JP4861115B2 - ラベル、ラベルの製造方法、ラベルの線剥離強度の経時安定化方法、及び容器 - Google Patents

ラベル、ラベルの製造方法、ラベルの線剥離強度の経時安定化方法、及び容器 Download PDF

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Description

本発明は、商品名や各種情報等の表示を主な目的として、商品やその容器等に貼り付けて使用されるラベル、前記ラベルの製造方法、前記ラベルの線剥離強度の経時安定化方法並びに前記ラベルが貼着された容器に関するものである。
商品やその容器に貼り付けるラベルの素材としては、紙類、各種フィルム等の多種多彩な素材が用いられている。
PET等のプラスチックボトルやガラス瓶等の容器へのラベルの貼着には、熱収縮性の筒状のフィルムラベルにて容器の周囲を取り巻いた状態でこのラベルを熱収縮する方法や、筒状の伸縮性のフィルムラベルを引き延ばして容器の周囲に密着させる方法があるが、いずれの場合も、ラベルを筒状に加工する工程を必要とし、作業工程が増え、貼着装置も大がかりなものとなり、コスト面で問題がある。また、フィルム素材しか使用することができず、醤油、日本酒、和菓子等の紙素材のラベルが好まれる商品へはデザイン上の制約があった。
一方、紙製のラベルを貼着する方法として、被着体に貼り付ける直前にラベル裏面に糊を塗布し、その後圧力をかけて貼り付ける方法(以下、グルー糊方式という。)、粘着性を有する糊が予めラベル製造時にラベルの裏面に塗布されており、圧をかけて貼り付ける方法(以下、タック糊方式という。)、加熱されると粘着性が発現するディレードタック糊が予めラベルの裏面に塗布されており、貼り付ける直前に熱風等でラベルを加熱して糊に粘着性を発現させ、これに圧をかけて貼り付ける方法(以下、ヒート糊方式という。)等がある。
これらの方法のうち、グルー糊方式では塗布量の設定、糊の追加・交換、使用後の糊の清掃等に煩雑な手間を要し、また糊量の調整、粘度管理等に作業者の熟練を要するものである。
また、タック糊方式では予めタック糊が塗布されているため、ラベルが貼り付けられる直前までは他に付着しないように特殊な処理をした合紙(離型紙)を必要とする。この離型紙はラベル使用後にゴミとして廃棄されるため、廃棄物の増加と資源の浪費を招いてしまう。また、離型紙が高価であるため、コストアップの要因ともなっている。また、ラベルを貼るスピードが遅く、大量に貼り付けられるラベルには不向きでもある。
これに対して、ヒート糊方式では、予めラベルの裏面には加熱前には貼着性がなく、加熱により粘着性が発現するディレードタック糊が塗布されているため、ディレードタック糊を加熱した後に貼着するだけでラベルの貼着を行うことができ、作業者の熟練を要せず、且つ貼着作業を短時間で行うことができ、また作業終了後の清掃も簡単にするようになる。また、タック糊方式の場合のような離型紙は必要とされず、廃棄物の削減にも寄与するものである。このような利便性のため、ヒート糊方式は近年広く用いられるようになってきている(特許文献1参照)。
特開2003−84673号公報
ところで、近年、ゴミの減量と分別回収によるリサイクルの必要性により、使用済みの被着体からラベルを剥がして別々に廃棄又は回収することが行われるようになってきている。例えば、ガラス瓶の回収においても、消費者がラベルを剥がした後に回収するように指導する自治体が増えてきており、また、消費者の意識の高まりにより被着体の廃棄や回収時に消費者が積極的にラベルを剥がすようになってきている。このため、被着体から容易に手で剥がせる再剥離性のラベルの必要性が高まってきている。
しかるに、従来のヒート糊方式のラベルでは、ガラス瓶等との剥離接着強度が経時的に増加し、紙の強度よりも剥離接着強度が強くなり、ラベルを手で剥離する際にラベルが破れ、容易に剥がせなくなる場合がある。このため、剥離接着強度をコントロールした糊も開発されてきているが、糊の塗布方法やラベルに使用する紙により剥離接着強度が変化し、経時で紙破れが発生する場合がある。
一方、単純に剥離接着強度の低いディレードタック糊を用いるだけでは、結露等によりラベルが水に濡れた場合に浮き剥がれが生じやすくなり、ラベルとしての機能を損なってしまう。
