JP5069678B2 - 糖尿病の治療又は予防のためのジペプチジルペプチダーゼiv阻害剤としてのアミノシクロヘキサン - Google Patents

糖尿病の治療又は予防のためのジペプチジルペプチダーゼiv阻害剤としてのアミノシクロヘキサン Download PDF

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Description

本発明は新規置換アミノシクロヘキサンに関し、これは、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素(「DPP−IV阻害剤」)であり、糖尿病、特に2型糖尿病のような、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素が関与する疾患の治療又は予防に有用である。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、並びにジペプチジルペプチダーゼIV酵素が関与する疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物に関する。
糖尿病は、多数の原因因子に由来し、空腹状態又は経口グルコース負荷試験時のグルコースの投与後の血漿グルコースレベルの上昇又は高血糖により特徴づけられる疾患過程を意味する。持続的又は制御不能な高血糖は、増加した早期の罹患及び死亡に関連している。多くの場合、異常なグルコースホメオスタシスが、脂質、リポタンパク質及びアポリポタンパク質代謝の変化、並びに他の代謝及び血行動態疾患と、直接的にも間接的にも関連している。したがって、2型糖尿病患者では、冠動脈性心疾患、発作、末梢血管疾患、高血圧症、腎症、神経障害及び網膜症を含む、大血管性及び微小血管性合併症の危険性が特に増加する。したがって、グルコースホメオスタシス、脂質代謝及び高血圧の治療制御は、臨床管理及び糖尿病の治療において極めて重要である。
2つの糖尿病の形態が一般的に認識されている。1型糖尿病又はインスリン依存性糖尿病(IDDM)では、患者は、グルコース利用を調節するホルモンであるインスリンをほとんど又は全く産生しない。2型糖尿病又はインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)では、多くの場合、患者は非糖尿病被験者と比べて同等又は上昇さえしている血漿インスリンレベルを有するが、これらの患者は、筋肉、肝臓及び脂肪組織である主なインスリン感受性組織におけるグルコース及び脂質代謝に対するインスリン刺激効果に抵抗性を発生し、血漿インスリンレベルは上昇しているが、顕著なインスリン抵抗性を克服するには不十分である。
インスリン抵抗性は、主に、インスリン受容体の数が減少することに起因するのではなく、未だに完全に理解されていない、インスリン受容体結合後欠陥に起因する。インスリンの反応性に対するこの抵抗性は、筋肉内でのグルコースの取り込み、酸化及び貯蔵における不十分なインスリン活性化、並びに脂肪組織における脂肪分解の及び肝臓におけるグルコース生成及び分泌の不適切なインスリン抑制をもたらす。
長年実質的に変わっていない2型糖尿病に利用可能な治療には限界があることが認識されている。運動及び食事カロリー摂取量の低減は、糖尿病の状態を劇的に改善するが、十分に定着した座りがちな生活習慣及び過剰食物消費、特に多量の飽和脂肪を含有する食物の消費のため、この治療のコンプライアンスは極めて不十分である。膵臓β細胞を刺激してより多くのインスリンを分泌させるスルホニル尿素(例えば、トルブタミド及びグリピザイド)又はメグリチニドの投与によりインスリンの血漿レベルを上昇すること、及び/又はスルホニル尿素若しくはメグリチニドの効果がなくなったときに、インスリンの注入によって、まさにインスリン抵抗性組織を刺激するのに十分高濃度のインスリンをもたらすことができる。しかし、危険なほど低いレベルの血漿グルコースが、インスリン又はインスリン分泌促進薬(スルホニル尿素又はメグリチド)の投与によりもたらされ、より高い血漿インスリンレベルに起因するより増加したレベルのインスリン抵抗性が生じる可能性がある。ビグアナイド剤はインスリン感受性を増大し、高血糖にいくらかの修正をもたらす。しかし、2つのビグアナイド剤、フェンホルミン及びメトホルミンは、乳酸アシドーシス及び嘔気/下痢を誘導する可能性がある。メトホルミンは、フェンホルミンよりも少ない副作用を有し、2型糖尿病の治療に対して頻繁に処方されている。
グリタゾン(すなわち、5−ベンジルチアゾリジン−2,4−ジオン)は、2型糖尿病の多くの症状を改善する可能性があり、最近記載されている種類の化合物である。これらの作用物質は、幾つかの2型糖尿病の動物モデルにおいて、筋肉、肝臓及び脂肪組織でインスリン感受性を実質的に増加し、低血糖症を起こすことなく、上昇したグルコース血漿レベルの部分的又は完全な修正をもたらす。現在市販されているグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)、主にPPARγサブタイプの作動薬である。PPARγアゴニズムは、一般に、グリタゾンで観察される改善されたインスリン感作の原因であると考えられる。II型糖尿病の治療のために試験されているより新しいPPAR作動薬は、α、γ若しくはδサブタイプ、又はこれらの組み合わせの作動薬であり、多くの場合、グリタゾンと化学的に異なっている(すなわち、これらはチアゾリジンジオンではない)。重篤な副作用(例えば、肝臓毒性)が、トログリタゾンのような一部のグリタゾンで生じている。
この疾患を治療する追加的な方法は、依然として研究中である。最近導入された又は依然として開発中の新たな生化学的手法には、αグルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)及びタンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤を用いた治療が挙げられる。
ジペプチジルペプチダーゼIV(「DPP−IV」)酵素の阻害剤である化合物は、また、糖尿病、特に2型糖尿病の治療に有用でありうる薬剤として研究中である。例えば、WO97/40832、WO98/19998、米国特許第5,939,560号、Bioorg. Med.Chem.Lett.,6:1163−1166(1996);及びBioorg. Med.Chem.Lett.,6:2745−2748(1996)を参照すること。2型糖尿病の治療におけるDPP−IV阻害剤の有用性は、DPP−IVがインビボでグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)及び胃阻害性ペプチド(GIP)を容易に不活性化するという事実に基づいている。GLP−1及びGIPはインクレチンであり、食物が消費されたときに産生される。インクレチンは、インスリンの産生を刺激する。DPP−IVの阻害は、インクレチンの不活性化の減少をもたらし、このことは、次に膵臓によるインスリンの産生を刺激するインクレチンの有効性の増大をもたらす。したがって、DPP−IVの阻害は血中インスリンレベルの増加をもたらす。有利なことには、食物が消費されたときだけ体がインクレチンを産生するので、DPP−IVの阻害は、過剰な低血糖をもたらす可能性がある(低血糖症)食事の間のような不適切な時間にインスリンレベルを増加すると予測されない。したがって、DPP−IVの阻害は、インスリン分泌促進薬の使用に関連する危険な副作用である低血糖症の危険性を増加することなく、インスリンを増加すると予測される。
DPP−IV阻害剤は、本明細書に記載されているように、他の治療有効性も有する。DPP−IV阻害剤は、今まで広範囲に研究されておらず、特に糖尿病以外の有効性に関して研究されていない。改善されたDPP−IV阻害剤を糖尿病、並びに他の潜在的な疾患及び状態の治療のために見出すことができるような、新たな化合物が必要である。2型糖尿病の治療に対するDPP−IV阻害剤の治療可能性は、D.J.Drucker in Exp. Opin.Invest.Drugs,12:87−100(2003)及びK.Augustyns,et al.,in Exp.Opin.Ther.Patents,13: 499−510(2003)により考察されている。
本発明は新規置換アミノシクロヘキサンを対象とし、これは、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素(「DPP−IV阻害剤」)であり、糖尿病、特に2型糖尿病のような、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素が関与する疾患の治療又は予防に有用である。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、並びにジペプチジルペプチダーゼIV酵素が関与する疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用に関する。
本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIVの阻害剤として有用である置換アミノシクロヘキサンに関する。本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、構造式I:
Figure 0005069678
〔式中、
nは、それぞれ独立して、0、1、2又は3であり;
Xは、下記:
Figure 0005069678
からなる群より選択され;
Arは、非置換であるか又は1乃至5個のR置換基で置換されているフェニルであり;
は、それぞれ独立して、下記:
ハロゲン、
シアノ、
ヒドロキシ、
非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されているC1−6アルキル、
非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されているC1−6アルコキシ、
カルボキシ、
1−6アルキルオキシカルボニル、
アミノ、
NHR
NR
NHSO
NRSO
NHCOR
NRCOR
NHCO
NRCO
SO
SONH
SONHR、及び
SONR
からなる群より選択され;
は、それぞれ独立して、非置換であるか又はハロゲン、COH及びC1−6アルキルオキシカルボニルから選択される1乃至5個の置換基で置換されている、C1−6アルキルであり;
は、下記:
水素、
ヒドロキシ、
ハロゲン、
シアノ、
COH、
NR
CONR
CHCONR
OCONR
SONR
SO
NRSO
NRCONR
NRCOR
NRCO
1H−テトラゾール−5−イル、
1−6アルキルオキシカルボニル、
非置換であるか又はヒドロキシ若しくは1乃至5個のハロゲンで置換されているC1−6アルキル、
非置換であるか又はヒドロキシ若しくは1乃至5個のハロゲンで置換されているC1−6アルコキシ、
1−6アルキルチオ、
1−6アルキルスルホニル、及び
(CH−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1乃至3個の置換基で置換されており、(CH中の個別のメチレン(CH)炭素原子は、いずれも、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1乃至2個の基で置換されており、ここでアルキル及びアルコキシは、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されている)
からなる群より選択され;
及びRは、それぞれ独立して、下記:
水素、
(CH−フェニル、
(CH−C3−6シクロアルキル、及び
1−6アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか又はハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1乃至5個の置換基で置換されており、フェニル及びシクロアルキルは、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される1乃至5個の置換基で置換されており、ここでアルキル及びアルコキシは、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されている)
からなる群より選択されるか;或いは
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリンから選択される複素環を形成し、ここで前記複素環は、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される1乃至3個の置換基で置換されており、ここでアルキル及びアルコキシは、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されており;
は、それぞれ独立してC1−6アルキルであり、ここでアルキルは、非置換であるか又はハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1乃至5個の置換基で置換されており;そして
は、水素又はRである〕
により記載される。
本発明の化合物の一実施態様において、Rは、それぞれ独立して、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシからなる群より選択される。
本発明の化合物の第2の実施態様において、*が付いた2つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子でAr及びNH置換基のトランス配置を有する立体化学配置が示されている構造式Ia及びIbの化合物が提供され、
Figure 0005069678
式中、Ar及びXは上述のとおりである。
この第2の実施態様のクラスにおいて、*が付いた2つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子でAr及びNH置換基のトランス配置を有する絶対立体化学配置が示されている構造式Iaの化合物が提供される。
Figure 0005069678
この第2の実施態様の第2のクラスにおいて、*が付いた3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で、Ar及びNH置換基のトランス配置、Ar及びX置換基のシス配置、並びにNH及びX置換基のトランス配置を有する立体化学配置が示されている構造式Ic及びIdの化合物が提供される。
Figure 0005069678
このクラスのサブクラスにおいて、*が付いた3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で、Ar及びNH置換基のトランス配置、Ar及びX置換基のシス配置、並びにNH及びX置換基のトランス配置を有する絶対立体化学配置が示されている構造式Icの化合物が提供される。
Figure 0005069678
この第2の実施態様の第3のクラスにおいて、*が付いた3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で、Ar及びNH置換基のトランス配置、Ar及びX置換基のトランス配置、並びにNH及びX置換基のシス配置を有する立体化学配置が示されている構造式Ie及びIfの化合物が提供される。
Figure 0005069678
このクラスのサブクラスにおいて、*が付いた3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で、Ar及びNH置換基のトランス配置、Ar及びX置換基のトランス配置、並びにNH及びX置換基のシス配置を有する絶対立体化学配置が示されている構造式Ieの化合物が提供される。
Figure 0005069678
本発明の化合物のこのサブクラスのサブクラスにおいて、構造式Ig:
Figure 0005069678
(式中、Ar及びRは上述のとおりである)で示される化合物が提供される。
本発明の化合物のこのサブクラスの別のサブクラスにおいて、構造式Ih:
Figure 0005069678
(式中、Ar及びRは上述のとおりである)で示される化合物が提供される。
式Ieの化合物のクラスにおいて、Rは、下記:
水素、
シアノ、
COH、
1H−テトラゾール−5−イル、
1−3アルキルオキシカルボニル、
CONR
CHCONR
1−3アルキル(ここでアルキルは、非置換であるか又は1乃至5個のフッ素で置換されている)、
1−3アルコキシ(ここでアルコキシは、非置換であるか又はヒドロキシ若しくは1乃至5個のフッ素で置換されている)、及び
3−6シクロアルキル(ここでシクロアルキルは、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1乃至3個の置換基で置換されており、ここでアルキル及びアルコキシは、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されている)
からなる群より選択される。
ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤として有用な本発明の化合物の非限定例は、3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で絶対立体化学配置が示されている以下の構造式:
Figure 0005069678
Figure 0005069678
Figure 0005069678
Figure 0005069678
Figure 0005069678
Figure 0005069678
Figure 0005069678
Figure 0005069678
及び
Figure 0005069678
並びに薬学的に許容されるそれらの塩である。
本明細書で使用されるとき、以下の定義が適用される。
「アルキル」並びにアルコキシ及びアルカノイルのような接頭辞「アルク(alk)」を有する他の基は、炭素鎖は特に定義されていない限り、直鎖又は分岐鎖及びその組み合わせでありうる炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどが挙げられる。炭素原子の特定数が許容される場合、例えばC3−10の場合、アルキルという用語には、シクロアルキル基、及びシクロアルキル構造と組み合わされる直鎖又は分岐鎖アルキル鎖の組み合わせも挙げられる。炭素原子数が特定されない場合は、C1−6が意図される。
