JP5163192B2 - 無線通信システム及び無線通信方法 - Google Patents
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Description
斯様な問題を解決する技術として、特許文献1には、送信側で予測した位置情報に基づく通信パターンを、スペクトラム拡散方式におけるPN系列により生成して送信し、上記位置に該当する受信側が同じ通信パターンを生成することで、信号の受信を可能とするものが開示されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信方式に依存することなく、特定の受信対象にだけ選択的に受信を行わせることができる無線通信システム及び無線通信方法を提供することにある。
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図10を参照して説明する。図1は、車載通信機器1の構成を示す機能ブロック図である。通信機器1は、暗号処理部2,データ処理部3,車車間通信処理部4等を中心に構成されている。暗号処理部2には、GPS(Global Positioning System)受信機5,Gセンサ6,ジャイロ装置7,車速センサ8などからの各種信号が与えられている。GPS受信機5は、衛星軌道上のGPS衛星より送信されるGPS信号を複数受信して処理することで車両(移動体)の現在位置を特定し、(緯度,径度,高度を示す)位置信号を出力する。Gセンサ6は、衝突事故等が発生するなどして車両に作用する過大な加速度を検知した場合に、検知信号を出力する。ジャイロ装置7は、車両の垂直軸回りの角速度を検知した信号を出力し、車速センサ8は、車両の走行速度の検知信号を出力する。
データ処理部3は、送信データ処理部15,受信データ処理部16で構成され、車両側に配置されている各種センサ17(Gセンサ6を含む)からのセンサ信号が与えられると共に、車両制御装置(例えばECU(Electronic Control Unit)など)18との間でデータの送受信を行うようになっている。
緯度: 34度59分43.486秒
径度:137度00分20.375秒
であったとすると、緯度経度より1秒以下を切り捨てて、
緯度: 34度59分43秒〜44秒
径度:137度00分20秒〜21秒
の範囲を、自車位置が属する位置領域とする。また、上記緯度経度より1秒以下を切り捨てて16進数のコードとすると、
緯度:0x00345943
径度:0x01370020
となり、両者を結合すれば、
0x0034594301370020
という数値となり、この数値をハッシュ関数等を用いて変換したものを、後ほど使用する「鍵暗号鍵」とする。
送受信機21並びに車車間通信処理部4を介してデータパケットを受信すると、図5(a)のステップR1において、暗号処理部2は、先ず、自車両の現在位置に応じた位置ブロック(受信ブロック)を決定すると(→図5(b):ステップR5)、位置ブロックに応じて生成される鍵暗号鍵を取得する(→図5(b):ステップR6)。鍵暗号鍵の取得には、送信側と共通のハッシュ関数を使用する。尚、ステップR5で決定する位置ブロックも、送信時と同様に1つ以上であれば良い。
データ暗号鍵の取得に成功すると、図5(a)のステップR3において「YES」となり、そのデータ暗号鍵を用いて、データパケットに含まれている暗号化データの復号処理を行う(ステップR4)。そして、復号されたデータは、データ処理部3の受信データ処理部16に与えられ、必要に応じて車両制御装置18に転送される。
これに対して、本実施例では、宛先が複数の位置ブロックとなる場合でも、共通のデータ暗号鍵で暗号化したデータと、そのデータ暗号鍵を、各ブロック毎に対応した鍵暗号鍵で暗号化したものとを共通のパケットで送信する(図9(b)参照)。したがって、複数の暗号化データ暗号鍵が含まれるヘッダのサイズはやや大きくなるものの、暗号化データ部分はサイズが増えないため、パケットのサイズはトータルで大幅に小さくなる。
ヘッダ:16バイト,データ:4バイト,フッタ:4バイト
の場合、送信宛先が10ブロックでは、パケットデータサイズの差は1.4倍である。そして、図10(b)に示すように、
ヘッダ:16バイト,データ:16kバイト,フッタ:4バイト
の場合は、送信宛先が10ブロックでは、パケットデータサイズの差は8.8倍にもなる。一般に、データのサイズは、図10(b)のケースのようにヘッダのサイズに比較してかなり大きいので、上記のようなデータサイズの削減効果が十分に期待できる。
図11及び図12は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例は、送信側の通信機器1が宛先として指定する位置ブロック数を、自車両の走行速度に応じてダイナミックに変化させる場合を示す。図11は、第1実施例のステップS4に対応する送信宛先の位置ブロックを決定する処理を示すものである。
この場合、暗号処理部2は、ジャイロ装置7より自車両の進行方向を取得すると共に(ステップS11)、車速センサ8より移動速度を取得する(ステップS12)。そして、これらの進行方向並びに移動速度に基づいて、送信宛先とする位置ブロックを決定する(ステップS13)。
