JP5003003B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

本発明はステレオ音響再生機器やいわゆるホームシアターなどの映画マルチチャンネル音響再生機器に用いられる、スピーカ装置に関するものである。
一般にステレオ音響再生において良好な音像定位を得るためには、左右のスピーカの真ん中で聴く必要がある。つまり片側のスピーカに近寄った真ん中から外れた位置で聴くと、左右のスピーカの中央付近から本来聴こえてくるべき歌声や音声などの再生音が聴取位置に近い方のスピーカから聴こえてしまい、聴取位置に近い方のスピーカに音像が片寄ってしまうことが知られている。
またいわゆるホームシアターの映画マルチチャンネル再生においては、独立したセンタースピーカを設置せずに、左右のフロントスピーカでセンターチャンネル信号を再生する方式がある。つまりセンターチャンネルの信号を左右のフロントスピーカに均等に振り分けてフロントチャンネル信号に重畳する方式である。
この方式によれば独立したセンタースピーカを設置しなくて済むというメリットがある反面、センターチャンネルの音声信号の良好な音像定位が得られる聴取範囲は、上と同様に左右のフロントスピーカの真ん中だけに限られる。
特にホームシアター再生の場合には音と映像が一致するように、センターチャンネル音声信号の音像が画面内中央付近に定位することが望まれる。上記のように左右のフロントスピーカでセンターチャンネル信号を再生する場合は、真ん中から外れた位置で視聴をするとセンターチャンネルのセリフなど音声が、画面中央から極端に外れた位置に音象定位して違和感を生じるので、自然な映画再生ができない。
これについて図20を参照して説明する。図20は従来のスピーカ装置の作用を示す説明図であり、図20において聴取中心軸X1−X2から見て、左側のスピーカシステム61と右側のスピーカシステム64が対称な位置に配置されている。中央にはディスプレイ67が設置されており、聴取位置Pが左側に寄っている場合を示している。
スピーカシステム61のスピーカユニット63から放射された音と、スピーカシステム64のスピーカユニット66から放射された音は、聴取位置Pで合成音圧ベクトルVtを形成する。聴取位置Pに対して右側のスピーカユニット66は左側のスピーカユニット63よりも距離が離れておりさらに斜め方向を向いているので、距離による減衰および指向性による減衰によって、聴取位置Pにおける右側のスピーカユニット66による音圧ベクトルV2は、左側のスピーカユニット63による音圧ベクトルV1に比べて大幅に小さくなる。
従って合成音圧ベクトルVtは左側のスピーカユニット63による音圧ベクトルV1に殆ど同じものとなり、音像定位位置Sは左側のスピーカシステム61に極端に近づいてディスプレイ67からはみ出してしまうことになる。
さらに先行音効果も働くことが知られている。先行音効果とは、同一地点に到達する2つの音の強度が同じであっても、時間的に僅かに先に到達する音の方が強く知覚される聴覚生理現象である。左側のスピーカユニット63からの音は、右側のスピーカユニット66からの音よりも先に聴取位置Pに届く。このために先行音効果が働いて、図20に示す以上に左側のスピーカユニット63からの音が強く知覚され、実際の音像定位位置Sはさらに左側に片寄る傾向にある。
以上のように中央音像定位が得られる聴取範囲は真ん中だけに限られるので、独立したセンタースピーカを設置しない方式では、一度に複数人数が自然な映画鑑賞をすることができなかった。またステレオ音楽再生においても、一度に複数人数が良好な音像定位で音楽鑑賞をすることができなかった。
ホームシアター映画再生の場合はセンタースピーカを設置すれば上記問題は解決されるが、センタースピーカをディスプレイの下や上に設置せざるを得ないので、センターチャンネル音声信号の音像定位上下位置が画面からはみ出してしまう。従って特に大画面のディスプレイやスクリーンを用いたホームシアター映画再生では、音と映像の不一致が著しくなり、やはり自然な映画鑑賞をすることができなかった。
なお山本武雄著「スピーカ・システム(下)」のP435〜439には、高音用スピーカユニットを内側方向に向けることにより、その指向特性を利用して中央音像定位が得られる聴取範囲を拡大改善できることが述べられている。しかし歌声やセリフなど音声の主要な周波数成分は中音域にあるため、高音用スピーカユニットを内側方向に向けるだけでは歌声やセリフなど音声に対する改善効果は小さかった。
あるいは中音域で上述の効果を得るためには、中音域の指向性を鋭くするためにスピーカユニットの口径を極端に大きくする必要があり、スピーカユニット自体の指向特性だけに依存する方法は現実的ではなかった。
中央音像定位が得られる聴取範囲が左右のスピーカシステムの真ん中だけに限られるという問題点を解決するために、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているようなスピーカ装置が提案されている。これについて図21、図22、図23、図24を参照しながら説明する。
図21は、上記のような問題点の解決を図った特許文献1に記載された従来のスピーカ装置の構成図である。図21において左側のスピーカシステム71は、キャビネット71aに2個のスピーカユニット71b、71cが水平方向に配列されており、右側のスピーカシステム74は、キャビネット74aに2個のスピーカユニット74b、74cが水平方向に配列されている。
そしてスピーカユニット71bと71cは、およびスピーカユニット74bと74cは、例えば100Hz〜2kHzの周波数帯域で互いに所定の位相差をもって駆動され、スピーカシステム71、74はダイポール類似の音源を形成している。このダイポール類似の音源は図22に示すような中音域以下で放射パワーが減衰する周波数特性をもっているので、図23に示すような周波数特性の200Hzに至るまでの低域周波数側の大幅なブースト補正を行っている。
この構成により例えば左側の聴取者PLに対しては、その真正面のスピーカシステム71からの音圧はスピーカユニット71b、71cのダイポール放射特性によって極小になる。一方右側のスピーカシステム74からの音圧はある程度のレベルをもっているので、左側の聴取者PLに対しては右側のスピーカシステム74の方向に音像定位位置が寄ることとなり、中央音像定位が得られるというものである。
図24は、上記のような問題点の解決を図った特許文献2に記載された従来のスピーカ装置の構成図である。図24において左側のスピーカシステム83の前面には音響レンズ88が取り付けられ、右側のスピーカシステム86の前面には左側の音響レンズ88と対称に音響レンズ89が取り付けられている。各々の音響レンズ88、89は内側寄りの指向特性をもっている。
この構成により例えば聴取位置Pが右側に寄った場合には、左側の音響レンズ88の効果により、左側のスピーカシステム83からの音圧の方が右側のスピーカシステム86からの音圧よりも高くなる。従って中央音像定位が得られる聴取範囲を拡大できるというものである。
実開平4−23399号公報 特開平1−30399号公報
しかしながら特許文献1に開示の従来のスピーカ装置では、ダイポール類似音源の中域以下の放射パワー減衰特性を補正するために大幅な低域周波数側ブーストが必要であり、スピーカユニット71b、71c、74b、74cに極めて大きな電力が入ってこれらが破損したり音が歪んだりするので、高い音圧レベルが得られないという問題があった。
また高音域ではスピーカユニット71b、71c、74b、74cの指向性が鋭くなるので、例えば右側のスピーカシステム74から左側の聴取者PLに到達する高音域の音圧レベルは著しく低下し、高音域では音像定位位置を改善する効果が激減してしまう。従って音像定位位置の改善効果が十分に得られないという問題があった。
さらにダイポール類似の音源から放射される低い周波数帯域の音は、甚だしい違和感を与える。これは低音は波長が極めて長いために、各スピーカユニットから放射された音がその位相差を完全に保ったまま人間の左右の耳に到達するからである。つまり例えば左側の聴取者PLにおいては、その左耳にはスピーカユニット71cからの音が優勢に到達し、その右耳にはスピーカユニット71bからの音が優勢に到達する。従って左右の耳が互いに逆位相的な音を常に聞くことになるので、甚だしい違和感が生じるという問題もあった。
また特許文献2に開示の従来のスピーカ装置では、音響レンズ88,89自体の効果が元来大きくないので、音像定位位置の改善効果が小さいという問題があった。音響レンズの原理作用は、スピーカユニットの軸上正面から外れた聴取位置に対してスピーカユニットの振動板の外周部から到達する音の行路長を、音響レンズのフィンによって延長して、スピーカユニットの振動板の中心部から到達する音の行路長と揃えることによって音の位相干渉、打ち消しを防ぎ、振動板の軸上正面から外れた方向の指向性を改善するものである。