「シクロアルキル」は、アルキルのサブセットであり、特定の炭素原子数を有する飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。シクロアルキル基は、特に記載されない限り、一般に単環式である。シクロアルキル基は、特に定義されない限り、飽和である。
用語「アルコキシ」は、特定の炭素原子数(例えば、C1−10アルコキシ)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メトキシ(MeO−)、エトキシ、イソプロポキシなど〕の直鎖又は分岐鎖アルコキシドを意味する。
用語「アルキルチオ」は、特定の炭素原子数(例えば、C1−10アルキルチオ)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルチオ(MeS−)、エチルチオ、イソプロピルチオなど〕の直鎖又は分岐鎖アルキルスルフィドを意味する。
用語「アルキルアミノ」は、特定の炭素原子数(例えば、C1−6アルキルアミノ)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノなど〕の直鎖又は分岐鎖アルキルアミンを意味する。
用語「アルキルスルホニル」は、特定の炭素原子数(例えば、C1−6アルキルスルホニル)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルスルホニル(MeSO−)、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニルなど〕の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホンを意味する。
用語「アルキルオキシカルボニル」は、特定の炭素原子数(例えば、C1−6アルキルオキシカルボニル)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルオキシカルボニル(MeOCO−)、エチルオキシカルボニル又はブチルオキシカルボニル〕の本発明のカルボン酸誘導体の直鎖又は分岐鎖エステルを意味する。
「アリール」は、炭素環原子を含む単環式又は多環式芳香族環系を意味する。好ましいアリールは、単環式又は二環式6員乃至10員芳香族環系である。フェニル及びナフチルが好ましいアリールである。最も好ましいアリールはフェニルである。
用語「ヘテロシクリル」は、O、S及びNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、酸化形態の硫黄、すなわちSO及びSOを更に含む飽和又は不飽和の非芳香族環又は環系を意味する。複素環の例には、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4−ジオキサン、モルホリン、1,4−ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3−ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、オキサチアン、チオモルホリン、ピロリジノン、オキサゾリジン−2−オン、イミダゾリジン−2−オン、ピリドンなどが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、O、S及びNから選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、芳香族又は部分的に芳香族の複素環を意味する。ヘテロアリールには、アリール、シクロアルキル及び芳香族ではない複素環のような他の種類の環に縮合しているヘテロアリールも挙げられる。ヘテロアリール基の例には、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、2−オキソ−(1H)−ピリジニル(2−ヒドロキシ−ピリジニル)、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、ベンゾジオキソリル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフラニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジニル、〔1,2,4−トリアゾロ〕〔4,3−a〕ピリジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジニル、〔1,2,4−トリアゾロ〕〔1,5−a〕ピリジニル、2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾリル、4−オキソ−3H−キナゾリニル、3−オキソ−〔1,2,4〕−トリアゾロ〔4,3−a〕−2H−ピリジニル、5−オキソ−〔1,2,4〕−4H−オキサジアゾリル、2−オキソ−〔1,3,4〕−3H−オキサジアゾリル、2−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾリル、3−オキソ−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾリルなどが挙げられる。ヘテロシクリル及びヘテロアリール基には、3乃至15個の原子を含む環及び環系が挙げられ、1乃至3個の環を形成する。
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。塩素及びフッ素が一般に好ましい。フッ素は、ハロゲンがアルキル又はアルコキシ基で置換されている場合に最も好ましい(例えば、CFO及びCFCHO)。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み、したがって、ラセミ化合物、ラセミ混合物、単独の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個別のジアステレオマーとして生じることができる。特に、本発明の化合物は、式Ia、Ib、Ic、Id、Ie及びIfにおいて*が付いた炭素原子で不斉中心を有する。不斉中心がさらに、分子の多様な置換基の性質に応じて存在することができる。そのような不斉中心は、それぞれ独立して2つの光学異性体を生じ、混合物中の可能な光学異性体及びジアステレオマー、並びに純粋又は部分的に精製された化合物は、全て本発明の範囲内に含まれることが意図される。本発明は、これら化合物のそのような異性体形態を全て包含することを意味する。
本明細書で記載される幾つかの化合物は、特に指定のない限り、オレフィン性二重結合を含み、それは、EとZの両方の幾何異性体を含むことを意味する。
本明細書に記載される幾つかの化合物は、互変異性体として存在することができ、それは、1つ以上の二重結合シフトを伴う水素の異なる結合点を有する。例えば、ケトン及びそのエノール形態は、ケト−エノール互変異性体である。個別の互変異性体、並びにその混合物は、本発明の化合物に包含される。
式Iは、好ましい立体化学がない化合物のクラスの構造を示す。式Ia及びIbは、シクロヘキサン環のNH及びAr基が結合している不斉中心となる炭素原子での好ましい立体化学を示す。式Ic、Id、Ie及びIfは、シクロヘキサン環のNH、Ar及びX基が結合している不斉中心となる炭素原子で好ましい立体化学を示す。
これらのジアステレオマーの個別の合成又はクロマトグラフ分離は、本明細書に開示されている方法論の適切な変更により、当該技術で知られているように達成することができる。これらの絶対立体化学は、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて、結晶質生成物又は必要であれば誘導体化された結晶質中間体のX線結晶学により決定することができる。
望ましい場合、化合物のラセミ混合物を、個別の鏡像異性体が単離するように分離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物とカップリングして、ジアステレオマー混合物を形成すること、続いて分別結晶化又はクロマトグラフィーのような標準的な方法により個別のジアステレオマーを分離することのような、当該技術で周知の方法により実施することができる。カップリング反応は、多くの場合、鏡像異性的に純粋な酸又は塩基を使用して塩を形成する。次にジアステレオマー誘導体を、添加したキラル残基の開裂により純粋な鏡像異性体に変換することができる。化合物のラセミ混合物を、キラル固定相を利用するクロマトグラフィー法により直接分離することもでき、この方法は当該技術においてよく知られている。
あるいは、化合物の任意の鏡像異性体を、当該技術で周知の方法により光学的に純粋な出発原料又は既知の構造の作用物質を使用して、立体選択的合成によって得ることができる。
本明細書で使用されるとき、構造式Iの化合物に参照されるものには、薬学的に許容される塩も含まれ、また、遊離化合物に対する前駆体として使用される場合は、薬学的に許容されない塩、又はその薬学的に許容される塩若しくは他の合成的に操作されたものが含まれることを意味することが理解される。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で投与することができる。用語「薬学的に許容される塩」は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を意味する。用語「薬学的に許容される塩」の範囲内に包含される塩基性化合物の塩は、本発明の化合物の非毒性塩を意味し、これは、一般に遊離塩基を適切な有機又は無機酸と反応させて調製される。本発明の塩基性化合物の代表的な塩には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、ショウノウ酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、粘液酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモエート(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシレート、トリエトヨウ化物及び吉草酸塩。更に、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に許容される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む無機塩基から誘導される塩が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩には、第一級、第二級及び第三級アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、塩素、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が挙げられる。
また、カルボン酸(−COOH)又はアルコール基が本発明の化合物に存在する場合、メチル、エチル若しくはピバロイルオキシメチルのようなカルボン酸誘導体、又はO−アセチル、O−ピバロイル、O−ベンゾイル及びO−アミノアシルのようなアルコールのアシル誘導体の薬学的に許容されるエステルを用いることができる。含まれるものは、持続性放出又はプロドラッグ製剤として使用される、可溶性又は加水分解特性を変更することが当該技術で知られているエステル及びアシル基である。
構造式Iの化合物の溶媒和物、特に水和物も同様に本発明に含まれる。
本発明を例示するものは、実施例及び本明細書に開示されている化合物の使用である。
主題の化合物は、化合物の有効量を投与することを含む、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素の阻害を、そのような阻害の必要性のある哺乳動物のような患者で行う方法において有用である。本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害剤として本明細書に開示されている化合物の使用に関する。
ヒトのような霊長類に加えて、多様な他の哺乳類を本発明の方法に従って処置することができる。例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット又は他のウシ科、ヒツジ科、ウマ科、イヌ科、ネコ科、齧歯類、若しくはネズミ科の種が挙げられるが、これらに限定されない哺乳動物を処置することができる。しかし、本方法は、鳥類(例えば、ニワトリ)のような他の種で実施することもできる。
本発明は、更に、本発明の化合物を薬学的に許容される担体又は稀釈剤と組み合わせることを含む、ヒト及び動物においてジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性を阻害するための薬剤の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、哺乳動物において高血糖症、2型糖尿病、肥満及び脂質障害からなる群より選択される状態の治療に使用する薬剤の製造における構造式Iの化合物の使用を対象とし、ここで脂質障害は、異脂肪血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群より選択される。
本発明の方法で治療される被験者は、一般に、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害が望ましい、哺乳動物、好ましくは男性又は女性のヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医により追求される組織、系、動物又はヒトにおいて生理学的又は医学的反応を誘発する、主題化合物の量を意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、並びに特定の量で特定の成分の直接的又は間接的な組み合わせによりもたらされる任意の生成物を包含する。医薬組成物に関するそのような用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む生成物を包含し、並びに任意の2つ以上の成分の組み合わせ、錯化若しくは凝集、又は1つ以上の成分の解離、又は1つ以上の成分の他の種類の反応、若しくは相互作用により、直接的又は間接的にもたらされるあらゆる生成物を包含することを意図する。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を薬学的に許容される担体と混合して調製されるあらゆる組成物を包含する。「薬学的に許容される」とは、担体、稀釈剤又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合性がなければならず、摂取者に有害であってはならないことを意味する。
化合物の「投与」又は化合物を「投与する」という用語は、本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを治療の必要性がある個人に提供することを意味すると理解されるべきである。
ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害剤としての本発明の化合物の有用性は、当該技術で既知の方法論によって実証することができる。阻害定数は以下のように決定される。DPP−IVで開裂されて蛍光AMC遊離基を放出する基質Gly−Pro−AMCよって、連続蛍光定量分析を用いた。この反応を記載する動力学的パラメーターは以下の通りである:K=50μM;kcat=75s−1;kcat/K=1.5×10−1−1。典型的な反応は、およそ50pMの酵素、50μMのGly−Pro−AMC及び緩衝剤(100mMのHEPES、pH7.5、0.1mg/mlのBSA)を総反応容量の100μlに含む。AMCの放出は、励起波長360nm及び発光波長460nmを使用して96ウエルプレート蛍光光度計において連続的にモニタリングした。これらの条件下で、およそ0.8μMのAMCが25℃、30分間で生成された。これらの研究で使用した酵素は、バキュロウイルス発現系(Bac−To−Bac, Gibco BRL)で産生される可溶性(膜貫通ドメイン及び細胞質延長を除く)ヒトタンパク質であった。Gly−Pro−AMC及びGLP−1の加水分解の動力学的定数は、天然の酵素の文献での値と一致していることが見出された。化合物の解離定数を測定するために、DMSO中の阻害剤の溶液を、酵母及び基質を含む反応に加えた(最終DMSO濃度は1%である)。全ての実験は、上述の標準反応条件を使用して、室温で実施された。解離定数(K)を決定するために、反応速度を競合的阻害のMichaelis−Menton式に非直線回帰により適合した。解離定数の再現における誤差は、典型的には2倍未満である。
特に、以下の実施例の化合物は、上記のアッセイにおいて、一般に約1μM未満のIC50でジペプチジルペプチダーゼIV酵素を阻害する活性を有した。そのような結果は、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害剤として使用される化合物の固有の活性を示す。
ジペプチジルペプチダーゼIV酵素(DPP−IV)は細胞表面タンパク質であり、広範囲の生物学的機能に関与してきた。広範囲な組織分布を有し(腸、腎臓、肝臓、膵臓、胎盤、胸腺、脾臓、上皮細胞、血管内皮、リンパ系及び骨髄細胞、血清)、特定の組織及び細胞型発現レベルを有する。DPP−IVは、T細胞活性化マーカーCD26と同一であり、多数の免疫調節ペプチド、内分泌ペプチド及び神経ペプチドをインビトロで開裂することができる。これは、ヒト又は他の種での多様な疾患過程におけるこのペプチダーゼの潜在的な役割を示唆している。
したがって、主題化合物は、以下の疾患、障害及び状態の予防又は治療の方法に有用である。
