JP5133396B2 - レターデーションと厚みが制御されたセルロースアセテートフイルムを用いた偏光板 - Google Patents

レターデーションと厚みが制御されたセルロースアセテートフイルムを用いた偏光板 Download PDF

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Description

本発明は、レターデーションと厚みが制御されたセルロースアセテートフイルムを用いた偏光板に関する。
液晶表示装置は、偏光板と液晶セルから構成されている。
現在主流であるTN(Twisted Nematic)モードのTFT(Thin Film Transistor)液晶表示装置においては、特許文献1に記載のように光学補償フイルムを偏光板と液晶セルの間に挿入し、表示品位の高い液晶表示装置が実現されている。しかし、この方法によると液晶表示装置自体が厚くなるなどの問題点があった。
特許文献2には、偏光膜の片面に光学補償シート(位相差フイルム)、他方の面に保護フイルムを有する楕円偏光板を用いることで、液晶表示装置を厚くすることなく、正面コントラストを高くすることができるとの記載がある。ところが、この発明の光学補償シートは、熱等の歪みにより位相差が発生しやすく、そしてこの位相差により液晶表示装置の黒表示の際に額縁状の光漏れが生じ、耐久性に問題のあることがわかった。
歪みによる位相差発生の問題に対し、特許文献3および4は、透明支持体上にディスコティック化合物からなる光学異方性層を塗設した光学補償シートを直接偏光板の保護フイルムとして用いることで液晶表示装置を厚くすることなく、上述の耐久性に関する問題を解決している。
特開平8−50206号公報 特開平1−68940号公報 特開平7−191217号公報 欧州特許0911656A2号明細書
従来技術の光学補償シートを保護フイルムとして用いた偏光板を、17インチ以上の大型パネルに装着したところ、熱歪みによる光漏れは完全には無くならないことが判明した。さらに驚くべきことに、汎用の偏光板を用いても、従来顕在化しなかった光漏れが発生し、表示品位を著しく損なうことが判明した。
別の問題点として、大型パネルに偏光板を貼り付ける際に、15インチ程度のパネルに比べ曲げ歪みが生じ、偏光板の保護フイルムであるセルロースアセテートフイルムに割れが生じる場合があることも判明した。
本発明の目的は、偏光板の保護膜あるいは光学補償シートの支持体として用いられるセルロースアセテートフイルムを改良することで、それらを大きい液晶パネルサイズの液晶表示装置に用いたときに光漏れなどの問題を生じさせない、優れたセルロースアセテートフイルムを提供することにある。
別の本発明の目的は、大きな液晶パネルサイズの液晶表示装置に適した偏光板を提供することである。
さらに別の本発明の目的は、表示品位の高い、大きな液晶パネルサイズの液晶表示装置を提供することである。
本発明者の研究により、光漏れは下記の二つの原因により発生することが判明した。
第一の原因は、液晶表示装置の置かれる湿熱条件の変化である。液晶表示装置に配置される偏光板あるいは光学補償シートに用いられるセルロースアセテートフイルムは、接着剤などで偏光膜あるいは液晶セルに固定される。湿熱条件の変化によるフイルムの膨張あるいは収縮は、フイルムが固定されているために全体として抑制される。このため、フイルムの光学特性が変化してしまい光漏れを生じさせることが分かった。
第二の原因は、液晶表示装置に用いられるバックライトの点灯などによりセルロースアセテートフイルム面内に温度分布が発生することである。この温度分布によりフイルムに熱歪みが生じ、その熱歪みが前記と同様の光学特性の変化を引き起こして光漏れを生じさせることが分かった。セルロースアセテートのような水酸基を有するポリマーでは、湿熱条件の変化の影響が大きいことが判明した。
この光漏れを無くすためには、偏光板あるいは光学補償シートに用いるセルロースアセテートフイルムの光学特性の変化を小さくし、さらにフイルムに生じる温度分布を小さくすれば良い。
この光学特性の変化は、セルロースアセテートフイルムの光弾性係数、厚み、環境条件の変化による仮想歪み、および弾性率の積で決定されることがわかった。従って、セルロースアセテートフイルムの光弾性係数を下げ、厚みを薄くし、環境条件の変化による歪みを小さくし、そして弾性率を小さくすることで、光漏れは著しく低減されるのである。また、セルロースアセテートフイルムに生じる温度分布は、フイルムの熱伝導率を上げることで小さくなり、光漏れを低減できる。
また、特に大型の液晶パネルに偏光板を貼り付ける際には、セルロースアセテートフイルムに「割れ」が頻繁に起こることが予測される。曲げによるセルロースアセテートフイルムの「割れ」は、フイルムの耐折強度と関係することがわかり、フイルムの厚みを薄くすることで著しく「割れ」を軽減できることがわかった。
本発明者の研究により、前記の二つの問題点(液晶表示装置における光漏れ及びセルロースアセテートフイルムの割れ)を一挙に解決するには、フイルムの厚みを薄くすることが非常に効果的であることがわかった。
本発明は、偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなり、液晶セルと偏光膜との間に配置される透明保護膜が酢化度が59.0乃至61.5%の範囲にあるセルロースアセテートからなるセルロースアセテートフイルムであって、下記式(I)により定義される該セルロースアセテートフイルムのReレターデーション値が0乃至7nmの範囲にあり、下記式(II)により定義される該セルロースアセテートフイルムのRthレターデーション値が30乃至50nmの範囲にあり、そして該セルロースアセテートフイルムの厚みが30乃至50μmの範囲にあることを特徴とする偏光板を提供する。
(I) Re=(nx−ny)×d
(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であり;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そして、dは、フイルムの厚みである]。
なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、厳密な角度よりも±5°未満の範囲内であることを意味する。この範囲は、±4°未満であることが好ましく、±3°未満であることがさらに好ましく、±2°未満であることが最も好ましい。また、本明細書において、「遅相軸(slow axis)」は屈折率が最大となる方向を、「進相軸(fast axis)」は屈折率が最小となる方向、そして「透過軸(transmission axis)は透過率が最大となる方向をそれぞれ意味する。
本発明者は、大型の液晶表示装置に用いられる偏光板の保護膜あるいは光学補償シートの支持体に非常に適したセルロースアセテートフイルムを提供することに成功した。本発明に従うセルロースアセテートフイルムを、偏光板の保護膜あるいは光学補償シートの支持体として用いることで、大型の液晶表示装置における光漏れを防止でき、さらに液晶表示装置の生産工程におけるセルロースアセテートフイルムの割れも防止することができる。
本発明においては、セルロースアセテートフイルムの厚みを薄くすることで、光漏れの防止、およびフイルムの割れの防止を達成している。一般にフイルムの厚みを薄くすると、フイルムの光学特性は変化する。光漏れの防止のために、セルロースアセテートフイルムの厚みを薄くするのみでは、光漏れは防止できるが、偏光板あるいは光学補償シートの光学特性が不充分となる。本発明では、従来のセルロースアセテートフイルムの光学特性を維持したまま、かつフイルムの厚みを薄くすることにより、光学特性の維持と光漏れの防止の両者を満足することのできる優れたセルロースアセテートフイルムを得ている。
本発明に従うセルロースアセテートフイルムを用いた偏光板あるいは光学補償シートを、液晶表示装置に用いられてきた従来の偏光板あるいは光学補償シートの代わりに実装するだけで、液晶表示装置を(光漏れなどの)問題無く大型化することができる。また、本発明に従うセルロースアセテートフイルムは厚みが従来よりも薄いために、偏光板そして液晶表示装置の厚みを薄くすることができる。
上記のセルロースアセテートフイルムあるいはそれを支持体とした光学補償シートを保護膜として用いた偏光板は、TN(Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)
型、IPS(In-plane Switching )型、もしくはOCB(optical compensate bend)型などの、偏光板を用いる全ての液晶表示装置に有利に用いることができる。
(光漏れの防止)
液晶表示装置の光漏れを防止するために、本発明に従うセルロースアセテートフイルムの厚みを30乃至50μmの範囲とする。
