JP5169699B2 - 光伝送システム - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ伝送路を通じて光伝送を行う光伝送システムに関する。
光通信ネットワークでは、光ファイバ伝送路上に配置される光アンプにおいて、入力レベルに対してどれぐらいの出力レベルを出すかの増幅率である利得をあらかじめ設定して立ち上げておく必要がある。
このような光アンプの立ち上げを行う場合、システムの初期導入時などに、運用信号光のない状態で、送信局のポストアンプ(post amplifier)から運用信号光の1波長相当の送信パワーを持ったASE(Amplified Spontaneous Emission)光を発光させ、そのASE光を用いて下流に位置する中継局のインラインアンプ(in-line amplifier)や受信局のプリアンプ(pre amplifier)の利得を決定して立ち上げる方法が行われている(ASE光による光アンプの立ち上げ方法を以下、ASE立ち上げとも呼ぶ)。
なお、EDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)のような誘導放出が増幅原理となっている光アンプでは、入力光の存在の有無に関わらず、自然放出といった現象が生じる。この現象によって光アンプから漏れ出す広帯域な雑音光をASE光と呼んでいる。
図17は従来のASE立ち上げの概要を示す図である。光伝送システム5は、送信局51と受信局52から構成され、送信局51と受信局52は、光ファイバ伝送路fを介して接続する。送信局51は、ASE光の出力レベルが可変なポストアンプ51aを含み、受信局52は、DCF(Dispersion Compensating Fiber:分散補償ファイバ)52aとプリアンプ52bを含む。
ポストアンプ51aで増幅出力された信号光は、光ファイバ伝送路fを介して伝送される。DCF52aは、送信された信号光に対して、光ファイバ伝送路f上で発生した波長分散を補償する。プリアンプ52bは、分散補償後の信号光を受信して増幅する。
光伝送システム5において、システム運用前に、プリアンプ52bのASE立ち上げを行う場合、ポストアンプ51aは、運用信号光の1波相当の送信パワーを持つASE光を発光する。
ASE光は、光ファイバ伝送路fを流れて、受信局52に到達し、DCF52aを通過後にプリアンプ52bに入力する。図中、ポイントp1〜p3は、ASE光のパワーを示している(縦軸は光パワー、横軸は波長)。ポイントp1は、ASE光の送信パワーを示し、ポイントp2は、プリアンプ52bの入力端におけるASE光の受信パワーを示している。また、ポイントp3は、プリアンプ52bで増幅されたASE光の出力パワーを示している。
受信局52では、受信したASE光を用いて、プリアンプ52bの出力パワーが、実信号光の出力目標値(1波の出力目標値)のパワーとなるように、プリアンプ52bの利得を決定する。
図18はASE立ち上げ後の運用状態の信号光パワーを示す図である。図17で示したASE立ち上げ後のポイントp1〜p3における実信号光のパワーを示している。プリアンプ52bでは、ASE立ち上げ時に決定された利得で、目標とする出力レベルで実信号光を増幅している。
このように、ASE立ち上げを行うことで、システム運用前において、光アンプの利得を効率よく決定することができる。また、例えば、回線障害などが発生して瞬時に冗長系に切り替える場合に、立ち上げ時の利得で光アンプを待機させておく(スタンバイ状態とする)ことで、切り替え時間を極力短くするといったことも可能になる。
従来技術として、増幅光から分離されたASE雑音光を利用して自動利得制御を行う技術が提案されている(特許文献1)。また、光伝送路間での光損失値及び波長分散値が等しくなるように、可変光減衰器および可変分散補償器を設定制御し、受信アンプでは、入力光レベルが一定に保たれた光信号を受信して増幅する技術が提案されている(特許文献2)。
特開2001−144353号公報(段落番号〔0013〕、第1図) 特許第3833684号公報(第5頁の3行目〜24行目、第1図)
長距離、多波長の光伝送を行う場合では、波長毎にばらつきを持つ分散値や出力レベルなどを、中継器や受信局において補償する必要がある。このため、DCFなどの分散補償器、または利得等化器などの補償デバイスが光ファイバ伝送路上に配置される。
従来のシステムでは、分散値や等化特性をあらかじめ固定値として持つ固定型の補償デバイス(DCFなど)を使用することが多かったが、今後は、システム構成をできるだけ簡略化し、ストックしておく補償デバイスの種類を減らしてコスト低減を図るなどの目的により、可変分散補償器(TDC:Tunable Dispersion Compensator)や可変利得等化器(DGE:Dynamic Gain Equalizer)といった、補償値を可変的に調整できる可変型の補償デバイスを使用するケースが増えていくものと予測できる。
図19はDGEの構成を示す図である。可変型補償デバイスの一例としてDGEの構成を示している。DGE6は、波長分離部(DEMUX)61、可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)62−1〜62−n、波長多重部(MUX)63から構成される。
DEMUX61は、n波の波長が多重されているWDM(Wavelength Division Multiplexing)信号を受信して波長毎に分離する。VOA62−1〜62−nは、波長信号毎に減衰量を可変設定する。MUX63は、レベル変更後の波長信号を多重化し、WDM信号を生成して出力する。
ここで、固定型補償デバイスは、信号光の波長帯域内でほぼ均一な損失特性(ロスプロファイル)を持っている。図20は固定型補償デバイスの損失特性を示す図である。縦軸は挿入損失(IL:Insertion Loss(dB))、横軸は波長(nm)である。
信号光の波長帯域内において、どの波長に対しても損失はほぼ均一であり、ほぼ平坦な損失特性となっている(実際には多少のリプル形状を有するが、図20ではイメージを示すものとして、平坦性を簡単に直線で示している)。
ポストアンプとプリアンプとの間の光ファイバ伝送路上に、このような損失特性を持つ固定型補償デバイスが挿入されたシステム構成上で、プリアンプに対して、上述したようなASE立ち上げを施しても、特に不都合となる問題が生じることはない。
これに対し、可変型補償デバイスは、波長方向に周期的な損失特性を持っていることが多い。図21は可変型補償デバイスの損失特性を示す図である。縦軸はIL(dB)、横軸は波長(nm)である。
信号光の波長帯域内において、図21に示すように一様ではない損失特性であるために、信号光の波長が立っているところでは損失は小さいが、信号光の波長から少しでも波長がずれると損失が大きくなることがわかる。例えば、信号光の波長λ1、λ2では、3dB程度の損失であるが、波長λ1、λ2からずれた波長λaでは、8dBの損失となってしまう。
ポストアンプとプリアンプとの間の光ファイバ伝送路上に、このような損失特性を持つ可変型補償デバイスが挿入されたシステム構成上で、プリアンプに対して、上述したようなASE立ち上げを施すと、可変型補償デバイスが持っている損失特性によって、ASE光のパワーが大きく低減してしまう。このため、ASE立ち上げ時には、本来の信号光が伝送中に生じる損失よりも大きな損失を持つASE光を用いて、プリアンプの利得を決定することになる。
しかし、このことは1波の実信号光の受信パワーよりも低いパワーを用いて出力目標値に合うように利得を決めることになるので、実際の信号光にとっては過剰な利得が設定されることになり、正確な光アンプの立ち上げを実行することができないといった問題があった。
