JP4708715B2 - 能動防振システムの故障判定方法及びシステム - Google Patents
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Description
このような各種センサの出力信号に応じて各種アクチュエータの制御を行う制御システムでは、システムの核であるアクチュエータやセンサに故障等が生じると、システム全体に影響を及ぼす虞がある。このため、故障を検出するための様々な提案がなされている。
この種の従来の提案には、前記制御システムにおいて、個々のアクチュエータと個々のセンサとの間の伝達特性を測定し、その測定値に基づいて伝達経路全てについての故障判定を行い、それら伝達経路の故障判定結果のパターンから故障箇所を推定する故障判定方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1の故障判定方法は、システムの経時変化や温度変化に大きく依存する伝達特性を利用するため、精度の低下を招くことなく故障判定を行うために、一定の条件を満たさなければ故障判定を行うことができないといった問題がある。特に、走行中は、エンジンからのノイズ等が重畳し、伝達特性の精度が悪化するため、車両が停止状態にあるときに行うことが必要とされる。
従って、特に、車両に搭載される能動防振システムにおいて伝達特性を利用して故障判定を行う場合には、エンジン振動やトランスミッション振動等の外乱の影響を無くすために、エンジンの停止・始動直後やエンジン停止時若しくは車両の走行停止時に実施する必要があり、常時故障判定を実施することができない。このため、車両の走行中に異常が発生しても迅速に対応できず、システムの安定性を損なう虞があった。
この目的を達成するための本発明に係る故障判定方法の第一特徴手段は、振動発生源を有する装置における振動抑制を制御目的とし、制御対象である加振器を備えるとともに、前記装置の振動抑制箇所における実振動を測定する振動検出器とを備え、前記振動検出器は、測定結果を電圧に関するデータとして出力し、前記振動検出器の測定結果に基づいて、前記実振動を制御すべく、前記加振器に対する制御データである電圧制御データを、電圧振幅及びその位相として生成・出力する制御部を備えた能動防振システムの故障判定方法であって、前記装置の運転状態毎に前記装置の振動が最適となるよう設定された前記加振器への前記電圧制御データに関する最適値データと、異常判定用の異常判定データとを備え、前記制御部が、制御時の運転状態に適合する前記最適値データと前記振動検出器の前記測定結果との偏差を求めると共に、前記偏差に基づいて前記最適値データを前記振動が残存するように補償して生成し、当該補償する前の最適値データとは異なるように前記補償して生成された最適値データから前記電圧制御データを生成すると共に、前記生成された電圧制御データを前記加振器に入力して前記振動抑制を行い、演算導出される前記偏差が、前記異常判定データの範囲内である場合には、前記能動防振システムが正常であると判定する点にある。
更に、温度変化や外乱等の影響の受けやすい伝達特性を利用しないので、加振器の周囲の温度環境の変化に拘わらず安定して故障判定を行うことができ、ノイズの重畳する走行中であっても故障判定を行うことができる。そして、実振動を用いて偏差を求めるので、能動防振システムの稼動時に同時に迅速に、振動検出器の故障判定を行うことができるのである。
この目的を達成するための本発明に係る能動防振システムの第二特徴構成は、振動発生源を有する装置における振動抑制を制御目的とし、制御対象である加振器を備えるとともに、前記装置の振動抑制箇所における実振動を測定する振動検出器とを備え、前記振動検出器は、測定結果を電圧に関するデータとして出力し、前記振動検出器の測定結果に基づいて、前記実振動を制御すべく、前記加振器に対する制御データである電圧制御データを、電圧振幅及びその位相として生成・出力する制御部を備えた能動防振システムであって、前記装置の運転状態毎に前記装置の振動が最適となるよう設定された前記加振器への前記電圧制御データに関する最適値データと、異常判定用の異常判定データとを備え、制御時の運転状態に適合する前記最適値データの振幅と前記振動検出器の前記測定結果の振幅との偏差を求める偏差演算部を備えるとともに、前記制御部が前記偏差に基づいて前記最適値データを前記振動が残存するように補償して生成し、当該補償する前の最適値データとは異なるように前記補償して生成された最適値データから前記電圧制御データを生成すると共に、前記生成された電圧制御データを前記加振器に入力して前記振動抑制を行い、演算導出される前記偏差が、前記異常判定データの範囲内である場合には、前記能動防振システムが正常であると判定する異常判定部を備える点にある。