また、セルロースアセテートフイルムの光弾性係数は、1.0×10−6cm/Kg以下であることが好ましい。また、セルロースアセテートフイルムの弾性率は、3000MPa以下であることが好ましく、2500MPa以下であることがさらに好ましい。セルロースアセテートフイルムの仮想歪みを小さくするには、二軸延伸によりポリマー分子の面配向を高めるか、もしくは吸湿膨張係数を30×10−5/%RH以下とすることが好ましい。この吸湿膨張係数は、15×10−5/%RH以下とすることが更に好ましく、10×10−5/%RH以下とすることが最も好ましい。吸湿膨張係数は一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量で示す。また、セルロースアセテートフイルムに生ずる温度分布を均一とするために、セルロースアセテートフイルムの熱伝導率を1W/(m・K)以上とすることが好ましい。
貼り付け時の「割れ」を防止するには、MIT耐折強度試験機により測定される耐折強度が、250回以上であることが好ましく、300回以上であることがさらに好ましい。耐折強度はフイルムの厚みを薄くすることにより改善することができる。
(フイルムのレターデーション)
フイルムのReレターデーション値およびRthレターデーション値は、それぞれ、下記式(I)および(II)で定義される。
(I) Re=(nx−ny)×d
(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率である。
式(I)および(II)において、nyは、フイルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率である。
式(II)において、nzは、フイルムの厚み方向の屈折率である。
式(I)および(II)において、dは、単位をnmとするフイルムの厚みである。
本発明では、セルロースアセテートフイルムのReレターデーション値を0乃至nmに、そして、Rthレターデーション値が30乃至50nmに調節する。このRthレターデーションの値は、35乃至50nmに調節することが好ましく、40乃至50nmに調節することがさらに好ましい。
前述の様に、液晶表示装置の光漏れとフイルムの割れを防止するために、セルロースアセテートフイルムの厚みを薄くすることが非常に重要である。
しかし、従来よりも偏光板もしくは光学補償シートに用いられてきたセルロースアセテートフイルムの厚みを薄くするのみでは、光漏れなどの問題は解決できるが、厚さを薄くすることによる光学特性(上記のReレターデーション値およびRthレターデーション値)の変化により、偏光板や光学補償シートの光学特性が不充分となってしまう。
例えば、従来の偏光板の保護フイルムに用いられるセルロースアセテートフイルムの厚みを単純に薄くするのみでは、液晶表示装置における光漏れなどの問題は解決できるものの、視野角が狭くなるなどの別の問題を生じる。またこのような偏光板と他の光学補償シートを組み合わせて用いると、その光学補償シートの視野角拡大効果が著しく損なわれてしまう。
そこで、フイルムのレターデーション値を上記の範囲内となるよう調整して、且つその厚さを薄くすることで、光学特性を維持したまま光漏れなどの問題を解決することができる。セルロースアセテートフイルムのレターデーションの調整の詳細については後述する。
なお、セルロースアセテートフイルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00乃至0.002であることが好ましい。また、セルロースアセテートフイルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.001乃至0.04であることが好ましい。
(セルロースアセテート)
本発明では、酢化度が59.0乃至61.5%の範囲にあるセルロースアセテートを使用する。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
(レターデーション上昇剤)
セルロースアセテートフイルムのレターデーションを調整するため、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用する。
芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05乃至15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好ましく、0.5乃至5質量部の範囲で使用することが最も好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環および1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。
芳香族化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を有することが特に好ましい。
芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12であることがより好ましく、2乃至8であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。
二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。
(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ましい。
(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環を形成してもよい。
(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせであることが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆になってもよい。
c1: −CO−O−
c2: −CO−NH−
c3: −アルキレン−O−
c4: −NH−CO−NH−
c5: −NH−CO−O−
c6: −O−CO−O−
c7: −O−アルキレン−O−
c8: −CO−アルケニレン−
c9: −CO−アルケニレン−NH−
c10:−CO−アルケニレン−O−
c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−
c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−
c13:−O−CO−アルキレン−CO−O−
c14:−NH−CO−アルケニレン−
c15:−O−CO−アルケニレン−
芳香族環および連結基は、置換基を有していてもよい。
置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香族性複素環基が含まれる。
アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有していてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれる。
アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセニルが含まれる。
アルキニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブチニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。
脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキシが含まれる。
アルコキシ基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコキシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含まれる。
アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノおよびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。脂肪族アミド
基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。
脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドおよびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。
脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノが含まれる。
脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチルカルバモイルが含まれる。
脂肪族置換スルファモイル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモイルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。
脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウレイドが含まれる。
非芳香族性複素環基の例には、ピペリジノおよびモルホリノが含まれる。
レターデーション上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ましい。
レターデーション上昇剤の具体例は、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、PCT/JP00/02619号明細書に記載されている。
(セルロースアセテートフイルムの製造)
セルロースアセテートフイルムは、溶液製膜法により製造することが好ましい。溶液製膜に用いる溶液を有機溶媒としたソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフイルムを製造することがさらに好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3乃至12のエーテルの例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のケトンの例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のエステルの例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、30乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至65モル%
であることがさらに好ましく、40乃至60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
一般的な方法でセルロースアセテート溶液を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロースアセテートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。
セルロースアセテートの量は、この混合物中に10乃至40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアセテートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物を−100乃至−10℃(好ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を、冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
さらに、これを0乃至200℃(好ましくは0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を、加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時に減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアセテート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフイルムを製造する。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)を用いて二層以上の流延を行う共流延法によりフイルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフイルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10乃至40%の範囲となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
二層以上の複数のセルロースアセテート液を流延する場合、複数のセルロースアセテート溶液を流延することが可能で、支持体の進行方向に間隔をおいて設けられた複数の流延口からセルロースアセテートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフイルムを
作製してもよい。例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および特開平11−198285号の各明細書に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアセテート溶液を流延することによってもフイルム化することもできる。例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および特開平6−134933号の各明細書に記載の方法を用いることができる。また、特開昭56−162617号明細書に記載の高粘度セルロースアセテート溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロースアセテート溶液を同時に押し出すセルロースアセテートフイルムの流延方法を用いることもできる。
また、二個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成形したフイルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行うことにより、フイルムを作製することもできる。例えば、特公昭44−20235号公報に記載の方法を挙げることができる。
流延するセルロースアセテート溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロースアセテート溶液を用いてもよい。複数のセルロースアセテート層に機能をもたせるために、その機能に応じたセルロースアセテート溶液を、それぞれの流延口から押し出せばよい。
さらにセルロースアセテート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光膜)と同時に流延することもできる。
従来の単層液では、必要なフイルムの厚みにするためには高濃度で高粘度のセルロースアセテート溶液を押し出すことが必要である。その場合セルロースアセテート溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良となったりして問題となることが多かった。この問題の解決方法として、複数のセルロースアセテート溶液を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時に支持体上に押し出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフイルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセルロースアセテート溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、フイルムの生産スピードを高めることができる。
セルロースアセテートフイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロースアセテートの量の0.1乃至25質量%であることが好ましく、1乃至20質量%であることがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが最も好ましい。
セルロースアセテートフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい
劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
(高熱伝導性粒子)
セルロースアセテートフイルムの熱伝導性を向上させるために高熱伝導性粒子を使用することが好ましい。高熱伝導性粒子としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化マグネシウム、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭素、ダイヤモンド、金属等を挙げることができる。フイルムの透明性を損なわないために、透明な粒子を使用することが望ましい。
高熱伝導性粒子のセルロースアセテートフイルムへの配合量は、セルロースアセテート100質量部に対して5〜100質量の範囲で充填するのがよい。配合量が5質量部未満であると熱伝導の向上が乏しく、また50質量部を超える充填は、生産性の面で困難かつセルロースアセテートフイルムが脆いものになってしまう。
高熱伝導性粒子の平均粒径は0.05〜80μm、好ましくは0.1〜10μmが好ましい。球状の粒子を用いても良いし、針状の粒子を用いても良い。
(二軸延伸)
仮想歪みを低減させるために、セルロースアセテートフイルムに延伸処理をすることが好ましい。フイルムを延伸することにより、延伸方向の仮想歪みが低減できる。従って、面内すべての方向で歪みを低減するために、フイルムを二軸延伸することがさらに好ましい。
