JP4696319B2 - フィルタ方式高速波長掃引光源 - Google Patents

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本発明は、光計測・Optical Coherence Tomography(OCT,光断層画像測定)・光信号処理等で用いられるフィルタ方式高速波長掃引光源に関する。
近年、波長(周波数、波数)掃引光源を用いた計測や断層画面の撮像方法などの研究開発が活発化している。このような分野においては、測定分解能の向上のため波長掃引光源は50nm以上の広い波長掃引幅を有することが求められる。また、特に測定対象物が生体である場合、測定時間中に生体の僅かな動きが測定ダイナミックレンジ(感度)を低下させてしまうため、波長掃引動作を100μs以下で行うことも必要である。また、前記波長掃引光源と光学干渉計とを組み合わせて計測を行う場合は、測定可能距離の拡大のために前記波長掃引光源の可干渉距離(コヒーレンス長)が長い方が有利である。そのため、前記波長掃引光源からの出射光は、同時に複数の波長が発振することのないシングルモード(単一モード発振)であることが求められる。
このような用途の波長掃引光源として従来用いられてきた技術について説明を行う。図1に従来のOCT用に開発された波長掃引光源を示す(非特許文献1)。図1に示したように、前記従来の波長掃引光源は、フェルール付き光ファイバ1、ファイバ結合用フォーカスレンズ2、光アイソレータ3、ファイバ結合用コリメータレンズ4、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier,SOA)5、コリメータレンズ6、回折格子7、レゾナント・ガルバノメータ・ミラー(Resonant Galvanometer Mirror, RGM)8、フォーカスレンズ9、スリット付き高反射鏡10から構成されている。前記SOA5の光出力口側の端面Aとフェルール付き光ファイバ1の間における光線の様子を模式的に光線b1(出力光)として点線で示す。また、前記SOA5のコリメータレンズ6側の端面Bと前記スリット付き高反射鏡10との間における光線の様子を模式的に光線b2(共振器内部)として点線で示す。なお、前記端面Bは、10-4オーダの低反射鏡を具備しており、光出力口側の端面Aは反射率15%を有する。よって、前記端面Aと、前記スリット付き高反射鏡10で構成された共振器の中に、波長選択機能及び波長掃引機能を有する前記回折格子7と前記RGM8が内蔵された形式となるため、共振器長が450mm程度と半導体レーザ(共振器長:数百μm)に比べ非常に長くなっている。
続いて、図1に示した従来の波長掃引光源の動作原理について説明する。まず、前記共振器長から決定される複数の発振モード(縦モード)のうち、前記回折格子7と前記スリット付き高反射鏡10のスリット部10aで決定される波長分解能で与えられる波長範囲において、複数の縦モードを選択してレーザ発振を行う。続いて、前記回折格子7は回転機能を有する前記RGM8に固定されているため、前記RGM8を僅かに動かすことにより前記回折格子7が僅かに回転する。そのため、選択される波長は先に選択した複数の縦モードより長波側(または短波側)の複数のモード(波長)となる。この前記回折格子7の回転動作を連続的に行うことにより広い波長域における波長掃引動作を実現する。なお、図1に示した例では、波長掃引幅約130nm、測定分解能10μm(大気中)、波長掃引速度は16kHz(62.5μs)を実現している。
しかしながら、前記従来の波長掃引光源は以下に示す重大な問題点を有する。まず、共振器内部に波長選択及び掃引機構を配置する必要があるため、共振器長が450mmと非常に長く、回折格子7やRGM8を用いた波長選択及び掃引機構が複雑であり、かつ組立には精密な位置合わせが必要となるため、生産性が低いという重大な問題がある。また、光計測においては計測後に行う高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)などのデータ処理を波長軸上ではなく、波数(または周波数)軸上で行うことが一般的である。そのため、前記従来の波長掃引光源は連続的に波長掃引を行っているため、前記従来の波長掃引光源からの出力光の一部を分岐する。次に前記分岐された出力光を、例えばエタロンフィルタなどの周期的な周波数間隔の透過特性を有するフィルタを通すなどして、波数軸上へのリスケーリングを行う。そのため、光源のシステムが複雑になってしまうという重大な問題もあった。
さらに、連続掃引を行っているため、測定データをサンプリングしている間にも発振波長は僅かに変化する問題がある。この問題について、以下に詳細を述べる。図2に、従来の波長掃引光源の掃引動作時における発振波長λの時間t依存性の概念図を示す。図2に示したように、従来技術の波長掃引光源を用いて波長掃引を行うと、時間軸上において連続的に波長が変化することになる。一方、前記波長掃引光源を用いたOCT装置において、前記波長掃引光源から発生した光を試料に照射することにより得られた信号光を受光器で受光し、電気信号に変換した後、前記電気信号をOCT画像に変換するためにコンピュータ内部でデータ処理を行う。このデータ処理を行うためには、受光器から得られるアナログ電気信号を、アナログ/デジタル(AD)変換回路を用いてデジタル信号に変換する必要がある。AD変換回路においてアナログデータからデジタルデータに変換を行う際には、サンプリング(標本化)が必要になるが、前記サンプリングに必要な時間tsamp(サンプリング時間あるいはサンプリングレート)は短い(高速である)ほど正確なデータ変換を行うことが可能となる。しかしながら、従来技術の波長掃引光源においては波長掃引を連続的に行っているため、前記サンプリング時間内にも波長が変化している。このような波長シフトΔλsamp[m]は、波長掃引速度vsamp[m/s]とサンプリング時間tsamp[s]を用いて(1)式で表される。
Figure 0004696319
(1)式に示したサンプリング時間中の波長シフトΔλsampにより、波長掃引光源の発振スペクトル線幅が実効的に大きくなるため、可干渉距離(コヒーレンス長)が短くなり、深さ方向の計測距離(侵達度)が短くなることが重大な問題となる。例えば、図1に示した波長掃引光源においては、cw発振状態(ある特定の波長においてレーザ発振を行っていて、波長掃引動作を行っていない状態)においては80mm以上のコヒーレンス長を有しているが、掃引速度2.128[nm/μs]で前記光源を掃引動作し、OCT装置のAD変換回路のサンプリング時間10nsの条件下においては、(1)式より波長シフトΔλsampは21[pm]と大きくなり、掃引動作時のコヒーレンス長は15mm程度まで大幅に劣化したことが報告されている(非特許文献1)。そのため、前記光源を用いて行ったOCT測定においても侵達度が3mm程度に制限され、重大な問題となっていた。また、波長シフトΔλsampは(1)式より、波長掃引速度が速いほどシフト量が大きくなるため、高速化と侵達度はトレードオフの関係にあることも重大な問題となっていた。また、サンプリング時間を短くすることにより波長シフト量を小さくすることは可能であるが、サンプリング時間はAD変換回路のサンプリング処理速度に依存するため、サンプリング時間の値は有限であり、波長掃引時のコヒーレンス長はcw発振時のコヒーレンス長に比べ必ず短くなり、その結果OCT測定において侵達度が劣化することも重大な問題となっていた。
上記課題を解決する本発明の構成は、
光周波数領域リフレクトメトリ(OFDR)−光断層画像測定(OCT)装置に用いるためのフィルタ方式高速波長掃引光源であって、
波長が異なると共に周波数(または波数)間隔が一定になっている複数の連続光を多重化してなる多波長光パルス列を一括して発生する一括多波長光発生手段と、
透過帯域周波数が前記光パルス列の周波数(または波数)間隔よりも小さく設定されていることにより、前記一括多波長光発生手段から発生した光パルス列の中から、特定の波長の単一のパルス光のみを選択し、選択した特定の波長の単一のパルス光を連続光として出力する波長選択手段と、
前記波長選択手段の前記透過周波数帯域を、前記光周波数領域リフレクトメトリ(OFDR)−光断層画像測定(OCT)装置の干渉信号サンプリングに同期して、前記光パルス列の周波数(または波数)間隔分ずつ順次変化させることにより、前記波長選択手段により選択するパルス光を、順次、別の波長のパルス光に切り替える波長掃引手段とを有することを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記一括多波長光発生手段は、
スーパーコンティニウム光源か能動半導体モード同期レーザのうちのいずれか一方であることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記スーパーコンティニウム光源は、
能動半導体モード同期レーザと、
前記能動半導体モード同期レーザから発生したパルス光を増幅する光増幅器と、
前記光増幅器により増幅したパルス光が入力されて伝搬することにより、波長が異なる共に周波数(または波数)間隔が一定になっている複数のパルス光からなる光パルス列を発生して出力する、正常分散かつ分散平坦特性を有する光ファイバとから成ることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記波長選択手段は、
高反射膜をファイバ端面に有する一方のシングルモードファイバの前記ファイバ端面と、高反射膜をファイバ端面に有する他方のシングルモードファイバの前記ファイバ端面とを、共振器長の長さとなっている空間を隔てて向かい合わせて配置したファイバ型ファブリペロー共振器であり、
前記波長掃引手段は、
前記ファイバ型ファブリペロー共振器を構成する一方のシングルモードファイバと他方のシングルモードファイバを光の伝搬方向に沿い移動させて前記共振器長を変化させるピエゾ駆動素子であることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記一方のシングルモードファイバ及び前記他方のシングルモードファイバは、熱拡散技術により、ファイバ端面部分において、コア及びモードフィールド径を拡大させたファイバであることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記波長選択手段は、
前記一括多波長光発生手段から発生した光パルス列を平行光に変換するコリメータレンズと、
前記コリメータレンズにより平行光となった光パルス列を反射する回折格子と、
回折格子により反射された光を集光するフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズにより光が集光される位置に配置されたスリットにより構成され、
前記波長掃引手段は、
回折格子が固定されておりこの回折格子による反射角度を変更するレゾナント・ガルバノメータ・ミラーであることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記波長選択手段及び前記波長掃引手段の後段に、広帯域光増幅手段を具備することを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記広帯域光増幅手段は、エルビウム添加テルライトファイバを利得媒質とする光ファイバ増幅器であることを特徴とする。
[作用]
上記の課題を解決するために、本発明において問題点が以下のように解決されている。本発明では、一括多波長光源により、psオーダの繰り返し周波数を有し、かつ1kHz以下の周波数精度を有する周波数間隔f0で等間隔に周波数(波長)多重化された光パルス列を発生する。そして、この光パルス列から、波長選択手段により唯一の波長を選択し透過させることにより単一モードの連続光を取り出す。その後、順次選択する波長を高速に切り替える波長掃引手段により、選択する波長を高速に切り替えて、高速波長(周波数)掃引光源を実現する。そのため、原理的に出力光は単一モードの連続光である。また、得られる波長帯域は一括多波長光源の波長帯域に依存し、通常80nm以上と十分である。また、波長掃引速度が10μs以下で行う事が可能であるため、観測中の生体の微少な動きによるダイナミックレンジの低下も無い。
