本発明は、無線端末(Mobile Subscriber:以下、単にMSと称する)を無線収容する無線基地局(Base Station:以下、単にBSと称する)を用いたゲートウェイ装置、無線送信制御方法及び無線通信システムに関する。無線基地局の適用例として、超小型無線基地局(Femto Base Station:以下、単にフェムトBSと称する)を挙げることができる。
近年、IEEE802.16ワーキンググループでは、BSに複数のMSが接続可能なPoint−to−Multipoint (以下、単にP−MPと称する)型の通信方式を規定している。
また、IEEE802.16ワーキンググループでは、主に固定通信用途向けの802.16d仕様(802.16−2004)と、移動通信用途向けの802.16e仕様(802.16e−2005)との2種類の用途を規定している。
このようなIEEE802.16d/eを採用した無線通信システムでは、直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division multiplex)や、直交周波数分割多元接続方式(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)等の技術を主に採用している。
図30は、IEEE802.16d/eを採用した無線通信システム内部の概略構成を示すブロック図である。
図30に示す無線通信システム100は、インターネット101と、複数のMS102を無線収容する複数のBS103を収容接続するアクセス・サービス・ネットワーク(Access Service Network:以下、単にASNと称する)104と、インターネット101及びASN104間を通信接続する接続サービスネットワーク(Connectivity Service Network:以下、単にCSNと称する)105とを有している。
また、ASN104は、複数のBS103の他に、CSN105及びASN104間の通信インタフェースを司るASNゲートウェイ(以下、単にASN−GWと称する)106を配置し、レイヤ2でパケットを転送している。また、CSN105は、レイヤ3でパケットのルーティングや転送を行っている。
近年では、BS103を小型化したフェムトBSの開発が進み、フェムトBSを電波環境の良くない一般家庭やオフィス等に配置し、インターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider:以下、単にISPと称する)を通じてインターネット101経由でASN104に通信接続する技術が考案されている。
図31は、フェムトBSを使用した無線通信システム内部の概略構成を示すブロック図である。尚、図30に示す無線通信システム100と同一の構成については同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図31に示す無線通信システム100Aは、例えば一般家庭やオフィス等に配置し、MS102を無線収容するフェムトBS107を備えている。
フェムトBS107は、非対称デジタル加入者線(Asymmetric Digital Subscriber Line:以下、単にADSL回線と称する)や光ファイバ回線を通じてISP108に接続し、ISP108から直接又はインターネット101経由でASN104に通信接続するものである。
また、ASN104は、ISP108やインターネット101経由でフェムトBS107との通信インタフェースを司るフェムトGW109を配置している。
フェムトGW109は、IPセキュリティ(IP Security:以下、単にIPsecと称する)等を使用してフェムトBS107とのデータの盗聴や改ざんを防止する暗号化通信を実現し、ASN104のセキュリティを確保している。
IEEE Std 802.16TM−2004
IEEE Std 802.16eTM−2005
従来の無線通信システム100Aでは、例えばフェムトBS107を一般家庭等の限定した場所に配置した場合、フェムトBS107に無線収容するMS102は、フェムトBS107を配置した一般家庭の家族や訪問者等の特定ユーザのMS102に限定されることになる。
しかしながら、従来の無線通信システム100Aによれば、例えばMS102を使用するユーザが不在、すなわちMS102がフェムトBS107の呼出エリア内にいないにも関わらず、MS102に対するフェムトBS107の無線送信を継続することになるため、その無線送信出力は、無駄な送信電力の浪費や、隣接セルに対する不必要な電波干渉の要因に繋がる場合がある。
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的の一側面は、無駄な送信電力の浪費又は隣接セルへの与干渉を回避することにある。
開示装置は、呼出エリア毎に無線端末を無線収容する無線基地局の内、特定の無線基地局に無線収容中の前記無線端末に対してネットワーク接続を提供するネットワーク接続提供部と、前記無線端末の移動又は位置登録に関わるメッセージを受信する受信部と、前記受信部にて前記メッセージを受信すると、前記特定の無線基地局の呼出エリアを含む特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容中の無線端末がなくなるか否かを判定する第1端末有無判定部と、前記第1端末有無判定部にて前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容中の前記無線端末がなくなると判定された場合、前記特定の無線基地局に対して前記無線端末への無線送信を停止する送信停止コマンドを送信するコマンド制御部とを有している。
開示装置は、呼出エリア毎に無線端末を無線収容する無線基地局の内、特定の無線基地局に無線収容中の無線端末に対してネットワーク接続を提供するネットワーク接続提供部と、前記無線端末の移動又は位置登録に関わるメッセージを受信する受信部と、前記受信部にて前記メッセージを受信すると、前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容する前記無線端末があるか否かを判定する第2端末有無判定部と、前記第2端末有無判定部にて前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容する前記無線端末があると判定された場合、前記特定の無線基地局に対して前記無線端末への無線送信を再開する送信再開コマンドを送信するコマンド制御部とを有している。
開示方法は、呼出エリア毎に無線端末を無線収容する無線基地局の内、特定の無線基地局に無線収容中の前記無線端末に対してネットワーク接続を提供するネットワーク接続提供ステップと、前記無線端末の移動又は位置登録に関わるメッセージを受信する受信ステップと、前記受信ステップにて前記メッセージを受信すると、前記特定の無線基地局の呼出エリアを含む特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容中の無線端末がなくなるか否かを判定する第1端末有無判定ステップと、前記第1端末有無判定ステップにて前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容中の前記無線端末がなくなると判定された場合、前記特定の無線基地局に対して前記無線端末への無線送信を停止する送信停止コマンドを送信するコマンド制御ステップとを含むようにした。
開示方法は、呼出エリア毎に無線端末を無線収容する無線基地局の内、特定の無線基地局に無線収容中の無線端末に対してネットワーク接続を提供するネットワーク接続提供ステップと、前記無線端末の移動又は位置登録に関わるメッセージを受信する受信ステップと、前記受信ステップにて前記メッセージを受信すると、前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容する前記無線端末があるか否かを判定する第2端末有無判定ステップと、前記第2端末有無判定ステップにて前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容する前記無線端末があると判定された場合、前記特定の無線基地局に対して前記無線端末への無線送信を再開する送信再開コマンドを送信するコマンド制御ステップとを含むようにした。
開示システムは、呼出エリア毎に無線端末を無線収容する無線基地局と、前記無線基地局の内、特定の無線基地局に無線収容中の前記無線端末に対してネットワーク接続を提供するゲートウェイ装置とを有する無線通信システムであって、前記ゲートウェイ装置は、前記無線端末の移動又は位置登録に関わるメッセージを受信する受信部と、前記受信部にて前記メッセージを受信すると、前記特定の無線基地局の呼出エリアを含む特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容中の無線端末がなくなるか否かを判定する第1端末有無判定部と、前記第1端末有無判定部にて前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容中の前記無線端末がなくなると判定された場合、前記特定の無線基地局に対して前記無線端末への無線送信を停止する送信停止コマンドを送信するコマンド制御部とを有し、前記特定の無線基地局は、前記送信停止コマンドを受信すると、前記無線端末への無線送信を停止するようにした。
開示システムは、呼出エリア毎に無線端末を無線収容する無線基地局と、前記無線基地局の内、特定の無線基地局に無線収容中の無線端末に対してネットワーク接続を提供するゲートウェイ装置とを有する無線通信システムであって、前記ゲートウェイ装置は、前記無線端末の移動又は位置登録に関わるメッセージを受信する受信部と、前記受信部にて前記メッセージを受信すると、前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容する前記無線端末があるか否かを判定する第2端末有無判定部と、前記第2端末有無判定部にて前記特定の呼出エリア内の無線基地局に無線収容する前記無線端末があると判定された場合、前記特定の無線基地局に対して前記無線端末への無線送信を再開する送信再開コマンドを送信するコマンド制御部とを有し、前記特定の無線基地局は、前記送信再開コマンドを受信すると、前記無線端末への無線送信を再開するようにした。
開示装置、開示方法及び開示システムによれば、特定の無線基地局に無線収容する無線端末の有無に基づき、特定の無線基地局の無線送信状態を管理制御することで、特定の無線基地局の無駄な送信電力の浪費又は隣接セルへの与干渉を回避できるという効果を奏する。
図1は、本実施例の無線通信システム内部の概略構成を示すブロック図である。
図2は、フェムトBS内部の概略構成を示すブロック図である。
図3は、フェムトGW内部の概略構成を示すブロック図である。
図4は、フェムトGW内部の近傍BSリスト管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。
図5は、フェムトGW内部の位置登録データベースで管理する情報のデータ構成を端的に示す説明図である。
図6は、フェムトBS初期設定に関わる無線通信システム内部の処理動作を示すシーケンスである。
図7は、アイドルモード中のMSによるフェムトBSから他のBSへの呼出グループ間移動に伴う無線通信システム内部の処理動作を示すシーケンスである。
図8は、アイドルモード中のMSによるBSからフェムトBS近傍のBSへの呼出グループ間移動に伴う無線通信システム内部の処理動作を示すシーケンスである。
図9は、レンジング要求受信処理に関わるBS(フェムトBS)内部の処理動作を示すフローチャートである。
図10は、アクセスリスト追加処理に関わるフェムトBS内部の処理動作を示すフローチャートである。
図11は、離脱要求受信処理に関わるフェムトBS内部の処理動作を示すフローチャートである。
図12は、呼出通知送信処理に関わるフェムトBS内部の処理動作を示すフローチャートである。
図13は、位置登録用レンジング要求受信処理に関わるフェムトBS内部の処理動作を示すフローチャートである。
図14は、送信停止処理に関わるフェムトGW内部の処理動作を示すフローチャートである。
図15は、送信停止コマンド受信処理に関わるフェムトBS内部の処理動作を示すフローチャートである。
図16は、送信制御処理に関わるフェムトGW内部の処理動作を示すフローチャートである。
図17は、送信再開コマンド受信処理に関わるフェムトBS内部の処理動作を示すフローチャートである。
図18は、実施例2のフェムトGW内部の概略構成を示すブロック図である。
図19は、実施例2のASN−GW内部の概略構成を示すブロック図である。
図20は、フェムトBSに対してMSが新規接続を開始する際の無線通信システム内部の処理動作を示すシーケンスである。
図21は、フェムトBSから他のBSへの呼出グループ間移動に伴うハンドオーバー後、アイドルモード移行に伴う無線通信システム内部の処理動作を示すシーケンスである。
図22は、他のBSからフェムトBS近傍のBSへの呼出グループ間移動に伴う無線通信システム内部の処理動作を示すシーケンスである。
図23は、アイドル移行要求受信処理に関わるASN−GW内部の処理動作を示すフローチャートである。
図24は、位置情報受信に応じた送信停止処理に関わるフェムトGW内部の処理動作を示すフローチャートである。
図25は、位置登録要求受信処理に関わるASN−GW内部の処理動作を示すフローチャートである。
図26は、位置情報受信に応じた送信制御処理に関わるフェムトGW内部の処理動作を示すフローチャートである。
図27は、フェムトBSから他のBSへのハンドオーバーに伴う無線通信システム内部の処理動作を示すシーケンスである。
図28は、他のBSからフェムトBSへのハンドオーバーに伴う無線通信システム内部の処理動作を示すシーケンスである。
図29は、ハンドオーバー(HO)確認通知受信に応じた送信制御処理に関わるフェムトGW内部の処理動作を示すフローチャートである。
図30は、IEEE802.16d/eを採用した無線通信システム内部の概略構成を示すブロック図である。
図31は、フェムトBSを使用した無線通信システム内部の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,1A,1B 無線通信システム
2 MS
3 BS
5 インターネット
7 フェムトBS
8 ISP
11,11A ASN−GW
12,12A フェムトGW
13 AAAサーバ
52,52A PC部
53 移動前判定部
54 第1接続有無判定部
55 アクティブ状態判定部
56 コマンド制御部
57 第2接続有無判定部
58 アイドル状態判定部
61 近傍BSリスト管理テーブル
62 位置登録データベース
63 フェムトBS管理テーブル
以下、図面に基づき本発明のゲートウェイ装置、無線送信制御方法及び無線通信システムに関わる実施例について詳細に説明する。