同第三特徴構成は、前記偏差が、前記異常判定データの範囲を超えた場合に、前記振動検出器に異常が発生した可能性があると判定する点にある。
即ち、本特徴構成によると、能動防振システムに備えられている各種センサの内、振動検出器について故障判定を行う。振動検出器について故障判定を行うことにより、能動防振システムを適切に保護して安定化させることができる。
同第四特徴構成は、前記制御部において、測定される前記実振動に基づいて前記電圧制御データを生成するに、制御時の運転状態に基づいて定まる最適値データを、前記偏差に基づいて補償して、前記電圧制御データを生成する点にある。
即ち、本特徴構成によれば、最適値データに対し実振動に対応した補正をかけて電圧制御データを生成するので、システムの応答性を維持しながら、適応性を有する制御を達成できる。更に、実振動を用いて偏差を求めるので、能動防振システムの稼動時に同時に故障判定を実施して、故障が発生した場合に迅速に対応することができる。
同第五特徴構成は、前記振動発生源としてのエンジンを備えた車両の振動抑制を制御目的とし、前記エンジンの回転数に従って、前記最適値データが特定される点にある。
即ち、本特徴構成によると、エンジンの回転数に応じて最適値データを特定し、加振器への出力制御電圧を制御するので、車両やシステムの経時変化に適切に対応して故障判定を実施することができる。
同第六特徴構成は、前記エンジンの回転数を検出する回転検出器を備え、エンジン回転が検出されている状態において、常時、前記異常判定部による異常判定を実行する点にある。
即ち、本特徴構成によると、エンジンが稼動しているときに、常時故障判定を行うため、走行中の故障にも迅速に対応でき、車両の安全性を向上させることができる。そして、システムが動作しているときに常に監視を行い回路及びアクチュエータを保護することが可能なため、システム全体を常に安定化できる。
図1は、本願に係る故障判定システムを適用するアクティブマウント制御システム1の概略を示したものであり、図2は、このシステム1において具体的な制御対象である加振器2を備えたエンジンマウント3の概略を断面で示したものである。
1−1 全体構成
アクティブマウント制御システム1は、振動発生源としてのエンジンEにより発生される振動が座席シートS側に伝達され、乗り心地が悪化するのを防止する目的で設けられるものであり、エンジンEを支持するエンジンマウント3に加振器2を備え、この加振器2を制御装置Cからの指令に従って適切に作動させることで、所定の防振効果を得ようとするものである。
図1に示すように、制御装置Cは、本願にいう適応性を有するマップ制御を実行可能なマップ制御部C1と、適応制御を実行可能な適応制御部C2とを備えて構成されている。
システム1に備えられる検出器としては、エンジンEの回転数を検出するための回転検出器s1(クランク軸の回転数を検出する回転数センサ、もしくはイグニッションパルス信号の信号伝達系統等)と、振動検出器S2として座席シートS下部に備えられるピックアップ加速度センサとを備えて構成される。
車の現運転状態は、エンジンの回転周波数ω、変速器のシフトポジション(D,N,R)、エアコンスイッチのON/OFF状態(ON,OFF)から特定する。
ここで、エンジンEの回転周波数ωは、能動制御を有効に働かせるために特定される特定周波数ωnの特定の用に供される。
本願で採用するエンジンマウント3は、所謂、加振器付マウントであり、例えば図2に示すような構成とされている。
図2に示すように、このエンジンマウント3は、筒状のケース31内に、防振ゴム32と、防振ゴム32の下方にエンジンEの動的変位を制御するための電磁式アクチュエータである加振器2を備えて構成されている。
防振ゴム32の下部領域は、ケース31の内壁に固定されると共に、その上部領域は固定金具34に取り付けられている。この固定金具34を収納するように防振ゴム32にはストッパ部32aが、ケース31の一端(図示、上側)に向けて設けられている。
一方、ケース31の図示下側の他端には、固定軸36が設けられている。
制御装置Cは一般のCPUを用いて構成されており、上述のように適応性を有するマップ制御部C1と、適応制御部C2とを備えて構成されている。
図1に示すように、前述のマップ制御部C1、適応制御部C2の他、制御形態選択部C3、周波数判定部C4、データマップ設定部C5、データマップ記憶部C6、実データ保持部C7及び出力処理部C8が設けられている。
