以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る走行計画生成装置は、車両の走行する経路について、設定条件に基づいて走行計画を生成する装置であって、例えば、信号機が設置された道路を走行する車両に好適に採用されるものである。
最初に、本実施形態に係る走行計画生成装置の構成を説明する。図1は本発明の実施形態に係る走行計画生成装置を備えた車両の構成図である。
車両1は、通信等により情報を入力しあるいはセンサ等によって情報を取得し、走行計画に沿って自動運転する機能を有する車両である。車両1は、アンテナ31、通信部32、センサ33及びECU2を備えている。ここで、ECU(Electronic Control Unit)とは、電子制御する自動車デバイスのコンピュータであり、CPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。
通信部32は、他車両や、路側に配置された通信装置と通信する機能を有している。通信する情報には交通情報が含まれている。交通情報としては、例えば、信号機の信号サイクルを示す交通信号情報や渋滞の状況に関する情報が含まれている。また、通信部32は、ECU2から送信データを入力しアンテナ31を介して他車両や通信装置に送信データを送信する機能と、他車両や通信装置からアンテナ31を介してデータを受信し受信データをECU2へ出力する機能とを有している。
センサ33は、車両1の周辺情報を取得する機能を有している。センサ33として、例えば、カメラ等の画像センサや、ミリ波レーダ、超音波センサ等が用いられる。センサ33は、車両の周辺情報を取得し、取得した情報をECU2へ出力する機能を有している。
ECU2は、入力部(交通情報取得手段)21、第1速度パターン生成部(第1速度パターン生成手段)22、判定部(停止判定手段)23、第2速度パターン生成部(第2速度パターン生成手段)24、及び走行計画部(走行計画生成手段)25を備える走行計画生成装置20を有している。
入力部21は、走行計画を生成するための情報を入力する機能を有している。入力部21は、例えば、通信部32から道路環境情報や交通情報等を入力する機能を有している。また、入力部21は、入力した情報を第1速度パターン生成部22、判定部23、第2速度パターン生成部24及び走行計画部25へ出力する機能を有している。なお、ECU2は、入力部21で入力した道路環境情報に基づいて、所定地点に最短で到達できる最速速度パターンを生成する機能を有している。最速速度パターンの基準となる所定地点としては、例えば交差点などの信号機の設置点が挙げられる。
第1速度パターン生成部22は、所定区間の走行計画を生成する機能を有している。例えば、第1速度パターン生成部22は、入力部21から道路環境情報を入力して速度パターンを生成する。生成する速度パターンは、例えば時刻に対する速度情報を示すものである。また、入力する道路環境情報としては、例えば距離情報や経路情報、その区間の法定速度等が挙げられる。また、第1速度パターン生成部22は、道路環境情報に基づいて、所定地点に低燃費で到達できる低燃費速度パターン(第1速度パターン)を生成する。低燃費速度パターンの基準となる所定地点としては、例えば交差点などの信号機の設置点が挙げられる。さらに、第1速度パターン生成部22は、生成した低燃費速度パターンを判定部23及び走行計画部25へ出力する機能を有している。
判定部23は、ECU2から入力した最速速度パターン又は第1速度パターン生成部22から入力した速度パターンと、入力部21から入力した交通情報とを用いて、車両がECU2又は第1速度パターン生成部22によって生成された速度パターンを用いて走行した場合に、所定地点で停止するか否かを判定する処理である。例えば、判定部23は、最速速度パターンから所定地点への到着時刻を算出し、到着時刻と信号機の信号サイクルとを比較して、車両が信号機の設置点で停止するか否かを判定する。また、例えば、判定部23は、低燃費速度パターンから所定地点への到着時刻を算出し、到着時刻と信号機の信号サイクルとを比較して、車両が交差点等の信号機の設置点で停止するか否かを判定する。判定部23は、停止判定の結果を第2速度パターン生成部24へ出力する機能を有している。
第2速度パターン生成部24は、第1速度パターン生成部22から入力した低燃費速度パターンと入力部21から入力した交通環境情報とに基づいて、第1速度パターン生成部22が生成した低燃費速度パターンよりも早い時刻で所定地点に到着する第2速度パターンを生成する機能を有している。例えば、低燃費速度パターンの最高速度を所定の速度ずつ増加させたり、低燃費速度パターンの最高加速度を所定の加速度ずつ増加させたりして第2速度パターンを生成する機能を有している。第2速度パターン生成部24は、生成した第2速度パターンを走行計画部25へ出力する機能を有している。
走行計画部25は、ECU2で生成した最速速度パターン、第1速度パターン生成部22で生成した低燃費速度パターン、又は第2速度パターン生成部24で生成した第2速度パターンと、入力部21から入力した交通状況に基づいて走行計画を生成する機能を有している。ECU2は、走行計画部25で生成した走行計画に沿って車両1を制御する機能を有している。よって、車両1は走行計画部25で生成した走行計画に沿った走行を実施できる。
次に、本実施形態に係る走行計画生成装置の動作について説明する。図3及び図4は、本実施形態に係る走行計画生成装置の動作を示すフローチャートである。なお、説明理解の容易性を考慮して、図2を用いて走行計画生成装置の動作を説明する。図2は、本実施形態に係る走行計画生成装置を備えた車両の走行例を示す概要図である。
図3及び図4に示す制御処理は、ECU2で実行され、例えばイグニッションオンされてから所定のタイミングで繰り返し実行される。
図2に示すように、車両1が信号機A及び信号機Bへ向かって走行する場合、走行計画生成装置20は、図3に示す車両情報設定処理から開始する(S10)。S10の処理は、ECU2で実行され、停止や発進時以外での走行中の走行路において、最低上限速度Vmin、最高上限速度Vmaxを設定する処理である。最低上限速度Vmin及び最高上限速度Vmaxは、入力部21から入力した道路情報や、運転者及び搭乗者の旅行時間に対する要望等を考慮して設定される。例えば、最低上限速度Vminとして30km/hが設定され、最高上限速度Vmaxとして法定速度の60km/hが設定される。さらに、ECU2は、停止や発進時において、最適燃費加速度及び許容最大加速度を設定する。許容最大加速度は、例えば、運転者によって事前に設定される。また、手動走行時にECU2の学習によって自動設定されてもよい。最適燃費加速度は、エンジンの熱効率が最大となる領域を利用する加速度であり、車両1の諸元情報から設定される。S10の処理が終了すると、信号情報入力処理へ移行する(S12)。
S12の処理は、入力部21で実行され、現在地点から規定距離を対象として、その区間内の信号機に関する情報を入力する処理である。例えば、入力部21は、路側に配置された通信機と通信することによって、図2に示す信号機A及び信号機Bに関する情報を入力する。信号機に関する情報としては、例えば信号の点灯サイクルを示す交通信号情報が挙げられる。点灯サイクル情報には、例えば、赤、青、黄色の点灯の開始タイミング及び周期が含まれている。S12の処理が終了すると、最速速度パターン生成処理へ移行する(S14)。
S14の処理は、ECU2で実行され、信号機設置地点に最速で到着する速度パターンを生成する処理である。ECU2は、入力部21から入力した道路情報や、S10の処理で設定した最高上限速度Vmax及び許容最大加速度等に基づいて、信号機Aの設置地点を通過する最速速度パターンを生成する。このように、S14の処理では、交通信号情報については考慮せずに、最速速度パターンを生成する。S14の処理が終了すると、低燃費速度パターン生成処理へ移行する(S16)。