図13及び図14は本発明の第3実施例を示すものであり、第2実施例と異なる部分について説明する。図13は、第2実施例と同様に、第1実施例のステップS4に対応する送信宛先の位置ブロック決定に関する処理を示すもので、送信データパケット内に各位置ブロックに対応する暗号化データ暗号鍵を配置する順序を決定するため、到達率を指標として用いる。すなわち、第2実施例と同様に、ステップS11,S12を実行すると、これらの進行方向並びに移動速度から、自車両の現在位置を中心として、例えば進行方向側の位置ブロックにつき到達率を予測する(ステップS14)。
図15及び図16は本発明の第4実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。図15及び図16は、第1実施例で示した図4,図6の一部相当図である。図15に示す送信処理側では、送信データについてCRC等のチェックコードを生成し(ステップS21)、そのチェックコードもデータ暗号鍵により暗号化する(ステップS22)。そして、暗号化したデータ用チェックコードも、パケットに配置して送信する。
位置ブロックに対応した鍵暗号鍵を予め決定しておき、データテーブルとして保持し、そのテーブルから読み出すことで選択しても良い。
また、位置ブロックの設定は、例えば特定の地図について予め設定されているメッシュを用いても良い。
送信側において、データの送信宛先としない位置ブロックを任意に指定可能としても良い。例えばデータの内容などに応じて、受信されるのが不適当であると判断される位置ブロックを、選択的に除外することができる。また、受信側についても同様である。
データ暗号鍵は、ランダム値により決定するものに限らず、例えば送信側の現在位置や時刻などに基づいて決定しても良い。
チェックコードはCRCに限ることなく、例えばパリティ等でも良く、受信したデータチェックするためのコードであれば何を使用しても良い。
車車間通信に限ることはなく、少なくとも一方が移動体であれば良い。そして、送信側,受信側の通信機が直接通信を行うシステムに限ることなく、基地局を介して通信を行うシステムに適用しても良い。
Claims (24)
- 無線通信を行う機器の少なくとも一方が移動体に搭載されるもので、
送信側通信機は、
使用するデータ暗号鍵を用いて送信データを暗号化すると、前記データの送信宛先とする1つ以上の位置領域を決定し、
前記位置領域について予め定められている鍵暗号鍵を選択するか、又は前記位置領域の属性に基づいて鍵暗号鍵を決定すると、前記鍵暗号鍵を用いて前記データ暗号鍵を暗号化し、
前記暗号化されたデータ暗号鍵と、前記暗号化されたデータとをパケットとして送信し、
受信側通信機は、
自身がデータを受信する位置領域について予め定められている鍵暗号鍵を選択するか、又は前記位置領域の属性に基づいて鍵暗号鍵を決定すると、当該鍵暗号鍵を用いて前記送信側通信機より送信されたパケットに含まれている暗号化されたデータ暗号鍵を復号化し、
前記データ暗号鍵を用いて前記パケットに含まれている暗号化されたデータを復号化することを特徴とする無線通信システム。 - 前記送信側通信機は、使用するデータ暗号鍵についてチェックコードを生成し、そのチェックコードも前記パケットにより送信し、
前記受信側通信機は、前記復号化したデータ暗号鍵についてチェックコードを計算し、前記チェックコードが前記パケットに含まれているものに一致すれば、前記データ暗号鍵を用いて復号化を行うことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。 - 前記送信側通信機は、送信データについてチェックコードを生成し、そのチェックコードを前記データ暗号鍵により暗号化して前記パケットにより送信し、
前記受信側通信機は、前記データ暗号鍵を用いて前記送信データのチェックコードを復号化すると、前記チェックコードを用いて前記データをチェックすることを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。 - 前記送信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記送信側通信機は、前記データの送信宛先とする位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の無線通信システム。 - 前記送信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記送信側通信機は、前記データの送信宛先としない位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の無線通信システム。 - 前記送信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記送信側通信機は、前記移動体の移動速度が変化するのに応じて、前記データの送信宛先とする位置領域の数を、増加又は減少させることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の無線通信システム。 - 前記受信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記受信側通信機は、前記データを受信する位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の無線通信システム。 - 前記受信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記受信側通信機は、前記データを受信しない位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の無線通信システム。 - 前記受信側通信機が移動体に搭載されている場合、
