JP5082228B2 - 固体電解質及びこれを用いた表示素子 - Google Patents
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Description
2.前記銀塩常温溶融塩が、銀塩と下記一般式(I)または(II)で表される化合物から形成されることを特徴とする前記1に記載の固体電解質。
一般式(II)
R 2 −S−R 3
〔式中、R 2 、R 3 は各々置換または無置換の炭化水素基を表す。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。〕
3.ハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、銀または銀を化学構造中に含む化合物における銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする前記1または2に記載の固体電解質。
式(1)
0≦[X]/[Ag]≦0.01
5.対向電極の間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質が前記1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質であることを特徴とする表示素子。
本発明の固体電解質は、銀塩常温溶融塩、フィラー粒子及び光重合性組成物より形成されることを特徴とする。固体電解質中の好ましい体積含有率は、表面のベタツキと強度の観点から、銀塩常温溶融塩が30%以上、75%以下、フィラー粒子が15%以上、40%以下、光重合性組成物が15%以上、35%以下であることが好ましい。
の詳細について説明する。
本発明に係る常温溶融塩とは、イオン性液体とも称され、カチオン及びアニオンのイオンを含む液体で、融点が25℃以下、好ましくは0℃以下、更に好ましくは−10℃以下の溶融塩の総称である。
II−2:HOCH2CH2SCH2CH2OH
II−3:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
II−4:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
II−5:HOCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2OH
II−6:HOCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OH
II−7:H3CSCH2CH2COOH
II−8:HOOCCH2SCH2COOH
II−9:HOOCCH2CH2SCH2CH2COOH
II−10:HOOCCH2SCH2CH2SCH2COOH
II−11:HOOCCH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2COOH
II−12:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
II−13:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
II−14:H3CSCH2CH2CH2NH2
II−15:H2NCH2CH2SCH2CH2NH2
II−16:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
II−17:H3CSCH2CH2CH(NH2)COOH
II−18:H2NCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2
NH2
II−19:H2NCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2
NH2
II−20:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2
NH2
II−21:HOOC(NH2)CHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH(NH2)COOH
II−22:HOOC(NH2)CHCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH(NH2)COOH
II−23:HOOC(NH2)CHCH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH(NH2)COOH
II−24:H2N(=O)CCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2C(=O)NH2
II−25:H2N(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(O=)NH2
II−26:H2NHN(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(=O)NHNH2
II−27:H3C(O=)NHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(O=)CH3
II−28:H2NO2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SO2NH2
II−29:NaO3SCH2CH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH2SO3Na
II−30:H3CSO2NHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHO2SCH3
II−31:H2N(NH)CSCH2CH2SC(NH)NH2・2HBr
II−32:H2(NH)CSCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SC(NH)NH2・2HCl
II−33:H2N(NH)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(NH)NH2・2HBr
II−34:〔(CH3)3NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2N(CH3)3〕2+・2Cl-
本発明の固体電解質に用いられるフィラー粒子としては、固体電解質に含まれる化合物と混合しない粒子であればいかなる粒子であってもよく、以下を挙げることができる。
本発明に係る光重合性組成物とは、重合性基を有する光重合性化合物、光重合開始剤、分光増感剤、可塑剤、界面活性剤、光感度向上剤等の総称であり、光重合性組成物の中には少なくとも光重合性化合物、光重合開始剤、分光増感剤を含むことが好ましい。
本発明の固体電解質においては、固体電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、固体電解質に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい。
0≦[X]/[Ag]≦0.01
本発明でいうハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のことをいう。[X]/[Ag]が0.01よりも大きい場合は、銀の酸化還元反応時に、X-→X2が生じ、X2は黒化銀と容易にクロス酸化して黒化銀を溶解させ、メモリー性を低下させる要因の1つになるので、ハロゲン原子のモル濃度は銀のモル濃度に対してできるだけ低い方が好ましい。本発明においては、0≦[X]/[Ag]≦0.001がより好ましい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観点から、各ハロゲン種モル濃度総和が[I]<[Br]<[Cl]<[F]であることが好ましい。
本発明の表示素子は、対向電極間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質を有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極の駆動操作を行うED方式の表示素子であって、電解質が本発明の固体電解質を含むことを特徴とする。
本発明に係る銀または銀を化学構造中に含む化合物とは、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
図1は、本発明の表示素子の基本的な構成を示す概略断面図である。
