JP4877870B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線での通信が可能なIDチップの検査装置、検査方法及びその検査方法を用いた半導体装置の製造方法に関する。
無線で識別情報などのデータの送受信が可能なIDチップに代表される半導体装置は、様々な分野において実用化が進められており、新しい形態の通信情報端末としてさらなる市場の拡大が見込まれている。IDチップは、無線タグ、RFID(Radio frequency identification)タグ、ICタグとも呼ばれており、アンテナと、半導体基板を用いて形成された集積回路(ICチップ)とを有しているタイプが現在実用化されつつある。
IDチップは様々な作製工程を経て形成されており、そして各作製工程の最終段階において検査工程が設けられている。製品として完成する前に、工程の早い段階で不良品を見分けることができたら、そのIDチップに関しては後の工程を省略することが可能である。よって検査工程を設けることは、コストの削減という観点から見ると、非常に有効な手段である。
検査工程には、外観から不良を特定する検査工程と、電気的な動作から不良を特定する検査工程(電気作動検査工程)とがある。IDチップが分離される前の段階において既にアンテナが集積回路に接続されている場合、後者の電気作動検査工程は、ダイシングなどにより複数のIDチップを分離する前と、IDチップを分離してパッケージングした後とで、主に行なわれる。そしてアンテナが既に集積回路に接続されている場合、上記電気作動検査工程において、IDチップへの信号または電源電圧の供給を検査用のリーダ/ライタから非接触で行ない、検査対象であるIDチップの集積回路が正常に動作するか否かを判断することができる。
このように、IDチップを分離する前の段階において行なわれる電気作動検査工程は、IDチップの量産化に際し、コストの削減に有効である。しかし、上述した電気作動検査工程に費やされる時間を短縮化することも、IDチップを大量生産する上で重要な課題の一つである。IDチップの面積が縮小化し、基板1枚あたりから形成されるIDチップ数が増加すればするほど、電気作動検査工程に費やされる時間の短縮化への要求が高まり、よりスループットの高い検査装置の提案が望まれる。
なお、複数のIDチップからの信号を読み取ることができるアンチコリジョン機能を、検査装置が備えている場合、検査の効率をある程度高めることができると考えられる。しかし、アンチコリジョン機能を用いて信号を読み取ることができるIDチップの数は、せいぜい1秒間に数十個程度である。よって、例えば1枚の基板に60万個程度のIDチップが形成されているとし、アンチコリジョン機能を用いて1秒間に信号を読み取ることができるIDチップの数が30個であるとすると、1枚の基板に形成された全てのIDチップを検査するのに約5.5時間も要してしまうことになる。したがって、アンチコリジョン機能を備えた検査装置を用いたとしても、電気作動検査工程に費やされる時間の短縮化は依然として難しく、このことがTAT(Turn Around Time)の短縮化を妨げる要因となっている。
上記問題に鑑み、本発明では、IDチップへの信号または電源電圧の供給を非接触で行なうことができ、なおかつ検査工程のスループットを高めることができるIDチップの検査装置、及び該検査装置を用いた検査方法の提供を課題とする。
本発明では、基板上に形成された複数のチップ(以下、IDチップ又は半導体装置と呼ぶ。)に、アンテナを用いて電源電圧または信号を供給し、複数の各IDチップを動作させる。そして複数の各IDチップからの出力を、静電誘導を用いて読み出し、複数の各IDチップの動作状態を検査する。
具体的に本発明の検査方法では、複数の各IDチップが有するアンテナと、間隔を空けて重なるように、検査用の電極(検査用電極)を複数配置する。アンテナを有するIDチップを無線チップとも呼ぶ。
次に、検査用のアンテナ(検査用アンテナ)を用いて、複数の各IDチップが有するアンテナに信号または電源電圧を供給し、複数の各IDチップを動作させる。そして、複数の各IDチップから信号が出力される際に、該複数の各IDチップが有するアンテナは、電圧が印加され、帯電する。その結果、複数の検査用電極のうち、複数の各IDチップが有するアンテナと重なっている検査用電極が、静電誘導により帯電する。
各検査用電極に蓄積される電荷の量は、当該検査用電極と重なっているIDチップの動作状態、トータルの面積に左右される。したがって、検査用電極の電位と、該検査用電極に重なっているIDチップのトータルの面積を把握することで、該検査用電極に重なっているIDチップの動作状態を把握することができる。
さらに本発明では、IDチップが有するアンテナと検査用電極との間隔を保ったまま、複数の検査用電極の向きを複数回変える。具体的には、アンテナと検査用電極との間隔を保ったまま、検査用電極を回転させることで、検査用電極とIDチップとが重なる領域を変化させることができる。そして、複数の検査用電極の向きを変えるたびに、検査用電極の電位を測定する。そして、複数回測定することで得られた検査用電極の電位と、測定時に検査用電極と重なる1つまたは複数のIDチップの位置と、検査用電極と重なるIDチップのトータルの面積とを、データとして蓄積する。なお、検査用電極と重なるIDチップのトータルの面積は、検査用電極の位置と、IDチップの位置とから、間接的に把握することができる。
次に、計算断層像法(CT:Computed Tomography)で使われている、1次元データから2次元の分布を再現する復元アルゴリズム(例えばフーリエ変換法)を用いることで、蓄積したデータから、各IDチップのアンテナに印加されている電圧の、相対的な値を得ることができる。つまり、結果的に、各IDチップのアンテナに印加されている電圧の値を、非接触で読み取ることができるといえる。そして、各IDチップのアンテナに印加されている電圧の相対的な値から、IDチップ1つ1つの動作状態を把握することができる。
復元アルゴリズムとして、逐次近似法、投影切断面定理を用いたフーリエ変換法、重畳積分法等が代表的に挙げられる。なお、本発明はこれらの他の復元アルゴリズムを用いていても良い。
また上記検査方法を用いる本発明の検査装置は、複数の検査用電極と、複数の検査用アンテナと、位置制御手段(位置を制御する手段、アライメント装置)と、前記複数の各検査用アンテナに電圧を印加する手段(電圧供給手段、電圧を供給する手段、電圧供給装置)と、前記複数の検査用電極の電位を測定する手段(電位測定手段、電位を測定する手段、電位測定装置)とを有している。さらに上記構成に加えて、測定された前記複数の検査用電極の電位を情報として有するデータと、複数の各IDチップの位置及び前記複数の検査用電極の位置を情報として有するデータとを解析し、IDチップの動作状態を情報として含むデータを得るための手段(解析手段)を有していても良い。
なお位置制御手段は、複数の検査用電極と、複数の検査用アンテナと、検査対象である複数のIDチップとの位置関係を制御する機能を有している。具体的に上記位置制御手段は、検査対象である複数のIDチップを間に挟んで、複数の検査用電極と、複数の検査用アンテナとが向かい合うように、複数の検査用電極と、複数の検査用アンテナと、複数のIDチップとの位置を制御することができる。また、さらに上記位置制御手段は、複数の検査用電極と複数のIDチップとの間隔を保ったまま、複数の検査用電極の向きを制御する機能を有している。
なお位置制御手段は、1つであっても良いし、複数であっても良い。例えば本発明の検査装置は、複数の検査用電極と、複数の検査用アンテナと、複数のIDチップとの位置関係を制御する機能を有する第1の位置制御手段と、複数の検査用電極の向きを変える機能を有する第2の位置制御手段とを、有していても良い。また例えば、複数の検査用電極と複数のIDチップとの位置関係を制御する機能を有する第1の位置制御手段と、複数の検査用アンテナと、複数のIDチップとの位置関係を制御する機能を有する第2の位置制御手段と、複数の検査用電極の向きを制御する機能を有する第3の位置制御手段とを、有していても良い。このように、位置制御手段の数は、分担する機能によって決めることができる。
本発明は上記構成によって、IDチップへの信号または電源電圧の供給を非接触で行なうことができ、なおかつIDチップの数が増えれば増えるほど、電位の測定回数を従来よりも飛躍的に抑えることができ、検査工程のスループットをより高めることができる。