このようにヒート糊方式は紙製のラベルを貼り付ける方法としては利便性が高いが、資源のリサイクルの面では問題があった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、被着体からの剥離強度を低減して容易に人の手で剥離することができると共に、浮き剥がれの発生を抑制することができるラベル、前記ラベルの製造方法、前記ラベルの線剥離強度の経時安定化方法並びに前記ラベルが貼着された容器を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意研究の結果、ラベルの基材である紙材の水の浸透抵抗度(サイズ度)が、ディレードタック糊にて形成されるディレードタック層の表面性状、ひいては接着性に影響を及ぼすことを見出し、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、請求項1に係るラベルは、JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である紙材と、この紙材の一面に形成されているディレードタック層とを含むことを特徴とする。
請求項2に係るラベルは、JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である紙材の一面に、ディレードタック層を形成して成ることを特徴とする。
請求項3に係るラベルは、JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である箇所を有する紙材と、この紙材の一面に形成されているディレードタック層を含むことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラベルにおいて、上記ディレードタック層の乾燥塗膜量が3〜10g/mであることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のラベルにおいて、上記ディレードタック層が水分を含有するディレードタック糊から形成されていることを特徴とする。
請求項に係るラベルの製造方法は、JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である紙材の一面に、ディレードタック層を形成することを特徴とする。
請求項に係るラベルの製造方法は、JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である箇所を有する紙材の一面に、ディレードタック層を形成することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項又はに記載のラベルの製造法において、上記ディレードタック層の乾燥塗膜量を3〜10g/mとすることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項6乃至8のいずれか一項に記載のラベルの製造方法において、水分を含有するディレードタック糊から上記ディレードタック層を形成することを特徴とする。
請求項10に係るラベルの線剥離強度の経時安定化方法は、紙材の一面にディレードタック層を形成するにあたり、前記紙材としてJIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度を30秒以下の紙材を使用することを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項10に記載のラベルの線剥離強度の経時安定化方法において、上記ディレードタック層の乾燥塗膜量を3〜10g/mとすることを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項10又は11に記載のラベルの線剥離強度の経時安定化方法において、水分を含有するディレードタック糊から上記ディレードタック層を形成することを特徴とする。
請求項1に係る容器は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のラベルが貼着されていることを特徴とする。
本発明に係るラベルでは、ディレードタック層には紙材にディレードタック糊が速やかに含浸していることにより微細な凹凸が形成されて、接着性の高い領域と低い領域との微細な分布が発生しており、このようなラベルを被着体に貼着すると、ディレードタック層に分布する接着性の高い領域によってラベル全体が被着体に安定して貼着されると共に、線剥離強度は低減されることとなり、且つ、ラベルを被着体に貼着した後にディレードタック層の接着力が増大したとしても、ラベル全体の線剥離強度への影響を低減することができて、接着性の高い領域によりラベル全体を被着体に安定して貼着された状態とすると共に、線剥離強度を長期間低減された状態に維持することができる。このため、被着体に貼着されたラベルは紙材に破れが生じることなく人の手で容易に剥離することができると共に、被着体に貼着された状態では浮き剥がれが発生しにくく、安定して貼着されるものである。
特にディレードタック層の乾燥塗膜量を3〜10g/m2とすると、ディレードタック層に充分な接着性を付与すると共に、ラベルの線剥離強度を充分に低減することができるものである。