つまり音響レンズは、軸上正面から外れた方向の音圧レベルを軸上正面の音圧レベルと同等にすることはできても、これよりも大幅に高くする作用は元来もっていない。従って図24において、スピーカユニット83から聴取位置Pに到達する音圧をスピーカユニット89から聴取位置Pに到達する音圧よりも高くすることは困難なので、音像定位位置の改善効果が小さい。
また音響レンズで中音域まで指向特性をコントロールしようとすると、高音域に比べて波長の長い中音域の行路長を延長しなくてはならず、音響レンズが大型になりスピーカシステムが大型になるという問題もあった。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、歌声やセリフなど音声に対しても中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の効果が高いばかりでなく、違和感のない自然な音質が得られまた大音圧再生ができる、さらにまた小型化も可能なスピーカ装置を提供することを目的とする。
本発明のスピーカ装置は、聴取中心軸から見て両側に間隔をもって略対称な位置に設置される少なくとも一対のスピーカシステムから成るスピーカ装置であり、前記各スピーカシステムは第1のスピーカユニットと第2のスピーカユニットを備え、前記各スピーカユニットを前記聴取中心軸から見て略対称に配置し、前記各スピーカシステムから前記聴取中心軸を見る方向を内側方向とした時、前記第1のスピーカユニットは内側方向に音を放射するとともに少なくとも中音域以上を再生し、前記第2のスピーカユニットは前記スピーカシステムの正面付近方向または前記第1のスピーカユニットよりも外側方向に音を放射するとともに高音域を減衰させ、前記スピーカシステムの片方の正面付近方向の聴取位置に対して、近い方の前記スピーカシステムの前記第1のスピーカユニットから到達する音と前記第2のスピーカユニットから到達する音が、中音域において互いに弱め合うようにし、前記聴取位置に近い方の前記スピーカシステムから到達する中音域の音圧が、前記聴取位置から遠い方の前記スピーカシステムから到達する中音域の音圧よりも減衰するように構成したものである。
この構成により、高音域では第1のスピーカユニットの指向性を利用して、また中音域では第1のスピーカユニットと第2のスピーカユニットの放射音の位相差、および配置位置関係を利用して、中音域以上の全帯域において、聴取位置から近い方のスピーカシステムから到達する音圧を、聴取位置から遠い方のスピーカシステムから到達する音圧に対して大幅に低くすることができる。また低音域では、記第1のスピーカユニットと第2のスピーカユニットは互いに逆位相の音を放射する必要がない。
本発明のスピーカ装置によれば、中音域以上の全帯域において、聴取位置から近い方のスピーカシステムから到達する音圧を、聴取位置から遠い方のスピーカシステムから到達する音圧に対して大幅に低くすることができるので、中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果が得られる。また低音域では上記第1のスピーカユニットと上記第2のスピーカユニットは互いに逆位相の音を放射しないので、違和感のない自然な音質が得られるとともに大音圧再生ができる。またスピーカユニット自体の指向特性だけに依存した方法で中音域の放射特性を制御する必要がないので、スピーカ装置を小型化することが可能である。
また上記中音域を人間の声の第2ホルマント周波数および第3ホルマント周波数の一部または全部を含む周波数範囲とすることにより、特に歌声やセリフなど音声に対して中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果を得ることができる。
また上記第1のスピーカユニットを、上記聴取中心軸から見て上記第2のスピーカユニットよりも内側に配置し、上記中音域において、上記第1のスピーカユニットの放射音の位相を上記第2のスピーカユニットの放射音の位相よりも遅らせることにより、中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果が得られるとともに、スピーカシステムを前後方向に小型化することができる。
また上記第1のスピーカユニットを、上記聴取中心軸から見て上記第2のスピーカユニットよりも外側に配置し、上記中音域において、上記第1のスピーカユニットの放射音の位相を上記第2のスピーカユニットの放射音の位相よりも進めることにより、中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果が得られるとともに、スピーカシステムを後方に寄せて設置することができ設置の自由度が向上する。
また上記第1のスピーカユニットの低音域を減衰させることにより、スピーカ装置のネットワーク回路の構成を簡略化することができる。
また上記第1のスピーカユニットと上記第2のスピーカユニットを互いに上下に配置することにより、スピーカシステムを横幅方向に小型化することができる。
また上記第1のスピーカユニットをマルチウェイ構成とすることにより、中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果を維持しながら音質自体を向上させることができる。
また上記スピーカシステムをマルチチャンネル再生用のセンタースピーカとし、マルチチャンネル再生用のフロント用スピーカシステムと一体的に構成することにより、独立したセンタースピーカを設置する必要のない簡便なマルチチャンネル再生用スピーカ装置を実現することができる。
さらにまた上記第2のスピーカユニットが、センターチャンネルの高音域を減衰させた信号とフロントチャンネルの信号を重畳して再生するように構成することにより、スピーカユニット数を最少にすることができるので、ローコストかつ小型のマルチチャンネル再生用スピーカ装置を実現することができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の構成について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の構成図、図2は同スピーカ装置の斜視図、図3は同スピーカ装置のネットワーク回路図、図4は同スピーカ装置の各スピーカユニットの周波数特性図である。
図1において、聴取中心軸X1−X2から見て両側に略同間隔をもって、左側のスピーカシステム1と右側のスピーカシステム4が設置されている。左側のスピーカシステムのキャビネット1aには、第1のスピーカユニット2と第2のスピーカユニット3が取り付けられている。同様に右側のスピーカシステムのキャビネット4aには、第1のスピーカユニット5と第2のスピーカユニット6が取り付けられている。各スピーカユニット2、3、5、6の配置は、聴取中心軸X1−X2から見て対称である。
第1の各スピーカユニット2、5は口径6.5cmのフルレンジ用ユニットであり、キャビネット内の低音の空気圧で振動板が振られることがないように、その背面は密閉されている。第2の各スピーカユニット3、6は口径8cmの低音用ユニットである。
各スピーカシステム1、4から聴取中心軸X1−X2を見る方向を内側方向とすると、第1の各スピーカユニット2、5は第2の各スピーカユニット3、6よりも内側に配置されるとともに、内側方向に音を放射するように配置されている。そして第2の各スピーカユニット3、6は正面方向に音を放射するように配置されており、第1の各スピーカユニット2、5よりも外側方向に音を放射する。
聴取中心軸X1−X2に対する第1の各スピーカユニット2、5の音放射方向の角度βは、約45゜である。つまり第2の各スピーカユニット3、6の音放射方向と第1の各スピーカユニット2、5の音放射方向との角度αは、約45゜である。第1の各スピーカユニット2、5と、第2の各スピーカユニット3、6どうしの水平方向の間隔ピッチd1は約9cmであり、奥行き方向の間隔ピッチd2は約4cmである。また第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6は、図2の斜視図に示すように水平に配列されている。
次に図3に示すように、低域カット用コンデンサCと高域カット用コイルLから成る6dB/oct型のネットワーク回路により、第1の各スピーカユニット2、5は低域を減衰させ、第2の各スピーカユニット3、6は高域を減衰させている。かつ第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6とを、逆極性でネットワーク回路に接続している。