前記受信側通信機は、前記移動体の移動速度が変化するのに応じて、前記データを受信する位置領域の数を増加又は減少させることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の無線通信システム。 - 前記送信側通信機は、前記データの送信宛先とする位置領域の数を複数とする場合、それらの各位置領域について自身の到達率を決定し、前記到達率の高さに応じた優先順位で、前記送信パケット内に暗号化されたデータ暗号鍵を配置することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の無線通信システム。
- 前記送信側通信機は、前記送信パケットにおいて、必要に応じて暗号化しないデータを、全ての受信側通信機を宛先として送信することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の無線通信システム。
- 前記送信側通信機及び前記受信側通信機は、何れも車両に搭載され、車両間において直接通信を行う車車間通信に適用されることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の無線通信システム。
- 無線通信を行う機器の少なくとも一方が移動体に搭載されるもので、
送信側において、
データの送信宛先とする1つ以上の位置領域を決定すると、前記位置領域について予め定められている鍵暗号鍵を選択するか、又は前記位置領域の属性に基づいて鍵暗号鍵を決定し、
前記鍵暗号鍵を用いて前記データの暗号化に使用したデータ暗号鍵を暗号化し、
前記暗号化されたデータ暗号鍵と、前記暗号化されたデータとをパケットとして送信し、
受信側において、
自身がデータを受信する位置領域ついて予め定められている鍵暗号鍵を選択するか、又は前記位置領域の属性に基づいて鍵暗号鍵を決定すると、当該鍵暗号鍵を用いて送信されたパケットに含まれている暗号化されたデータ暗号鍵を復号化し、
前記データ暗号鍵を用いて前記パケットに含まれている暗号化されたデータを復号化することを特徴とする無線通信方法。 - 前記送信側は、使用するデータ暗号鍵についてチェックコードを生成し、そのチェックコードも前記パケットにより送信し、
前記受信側は、前記復号化したデータ暗号鍵についてチェックコードを計算し、前記チェックコードが前記パケットに含まれているものに一致すれば、前記データ暗号鍵を用いて復号化を行うことを特徴とする請求項13記載の無線通信方法。 - 前記送信側は、送信データについてチェックコードを生成し、そのチェックコードを前記データ暗号鍵により暗号化して前記パケットにより送信し、
前記受信側は、前記データ暗号鍵を用いて前記送信データのチェックコードを復号化すると、前記チェックコードを用いて前記データをチェックすることを特徴とする請求項14記載の無線通信方法。 - 前記送信側が移動体である場合、
前記送信側は、前記データの送信宛先とする位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項13ないし15の何れかに記載の無線通信方法。 - 前記送信側が移動体である場合、
前記送信側は、前記データの送信宛先としない位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項13ないし16の何れかに記載の無線通信方法。 - 前記送信側が移動体である場合、
前記送信側は、前記移動体の移動速度が変化するのに応じて、前記データの送信宛先とする位置領域の数を、増加又は減少させることを特徴とする請求項13ないし17の何れかに記載の無線通信方法。 - 前記受信側が移動体である場合、
前記受信側は、前記データを受信する位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項13ないし18の何れかに記載の無線通信方法。 - 前記受信側が移動体である場合、
前記受信側は、前記データを受信しない位置領域を、任意に指定可能に構成されていることを特徴とする請求項13ないし19の何れかに記載の無線通信方法。 - 前記受信側が移動体である場合、
前記受信側は、前記移動体の移動速度が変化するのに応じて、前記データを受信する位置領域の数を、増加又は減少させることを特徴とする請求項13ないし20の何れかに記載の無線通信方法。 - 前記送信側は、前記データの送信宛先とする位置領域の数を複数とする場合、それらの各位置領域について自身の到達率を決定し、前記到達率の高さに応じた優先順位で、前記送信パケット内に暗号化されたデータ暗号鍵を配置することを特徴とする請求項13ないし21の何れかに記載の無線通信方法。
- 前記送信側は、前記送信パケットにおいて、必要に応じて暗号化しないデータを、全ての受信側を宛先として送信することを特徴とする請求項13ないし22の何れかに記載の無線通信方法。
- 車両間において直接通信を行う車車間通信に適用されることを特徴とする請求項13ないし23の何れかに記載の無線通信方法。
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