図22は可変型補償デバイスが配置されたシステム上でのASE立ち上げの概要を示す図である。光伝送システム5−1は、送信局51と受信局52−1から構成され、送信局51と受信局52−1は、光ファイバ伝送路fを介して接続する。送信局51は、ポストアンプ51aを含み、受信局52−1は、TDC(可変分散補償器)52a−1とプリアンプ52bを含む。
光伝送システム5−1において、プリアンプ52bのASE立ち上げを行う場合、ポストアンプ51aは、運用信号光の1波相当の送信パワーを持つASE光を発光する。ASE光は、光ファイバ伝送路f上を流れて、受信局52−1に到達し、TDC52a−1を通過した後にプリアンプ52bに入力する。
ポイントp1〜p3は、ASE光のパワーを示している(縦軸は光パワー、横軸は波長)。ポイントp1は、ASE光の送信パワーを示し、ポイントp2は、プリアンプ52bの入力端におけるASE光の受信パワーを示している。また、ポイントp3は、プリアンプ52bで増幅されたASE光の出力パワーを示している。
ここで、TDC52a−1は、図21で示したような周期的な損失特性を持っているために、このような損失特性を持つTDC52a−1をASE光が通過すると、ASE光のパワーは、TDC52a−1の損失特性に沿って削りとられるようにして(ASE光の帯域の中の信号光の波長以外の波長領域が削られるイメージである)、パワーが低減することになる(ポイントp2)。
受信局52−1では、TDC52a−1を通過した後のASE光を用いて、プリアンプ52bの出力パワーが、実信号光の出力目標値(1波の出力目標値)となる、プリアンプ52bの利得を決定する。
図23はASE立ち上げ後の運用状態の信号光パワーを示す図である。図22で示したASE立ち上げ後のポイントp1〜p3における、実信号光のパワーを示している。プリアンプ52bでは、ASE立ち上げ時に決定された利得で実信号光を増幅する。
しかし、TDC52a−1を通過することでパワーが大きく低減したASE光を用いて、プリアンプ52bの利得を決定しているので(TDC通過後のASE光パワー<TDC通過後の信号光パワー)、1波の実信号光の受信レベルよりも低いレベルを用いて出力目標値に合うように利得が決められている状態である。このため、実際の信号光にとっては過剰な利得が設定されてしまい、ポイントp3に示すように、運用時においては、過剰な出力パワーで信号光が出力してしまうことになる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ASE光を用いての光アンプの立ち上げ時、波長方向に一様ではない損失特性を持つデバイスが光伝送路上に配置されている場合であっても、信号光に対して正確な利得を決定する光アンプの立ち上げを行って、光伝送品質の向上を図った光伝送システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、光ファイバ伝送路を通じて光伝送を行う光伝送システムが提供される。この光伝送システムは、第一光増幅器を含む上流局と、第二光増幅器と、前記第二光増幅器の利得を決定して前記第二光増幅器の立ち上げを行う制御部と、を含む下流局とを備える。
ここで、第二光増幅器の前段に、波長方向に一様ではない損失特性を持つ光損失媒質が配置される場合、制御部は、上流局の第一光増幅器から出力される雑音光が、光損失媒質を通過して第二光増幅器に到達するまでに受ける損失である雑音光損失値と、第一光増幅器から出力される信号光が、光損失媒質を通過して第二光増幅器に到達するまでに受ける損失である信号光損失値とを認識し、雑音光損失値と信号光損失値との差分である損失差分を求め、第二光増幅器の立ち上げ時には、損失差分を補償して利得を決定する。
雑音光を用いての下流側光増幅器の立ち上げ時、波長方向に一様ではない損失特性を持つ光損失媒質が、光ファイバ伝送路上に配置されている場合であっても、信号光に対して正確な利得を決定して下流側光増幅器の立ち上げを行い、光伝送品質の向上を図る。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は光伝送システムの原理図である。光伝送システム1は、上流局10と下流局20から構成され、下り光ファイバ伝送路f1と上り光ファイバ伝送路f2で接続して、WDM通信を行うシステムである。
上流局10は、第一光増幅器である上流側光増幅器(以下、ポストアンプ)11を含み、下流局20は、光損失媒質21、第二光増幅器である下流側光増幅器(以下、プリアンプ)22、制御部23を含む。
ポストアンプ11は、WDM信号光の増幅を行い、増幅光を下り光ファイバ伝送路f1を通じて下流局20へ送信する。また、自然放出による雑音光(以下、ASE光)が漏出する。
なお、ポストアンプ11から出力される信号光およびASE光は、下流から伝送される光監視制御信号であるOSC(Optical Supervisor Channel)信号に重畳された情報に応じて、レベルが可変出力される。
光損失媒質21は、図21に示したような、波長方向に一様ではない損失特性を持つ可変型補償デバイスに該当し、具体的には、TDC(可変分散補償器)やDGE(可変利得等化器)などが該当する。以降では、光損失媒質21を主にTDC21として説明する。プリアンプ22は、受信した光を増幅出力する。制御部23は、プリアンプ22の利得を決定してプリアンプ22の立ち上げを行う。
また、制御部23は、ポストアンプ11から出力されるASE光が、TDC21を通過して、プリアンプ22に到達するまでに受ける損失であるASE光損失値を認識する。さらに、ポストアンプ11から出力される信号光が、TDC21を通過してプリアンプ22に到達するまでに受ける損失である信号光損失値を認識する。そして、ASE光損失値と信号光損失値との差分である損失差分を求め、プリアンプ22の立ち上げ時には、損失差分による補償を行って利得を決定する。
ここで、損失差分による補償を行って利得を決定する際に、損失差分を上流局10へ通知して制御を行う場合について示すと、制御部23は、まず、求めた損失差分をOSC信号に重畳して、対向方路の上り光ファイバ伝送路f2を通じて、上流局10へ通知する。
上流局10では、通知された損失差分を、ポストアンプ11に設定する。そして、下流局20におけるプリアンプ22の立ち上げ時には、ポストアンプ11は、信号光1波相当のパワーを持つASE光に、損失差分を加算して、補償ASE光(補償雑音光)を生成・出力し、制御部23は、補償ASE光を用いて、プリアンプ22の利得を決定してプリアンプ22の立ち上げを行う。詳細については後述する。
上記の上流局10および下流局20は、送信局および受信局にそれぞれ該当する。また、下流局20を中継局とし、プリアンプ22をインラインアンプとした構成としてもよい。すなわち、中継局内にTDCやDGEのような光損失媒質21が配置され、光損失媒質21の後段にインラインアンプが位置するような構成の場合についても、損失差分を考慮したASE光による立ち上げを行うことで、中継局内のインラインアンプに対して適切な利得設定(適切なインラインアンプの立ち上げ)を行うことができる。なお、光伝送システム1による光アンプの立ち上げ方法を以降、従来のASE立ち上げと区別するために、ASE損失補償立ち上げとも呼ぶ。
次に損失差分の算出処理について説明する。図2はASE光損失値の算出処理を説明するための図である。ポストアンプ11から出力されるASE光の送信パワーがXASE(dBm)であり、TDC21を通過して、プリアンプ22の入力端であるポイントP3におけるASE光の受信パワーがYASE(dBm)であったとき、ASE光損失値をLossASEとすれば、LossASE(dB)は、式(1)で求まる。
LossASE=XASE−YASE・・・(1)
制御部23には、あらかじめASE光送信パワーXASEが登録されている。また、カプラCは、TDC21通過後の光を2分岐し、一方をプリアンプ22へ出力し、他方を制御部23へ出力する。制御部23は、カプラCを介して受信したASE光から、ASE光受信パワーYASEを実測する。これにより、式(1)にもとづいてASE光損失値LossASEを求めることができる。