前記制御形態選択部C3は、振動制御においてマップ制御を実行するにあたって、データマップ設定部C5による適応制御を実行して、データマップを生成・設定するか否かの選択判断を行う。
周波数判定部C4は、前記適応性を有するマップ制御或いは適応制御の実行時において、制御対象とすべき周波数(最も制御効果を得やすい周波数)を特定周波数ωnとして特定するとともに、この特定周波数の正弦波信号を下手側に送る部位である。
さらに具体的には、回転検出器s1で検出されてくる現在のエンジンEの回転周波数を考慮して、能動防振を実行するのに最も有効な周波数を特定周波数ωnとするとともに、この周波数の回転信号を選択して下手側に送る。
データマップ設定部C5は、本願にいう適応性を有するマップ制御を実行するに必要となるデータマップを,初期的に、或いは適宜、生成・設定する部位である。このデータマップ設定部C5により、運転状態毎に生成・設定されるデータマップが、データマップ記憶部C6に記憶され、マップ制御時に使用される。
データマップ記憶部C6には、車両の運転状態に応じて、シートSにおける防振を達成するために、加振器2に出力されるべき振幅値(電圧振幅)及び位相値が、予め記憶されている。これら振幅値及び位相値は、エンジンの回転周波数(ω複数種)、変速器のシフトポジション(D,N,Rの3種)、エアコンスイッチのON/OFF(ON、OFFの2種)で、区分されたものである。
マップ制御の実行に際しては、運転状態に従って、その時点での適合マップデータ(MAPamp,MAPph)を制御データに対する参考データとして呼び出すことができる。
実データ保持部C7にあっては、検出系から得られる現在の回転周波数ω、実振幅Reamp、実位相Rephが記憶・保持されるとともに、後述する過去の偏差Δ、適合マップデータから偏差Δを考慮して補償済みの適合マップデータを得る場合に使用する補償用のフィルター係数μ等も記憶・保持される。
出力処理部C8は、生成される制御データを加振器2の動作に適合する形態に変換するドライバーである。
この制御を実行する場合の制御形態を、図3に示した。
同図において、振動発生源はエンジンEであり、信号検出部は上述の検出系における実振幅及び実位相の検出部位であり、別途、検出される運転状態(シフトポジションD/N/R、エアコンスイッチのON/OFF)もマップ制御部C1に入力されてくる。このマップ制御部C1では、データマップ記憶部C6に記憶されたデータマップが使用される。
さらに、周波数判定部C4および実データ保持部C7は図1の説明で示したものである。
偏差演算部C11では、実際に検出される実振幅(電圧)、実位相、と、運転状態からデータマップを参照して特定される適合マップデータとの偏差が求められる。そして、前記出力合成部C12で、導出された適合マップデータと偏差とを考慮して、本願の独特の制御データが導出される。
この制御データは、データマップから一意的に決定される適合マップデータを偏差に基づいて僅かに修正したものであり、実質、複数設けられるデータマップ間をシステムの運転状況に応じて補完したものとなっており、ここで、偏差が使用されることから、マップ制御において、その弱点となる適応性を補ったものとなる。
出力合成部C12で合成・生成された制御データは加振器2側に出力される。
ここで、加振器2側への制御データは電圧制御データであり、電圧振幅をampと、位相phとして、y=amp×sin(ωn×t+ph)の形態をとる。ωnは、先に説明した周波数判定部C4で特定された特定周波数ωnを、さらにtは時間を示す。
以下、これらの部位の働きに関して説明する。
制御データの記載形態としては、(振幅、位相)を一体として記載する。
さらに、時間ステップをnで記載し、n+1等は時間の進行側を、n−1、n−2,・・・は、時間の後退側を示す。このサフィックスを記載しないものは、現時点のものに対応する。
合成信号の生成形態として、本願では4例を示す。
下記する、第一例は適合マップデータと偏差を使用する最も基本的な形態であり、第二例は過去値を使用する形態を、第三例はフィルター係数μを過去値毎に設ける形態を、第4例は、偏差の加重平均を使用する形態を示す。
何れの形態においても、データマップから運転状態に適合して抽出・特定される適合マップデータ(MAPamp、MAPph)に対して、偏差演算部C11で適合マップデータと実データ(Reamp、Reph)との偏差Δが求められ、求められた偏差Δに基づいた補償が出力合成部C12で適合マップデータに加えられ、補償済み適合マップデータが生成され、制御データとされる。
