JP4661049B2 - 電気光学装置の駆動方法、その駆動回路、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

電気光学装置の駆動方法、その駆動回路、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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本発明は、いわゆる横クロストークの発生を抑える電気光学装置の駆動方法、駆動回路、電気光学装置および電子機器に関する。
液晶などの電気光学物質の電気光学的な変化により表示を行う電気光学装置では、表示品位の差が横(行)方向に発生する、という横クロストークが問題視されている。横クロストークの原因は、データ線(セグメント電極)の電圧の切り替わりによって、画素に印加される電圧実効値を変動させるためである、と考えられている。
このような横クロストークの発生を抑える技術としては、例えば、電圧が切り替わるセグメント電極の数に応じて、走査信号のパルス幅を削る等して画素への印加電圧を補正する技術(例えば、特許文献1参照)や、駆動信号の歪み(スパイク)を検出して、データ信号等に補正信号を加算する技術(例えば、特許文献2参照)などが挙げられる。
特開平11−52922号公報(図1、図2、段落0027等参照) 特開2000−56292号公報(図1、段落0017等参照)
しかしながら、いずれの技術においても、補正信号を生成するための回路が別途必要となるので、構成の複雑化が避けられない、といった問題があった。このような構成の複雑化は、消費電力の増大にも直結し、電気光学装置が適用される分野において要求される低消費電力化にも逆行する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、横クロストークの発生を簡易な構成によって抑えることが可能な電気光学装置の駆動方法、駆動回路、電気光学装置および電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明に係る電気光学装置の駆動回路は、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、前記走査線を1水平走査期間毎に順次選択するとともに、選択した走査線に選択電圧を印加する走査線駆動回路と、一のデータ線に対し、当該データ線と選択走査線との交差に対応する画素を点灯させる点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは逆極性の電圧である点灯電圧、または、当該画素を非点灯にさせるとともに、前記選択電圧との差が前記点灯電圧よりも小さい非点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは同一極性の電圧である非点灯電圧のいずれか一方を前記選択電圧が印加される期間のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって印加した後に、その残余期間にわたって前記点灯電圧または前記非点灯電圧の他方に切り替えるよう、データ信号の電圧を印加するデータ線駆動回路であって、前記選択電圧が印加される期間にわたって前記非点灯電圧を最も長く印加すべきオフ階調の画素からなる第1の領域が、それよりも前記選択電圧が印加される期間において前記点灯電圧を印加すべき期間が長い階調の画素からなる第2の領域を背景として表示される場合には、前記選択電圧の印加開始タイミングとは異なるタイミングにて、前記点灯電圧から前記非点灯電圧に切り替えるように前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させるデータ線駆動回路とを具備することを特徴とする。この構成によれば、選択電圧に現れる波形歪みの影響が各階調にわたって均等に現れて、明るさ(濃度)の差が生じにくくなるので、簡易な構成によって横クロストークを軽減することが可能となる。
なお、本件における点灯電圧とは、ある1本の走査線が選択された期間に着目した場合に、データ線に印加されるデータ信号の電圧のうち、その期間において着目走査線に印加される選択電圧とは逆極性の電圧をいい、非点灯電圧とは、着目走査線が選択された期間に、データ線に印加されるデータ信号の電圧のうち、その期間において着目走査線に印加される選択電圧とは同一極性の電圧をいう。また、電圧の極性は、データ信号がとる点灯電圧、非点灯電圧の中間電圧を基準として高電位側を正極とし、低電位側を負極としている。
この駆動回路において、前記走査線駆動回路は、1水平走査期間を分割した前半または後半期間の一方において、選択した走査線に選択電圧を印加し、前記データ線駆動回路は、一のデータ線に対し、前記前半または後半期間の一方のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって点灯電圧または非点灯電圧の一方を、その残余期間にわたって点灯電圧または非点灯電圧の他方を、それぞれ印加し、前記前半または後半期間の他方のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって点灯電圧または非点灯電圧の他方を、その残余期間にわたって点灯電圧または非点灯電圧の一方を、それぞれ印加する構成が好ましい。この構成によれば、選択電圧が走査線に印加されない期間において、データ線には点灯電圧と非点灯電圧との印加期間がほぼ等しくなるので、表示パターンに依存する表示品位の低下が防止される。