また半導体基板を用いて形成されたIDチップの場合、半導体基板が導体として機能することで電波を遮蔽するので、信号が減衰しやすく、IDチップが有する全てのアンテナに均一に電波を送ることが難しい。しかし、ガラス基板、プラスチック基板など、半導体基板よりも電波を妨げにくい絶縁体の基板を用いてIDチップを形成している場合、半導体基板を用いている場合に比べて、IDチップが有する全てのアンテナにより均一に電波を送ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図1を用いて、本発明の検査装置の構成について説明する。図1(A)は、本発明の検査装置の一形態を断面図で示したものである。図1(A)において101は検査対象である基板に相当し、基板101には複数のIDチップ102が形成されている。図1(A)に示すように、本発明の検査装置は、複数の検査用電極103と、複数の検査用アンテナ104と、位置制御手段105〜107と、電位測定手段108と、電圧供給手段109とを有している。
図1(A)に示す本発明の検査装置では、位置制御手段105〜107を用いることで、検査用電極103と検査用アンテナ104とを、検査対象である基板101を間に挟んで重ねることができる。具体的には、位置制御手段105によって検査用アンテナ104の同一平面内における位置及び向きを制御することができる。また位置制御手段106によって、検査用アンテナ104に対する基板101の同一平面内における相対的な位置及び向きと、検査用アンテナ104と基板101との間隔を制御することができる。また位置制御手段107によって、検査用電極103と基板101との間隔を制御することができる。
具体的に位置制御手段105は、X軸方向への検査用アンテナ104の移動を制御する機能と、X軸方向に直行し、なおかつX軸方向と同一平面内におけるY軸方向への検査用アンテナ104の移動を制御する機能と、X軸方向及びY軸方向と同一平面内における検査用アンテナ104の向きを制御する機能とを有している。
また具体的に位置制御手段106は、X軸方向への基板101の相対的な移動を制御する機能と、Y軸方向への基板101の相対的な移動を制御する機能と、X軸方向及びY軸方向と同一平面内における基板101の相対的な向きを制御する機能と、検査用アンテナ104と基板101との間隔を制御する機能とを有している。
また図1(A)では、ホバークラフトの如く、高圧の気体を基板101側に噴射することで、基板101と検査用電極103との間隔を制御する位置制御手段107の例を示している。なお間隔の制御は、高圧の気体を用いたものに限定されず、一定の流量または圧力の流体を用いることができる。なお流体として、気体の他、液体を用いることができる。またその他に、粘性を有するゲルなどの流体を用いることも可能である。
なお図1(A)では、検査用電極103と、検査用アンテナ104と、基板101との位置関係を、3つの位置制御手段105〜107で制御している例を示しているが、本発明の検査装置で用いられる位置制御手段の数はこの構成に限定されない。本発明の検査装置で用いる位置制御手段は、複数の検査用電極103と、複数の検査用アンテナ104と、検査対象である複数のIDチップ102との位置関係を制御する機能を有していれば良く、その数及び形態は、図1(A)に示す構成に限定されない。
なお、検査用アンテナ104と、基板101との、同一平面内における位置関係の制御は、基板101に形成したマーカーを基準として行なっても良い。この場合、図1(B)に示すように、マーカーの位置を捉えるためのカメラ110を用いても良い。
電圧供給手段109は、複数の各検査用アンテナ104への交流の電圧の印加を制御する。該交流の電圧を複数の各検査用アンテナ104に印加することで、IDチップ102に信号または電源電圧を供給することができる。
また電位測定手段108は、複数の検査用電極103の電位を測定する手段に相当する。電位測定手段108によって測定される電位は、ある特定の時間内における電位の変化量であっても良いし、電位の時間変化によって得られる波形であっても良い。検査用電極103に生じる電位には、IDチップ102の動作状態が情報として含まれている。
なお本発明の検査装置は、上記構成に加えて、測定された前記複数の検査用電極の電位を情報として有するデータと、複数の各IDチップの位置及び前記複数の検査用電極の位置を情報として有するデータとを解析し、IDチップの動作状態を情報として含むデータを得るための手段を有していても良い。
次に、図1(A)に示したIDチップ102の構成について説明する。図2(A)に、基板101の斜視図を示す。基板101上には、複数のIDチップ102が形成されている。図2(B)に、IDチップ102の拡大図を示す。複数の各IDチップ102は、集積回路201と、アンテナ202とをそれぞれ有している。
また、半導体基板、ステンレス基板などの、導体として機能して電波を遮蔽しやすい基板よりも、バリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、プラスチック基板などの絶縁体を含む基板の方が、電波の遮蔽を抑えることができるので、検査対象の基板101として適している。よって絶縁体を含む基板101を用いる場合、集積回路201は、絶縁分離された薄膜の半導体膜を有する半導体素子、例えば薄膜トランジスタを用いて形成するのが望ましい。
集積回路201は、アンテナ202に印加された交流の電圧を、整流化または波形成形することで、信号または電源電圧を生成する。そして集積回路201は、生成した信号または電源電圧を用い、各種演算処理またはデータの読み書きなどの動作を行ない、その結果得られた信号の電圧を、アンテナ202に印加することができる。
次に、図1(A)に示した検査用電極103の構成について説明する。図3(A)に、検査用電極103の斜視図を示す。図3(A)に示す複数の検査用電極103は、それぞれ短冊形を有しており、同一平面内において並列に配置されている。なお図3(A)では、複数の検査用電極103が平坦な支持体301上に形成されている様子を示している。図1(A)に示したように、位置制御手段107を用いて基板101と検査用電極103との間隔を制御する場合、支持体301のうち、検査用電極103が形成されている面に、高圧の気体を基板101側に噴射することができる穴302を設けておく。ただし、高圧の気体を噴出することで、検査用電極103と基板101との間隔を制御するのではない場合、必ずしも複数の検査用電極103を平坦な支持体301上に形成する必要はなく、複数の各検査用電極103間の位置関係を固定することができれば良い。
次に、図1(A)に示した検査用アンテナ104の構成について説明する。図3(B)に、検査用アンテナ104の斜視図を示す。図3(B)では、複数の検査用アンテナ104が平坦な支持体303上に形成されている例を示している。図3(B)に示す複数の検査用アンテナ104は、検査対象となる複数の各IDチップに対応するように配置されている。そして各検査用アンテナ104には、電圧供給手段109によって交流の電圧が印加される。
なお、図3(B)では、複数の検査用アンテナ104と複数のIDチップ102とが、1対1で対応している例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。1つの検査用アンテナ104が2つ以上のIDチップ102に対応していても良いし、逆に2つ以上の検査用アンテナ104が1つのIDチップ102に対応していても良い。ただし、アンテナ202が形成されているエリア内の磁束が、IDチップ102間で均一になっていると、IDチップ102の動作状態をより正確に把握することができるので、複数の検査用アンテナ104と複数のIDチップ102とは1対1で対応させることが望ましい。
次に図4(A)に、IDチップ102が形成されている基板101と、検査用電極103が形成されている支持体301と、検査用アンテナ104が形成されている支持体303とを重ね合わせている様子を示す。IDチップ102が有するアンテナと検査用電極103との間隔は、小さければ小さいほどより正確にIDチップ102の動作状態を把握することが可能になる。よって、IDチップ102が有するアンテナと検査用電極103との間隔は、制御が可能な限り近づけたほうが良い。そこで図4(A)では、基板101と支持体301との間にIDチップ102と検査用電極103とが挟まれるように、基板101と支持体301とを重ね合わせる。なお図4(A)では、検査用電極103とIDチップ102との位置関係を明確にするために、支持体303を通して検査用電極103が透けて見えるものとして、検査用電極103を図示している。
また基板101は、支持体301と支持体303の間に挟まれており、よってIDチップ102は、検査用電極103と検査用アンテナ104とに挟まれた状態になっている。上記構成により、電磁誘導を用いて検査用アンテナ104からIDチップ102に信号または電源電圧が供給され、その結果、静電誘導によりIDチップ102から検査用電極103に電圧が加えられるという、一連の信号の流れを形成することができる。