そして、各スピーカユニット2、3、5、6の軸上の同一測定距離における周波数特性は図4に示す通りである。第1の各スピーカユニット2、5の音圧周波数特性を破線Bに、その位相周波数特性を破線Dに、第2の各スピーカユニット3、6の音圧周波数特性を実線Aに、その位相周波数特性を実線Cに示す。
つまり各スピーカユニット2、3、5、6の特性とネットワーク回路の分割特性が相乗され、第1の各スピーカユニット2、5は約500Hz(−6dB)以上の再生周波数帯域をもつ。また第2の各スピーカユニット3、6は低音域から約4kHz(−6dB)の再生周波数帯域をもつ。そして約500Hz〜4kHzの範囲の中音域を、第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6の両方が再生する。
なお図4のA、Bの特性から分かるように、中音域においては第1のスピーカユニット2、5の音圧レベルを第2のスピーカユニット3、6よりも僅かに低くしている。これは中央音像定位効果を調整するためであり、後ほども説明する。
以上のように構成した本実施の形態1のスピーカ装置の作用、効果について、図5、図6、図7も参照しながら以下説明をする。図5は本実施の形態1のスピーカ装置の周波数特性図、図6は同スピーカ装置の中音域の作用を示す説明図、図7は同スピーカ装置の高音域の作用を示す説明図である。
図5において、実線P1は第1のスピーカユニット2の正面方向での音圧周波数特性、破線P2は第2のスピーカユニット3の正面方向での、つまりスピーカシステム1の正面方向での音圧周波数特性を示す。これに示すように、第1のスピーカユニット2の正面方向では高い音圧レベルが得られるとともに、スピーカシステム1の正面方向では中音域以上の帯域で音圧レベルが大幅に減衰する特性が得られる。
ここで、この原理と作用について詳しく説明する。図4において、第2の各スピーカユニット3、6については実線Cに示すように、再生帯域の中央である数百Hzの中音域での放射音の位相は0゜前後である。そして6dB/oct型のローパスフィルタ(ハイカット)ネットワーク回路により、高音域に向けて位相は約90゜ほど遅れる。なお低音域で位相が進むのは低域が減衰しているためである。
第1の各スピーカユニット2、5については、図3に示すように逆位相接続をしているのでその位相周波数特性は図4の点線Dに示すように、高音域で180゜遅れる。仮に第1の各スピーカユニット2、5が、第2の各スピーカユニット3、6と同じ正位相で接続されていれば、高音域での位相は0゜になる。また6dB/oct型のハイパスフィルタ(ローカット)ネットワーク回路により低域側にかけて90゜ほど位相が進み、またスピーカユニット2、5自体の低音域の減衰によりさらに位相が進む。つまり、第1の各スピーカユニット2、5の放射音の位相を第2の各スピーカユニット3、6の放射音の位相よりも、中音域から高音域にかけて90°程度遅れたものとしている。
そして、第1の各スピーカユニット2、5の正面付近方向の音圧周波数特性は、図5の実線P1に示すような、第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6の音圧が加算されたような特性となる。一方、第2の各スピーカユニット3、6の正面付近方向の音圧周波数特性は、図5の点線P2に示すような中音域から高音域にかけてレベル減衰したものとなる。
この原理、作用について図6を参照しながら説明する。図6において左側のスピーカシステム1と右側のスピーカシステム4の中央にディスプレイ7が設置されており、その中央位置がSである。聴取中心軸X1−X1の上に理想的な中心聴取位置Pcがある。実際の聴取位置Pは、近い方のスピーカシステム1の略正面方向にあるものと想定している。各スピーカシステム1、4は図1で説明したのと同じものである。
中心聴取位置Pcと各スピーカシステム1,4の位置関係は、これらが略正三角形の頂点付近に来るような標準的な配置としている。従って各スピーカシステム1、4から各聴取位置Pc、Pまでの奥行き方向距離Dは、D=0.87Wの位置関係にある。この標準的な配置は、旧来の2チャンネルステレオ再生ばかりでなく、ITU−R勧告の中でマルチチャンネルスピーカシステムの推奨配置ともなっている。
さて、本実施の形態1では第1の各スピーカユニット2、5を第2の各スピーカユニット3、6よりも内側に配置しているので、図6に示すように、聴取位置Pから遠い方のスピーカシステム4の第1のスピーカユニット5から聴取位置Pまでの距離L5は、第2のスピーカユニット6から聴取位置Pまでの距離L6よりも短くなる。上述の標準的なスピーカシステムの配置関係と、本実施の形態1のスピーカ装置の構成寸法においては、L5はL6よりも約4cm短くなる。
このため、第1のスピーカユニット5の放射音の位相は第2のスピーカユニット6の放射音の位相よりも中音域において既に90°程度遅れているので、両者の聴取位置Pでの到達音の位相差は減少することになる。そのために、第1のスピーカユニット5からの到達音と第2のスピーカユニット6からの到達音の位相差は0°に近づき、両者の放射音は強め合うわけである。
一方、聴取位置Pから近い方のスピーカシステム1の第1のスピーカユニット2から聴取位置Pまでの距離L2は、第2のスピーカユニット3から聴取位置Pまでの距離L3よりも長い。上述の標準的なスピーカシステムの配置関係と、本実施の形態1のスピーカ装置のスピーカユニット配置関係寸法においては、L2はL3よりも約4cm長い。
このため、第1のスピーカユニット2の放射音の位相は第2のスピーカユニット3の放射音の位相よりも中音域において既に90°程度遅れているので、両者の聴取位置Pでの到達音の位相差は増大することになる。そのために、第1のスピーカユニット5からの到達音と第2のスピーカユニット6からの到達音の位相差は180°に近づき、両者の放射音は弱め合うわけである。
上記の作用は、L5とL6の距離差またはL2とL3の距離差による音波の位相回転が90°となる周波数、つまり距離差が音の波長の1/4となる周波数で最も強くなる。本実施の形態1においてはL5とL6の距離差およびL2とL3の距離差とも約4cmであるので、4cmが1/4波長に相当する2kHz付近で最も上記作用が強くなる。周波数が2kHz付近より低くなるに従ってこの作用は徐々に減少する。このことは聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1についても同様である。
また周波数が2kHz付近より高くなるに従って上記作用は徐々に減少する。例えば4cmの距離差が1/2波長に相当する4kHz付近では、距離差による音波の位相進行が180°になるので、聴取位置Pに対して第1のスピーカユニット5から到達する音の位相は、第2のスピーカユニット6から到達する音の位相よりも90°進むことになる。つまり4kHz付近では、第1のスピーカユニット5からの到達音と第2のスピーカユニット6からの到達音は強め合わなくなるので、上記作用は最も小さくなる。
聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1についても同様のことが起こる。つまり4kHz付近では距離差による音波の位相遅延が180°になるので、聴取位置Pに対して第1のスピーカユニット2から到達する音の位相は、第2のスピーカユニット3から到達する音の位相よりも270°遅れることになる。つまり4kHz付近では、第1のスピーカユニット2からの到達音と第2のスピーカユニット3からの到達音は弱め合わなくなるので、上記作用は最も小さくなる。
さらに高い周波数の例えば6kHzにおいては、4cmの距離差が3/4波長に相当する6kHz付近では距離差による音波の位相進行が270°になり、聴取位置Pに対して第1のスピーカユニット5から到達する音の位相は、第2のスピーカユニット6から到達する音の位相よりも180°進むことになる。つまり音の位相だけを考えれば6kHz付近では、第1のスピーカユニット5と第2のスピーカユニット6の放射音は互いに打消し合うので作用が逆になってしまう。
このことは聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1についても同様である。つまり4cmの距離差が3/4波長に相当する6kHz付近では距離差による音波の位相遅延が270°になり、聴取位置Pに対して第1のスピーカユニット2から到達する音の位相は、第2のスピーカユニット3から到達する音の位相よりも360°遅れることになる。つまり音の位相だけを考えれば6kHz付近では、第1のスピーカユニット2と第2のスピーカユニット3の放射音は互いに強め合うので作用が逆になってしまう。