図3に、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源における発振周波数fの時間t依存性を示す(波長チャネル数N=8のときに簡略化して表示している)。図3に示したように、本技術は、従来技術における波長掃引が図2に示したように波長軸上で連続的に行っているのに対し、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源に用いる種光源の周波数間隔f0で決められた間隔で周波数(波長)掃引を行うため、波長(周波数)をサンプリング時間(=t2)内で一定にして周波数(波長)軸上で不連続に掃引できる。そのため、従来技術において必要であった波数軸上へのリスケーリングが不要であるため、光源のシステムを簡素化することが可能となる。なお、図3において、ts,tr,t2,tsampは、それぞれ掃引時間、掃引繰り返し時間、任意の波長チャネルが発振している時間、サンプリング時間を表している。
また、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源としてモード同期レーザ、SC光源のいずれかを用い波長掃引手段によって掃引動作を実現するため、OCT装置におけるAD変換回路のサンプリング時間の長さによらず掃引時においてもcw駆動時と同じ発振スペクトル線幅を有する。一般に、モード同期レーザ、SC光源のいずれもcw駆動時の発振スペクトル線幅は数10MHz以下であるため、cw駆動時のコヒーレンス長は5m以上である。そのため、掃引時のコヒーレンス長もcw駆動時と比べ劣化することなく5m以上のコヒーレンス長を有するレーザ光を得ることができる。そのため、掃引動作時において侵達度が短くなることはなく、かつ掃引時のコヒーレンス長は掃引速度によらず一定である。
以上述べたように、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いれば、コヒーレンシーが高くかつ等周波数間隔で発振した単一モード光を高速で掃引することが可能となる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき詳細に説明する。
(SC光源とFFP型高速波長可変フィルタを用いた高速波長掃引光源によるOCT装置)
以下、図4に基づいて本発明の第1実施例について詳細に説明する。まず、装置構成について説明する。図4に示したように、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10は、スーパーコンティニウム(SC)光源11、FFP型高速波長可変フィルタ12、広帯域光増幅器13から構成される。前記SC光源11は、さらに種光源14、光増幅器15、SC光発生用光ファイバ16から構成され、全ての装置間は光ファイバで接続されている。以下、詳細について述べる。
前記SC光源11の種光源14として用いる能動半導体モード同期レーザは、共振器内部の光変調器に、共振器長から決まる繰り返し周波数を印加することによりパルス光を発生させることができる強制モード同期型のレーザである。前記能動半導体モード同期レーザの光変調器部に繰り返し周波数f0=12.5GHzの高周波電流を印加すると、繰り返し周波数f0と同じ周期で繰り返し発生する光パルス列が生成される。このとき、前記繰り返し光パルス列の光周波数スペクトルは、フーリエ変換の関係により、繰り返し周波数f0と同じ周波数間隔を有する複数の縦モードを有している。この繰り返し光パルス列を光増幅器15により増幅し、光強度を増大させる。続いて、光強度が増大された前記繰り返し光パルス列を、前記SC光発生用光ファイバ16である偏波保持型分散フラットファイバに入力すると、前記SC光発生用光ファイバ16を伝搬中に光スペクトルの相互非線形光学効果により、もとの光スペクトルの短波長および長波長側に新たに光スペクトルが生じる。続いて、さらに前記SC光発生用光ファイバ16中を前記波長スペクトルが広がった繰り返し光パルス列が伝搬すると、さらに短波長および長波長側に新たな光スペクトルが発生する。こうした一連の作用を繰り返して、前記SC光発生用光ファイバ16を伝搬するうちに入射した前記繰り返し光パルス列は、繰り返し周波数f0と周波数間隔f0を維持したまま前記SC光発生用光ファイバ16に入射する前よりもはるかに広い波長域(80nm)を有する光スペクトルになる。よって、本実施例の場合f0=12.5GHz(0.1nm)であるため、波長数は800にもなる。
このような一括多波長光発生手段は、スーパーコンティニウム(Supercontinuum. SC)光源と呼ばれ、公開特許公報(特開2002−236301)や非特許文献2(E.Yamada et al, “150 channel supercontinuumCW optical source with high SNR and precise 25 GHz spacing for 10 Gbit/s DWDM systems ”,IEE Electronics Letters,Vol.37,No.5,2001,pp.304-306)に詳細な説明がある。SC光源の特徴は、広帯域であると同時に周波数間隔が種光源14の駆動周波数のみで決定されることから、周波数間隔の設定精度が1kHz以下と非常に良好であるため、広帯域光ファイバ通信への適用が期待されている。なお、SC光源11により生成された多波長光の様子を、図5(a)に示す。この図は、図4においてAの場所で観測される多波長光を、波長数が8波長(λ1,λ2,・・・,λ7,λ8)のときに簡略化して示したものであり、各波長は周波数軸上で等間隔になっている(周波数間隔f0)。
本発明は前記SC光源11から一括生成された多波長光を、FFP型高速波長可変フィルタ12を用いて、フィルタ方式高速波長掃引光源10を実現したことを最大の特徴とする。以下、さらに詳細について説明を続ける。
続いて、連続して生成される多波長繰り返し光パルス列から唯一の波長を取り出すためにFFP型高速波長可変フィルタ12に、前記SC光源11からの多波長繰り返し光パルスを入射する。前記FFP型高速波長可変フィルタ12について図6を用いて詳細に説明する。
図6は、本実施例で用いた高速波長可変フィルタの一種で、以下ファイバ形ファブリペロー(Fiber-based Fabry-Perot,FFP)共振器12と称する。前記FFP共振器12は、図6に示したように高反射膜21aをファイバ端面21bに有するシングルモードファイバ21と、同じく高反射膜22aをファイバ端面22bに有するシングルモードファイバ22とを、長さ(共振器長L)の空間(大気、もしくは窒素雰囲気中)を隔て向かい合わせて配置した構成となっている。なお、ここで高反射膜21aおよび高反射膜22bは、それぞれ90%以上の反射率を有する誘電体多層反射膜で構成した。また、21c,22cはコア、21d,22dはクラッド、23は筐体ケースである。前記FFP共振器12に入力する波長多重化された入力光は、前記FFP共振器12を通過する際に、前記共振器長L及び共振器内部(高反射膜21aと高反射膜22bの間の空間)の屈折率から決定される透過波長(周波数)帯域に対応する波長のみを出力光として出射する。このとき、入力光の波長(周波数)間隔に比べ、前記FFP共振器12の透過波長(周波数)帯域を十分に小さくすることにより、波長多重化された入力光から、唯一の波長のみを出力光として透過させることが可能となる。
なお、本実施例で用いた前記FFP共振器12の透過波長(周波数)帯域は、前記FFP共振器12のフリー・スペクトラル・レンジ(Free Spectral Range,FSR)とフィネス(Finesse,F:共振器の性能指数)から決まり、本実施例ではFSR=100nm(12.5THz)、F=10000に設定したため、透過波長帯域は0.01nm(1.25GHz)である。この値は、前記SC光の周波数間隔f0(=12.5GHz)に比べ、1/10程度と十分に小さい値となっているため、唯一の波長のみを透過させる機能を有する。以上、本実施例における波長選択手段の説明を行った。
次に、前記FFP共振器12において前記共振器内部の屈折率が一定の場合、共振器長Lを変化させることにより、透過波長帯域を変化させることができる。本実施例の場合、図示はしないが、シングルモードファイバ21の入力光側とシングルモードファイバ22の出力光側に、圧電素子であるピエゾ素子を具備している。前記ピエゾ素子は高電圧を印加すると、物理的に素子の大きさが伸縮する特性を有しているため、本実施例においては前記ピエゾ素子を高電圧で駆動すると、ピエゾ素子に物理的に接着しているシングルモードファイバ21及びシングルモードファイバ22が光の伝搬方向に沿って動くため、共振器長Lを変化させることができる。このようにして、前記FFP共振器12の透過波長帯域を制御する。ピエゾ素子は、位置分解能が高くかつ高速応答が可能なため、このような微細な位置制御に良く用いられる。なお、本実施例におけるピエゾ素子の駆動電源は50Vのものを用い、波長帯域80nmの掃引速度は、50μs(20kHz)と十分な高速性を有している。また、本実施例における前記FFP共振器12を構成する光ファイバとして、TEC(Thermally Expanded Core)技術を導入したシングルモードファイバを用いた。前記TECの特徴は、熱拡散技術により光ファイバのコア及びモードフィールド径を局所的に拡大させたファイバであり、光ファイバ間の軸ずれ、またはギャップに対する許容範囲が広がると同時に、平行光に近くなるため接続損失が低減でき、光学レンズが不要になるという利点を有している。図6に示したシングルモードファイバ21及びシングルモードファイバ22におけるTEC技術を導入した部分を、TEC部分1およびTEC部分2として示す。以上、本実施例における波長掃引手段の説明を行った。
本実施例における波長選択及び掃引手段について、図4と図5(b−1)、図5(b−2)、図5(c)を用いてさらに説明を行う。図5(b−1)に示したように前記FFP共振器12に入射する繰り返し光パルス列は、図5(a)に示したのと同様に、波長多重化されている。一方、前記FFP共振器12は、図5(b−2)の実線で示すようにλ4に対応する透過帯域を有するため、前記繰り返し光パルス列が前記FFP共振器12を通過すると、図5(c)において実線で示したように波長λ4のみが選択されて出力される。なお、このように波長多重化された光パルスから、唯一の波長をフィルタリングした場合は、フーリエ変換の関係から連続光として出力される。すなわち、単一モードの連続光が得られる。次に、図5(b−2)において点線で示したように、t秒後に前記FFP共振器12の透過波長帯域を前記ピエゾ素子により駆動し、波長(周波数)間隔分だけ長波長側に変化したときに、図5(c)において点線で示したように前記繰り返し光パルス列のうち波長λ5のみが選択され連続光として出力される。この手順を順次繰り返すことにより、波長選択及び波長掃引を行うことが可能となる。
本発明は、SC光源11とFFP型高速波長可変フィルタ12を用いることにより、広い波長帯域に渡り、精度の高い波長(周波数)間隔を有し、高速掃引が可能で、単一モードの連続光を出力できることを最大の特徴とする。
最後に、前記FFP共振器12より出力された単一モード連続光は、前記FFP共振器12を経たことにより、波長毎の光強度が−23dBm程度に低下している。そのため、広帯域光増幅器13により光強度を+2dBm程度まで増大した。本実施例では、広帯域光増幅器13としてエルビウム添加テルライトファイバを利得媒質とする光ファイバ増幅器(Erbium・Doped Tellurite Fiber Amplifier, EDTFA)を用いた。
以上のようにして、本発明によるフィルタ方式高速波長掃引光源10を用いれば、周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域80nm(周波数帯域Δf=10THz)、波長チャネル数N=800のシングルモード光を、掃引時間ts=50μsで掃引することが可能となる。本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10を用いて波長掃引を2回行った際の様子を図7に示す。なお、本発明のフィルタ方式高速速度掃引光源10の発振スペクトルの線幅は、10MHz以下であるため、コヒーレンス長は10m以上と非常に長い。また、先に述べた理由からコヒーレンス長は波長掃引時においても劣化することなく10m以上のコヒーレンス長を有している。