S16の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、信号機設置地点に低燃費で到着する速度パターンを生成する処理である。第1速度パターン生成部22は、入力部21から入力した道路情報や、S10の処理で設定した最低上限速度Vmin及び最適燃費加速度等に基づいて、信号機A地点を通過する低燃費速度パターンを生成する。このように、S16の処理では、交通信号情報については考慮せずに、低燃費速度パターンを生成する。S16の処理が終了すると、停止判定処理へ移行する(S18)。
S18の処理は、判定部23で実行され、信号機によって車両1が停止するか否かを判定する処理である。まず、判定部23は、S16の処理で生成した低燃費速度パターン及びS14の処理で生成した最速速度パターンを参照し、低燃費速度パターンを採用した場合における信号機Aの設置地点に到着する時刻t1、及び最速速度パターンを採用した場合における信号機Aの設置地点に到着する時刻t2を算出する。到着時刻t1と到着時刻t2との間を到着時間帯とすると、判定部23は、到着時間帯と入力部21により入力した信号機Aの青信号周期とが重なるか否かを判定する。これにより、信号機Aによって車両1が停止するか否かを判定できる。S18の処理において、到着時間帯と青信号周期とが重ならないと判定した場合には、低燃費速度パターン採用処理へ移行する(S20)。
S20の処理は、走行計画部25で実行され、車両1が信号機Aの設置地点に到着する到着時間帯に青信号の周期が無い場合には、16の処理で生成した低燃費速度パターンを採用し、走行計画を生成する処理である。このように、到着時間帯に青信号周期が無い場合にはどのような走行しても必ず信号機Aの手前で停止する必要があるため、信号機Aの設置地点で停止することを前提とした低燃費な速度パターンを採用することで、エネルギー効率の良い走行を行うことができる。S20の処理が終了すると、図3及び図4に示す制御処理を終了する。
一方、S18の処理において、到着時間帯と青信号周期とが重なると判定した場合、すなわち、信号機設置地点を青信号で通過すると判定した場合には、停止判定処理へ移行する(S22)。S22の処理は、判定部23で実行され、低燃費な走行とした場合、信号機で停止せずに走行できるかを判定する処理である。例えば、判定部23は、低燃費速度パターンを採用した場合における信号機Aの設置地点に到着する時刻t1が、青信号周期と重なるか否かを判定する。S22の処理において、時刻t1が青信号周期と重なると判定した場合には、速度パターン選択処理へ移行する(S24)。
S24の処理は、走行計画部25で実行され、S16の処理で生成した低燃費速度パターンを採用して走行する場合には、青信号で信号機Aの設置地点を通過できるため、低燃費速度パターンを青信号で信号機Aの設置地点を通過できる最低速度パターンの候補として選択する処理である。S24の処理が終了すると、最低速度パターンの設定処理へ移行する(S32)。
一方、S22の処理において、時刻t1が青信号周期と重ならないと判定した場合には、上限速度検索処理へ移行する(S26)。S26の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、低燃費速度パターンよりも早い時点で信号機Aの設置地点に到着する第2速度パターンを生成するために、低燃費速度パターンの上限速度を上げて信号機Aの設置点を通過できる第2速度パターンを探索する処理である。S26の処理において、第2速度パターン生成部24は、低燃費速度パターンにおける上限速度を最低上限速度Vminから最高上限速度Vmaxへ徐々に所定の速度分増加させ、増加させる度に第2速度パターンを生成する。増分量は、例えば1km/hとなる。第2速度パターン生成部24は、第2速度パターンを生成する度に、生成した第2速度パターンを用いて走行した場合に、青信号で信号機Aの設置地点を通過することができるか否かを判定する。青信号で信号機Aの設置地点を通過できる第2速度パターンを生成したと判定した場合、又は最高上限速度Vmaxまで速度増加を行った場合には、停止判定処理へ移行する(S28)。
S28の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、青信号で信号機Aの設置地点を通過できる第2速度パターンを生成できたか否かを判定する。速度パターンの上限速度を最高上限速度Vmaxまで速度増加を行った場合であっても、青信号で信号機Aの設置地点を通過できる第2速度パターンを生成できない場合があるためである。S28の処理において、S26の処理で信号機Aの設置地点を青信号で通過できる速度パターンを生成していないと判定した場合には、上限加速度検索処理へ移行する(S30)。
S30の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、速度を最高上限速度Vmaxまで増加させても青信号で通過できる速度パターンとならなかったため、加速度を変化させて、信号機Aの設置地点を通過できる第2速度パターンを探索する処理である。第2速度パターン生成部24は、S26の処理で生成した速度パターンの上限速度を最高上限速度Vmaxに固定し、速度パターンにおける上限加速度を最適燃費加速度から許容最大加速度へ徐々に所定の加速度分増加させて、増加させる度に第2速度パターンを生成する。増分量は、例えば0.01Gとなる。第2速度パターン生成部24は、第2速度パターンを生成する度に、生成した第2速度パターンを用いて走行した場合に、青信号で信号機Aの設置地点を通過することができるか否かを判定する。S30の処理においては、S18の処理において到着時間帯と青信号周期が重なることを判定しているので、必ず青信号で信号機Aの設置地点を通過できる第2速度パターンを生成することができる。青信号で信号機Aの設置地点を通過できる第2速度パターンを生成した場合に、S30の処理を終了し、青信号通過最低速度パターンの設定処理へ移行する(S32)。
S32の処理は、走行計画部25で実行され、青信号で信号機Aの設置地点を通過することができる最低速度パターンを設定する処理である。走行計画部25は、S24の処理で生成した第2速度パターン、又はS30の処理で生成した第2速度パターンを最低速度パターンとして設定する。S32の処理が終了すると、上限速度再検索処理へ移行する(S34)。
S34の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、低燃費速度パターンよりも早い時点で信号機Aの設置地点に到着し、青信号で信号機Aを通過することができる第2速度パターンのうち、上限速度が最高速度となる第2速度パターンを探索する処理である。S18の処理において到着時間帯と青信号周期が重なることを判定しているが、到着時間帯の中に青信号周期が複数含まれている可能性がある。このため、第2速度パターン生成部24は、S32の処理で設定した最低速度パターンを採用して走行した場合に重なる青信号周期で信号機Aの設置地点を最高速度で通過することができる第2速度パターンを探索する。S34の処理において、第2速度パターン生成部24は、初期条件としてS32の処理で設定した最低速度パターンを選択する。選択した最低速度パターンの最高速度が最高上限速度Vmaxでない場合には、S26の処理と同様に、速度パターンにおける上限速度を選択した最低速度パターンの最高速度から最高上限速度Vmaxへ徐々に所定の速度分増加させて、増加させる度に第2速度パターンを生成する。増分量は、例えば1km/hとなる。第2速度パターン生成部24は、第2速度パターンを生成する度に、生成した第2速度パターンを用いて走行した場合に、青信号で信号機Aの設置地点を通過することができるか否かを判定する。赤信号で信号機Aの設置地点を通過する第2速度パターンを生成したと判定した場合、又は最高上限速度Vmaxまで速度増加を行った場合には、停止判定処理へ移行する(S36)。
S36の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、S34の処理において、赤信号で信号機Aの設置地点を通過する第2速度パターンを生成したか否かを判定する。速度パターンの上限速度を最高上限速度Vmaxまで速度増加を行った場合であっても、赤信号で信号機Aの設置地点を通過する第2速度パターンを生成しない場合がある。S36の処理において、S34の処理で信号機Aの設置地点を赤信号で通過する速度パターンを生成したと判定した場合には、最高速度パターン設定処理へ移行する(S44)。一方、S36の処理において、S34の処理で信号機Aの設置地点を赤信号で通過する速度パターンを生成していないと判定した場合には、上限加速度検索処理へ移行する(S38)。