II型糖尿病及び関連する障害:インクレチンGLP−1及びGIPは、DPP−IVによりインビボで急速に不活性化されることが十分に確立されている。DPP−IV(−/−)欠損マウスを用いた研究及び予備臨床試験は、DPP−IV阻害がGLP−1及びGIPの定常状態濃度を増加し、グルコース耐性の改善をもたらすことを示す。GLP−1及びGIPと同様に、グルコース調節に関与する他のグルカゴンファミリーペプチドもDPP−IVにより不活性化される可能性がある(例えば、PACAP)。DPP−IVによるこれらのペプチドの不活性化は、グルコースホメオスタシスにおいてもある役割を演じる場合がある。したがって、本発明のDPP−IV阻害剤は、II型糖尿病の治療において、並びに症候群X(代謝症候群としても知られている)、反応性低血糖症及び糖尿病性異脂肪血症を含む、多くの場合にII型糖尿病に伴って起こる多数の状態の治療及び予防において有用である。以下で考察される肥満は、本発明の化合物による治療に反応しうる、II型糖尿病でしばしば見出される別の状態である。
以下の疾患、障害及び状態は2型糖尿病に関連し、したがって、本発明の化合物による治療で治療、制御、又は幾つかの場合では予防することができる:(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)異脂肪血症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)過敏性腸管症候群、(15)クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、(16)他の炎症性状態、(17)膵炎、(18)腹部肥満、(19)神経変性疾患、(20)網膜症、(21)腎症、(22)神経障害、(23)X症候群、(24)卵巣アンドロゲン過剰症(多嚢胞性卵巣症候群)、並びにインスリン抵抗性が構成要素である他の疾患。代謝症候群としても知られているX症候群において、肥満は、インスリン抵抗性、糖尿病、異脂肪血症、高血圧症及び心血管の危険性の増大を促進すると考えられる。したがって、DPP−IV阻害剤は、この状態に関連する高血圧症の治療にも有用でありうる。
肥満:DPP−IV阻害剤は、肥満の治療に有用でありうる。これは、GLP−1及びGLP−2の食物摂取及び胃排出に対する観察された阻害効果に基づいている。ヒトにおけるGLP−1の外来投与は、有意に食物摂取を減少し、胃排出を遅延する(Am.J.Physiol.,277:R910−R916(1999))。ラットやマウスへのGLP−1のICV投与も、食餌摂取に対して顕著な効果を有する(Nature Medicine, 2:1254−1258(1996))。この食餌摂取の阻害は、GLP−1R(−/−)マウスでは観察されず、これらの効果は脳GLP−1受容体を通して仲介されていることを示す。GLP−1と同様に、GLP−2もDPP−IVによって調節されている可能性がある。GLP−2のICV投与も、GLP−1で観察された効果と同様に食餌摂取を阻害する(Nature Medicine,6:802−807(2000))。加えて、DPP−IV欠損マウスによる研究は、これらの動物が食餌誘発肥満及び関連する病理(例えば高インスリン血症)に抵抗性であることを示唆している。
心血管疾患:GLP−1は、急性心筋梗塞後に患者に投与する場合に有益であることが示されており、一次血管形成術後に改善された左心室機能及び死亡率の低減がもたらされる(Circulation,109:962−965(2004))。GLP−1投与は、拡張型心筋症イヌにおける左心室収縮不全及び虚血性誘発左心室不全の治療にも有用であり、したがって、心不全の患者の治療に有用であることを証明することができる(US2004/0097411)。DPP−IV阻害剤は、内在性GLP−1を安定化する能力によって同様の効果を示すことが予測される。
成長ホルモン欠乏症:DPP−IV阻害は、下垂体前葉から成長ホルモンの放出を刺激するペプチドである、成長ホルモン放出因子(GRF)が、DPP−IV酵素によりインビボで開裂されるという仮説に基づいて、成長ホルモン欠乏症の治療に有用でありうる(WO00/56297)。以下のデータは、GRFが内在性基質であるという証拠を提供する:(1)GRFはインビトロで効率的に開裂され、不活性生成物GRF〔3−44〕を生成する(BBA 1122:147−153(1992));(2)GRFは血漿で急速にGRF〔3−44〕に分解される、;これは、DPP−IV阻害剤ジプロチンAにより防止される;(3)GRF〔3−44〕は、ヒトGRFトランスジェニックブタの血漿で見出される(J.Clin.Invest.,83:1533−1540(1989))。したがって、DPP−IV阻害剤は、成長ホルモン分泌促進薬が考慮される適応症と同じ範囲で有用でありうる。
腸管損傷:腸管障害の治療にDPP−IV阻害剤を使用する可能性は、DPP−IVの内在性基質の可能性があるグルカゴン様ペプチド2(GLP−2)が、腸管上皮に栄養効果を示す場合があることを指摘する研究の結果により示唆される(Regulatory Peptides,90:27−32(2000))。GLP−2の投与は、齧歯類で小腸量の増大をもたらし、大腸炎及び腸炎の齧歯類モデルにおいて腸管損傷の減少をもたらす。
免疫抑制:DPP−IV阻害は、DPP−IV酵素がT細胞活性及びケモカインプロセッシングに関与していることについて、並びに疾患のインビボモデルにおけるDPP−IV阻害剤の効能についての研究に基づいて、免疫系の調節に有用でありうる。DPP−IVは、活性化した免疫細胞の細胞表面マーカーであるCD26と同一であることが示されている。CD26の発現は、免疫細胞の分化及び活性化状態によって調節される。CD26はT細胞活性化のインビトロモデルで共刺激分子として機能することが、一般的に受け入れられている。多数のケモカインは、おそらく非特異性アミノペプチダーゼによる分解から保護するために、最後から2番目の位置にプロリンを含む。これらの多くは、DPP−IVによりインビトロで処理されることが示されている。幾つかの場合において(RANTES、LD78−β、MDC、エオタキシン、SDF−1α)、開裂は、走化性及びシグナリングアッセイにおいて変化した活性をもたらす。受容体選択性も、幾つかの場合において(RANTES)修飾されると思われる。DPP−IV加水分解の予測された生成物を含む、多数のケモカインの複数のN末端切断形態が、インビトロ細胞培養系で同定されている。
DPP−IV阻害剤は、移植及び関節炎の動物モデルにおいて免疫抑制剤の効能があることが示されている。DPP−IVの非可逆的阻害剤である、プロジピン(プロ−プロ−ジフェニル−ホスホネート)は、ラットで7日目から14日目までに心臓同種移植の生存期間を二倍にしたことを示した(Transplantation,63:1495−1500 (1997))。DPP−IV阻害剤が、ラットでコラーゲン及びアルキルジアミン誘発関節炎について試験され、このモデルにおいて後足膨張の有意な減少を示した〔Int.J.Immunopharmacology,19:15−24(1997)及びImmunopharmacology,40:21−26(1998)〕。DPP−IVは、リュウマチ様関節炎、多発性硬化症、グレーブス病及び橋本甲状腺炎を含む、多数の自己免疫性疾患において上方制御される(Immunology Today,20:367−375(1999))。
HIV感染:DPP−IV阻害は、HIV細胞進入を阻害する多数のケモカインがDPP−IVの基質としての可能性があるので、HIV感染又はAIDSの治療又は予防に有用でありうる(Immunology Today 20:367−375(1999))。SDF−1αの場合、開裂は抗ウイルス活性を減少する(PNAS,95:6331−6(1998))。したがって、DPP−IVの阻害を介したSDF−1αの安定化は、HIV感染力を減少することが予測される。
造血:DPP−IV阻害は、DPP−IVが造血に関与する場合があるので、造血の治療又は予防に有用でありうる。DPP−IV阻害剤であるVal−Boro−Proが、シクロホスファミド誘発好中球減少症のマウスモデルで造血を刺激した(WO99/56753)。
神経障害:DPP−IV阻害は、多様な神経プロセスに関与する多数のペプチドがDPP−IVによりインビトロで開裂されるので、多様な神経又は精神障害の治療又は予防に有用でありうる。したがってDPP−IV阻害剤は、神経障害の治療において治療上の利益を有することができる。エンドモルフィン2、βカゾモルフィン及びサブスタンスPは、全てDPP−IVのインビトロ基質であることを示した。全ての場合において、インビトロ開裂は極めて効率的であり、kcat/Kは、約10−1−1以上である。ラットにおける電気ショックジャンプ試験鎮痛モデルにおいて、DPP−IV阻害剤は、外来性エンドモルフィン2の存在とは関係なく、有意な効果を示した(Brain Research,815:278−286(1999))。DPP−IV阻害剤の神経保護及び神経生成効果も、阻害剤の興奮毒性細胞死から運動ニューロンを保護する能力、MPTPと同時投与されたとき、ドーパミン作動性ニューロンの線条体神経支配を保護する能力、及びMPTP治療後に治療的方法で与えられたとき、線条体神経支配の密度の回復を促進する能力により実証された〔Yong−Q.Wu,et al.,“Neuroprotective Effects of Inhibitors of Dipeptidyl Peptidase−IV In Vitro and In Vivo,”Int.Conf.On Dipeptidyl Aminopeptidases: Basic Science and Clinical Applications, September 26−29,2002 (Berlin,Germany)を参照すること〕。
不安:生まれつきDPP−IVを欠いているラットは、抗不安表現型を有する(WO02/34243;Karl et al., Physiol.Behav.2003)。DPP−IV欠損マウスは、ポルソルト及び明/暗モデルを使用した抗不安表現型も有する。したがって、DPP−IV阻害剤は、不安及び関連する障害の治療に有用であることを証明することができる。
記憶及び認識力:GLP−1作動薬は、Duringらにより実証されているように、学習(受動的回避、モリス水迷路)及びニューロン損傷(カイネート誘発神経細胞アポトーシス)のモデルにおいて活性である(Nature Med.9:1173−1179 (2003))。結果は、学習及び神経保護におけるGLP−1の生理学的役割を示唆している。DPP−IV阻害剤によるGLP−1の安定化は、同様の効果を示すことが予測される。
心筋梗塞:DLP−1は、急性心筋梗塞後に患者に投与されたときに有益であることが示されている(Circulation,109:962−965(2004))。DPP−IV阻害剤は、内在性GLP−1を安定化する能力によって同様の効果を示すことが予測される。
腫瘍浸潤及び移転:DPP−IV阻害は、DPP−IVを含む幾つかのエクトペプチダーゼの発現における増加又は減少が正常な細胞の悪性表現型への転換中に観察されるので、腫瘍浸潤及び移転の治療又は予防に有用でありうる(J.Exp.Med.,190:301−305(1999))。このタンパク質の上方又は下方調節は、組織及び細胞型特的であると思われる。例えば、CD26/DPP−IV発現の増加が、T細胞リンパ腫、T細胞急性リンパ性白血病、細胞由来甲状腺癌、基底細胞癌、及び乳癌で観察されている。したがって、DPP−IV阻害剤は、そのような癌の治療に有用性を有することができる。
前立腺肥大症:DPP−IV阻害は、DPP−IV活性の増大がBPH患者の前立腺組織で注目されたので、前立腺肥大症の治療に有用でありうる(Eur.J.Clin.Chem.Clin.Biochem.,30:333−338(1992))。
精子運動性/男性避妊:DPP−IV阻害は、精液中の、精子の運動性に重要な前立腺由来細胞小器官であるプロスタトソーム(prostatosome)、高レベルのDPP−IV活性を有するので、精子運動性を変えるため及び男性避妊のために有用でありうる(Eur.J.Clin.Chem.Clin.Biochem.,30:333−338(1992))。
歯肉炎:DPP−IV阻害は、DPP−IV活性が、歯肉溝液で見出され、幾つかの研究において、歯周病の重篤度と相関していたので、歯肉炎の治療に有用でありうる(Arch. Oral Biol.,37:167−173(1992))。
骨粗鬆症:DPP−IVの阻害は、GIP受容体が骨芽細胞に存在するので、骨粗鬆症の治療又は予防に有用でありうる。
幹細胞移植:ドナー幹細胞に対するDPP−IV阻害は、骨髄のホーミング効率及び移植の増強、並びにマウスで生存期間の増大をもたらすことを示した(Christopherson,et al.,Science,305:1000−1003(2004))。したがって、DPP−IV阻害剤は、骨髄移植に有用でありうる。
本発明の化合物は、以下の状態又は疾患の1つ以上の治療又は予防に有用性を有する:(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)異脂肪血症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)過敏性腸管症候群、(15)クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、(16)他の炎症性状態、(17)膵炎、(18)腹部肥満、(19)神経変性疾患、(20)網膜症、(21)腎症、(22)神経障害、(23)X症候群、(24)卵巣アンドロゲン過剰症(多嚢胞性卵巣症候群)、(25)2型糖尿病、(26)成長ホルモン欠乏症、(27)好中球減少、(28)神経障害、(29)腫瘍転移、(30)前立腺肥大症、(31)歯肉炎、(33)高血圧症、(34)骨粗鬆症、並びにDPP−IVの阻害により治療又は予防することができる他の疾患。
主題化合物は、更に、他の作用物質と組み合わせて上記の疾患、障害及び状態を予防又は治療する方法において有用である。
本発明の化合物は、式Iの化合物又は他の薬剤が有用性を有する場合がある疾患又は状態の治療、予防、抑制又は改善において、1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用することができ、薬剤と一緒に組み合わせることは、いずれかの薬剤の単独よりも安全であるか又はより効果的である。そのような他の薬剤は、それに一般的に使用される経路及び量によって、式Iの化合物と同時に又は連続して投与することができる。式Iの化合物が1つ以上の他の薬剤と同時に使用される場合、そのような他の薬剤及び式Iの化合物を含有する投与単位形態の医薬組成物が好ましい。しかし、併用療法は、式Iの化合物及び1つ以上の他の薬剤が異なる重複スケジュールで投与される療法も含むことができる。1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用する場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、それぞれ単独で使用されるときよりも低い用量で使用できることも考慮される。したがって、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものが挙げられる。
式Iの化合物と組み合わせて投与することができ、別々に投与する又は同じ医薬組成物で投与することができる他の活性成分の例には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
(a)他のジベプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤;
(b)(i)グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾンなど)のようなPPARγ作動薬、及びKRP−297、マルグリタザール、ナベグリタザール、テサグリタザール、TAK−559のようなPPARα/γ二重作動薬を含む他のPPARリガンド;フェノフィブル酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)のようなPPARα作動薬;及びWO02/060388、WO02/08188、WO2004/019869、WO2004/020409、WO2004/020408及びWO2004/066963に開示されているような選択的PPARγモジュレーター(SPPARγM);(ii)メトホルミン及びフェンホルミンのようなビグアナイド剤、並びに(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤を含むインスリン増感剤;
(c)インスリン又は擬インスリン;
(c)スルホニル尿素及び他のインスリン分泌促進薬、例えばトルブタミド、グリブリド、グリピザイド、グリメピリド及びメグリチニド、例えばナテグリニド及びレパグリニド;
(e)αグルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース及びミグリトール);
(f)WO97/16442;WO98/04528;WO98/21957;WO98/22108;WO98/22109;WO99/01423;WO00/39088及びWO00/69810;WO2004/050039;並びにWO2004/069158に開示されているグルカゴン受容体ンタゴニスト;
(g)GLP−1、GLP−1類似体又は模倣体、並びにエキセンジン4(エクセナチド)、リラグルチド(NN−2211)、CJC−1131、LY−307161及びWO00/42026及びWO00/59887記載されているGLP−1受容体ゴニスト;
(h)WO00/58360で開示されているGIP及びGIP模倣体、並びにGIP受容体ゴニスト;
(i)PACAP、PACAP模倣体、及びWO01/23420で開示されているPACAP受容体ゴニスト;
(j)コレステロール低下剤、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン及びロスバスタチン、及び他のスタチン)、(ii) 捕捉剤(コレスチラミン、コレスチポール、及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩、(iv)フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)のようなPPARα作動薬、(v)ナベグリタザール及びマルグリタザールのようなPPARα/γ二重作動薬、(vi)βシトステロール及びエゼミチブのようなコレステロール吸収阻害剤、(vii)アバシミベのようなアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、並びに(viii)プロブコールのような酸化防止剤;
