるDPPIV阻害に関する報告はない。
糖尿病患者は高脂血症を合併していることが多いが、DPPIV阻害剤によって血中の脂質濃度の上昇が抑制されるという報告もある(非特許文献7〜9)。しかしながら、これらのDPPIV阻害剤は非天然物の化学合成物であり、摂取する際の安全性に問題がある。
糖尿病患者は痛風あるいは高尿酸血症を併発していることも多い。痛風・高尿酸血症は糖尿病同様、動脈硬化症の危険因子であり、血糖値・尿酸値ともに高い場合は十分な注意が必要となる。
また、血中の尿酸濃度と中性脂肪濃度に正の相関があることも報告されている(非特許文献10)。しかしながら、コラーゲンあるいはゼラチン由来のペプチドによる血中尿酸濃度の上昇が抑制されるといった報告はない。
特許第3681110号号公報 特開平7−278012号公報 特開昭63−39821号公報 特許第3802721号号公報 特開平7−82299号公報 特開平6−46875号公報 Nutrition Reports International,13巻,579頁,1976年 Br.J.Pharmacol.,69巻,551頁,1980年 Arch.Biochem.Biophys., 218巻,156頁, 1982年 Biochem.J., 252巻,723頁, 1988年 Biol.Chem.Hoppe-Seyler., 372巻, 305頁, 1991年 J.Antibiot., 37巻, 422頁, 1984年 Diabetes, 51巻, 1461頁, 2002年 Diabetes, 52巻, 741頁, 2003年 Diabetes, 55巻, 1695頁, 2006年 J Zhejiang Univ Sci B., 8巻, 593頁, 2007年
本発明の課題は、安全性の高いDPPIV阻害剤および該DPPIV阻害剤を含有する糖尿病治療・予防剤、ならびに前記DPPIV阻害剤を用いる哺乳動物の糖尿病の予防・治療法、さらに糖尿病に随伴する高脂血症、痛風あるいは高尿酸血症の改善作用を有するDPPIV阻害剤を提供することにある。
本発明者らは、安全性の観点から、食材として用いられているコラーゲンあるいはゼラチン由来のペプチドに着目し、研究を行った結果、DPPIV阻害活性を有するペプチドを見出し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は、以下から構成される。
〔1〕動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、式(1):
Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
(式中、nは0〜3の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有するDPPIV阻害剤、
〔2〕前記ペプチドが
Gly-Pro-Arg、
Gly-Pro-Ser-Gly-Asn-Ala、
Gly-Pro-Ala-Gly-Pro-Ala、
Gly-Pro-Val-Gly-Ala-Arg、
Gly-Pro-Val-Gly-Pro-Ala、
Gly-Pro-Ile-Gly-Ser-Ala、
Gly-Pro-Ser-Gly-Glu-Arg-Gly-Pro-Hyp、
Gly-Pro-Arg-Gly-Arg-Thr-Gly-Asp-Ala-Gly-Pro-Val、
Gly-Pro-Val-Gly-Pro、
Gly-Leu-Ala-Gly-Pro-Hyp、
からなる群より選ばれる1種類以上のアミノ酸配列からなるペプチドである前記〔1〕記載のDPPIV阻害剤、
〔3〕前記〔1〕または〔2〕に記載のDPPIV阻害剤を有効成分として含有する糖尿病治療・予防剤、
〔4〕非ヒトの哺乳動物に対して、前記〔1〕または〔2〕に記載のDPPIV阻害剤の有効量を投与することを特徴とする糖尿病の予防・治療法。
〔5〕動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、前記式(1)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、糖尿病に随伴する高脂血症の改善作用を有するDPPIV阻害剤、
〔6〕動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、前記式(1)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、糖尿病に随伴する痛風あるいは高尿酸血症の改善作用を有するDPPIV阻害剤、
〔7〕動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、前記式(1)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、分子量が1,500以下のぺプチドを50%以上含有することを特徴とするDPPIV阻害剤、
〔8〕動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、前記式(1)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、分子量が1,500以下のぺプチドを70%以上含有することを特徴とするDPPIV阻害剤、
〔9〕動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、前記式(1)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、分子量が1,500以下のぺプチドを90%以上含有することを特徴とするDPPIV阻害剤、
〔10〕コラゲナーゼ処理された、動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチンの分解物を、有機溶媒を用いた沈殿法あるいは樹脂を用いた精製法のいずれかもしくは両方を組み合わせた方法により精製し、前記式(1)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチド組成物を得る工程を含む、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤の製造方法。

本発明のDPPIV阻害剤は、DPPIVに対して高い阻害活性を有し、かつ、コラーゲン、ゼラチン等の食品由来のため安全性が高い。また、本発明のDPPIV阻害剤は、哺乳動物の糖尿病予防・治療剤としても使用することができる。さらには、本発明のDPPIV阻害剤は、糖尿病に随伴する各種の疾患(例えば、高脂血、症痛風あるいは高尿酸血症)の改善剤としても使用することができる。
図1は、コラーゲンペプチドHACP-01およびHACP-U2、コラーゲンペプチドSCP-5000、ゼラチン、卵白ペプチド、大豆ペプチドを用いてDPPIV阻害実験を行って、分析した結果である。縦軸は、サンプルを含んでいない場合の活性を100とし、サンプルを添加した場合の活性を100から差し引いた分を阻害率(%)として相対的に表したものである。 図2は、コラーゲンペプチドHACP-01およびHACP-U2とコラーゲンペプチドSCP-5000を終濃度2.5, 5.0, 10mg/mlとなるように調整し、DPPIV阻害実験を行って、分析した結果である。縦軸は、サンプルを含んでいない場合の活性を100とし、サンプルを添加した場合の活性を100から差し引いた分を阻害率(%)として相対的に表したものである。 図3は、コラーゲンペプチドによるDPPIV阻害効果を調べた結果である。各個体の被験物質投与前(-30分)の血漿中DPPIV活性を通常時の活性(0%)とし、この活性に対して各血漿での活性の差を算出し、その比を取ることによって阻害率(%)として相対的に表したものである。なお、グラフ中の記号(*)は注射用水摂取群と比較して有意差(p<0.05)があることを示すものである。 図4は、コラーゲンペプチドによる血中GLP-1濃度上昇効果を調べた結果である。各個体の被験物質投与前(-30分)の血漿中GLP-1濃度を通常時の濃度(100%)とし、この濃度に対する各血漿での濃度の割合を算出して相対的に表したものである。なお、グラフ中の記号(*)は注射用水摂取群と比較して有意差(p<0.05)があることを示すものである。 図5は、コラーゲンペプチドによる血中インスリン濃度上昇効果を調べた結果である。各個体の被験物質投与前(-30分)の血漿中インスリン濃度を通常時の濃度(100%)とし、この濃度に対する各血漿での濃度の割合を算出して相対的に表したものである。なお、グラフ中の記号(*)は注射用水摂取群と比較して有意差(p<0.05)があることを示すものである。 図6は、コラーゲンペプチドによる血中グルコース濃度上昇抑制効果を調べた結果である。なお、グラフ中の記号(*)は対照物質摂取群と比較して有意差(p<0.05)があることを示すものである。また、0、3週目は空腹時、その他は通常時に採血を行った。 図7は、コラーゲンペプチドによる血中トリグリセライド濃度上昇抑制効果を調べた結果である。なお、グラフ中の記号(*)は対照物質摂取群と比較して有意差(p<0.05)があることを示すものである。また、0、3、6週目は空腹時、その他は通常時に採血を行った。 図8は、コラーゲンペプチドによる血中尿酸濃度上昇抑制効果を調べた結果である。なお、グラフ中の記号(*)は対照物質摂取群と比較して有意差(p<0.05)があることを示すものである。また、0、3、6週目は空腹時、その他は通常時に採血を行った。 図9は、コラーゲンペプチドによる尿中尿酸排泄量減少効果を調べた結果である。 図10は、コラーゲンペプチドによる血中グルコース濃度上昇抑制効果を調べた結果である。なお、グラフ中の記号(*)はコントロール群と比較して有意差(p<0.05)があることを示すものである。 図11は、コラーゲンペプチドHACP-01を分画したそれぞれの画分の吸光度とDPPIV阻害率を調べた結果である。折れ線グラフは215nmの吸光度を表したものである。棒グラフはそれぞれの画分のペプチドおよび分画前のHACP-01を終濃度1.0mg/mlとなるように調整し、DPPIV阻害実験を行って、分析した結果を表したものである。 図12は、MHP-0の分子量分布を調べた結果である。実線は分子量マーカー、点線はMHP-0の分子量分布を示している。矢印のMHP-0における最大のピークは分子量386.3付近にあることを示している。 図13は、コラーゲンペプチドHACP-01を異なる濃度のエタノール水溶液を用いた沈殿法により分画した上清画分および沈殿画分のDPPIV阻害率を調べた結果である。縦軸は、サンプルを含んでいない場合の活性を100とし、サンプルを添加した場合の活性を100から差し引いた分を阻害率(%)として相対的に表したものである。 図14は、コラーゲンペプチドHACP-01をエタノール沈殿法により分画したエタノール濃度85%の上清画分をさらに合成吸着剤DIAION HP20を用いて分画した画分のDPPIV阻害率を調べた結果である。縦軸は、サンプルを含んでいない場合の活性を100とし、サンプルを添加した場合の活性を100から差し引いた分を阻害率(%)として相対的に表したものである。 図15は、コラーゲンペプチドHACP-01およびE85S-0(HP20)の各濃度におけるDPPIV阻害率を調べた結果である。縦軸は、サンプルを含んでいない場合の活性を100とし、サンプルを添加した場合の活性を100から差し引いた分を阻害率(%)として相対的に表したものである。 図16は、コラーゲンペプチドHACP-01をエタノール沈殿法により分画したエタノール濃度85%の上清画分をさらに合成吸着剤SEPABEADS SP850を用いて分画した画分のDPPIV阻害率を調べた結果である。縦軸は、サンプルを含んでいない場合の活性を100とし、サンプルを添加した場合の活性を100から差し引いた分を阻害率(%)として相対的に表したものである。