また、コヒーレント長の長い能動半導体モード同期レーザを種光源14として用いるため、発振スペクトル幅が10MHz以下、コヒーレンス長10m以上の非常に良好で、かつ安定した単一モード発振した光スペクトルを有する光を得ることが可能となる。さらに、種光源14の駆動時に、周波数間隔が等間隔になるように設定されているので、周波数間隔の設定精度が高く(1kHz)、また従来技術とは異なり波数軸上へのリスケーリングも不要であるため、光源のシステムが簡素化される。
なお、これまでに波長軸上で連続した波長が存在する光を発生することのできるスーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode,SLD)を一括多波長光発生手段とし、波長可変液晶ファブリペロー(FP)共振器を波長選択及び波長掃引手段として光計測を行った報告がある(非特許文献3:D.S.Mehte et al., “Spectral interferometric microscops with tandem liquid-crystal Fabry-Perot interferometers for extension of the dynamic range in three-dimensional step-height measurement”,Applied Optics,Vol.42,No.4,2003,pp-682-690)。また、同様にSLDと波長可変音響(AO)フィルタを用いた報告もある(非特許文献4:D.S.Mehta et al., “Spectral interference Mirau microscope with an acousto-optic tunable filter for three-dimensional surface profilometry”,Applied Optics,Vol.42,No.4,2003,pp.1296-1305)。しかしながら、これらの報告は本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10とは次に挙げる点で大きく異なるため、本発明とは本質的に異なるので詳細について説明する。
まず、前記報告において一括多波長光発生手段として低コヒーレンスなSLDを用いている。前記SLDは本発明で用いたSC光源とは異なり、波長軸上で連続した波長が存在する光を発生することを特徴とするが、発生した光は自然放出増幅(Amplified Spontaneous Emission, ASE)光であるため、コヒーレンシー(可干渉性)が低い。そのため、波長選択および掃引手段である前記波長可変液晶FP共振器や波長可変AOフィルタにより光源の狭帯域化を行っても0.7nm(88GHz)程度の半値全幅しか得られないため、コヒーレンス長は1mm程度にしかならない。また、そのためコヒーレンス長は前記波長選択手段の透過波長帯域に依存する。一方、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10は、種光源14としてコヒーレンシーの高い半導体モード同期レーザを用いているため、発振スペクトル幅が3MHz以下と前記報告に比べ飛躍的に小さく、コヒーレンス長は10m程度と前記報告の10000倍程度の非常に良好な値を有する単一モード光を得ることができる点で全く異なる。また、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10のコヒーレンス長は、種光源14である前記半導体モード同期レーザにより決定されるため、本発明における波長選択および掃引手段である前記FFP共振器12の透過波長帯域には依存しない。さらに、前記報告では、前記波長可変液晶FP共振器または波長可変AOフィルタの波長掃引時間が遅いため、測定時間に800ms程度を要し生体観測には適さない。一方、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10は高速応答可能なピエゾ素子とFFP共振器12を組み合わせて用いるためμsオーダで測定可能である。そのため、観測中の微小な生体の動きにより測定ダイナミックレンジが劣化することなく、生体観測が容易に可能となる。以上より、本明細書の冒頭で述べた従来技術が抱える重大な課題は、前記報告の手段により解決することは不可能であり、本発明によるフィルタ方式高速波長掃引光源10をもって初めて解決することができる。
続いて、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10を用いて行ったOCT測定について示す。図8に本発明者等が開発したOFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)−OCT法を利用した断層像撮影装置を示す(特願2004−276773)。本装置は主に、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10、ファイバ型Mach-Zehnder干渉計32、バランスレシーバ33、AD変換回路34、DA変換回路35、ガルバノミラー制御回路36、演算制御装置37、画像表示装置38から構成される。本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10からの出射光は、9:1カプラ39により試料光路40に90%、参照光路41に10%の光が入射する。試料光路40に入射したレーザ光は、試料光路側サーキュレータ42、測定光入力/信号光送出口43、試料光路側コリメータレンズ44、ガルバノメータミラー45、試料光路側対物レンズ46を経て試料47に入射した後、試料47からの後方反射または散乱された信号光として再び同じ光路を経て試料光路側サーキュレータ42に戻り試料光路側偏波コントローラ(PC)48を経て、5:5カプラ49に入射する。即ち、試料光路40は光路A−B−C−D−E−F−E−D−C−G−Hで表され、そのうちの光路D−E−F−E−Dは、大気中を光が伝搬する空間光路であり(ただし、試料光路側コリメータレンズ部と試料光路側対物レンズ部を除く)、それ以外の部分(光路A−B−C−D、光路D−C−G−H)は光通信用シングルモードファイバ(SMF)で構成されている(ただし、試料光路側サーキュレータ及び試料光路側偏波コントローラの内部を除く)。
一方、参照光路41に入射した参照光は、参照光路側サーキュレータ50、参照光入力/送出口51、参照光路側コリメータレンズ52、参照光路側対物レンズ53を経て参照反射鏡54に入射した後、参照反射鏡54により反射された参照光は再び同じ光路を経て参照光路側サーキュレータ50に戻り参照光路側偏波コントローラ(PC)55を経て5:5カプラ49に入射する。即ち、参照光路は光路I−J−K−L−M−L−K−N−Oで表され、そのうちの光路L−M−Lは、大気中を光が伝搬する空間光路であり(ただし、参照光路側コリメータレンズ部と参照光路側対物レンズ部を除く)、それ以外の部分(光路I−J−K−L、光路L−K−N−O)は光通信用シングルモードファイバ(SMF)で構成されている(ただし、参照光路側サーキュレータ及び参照光路側偏波コントローラの内部を除く)。
5:5カプラ49に入射した信号光と参照光は干渉信号となり、バランスレシーバ33に入射され電気信号に変換される。バランスレシーバ33は光入力ポートを2つ有し、干渉信号の直流成分を自動的に除去し干渉成分のみを取り出すことができる。バランスレシーバ33から出力された電気信号は、A/D変換回路34においてアナログ電気信号からデジタル電気信号に変換された後、演算制御装置37に取り込まれ、数値処理される。数値処理された測定データは、画像表示装置38上に表示される。干渉信号電流は、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10の発振周波数切替と同期してサンプリングされ、高速Fourier 変換(FFT)または離散Fourier 変換(DFT)により反射強度の深さ方向依存性の情報を得ることができる。
ここで、先に述べたようにフィルタ方式高速波長掃引光源10の周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域80nm(周波数帯域Δf=10THz)、波長チャネル数N=800のシングルモード光を、掃引時間ts=50μsで掃引することにより干渉信号を得る。このとき、1回の掃引で得る干渉信号を、演算制御装置37においてFFTまたはDFTによる数値処理を経て変換されたデータをA-line信号と称し、これは深さ方向の反射強度分布を示す一次元情報である。そのため、A-line走査時間(走査率)は掃引時間tsと同じ50μs(20kHz)となる。また、二次元情報を得るためには、ガルバノミラー45を駆動することにより、試料光のビームを偏向して僅かに試料47へのビームの照射位置をずらした状態で波長掃引を行いA-line信号を取得する。この動作を複数回繰り返すことにより二次元情報(B-scan信号)を得ることができる。そのため、A-line信号を500本取得して得たB-scan信号を得る為に要した時間、すなわちB-scan走査時間(走査率)は、25ms(40Hz)である。さらに、前記ガルバノミラー45をB-scan信号取得時のビーム走査時に対し、直角に交わる方向に沿って照射位置を連続的に複数回ずらしていくことにより、三次元情報を得ることができる。前記ガルバノミラー45の制御は、演算制御装置37において前記フィルタ方式高速波長掃引光源10の掃引トリガと同期して行い、制御信号はDA変換回路35とガルバノ制御回路36を経てガルバノミラー45に伝達される。
図9に、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10を用いたOFDR−OCT法による断層像撮影装置によって測定した、ヒトから摘出した歯を試料としたときのA-line信号を示す。同図は、信号光強度の深さ位置依存性を示しており、500本取得したA-line信号の一つである。同図において、深さ1.5mmと3.0mm付近とにおける反射ピークは、それぞれ、大気とエナメル質の界面による反射ピーク、エナメル質と象牙質の界面における反射ピークに対応している。また、深さ5.8mm付近における反射ピークは、象牙質内部に存在するクラック(空隙)による反射ピークである。また、同図において侵達度は6mm(光路長)、深さ方向の分解能は13μm、A-line信号取得時間は80nsである。
深さ方向の測定範囲(侵達度)は、各波数における測定光の掃引時のコヒーレント長に依存する。従って、侵達度は測定光の掃引時の実効的なスペクトル線幅によって制限される。侵達度とスペクトル線幅は比例関係にあり、10mmの侵達度を確保するためには出射光のスペクトル線幅が13GHz以下、測定範囲2.5mmを確保するためには出射光のスペクトル線幅が52GHz以下に設定することが必要である(特願2004−276773)。
一方、侵達度Δzは測定光の波数間隔δkによっても制限される。
OFDR−OCT法においては、コヒーレント長がmオーダと十分に長い場合、侵達度Δzは波数間隔δkを用いて、(2)式のように表される(特願2004−276773)。
Figure 0004696319
よって、周波数間隔f0=12.5GHzより、波数に換算するとδk=261.98m-1であるため、侵達度Δzの理論値は、6mmであり、図9の測定結果と良く一致する。また、Δz=12mmについては、δk=130.99m-1(f0=6.25GHz)となる。
次に、波長掃引時間tsの設定値について説明する。
測定対象が生体に係るものである場合に測定対象が微動することを考慮すれば、許容される分解能Δz、測定対象が動く速度がvとすれば、波長掃引時間tsの許容範囲は
s<(又は=) Δx/v
である。ここで、Δxは80μm程度である(特願2004−276773)。したがって、v=1mm/sec程度のときtsは80msec以下、v=10mm/sec程度のときtsは8msec以下であることを必要とする。したがって、tsは最大で80msecまで設定できれば本測定に十分適用できる。
次に、掃引する波長帯域Wの設定値について説明する(図7参照)。周波数間隔f0を波長換算した値λ0、波長数Nとすれば、
W=λ0・N.