そこで本実施の形態1のスピーカ装置においては図4の実線Aに示すように、第2の各スピーカユニット3、6の高音域を減衰させているわけである。つまり言うまでもなく、2つの音波の重畳による強め合い、弱め合いの効果は、2つの音波の音圧が同一の時に最も高く、2つの音波の音圧差が大きくなると大幅に低くなるからである。従って第2の各スピーカユニット3、6の高音域を減衰させることにより、距離差による音波の位相回転が過剰になる高音域での逆作用発生を防止することができる。
中音域においては以上説明した原理、作用により図6に示すように、聴取位置Pから遠い方のスピーカシステム4による音圧ベクトルV2に対して、聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1による音圧ベクトルV1を大幅に小さくすることができる。その結果、中音域の音像をディスプレイ7の中央位置Sの付近に定位させることができる。
今回、音像を中央付近に定位させる条件について幾何学的解析を行った。その結果、途中の詳しい計算過程は省略するが、中心聴取位置Pcと各スピーカシステム1,4が略正三角形の頂点付近に来るような標準的な配置の場合は、スピーカシステム1による音圧ベクトルV1とスピーカシステム2による音圧ベクトルV2とのレベル差を約7.5dBにすれば、中央付近に音像定位させられることが分かった。
また中心聴取位置Pcと各スピーカシステム1,4が直角2等辺三角形の頂点付近に来るような場合、つまり各スピーカシステム1、4から各聴取位置Pc、Pまでの前後方向距離Dが、D=0.5Wの位置関係になる場合を解析した。この場合には、スピーカシステム1による音圧ベクトルV1とスピーカシステム2による音圧ベクトルV2とのレベル差を約14dBにすれば、中央付近に音像定位させられることが分かった。
このように中央付近に音像定位させるためには、一般的に10dB前後の音圧レベル差が必要であることが分かった。本実施の形態1では図5に示すように中音域において10dB前後の音圧レベル差があり、良好な中央音像定位の効果が得られる。
次に、高音域における本実施の形態1の作用を図7を参照しながら説明する。高音域においては、図4の実線Aに示すように第2の各スピーカユニット3、6の音圧は減衰しているので、高音域における作用は第1の各スピーカユニット2、5に依存する。
図7において、聴取位置Pから遠い方の第1のスピーカユニット5の音放射方向は、聴取位置Pの正面付近方向にある。一方、聴取位置Pに近い方の第1のスピーカユニット2の音放射方向は、聴取位置Pに対して大幅に傾いている。このため聴取位置Pから遠い方の第1のスピーカユニット5からの音は、第1のスピーカユニット5の指向特性による高域減衰を受けない。一方、聴取位置Pに近い方の第1のスピーカユニット2からの音は、第1のスピーカユニット2の指向特性による高域減衰を大きく受ける。
その結果、聴取位置Pから遠い方の第1のスピーカユニット5による高音域の音圧ベクトルV2に対して、聴取位置Pに近い方の第1のスピーカユニット2による高音域の音圧ベクトルV1を大幅に小さくすることができる。その結果、高音域の音像をディスプレイ7の中央位置Sの付近に定位させることができる。
スピーカユニットの実効振動半径をa、波長定数をkとすると、ka=1程度以下の周波数では無指向性であり、ka=2程度以上の周波数で指向性が狭くなり始め、ka=3程度以上の周波数では大幅に指向性が狭くなることが、音響理論で知られている。本実施の形態1のスピーカ装置では、第1の各スピーカユニット2、5の口径を6.5cmとしておりその実効振動半径は約26mmである。従ってka=2となる4kHz付近から指向性が狭くなり、ka=3となる6kHz付近以上は大幅に指向性が狭くなる。
このように本実施の形態1では、第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6の放射音の位相差と配置位置関係を利用した本発明の作用効果が小さくなる4kHz以上の周波数帯域を、第1のスピーカユニット2、5の指向性を利用した作用効果で受け持たせている。その結果、聴取位置Pから遠い方のスピーカシステム4による音圧ベクトルV2に対して、聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1による音圧ベクトルV1を大幅に小さくするという作用効果が、中音域以上の全周波数帯域で得られる。
以上、図6を参照しながら、聴取位置Pが近い方のスピーカシステム1の正面付近方向に位置している場合について述べてきたが、聴取位置Pが中心聴取位置Pcに近づいた場合や、逆にスピーカシステム1の正面付近からさらに外側に移動した場合についても解析、実験を行った。
聴取位置Pから遠い方のスピーカシステム4による音圧ベクトルV2に対する、聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1による音圧ベクトルV1の必要な音圧減衰レベル差は、聴取位置Pが中心聴取位置Pcに近づくほど小さくて良い。例えば聴取位置Pが図6における位置と中心聴取位置Pcの中間にきた場合の音圧レベル差は、解析計算の結果約4dBで良いことが分かった。
つまり上で述べたように、聴取位置Pが近い方のスピーカシステム1の正面付近方向にある場合の必要な上記音圧レベル差は約7.5dBであるので、その略半分のレベルで良いわけである。
中音域においては、聴取位置Pが中心聴取位置Pcに近づくに従って、聴取位置Pに対する第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6の距離の差も略比例して小さくなるので、距離差による音波の位相回転量が略比例して小さくなり上記音圧レベル差も略比例して小さくなる。
また高音域においても聴取位置Pが中心聴取位置Pcに近づくに従って、聴取位置Pに対する近い方の第2のスピーカユニット2の音放射方向の傾きが略比例して小さくなるので、上記音圧レベル差も略比例して小さくなる。
従って聴取位置Pが近い方のスピーカシステム1の正面付近方向にある場合に良好な中央音像定位の効果を得ることができるように構成しておけば、つまりその聴取位置で必要な上記音圧レベル差を確保できれば、聴取位置Pが各スピーカシステム1、4の間のどこに来ても良好な中央音像定位の効果を得ることができる。つまり中央音像定位が得られる聴取範囲を、両スピーカシステム1、4の間隔いっぱいまで拡大することができる。
逆に聴取位置Pが近い方のスピーカシステム1の正面付近方向にある場合での中央音像定位の効果が不十分であれば、つまりその聴取位置で必要な上記音圧レベル差を確保できなければ、聴取位置Pが各スピーカシステム1、4の間のどこに来ても中央音像定位の効果は低くなる。
ただし実際上は中央からの音像定位位置のズレが大きくなければ、例えば画面と一緒に視聴をする映画鑑賞のような場合には略中央に音像が定位しやすい傾向にある。従って、聴取位置Pが近い方のスピーカシステム1の正面付近方向にある場合での上記音圧レベル差が小さい場合は、中央音像定位が得られる聴取範囲が狭くなるものの、かなり実用になる。
聴取位置Pがスピーカシステム1の正面付近からさらに外側に移動した場合についても解析計算を行ったので、次に述べる。例えば聴取位置Pが近い方のスピーカシステム1の正面方向位置からW×1/2ほど左外側へ移動した場合、必要な上記音圧レベル差は約9.5dBであった。
また中心聴取位置Pcと各スピーカシステム1,4が直角2等辺三角形の頂点付近に来るような場合、つまり各スピーカシステム1、4から各聴取位置Pc、Pまでの奥行き方向距離DがD=0.5Wの位置関係になる場合についても、同じく解析計算を行った。この場合は、聴取位置Pが近い方のスピーカシステム1の正面方向位置からW×1/2ほど左外側へ移動した時、必要な上記音圧レベル差は約14dBであった。
つまり聴取位置Pがスピーカシステム1の正面付近からさらに外側に移動した場合に必要な上記音圧レベル差は、聴取位置Pがスピーカシステム1の正面付近方向にある場合に必要な上記音圧レベル差と大差がないことが分かった。
従って上記音圧レベル差を、聴取位置Pがスピーカシステム1の正面付近方向にある場合に必要なレベルまたはそれよりも若干大きなレベルとすることにより、中央音像定位が得られる聴取範囲を各スピーカシステム1、4の外側にまで拡大することができる。