(k)WO97/28149で開示されているPPARδ作動薬;
(l)フェンフルラミン、デクスフェンフラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、ニューロペプチドY又はY拮抗薬、CB1受容体インバース作動薬及び拮抗薬、βアドレナリン作動性受容体ゴニスト、メラノコルチン受容体ゴニスト、特にメラノコルチン4受容体ゴニスト、グレリン拮抗薬、ボンベシン受容体ゴニスト(例えばボンベシン受容体サブタイプ3作動薬)、コレシストキニン1(CCK−1)受容体ゴニスト及びメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体ンタゴニストのような抗肥満性化合物;
(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;
(n)アスピリン、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、グルココルチコイド、アズルフィジン及びシクロオキシゲナーゼ2選択的(COX−2)阻害剤のような、炎症性条件で使用するための作用物質;
(o)ACE阻害剤(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、タンドラプリル)、A−II受容体ブロッカー(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン)、βブロッカー、並びにカルシウムチャンネルブロッカーのような抗高血圧剤;
(p)WO03/015774;WO04/076420;及びWO04/081001で開示されているグルコキナーゼ活性化物質(GKA);
(q)米国特許第6,730,690号;WO03/104207;及びWO04/058741で開示されている11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤;
(r)トルセトラピブのようなコレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)の阻害剤;並びに
(s)米国特許第6,054,587号;同第6,110,903号;同第6,284,748号;同第6,399,782号;及び同第6,489,476号で開示されているフルクトース1,6−ビスホスファターゼの阻害剤。
構造式Iの化合物と組み合わせることができるジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤には、米国特許第6,699,871号;WO02/076450(2002年10月3日);WO03/004498(2003年1月16日);WO03/004496(2003年1月16日);EP1258476(2002年11月20日);WO02/083128(2002年10月24日);WO02/062764(2002年8月15日);WO03/000250(2003年1月3日);WO03/002530(2003年1月9日);WO03/002531(2003年1月9日);WO03/002553(2003年1月9日);WO03/002593(2003年1月9日);WO03/000180(2003年1月3日);WO03/082817(2003年10月9日);WO03/000181(2003年1月3日);WO04/007468(2004年1月22日);WO04/032836(2004年4月24日);WO04/037169(2004年5月6日);及びWO04/043940(2004年5月27日)に開示されているものが挙げられる。特定のDPP−IV阻害剤化合物には、イソロイシンチアゾリジド(P32/98);NVP−DPP−728;ビルダグリプチン(LAF237);P93/01;及びサキサグリプチン(BMS477118)が挙げられる。
構造式Iの化合物と組み合わせることができる抗肥満化合物には、フェンフルラミン、デクスフェンフラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、ニューロペプチドY又はY拮抗薬、カンナビノイドCB受容体ンタゴニスト又はインバース作動薬、メラノコルチン受容体ゴニスト、特にメラノコルチン4受容体ゴニスト、グレリン拮抗薬、ボンベシン受容体ゴニスト、及びメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体ンタゴニストが挙げられる。構造式Iの化合物と組み合わせることができる抗肥満化合物の検討には、S.Chaki et al.,“Recent advances in feeding suppressing agents: potential therapeutic strategy for the treatment of obesity,”Expert Opin.Ther.Patents,11:1677−1692(2001);D. Spanswick and K. Lee,“Emerging antiobesity drugs,”Expert Opin.Emerging Drugs,8:217−237(2003);及びJ.A.Fernandez−Lopez,et al.,“Pharmacological Approaches for the Treatment of Obesity,”Drugs,62:915−944(2002)を参照すること。
構造式Iの化合物と組み合わせることができるニューロペプチドY5拮抗薬には、米国特許第6,335,345号(2002年1月1日)及びWO01/14376(2001年3月1日)に開示されているものが挙げられ、特定の化合物は、GW59884A;GW569180A;LY366377;及びCGP−71683Aとして同定されている。
式Iの化合物と組み合わせることができるカンナビノイドCB1受容体ンタゴニストには、PCT公開公報WO03/007887;米国特許第5,624,941号(例えば、リモナバント);PCT公開公報WO02/076949(例えば、SLV−319);米国特許第6,028,084号;PCT公開公報WO98/41519;PCT公開公報WO00/10968;PCT公開公報WO99/02499;米国特許第5,532,237号;米国特許第5,292,736号;PCT公開公報WO03/086288;PCT公開公報WO03/087037;PCT公開公報WO04/048317;PCT公開公報WO03/007887;PCT公開公報WO03/063781;PCT公開公報WO03/075660;PCT公開公報WO03/077847;PCT公開公報WO03/082190;PCT公開公報WO03/082191;PCT公開公報WO03/087037;PCT公開公報WO03/086288;PCT公開公報WO04/012671;PCT公開公報WO04/029204;PCT公開公報WO04/040040;PCT公開公報WO01/64632;PCT公開公報WO01/64633;及びPCT公開公報WO01/64634に開示されているものが挙げられる。
本発明における有用なメラノコルチン4受容体(MC4R)作動薬には、全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,294,534号、米国特許第6,350,760号、同第6,376,509号、同第6,410,548号、同第6,458,790号、米国特許第6,472,398号、米国特許第5837521号、同第6699873号;全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許出願第2002/0004512号、同第2002/0019523号、同第2002/0137664号、同第2003/0236262号、同第2003/0225060号、同第2003/0092732号、同第2003/109556号、同第2002/0177151号、同第2002/187932号、同第2003/0113263号);並びにWO99/64002、WO00/74679、WO02/15909、WO01/70708、WO01/70337、WO01/91752、WO02/068387、WO02/068388、WO02/067869、WO03/007949、WO2004/024720、WO2004/089307、WO2004/078716、WO2004/078717、WO2004/037797、WO01/58891、WO02/070511、WO02/079146、WO03/009847、WO03/057671、WO03/068738、WO03/092690、WO02/059095、WO02/059107、WO02/059108、WO02/059117、WO02/085925、WO03/004480、WO03/009850、WO03/013571、WO03/031410、WO03/053927、WO03/061660、WO03/066597、WO03/094918、WO03/099818、WO04/037797、WO04/048345、WO02/018327、WO02/080896、WO02/081443、WO03/066587、WO03/066597、WO03/099818、WO02/062766、WO03/000663、WO03/000666、WO03/003977、WO03/040107、WO03/040117、WO03/040118、WO03/013509、WO03/057671、WO02/079753、WO02//092566、WO03/−093234、WO03/095474及びWO03/104761に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
糖尿病の治療のためのグルコキナーゼ(GKA)の安全で有効なアクチベーターの潜在的な有用性は、J.Grimsby et al.,“Allosteric Activators of Glucokinase:Potential Role in Diabetes Therapy,”Science,301:370−373(2003)で考察されている。
本発明の化合物が1つ以上の他の薬剤と同時に使用される場合、本発明の化合物に加えてそのような他の薬剤を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものが挙げられる。
本発明の化合物と第2の活性成分の重量比は、変わることができ、それぞれの成分の有効用量に応じて決定される。一般に、それぞれの有効用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物が別の作用物質と組み合わされる場合、本発明の化合物と他の作用物質の重量比は、一般に約1000:1乃至約1:1000、好ましくは約200:1乃至約1:200の範囲である。また、本発明の化合物と他の活性成分の組み合わせは、一般に上記の範囲内であるが、それぞれの場合において、それぞれの活性成分の有効用量が使用されるべきである。
そのような組み合わせにおいて、本発明の化合物及び他の活性作用物質を、別々又は一緒に投与することができる。加えて、一つの構成成分の投与は、別の作用物質の投与の前、同時に、又は後であることができる。
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射若しくは注入、皮下注射若しくは移植)、吸入噴霧、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下、又は局所経路の投与によって投与することができ、単独又は一緒に、それぞれの投与経路に適した従来の非毒性で薬学的に許容される担体、佐剤及びビヒクルを含有する適切な投与単位製剤に配合することができる。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどのような温血動物の処置に加えて、本発の化合物はヒトでの使用に有効である。
本発明の化合物の投与用の医薬組成物は、投与単位形態で都合よく存在することができ、薬剤学の技術で周知の方法のいずれかによって調製することができる。全ての方法は、活性成分と、1つ以上の副成分を構成する担体と関連させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を液体担体と又は微粉化固体担体と又はその両方と均一かつ緊密に関連させ、次に必要であれば生成物を所望の製剤に造形することによって調製される。医薬組成物において、活性の目的化合物は、疾患の進行又は状態に対して所望の効果を生じるのに十分な量で含まれる。本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、並びに特定の量で特定の成分の直接的又は間接的な組み合わせによりもたらされるあらゆる生成物を包含する。
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性若しくは油性懸濁剤、分散性粉末剤若しくは顆粒剤、乳剤、硬質若しくは軟質カプセル剤、又はシロップ剤若しくはエリキシル剤のような経口使用に適切な剤形であることができる。経口使用が意図される組成物は、医薬組成物の製造における当該技術で既知のあらゆる方法に従って調製することができ、そのような組成物は、薬学的に洗練された口当たりのよい調合剤を提供するため、甘味剤、風味剤、着色剤及び防腐剤からなる群より選択される1つ以上の作用物質を含有することができる。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適切である非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;造粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアルギン酸、並びに滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであることができる。錠剤は被覆されていなくてもよいか、又はこれらは、胃腸管で崩壊又は吸収を遅延させ、それにより長期間にわたって持続的作用を提供するために、既知の技術で被覆されていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリンのような時間遅延物質を用いることができる。これらを、米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号及び同第4,265,874号に記載されている技術により被覆して、制御放出用の浸透性治療錠剤を形成することもできる。
経口使用の製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合している硬質ゼラチンカプセル剤として、又は活性成分が水若しくは油媒質、例えばピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合している軟質ゼラチンカプセル剤として存在することもできる。
水性懸濁剤は、活性成分を水性懸濁剤の製造に適切な賦形剤と混合して含有する。そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然ホスファチド、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えばポリオキシエチレンステアレート、若しくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール類との縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、若しくはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、若しくはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。水性懸濁剤は、また、1種以上の防腐剤、例えば、エチル又はn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1種以上の着色剤、1種以上の風味剤、及び1種以上のショ糖又はサッカリンのような甘味剤を含有してもよい。
油状懸濁剤は、活性成分を植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナッツ油、又は流体パラフィンのような鉱油中に懸濁することにより処方することができる。油状懸濁剤は、増粘剤、例えば、蜜ロウ、固形パラフィン又はセチルアルコールを含有してもよい。甘味剤、例えば上述のようなもの及び風味剤を添加して、口当たりのよい経口調合剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加により保存することができる。
水の添加による水性懸濁剤の調製に適切な分散性粉末及び顆粒は、活性成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の防腐剤との混合で提供する。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上記で既に記載されているもので例示されている。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、風味剤及び着色剤もまた存在することができる。
本発明の医薬組成物は、また、水中油型乳剤の形態であることができる。油相は、植物油、例えばオリーブ油若しくはラッカセイ油、又は鉱油、例えば流体パラフィン、或いはこれらの混合物であることができる。適切な乳化剤は、天然ゴム、例えばアカシアゴム又はトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えば大豆、レシチン、脂肪酸及びヘキシトール無水物由来のエステル若しくは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、並びに前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。乳剤は、甘味剤及び風味剤を含有することもできる。