本実施例は、呼出エリア毎にMSを無線収容するBSと、BSの内、フェムトBSに無線収容中のMSに対してネットワーク接続を提供するフェムトGWとを有する無線通信システムである。
フェムトGWは、MSの移動又は位置登録に関わるメッセージを受信すると、フェムトBSの呼出エリアを含む特定の呼出エリア内のBSに無線収容中のMSがなくなると判定された場合、前記フェムトBSに対してMSへの無線送信を停止する送信停止コマンドを送信する。
その結果、フェムトBSは、送信停止コマンドを受信すると、MSへの無線送信を停止するようにしたので、フェムトBSの無駄な送信電力の浪費又は隣接セルへの与干渉を回避できる。
また、フェムトGWは、MSの移動又は位置登録に関わるメッセージを受信すると、特定の呼出エリア内のBSに無線収容するMSがあると判定された場合、フェムトBSに対してMSへの無線送信を再開する送信再開コマンドを送信する。
その結果、フェムトBSは、送信再開コマンドを受信すると、MSへの無線送信を再開するようにしたので、停止中の無線送信を再開することができる。
図1は、本実施例の無線通信システム内部の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す無線通信システム1は、複数のMS2を無線収容する複数のBS3等を収容接続するASN4と、インターネット5と、ASN4及びインターネット5間を接続するCSN6と、例えば一般家庭やオフィス内に配置し、複数のMS2を無線収容するフェムトBS7と、フェムトBS7と接続し、光ファイバ回線やADSL回線等を通じて、インターネット5と接続するISP8とを有している。
MS2は、例えば無線機能を備えたパソコン、モバイル端末や携帯電話端末等に相当するものである。
各BS3は、BS3毎に無線収容可能な呼出エリアを備え、各BS3は、呼出エリア内に存在するMS2を無線収容するものである。また、各フェムトBS7も、同様にフェムトBS7毎に無線収容可能な呼出エリアを備え、各フェムトBS7は、呼出エリア内に存在する接続可能なMS2を無線収容するものである。
尚、無線通信システム1内のBS3及びフェムトBS7は、例えば#1や#2等の呼出グループ単位で管理し、無線通信システム1は、呼出グループを識別する呼出グループID(以下、単にPGIDと称する)と、呼出グループに所属するBS3やフェムトBS7を識別するBSIDとを管理している。
また、ASN4内には、複数のBS3と、BS3及びCSN6間の通信インタフェースを司るASN−GW11と、ISP8経由でフェムトBS7及びASN4間の通信インタフェースを司るフェムトGW12と、認証・許可・アカウント(Authentication,Authorization and Accounting:以下、単にAAAと称する)サーバ13とを有している。
図2は、フェムトBS7内部の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すフェムトBS7は、無線信号を送受信するアンテナ部21と、送受信系でアンテナ部21を共用可能にするデュプレクサ22と、相手先からの無線信号を受信及び復調して誤り訂正符号を復号化する無線信号受信部23と、相手先に送信するデータに誤り訂正符号化の符号化処理を施して変調し、アンテナ部21経由で無線信号を送信する無線信号送信部24と、無線信号受信部23及び無線信号送信部24を制御する無線送受信制御部25とを有している。
さらに、フェムトBS7は、ISP8とのインタフェースを司る通信インタフェース26と、IPパケットを暗号化又は復号化するフェムトBS側暗号/復号処理部27と、様々な情報を記憶するフェムトBS側記憶部28と、フェムトBS7全体を制御するフェムトBS側制御部29とを有している。尚、通信インタフェース26は、ISP8を経由することなく、フェムトGW12と直接接続することも可能である。
フェムトBS側記憶部28は、自己の状態(アクティブ状態/アイドル状態)を管理する状態管理部31と、自己に接続可能なMS2を管理するアクセスリスト33とを有している。尚、フェムトBS7のアイドル状態とは、無線収容中のMS2に対する制御情報等の無線送信を停止している停止中状態、また、アクティブ状態は、無線収容中のMS2に対する制御情報等の無線送信の停止を解除している作動中状態に相当するものである。
また、フェムトBS側制御部29は、無線リンクプロトコル及びネットワーク側プロトコルを通じて中継及び終端し、MS2の認証やデータ通信を可能にするものである。
図3は、フェムトGW12内部の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すフェムトGW12は、例えばISP8又はインターネット5経由でフェムトBS7とのインタフェースを司る第1通信インタフェース41と、例えばASN−GW11やBS3等のASN4内の内部装置とのインタフェースを司る第2通信インタフェース42とを有している。
また、フェムトGW12は、第1通信インタフェース41経由でフェムトBS7とパケット交換するIPパケットを暗号化又は復号化するフェムトGW側暗号/復号処理部43と、様々な情報を記憶するフェムトGW側記憶部44と、フェムトGW12全体を制御するフェムトGW側制御部45とを有している。
フェムトGW側制御部45は、BS3、フェムトBS7やMS2の認証を実行するAAAサーバ13と通信すると共に、フェムトBS7との間にデータ転送用パスを設定する認証(Authenticator)部51と、各MS2に対して呼出制御する呼出コントローラ(以下、単にPCと称する)部52とを有している。
認証部51は、フェムトBS7の初期設定時に、必要に応じてAAAサーバ13と通信接続し、フェムトBS7の認証を実行するものである。尚、フェムトBS7は、AAAサーバ13に対して電子証明書を予め取得しておき、認証部51は、AAAサーバ13を通じて電子証明書を使用してフェムトBS7を認証し、この認証結果を得るものである。
また、認証部51は、フェムトBS7に対してMS2を新規接続する際、AAAサーバ13と通信接続し、AAAサーバ13を通じて、フェムトBS7からのEAPメッセージに含まれるMS2の識別情報及びBSIDに基づき、MS2とフェムトBS7との接続を許可しているか否かを確認する接続認証結果を取得するものである。
また、AAAサーバ13は、フェムトBS7新規設置契約時の情報に基づき、フェムトBS7との接続を許可したMS2のリストを管理しているため、その管理内容と、フェムトBS7からのEAPメッセージに含まれるMS2の識別情報及びBSIDとに基づき、MS2とフェムトBS7との接続を許可しているか否かを確認するものである。
尚、フェムトBS7は、フェムトBS7の新規接続時に、フェムトBS7との接続を許可するMS2のリストをAAAサーバ13から設定情報として取得することも可能である。
また、フェムトGW側記憶部44は、フェムトBS7毎に隣接するBS3、例えば同一PGIDに属するBS3を近傍BSとして管理する近傍BSリスト管理テーブル61と、フェムトGW12で管理するMS2の位置情報を管理する位置登録データベース62と、自己が管理するフェムトBS7の状態情報(アクティブ状態/アイドル状態)を管理するフェムトBS管理テーブル63とを有している。
また、フェムトGW側制御部45は、近傍BSリスト管理テーブル61、位置登録データベース62及びフェムトBS管理テーブル63の内容に基づき、後述するフェムトBS送信制御判定処理を実行するものである。
フェムトGW側制御部45は、MS2からの移動又は位置登録のメッセージ、例えば位置登録確認を受信すると、近傍BSリスト管理テーブル61及び位置登録データベース62に基づき、位置登録更新のMS2が移動先BS配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していたとする第1条件を満たしているか否かを判定する移動前判定部53を有している。
フェムトGW側制御部45は、移動前判定部53にて第1条件を満たした場合、フェムトBS7に接続可能な全MS2がフェムトBS7及び、フェムトBS7と同一のPGIDに属するBS3から離れている第2条件を満たしているか否かを判定する第1接続有無判定部54を有している。
フェムトGW側制御部45は、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たした場合、フェムトBS7の状態がアクティブ状態である第3条件を満たしたか否かを判定するアクティブ状態判定部55を有している。
フェムトGW側制御部45は、アクティブ状態判定部55にて第3条件を満たした場合、第1条件、第2条件及び第3条件を満たしたものと判断し、フェムトBS7のMS2に対する無線送信を停止すべく、送信停止コマンド(Dormant Command)をフェムトBS7に送信するコマンド制御部56を有している。
また、フェムトGW側制御部45は、移動前判定部53にて第1条件を満たさなかった場合、位置登録更新のMS2が移動先BS3配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在しなかったとする第4条件を満たしているものと判断し、フェムトBS7に接続可能なMS2がフェムトBS7又はフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3に存在する第5条件を満たしているか否かを判定する第2接続有無判定部57を有している。
フェムトGW側制御部45は、第2接続有無判定部57にて第5条件を満たした場合、フェムトBS7の状態がアイドル状態である第6条件を満たしているか否かを判定するアイドル状態判定部58を有している。
コマンド制御部56は、アイドル状態判定部58にて第6条件を満たした場合、第4条件、第5条件及び第6条件を満たしたものと判断し、フェムトBS7のMS2に対する停止中の無線送信を再開すべく、送信再開コマンド(Wake−up Command)をフェムトBS7に送信するものである。
図4は、フェムトGW12内部の近傍BSリスト管理テーブル61のテーブル内容を端的に示す説明図である。
フェムトGW12は、フェムトBS7毎に隣接するBS3、例えば同一PGIDに属するBS3を近傍BSとして近傍BSリスト管理テーブル61に管理している。尚、近傍BSリスト管理テーブル61の設定情報は、フェムトBS7新規設置契約時に申請した設置場所に隣接するBS3のリストをセル設計情報から生成するものである。
また、近傍BSリスト管理テーブル61の設定情報は、MS2の移動に応じて動的に設定することもできる。すなわち、MS2がフェムトBS7から移動先のBS3へハンドオーバーする際、又はMS2がフェムトBS7から移動先BS3へ移動して位置登録する際、移動先のBS3をフェムトBS7の近傍BSとして近傍BSリスト管理テーブル61に加えるようにしても良い。
また、フェムトBS7自体が、周辺BS3の無線信号を受信し、無線信号に基づき、フェムトBS7の周辺BS3を近傍BSとして近傍BSリスト管理テーブル61に加えるようにしても良い。
図5は、フェムトGW12内部の位置登録データベース62で管理する情報のデータ構成を端的に示す説明図である。
位置登録データベース62は、フェムトGW12で管理するMS2の位置情報を管理している。
位置情報は、MS2を識別するMACアドレス62Aと、MS2が所属する呼出グループを識別するPGID62Bと、MS2を無線収容中のBS3又はフェムトBS7を識別するBSID62Cと、アイドルモード中のMS2に対する着信有無を示す呼出通知メッセージを送信する呼出周期62Dと、呼出周期62Dのタイミングをオフセット管理する呼出オフセット62Eとを有している。
次に、実施例1の無線通信システム1の動作について説明する。図6は、フェムトBS初期設定に関わる無線通信システム1内部の処理動作を示すシーケンスである。
フェムトBS初期設定とは、無線通信システム1内へのフェムトBS7の新規設置からフェムトBS7経由で、フェムトBS7に接続可能なMS2との通信を開始するまでの設定動作に相当するものである。
例えば、自宅内にフェムトBS7を新規設置してADSL回線や光ファイバ回線経由でISP8に接続したとする。
図6に示すフェムトBS7は、ISP8との接続を確立すると、フェムトGW12との通信秘匿性を確保するためにIPsecトンネルを設定する(ステップS11)。
フェムトGW12は、必要に応じてAAAサーバ13と通信接続し、フェムトBS7の認証を実行する(ステップS12)。尚、フェムトBS7は、AAAサーバ13に対して予め電子証明書を取得しているため、AAAサーバ13は、その電子証明書を使用してフェムトBS7を認証することになる。
AAAサーバ13は、フェムトBS7の認証が成功すると、フェムトBS7の設定情報(Configuration Information)をフェムトBS7に送信する(ステップS13)。尚、フェムトBS7は、認証が成功すると、AAAサーバ13以外の他のサーバからフェムトBS7の設定情報を取得することも可能である。
フェムトBS7は、設定情報を受信すると、基地局としての基本動作を開始することになる(ステップS14)。
尚、基地局としての基本動作は、前置信号(Preamble)、下りリンク(Down Link:以下、単にDLと称する)/上りリンク(Up Link:以下、単にULと称する)MAP情報(以下、単にDL/UL−MAPと称する)、下りチャネルディスクリプタ(Down Channel Discripter:以下、単にDCDと称する)/上りチャネルディスクリプタ(Up Channel Discripter:以下、単にUCDと称する)等の制御情報を、無線収容中のMS2に対して無線送信するものである。
次に、新規設置したフェムトBS7にMS2が新規接続を開始する場合、フェムトBS7は、MS2の接続を許可するか否かを判断するために、MS2の認証動作を実行することになる。
すなわち、MS2及びフェムトBS7は、レンジング(Ranging)プロセス(ステップS15)を通じて、送信パラメータ(周波数、タイミング及び送信電力)を調整し、SBC(SS Basic Capability)をネゴシエーションする(ステップS16)。
さらに、MS2は、個人鍵管理(Privacy Key Management:以下、単にPKMと称する)プロトコルを使用し、MS2を認証するための拡張認証プロトコル(Extensible Authentication Protocol:以下、単にEAPと称する)メッセージをフェムトBS7に送信する(ステップS17)。尚、PKMは、EAPメッセージをフェムトBS7及びMS2間で転送するために用いる。また、EAPメッセージには、MS2の認証を行うためのMS2の識別情報等を含んでいる。
フェムトBS7は、MS2の認証のためのEAPメッセージを受信すると、EAP転送(EAP−Transfer)プロトコルを使用して、MS2の識別情報の他に、自分のBSIDを含むEAPメッセージをフェムトGW12に転送する(ステップS18)。
フェムトGW12内部の認証部51は、RADIUSプロトコル等を使用してフェムトBS7から受信したEAPメッセージをAAAサーバ13に転送する。