二軸延伸には、同時二軸延伸法と逐次二軸延伸法がある。連続製造の観点から逐次二軸延伸方法が好ましい。二軸延伸方法においては、ドープを流延した後、バンドもしくはドラムよりフイルムを剥ぎ取り、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸がされる。この延伸は、長手方向、次いで幅方向の順序で行っても良い。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、および同11−48271号などに記載されている。フイルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度は、フイルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フイルムは、乾燥中の処理で延伸することができ、特に溶媒が残存する場合には有効である。長手方向の延伸の場合、例えば、フイルムの搬送ローラーの速度を調節して、フイルムの剥ぎ取り速度よりもフイルムの巻き取り速度の方を速くするとフイルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フイルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフイルムを延伸できる。フイルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。フイルムの延伸倍率(元の長さに対する延伸による増加分の比率)は、3乃至50%の範囲にあることが好ましく、5乃至30%の範囲にあることがさらに好ましく、8乃至20%の範囲にあることが最も好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。セルロースアセテートフイルムの製造に係わる巻き取り機は一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
(吸湿膨張係数)
吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。
セルロースアセテートフイルムの吸湿膨張係数は、30×10−5/%RH以下とすることが好ましく、15×10−5/%RH以下とすることが更に好ましく、10×10−5/%RH以下とすることが最も好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は、1.0×10−5/%RH以上の値である。
吸湿膨張係数の測定方法について以下に示す。作製したポリマーフイルム(位相差板)から幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、片方の端を固定して25℃、20%RH(R)の雰囲気下にぶら下げた。他方の端に0.5gの重りをぶら下げて、10分間放置し長さ(L)を測定した。次に、温度は25℃のまま、湿度を80%RH(R)にして、長さ(L)を測定した。吸湿膨張係数は下式により算出した。測定は同一試料につき10サンプル行い、平均値を採用した。
吸湿膨張係数[/%RH]={(L−L)/L}/(R−R
上記吸湿による寸度変化は、ポリマーフイルム中の自由体積を小さくすればよいことを見出した。自由体積を大きく左右するのは、製膜時の残留溶剤量であり、少ない方が寸度変化は少ない。
残留溶剤を減らすための一般的手法は、高温かつ長時間で乾燥することであるが、あまり長時間であると、当然のことながら生産性が落ちる。従ってセルロースアセテートフイルムに対する残留溶剤の量は、0.01乃至1質量%の範囲にあることが好ましく、0.02乃至0.07質量%の範囲にあることがさらに好ましく、0.03乃至0.05質量%の範囲にあることが最も好ましい。
上記残留溶剤量を制御することにより、偏光板を安価に高い生産性で製造することができる。
また、上記吸湿による寸度変化を小さくする別な方法として、疎水基を有する化合物を添加することが好ましい。疎水基を有する素材としては、分子中にアルキル基やフェニル基のような疎水基を有する素材であれば特に制限はないが、前記のセルロースアセテートフイルムに添加する可塑剤や劣化防止剤の中で該当する素材が特に好ましく用いられる。これら好ましい素材の例としては、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリベンジルアミン(TBA)などを挙げることができる。
これらの疎水基を有する化合物の添加量は、調整する溶液(ドープ)に対して0.01乃至10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1乃至5質量%の範囲にあることがさらに好ましく、1乃至3質量%の範囲にあることが最も好ましい。
(セルロースアセテートフイルムの表面処理)
セルロースアセテートフイルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号明細書に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
表面処理後のフイルムの表面エネルギーは、55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることが更に好ましい。
フイルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアセテートフイルムの温度をTg(ガラス転移温度)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
偏光板の透明保護膜として使用する場合、偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対する鹸化処理を実施することが特に好ましい。
以下、アルカリ鹸化処理を例に、具体的に説明する。
アルカリ鹸化処理は、フイルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。
アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は、0.1乃至3.0Nの範囲にあることが好ましく、0.5乃至2.0Nの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温乃至90℃の範囲にあることが好ましく、40乃至70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社、1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。セルロースアセテートフイルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。
具体的には、表面エネルギーが既知である二種の溶液をセルロースアセテートフイルムに滴下し、液滴の表面とフイルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフイルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフイルムの表面エネルギーを算出できる。
(光学異方性層)
本発明に従うセルロースアセテートフイルムに光学異方性層を設けることができる。
光学異方性層は、セルロースアセテートフイルム上に直接塗設しても良いし、光学異方性層が塗設された別の透明支持体と、本発明に従うセルロースアセテートフイルムとを接着剤を介して貼り合わせることにより設けても良い。セルロースアセテートフイルムと光学異方性層の間には配向膜を設けることが好ましい。
このような光学補償シートを、液晶表示装置における偏光板と液晶セルの間に挿入することにより、液晶セルを光学的に補償し、かつ光漏れも防止することができる。また、液晶表示装置に用いる偏光板の保護膜としてこの様な光学補償シートを用いてもよい。
光学異方性層は、液晶性化合物および必要に応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。
液晶性化合物は、棒状液晶性化合物でも、円盤状(ディスコティック)液晶化合物でも良い。液晶性化合物には、高分子液晶、低分子液晶、さらには低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含む。円盤状液晶性化合物を用いることが好ましい。
(棒状液晶性化合物)
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001乃至0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基(Q)の例を、以下に示す。
Figure 0005133396
重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。
棒状液晶性化合物は、短軸方向に対してほぼ対称となる分子構造を有することが好ましい。そのためには、棒状分子構造の両端に重合性基を有することが好ましい。