である。f0=12.5GHzの場合、λ0が0.1nm程度である。これより、N=1000のときに波長帯域Wは100nm、N=100のときに波長帯域Wは10nmとなる。また、f0=12.5GHzの場合、λ0が0.2nm程度である。この場合、N=1000のときに波長帯域Wは200nm、N=100のときに波長帯域Wは20nmとなる。
また、図10には同じ試料のB-scan信号を示す。B-scan信号は、先に説明したようにガルバノミラー45により試料光の照射位置を30μmずつB-scan方向に沿ってずらしてA-line信号を取得することを500回繰り返して得られた信号であり、B-scan範囲は15mmである。同図中、一点鎖線部分は図9に示したA-line信号に対応しており、B-scan信号取得時間は、25msである。図10より、大気とエナメル質の界面、エナメル質と象牙質の界面、クラックの様子が二次元断層像として明瞭に観測できることを確認した。
よって、本発明を用いれば、例えば二次元光計測において1秒間に40程度の二次元画像を取得することができるため、リアルタイムの二次元計測が可能となる。また、種光源14の駆動時に、周波数間隔が等間隔になるように設定されているので、周波数間隔の設定精度が高く(1kHz)、また従来技術とは異なり波数軸上へのリスケーリングも不要であるため、光源のシステムが簡素化される。また前記種光源14である能動半導体モード同期レーザの駆動電気周波数f0を変化させることにより、多波長光発生光源の周波数間隔f0を変えることができ、波長掃引繰り返し速度trを調整することができるなど柔軟性が高いフィルタ方式高速波長掃引光源10を提供できる。さらに、コヒーレンス長の長い能動半導体モード同期レーザを種光源14として用いるため、発振スペクトル幅が5MHz以下、コヒーレンス長10m程度の非常に良好で、かつ単一モード発振した光スペクトルを有する光を得ることが可能となる。さらに、掃引時におけるコヒーレンス長は掃引速度の増加に伴い劣化することなく、cw発振時と同じコヒーレンス長を維持することが可能となる。そのため、OCT測定においては侵達度の劣化がなく、理論値と同じ侵達度を得ることが可能となる。
そのため、光計測においては高速な二次元画像が取得可能になる。また、波数軸上へのリスケーリングが不要となり光源のシステムが簡略化されるため、生産性が高いフィルタ方式高速波長掃引光源10を提供することが可能となる。さらに、一定の速度で波長掃引を行うことにより時間軸上においても波長の切り替わり時間を等間隔にすることが可能となるため、光計測時に測定データのサンプリングを容易にすることが可能となる。
上述の実施例においては、スペクトル形状が矩形の場合について説明したが、スペクトル形状をガウシアン形状等別のものに変えても、分解能等は大きくは変わらず得られる効果も矩形の場合とほぼ同じである。
(SC光源と回折格子型高速波長可変フィルタを用いた高速波長掃引光源によるOCT装置)
以下、図11に基づいて本発明の第2実施例について詳細に説明する。まず、装置構成について説明する。図11に示したように、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源200は、SC光源201、回折格子型高速波長可変フィルタ202、広帯域光増幅器203から構成される。前記SC光源201は、さらに種光源204、光増幅器205、SC光発生用光ファイバ206から構成され、全ての装置間は光ファイバで接続されている。前記SC光源201に関する説明は、本発明の第1実施例において既に述べているSC光源11と同様なので、ここでは省略する。なお、本実施例におけるSC光源201の繰り返し周波数f0は12.5GHzであり、波長帯は80nmであるため、SC光源201から生成される光パルス列の周波数間隔f0=12.5GHz(0.1nm)であり、波長数Nは800になる。SC光源201の特徴は、広帯域であると同時に周波数間隔が種光源204の駆動周波数のみで決定されることから、周波数間隔の設定精度が1kHz以下と非常に良好であるため、広帯域光ファイバ通信への適用が期待されている。なお、SC光源201により生成された多波長光の様子を、図12(a)に示す。この図は、図11においてAの場所で観測される多波長光を、波長数が8波長(λ1,λ2,・・・,λ7,λ8)のときに簡略化して示したものであり、各波長は周波数軸上で等間隔になっている(周波数間隔f0)。
本発明は前記SC光源201から一括生成された多波長光を、回折格子型高速波長可変フィルタ202を用いて、フィルタ方式高速波長掃引光源200を実現したことを最大の特徴とする。以下、さらに詳細について説明を続ける。第1の実施例において高速波長可変フィルタとしてFFP共振器を用いたのに対し、本実施例は高速波長可変フィルタとしてこれから説明する回折格子型フィルタ装置202を用いたことを特徴とする。
続いて、連続して生成される多波長繰り返し光パルス列から唯一の波長を取り出すために回折格子型高速波長可変フィルタ202に、前記SC光源201からの多波長繰り返し光パルス列を入射する。前記回折格子型高速波長可変フィルタ202について図13を用いて詳細を説明する。図13は、本実施例で用いた高速波長可変フィルタの一種で、以下回折格子型フィルタ装置202と称する。前記回折格子型フィルタ装置202は、図13に示したように入力側フェルール付き光ファイバ211、コリメータレンズ212、回折格子213、レゾナント・ガルバノメータ・ミラー(Resonant Galvanometer Mirror, RGM)214、フォーカスレンズ215、スリット216、出力側フェルール付き光ファイバ217から構成される。なお、フェルール付き光ファイバ211の端面であるフェルール端面Aと回折格子213との間における光線の様子を模式的に光線b21(波長多重光)として点線で示す。また、出力側フェルール付き光ファイバ217の端面であるフェルール端面Bと回折格子213との間における光線の様子を模式的に光線b22(単一モード光)として一点鎖線で示す。
続いて、図13に示した前記回折格子型フィルタ装置202の動作原理について説明する。まず、入力側フェルール付き光ファイバ211に入射したSC光源201からの繰り返し光パルス列は、フェルール端面Aから空間(大気中もしくは窒素雰囲気中)に放射されコリメータレンズ212によりコリメート(平行)光に変換される。次に、前記コリメータ光は回転機構を有するRGM214上に固定された回折格子213に入射すると反射されるが、このときの反射角度は、回折格子213の特性(回折次数、グレーティング本数、入射角度)およびスリット216のスリット幅によって決定される透過波長帯域毎に異なる。よって、フォーカスレンズ215で結像する場所も透過波長帯域毎に異なる。そのため、出力側フェルール付きファイバ217とスリット216を固定して設置し、RGM214上に接着された回折格子213をRGM214の駆動により回転させることにより、フェルール付きファイバ217に結合する透過帯域を切り替えることができる。このようにして、前記回折格子型フィルタ装置202に入射した波長多重化された光パルス列は、透過波長帯域のみの光を透過するフィルタ機能を実現している。なお、ここで本実施例の回折格子213とスリット216により決定される透過波長帯域は0.01nm(1.25GHz)に設定したため、波長間隔0.1nm(12.5GHz)で多重化された光パルス列から、唯一の波長、すなわち単一モード光を透過させることができる。なお、本実施例において、前記回折格子213が波長選択手段、また前記RGM214が波長掃引手段である。
本実施例における波長選択及び掃引手段について、図11と図12(b−1)、図12(b−2)、図12(a)を用いてさらに説明を行う。図12(b−1)に示したように前記回折格子型フィルタ装置202に入射する繰り返し光パルス列は、図12(a)に示したのと同様に、波長多重化されている。一方、前記回折格子型フィルタ装置202は、図12(b−2)の実線で示すようにλ4に対応する透過帯域を有するため、前記繰り返し光パルス列が前記回折格子型フィルタ装置202を通過すると、図12(c)において実線で示したように波長λ4のみが選択されて出力される。なお、このように波長多重化された光パルスから、唯一の波長をフィルタリングした場合は、フーリエ変換の関係から連続光として出力される。すなわち、単一モードの連続光が得られる。次に、図12(b−2)において点線で示したように、t秒後に前記回折格子型フィルタ装置202の透過波長帯域を前記RGM214を駆動し前記回折格子213を僅かに回転させることにより、波長(周波数)間隔分だけ長波長側に変化したときに、図12(c)において点線で示したように前記繰り返し光パルス列のうち波長λ5のみが選択され連続光として出力される。この手順を順次繰り返すことにより、波長選択及び波長掃引を行うことが可能となる。本発明は、SC光源201と回折格子型高速波長可変フィルタ202を用いることにより、広い波長帯域に渡り、精度の高い波長(周波数)間隔を有し、高速掃引が可能で、単一モードの連続光を出力できることを最大の特徴とする。
最後に、前記回折格子型フィルタ装置202より出力された単一モード連続光は、前記回折格子型フィルタ装置202を経たことにより、波長毎の光強度が−26dBm程度に低下している。そのため、広帯域光増幅器203により光強度を−1dBm程度まで増大した。本実施例では、広帯域光増幅器203としてエルビウム添加テルライトファイバを利得媒質とする光ファイバ増幅器(Erbium-Doped Tellurite Fiber Amplifier, EDTFA)を用いた。
以上のようにして、本発明によるフィルタ方式高速波長掃引光源200を用いれば、周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域80nm(周波数帯域Δf=10THz)、波長チャネル数N=800のシングルモード光を、掃引時間ts=50μsで掃引することが可能となる。本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源200を用いて波長掃引を2回行った際の様子を図14に示す。なお、本発明の高速波長掃引光源200の発振スペクトルの線幅は、10MHz以下であるため、コヒーレンス長は10m以上と非常に長い。また、先に述べた理由からコヒーレンス長は波長掃引時においても劣化することなく10m以上のコヒーレンス長を有している。
また、コヒーレンス長の長い能動半導体モード同期レーザを種光源204として用いるため、発振スペクトル幅が10MHz以下、コヒーレンス長10m以上の非常に良好で、かつ安定した単一モード発振した光スペクトルを有する光を得ることが可能となる。さらに、種光源204の駆動時に周波数間隔が等間隔になるように設定されているので、周波数間隔の設定精度が高く(1kHz)、また従来技術とは異なり波数軸上へのリスケーリングも不要であるため、光源のシステムが簡素化される。
なお、これまでに波長軸上で連続した波長が存在する光を発生することのできるSLDを一括多波長光発生手段とし、波長可変液晶FP共振器を波長選択及び波長掃引手段として光計測を行った報告がある(非特許文献3:D.S.Mehta et al., “Spectral interferometric microscope with tandem liquid-crystal Fabry-Perot interferometers for extension of the dynamic range in three-dimsnsional step-height measurement”,Applied Optics,Vol.42,No.4,2003,pp.682-690 )。また、同様にSLDと波長可変AOフィルタを用いた報告もある(非特許文献4:D.S.Mehta et al., “Spectral interference Mirau microscope with an acousto-optic tunable filter for three-dimensional surface profilometry”,Applied Optics,Vol.42,No.4,2003,pp.1296-1305)。しかしながら、これらの報告は、本発明の高速波長掃引光源とは実施例1で説明したように大きく異なる。よって、本明細書の冒頭で述べた従来技術が抱える重大な課題は、前記報告の手段により解決することは不可能であり、本発明による高速波長掃引光源をもって初めて解決することができる。
続いて、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源200を用いて行ったOCT測定について示す。図15に本発明者等が開発したOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置を示す(特願2004−276773)。本装置の詳細については実施例1において既に述べているので、ここでは省略する。