AAAサーバ13は、フェムトBS7及びMS2の接続許可に関わる管理内容と、EAPメッセージに含まれるMS2の識別情報及びフェムトBS7のBSIDとに基づき、MS2とフェムトBS7との接続を許可しているか否かを確認する接続認証を実行し、その接続認証結果をフェムトGW12に送信する(ステップS19)。
フェムトGW12は、AAAサーバ13を通じてMS2とフェムトBS7との接続を許可している場合、EAP転送プロトコルを使用して、認証成功のEAPメッセージをフェムトBS7に転送する(ステップS20)。
フェムトBS7は、ステップS20にて認証成功のEAPメッセージ(EAP転送)を受信すると、認証成功のMS2を識別するMAC(Media Access Controll)アドレスをアクセスリスト(Access List)33に追加する(ステップS21)。
フェムトBS7は、認証成功のMS2をアクセスリスト33に追加すると、MS2の認証成功のEAPメッセージをMS2に送信する(ステップS22)。
フェムトBS7は、MS2の認証成功のEAPメッセージをMS2に送信すると、登録(Registration:REG)動作を実行し(ステップS23)、MS2との通信を開始することになる(ステップS24)。
また、フェムトGW12は、AAAサーバ13を通じてMS2の認証失敗のEAPメッセージを受信した場合、認証失敗をフェムトBS7経由でMS2に送信し、MS2に対して他のフェムトBS7又は他のBS3への再接続を促すことになる。
また、フェムトBS7は、MS2のMACアドレスがアクセスリスト33内にない場合、認証失敗をMS2に送信し、このMS2に対して他のフェムトBS7又は他のBS3への再接続を促すことになる。
尚、図6のシーケンスでは、新規設置したフェムトBS7にMS2が新規接続する場合を例に挙げて説明したが、例えばハンドオーバーに応じてMS2が移動先フェムトBS7に接続する場合、又はアイドルモード中のMS2がアクティブモードに復帰してフェムトBS7に接続する場合でも、MS2のMACアドレスがフェムトBS7内のアクセスリスト33に無ければ、ステップS17乃至ステップS20のMS2及びフェムトBS7間の接続認証を実行し、認証成功の場合は、MS2のMACアドレスをフェムトBS7内のアクセスリスト33に追加することになる。
次に、MS2がアクティブモードからアイドルモードに移行してフェムトBS7から離脱した後、このMS2がフェムトBS7から他のBS3へ移動した場合の動作について説明する。図7は、アイドルモード中のMS2によるフェムトBS7から他のBS3への呼出グループ間移動に伴う無線通信システム1内部の処理動作を示すシーケンスである。
図7に示すMS2は、アクティブモードからアイドルモードへ移行する際、離脱要求(DREG−REQ)メッセージをフェムトBS7に送信する(ステップS31)。
フェムトBS7は、離脱要求メッセージを受信すると、MS2がアイドルモードへ移行する準備段階として、アイドル移行要求(IM Entry State Change−Request)をフェムトGW12に送信する(ステップS32)。尚、アイドル移行要求は、MS2の情報(各種登録情報、セキュリティ情報やサービスフロー情報等)、MS2のPGID及び、送信元BS、すなわちフェムトBS7を特定するためのBSIDを含むものである。
フェムトGW12は、MS2に関する必要な情報としてPGID、フェムトGW12のPC部52を識別するPCID及び呼出周期等を管理しているため、アイドル移行要求を受信すると、PGID,PCID及び呼出周期等を含むアイドル移行要求応答(IM Entry State Change−Response)をフェムトBS7に送信する(ステップS33)。
フェムトBS7は、アイドル移行要求応答を受信すると、呼出周期を含む離脱コマンド(DERG−CMD)メッセージをMS2に送信する(ステップS34)。MS2は、離脱コマンドメッセージを受信すると、アイドルモードに移行することになる(ステップS35)。
さらに、フェムトBS7は、アイドルモード中のMS2が自分配下に存在する場合、アイドル移行要求応答に含む呼出周期に基づき、着信の有無を表す呼出通知(Paging Advertisement:PAG−ADV)メッセージをMS2に送信する(ステップS36)。
また、アイドルモード中のMS2がフェムトBS7配下から遠く離れたBS3、例えば#2のBS3に移動した場合(ステップS37)、MS2は、#2のBS3の呼出エリア内に存在するため、#2のBS3から得る呼出通知メッセージを受信することになる。
しかしながら、MS2は、#2のBS3で受信した呼出通知メッセージに含まれるPGIDと、フェムトBS7で受信した呼出通知メッセージに含むPGIDとが異なるため、自分がフェムトBS7から#2のBS3の呼出エリア内に移動したことを認識し、自己の位置登録更新動作を起動することになる。
MS2は、位置登録更新動作を起動すると、PCID及び位置登録更新フラグ(以下、単にLUフラグと称する)を含むレンジング要求(RNG−REQ)メッセージを#2のBS3に送信する(ステップS38)。尚、LUフラグは、レンジング要求メッセージが自己の位置登録を要求するメッセージであることを示すものである。
#2のBS3は、MS2からのレンジング要求メッセージを受信すると、MS2からのPCID、すなわちフェムトGW12のPC部52のPCIDに基づき、PGID及び、自分の#2のBS3を識別するBSIDを含む位置登録要求(LU Req)をASN−GW11経由(ステップS39)でフェムトGW12内部のPC部52に送信する(ステップS40)。
フェムトGW12内部のPC部52は、ASN−GW11経由で位置登録要求を受信すると、位置登録要求応答(LU Rsp)をASN−GW11経由(ステップS41)で#2のBS3に送信する(ステップS42)。
尚、位置登録要求応答には、ステップS38にてMS2から受信したレンジング要求メッセージの正当性を#2のBS3側でチェックするメッセージ認証コード(Cipher−based message authentication code:以下、単にCMACと称する)を計算するための鍵情報を含むものである。
#2のBS3は、位置登録要求応答を受信すると、位置登録要求応答に含まれるCMACの鍵情報に基づき、レンジング要求メッセージのCMACを計算し、計算結果のCMACと、レンジング要求メッセージに添付したCMACとを比較し、レンジング要求メッセージの正当性を確認する。
#2のBS3は、CMACの比較結果に基づき、MS2からのレンジング要求メッセージの正当性を確認すると、正当性確認を含むレンジング要求応答(RNG−RSP)メッセージをMS2に送信する(ステップS43)。
さらに、#2のBS3は、ステップS42の位置登録要求応答に対する位置登録確認(LU Confirm)を、ASN−GW11経由(ステップS44)でフェムトGW12内部のPC部52に送信する(ステップS45)。
フェムトGW12内部のPC部52は、ASN−GW11経由で#2のBS3からの位置登録確認を受信すると、ステップS40にて受信した位置登録要求に含まれた#2のBS3のBSIDやPGIDに基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新登録する(ステップS46)。
そして、フェムトGW12は、位置登録データベース62を更新すると、フェムトBS送信制御判定処理を実行する(ステップS47)。
尚、フェムトBS送信制御判定処理は、位置登録データベース62の内容に基づき、移動前判定部53にて位置登録更新のMS2が#2のBS3配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していたとする第1条件を満たし、かつ、第1接続有無判定部54にてフェムトBS7に接続可能な全MS2がフェムトBS7及び、フェムトBS7と同一のPGIDに属するBS3から離れている第2条件を満たし、さらには、アクティブ状態判定部55にてフェムトBS7がアクティブ状態であるとする第3条件を満たしているか否かを判定する。
フェムトGW12内部のコマンド制御部56は、フェムトBS送信制御判定処理を通じて、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対してアイドル状態、すなわち、制御情報の無線送信停止を指示すべく、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS48)。
フェムトBS7は、フェムトGW12からの送信停止コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を停止するアイドル状態に移行することになる(ステップS49)。その結果、フェムトBS7は、無駄な送信電力の浪費又は隣接セルへの与干渉を回避することができる。
さらに、フェムトBS7は、無線送信を停止するアイドル状態に移行すると、アイドル状態へ移行したことを示す確認応答(Ack)をフェムトGW12に送信する(ステップS50)。
フェムトGW12は、フェムトBS7からアイドル状態の確認応答を受信すると、フェムトBS7の状態情報をアイドル状態としてフェムトBS管理テーブル63内に更新することになる。
次に、アイドルモード中のMS2がフェムトBS7から他のBS3からフェムトBS7近傍のBS3、例えば#1のBS3に移動した場合の動作について説明する。図8は、アイドルモード中のMS2による他のBS3からフェムトBS7近傍のBS3への呼出グループ間移動に伴う無線通信システム1内部の処理動作を示すシーケンスである。
アイドルモード中のMS2は、例えば#2のBS3から#1のBS3配下に移動した場合、#1のBS3から受信した呼出通知メッセージに含むPGIDと#2のBS3から受信した呼出通知メッセージに含むPGIDとが異なるため、自分がフェムトBS7から#1のBS3の呼出エリア内に移動したことを認識し、自己の位置登録更新動作を起動することになる。
アイドルモード中のMS2は、位置登録更新動作を起動すると、PCID及びLUフラグを含むレンジング要求メッセージを#1のBS3に送信する(ステップS61)。
#1のBS3は、MS2からのレンジング要求メッセージを受信すると、レンジング要求メッセージに含むPCIDに基づき、PGID及び、自分の#1のBS3を識別するBSIDを含む位置登録要求をASN−GW11経由(ステップS62)でフェムトGW12内部のPC部52に送信する(ステップS63)。
フェムトGW12内部のPC部52は、ASN−GW11経由で位置登録要求を受信すると、レンジング要求メッセージの正当性を認証するCMACの鍵情報を含む位置登録要求応答をASN−GW11経由(ステップS64)で#1のBS3に送信する(ステップS65)。
#1のBS3は、位置登録要求応答を受信すると、位置登録要求応答に含まれるCMACの鍵情報に基づき、レンジング要求メッセージのCMACを計算し、計算結果のCMACと、レンジング要求メッセージに添付したCMACとを比較し、レンジング要求メッセージの正当性を確認する。
#1のBS3は、CMACの比較結果に基づき、MS2からのレンジング要求メッセージの正当性を確認すると、正当性確認を含むレンジング要求応答メッセージをMS2に送信すると共に(ステップS66)、位置登録要求に対する位置登録確認をASN−GW11経由(ステップS67)でフェムトGW12内部のPC部52に送信する(ステップS68)。
フェムトGW12内部のPC部52は、ASN−GW11経由で#1のBS3からの位置登録確認を受信すると、ステップS63にて受信した位置登録要求に含まれた#1のBS3のBSIDやPGIDに基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新登録する(ステップS69)。
そして、フェムトGW12は、位置登録データベース62を更新すると、フェムトBS送信制御判定処理を実行する(ステップS70)。
尚、フェムトBS送信制御判定処理は、位置登録データベース62の内容に基づき、移動前判定部53にて位置登録更新のMS2が#1のBS3配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していた第1条件を満たさず、すなわち第4条件を満たし、かつ、第2接続有無判定部57にて現在のMS2がフェムトBS7又はフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3配下にいる第5条件を満たし、さらには、アイドル状態判定部58にてフェムトBS7がアイドル状態である第6条件を満たしているか否かを判定する。
フェムトGW12内部のコマンド制御部56は、フェムトBS送信制御判定処理を通じて第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対してアクティブ状態、すなわち、制御情報の無線送信再開を指示すべく、送信再開コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS71)。
フェムトBS7は、フェムトGW12からの送信再開コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を再開するアクティブ状態に移行することになる(ステップS72)。その結果、フェムトBS7は、MS2に対する基地局としての基本動作を再開することになる。
さらに、フェムトBS7は、無線送信を再開するアクティブ状態に移行すると、アクティブ状態を示す確認応答をフェムトGW12に送信する(ステップS73)。
フェムトGW12は、フェムトBS7からアクティブ状態の確認応答を受信すると、フェムトBS7の状態情報をアクティブ状態としてフェムトBS管理テーブル63内に更新する。
次に、MS2からレンジング要求メッセージ(図7のステップS38及び図8のステップS61参照)を受信したBS3(フェムトBS7)の動作について説明する。図9は、レンジング要求受信処理に関わるBS3(フェムトBS7)内部の処理動作を示すフローチャートである。
図9においてBS3(フェムトBS7)は、MS2からのレンジング要求メッセージを受信すると(ステップS81)、アクセスリスト33内にレンジング要求メッセージのMS2のMACアドレスがあるか否かを判定する(ステップS82)。
BS3(フェムトBS7)は、アクセスリスト33内にMS2のMACアドレスがある場合(ステップS82肯定)、レンジング要求メッセージがCMAC付きであるか否かを判定する(ステップS83)。
また、CMAC付きのレンジング要求メッセージは、ハンドオーバーで隣接BS3から移動してきたMS2や、アイドルモードからアクティブモードへ復帰したMS2からのレンジング要求メッセージである。また、CMACなしのレンジング要求メッセージは、電源投入後の初期段階の開始プロセス等でMS2から送信されるメッセージである。
BS3(フェムトBS7)は、レンジング要求メッセージがCMAC付きの場合(ステップS83肯定)、CMACの正当性を確認するための鍵情報をフェムトGW12から取得し、この取得した鍵情報に基づきCMACを計算し、計算結果のCMACとレンジング要求メッセージに添付したCMACとを比較する(ステップS84)。