以下に、棒状液晶性化合物の例を示す。
Figure 0005133396
Figure 0005133396
Figure 0005133396
Figure 0005133396
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Figure 0005133396
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Figure 0005133396
Figure 0005133396
Figure 0005133396
Figure 0005133396
Figure 0005133396
光学異方性層は、棒状液晶性化合物あるいは後述の重合性開始剤や任意の添加剤(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、1,3,5−トリアジン化合物、
カイラル剤)を含む液晶組成物(塗布液)を、配向膜の上に塗布することで形成する。
(円盤状液晶性化合物)
円盤状(ディスコティック)液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスコティック液晶は、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造であり、液晶性を示す。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。上記ディスコティック液晶の好ましい例は特開平8−50206号公報に記載されている。また、円盤状液晶性化合物の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
円盤状液晶性化合物を重合により固定するためには、円盤状液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有する円盤状液晶性化合物は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
(III) D(−L−Q)
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、そして、nは4乃至12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
Figure 0005133396
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式(III)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好まし。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1: −AL−CO−O−AL−
L2: −AL−CO−O−AL−O−
L3: −AL−CO−O−AL−O−AL−
L4: −AL−CO−O−AL−O−CO−
L5: −CO−AR−O−AL−
L6: −CO−AR−O−AL−O−
L7: −CO−AR−O−AL−O−CO−
L8: −CO−NH−AL−
L9: −NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(III)の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例は、棒状液晶性化合物について説明した例(Q1〜Q17)と同様である。
重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。
式(III)において、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
円盤状液晶性化合物を用いる場合、光学異方性層は負の複屈折を有する層であって、そしてディスコティック構造単位の面が、セルロースアセテートフイルム面に対して傾き、
且つ該ディスコティック構造単位の面とセルロースアセテートフイルム面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向に変化していることが好ましい。
円盤状構造単位の面の角度(傾斜角)は、一般に、光学異方性層の深さ方向でかつ光学異方性層の底面からの距離の増加と共に増加または減少している。上記傾斜角は、距離の増加と共に増加することが好ましい。更に、傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を含む間欠的変化等を挙げることができる。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。傾斜角は、変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していることが好ましい。更に、傾斜角は全体として増加していることが好ましく、特に連続的に変化することが好ましい。
支持体側の円盤状単位の傾斜角は、一般に円盤状液晶性化合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法の選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の円盤状単位の傾斜角は、一般に円盤状液晶性化合物あるいは円盤状液晶性化合物とともに使用する他の化合物を選択することにより調整することができる。円盤状液晶性化合物とともに使用する化合物の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなどを挙げることができる。更に、傾斜角の変化の程度も、上記と同様の選択により調整できる。
円盤状液晶性化合物とともに使用する可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマーとしては、円盤状液晶性化合物と相溶性を有し、円盤状液晶性化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用することができる。これらの中で、重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物の添加量は、円盤状液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
円盤状液晶性化合物とともに使用するポリマーとしては、円盤状液晶性化合物と相溶性を有し、円盤状液晶性化合物に傾斜角の変化を与えられる限り、どのようなポリマーでも使用することができる。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。円盤状液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、円盤状液晶性化合物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲にあり、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
光学異方性層は、一般に円盤状液晶性化合物および他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度まで加熱し、その後配向状態(ディスコティックネマチック相)を維持して冷却することにより得られる。あるいは、上記光学異方性層は、円盤状液晶性化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度まで加熱したのち重合させ(UV光の照射等により)、さらに冷却することにより得られる。本発明に用いる円盤状液晶性化合物のディスコティックネマチック液晶相−固相転移温度としては、70〜300℃が好ましく、特に70〜170℃が好ましい。
(液晶性化合物の配向状態の固定)
配向させた液晶性化合物を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリー
ルイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5乃至5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm乃至50J/cmの範囲にあることが好ましく、20乃至5000mJ/cmの範囲にあることがより好ましく、100乃至800mJ/cmの範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
(配向膜)
配向膜は、液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有する。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。ポリビニルアルコールが、好ましいポリマーである。疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。