さらに具体的には制御データは下記の式に基づいて設定される。
[数1]
出力合成部C12における処理
電圧:amp(n+1)=MAPamp−μ×ΔAMP
位相:ph(n+1)=MAPph−μ×ΔPH
ここで、
電圧:ΔAMP=MAPamp−Reamp
位相:ΔPH=MAPph−Reph
μは補償用のフィルター係数である。
結果、このようにして求められる制御指令を利用することにより、運転状態から定まるマップデータに修正を加えた制御を実行でき、マップ制御に適応性を持たせることとなる。
これらの演算で使用する過去値は、先に示したように実データ保持部C7に記憶保持しておく。
数1に記載の形態に習って、この実施形態を記載すると以下のようになる。
出力合成部C12における処理
電圧:amp(n+1)=
MAPamp−μ×ΔAMP(n−1)−μ×ΔAMP(n−2)・・・
位相:ph(n+1)=
MAPph−μ×ΔPH(n−1)−μ×ΔPH(n−2)・・・
数1に記載の形態に習って、この実施形態を記載すると以下のようになる。
[数3]
出力合成部C12における処理
電圧:amp(n+1)=
MAPamp−μ(n−1)×ΔAMP(n−1)−μ(n−2)×ΔAMP(n−2)・・
位相:ph(n+1)=
MAPph−μ(n−1)×ΔPH(n−1)−μ(n−2)×ΔPH(n−2)・・
数1に記載の形態に習って、この実施形態を記載すると以下のようになる。
[数4]
出力合成部C12における処理
電圧:amp(n+1)=
MAPamp−[μ×ΔAMP(n−1)+μ×ΔAMP(n−2)・・]/N
位相:ph(n+1)=
MAPph−[μ×ΔPH(n−1)+μ×ΔPH(n−2)・・]/N
ここで、Nは、補償に使うデータ数である。
適応制御
適応制御を実行する場合の制御形態を図4に示した。
図4において、振動発生源E、周波数判定部C4に関しては、図1に示す場合と同様である。
適応制御において採用する制御方法は、遅延調和シンセサイザ最小平均自乗フィルタ(以下、DXHS LMSと記す)である。
この入力信号xは、適応フィルタC22のフィルタ係数により振幅補償及び位相補償され、かつ正弦波の出力信号yに合成されて出力される。出力信号yは、制御対象系の伝達経路(伝達関数G)40を通過後、処理信号zとなる。
処理信号zにはエンジンEの振動等が伝達系41(伝達関数G′)を経て伝達される外力dが加算され、観測点において観測値として検出される。
データマップの生成
本願のマップ制御を実行する場合に使用するデータマップの生成・設定方法に関して、図5を参照して説明する。この生成・設定は、データ設定部C5により、システム1において先に説明した適応制御を行いながら、生成・設定時の車の運転状態に対応したデータマップが順次、生成・設定される。データマップの数は、先に説明した運転状態の種分けに従ったものとなる。
ここで、データ設定部C5の機能は、データマップの生成・設定時の運転状態の特定、及び、その制御状態における適応フィルタC22のフィルタ係数のデータマップへの振幅・位相形態での写し込みということとなる。
ステップ1(#1)で運転状態情報の取り込みを継続しながら、ステップ2(#2)で適応制御を実行する。ここでは、シフトポジションの変更、エアコンのON/OFFで運転状態を決めるものとして説明する。ステップ3(#3)で、適応制御において認識されている誤差eの値が最小もしくは許容できる所定の範囲内になったと判断された際に、ステップ4(#4)において、設定された適応フィルタC22のフィルタ係数を、現状の運転状態で特定されるデータマップ箇所のマップデータとして、電圧振幅・位相の形態で記憶する。ステップ3(#3)において誤差eの値が未だ最小になっていないと判断されれば、再度、適応制御を繰り返す。
本願に係る故障判定システムは、図3に示す様に、振動発生源を有する装置の各種運転状態に対する加振器2への出力制御電圧に関する最適値データと、異常判定用の異常判定データとを備え、制御時の運転状態に適合する最適値データと実振動との偏差を求め、この偏差と異常判定データの範囲との関係に基づいて、実振動が異常か否かを判定する異常判定部C13を備える。
尚、本願に係る故障判定システムは、振動検出器S2において検出される実振幅amp、実位相phを用いて故障判定を行うので、他のセンサ類を必要とせず、低コスト且つ簡易な構成で故障判定が行えるのである。