BS3(フェムトBS7)は、比較結果に基づき、CMACが合致したか否かを判定する(ステップS85)。
BS3(フェムトBS7)は、CMACが合致した場合(ステップS85肯定)、レンジング要求メッセージが正当性あるものと判断し、レンジング要求メッセージを送信したMS2との接続を許可し(ステップS86)、図9に示す処理動作を終了する。
また、BS3(フェムトBS7)は、アクセスリスト33内にMS2のMACアドレスがない場合(ステップS82否定)、又はレンジング要求メッセージがCMAC付きでない場合(ステップS83否定)、又はCMACが合致しなかった場合(ステップS85否定)、ステップS81にて受信したレンジング要求メッセージが正当性ないものと判断し、レンジング要求メッセージのMS2の認証を開始すべく、フェムトGW12及びAAAサーバ13を交えたフル認証を実行することで(ステップS87)、図9に示す処理動作を終了する。
尚、フル認証とは、MS2が、PKMプロトコルを使用して電子証明書を含むEAPメッセージをフェムトBS7及びフェムトGW12経由でAAAサーバ13に送信し、AAAサーバ13側でMS2を認証するEAP認証に相当するものである。
また、フェムトBS7及びフェムトGW12間は、EAP転送プロトコルを使用してEAPメッセージを転送し、フェムトBS7及びAAAサーバ13間は、RADIUS等の認証プロトコルを使用してEAPメッセージを転送するものである。
また、MS2のフル認証を実行する場合、BS3(フェムトBS7)は、EAP転送プロトコルを使用してフェムトGW12からAAAサーバ13側のMS2の認証結果を取得することになる。
図9に示すレンジング要求受信処理では、MS2からのレンジング要求メッセージを受信した場合、レンジング要求メッセージに関わるMS2のMACアドレスがアクセスリスト33内にあり、かつ、レンジング要求メッセージがCMAC付きで、さらに、レンジング要求メッセージのCMACが合致した場合、BS3(フェムトBS7)は、レンジング要求メッセージを発信したMS2との接続を許可するようにしたので、BS3(フェムトBS7)に対するMS2の不正接続を防止することができる。
また、レンジング要求受信処理では、レンジング要求メッセージに関わるMS2のMACアドレスがアクセスリスト33内にない場合、又はレンジング要求メッセージがCMAC付きでない場合、又はレンジング要求メッセージのCMACが合致しなかった場合、BS3(フェムトBS7)は、レンジング要求メッセージを送信したMS2のフル認証を実行するようにしたので、BS3(フェムトBS7)に対するMS2の不正接続を防止することができる。
次に、MS2のフル認証を実行し、EAP転送プロトコルを使用して、フェムトGW12からAAAサーバ13側のMS2の認証成功のEAPメッセージを受信した場合のフェムトBS7の動作について説明する。図10は、アクセスリスト追加処理に関わるフェムトBS7内部の処理動作を示すフローチャートである。
図10においてフェムトBS7は、EAP転送プロトコルを使用してAAAサーバ13からEAPメッセージをフェムトGW12経由で受信すると(ステップS91)、EAPメッセージに基づき、MS2の認証が成功したか否かを判定する(ステップS92)。
フェムトBS7は、MS2の認証が成功した場合(ステップS92肯定)、MS2のMACアドレスをアクセスリスト33に追加し(ステップS93)、図10に示す処理動作を終了する。
また、フェムトBS7は、MS2の認証が成功しなかった場合(ステップS92否定)、図10に示す処理動作を終了する。
フェムトBS7は、MS2のMACアドレスをアクセスリスト33に追加すると、EAP転送プロトコルで受信した認証成功又は認証失敗のEAPメッセージをMS2に転送する。
尚、アクセスリスト33に追加したMS2のMACアドレスは、一定時間経過後に自動的に削除、又はコマンドに応じて削除される場合があるものとする。
図10に示すアクセス追加処理では、フェムトGW12経由でEAP転送プロトコルによるEAPメッセージを受信し、MS2の認証が成功した場合、このMS2のMACアドレスをフェムトBS7内のアクセスリスト33に追加するようにしたので、フェムトBS7では、アクセスリスト33の内容に基づき接続可能なMS2を認識することができる。
次に、MS2の離脱要求メッセージを受信したフェムトBS7の動作について説明する。図11は、離脱要求受信処理に関わるフェムトBS7内部の処理動作を示すフローチャートである。
図11においてフェムトBS7は、MS2からの離脱要求メッセージを受信すると(ステップS101)、MS2のアイドル移行要求をフェムトGW12内のPC部52に送信する(ステップS102)。
尚、フェムトGW12は、アイドル移行要求を受信すると、アイドル移行要求に含まれたBSID及びMS2の情報を登録する。さらに、フェムトGW12は、自分のPC部52を識別するPCID及びアイドルモード用パラメータ(呼出周期等)を記憶すると共に、これらPCID及びアイドルモード用パラメータ(呼出周期等)をアイドル移行要求応答に格納し、このアイドル移行要求応答をフェムトBS7に送信する。
また、フェムトGW12は、アイドル移行要求応答をフェムトBS7に送信すると、システムタイマをセットし、システムタイマがタイムアップするまでに、MS2の位置登録更新の有無を監視する。
フェムトGW12は、システムタイマがタイムアップするまでに、MS2の位置登録更新がない場合、MS2の関連情報を削除することができる。尚、フェムトGW12内部のPC部52は、MS2の位置情報としてアイドルモード用パラメータ(呼出周期等)を位置登録データベース62に更新登録するものである。
フェムトBS7は、フェムトGW12からのアイドル移行要求応答を受信すると(ステップS103)、アイドル移行要求応答に含まれたアイドルモード用パラメータ(呼出周期等)を記憶すると共に(ステップS104)、このパラメータを含む離脱コマンドメッセージをMS2に送信し(ステップS105)、図11に示す処理動作を終了する。
その結果、MS2は、離脱コマンドメッセージに応じてアイドルモードに移行すると共に、離脱コマンドメッセージに含むアイドルモード用パラメータ(呼出周期等)を記憶する。
その後、MS2は、記憶中のアイドルモード用パラメータ(呼出周期等)に基づき、フェムトBS7から定期的に着信の有無を表す呼出通知メッセージを受信することになる。
図11に示すフェムトBS7側の離脱要求受信処理では、MS2からの離脱要求コマンドに応じて離脱コマンドメッセージをMS2に送信するようにしたので、MS2はアイドルモードに移行することができる。
また、離脱要求受信処理では、アイドルモード用パラメータ(呼出周期等)を含む離脱コマンドメッセージをMS2に送信するようにしたので、MS2では、アイドルモード中であっても、呼出周期に基づき、フェムトBS7からの着信有無を表す呼出通知メッセージを定期的に受信し、着信有無を認識することができる。
図12は、呼出通知送信処理に関わるフェムトBS7内部の処理動作を示すフローチャートである。
フェムトBS7は、アイドルモード用パラメータの呼出周期に到達したか否かを判定する(ステップS111)。
フェムトBS7は、呼出周期に到達した場合(ステップS111肯定)、呼出通知メッセージをMS2に送信し(ステップS112)、ステップS111に移行する。
また、フェムトBS7は、呼出周期に到達しなかった場合(ステップS111否定)、呼出周期に到達するまでステップS111の判定動作を継続する。
図12に示すフェムトBS7側の呼出通知送信処理では、アイドルモード中のMS2であっても、呼出周期に応じて呼出通知メッセージをMS2に送信するようにしたので、MS2は、着信有無を認識することができる。
次に、MS2からLUフラグを含むレンジング要求メッセージ(位置登録用レンジング要求メッセージ)を受信した場合のフェムトBS7(BS3)の動作について説明する。図13は、位置登録用レンジング要求受信処理に関わるフェムトBS7(BS3)内部の処理動作を示すフローチャートである。
MS2は、定期的、又は新たな呼出グループに属するBS3配下に移動した場合等で、自分の現在位置を位置登録すべく、位置登録更新動作を起動することになる。例えば定期的な位置登録更新は、MS2が保持する内部タイマがタイムアップした場合を起動タイミングとして、位置登録用のレンジング要求メッセージをBS3又はフェムトBS7に送信することになる。また、移動による位置登録更新は、受信する呼出通知メッセージのPGIDが変化した場合を起動タイミングとして、位置登録用のレンジング要求メッセージをBS3又はフェムトBS7に送信することになる。
MS2は、PCID及びLUフラグを含むレンジング要求メッセージ(位置登録用レンジング要求メッセージ)を移動先フェムトBS7(BS3)に送信したとする。尚、PCIDは、アイドルモード移行時又は直近の位置登録更新時に通知されたPCIDの内、最新のPCIDに相当するものである。
図13においてフェムトBS7(BS3)は、LUフラグを含むレンジング要求メッセージを受信すると(ステップS121)、レンジング要求メッセージに含まれたPCIDに基づき、ASN−GW11経由で、MS2からのPCID及び自分のBSIDを含む位置登録要求をフェムトGW12内部のPC部52に送信する(ステップS122)。
尚、フェムトGW12は、位置登録要求を受信すると、位置登録要求に含まれるMS2に関わるPGID及び直近のBSIDに基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新する。さらに、フェムトGW12は、位置登録要求応答をフェムトBS7(BS3)に送信すると共に、システムタイマをリセットする。尚、システムタイマのタイマ時間は、MS2で保持する内部タイマのタイマ時間よりも若干長く設定してある。
フェムトBS7(BS3)は、フェムトGW12からの位置登録要求応答を受信すると(ステップS123)、位置登録要求応答に含まれるCMACの鍵情報に基づき、レンジング要求メッセージのCMACを計算し、計算結果で得たCMACと、レンジング要求メッセージに添付したCMACとを比較し、ステップS121で受信したレンジング要求メッセージの正当性を確認する(ステップS124)。
フェムトBS7(BS3)は、MS2からのレンジング要求メッセージの正当性を確認した場合、正当性確認を含むレンジング要求応答メッセージをMS2に送信すると共に、位置登録要求に対する位置登録確認を、ASN−GW11経由でフェムトGW12に送信し(ステップS125)、図13に示す処理動作を終了する。
また、フェムトBS7(BS3)は、MS2からのレンジング要求メッセージの正当性を確認できなかった場合、ステップS125にて正当性確認不可を含むレンジング要求応答メッセージをMS2に送信し、図13に示す処理動作を終了する。
図13に示すフェムトBS7(BS3)側の位置登録用レンジング要求受信処理では、LUフラグを含むレンジング要求メッセージをMS2から受信し、レンジング要求メッセージのCMACに基づき、レンジング要求メッセージの正当性を確認した場合、レンジング要求応答メッセージをMS2に送信すると共に、位置登録確認をフェムトGW12に送信するようにしたので、MS2及びフェムトGW12に対して位置登録を通知することができる。
次に、フェムトGW12の送信停止処理について説明する。図14は、送信停止処理に関わるフェムトGW12内部の処理動作を示すフローチャートである。
フェムトGW12は、移動先のBS3(フェムトBS7)から位置登録要求を受信すると(ステップS131)、移動先のBS3(フェムトBS7)側でレンジング要求メッセージのCMACをチェックするための鍵情報を含む位置登録要求応答を移動先のBS3(フェムトBS7)に送信する(ステップS132)。
フェムトGW12は、位置登録要求応答を送信後、BS3(フェムトBS7)側がMS2からのレンジング要求メッセージの正当性を確認できたか否かを示す位置登録確認を受信すると(ステップS133)、位置登録確認に基づき、レンジング要求メッセージの正当性が確認できた場合、先に受信した位置登録要求に含まれるBSID及びPGIDに基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新する(ステップS134)。
フェムトGW12の移動前判定部53は、位置登録データベース62の内容に基づき、位置登録更新のMS2が移動先BS3配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していた第1条件を満たしているか否かを判定する(ステップS135)。
フェムトGW12の第1接続有無判定部54は、移動前判定部53にて第1条件を満たしている場合(ステップS135肯定)、フェムトBS7に接続可能な全MS2がフェムトBS7及びフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3から離れている第2条件を満たしているか否かを判定する(ステップS136)。
フェムトGW12のアクティブ状態判定部55は、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たしている場合(ステップS136肯定)、フェムトBS7がアクティブ状態である第3条件を満たしているか否かを判定する(ステップS137)。
フェムトGW12のコマンド制御部56は、アクティブ状態判定部55にて第3条件を満たしている場合(ステップS137肯定)、フェムトBS7に対してアイドル状態、すなわち、制御情報の無線送信停止を指示すべく、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS138)。
尚、フェムトBS7は、フェムトGW12からの送信停止コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を停止するアイドル状態に移行することになる。その結果、フェムトBS7は、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
フェムトGW12は、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信すると、フェムトBS7からアイドル状態に移行した確認応答の受信待ち状態となる(ステップS139)。
フェムトGW12は、アイドル状態の確認応答を受信すると(ステップS140)、フェムトBS7の状態情報をアイドル状態としてフェムトBS管理テーブル63に更新し(ステップS141)、図14に示す処理動作を終了する。
また、フェムトGW12は、移動前判定部53にて第1条件を満たさなかった場合(ステップS135否定)、又は第1接続有無判定部54にて第2条件を満たさなかった場合(ステップS136否定)、又はアクティブ状態判定部55にて第3条件を満たさなかった場合(ステップS137否定)、図14に示す処理動作を終了する。