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はショ糖で処方することができる。そのような製剤は、粘滑剤、防腐剤、風味剤及び着色剤を含有することもできる。
医薬組成物は、滅菌の注射用水性又は油性懸濁剤の形態であることができる。この懸濁剤は、上述のこれらの適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って処方することができる。滅菌注射用調合剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用液剤又は懸濁剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤であることもできる。許容されるビヒクル及び溶媒のうち用いてもよいものは、水、リンゲル液及び塩化ナトリウム等張液である。加えて、滅菌の固定油が溶媒又は懸濁媒質として通常用いられる。このために、合成モノ−又はジグリセリドを含む任意の無刺激固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸のような脂肪酸には、注射用の調製における用途が見出される。
本明細書の化合物を、薬剤の直腸内投与のために坐剤の剤形で投与することもできる。これらの組成物は、薬剤と、通常の温度で固体であるが、直腸内の温度で液体となり、したがって直腸で溶解して薬剤を放出する適切な非刺激性の賦形剤とを混合することによって、調製できる。そのような物質は、ココアバター及びポリエチレングリコールである。
局所使用には、本発明の化合物を含有する、クリーム剤、軟膏、ゲル剤、液剤又は懸濁剤などが用いられる。(本明細書の目的では、局所用途には、洗口剤及びうがい薬が含まれる。)
本発明の医薬組成物及び方法は、上記の病理状態の治療で通常適用される、本明細書で示されている他の治療上活性な化合物を更に含むことができる。
ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害を必要とする状態の治療又は予防において、適切な投与量レベルは、一般に、1日あたり患者の体重1kgで約0.01乃至500mgであり、単回又は多回用量で投与することができる。好ましくは、投与量レベルは、1日あたり約0.1乃至約250mg/kg、より好ましくは1日あたり約0.5乃至約100mg/kgである。適切な投与量レベルは、1日あたり約0.01乃至250mg/kg、1日あたり約0.05乃至100mg/kg、又は1日あたり約0.1乃至50mg/kgであることができる。この範囲内で、投与量は、1日あたり0.05乃至0.5、0.5乃至5、又は5乃至50mg/kgであることができる。経口投与では、組成物は、好ましくは、1.0g乃至1000mgの活性成分、特に、1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0mgの治療される患者へ用量を症状に応じて調整した各活性成分を含有する錠剤の剤形で提供される。化合物を、1日あたり1乃至4回、好ましくは1日あたり1回乃至2回のレジメンで投与することができる。
糖尿病及び/又は、高血糖症若しくは高トリグリセリド血症、又は本発明の化合物が指示される他の疾患を治療又は予防する場合、本発明の化合物が、好ましくは、単回1日用量で、又は1日に2乃至6回の分けた用量で、又は持続放出の形態で、動物の体重1kgあたり約0.1mg乃至約100mgの1日投与量で投与されるとき、一般に満足できる結果が得られる。ほとんどの大型哺乳動物では、総1日用量は、約1.0mg乃至約1000mg、好ましくは約1mg乃至約50mgである。70kgの成人の場合は、総1日用量は、一般に約7mg乃至約350mgである。この用量を調整して、最適な治療反応をもたらすことができる。
しかし、任意の特定の患者のための特定の用量レベル及び投与頻度は、変わることができ、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び代謝時間、年齢、体重、身体全体の健康状態、性別、食事、投与様式及び時間、排泄回数、薬剤の組み合わせ、特定の状態の重篤度、並びに治療を受ける宿主を含む多様な要素により左右されることが理解される。
本発明の化合物を調製する合成方法が、以下のスキーム及び実施例で例示される。出発原料は、市販されているか、又は当該技術で既知の方法に従って若しくは本明細書で例示されているようにして製造することができる。
本発明の化合物は、標準的な還元的アミノ化状態、続く脱保護を使用して、式II及びIIIで示されるような中間体から調製することができる。これらの中間体の調製を以下のスキームで説明する。
Figure 0005069678
式中、Ar及びRは、上記で定義されたとおりであり、そしてPは、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)及び9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)のような適切な窒素保護基である。
Figure 0005069678
式IIの化合物は、文献により知られているか又は当業者によく知られている多様な方法により都合よく調製することができる。一つの慣用的な経路がスキーム1に例示されている。適切な置換ブロモ−又はヨードベンゼン1をマグネシウムで処理して、対応するグリニャール試薬を形成するか、又はn−ブチルリチウムのような試薬でリチオ化し、次にシクロヘキサノン2で処理して、アルコール3を形成する。アルコール3を、例えばオキシ塩化リンで処理するか又はトルエン中のp−トルエンスルホン酸により、水を共沸除去しながら処理して、乾燥し、スチレン4をもたらす。パラジウム担持炭のような触媒の存在下で水素により処理して還元することによって、4−アリール置換シクロヘキサン5を得る。酸性条件下での脱保護によりシクロヘキサノン6を得て、次にそれを、当業者によく知られている試薬及び方法を使用して、シリルエノールエーテル、例えばトリイソプロピルシリルエノールエーテル7に変換する。エノールエーテル7は、ヨードソベンゼン及びトリメチリシリルアジドのよる処置によって、アジドシクロヘキセン8を形成し、それを、水素化アルミニウムリチウム又は文献により既知の他の還元剤でアミンに還元して、シス及びトランス異性体の混合物としてアミン9を得る。ジ−tert−ブチルジカーボネートで処理して得られたアミンの保護によって、例えばBoc誘導体として10を得る。10をフッ化物アニオンの供給源で処理して、シリル基を除去し、中間体IIaを得る。
Figure 0005069678
中間体IIを調製する代替的な方法がスキーム2に示されている。市販のケトン2を炭酸ジメチルで処理して、ケトエステル11を形成し、次にそれを、トリフルオロメタンスルホン酸無水物で処理して、エノールトリフレート12に変換する。12を適切な置換アリールボロン酸13で処理して、アリールシクロヘキセン14を得る。14の還元は、メタノール中のMgのような試薬により容易に達成され、シス及びトランス異性体の混合物としてエステル15をもたらす。熱力学的により安定したトランス異性体16への変換は、メタノールのような溶媒中のナトリウムメトキシドのような塩基で処理することによって実施される。水酸化リチウムのような塩基によるエステルの加水分解が酸17を形成し、続く、例えばベンジルアルコールのようなアルコールの存在下でのクルチウス転位によって、アミン18をベンジルカルバメート誘導体として得る。ジオキサン中の硫酸のような酸で処理することによりケタールを脱保護して、中間体IIbをもたらす。
Figure 0005069678
式IIIの化合物は、文献により知られているか又は当業者によく知られている多様な方法により都合よく調製することができる。一つの慣用的な経路がスキーム3に例示されている。トリチル又はBoc保護ピロリジノール19を、多様な方法、例えば当業者に慣用のSwern手順のような多様な方法により酸化して、ケトン20を得ることができ、それをジメチルホルムアミドジメチルアセタールで加熱処理して、21を得る。次に所望の中間体IIIは、溶液21を、ナトリウムエトキシドなどの塩基を添加するか又はしないエタノールのような溶媒中、アミジン22と共に加熱することによって容易に製造することができる。関連する化学は、国際特許公開公報WO2003/000657(2003年1月3日)に記載されている。
Figure 0005069678
スキーム4に例示されているように、Xが6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジンである本発明の化合物Iは、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はメタノールのような溶媒中、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、デカボラン又は水素化ホウ素トリアセトキシナトリウムのような試薬を使用して、アミンIIIの存在下で中間体IIを還元的アミノ化して、中間体IVを得ることによって製造することができる。反応は、四塩化チタン又はチタンテトライソプロポキシドのようなルイス酸を用いて又は用いないで実施される。反応は、酢酸のような酸の添加によって促進することもできる。幾つかの場合において、中間体IIIは、塩酸塩又はトリフルオロ酢酸塩のような塩であることができ、そのような場合には、塩基、一般的にはN,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)を反応混合物に添加することが好都合である。次に保護基を、例えば、Bocの場合はトリフルオロ酢酸若しくは塩化水素メタノール、又はCbzの場合はパラジウム担持炭及び水素ガス若しくはヨウ化トリメチルシリルにより除去して、所望のアミンIを得る。必要であれば、再結晶化、粉砕、分取薄層クロマトグラフィー、Biotage(登録商標)装置を用いるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー又はHPLCにより生成物を精製する。HPLCにより精製された化合物を、対応する塩として単離することができる。中間体の精製は同じ方法で実施される。
Figure 0005069678
スキーム5で例示されているように、Xが6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジンである式Ihの化合物は、中間体IV又はXが6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジンである化合物Iの溶液を、パラジウム担持炭のような試薬を用いるか若しくは用いないで空気に暴露するか、又は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)で処理することによって製造される。中間体IVの場合では、前の例で記載されている保護基の除去によって、化合物Iがもたらされる。
幾つかの場合において、式Iの化合物又は上記のスキームで例示されている合成中間体は、例えば、Ar又Xの置換基を操作することによって更に変更することができる。これらの操作には、当業者に一般的に知られている還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応を挙げることができるが、これらに限定されない。
幾つかの場合において、前述の反応スキームを実施する順番は、反応を促進するため又は不要な反応生成物を避けるために変えることができる。以下の実施例は、本発明をより完全に理解できるように提供される。これらの実施例は、説明のみであり、本発明をいかようにも制限するものとして考慮されるべきではない。
中間体1
Figure 0005069678
〔(1S、2R)−5−オキソ−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸tert−ブチル
工程A:8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−8−オール
Mgの削り屑(9.8g)を有する三つ首フラスコ(2L)を窒素雰囲気下で15分間撹拌し、テトラヒドロフラン(90mL)を加え、撹拌を更に15分間続けた。1−ブロモ−2,4,5−トリフルオロベンゼン(85g)をテトラヒドロフラン(340mL)に溶解した。この溶液の一部(75mL)を、撹拌したマグネシウム削り屑に加え、次に50℃に加熱した。溶液の残りを加え、撹拌を同じ温度で更に1時間続けた。反応混合物を40℃に冷却し、テトラヒドロフラン(275mL)中の1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−8−オン(57.3g)の溶液を加え、撹拌を10時間続けた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(970mL)に注ぎ、トルエン(700mL)で抽出した。有基層を水(3×700mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を赤橙色の油状物として得て、それを更に精製しないで次の工程に使用した。
工程B:8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−エン
Dean−Starkトラップを備えた丸底フラスコ(3L)に、窒素雰囲気下で、トルエン(350mL)、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(p−TSA)(1g)及び8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−8−オール(94.2g)を加え、混合物を一晩還流した。更なるp−TSA(1g)を加えた。還流を一晩続け、次に反応混合物を室温で更に2日間撹拌した。反応混合物を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で処理し、ヘプタン(500mL)で抽出した。有機層を水(3×500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中酢酸エチルの2%乃至40%の勾配)により精製して、標記化合物を得た。
工程C:8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン
メタノール(240mL)及び酢酸エチル(5mL)中の8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−エンの溶液を、10%パラジウム担持炭(7.0g)で処理し、水素ガス(40psig)の雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物をセリットで濾過した。濾液を濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中酢酸エチルの5乃至7%の勾配)に付して、標記化合物を得た。
工程D:4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキサノン
8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン(19g)を、1,4−ジオキサン(600mL)、水(160mL)及び濃硫酸(160mL)の溶液に加え、得られた混合物を1時間撹拌した。次に溶液を水(1L)と混合し、ジクロロメタン(1L)で抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を白色の固体として得た。
工程E:トリイソプロピル{〔4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル〕オキシ}シラン
ジクロロメタン(160mL)中の4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキサノン(15.8g)の撹拌した溶液を含有する三つ首フラスコ(1L)を、窒素雰囲気下で、0℃に冷却し、次にトリエチルアミン(22mL)で処理し、続いてトリイソプロピルシリルトリフルオロメタンスルホネート(25.4g)で処理し、その間、温度を5℃未満に保持した。溶液を0℃で30分間撹拌し、次に0.5時間かけて周囲温度に上昇させた。次に飽和塩化アンモニウム水溶液で処理した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中エーテル3%)に付して、標記化合物を得た。
工程F:{〔3−アジド−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル〕オキシ}(トリイソプロピル)シラン
三首フラスコ中の、ジクロロメタン(260mL)中のトリイソプロピル{〔4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル〕オキシ}シラン(26.06g、0.068mol)の撹拌した溶液を−15℃に冷却し、4つに分けたヨードベンゼン(19.5g、0.089mol)で処理し、続いてアジドトリメチリシラン(24mL、0.116mol)で処理し、その間、温度を−10℃未満に維持した。撹拌を1.5時間続けた。反応混合物を短時間で室温に温め、次に再び−15℃に冷却し、濾過した。濾液を真空下25℃未満で蒸発させて、標記化合物を得て、それを次の工程に直接使用した。
工程G:トランス6−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−3−〔(トリイソプロピルシリル)オキシ〕シクロヘキサ−2−エン−1−アミン