ここでの最適値データは、マップ制御に用いるデータマップであり、運転状態(エンジンEの回転周波数ωを含む)に従って特定される。即ち、故障判定に用いる偏差は、マップ制御のために算出する偏差ΔAMPをそのまま異常判定部C13に対して出力する。尚、本願に係る偏差演算部C11は、エンジンEが駆動しているときには常に偏差ΔAMPの算出を行い、車両の走行・停止状態に拘わらず常に故障判定が実施されるように構成する。
詳細には、偏差演算部C11から偏差ΔAMPが出力されると、周波数判定部C4から出力されるエンジンEの回転周波数ωに応じた異常判定データAMPthをデータマップ記憶部C6から呼び出す。そして、偏差ΔAMPと呼び出した異常判定データAMPthとを比較する。偏差ΔAMPが異常判定データAMPthの範囲を超えた場合には、振動検出器S2に異常が発生した可能性があると判定する。
電圧:amp(n+1)=amp(n−1)
位相:ph(n+1)=ph(n−1)
2 加振器
3 エンジンマウント
31 ケース
32 防振ゴム
34 固定金具
35 固定具
36 固定軸
40 制御対象系の伝達経路
41 伝達系
B 車体
C 制御装置
C1 マップ制御部
C2 適応制御部
C3 制御形態選択部
C4 周波数判定部
C5 データマップ設定部
C6 データマップ記憶部
C7 実データ保持部
C8 出力処理部
C11 偏差演算部
C12 出力合成部
C13 異常判定部
E エンジン
S シート
s1 回転検出器
s2 振動検出器
Claims (5)
- 振動発生源を有する装置における振動抑制を制御目的とし、制御対象である加振器を備えるとともに、前記装置の振動抑制箇所における実振動を測定する振動検出器とを備え、
前記振動検出器は、測定結果を電圧に関するデータとして出力し、
前記振動検出器の測定結果に基づいて、前記実振動を制御すべく、前記加振器に対する制御データである電圧制御データを、電圧振幅及びその位相として生成・出力する制御部を備えた能動防振システムの故障判定方法であって、
前記装置の運転状態毎に前記装置の振動が最適となるよう設定された前記加振器への前記電圧制御データに関する最適値データと、異常判定用の異常判定データとを備え、
前記制御部が、制御時の運転状態に適合する前記最適値データと前記振動検出器の前記測定結果との偏差を求めると共に、前記偏差に基づいて前記最適値データを前記振動が残存するように補償して生成し、
当該補償する前の最適値データとは異なるように前記補償して生成された最適値データから前記電圧制御データを生成すると共に、前記生成された電圧制御データを前記加振器に入力して前記振動抑制を行い、
演算導出される前記偏差が、前記異常判定データの範囲内である場合には、前記能動防振システムが正常であると判定する能動防振システムの故障判定方法。 - 振動発生源を有する装置における振動抑制を制御目的とし、制御対象である加振器を備えるとともに、前記装置の振動抑制箇所における実振動を測定する振動検出器とを備え、
前記振動検出器は、測定結果を電圧に関するデータとして出力し、
前記振動検出器の測定結果に基づいて、前記実振動を制御すべく、前記加振器に対する制御データである電圧制御データを、電圧振幅及びその位相として生成・出力する制御部を備えた能動防振システムであって、
前記装置の運転状態毎に前記装置の振動が最適となるよう設定された前記加振器への前記電圧制御データに関する最適値データと、異常判定用の異常判定データとを備え、
制御時の運転状態に適合する前記最適値データの振幅と前記振動検出器の前記測定結果の振幅との偏差を求める偏差演算部を備えるとともに、
前記制御部が前記偏差に基づいて前記最適値データを前記振動が残存するように補償して生成し、当該補償する前の最適値データとは異なるように前記補償して生成された最適値データから前記電圧制御データを生成すると共に、前記生成された電圧制御データを前記加振器に入力して前記振動抑制を行い、
演算導出される前記偏差が、前記異常判定データの範囲内である場合には、前記能動防振システムが正常であると判定する異常判定部を備えた能動防振システム。 - 前記偏差が、前記異常判定データの範囲を超えた場合に、前記振動検出器に異常が発生した可能性があると判定する請求項2記載の能動防振システム。
- 前記振動発生源としてのエンジンを備えた車両の振動抑制を制御目的とし、前記エンジンの回転数に従って、前記最適値データが特定される請求項2又は3記載の能動防振システム。
- 前記エンジンの回転数を検出する回転検出器を備え、エンジン回転が検出されている状態において、常時、前記異常判定部による異常判定を実行する請求項4記載の能動防振システム。
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