この駆動回路において、記データ線駆動回路は、選択電圧の印加開始タイミングから所定時間だけ遅延したタイミングにおいて前記非点灯電圧の印加を開始するよう、前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる構成としても良い。
この構成において、前記データ線駆動回路は、各階調に対応するとともに、選択電圧が印加される期間において順番に階調制御パルスの供給を受け、選択電圧の印加開始タイミングにて点灯電圧の印加を開始するとともに、前記階調制御パルスのうち、前記オフ階調に対応するものの供給を受けると、点灯電圧から非点灯電圧の印加に切り替えるよう、前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる構成が好ましい。
また、上記駆動回路において、記データ線駆動回路は、選択電圧の終了タイミングから所定時間だけ先行したタイミングにおいて前記非点灯電圧の印加を開始するよう、前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる構成としても良い。
この構成において、前記データ線駆動回路は、各階調に対応するとともに、選択電圧が印加される期間において順番に階調制御パルスの供給を受け、選択電圧の印加開始タイミングではすでに点灯電圧を印加しているとともに、前記階調制御パルスのうち、前記オフ階調に対応するものの供給を受けると、非点灯電圧から点灯電圧の印加に切り替えるよう、前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる構成としても良い。
なお、本発明は、電気光学装置の駆動回路に限られず、駆動方法としても実現可能である。
上記目的を達成するために、本発明に係る電気光学装置は、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素と、前記走査線を1水平走査期間毎に順次選択するとともに、選択した走査線に選択電圧を印加する走査線駆動回路と、当該データ線と選択走査線との交差に対応する画素を点灯させる点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは逆極性の電圧である点灯電圧、または、当該画素を非点灯にさせるとともに、前記選択電圧との差が前記点灯電圧よりも小さい非点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは同一極性の電圧である非点灯電圧のいずれか一方を、選択電圧が印加される期間のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって印加した後に、その残余期間にわたって前記点灯電圧または前記非点灯電圧の他方に切り替えるよう、データ信号の電圧を印加するデータ線駆動回路であって、前記選択電圧が印加される期間にわたって前記非点灯電圧を最も長く印加すべきオフ階調の画素からなる第1の領域が、それよりも前記選択電圧が印加される期間において前記点灯電圧を印加すべき期間が長い階調の画素からなる第2の領域を背景として表示される場合には、前記選択電圧の印加開始タイミングとは異なるタイミングにて、前記点灯電圧から前記非点灯電圧に切り替えるように前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させるデータ線駆動回路とを具備することを特徴とする。この電気光学装置によれば、上記駆動回路と同様に、簡易な構成によって横クロストークを軽減することが可能となる。
この電気光学装置において、前記画素は、前記走査線または前記データ線のいずれか一方に一端が接続された二端子型スイッチング素子と、前記走査線または前記データ線のいずれか他方と、前記二端子型スイッチング素子の他端に接続された画素電極との間に電気光学物質が挟持された電気光学容量とを含む構成が好ましい。このような二端子型スイッチング素子を用いると、三端子型スイッチング素子を用いた構成と比較して、配線間の短絡不良が原理的に発生しない点や、製造プロセスが簡略化される点などにおいて有利である。
さらに、この二端子型スイッチング素子は、導電体/絶縁体/導電体の構造を有する態様が好ましい。この構造の二端子型スイッチング素子を用いると、いずれかの導電体として、走査線またはデータ線をそのまま用いることが可能であり、また、絶縁体は、該導電体自体を酸化することで形成可能である。