なお実際には先行音効果が働くので、上記音圧レベル差を上述の値よりも若干大きくした方が良い結果が得られる。また逆に上記音圧レベル差が大きくなりすぎると、音像は中央付近を通り越して聴取位置から遠い方のスピーカシステムに寄った位置に定位する場合がある。このような場合には、中音域における第1の各スピーカユニット2、5の音圧レベルと、第2の各スピーカユニット3、6の音圧レベルとの間に、若干のレベル差を設ければよい。
さて次に、上記音圧レベル差を与える周波数範囲について詳しく説明する。本実施の形態1のスピーカ装置では図5に示すように、約1kHz以上の周波数帯域において、聴取位置Pから遠い方のスピーカシステム4による音圧ベクトルV2に対して、聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1による音圧ベクトルV1を大幅に小さくした。このように構成することにより、特に歌声やセリフなど音声に対して中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果が得られる。この理由を以下に説明する。
人間の声の基本周波数は、男声の場合は80Hz〜400Hz程度、女声や子供の声の場合は150Hz〜900Hz程度であり、どちらかと言えば低音域に近い。ところがこれとは別に、人間の声を特徴付けるホルマントと呼ばれる特有の周波数スペクトルが存在すること、そして特に母音のホルマントが重要であることが知られている。
ホルマントは周波数が低い方から、第1ホルマント、第2ホルマント、第3ホルマントと呼ばれている。言語の如何に関わらず、かつ男声、女声、子供の声を総合して、第1ホルマント周波数の範囲は300Hz〜1kHz程度である。そして第2ホルマント周波数の範囲は800Hz〜3kHz程度、第3ホルマント周波数の範囲は2.5kHz〜4kHz程度である。
声の基本周波数、第1ホルマント周波数、第2ホルマント周波数、第3ホルマント周波数のいずれの周波数帯域が、中央音像定位の効果に最も大きな影響を与えるかについて実験を行った。つまり、聴取位置Pから遠い方のスピーカシステム4から聴取位置Pに到達する音圧に対して、聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1から到達する音圧を大幅に減衰させるという制御を、上記の各周波数範囲ごとに行いながら効果を確認した。
その結果、声の基本周波数である150Hz〜900Hzの周波数帯域だけについて上記制御を行った場合は、効果が非常に小さかった。そして第2ホルマントの周波数範囲を制御するのが効果が高く、第3ホルマント周波数、第1ホルマント周波数がこれに次いだ。さらに第2ホルマント周波数と第3ホルマント周波数の両方を制御すれば、非常に高い効果が得られることが見出せた。これは第2ホルマントと第3ホルマントの周波数範囲が、人間の耳の感度の高い周波数帯域であることも寄与しているためと考えられる。
なお上記の制御を行う周波数範囲を第2ホルマント周波数と第3ホルマント周波数の全帯域としなくても、つまり800Hz〜4kHzの中の一部の周波数帯域としても実用的な効果が得られた。またその一部の周波数帯域の中では、2kHz〜4kHz付近の周波数帯域が特に効果的であった。そして前述の中音域を制御すれば、声の基本周波数である150Hz〜900Hzの周波数帯域を特に制御しなくても、十分な効果が得られることも分かった。従って、逆位相の音が同時に人間の耳に届くと違和感のある低い周波数帯域については、第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6の放射音の位相をずらす必要のないことが明らかになったわけである。
一方、声の子音は高い周波数成分を多く含んでいるので、上記の制御を高音域でも行うことにより、母音と子音の両方に対して中央音像定位の高い効果が得られる。従って、人間の声の第2ホルマント周波数および第3ホルマント周波数の一部または全部を含む中音域および高音域において上記の制御を行うことにより、特に歌声やセリフなど音声に対して中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果を得ることができることが明らかになった。
以上のように構成した本実施の形態1のスピーカ装置を、マルチチャンネル再生機器のセンタースピーカとして用いてみた。つまりディスプレイの両側に配置した一対のスピーカシステムの両方に、同一のセンターチャンネル出力信号を入力した。すると、ディスプレイの中央から大幅に外れた位置やさらには両側のスピーカシステムよりも外側の位置などのどのような位置で映画を視聴しても、セリフや歌声が常にディスプレイの中央付近から聞こえてきた。その効果はかつて体験のできなかった劇的とも言えるものであった。
また本実施の形態1のスピーカ装置では、第1のスピーカユニット2、5を、聴取中心軸X1−X2から見て第2のスピーカユニット3、6よりも内側に配置したので、スピーカシステム1、4を前後方向に小型化できた。各スピーカユニットの他の配置構成も可能であるが、これについては後ほど述べる。
また本実施の形態1のスピーカ装置では、第1のスピーカユニット2、5の低域を減衰させることにより、ネットワーク回路を図3に示すような極めて簡単な構成とすることができた。その他の構成も可能であるが、これについては後ほど述べる。
従って以上説明したように本実施の形態1のスピーカ装置は、聴取中心軸X1−X2から見て両側に間隔をもって略対称な位置に設置される少なくとも一対のスピーカシステム1、4から成るスピーカ装置であり、各スピーカシステム1、4は第1のスピーカユニット2、5と第2のスピーカユニット3、6を備え、各スピーカユニット2、3、5、6を聴取中心軸X1−X2から見て略対称に配置し、各スピーカシステム1、4から聴取中心軸X1−X2を見る方向を内側方向とした時、第1のスピーカユニット2、5は内側方向に音を放射するとともに少なくとも中音域以上を再生し、第2のスピーカユニット3、6はスピーカシステム1、4の正面付近方向または第1のスピーカユニット2、5よりも外側方向に音を放射するとともに高音域を減衰させ、スピーカシステム1、4の片方の正面付近方向の聴取位置に対して、近い方のスピーカシステムの第1のスピーカユニットから到達する音と第2のスピーカユニットから到達する音が、中音域において互いに弱め合うようにし、聴取位置に近い方の前記スピーカシステムから到達する中音域の音圧が、前記聴取位置から遠い方のスピーカシステムから到達する中音域の音圧よりも減衰するように構成した。
また上記中音域を、人間の声の第2ホルマント周波数および第3ホルマント周波数の一部または全部を含む周波数範囲とした。また第1のスピーカユニット2、5を、聴取中心軸X1−X2から見て第2のスピーカユニット3、6よりも内側に配置し、上記中音域において、第1のスピーカユニット2、5の放射音の位相を第2のスピーカユニット3、6の放射音の位相よりも遅らせた。また第1のスピーカユニット2、5の低音域を減衰させた。
そしてこの構成により、中音域以上の全帯域において、聴取位置から近い方のスピーカシステムから到達する音圧を、聴取位置から遠い方のスピーカシステムから到達する音圧に対して大幅に低くすることができるので、中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果が得られる。また低音域では上記第1のスピーカユニットと上記第2のスピーカユニットは互いに逆位相の音を放射しないので、違和感のない自然な音質が得られるとともに大音圧再生ができる。またスピーカユニット自体の指向特性だけに依存した方法で中音域の放射特性を制御する必要がないので、スピーカ装置を小型化することが可能である。
また上記中音域を人間の声の第2ホルマント周波数および第3ホルマント周波数の一部または全部を含む周波数範囲とすることにより、特に歌声やセリフなど音声に対して中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果を得ることができる。
また上記第1のスピーカユニットを、上記聴取中心軸から見て上記第2のスピーカユニットよりも内側に配置し、上記中音域において、上記第1のスピーカユニットの放射音の位相を上記第2のスピーカユニットの放射音の位相よりも遅らせることにより、中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果が得られるとともに、スピーカシステムを前後方向に小型化することができる。
なお本実施の形態1においては第1のスピーカユニット2、5の音放射方向と聴取中心軸X1−X2との角度βを約45°としたが、この角度βを15°〜90°としても本発明の効果を得ることが可能である。