本発明は、食品として広く一般的に利用されているコラーゲンやゼラチンを構成しているポリペプチドを分解したペプチドの中でも、特定のアミノ酸配列からなるペプチドがDPPIVに対して阻害活性を有し、しかも糖尿病治療、予防効果にも優れることを初めて見出し、完成させたものである。
即ち、本発明のDPPIV阻害剤は、式(1):
Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
(式中、nは0〜4の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有する。
前記式中、Glyはグリシン残基、Proはプロリン残基、Leuはロイシン残基を示す。また、上記のY、ZおよびWが採り得る、グリシン残基を除くアミノ酸残基の種類は、特に限定されず、通常は、天然に存在するアミノ酸(グリシンを除く)のアミノ酸残基、具体的には、アラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、フェニルアラニン残基、トリプトファン残基、メチオニン残基、セリン残基、トレオニン残基、システイン残基、グルタミン残基、アスパラギン残基、チロシン残基、リシン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基のいずれのアミノ酸残基であってもよい。また、前記アミノ酸残基は、ヒドロキシル基等が付与された修飾アミノ酸残基であってもよい。本明細書においては、特に断わらない限り、アミノ酸残基は、L型アミノ酸残基を意味する。
また、前記式中、nが1〜4の整数の場合、前記アミノ酸配列の末端アミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列も本発明で用いられるペプチドに含まれる。
中でも、本発明では、前記ペプチドがDPPIV阻害活性に優れる観点から、
Gly-Pro-Arg、
Gly-Pro-Ser-Gly-Asn-Ala(配列番号1)、
Gly-Pro-Ala-Gly-Pro-Ala(配列番号2)、
Gly-Pro-Val-Gly-Ala-Arg(配列番号3)、
Gly-Pro-Val-Gly-Pro-Ala(配列番号5)、
Gly-Pro-Ile-Gly-Ser-Ala(配列番号6)、
Gly-Pro-Ser-Gly-Glu-Arg-Gly-Pro-Hyp(配列番号4)、
Gly-Pro-Arg-Gly-Arg-Thr-Gly-Asp-Ala-Gly-Pro-Val(配列番号8)、
Gly-Pro-Val-Gly-Pro(配列番号9)および
Gly-Leu-Ala-Gly-Pro-Hyp(配列番号7)
からなる群より選ばれる1種類以上のアミノ酸配列からなるペプチドであることが好ましい。なお、上記式中において、アミノ酸残基はいずれも公知の3文字表記に準じて表示され、Hypはヒドロキシプロリン残基(3−ヒドロキシプロリン残基(3Hyp)または4−ヒドロキシプロリン残基(4Hyp))を示す。
また、本発明で用いるペプチドの塩としては、前記式(1)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(該ペプチドのアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドを含む)とナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム等の三価金属等の無機塩基との塩、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩が挙げられる。本発明の有効成分である式(1)で表されるペプチドまたはその塩は、水和物、各種溶媒和物として、または結晶多形の物質として単離される場合もあり、本発明にはこれらの単離されたものおよび混合物の全てが包含される。
本発明で用いるペプチドまたはその塩は、前述したコラーゲンまたはゼラチンを含む原料から公知の方法によって製造することもできるし、ペプチドをコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによっても製造することができる。また、公知のペプチド合成法に準じて製造することもできる。
例えば、本発明のDPPIV阻害剤は、前記式(1)で表されるペプチドまたはその塩を有効成分として含有しているものであればよく、例えば、コラーゲンまたはゼラチンをコラゲナーゼ処理した分解物であってもよい。原料となるコラーゲンは、特に限定されず、I型からXIII型のコラーゲンのいずれをも用いることが可能であり、これらの混合物である混合型のコラーゲンを用いることもできる。現実的には、コラーゲンは、各種の動物や魚類から得られる、混合型のコラーゲンを用いることが想定されるが、このコラーゲンの出所となる動物(例えば、牛、豚等)や魚類(例えば、ヒラメ、サケ、イワシ、マグロ等)の種類や、コラーゲンの抽出部位も、骨、皮、腱、ウキブクロ(魚類)等が可能である。
これらの成分からのコラーゲンの抽出・精製は、通常公知の方法を用いて行うことができる。具体的には、例えば、骨、皮、腱、ウキブクロ等のコラーゲンを含有する組織を粉砕した後、水洗、希塩溶液による抽出、酸あるいはアルカリ溶液による抽出、ペプシン,トリプシンやヒアルロニダーゼ等の酵素による抽出を行い、塩析や透析等の公知の精製手段を施して、コラーゲンを精製して得ることができる。また、通常公知の方法により、「再生コラーゲン」として得ることも可能である。また、市販のコラーゲンを、原料として用いることも可能である。
そして、ゼラチンは、上述のコラーゲンを、水で加熱抽出して得られる水溶性タンパク質である。本発明においては、通常公知の方法により製造したゼラチンを原料として用いることも可能であり、市販品を用いることも可能である。
本発明に用いるペプチドは、上述のようにして得られるコラーゲンまたはゼラチンに、コラゲナーゼを作用させた製造することができる。具体的には、コラーゲンまたはゼラチンにコラゲナーゼ処理を施した分解物(コラゲナーゼ分解物)を使用する。
コラゲナーゼとしては、特に限定されないが、クロストリジウム・ヒストリティカム(Clostridium histolyticum)、ストレプトミセス・パルブラス(Streptomyces parvulus)等の細菌、放線菌または真菌等由来で、コラーゲン特有のアミノ酸配列〔(Gly−A−B)n(式中、A,Bは、グリシン残基を除くアミノ酸残基を表し、互いに同一であっても、異なってもよく、nは、正の整数を表す):以下、このアミノ酸配列を、「特有アミノ酸配列」ともいう)〕のグリシン残基のアミノ基末端側を、特異的に切断するコラゲナーゼを用いることで、この特有アミノ酸配列のペプチドを豊富に含むコラゲナーゼ分解物を得ることが可能であり、好ましい。また、ここで用いるコラゲナーゼは、天然物として得られるコラゲナーゼは勿論のこと、例えば、タンパク工学的な手法で改変して得られる、上記の特異性を有する改変コラゲナーゼであってもよい。
上記のA、Bが採り得る、グリシン残基を除くアミノ酸残基の種類は、特に限定されず、通常は、天然に存在するアミノ酸(グリシンを除く)のアミノ酸残基、具体的には、アラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基、プロリン残基、フェニルアラニン残基、トリプトファン残基、メチオニン残基、セリン残基、トレオニン残基、システイン残基、グルタミン残基、アスパラギン残基、チロシン残基、リシン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基のいずれのアミノ酸残基であってもよい。
また、本発明に用いられ得るペプチドは、通常公知の方法、例えば、特開平7−82299号公報や特開平9−176196号公報に記載されている方法に準じて、遊離またはキトバール等の固定化担体に固定化されたコラゲナーゼを、バッチ法、カラム法またはこれらの方法を組み合わせ、好ましくは、反応温度を40〜45℃に設定して、前記コラーゲンまたはゼラチンと接触させることで製造することができる。
コラゲナーゼ分解物は、上述の方法に従い、これを製造してそのまま用いてもよいが、各種基材に配合してもよい。配合量や基材の種類は特に限定されるものではなく、適時設定すればよい。基材としてはたとえば、錠剤、カプセル、飴、グミあるいは飲料等の経口投与基材が好ましい。また、食品・医薬品を問わず、公知の技術を用いて、いずれにおいても製造することができる。なお、コラゲナーゼ分解物として市販品、例えば、商品名コラーゲン・トリペプチドHACP(ゼライス社製)等を用いることも可能である。
これらのコラゲナーゼ分解物は、各種の精製方法に供することが好ましい。
例えば、前記コラゲナーゼ分解物あるいはその市販品を、さらに種々の樹脂を用いて精製することによって、DPPIVの阻害活性を高めた画分を得ることもできる。使用する樹脂としてはたとえば、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、多孔性樹脂、特殊樹脂(キレート樹脂、合成吸着剤、蛋白分離剤)等が挙げられるが、回収した画分の脱塩処理工程が不要であることから、合成吸着剤を用いるのが好ましい。合成吸着剤としてはたとえば、芳香族(スチレン‐ビニルベンゼン)系、芳香族系修飾型、アクリル(メタクリル)系等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。吸着した有機物の溶離には、酸、アルカリまたは種々の有機溶媒、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールや酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン等のケトン類を用いることできるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機溶媒は単独または2種類以上を混合して用いてもよく、有機溶媒と水あるいは酸、アルカリとの混合溶媒としてもよい。なお、経済性と安全性の点からは、エタノールまたはエタノール水溶液を用いて溶離するのが好ましい。精製は、バッチ法あるいはカラム法にて行うことができる。回収した画分は減圧または限外ろ過により濃縮し、さらに必要に応じて溶媒を完全に除去して乾固するか凍結乾燥を行ってもよい。
また、上述の方法に従い製造したコラゲナーゼ分解物あるいはその市販品を、さらに種々の有機溶媒を用いて精製することによって、DPPIVの阻害活性を高めた画分を得ることもできる。使用する有機溶媒としてはたとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールや酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン等のケトン類を用いることできるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機溶媒は単独または2種類以上を混合して用いてもよく、有機溶媒と水あるいは酸、アルカリとの混合溶媒としてもよい。なお、経済性と安全性の点からは、エタノール水溶液を用いて精製するのが好ましい。精製は、沈殿法にて行うことができる。回収した画分は減圧または限外ろ過により濃縮し、さらに必要に応じて溶媒を完全に除去して乾固するか凍結乾燥を行ってもよい。
中でも、上述の方法に従い製造したコラゲナーゼ分解物あるいはその市販品を、さらに種々の有機溶媒を用いた沈殿法および前記のような種々の樹脂を用いた精製法を組み合わせることによって、前記式(1)で表されるアミノ酸配列からなるペプチドを含む画分(ペプチド組成物)を効率的に得て、DPPIVの阻害活性を高めたペプチド組成物を製造することができるので好ましい。
また、本発明で用いられるペプチドは、公知のペプチドの合成法に従って製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。