S38の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、速度を最高上限速度Vmaxまで増加させても赤信号を通過する速度パターンとならなかったため、加速度を変化させて信号機Aの設置地点を赤信号で通過する第2速度パターンを生成する処理である。第2速度パターン生成部24は、S36の処理で生成した速度パターンの上限速度を最高上限速度Vmaxに固定し、速度パターンにおける上限加速度を最適燃費加速度から許容最大加速度へ徐々に所定の加速度分増加させて、増加させる度に第2速度パターンを生成する。増分量は、例えば0.01Gとなる。第2速度パターン生成部24は、第2速度パターンを生成する度に、生成した第2速度パターンを用いて走行した場合に、赤信号で信号機Aの設置地点を通過するか否かを判定する。S38の処理が終了すると、青信号周期の重なり判定処理へ移行する(S40)。
S40の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、到着時間帯と青信号周期とが全て重なるか否かを判定する処理である。この判定は、S38の処理において、生成した第2速度パターンが許容最大加速度まで増加させて生成したものであって、尚且つ、青信号で信号機Aの設置地点を通過すると判定したか否かを判定することによって実行できる。S40の処理において、到着時間帯と青信号周期とが全て重なると判定した場合には、最高速度パターンの選択処理へ移行する(S42)。
S42の処理は、走行計画部25で実行され、最低速度パターンから最速速度パターンまでにおけるいずれの速度パターンを採用しても青信号で通過できると判定することができたので、S14の処理で生成した最速速度パターンを最高速度パターンの候補として設定する処理である。S42の処理が終了すると、最高速度パターンの設定処理へ移行する(S44)。
一方、S40の処理において、到着時間帯と青信号周期とが全て重ならないと判定した場合には、最高速度パターンの設定処理へ移行する(S44)。S44の処理は、走行計画部25で実行され、信号機Aの設置地点を青信号で通過できる最速の速度パターンを設定する処理である。走行計画部25は、S36の処理において赤信号で信号機Aの設置地点を通過すると判定した第2速度パターンの直前の速度パターンを、青信号で通過できる最高速度パターンとして設定する。又は、走行計画部25は、S40の処理において赤信号で信号機Aの設置地点を通過すると判定した第2速度パターンの直前の速度パターンを、青信号で通過できる最高速度パターンとして設定する。又は、S42の処理で選択した第2速度パターンを最低速度パターンとして設定する。これにより、信号機Aの設置地点を青信号で通過できる速度パターンの最高速度パターンが確定する。よって、S32の処理で設定した最低速度パターンと、S44の処理で設定した最高速度パターンとの間の速度パターンは、信号機Aの設置地点を青信号で通過できる速度パターンとすることができる。S44の処理が終了すると、信号機Bを考慮して信号機Aの設置地点を通過する速度パターンを生成する処理へ移行する(S46)。
S46の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、信号機Aから信号機Bまでの間を最適燃費速度で走行する速度パターンを生成する処理である。第1速度パターン生成部22は、信号機Aまでの走行をS32の処理で設定した最低速度パターンとし、信号機Aから信号機Bまでの区間を最適燃費速度で走行する走行パターンをS16の処理と同様の処理で生成する。S46の処理が終了すると、信号周期判断処理へ移行する(S48)。
S48の処理は、判定部23で実行され、S46の処理で生成した最適燃費速度パターンを採用して走行した場合、信号機Bの設置地点に到着する時刻t3と信号機Bの青信号周期とが重なるか否かを判定する処理である。S48の処理において、時刻t3と信号機Bの青信号周期とが重なると判定した場合には、速度パターン採用処理へ移行する(S50)。
S50の処理は、走行計画部25で実行され、最適燃費速度パターンで走行する場合に、信号機A及び信号機Bの設置地点を青信号で通過すると判定したので、S46の処理で生成した最適燃費速度パターンを速度パターンに採用する処理である。これにより、信号機Aの設置地点を通過し、さらに信号機Bの設置地点を通過することができる速度パターンのうち、最も低燃費な速度パターンを採用し、エネルギー効率の良い走行をすることができる。S50の処理が終了すると、図3及び図4に示す制御処理を終了する。
一方、S48の処理において、時刻t3と信号機Bの青信号周期とが重ならないと判定した場合には、速度パターン検索処理へ移行する(S52)。S52の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、信号機Aから信号機Bまでの速度パターンをS46の処理で生成した最適燃費速度パターンとして固定し、制御開始地点から信号機Aまでの生成した速度パターンのうち、信号機A及び信号機Bの設置地点を青信号で通過できる速度パターンを探索する処理である。S32の処理で設定した最低速度パターンを基準として、S26〜S30の処理と同様に、上限速度をS44の処理で設定した最高速度パターンの上限速度まで徐々に上昇させ、上限速度まで上昇した場合には加速度を上昇させて、最低速度パターンと最高速度パターンとの間で、信号機Aの青信号周期に到着する速度パターンが存在するか検索する。S52の処理が終了すると、判定処理へ移行する(S54)。
S54の処理は、ECU2で実行され、S48の処理で生成した速度パターンで走行した場合の信号機Aの設置地点への到着時刻が青信号周期と重なるか否かを判定する処理である。S48の処理において、生成した速度パターンを採用して走行すると、青信号で信号機Aの設置地点を通過すると判定した場合には、速度パターン採用処理へ移行する(S56)。
S56の処理は、走行計画部25で実行され、制御開始地点から信号機Aまでの速度パターンとしてS52の処理で生成した速度パターンを採用し、信号機Aから信号機Bまでの速度パターンとしてS46の処理で生成した最適燃費速度パターンを採用する処理である。これにより、信号機Aの設置地点を通過し、さらに信号機Bの設置地点を通過することができる速度パターンのうち、低燃費な速度パターンを採用し、エネルギー効率の良い走行をすることができる。S56の処理が終了すると、図3及び図4の制御処理を終了する。
一方、S54の処理において、S48の処理で生成した速度パターンを採用して走行すると、青信号で信号機Aの設置地点を通過しないと判定した場合には、速度パターン検索処理へ移行する(S58)。S58の処理は、第2速度パターン生成部24で実行され、制御開始地点から信号機Aまでの速度パターンとしてS44の処理で生成した最高速度パターンとして固定し、信号機Aと信号機Bとの間の速度パターンについて、信号機Bの設置地点を青信号で通過できる速度パターンが存在するか探索する処理である。S46の処理で設定した最適燃費パターンを基準として、S26〜S30の処理と同様に、上限速度をVmaxまで徐々に上昇させ、上限速度まで上昇した場合には加速度を上昇させて、信号機Bの青信号周期に到着する速度パターンが存在するか検索する。S58の処理が終了すると、判定処理へ移行する(S60)。
S60の処理は、ECU2で実行され、S48の処理で生成した速度パターンで走行した場合の信号機Bの到着時刻が青信号周期と重なるか否かを判定する処理である。S58の処理において、生成した速度パターンを採用して走行すると、青信号で信号機Bの設置地点を通過すると判定した場合には、速度パターン採用処理へ移行する(S62)。
S62の処理は、走行計画部25で実行され、制御開始地点から信号機Aまでの速度パターンとしてS44の処理で生成した最高速度パターンを採用し、信号機Aから信号機Bまでの速度パターンとしてS60の処理で生成した速度パターンを採用する処理である。これにより、信号機Aの設置地点を通過し、さらに信号機Bの設置地点を通過することができる速度パターンのうち、低燃費な速度パターンを採用し、エネルギー効率の良い走行をすることができる。S62の処理が終了すると、図3及び図4の制御処理を終了する。