なお検査用アンテナ104からIDチップ102への信号または電源電圧の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式に限定されず、マイクロ波方式やその他の伝送方式を用いていても良い。
図5(A)に、図4(A)に示したIDチップ102と検査用アンテナ104とが重なっている様子を、拡大図で示す。なお図5(A)では、IDチップ102と検査用アンテナ104とが重なっている様子をより明確にするために、基板101を省略して示している。IDチップ102は図2(B)を用いて説明したように、集積回路201とアンテナ202とを有しており、各アンテナ202は対応する検査用アンテナ104と重なっている。
図5(B)に、図5(A)に示したIDチップ102と検査用アンテナ104とを、より拡大した図を示す。検査用アンテナ104とアンテナ202とは、検査用アンテナ104からアンテナ202への信号または電源電圧の供給を、電磁誘導を用いて行なうことができる程度に、間隔を有している。
なお実際には、基板101が検査用アンテナ104とアンテナ202の間に設けられている。
しかし、電波を遮蔽しやすい半導体基板ではなく、半導体基板よりも電波を妨げにくく、通してしまうガラス基板、プラスチック基板などを、基板101として用いることで、IDチップ102が有する全てのアンテナ202に、より均一に電波を送ることができる。
次に図4(B)に、図4(A)に示した支持体301を回転させている様子を示す。支持体301の回転は、検査用電極103とIDチップ102との間隔を保持した状態で行なう。支持体301を回転させることで検査用電極103も共に回転し、各検査用電極103と重なるIDチップ102の位置が変化する。
図6を用いて、検査用電極103の回転による、検査用電極103と重なるIDチップ102の位置の変化について説明する。なお図6では、説明を判りやすくするため、5×5個のIDチップ102と、9個の検査用電極103とを用いる場合を例にとって説明する。
図6(A)に、複数の検査用電極103と複数のIDチップ102とが重なっている様子を示す。図6(A)では、5つのIDチップ102が1つの検査用電極103と重なっている。また全ての検査用電極103がIDチップ102と重なっているわけではなく、IDチップ102とは重なっていない検査用電極103も存在している。
図6(B)に、図6(A)に示した複数の検査用電極103を回転させた場合において、複数の検査用電極103と複数のIDチップ102とが重なっている様子を示す。複数の検査用電極103を回転させることで、検査用電極103と重なっているIDチップ102の位置は変化している。つまり、各検査用電極103は、図6(A)の場合とは異なるIDチップ102と重なり合うこととなる。
各検査用電極103において生じる交流電圧は、検査用電極103と重なっているIDチップ102の数、検査用電極103とIDチップ102とが重なり合っている領域、及び各IDチップ102のアンテナ202に印加される交流電圧の値によって、その振幅及び波形が異なる。よって、図6(A)の場合と、図6(B)の場合では、各検査用電極103に生じる交流電圧の値は、必ずしも同じにはならない。
検査用電極103と重なっている各IDチップ102の数と、検査用電極103とIDチップ102とが重なり合う領域とは、計算により予め予測することが可能である。また、全てのIDチップ102が正常に動作している場合における、各IDチップ102のアンテナ202に印加される交流電圧の振幅及び波形も、計算により算出するか、実際に測定することにより、予め得ることができる。したがって、全てのIDチップ102が正常に動作する場合に、検査用電極103において静電誘導により生じる交流電圧の振幅及び波形は、ある程度予測することが可能である。
そして、検査用電極103と重なっているIDチップ102に、動作が不良であるものが混ざっている場合、検査用電極103において生じる交流電圧の振幅及び波形は、全てのIDチップ102が正常に動作する場合とは異なる。よって、検査用電極103において生じる交流電圧の振幅及び波形が、予測されたものとは異なっていた場合、該検査用電極103と重なっているIDチップ102のいずれかに、動作の不良が生じていることが予測できる。
図7に、図6(B)に示した検査用電極103の1つと、IDチップ102とが重なっている様子を示す。なお図7において、検査用電極103と重なっているIDチップ102のうち、102aに示すIDチップに動作の不良が生じているものと仮定する。動作が不良であるIDチップ102aと、検査用電極103との重なる領域の面積が、大きければ大きいほど、検査用電極103において生じる交流電圧の振幅及び波形が、正常の場合とかけ離れていく。したがって、1つの検査用電極103と重なっている全てのIDチップ102のうち、IDチップ102a以外の正常に動作しているIDチップ102の占める割合を算出することが可能である。
さらに、複数回にわたって、検査用電極103のIDチップ102に対する位置を変えることで、各位置において、1つの検査用電極103と重なっている全てのIDチップ102のうち、正常に動作しているIDチップ102の占める割合を得ることができる。そして、各位置ごとに得られた、正常に動作しているIDチップ102の占める割合から、各IDチップ102の動作状態を把握することができる。
検査用電極103とIDチップ102の位置関係を変更する回数は、実施者が任意に設定することが可能である。また、各測定時における、各検査用電極103と各IDチップ102の位置関係も、実施者が任意に設定することが可能である。ただし、全ての測定により得られた各検査用電極103の交流電圧の値から、各IDチップ102の動作状態を判断することができるように、各測定時における各検査用電極103と各IDチップ102の位置関係を定め、位置関係を変更する回数を設定することが肝要である。
なお、IDチップ102内におけるアンテナ202のレイアウトを考慮に入れることで、より正確に各IDチップ102の動作状態を把握することができる。
本実施の形態では、検査用電極103を回転させることで、各検査用電極103と重なるIDチップ102の位置を変化させているが、本発明はこの構成に限定されない。検査用電極103とIDチップ102との相対的な位置関係を変化させることができれば良く、検査用電極103の代わりにIDチップ102を回転させても良い。ただしIDチップ102を回転させる場合でも、検査用アンテナ104とIDチップ102が有するアンテナ202との位置関係は固定しておく。
なお検査時において、IDチップ102は全て同時に動作させなくとも良い。例えば、IDチップ102を1つ1つ順に動作させても良いし、或いはIDチップ102を幾つかのグループごとに分割して動作させても良い。
また、IDチップ102の動作状態を良と不良の2つに選り分けるのではなく、動作状態によって複数のランクに選り分けるようにしても良い。IDチップ102の動作状態が、正常なIDチップ102の動作状態とどの程度異なっていれば、当該IDチップ102が正常ではないと判断するかは、実施者が基準を適宜設定して決めることが可能である。
また、必ずしも、比較の基準となる交流電圧が、既に正常であることが確認されているIDチップによるものである必要はない。複数の検査用電極において生じた交流電圧を、互いに比較することで、IDチップの動作状態を確認し、その良否を判定しても良い。なお、この場合、各検査用電極と重なっているIDチップの面積を考慮に入れて比較することが肝要である。また、シミュレーションにより算出された交流電圧の値と比較することで、IDチップの動作状態を確認し、その良否を判定しても良い。
本実施例では、本発明の検査装置のより具体的な構成について、図8を用いて説明する。
図8に示す本実施例の検査装置は、複数の検査用電極801と、複数の検査用アンテナ802と、位置制御手段803と、複数の各検査用アンテナ802に電圧を印加する電圧供給手段804と、複数の検査用電極801の電位を測定する電位測定手段805とを有している。さらに本実施例の検査装置は、電位測定手段805によって測定された複数の検査用電極801の電位を情報として有するデータと、複数の各IDチップの位置及び前記複数の検査用電極801の位置を情報として有するデータとを解析し、IDチップの動作状態を情報として含むデータを得るための手段(解析手段)806を有している。また807は検査対象となるIDチップに相当する。
そして本実施例では、解析手段806は、マンマシンI/F808と、測定用コントローラ809と、測定用シーケンサー810と、選択回路816と、シグナルアナライザ817とを有している。また電圧供給手段804は、発振子811と、信号源812と、変調回路813と、アンテナ用コントローラ814とを有している。また本実施例では、電位測定手段805として信号処理回路815を用いている。