図3は信号光損失値の算出処理を説明するための図である。ポストアンプ11から出力される信号光の送信パワーがXSIG(dBm)であり、TDC21を通過して、プリアンプ22の入力端であるポイントP3における信号光の受信パワーがYSIG(dBm)であったとき、信号光損失値をLossSIGとすれば、LossSIG(dB)は、式(2)で求まる。
LossSIG=XSIG−YSIG・・・(2)
制御部23には、あらかじめ信号光送信パワーXSIGが登録されている。また、カプラCを介して受信した信号光から、信号光受信パワーYSIGを実測する。これにより、式(2)にもとづいて信号光損失値LossSIGを求めることができる。
制御部23では、ASE光伝送時の損失であるASE光損失値LossASEと、信号光伝送時の損失である信号光損失値をLossSIGとの差分をとって損失差分とする。損失差分をLossDEVとした場合、LossDEV(dB)は式(3)で求める。
LossDEV=LossASE−LossSIG・・・(3)
なお、TDC21は、波長方向に一様ではない周期的な損失特性を有しているため、広帯域なASE光が入力すると、周期的な損失特性に沿って、ASE光のパワーは削られる。この削られた分のパワーが損失差分LossDEVに該当するものである。
上記では実測値を用いて算出したが、YASEやYSIGなどのデータ値があらかじめ認識されている場合は、制御部23でモニタせずに、これらの損失データ値を、保守端末等を介して制御部23に登録しておいて算出してもよい。
また、光損失媒質21として、図19で示したDGEのような、波長毎に減衰量を設定可能な可変補償デバイスを使用する場合では、上記のような損失差分の測定実行中は、各波長の帯域の損失が同じになるような減衰量で固定した状態にして、ASE光損失値LossASEや信号光損失値LossSIGの取得を行うようにする。
次にASE損失補償立ち上げの概念について、従来のASE立ち上げと比べながら、具体的な数値を用いて説明する。図2で示した、YASE(TDC21通過後のASE光の受信パワー)と、YSIG(TDC21通過後の信号光の受信パワー)とが同じであれば、従来のASE立ち上げを行って、プリアンプ22の利得を決定することができる。しかし、実際は、YASEとYSIGは異なるために(YASE<YSIG)、これらの差分を考慮して、ASE損失補償立ち上げを行う必要がある。
なお、WDM信号光に波長多重されている波長周期に沿って、TDC21は、周期的な損失特性を持っているので、TDC21を信号光が通過しても挿入損失は小さいが、広帯域なASE光がTDC21を通過すると、周期的な損失特性によってASE光が削られてしまうために、挿入損失は信号光と比べると大きくなる。したがって、YASE<YSIGとなる。
図4は信号光の伝送時の各ポイントの値を示す図である。1波の実信号光がポストアンプ11から出力しているときのポイントP1〜P3の値およびプリアンプ22の利得を示している。なお、ポストアンプ11の信号光1波の出力パワーを0dBmとする。
〔ポイントP1〕上流局10における信号光送信パワーは0dBmである。
〔ポイントP2〕TDC21の入力端に到達した信号光のパワーは、ポイントP1における信号光の送信パワーから、光ファイバ伝送路f1の伝送損失分を減算したものとなる。光ファイバ伝送路f1の伝送損失を20dBとすれば、TDC21の入力端に到達した信号光のパワーは、0dBm−20dB=−20dBmとなる。
〔ポイントP3〕プリアンプ22の入力端における信号光のパワーは、ポイントP2におけるTDC21の入力端の信号光パワーから、TDC21に信号光が通過したときの損失分を減算したものとなる。TDC21の信号光の損失分を3dBとすれば、プリアンプ22の入力端における信号光のパワーは、−20dBm−3dB=−23dBmとなる。
〔プリアンプ22の利得〕プリアンプ22における、信号光1波の出力目標値が0dBmである場合、プリアンプ22の入力パワーが−23dBmのとき、これを0dBmまで増幅することになるので、プリアンプ22の利得は、0dBm−(−23dBm)=23dBとなる。すなわち、プリアンプ22には、23dBの利得が設定されることが必要である。
図5はASE立ち上げ時の各ポイントの値を示す図である。ASE光がポストアンプ11から出力しているときのポイントP1〜P3の値およびプリアンプ22の利得を示しており、従来のASE立ち上げの動作を示している。
〔ポイントP1〕上流局10におけるASE光送信パワーは0dBmである。
〔ポイントP2〕TDC21の入力端に到達したASE光のパワーは、ポイントP1におけるASE光の送信パワーから、光ファイバ伝送路f1の伝送損失分を減算したものとなる。光ファイバ伝送路f1の伝送損失は20dBなので、TDC21の入力端に到達したASE光のパワーは、0dBm−20dB=−20dBmとなる。
〔ポイントP3〕プリアンプ22の入力端におけるASE光のパワーは、ポイントP2におけるTDC21の入力端のASE光パワーから、TDC21にASE光が通過したときの損失分を減算したものとなる。TDC21のASE光の損失分を6dBとすれば、プリアンプ22の入力端におけるASE光のパワーは、−20dBm−6dB=−26dBmとなる。
〔プリアンプ22の利得算出〕プリアンプ22における、信号光1波の出力目標値が0dBmである場合、プリアンプ22の入力パワーが−26dBmのとき、これを0dBmまで増幅してプリアンプ22は発光する。このときのプリアンプ22の利得は、0dBm−(−26dBm)=26dBであり、利得26dBがプリアンプ22に設定されることになる。
しかし、図4で示したように、本来はプリアンプ22の利得は、23dBのときに、信号光にとって正常な出力パワーが得られるので、従来のASE立ち上げでは、26dBを設定することになり、過剰な利得を設定してしまうことになる。
図6は上流局10で補償ASE光を出力させて、ASE損失補償立ち上げを行った場合の各ポイントの値を示す図である。補償ASE光がポストアンプ11から出力しているときのポイントP1〜P3の値およびプリアンプ22の利得を示している。
なお、信号光損失値LossSIGは、図4において、ポイントP1のレベルからポイントP3のレベルを減算したものなので(∵式(2))、0dBm−(−23dBm)=23dBである。また、ASE光損失値LossASEは、図5において、ポイントP1のレベルからポイントP3のレベルを減算したものなので(∵式(1))、0dBm−(−26dBm)=26dBである。したがって、損失差分LossDEVは、式(3)から3dBとなる。
〔ポイントP1〕上流局10における補償ASE光の送信パワーは、(ASE光のパワー)+(損失差分LossDEV)である。ASE光の送信パワーは、0dBm(信号光1波相当のパワー)であり、損失差分LossDEVは3dBなので、上流局10における補償ASE光の送信パワーは、0dBm+3dB=3dBmとなる。
〔ポイントP2〕TDC21の入力端に到達した補償ASE光のパワーは、ポイントP1における補償ASE光の送信パワーから、光ファイバ伝送路f1の伝送損失分を減算したものとなる。光ファイバ伝送路f1の伝送損失は20dBなので、TDC21の入力端に到達した補償ASE光のパワーは、3dBm−20dB=−17dBmとなる。
〔ポイントP3〕プリアンプ22の入力端における補償ASE光のパワーは、ポイントP2におけるTDC21の入力端の補償ASE光パワーから、TDC21にASE光が通過したときの損失分を減算したものとなる。TDC21の損失分は6dBなので、プリアンプ22の入力端における補償ASE光のパワーは、−17dBm−6dB=−23dBmとなる。
〔プリアンプ22の利得算出〕プリアンプ22における、信号光1波の出力目標値が0dBmである場合、プリアンプ22の入力パワーが−23dBmのとき、これを0dBmまで増幅してプリアンプ22は発光する。このときのプリアンプ22の利得は、0dBm−(−23dBm)=23dBとなるので、プリアンプ22の発光後に、23dBの利得が設定される。