三首フラスコ(1L)中のエーテル(280mL)中の{〔3−アジド−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル〕オキシ}(トリイソプロピル)シラン(48.2g)の0℃で撹拌した溶液に、水素化アルミニウムリチウム(エーテル中1M、85mL)を加え、その間、温度を5℃未満に維持した。水酸化物の添加を完了した後、反応混合物を室温まで温めた。混合物を、いくらかの飽和塩化アンモニウム水溶液を有する氷に移し、濾過した。残渣を酢酸エチル(1L)で洗浄し、有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中酢酸エチルの10乃至35%の勾配)に付して、速く溶離したシス−及び遅れて溶離したトランスの6−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−3−〔(トリイソプロピルシリル)オキシ〕シクロヘキサ−2−エン−1−アミンを得た。
工程H:トランス(6−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−3−〔(トリイソプロピルシリル)オキシ〕シクロヘキサ−2−エン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル
ジクロロメタン(80mL)に溶解したトランス−6−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−3−〔(トリイソプロピルシリル)オキシ〕シクロヘキサ−2−エン−1−アミン(8.77g)を含有する丸底フラスコ(500mL)に、トリエチルアミン(3.5mL)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(テトラヒドロフラン中1.0M、25mL)を加えた。混合物を一晩撹拌した。翌日に、溶媒を蒸発させ、濃縮赤色残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン−ヘキサンの25乃至85%の勾配)に付して、目的の生成物を得た。
工程I:〔(1S、2R)−5−オキソ−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸tert−ブチル
テトラヒドロフラン(100mL)に溶解したトランス(6−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−3−〔(トリイソプロピルシリル)オキシ〕シクロヘキサ−2−エン−1−イル9)カルバミン酸tert−ブチル(10.7g)を含有する丸底フラスコ(500mL)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M、26mL)を加え、混合物を1時間撹拌した。溶液を濃縮して暗褐色の油状物とし、クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中酢酸エチルの20%乃至40%の勾配)により精製して、生成物を鏡像異性体の混合物として得た。キラルADカラム(ヘプタン中12%イソプロパノール)を使用するHPLCによって、標記化合物を遅く溶離する異性体として得た。LC/MS227.1(M+1)。
中間体2
Figure 0005069678
〔(1S、2R)−5−オキソ−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル
工程A:8−オキソー1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−7−カルボン酸メチル
炭酸ジメチル(6mL)中の1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(1.00g、6.4mmol)の室温で撹拌した溶液に、水素化ナトリウム(0.31g、7.7mmol)を加えた。混合物を80℃で20分間加熱し、次に無水トルエン(20mL)で稀釈した混合物を80℃で更に3時間撹拌し、室温に冷却し、水で急冷し、次にジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を得て、それをBiotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中酢酸エチルの30%乃至42%の勾配)により精製して、標記化合物を得た。
工程B:7−(メトキシカルボニル)−8−{〔(トリフルオロメチル)スルホニル〕オキシ}−4−オキサ−1−オキソニアスピロ〔4.5〕デカ−7−エン
ジクロロメタン(22mL)中の8−オキソー1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−7−カルボン酸メチル(2.14g、10mmol)の−78℃で撹拌した溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.5mL、48.8mmol)を加えた。10分後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.0mL、12mmol)を滴加した。得られた混合物を一晩撹拌し、その間、温度を室温まで温めた。混合物を酢酸エチルで稀釈し、10%クエン酸水溶液で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、標記化合物を得た。
工程C:8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−エン−7−カルボン酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(190mL)に溶解した7−(メトキシカルボニル)−8−{〔(トリフルオロメチル)スルホニル〕オキシ}−4−オキサ−1−オキソニアスピロ〔4.5〕デカ−7−エン(5.65g、16.0mmol)の撹拌した溶液に、炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、20mL、39.0mmol)及び2,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸(4.11g、23.4mmol)を加えた。得られた混合物を脱ガスし、PdCl(dppf)(〔1,1′−ビス(ジフェニルホスフォノ)−フェロセン〕ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(1:1)、1274mg)で処理した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌し、セリットで濾過し、酢酸エチルで稀釈し、水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、粗生成物をBiotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中酢酸エチルの30%乃至50%の勾配)により精製して、標記化合物を得た。
工程D:8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−7−カルボン酸メチル
メタノール(50mL)中の8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−エン−7−カルボン酸メチル(1.93g、5.9mmol)の撹拌した溶液に、マグネシウム(1.43g、59mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下で一晩還流した。形成された白色の沈殿物をセリットで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、標記化合物を得た。
工程E:トランス8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−7−カルボン酸メチル
メタノール(50mL)中の8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−7−カルボキシレート(1.95g、5.9mmol)の撹拌した溶液に、ナトリウムメトキシド(メタノール中0.5M、14.2ml、7.1mmol)を加え、得られた溶液を窒素雰囲気下で一晩還流し、室温に冷却し、蒸発させて粗成生物を得て、それをBiotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中酢酸エチルの25%乃至54%の勾配)により精製して、シス異性体をいくらか含む標記化合物を得た。
工程F:トランス8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−7−カルボン酸
テトラヒドロフラン(11mL)及びメタノール(22mL)に溶解した工程Eのトランス8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−7−カルボキシレート(1.82g、5.5mmol)の撹拌した溶液を、水酸化リチウム水溶液(1.0M、18.5mL)で処理し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応溶液を塩酸(1N)でpH1に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機相を、飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、標記化合物を得た。
工程G:〔8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−イル〕カルバミン酸ベンジル
トルエン(20mL)中のトランス8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−7−カルボン酸(500mg、1.29mmol)の撹拌した溶液を、ジフェニルホスフォリルアジド(0.33mL、1.55mmol)、トリエチルアミン(0.22mL、1.55mmol)及び無水ベンジルアルコール(0.33mL、3.2mmol)により窒素雰囲気下、室温で処理した。90℃で2日間加熱した後、反応混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を酢酸エチルで稀釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を得て、それをBiotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中酢酸エチルの25%乃至40%の勾配)により精製して、標記化合物を得た。
工程H:〔(7S,8R)−8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−イル〕カルバミン酸ベンジル
〔8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−イル〕カルバミン酸ベンジル(528mg)を、キラルADカラム(ヘプタン中13%イソプロパノール)を使用するHPLCにより分割して、〔(7S,8R)−8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−イル〕カルバミン酸ベンジルを、遅く溶離した鏡像異性体として得た。
工程I:〔(1S、2R)−5−オキソ−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル
硫酸(15mL、水中1:1)中の〔(7S,8R)−8−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカ−7−イル〕カルバミン酸ベンジル(315mg、0.75mmol)の撹拌した溶液に、1,4−ジオキサン(30mL)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を水(70mL)に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、標記化合物を得た。LC/MS378.0(M+1)。
中間体3
Figure 0005069678
〔(1S、2R)−5−オキソ−2−(2,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸tert−ブチル
標記化合物は、中間体1の合成について概説された手順に一般的に従って、1−ブロモー2,5−ジフルオロベンゼンから調製した。LC/MS209.1(M+1)。
中間体4
Figure 0005069678
2−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
工程A:1−トリチルピロリジン−3−オン
温度計付三つ首フラスコ中の無水ジクロロメタン(35.0mL)の撹拌した溶液に、塩化オキサリル(1.5mL)を加え、得られた溶液を−60℃に冷却した。ジクロロメタン(7.5mL)中のジメチルスルホキシド(2.6mL)の溶液を10分間かけて加え、次にジクロロメタン(15.0mL)中の(3R)−1−トリチルピロリジン−3−オール(5.0g)を10分間かけて加えた。得られた溶液を−60℃で15分間撹拌し、次にトリエチルアミン(10.6mL)を5分間かけて加えた。白色の沈殿物が形成された。5分後、冷却浴を取り外し、混合物を室温まで温めた。水(45mL)を加えた。混合物を更に30分間撹拌し、次にジクロロメタンで抽出した。有機相を、5%クエン酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、標記化合物を得た。LC−MS=243.1(M+1)。
工程B:4−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−1−トリチルピロリジン−3−オン
無水DMF(36.0mL)中の工程Aの1−トリチルピロリジン−3−オン(4.9g)の懸濁液を、窒素下、80℃で10分間加熱して溶解した。透明な溶液を、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(18.0mL)で処理し、80℃で12時間加熱した。得られた暗褐色の溶液を減圧下で蒸発させた。残渣を、Biotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中酢酸エチルの50%乃至100%の勾配)に付して、標記化合物を得た。LC−MS=243.1(M+1)。
工程C:2−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
無水エタノール(400mL)中のアセトアミド塩酸塩(12.8g、135mmol)及びナトリウムエトキシド(59mL、157.5mmol)の溶液を、窒素下で15分間撹拌し、工程Bの4−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−1−トリチルピロリジン−3−オン(17.2g、45mmol)を加えた。得られた混合物を85℃で3.5時間加熱し、5%クエン酸水溶液(50mL)で急冷し、蒸発乾固した。残渣を酢酸エチル(500mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水層と有機相の間にいくらかの不溶性の固体物質が存在し、それをセリットパッドで十分に濾過し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を、Biotage Horizon(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、10乃至75%の酢酸エチル/ジクロロメタンの勾配)により精製して、所望の生成物のN−トリチル保護誘導体を得た。このトリチル保護生成物の一部(1.9g、5.0mmol)を4N塩化水素メタノール(20mL)に溶解し、室温で2.5時間撹拌した。溶液を蒸発させ、残渣を、Biotage Horizon(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカ、メタノール/ジクロロメタン中の10%濃水酸化アンモニウム溶液の4.5乃至14%の勾配)により精製して、所望の生成物を得た。LC−MS=136.0(M+1)。
中間体5
Figure 0005069678
2−シクロプロピル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
2−シクロプロピル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジンを、中間体4の工程Cに記載された方法に実質的に従って、シクロプロピルカルバミジン塩酸塩(16.28g、135mmol)及び4−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−1−トリチルピロリジン−3−オン(17.2g、45mmol)から製造して、所望の生成物を得た。LC−MS=162.1(M+1)。
中間体6
Figure 0005069678
2−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
工程A:3−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピロリドン(4.10g)及びN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(30.0mL)の溶液を1時間で140℃に加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を最小量のジクロロメタンに再溶解し、ヘキサンで粉砕して、黄色の沈殿物を得た。LC−MS=241.1(M+1)。
工程B:2−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
無水エタノール(25mL)中の工程Aの生成物(500mg)の溶液に、ナトリウムエトキシド(2.33mL、エタノール中21%)を加えた。5分間撹拌した後、トリフルオロアセトアミジン(700mg)を加え、得られた混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を、5%クエン酸水溶液及びブラインで連続して洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、それを1N塩化水素メタノールに1時間溶解することによって脱保護した。得られた溶液を濃縮し、Biotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、メタノール/ジクロロメタン中の10%濃縮水酸化アンモニウム溶液の10%乃至18%の勾配)に付して、標記化合物を得た。LC−MS=190.0(M+1)。