図16に、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源200を用いたOFDR−OCT法による断層像撮影装置によって測定した、ヒトから摘出した歯を試料としたときのA-line信号を示す。同図は、信号光強度の深さ位置依存性を示しており、500本取得したA-line信号の一つである。同図において、深さ1.5mmと3.0mm付近とにおける反射ピークは、それぞれ、大気とエナメル質の界面による反射ピーク、エナメル質と象牙質の界面における反射ピークに対応している。また、深さ5.8mm付近における反射ピークは、象牙質内部に存在するクラック(空隙)による反射ピークである。また、同図において侵達度は6mm(光路長)、深さ方向の分解能は13μm、A-line信号取得時間は80nsである。OFDR−OCT法においては、コヒーレント長がmオーダと十分に長い場合、侵達度Δzは波数間隔δkを用いて、(3)式のように表される(特願2004−276773)。
Figure 0004696319
よって、周波数間隔f0=12.5GHzより、波数に換算するとδk=261.98m-1であるため、侵達度Δzの理論値は、6mmであり、図16の測定結果と良く一致する。
また、図17には同じ試料のB-scan信号を示す。B-scan信号は、先に説明したようにガルバノミラー214により試料光の照射位置を30μmずつB-scan方向に沿ってずらしてA-line信号を取得することを500回繰り返して得られた信号であり、B-scan範囲は15mmである。同図中、一点鎖線部分は図16に示したA-line信号に対応しており、B-scan信号取得時間は、25msである。図17より、大気とエナメル質の界面、エナメル質と象牙質の界面、クラックの様子が二次元断層像として明瞭に観測できることを確認した。
よって、本発明を用いれば、例えば二次元光計測において1秒間に40程度の二次元画像を取得することができるため、リアルタイムの二次元計測が可能となる。また、種光源204の駆動時に、周波数間隔が等間隔になるように設定されているので、周波数間隔の設定精度が高く(1kHz)、また従来技術とは異なり波数軸上へのリスケーリングも不要であるため、光源のシステムが簡素化される。また前記種光源204である能動半導体モード同期レーザの駆動電気周波数f0を変化させることにより、多波長光発生光源の周波数間隔f0を変えることができ、波長掃引繰り返し速度trを調整することができるなど柔軟性が高い高速波長掃引光源を提供できる。さらに、コヒーレンス長の長い能動半導体モード同期レーザを種光源204として用いるため、発振スペクトル幅が5MHz以下、コヒーレンス長10m程度の非常に良好で、かつ単一モード発振した光スペクトルを有する光を得ることが可能となる。さらに、掃引時におけるコヒーレンス長は掃引速度の増加に伴い劣化することなく、cw発振時と同じコヒーレンス長を維持することが可能となる。そのため、OCT測定においては侵達度の劣化がなく、理論値と同じ侵達度を得ることが可能となる。
(SC光源とFFP型高速波長可変フィルタを用いた高速波長掃引光源による光学部品評価装置)
以下、実施例1で用いた本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10を用いた光学部品評価装置について図18を用いて説明する。本装置は、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10、被評価光デバイス(DUT)302、受光器303、AD変換回路304、演算制御装置305、画像表示装置306から成り、前記フィルタ方式高速波長掃引光源10とDUT302,DUT302と受光器303はSMFで接続されている。フィルタ方式高速波長掃引光源10からの出力は、DUT302に入射し、DUT302を透過した光は受光器303に入射し、アナログ電気信号に変換される。アナログ電気信号は、AD変換回路304によりデジタル信号に変換された後、演算制御装置305によりデータ処理され、画像表示装置306にデータが表示される。よって、本装置は光デバイスの透過率の波長依存性を高速に測定することのできる光学部品評価装置である。
図19に示したPLC(Planar Lightwave Circuit、平面光波回路)型Mach-Zehnder(MZ)干渉計をDUT302として測定したときの例について詳細を述べる。図19において、MZ干渉計はガラス系材質から成るPLC基板310上に光導波路構造を形成することにより作成される。同MZ干渉計のポートAに入力した光は、前記MZ干渉計を経てポートB及びポートCから出力される。前記ポートBおよびポートCから出力される光強度は、前記MZ干渉計の光路差ΔL(本実施例の場合、1.00mmに設定)から決まるフィルタ特性により、波長依存性を有する。よって、前記MZ干渉計をDUT302として本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10からの光を入射することにより、前記DUT302における透過率の波長依存性を計測することが可能となる。
なお、本発明の光学部品評価装置におけるフィルタ方式高速波長掃引光源10は、実施例1と同じ装置構成のものを用い、周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域80nm(周波数帯域Δf=10THz)、波長チャネル数N=800のシングルモード光を、掃引時間ts=50μsで掃引することができるため、高速に評価を行うことができる。
図20に本装置を用いて、図19に示したPLC型MZ干渉計をDUT302とした場合の評価結果を示す。図20において、前記DUT302のポートBからの光出力強度を縦軸に、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10の出力光波長を横軸にプロットしている。図20に示したように、前記MZ干渉系の光路長差ΔL=1.00mmに対応した波長軸上において周期的に光強度が変化する様子が分かる。このようにして、光学部品の透過率の波長依存性を評価することが可能となる。
(SC光源と回折格子型高速波長可変フィルタを用いた高速波長掃引光源による光学部品評価装置)
以下、実施例2で用いた本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源200を用いた光学部品評価装置について図21を用いて説明する。本装置は、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源200、被評価光デバイス(DUT)402、受光器403、AD変換回路404、演算制御装置405、画像表示装置406から成り、前記フィルタ方式高速波長掃引光源200とDUT402,DUT402と受光器403はSMFで接続されている。フィルタ方式高速波長掃引光源200からの出力は、DUT402に入射し、DUT402を透過した光は受光器403に入射し、アナログ電気信号に変換される。アナログ電気信号は、AD変換回路404によりデジタル信号に変換された後、演算制御装置405によりデータ処理され、画像表示装置406にデータが表示される。よって、本装置は光デバイスの透過率の波長依存性を高速に測定することのできる光学部品評価装置である。
図22に示したPLC(Planar Lightwave Circuit、平面光波回路)型Mach-Zehnder(MZ)干渉計をDUT402として測定したときの例について詳細を述べる。図22において、MZ干渉計はガラス系材質から成るPLC基板410上に光導波路構造を形成することにより作成される。同MZ干渉計のポートAに入力した光は、前記MZ干渉計を経てポートB及びポートCから出力される。前記ポートBおよびポートCから出力される光強度は、前記MZ干渉計の光路差ΔL(本実施例の場合、1.00mmに設定)から決まるフィルタ特性により、波長依存性を有する。よって、前記MZ干渉計をDUT402として本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源10からの光を入射することによって、前記DUT402における透過率の波長依存性を計測することが可能となる。
なお、本発明の光学部品評価装置におけるフィルタ方式高速波長掃引光源200は、実施例2と同じ装置構成のものを用い、周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域80nm(周波数帯域Δf=10THz)、波長チャネル数N=800のシングルモード光を、掃引時間ts=50μsで掃引することができるため、高速に評価を行うことができる。
図23に本装置を用いて、図22に示したPLC型MZ干渉計をDUT402とした場合の評価結果を示す。図23において、前記DUT402のポートBからの光出力強度を縦軸に、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源200の出力光波長を横軸にプロットしている。図23に示したように、前記MZ干渉系の光路長差ΔL=1.00mmに対応した波長軸上において周期的に光強度が変化する様子が分かる。このようにして、光学部品の透過率の波長依存性を評価することが可能となる。
(モード同期レーザとFFP型高速波長可変フィルタを用いた高速波長掃引光源によるOCT装置)
以下、図24に基づいて本発明の第5実施例について詳細に説明する。まず、装置構成について説明する。図24に示したように、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源500は、能動半導体モード同期レーザ501、FFP型高速波長可変フィルタ502、広帯域光増幅器503から構成される。全ての装置間は光ファイバで接続されている。以下、詳細について述べる。
前記能動半導体モード同期レーザ501は、共振器内部の光変調器に、共振器長から決まる繰り返し周波数を印加することによりパルス光を発生させることができる強制モード同期型のレーザである。前記能動半導体モード同期レーザ501の光変調器部に繰り返し周波数f0=12.5GHzの高周波信号を印加すると、繰り返し周波数f0と同じ周期で繰り返し発生する光パルス列が生成される。このとき、前記繰り返し光パルス列の光周波数スペクトルは、フーリエ変換の関係により、繰り返し周波数f0と同じ周波数間隔を有する複数の縦モードを有している。光周波数スペクトル幅は、5THz(波長帯域40nm)と広帯域になる。
前記能動半導体モード同期レーザ501の特徴は、広帯域であると同時に周波数間隔が前記能動半導体モード同期レーザ501の駆動周波数のみで決定されることから、周波数間隔の設定精度が1kHz以下と非常に良好であるため、広帯域光ファイバ通信への適用が期待されている。なお、前記能動半導体モード同期レーザ501により生成された多波長光の様子を、図25(a)に示す。この図は、図24においてAの場所で観測される多波長光を、波長数Nが8波長(λ1,λ2、・・・、λ7,λ8)のときに簡略化して示したものである。また、先に述べたように波長チャネル間隔は、周波数軸上で等間隔である(周波数間隔f0=12.5GHz)。前記能動半導体モード同期レーザ501から生成される多波長光パルス列は、フーリエ変換の関係から、唯一の波長を光フィルタにより取り出して観測した場合、連続光として観測される。
本発明は前記能動半導体モード同期レーザ501から一括生成された多波長光を、FFP型高速波長可変フィルタ502を用いて、フィルタ方式波長掃引光源500を実現したことを最大の特徴とする。以下、さらに詳細について説明を続ける。
続いて、連続して生成される多波長繰り返し光パルス列から唯一の波長を取り出すためにFFP型高速波長可変フィルタ502に、前記能動半導体モード同期レーザ501からの多波長繰り返し光パルス列を入射する。前記FFP型高速波長可変フィルタ502について図26を用いて詳細を説明する。図26は、本実施例で用いた高速波長可変フィルタの一種で、以下ファイバ型ファブリベロー(Fiber-based Fabry-Perot,FFP)共振器502と称する。前記FFP共振器502は、図26に示したように高反射膜521aをファイバ端面521bに有するシングルモードファイバ521と、同じく高反射膜522aをファイバ端面522bに有するシングルモードファイバ522とを、長さ(共振器長L)の空間(大気、もしくは窒素雰囲気中)を隔て向かい合わせて配置した構成となっている。なお、ここで高反射膜521aおよび高反射膜522bは、それぞれ90%以上の反射率を有する誘電体多層反射膜で構成した。また、521c,522cはコア、521d,522dはクラッド、523は筐体ケースである。前記FFP共振器502に入力する波長多重化された入力光は、前記FFP共振器502を通過する際に、前記共振器長L及び共振器内部(高反射膜521aと高反射膜522bの間の空間)の屈折率から決定される透過波長(周波数)帯域に対応する波長のみを出力光として出射する。このとき、入力光の波長(周波数)間隔に比べ、前記FFP共振器502の透過波長(周波数)帯域を十分に小さくすることにより、波長多重化された入力光から、唯一の波長のみを出力光として透過させることが可能となる。なお、本実施例で用いた前記FFP共振器502の透過波長(周波数)帯域は、前記FFP共振器のフリー・スペクトラル・レンジ(Free Spectral Range,FSR)とフィネス(Finesse,F:共振器の性能指数)から決まり、本実施例ではFSR=100nm(12.5THz)、F=10000に設定したため、透過波長帯域は0.01nm(12.5GHz)である。この値は、前記能動半導体モード同期レーザ光の周波数間隔f0(=12.5GHz)に比べ、1/10程度と十分に小さい値となっているため、唯一の波長のみを透過させる機能を有する。以上、本実施例における波長選択手段の説明を行った。