図14に示すフェムトGW12側の送信停止処理では、MS2の位置登録確認を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信停止コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
次に、フェムトGW12から送信停止コマンドを受信したフェムトBS7の動作について説明する。図15は、送信停止コマンド受信処理に関わるフェムトBS7内部の処理動作を示すフローチャートである。
図15においてフェムトBS7は、フェムトGW12から送信停止コマンドを受信すると(ステップS151)、配下のMS2が存在するか否かを判定する(ステップS152)。
フェムトBS7は、配下のMS2が存在しない場合(ステップS152否定)、無線送信を停止するアイドル状態に移行し(ステップS153)、アイドル状態に移行したことを示す確認応答をフェムトGW12に送信する(ステップS154)。
フェムトBS7は、アイドル状態の確認応答をフェムトGW12に送信した場合、送信再開コマンドの受信待機状態のまま、図15に示す処理動作を終了する。
図15に示すフェムトBS7側の送信停止コマンド受信処理では、フェムトGW12からの送信停止コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を停止するアイドル状態に移行するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
次に、フェムトGW12の送信停止処理及び送信再開処理を含む送信制御処理について説明する。図16は、送信制御処理に関わるフェムトGW12内部の処理動作を示すフローチャートである。
図16においてフェムトGW12は、位置登録要求応答を送信後、移動先のBS3(フェムトBS7)側からMS2のレンジング要求メッセージの正当性を確認できたことを示す位置登録確認を受信すると(ステップS161)、位置登録確認に基づき、レンジング要求メッセージの正当性が確認できた場合、先に受信した位置登録要求に含まれるBSID及びPGIDに基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新する(ステップS162)。
フェムトGW12内の移動前判定部53は、位置登録データベース62の内容に基づき、位置登録更新のMS2が移動先BS3配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していた第1条件を満たしているか否かを判定する(ステップS163)。
フェムトGW12内の第1接続有無判定部54は、移動前判定部53にて第1条件を満たしている場合(ステップS163肯定)、フェムトBS7に接続可能な全MS2がフェムトBS7及びフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3から離れている第2条件を満たしているか否かを判定する(ステップS164)。
フェムトGW12内のアクティブ状態判定部55は、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たしている場合(ステップS164肯定)、フェムトBS7がアクティブ状態である第3条件を満たしているか否かを判定する(ステップS165)。
フェムトGW12内のコマンド制御部56は、アクティブ状態判定部55にて第3条件を満たしている場合(ステップS165肯定)、フェムトBS7に対してアイドル状態、すなわち、制御情報の無線送信停止を指示すべく、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS166)。
尚、フェムトBS7は、フェムトGW12からの送信停止コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を停止するアイドル状態に移行することになる。その結果、フェムトBS7は、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
フェムトGW12は、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信すると、フェムトBS7からフェムトBS7の状態を示す確認応答の受信待ち状態となる(ステップS167)。尚、フェムトBS7では、送信停止コマンドを受信すると、アクティブ状態からアイドル状態に移行することになるため、アイドル状態の確認応答をフェムトGW12に送信することになる。
フェムトGW12は、フェムトBS7の状態を示す確認応答を受信すると(ステップS168)、フェムトBS7の状態情報をフェムトBS管理テーブル63に更新し(ステップS169)、図16に示す処理動作を終了する。
また、フェムトGW12内の移動前判定部53は、位置登録データベース62の内容に基づき、位置登録更新のMS2が移動先BS3配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していた第1条件を満たさなかった場合(ステップS163否定)、第4条件を満たしたものと判断する。
また、フェムトGW12内の第2接続有無判定部57は、第4条件を満たした場合、現在のMS2がフェムトBS7又はフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3配下にいる第5条件を満たしたか否かを判定する(ステップS170)。
フェムトGW12内のアイドル状態判定部58は、第2接続有無判定部57にて第5条件を満たした場合(ステップS170肯定)、フェムトBS7がアイドル状態である第6条件を満たしているかを判定する(ステップS171)。
フェムトGW12内のコマンド制御部56は、アイドル状態判定部58にて第6条件を満たした場合(ステップS171肯定)、フェムトBS7に対してアクティブ状態、すなわち、制御情報の無線送信再開を指示すべく、送信再開コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS172)。
尚、フェムトBS7は、フェムトGW12からの送信再開コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を再開するアクティブ状態に移行することになる。その結果、フェムトBS7は、MS2に対する基地局としての基本動作を再開することになる。
フェムトGW12は、送信再開コマンドをフェムトBS7に送信すると、フェムトBS7から状態情報を示す確認応答の受信待ち状態となるべく、ステップS167に移行する。尚、フェムトBS7では、送信再開コマンドを受信すると、アイドル状態からアクティブ状態に移行することになるため、アクティブ状態の確認応答をフェムトGW12に送信すべく、ステップS167に移行する。
フェムトGW12は、ステップS168にてアクティブ状態の確認応答を受信すると、ステップS168にてフェムトBS7の状態情報をアクティブ状態としてフェムトBS管理テーブル63に更新し、図16に示す処理動作を終了する。
また、フェムトGW12は、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たさなかった場合(ステップS164否定)、又はアクティブ状態判定部55にて第3条件を満たさなかった場合(ステップS165否定)、又は第2接続有無判定部57にて第5条件を満たさなかった場合(ステップS170否定)、又はアイドル状態判定部58にて第6条件を満たさなかった場合(ステップS171否定)、図16に示す処理動作を終了する。
図16に示すフェムトGW12側の送信制御処理では、MS2の位置登録確認を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信停止コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
フェムトGW12側の送信制御処理では、MS2の位置登録確認を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信再開コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、制御情報の無線送信を再開することができる。
次に、フェムトGW12から送信再開コマンドを受信した場合のフェムトBS7の動作について説明する。図17は、送信再開コマンド受信処理に関わるフェムトBS7内部の処理動作を示すフローチャートである。
図17に示すフェムトBS7は、フェムトGW12からの送信再開コマンドを受信すると(ステップS181)、制御情報の無線送信を再開するアクティブ状態に移行し(ステップS182)、アクティブ状態を示す確認応答をフェムトGW12に送信する(ステップS183)。
フェムトBS7は、アクティブ状態の確認応答をフェムトGW12に送信した場合、送信停止コマンドの受信待機状態のまま、図17に示す処理動作を終了する。
図17に示すフェムトBS7側の送信再開コマンド受信処理では、フェムトGW12からの送信再開コマンドを受信すると、停止中の制御情報の無線送信を再開するアクティブ状態に移行するようにしたので、フェムトBS7側では、制御情報の無線送信を再開することができる。
実施例1では、MS2の位置登録確認を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信停止コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
実施例1では、MS2の位置登録確認を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信再開コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、制御情報の無線送信を再開することができる。
尚、上記実施例1においては、MS2に対するPC部52をフェムトGW12内部に設け、フェムトGW12内のPC部52は、MS2の最新の位置情報を常時取得することで、フェムトBS7のアクティブ/アイドル状態を管理できるようにしたが、常にフェムトGW12内部にPC部52を配置することはシステムの拡張性に欠ける。
そこで、PC部52をフェムトGW12以外のASN−GW11内部に備えた場合の無線通信システム1Aにつき、実施例2として以下に説明する。
図18は、実施例2のフェムトGW12A内部の概略構成を示すブロック図である。図19は、実施例2のASN−GW11A内部の概略構成を示すブロック図である。尚、実施例1の無線通信システム1と同一の構成については同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の構成については省略する。
図18に示すフェムトGW12A内部のフェムトGW側制御部45Aは、呼出コントローラ機能を備えたPC部52を備えることなく、認証部51、移動前判定部53、第1接続有無判定部54、アクティブ状態判定部55、コマンド制御部56、第2接続有無判定部57及びアイドル状態判定部58を備えている。
図19に示すASN−GW11Aは、BS3やフェムトGW12等のASN4の内部装置に接続する通信インタフェースを司る第3通信インタフェース71と、CSN6との通信インタフェースを司る第4通信インタフェース72と、様々な情報を記憶するASN−GW側記憶部73と、ASN−GW11A全体を制御するASN−GW側制御部74とを有している。
ASN−GW側制御部74内部には、呼出コントローラ機能を備えたPC部52Aを内蔵している。
また、AAAサーバ13は、フェムトBS7の新規設置契約時の情報に基づき、フェムトBS7との接続を許可したMS2に関わる識別情報と一緒に、MS2に接続するフェムトBS7のBSID及びASN−GW11AのPCIDのリストを管理している。
次に、実施例2の無線通信システム1Aの動作について説明する。図20は、フェムトBS7に対してMS2が新規接続を開始する場合の無線通信システム1A内部の処理動作を示すシーケンスである。
図20に示すMS2及びフェムトBS7は、レンジングプロセスを通じて(ステップS191)、送信パラメータ(周波数、タイミング及び送信電力)を調整し、SBCをネゴシエーションする(ステップS192)。
MS2は、PKMプロトコルを使用し、MS2を認証するためのEAPメッセージをフェムトBS7に送信する(ステップS193)。尚、EAPメッセージには、MS2の認証を行うためのMS2の識別情報等を含んでいる。
フェムトBS7は、MS2の認証のためのEAPメッセージを受信すると、EAP転送プロトコルを使用して、MS2の識別情報の他に、自分のBSIDを含むEAPメッセージをフェムトGW12Aに転送する(ステップS194)。
フェムトGW12A内部の認証部51は、RADIUSプロトコル等を使用してフェムトBS7から受信したEAPメッセージをAAAサーバ13に転送する。
AAAサーバ13は、フェムトBS7及びMS2の接続許可に関わる管理内容と、EAPメッセージに含まれるMS2の識別情報及びフェムトBS7のBSIDとに基づき、MS2とフェムトBS7との接続を許可しているか否かを確認する接続認証を実行し、その接続認証結果をフェムトGW12Aに送信する(ステップS195)。
フェムトGW12Aは、AAAサーバ13を通じてMS2とフェムトBS7との接続を許可している場合、EAP転送プロトコルを使用して、認証成功のEAPメッセージをフェムトBS7に転送する(ステップS196)。
フェムトBS7は、ステップS196にて認証成功のEAPメッセージ(EAP転送)を受信すると、認証成功のMS2のMACアドレスをアクセスリスト33に追加する(ステップS197)。
フェムトBS7は、認証成功のMS2のMACアドレスをアクセスリスト33に追加すると、MS2の認証成功のEAPメッセージをMS2に送信する(ステップS198)。
フェムトBS7は、MS2の認証成功のEAPメッセージをMS2に送信すると、登録動作を実行し(ステップS199)、MS2との通信を開始することになる(ステップS200)。
また、フェムトGW12Aは、AAAサーバ13を通じてMS2の認証失敗のEAPメッセージを受信した場合、認証失敗をフェムトBS7経由でMS2に送信し、MS2に対して他のフェムトBS7又は他のBS3への再接続を促すことになる。
また、フェムトBS7は、MS2のMACアドレスがアクセスリスト33内にない場合、認証失敗をMS2に送信し、このMS2に対して他のフェムトBS7又は他のBS3への再接続を促すことになる。
次に、MS2がフェムトBS7から他のBS3への呼出グループ間移動に伴うハンドオーバー後にアイドルモードに移行する場合の動作について説明する。図21は、フェムトBS7から他のBS3への呼出グループ間移動に伴うハンドオーバー後、アイドルモードに移行する際の無線通信システム1A内部の処理動作を示すシーケンスである。
図21に示すMS2は、フェムトBS7から移動先BS3へのハンドオーバー後(ステップS211)、アイドルモードに移行する場合、離脱要求メッセージを移動先BS3に送信する(ステップS212)。