この角度βを大きくすれば、スピーカシステム1、4の横幅方向の寸法を小さくすることができる。ただしこの場合は第1のスピーカユニット2、5の指向性により高音域が不足しがちになるので、アンプなどで高音域をブーストするなどすればよい。
この角度βを小さくすれば、スピーカシステム1、4の前後方向の寸法を小さくすることができる。ただしこの場合は本発明の効果が得られる聴取位置がスピーカシステム1、4から離れた前後位置となるので、スピーカシステムに求められる寸法と所望の聴取範囲を勘案して角度βを決めればよい。
また本実施の形態1においては第2のスピーカユニット3、6の音放射方向を正面方向としたが、第1のスピーカユニット2、5よりも外側方向に音を放射すればよく、完全に正面方向を向いている必要はない。また本実施の形態1においては、第2の各スピーカユニット3、6の音放射方向と第1の各スピーカユニット2、5の音放射方向との角度αを約45゜としたが、この角度αを15°〜90°としても本発明の効果を得ることが可能である。
第1のスピーカユニット2、5と第2のスピーカユニット3、6について可能な配置の例を、図8〜図10に示す。
図8において、第1のスピーカユニット2、5と第2のスピーカユニット3、6の前後方向位置を揃えている。このように配置することにより、スピーカシステム1、4の前後方向の寸法を小さくすることができる。かつ第2のスピーカユニットの放射音がディスプレイに遮られにくくなるので、スピーカシステム1、4を後方に寄せて設置することができ設置の自由度が向上する。
ただしこのような配置を取る場合は、片方のスピーカシステムの正面付近方向の聴取位置に対して、第1のスピーカユニットからの到達距離と第2のスピーカユニットからの到達距離が等しくなる。従って中音域において第1のスピーカユニット2、5の放射音の位相を、第2のスピーカユニット3、6の放射音の位相に対して180°前後遅らせておくことにより、上で述べたのと同様の本発明の作用効果を得ることができる。これはネットワーク回路で実現してもよいし、各スピーカユニットごとにアンプを接続してアンプで位相制御をしてもよい、
図9においては第2のスピーカユニット3、6の音放射方向を若干外側に向けている。
また図10においては第2のスピーカユニット3、6の音放射方向を若干内側に向けている。その他、実施の形態3で述べるようなスピーカユニット配置も可能であり、様々な配置が可能である。
また本実施の形態1においては、中音域において第1のスピーカユニットの放射音の位相を第2のスピーカユニットの位相よりも90°程度遅らせたが、上でも述べたように各スピーカユニットの配置位置関係に応じて適宜設計すればよく、90°程度に限定されるものではない。例えば第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニットとの奥行き方向の間隔ピッチd2が大きいほど、与える位相遅れを小さくすればよい。
またさらには、各スピーカユニットの配置位置関係によっては位相を進める方がよい場合も考えられ、要するに、近い方のスピーカシステムの第1のスピーカユニットから到達する音と第2のスピーカユニットから到達する音が、中音域において互いに弱め合うようにし、聴取位置に近い方のスピーカシステムから到達する中音域の音圧が、聴取位置から遠い方のスピーカシステムから到達する中音域の音圧よりも減衰するように、位相差を設計すればよい。ただし、本実施の形態1のように90°前後の位相遅れで設計をすれば、ネットワーク回路や各スピーカユニットの配置位置関係の設計が容易になる。90°+45°程度の範囲とすれば設計が容易になる。
また本実施の形態1では、片方のスピーカシステム1の正面付近方向に聴取位置Pがある時に、距離L2と距離L3の差と、距離L5と距離L6の差が、同じ程度になるように構成したので、90°の位相差を設けることが最良となったものである。このように構成すれば、ネットワーク回路の構成が簡単にできる。
またスピーカユニットどうしの横幅方向や奥行き方向の間隔を大きくすると、上記作用、効果が得られる中心周波数(本実施の形態1では約2kHz)が低くなる。音声の中央音像定位化に対して最も効果的な周波数帯域から、あまり外れないようにするのが望ましい。
なお、第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6どうしの水平方向の間隔ピッチd1を大きくするほど、聴取位置Pから遠い方のスピーカシステム4による音圧ベクトルV2に対して、聴取位置Pに近い方のスピーカシステム1による音圧ベクトルV1を小さくできる効果を。より低い周波数から得ることができる。
また本実施の形態1においてはネットワーク回路を6dB/oct型としたが、例えば12dB/oct型やその他の回路構成とすることも可能であることは言うまでもない。この場合はネットワーク回路による位相回転の値が異なるので、スピーカユニットの配置位置関係と合わせて適宜設計すればよい。ただしあまり高次のフィルター回路はスロープが急なために位相回転が大きいので、スロープの緩やかな6dB/oct型やQの低い12dB/oct型などが適している。
またその他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施の形態2)
図11は本発明の実施の形態2におけるスピーカ装置のネットワーク回路図、図12は同実施の形態2におけるスピーカ装置の各スピーカユニットの周波数特性図である。本実施の形態2では各スピーカシステムのキャビネットと各スピーカユニットの仕様、配置などは実施の形態1と同一である。
本実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、第1の各スピーカユニット2、5の背面が密閉されておらず低音も再生すること、および第1の各スピーカユニット2、5の極性とネットワーク回路の構成である。
図11に示すように高域カット用コイルL1から成る6dB/oct型のネットワーク回路により、第2の各スピーカユニット3、6の高域を減衰させている。この点については実施の形態1と同じであるが、本実施の形態2では第1の各スピーカユニット2、5に対するネットワーク回路を、2個のコンデンサC、2個のコイルL2から成る移相回路としている。そして第1の各スピーカユニット2、5と第2の各スピーカユニット3、6とも、同極性でネットワーク回路に接続している。
つまり第1の各スピーカユニット2、5は、低域から高域までの全帯域を再生するが、ネットワークの移相回路により中音域から高音域にかけて位相が遅れ、高音域では位相が反転する。
各スピーカユニット2、3、5、6の軸上の同一測定距離における周波数特性は図12に示す通りである。第1の各スピーカユニット2、5の音圧周波数特性を破線Bに、その位相周波数特性を破線Dに、第2の各スピーカユニット3、6の音圧周波数特性を実線Aに、その位相周波数特性を実線Cに示す。なお第1の各スピーカユニット2、5の低音域の音圧が第2の各スピーカユニット3、6の低音域の音圧よりも若干低いのは、第1の各スピーカユニット2、5の口径が小さいためである。
つまり本実施の形態2の構成により、中音域から高音域にかけては実施の形態1と同様の周波数特性を得ている。従って本実施の形態2も中音域から高音域にかけて、実施の形態1で述べたのと同様の作用、効果が得られる。さらに本実施の形態2では第1の各スピーカユニット2、5が低音域を再生するので、第1の各スピーカユニット2、5の背面を密閉する必要がない。
従って以上のように構成することにより本実施の形態2のスピーカ装置は、実施の形態1で説明した効果に加えて、第1の各スピーカユニット2、5の背面を密閉しなくてもよいので各スピーカシステム1、4の内部の構造を簡略化できる。
なお本実施の形態2では、第1のスピーカユニット2、5を口径6.5cm、第2のスピーカユニット3、6を口径8cmとしたが、各スピーカユニット2、3、5、6を、例えば全て同一仕様のフルレンジ型ユニット等とすることも可能である。このように構成すれば、スピーカシステム1、4の構成を簡略化することができる。
またその他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施の形態3)
図13は本発明の実施の形態3におけるスピーカ装置のスピーカユニット配置図、図14は同実施の形態3におけるスピーカ装置のネットワーク回路図、図15は同実施の形態3におけるスピーカ装置の各スピーカユニットの周波数特性図である。図13において第1の各スピーカユニット12、15、第2の各スピーカユニット13、16、ディスプレイ17は実施の形態1と全く同じものなので、これらの説明は省略する。