また、合成反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶等を組み合わせて本発明で用いられるペプチドを精製単離することができる。また、ペプチドの塩の種類については、上記方法で得られるペプチドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。
また、本発明で用いられるペプチドを遺伝工学的な手法で製造することもできる。例えば、前記ペプチドをコードする塩基配列を含有するポリヌクレオチド、好ましくはDNAを作製して行うことができる。DNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した原料由来のcDNA、前記した原料由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
前記のポリヌクレオチドは、例えば、DNAリガーゼ、制限酵素等の公知の方法を用いてベクターに組み込み、次いでそのベクターを宿主細胞中で増幅させることも可能である。ベクター、宿主細胞等については公知のものであれば特に限定はない。培養した宿主細胞から本発明のペプチドを分離精製することで、本発明に用いられるペプチドを大量に得ることができる。分離精製方法としては、公知の方法であれば特に限定はない。
以上のようにして得られる前記式(1)で表されるペプチドまたはその塩(以下、本発明のペプチド等と略す)は、DPPIV阻害剤として使用することができる。
また、本発明のペプチド等は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明のDPPIV阻害剤としては、本発明のペプチド等を含有していればよいが、本発明のペプチド等の含有率が高く、DPPIV阻害活性が高いという観点から、分子量が1,500以下のぺプチドを50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有することが望ましい。
また、本発明のDPPIV阻害剤は、哺乳動物の糖尿病の予防・治療剤として使用することができる。
前記DPPIV阻害剤を糖尿病の予防・治療剤として使用する場合は、常套手段に従って、その有効量をヒトまたは非ヒトの哺乳動物に対して投与することができる。
本発明の糖尿病治療・予防剤は、前記式(1)で表されるペプチドまたはその塩と、薬学的に許容される製薬用の担体とを配合して、経口、非経口の固体、液体等の医薬組成物として調製される。
前記の経口投与のための固体組成物としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤等が挙げられる。このような固体組成物においては、一つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ぶどう糖、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、各種でんぷん、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸またはアスパラギン酸のような溶解乃至溶解補助剤を含有していてもよい。また、錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤の顆粒は、必要により、しょ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどのような糖衣、または胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、公知の可溶化処理を施して製剤化を行うこともできる。
経口投与のための液体組成物としては、製薬学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等の製剤形態を含み、組成物の成分として一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノール等を含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤などの補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
また、非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性または非水性の、溶液剤、懸濁剤および乳濁剤を包含する。水性の溶液剤や懸濁剤には、例えば注射剤用蒸留水および生理食塩水が含まれる。非水性の溶液剤、懸濁剤には、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのような製薬学的に許容されるアルコール類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのような界面活性剤が含まれる。このような水性、非水性の組成物はこれらの添加剤以外に湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えばラクトース)、溶解乃至溶解補助剤(例えば、グルタミン酸やアスパラギン酸など)などの補助剤や防腐剤を含有していてもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合または照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物として製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用する形態とすることもできる。
本発明のペプチド等を上記の疾患の予防・治療目的で用いるには、通常経口または非経口で投与される。ペプチド等の投与量は被検体の年齢、体重、症状、治療効果、投与ルート等により異なり、これらを考慮して適宜設定されるが、例えば、ヒトであれば通常成人一日当たり、経口投与で1mg〜10g、好ましくは10mg〜3g、また、非経口投与で0.1mg〜1gが好ましく、これを1日1回であるいは2〜数回に分けて投与される。投与量は予防目的やその他の種々の条件によって変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。被検体がヒト以外の哺乳動物であれば上記のヒトに準じて投与量を調整すればよい。
また、本発明のDPPIV阻害剤は、糖尿病に随伴する各種の疾患(例えば、高脂血、症痛風あるいは高尿酸血症)の改善作用も有する。したがって、本発明のDPPIV阻害剤は、糖尿病に随伴する各種の疾患(例えば、高脂血、症痛風あるいは高尿酸血症)の予防・治療剤としても使用できる。
このようにして得られる本発明のDPPIV阻害剤は、コラーゲンまたはゼラチン由来であることから、安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等)に対して投与することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1)
コラーゲンペプチドHACP-01(ゼライス社製、豚皮由来のゼラチンのコラゲナーゼ処理品)およびHACP-U2(ゼライス社製、魚鱗由来のゼラチンのコラゲナーゼ処理品)、コラーゲンペプチドSCP-5000(新田ゼラチン社製)、ゼラチン、卵白ペプチド、大豆ペプチドをそれぞれ25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に10mg/mlとなるように溶解した。
DPPIVに対する活性阻害実験は以下の方法に従った。25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)20μl、バッファーもしくはサンプル溶液5μl、希釈したDPPIV溶液(1ng/μl)5μlを混合し、室温で5分間インキュベートした。酵素反応開始は25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に溶かした基質溶液(0.25mMのグリシルプロリン−4−メチルクマリル−7−アミド(Gly-Pro-MCA))を20μl添加することによって行った。室温で10分間反応後、96ウェルプレート対応蛍光検出器(フルオロスキャンアセント:サーモエレクトロン社製)で、DPPIVによって遊離される7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC)量を測定した。なお、励起波長は390nm、測定波長460nmで行った。対照区はDPPIV溶液の代わりに25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)を用いて同様に行った。
DPPIV阻害率の計算は、サンプル溶液を含んでいない場合の活性を100とし、ペプチド溶液を添加した場合の活性を100から差し引いた分を阻害率(%)とした。サンプル自体の擬似阻害効果を補正して阻害率を求めた。その結果、各サンプルのDPPIV阻害率はサンプル終濃度が1.0mg/mlのときHACP-01で15.0%、HACP-U2で20.5%、SCP-5000、ゼラチン、卵白ペプチドおよび大豆ペプチドでは0%であった(図1を参照)。
(実施例2)
コラーゲンペプチドHACP-01、HACP-U2およびSCP-5000をそれぞれ25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に25, 50, 100mg/mlとなるように溶解した。
実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、HACP-01のDPPIV阻害率はサンプル終濃度が2.5mg/mlのとき36.5%、5.0mg/mlのとき51.6%、10mg/mlのとき56.7%であった。HACP-U2のDPPIV阻害率はサンプル終濃度が2.5mg/mlのとき38.4%、5.0mg/mlのとき50.4%、10mg/mlのとき56.7%であった。SCP-5000のDPPIV阻害率はサンプル終濃度が2.5mg/mlおよび5.0mg/mlのとき0%、10mg/mlのとき23.0%であった(図2を参照)。
(実施例3)
コラーゲンペプチド(HACP-01:ゼライス社製)をカプセルパックC18 UG80(20x250mm:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によって分画した。分画は、以下の条件で行った。
試料濃度:10mg/ml
負荷量:2ml
流速:10ml/分
溶出条件:リニアグラジエント溶出
水(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含む)100%から開始し、アセトニトリル(0.1%TFAを含む)濃度を100分間で0%から100%まで上昇させる(以下、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−100%(100分)と表記)。
検出条件:215nm
分取条件:0分から開始、1本/分
この分画操作を5回繰り返し、同じフラクションを集めて濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)1mlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害率は14番目のフラクションで35.8%、15番目のフラクションで42.4%、16番目のフラクションで15.1%、17番目のフラクションで22.5%、19番目のフラクションで32.5%、20番目のフラクションで24.9%、21番目のフラクションで26.3%、22番目のフラクションで25.0%、23番目のフラクションで35.4%、24番目のフラクションで31.8%、25番目のフラクションで12.1%、26番目のフラクションで19.1%、27番目のフラクションで16.1%、28番目のフラクションで31.8%であった。