一方、S60の処理において、S58の処理で生成した速度パターンを採用して走行すると、青信号で信号機Bの設置地点を通過しないと判定した場合には、速度パターン採用処理へ移行する(S64)。S64の処理は、走行計画部25で実行され、制御開始地点から信号機Aまでの速度パターンとしてS32の処理で設定した最低速度パターンを採用する処理である。信号機Aの設置地点を仮に通過した場合であっても、信号機Bの設置地点で必ず赤信号で停止すると判定しているので、信号機Aの設置地点を青信号で通過する速度パターンのうち、最も低燃費な速度パターンを採用することで、エネルギー効率の良い走行をすることができる。S64の処理が終了すると、図3及び図4の制御処理を終了する。
図3及び図4に示す制御処理を実行することによって、走行計画生成装置20は、信号機Aの設置地点を青信号で通過できない場合には、信号機Aの設置地点に赤信号で止まる場合において低燃費走行する速度パターンを採用し、信号機Aの設置地点を青信号で通過できる場合には、信号機A及び信号機Bの設置地点を低燃費かつ青信号で通過する速度パターンを採用し、該当する速度パターンが存在しなければ、信号機Aの設置地点を青信号で通過して信号機Bの設置地点に赤信号で止まる場合において低燃費走行する速度パターンを採用する。このように、青信号で通過可能であれば極力青信号で通過し、さらに次の信号機設置地点の通過状況も考慮して効率的な走行を行うことができる。
以上、第1実施形態に係る走行計画生成装置20によれば、速度パターンを設定条件に基づいて生成し、交通状況を取得し、生成した速度パターンと取得した交通状況とに基づいて走行計画を生成することができる。これにより、例えば交通状況に基づいた停止場面を考慮して、燃費の良い走行計画や走行安全の確保された最適な走行計画を生成することができる。
また、第1実施形態に係る走行計画生成装置20によれば、交通状況として交差点の交通信号情報を取得することで、交差点の信号機A、Bの情報と速度パターンとに基づいて、信号機A、Bによる停止を適切に反映させて低燃費な走行計画を生成することができる。
また、第1実施形態に係る走行計画生成装置20によれば、最適燃費速度パターンを用いた車両制御によって走行するとした場合に、信号機A、Bが赤信号で通過できない場合には、最適燃費速度パターンの場合よりも信号機A、Bに早く到達する速度パターンを生成し、生成した速度パターンを用いて走行計画を生成することができる。これにより、信号情報に基づいて、信号機A、Bでは青信号で通過するように走行計画を調整することができるので、例えば旅行時間と低燃費走行とのバランスを最適化した走行計画を生成することができる。
さらに、第1実施形態に係る走行計画生成装置20によれば、通過可能な交差点の信号機Aより遠方の交差点における信号機Bの交通信号情報に基づいて走行計画を生成することができる。このため、複数の交差点を通過する場合に、どの交差点で停止するかを識別して低燃費な走行計画を生成することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る走行計画生成装置は、第1実施形態に係る走行計画生成装置20とほぼ同様に構成されるものであって、交通情報として他車両の位置情報を入力し、走行計画に反映させる点で相違する。第2実施形態においては、第1実施形態と重複する部分は説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第2実施形態に係る走行計画生成装置は、特に、前方に信号待ちする車両が存在する場合に好適に用いられるものである。まず、第2実施形態に係る走行計画生成装置の構成を、図5を用いて説明する。図5は、第2実施形態に係る走行計画生成装置を備えた車両の構成図である。図5に示すように、第2実施形態に係る走行計画生成装置40は第1実施形態に係る走行計画生成装置20が備える判定部23及び第2速度パターン生成部24を備えない点で相違し、車両1においてはECU2の動作が相違する。ECU2は、第1実施形態で説明した機能に加えて、自車両の周辺車両を1つの車群として自車両を走行させる機能を有している。又、1つの車群として他車両を走行させる機能を有していても良く、本実施形態においては、説明理解の容易性を考慮して、車両1が周辺車両を制御して走行させる場合を説明する。
次に、第2実施形態に係る走行計画生成装置40の動作を図6及び図7を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る走行計画生成装置40を備えた車両1の走行例を示す概要図である。図7は、走行計画生成装置40の動作を示すフローチャートである。図7に示す制御処理は、イグニッションオンされてから所定の間隔で繰り返し実行される。
図7に示す制御処理が開始されると、走行計画生成装置40は情報入力処理から開始する(S70)。S70の処理は、入力部21で実行され、走行予定の道路における信号機と信号機との間の距離を入力する処理である。例えば、図6に示す信号機Aと信号機Bとの間の距離L1を入力する処理である。入力部21は、アンテナ31を介して例えば路側に設置された通信機器と通信し、距離L1を取得する。S70の処理が終了すると、車長入力処理へ移行する(S72)。
S72の処理は、入力部21で実行され、信号機と信号機との間で停止する予定の車両の車長を入力する処理である。例えば、図6に示す信号機Bで停止予定の車両U1、U2の車長を入力する処理である。入力部21は、アンテナ31を介して例えば路側に配置された光ビーコン等と通信し、車両U1、U2の車長を入力する。S72の処理が終了すると、交通情報の入力処理へ移行する(S74)。
S74の処理は、入力部21で実行され、信号機の点灯サイクルを含む交通信号情報を入力する処理である。例えば、図6に示す信号機A及び信号機Bの赤信号周期や青信号周期の長さやタイミングを入力する。S74の処理が終了すると、停止車群の選択処理へ移行する(S76)。
S76の処理は、ECU2で実行され、信号機と信号機との間で停止する予定の車両の後ろに停止する予定の車両を選択する処理である。ECU2は、S72の処理で入力した停止予定の車両の全長と所定の車間距離とを合算して得られた長さと、S70の処理で入力した信号機と信号機との間の距離とを比較して、後続停止する車両群をリストアップする。例えば、図6に示す車両U1、U2の車長と、車両U1、U2の車間距離及び車両U2の後方車間距離とを合算し、信号機Aと信号機Bとの間の距離Lと比較して、停止可能車両を停止車群G1として設定する。車両U1、U2の車間距離及び車両U2の後方車間距離としては、例えば4mである。S76の処理が終了すると、速度パターン生成処理へ移行する(S78)。
S78の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、S76の処理で選択した車群の最後尾の車両に関して、許容最大減速度に基づいて減速する速度パターンを生成する処理である。例えば、図6に示す車群G1の最後尾車両R2に関して、速度パターンを生成する。許容最大減速度は、例えば、運転者によって事前に設定される。具体的には、例えば−0.3Gが挙げられる。S78の処理が終了すると、判定処理へ移行する(S80)。
S80の処理は、判定部23で実行され、停止車群の最後尾車両がS78の処理で生成した速度パターンを採用して走行した場合、信号待ちの車両の後ろに到達する前に、手前の信号機によって停止するか否かを判定する処理である。例えば、車両R2が、図6の信号機Bで停止する車両U1及びU2の後ろに到着する前に、手前の信号機Aによって停止するか否かを判定する。判定部23は、S78の処理で生成した速度パターンを採用した場合における信号機Aの設置地点に到着する時刻t5を算出する。そして、判定部23は、到着時刻t5と信号機Aの青信号周期とが重なるか否かを判定する。S80の処理において、到着時刻t5と信号機Aの青信号周期とが重ならないと判定した場合には、停止車群の再選択処理へ移行する(S82)。