本発明に係るラベルの製造方法では、紙材にディレードタック糊が速やかに含浸することにより、ディレードタック層に微細な凹凸を形成して、接着性の高い領域と低い領域との微細な分布を生じさせることができ、このようにして得られたラベルを被着体に貼着すると、ディレードタック層に分布する接着性の高い領域によってラベル全体が被着体に安定して貼着されると共に、線剥離強度は低減されることとなり、且つ、ラベルを被着体に貼着した後にディレードタック層の接着力が増大したとしても、ラベル全体の線剥離強度への影響を低減することができて、接着性の高い領域によりラベル全体を被着体に安定して貼着された状態とすると共に、線剥離強度を長期間低減された状態に維持することができる。このため、被着体に貼着されたラベルは紙材に破れが生じることなく人の手で容易に剥離することができると共に、被着体に貼着された状態では浮き剥がれが発生しにくく、安定して貼着されるラベルを得ることができるものである。
特にディレードタック層の乾燥塗膜量を3〜10g/m2とすると、ディレードタック層に充分な接着性を付与すると共に、ラベルの線剥離強度を充分に低減することができるものである。
本発明に係るラベルの線剥離強度の経時安定化方法では、紙材にディレードタック糊が速やかに含浸することにより、ディレードタック層に微細な凹凸を形成して、接着性の高い領域と低い領域との微細な分布が生じ、このため、ラベルを被着体に貼着した後にディレードタック層の接着力が増大したとしても、ラベル全体の線剥離強度への影響を低減することができて、接着性の高い領域によりラベル全体を被着体に安定して貼着された状態とすると共に、線剥離強度を長期間低減された状態に維持することができる。このため、被着体に貼着されたラベルは紙材に破れが生じることなく人の手で容易に剥離することができると共に、被着体に貼着された状態では浮き剥がれが発生しにくく、安定して貼着されることとなる。
特にディレードタック層の乾燥塗膜量を3〜10g/m2とすると、ディレードタック層に充分な接着性を付与すると共に、ラベルの線剥離強度を充分に低減することができるものである。
本発明に係る容器では、容器に貼着されたラベルはディレードタック層に分布する接着性の高い領域によって安定して貼着されると共に、線剥離強度は低減されており、容器からラベルを剥離する際には紙材に破れが生じることなく人の手で容易に剥離することができると共に、容器にラベルが貼着されている状態では浮き剥がれが発生しにくく、安定して貼着されるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係るラベルの基材としては、JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度(ステキヒトサイズ度)が30秒以下である紙材が用いられる。或いは、当該サイズ度が30秒以下である箇所を有する紙材が用いられる。このサイズ度の下限は特に制限されないが、このサイズ度があまりにも小さいとラベルに結露水が付着した場合などにラベルへの水の染みこみにより外観が悪化して用途によっては使用に適さなくなるため、サイズ度は10秒以上であることが好ましい。
紙材としてはサイズ度が上記範囲にあるものであれば、片アート紙、上質紙、純白ロール紙等の適宜のものを使用することができる。紙材のサイズ度は紙材の種類、使用するサイズ剤の種類、使用量等により適宜調整することが可能であるが、例えば紙材としては厚み50〜150μm、米坪30〜120g/m2の範囲のものを用いることができる。また、サイズ剤としてロジンと硫酸バンドとを用いた酸性紙を用いることもできるが、アルキルケテンダイマー等の中性サイズ剤を用いた中性紙を用いる方が好ましい。
この紙材には、ディレードタック層が形成されない側の面に、商品の情報や商標等を表す文字や図形等を表す印刷層が適宜印刷させる。
ディレードタック糊(ディレードタック剤、ディレードタック粘着剤、ディレードタック接着剤、ディレードタック感熱剤等とも呼ばれる)は、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する適宜のものを用いることができ、ラベルの接着用途に用いられる一般的なディレードタック糊を適宜使用することができる。特に経時的な剥離強度の増大が少ないものを用いることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、室温以下では粘着性を発現しないものが挙げられ、またガラス転移温度が−20℃以上であることが好ましい。具体的には、例えばアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル、エチレン−塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エステル、エチレン−アクリル酸、ポリブタジエン、ウレタン、スチレン−イソプレンブロックポリマ−等の樹脂が挙げられる。