前記のように分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった14番目と15番目のフラクションを合わせて、カプセルパックC18 UG80(20x250mm:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害率は22番目のフラクションで24.1%、23番目のフラクションで65.0%、24番目のフラクションで99.9%、25番目のフラクションで90.6%、30番目のフラクションで43.1%であった。
前記のように分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった23番目と24番目と25番目のフラクションを合わせて、デベロシルC30-UG-5(20x250mm:野村化学社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害率はそれぞれ、27番目のフラクションで33.6%、28番目のフラクションで92.9%、41番目のフラクションで11.7%であった。
前記のように分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった28番目のフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含む水100%のアイソクラティック溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)100μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は1番目のピーク部分にのみに認められ、阻害率は16.9%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含む水100%のアイソクラティック溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Argであることが明らかになった。
そこで、市販のペプチド合成装置を用いて前記アミノ酸配列のペプチドを合成し、標準品として合成されたGly-Pro-Argを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Argを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に1.0, 2.5, 5.0mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.1mMのとき31.3%、0.25mMのとき44.7%、0.5mMのとき62.6%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、283.1μMであった(表1を参照。「GPR」)。
(実施例4)
実施例3においてカプセルパックC18UG80カラム(2回目)で分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった30番目のフラクションを、デベロシルC30-UG-5(20x250mm:野村化学社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害率は、31番目のフラクションで29.4%であった。
前記のように分画したフラクションのうち阻害活性のあった31番目のフラクションを、カプセルパックPh UG120(20x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH8.0)100μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は2番目のピーク部分にのみに認められ、阻害率は33.2%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、カプセルパックC18 MG(4.6x250mm:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Ser-Gly-Asn-Ala(配列番号1)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Pro-Ser-Gly-Asn-Alaを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Ser-Gly-Asn-Alaを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に1.0, 2.5, 5.0mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.1mMのとき41.9%、0.25mMのとき66.3%、0.5mMのとき79.2%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、135.9(Mであった(表1を参照。「GPSGNA」)。
(実施例5)
実施例3においてカプセルパックC18UG80カラム(1回目)で分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった19番目と20番目のフラクションを合わせて、カプセルパックC18 UG80(20x250mm:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害率は41番目のフラクションで13.2%、42番目のフラクションで34.5%、43番目のフラクションで16.4%、44番目のフラクションで31.0%、45番目のフラクションで23.5%、46番目のフラクションで20.8%、47番目のフラクションで49.2%、48番目のフラクションで47.2%、49番目のフラクションで16.7%、50番目のフラクションで19.8%、51番目のフラクションで22.0%、52番目のフラクションで11.1%、53番目のフラクションで12.6%であった。
前記のように分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった42番目と43番目と44番目のフラクションを合わせて、デベロシルC30-UG-5(20x250mm:野村化学社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は49番目のフラクションにのみ認められ、阻害率は11.7%であった。
前記のように分画したフラクションのうち阻害活性のあった49番目のフラクションを、カプセルパックPhenyl UG120(4.6x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)50μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は4番目のピーク部分にのみに認められ、阻害率は48.8%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Ala-Gly-Pro-Ala(配列番号2)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Pro-Ala-Gly-Pro-Alaを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Ala-Gly-Pro-Alaを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に0.5, 1.0, 2.5mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.05mMのとき27.9%、0.1mMのとき48.3%、0.25mMのとき71.1%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、111.3μMであった(表1を参照。「GPAGPA」)。
(実施例6)
実施例5においてカプセルパックC18UG80カラムで分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった47番目と48番目のフラクションを合わせて、デベロシルC30-UG-5(20x250mm:野村化学社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害率は、53番目のフラクションで17.1%、54番目のフラクションで36.5%、55番目のフラクションで24.2%、56番目のフラクションで17.4%であった。
前記のように分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった54番目のフラクションを、カプセルパックPhenyl UG120(4.6x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)50μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は1番目のピーク部分にのみに認められ、阻害率は13.5%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Val-Gly-Ala-Arg(配列番号3)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Pro-Val-Gly-Ala-Argを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Val-Gly-Ala-Argを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に1.0, 2.5, 5.0mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.1mMのとき37.7%、0.25mMのとき61.6%、0.5mMのとき76.1%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、163.0μMであった(表1を参照。「GPVGAR」)。
(実施例7)
実施例6においてデベロシルC30-UG-5カラムで分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった55番目のフラクションを、カプセルパックPhenyl UG120(4.6x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)100μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は4番目のピーク部分にのみ認められ、阻害率は21.8%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Ser-Gly-Glu-Arg-Gly-Pro-Hyp(配列番号4)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Pro-Ser-Gly-Glu-Arg-Gly-Pro-Hypを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Ser-Gly-Glu-Arg-Gly-Pro-Hypを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に1.0, 2.5, 5.0mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.1mMのとき32.5%、0.25mMのとき58.5%、0.5mMのとき74.4%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、190.5μMであった(表1を参照。「GPSGERGPO」)。
