JP5176748B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズル開口から液体を吐出する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特にインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば圧電素子及び圧力発生室が複数設けられたアクチュエータユニットと、圧力発生室に連通してインクを吐出するノズル開口が設けられたノズルプレート及び複数の圧力発生室の共通のインク室となるリザーバが設けられたリザーバ形成基板を有する流路ユニットとを具備するものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、インクカートリッジのインク内に存在する気泡、あるいはインクカートリッジを着脱する際にインク内に混入した気泡がヘッド本体に供給されてしまうと、この気泡によるドット抜け等の吐出不良が発生してしまう。
かかる問題を解決するために、圧力発生室の並設方向におけるリザーバの両端部に向けて、その幅が漸減するようにリザーバを形成したインクジェット式記録ヘッドがある(例えば、特許文献2参照)。このようなリザーバによれば、インクの両端部における流速を維持できるため、リザーバ内に気泡が滞留してしまうことを防止できる。仮に、圧力発生室の並設方向におけるリザーバの両端部を、リザーバのその他の部分と同じ幅で形成すると、中央部から供給したインクの流速が、圧力発生室の並設方向の両端部に行くにしたがって低下してしまい、この両端部に気泡が滞留してしまう虞があるからである。
他にも、前記問題を解決するものとして、リザーバ内に生じた気泡を吸引し、当該気泡を貯留する空気溜まり部を設けたインクジェットヘッドがある(例えば、特許文献3参照)。かかる空気溜まり部によれば、リザーバから気泡が除去され、インクの吐出不良が防止される。
特開2004−042559号公報 特開2007−145014号公報 特開2004−249571号公報
ところで、インクジェット式記録ヘッドでは、圧力発生室内のインクに圧力を付与すると、圧力発生室内に圧力波が発生する。この圧力波は、圧力発生室に連通するリザーバに伝播するが、何らかの方法で減衰させないと、圧力波がさらに他の圧力発生室に伝播してしまい、良好なインク吐出特性が得られないということが知られている。このため、通常、リザーバ部には、その開口部に可撓性を有する薄膜状のコンプライアンス部が設けられている。つまり、このコンプライアンス部がダンパ機能を果たすことで、圧力波のエネルギーが吸収されるようになっている。
しかしながら、特許文献2に示したようなインクジェット式記録ヘッドでは、コンプライアンス部によるダンパ効果が低下してしまうという問題がある。リザーバを、その両端に向けてその幅が漸減するように形成したことから、リザーバの開口部の面積は小さくなり、当該開口部に設けられたコンプライアンス部が圧力波を吸収する領域も小さくなってしまうからである。
また、特許文献3に示したようなインクジェット式記録ヘッドでは、ヘッドの移動時などにヘッドが傾いたりすることで、空気溜まり部に溜まっている気泡が、リザーバに戻ってしまうという問題がある。また、空気溜まり部は、気泡の吸引機能を有し、ヘッド本体の外部に設けられているため、部品点数や製造工程が増加してしまうという問題もある。
なお、このような問題はインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を吐出する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑み、リザーバ内での気泡の滞留を防止し、良好な液体吐出特性を有する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室と、複数の前記圧力発生室に連通する共通の液体室であるリザーバの少なくとも一部を構成するリザーバ部と、前記リザーバ部の上方に位置する空間である気泡溜まり部とを具備し、前記気泡溜まり部は、当該気泡溜まり部よりも幅狭の連通路を介して前記リザーバ部に連通していることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、リザーバ部内の気泡が気泡溜まり部に溜まり、かつ、気泡溜まり部に溜まった気泡がリザーバ部に戻ってしまうことが抑止できる。これによりリザーバ部に気泡が滞留してしまうことによる液体の吐出特性の低下を防止できる。また、気泡の滞留を防止するためにリザーバ部を小さく形成する必要がないため、コンプライアンス部のダンパ機能を低下させることもない。