次に、前記FFP共振器502において前記共振器内部の屈折率が一定の場合、共振器長Lを変化させることにより、透過波長帯域を変化させることができる。本実施例の場合、図示はしないが、シングルモードファイバ521の入力光側とシングルモードファイバ522の出力光側に、圧電素子であるピエゾ素子を具備している。前記ピエゾ素子は高電圧を印加すると、物理的に素子の大きさが伸縮する特性を有しているため、本実施例においては前記ピエゾ素子を高電圧で駆動すると、ピエゾ素子に物理的に接着しているシングルモードファイバ521及びシングルモードファイバ522が光の伝搬方向に沿って動くため、共振器長Lを変化させることができる。このようにして、前記FFP共振器502の透過波長帯域を制御する。ピエゾ素子は、位置分解能が高くかつ高速応答が可能なため、このような微細な位置制御に良く用いられる。なお、本実施例におけるピエゾ素子の駆動電源は50Vのものを用い、波長帯域40nmの掃引速度は、25μs(40KHz)と十分な高速性を有している。また、本実施例における前記FFP共振器502を構成する光ファイバとして、TEC(Thermally Expanded Core)技術を導入したシングルモードファイバを用いた。前記TECの特徴は、熱拡散技術により光ファイバのコア及びモードフィールド径を局所的に拡大させたファイバであり、光ファイバ間の軸ずれ、またはギャップに対する許容範囲が広がると同時に、平行光に近くなるため接続損失が低減でき、光学レンズが不要になるという利点を有している。図26に示したシングルモードファイバ521及びシングルモードファイバ522におけるTEC技術を導入した部分を、TEC部分1およびTEC部分2として示す。以上、本実施例における波長掃引手段の説明を行った。
本実施例における波長選択及び掃引手段について、図24と図25(b−1)、図25(b−2)、図25(c)を用いてさらに説明を行う。図25(b−1)に示したように前記FFP共振器502に入射する繰り返し光パルス列は、図25(a)に示したのと同様に、波長多重化されている。一方、前記FFP共振器502は、図25(b−2)の実線で示すようにλ4に対応する透過帯域を有するため、前記繰り返し光パルス列が前記FFP共振器502を通過すると、図25(c)において実線で示したように波長λ4のみが選択されて出力される。なお、このように波長多重化された光パルスから、唯一の波長をフィルタリングした場合は、フーリエ変換の関係から連続光として出力される。すなわち、単一モードの連続光が得られる。次に、図25(b−2)において点線で示したように、t秒後に前記FFP共振器502の透過波長帯域を前記ピエゾ素子により駆動し、波長(周波数)間隔分だけ長波長側に変化したときに、図25(c)において点線で示したように前記繰り返し光パルス列のうち波長λ5のみが選択され連続光として出力される。この手順を順次繰り返すことにより、波長選択及び波長掃引を行うことが可能となる。
本発明は、能動半導体モード同期レーザ501とFFP型高速波長可変フィルタ502を用いることにより、広い波長帯域に渡り、精度の高い波長(周波数)間隔を有し、高速掃引が可能で、単一モードの連続光を出力できることを最大の特徴とする。
最後に、前記FFP共振器502より出力された単一モード連続光は、前記FFP共振器502を経たことにより、波長毎の光強度が−23dBm程度に低下している。そのため、広帯域光増幅器503により光強度を+2dBm程度まで増大した。本実施例では、広帯域光増幅器503としてエルビウム添加テルライトファイバを利得媒質とする光ファイバ増幅器(Erbium-Doped Tellurite Fiber Amplifier, EDTFA)を用いた。
以上のようにして、本発明によりフィルタ方式高速波長掃引光源500を用いれば、周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域40nm(周波数帯域Δf=5THz)、波長チャネル数N=400のシングルモード光を、掃引時間ts=25μsで掃引することが可能となる。本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源500を用いて波長掃引を2回行った際の様子を図27に示す。なお、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源500の発振スペクトルの線幅は、10MHz以下であるため、コヒーレンス長は10m以上と非常に長い。また、先に述べた理由からコヒーレンス長は波長掃引時においても劣化することなく10m以上のコヒーレンス長を有している。
また、コヒーレンス長の長い能動半導体モード同期レーザ501を種光源として用いるため、発振スペクトル幅が10MHz以下、コヒーレンス長10m以上の非常に良好で、かつ安定した単一モード発振した光スペクトルを有する光を得ることが可能となる。さらに、種光源の駆動時に、周波数間隔が等間隔になるように設定されているので、周波数間隔の設定精度が高く(1kHz)、また従来技術とは異なり波数軸上へのリスケーリングも不要であるため、光源のシステムが簡素化される。
なお、これまでに波長軸上で連続した波長が存在する光を発生することのできるスーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode,SLD)を一括多波長光発生手段とし、波長可変液晶ファブリペロー(FP)共振器を波長選択及び波長掃引手段として光計測を行った報告がある(非特許文献3:D.S.Mehta et al., “Spectral interferometric microscops with tandem liquid-crystal Fabry-Perot interferometers for extension of the dynamic range in three-dimensional step-height measurement”,Applied Optics,Vol.42,No.4,2003,pp.682-690)。また、同様にSLDと波長可変音響(AO)フィルタを用いた報告もある(非特許文献4:D.S.Mehta et al., “Spectral interference Mirau microscope with an acousto-optic tunable filter for three-dimensional surface profilometry”,Applied Optics,Vol.42,No.4,2003,pp.1296-1305)。しかしながら、これらの報告は、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源500とは実施例1で説明したように大きく異なる。よって、本明細書の冒頭で述べた従来技術が抱える重大な課題は、前記報告の手段により解決することは不可能であり、本発明によるフィルタ方式高速波長掃引光源500をもって初めて解決することができる。
続いて、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源500を用いて行ったOCT測定について示す。図28に本発明者等が開発したOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置を示す(特願2004−276773)。
本装置の詳細については実施例1において既に述べているので、ここでは省略する。
図29に、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源500を用いたOFDR−OCT法による断層像撮影装置によって測定した、ヒトから摘出した歯を試料としたときのA-line信号を示す。同図は、信号光強度の深さ位置依存性を示しており、500本取得したA-line信号の一つである。同図において、深さ1.5mmと3.0mm付近とにおける反射ピークは、それぞれ、大気とエナメル質の界面による反射ピーク、エナメル質と象牙質の界面における反射ピークに対応している。また、深さ5.8mm付近における反射ピークは、象牙質内部に存在するクラック(空隙)による反射ピークである。また、同図において侵達度は6mm(光路長)、深さ方向の分解能は26μm、A-line信号取得時間は25μsである。OFDR−OCT法においては、コヒーレント長がmオーダと十分に長い場合、侵達度Δzは波数間隔δkを用いて、(4)式のように表される(特願2004−276773)。
Figure 0004696319
よって、周波数間隔f0=12.5GHzより、波数に換算するとδk=261.98m-1であるため、侵達度Δzの理論値は、6mmであり、図29の測定結果と良く一致する。
また、図30には同じ試料のB-scan信号を示す。B-scan信号は、先に説明したようにガルバノミラー45により試料光の照射位置を30μmずつB-scan方向に沿ってずらしてA-line信号を取得することを500回繰り返して得られた信号であり、B-scan範囲は15mmである。同図中、一点鎖線部分は図29に示したA-line信号に対応しており、B-scan信号取得時間は、12.5msである。図30より、大気とエナメル質の界面、エナメル質と象牙質の界面、クラックの様子が二次元断層像として明瞭に観測できることを確認した。
よって、本発明を用いれば、例えば二次元光計測において1秒間に80程度の二次元画像を取得することができるため、リアルタイムの二次元計測が可能となる。また、種光源の駆動時に、周波数間隔が等間隔になるように設定されているので、周波数間隔の設定精度が高く(1kHz)、また従来技術とは異なり波数軸上へのリスケーリングも不要であるため、光源のシステムが簡素化される。また前記種光源である能動半導体モード同期レーザ501の駆動電気周波数f0を変化させることにより、多波長光発生光源の周波数間隔f0を変えることができ、波長掃引繰り返し速度trを調整することができるなど柔軟性が高いフィルタ方式高速波長掃引光源500を提供できる。さらに、コヒーレンス長の長い能動半導体モード同期レーザ501を種光源として用いるため、発振スペクトル幅が5MHz以下、コヒーレンス長10m程度の非常に良好で、かつ単一モード発振した光スペクトルを有する光を得ることが可能となる。さらに、掃引時におけるコヒーレンス長は掃引速度の増加に伴い劣化することなく、cw発振時と同じコヒーレンス長を維持することが可能となる。そのため、OCT測定においては侵達度の劣化がなく、理論値と同じ侵達度を得ることが可能となる。
(モード同期レーザと回折格子型高速波長可変フィルタを用いた高速波長掃引光源によるOCT装置)
以下、図31に基づいて本発明の第6実施例について詳細に説明する。まず、装置構成について説明する。図31に示したように、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源600は、能動半導体モード同期レーザ601、回折格子型高速波長可変フィルタ602、広帯域光増幅器603から構成される。全ての装置間は光ファイバで接続されている。以下、詳細について述べる。
前記能動半導体モード同期レーザ601は、共振器内部の光変調器に、共振器長から決まる繰り返し周波数を印加することによりパルス光を発生させることができる強制モード同期型のレーザである。前記能動半導体モード同期レーザ601の光変調器部に繰り返し周波数f0=12.5GHzの高周波数信号を印加すると、繰り返し周波数f0と同じ周期で繰り返し発生する光パルス列が生成される。このとき、前記繰り返し光パルス列の光周波数スペクトルは、フーリエ変換の関係により、繰り返し周波数f0と同じ周波数間隔を有する複数の縦モードを有している。光周波数スペクトル幅は、5THz(波長帯域40nm)と広帯域になる。
前記能動半導体モード同期レーザ601の特徴は、広帯域であると同時に周波数間隔が前記能動半導体モード同期レーザ601の駆動周波数のみで決定されることから、周波数間隔の設定精度が1kHz以下と非常に良好であるため、広帯域光ファイバ通信への適用が期待されている。なお、前記能動半導体モード同期レーザ601により生成された多波長光の様子を、図32(a)に示す。この図は、図31においてAの場所で観測される多波長光を、波長数Nが8波長(λ1,λ2,・・・,λ7,λ8)のときに簡略化して示したものである。また、先に述べたように波長チャネル間隔は、周波数軸上で等間隔である(周波数間隔f0=12.5GHz)。前記能動半導体モード同期レーザ601から生成される多波長光パルス列は、フーリエ変換の関係から、唯一の波長を光フィルタにより取り出して観測した場合、連続光として観測される。
本発明は前記能動半導体モード同期レーザ601から一括生成された多波長光を、回折格子型高速波長可変フィルタ602を用いて、波長掃引光源を実現したことを最大の特徴とする。以下、さらに詳細について説明を続ける。