(実施例8)
実施例3においてカプセルパックC18UG80カラム(1回目)で分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった23番目と24番目のフラクションを合わせて、カプセルパックC18 UG80(20x250mm:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害率は59番目のフラクションで42.4%、60番目のフラクションで13.0%、61番目のフラクションで43.6%、62番目のフラクションで56.4%、64番目のフラクションで21.9%、65番目のフラクションで26.3%、66番目のフラクションで33.7%、67番目のフラクションで17.7%、70番目のフラクションで27.9%、71番目のフラクションで34.5%、72番目のフラクションで25.9%、75番目のフラクションで10.8%であった。
前記のように分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった61番目と62番目のフラクションを合わせて、カプセルパックPhenyl UG120(4.6x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)50μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は5番目のピーク部分にのみ認められ、阻害率は39.3%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Val-Gly-Pro-Ala(配列番号5)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Pro-Val-Gly-Pro-Alaを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Val-Gly-Pro-Alaを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に0.5, 1.0, 2.5mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.05mMのとき45.3%、0.1mMのとき61.7%、0.25mMのとき81.6%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、60.8μMであった(表1を参照。「GPVGPA」)。
(実施例9)
実施例8においてカプセルパックC18UG80カラムで分画したフラクションのうち阻害活性のあった64番目と65番目のフラクションを合わせて、カプセルパックPhenyl UG120(4.6x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)50μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は2番目のピーク部分にのみ認められ、阻害率は38.2%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Ile-Gly-Ser-Ala(配列番号6)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Pro-Ile-Gly-Ser-Alaを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Ile-Gly-Ser-Alaを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に0.5, 1.0, 2.5mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.05mMのとき32.2%、0.1mMのとき47.3%、0.25mMのとき70.9%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、107.1μMであった(表1を参照。「GPIGSA」)。
(実施例10)
実施例8においてカプセルパックC18UG80カラムで分画したフラクションのうち阻害活性のあった66番目と67番目のフラクションを合わせて、カプセルパックPhenyl UG120(4.6x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)50μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は5番目と6番目のピーク部分に認められ、阻害率は5番目のピークで37.4%、6番目のピークで11.0%であった。
DPPIV阻害活性を確認した5番目のフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Leu-Ala-Gly-Pro-Hyp(配列番号7)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Leu-Ala-Gly-Pro-Hypを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Leu-Ala-Gly-Pro-Hypを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に1.0, 2.5, 5.0mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.1mMのとき31.7%、0.25mMのとき55.2%、0.5mMのとき69.8%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、211.1μMであった(表1を参照。「GLAGPO」)。
(実施例11)
実施例8においてカプセルパックC18UG80カラムで分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった70番目と71番目と72番目のフラクションを合わせて、デベロシルC30-UG-5(20x250mm:野村化学社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は76番目のフラクションにのみ認められ、阻害率は5.9%であった。
前記のように分画したフラクションのうち阻害活性のあった76番目のフラクションを、カプセルパックPhenyl UG120(4.6x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH8.0)50μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は6番目と7番目のピーク部分に認められ、阻害率は6番目のピークで15.9%、7番目のピークで19.5%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Arg-Gly-Arg-Thr-Gly-Asp-Ala-Gly-Pro-Val(配列番号8)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Pro-Arg-Gly-Arg-Thr-Gly-Asp-Ala-Gly-Pro-Valを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Arg-Gly-Arg-Thr-Gly-Asp-Ala-Gly-Pro-Valを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH8.0)に1.0, 2.5, 5.0mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.1mMのとき46.8%、0.25mMのとき68.7%、0.5mMのとき82.1%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、112.9μMであった(表1を参照。「GPRGRTGDAGPV」)。
(実施例12)
実施例3においてカプセルパックC18UG80カラム(1回目)で分画したフラクションのうち比較的阻害活性の高かった28番目のフラクションを、カプセルパックC18 UG80(20x250mm:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速10ml/分)で、215nmで検出を行い、0分から1本/分で分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)200μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は82番目のフラクションにのみ認められ、阻害率は16.9%であった。
前記のように分画したフラクションのうち阻害活性のあった82番目のフラクションを、カプセルパックPhenyl UG120(4.6x250:資生堂社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに分画した。分画条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピークごとに分取を行った。各フラクションを濃縮した後に、それぞれを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)50μlに溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、DPPIV阻害活性は4番目のピーク部分にのみ認められ、阻害率は33.1%であった。
DPPIV阻害活性を確認したフラクションを、アトランティス dC18(4.6x250:ウォーターズ社製)カラムおよびUV検出器を連結した高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製)によってさらに精製した。精製条件は、0.1%TFAを含むアセトニトリル0−20%(100分)のリニアグラジエント溶出(流速1ml/分)で、215nmで検出を行い、ピーク分取を行った。分取した一部を濃縮し、超純水に溶解し、プロテインシーケンサ(アプライドバイオシステムズ社製)によりアミノ酸配列を同定した。その結果、活性ペプチドのアミノ酸配列はGly-Pro-Val-Gly-Pro(配列番号9)であることが明らかになった。
標準品として合成されたGly-Pro-Val-Gly-Proを用いてDPPIVの阻害活性を調べた。合成ペプチドGly-Pro-Val-Gly-Proを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に1.0, 2.5, 5.0mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.1mMのとき47.8%、0.25mMのとき69.2%、0.5mMのとき81.5%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、108.0μMであった(表1を参照。「GPVGP」)。
(実施例13)
コラーゲンペプチドHACP-01に含まれると予想される3残基のペプチドGly-Pro-Met、Gly-Pro-Ala、Gly-Pro-Ser、Gly-Pro-Hypの合成品を標準品として用いて、HPLCによる保持時間を元にHACP-01中からこれらの3残基のペプチドの単離を試みた。それぞれ単一ピークまで精製した後にプロテインシーケンサにより、配列が目的のペプチドと一致していることを確認した。すなわち、予想された3残基のペプチドがHACP-01中に含まれていることが明らかとなった。これらのペプチドにもDPPIVの阻害活性があることが予想されたので、それぞれのペプチドのDPPIV阻害活性を調べた。