このように、ASE損失補償立ち上げを行うことにより、結果的に、図4で示した利得と同じ値の23dBを設定することができ、システム運用時において、プリアンプ22から所望の出力レベルで信号光を増幅することが可能になる。
なお、一般にプリアンプ22の出力目標値を決める場合は、ASE補正量について考慮する必要があるが、ASE損失補償立ち上げを行う場合は、上流局10から通知されたASE補正量は使用しなくてよく、プリアンプ22で発生するASE光の発生量のみ考慮すればよい(ASE補正量については後述する)。
以上説明したように、波長方向に一様ではない損失特性を持つTDCやDGE等の可変補償デバイスが、プリアンプの前段に配置された構成において、広帯域なASE光を用いて、プリアンプの立ち上げを行う場合、可変補償デバイスによってASE光が削られてしまう分のレベルを補償する必要がある。
このために、ASE光が可変補償デバイスを通過してプリアンプに到達するまでに受ける損失であるASE光損失値と、信号光が可変補償デバイスを通過してプリアンプに到達するまでに受ける損失である信号光損失値との損失差分をあらかじめ求めておき(要するに、可変補償デバイスによってASE光が削られてしまう分のレベルを求めておき)、その損失差分を上流のポストアンプに通知し、その差分だけポストアンプの出力レベルを上げた補償ASE光を用いて、プリアンプの立ち上げ処理を行う構成とした。これにより、プリアンプの所望とする出力レベルを得るための、信号光に対する利得を正確に決定することが可能になる。
また、上記のASE損失補償立ち上げでは、プリアンプ22から出力目標値とするパワーの発光を行って、このときの利得を固定するといった制御を行っている。すなわち、プリアンプ22を実際に発光させた後に利得を設定しているので、プリアンプ22が正常に発光するか否か(例えば、アンプ内部に断線が生じているか否かなど)をあらかじめ検出することも可能になる。
次にASE補正について説明する。光アンプから出力されるトータルの出力パワーは、信号光の増幅成分だけでなく、ASE光の増幅成分も含まれる。したがって、例えば、信号光成分だけを考えて、光アンプから信号光を出力パワーP0で出力させるときの利得をG0と決めた場合、実際には、利得G0を設定しても、信号光成分は、所定の出力パワーP0まで出すことができない。
なぜなら、光アンプの出力パワーP0には、ASE光の増幅成分も含まれており、その分、信号光の出力パワーが低下することになるからであって、ASE光による誤差成分を考慮せずに、利得をG0と設定しても、信号光成分は、所定の出力パワーP0まで出せないことになる。
したがって、所定の出力パワーで信号光を増幅するには、ASE光の増幅成分によって失われるパワー量を考慮して、出力目標値を決める必要がある。このように、ASE光の増幅成分が含まれることを考慮して、光アンプの出力目標値を決定することをASE補正と呼び、このときの補正量をASE補正量と呼ぶ。
ASE補正を行わなければ、光アンプで増幅された光は、中継増幅されることにより、ASE光も蓄積し、信号光のパワーも減少していくことになるが、通常は、上流局で送信された増幅光の中に、ASE光の増幅成分がどれだけ含まれているかといった情報(すなわち、ASE補正量)が、上流局から下流局に対して通知されるので、下流局では通知されたASE補正量を加味して、ASE補正を行って出力目標値を決定することで、信号光に対して所定の出力パワーとなるように光増幅を行うことができる。
ここで、従来のASE立ち上げを行う場合は、上記のようなASE補正を行うことは必要であるが、ASE損失補償立ち上げを行う場合は、上流局から通知されたASE補正量を考慮してのASE補正を行う必要はない。
図7は上流局から通知されたASE補正量が不要となる理由を説明するためのイメージ図である。ポストアンプ11による増幅光には、信号光増幅成分とASE光増幅成分とが含まれる。また、斜線部分に該当するASE光がASE補正量に該当する。
従来のASE立ち上げを行う場合、下流局20では、プリアンプ22の出力目標値を決定するとき、信号光成分を所定の出力パワーで出力させるパワー値(パワー値a1とする)を、信号光成分のみを考慮して算出し、さらに、そのパワー値a1に対して、上流から通知されたASE補正量分のパワーと、プリアンプ22自身のASE光の発生量とを加算する。このようにして求めたパワー値(=(パワー値a1)+(通知されたASE補正量)+(プリアンプ自身のASE光発生量))を出力目標値として設定することで、プリアンプ22から、所望のパワーで信号光を出力させることができる。
これに対し、ASE損失補償立ち上げを行う場合は、斜線部分に該当するASE光は、下流局20内のTDC21によって削りとられてしまうことになるため、上流局10から通知されたASE補正量を考慮してのASE補正を行う必要はなく、上流局10から送信されたASE補正量は、制御部23において使用しないためクリアされることになる。
なお、プリアンプ22での増幅時には、上記のようにプリアンプ22でASE光が発生するので、このASE光の発生量については考慮することになる。すなわち、プリアンプ22でのASE光の発生パワーの分、増幅すべき信号光パワーは低下するので、ASE光の発生パワーの分だけ上乗せした値を、プリアンプ22の出力目標値のレベルとすることになる(ASE光の発生パワーの分だけ、下駄を履かせた値を目標レベルにおく)。
次に上流局10で補償ASE光を出力させずに、ASE光を出力させた状態で、ASE損失補償立ち上げを行う場合について説明する。図8は上流局10でASE光を出力させて、ASE損失補償立ち上げを行った場合の各ポイントの値を示す図である。
〔ポイントP1〕上流局10におけるASE光送信パワーは0dBmである。
〔ポイントP2〕TDC21の入力端に到達したASE光のパワーは、ポイントP1におけるASE光の送信パワーから、光ファイバ伝送路f1の伝送損失分を減算したものとなる。光ファイバ伝送路f1の伝送損失を20dBとすれば、TDC21の入力端に到達したASE光のパワーは、0dBm−20dB=−20dBmとなる。
〔ポイントP3〕プリアンプ22の入力端におけるASE光のパワーは、ポイントP2におけるTDC21の入力端のASE光パワーから、TDC21にASE光が通過したときの損失分を減算したものとなる。TDC21のASE光による損失分を6dBとすれば、プリアンプ22の入力端におけるASE光のパワーは、−20dBm−6dB=−26dBmとなる。
〔信号光入力時の入力レベルの算出〕プリアンプ22の入力端におけるASE光のパワーに、あらかじめ算出しておいた損失差分の値を加算し、1波相当の信号光が入力する際の入力レベルを算出する。損失差分LossDEV=3dBであるならば、1波相当の信号光が入力する際の入力レベルは、−26dBm+3dB=−23dBとなる。
〔プリアンプ22の利得算出〕算出された1波相当の信号光が入力する際の入力レベルと、プリアンプ22の出力目標値から、プリアンプ22の利得を決定する。信号光1波の出力目標値が0dBmならば、プリアンプ22の利得は、0dBm−(−23dB)=23dBとなり、この利得値をプリアンプ22に設定する。
ここで、図6で説明したASE損失補償立ち上げ(ASE損失補償立ち上げk1とする)と、図8のASE損失補償立ち上げ(ASE損失補償立ち上げk2とする)との主な違いについて示すと、ASE損失補償立ち上げk1では、損失差分を上流局10へ通知して、上流局10から補償ASE光を出力させ、補償ASE光を用いて、プリアンプ22を発光させて、発光後の利得をプリアンプ22に設定するものである。
これに対し、ASE損失補償立ち上げk2では、上流局10からは通常のASE光を出力させ、受信したASE光のパワーと損失差分とから、プリアンプ22に信号光が入力するときの利得を計算し、プリアンプ22を発光させずに、計算した利得を設定するものである。