移動先BS3は、離脱要求メッセージを受信すると、MS2がアイドルモードに移行する準備段階として、アイドル移行要求をASN−GW11A内のPC部52Aに送信する(ステップS213)。尚、アイドル移行要求は、送信元BS、すなわち移動先BSを特定するためのBSID、ASN−GW11A内部のPC部52を識別するPCID、MS2の情報(各種登録情報、セキュリティ情報、サービスフロー情報等)等を含むものである。
ASN−GW11A内部のPC部52Aは、MS2に関する必要な情報としてPGID、ASN−GW11A内部のPC部52Aを識別するPCID及び呼出周期等を管理しているため、アイドル移行要求を受信すると、アイドル移行要求をAAAサーバ13に送信する(ステップS214)。
AAAサーバ13は、ASN−GW11Aからのアイドル移行要求を受信すると、アイドル移行要求に含むMS2の情報に基づき、管理中のMS2に接続するフェムトBS7及びフェムトGW12Aに関わるMS関連情報を取得し、これらMS関連情報を含むアイドル移行要求応答をASN−GW11Aに送信する(ステップS215)。
ASN−GW11Aは、アイドル移行要求応答を受信すると、このアイドル移行要求応答を移動先BS3に送信する(ステップS216)。
移動先BS3は、ASN−GW11Aからアイドル移行要求応答を受信すると、MS2からの離脱要求メッセージに対する、呼出周期を含む離脱コマンドメッセージをMS2に送信する(ステップS217)。その結果、MS2は、離脱コマンドメッセージを受信すると、アイドルモードに移行することになる(ステップS218)。
また、ASN−GW11Aは、ステップS215にてAAAサーバ13からアイドル移行要求応答を受信すると、このアイドル移行要求応答で取得したMS2の情報からMS2が接続可能なフェムトBS7のフェムトGW12Aを特定する。
ASN−GW11Aは、フェムトBS7のフェムトGW12Aを特定すると、MS2の位置情報をフェムトGW12Aに送信する(ステップS219)。尚、MS2の位置情報は、MS2が存在する呼出グループのPGIDと、MS2が配下となる移動先BS3のBSIDとを含む。
また、フェムトGW12Aは、ASN−GW11Aからの位置情報を受信すると、MS2の位置情報に基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新し(ステップS220)、ステップS219の位置情報に対する確認応答をASN−GW11Aに送信する(ステップS220A)。
さらに、フェムトGW12Aは、ASN−GW11Aに対する確認応答を送信すると、位置登録データベース62の内容に基づき、フェムトBS送信制御判定処理を実行する(ステップS221)。
フェムトGW12A内部のコマンド制御部56は、フェムトBS送信制御判定処理を通じて、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対してアイドル状態、すなわち、制御情報の無線送信停止を指示すべく、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS222)。
フェムトBS7は、フェムトGW12Aからの送信停止コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を停止するアイドル状態に移行することになる(ステップS223)。その結果、フェムトBS7は、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
さらに、フェムトBS7は、無線送信を停止するアイドル状態に移行すると、アイドル状態を示す確認応答をフェムトGW12Aに送信する(ステップS224)。
フェムトGW12Aは、フェムトBS7からアイドル状態の確認応答を受信すると、フェムトBS7の状態情報をアイドル状態としてフェムトBS管理テーブル63内に更新する。
次に、アイドルモード中のMS2が他のBS3からフェムトBS7近傍のBS3へ呼出グループ間移動した場合の動作について説明する。図22は、他のBS3からフェムトBS7近傍のBS3へ呼出グループ間移動に伴う無線通信システム1A内部の処理動作を示すシーケンスである。
MS2が他のBS3からフェムトBS7近傍のBS3へ移動した場合、MS2は、自己の位置登録更新動作を起動することになる。
図22に示すMS2は、位置登録更新動作を起動すると、PCID及びLUフラグを含むレンジング要求メッセージ(位置登録用レンジング要求メッセージ)を移動先BS3に送信する(ステップS231)。
移動先BS3は、MS2からのレンジング要求メッセージを受信すると、レンジング要求メッセージに含むPCIDに基づき、PGID及び、自分を識別するBSIDを含む位置登録要求をASN−GW11Aに送信する(ステップS232)。
ASN−GW11A内部のPC部52Aは、移動先BS3からの位置登録要求を受信すると、移動先BS3側でMS2からのレンジング要求メッセージの正当性を認証するCMACの鍵情報を含むMS2に関わるMS関連情報(セキュリティ情報)を保有しているか否かを判定する。
また、ASN−GW11A内部のPC部52Aは、鍵情報を含むMS関連情報を保有していない場合、鍵情報の転送を要求するテキスト要求(Context−Req)をAAAサーバ13に送信する(ステップS233)。
AAAサーバ13は、テキスト要求を受信すると、MS2のレンジング要求メッセージの正当性を認証する鍵情報と一緒に、MS関連情報、すなわち、フェムトBS7及びフェムトGW12Aの情報を含むテキスト報告(Context−Rpt)をASN−GW11A内部のPC部52Aに送信する(ステップS234)。
ASN−GW11A内部のPC部52Aは、テキスト報告を受信すると、テキスト報告に含むCMACの鍵情報を位置登録要求応答に格納し、この位置登録要求応答を移動先BS3に送信する(ステップS235)。
移動先BS3は、位置登録要求応答を受信すると、位置登録要求応答に含まれるCMACの鍵情報に基づき、レンジング要求メッセージのCMACを計算し、計算結果のCMACと、レンジング要求メッセージに添付したCMACとを比較し、レンジング要求メッセージの正当性を確認する。
移動先BS3は、CMACの比較結果に基づき、MS2からのレンジング要求メッセージの正当性を確認すると、レンジング要求メッセージに応答する、正当性確認を含むレンジング要求応答をMS2に送信すると共に(ステップS236)、ステップS235の位置登録要求に対する位置登録確認をASN−GW11A内部のPC部52Aに送信する(ステップS237)。
ASN−GW11A内部のPC部52Aは、位置登録確認を受信すると、ステップS232にて先に受信した位置登録要求に含まれた移動先BS3のBSIDやPGIDに基づき、MS2の位置情報を更新登録する。
ASN−GW11Aは、ステップS232の位置登録要求で取得したMS2の情報からMS2が接続可能なフェムトBS7のフェムトGW12Aを特定する。
ASN−GW11Aは、フェムトBS7のフェムトGW12Aを特定すると、MS2の位置情報をフェムトGW12Aに送信する(ステップS238)。尚、MS2の位置情報は、MS2が存在するPGIDと、MS2が配下となる移動先BS3又は移動先フェムトBS7のBSIDとを含む。
フェムトGW12Aは、ASN−GW11Aからの位置情報を受信すると、MS2の位置情報に基づき、位置登録データベース62の内容を更新すると共に(ステップS239)、位置情報に対する確認応答をASN−GW11Aに送信する(ステップS240)。
そして、フェムトGW12Aは、ASN−GW11Aに対して確認応答を送信すると、位置登録データベース62の内容に基づき、フェムトBS送信制御判定処理を実行する(ステップS241)。
フェムトGW12Aは、フェムトBS送信制御判定処理を通じて、第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対してアクティブ状態、すなわち、制御情報の無線送信再開を指示すべく、送信再開コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS242)。
フェムトBS7は、フェムトGW12Aからの送信再開コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を再開するアクティブ状態に移行することになる(ステップS242A)。その結果、フェムトBS7は、MS2に対する基地局としての基本動作を再開することになる。
さらに、フェムトBS7は、無線送信を再開するアクティブ状態に移行すると、アクティブ状態を示す確認応答をフェムトGW12Aに送信する(ステップS243)。
フェムトGW12Aは、フェムトBS7からアクティブ状態の確認応答を受信すると、フェムトBS7のアクティブ状態を状態情報としてフェムトBS管理テーブル63内に更新する。
また、ASN−GW11A内部のPC部52Aは、ステップS232にてBS3から位置登録要求を受信すると、CMACの鍵情報を含むMS関連情報を保有している場合、ステップS235にてCMACの鍵情報を含む位置登録要求応答を移動先BS3に送信する。
次に、移動先BS3からアイドル移行要求を受信した場合のASN−GW11Aの動作について説明する。
MS2は、アイドルモードに移行する際、離脱要求メッセージを現在所属するBS3に送信する。BS3は、離脱要求メッセージを受信した場合、MS2のアイドル移行要求をASN−GW11A内のPC部52Aに送信することになる。尚、アイドル移行要求には、送信元BSを特定するためのBSID及びMS2の情報(各種登録情報、セキュリティ情報、サービスフロー情報等)等を含む。
図23は、アイドル移行要求受信処理に関わるASN−GW11A内部の処理動作を示すフローチャートである。
図23に示すASN−GW11Aは、移動先BS3からアイドル移行要求を受信すると(ステップS251)、アイドル移行要求のMS2に関わるMS関連情報を保有しているか否かを判定する(ステップS252)。尚、MS関連情報は、MS2に接続可能なフェムトBS7及びフェムトGW12Aの情報の他に、CMACの鍵情報を含んでいるものとする。
ASN−GW11Aは、MS2に関わるMS関連情報を保有している場合(ステップS252肯定)、MS関連情報内のCMACの鍵情報を含むアイドル移行要求応答を移動先BS3に送信する(ステップS253)。
ASN−GW11Aは、保有している、または、後述するアイドル移行要求応答で取得したMS関連情報からMS2が接続可能なフェムトBS7のフェムトGW12Aを特定する。
ASN−GW11Aは、フェムトBS7のフェムトGW12Aを特定すると、MS2の位置情報をフェムトGW12Aに送信する(ステップS254)。尚、MS2の位置情報は、MS2が存在するPGID及びBSIDを含む。
ASN−GW11Aは、位置情報に対するフェムトGW12Aからの確認応答を受信すると(ステップS255)、図23に示す処理動作を終了する。
また、ASN−GW11Aは、MS2に関わるMS関連情報を保有していない場合(ステップS252否定)、アイドル移行要求をAAAサーバ13に送信する(ステップS256)。
この結果、AAAサーバ13は、アイドル移行要求を受信すると、アイドル移行要求に含むMS2の情報に基づき、MS2に関わるMS関連情報を取得し、取得したMS関連情報を含むアイドル移行要求応答をASN−GW11Aに送信する。
ASN−GW11Aは、アイドル移行要求応答を受信すると(ステップS257)、このアイドル移行要求応答に含むMS2に関わるMS関連情報を取得し、このMS2に関わるMS関連情報を登録し(ステップS258)、アイドル移行要求応答をBS3に送信すべく、ステップS253に移行する。
図23に示すASN−GW11A側のアイドル移行要求受信処理では、移動先BS3からアイドル移行要求を受信すると、MS2に関わるMS関連情報を保有しているか否かを判定し、MS2に関わるMS関連情報を保有している場合、MS関連情報内のCMACの鍵情報を含むアイドル移行要求応答を移動先BS3に送信するようにしたので、ASN−GW11A側で、MS2のレンジング要求メッセージの正当性を確認するCMACの鍵情報を移動先BS3に提供することができる。
また、ASN−GW11A側のアイドル移行要求受信処理では、移動先BS3からアイドル移行要求を受信すると、MS2に関わるMS関連情報を保有しているか否かを判定し、MS2に関わるMS関連情報を保有していない場合、AAAサーバ13からMS関連情報を取得し、この取得したMS関連情報内のCMACの鍵情報を含むアイドル移行要求応答を移動先BS3に送信するようにしたので、ASN−GW11A側で、MS2のレンジング要求メッセージの正当性を確認するCMACの鍵情報を移動先BS3に提供することができる。
次に、ASN−GW11Aから位置情報を受信した場合のフェムトGW12Aの動作について説明する。図24は、位置情報受信に応じた送信停止処理に関わるフェムトGW12A内部の処理動作を示すフローチャートである。
図24に示すフェムトGW12Aは、ASN−GW11AからMS2の位置情報を受信すると(ステップS261)、位置情報に基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新すると共に(ステップS262)、位置情報に対する確認応答をASN−GW11Aに送信する(ステップS263)。
そして、フェムトGW12A内部の移動前判定部53は、位置登録データベース62の内容に基づき、位置登録更新のMS2が移動先BS3に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していた第1条件を満たしているか否かを判定する(ステップS264)。
フェムトGW12A内部の第1接続有無判定部54は、移動前判定部53にて第1条件を満たしている場合(ステップS264肯定)、フェムトBS7に接続可能な全MS2がフェムトBS7及びフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3から離れている第2条件を満たしているか否かを判定する(ステップS265)。
フェムトGW12A内部のアクティブ状態判定部55は、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たしている場合(ステップS265肯定)、フェムトBS7がアクティブ状態である第3条件を満たしているか否かを判定する(ステップS266)。
フェムトGW12A内部のコマンド制御部56は、アクティブ状態判定部55にて第3条件を満たしている場合(ステップS266肯定)、フェムトBS7に対してアイドル状態、すなわち、制御情報の無線送信停止を指示すべく、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS267)。