本実施の形態3が実施の形態1と異なる点は、各スピーカシステム11、14の形状つまりキャビネット11a、14aの形状、各スピーカユニット12、13、15、16の配置関係、および第1の各スピーカユニット12、15の極性である。第1の各スピーカユニット12、15の背面は、実施の形態1と同様に密閉されている。
図13において、第1の各スピーカユニット12、15は第2の各スピーカユニット13、16よりも外側に配置されるとともに、内側方向に音を放射するように配置されている。そして第2の各スピーカユニット13、16は正面方向に音を放射するように配置されており、第1の各スピーカユニット12、15よりも外側方向に音を放射する。聴取中心軸X1−X2に対する第1の各スピーカユニット2、5の音放射方向の角度は、実施の形態1と同じく約45゜である。
第1の各スピーカユニット12、15と、第2の各スピーカユニット13、16どうしの水平方向の間隔ピッチは、実施の形態1と同じく約9cmである。また奥行き方向の間隔ピッチも実施の形態1と同じく約4cmである。また第1の各スピーカユニット12、15と第2の各スピーカユニット13、16は、実施の形態1と同じく水平に配列されている。また各スピーカシステム11、14と、中心聴取位置Pcおよび聴取位置Pとの位置関係は、実施の形態1と同じである。
図14に示すように、本実施の形態3のネットワーク回路は実施の形態1と同じ回路構成であるが、第1の各スピーカユニット12、15の極性が第2の各スピーカユニット13、16と同じ極性で接続されている。
そして、各スピーカユニット12、13、15、16の軸上の同一測定距離における周波数特性は図15に示す通りである。第1の各スピーカユニット12、15の音圧周波数特性を破線Bに、その位相周波数特性を破線Dに、第2の各スピーカユニット13、16の音圧周波数特性を実線Aに、その位相周波数特性を実線Cに示す。
図15から分かるように本実施の形態3では、実施の形態1とは逆に、中音域から高音域にかけて第1の各スピーカユニット12、15の放射音の位相を、第2の各スピーカユニット13、16の放射音の位相よりも90°程度進めている。
以上のように構成することにより、実施の形態1で述べたのと同じ作用、効果が得られる。なぜならば本実施の形態3では、第1の各スピーカユニット12、15を第2の各スピーカユニット13、16よりも外側に配置しているので、図13に示すように、聴取位置Pから遠い方のスピーカシステム14の第1のスピーカユニット15から聴取位置Pまでの距離L15は、第2のスピーカユニット16から聴取位置Pまでの距離L16よりも4cmほど長くなる。
このため、第1のスピーカユニット15の放射音の位相は第2のスピーカユニット16の放射音の位相よりも中音域において既に90°程度進んでいるので、両者の聴取位置Pでの到達音の位相差は減少することになる。そのために、第1のスピーカユニット15からの到達音と第2のスピーカユニット16からの到達音の位相差は0°に近づき、両者の放射音は強め合うわけである。
一方、聴取位置Pから近い方のスピーカシステム11の第1のスピーカユニット12から聴取位置Pまでの距離L12は、第2のスピーカユニット13から聴取位置Pまでの距離L3よりも4cmほど短い。
このため、第1のスピーカユニット12の放射音の位相は第2のスピーカユニット13の放射音の位相よりも中音域において既に90°程度進んでいるので、両者の聴取位置Pでの到達音の位相差は増大することになる。そのために、第1のスピーカユニット15からの到達音と第2のスピーカユニット16からの到達音の位相差は180°に近づき、両者の放射音は弱め合うわけである。
従って実施の形態1で説明したのと全く同じ作用、効果が得られる。さらに本実施の形態3では、第1の各スピーカユニット13、16を第1の各スピーカユニット12、15よりも外側に配置したことにより、第1の各スピーカユニット12、15の放射音がディスプレイに遮られにくくなるので、各スピーカシステム11、14を後方に寄せて設置することができる。
従って以上のように構成することにより本実施の形態3のスピーカ装置は、実施の形態1で説明した効果に加えて、各スピーカシステム11、14を後方に寄せて設置することができ設置の自由度が向上する。
またその他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施の形態4)
図16は本発明の実施の形態4におけるスピーカ装置の斜視図であり、左側のスピーカシステム21を示している。図16において、第1のスピーカユニット22は内側方向に音を放射し、第2のスピーカユニットは正面付近方向に音を放射するように配置されている。そしてまた第1のスピーカユニット22と第2のスピーカユニット23が互いに上下に配置されるように、キャビネット21aに取り付けられている。
各スピーカユニット22、23は実施の形態1で説明したものと同じ仕様である。またネットワーク回路の構成も同じである。
このように構成することにより、上で述べたのと同様の本発明の作用、効果が得られるばかりでなく、スピーカシステム21を横幅方向に小型化することができる。
なお本実施の形態4では第1のスピーカユニット22の口径を6.5cm、第2のスピーカユニットの口径を8cmとしたが、第2のスピーカユニットの口径を小さくするなどして、さらにスピーカシステムの横幅寸法を小さくすることが可能である。
またその他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施の形態5)
図17は本発明の実施の形態5におけるスピーカ装置の斜視図であり、左側のスピーカシステム31を示している。図17において、キャビネット31aの形状、第2のスピーカユニット33は実施の形態1と同じである。
本実施の形態5においては、第1のスピーカユニットをマルチウェイ構成としており、第1のスピーカユニットの低域側32aと第1のスピーカユニットの高域側32bとで構成している。第1のスピーカユニットの低域側32aは口径6.5cmのミッドレンジユニットであり、第1のスピーカユニットの高域側32bは口径2.5cmのドーム型ツィータである。両者のクロスオーバ周波数は約8kHzである。
このように構成することにより、上で述べたのと同様の本発明の作用、効果が得られるばかりでなく、音質自体を向上させることができる。つまり第1のスピーカユニットが1個だけの場合は、口径が数cm程度のフルレンジユニットや中高音用ユニットを用いることが多いので、高音域の周波数の高い帯域の再生能力や音質が十分でない場合がある。第1のスピーカユニットの高域側32bには専用のツィータを用いることができるので、優れた高音域の音質を得ることができる。
なおこの場合は、第1のスピーカユニットの高域側32bの低域側の再生周波数帯域、つまりクロスオーバ周波数について配慮が必要である。なぜならば小口径のツィータは指向性が広いのでクロスオーバ周波数を低くしすぎると、聴取位置から遠い方の第1のスピーカユニットから聴取位置に到達する高音域の音圧に対して、聴取位置に近い方の第1のスピーカユニットから到達する高音域の音圧を大幅に小さくするという作用が減少してしまうからである。
このため本実施の形態5では、クロスオーバ周波数を8kHzとし、口径2.5cmドーム型ツィータの実効振動半径においてka=2(kは波長定数、aは実効振動半径)となって指向性が狭くなり始める周波数としている。
またその他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施の形態6)
図18は本発明の実施の形態6におけるスピーカ装置の斜視図であり、左側のスピーカシステム41を示している。図18において、キャビネット41aの水平面内形状、第1のスピーカユニット42、第2のスピーカユニット43は実施の形態1と同じであり、その配置位置関係も同じである。またネットワーク回路も同じである。
本実施の形態6においては、第1のスピーカユニット42と第2のスピーカユニット43をマルチチャンネル再生用のセンタースピーカとして用い、マルチチャンネル再生用のフロント用スピーカシステムのスピーカユニット48と一体的にスピーカ装置を構成している。スピーカユニット48は口径8cmのフルレンジ型ユニットである。
このように構成することにより、上で述べたのと同様の本発明の作用、効果が得られるばかりでなく、独立したセンタースピーカを設置する必要のない簡便なマルチチャンネル再生用スピーカ装置を実現することができる。
(実施の形態7)