ASE損失補償立ち上げk1では、プリアンプ22を出力目標値で発光した後に利得を設定しているので、下流側の光アンプを立ち上げる場合に、このとき発光したプリアンプ22の出力光を使用できる。
一方、ASE損失補償立ち上げk2においては、プリアンプ22を発光させずに、信号光に対する利得を計算して設定しているので、もし、この利得を用いて、現在入力しているASE光でプリアンプ22を発光させると、プリアンプ22の出力目標値よりも低いレベルで発光させることになるので(算出した利得は信号光に対応するものであって、ASE光に対応するものではない)、下流側の光アンプ立ち上げとして、プリアンプ22で増幅したASE光を使用することはできない。すなわち、ASE損失補償立ち上げk2は、下流局20のさらに下流にある局でも光アンプ立ち上げを行うような場合には用いないことになる。
なお、ASE損失補償立ち上げk2においても、プリアンプ22の出力目標値を決める際のASE補正量については、上流局10から通知されたASE補正量は使用しなくてよく、プリアンプ22で発生するASE光の発生量のみ考慮すればよい。
図9は信号光の伝送時の各ポイントの値を示す図である。図8で示したASE損失補償立ち上げ後の1波の実信号光がポストアンプ11から出力しているときのポイントP1〜P3の値を示している。なお、ポストアンプ11の信号光1波の出力パワーを0dBmとする。
〔ポイントP1〕上流局10における信号光送信パワーは0dBmである。
〔ポイントP2〕TDC21の入力端に到達した信号光のパワーは、ポイントP1における信号光の送信パワーから、光ファイバ伝送路f1の伝送損失分を減算したものとなる。光ファイバ伝送路f1の伝送損失は20dBなので、TDC21の入力端に到達した信号光のパワーは、0dBm−20dB=−20dBmとなる。
〔ポイントP3〕プリアンプ22の入力端における信号光のパワーは、ポイントP2におけるTDC21の入力端の信号光パワーから、TDC21に信号光が通過したときの損失分を減算したものとなる。TDC21の信号光による損失分を3dBとすれば、プリアンプ22の入力端における信号光のパワーは、−20dBm−3dB=−23dBmとなる。
〔プリアンプ22の利得〕プリアンプ22における。信号光1波の出力目標値が0dBmである場合、プリアンプ22の入力パワーが−23dBmのとき、これを0dBmまで増幅することになるので、プリアンプ22の利得は、0dBm−(−23dBm)=23dBとなる。図8で示したASE損失補償立ち上げ時に設定された利得で、出力目標値となるように増幅されていることがわかる。
次にプリアンプ22の立ち上げ手順についてフローチャートを用いて説明する。図10、図11はプリアンプ22の立ち上げの動作手順を示す全体フローチャートである。
〔S1〕下流局20内の制御部23は、下流局20の内部にTDC等の可変補償デバイス(光損失媒質21)が使用されているか否かの実装情報を、保守端末からの設定等によって入手する。
〔S2〕波長方向に一様ではない損失特性を持つ可変補償デバイスが使用されていない場合は、ステップS3へいき、可変補償デバイスが使用されている場合は、ステップS6へいく。
〔S3〕可変補償デバイスが使用されていない場合、制御部23は、通常のASE光を用いたASE立ち上げを行うものとして、OSC信号を用いて、上流局10のポストアンプ11から、信号光1波相当のパワーのASE光を発光させることを指示する。
〔S4〕ポストアンプ11は、信号光1波相当のパワーのASE光を出力する。
〔S5〕プリアンプ22は、伝送されたASE光を受信し、ASE光のパワーが入力することで目標レベルまで発光する。制御部23は、このときの利得を設定(固定)して、プリアンプ22の立ち上げを完了する。
〔S6〕可変補償デバイスが使用されている場合、制御部23は、損失差分(LossDEV)を算出する。
〔S7〕プリアンプ22を発光させて立ち上げる場合は、ステップS8へいき、プリアンプ22を発光させずに立ち上げる場合はステップS12へいく。
〔S8〕制御部23は、OSC信号を用いて、損失差分を上流局10へ通知する。
〔S9〕上流局10では、損失差分をポストアンプ11に設定する。そして、ポストアンプ11は、信号光1波相当のパワーのASE光に損失差分を加えた補償ASE光を生成して出力する。
〔S10〕プリアンプ22は、伝送された補償ASE光を受信し、補償ASE光のパワーが入力することで目標レベルまで発光する。
〔S11〕制御部23は、このときの利得を設定(固定)して、プリアンプ22の立ち上げを完了する。
〔S12〕制御部23は、OSC信号を用いて、上流局10のポストアンプ11から、信号光1波相当のパワーのASE光を発光させることを指示する。
〔S13〕ポストアンプ11は、信号光1波相当のパワーのASE光を出力する。
〔S14〕制御部23は、プリアンプ22の入力端におけるASE光のパワーに、あらかじめ算出しておいた損失差分の値を加算し、1波相当の信号光が入力する際の入力レベルを算出する。
〔S15〕制御部23は、算出された1波相当の信号光が入力する際の入力レベルと、プリアンプ22の出力目標値から、プリアンプ22の利得を決定する。
次にVOAが含まれる下流局において、VOAの減衰量を制御することで、プリアンプの立ち上げを行う場合について説明する。図12はVOAを含む光伝送システムおよびレベルダイアグラムを示す図である。レベルダイアグラムの縦軸は光パワー、横軸は距離である。
光伝送システム1−1の下流局20aには、VOA24がTDC21の前段に配置される。その他の構成は図1と同じである。また、レベルダイアグラムは、ポイントP11〜P16までの各区間の光パワーを示しており、太実線の波形は、下流局20a内のASE光パワーを示し、点線の波形は、下流局20a内の信号光パワーを示している。
プリアンプ22の立ち上げ時、制御部23は、ポストアンプ11によって送信されたASE光を用いて、プリアンプ22に入力するASE光の入力パワーが、プリアンプ22の入力ダイナミックレンジの上限値(入力目標値)になるように、VOA24の減衰量を調節する。
ポイントP15〜P16のASE光レベル波形は、TDC21の挿入損失を示している。したがって、このような挿入損失を持ったTDC21を通過した後のASE光のパワーが、プリアンプ22の入力ダイナミックレンジ上限値となるように、VOA24の減衰量を調節することになる。ポイントP13〜P14のASE光レベル波形が、そのときのVOA24の減衰量レベルを示している。
プリアンプ22は、上記のような減衰量が設定されたVOA24を通過してきたASE光の入力パワーを用いて、出力目標値まで発光し、制御部23は、このとき発光したプリアンプ22の利得を固定してプリアンプ22の立ち上げを行う。
一方、システム運用時には、上流局10からは信号光が送信されるが、現在設定されている減衰量のままのVOA24を信号光が通過すると、プリアンプ22の入力端における信号光パワーは、入力ダイナミックレンジの上限値から外れてしまうことになる。
なぜなら、TDC21の信号光に対する挿入損失は、ASE光に対する挿入損失よりも小さいので、ASE光によるプリアンプ22の立ち上げ時にVOA24に設定された減衰量では、信号光にとっては適切な減衰量になっていないからである。すなわち、信号光が入力ダイナミックレンジの上限値となるための適切な減衰量に対して、ASE光による立ち上げ時にVOA24に設定された減衰量は、小さな減衰量となっている(要するに、信号光にとっては、ASE光立ち上げ時のVOA24は、開きすぎているということ)。
したがって、VOA24に現在設定されている減衰量に対して、損失差分に相当するレベル分の減衰量を増加させておけば(VOA24を閉じる方向に制御する)、信号光にとって適切な減衰量とすることができる。すなわち、システム運用時には、損失差分に相当するレベル分の減衰量を増加させておけば、点線波形のように、信号光の入力時でも、信号光のプリアンプ22の入力パワーを、入力ダイナミックレンジの上限値に合わせることができる。