フェムトGW12Aは、フェムトBS7からの送信停止コマンドに対する確認応答、すなわち、アイドル状態の確認応答を受信すると(ステップS268)、フェムトBS7の状態情報をアイドル状態としてフェムトBS管理テーブル63に更新することになる。
また、フェムトGW12Aは、移動前判定部53にて第1条件を満たしていない場合(ステップS264否定)、又は第1接続有無判定部54にて第2条件を満たしていない場合(ステップS265否定)、又はアクティブ状態判定部55にて第3条件を満たしていない場合(ステップS266否定)、図24に示す処理動作を終了する。
図24に示すフェムトGW12A側の送信停止処理では、ASN−GW11A経由でMS2の位置情報を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信停止コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
また、MS2は、フェムトBS7近傍のBS3に移動した場合、PCID及びLUフラグを含むレンジング要求メッセージを移動先BS3に送信する。そして、移動先BS3は、MS2からのレンジング要求メッセージを受信すると、PGID及び、自分を識別するBSIDを含む位置登録要求をASN−GW11Aに送信することになる。
そこで、移動先BS3から位置登録要求を受信した場合のASN−GW11A内部の処理動作について説明する。図25は、位置登録要求受信処理に関わるASN−GW11A内部の処理動作を示すフローチャートである。
図25においてASN−GW11Aは、移動先BS3からMS2の位置登録要求を受信すると(ステップS271)、MS2に関わるMS関連情報を保有しているか否かを判定する(ステップS272)。
ASN−GW11Aは、MS2に関わるMS関連情報を保有している場合(ステップS272肯定)、位置登録要求に対する位置登録要求応答を移動先BS3に送信する(ステップS273)。
ASN−GW11Aは、移動先BS3から位置登録要求応答に対する位置登録確認を受信すると(ステップS274)、ステップS271にて先に受信した位置登録要求に含まれる移動先BS2のBSIDやPGIDに基づき、MS2の位置登録更新を実行することで(ステップS275)、図25に示す処理動作を終了する。
また、ASN−GW11Aは、ステップS272にてMS2に関わるMS関連情報を保有している場合、位置登録要求で取得したMS2の情報からMS2が接続可能なフェムトBS7のフェムトGW12を特定し、MS2の位置情報をフェムトGW12Aに送信する(ステップS276)。
さらに、ASN−GW11Aは、フェムトGW12Aからの位置情報に対する確認応答を受信すると(ステップS277)、図25に示す処理動作を終了する。
また、ASN−GW11Aは、MS2に関わるMS関連情報を保有していない場合(ステップS272否定)、MS2からのレンジング要求メッセージの正当性を確認するCMACの鍵情報の転送を要求するテキスト要求をAAAサーバ13に送信する(ステップS278)。
ASN−GW11Aは、MS2のMS関連情報を含むテキスト報告をAAAサーバ13から受信すると(ステップS279)、テキスト報告に含まれるMS関連情報を登録し(ステップS280)、レンジング要求メッセージの正当性を確認するCMACの鍵情報を含む位置登録要求応答を移動先BSに送信すべく、ステップS273に移行する。
図25に示すASN−GW11A側の位置登録要求受信処理では、移動先BS3からのMS2の位置登録要求を受信すると、MS関連情報を保有しているか否かを判定し、MS関連情報を保有している場合、MS関連情報内のCMACの鍵情報を含むアイドル移行要求応答を移動先BS3に送信するようにしたので、ASN−GW11A側で、MS2のレンジング要求メッセージの正当性を確認するCMACの鍵情報を移動先BS3に提供することができる。
また、ASN−GW11A側の位置登録要求受信処理では、移動先BS3から位置登録要求を受信すると、MS関連情報を保有しているか否かを判定し、MS関連情報を保有していない場合、AAAサーバ13からMS関連情報を取得し、この取得したMS関連情報内のCMACの鍵情報を含む位置登録要求応答を移動先BS3に送信するようにしたので、ASN−GW11A側で、MS2のレンジング要求メッセージの正当性を確認するCMACの鍵情報を移動先BS3に提供することができる。
次に、ASN−GW11Aから位置情報を受信した場合のフェムトGW12A内部の処理動作について説明する。図26は、位置情報受信に応じた送信制御処理に関わるフェムトGW12A内部の処理動作を示すフローチャートである。
図26においてフェムトGW12Aは、ASN−GW11Aから位置情報を受信すると(ステップS291)、位置情報に基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新する(ステップS292)。
フェムトGW12Aは、ASN−GW11Aからの位置情報に対する確認応答をASN−GW11に送信する(ステップS293)。
フェムトGW12A内部の移動前判定部53は、位置登録データベース62の内容に基づき、位置登録更新のMS2が移動先BS3に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していた第1条件を満たしているか否かを判定する(ステップS294)。
フェムトGW12A内部の第1接続有無判定部54は、移動前判定部53にて第1条件を満たしている場合(ステップS294肯定)、フェムトBS7に接続可能な全MS2がフェムトBS7及びフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3から離れている第2条件を満たしているか否かを判定する(ステップS295)。
フェムトGW12A内部のアクティブ状態判定部55は、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たしている場合(ステップS295肯定)、フェムトBS7がアクティブ状態である第3条件を満たしているか否かを判定する(ステップS296)。
フェムトGW12A内部のコマンド制御部56は、アクティブ状態判定部55にて第3条件を満たしている場合(ステップS296肯定)、フェムトBS7に対してアイドル状態、すなわち、制御情報の無線送信停止を指示すべく、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS297)。
フェムトBS7は、フェムトGW12Aからの送信停止コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を停止するアイドル状態に移行することになる。その結果、フェムトBS7は、MS2に対する基地局としての基本動作を停止することになる。
フェムトGW12Aは、フェムトBS7からのコマンドに対する確認応答を受信する(ステップS298)、例えば送信停止コマンドに対するアイドル状態を示す確認応答を受信すると、フェムトBS7の状態情報をアイドル状態としてフェムトBS管理テーブル63内を更新することになる。
また、フェムトGW12A内部の第2接続有無判定部57は、移動前判定部53にて第1条件を満たしていない場合(ステップS294否定)、位置登録更新のMS2が移動先BS3配下に移動する前にフェムトBS7及びフェムトBS7近傍のBS3配下に存在していなかった第4条件を満たしているものと判断し、現在のMS2がフェムトBS7又はフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3配下にいる第5条件を満たしているか否かを判定する(ステップS299)。
フェムトGW12A内部のアイドル状態判定部58は、第2接続有無判定部57にて第5条件を満たしている場合(ステップS299肯定)、フェムトBS7がアイドル状態である第6条件を満たしているかを判定する(ステップS300)。
フェムトGW12A内部のコマンド制御部56は、アイドル状態判定部58にて第6条件を満たしている場合(ステップS300肯定)、フェムトBS7に対してアクティブ状態、すなわち、制御情報の無線送信再開を指示すべく、送信再開コマンドをフェムトBS7に送信し(ステップS301)、ステップS298に移行する。
フェムトBS7は、フェムトGW12Aからの送信再開コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を再開するアクティブ状態に移行することになる。その結果、フェムトBS7は、MS2に対する基地局としての基本動作を再開することになる。
そして、フェムトGW12Aは、ステップS298にてフェムトBS7から送信再開コマンドに対するアクティブ状態を示す確認応答を受信すると、フェムトBS7の状態情報をアクティブ状態としてフェムトBS管理テーブル63内に更新することになる。
また、フェムトGW12Aは、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たしていない場合(ステップS295否定)、又はアクティブ状態判定部55にて第3条件を満たしていない場合(ステップS296否定)、又は第2接続有無判定部57にて第5条件を満たしていない場合(ステップS299否定)、又はアイドル状態判定部58にて第6条件を満たしていない場合(ステップS300否定)、図26に示す処理動作を終了する。
図26に示すフェムトGW12A側の送信制御処理では、ASN−GW11A経由でMS2の位置情報を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信停止コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接エリアへの与干渉を回避することができる。
フェムトGW12A側の送信制御処理では、ASN−GW11A経由でMS2の位置情報を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信再開コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、制御情報の無線送信を再開することができる。
実施例2では、ASN−GW11A内部にPC部52Aを配置したとしても、ASN−GW11A経由でMS2の位置情報を受信すると、位置情報に基づき位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信停止コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接エリアへの与干渉を回避することができる。
実施例2では、ASN−GW11A経由でMS2の位置情報を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信再開コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、制御情報の無線送信を再開することができる。
尚、上記実施例2においては、ASN−GW11AがMS関連情報、例えばMS2に関わるフェムトGW12A及びフェムトBS7に関わる情報をAAAサーバ13に要求してAAAサーバ13からMS関連情報を取得するようにした。これに対して、例えばMS関連情報をMS2自体に保有しておき、MS関連情報をレンジング要求メッセージに含めてBS3及びASN−GW11Aに送信するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、上記実施例2においては、フェムトGW12AがフェムトBS7の近傍BSを近傍BSリスト管理テーブル61内に保持しておき、フェムトGW12AがASN−GW11AからMS2の位置情報を取得し、フェムトGW12A自体が、近傍BS及び位置情報に基づき、フェムトBS送信制御判定処理を実行するようにした。これに対して、例えばASN−GW11AがフェムトGW12Aに保持中のフェムトBS7の近傍BSを取得し、ASN−GW11A自体が、このフェムトBS7の近傍BS及びMS2の位置情報に基づき、フェムトBS送信制御判定処理を実行するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
尚、上記実施例1及び2においては、アイドルモード中のMS2を監視対象とし、フェムトBS7のアクティブ状態/アイドル状態を制御する実施形態につき説明した。
次に、MS2がフェムトBS7経由で通信中にフェムトBS7から他のBS2に移動するハンドオーバー時の実施態様につき、実施例3として以下に説明する。
尚、実施例1の無線通信システム1と同一の構成については同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図27は、フェムトBS7から他のBS3へのハンドオーバーに伴う無線通信システム1B内部の処理動作を示すシーケンスである。
MS2は、フェムトBS7からの無線信号の受信品質が一定閾値を下回った場合、フェムトBS7から受信品質が良好な他のBS3に接続を切り替えるハンドーバー(以下、単にHOと称する)を起動する。
MS2は、HO起動を検出すると、MSHO要求(MOB MSHO−REQ)メッセージをフェムトBS7に送信する(ステップS311)。尚、MS2は、定期的に、接続先のBS3やフェムトBS7(ターゲットBS)を検出するために、MS2近傍のフェムトBS7やBS3に対して無線信号の受信品質を予め測定すべく、無線スキャン動作を実行している。
また、MSHO要求メッセージには、ターゲットBSを示すBSIDを含むものである。
フェムトBS7は、MS2からのMSHO要求メッセージを受信すると、MSHO要求メッセージに含む接続先BS3のBSIDに基づき、接続先BS3のリソースの空き状態等を確認するHO要求(HO−Req)をフェムトGW12(ステップS312)及びASN−GW11(ステップS313)経由で接続先BS3に送信する(ステップS314)。
接続先BS3は、HO要求を受信すると、MS2のコネクションの通信品質(Quality of Service:以下、単にQoSと称する)を保証するための帯域有無等を判断し、その判断結果を含めたHO要求応答(HO−Rsp)をASN−GW11(ステップS315)及びフェムトGW12(ステップS316)経由でフェムトBS7に送信する(ステップS317)。
フェムトBS7は、HO要求応答を受信すると、HO要求応答に含まれる情報を含むMSHO要求応答(MOB BSHO−RSP)メッセージをMS2に送信する(ステップS318)。
また、フェムトBS7は、ステップS317のHO要求応答に対するHO確認応答(HO−Ack)をフェムトGW12(ステップS319)及びASN−GW11(ステップS320)経由でBS3に送信する(ステップS321)。
また、MS2は、ステップS318のMSHO要求応答メッセージを受信した場合、接続先BS3へのHO実行を確定し、新しい接続先BS3のBSIDを含むMSHO実行指示(MOB HO−IND)メッセージをフェムトBS7に送信する(ステップS322)。