次に、本実施例の検査装置の動作について説明する。
まず、測定開始の指示をマンマシンI/F808に入力すると、該測定開始の指示が、情報として測定用コントローラ809に入力される。すると、測定用コントローラ809は、位置制御手段803に、検査対象であるIDチップ807と、検査用アンテナ802と、検査用電極801との位置を制御させる指示を、情報として入力する。
そして、位置制御手段803によって、IDチップ807が有するアンテナと、検査用アンテナ802とが、一定の間隔を空けて重ね合わされる。また、位置制御手段803によって、IDチップ807が有するアンテナと、検査用電極801とが、一定の間隔を空けて重ね合わされる。
また、測定用コントローラ809は、測定用シーケンサー810に測定開始の指示を情報として入力する。すると、測定用シーケンサー810は電圧供給手段804を制御し、検査用アンテナ802に交流の電圧を印加する。具体的には、発振子811において生成した交流電圧が、信号源812においてその周波数が変換されて、変調回路813に供給される。一方、アンテナ用コントローラ814はIDチップ807の動作を制御するための信号を生成し、変調回路813に入力する。変調回路813では、アンテナ用コントローラ814から入力された信号に従って、供給された交流電圧を変調し、検査用アンテナ802に供給する。
検査用アンテナ802に交流電圧が供給されることで、電磁誘導によりIDチップ807に信号及び電源電圧が供給され、IDチップ807が動作する。そして、IDチップ807が動作すると、IDチップ807が有するアンテナから、静電誘導により検査用電極801に交流電圧が供給される。この検査用電極801に供給された交流電圧は、IDチップ807の動作状態が情報として含まれている。
検査用電極801に生じた交流電圧は、信号処理回路815に与えられる。信号処理回路815では、各検査用電極801に生じた交流電圧の値を演算処理する。具体的には、検査用電極801どうしで、生じた交流電圧の差を算出する。検査用電極801に生じた交流電圧には、様々な雑音(ノイズ)が含まれていることがある。各検査用電極801に生じる雑音は、その周波数や電圧が比較的近いため、検査用電極801どうしで、生じた交流電圧の値の差を算出することで、この雑音をある程度取り除くことができる。そしてこの雑音は、検査用電極801どうしの位置が近いほど、その周波数や電圧がより近くなる。よって、より近くに位置する検査用電極801どうしで、生じた交流電圧の差を算出するのがより望ましい。
なお、IDチップ807の動作状態によって、各検査用電極801に生じる交流電圧の波形及び振幅が変わってくる。そのため、算出された交流電圧の差には、IDチップ807の動作状態が情報として含まれている。よって、算出された交流電圧の差を情報として有する信号(動作情報信号)には、IDチップ807の動作状態が情報として含まれている。動作情報信号は、選択回路816に入力される。
選択回路816は、入力された複数の動作情報信号を順に選択し、シグナルアナライザ817に入力する。シグナルアナライザ817では、入力された動作情報信号を増幅した後、A/D変換してデジタルにし、演算処理する。なお、A/D変換は必ずしも必要ではなく、演算処理をアナログで行なっても良い。演算処理は、測定の際に検査用電極801と重なっているIDチップ807の動作状態を分析するために行なう。よって、演算処理の内容は、設計者が適宜選択することが可能である。
演算処理された動作情報信号は、測定用コントローラ809に入力される。
そして、位置制御手段803によって、検査用電極801とIDチップ807の位置関係を変化させ、上述した動作を複数回繰り返し、複数の演算処理された動作情報信号が測定用コントローラ809に入力される。測定用コントローラ809では、各測定時において各検査用電極801と重なっていたIDチップ807の位置及び重なっている面積の割合と、入力された演算処理済みの動作情報信号から、各IDチップ807の動作状態が特定され、さらにはIDチップ807の良否が判定される。
なお、本発明の検査装置は図8に示した構成に限定されない。
本実施例では、図9を用いて、本発明で用いられるIDチップの、機能的な構成の一形態について説明する。
図9において、900はアンテナ、901は集積回路に相当する。アンテナ900は、アンテナコイル902と、アンテナコイル902内で形成される容量素子903とを有する。また、集積回路901は、復調回路909、変調回路904、整流回路905、マイクロプロセッサ906、メモリ907、負荷変調をアンテナ900に与えるためのスイッチ908とを有している。なおメモリ907は1つに限定されず、複数であっても良く、SRAM、フラッシュメモリ、ROMまたはFRAM(登録商標)などを用いることができる。
リーダ/ライタから電波として送られてきた信号は、アンテナコイル902において電磁誘導により交流の電気信号に変換される。復調回路909では該交流の電気信号を復調し、後段のマイクロプロセッサ906に送信する。また整流回路905では、交流の電気信号を用いて電源電圧を生成し、後段のマイクロプロセッサ906に供給する。
マイクロプロセッサ906では、入力された信号に従って各種演算処理を行なう。メモリ907にはマイクロプロセッサ906において用いられるプログラム、データなどが記憶されている他、演算処理時の作業エリアとしても用いることができる。そしてマイクロプロセッサ906から変調回路904に送られた信号は、交流の電気信号に変調される。スイッチ908は、変調回路904からの交流の電気信号に従って、アンテナコイル902に負荷変調を加えることができる。リーダ/ライタは、アンテナコイル902に加えられた負荷変調を電波で受け取ることで、結果的にマイクロプロセッサ906からの信号を読み取ることができる。
なお、図9に示すIDチップは、本発明の検査装置において、検査対象として用いられるIDチップの一形態を示したのに過ぎず、本発明は上記構成に限定されない。信号の伝送方式は、図9に示したような電磁結合方式に限定されず、電磁誘導方式、マイクロ波方式やその他の伝送方式を用いていても良い。
本実施例は、実施例1と組み合わせて実施することが可能である。
次に、IDチップの作製工程において、本発明の検査方法を行なうタイミングについて説明する。なお本実施例では、半導体素子として絶縁分離されたTFTを例示するが、集積回路に含まれる半導体素子はこれに限定されず、あらゆる回路素子を用いることができる。例えば、TFTの他に、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、抵抗素子、コイル、容量素子、インダクタなどが代表的に挙げられる。
まず図10(A)に示すように、スパッタ法を用いて基板500上に剥離層501を形成する。基板500として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板等、後の作製工程における処理温度に耐え得る基板であり、なおかつ検査工程において半導体基板よりも電波を妨げにくい基板を用いる。
剥離層501は、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、微結晶シリコン(セミアモルファスシリコンを含む)等、シリコンを主成分とする層を用いることができる。剥離層501は、スパッタ法、プラズマCVD法等を用いて形成することができる。本実施例では、膜厚500nm程度の非晶質シリコンをスパッタ法で形成し、剥離層501として用いる。
なお剥離層501はシリコンに限定されず、エッチングにより選択的に除去できる材料で、剥離層501を形成すれば良い。
次に、剥離層501上に下地膜502を形成する。下地膜502は、後に半導体素子を支持体上に接着剤で貼り合わせた際に、支持体や接着剤中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体素子に用いられている半導体膜中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために形成する。また下地膜502は、剥離層501をエッチングする際、エッチャントから半導体素子を保護する役割も有する。よってアルカリ金属やアルカリ土類金属の半導体膜への拡散を抑えることができ、なおかつシリコンのエッチングに用いられるエッチャントから半導体素子を保護することができる酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素などの絶縁膜を用いて形成することが望ましい。本実施例では、プラズマCVD法を用いて窒化酸化珪素膜を10nm〜400nm(好ましくは50nm〜300nm)の膜厚になるように形成する。なお下地膜502は単層の絶縁膜であっても複数の絶縁膜を積層したものであっても良い。