配向膜は、一種類のポリマーから形成することもできるが、架橋された二種類のポリマーからなる層をラビング処理することにより形成することがさらに好ましい。少なくとも一種類のポリマーとして、それ自体架橋可能なポリマーか、架橋剤により架橋されるポリマーのいずれかを用いることが好ましい。
配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱、PH変化等により、ポリマー間で反応させて形成するか;あるいは、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成することができる。
このような架橋は、上記ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む配向膜塗布液を、セルロースアセテートフイルム上に塗布したのち、加熱等を行なうことにより実施される。光学補償シートの状態で耐久性が確保できれば良いので、配向膜をセルロースアセテートフイルム上に塗設した後から、光学補償シートを得るまでのいずれの段階で架橋させる処理を行なっても良い。
配向膜上に形成される液晶性化合物からなる層(光学異方性層)の配向性を考えると、液晶性化合物を配向させたのちに、充分架橋を行なうことも好ましい。
配向膜の架橋は、セルロースアセテートフイルム上に配向膜塗布液を塗布し、加熱乾燥することで行われることが一般的である。この塗布液の加熱温度を低く設定して、後述の光学異方性層を形成する際の加熱処理の段階で配向膜の充分な架橋を行うことが好ましい。
配向膜に用いるポリマーとしては、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。勿論両方可能なポリマーもある。ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリカーボネート等のポリマー、およびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができ
る。
好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーが挙げられる。ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールを用いることが好ましく、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールを用いることがさらに好ましい。
また、重合度の異なるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを二種類併用することが最も好ましい。
ポリビニルアルコールの例としては、鹸化度が70乃至100%の範囲にあるポリビニルアルコールが挙げられる。一般に鹸化度は80乃至100%の範囲にあり、85乃至95%の範囲にあることがさらに好ましい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、100乃至3000の範囲にあることが好ましい。
変性ポリビニルアルコールの例としては、共重合変性、連鎖移動による変性、またはブロック重合による変性をしたポリビニルアルコールなどを挙げることができる。共重合変性する場合の変性基の例としては、COONa、Si(OX)、N(CH・Cl、C19COO、SONa、C1225など(Xは、水素原子またはアルキル基)が挙げられる。連鎖移動による変性をする場合の変性基の例としては、COONa、SH、C1225などが挙げられる。また、ブロック重合による変性をする場合の変性基の例としては、COOH、CONH、COOR、Cなど(Rは、アルキル基)が挙げられる。
これらの中でも、鹸化度が80乃至100%の範囲にある未変性もしくは変性ポリビニルアルコールが好ましい。また、鹸化度が85乃至95%の範囲にある未変性ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールがさらに好ましい。
変性ポリビニルアルコールとしては、特に、下記一般式で表わされる化合物によるポリビニルアルコールの変性物を用いることが好ましい。この変性ポリビニルアルコールを、以下、特定の変性ポリビニルアルコールと記載する。
Figure 0005133396
式中、Rは、アルキル基、アクリロイルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、またはエポキシアルキル基を表わし;Wは、ハロゲン原子、アルキル基、またはアルコキシ基を表わし;Xは、活性エステル、酸無水物、または酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子群を表わし;pは、0または1を表わし;そしてnは、0乃至4の整数を表わす。
上記の特定の変性ポリビニルアルコールは、さらに下記一般式で表わされる化合物によるポリビニルアルコールの変性物であることが好ましい。
Figure 0005133396
式中、Xは、活性エステル、酸無水物、または酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子群を表わし、そしてmは2乃至24の整数を表わす。
これらの一般式により表される化合物と反応させるために用いるポリビニルアルコールとしては、前述の、未変性のポリビニルアルコール、および、共重合変性したもの、即ち連鎖移動により変性したもの、ブロック重合による変性をしたものなどのポリビニルアルコールの変性物を挙げることができる。特定の変性ポリビニルアルコールの好ましい例は、特開平9−152509号公報に詳しく記載されている。
これらポリマーの合成方法、可視吸収スペクトル測定、および変性基導入率の決定方法等は、特開平8−338913号公報に詳しく記載がある。
架橋剤の例としては、アルデヒド類、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール類、およびジアルデヒド澱粉などを挙げることができる。アルデヒド類の例としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、およびグルタルアルデヒドが挙げられる。N−メチロール化合物の例としては、ジメチロール尿素およびメチロールジメチルヒダントインが挙げられる。ジオキサン誘導体の例としては、2,3−ジヒドロキシジオキサンが挙げられる。カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物の例としては、カルベニウム、2−ナフタレンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロピリジニウム、および1−モルホリノカルボニル−3−(スルホナトアミノメチル)が挙げられる。活性ビニル化合物の例としては、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホン)メタン、およびN,N’−メチレンビス−[β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド]が挙げられる。そして、活性ハロゲン化合物の例としては、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンが挙げられる。これらは、単独または組合せて用いることができる。
これらは上記水溶性ポリマー、特にポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール(上記特定の変性物も含む)と併用する場合に好ましい。生産性を考慮した場合、反応活性の高いアルデヒド類、とりわけグルタルアルデヒドの使用が好ましい。
ポリマーに対する架橋剤の添加量に特に限定はない。耐湿性は、架橋剤を多く添加した方が良化傾向にある。しかし、架橋剤をポリマーに対して50質量%以上添加した場合には、配向膜としての配向能が低下する。従って、ポリマーに対する架橋剤の添加量は、0.1乃至20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5乃至15質量%の範囲にあることがさらに好ましい。配向膜は、架橋反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程度含んでいるが、その架橋剤の量は、配向膜中に1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。配向膜中に1.0質量%を超える量で未反応の架橋剤が含まれていると、充分な耐久性が得られない。即ち、液晶表示装置に使用した場合、長期使用、あるいは高温高湿の雰囲気下に長期間放置した場合に、レチキュレーションが発生することがある。
配向膜は、上記ポリマーを含む溶液、あるいは上記ポリマーと架橋剤を含む溶液を、セルロースアセテートフイルム上に塗布した後、加熱乾燥し(架橋させ)、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、塗布液をセルロースアセテートフイルム上に塗布した後、任意の時期に行なっても良い。