次に光伝送システム1−1のプリアンプ22の立ち上げおよびVOA24の減衰量設定手順についてフローチャートを用いて説明する。図13はプリアンプ22の立ち上げおよびVOA24の減衰量設定手順を示すフローチャートである。
〔S21〕制御部23は、ポストアンプ11によって送信されたASE光を用い、プリアンプ22に入力するASE光の入力パワーが、プリアンプ22の入力目標値になるように、VOA24の減衰量を調節する。
〔S22〕VOA24の減衰量の調節時、VOA24の減衰量を最小減衰量に設定しても(VOA24を全開にしても)、ASE光の入力パワーが入力目標値に調節できない場合はステップS23へいき、VOA24を全開にしなくても、または全開にすることで、ASE光の入力パワーが入力目標値に調節可能な場合はステップS28へいく。
〔S23〕制御部23は、損失差分を上流局10へ通知する。
〔S24〕ポストアンプ11は、通知された損失差分を、ASE光のパワーに加算して補償ASE光を生成して出力する。
〔S25〕プリアンプ22は、入力した補償ASE光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光する。
〔S26〕制御部23は、補償ASE光が入力することで発光したときのプリアンプ22の利得を固定することで、プリアンプ22の立ち上げを行う。
〔S27〕制御部23は、VOA24の減衰量を最小減衰量の状態で固定する(VOA24を全開で固定する)。
〔S28〕プリアンプ22は、ASE光の入力パワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光する。
〔S29〕制御部23は、ASE光が入力することで発光したときのプリアンプ22の利得を固定することで、プリアンプ22の立ち上げを行う。
〔S30〕制御部23は、システム運用時には、VOA24の減衰量を損失差分に相当する減衰レベル分を増加させた状態で固定する(VOA24は適切に閉じた状態で固定される)。
以上説明したように、プリアンプの入力ダイナミックレンジ拡大のために、VOAが挿入されている構成のシステムでは、上流局の出力を制御する代わりに、VOAの減衰量を調整することで、波長方向に一様ではない損失特性を持つ光損失媒質が、光ファイバ伝送路上に配置されている場合であっても、効率よく正確な利得を決定してプリアンプの立ち上げを行うことが可能になる。
次に下流局20が複数配置される場合のシステムにおけるアンプ立ち上げ情報の通知動作について説明する。図14は下流局が複数配置される光伝送システムを示す図である。光伝送システム1−2は、上流局である送信局#0と、下流局である中継局#1、#2および受信局#3から構成される。
送信局#0と中継局#1は、下り光ファイバ伝送路f1−1と上り光ファイバ伝送路f2−1で接続し、中継局#1と中継局#2は、下り光ファイバ伝送路f1−2と上り光ファイバ伝送路f2−2で接続し、中継局#2と受信局#3は、下り光ファイバ伝送路f1−3と上り光ファイバ伝送路f2−3で接続する。
送信局#0は、ポストアンプ11を含む。中継局#1は、TDC21−1、インラインアンプ22−1、制御部23−1を含む。中継局#2は、TDC21−2、インラインアンプ22−2、制御部23−2を含む。受信局#3は、TDC21−3、プリアンプ22−3、制御部23−3を含む。
〔S41〕中継局#1において、インラインアンプ22−1の立ち上げを行う場合は、インラインアンプ22−1の前段にTDC21−1が配置されているので、制御部23−1は、損失差分を求めて、損失差分を送信局#0に送信する。
〔S42〕インラインアンプ22−1の立ち上げ時、インラインアンプ22−1は、ポストアンプ11からの補償ASE光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、制御部23−1は、発光したときの利得を固定して、インラインアンプ22−1の立ち上げを行う。
〔S43〕制御部23−1は、損失差分を補償してのインラインアンプ22−1の立ち上げを実行した旨を示すアンプ立ち上げ情報を生成する。そして、アンプ立ち上げ情報をOSC信号に重畳し、下り光ファイバ伝送路f1−2を通じて、中継局#2の制御部23−2へ通知する。
〔S44〕中継局#2内の制御部23−2は、中継局#1から送信されたOSC信号を受信して、アンプ立ち上げ情報を取得する。すると、インラインアンプ22−2の立ち上げには、インラインアンプ22−2の前段にTDC21−2が配置されている場合であっても、損失差分を補償しての立ち上げは不要であることを認識する。
〔S45〕インラインアンプ22−2の立ち上げを行う場合は、インラインアンプ22−2は、インラインアンプ22−1からの送信光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、制御部23−2は、送信光が入力することで発光したときの利得を固定して、インラインアンプ22−2の立ち上げを行う。
〔S46〕制御部23−2は、アンプ立ち上げ情報を受信局#3に中継通知する。受信局#3では、上記と同様にして、プリアンプ22−3の前段にTDC21−3が配置されていても、インラインアンプ22−2からの送信光を用いての通常の立ち上げ処理を行う。
このように、TDC等の可変補償デバイスが、中継局#1、#2、受信局#3に設置され、各局においてインラインアンプ22−1、22−2やプリアンプ22−3を立ち上げる場合は、中継局#1では、ASE損失補償立ち上げ(図6のASE損失補償立ち上げk1)を行う。このとき、中継局#1のインラインアンプ22−1からは、すでにTDC21−1の損失特性によってASE光が削られた状態の光を送出することになる。
このため、下流に位置するTDC21−2、21−3では、削られるASE光は存在せず、実際に1波相当の入力レベルがインラインアンプ22−2やプリアンプ22−3で保証できるため、中継局#2および受信局#3では、可変補償デバイスが配置されることによるASE損失補償立ち上げを行う必要はない。
そのため、ASE損失補償立ち上げを行った局のみが、該当局の下流に位置する局に対して、通常通りのアンプ立上げを行うように、その旨を示すアンプ立ち上げ情報をOSC信号で通知すればよい。なお、ASE補正に関しては、TDC等の可変補償デバイスがある局では、上流から送信されたASE補正量の情報は無視し、下流に対しても上流からのASE補正量の情報は足しこまずに送信する。また、TDC等の可変補償デバイスがない局では、上流から送信されたASE補正量を考慮して、ASE補正を行っていく。
次に光伝送システムの構成の変形例について説明する。図15は光伝送システムの変形例を示す図である。下流局において、2つのプリアンプの段間にTDCが配置されているシステム構成を示している。
光伝送システム1bは、上流局10と下流局20bから構成され、下り光ファイバ伝送路f1と上り光ファイバ伝送路f2で接続する。上流局10は、ポストアンプ11を含み、下流局20bは、TDC21、プリアンプ22b−1、22b−2、制御部23bを含む。なお、TDC21は、プリアンプ22b−1とプリアンプ22b−2との間に配置される。
下流局20bのような構成で、プリアンプ22b−2の立ち上げを行う場合は、損失差分は、上流局10に通知せずに、前段のプリアンプ22b−1に設定することで、ASE損失補償立ち上げを行うことが可能である。
図16は光伝送システムの変形例を示す図である。下流局において、2つのプリアンプの段間にVOAとTDCが配置されているシステム構成を示している。光伝送システム1b−1は、上流局10と下流局20b−1から構成され、下り光ファイバ伝送路f1と上り光ファイバ伝送路f2で接続する。上流局10は、ポストアンプ11を含み、下流局20b−1は、TDC21、プリアンプ22b−1、22b−2、制御部23b、VOA24bを含む。なお、VOA24bとTDC21は、プリアンプ22b−1とプリアンプ22b−2との間に配置される。