S82の処理は、ECU2で実行され、S76の処理で選択した停止車群を再度選択し直す処理である。ECU2は、S76の処理で選択した停止車群のうち、最後尾の車両を除外して、新たな停止車群として再選択する。例えば、車群G1から最後尾の車両R2を除外して、新たに車両1と車両R1とによって車群を形成する。S82の処理が終了すると、速度パターン生成処理へ移行する(S78)。S78からS80までの処理を実施することで、信号機Aから信号機Bまでの間に、どの車までが入ることができるのかを判定することができる。
一方、S80の処理において、到着時刻t5と信号機Aの青信号周期とが重なると判定した場合には、最後尾車両の速度パターンの再生成処理へ移行する(S84)。S84の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、S76又はS82の処理で選択された停止車群の最後尾の速度パターンを再生成する処理である。例えば、第1速度パターン生成部22は、許容最大減速度から、加速度を0.01G増加させて速度パターンを生成する。S84の処理が終了すると、判定処理へ移行する(S86)。
S86の処理は、判定部23で実行され、S84の処理で生成した速度パターンを採用して走行した場合、信号待ちの車両の後ろに到達する前に信号機によって停止するか否かを判定する処理である。判定部23は、S80の処理と同様に、車両R2の到着時刻t5と信号機Aの青信号周期とが重なるか否かを判定する。S86の処理において、到着時刻t5と信号機Aの青信号周期とが重なると判定した場合には、減速度の判定処理へ移行する(S88)。
S88の処理は、ECU2で実行され、S84の処理で生成した速度パターンの減速度が、低燃費減速度であるか否かを判定する処理である。低燃費減速度は、例えばエンジンの熱効率が最も良い領域を使用する加速等であり、車両R2の諸元情報を用いて決定可能である。S88の処理において、低燃費減速度でないと判定した場合には、減速度の増加処理へ移行する(S90)。
S90の処理は、ECU2で実行され、S88の処理で判定した減速度を減少させる処理である。減少量は、例えば0.01Gである。S90の処理が終了すると、再び速度パターンの生成処理へ移行する(S84)。S84の処理では、S90の処理で設定した減速度に基づいて速度パターンを生成する。これにより、到着時刻t5と信号機Aの青信号周期とが重ならなくなるまで、若しくは減少させた減速度が低燃費減速度となるまで、徐々に減速度を減少させた最後尾車両R2の速度パターンを生成することができる。
一方、S86の処理において、到着時刻t5と信号機Aの青信号周期とが重ならないと判定した場合には、速度パターン採用処理へ移行する(S94)。S94の処理は、走行計画部25で実行され、到着時刻t5と信号機Aの青信号周期とが重ならないと判定した速度パターンの直前の速度パターンを、最後尾車両R2の速度パターンとして採用する。S94の処理が終了すると、他車両の速度パターン生成処理へ移行する(S96)。
また、S88の処理において、最後尾車両R2の速度パターンの減速度が低燃費減速度であると判定した場合には、速度パターン採用処理へ移行する(S92)。S92の処理は、走行計画部25で実行され、速度パターンの減速度が低燃費減速度であるので、低燃費減速度で走行する速度パターンを採用する。S92の処理が終了すると、他車両の速度パターン生成処理へ移行する(S96)。
S96の処理は、ECU2で実行され、最後尾車両R2を除く停止車群の各々の車両1、R1について速度パターンを生成する処理である。ECU2は、最後尾車両R2から安全間隔を考慮して最後尾側から順に停止車群の速度パターンを生成する。S96の処理が終了すると、図7に示す制御処理が終了する。
このように、図7に示す制御処理を実行することで、車群単位で信号を通過し、自車両の低燃費と交通流全体とのバランスを考慮した走行を行うことができる。
以上、第2実施形態に係る走行計画生成装置40によれば、速度パターンを設定条件に基づいて生成し、交通状況を取得し、生成した速度パターンと取得した交通状況とに基づいて走行計画を生成することができる。これにより、例えば交通状況に基づいた停止場面を考慮して、燃費の良い走行計画や走行安全の確保された最適な走行計画を生成することができる。
また、第2実施形態に係る走行計画生成装置40によれば、最後尾車両R2が交差点を通過する際の交通情報に基づいて、車群G1を形成する車両1、R1の走行計画を生成することができるため、円滑な交通流及び走行安全を確保しながら、低燃費な走行計画を生成することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る走行計画生成装置は、第1実施形態に係る走行計画生成装置とほぼ同様に構成されるものであって、交通情報として信号機に関する情報を入力せずに、他車両の位置情報を走行計画に反映させる点で相違する。第3実施形態においては、第1実施形態と重複する部分は説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第3実施形態に係る走行計画生成装置は、例えば高速道路の渋滞時などにおいて他車両に追従して走行する際に好適に用いられるものである。まず、第3実施形態に係る走行計画生成装置の構成を、図8を用いて説明する。図8は、第3実施形態に係る走行計画生成装置を備えた車両の構成図である。図8に示すように、第3実施形態に係る走行計画生成装置60は第1実施形態に係る走行計画生成装置20が備える判定部23及び第2速度パターン生成部24を備えない点で相違し、又、車両1においてはECU2の動作が相違する。ECU2は、第1実施形態で説明した機能に加えて、自車両の周辺車両を1つの車群として自車両を走行させる機能を有している。又、1つの車群として他車両を走行させる機能を有していても良く、本実施形態においては、説明理解の容易性を考慮して、車両1が周辺車両を制御して走行させる場合を説明する。
次に、第3実施形態に係る走行計画生成装置60の動作を図9〜図11を用いて説明する。図9は、本実施形態に係る走行計画生成装置60を備えた車両1の走行例を示す概要図である。図10及び図11は、本実施形態に係る走行計画生成装置60の動作を示すフローチャートである。図10及び図11に示す制御処理は、イグニッションオンされてから所定の間隔で繰り返し実行される。なお、説明理解の容易性を考慮し、車両1が図9のaに示す渋滞した道路を走行する場合を説明する。
制御処理が開始されると、走行計画生成装置60は、前方車両確認処理から開始する(S100)。S100の処理は、ECU2で実行され、車両1の前方に存在する車両の走行状態を確認する処理である。ECU2は、例えば、図9のaに示すように、車両1の前方に位置する車両群G2の走行状態を、センサ33や通信部32から得られた情報に基づいて判定する。S100の処理において、前方車両が停止を継続していると判定した場合には、停止維持処理へ移行する(S102)。
S102の処理は、走行計画部25で実行され、前方車両が停止しているので、自車両も停止を維持する処理である。S102の処理が終了すると、図10及び図11の制御処理を終了する。
一方、S100の処理において、前方車両が停止を継続していないと判定した場合には、継続的走行判定処理へ移行する(S104)。S104の処理は、ECU2で実行され、車両1の前方に存在する車両が長距離に渡って継続的な走行が可能であるか否かを判定する処理である。長距離とは、例えば1km以上である。ECU2は、例えば、アンテナ31及び通信部32を介して前方車両群G2や路側に設置された通信装置と通信し、前方車両群G2が長距離走行するか否かを判定する。S104の処理において、前方車両が継続的に走行可能であると判定した場合には、通常走行処理へ移行する(S106)。
S106の処理は、ECU2、第1速度パターン生成部22及び走行計画部25で実行され、通常の燃費走行を行う処理である。例えば、ECU2は、停止や発進時以外での走行中の走行路において、最低上限速度Vminを設定し、停止や発進時において、最適燃費加速度を設定する。最適燃費加速度は、エンジンの熱効率が最大となる領域を利用する加速度であり、車両1の諸元情報から設定される。第1速度パターン生成部22は、設定した最低上限速度Vminと最適燃費加速度とを用いて通常の速度パターンを生成し、走行計画部25は、速度パターンに基づいて走行計画を生成する。これにより、車両1は低燃費な発進と加速を行う。S106の処理が終了すると、図10及び図11の制御処理を終了する。