標準品である合成ペプチドGly-Pro-Metを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に2.5, 5.0, 10mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.25mMのとき26.0%、0.5mMのとき48.0%、1.0mMのとき61.0%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、609.5μMであった(表1を参照。「GPM」)。
標準品である合成ペプチドGly-Pro-Alaを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に2.5, 5.0, 10mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.25mMのとき23.5%、0.5mMのとき38.2%、1.0mMのとき52.3%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、890.7μMであった(表1を参照。「GPA」)。
標準品である合成ペプチドGly-Pro-Serを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に5.0, 10, 20mMとなるように溶解し、そのうちの5μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が0.5mMのとき27.0%、1.0mMのとき42.7%、2.0mMのとき60.5%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、1314.1μMであった(表1を参照。「GPS」)。
標準品である合成ペプチドGly-Pro-Hypを25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に100mMとなるように溶解し、そのうちの5μl、12.5μl、25μlを用いて実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が10mMのとき28.2%、25mMのとき57.8%、50mMのとき83.0%であった。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、19259.5μMであった(表1を参照。「GPO」)。
Figure 0005176964
(実施例14)
糖尿病モデルラットを用いた糖負荷試験を行った。実験動物はZucker Fattyラットを用いた。飼育環境は恒温恒湿、12時間明/12時間暗のサイクルの実験動物飼育室で、市販の固型飼料(CRF-1、オリエンタル酵母工業社製)を用い、自由に水を摂取させた。一般状態を5日以上毎日観察し、健康状態が良好であることを確認し、入荷時、カニュレーション挿入時および試験物質投与時に体重測定を行った。採血のための留置カニュレーション挿入手術は、糖負荷試験の前日に行った。群分けは試験物質投与前に体重層別化無作為抽出法により行った。
前日から18時間以上絶食したラットから採血を行った後、コラーゲンペプチドHACP-01(ゼライス社製、400mg/ml)、コラーゲンペプチドSCP-5000(新田ゼラチン社製、400mg/ml)あるいはコントロールとして市販の注射用水(大塚製薬工場社製)をそれぞれ10ml/kg経口投与し、その30分後に10%グルコースをそれぞれ10ml/kg経口投与した。グルコース投与直前および投与後5,10,15,30分後に採血を行った。採血後、血漿を分離し、以下の実験に用いた。
DPPIVの活性を阻害した条件で糖負荷を行ったときに、濃度および活性変化を受けると考えられる血中パラメータとして、インスリン、GLP-1とDPPIV活性がある。本実験ではこれらを経時的に測定することによって、コラーゲンペプチドの有効性評価を試みた。
非特許文献(J.Med.Chem. 2003 Jun 19;46(13):2774-89.)に従って、血漿中のDPPIV活性を経時的に測定した。具体的には得られた血漿15μl、試験用バッファー(25mM ヘペス、140mM 塩化ナトリウム、80mM 塩化マグネシウム、1% BSA:pH7.8)15μlを混合して室温で5分間放置した。試験用バッファーで100μMとなるように希釈した基質溶液(Gly-Pro-MCA)30μlを添加し、室温で20分間放置した。検出は、96ウェルプレート対応蛍光検出器(フルオロスキャンアセント:サーモエレクトロン社製)で、DPPIVによって遊離されるAMC量を測定した。なお、励起波長は390nm、測定波長は460nmで行った。活性は20分の反応によって生じた蛍光値から、基質のみを含む場合に示す蛍光値を差し引いたものとした。
コラーゲンペプチドによるDPPIV阻害効果の評価は、各個体の被験物質投与前(-30分)の血漿中DPPIV活性を通常時の活性とし、この活性に対して各血漿での活性の差を算出し、その比を取ることによって阻害率とした。すなわち、各個体の被験物質投与前の阻害率は0%となる。その結果、それぞれの実験区におけるDPPIV阻害率は、HACP-01ではグルコース投与直前(0分)で37%、投与後5分で38%、10分で36%、15分で35%、30分で31%であった。SCP-5000ではグルコース投与直前(0分)で12%、投与後5分で15%、10分で20%、15分で10%、30分で20%であった。注射用水ではグルコース投与直前(0分)で-3%、投与後5分で-10%、10分では4%、15分では-14%、30分では-7%であった(図3を参照)。これらの結果から、HACP-01摂取群ではグルコース投与後10分を除いて、注射用水摂取群に対してDPPIV活性が有意に阻害されていることが確認できた。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、血中のDPPIVの活性が阻害されることが明らかとなった。
GLP-1検出キット(リンコリサーチ社製)を用いて、血漿中のGLP-1濃度の測定を行った。96ウェルプレートに固定化されたGLP-1抗体に各血漿50μlを添加して、4℃で20時間から24時間放置した。固定化されたGLP-1以外のものを洗浄することによって除去し、固定化されたGLP-1に結合する、アルカリフォスファターゼを有する抗体を添加し、室温2時間放置した。洗浄によって非特異的に結合した抗体を除去後、50μg/mlに調製した基質溶液(4-メチルウンベリフェリルフォスフェート)200μlを添加して酵素反応を開始させた。室温で50分間放置後、停止液50μl添加して反応を停止させ、反応によって得られる蛍光物質ウンベリフェロンを96ウェルプレート対応蛍光検出器(フルオロスキャンアセント:サーモエレクトロン社製)で測定した。なお検出においては、励起波長は355nm、測定波長460nmにて行った。濃度既知のGLP-1を測定することによって得た検量線から、各血漿中のGLP-1濃度を決定した。
コラーゲンペプチドによる血中GLP-1濃度上昇効果の評価は、各個体の被験物質投与前(-30分)の血漿中GLP-1濃度を通常時の濃度(100%)とし、この濃度に対する各血漿での濃度の割合を算出した。その結果、それぞれの実験区におけるGLP-1濃度上昇率は、HACP-01ではグルコース投与直前(0分)で120%、投与後5分で122%、10分で117%、15分で112%、30分で116%であった。SCP-5000ではグルコース投与直前(0分)で111%、投与後5分で115%、10分で104%、15分で103%、30分で98%であった。注射用水ではグルコース投与直前(0分)で106%、投与後5分で110%、10分では100%、15分では97%、30分では97%であった(図4を参照)。これらの結果から、HACP-01摂取群では注射用水摂取群に対してグルコース投与後10分、15分、30分でGLP-1濃度が有意に高くなっていることが確認できた。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、血中のGLP-1濃度が上昇することが明らかとなった。
インスリン測定キット(森永生科学研究所社製)を用いて、血漿中のインスリン濃度の測定を行った。96ウェルプレートに固定化されたインスリン抗体に検体希釈液2で調整したモルモット抗インスリン血清50μl、検体希釈液2を45μl、各血漿5μlを添加して、4℃で16時間から20時間静置した。固定化されたインスリン以外のものを洗浄することによって除去し、固定化されたインスリンに結合する、酵素標識抗モルモットIgG抗体を添加し、室温3時間静置した。洗浄によって非特異的に結合した抗体を除去後、酵素基質溶液100μlを添加して酵素反応を開始させた。遮光下室温で30分間静置後、反応停止液50μl添加して反応を停止させ、マイクロプレートリーダー(バイオラッド社製)にて490nm(副波長630nm)で吸光度を測定した。濃度既知のインスリンを測定することによって得た検量線から、各血漿中のインスリン濃度を決定した。
コラーゲンペプチドによる血中インスリン濃度上昇効果の評価は、各個体の被験物質投与前(-30分)の血漿中インスリン濃度を通常時の濃度(100%)とし、この濃度に対する各血漿での濃度の割合を算出した。その結果、それぞれの実験区におけるインスリン濃度上昇率は、HACP-01ではグルコース投与直前(0分)で222%、投与後5分で189%、10分で210%、15分で230%、30分で233%であった。SCP-5000ではグルコース投与直前(0分)で128%、投与後5分で131%、10分で155%、15分で203%、30分で198%であった。注射用水ではグルコース投与直前(0分)で96%、投与後5分で114%、10分では110%、15分では94%、30分では81%であった(図5を参照)。これらの結果から、HACP-01摂取群では注射用水摂取群に対してグルコース投与直前(0分)、グルコース投与後15分、30分でインスリン濃度が有意に高くなっていることが確認できた。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、血中のインスリン濃度が上昇することが明らかとなった。
また、上記の実験期間中、被検体であるラットには、機能障害等の副作用はみられなかった。
(実施例15)
糖尿病モデルラットを用いた長期投与試験を行った。実験動物はZucker Fattyラットを用いた。飼育環境は恒温恒湿、12時間明/12時間暗のサイクルの実験動物飼育室で、飼料は群分け前の1週間(馴化期間)は、糖尿病・肥満研究用高脂肪飼料(「Quick Fat」、日本クレア社製)を用い、群分け後6週間は試験物質(コラーゲンペプチド:HACP-01)あるいは対照物質(アミノ酸混合物)を10%添加したQuick Fatを用い、自由に水を摂取させた。なお、対照物質のアミノ酸混合物は試験物質のコラーゲンペプチドのアミノ酸組成と同じになるように混合した。一般状態を5日以上毎日観察し、健康状態が良好であることを確認した。群分けは試験物質投与前に体重層別化無作為抽出法により行なった。
体重は入荷時、群分け時、試験物質投与期間中は1週間に1度、測定を行った(表2を参照)。摂餌量・摂水量は1週間に2度測定を行なった。採血は群分け時、試験物質投与3週間後および6週間後は空腹時(18時間以上の絶食)、その他は通常時に週1度、尾動静脈より行った。採血後、血漿を分離し、以下の実験に用いた。
Figure 0005176964
グルコースCII−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いて、血漿中のグルコース濃度を求めた。その結果、試験物質摂取群では対照物質摂取群に対して試験物質投与1週間後および3週間後でグルコース濃度が有意に低くなっていることが確認できた(図6を参照)。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、血中のグルコース濃度が低下することが明らかとなった。