VOA24bは、プリアンプ22b−1、22b−2の段間のロス補償のために挿入されるが、図12でのスパンロス調整用のVOA24の使用時と同様の制御をVOA24bに対しても行うことができる。
(付記1) 光ファイバ伝送路を通じて光伝送を行う光伝送システムにおいて、
第一光増幅器を含む上流局と、
第二光増幅器と、前記第二光増幅器の利得を決定して前記第二光増幅器の立ち上げを行う制御部と、を含む下流局と、
を備え、
前記第二光増幅器の前段に、波長方向に一様ではない損失特性を持つ光損失媒質が配置される場合、
前記制御部は、
前記上流局の第一光増幅器から出力される雑音光が、前記光損失媒質を通過して前記第二光増幅器に到達するまでに受ける損失である雑音光損失値と、前記第一光増幅器から出力される信号光が、前記光損失媒質を通過して前記第二光増幅器に到達するまでに受ける損失である信号光損失値とを認識し、
前記雑音光損失値と前記信号光損失値との差分である損失差分を求め、
前記第二光増幅器の立ち上げ時には、前記損失差分を補償して前記利得を決定する、
ことを特徴とする光伝送システム。
(付記2) 前記第二光増幅器の立ち上げを行う際に、前記第二光増幅器を発光させた後に立ち上げる場合は、
前記制御部は、前記損失差分を前記上流局へ通知し、
前記第一光増幅器は、通知された前記損失差分を、前記雑音光のパワーに加算して補償雑音光を生成して出力し、
前記制御部は、前記補償雑音光を用いて、前記第二光増幅器の立ち上げを行う、
ことを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
(付記3) 前記補償雑音光を用いて、下流側の第二光増幅器の立ち上げを行う場合は、
前記第二光増幅器は、入力した前記補償雑音光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、
前記制御部は、前記補償雑音光が入力することで発光したときの前記第二光増幅器の利得を固定することで、前記第二光増幅器の立ち上げを行う、
ことを特徴とする付記2記載の光伝送システム。
(付記4) 前記下流局は、前記第二光増幅器の入力パワーを可変に調節する可変光減衰器をさらに含み、前記可変光減衰器と前記第二光増幅器との間に、前記光損失媒質が配置される場合であって、
前記制御部は、前記第一光増幅器によって送信された前記雑音光を用い、前記第二光増幅器に入力する前記雑音光の入力パワーが、前記第二光増幅器の入力目標値になるように、前記可変光減衰器の減衰量を調節する際に、
前記可変光減衰器の前記減衰量を最小減衰量に設定しても、前記雑音光の入力パワーが前記入力目標値に達しない場合は、
前記制御部は、前記損失差分を前記上流局へ通知し、
前記第一光増幅器は、通知された前記損失差分を、前記雑音光のパワーに加算して補償雑音光を生成して出力し、
前記第二光増幅器は、入力した前記補償雑音光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、
前記制御部は、前記補償雑音光が入力することで発光したときの前記第二光増幅器の利得を固定することで、前記第二光増幅器の立ち上げを行い、
前記可変光減衰器に設定される前記減衰量は、前記最小減衰量の状態で固定する、
ことを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
(付記5) 前記制御部は、前記第一光増幅器によって送信された前記雑音光を用い、前記第二光増幅器に入力する前記雑音光の入力パワーが、前記第二光増幅器の入力目標値になるように、前記可変光減衰器の減衰量を調節する際に、
前記可変光減衰器の前記減衰量が最小減衰量とならずに、前記雑音光の入力パワーを前記入力目標値に調節できる場合は、
前記第二光増幅器は、前記雑音光の入力パワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、
前記制御部は、前記雑音光が入力することで発光したときの前記第二光増幅器の利得を固定することで、前記第二光増幅器の立ち上げを行い、
前記可変光減衰器に設定される前記減衰量は、運用時には、前記損失差分に相当する減衰レベル分を増加させた状態で固定する、
ことを特徴とする付記4記載の光伝送システム。
(付記6) 前記制御部は、前記第一光増幅器から出力される増幅光に、どれだけ前記雑音光の増幅成分が含まれるかを示す雑音光補正量が、前記上流局から通知された場合、前記雑音光補正量は使用せずに、前記第二光増幅器の増幅光に含まれる前記雑音光の発生量から、前記第二光増幅器の出力目標値を設定することを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
(付記7) 前記下流局を前記光ファイバ伝送路上に複数配置し、複数の前記下流局それぞれを下流局#1〜#nとした場合、
下流局#1内の前記制御部は、前記下流局#1内の前記第二光増幅器の立ち上げ時には、前記損失差分による補償を行って前記利得を決定し、かつ前記損失差分を補償しての前記下流側光増幅器の立ち上げを実行した旨を示す立ち上げ情報を生成し、
前記立ち上げ情報は、下流局#2〜#nに通知され、
下流局#k(2≦k≦n)内の前記制御部は、前記立ち上げ情報を受信すると、前記下流局#k内の第k光増幅器の立ち上げ時には、前記損失差分を補償しての立ち上げは不要であることを認識し、
前記下流局#k内の前記第k光増幅器の立ち上げを行う場合は、
前記下流局#k内の前記第k光増幅器は、前段に位置する下流局#k−1からの送信光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、
前記下流局#k内の前記制御部は、前記送信光が入力することで発光したときの前記第k光増幅器の利得を固定して、前記第k光増幅器の立ち上げを行う、
ことを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
(付記8) 前記下流局は、前記光損失媒質の前段に光増幅器を有し、前記制御部は、前記損失差分を前記光増幅器に設定し、
前記光増幅器は、設定された前記損失差分を、前記雑音光のパワーに加算して補償雑音光を生成して出力し、
前記制御部は、前記補償雑音光を用いて、前記第二光増幅器の立ち上げを行うことを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
(付記9) 前記下流局は、前記光損失媒質の前段に可変光減衰器を有し、前記制御部は、前記損失差分を前記可変光減衰器に設定し、
前記可変光減衰器は、設定された前記損失差分を、前記雑音光のパワーに加算して補償雑音光を生成して出力し、
前記制御部は、前記補償雑音光を用いて、前記第二光増幅器の立ち上げを行うことを特徴とする付記1記載の光伝送システム。
(付記10) 波長方向に一様ではない損失特性を持つ光損失媒質と、前記光損失媒質の後段に下流側光増幅器と、が配置された受信部に対して、信号光および雑音光を送信する光増幅器において、
前記下流側光増幅器の立ち上げ時には、
前記雑音光が前記光損失媒質を通過して前記下流側光増幅器に到達するまでに受ける損失である雑音光損失値と、前記信号光が前記光損失媒質を通過して前記下流側光増幅器に到達するまでに受ける損失である信号光損失値と、の差分である損失差分を前記雑音光に加算した補正雑音光を出力する、
ことを特徴とする光増幅器。