また、本発明における電子機器は、上記電気光学装置を表示装置として備えるので、クロストークの発生を抑えた高品位の表示が可能となる。なお、このような電子機器としては、後述するものが挙げられる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、電気光学装置10は、液晶パネル100、制御回路400および電圧生成回路500を含む。このうち、液晶パネル100には、複数のデータ線(セグメント電極)212が列(Y)方向に延在して形成される一方、複数の走査線(コモン電極)312が行(X)方向に延在して形成されるとともに、データ線212と走査線312とが交差する地点には、それぞれ画素116が形成されている。ここで、各画素116は、液晶容量118と、二端子型スイッチング素子の一例であるTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)220との直列接続からなり、液晶容量118は、後述するように、対向電極として機能する走査線312と、矩形状の画素電極との間に、電気光学物質の一例たる液晶を挟持した構成となっている。
なお、本実施形態にあっては、説明の便宜上、走査線312の総数を320本とし、データ線212の総数を240本として、縦320行×横240列のマトリクス型表示装置として説明するが、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
次に、走査線駆動回路350は、走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320を、それぞれ1行目、2行目、3行目、…、320行目の走査線312に供給するものである。詳細には、走査線駆動回路350は、320本の走査線312を後述するように1水平走査期間毎に1本ずつ選択するとともに、選択走査線312には選択電圧を、他の走査線312には非選択電圧を、それぞれ供給するものである。
また、データ線駆動回路250は、走査線駆動回路350により選択された走査線312に位置する画素116に対し、その表示内容(階調)に応じたデータ信号X1、X2、X3、…、X240を、それぞれ1列目、2列目、3列目、…、240列目のデータ線212を介して供給するものである。なお、データ線駆動回路250および走査線駆動回路350の詳細構成については後述する。
一方、制御回路400は、データ線駆動回路250に対して、液晶パネル100を水平走査するための各種制御信号やクロック信号などを供給する一方、走査線駆動回路350に対して、液晶パネル100を垂直走査するための各種制御信号やクロック信号などを供給するものである。さらに、制御回路400は、画素116の階調を「0」から「7」までの8段階で指示する3ビットの階調データDnを、垂直走査および水平走査に同期して供給する。
ここで、本形態の前提として、3ビットの階調データDnがオフ階調である(000)の場合に最も明るい白色の表示を指示し、3ビットの値が上がるにつれて徐々に輝度が低下するように指示し、階調データDnが(111)である場合に最も暗い黒色の表示を指示するものとする。さらに、液晶パネル100が電圧無印加状態において白表示をするノーマリーホワイトモードであるとする。
上述したように点灯電圧とは、選択電圧とは逆極性にあるデータ信号の電圧をいうので、ノーマリーホワイトモードでは、画素に点灯電圧が印加されると、画素が暗くなる点に留意する必要がある。
次に、電圧生成回路500は、液晶パネル100に用いられる電圧±Vと電圧±V/2とをそれぞれ生成するものである。このうち、電圧±Vは、走査信号における選択電圧として用いられ、それぞれ走査線駆動回路350に供給される。また、電圧±V/2は、走査信号における非選択電圧と、データ信号におけるデータ電圧とで兼用される構成となっており、それぞれデータ線駆動回路250および走査線駆動回路350に供給される。
図2は、液晶パネル100の全体構成を示す斜視図である。また、図3は、この液晶パネル100をX方向に沿って破断した場合の構成を示す断面図である。
これらの図に示されるように、液晶パネル100は、背面側に位置する素子基板200と、観察側に位置し、素子基板200よりも一回り小さい対向基板300とが、スペーサを兼ねる導電性粒子114の混入されたシール材110によって一定の間隙を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に例えばTN(Twisted Nematic)型の液晶160が封入された構成となっている。なお、シール材110は、図2に示されるように、対向基板300の内周縁に沿って枠状に形成されるが、液晶160を封入するために、その一部が開口している。このため、液晶封入後に、その開口部分が封止材112によって封止されている。
対向基板300の対向面には、行(X)方向に延在して形成される帯状電極たる走査線312のほか、配向膜308が形成されて、一定方向にラビング処理が施されている。ここで、走査線312の一端は、特に図3に示されるように、それぞれシール材110の形成領域まで引き延ばされている。また、対向基板300の外側(観察側)には偏光子131が貼り付けられて(図2では省略)、その吸収軸が、配向膜308へのラビング処理の方向に応じて設定されている。