続いて、連続して生成される多波長繰り返し光パルス列から唯一の波長を取り出すために回折格子型高速波長可変フィルタ602に、前記能動半導体モード同期レーザ601からの多波長繰り返し光パルス列を入射する。前記回折格子型高速波長可変フィルタ602について図33を用いて詳細を説明する。図33は、本実施例で用いた高速波長可変フィルタの一種で、以下回折格子型フィルタ装置602と称する。前記回折格子型フィルタ装置602は、図33に示したように入力側フェルール付き光ファイバ611、コリメータレンズ612、回折格子613、レゾナント・ガルバノメータ・ミラー(Resonant Galvanometer Mirror, RGM)614、フォーカスレンズ615、スリット616、出力側フェルール付き光ファイバ617から構成される。なお、フェルール付き光ファイバ611の端面であるフェルール端面Aと回折格子613との間における光線の様子を模式的に光線b61(波長多重光)として点線で示す。また、出力側フェルール付き光ファイバ617の端面であるフェルール端面Bと回折格子613との間における光線の様子を模式的に光線b62(単一モード光)として一点鎖線で示す。
続いて、図33に示した前記回折格子型フィルタ装置602の動作原理について説明する。まず、入力側フェルール付き光ファイバ611に入射した能動半導体モード同期レーザ601からの繰り返し光パルス列は、フェルール端面Aから空間(大気中もしくは窒素雰囲気中)に放射されコリメータレンズ612によりコリメート(平行)光に変換される。次に、前記コリメータ光は回転機構を有するRGM614上に固定された回折格子613に入射すると反射されるが、このときの反射角度は、回折格子613の特性(回折次数、グレーティング本数、入射角度)およびスリット616のスリット幅によって決定される透過波長帯域毎に異なる。よって、フォーカスレンズ615で結像する場所も透過波長帯域毎に異なる。そのため、出力側フェルール付きファイバ617とスリット616を固定して設置し、RGM614上に設置された回折格子613をRGM614の駆動により回転させることにより、フェルール付きファイバ617に結合する透過帯域を切り替えることができる。このようにして、前記回折格子型フィルタ装置602に入射した波長多重化された光パルス列は、透過波長帯域のみの光を透過するフィルタ機能を実現している。なお、ここで本実施例の回折格子613とスリット616により決定される透過波長帯域は0.01nm(1.25GHz)に設定したため、波長間隔0.1nm(12.5Hz)で多重化された光パルス列から、唯一の波長、すなわち単一モード光を透過させることができる。なお、本実施例において、前記回折格子613が波長選択手段、また前記RGM614が波長掃引手段である。
本実施例における波長選択及び掃引手段について、図31と図32(b−1)、図32(b−2)、図32(c)を用いてさらに説明を行う。図32(b−1)に示したように前記回折格子型フィルタ装置602に入射する繰り返し光パルス列は、図32(a)に示したのと同様に、波長多重化されている。一方、前記回折格子型フィルタ装置602は、図32(b−2)の実線で示すようにλ4に対応する透過帯域を有するため、前記繰り返し光パルス列が前記回折格子型フィルタ装置602を通過すると、図32(c)において実線で示したように波長λ4のみが選択されて出力される。なお、このように波長多重化された光パルスから、唯一の波長をフィルタリングした場合は、フーリエ変換の関係から連続光として出力される。すなわち、単一モードの連続光が得られる。次に、図32(b−2)において点線で示したように、t秒後に前記回折格子型フィルタ装置602の透過波長帯域を前記RGM614を駆動し前記回折格子613を僅かに回転させることにより、波長(周波数)間隔分だけ長波長側に変化したときに、図32(c)において点線で示したように前記繰り返し光パルス列のうち波長λ5のみが選択され連続光として出力される。この手順を順次繰り返すことにより、波長選択及び波長掃引を行うことが可能となる。
本発明は、能動半導体モード同期レーザ601と回折格子型高速波長可変フィルタ602を用いることにより、広い波長帯域に渡り、精度の高い波長(周波数)間隔を有し、高速掃引が可能で、単一モードの連続光を出力できることを最大の特徴とする。
最後に、前記回折格子型フィルタ装置602より出力された単一モード連続光は、前記回折格子型フィルタ装置602を経たことにより、波長毎の光強度が−26dBm程度に低下している。そのため、広帯域光増幅器603により光強度を−1dBm程度まで増大した。本実施例では、広帯域光増幅器603としてエルビウム添加ファイバを利得媒質とする光ファイバ増幅(Erbium-Doped Fiber Amplifier, EDFA)を用いた。
以上のようにして、本発明によりフィルタ方式高速波長掃引光源600を用いれば、周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域40nm(周波数帯域Δf=5THz)、波長チャネル数N=400のシングルモード光を、掃引時間ts=25μsで掃引することが可能となる。本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源600を用いて波長掃引を2回行った際の様子を図34に示す。なお、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源600の発振スペクトルの線幅は、10MHz以下であるため、コヒーレンス長は10m以上と非常に長い。また、先に述べた理由からコヒーレンス長は波長掃引時においても劣化することなく10m以上のコヒーレンス長を有している。
また、コヒーレンス長の長い能動半導体モード同期レーザ601を種光源として用いるため、発振スペクトル幅が10MHz以下、コヒーレンス長10m以上の非常に良好で、かつ安定した単一モード発振した光スペクトルを有する光を得ることが可能となる。さらに、種光源の駆動時に、周波数間隔が等間隔になるように設定されているので、周波数間隔の設定精度が高く(1kHz)、また従来技術とは異なり波数軸上へのリスケーリングも不要であるため、光源のシステムが簡素化される。
なお、これまでに波長軸上で連続した波長が存在する光を発生することのできるSLDを一括多波長光発生手段として、波長可変液晶FP共振器を波長選択及び波長掃引手段として光計測を行った報告がある(非特許文献3:D.S.Mehta et al., “Spectral interferometric microscope with tandem liquid-crystal Fabry-Perot interferometers for
extension of the dynamie range in three-dimsnsional step-height measuremsnt”,Applied Optics,Vol.42,No.4,2003,pp.682-690 )、また、同様にSLDと波長可変AOフィルタを用いた報告もある(非特許文献4:D.S.Mehta et al., “Spectral interference Mirau microscope with an acouato-optic tunable filter for three-dimensional surface profilometry”,Applied Optics,Vol.42,No.4,2003,pp.1296-1305)。しかしながら、これらの報告は、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源600とは実施例1で説明したように大きく異なる。よって、本明細書の冒頭で述べた従来技術が抱える重大な課題は、前記報告の手段により解決することは不可能であり、本発明によるフィルタ方式高速波長掃引光源600をもって初めて解決することができる。
続いて、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源600を用いて行ったOCT測定について示す。図35に本発明者等が開発したOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置を示す(特願2004−276773)。
本装置の詳細については実施例1において既に述べているので、ここでは省略する。
図36に、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源600を用いたOFDR−OCT法による断層像撮影装置によって測定した、ヒトから摘出した歯を試料としたときのA-line信号を示す。同図は、信号光強度の深さ位置依存性を示しており、500本取得したA-line信号の一つである。同図において、深さ1.5mmと3.0mm付近とにおける反射ピークは、それぞれ、大気とエナメル質の界面による反射ピーク、エナメル質と象牙質の界面における反射ピークに対応している。また、深さ5.8mm付近における反射ピークは、象牙質内部に存在するクラック(空隙)による反射ピークである。また、同図において侵達度は6mm(光路長)、深さ方向の分解能は26μm、A-line信号取得時間は25μsである。OFDR−OCT法においては、コヒーレント長がmオーダと十分に長い場合、侵達度Δzは波数間隔δkを用いて、(5)式のように表される(特願2004−276773)。
Figure 0004696319
よって、周波数間隔f0=12.5GHzより、波数に換算するとδk=261.98m-1であるため、侵達度Δzの理論値は、6mmであり、図36の測定結果と良く一致する。
また、図37には同じ試料のB-scan信号を示す。B-scan信号は、先に説明したようにガルバノミラー45により試料光の照射位置を30μmずつB-scan方向に沿ってずらしてA-line信号を取得することを500回繰り返して得られた信号であり、B-scan範囲は15mmである。同図中、一点鎖線部分は図36に示したA-line信号に対応しており、B-scan信号取得時間は、12.5msである。図37より、大気とエナメル質の界面、エナメル質と象牙質の界面、クラックの様子が二次元断層像として明瞭に観測できることを確認した。
よって、本発明を用いれば、例えば二次元光計測において1秒間に80程度の二次元画像を取得することができるため、リアルタイムの二次元計測が可能となる。また、種光源の駆動時に、周波数間隔が等間隔になるように設定されているので、周波数間隔の設定精度が高く(1kHz)、また従来技術とは異なり波数軸上へのリスケーリングも不要であるため、光源のシステムが簡素化される。また前記種光源である能動半導体モード同期レーザ601の駆動電気周波数f0を変化させることにより、多波長光発生光源の周波数間隔f0を変えることができ、波長掃引繰り返し速度trを調整することができるなど柔軟性が高いフィルタ方式高速波長掃引光源600を提供できる。さらに、コヒーレンス長の長い能動半導体モード同期レーザ601を種光源として用いるため、発振スペクトル幅が5MHz以下、コヒーレンス長10m程度の非常に良好で、かつ単一モード発振した光スペクトルを有する光を得ることが可能となる。さらに、掃引時におけるコヒーレンス長は掃引速度の増加に伴い劣化することなく、cw発振時と同じコヒーレンス長を維持することが可能となる。そのため、OCT測定においては侵達度の劣化がなく、理論値と同じ侵達度を得ることが可能となる。
(モード同期レーザとFFP型高速波長可変フィルタを用いた高速波長掃引光源による光学部品評価装置)
以下、実施例5で用いた本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源500を用いた光学部品評価装置について図38を用いて説明する。本装置は、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源500、被評価光デバイス(DUT)702、受光器703、AD変換回路704、演算制御装置705、画像表示装置709から成り、前記フィルタ方式高速波長掃引光源500とDUT702,DUT702と受光器703はSMFで接続されている。フィルタ方式高速波長掃引光源500からの出力は、DUT702に入射し、DUT702を透過した光は受光器703に入射し、アナログ電気信号に変換される。アナログ電気信号は、AD変換回路704によりデジタル信号に変換された後、演算制御装置705によりデータ処理され、画像表示装置706にデータが表示される。よって、本装置は光デバイスの透過率の波長依存性を高速に測定することのできる光学部品評価装置である。
図39に示したPLC(Planar Lightwave Circuit、平面光波回路)型Mach-Zehnder(MZ)干渉計をDUT702として測定したときの例について詳細を述べる。図39において、MZ干渉計はガラス系材質から成るPLC基板710上に光導波路構造を形成することにより作成される。同MZ干渉計のポートAに入力した光は、前記MZ干渉計を経てポートB及びポートCから出力される。前記ポートBおよびポートCから出力される光強度は、前記MZ干渉計の光路長差ΔL(本実施例の場合、1.00mmに設定)から決まるフィルタ特性により、波長依存性を有する。よって、前記MZ干渉計をDUT702として本発明の波長掃引光源からの光を入射することによって、前記DUT702における透過率の波長依存性を計測することが可能となる。