ここで、前記気泡溜まり部は、前記リザーバの端部に連通していることが好ましい。これによれば、気泡を気泡溜まり部に効率よく回収することができる。
また、前記リザーバ形成基板には、前記リザーバ部の中央部に液体を導く液体導入口が形成され、前記気泡溜まり部は、前記リザーバ部の両端部に連通していることが好ましい。これによれば、気泡を気泡溜まり部に一層効率的に回収することができる。
また、前記リザーバ形成基板には、前記リザーバ部の一端部に液体を導く液体導入口が形成され、前記気泡溜まり部は、前記リザーバ部の他端部に連通していることが好ましい。これによれば、気泡を気泡溜まり部に一層効率的に回収することができる。
また、前記連通路が複数設けられていることが好ましい。これによれば、液体中の気泡を回収する領域を大きくできるため、効率よく気泡を回収することができる。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、良好な液体吐出特性を備えた液体噴射装置を実現することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例を示すインクジェット式記録ヘッドの要部を切り欠いた斜視図であり、図2は実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図である。また、図3は図2のA−A’断面図であり、図4は図2のB−B’断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、アクチュエータユニット20と、このアクチュエータユニット20が固定される流路ユニット30とで構成されている。
アクチュエータユニット20は、圧力発生素子である圧電素子40を具備するアクチュエータ装置であり、圧力発生室21が形成された流路形成基板22と、流路形成基板22の一方面側に設けられた振動板23と、流路形成基板22の他方面側に設けられた圧力発生室底板24とを有する。
流路形成基板22は、例えば、150μm程度の厚みを有するアルミナ(AL)や、ジルコニア(ZrO)などのセラミックス板からなり、本実施形態では、複数の圧力発生室21がその幅方向に沿って並設されている。そして、この流路形成基板22の一方面に、例えば、厚さ10μmのジルコニアの薄板からなる振動板23が固定され、圧力発生室21の一方面はこの振動板23により封止されている。また、流路形成基板22には、詳細は後述するが、気泡溜まり部70の一部を構成する空間部71が2箇所に設けられている。
圧力発生室底板24は、流路形成基板22の他方面側に固定されて圧力発生室21の他方面を封止すると共に、圧力発生室21の長手方向一方の端部近傍に設けられて圧力発生室21と後述するリザーバ部32とを連通する供給連通孔25と、圧力発生室21の長手方向他方の端部近傍に設けられて後述するノズル開口34に連通するノズル連通孔26とを有する。また、圧力発生室底板24には、詳細は後述するが、気泡溜まり部70の一部を構成する空間部72が2箇所に設けられている。
圧力発生室21に圧力を付与する圧力発生素子である圧電素子40は、振動板23上の各圧力発生室21に対向する領域のそれぞれに設けられている。ここで、各圧電素子40は、振動板23上に設けられた下電極膜41と、各圧力発生室21毎に独立して設けられた圧電体層42と、各圧電体層42上に設けられた上電極膜43とで構成されている。圧電体層42は、圧電材料からなるグリーンシートを貼付することや、印刷することで形成されている。また、下電極膜41は、並設された圧電体層42に亘って設けられて各圧電素子40の共通電極となっており、振動板の一部として機能する。勿論、下電極膜41を各圧電体層42毎に設けるようにしてもよい。
また、流路形成基板22、振動板23及び圧力発生室底板24のそれぞれには、厚さ方向に貫通する液体導入口27、28、29が設けられ、これらの液体導入口27、28、29は、後述する流路ユニット30の液体導入口38に連通している。なお、これらの液体導入口27、28、29、38は、リザーバ部32の中央部に対向する領域に設けられており、リザーバ部32の中央部に外部のインクタンクからのインクが導入されるようになっている。