次に、下地膜502上に半導体膜を形成する。半導体膜は、下地膜502を形成した後、大気に曝さずに形成することが望ましい。半導体膜の膜厚は20〜200nm(好ましくは40〜170nm)とする。なお半導体膜は、非晶質半導体であっても良いし、セミアモルファス半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
なお半導体膜は、公知の技術により結晶化しても良い。公知の結晶化方法としては、電熱炉を使用した熱結晶化方法、レーザ光を用いたレーザ結晶化法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法がある。或いは、触媒元素を用いる結晶化法を用いることもできる。例えばレーザ結晶化を用いる場合、レーザ結晶化の前に、レーザに対する半導体膜の耐性を高めるために、500℃、1時間の熱アニールを該半導体膜に対して行なう。そして連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波のレーザ光を照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、代表的には、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換し、出力10Wのレーザ光を得る。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、半導体膜に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度とし、照射する。
また、パルス発振のレーザ光の発振周波数を10MHz以上とし、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を用いてレーザ結晶化を行なっても良い。パルス発振でレーザ光を半導体膜に照射してから半導体膜が完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われている。よって上記周波数帯を用いることで、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。したがって、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜が形成される。具体的には、含まれる結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を形成することができる。該走査方向に沿って長く延びた単結晶の結晶粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜の形成が可能となる。
なおレーザ結晶化は、連続発振の基本波のレーザ光と連続発振の高調波のレーザ光とを並行して照射するようにしても良いし、連続発振の基本波のレーザ光とパルス発振の高調波のレーザ光とを並行して照射するようにしても良い。
なお、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射するようにしても良い。これにより、レーザ光照射による半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じる閾値のばらつきを抑えることができる。
上述した半導体膜へのレーザ光の照射により、結晶性がより高められた半導体膜が形成される。なお、予め多結晶半導体を、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法などで形成するようにしても良い。
また本実施例では半導体膜を結晶化しているが、結晶化せずに非晶質珪素膜または微結晶半導体膜のまま、後述のプロセスに進んでも良い。非晶質半導体、微結晶半導体を用いたTFTは、多結晶半導体を用いたTFTよりも作製工程が少ない分、コストを抑え、歩留まりを高くすることができるというメリットを有している。
なおセミアモルファス半導体とは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体を含む膜である。このセミアモルファス半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結晶半導体中に分散させて存在せしめることが可能である。セミアモルファス半導体は、そのラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしており、またX線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。ここでは便宜上、(このようなセミアモルファス半導体をSAS)と呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安定性が増し良好なセミアモルファス半導体が得られる。
次に、図10(A)に示すように半導体膜をパターニングし、島状の半導体膜503を形成する。そして図10(B)に示すように、該島状の半導体膜503を用いて、TFTに代表される各種の半導体素子を形成する。なお図10(B)では、下地膜502と島状の半導体膜503とが接しているが、半導体素子によっては、下地膜502と島状の半導体膜503との間に、電極や絶縁膜等が形成されていても良い。例えば半導体素子の1つであるボトムゲート型のTFTの場合、下地膜502と島状の半導体膜503との間に、ゲート電極とゲート絶縁膜が形成される。
図10(B)では、島状の半導体膜503を用いてトップゲート型のTFT504を形成する。具体的には、島状の半導体膜503を覆うようにゲート絶縁膜507を形成し、ゲート絶縁膜507上に導電膜を形成し、パターニングすることで、ゲート電極508を形成する。そして、ゲート電極508や、あるいはレジストを形成しパターニングしたものをマスクとして用い、島状の半導体膜503にn型を付与する不純物を添加し、ソース領域、ドレイン領域、さらにはLDD領域等を形成する。なおここではTFT504をn型とするが、p型のTFTの場合は、p型の導電性を付与する不純物を添加する。上記一連の工程によってTFT504を形成することができる。
なお、ゲート絶縁膜507を形成した後、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行ない、島状の半導体膜503を水素化する工程を行なっても良い。また、水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。この水素化の工程により、熱的に励起された水素によりダングリングボンドを終端することができる。また、後の工程において可撓性を有する支持体上に半導体素子を貼り合わせた後、支持体を曲げることにより半導体膜中に欠陥が形成されたとしても、水素化により半導体膜中の水素の濃度を、1×1019〜1×1022atoms/cm3好ましくは1×1019〜5×1020atoms/cm3とすることで、半導体膜に含まれている水素によって該欠陥を終端させることができる。また該欠陥を終端させるために、半導体膜中にハロゲンを含ませておいても良い。
なおTFTの作製方法は上述した構成に限定されない。
次にTFT504を覆って、パッシベーション膜505を形成する。パッシベーション膜505は、アルカリ金属やアルカリ土類金属のTFT504への侵入を防ぐことができる、窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を用いるのが望ましい。上記構成により、TFT504が下地膜502とパッシベーション膜505とで覆われるため、Naなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体素子に用いられている半導体膜中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのをより防ぐことができる。
次にパッシベーション膜505を覆って、第1の層間絶縁膜510を形成する。そして、ゲート絶縁膜507、パッシベーション膜505及び第1の層間絶縁膜510にコンタクトホールを形成した後、コンタクトホールを介してTFT504と接続する配線513、514を、第1の層間絶縁膜510に接するように形成する。
次に図10(C)に示すように、第1の層間絶縁膜510上に第2の層間絶縁膜515を形成する。第2の層間絶縁膜515は、配線514が一部露出する様な位置に開口部を有するように形成する。なお、第1の層間絶縁膜510、第2の層間絶縁膜515として、有機樹脂膜、無機絶縁膜、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む絶縁膜(以下、シロキサン系絶縁膜と呼ぶ)等を用いることができる。シロキサン系絶縁膜は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。