なお、本発明の光学部品評価装置におけるフィルタ方式高速波長掃引光源500は、実施例5と同じ装置構成のものを用い、周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域40nm(周波数帯域Δf=5THz)、波長チャネル数N=400のシングルモード光を、掃引時間ts=25μsで掃引することができるため、高速に評価を行うことができる。
図40に本装置を用いて図39に示したPLC型MZ干渉計をDUT702とした場合の評価結果を示す。図40において、前記DUT702のポートBからの光出力強度を縦軸に、本発明のフィルタ方式波長掃引光源500の出力光波長を横軸にプロットしている。図40に示したように、前記MZ干渉系の光路長差ΔL=1.00mmに対応した波長軸上において周期的に光強度が変化する様子が分かる。このようにして、光学部品の透過率の波長依存性を評価することが可能となる。
(モード同期レーザと回折格子型高速波長可変フィルタを用いた高速波長掃引光源による光学部品評価装置)
以下、実施例6で用いた本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源600を用いた光学部品評価装置について図41を用いて説明する。本装置は、本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源600、被評価光デバイス(DUT)802、受光器803、AD変換回路804、演算制御装置805、画像表示装置806から成り、前記フィルタ方式高速波長掃引光源600とDUT802,DUT802と受光器803はSMFで接続されている。フィルタ方式高速波長掃引光源600からの出力は、DUT802に入射し、DUT802を透過した光は受光器803に入射し、アナログ電気信号に変換される。アナログ電気信号は、AD変換回路804によりデジタル信号に変換された後、演算制御装置805によりデータ処理され、画像表示装置806にデータが表示される。よって、本装置は光デバイスの透過率の波長依存性を高速に測定することのできる光学部品評価装置である。
図42に示したPLC(Planar Lightwave Circuit、平面光波回路)型Mach-Zehnder(MZ)干渉計をDUT802として測定したときの例について詳細を述べる。図42において、MZ干渉計はガラス系材質から成るPLC基板810上に光導波路構造を形成することにより作成される。同MZ干渉計のポートAに入力した光は、前記MZ干渉計を経てポートB及びポートCから出力される。前記ポートBおよびポートCから出力される光強度は、前記MZ干渉計の光路長差ΔL(本実施例の場合、1.00mmに設定)から決まるフィルタ特性により、波長依存性を有する。よって、前記MZ干渉計をDUT802として本発明の波長掃引光源からの光を入射することにより、前記DUT802における透過率の波長依存性を計測することが可能となる。
なお、本発明の光学部品評価装置におけるフィルタ方式高速波長掃引光源600は、実施例6と同じ装置構成のものを用い、周波数間隔f0=12.5GHz(波長換算で約0.1nm)、波長帯域40nm(周波数帯域Δf=5THz)、波長チャネル数N=400のシングルモード光を、掃引時間ts=25μsで掃引することができるため、高速に評価を行うことができる。
図43に本装置を用いて、図42に示したPLC型MZ干渉計をDUT802とした場合の評価結果を示す。図43において、前記DUT802のポートBからの光出力強度を縦軸に、本発明のフィルタ方式波長掃引光源600の出力光波長を横軸にプロットしている。図43に示したように、前記MZ干渉系の光路長差ΔL=1.00mmに対応した波長軸上において周期的に光強度が変化する様子が分かる。このようにして、光学部品の透過率の波長依存性を評価することが可能となる。
従来の波長掃引光源を示す構成図。 従来の波長掃引光源の掃引動作時における発振波長の時間依存性を示す概念図。 本発明のフィルタ方式高速波長掃引光源における発振周波数の時間依存性を示す概念図。 本発明の実施例1に係るフィルタ方式高速波長掃引光源を示す構成図。 実施例1における光の状態を示す特性図。 ファイバ形ファブリペロー共振器を示す構成図。 実施例1のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いて波長掃引を2回行った際の様子を示す特性図。 実施例1のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置を示す構成図。 実施例1のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置よって測定した、A-line信号を示す特性図。 実施例1のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置よって測定した、B-scan信号を示す特性図。 本発明の実施例2に係るフィルタ方式高速波長掃引光源を示す構成図。 実施例2における光の状態を示す特性図。 回折格子型高速波長可変フィルタを示す構成図。 実施例2のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いて波長掃引を2回行った際の様子を示す特性図。 実施例2のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置を示す構成図。 実施例2のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置よって測定した、A-line信号を示す特性図。 実施例2のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置よって測定した、B-scan信号を示す特性図。 光学部品評価装置を示す構成図。 PLC型のMZ干渉計を示す構成図。 光学部品評価装置による評価結果を示す特性図。 光学部品評価装置を示す構成図。 PLC型のMZ干渉計を示す構成図。 光学部品評価装置による評価結果を示す特性図。 本発明の実施例5に係るフィルタ方式高速波長掃引光源を示す構成図。 実施例5における光の状態を示す特性図。 ファイバ形ファブリペロー共振器を示す構成図。 実施例5のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いて波長掃引を2回行った際の様子を示す特性図。 実施例5のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置を示す構成図。 実施例5のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置よって測定した、A-line信号を示す特性図。 実施例5のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置よって測定した、B-scan信号を示す特性図。 本発明の実施例6に係るフィルタ方式高速波長掃引光源を示す構成図。 実施例6における光の状態を示す特性図。 回折格子型高速波長可変フィルタを示す構成図。 実施例6のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いて波長掃引を2回行った際の様子を示す特性図。 実施例6のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置を示す構成図。 実施例6のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置よって測定した、A-line信号を示す特性図。 実施例6のフィルタ方式高速波長掃引光源を用いたOFDR−OCT法を利用した断層像撮影装置よって測定した、B-scan信号を示す特性図。 光学部品評価装置を示す構成図。 PLC型のMZ干渉計を示す構成図。 光学部品評価装置による評価結果を示す特性図。 光学部品評価装置を示す構成図。 PLC型のMZ干渉計を示す構成図。 光学部品評価装置による評価結果を示す特性図。
符号の説明
10 フィルタ方式高速波長掃引光源
11 スーパーコンティニウム光源
12 FFP型高速波長可変フィルタ
13 広帯域光増幅器
14 種光源
15 光増幅器
16 SC光発生用光ファイバ
200 フィルタ方式高速波長掃引光源
201 スーパーコンティニウム光源
202 回折格子型高速波長可変フィルタ
203 広帯域光増幅器
204 種光源
205 光増幅器
206 SC光発生用光ファイバ
500 フィルタ方式高速波長掃引光源
501 能動半導体モード同期レーザ
502 FFP型高速波長可変フィルタ
503 広帯域光増幅器
600 フィルタ方式高速波長掃引光源
601 能動半導体モード同期レーザ
602 回折格子型高速波長可変フィルタ
603 広帯域光増幅器

Claims (8)

  1. 光周波数領域リフレクトメトリ(OFDR)−光断層画像測定(OCT)装置に用いるためのフィルタ方式高速波長掃引光源であって、
    波長が異なると共に周波数(または波数)間隔が一定になっている複数の連続光を多重化してなる多波長光パルス列を一括して発生する一括多波長光発生手段と、
    透過帯域周波数が前記光パルス列の周波数(または波数)間隔よりも小さく設定されていることにより、前記一括多波長光発生手段から発生した光パルス列の中から、特定の波長の単一のパルス光のみを選択し、選択した特定の波長の単一のパルス光を連続光として出力する波長選択手段と、
    前記波長選択手段の前記透過周波数帯域を、前記光周波数領域リフレクトメトリ(OFDR)−光断層画像測定(OCT)装置の干渉信号サンプリングに同期して、前記光パルス列の周波数(または波数)間隔分ずつ順次変化させることにより、前記波長選択手段により選択するパルス光を、順次、別の波長のパルス光に切り替える波長掃引手段と、
    を有することを特徴とするフィルタ方式高速波長掃引光源。
  2. 前記一括多波長光発生手段は、
    スーパーコンティニウム光源か能動半導体モード同期レーザのうちのいずれか一方であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ方式高速波長掃引光源。
  3. 前記スーパーコンティニウム光源は、
    能動半導体モード同期レーザと、
    前記能動半導体モード同期レーザから発生したパルス光を増幅する光増幅器と、
    前記光増幅器により増幅したパルス光が入力されて伝搬することにより、波長が異なる共に周波数(または波数)間隔が一定になっている複数のパルス光からなる光パルス列を発生して出力する、正常分散かつ分散平坦特性を有する光ファイバと、
    から成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルタ方式高速波長掃引光源。
  4. 前記波長選択手段は、
    高反射膜をファイバ端面に有する一方のシングルモードファイバの前記ファイバ端面と、高反射膜をファイバ端面に有する他方のシングルモードファイバの前記ファイバ端面とを、共振器長の長さとなっている空間を隔てて向かい合わせて配置したファイバ型ファブリペロー共振器であり、
    前記波長掃引手段は、
    前記ファイバ型ファブリペロー共振器を構成する一方のシングルモードファイバと他方のシングルモードファイバを光の伝搬方向に沿い移動させて前記共振器長を変化させるピエゾ駆動素子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフィルタ方式高速波長掃引光源。
  5. 前記一方のシングルモードファイバ及び前記他方のシングルモードファイバは、熱拡散技術により、ファイバ端面部分において、コア及びモードフィールド径を拡大させたファイバであることを特徴とする請求項4に記載のフィルタ方式高速波長掃引光源。
  6. 前記波長選択手段は、
    前記一括多波長光発生手段から発生した光パルス列を平行光に変換するコリメータレンズと、
    前記コリメータレンズにより平行光となった光パルス列を反射する回折格子と、
    回折格子により反射された光を集光するフォーカスレンズと、
    前記フォーカスレンズにより光が集光される位置に配置されたスリットにより構成され、
    前記波長掃引手段は、
    回折格子が固定されておりこの回折格子による反射角度を変更するレゾナント・ガルバノメータ・ミラーであることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか一項に記載のフィルタ方式高速波長掃引光源。
  7. 前記波長選択手段及び前記波長掃引手段の後段に、広帯域光増幅手段を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のフィルタ方式高速波長掃引光源。
  8. 前記広帯域光増幅手段は、エルビウム添加テルライトファイバを利得媒質とする光ファイバ増幅器であることを特徴とする請求項7に記載のフィルタ方式高速波長掃引光源。
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