一方、S104の処理において、前方車両が継続的に走行可能であると判定した場合には、HV車両確認処理へ移行する(S108)。S108の処理は、ECU2で実行され、自車両1がハイブリット車両であるか否かを判定する処理である。S108の処理において、自車両1がハイブリット車両であると判定した場合には、回生減速設定処理へ移行する(S110)。
S110の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、自車両1がハイブリット車両であるので、回生減速を前提として停止動作の設定を行う処理である。例えば、第1速度パターン生成部22は、ECU2のメモリ上に回生フラグ領域を作成し、回生フラグを0から1にする処理を行う。S110の処理が終了すると、最高速度及び加減速度の設定処理へ移行する(S114)。
一方、S108の処理において、自車両1がハイブリット車両でないと判定した場合には、エンジンブレーキ減速処理へ移行する(S112)。S112の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、自車両1がハイブリット車両でないので、最も高いギアのエンジンブレーキによる減速やNギア減速等を前提として停止動作の設定を行う処理である。例えば、第1速度パターン生成部22は、ECU2のメモリ上にエンジンブレーキフラグ領域を作成し、エンジンブレーキフラグを0から1にする処理を行う。S108の処理が終了すると、最高速度及び加減速度の設定処理へ移行する(S114)。
S114の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、自車両1が走行する最高速度及び加減速度を決定する処理である。第1速度パターン生成部22は、最高速度を例えば空気抵抗損失が十分に小さい30km/h程度とする。このように速度を十分に小さくすることで、空気抵抗損失を抑えて燃費の良い走行が可能となる。また、加減速度については、S106の処理と同様に最適燃費加速度を採用する。S114の処理が終了すると、低燃費速度パターン生成処理へ移行する(S116)。
S116の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、S110〜S114の処理で設定した条件に基づいて低燃費速度パターンを生成する処理である。第1速度パターン生成部22は、例えば回生フラグやエンジンブレーキフラグを確認して、自車両1がハイブリット車両の回生減速制御を行うのか、AT車両のエンジンブレーキ減速制御を行うかを判定し、S114で設定した最高速度及び最適燃費加速度によって、速度パターンを生成する。なお、後続の交通への影響に配慮しつつ車両の燃費を向上させるために、加速や減速を繰り返す波状走行は行わないような速度パターンを生成する。例えば、1回の加速と1回の減速で、発進と停止を行う速度パターンとする。S116の処理が終了すると、車群形成処理へ移行する(図11のS118)。
S118の処理は、ECU2で実行され、車両1の周辺車両を車群として取り扱う処理である。ECU2は、図9のaに示すように、周辺車両として例えば10台程度の車両を車群G3として設定する。S118の処理が終了すると、走行距離算出処理へ移行する(S120)。
S120の処理は、ECU2で実行され、S118の処理で設定した車群の走行予定距離を算出する処理である。ECU2は、例えば図9のaに示す車群G3を構成する車両の低燃費な速度パターンを用いて、それぞれの走行予定距離を算出し、算出した走行予定距離を平均して車群G3の走行予定距離(走行継続可能距離)L0を算出する。S120の処理が終了すると、空間確認処理へ移行する(S122)。
S122の処理は、ECU2で実行され、車群走行に必要な空間が確保されているか否かを判定する処理である。ECU2は、通信部32やセンサ33を用いて、例えば図9に示す車群G2との車間距離L3,L4を入力し、S120の処理で算出した走行予定距離L0と比較する。S122の処理において、図9のaに示すように、L0>L3であって、車群走行に必要な空間が確保されていないと判定した場合、又は前方車両の行動予測によってもL0>L3の関係に変化がないと予測される場合には、停止維持処理へ移行する(S124)。
S124の処理は、走行計画部25で実行され、車群G3が一度の加速及び減速で走行するために必要な距離が確保されていないため、車群G3は停止を維持する処理である。S124の処理が終了すると、図10及び図11に示す制御処理を終了する。
一方、S122の処理において、図9のbに示すように、L0<L4であって、車群走行に必要な空間が確保されていると判定した場合には、最大車間距離推定処理へ移行する(S126)。S126の処理は、ECU2で実行され、通信部32やセンサ33から入力した情報に基づいて前方の車群G2の行動予測を行い、車群G2との車間距離の最大を予測する処理である。S126の処理が終了すると、速度パターン再生成処理へ移行する(S128)。
S128の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、車群G3の低燃費速度パターンを再度生成する処理である。第1速度パターン生成部22は、S116の処理と同様に速度パターンを生成する。なお、S116の処理では、最高速度を空気抵抗損失が十分に小さい速度として30km/hを設定して速度パターンを生成しているが、S128の処理では、特に30km/hに固定される事は無く、S126の処理で推定した最大車間距離に応じて変更してもよい。S128の処理が終了すると、発進処理へ移行する(S130)。
S130の処理は、ECU2で実行され、車両1を自動走行させる処理である。ECU2は、S128の処理で生成した走行計画に沿って、車群の先頭から発進させ、適正な車間を空けて後続車両も順次発進させる。適正な車間とは、例えば2秒分の移動距離である。S130の処理が終了すると、走行判定処理へ移行する(S132)。
S132の処理は、ECU2で実行され、自動走行が終了したか否かを判定する処理である。S132の処理において、車両1が自動走行中であると判定した場合には、最大車間距離推定処理へ移行し、動的に最大車間距離の推定を行い(S126)、速度パターンを生成する(S128)。一方、S132の処理において、車両1が自動走行中でないと判定した場合には、車両は停止状態であるので、図10及び図11の制御処理を終了する。
図10及び図11に示す制御処理を実施することで、渋滞時において、発進から停止まで低燃費で行える車間距離を前方に確認できた場合、又は発進から停止まで低燃費で行える車間距離が想定できた場合にのみ発進することができる。これにより、低燃費な走行を行うことができる。
以上、第3実施形態に係る走行計画生成装置60によれば、速度パターンを設定条件に基づいて生成し、交通状況を取得し、生成した速度パターンと取得した交通状況とに基づいて走行計画を生成することができる。これにより、例えば交通状況に基づいた停止場面を考慮して、燃費の良い走行計画や走行安全の確保された最適な走行計画を生成することができる。
また、第3実施形態に係る走行計画生成装置60によれば、車両の前方の渋滞状況を取得し、渋滞が発生している場合には、例えば車両が最も低燃費で走行する条件などを満たす走行ができる距離である走行継続可能距離を推定し、推定した走行継続可能距離に基づいて前記走行計画を生成することができる。これにより、燃費の良い走行計画を生成することができる。