次に図10(D)に示すように、第2の層間絶縁膜515上にアンテナ519を形成する。アンテナ519は、Ag、Au、Cu、Pd、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Alなどの金属、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることができる。そしてアンテナ519は、配線514と接続されている。なお図10(D)では、アンテナ519が配線514と直接接続されているが、本発明のIDチップはこの構成に限定されない。例えば別途形成した配線を用いて、アンテナ519と配線514とを電気的に接続するようにしても良い。
アンテナ519は印刷法、フォトリソグラフィ法、蒸着法または液滴吐出法などを用いて形成することができる。本実施例では、アンテナ519が単層の導電膜で形成されているが、複数の導電膜が積層されたアンテナ519を形成することも可能である。
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出して所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。また印刷法にはスクリーン印刷法、オフセット印刷法などが含まれる。印刷法、液滴吐出法を用いることで、露光用のマスクを用いずとも、アンテナ519を形成することが可能になる。また、液滴吐出法、印刷法だと、フォトリソグラフィ法と異なり、エッチングにより除去されてしまうような材料の無駄がない。また高価な露光用のマスクを用いなくとも良いので、IDチップの作製に費やされるコストを抑えることができる。
液滴吐出法または各種印刷法を用いる場合、例えば、CuをAgでコートした導電粒子なども用いることが可能である。なお液滴吐出法を用いてアンテナ519を形成する場合、該アンテナ519の密着性が高まるような処理を、第2の層間絶縁膜515の表面に施すことが望ましい。
密着性を高めることができる方法として、具体的には、例えば触媒作用により導電膜または絶縁膜の密着性を高めることができる金属または金属化合物を第2の層間絶縁膜515の表面に付着させる方法、形成される導電膜または絶縁膜との密着性が高い有機系の絶縁膜、金属、金属化合物を第2の層間絶縁膜515の表面に付着させる方法、第2の層間絶縁膜515の表面に大気圧下または減圧下においてプラズマ処理を施し、表面改質を行なう方法などが挙げられる。また、上記導電膜または絶縁膜との密着性が高い金属として、チタン、チタン酸化物の他、3d遷移元素であるSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znなどが挙げられる。また金属化合物として、上述した金属の酸化物、窒化物、酸窒化物などが挙げられる。上記有機系の絶縁膜として、例えばポリイミド、シロキサン系絶縁膜等が挙げられる。
第2の層間絶縁膜515に付着させる金属または金属化合物が導電性を有する場合、アンテナの正常な動作が妨げられないように、そのシート抵抗を制御する。具体的には、導電性を有する金属または金属化合物の平均の厚さを、例えば1〜10nmとなるように制御したり、該金属または金属化合物を酸化により部分的に、または全体的に絶縁化したりすれば良い。或いは、密着性を高めたい領域以外は、付着した金属または金属化合物をエッチングにより選択的に除去しても良い。また金属または金属化合物を、予め基板の全面に付着させるのではなく、液滴吐出法、印刷法、ゾル−ゲル法などを用いて特定の領域にのみ選択的に付着させても良い。なお金属または金属化合物は、第2の層間絶縁膜515の表面において完全に連続した膜状である必要はなく、ある程度分散した状態であっても良い。
そしてアンテナ519を形成した後、アンテナ519を覆うように、第2の層間絶縁膜515上に保護層521を形成する。保護層521は、後に剥離層501をエッチングにより除去する際に、アンテナ519を保護することができる材料を用いる。例えば、水またはアルコール類に可溶なエポキシ系、アクリレート系、シリコン系の樹脂を全面に塗布することで保護層521を形成することができる。
本実施例では、スピンコート法で水溶性樹脂(東亜合成製:VL−WSHL10)を膜厚30μmとなるように塗布し、仮硬化させるために2分間の露光を行ったあと、UV光を裏面から2.5分、表面から10分、合計12.5分の露光を行って本硬化させて、保護層521を形成する。なお、複数の有機樹脂を積層する場合、有機樹脂同士では使用している溶媒によって塗布または焼成時に一部溶解したり、密着性が高くなりすぎたりする恐れがある。従って、第2の層間絶縁膜515と保護層521を共に同じ溶媒に可溶な有機樹脂を用いる場合、後の工程において保護層521の除去がスムーズに行なわれるように、第2の層間絶縁膜515を覆うように、無機絶縁膜(SiNX膜、SiNXY膜、AlNX膜、またはAlNXY膜)を形成しておくことが好ましい。
次に図11(A)に示すように、IDチップどうしを分離するために溝522を形成する。溝522は、剥離層501が露出する程度であれば良い。溝522の形成は、ダイシング、スクライビングなどを用いることができる。なお、基板500上に形成されているIDチップを分離する必要がない場合、必ずしも溝522を形成する必要はない。
次に図11(B)に示すように、IDチップが正常に動作するか否かの検査を行なう。523は検査用電極であり、524は検査用アンテナである。そして、IDチップ525を検査用電極523と検査用アンテナ524の間に挟み、なおかつアンテナ529を基板500と検査用電極523の間に挟む。
検査が終了すると、次に図11(C)に示すように、剥離層501をエッチングにより除去する。本実施例では、エッチングガスとしてハロゲン化フッ素を用い、該ガスを溝522から導入する。本実施例では、例えばClF3(三フッ化塩素)を用い、温度:350℃、流量:300sccm、気圧:6Torr、時間:3hの条件で行なう。また、ClF3ガスに窒素を混ぜたガスを用いても良い。ClF3等のハロゲン化フッ素を用いることで、剥離層501が選択的にエッチングされ、基板500をTFT504から剥離することができる。なおハロゲン化フッ素は、気体であっても液体であってもどちらでも良い。
次に図12に示すように、剥離されたTFT504及びアンテナ519を、接着剤530を用いて支持体531に貼り合わせる。接着剤530は、支持体531と下地膜502とを貼り合わせることができる材料を用いる。接着剤530は、例えば反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。
支持体531として、フレキシブルな紙またはプラスチックなどの有機材料を用いることができる。または支持体531として、フレキシブル無機材料を用いていても良い。プラスチック基板は、極性基のついたポリノルボルネンからなるARTON(JSR製)を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。支持体531は集積回路において発生した熱を拡散させるために、2〜30W/mK程度の高い熱伝導率を有するのが望ましい。
また図12に示すように、保護層521を除去した後、アンテナ519を覆うように接着剤532を第2の層間絶縁膜515上に塗布し、カバー材533を貼り合わせる。カバー材533は支持体531と同様に、フレキシブルな紙またはプラスチックなどの有機材料を用いることができる。また接着剤532は、カバー材533と第2の層間絶縁膜515及びアンテナ519とを貼り合わせることができる材料を用いる。接着剤532は、例えば反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。
上述した各工程を経て、IDチップが完成する。上記作製方法によって、トータルの膜厚0.3μm以上3μm以下、代表的には2μm程度の飛躍的に薄い集積回路を支持体531とカバー材533との間に形成することができる。なお集積回路の厚さは、半導体素子自体の厚さのみならず、接着剤530と接着剤532間に形成された各種絶縁膜及び層間絶縁膜の厚さを含めるものとする。またIDチップが有する集積回路の占める面積を、5mm四方以下、より望ましくは0.3mm四方〜4mm四方程度とすることができる。
なお集積回路を、支持体531とカバー材533の間のより中央に位置させることで、IDチップの機械的強度を高めることができる。具体的には、支持体531とカバー材533の間の距離をdとすると、支持体531と、集積回路の厚さ方向における中心との距離が、以下の数1を満たすように、接着剤530、接着剤532の厚さを制御することが望ましい。