一方、素子基板200の対向面には、Y(列)方向に延在して形成されるデータ線212に隣接して矩形状の画素電極234が形成されるほか、配向膜208が形成されて、一定方向にラビング処理が施されている。
素子基板200には、走査線312の各々と一対一に対応した配線342が設けられている。詳細には、この配線342の一端は、特に図3に示されるように、シール材110の形成領域において、対応する走査線312の一端と対向するように形成されている。ここで、導電性粒子114は、走査線312の一端と配線342の一端とが対向する部分に、少なくとも1個以上介在するような割合にてシール材110中に分散される。このため、対向基板300に形成された走査線312は、当該導電性粒子114を介して、素子基板200における対向面上の配線342に接続され、電気的にみて、素子基板200においてシール材110の形成領域外に引き出された状態となっている。
また、素子基板200に形成されたデータ線212の一端は、そのままシール材110の形成領域外まで、引き出された構成となっている。さらに、素子基板200の外側(背面側)には偏光子121が貼り付けられて(図2では省略)、その吸収軸が、配向膜208へのラビング処理の方向に応じて設定されている。
なお、本実施形態における液晶パネル100を、透過型とすると、素子基板200の背面側には、均一に光を照射するバックライトユニットが設けられるが、本件とは直接に関係しないので、図示を省略している。
続いて、液晶パネル100における表示領域外について説明すると、図2に示されるように、素子基板200にあって対向基板300から張り出した2辺には、データ線212を駆動するためのデータ線駆動回路250、および、走査線312を駆動するための走査線駆動回路350が、それぞれCOG(Chip On Glass)技術により実装されている。
したがって、データ線駆動回路250は、データ線212にデータ信号を直接的に供給する一方、走査線駆動回路350は、配線342および導電性粒子114を介し、走査線312に走査信号を間接的に供給する構成となる。
また、データ線駆動回路250が実装される領域の外側近傍には、FPC(Flexible Printed Circuit)基板150の一端が接合されている。なお、FPC基板150における他端の接続先は、図2では省略されているが、図1における制御回路400および電圧生成回路500である。
なお、図1におけるデータ線駆動回路250および走査線駆動回路350は、図2とは異なり、それぞれ液晶パネル100の左側および上側にそれぞれ位置しているが、これは、電気的な構成を説明するための便宜上の措置に過ぎない。また、データ線駆動回路250および走査線駆動回路350を、それぞれ素子基板200にCOG実装する替わりに、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いて、各ドライバや電源回路が実装されたTCP(Tape Carrier Package)を、異方性導電膜により電気的および機械的に接続する構成としても良い。
次に、液晶パネル100における画素116の詳細構成について説明する。図4は、その構造を示す部分破断斜視図である。なお、図4では、説明理解のために、図3における配向膜208、308および偏光子121、131を省略している。
図4に示されるように、素子基板200の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電体からなる矩形状の画素電極234がマトリクス状に配列しており、このうち、同一列にて配列された画素電極234が、1本のデータ線212に、それぞれTFD220を介して共通接続されている。ここで、TFD220は、基板側からみると、タンタル単体やタンタル合金などから形成され、かつ、データ線212からT字状に枝分かれした第1の導電体222と、この第1の導電体222を陽極酸化させた絶縁体224と、クロム等などの第2の導電体226とから構成されて、導電体/絶縁体/導電体のサンドイッチ構造となっている。このため、TFD220は、電流−電圧特性が正負双方向にわたって非線形となるダイオードスイッチング特性を有することになる。
なお、図4では、素子基板200の対向面に、直接、画素電極234やデータ線212等を形成しているが、当該対向面に、透明性を有する絶縁体を形成し、この上面に、画素電極234やデータ線212等を形成する構成が好ましい。このような絶縁体を形成した方が良い理由は、第2の導電体226の堆積後における熱処理により、第1の導電体222が剥離しないようにするため、および、第1の導電体222に不純物が拡散しないようにするためである。
一方、対向基板300の対向面には、ITOなどからなる走査線312が、データ線212とは直交する行方向に延在し、かつ、画素電極234の対向する位置に配列している。これにより、走査線312は、画素電極234の対向電極として機能することになる。したがって、図1における液晶容量118は、データ線212と走査線312との交差において、当該走査線312と、画素電極234と、両者の間に挟持された液晶160とによって構成されることになる。