中間体7
Figure 0005069678
6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
無水エタノール(25.0mL)中のホルムアミジン塩酸塩(190mg)の溶液に、窒素雰囲気下で、ナトリウムエトキシド(エタノール中21重量%、1.2mL)及び4−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−1−トリチルピロリジン−3−オン(300mg、中間体4の工程Bで調製)を加えた。混合物を80℃で8時間還流した。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を、5%クエン酸水溶液及びブラインで連続して洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残渣を、4N塩化水素メタノールで2.5時間処理することによって脱保護した。混合物を濃縮し、残渣を、Biotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカ、メタノール/ジクロロメタン中の10%濃縮水酸化アンモニウム溶液の15%乃至25%の勾配)により精製して、標記化合物を得た。LC−MS=243.1(M+1)。
中間体8
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(メチルスルホニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル
工程A:2−(メチルチオ)−6−トリチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
無水エタノール(50mL)中の4−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−1−トリチルピロリジン−3−オン4.83g(12.63mmol)の溶液に、ナトリウムエトキシド(11.8mL、エタノール中21%)を加えた。5分間撹拌した後、2−メチル−2−チオプソイド尿素スルフェート3.51g(25.25mmol)を加え、反応混合物を還流温度で1時間加熱し、混合物を周囲温度に冷却し、2−メチル−2−チオプソイド尿素スルフェート3.51g(25.25mmol)を加え、続いてナトリウムエトキシド11.8mL(エタノール中21%)を加えた。反応混合物を1時間還流し、周囲温度に冷却した。この処理を更に2回繰り返し、その時点で反応混合物を真空下で蒸発させ、酢酸エチル及び飽和ブライン水溶液の1:1混合物200mLで稀釈した。層を分離し、水相を3つの100mLに分けた酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。得られた残渣を、Biotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサンの0乃至25%の勾配)に付して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS=410.3(M+1)。
工程B:2−(メチルチオ)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
工程Aの生成物1.5gに、塩酸15mL(1,4−ジオキサン中4.0M)を加え、溶液を1時間撹拌し、次に真空下で濃縮した。粗残渣を、Biotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/酢酸エチル0乃至50%、水酸化アンモニウム1%)に付して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS167.3.(M+1)。
工程C:〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(メチルチオ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル
メタノール13mL中の中間体2 717mg(1.9mmol)及び工程Bの生成物318mg(1.9mmol)の溶液に、デカボラン77mg(0.63mmol)を加えた。反応混合物を18時間撹拌し、真空下で濃縮し、残渣をBiotage(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル0乃至70%)に付して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS529.3(M+1)。
工程D:〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(メチルスルホニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル
酢酸エチル及びイソプロパノールの1:1混合物4mL中の工程Cの生成物112mg(0.21mmol)の溶液に、無水塩酸0.8mL(1,4−ジオキサン中4.0M)を加えた。10分間撹拌した後、過酸化水素0.3mL(水中30%)を加え、反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル15mLで稀釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液/飽和重炭酸ナトリウム水溶液/飽和ブライン水溶液の1:5:5の氷冷混合物22mLに注いだ。層を分離し、水相を3つの5mLに分けたジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、更に精製しないで使用した。LC/MS561.1(M+1)。
中間体9
Figure 0005069678
6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−2−カルボニトリル
工程A:3−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピロリドン(4.10g)及びN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(30.0mL)の溶液を1時間で140℃に加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を最小量のジクロロメタンに再溶解し、ヘキサンで粉砕して、所望の生成物を黄色の沈殿物として得た。LC−MS=241.1(M+1)。
工程B:2−(メチルチオ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチル
エタノール中の2−メチル−2−チオプソイド尿素スルフェート(3.5g、25mmol)の溶液に、0℃で、ナトリウムエトキシドの溶液(9.6mL、21%)を加えた。10分間撹拌した後、エタノール中の3−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.0g、8.32mmol)の溶液を加え、混合物を80℃で1時間加熱した。更なる2−メチル−2−チオプソイド尿素スルフェート(3.5g、25mmol)及びナトリウムエトキシド(9.6mL、21%)を加え、80℃で1時間加熱した。エタノールを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(400mL)で稀釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、Biotageシリカゲルカートリッジ(ヘキサン中酢酸エチルの10乃至35%の勾配)で精製して、2−(メチルチオ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルを得た。
工程C:2−(メチルスルホニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチル
無水ジクロロメタン(16mL)中の2−(メチルチオ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチル(868mg、3.25mmol)の溶液に、0℃で、3−クロロペルオキシ安息香酸(2.67g、60%、9.28mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で5時間撹拌した。次に氷浴を取り外し、粗生成物をジクロロメタンで稀釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮し、目的生成物を得た。LC−MS=300.2(M+1)。
工程D:2−シアノ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチル
ジクロロメタン中の工程Cのメチルスルホン(1.2g、4.0mmol)の溶液に、シアン化テトラブチルアンモニウム(1.13g、4.2mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次にジクロロメタン(100mL)及び1N水酸化ナトリウム(100mL)で稀釈した。水層を酢酸エチル(200mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮した。残渣を、Biotageシリカゲルカートリッジ(ヘキサン中酢酸エチルの35乃至55%の勾配)で精製して、2−シアノ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルを得た。
工程E:6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−2−カルボニトリル
トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン(1:1、1mL)中の2−シアノ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチル(150mg)の溶液を1時間撹拌し、蒸発させた。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン中の10%水酸化アンモニウムを含有するメタノール0乃至4%)により精製して、6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−2−カルボニトリルを得た。
中間体10
Figure 0005069678
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
トルエン中の2−シアノ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチル(中間体9、工程D)(71mg、0.29mmol)の溶液に、アジドトリメチルスズ(596mg、2.9mmol)を加えた。得られた混合物を110℃で一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%TFAを含有する水中のアセトニトリルの5乃至50%の勾配)により精製して、2−(1H−テトラゾール−5−イル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルを得た。生成物を中間体9、工程Eで記載されたように処理して、標記化合物を得た。
中間体11
Figure 0005069678
6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−2−カルボキシアミド
4.8N塩化水素(3mL)中の2−シアノ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチル(中間体9、工程D)(190mg、0.77mmol)の溶液を、80℃で2時間加熱した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をジクロロメタン中の1Nアンモニアを含有する13%メタノールで溶離する分取TLCにより精製して、2−(アミノカルボニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルを得た。生成物を中間体9、工程Eで記載されたように処理して、標記化合物を得た。
中間体12
Figure 0005069678
2−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−2−イル)アセトアミド
エタノール中のマロンアマミジン塩化水素(773mg、5.6mmol)の懸濁液に、0℃で、ナトリウムエトキシドの溶液(2.2mL、21%)を加えた。15分間撹拌した後、エタノール中の3−〔(ジメチルアミノ)メチレン〕−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(450mg、1.9mmol)の溶液を加え、混合物を85℃で4時間加熱した。エタノールを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)で稀釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮した。残渣を、Biotageシリカゲルカートリッジ(ヘキサン中0.1%エタノール及び0.01%水酸化アンモニアを含有する酢酸エチルの10乃至35%の勾配)により精製した。生成物を中間体9、工程Eで記載されたように処理して、標記化合物を得た。
実施例1
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−〔2−メチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン
無水メタノール(20mL)中の〔(1S,2R)−5−オキソ−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル(中間体2,800mg)の溶液に、窒素下で、2−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン(中間体4,286mg)及びデカボラン(77mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濃縮し、Biotage Horizon(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ジクロロメタンの60乃至80%の勾配、続いてメタノール/ジクロロメタン中の10%濃縮水酸化アンモニウム溶液の4乃至6.5%の勾配)に付した。遅く溶離したN−Cbz保護化合物(430mg)をメタノール(13mL)に溶解し、水酸化パラジウム担持炭(86mg)により水素雰囲気下で2時間処理した。混合物を濾過して、濃縮し、そのようにして得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(TLC、シリカ、1:11:88水酸化アンモニウム/メタノール/ジクロロメタン)により精製して、所望の化合物を得た。LC−MS=363.1(M+1)。
実施例2
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−〔2−シクロプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン二塩酸塩
無水メタノール(19.0mL)中の〔(1S,2R)−5−オキソ−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸tert−ブチル(中間体1,464mg)の溶液に、窒素下で、2−シクロプロピル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン(中間体5,218mg)及びデカボラン(11mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濃縮し、Biotage(登録商標)系(シリカゲル、メタノール/ジクロロメタン中の10%濃縮水酸化アンモニウムの4乃至8%の勾配)を使用してクロマトグラフィーに付した。遅れて溶離した所望の化合物を回収し、1N塩化水素メタノールで40分間脱保護し、濃縮した。分取TLC(シリカ、1:8:91水酸化アンモニウム/メタノール/ジクロロメタン)による精製で、標記化合物を得た。
H NMR(500MHz、CDOD):主要供給源:δ3.99(s,2H),4.07(s,2H),8.45(s,1H)。
LC−MS=389.1(M+1)。遊離塩基を、1N塩化水素メタノールに溶解することによって二塩酸塩に変換し、減圧下で蒸発させた。
実施例3
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(トリフルオロメチル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン
工程A:〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(トリフルオロメチル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸tert−ブチル
無水メタノール(4.0mL)中の〔(1S,2R)−5−オキソ−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸tert−ブチル(中間体1,100mg)の溶液に、窒素下で、2−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン(中間体6,55mg)及びデカボラン(11mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濃縮し、分取TLC(シリカゲル、1:6:93 水酸化アンモニウム/メタノール/ジクロロメタン)によりクロマトグラフィーに付した。遅れて溶離した所望の異性体を回収した。