Figure 0004877870
なおIDチップに用いられる半導体膜や絶縁膜等に、シリアルナンバーを刻印しておけば、例えばROMにデータを記憶させる前のIDチップが、盗難等により第三者に不正に渡ったとしても、シリアルナンバーからその流通のルートをある程度割り出すことが可能である。この場合、復元不可能な程度に半導体装置を分解しないと消せないような位置に、シリアルナンバーを刻印しておくとより効果的である。
なお集積回路を基板500から剥離する方法は、本実施例で示したように珪素膜のエッチングを用いる方法に限定されず、他の様々な方法を用いることができる。例えば、耐熱性の高い基板と集積回路の間に金属酸化膜を設け、該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して集積回路を剥離することができる。また例えば、剥離層をレーザ光の照射により破壊し、集積回路を基板から剥離することもできる。また例えば、集積回路が形成された基板を機械的に削除または溶液やガスによるエッチングで除去することで、集積回路を基板から剥離することもできる。
またIDチップの可撓性を確保するために、下地膜502に接する接着剤530に有機樹脂を用いる場合、下地膜502として窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を用いることで、有機樹脂からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜中に拡散するのを防ぐことができる。
また対象物の表面が曲面を有しており、それにより該曲面に貼り合わされたIDチップの支持体が、錐面、柱面など母線の移動によって描かれる曲面を有するように曲がってしまう場合、該母線の方向とTFTのキャリアが移動する方向とを揃えておくことが望ましい。上記構成により、支持体が曲がっても、それによってTFTの特性に影響が出るのを抑えることができる。また、島状の半導体膜が集積回路内において占める面積の割合を、1〜30%とすることで、支持体が曲がっても、それによってTFTの特性に影響が出るのをより抑えることができる。
なお本発明において検査工程は、本実施例で示したタイミングで行なうとは限らない。検査工程は、アンテナと集積回路が完成した後ならば、いつでも行なうことが可能である。
なお本実施例では、アンテナを集積回路と同じ基板上に形成している例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。別の基板上に形成したアンテナと集積回路とを貼り合わせるようにしても良い。
なお一般的にIDチップで用いられている電波の周波数は、13.56MHz、2.45GHzが多く、該周波数の電波を検波できるようにIDチップを形成することが、汎用性を高める上で非常に重要である。
また本実施例のIDチップでは、半導体基板を用いて形成されたIDチップよりも電波が遮蔽されにくく、電波の遮蔽により信号が減衰するのを防ぐことができるというメリットを有している。
そして、半導体基板を用いずに済むので、IDチップのコストを大幅に低くすることができる。例えば、直径12インチのシリコン基板を用いた場合と、730×920mm2のガラス基板を用いた場合とを比較する。前者のシリコン基板の面積は約73000mm2であるが、後者のガラス基板の面積は約672000mm2であり、ガラス基板はシリコン基板の約9.2倍に相当する。後者のガラス基板の面積は約672000mm2では、基板の分断により消費される面積を無視すると、1mm四方のIDチップが約672000個形成できる計算になり、該個数はシリコン基板の約9.2倍の数に相当する。そしてIDチップの量産化を行なうための設備投資は、730×920mm2のガラス基板を用いた場合の方が直径12インチのシリコン基板を用いた場合よりも工程数が少なくて済むため、費用を3分の1で済ませることができる。さらに本発明では、集積回路を剥離した後、ガラス基板を再び利用できる。よって、破損したガラス基板を補填したり、ガラス基板の表面を清浄化したりする費用を踏まえても、シリコン基板を用いる場合より大幅にコストを抑えることができる。またガラス基板を再利用せずに廃棄していったとしても、730×920mm2のガラス基板の値段は、直径12インチのシリコン基板の半分程度で済むので、IDチップのコストを大幅に低くすることができることがわかる。
従って、730×920mm2のガラス基板を用いた場合、直径12インチのシリコン基板を用いた場合よりも、IDチップの値段を約30分の1程度に抑えることができることがわかる。IDチップは、使い捨てを前提とした用途も期待されているので、コストを大幅に低くすることができる本発明のIDチップは上記用途に非常に有用である。
本実施例は、実施例1または実施例2と組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、検査工程を行なうタイミングの一例について説明する。
IDチップの電気的な動作を検査するための検査工程は、アンテナと集積回路がそれぞれ完成し、なおかつアンテナと集積回路とが電気的に接続された状態であるならば、いつでも行なうことができる。よって、IDチップを分離する前、IDチップを分離した後、IDチップを基板から剥離した後とで、行なうことができる。
図13(A)に、IDチップを分離する前に検査を行なう場合における、IDチップの作製工程の流れを簡単に示す。図13(A)では、IDチップ1301を分離する前に、検査用電極1302及び検査用アンテナコイル1303を用いて、IDチップ1301の動作状態を検査する。そして検査が終了したら、ブレード1304を用いてIDチップ1301を分離し、その後エッチングによりIDチップ1301を基板1300から剥離する。
図13(B)に、IDチップを分離した後に検査を行なう場合における、IDチップの作製工程の流れを簡単に示す。図13(B)では、IDチップ1311をブレード1314で分離した後に、検査用電極1312及び検査用アンテナコイル1313を用いて、IDチップ1311の動作状態を検査する。そして検査が終了したら、エッチングによりIDチップ1311を基板1310から剥離する。
図13(C)に、IDチップを剥離した後に検査を行なう場合における、IDチップの作製工程の流れを簡単に示す。図13(C)では、分離されたIDチップ1321をエッチングにより基板1320から剥離した後、テープ1324に貼り合わせる。剥離前にIDチップ1321をテープ1324に貼り合わせていても良い。そしてテープ1324に貼りあわされた状態で、検査用電極1322及び検査用アンテナコイル1323を用いて、IDチップ1321の動作状態を検査する。そして検査が終了したら、IDチップ1321をテープ1324から剥離する。テープ1324を紫外光の照射により粘着力が低下するものを用いることで、剥離の際にIDチップ1321に過剰な力が加わるのを防ぐことができる。
図13(C)のように、IDチップ1321を剥離した後に検査を行なう場合、基板1320は半導体基板を用いていても、検査工程においてIDチップが有する全てのアンテナに均一に電波を送ることができる。
なお本実施例では、IDチップを分離した後に基板を剥離する工程について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、剥離した後テープにIDチップを貼り合わせた状態で、ダイシングを行ない、IDチップを分離するようにしても良い。この場合、検査工程は、テープにIDチップを貼り合わせた後、分離する前に行なっても良いし、分離した後に行なっても良い。
本実施例は、実施例1〜実施例3と組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、検査終了後に、不良と判断されたIDチップの見分け方について説明する。
図14(A)に、検査前のIDチップ1401の上面図を示す。IDチップ1401は、基板1400上に形成されており、同じく基板1400上にはマーカー1402が形成されている。検査時において、IDチップ1401の位置合わせは、マーカー1402を基準として行なうことができる。
検査終了後、例えば図14(B)に示すように、IDチップ1401のうち、IDチップ1401aと、IDチップ1401bが不良と判断されたとする。この場合、IDチップ1401aと、IDチップ1401bとを目視で見分けられるように、インクまたはレーザなどにより目印を付けておく。
そして図14(C)に示すように、IDチップ1401を分離して、基板1400から剥離した後、不良と判断されたIDチップ1401aと、IDチップ1401bとを選り分けて、ロットアウトにすることができる。