トリグリセライドE−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いて、血漿中のトリグリセライド濃度を求めた。その結果、試験物質摂取群では対照物質摂取群に対して試験物質投与2週間後、3週間後、4週間後および5週間後でトリグリセライド濃度が有意に低くなっていることが確認できた(図7を参照)。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、血中のトリグリセライド濃度が低下することが明らかとなった。
尿酸C−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いて、血漿中の尿酸濃度を求めた。その結果、試験物質摂取群では対照物質摂取群に対して試験物質投与4週間後および6週間後で尿酸濃度が有意に低くなっていることが確認できた(図8を参照)。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、血中の尿酸濃度が低下することが明らかとなった。
試験物質投与3週間後および6週間後に採尿を行った。24時間蓄尿を採取し、尿酸C−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いて尿中の尿酸濃度を測定し、一日当たりの尿酸排泄量を求めた。その結果、試験物質摂取群では対照物質摂取群に対して、試験物質投与3週間後では15.2%、試験物質投与6週間後では22.7%、尿酸排泄量が減少していることが確認できた(図9を参照)。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、尿酸排泄量が低下することが明らかとなった。また、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、血中の尿酸濃度も低下することから、尿酸合成が抑制されていると考えられる。
最終採血終了後の剖検時に、腎臓周囲、精巣周囲および腸間膜の腹腔内脂肪と、背部皮下の褐色脂肪を摘出し、重量を測定した。その結果、試験物質摂取群では対照物質摂取群に対して、体重当たりの腎臓周囲、精巣周囲、腹腔内脂肪の合計、背部皮下および腹腔内脂肪と褐色脂肪の合計の脂肪重量の割合が有意に低くなっていることが確認できた(表3を参照)。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、内臓脂肪量が低下することが明らかとなった。
Figure 0005176964
なお、上記の実験期間中、被検体であるラットには、機能障害等の副作用はみられなかった。
(実施例16)
10名の社内ボランティアによる血糖値測定試験をクロスオーバーにて行った。ヘルシンキ宣言の精神に従い、被験者に対しては本試験の主旨を十分説明したうえで文書による同意を得て試験を実施した。被験者は、前日から9時間以上絶食した状態で、血糖自己測定器(ワンタッチウルトラ:ジョンソン・エンド・ジョンソン社製)により血糖値を測定後、コラーゲンペプチド(HACP-01)10gと水、卵白ペプチド10gと水、あるいは水のみのいずれかを摂取した。その30分後に再び血糖値を測定した後、経口糖忍容力試験用糖溶液(トレーランG75:味の素社製)を摂取した。その後、被験者は糖溶液摂取後10, 20, 30, 45, 60, 90, 120分に各自で血糖値を測定した。8名の被験者がコラーゲンペプチド・卵白ペプチド・水のみの3日間、2名の被験者がコラーゲンペプチド・水のみの2日間の試験に参加した。なお、被験者にはウォッシュアウト期間として最低2日間を設けた。
その結果、それぞれの摂取群における血糖値は、コラーゲンペプチド摂取群ではコラーゲンペプチド摂取前(-30分)で87.5mg/dl、糖溶液摂取直前(0分)で92.1mg/dl、摂取後10分で115.6mg/dl、20分で130.1mg/dl、30分で130.0mg/dl、45分で113.6mg/dl、60分で101.6mg/dl、90分で117.4mg/dl、120分で107.1mg/dlであった。卵白ペプチド摂取群では卵白ペプチド摂取前(-30分)で90.4mg/dl、糖溶液摂取直前(0分)で89.4mg/dl、摂取後10分で116.6mg/dl、20分で140.3mg/dl、30分で140.1mg/dl、45分で135.4mg/dl、60分で122.0mg/dl、90分で106.9mg/dl、120分で100.9mg/dlであった。コントロール群では水摂取前(-30分)で89.7mg/dl、糖溶液摂取直前(0分)で87.4mg/dl、摂取後10分で115.4mg/dl、20分で137.7mg/dl、30分で145.1mg/dl、45分で140.0mg/dl、60分で129.5mg/dl、90分で111.8mg/dl、120分で106.0mg/dlであった。(図10を参照)。これらの結果から、コラーゲンペプチド摂取群ではコントロール群に対して糖溶液摂取後45分、60分で血糖値が有意に低くなっていることが確認できた。すなわち、コラーゲンペプチドHACP-01を摂取することによって、血糖値の上昇を抑制することが明らかとなった。なお、1dlは100mlである。なお、90分以降は被験者体内の生体内恒常性の作用によりコラーゲンペプチド摂取群と他の2群との差は小さくなった。
(実施例17)
コラーゲンペプチドHACP-01(ゼライス社製)を合成吸着剤DIAION HP20(三菱化学社製)を用いて分画した。合成吸着剤100gとコラーゲンペプチド10gを水中で混合し、1時間撹拌した後、静置して上清をろ過および回収した。その後、100mlの10%エタノール水溶液を加えて、10分間撹拌した後、静置して上清をろ過および回収した。同様の操作を20%、30%、40%、50%、75%のエタノール水溶液および100%のエタノール溶液についても行い、ろ液を回収した。
回収した8画分のろ液の吸光度を分光光度計(日本分光社製)により測定した。215nmの測定はろ液を1000倍希釈して行った。280nmの測定はろ液をそのまま用いて行った。その結果、215nmの吸光度はエタノール濃度0%溶出画分で0.205、10%溶出画分で0.087、20%溶出画分で0.163、30%溶出画分で0.243、40%溶出画分で0.219、50%溶出画分で0.179、75%溶出画分で0.117、100%溶出画分で0.027であった(図11を参照)。また、280nmの吸光度はエタノール濃度0%溶出画分で0.288、10%溶出画分で0.187、20%溶出画分で0.351、30%溶出画分で0.552、40%溶出画分で1.075、50%溶出画分で1.573、75%溶出画分で1.592、100%溶出画分で1.053であった。280nmにおける吸収は、HACP-01に混入している夾雑物によるものと思われる。これらの各画分について官能検査を行ったところ、エタノール濃度が0%、10%、20%の溶出画分では、30%以上の溶出画分に比べて不快臭(コラーゲン臭)が顕著に低減されていた。
回収した8画分のろ液を減圧下のロータリーエバポレーターで濃縮し、エタノールを除去した後、凍結乾燥を行ってペプチド粉末を得た。このようにして得られたペプチドをMHP-0, 10, 20, 30, 40, 50, 75, 100(エタノール濃度が0%、10%、20%、30%、40%、50%、75%、100%の画分)と呼ぶこととする。これらのペプチド粉末をそれぞれ25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に10mg/mlとなるように溶解した。これらのサンプルを用いて、実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、MHP-0は36.8%、MHP-10は4.7%、MHP-20は22.1%、MHP-30は11.9%、MHP-40は3.8%、MHP-50は0%、MHP-75は10.1%、MHP-100は0%であった(図11を参照)。
これらのペプチドのうち、最もDPPIV阻害活性の高かったMHP-0の分子量分布を調べた。AKTApurifierおよびSuperdex Peptide 10/300 GL(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーにより検出を行った。その結果、MHP-0には分子量500以下の低分子のペプチドが多く含まれていることが確認できた(図12を参照)。
以上の結果から、水を溶媒として合成吸着剤DIAION HP20にコラーゲンペプチドHACP-01を吸着させ、非吸着画分を回収することにより、DPPIVの阻害活性をさらに高め、かつ低分子のペプチドを多く含有する画分MHP-0を得ることができる。すなわち、この方法で得られるペプチドは消化管にて吸収されやすいと思われる低分子であり、DPPIV阻害活性も高いことから、精製前のHACP-01と比べて摂取量が少なくて済むと考えられる。また、不快臭(コラーゲン臭)が低減されているため、摂取しやすいと考えられる。
(実施例18)
コラーゲンペプチドHACP-01(ゼライス社製)をエタノールを用いて沈殿法により分画した。コラーゲンペプチド1.5gと70%、75%、80%、85%、90%および95%のエタノール水溶液15mlをそれぞれよく混合し、‐20℃で一晩静置した。上清画分を回収し、減圧下のロータリーエバポレーターで濃縮し、エタノールを除去した後、凍結乾燥を行ってペプチド粉末を得た。沈殿画分は水に溶解した後、凍結乾燥を行ってペプチド粉末を得た。
これらのペプチド粉末をそれぞれ25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に20mg/mlとなるように溶解した。これらのサンプルを用いて、実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、サンプル終濃度が2.0mg/ml のとき、エタノール濃度70%の上清画分は20.4%、沈殿画分は5.0%、エタノール濃度75%の上清画分は27.0%、沈殿画分は4.4%、エタノール濃度80%の上清画分は36.5%、沈殿画分は5.6%、エタノール濃度85%の上清画分は41.7%、沈殿画分は13.5%、90%の上清画分は38.0%、沈殿画分は15.8%、95%の上清画分は42.0%、沈殿画分は17.5%であった。なお、分画前のHACP-01のDPPIV阻害率は18.9%であった(図13を参照)。
(実施例19)
実施例18にて得られたエタノール濃度85%の上清画分をさらに合成吸着剤DIAION HP20(三菱化学社製)を用いて分画した。合成吸着剤とエタノール濃度85%の上清画分を水中で混合し、1時間撹拌した後、静置して上清をろ過および回収した。その後、100%のエタノール溶液を加えて10分間撹拌した後、静置して上清をろ過および回収した。それぞれの画分を減圧下のロータリーエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥を行ってペプチド粉末を得た。
このようにして得られたペプチドをそれぞれE85S-0(HP20)およびE85S-100(HP20)(エタノール濃度85%上清画分をHP20を用いて分画したエタノール濃度0%、および100%の画分)と呼ぶこととする。これらのペプチド粉末をそれぞれ25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に20mg/mlとなるように溶解した。これらのサンプルを用いて、実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、E85S-0(HP20)は58.1%、E85S-100(HP20)は41.2%であった(図14を参照)。
(実施例20)