工程B:〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(トリフルオロメチル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン
工程Aの化合物を1,4−ジオキサン中の4N塩化水素に1時間溶解し、濃縮し、分取TLC(シリカ、1:9:90 水酸化アンモニウム/メタノール/ジクロロメタン)により精製して、標記化合物を得た。
H NMR(500MHz、CDOD):主要供給源:δ4.16(s,2H),4.20(s,2H),8.80(s,1H)。
LC−MS=363.1(M+1)。
実施例1乃至3で概説された手順に実質的に従って、表1に提示された実施例を調製した。
Figure 0005069678
実施例8
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(トリフルオロメチル)−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン
ジオキサン4mL中の〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(トリフルオロメチル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル(265mg)及びDDQ(111mg)の溶液を4時間撹拌し、得られた生成物を、Biotage Horizon(登録商標)系のクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/ジクロロメタンの10乃至35%の勾配)により精製して、標記化合物を得た。LC−MS549.3(M+1)。この生成物の一部(20mg)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、ヨウ化トリメチルシリル(0.2mL)で処理し、30分間撹拌し、メタノール(2mL)で急冷した。所望の生成物を、分取TLC(シリカ、1:9:90 水酸化アンモニウム:メタノール:ジクロロメタン)により精製した。LC−MS415.3。
実施例9
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−〔2−シクロプロピル−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン
メタノール(6mL)中の実施例2に記載された〔(1S,2R,5S)−5−〔2−シクロプロピル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン(30.0mg)の溶液を、10%パラジウム担持炭(6mg)と共に7日間撹拌し、得られた生成物を、分取TLC(シリカ、7:93 メタノール/ジクロロメタン)により精製して、標記化合物を得た。LC−MS387.3(M+1)。
実施例10
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(2−フルオロエトキシ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン、ビス−トリフルオロ酢酸塩
工程A:〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(2−フルオロエトキシ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル
アセトニトリル6.3mL中の中間体8の106mg(0.19mmol)に、2−フルオロエタノール0.11mL(1.9mmol)及び炭酸セシウム309mg(0.95mmol)を加えた。反応混合物を5分間還流し、0℃に冷却し、酢酸エチル2mLで稀釈し、濾過した。濾液を2つの2mLに分けた酢酸エチルで洗浄し、合わせた洗浄液を真空下で濃縮した。残渣を、Analtech(登録商標)1500ミクロンプレートを使用する分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS545.2(M+1)。
工程B:〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(2−フルオロエトキシ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン、ビス−トリフルオロ酢酸塩
アセトニトリル2mL中の工程Aの生成物44mg(0.08mmol)に、0℃で、ヨウ化トリメチルシリル0.11mL(0.8mmol)を加えた。氷浴を直ぐに取り外し、反応混合物を周囲温度に温め、45分間撹拌した。次に反応混合物を0℃に冷却し、メタノール1mLでゆっくりと稀釈し、真空下で濃縮し、残渣を、逆相HPLC(YMC Pro−C18カラム、0.1%のTFAを有するアセトニトリル/水の0%乃至65%の勾配溶離)により精製して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS411.1(M+1)。
実施例11
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−(2−メトキシ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル)−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン、ビス−トリフルオロ酢酸塩
工程A:〔(1S,2R,5S)−5−(2−メトキシ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕カルバミン酸ベンジル
メタノール2mL中の中間体8 43mg(0.076mmol)に、炭酸セシウム99mg(0.3mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、酢酸エチル5mLで稀釈し、飽和ブライン水溶液5mLに注いだ。層を分離し、水相を3つの5mLに分けた酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、Analtech(登録商標)1500ミクロンプレートを使用する分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、標記化合物を白色の固体として得た。LC/MS513.0(M+1)。
工程B:(1S,2R,5S)−5−(2−メトキシ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル)−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキサンアミンビストリフルオロ酢酸塩
工程Aの生成物22mg(0.04mmol)に、臭化水素酸2mL(酢酸中33%)を加えた。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、真空下で濃縮し、残渣を、逆相HPLC(YMC Pro−C18カラム、0.1%のTFAを有するアセトニトリル/水の0%乃至65%の勾配溶離)により精製して、標記化合物を黄色の固体として得た。LC/MS379.1(M+1)。
実施例12
Figure 0005069678
〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン二塩酸塩
工程A:2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン
無水アセトニトリル(20mL)中の2−(メチルスルホニル)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチル(300mg)の溶液に、2,2,2−トリフルオロエタノール(1.8mL)及び炭酸セシウム(815mg)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾過により除去した。溶液を蒸発させ、得られた残渣を、Biotage Horizon(登録商標)系(シリカ、ヘキサン中酢酸エチルの35乃至65%の勾配)により精製した。濃縮した後、2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−カルボン酸tert−ブチルをHCl(メタノール中4M)で1時間処理した。残渣を、イオン交換樹脂(Strata−X−C(商標))を通過させ、10%水酸化アンモニウムを含有するメタノールで溶離して、2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジンを標記化合物として得た。LC/MS220.0(M+1)。
工程B:〔(1S,2R,5S)−5−〔2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン−6−イル〕−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)シクロヘキシル〕アミン二塩酸塩
標記化合物を、実施例2で記載されたものと同じ還元的アミノ化及び脱保護手順に実質的に従って製造した。LC−MS447.00(M+1)。
実施例1乃至12で概説された手順に実質的に従って、表2に提示された実施例を調製した。
Figure 0005069678
医薬製剤の例
経口医薬組成物の特定の実施態様として、100mgの力価の錠剤を、実施例1乃至22のいずれかを100mg、微晶質セルロース268mg、クロスカルメロースナトリウム20mg、及びステアリン酸マグネシウム4mgから構成する。活性成分、微晶質セルロース及びクロスカルメロースを最初に混合する。次に混合物をステアリン酸マグネシウムで潤滑にし、錠剤に圧縮する。
本発明は、特定の特別の実施態様を参照して記載及び説明されてきたが、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、手順及びプロトコールの多様な適合、変更、修正、置換、削除、又は追加を行えることを理解する。例えば、本明細書の上記で記載された特定の投与量以外の有効投与量を、上記で示される本発明の化合物によりいずれかの適応症が治療される哺乳動物の反応が異なる場合にも適用することができる。観察される特定の薬理学的反応は、選択される特定の活性化合物又は医薬担体が存在するかに従って及び応じて、並びに用いられる製剤の種類及び投与様式に従って及び応じて変わる場合があり、結果におけるそのような予測される変動又は差異は、本発明の目的及び実施に従って考慮される。したがって、本発明は、特許請求の範囲により定義され、そのような請求項は、合理的である限りできるだけ広義に解釈されることが意図される。

Claims (12)

  1. 構造式I:
    Figure 0005069678
    〔式中、nは、それぞれ独立して、0、1、2又は3であり;Xは、下記:
    Figure 0005069678
    からなる群より選択され;Arは、非置換であるか又は1乃至5個のR置換基で置換されているフェニルであり;Rは、それぞれ独立して、下記:ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されているC1−6アルキル、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されているC1−6アルコキシ、カルボキシ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノ、NHR、NR、NHSO、NRSO、NHCOR、NRCOR、NHCO、NRCO、SO、SONH、SONHR、及びSONRからなる群より選択され;Rは、それぞれ独立して、非置換であるか又はハロゲン、COH及びC1−6アルキルオキシカルボニルから選択される1乃至5個の置換基で置換されている、C1−6アルキルであり;Rは、下記:水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、COH、NR、CONR、CHCONR、OCONR、SONR、SO、NRSO、NRCONR、NRCOR、NRCO、1H−テトラゾール−5−イル、C1−6アルキルオキシカルボニル、非置換であるか又はヒドロキシ若しくは1乃至5個のハロゲンで置換されているC1−6アルキル、非置換であるか又はヒドロキシ若しくは1乃至5個のハロゲンで置換されているC1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、及び(CH−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1乃至3個の置換基で置換されており、(CH中のそれぞれのメチレン(CH)炭素原子は、いずれも、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1乃至2個の基で置換されており、ここでアルキル及びアルコキシは、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されている)からなる群より選択され;R及びRは、それぞれ独立して、下記:水素、(CH−フェニル、(CH−C3−6シクロアルキル、及びC1−6アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか又はハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1乃至5個の置換基で置換されており、フェニル及びシクロアルキルは、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される1乃至5個の置換基で置換されており、ここでアルキル及びアルコキシは、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されている)からなる群より選択されるか;或いはR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリンから選択される複素環を形成し、ここで前記複素環は、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシから独立して選択される1乃至3個の置換基で置換されており、ここでアルキル及びアルコキシは、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されており;Rは、それぞれ独立してC1−6アルキルであり、ここでアルキルは、非置換であるか又はハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1乃至5個の置換基で置換されており;そしてRは、水素又はRである〕で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  2. が、それぞれ独立して、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. *が付いた2つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で立体化学配置が示されている構造式Ia及びIb:
    Figure 0005069678
    で示される、請求項1に記載の化合物。
  4. *が付いた2つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で絶対立体化学配置が示されている構造式Ia:
    Figure 0005069678
    で示される請求項3に記載の化合物。
  5. *が付いた3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で立体化学配置が示されている構造式Ic及びId:
    Figure 0005069678
    で示される請求項3に記載の化合物。
  6. *が付いた3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で絶対立体化学配置が示されている構造式Ic:
    Figure 0005069678
    で示される、請求項5に記載の化合物。
  7. *が付いた3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で立体化学配置が示されている構造式Ie及びIf:
    Figure 0005069678
    で示される、請求項3に記載の化合物。
  8. *が付いた3つの不斉中心となるシクロヘキサン炭素原子で絶対立体化学配置が示されている構造式Ie:
    Figure 0005069678
    で示される、請求項7に記載の化合物
  9. 構造式Ig:
    Figure 0005069678
    で示される、請求項8に記載の化合物。
  10. 構造式Ih:
    Figure 0005069678
    で示される、請求項8に記載の化合物。
  11. が、下記:水素、シアノ、COH、1H−テトラゾール−5−イル、C1−3アルキルオキシカルボニル、CONR、CHCONR、C1−3アルキル(ここでアルキルは、非置換であるか又は1乃至5個のフッ素で置換されている)、C1−3アルコキシ(ここでアルコキシは、非置換であるか又はヒドロキシ若しくは1乃至5個のフッ素で置換されている)、及びC3−6シクロアルキル(ここでシクロアルキルは、非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1乃至3個の置換基で置換されており、ここでアルキル及びアルコキシは、非置換であるか又は1乃至5個のハロゲンで置換されている)からなる群より選択される、請求項8に記載の化合物。
  12. 下記:
    Figure 0005069678
    からなる群より選択される構造式で示される、請求項11記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
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