フェムトBS7は、MSHO実行指示メッセージを受信すると、MS2がHOを開始するHO確認通知(HO−Cnf(Confirm))をフェムトGW12(ステップS323)及びASN−GW11(ステップS324)経由で新しい接続先BS3に送信する(ステップS325)。
さらに、フェムトGW12は、ステップS323のフェムトBS7からのHO確認通知を受信すると、HO確認通知に基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新し(ステップS326)、位置登録データベース62の内容に基づき、フェムトBS送信制御判定処理を実行する(ステップS327)。
フェムトGW12は、フェムトBS送信制御判定処理を通じて、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対してアイドル状態、すなわち、制御情報の無線送信停止を指示すべく、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS328)。
尚、第1接続有無判定部54にてフェムトBS7に接続可能な全MS2がフェムトBS7及びフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3から離れている第2条件を満たしているか否かの判断は、フェムトGW12がフェムトBS7との間に設定するMS通信用の全コネクションが他のBS3に切り替わったか否か、すなわちコネクションの有無に基づき判断するようにしても良い。
フェムトBS7は、ステップS328にてフェムトGW12からの送信停止コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を停止するアイドル状態に移行することになる(ステップS329)。その結果、フェムトBS7は、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
さらに、フェムトBS7は、ステップS329にて無線送信を停止するアイドル状態に移行すると、アイドル状態を示す確認応答をフェムトGW12に送信する(ステップS330)。この結果、フェムトGW12は、アイドル状態の確認応答を受信すると、フェムトBS7の状態情報をアイドル状態としてフェムトBS管理テーブル63に更新することになる。
さらに、移動先BS3は、ステップS325にてフェムトGW12及びASN−GW11経由でフェムトBS7からのHO確認通知を受信すると、HO確認通知に対するHO確認応答をASN−GW11(ステップS331)及びフェムトGW12(ステップS332)経由でフェムトBS7に送信する(ステップS333)。
そして、MS2は、フェムトBS7から移動先BS3へ完全移動したことで(ステップS334)、移動先BS3に収容接続することになる。
尚、フェムトGW12では、MS通信用のコネクションの有無に基づき、フェムトBS7配下のMS2の不在を検知する方法について説明したが、例えばフェムトBS7自身がコネクションの有無を検知し、このコネクション有無に基づき、自律的にアイドル状態へ移行、又はフェムトGW12に対してアイドル状態への移行を要求するようにしても良いことは言うまでもない。
図28は、他のBS3からフェムトBS7への呼出グループ間移動に関わるハンドオーバーに伴う無線通信システム1B内部の処理動作を示すシーケンスである。
MS2は、BS3からの無線信号の受信品質が一定閾値を下回った場合、BS3から受信品質が良好なフェムトBS7に接続を切り替えるHOを起動する。
MS2は、HO起動を検出すると、MSHO要求メッセージをBS3に送信する(ステップS341)。
BS3は、MS2からのMSHO要求メッセージを受信すると、MSHO要求メッセージに含む接続先フェムトBS7のBSIDに基づき、接続先フェムトBS7のリソースの空き状態等を確認するHO要求をASN−GW11(ステップS342)及びフェムトGW12(ステップS343)経由で接続先フェムトBS7に送信する(ステップS344)。
フェムトBS7は、HO要求を受信すると、MS2のコネクションのQoSを保証するための帯域有無等を判断し、その判断結果を含めたHO要求応答をフェムトGW12(ステップS345)及びASN−GW11(ステップS346)経由でBS3に送信する(ステップS347)。
BS3は、HO要求応答を受信すると、HO要求応答に含まれる情報を含むMSHO要求応答メッセージをMS2に送信すると共に(ステップS348)、HO要求応答に対するHO確認応答をASN−GW11(ステップS349)及びフェムトGW12(ステップS350)経由でフェムトBS7に送信する(ステップS351)。
また、MS2は、ステップS348にてBS3からMSHO要求応答メッセージを受信した場合、接続先フェムトBS7へのHO実行を確定し、新しい接続先フェムトBS7のBSIDを含むMSHO実行指示メッセージをBS3に送信する(ステップS352)。
BS3は、MSHO実行指示メッセージを受信すると、MS2がHOを開始するHO確認通知をASN−GW11(ステップS353)及びフェムトGW12(ステップS354)経由で新しい接続先フェムトBS7に送信する(ステップS355)。
また、フェムトGW12は、ステップS354にてBS3からのHO確認通知を受信すると、HO確認通知に基づき、MS2の位置情報を位置登録データベース62に更新し(ステップS356)、フェムトBS送信制御判定処理を実行する(ステップS357)。
フェムトGW12は、フェムトBS送信制御判定処理を通じて、第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対してアクティブ状態、すなわち、制御情報の無線送信再開を指示すべく、送信再開コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS358)。
フェムトBS7は、フェムトGW12からの送信再開コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を再開するアクティブ状態に移行することになる(ステップS359)。その結果、フェムトBS7は、無線送信を再開することができる。
さらに、フェムトBS7は、無線送信を再開するアクティブ状態に移行すると、アクティブ状態を示す確認応答をフェムトGW12に送信する(ステップS360)。
フェムトGW12は、フェムトBS7からアクティブ状態の確認応答を受信すると、フェムトBS7の状態情報をアクティブ状態としてフェムトBS管理テーブル63内に更新することになる。
さらに、フェムトBS7は、フェムトGW12(ステップS361)及びASN−GW11(ステップS362)経由で、HO確認通知に対するHO確認応答をBS3に送信する(ステップS363)。
尚、図28では、BS3からフェムトBS7へのハンドオーバー時に、フェムトBS7の状態をアイドル状態からアクティブ状態に移行するシーケンスについて説明したが、MS2が他のBS3の無線信号の受信品質を測定するスキャン測定時に、フェムトBS7の状態をアイドル状態からアクティブ状態に移行させるようにしても良いことは言うまでもない。
また、図27及び図28に示すように、MS2のHO起動に応じてHO確認通知を受信した場合のフェムトGW12側の送信制御処理について説明する。図29は、HO確認通知受信に応じた送信制御処理に関わるフェムトGW12内部の処理動作を示すフローチャートである。
図29においてフェムトGW12は、ASN−GW11又はフェムトBS7からHO確認通知を受信する(ステップS371)。フェムトGW12は、ステップS371にてフェムトBS7からのHO確認通知を受信した場合、HO確認通知をASN−GW11経由でBS3に転送する(ステップS372)。
また、フェムトGW12は、ステップS371にてASN−GW11からHO確認通知を受信した場合、ステップS372にてHO確認通知をフェムトBS7に転送する。
フェムトGW12内部の移動前判定部53は、HO確認通知を転送すると、管理するMS2のコネクション情報に基づき、HOのMS2が移動先BS3配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS配下に存在していた第1条件を満たしているか否かを判定する(ステップS373)。
フェムトGW12内部の第1接続有無判定部54は、移動前判定部53にて第1条件を満たしている場合(ステップS373肯定)、フェムトBS7に接続可能な全MS2がフェムトBS7及びフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3から離れている第2条件を満たしているか否かを判定する(ステップS374)。
フェムトGW12内部のアクティブ状態判定部55は、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たしている場合(ステップS374肯定)、フェムトBS7がアクティブ状態である第3条件を満たしているか否かを判定する(ステップS375)。
フェムトGW12内部のコマンド制御部56は、アクティブ状態判定部55にて第3条件を満たしている場合、フェムトBS7に対してアイドル状態、すなわち、制御情報の無線送信停止を指示すべく、送信停止コマンドをフェムトBS7に送信する(ステップS376)。
フェムトBS7は、フェムトGW12からの送信停止コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を停止するアイドル状態に移行することになる。その結果、フェムトBS7は、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
さらに、フェムトGW12は、フェムトBS7からのコマンドに対する確認応答、例えば送信停止コマンドに対するアイドル状態の確認応答を受信すると(ステップS377)、フェムトBS7の状態情報をアイドル状態としてフェムトBS管理テーブル63内を更新し、図29に示す処理動作を終了する。
また、フェムトGW12内部の第2接続有無判定部57は、移動前判定部53にて第1条件を満たしていない場合(ステップS373否定)、位置登録更新のMS2が移動先BS3配下に移動する前にフェムトBS7又はフェムトBS7近傍のBS3配下に存在しなかった第4条件を満たしたものと判断し、現在のMS2がフェムトBS7又はフェムトBS7と同一PGIDに属するBS3に存在する第5条件を満たしているか否かを判定する(ステップS378)。
フェムトGW12内部のアイドル状態判定部58は、第5条件を満たしている場合(ステップS378肯定)、フェムトBS7がアイドル状態である第6条件を満たしているか否かを判定する(ステップS379)。
フェムトGW12内部のコマンド制御部56は、アイドル状態判定部58にて第6条件を満たしている場合(ステップS379肯定)、フェムトBS7に対してアクティブ状態、すなわち、制御情報の無線送信再開を指示すべく、送信再開コマンドをフェムトBS7に送信し(ステップS380)、ステップS377に移行する。
フェムトBS7は、フェムトGW12からの送信再開コマンドを受信すると、制御情報の無線送信を再開するアクティブ状態に移行することになる。その結果、フェムトBS7は、MS2に対する基地局としての基本動作を再開することになる。
そして、フェムトGW12は、ステップS380にて送信再開コマンドに対するアクティブ状態の確認応答を受信すると、フェムトBS7の状態情報をアクティブ状態としてフェムトBS管理テーブル63内に更新することになる。
また、フェムトGW12は、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たしていない場合(ステップS374否定)、又はアクティブ状態判定部55にて第3条件を満たしていない場合(ステップS375否定)、又は第2接続有無判定部57にて第5条件を満たしていない場合(ステップS378否定)、又はアイドル状態判定部58にて第6条件を満たしていない場合(ステップS379否定)、図29に示す処理動作を終了する。
図29に示すフェムトGW12側の送信制御処理では、MS2のHO確認通知を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信停止コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
フェムトGW12側の送信制御処理では、MS2のHO確認通知を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信再開コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、制御情報の無線送信を再開することができる。
実施例3では、MS2のハンドオーバー時にMS2のHO確認通知を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第1条件、第2条件及び第3条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信停止コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、無駄な送信電力の浪費や隣接セルへの与干渉を回避することができる。
実施例3では、MS2のハンドオーバー時にMS2のHO確認通知を受信すると、位置登録データベース62の内容を更新し、位置登録データベース62の内容に基づき、第4条件、第5条件及び第6条件を満たした場合、フェムトBS7に対して送信再開コマンドを送信するようにしたので、フェムトBS7側では、制御情報の無線送信を再開することができる。
尚、上記実施例1乃至3では、移動前判定部53にて第1条件を満たし、かつ、第1接続有無判定部54にて第2条件を満たし、かつ、アクティブ状態判定部55にて第3条件を満たした場合にフェムトBS7に送信停止コマンドを送信するようにしたが、第1条件及び第3条件を満たさなくても、第2条件を満たした場合、送信停止コマンドを送信するようにしても良い。また、送信停止コマンドを受信したフェムトBS7は、送信再開コマンドを受信するまで、完全に制御情報の無線送信を止めるのではなく、間欠的に制御情報の無線送信するようにしても良い。
また、上記実施例1乃至3では、移動前判定部53にて第4条件を満たし、かつ、第2接続有無判定部57にて第5条件を満たし、かつ、アイドル状態判定部58にて第6条件を満たした場合にフェムトBS7に送信再開コマンドを送信するようにしたが、第4条件及び第6条件を満たさなくても、第5条件を満たした場合、送信再開コマンドを送信するようにしても良い。
以上、本発明の実施例について説明したが、本実施例によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施例が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上、又は同CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。