上記固体可塑剤としては、例えば融点が50〜180℃、好ましくは60〜120℃の範囲のものを用いることができる。固体可塑剤としては、フタル酸エステル系化合物、リン酸エステル系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物、ハイドロキノン系化合物などを挙げることができる。例えばフタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロ−ス、二安息香酸エチレングリコ−ル、三安息香酸トリメチロ−ルエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロ−ス、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
固体可塑剤の含有量は、十分な耐ブロッキング性や接着強度が得られるように適宜設定されるが、熱可塑性樹脂100重量部に対して、例えば30〜1000重量部、好ましくは80〜600重量部、更に好ましくは150〜350重量部とすることができる。
上記粘着付与剤は、ディレードタック糊の粘着性を向上させるために用いらる。この粘着付与剤としては、ブロッキング防止や適度な活性化温度の調整のためには、軟化点が110〜180℃のものが好ましく用いられる。具体的には例えばテルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノ−ル樹脂、テルペン−フェノ−ル樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらのグリセリン、ペンタエリスリト−ル等とのエステル、樹脂酸ダイマ−等)等を挙げることができる。
粘着付与剤の含有量は適宜設定されるが、例えば熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜500重量部、好ましくは15〜300重量部、更に好ましくは20〜100重量部とすることができる。
また、これらの成分のほか、成膜助剤、分散剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、固形乳化剤、有機フィラー、無機フィラー等の適宜の添加剤を添加しても良い。
ディレードタック糊は上記のような成分を含む水性エマルジョンとして得ることができる。ディレードタック糊の調整は公知の適宜の手法により為すことができる。例えば、上記のような各成分を予め混合した後に水に分散させる方法、熱可塑性樹脂としてのラテックス又は粘着付与剤エマルジョンに固体可塑剤を分散させた後にこれらのエマルジョンを混合する方法、固体可塑剤を水に分散させておき、これに熱可塑性樹脂としてのラテックス及び粘着付与剤エマルジョンを混合する方法等が挙げられる。固体可塑剤を上記エマルジョン又は水に分散させる方法としては、固体可塑剤を溶融させた後に分散させる方法、固体可塑剤を微粉末にしながら分散させる方法、微粉末にした固体可塑剤を分散させる方法等が挙げられる。
本発明に係るラベルは、基材の一面にディレードタック糊を成膜した被膜(ディレードタック層)を設けることで形成される。ここで、紙材として片アート紙を用いる場合は、非コート面にディレードタック層を設けるようにすれば、非コート面における凹凸の存在とパルプ繊維間に空隙へ存在により紙材へのディレードタック糊の染みこみを促進し、線剥離強度の低減に大きく寄与する。
基材へのディレードタック糊の塗布の際は、ディレードタック糊中の分散媒である水の含有量を適宜調整した上で、適宜の手法で行うことができる。このとき、ディレードタック層の接着特性はディレードタック糊の塗布量により大きく左右されるため、塗布量の管理が容易な方式を採用することが好ましく、例えばロールコーター方式、リバースコーター方式、グラビアコーター方式等の手法を採用することができる。このディレードタック糊の塗布後、熱風等により加熱乾燥して、ディレードタック層を形成することができる。ここで、熱風にて加熱する場合には、塗布されたディレードタック糊に30〜70℃の熱風を5〜15秒間吹き付けることが好ましい。
このディレードタック層の成膜過程においては、水分を含有するディレードタック糊の一部がサイズ度の小さい紙材に含浸すると共に、紙材上でのディレードタック糊中の固形分の凝集が生じ、ディレードタック層には微細な凹凸が形成されることとなる。このため、ディレードタック層の表面には接着性の高い領域と接着性の低い領域の微細な分布が生じる。ここで、紙材への塗布に供されるディレードタック糊中の水の含有量が過剰であると前記固形分の凝集が生じにくくなり、一方、この含有量が過少であるとディレードタック糊の均一塗布が困難となるため、好ましくはディレードタック糊の含水量が、30〜70%、更に好ましくは40〜60%となるように調整しておく。