本実施例は、実施例1〜実施例4と組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、1つの基板上に形成された複数の集積回路を剥離する際、形成される溝の形状について説明する。図15(A)に、溝701が形成された基板703の上面図を示す。また図15(B)に、図15(A)のA−A’における断面図を示す。
集積回路702は、剥離層704上に形成されており、剥離層704は基板703上に形成されている。溝701は各集積回路702の間に形成されており、なおかつ剥離層704が露出する程度の深さを有している。また本実施例では、複数の集積回路702は溝701によって完全にではなく部分的に分離されている。
次に図15(A)、図15(B)に示した溝701からエッチングガスを流し込み、剥離層704をエッチングにより除去した後の様子を、図15(C)、図15(D)に示す。図15(C)は、溝701が形成された基板703の上面図に相当し、図15(D)は、図15(C)のA−A’における断面図に相当する。エッチングにより溝701から破線705に示す領域まで、剥離層704のエッチングが進んだものとする。図15(C)、図15(D)に示すように、複数の集積回路702が、完全にではなく互いに一部繋がった状態で溝701により分離されていることで、剥離層704をエッチングした後に各集積回路702が支えをなくして移動してしまうのを防ぐことができる。
図15(C)、図15(D)に示した状態まで形成したら、接着剤が付着したテープや、基板等を別途用意し、集積回路702を基板703から剥離する。そして剥離された複数の集積回路702は、互いに分断される前またはされた後に、支持体に貼りあわせられる。
なお本実施例では、IDチップの作製方法の一例を示しており、本発明のIDチップの作製方法は本実施例で示した構成に限定されない。
本実施例は、実施例1〜実施例5と組み合わせて実施することが可能である。
本発明の検査装置の断面図。 基板101の斜視図と、IDチップ102の拡大図。 検査用電極103の斜視図と、検査用アンテナ104の斜視図。 基板101と支持体301と支持体303とを重ね合わせている様子を示す図と、図4(A)に示した支持体301を回転させている様子を示す図。 IDチップ102と検査用アンテナ104とが重なっている様子の拡大図。 複数の検査用電極103と複数のIDチップ102とが重なっている様子を示す図。 図6(B)に示した検査用電極103の1つと、IDチップ102とが重なっている様子を示す図。 本発明の検査装置のより具体的な構成を示すブロック図。 IDチップの、機能的な構成を示すブロック図。 IDチップの作製工程を示す図。 IDチップの作製工程を示す図。 IDチップの作製工程を示す図。 IDチップの作製工程の流れを示す図。 IDチップ1401の上面図を示す図。 1つの基板上に形成された複数の集積回路を剥離する際、形成される溝の形状を示す図。
符号の説明
101 基板
102 IDチップ
102a IDチップ
103 検査用電極
104 検査用アンテナ
105 位置制御手段
106 位置制御手段
107 位置制御手段
108 電位測定手段
109 電圧供給手段
110 カメラ
1300 基板
1301 IDチップ
1302 検査用電極
1303 検査用アンテナコイル
1304 ブレード
1310 基板
1311 IDチップ
1312 検査用電極
1313 検査用アンテナコイル
1314 ブレード
1320 基板
1321 IDチップ
1322 検査用電極
1323 検査用アンテナコイル
1324 テープ
1400 基板
1401 IDチップ
1401a IDチップ
1401b IDチップ
1402 マーカー
201 集積回路
202 アンテナ
301 支持体
302 穴
303 支持体
500 基板
501 剥離層
502 下地膜
503 半導体膜
504 TFT
505 パッシベーション膜
507 ゲート絶縁膜
508 ゲート電極
510 層間絶縁膜
513 配線
514 配線
515 層間絶縁膜
519 アンテナ
521 保護層
522 溝
523 検査用電極
524 検査用アンテナ
525 IDチップ
529 アンテナ
530 接着剤
531 支持体
532 接着剤
533 カバー材
701 溝
702 集積回路
703 基板
704 剥離層
705 破線
801 検査用電極
802 検査用アンテナ
803 位置制御手段
804 電圧供給手段
805 電位測定手段
806 解析手段
807 IDチップ
808 マンマシンI/F
809 測定用コントローラ
810 測定用シーケンサー
811 発振子
812 信号源
813 変調回路
814 アンテナ用コントローラ
815 信号処理回路
816 選択回路
817 シグナルアナライザ
900 アンテナ
901 集積回路
902 アンテナコイル
903 容量素子
904 変調回路
905 整流回路
906 マイクロプロセッサ
907 メモリ
908 スイッチ
909 復調回路

Claims (8)

  1. 複数のチップの検査を行う工程と、
    前記複数のチップを基板から剥離する工程と、
    を有し、
    前記複数のチップの検査を行う工程は、
    前記複数のチップがそれぞれ有するアンテナを用いて、前記複数のチップそれぞれに非接触で信号または電源電圧を供給し、
    前記複数のチップがそれぞれ有するアンテナの任意の一部、または全てと間隔を空けて重ねたまま検査用電極を移動させ、
    前記検査用電極の電圧と、前記複数のチップに対する前記検査用電極の位置から、前記複数のチップそれぞれの動作状態を把握する検査を行い、
    前記複数のチップを前記基板から剥離する工程は、
    前記基板上に形成された前記複数のチップのそれぞれの間に、前記複数のチップのそれぞれの間の一部を除いて前記基板上に形成された剥離層に到達する溝を形成し、
    前記溝からエッチングガスを導入し、前記剥離層を除去し、
    前記複数のチップのそれぞれの間の前記一部が繋がった状態で前記複数のチップを前記基板から剥離することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 複数のチップの検査を行う工程と、
    前記複数のチップを基板から剥離する工程と、
    を有し、
    前記複数のチップの検査を行う工程は、
    前記複数のチップがそれぞれ有するアンテナと、検査用アンテナとを間隔を空けて重ね合わせることによって、前記複数のチップそれぞれに非接触で信号または電源電圧を供給し、
    前記複数のチップがそれぞれ有するアンテナの任意の一部、または全てと間隔を空けて重ねたまま検査用電極を移動させ、
    前記検査用電極の電圧と、前記複数のチップに対する前記検査用電極の位置から、前記複数のチップそれぞれの動作状態を把握する検査を行い、
    前記複数のチップを前記基板から剥離する工程は、
    前記基板上に形成された前記複数のチップのそれぞれの間に、前記複数のチップのそれぞれの間の一部を除いて前記基板上に形成された剥離層に到達する溝を形成し、
    前記溝からエッチングガスを導入し、前記剥離層を除去し、
    前記複数のチップのそれぞれの間の前記一部が繋がった状態で前記複数のチップを前記基板から剥離することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項または請求項において、前記基板はガラス基板またはプラスチック基板であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、前記複数のチップのそれぞれの間に前記溝を形成する前に、前記複数のチップの検査を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、前記複数のチップのそれぞれの間に前記溝を形成した後に、前記複数のチップの検査を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、前記複数のチップを前記基板から剥離した後に、前記複数のチップの検査を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、前記基板から剥離した前記複数のチップを互いに分断する前に、前記複数のチップのそれぞれを支持体に貼り合わせることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、前記基板から剥離した前記複数のチップを互いに分断した後に、前記複数のチップのそれぞれを支持体に貼り合わせることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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