なお、アクチュエータユニット20の各層である流路形成基板22、振動板23及び圧力発生室底板24は、粘土状のセラミックス材料、いわゆるグリーンシートを所定の厚さに成形して、例えば、圧力発生室21等を穿設後、積層して焼成することにより接着層を必要とすることなく一体化される。そして、その後、振動板23上に圧電素子40が形成される。
一方、流路ユニット30は、アクチュエータユニット20の圧力発生室底板24に接合された液体供給口形成基板31と、後述するリザーバ部32を備え液体供給口形成基板31の圧力発生室底板24とは反対側の面に接合されたリザーバ形成基板33と、後述するコンプライアンス部を備えリザーバ形成基板33の液体供給口形成基板31とは反対側の面に接着層60を介して接合されたコンプライアンス基板50と、コンプライアンス基板50のリザーバ形成基板33とは反対側に設けられたノズルプレート35とで構成されている。
液体供給口形成基板31は、例えば、厚さ60μmのSUSの薄板からなり、ノズル開口34と圧力発生室21とを接続するノズル連通孔36と、前述の供給連通孔25と共にリザーバ部32と圧力発生室21とを接続する液体供給口37が穿設されている。また、液体供給口形成基板31には、液体導入口29とリザーバ部32とを接続する液体導入口38が設けられ、液体導入口27、28、29、38は外部のインクタンクからリザーバ部32にインクを供給する流路となっている。液体供給口37と液体導入口38とは、圧力発生室21の長手方向、すなわち圧力発生室21の並設方向とは直交する方向で、リザーバ部32の両端部にそれぞれ連通するように設けられている。
リザーバ形成基板33は、インク流路(液体流路)を構成するに適した、例えば、厚さ150μmのステンレス鋼などの耐食性を備えた板材で構成されている。そして、複数の圧力発生室21の共通インク室であり、外部のインクタンク(図示なし)からインクの供給を受けて圧力発生室21にインクを供給するリザーバの少なくとも一部を構成するリザーバ部32と、圧力発生室21とノズル開口34とを連通するノズル連通孔39とが設けられている。リザーバ部32は図示するように、圧力発生室21の並設方向に亘って設けられている。なお、本実施形態では、リザーバ部32そのものがリザーバを構成している。また、リザーバ部32は、リザーバ形成基板33を厚さ方向に貫通して設けられており、液体供給口形成基板31側とコンプライアンス基板50側とに開口している。
コンプライアンス基板50は、リザーバ形成基板33の液体供給口形成基板31とは反対側の面に接着層60を介して接合されている。コンプライアンス基板50には、コンプライアンス部51が設けられ、コンプライアンス部51がリザーバ部32の開口を封止している。このコンプライアンス部51は、撓み変形可能に構成されリザーバ部32内の圧力変化によって撓み変形するものである。具体的には、コンプライアンス基板50のリザーバ部32に相対向する一部の領域が他の領域に比べて厚さが薄く形成されることで構成されている。コンプライアンス部51の撓み変形により、圧力発生室21で発生した圧力波のエネルギーが吸収され、他の圧力発生室21に圧力波が伝播することが防止されている。また、コンプライアンス基板50には、厚さ方向に貫通してリザーバ形成基板33に設けられたノズル連通孔39とノズル開口34とを連通するノズル連通孔52が設けられている。このような、コンプライアンス基板50の材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属やセラミックスを用いることができる。もちろん、コンプライアンス基板50は、これに限定されず、例えばコンプライアンス部51を構成するフィルム状の弾性膜と、厚さ方向の一部が貫通して設けられた支持基板とで構成されていてもよい。
ノズルプレート35は、例えばステンレス鋼からなる薄板に、圧力発生室21と同一の配列ピッチでインクを吐出するノズル開口34が穿設されて形成されている。
上述したような流路ユニット30は、液体供給口形成基板31、リザーバ形成基板33、コンプライアンス基板50及びノズルプレート35を接着層や熱溶着フィルム等によって固定することで形成される。そして、このような流路ユニット30とアクチュエータユニット20とは、接着層や熱溶着フィルムを介して接合されて固定されている。