図19は本発明の実施の形態7におけるスピーカ装置の構成図である。図19において、左側のスピーカシステム51には第1のスピーカユニット52、第2のスピーカユニット53が取り付けられている。右側のスピーカシステム54には第1のスピーカユニット55、第2のスピーカユニット56が取り付けられている。第1の各スピーカユニット52、55と第2の各スピーカユニット53、56の配置位置関係は、実施の形態1と同じである。
本実施の形態7においては、第1の各スピーカユニット52、55は口径6.5cmのフルレンジ型ユニット、第2の各スピーカユニット53、56は口径8cmのフルレンジ型ユニットとしている。
そしてセンターチャンネル信号は6dB/oct型のハイパスフィルタにより中音域と高音域を通過させてから、インバータで位相を反転させてアンプ(C)に入力し、第1の各スピーカユニット52、55を駆動している。また一方、センターチャンネル信号は6dB/oct型のローパスフィルタにより高音域を減衰させてから、アンプ(R+C)とアンプ(L+C)に入力し、第2の各スピーカユニット53、56を駆動している。
このように構成したことによりセンターチャンネル信号については、第1の各スピーカユニット52、55と第2の各スピーカユニット53、56に印加される入力信号の特性は、実施の形態1で説明したものと同じになる。従ってセンターチャンネル信号に対して本発明の作用、効果が発揮され、センターチャンネルの音声信号に対して中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の高い効果を得ることができる。
さらに本実施の形態7においては、フロントのLチャンネル信号とRチャンネルの信号をそれぞれアンプ(R+C)とアンプ(L+C)に入力し、第2の各スピーカユニット53、56で再生している。つまり第2の各スピーカユニット53、56が、センターチャンネルの高音域を減衰させた信号とフロントチャンネルの信号を重畳して再生するように構成している。
以上のように構成することにより、合計4個という最少のスピーカユニット数で、センターチャンネルとフロントL・Rチャンネルを再生するスピーカ装置を実現することができる。
従って本実施の形態7によれば、センター用スピーカシステムがフロント用スピーカシステムと一体的に構成されているので、独立したセンター用スピーカシステムを設置する必要がないばかりか、センターチャンネルの音声信号に対して高い中央音像定位効果が得られ、なおかつローコストかつ小型のマルチチャンネル再生用スピーカ装置を実現することができる。
またその他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは言うまでもない。
本発明のスピーカ装置によれば、歌声やセリフなど音声に対しても中央音像定位が得られる聴取範囲拡大の効果が高いばかりでなく、違和感のない自然な音質が得られまた大音圧再生ができさらにまた小型化も可能であるので、一般の2チャンネルステレオ音響再生機器やマルチチャンネル音響再生機器ばかりでなく、テレビ用音響再生機器、車載用音響再生機器、パソコン内蔵音響再生機器、ポータブル音響再生機器など、電子機器全般の音響再生用に有用である。また左右方向の中央音像定位化のみならず。本発明のスピーカ装置を上下対称に配置することにより、高さ方向に音像を中央定位化させることもできる。以上のように、本発明のスピーカ装置は極めて実用的価値の高いものである。
本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の構成図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の斜視図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置のネットワーク回路図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の各スピーカユニットの周波数特性図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の周波数特性図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の中音域の作用を示す説明図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ装置の高音域の作用を示す説明図 本発明の他の実施の形態におけるスピーカ装置のスピーカユニット配置図 本発明の他の実施の形態におけるスピーカ装置のスピーカユニット配置図 本発明の他の実施の形態におけるスピーカ装置のスピーカユニット配置図 本発明の実施の形態2におけるスピーカ装置のネットワーク回路図 本発明の実施の形態2におけるスピーカ装置の各スピーカユニットの周波数特性図 本発明の実施の形態3におけるスピーカ装置のスピーカユニット配置図 本発明の実施の形態3におけるスピーカ装置のネットワーク回路図 本発明の実施の形態3におけるスピーカ装置の各スピーカユニットの周波数特性図 本発明の実施の形態4におけるスピーカ装置の斜視図 本発明の実施の形態5におけるスピーカ装置の斜視図 本発明の実施の形態6におけるスピーカ装置の斜視図 本発明の実施の形態7におけるスピーカ装置の構成図 従来のスピーカ装置の作用を示す説明図 従来のスピーカ装置の構成図 従来のスピーカ装置の周波数特性図 従来のスピーカ装置の周波数特性図 従来のスピーカ装置の構成図
符号の説明
1 左側のスピーカシステム
1a 左側のスピーカシステムのキャビネット
2 左側のスピーカシステムの第1のスピーカユニット
3 左側のスピーカシステムの第2のスピーカユニット
4 右側のスピーカシステム
4a 右側のスピーカシステムのキャビネット
5 右側のスピーカシステムの第1のスピーカユニット
6 右側のスピーカシステムの第2のスピーカユニット

Claims (5)

  1. 聴取中心軸から見て両側に間隔をもって略対称な位置に設置される少なくとも一対のスピーカシステムから成るスピーカ装置であり、前記各スピーカシステムは第1のスピーカユニットと第2のスピーカユニットを備え、前記各スピーカユニットを前記聴取中心軸から見て略対称に配置し、前記各スピーカシステムから前記聴取中心軸を見る方向を内側方向とした時、前記第1のスピーカユニットは内側方向に音を放射するとともに少なくとも中音域以上を再生し、前記第2のスピーカユニットは前記スピーカシステムの正面付近方向または前記第1のスピーカユニットよりも外側方向に音を放射するとともに高音域を減衰させ、前記スピーカシステムの片方の正面付近方向の聴取位置に対して、近い方の前記スピーカシステムの前記第1のスピーカユニットから到達する音と前記第2のスピーカユニットから到達する音が、中音域において互いに弱め合うようにし、前記聴取位置に近い方の前記スピーカシステムから到達する中音域の音圧が、前記聴取位置から遠い方の前記スピーカシステムから到達する中音域の音圧よりも減衰するように構成し、前記第1のスピーカユニットを、聴取中心軸から見て前記第2のスピーカユニットよりも内側に配置し、6dB/oct型のネットワーク回路により、前記第1のスピーカユニットの低域を減衰させ、前記第2のスピーカユニットの高域を減衰させ、かつ前記第1のスピーカユニットと前記第2のスピーカユニットの両方が、同等の音圧で、人間の声の第2ホルマント周波数および第3ホルマント周波数の一部または全部を含む中音域を再生し、前記第1のスピーカユニットと前記第2のスピーカユニットとを、逆極性で前記ネットワーク回路に接続し、前記中音域において、前記第1のスピーカユニットの放射音の位相を上記第2のスピーカユニットの放射音の位相よりも遅らせたことを特徴とする、スピーカ装置。
  2. 前記第1のスピーカユニットと前記第2のスピーカユニットを互いに上下に配置したことを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記第1のスピーカユニットをマルチウェイ構成としたことを特徴とする、請求項1または2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記スピーカシステムをマルチチャンネル再生用のセンタースピーカとし、マルチチャンネル再生用のフロント用スピーカシステムと一体的に構成したことを特徴とする、請求項1乃至に記載のスピーカ装置。
  5. 前記第2のスピーカユニットが、センターチャンネルの高音域を減衰させた信号とフロントチャンネルの信号を重畳して再生することを特徴とする、請求項に記載のスピーカ装置。
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