また、第3実施形態に係る走行計画生成装置60によれば、走行継続可能距離が所定値以上になるまで車両が停止状態を維持する走行計画を生成することができるため、適切に車群を形成して燃費を向上させる共に、走行安全の確保された最適な走行計画を生成することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る走行計画生成装置は、第1実施形態に係る走行計画生成装置20と同様に構成されるものであって、交通情報としてセンサ33等で監視した他車両の行動に関する情報を入力し、自車両の走行計画に反映させる点で相違する。第4実施形態においては、第1実施形態と重複する部分は説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第4実施形態に係る走行計画生成装置は、例えば先行車両に追従して走行する際に好適に用いられるものである。まず、第4実施形態に係る走行計画生成装置の構成を、図12を用いて説明する。図12は、第4実施形態に係る走行計画生成装置を備えた車両の構成図である。図12に示すように、第4実施形態に係る走行計画生成装置80は、第1実施形態に係る走行計画生成装置20が備える判定部23及び第2速度パターン生成部24を備えない点で相違すると共に、車両1に備わるECU2の動作が相違する。ECU2は、第1実施形態で説明した機能に加えて、自車両の先行車両の行動を予測する機能を有している。ECU2は、例えば通信部32及びセンサ33から入力した情報に基づいて先行車両の加減速、発進や停止、レーンチェンジ等の行動を予測する機能を有している。
次に、第4実施形態に係る走行計画生成装置80の動作を図13及び図14を用いて説明する。図13は、本実施形態に係る走行計画生成装置80を備えた車両1の走行例を示す概要図である。図14は、本実施形態に係る走行計画生成装置80の動作を示すフローチャートである。図14に示す制御処理は、イグニッションオンされてから所定の間隔で繰り返し実行される。なお、説明理解の容易性を考慮し、図13のaに示すように、車両1が信号機Aで信号待ちをしており、信号機Aの指示で先行車両U3に続いて発進する場合を説明する。図13のaからcまでは、時系列で表示されている。
制御処理が開始されると、走行計画生成装置80は、前方車両の行動予測処理から開始する(S140)。S140の処理は、ECU2で実行され、先行車両の行動を予測する処理である。ECU2は、例えば、先行車両U3が信号機Aで停止する前に、先行車両U3が置かれた走行状態に応じて先行車両U3が取り得る事象ごとに発生頻度を学習する。そして、ECU2は、学習したセンサ33から入力した先行車両U3の情報に基づいて、例えば先行車両U3の発進加速度を予測する。S140の処理が終了すると、先行車両走行情報算出処理へ移行する(S142)。
S142の処理は、ECU2で実行され、先行車両の走行情報を算出する処理である。ECU2は、例えば、S140の処理で予測した発進加速度を用いて、先行車両U3が希望走行速度Vpに到達する地点F0及び地点F0に到達する時刻t0を算出する。希望走行速度Vpは、例えば法定速度である。S142の処理が終了すると、車間距離算出処理へ移行する(S144)。
S144の処理は、ECU2で実行され、先行車両との車間距離を算出する処理である。ECU2は、S142の処理で算出した希望走行速度Vpで走行する場合に必要な安全車間距離LSを、TTC(Time To Collision)を用いて算出する。TTCは、車両1と先行車両U3との車間距離を速度で除した値であり、予め設定されている。なお、安全なTTTCとして、例えば2秒を設定すればよい。TTCをTTTCとすると、安全車間距離LSは以下式で表すことができる。
LS=Vp・TTTC …(1)
式1を用いることで、先行車両U3との車間距離を算出することができる。S144の処理が終了すると、目標地点の算出処理へ移行する(S146)。
S146の処理は、ECU2で実行され、S142の処理で算出した時刻t0、及びS144の処理で算出した安全車間距離LSを用いて、車両1が目標とする地点F1を算出する処理である。先行車両U3の車長をLC、地点F0までの距離をLF0すると、地点F1までの距離LF1は以下式で表すことができる。
LF1=LF0−LC−LS …(2)
式2を用いることで、車両1が目標とする地点F1までの距離を算出することができる。S146の処理が終了すると、速度パターンの生成処理へ移行する(S148)。
S148の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、車両1の速度パターンを生成する処理である。第1速度パターン生成部22は、車両U3の後続車両である車両1において、S146の処理で求めた地点F1において希望走行速度Vpに到達するような速度パターンであって、希望走行速度Vpに到達するまでの加速を低燃費な加速とする速度パターンを生成する。低燃費な加速とは、例えばエンジンの熱効率の最もよい領域を使用する加速である。S148の処理が終了すると、車間距離判定処理へ移行する(S150)。
S150の処理は、ECU2で実行され、S148の処理で生成した速度パターンを採用して走行した場合に、先行車両U3との車間距離が安全であるか否かを判定する処理である。ECU2は、S148の処理で生成した速度パターンを採用した場合における先行車両U3との車間距離L5を算出し、算出した車間距離L5とS144の処理で算出した安全車間距離LSとを比較する。S150の処理において、車間距離L5が安全車間距離LSよりも短いと判定した場合には、速度パターンの修正処理へ移行する(S152)。
S152の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、車両1の速度パターンを修正する処理である。第1速度パターン生成部22は、速度パターンの開始タイミング、すなわち車両の発進タイミングを単位時間遅らせる修正を行う。単位時間には、例えば、100msが設定される。S152の処理が終了すると、再び車間距離判定処理へ移行し(S150)、車間距離L5が安全車間距離LSを超えたか否かを判定する。このように、車間距離L5が安全であると判定されるまで繰り返し実行される。
一方、S150の処理において、車間距離L5が安全車間距離LSよりも短くないと判定した場合には、速度パターン採用処理へ移行する(S154)。S154の処理は、走行計画部25で実行され、車両1の速度パターンとして、S148の処理で生成した速度パターン、又はS152の処理で修正した速度パターンを採用する処理である。走行計画部25は、後続車両である車両1の速度パターンとして、生成又は修正した速度パターンを採用する。S154の処理が終了すると、図14に示す制御処理を終了する。
図4に示す制御処理を実施することで、必要以上に安全性を確保して交通流の処理量を削減することなく、又、必要以上に交通流の処理量を優先して安全性に問題が生じることなく、さらに、車間距離を無理に一定に確保するための無駄なエネルギーを消費することなく、低燃費な速度パターン及び最適な発進タイミングを実現することができる。
以上、第4実施形態に係る走行計画生成装置80によれば、速度パターンを設定条件に基づいて生成し、交通状況を取得し、生成した速度パターンと取得した交通状況とに基づいて走行計画を生成することができる。これにより、例えば交通状況に基づいた停止場面を考慮して、燃費の良い走行計画や走行安全の確保された最適な走行計画を生成することができる。
また、第4実施形態に係る走行計画生成装置80によれば、先行車両U3の挙動情報を取得し、走行計画に反映させることができるため、安全なタイミングで発進する走行計画を生成することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る走行計画生成装置は、第1実施形態に係る走行計画生成装置20とほぼ同様に構成されるものであって、交通情報として日照情報を入力し、自車両の走行計画に反映させる点で相違する。第5実施形態においては、第1実施形態と重複する部分は説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第5実施形態に係る走行計画生成装置は、例えばエアコンを作動させて車内の温度を調整しながら走行する車両に好適に採用されるものである。まず、第5実施形態に係る走行計画生成装置の構成を、図15を用いて説明する。図15は、第5実施形態に係る走行計画生成装置を備えた車両の構成図である。図15に示すように、第5実施形態に係る走行計画生成装置100は、第1実施形態に係る走行計画生成装置20が備える判定部23及び第2速度パターン生成部24を備えない点で相違すると共に、入力部(日照状態取得手段、設定温度取得手段、温度取得手段)21が入力する情報が相違する。入力部21は、第1実施形態と同様に交通信号情報を入力すると共に、通信部32及びセンサ33を介して、路面の日陰又は日向を示す日照状態を取得する機能を有している。また、センサ33を介して車室内の温度を入力する機能を有している。さらに、車内の設定温度として、エアコンの操作部に入力された設定温度を入力する機能を有している。