ここで、気泡溜まり部70について説明する。気泡溜まり部70は、リザーバ部32の上方に位置する空間であり、連通路73を介してリザーバ部32に連通している。気泡溜まり部70がリザーバ部32の上方に位置するとは、インクジェット式記録ヘッド10の使用時、すなわち、ノズル開口34からインクを吐出しているときにおいてリザーバ部32の上方に位置していることをいう。また、本実施形態では、気泡溜まり部70は計2つ形成されており、各気泡溜まり部70は、リザーバ部32の両端部のそれぞれに連通している。気泡溜まり部70がリザーバ部の端部に連通するとは、リザーバ部32の端部に開口した連通路73を介して気泡溜まり部70がリザーバ部32に連通していることをいう。
具体的には、気泡溜まり部70は、流路形成基板22に設けられた空間部71と、圧力発生室底板24に設けられた空間部72とから構成され、空間部71側は振動板23により封止され、空間部72側は液体供給口形成基板31により封止されている。
また、気泡溜まり部70には予めインクを充填しておき、気泡溜まり部70に空気がないか、ほとんど一部にしか存在しないようにしておく。例えば、アクチュエータユニット20と流路ユニット30とを接合した後、インクジェット式記録ヘッド10を真空又は減圧下に置き、その後液体導入口28からインクを導入することで気泡溜まり部70にインクを充填する。他にも、振動板23に、その厚さ方向に貫通する空気逃げ穴を形成しておき、液体導入孔28からインクを導入することで気泡溜まり部70にインクを充填し、その後、空気逃げ穴を塞ぐ。このようなインクの充填により、気泡溜まり部70に空気がないか、ほとんど一部にしか存在しないようになり、インクジェット式記録ヘッドの稼動時にリザーバ部32内で生じる気泡を気泡溜まり部70に溜めることが可能となる。
連通路73は、液体供給口形成基板31に設けられた流路であり、リザーバ部32と気泡溜まり部70とを連結している。詳細は後述するが、リザーバ部32の上方に気泡溜まり部70が位置しているので、リザーバ部32のインク中に生じた気泡が連通路73を介して気泡溜まり部70に溜まるようになっている。
また、連通路73は、気泡溜まり部70よりも幅狭に形成されている。ここで、連通路73が気泡溜まり部70よりも幅狭であるとは、図2に示すように、平面視において、連通路73の開口形状が、気泡溜まり部70の形状よりも小さく形成されていることを言う。このように連通路73を幅狭に形成しても、リザーバ部32のインク中に在る気泡は微小であるので、このような気泡が、リザーバ部32から気泡溜まり部70に流通することは妨げられない。また、幅狭な連通路73により、気泡溜まり部70に溜まった気泡がリザーバ部32に戻り難くなっている。このことを図5を用いて詳細に説明する。
図5は、図4の気泡溜まり部近傍の要部断面図である。インクジェット式記録ヘッド10は、リザーバ部32、圧力発生室21及び気泡溜まり部70等に、インクが予め充填された状態で使用され、インクの流れに沿ってリザーバ部32内を流動する気泡が連通路73に達し、連通路73を通って気泡溜まり部70に溜まる。例えば、図5(a)に示すように、リザーバ部32及び気泡溜まり部70の下部には、インク81が満たされ、気泡溜まり部70の上部には、微小な気泡が結合して一つの大きな気泡80として溜まっている。前述したように、気泡溜まり部70はリザーバ部32よりも上方に位置しているので、気泡80はリザーバ部32に戻ることなく気泡溜まり部70に溜まり続ける。
図5(b)に示すように、インクジェット式記録ヘッド10が傾いて、大きな気泡が連通路73を逆流しようとしても、大きな気泡80は幅狭な連通路73を通過し難く、気泡が容易にリザーバ部32に戻ってしまうことが抑止されている。仮に連通路73が幅狭になっていないと、図5(c)に示すように、図5(b)のインクジェット式記録ヘッド10と同じ傾きでも、気泡80がリザーバ部32に戻り、滞留してしまう。
また、リザーバ部32の中央部にインクが導入され、気泡溜まり部70をリザーバ部32の端部に連通させたため(図4参照)、リザーバ部32のインク中の気泡が効率よく気泡溜まり部70に回収されるようになっている。このことを図6を用いて詳細に説明する。
図6は、リザーバ形成基板の平面図である。図示するように、リザーバ形成基板33に設けられたリザーバ部32の中央部に液体導入口38を介してインクが導入されるようになっている。このため、外部のインクタンクから液体導入口38を介して導入されるインクは、矢印で示すように、リザーバ部32の中央部から両端部に向かって流れる。一方、連通路73は、リザーバ部32の両端部、すなわちインクの流れの下流に開口しているので、インクの流れに乗って下流に集まる気泡を効率よく気泡溜まり部70に回収することができる。