そして、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合
、その塗布液を作製するための溶媒は、消泡作用のあるメタノール等の有機溶媒とするか、あるいは有機溶媒と水の混合溶媒とすることが好ましい。有機溶媒としてメタノールを用いる場合、その比率は質量比で水:メタノールが、0:100〜99:1が一般的であり、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方性層の表面の欠陥が著しく減少する。
塗布方法としては、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができる。この中でも、特にE型塗布法が好ましい。
配向膜の膜厚は、0.1乃至10μmの範囲にあることが好ましい。加熱乾燥は、加熱温度が20乃至110℃の範囲で行なうことができる。充分な架橋を形成させるためには、加熱温度は60乃至100℃の範囲にあることが好ましく、80乃至100℃の範囲にあることが好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行なうことができる。好ましくは5乃至30分間である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5乃至5.5の範囲にあることが好ましく、特にpH5であることが好ましい。
ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
(偏光板)
偏光板は、偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、本発明に従うセルロースアセテートフイルムを用いることができる。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフイルムを用いてもよい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。
また、偏光板の生産性には保護膜の透湿性が重要であることがわかった。偏光膜と保護膜は水系接着剤で貼り合わせられており、この接着剤溶剤は保護膜中を拡散することで、乾燥される。保護膜の透湿性が高ければ、高いほど乾燥は早くなり、生産性は向上するが、高くなりすぎると、液晶表示装置の使用環境(高湿下)により、水分が偏光膜中に入ることで偏光能が低下する。
従って、本発明に従うセルロースアセテートフイルムを偏光膜の保護膜として用いる場合、セルロースアセテートフイルムの透湿性は100乃至1000(g/m)/24hrsの範囲にあることが好ましく、300乃至700(g/m)/24hrsの範囲にあることが更に好ましい。
セルロースアセテートフイルムの透湿性は、セルロースアセテートフイルム(および重合性液晶化合物)の厚み、自由体積、もしくは、親疎水性などにより決定される。
セルロースアセテートフイルムの厚みは、セルロースアセテートフイルムを製膜する場合の、リップ流量とラインスピード、あるいは、フイルムの延伸、圧縮により調整することができる。使用する主素材にあわせてフイルムの厚みを調整することにより、透湿性を好ましい範囲にすることができる。
セルロースアセテートフイルムの自由体積は、製膜の際の乾燥温度と時間により調整することができる。この場合もまた、使用する主素材にあわせて自由体積を調整することにより、透湿性を好ましい範囲にすることができる。
セルロースアセテートフイルムの親疎水性は、添加剤により調整することができる。自由体積中に親水性添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。
セルロースアセテートフイルムの透湿性を調整することにより、光学補償能を有する偏
光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
(液晶表示装置)
上記のセルロースアセテートフイルム、または上記のセルロースアセテートフイルムを用いた偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
透過型液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。そして偏光板は、偏光膜とその両側に配置された透明保護膜からなる。そして液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
本発明に従うセルロースアセテートフイルムは、液晶セルと一方の偏光膜との間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光膜との間に二枚配置する。
また、本発明に従うセルロースアセテートフイルムを保護膜とした偏光板は、液晶表示装置の二枚の偏光板のうちの一方の代わりに用いればよい。あるいは両方の偏光板の代わりに用いることもできる。
液晶セルは、TNモード、VAモード、IPSモード、そしてOCBモードの液晶セルであることが好ましい。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60乃至120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)、(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)および(5)CPAモード(SID2001で発表)が含まれる。
IPSモードの詳細は、文献(例えば、Asia Display’95,577(1995)、M.Ohe, M.Ohta,
S.Aratani, K.Kondoなど)に詳しく記載されている。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
[実施例1]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
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セルロースアセテート溶液組成
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酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
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別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液479質量部にレターデーション上昇剤溶液21質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、3.0質量部であった。
Figure 0005133396
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、140℃の乾燥風で、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフイルム(厚さ:40μm)を製造した。
作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−01)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。結果は第1表に示す。
(耐折試験)
作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−01)を120mmに切りだし、ISO8776/2−1988の規格に従い、MIT耐折強度試験機を用いて折り曲げにより切断するまでの往復回数を求めたところ、310回であった。
[実施例2]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成
────────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
────────────────────────────────────────
別のミキシングタンクに、実施例1で用いたレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液486質量部にレターデーション上昇剤溶液14質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、2.0質量部であった。
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、残留揮発分が15%の状態で10%テンター横一軸延伸を行い、130℃の乾燥風下で、縦方向(搬送方向)に10%の一軸延伸を行った後、140℃の乾燥風で10分間乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフイルム(厚さ:40μm)を製造した。