また、形成されるディレードタック層の乾燥塗膜量は好ましくは3〜10g/m2、より好ましくは4〜7g/m2、の範囲となるようにする。この乾燥塗膜量が過少であるとディレードタック層に充分な接着性を付与することが困難であり、またこの乾燥塗膜量が過剰であるとディレードタック層の表面に形成される接着性の高い領域と接着性の低い領域との間の接着性の差が小さくなってラベルの線剥離強度を充分に低減することが困難となる。また、このディレードタック層の山崎式水分計にて計測される含水量は8〜15重量%の範囲となることが好ましい。
このように形成されるラベルのディレードタック層を熱風の噴射等により加熱して接着性を発現させ、容器等の被着体に重ねることで、被着体にラベルを貼着することができる。被着体としては、ガラス瓶等のガラス製容器や、ペットボトル等のプラスチック製容器等の適宜のものを挙げることができる。
ラベルの貼着時のディレードタック層の加熱条件はディレードタック糊の組成等に応じて適宜の条件とするが、例えば250〜600℃の熱風にて0.5〜2秒間加熱することによりディレードタック層に接着性を発現させてラベルの貼着を行うことができる。
このようにラベルを被着体に貼着すると、ディレードタック層に分布する接着性の高い領域によって、ラベル全体が被着体に安定して貼着される。また、ディレードタック層の表面には上記のように接着性の高い領域と低い領域とが微細に分布しているため、被着体からラベルを剥離する際に測定される線剥離強度は低くなる。一方、紙材の一面にはディレードタック層が全面に亘って密着して設けられているために、紙材とディレードタック層との間の密着性は高く維持される。このため、被着体に貼着したラベルを人の手で剥離する際には、紙材に破れが生じることなく容易に剥離することができ、特にラベルをガラス瓶等のガラス製の容器等に貼着している場合にはJIS K6854−1(90度剥離、剥離速度500mm/min)にて測定される線剥離強度が3.0N/20mm以下となるようにすることが可能となる。このラベルの剥離強度は、紙材のサイズ度や、ディレードタック糊の組成、含水量、塗布量等を変更することにより適宜調整することができる。このときラベルの線剥離強度は低いほど剥離が容易になるが、0.2N/20mmを下回るとラベルに結露が生じたり水に濡れたりした場合などにラベルの浮き上がりが生じるおそれがあるため、線剥離強度が0.2N/20mm以上となるように調整することが好ましい。
また、ラベルを容器に貼着した後、ディレードタック層の接着力が増大したとしても、ディレードタック層には上記のように接着性の高い領域と低い領域とが微細に分布しているために、前記接着力の増大の影響は主として接着性の高い領域にのみ働き、ラベル全体としては線剥離強度の増大は抑制されることとなる。このため、ラベルの線剥離強度を経時的に安定化することができ、長期に亘って貼着されたラベルも容易に剥離することができるようになる。
更に、ディレードタック層における接着性の高い領域と低い領域との分布は、紙材の上記サイズ度を30秒以下の範囲で調整することで制御することができる。このため、当該サイズ度を調整することで、接着性の高い領域によって発揮されるラベル全体の被着体に対する安定した貼着性への寄与と、接着性の低い領域によって発揮される線剥離強度の低減への寄与とをバランス良く調整することができ、ラベルに所望の線剥離強度を付与することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳述する。
紙材としては、下記表1に示す仕様の片アート紙を用いた。
Figure 0004861115
また、ディレードタック糊としては、(ゴム系の熱可塑性樹脂とフタル酸系固体可塑剤とを含む、市販の粘着力の持続性が高いディレードタック糊、含水量50%)を用いた。
そして、52.5×155mmの寸法の紙材のコート面にグラビア方式にて印刷を施し、非コート面にディレードタック糊をリバース方式で塗布した後、このディレードタック糊に45〜65℃の熱風を10秒間吹き付けて乾燥させて、下記表2に示す乾燥塗膜量のディレードタック層を形成し、ラベルを得た。
Figure 0004861115
これら各実施例及び比較例のラベルにつき、ヒートラベラー(熱風でラベルのディレードタック層を加熱して粘着性を発現させながらこのラベルを瓶に貼り付ける装置)を用いてガラス瓶に貼り付けた。このとき、ディレードタック層へ吹き付ける熱風の温度は550℃とし、一分間当たり270枚の速度でラベルを貼り付けた。
このようにラベルを貼り付けた容器に対し、下記のような評価試験を行った。