光伝送システムの原理図である。 ASE光損失値の算出処理を説明するための図である。 信号光損失値の算出処理を説明するための図である。 信号光の伝送時の各ポイントの値を示す図である。 ASE立ち上げ時の各ポイントの値を示す図である。 上流局で補償ASE光を出力させて、ASE損失補償立ち上げを行った場合の各ポイントの値を示す図である。 上流局から通知されたASE補正量が不要となる理由を説明するためのイメージ図である。 上流局でASE光を出力させて、ASE損失補償立ち上げを行った場合の各ポイントの値を示す図である。 信号光の伝送時の各ポイントの値を示す図である。 プリアンプの立ち上げの動作手順を示す全体フローチャートである。 プリアンプの立ち上げの動作手順を示す全体フローチャートである。 VOAを含む光伝送システムおよびレベルダイアグラムを示す図である。 プリアンプの立ち上げおよびVOAの減衰量設定手順を示すフローチャートである。 下流局が複数配置される光伝送システムを示す図である。 光伝送システムの変形例を示す図である。 光伝送システムの変形例を示す図である。 従来のASE立ち上げの概要を示す図である。 ASE立ち上げ後の運用状態の信号光パワーを示す図である。 DGEの構成を示す図である。 固定型補償デバイスの損失特性を示す図である。 可変型補償デバイスの損失特性を示す図である。 可変型補償デバイスが配置されたシステム上でのASE立ち上げの概要を示す図である。 ASE立ち上げ後の運用状態の信号光パワーを示す図である。
符号の説明
1 光伝送システム
10 上流局
11 上流側光増幅器(ポストアンプ)
20 下流局
21 光損失媒質
22 下流側光増幅器(プリアンプ)
23 制御部
f1 下り光ファイバ伝送路
f2 上り光ファイバ伝送路

Claims (8)

  1. 光ファイバ伝送路を通じて光伝送を行う光伝送システムにおいて、
    第一光増幅器を含む上流局と、
    第二光増幅器と、前記第二光増幅器の利得を決定して前記第二光増幅器の立ち上げを行う制御部と、を含む下流局と、
    を備え、
    前記第二光増幅器の前段に、波長方向に一様ではない損失特性を持つ光損失媒質が配置される場合、
    前記制御部は、
    前記上流局の第一光増幅器から出力される雑音光が、前記光損失媒質を通過して前記第二光増幅器に到達するまでに受ける損失である雑音光損失値と、前記第一光増幅器から出力される信号光が、前記光損失媒質を通過して前記第二光増幅器に到達するまでに受ける損失である信号光損失値とを認識し、
    前記雑音光損失値と前記信号光損失値との差分である損失差分を求め、
    前記第二光増幅器の立ち上げ時には、前記損失差分を補償して前記利得を決定する、
    ことを特徴とする光伝送システム。
  2. 前記第二光増幅器の立ち上げを行う際に、前記第二光増幅器を発光させた後に立ち上げる場合は、
    前記制御部は、前記損失差分を前記上流局へ通知し、
    前記第一光増幅器は、通知された前記損失差分を、前記雑音光のパワーに加算して補償雑音光を生成して出力し、
    前記制御部は、前記補償雑音光を用いて、前記第二光増幅器の立ち上げを行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の光伝送システム。
  3. 前記補償雑音光を用いて、下流側の第二光増幅器の立ち上げを行う場合は、
    前記第二光増幅器は、入力した前記補償雑音光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、
    前記制御部は、前記補償雑音光が入力することで発光したときの前記第二光増幅器の利得を固定することで、前記第二光増幅器の立ち上げを行う、
    ことを特徴とする請求項2記載の光伝送システム。
  4. 前記下流局は、前記第二光増幅器の入力パワーを可変に調節する可変光減衰器をさらに含み、前記可変光減衰器と前記第二光増幅器との間に、前記光損失媒質が配置される場合であって、
    前記制御部は、前記第一光増幅器によって送信された前記雑音光を用い、前記第二光増幅器に入力する前記雑音光の入力パワーが、前記第二光増幅器の入力目標値になるように、前記可変光減衰器の減衰量を調節する際に、
    前記可変光減衰器の前記減衰量を最小減衰量に設定しても、前記雑音光の入力パワーが前記入力目標値に達しない場合は、
    前記制御部は、前記損失差分を前記上流局へ通知し、
    前記第一光増幅器は、通知された前記損失差分を、前記雑音光のパワーに加算して補償雑音光を生成して出力し、
    前記第二光増幅器は、入力した前記補償雑音光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、
    前記制御部は、前記補償雑音光が入力することで発光したときの前記第二光増幅器の利得を固定することで、前記第二光増幅器の立ち上げを行い、
    前記可変光減衰器に設定される前記減衰量は、前記最小減衰量の状態で固定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の光伝送システム。
  5. 前記制御部は、前記第一光増幅器によって送信された前記雑音光を用い、前記第二光増幅器に入力する前記雑音光の入力パワーが、前記第二光増幅器の入力目標値になるように、前記可変光減衰器の減衰量を調節する際に、
    前記可変光減衰器の前記減衰量が最小減衰量とならずに、前記雑音光の入力パワーを前記入力目標値に調節できる場合は、
    前記第二光増幅器は、前記雑音光の入力パワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、
    前記制御部は、前記雑音光が入力することで発光したときの前記第二光増幅器の利得を固定することで、前記第二光増幅器の立ち上げを行い、
    前記可変光減衰器に設定される前記減衰量は、運用時には、前記損失差分に相当する減衰レベル分を増加させた状態で固定する、
    ことを特徴とする請求項4記載の光伝送システム。
  6. 前記制御部は、前記第一光増幅器から出力される増幅光に、どれだけ前記雑音光の増幅成分が含まれるかを示す雑音光補正量が、前記上流局から通知された場合、前記雑音光補正量は使用せずに、前記第二光増幅器の増幅光に含まれる前記雑音光の発生量から、前記第二光増幅器の出力目標値を設定することを特徴とする請求項1記載の光伝送システム。
  7. 前記下流局を前記光ファイバ伝送路上に複数配置し、複数の前記下流局それぞれを下流局#1〜#nとした場合、
    下流局#1内の前記制御部は、前記下流局#1内の前記第二光増幅器の立ち上げ時には、前記損失差分による補償を行って前記利得を決定し、かつ前記損失差分を補償しての前記下流側光増幅器の立ち上げを実行した旨を示す立ち上げ情報を生成し、
    前記立ち上げ情報は、下流局#2〜#nに通知され、
    下流局#k(2≦k≦n)内の前記制御部は、前記立ち上げ情報を受信すると、前記下流局#k内の第k光増幅器の立ち上げ時には、前記損失差分を補償しての立ち上げは不要であることを認識し、
    前記下流局#k内の前記第k光増幅器の立ち上げを行う場合は、
    前記下流局#k内の前記第k光増幅器は、前段に位置する下流局#k−1からの送信光のパワーを用いて、あらかじめ設定された出力目標値まで発光し、
    前記下流局#k内の前記制御部は、前記送信光が入力することで発光したときの前記第k光増幅器の利得を固定して、前記第k光増幅器の立ち上げを行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の光伝送システム。
  8. 波長方向に一様ではない損失特性を持つ光損失媒質と、前記光損失媒質の後段に下流側光増幅器と、が配置された受信部に対して、信号光および雑音光を送信する光増幅器において、
    前記下流側光増幅器の立ち上げ時には、
    前記雑音光が前記光損失媒質を通過して前記下流側光増幅器に到達するまでに受ける損失である雑音光損失値と、前記信号光が前記光損失媒質を通過して前記下流側光増幅器に到達するまでに受ける損失である信号光損失値と、の差分である損失差分を前記雑音光に加算した補正雑音光を出力する、
    ことを特徴とする光増幅器。
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