本発明の表示素子においては、本発明に係る銀常温溶融塩を含む固体電解質が、白色散乱物を含有していることが好ましい。
本発明の表示素子においては、電解質に増粘剤を用いることができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
〔層構成〕
本発明の表示素子の対向電極間の構成層について、更に説明する。
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
本発明の表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。金属電極は、電解質中の銀の酸化還元電位に近い仕事関数を有する金属が好ましく、中でも銀または銀含有率80%以上の銀電極が、銀の還元状態維持の為に有利であり、また電極汚れ防止にも優れる。電極の作製方法は、蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニールピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
本発明の表示素子においては、析出過電圧以上の電圧印加で黒化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させる駆動操作を行なうことが好ましい。この駆動操作を行なうことにより、書き込みエネルギーの低下や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のように黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できるということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が行なえると推定される。
本発明の表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェーカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
《固体電解質の作製》
〔固体電解質1の作製〕
臭化銀と例示化合物(I−4)をモル比で1:3の割合で混合し、150℃で1時間加熱して粉体が残存せず溶融状態になったことを確認した後、25℃まで徐冷したところ、室温においても溶融状態である銀塩常温溶融塩1を形成した。この銀塩常温溶融塩1、二酸化チタン(平均粒子径0.27μm)、下式(1)のポリビニルアルコールの体積比が、それぞれ68%、10%、22%となるように混合した水溶液(下記一般式(I)のポリビニルアルコールの質量比が水に対して5%)を調製し、超音波分散法にて二酸化チタンを分散した後、この水溶液をITO膜を設置したポリエチレンテレフタレート(ITO−PET)上に80μmの厚みで塗布し、60℃15分間真空乾燥し、次いで5mW/cm2で30秒光照射を行なって固化して、固体電解質1を得た。
上記固体電解質1の作製において、臭化銀を塩化銀に変更し、更に例示化合物(I−4)を例示化合物(I−19)に変更した以外は同様にして、固体電解質2を作製した。
上記固体電解質1の作製において、臭化銀をp−トルエンスルホン酸銀に変更し、更に例示化合物(I−4)を例示化合物(II−3)に変更した以外は同様にして、固体電解質3を作製した。
上記固体電解質1の作製において、臭化銀をp−トルエンスルホン酸銀に変更し、更に例示化合物(I−4)を例示化合物(II−4)に変更した以外は同様にして、固体電解質4を作製した。
上記固体電解質4の作製において、プロピレンカーボネートを銀塩常温溶融塩に対して30%添加した以外は同様にして、固体電解質5を作製した。
上記固体電解質4の作製において、式(1)のポリビニルアルコールを、ペンタエリスリトールテトラアクリレートを25部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを75部、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネートを0.2部、Irgacure261(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)の割合で混合溶解させた光重合性組成物に変更した以外は同様にして、固体電解質6を作製した。
上記固体電解質4の作製において、式(1)のポリビニルアルコールを、平均分子量が10万のポリエチレングリコールとこれに対して3質量%の割合で過酸化物を添加した光重合性組成物に変更した以外は同様にして、固体電解質7を作製した。
上記作製した固体電解質1〜7のそれぞれについて、固体電解質表面側からITOが重なるようにITO−PETを押し付け、80℃で加熱押圧し、ITO−PET/固体電解質/ITO−PET膜を形成した。ITO両極から1.5V直流印加を行なった際の電流値を計測したところ、2mA〜20mA/cm2の電流が観測され、本発明の固体電解質膜が電解質として機能することを確認した。また、重ねあわせた端部からの液漏れは観察されなかった。
〔表示素子1の作製〕
(電解液1の調製)
ジメチルスルホキシド2.5g中に、ヨウ化カリウム210mg、ヨウ化銀300mgを加えて完全に溶解させた後に、酸化チタン(平均一次粒径0.34μm)を0.5g加えて超音波分散装置にて分散し、ポリビニルピロリドン(平均分子量15000)を150mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解液1を得た。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO膜を公知の方法に従って形成し、透明電極(電極1)を得た。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板に、公知の方法を用いて、電極厚み0.2μm、ピッチ145μm、電極間隔130μmの銀電極(電極2)を得た。
電極1と電極2の間を、30μmのスペーサーを介して、電極面がお互い向き合うように挟み込み、パターン電極周辺を一部封入口を除いてエポキシ系シール剤でシールして、空セルを作製した。この空セルに真空注入法により上記電解液1を注入し、その後封入口をシールして、表示素子1を作製した。
透明電極1上に前記固体電解質1を形成し、次にこの固体電解質1上に金属電極2を、固体電解質を挟んで互いに電極が向かい合うように重ねた後、85℃にて加熱押圧して接着し表示素子2を作製した。
上記表示素子2の作製において、固体電解質1をそれぞれ固体電解質2〜7に変更した以外は同様にして、表示素子3〜8を作製した。
作製した各表示素子に対して、±1.5の電圧を印加し、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dの550nmの反射率が半減する印加時間(半減時間1)を求めた。さらに、表示素子を80℃、相対湿度45%の恒温恒湿槽で2週間の強制劣化処理を行った後、前記と同様に半減時間2を求めた。半減時間比=半減時間2/半減時間1を算出し、これを耐久性の評価値とした。
2 電解質
3 電源
4 アース
Claims (4)
- 銀塩常温溶融塩、フィラー粒子及び光重合性組成物から形成され、実質的に有機溶媒を含まないことを特徴とする固体電解質。
- 前記銀塩常温溶融塩が、銀塩と下記一般式(I)または(II)で表される化合物から形成されることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
一般式(II)
R2−S−R3
〔式中、R2、R3は各々置換または無置換の炭化水素基を表す。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。〕 - ハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、銀または銀を化学構造中に含む化合物における銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解質。
式(1)
0≦[X]/[Ag]≦0.01 - 対向電極の間に、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質を有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質が請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質であることを特徴とする表示素子。
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