(線剥離強度測定)
ガラス瓶に各実施例及び比較例のラベルを貼着した後、1日、1週間、1ヶ月がそれぞれ経過するごとに、株式会社島津製作所製の「ストログラフEZ−Test」を用い、JIS K6854−1(90度剥離、剥離速度500mm/min、剥離幅20mm)に基づき、ガラス瓶からのラベルの線剥離強度を測定した。線剥離強度の測定は各実施例及び比較例につき5個のサンプルについて行い、測定される線剥離強度の最大値と最小値とで評価した。また、併せて測定の過程における紙材の破れの発生の有無も評価した。
(耐水性試験)
各実施例及び比較例につき、ラベルを貼着したガラス瓶を常温の水中に浸漬して三日間放置し、この間のガラス瓶からのラベルの浮き剥がれの発生の有無を確認した。
(耐結露性試験)
各実施例及び比較例につき、ラベルを貼着したガラス瓶を冷蔵庫で1日間冷やした後、40℃、90%RHの条件下に曝露し1時間放置して、このとき15分経過毎にガラス瓶からのラベルの浮き剥がれの発生の有無を確認した。
以上の結果を表3に示す。
Figure 0004861115
以上の結果から、各実施例のものでは、ディレードタック層の加熱時の熱風温度が同じであれば、比較例1の場合よりも線剥離強度が大きく低減し、剥離が容易であることが確認された。
また、比較例1では線剥離強度の測定中に紙材の破れが生じ、しかもそのため実際の線剥離強度は上記測定結果よりも大きくなるものと推測される。これに対して、実施例1〜4では紙材の破れは生じず、また実施例5,6でも1ヶ月後になって紙材がガラス瓶に点状に僅かに残存する程度であった。
また、各実施例では、耐水性、耐結露性は共に充分な評価が得られ、線剥離強度が比較例よりも低減されているにもかかわらず、各実施例においてもラベルの浮き剥がれは充分に抑制されているものであった。

Claims (13)

  1. JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である紙材と、この紙材の一面に形成されているディレードタック層とを含むことを特徴とするラベル。
  2. JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である紙材の一面に、ディレードタック層を形成して成ることを特徴とするラベル。
  3. JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である箇所を有する紙材と、この紙材の一面に形成されているディレードタック層を含むことを特徴とするラベル。
  4. 上記ディレードタック層の乾燥塗膜量が3〜10g/mであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラベル。
  5. 上記ディレードタック層が水分を含有するディレードタック糊から形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のラベル。
  6. JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である紙材の一面に、ディレードタック層を形成することを特徴とするラベルの製造方法。
  7. JIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度が30秒以下である箇所を有する紙材の一面に、ディレードタック層を形成することを特徴とするラベルの製造方法。
  8. 上記ディレードタック層の乾燥塗膜量を3〜10g/mとすることを特徴とする請求項6又は7に記載のラベルの製造方法。
  9. 水分を含有するディレードタック糊から上記ディレードタック層を形成することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載のラベルの製造方法。
  10. 紙材の一面にディレードタック層を形成するにあたり、前記紙材としてJIS P8122に規定されるステキヒト法にて測定されるサイズ度30秒以下の紙材を使用することを特徴とするラベルの線剥離強度の経時安定化方法。
  11. 上記ディレードタック層の乾燥塗膜量を3〜10g/mとすることを特徴とする請求項10に記載のラベルの線剥離強度の経時安定化方法。
  12. 水分を含有するディレードタック糊から上記ディレードタック層を形成することを特徴とする請求項10又は11に記載のラベルの線剥離強度の経時安定化方法。
  13. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のラベルが貼着されていることを特徴とする容器。
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