コラーゲンペプチドHACP-01およびE85S-0(HP20)をそれぞれ25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に20, 50, 100mg/mlおよび10, 20, 50mg/mlとなるように溶解した。
実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、HACP-01のDPPIV阻害率はサンプル終濃度が2.0mg/mlのとき20.6%、5.0mg/mlのとき40.9%、10mg/mlのとき52.8%であった。E85S-0(HP20)のDPPIV阻害率はサンプル終濃度が1.0mg/mlのとき41.8%、2.0mg/mlのとき59.9%、5.0mg/mlのとき77.0%であった。(図15を参照)。また、近似曲線を引いてDPPIVの活性を50%阻害するときの濃度を求めたところ、HACP-01は8.4mg/ml、E85S-0(HP20)は1.4mg/mlであった。すなわち、エタノール沈殿法および合成吸着剤を用いた精製法を組み合わせてコラーゲンペプチドを精製することによって、DPPIV阻害活性を6倍高めることができた。
(実施例21)
実施例18と同様にして得られたエタノール濃度85%の上清画分をさらに合成吸着剤SEPABEADS SP850(三菱化学社製)を用いて実施例16と同様に分画した。回収した各画分のろ液を減圧下のロータリーエバポレーターで濃縮し、エタノールを除去した後、凍結乾燥を行ってペプチド粉末を得た。このようにして得られたペプチドをE85S-0, 10, 20, 30, 40, 50, 100(SP850)(エタノール濃度85%上清画分をSP850を用いて分画したエタノール濃度0%、10%、20%、30%、40%、50%、100%の画分)と呼ぶこととする。
これらのペプチド粉末をそれぞれ25mMのトリス‐塩酸バッファー(pH 8.0)に20mg/mlとなるように溶解した。これらのサンプルを用いて、実施例1と同様にDPPIVに対する活性阻害実験を行った。実施例1と同様にDPPIV阻害率を求めたところ、E85S-0は50.6%、E85S-10は60.8%、E85S-20は56.1%、E85S-30は53.6%、E85S-40は46.2%、E85S-50は38.7%、E85S-100は26.0%であった(図16を参照)。
(実施例22)
実施例18、19および21にて得られたペプチドの分子量分布を調べた。AKTApurifierおよびSuperdex Peptide 10/300 GL(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーにより検出を行った。その結果、分子量1500以下のペプチドがE85S(エタノール濃度85%における上清画分)には72.2%、E85P(エタノール濃度85%における沈殿画分)には30.9%、E85S-0(HP20)には90.7%、E85S-100(HP20)には46.1%、E85S-0(SP850)には99.9%、E85S-10(SP850)には92.3%、E85S-20(SP850)には72.8%、E85S-30(SP850)には55.2%、E85S-40(SP850)には41.1%、E85S-50(SP850)には32.7%、E85S-100(SP850)には26.5%含まれていることが確認できた(表4を参照)。
Figure 0005176964
以上の結果から、エタノールを用いた沈殿法あるいは合成吸着剤を用いた精製法によりコラーゲンペプチドHACP-01のDPPIVの阻害活性をさらに高め、かつ低分子のペプチドを多く含有する画分を得ることができる。すなわち、これらの方法で得られるペプチドは消化管にて吸収されやすいと思われる低分子であり、DPPIV阻害活性も高いことから、精製前のHACP-01と比べて摂取量が少なくて済むと考えられる。
本発明のDPPIV阻害剤は、哺乳動物の糖尿病予防・治療剤として使用できる。また、本発明のDPPIV阻害剤は、糖尿病に随伴する各種の疾患(例えば、高脂血、症痛風あるいは高尿酸血症)の改善剤としても使用することができる。
また、本発明のペプチド等は、安全性に優れるため、食品、菓子等に有効量を配合することができる。これらの食品、菓子等を継続的に摂取することで糖尿病の発症を予防し得る食品、菓子等の開発も可能である。さらには、糖尿病に随伴する各種の疾患(例えば、高脂血、症痛風あるいは高尿酸血症)の予防用あるいは、これらの疾患に罹患した患者用の食品、菓子の開発も可能である。
本明細書に包含される本発明の多くの利点を上記に述べたが、この開示は、多くの点で例示に過ぎないことが理解されよう。本発明の範囲を逸脱しなければ、細部にわたり、特に、部品の形状、大きさ及び配置等の事項について、様々な変更を行うことが可能である。
本発明の範囲が添付の請求の範囲に述べられている文言により限定されることは勿論である。

Claims (10)

  1. 動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、式(1):
    Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
    (式中、nは0〜3の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
    で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有するジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤。
  2. 前記ペプチドが
    Gly-Pro-Arg、
    Gly-Pro-Ser-Gly-Asn-Ala、
    Gly-Pro-Ala-Gly-Pro-Ala、
    Gly-Pro-Val-Gly-Ala-Arg、
    Gly-Pro-Val-Gly-Pro-Ala、
    Gly-Pro-Ile-Gly-Ser-Ala、
    Gly-Pro-Ser-Gly-Glu-Arg-Gly-Pro-Hyp、
    Gly-Pro-Arg-Gly-Arg-Thr-Gly-Asp-Ala-Gly-Pro-Val、
    Gly-Pro-Val-Gly-Proおよび
    Gly-Leu-Ala-Gly-Pro-Hyp、
    からなる群より選ばれる1種類以上のアミノ酸配列からなるペプチドである請求項1記載のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤。
  3. 請求項1または2に記載のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤を有効成分として含有する糖尿病治療・予防剤。
  4. 非ヒトの哺乳動物に対して、請求項1または2に記載のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤の有効量を投与することを特徴とする糖尿病の予防・治療法。
  5. 動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、式(1):
    Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
    (式中、nは0〜3の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
    で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、糖尿病に随伴する高脂血症の改善作用を有するジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤。
  6. 動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、式(1):
    Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
    (式中、nは0〜3の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
    で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、糖尿病に随伴する痛風あるいは高尿酸血症の改善作用を有するジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤。
  7. 動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、式(1):
    Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
    (式中、nは0〜3の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
    で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、分子量が1,500以下のぺプチドを50%以上含有することを特徴とするジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤。
  8. 動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、式(1):
    Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
    (式中、nは0〜3の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
    で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、分子量が1,500以下のぺプチドを70%以上含有することを特徴とするジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤。
  9. 動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチン由来のペプチドであって、式(1):
    Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
    (式中、nは0〜3の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
    で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチドあるいはその塩を含有し、分子量が1,500以下のぺプチドを90%以上含有することを特徴とするジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤。
  10. コラゲナーゼ処理された、動物(ただし、魚類を除く)から得られるコラーゲンまたはゼラチンの分解物を、有機溶媒を用いた沈殿法あるいは樹脂を用いた精製法のいずれかもしくは両方を組み合わせた方法により精製し、式(1):
    Gly−X−Y−(Gly−Z−W)n (1)
    (式中、nは0〜3の整数、XはProまたはLeu、Y、ZおよびWはそれぞれ独立して同一または異なる任意のアミノ酸残基(ただし、Glyを除く)を示す。)
    で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、前記のアミノ酸配列の末端のアミノ酸残基Wが1個欠失されたアミノ酸配列からなるペプチド組成物を得る工程を含む、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤の製造方法。
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