作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−02)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。結果は第1表に示す。
(耐折試験)
作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−02)を120mmに切りだし、ISO8776/2−1988の規格に従い、MIT耐折強度試験機を用いて折り曲げにより切断するまでの往復回数を求めたところ、280回であった。
[比較例1]
セルロースアセテート溶液を、そのままドープとして使用し、残留溶剤が、3.0質量%のセルロースアセテートフイルム(厚さ:100μm)を製造した。
作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−H1)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。結果は第1表に示す。
(耐折試験)
作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−H1)を120mmに切りだし、ISO8776/2−1988の規格に従い、MIT耐折強度試験機を用いて折り曲げにより切断するまでの往復回数を求めたところ、180回であった。
第1表
────────────────────────────────────────
フイルム レターデーション上昇剤 Re Rth
────────────────────────────────────────実施例1 CAF−01 3.0質量部 7nm 40nm
実施例2 CAF−02 2.0質量部 2nm 45nm
比較例1 CAF−H1 なし 4nm 48nm
────────────────────────────────────────
[実施例3]
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1で作製したセルロースアセテートフイルム(CAF―01)を偏光膜の片側に貼り付けた。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反
対側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。
[実施例4]
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例2で作製したセルロースアセテートフイルム(CAF―02)を偏光膜の片側に貼り付けた。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。
[比較例2]
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、比較例1で作製したセルロースアセテートフイルム(CAF―H1)を偏光膜の片側に貼り付けた。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。
[実施例5]
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(シャープ(株)製:20インチ液晶TV)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例3で作製した偏光板を、実施例1で作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−01)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、直交となるように配置した。このようにして液晶表示装置を作製した。
[実施例6]
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(シャープ(株)製:20インチ液晶TV)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例4で作製した偏光板を、実施例2で作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−02)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、直交となるように配置した。このようにして液晶表示装置を作製した。
[比較例3]
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(シャープ(株)製:20インチ液晶TV)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに比較例2で作製した偏光板を、比較例1で作製したセルロースアセテートフイルム(CAF−H1)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、直交となるように配置した。このようにして液晶表示装置を作製した。
(額縁状の光漏れの評価)
実施例5、実施例6、および比較例3の液晶表示装置を、温度25℃、相対湿度65%の環境下においてバックライトを5時間連続点灯したまま放置した後、全面黒表示状態を暗室にて目視により観察してバックライト点灯時の光り漏れを評価した。結果を第2表に示す。
第2表
────────────────────────────────────────
液晶表示装置 バックライト点灯時の光漏れ
────────────────────────────────────────
実施例5 光漏れなし
実施例6 光漏れなし
比較例3 額縁状に光漏れ
────────────────────────────────────────

Claims (11)

  1. 偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなり、液晶セルと偏光膜との間に配置される透明保護膜が酢化度が59.0乃至61.5%の範囲にあるセルロースアセテートからなるセルロースアセテートフイルムであって、下記式(I)により定義される該セルロースアセテートフイルムのReレターデーション値が0乃至7nmの範囲にあり、下記式(II)により定義される該セルロースアセテートフイルムのRthレターデーション値が30乃至50nmの範囲にあり、そして該セルロースアセテートフイルムの厚みが30乃至50μmの範囲にあることを特徴とする偏光板
    (I) Re=(nx−ny)×d
    (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
    [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であり;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そして、dは、フイルムの厚みである]。
  2. セルロースアセテートフイルムが、セルロースアセテート100質量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.01乃至20質量部含む請求項1に記載の偏光板
  3. 芳香族化合物が、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を有する請求項2に記載の偏光板
  4. セルロースアセテートフイルムが、MIT耐折強度試験機により測定される耐折強度が250回以上であるフイルムである請求項1に記載の偏光板
  5. セルロースアセテートフイルムが、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテート溶液を用いて製造されたフイルムである請求項1に記載の偏光板
  6. セルロースアセテートフイルムが、複数のセルロースアセテート溶液を共流延して製造されたフイルムである請求項5に記載の偏光板
  7. セルロースアセテート溶液の溶媒が、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトンまたは炭素原子数が3乃至12のエステルを含む請求項5に記載の偏光板
  8. セルロースアセテート溶液の溶媒が、フイルムの0.01乃至1質量%の範囲で残存している請求項5に記載の偏光板
  9. セルロースアセテートフイルムが、二軸延伸されたフイルムである請求項1に記載の偏光板
  10. セルロースアセテートフイルムが、可塑剤をセルロースアセテートの0.1乃至25質量%の範囲の量で含む請求項1に記載の偏光板
  11. セルロースアセテートフイルムのRthレターデーション値が35乃至50nmの範囲にある請求項1に記載の偏光板
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