また、特に図示しないが、リザーバ部32の一端側にインクが導入されるように液体導入口27、28、29、38を形成した場合、連通路73は、リザーバ部32の他端側に開口するように設ければよい。リザーバ部32のインクは一端側から他端側に流れるので、他端側に連通路73を設ければ、気泡を気泡溜まり部70に効率よく回収できるからである。
なお、上述したようにリザーバ部32にインクが導入される位置に関わらず、気泡溜まり部70をリザーバ部32の端部に連通させてもよい。気泡はリザーバ部32の端部に滞留し易いためである。もちろん、リザーバ部32の端部に限らず、任意の位置に気泡溜まり部70をリザーバ部32に連通させてもよい。
このような構成のインクジェット式記録ヘッド10では、インクカートリッジ(貯留手段)から液体導入口38を介してリザーバ部32内にインクを取り込み、リザーバ部32からノズル開口34に至るまでのインク流路内をインクで満たした後、図示しない駆動回路からの記録信号に従い、各圧力発生室21に対応する各圧電素子40に電圧を印加して圧電素子40と共に振動板23をたわみ変形させることにより、各圧力発生室21内の圧力が高まり各ノズル開口34からインク滴が吐出される。
以上に説明したように、気泡溜まり部70を設け、気泡溜まり部70とリザーバ部32とを幅狭な連通路73を介して連通させることで、リザーバ部32内の気泡が気泡溜まり部70に溜まり、かつ、気泡溜まり部70に溜まった気泡がリザーバ部32に戻ってしまうことが抑止できる。また、気泡溜まり部70をリザーバ部32の両端部に連通させたことで、気泡を気泡溜まり部70に効率よく回収することができる。このように、リザーバ部32内に気泡が滞留してしまうことが防止されるので、良好なインク吐出特性を獲得することができる。
また、従来技術においては、リザーバ部内にインクを滞留させないために、リザーバをその両端部に向けてその幅が漸減するように形成したことから、その分面積が小さくなり、この結果、コンプライアンス部のダンパ効果が低下してしまう。しかしながら、本発明においては、気泡溜まり部70に気泡を溜める構成としたのでリザーバ部を小さく形成する必要がない。これにより、コンプライアンス部のダンパ効果を低下させることなく、リザーバ部32に気泡が滞留することを防止できる。更に、従来技術では、気泡の吸引機能を有する空気溜まり部をヘッド本体の外部に設けていたが、本発明で空気溜まり部に相当するものは、インクジェット式記録ヘッド10に設けた空間である気泡溜まり部70である。このため、空気溜まり部のような特別な部品を要することなく、低コストにヘッドを製造し得る。
また、本実施形態では、気泡溜まり部70は、アクチュエータユニット20に形成されているが、このような態様に限定されない。例えば、アクチュエータユニット20とは別の部材に気泡溜まり部を形成し、その気泡溜まり部がリザーバ部32の上方に位置するように当該部材を流路ユニット30に設けてもよい。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、1つの気泡溜まり部70は1つの連通路73を介してリザーバ部32に連通していたが、このような態様に限定されず、複数の連通路73を介してリザーバ部32に連通していてもよい。1つの連通路73は幅狭に形成されているため、連通路73の開口部の面積がリザーバ部32の全体に占める割合は小さなものとなり、インク中の気泡を回収できる領域が小さくなってしまう。しかしながら、複数の連通路73を設けることで、インク中の気泡を回収できる領域を大きくできるため、効率よく気泡を回収することができる。そのために、単に、液体供給口形成基板31に複数の連通路を穿設してもよいが、フィルタを用いてもよい。
図7は、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図示するように、圧力発生室底板24と液体供給口形成基板31との間にはフィルタ90が介在している。本実施形態においては、フィルタ90の目(細孔)の一つ一つが気泡溜まり部70よりも幅狭な連通路として機能している。この場合においても、リザーバ部32内の微小な気泡がフィルタ90の目を通過して気泡溜まり部70に溜まり、かつ、気泡溜まり部70内で結合して大きくなった気泡はフィルタ90を逆流することはない。よってリザーバ部32に気泡が滞留してしまうことを防止し、良好なインクの吐出特性を有するインクジェット式記録ヘッドが提供される。