次に、第5実施形態に係る走行計画生成装置100の動作を図16及び図17を用いて説明する。図16は、本実施形態に係る走行計画生成装置100を備えた車両10,11の走行例を示す概要図である。図17は、本実施形態に係る走行計画生成装置100の動作を示すフローチャートである。図17に示す制御処理は、イグニッションオンされてから所定の間隔で繰り返し実行される。なお、説明理解の容易性を考慮し、図16に示すように、車両10,11が信号機Aに向かって走行している場合について説明する。
制御処理が開始されると、走行計画生成装置100は、情報取得処理から開始する(S160)。S160の処理は、ECU2で実行され、車両の周辺の情報を入力する処理である。ECU2は、通信部32やセンサ33を介して、ビルや構造物等を含む立体物Eの高さ情報、及び車両周辺の地図情報を入力する。なお、車両にGPS受信機を備え、GPS受信機を介して車両周辺の情報を取得しても良い。GPS受信機は、車両の位置や走行環境に関する情報を取得する機能を有する装置である。ここで、GPS(Global Positioning System)とは、衛星を用いた計測システムのことであり、自車両の現在位置の把握に好適に用いられるものである。また、ECU2は、通信部32やセンサ33を介して、交通情報を取得する。交通情報としては、例えば信号機Aの信号サイクルが含まれる。S160の処理が終了すると、日照メモリの確保処理へ移行する(S162)。
S162の処理は、ECU2で実行され、ECU2に備わるメモリ上に日照の状態を判定するための領域を確保する処理である。ECU2は、S160の処理で入力した情報を用いて、例えば車両を中心として400m四方の日照状態を判定できる領域を確保する。S162の処理が終了すると、太陽の確認処理へ移行する(S164)。
S164の処理は、ECU2で実行され、太陽の方角及び高さを導出する処理である。ECU2は、通信部32やセンサ33を介して、緯度、経度及び時刻情報を入力し、太陽Hの方角及び高さを算出する。なお、S160の処理と同様に、GPS受信機を用いて緯度及び経度の情報を入力しても良い。S164の処理が終了すると、日照メモリの初期処理へ移行する(S166)。
S166の処理は、ECU2で実行され、S162の処理で確保した日照メモリの全てを1として初期化する処理である。S166の処理が終了すると、日陰設定処理へ移行する(S168)。
S168の処理は、ECU2で実行され、S160の処理で入力した立体物の高さ情報や地図情報、S164の処理で入力した太陽Hの高さ情報に基づいて、太陽Hの方角から日陰となる領域を算出し、算出した日陰領域と対応する日照メモリを1から0へ再設定する処理である。S168の処理が終了すると、全実施判定処理へ移行する(S170)。
S170の処理は、ECU2で実行され、S160の処理で入力した立体物の全てにおいてS168の判定処理を実施したか否かを判定する処理である。S170の処理において、全ての立体物に対してS168の判定処理を実施していないと判定した場合には、再度日陰設定処理に移行する(S168)。一方、S170の処理において、全ての立体物に対してS168の判定処理を実施したと判定した場合には、信号停止確認処理へ移行する(S172)。
S172の処理は、ECU2で実行され、車両が信号機の停止指示によって停止するか否かを判定する処理である。ECU2は、第1実施形態のS18の処理と同様に、第1速度パターン生成部22が生成した車両の速度パターンと、S160の処理で入力した信号機Aの点灯周期情報とに基づいて、車両が信号機Aの設置地点で停止するか否かを判定する。S172の処理において、車両が信号機Aの設置地点で停止しないと判定した場合には、図17に示す制御処理が終了する。一方、S172の処理において、車両が信号機Aの設置地点で停止すると判定した場合には、後続車両の確認処理へ移行する(S174)。
S174の処理は、ECU2で実行され、後続車両の存在確認を行う処理である。ECU2は、通信部32やセンサ33を介して得られた情報に基づいて、後続車両が存在するか否かを判定する。S174の処理において、後続車両が存在すると判定した場合には、図17に示す制御処理が終了する。一方、S174の処理において、後続車両が存在しないと判定した場合には、温度比較処理へ移行する(S176)。
S176の処理は、ECU2で実行され、車内の設定温度と外気温の温度とを比較する処理である。設定温度は、例えばエアコンのボタン等によって入力された温度である。S176の処理において、車内の設定温度が外気温よりも大きいと判定した場合には、日向停止処理へ移行する(S178)。
S178の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、車内の設定温度が外気温よりも高いため、日向に停止するための速度パターンを生成する処理である。第1速度パターン生成部22は、日照メモリを確認し、日照メモリが1を示す領域を目標地点として、速度パターンを生成する。例えば、図16に示す車両10のように、日向の地点に停止するように速度パターンを生成する。S178の処理が終了すると、速度パターン採用処理へ移行する(S182)。
一方、S176の処理において、車内の設定温度が外気温よりも大きくないと判定した場合には、日陰停止処理へ移行する(S180)。S180の処理は、第1速度パターン生成部22で実行され、車内の設定温度が外気温よりも低いため、日陰に停止するための速度パターンを生成する処理である。第1速度パターン生成部22は、日照メモリを確認し、日照メモリが0を示す領域を目標地点として、速度パターンを生成する。例えば、図16に示す車両11のように、日陰の地点に停止するように速度パターンを生成する。S180の処理が終了すると、速度パターン採用処理へ移行する(S182)。
S182の処理は、走行計画部25で実行され、自車両の速度パターンとして、S178及びS180の処理で生成した速度パターンを採用する処理である。S182の処理が終了すると、図17に示す制御処理を終了する。
図17に示す制御処理を実行することで、太陽Hの熱を利用してエネルギー効率の良い走行を行うことができる。
以上、第5実施形態に係る走行計画生成装置100によれば、速度パターンを設定条件に基づいて生成し、交通状況を取得し、生成した速度パターンと取得した交通状況とに基づいて走行計画を生成することができる。
また、第5実施形態に係る走行計画生成装置100によれば、路面の日陰又は日向を示す日照状態を取得し、車室内の設定温度及び車室内の温度状況を取得して、停車する必要がある場合には、前記設定温度と前記温度状況とに基づいて、前記日照状態によって決定された路面に停止することができる。これにより、日陰や日向を利用してエネルギーを節約することができるため、車両全体として無駄なエネルギーを抑えた走行計画を生成することができる。
なお、上述した各実施形態は本発明に係る走行計画生成装置の一例を示すものである。本発明に係る走行計画生成装置は、これらの各実施形態に係る走行計画生成装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、各実施形態に係る走行計画生成装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上述した各実施形態において、車載された走行計画生成装置について説明したが、例えば路側に設置された場合であっても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
1、10、11…車両、2…ECU、21…入力部(交通情報取得手段、日照状態取得手段、設定温度取得手段、温度取得手段)、22…第1速度パターン生成部(第1速度パターン生成手段)、23…判定部(停止判定手段)、24…第2速度パターン生成部(第2速度パターン生成手段)、25…走行計画部(走行計画生成手段手段)。