また、上述した実施形態では、厚膜型の圧電素子40を有するインクジェット式記録ヘッドを例示したが、圧力発生室21に圧力変化を生じさせる圧力発生手段としては、特にこれに限定されず、例えば、ゾル−ゲル法、MOD法、スパッタリング法等により形成される圧電材料を有する薄膜型の圧電素子、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子、振動板と電極を所定の隙間を開けて配置し、静電気力で振動板の振動を制御する、いわゆる静電アクチュエータ、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものなどを有するインクジェット式記録ヘッドであっても同様の効果を奏するものである。
さらに、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図8は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図8に示すように、当該インクジェット式記録装置Iにおける記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上記実施形態1は、液体噴射ヘッドの一例としてのインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体吐出装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体吐出装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えばプリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
一実施形態を示すインクジェット式記録ヘッドの斜視図である。 一実施形態を示すインクジェット式記録ヘッドの平面図である。 一実施形態を示すインクジェット式記録ヘッドの断面図である。 一実施形態を示すインクジェット式記録ヘッドの断面図である。 一実施形態を示すインクジェット式記録ヘッドの要部断面図である。 一実施形態に係るリザーバ形成基板の平面図である。 他の実施形態を示すインクジェット式記録ヘッドの断面図である。 他の実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
符号の説明
I インクジェット式記録装置、 10,10A インクジェット式記録ヘッド、 20 アクチュエータユニット、 21 圧力発生室、 22 流路形成基板、 23 振動板、 24 圧力発生室底板、 25 供給連通孔、 27、28、29、38 液体導入口、 30 流路ユニット、 31 液体供給口形成基板、 32 リザーバ部、 33 リザーバ形成基板、 34 ノズル開口、 35 ノズルプレート、 36 ノズル連通孔、 37 液体供給口、 39 ノズル連通孔、 40 圧電素子、 50 コンプライアンス基板、 51 コンプライアンス部、 70 気泡溜まり部、 73 連通路、 90 フィルタ

Claims (6)

  1. 液体を吐出するノズル開口に連通する複数の圧力発生室と、
    複数の前記圧力発生室に連通する共通の液体室であるリザーバの少なくとも一部を構成するリザーバ部と、
    前記リザーバ部の上方に位置する空間である気泡溜まり部とを具備し、
    前記気泡溜まり部は、当該気泡溜まり部よりも幅狭の連通路となる目を有するフィルタを介して前記リザーバ部に連通している
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記気泡溜まり部は、前記リザーバの端部に連通している
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記リザーバ形成基板には、前記リザーバ部の中央部に液体を導く液体導入口が形成され、
    前記気泡溜まり部は、前記リザーバ部の両端部に連通している
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記リザーバ形成基板には、前記リザーバ部の一端部に液体を導く液体導入口が形成され、
    前記気泡溜まり部は、前記リザーバ部の他端部に連通している
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記連通路が複数設けられている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置。
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