このような構成において、データ線212に印加されているデータ電圧にかかわらず、TFD220を強制的に導通状態(オン)にさせる選択電圧+V、−Vのいずれかを走査線312に印加すると、当該走査線312および当該データ線212の交差に対応するTFD220がオンして、オンしたTFD220に接続された液晶容量118に、当該選択電圧および当該データ電圧の差に応じた電荷が蓄積される。電荷蓄積後、走査線312に非選択電圧を印加して、当該TFD220をオフさせても、液晶容量118における電荷の蓄積が維持される。
液晶容量118では、蓄積される電荷量に応じて、液晶160の配向状態が変化し、偏光子121、131を通過する光量が蓄積された電荷量に応じて変化する。したがって、選択電圧が変動しないことを前提とすれば、当該選択電圧が印加されたときのデータ電圧によって、液晶容量118における電荷の蓄積量を画素毎に制御することで、所定の階調表示が可能になる。
ここで、説明の便宜上、図1における制御回路400によって生成される制御信号やクロック信号などの各種信号について説明する。
まず、Y(垂直走査)側に用いられる信号について説明する。第1に、スタートパルスDYは、図6に示されるように、1垂直走査期間(1F)の最初に出力されるパルスである。第2に、クロック信号YCKは、Y側の基準信号であり、同図に示されるように、1水平走査期間(1H)の周期を有する。第3に、極性指示信号POLは、走査線が選択されたときに印加すべき選択電圧の極性を指定する信号であり、例えば、Hレベルであれば正極性の選択電圧+Vを、Lレベルであれば負極性の選択電圧−Vを、それぞれ指定する。この極性指示信号POLは、同図に示されるように、同一の垂直走査期間内では、1水平走査期間(1H)毎に論理レベルが反転し、また、隣接する垂直走査期間において、同一の水平走査期間では論理レベルが反転する関係となっている。第4に、制御信号INHは、1水平走査期間(1H)における選択電圧の印加期間を規定するための信号である。後述するように、本実施形態では1水平走査期間(1H)の後半期間おいて選択電圧を印加するので、制御信号INHは、当該後半期間にHレベルとなる。
次に、X(水平走査)側に用いられる信号について説明する。第1に、ラッチパルスLPは、図8に示されるように、1水平走査期間(1H)の最初に出力されるパルスである。第2に、リセット信号RESは、同図に示されるように、1水平走査期間(1H)の前半期間の最初および後半期間の最初にそれぞれ出力されるパルスである。第3に、交流駆動信号MXは、データ線側において画素116を交流駆動するための信号であり、同図に示されるように、Y側の極性指示信号POLよりも位相が90度進んだ関係となっている。このため、交流駆動信号MXは、選択電圧として正極性の電圧+Vが指定される1水平走査期間(1H)では、その前半期間においてHレベルとなり、その後半期間においてLレベルとなる一方、選択電圧として負極性の電圧−Vが指定される1水平走査期間(1H)では、その前半期間においてLレベルとなり、その後半期間においてHレベルとなる。第4に、階調コードパルスGCPRは、本実施形態では、黒色を除く色の各々に応じて、点灯電圧および非点灯電圧の切り替えタイミングを、その立ち下がりにおいて規定するためのパルス列であり、同図に示されるように、1水平走査期間の前半期間、後半期間のそれぞれにおいて、灰色の(110)、(101)、(100)、(011)、(010)、(001)に対応して十進値で表記されたものが順に対応して配列するとともに、これらの配列の先頭に、白色の(000)に対応するものが位置している。
ここで、前半および後半期間の開始タイミングから、白色の(000)に対応する階調コードパルスGCPR(図8において0と表記)の立ち下がりタイミングまでの期間t1は、当該白色よりも1段階暗い灰色の(001)に対応する階調コードパルスGCPR(図8において1と表記)の立ち下がりタイミングから、前半および後半期間の終了タイミングまでの期間t2よりも短くなるように設定されている。また、同図において、階調コードパルスGCPRは、画素の印加電圧−濃度特性(V−T特性)を考慮して設定されるのであって、実際には、等間隔ではない。
次に、走査線駆動回路について説明する。図5は、この走査線駆動回路350の構成を示すブロック図である。
この図において、シフトレジスタ352は、走査線312の総数に応じた320ビットの段数を有し、1垂直走査期間の最初に供給されるスタートパルスDYをクロック信号YCKによって順次シフトして、転送信号Ys1、Ys2、Ys3、…、Ys320として順次出力するものである。ここで、転送信号Ys1、Ys2、Ys3、…、Ys320は、それぞれ1行目、2行目、3行目、…、320行目の走査線312にそれぞれ1対1に対応するものであって、いずれかの転送信号がHレベルになると、それに対応する走査線312を選択すべき水平走査期間(1H)であることを示している。
続いて、電圧選択信号形成回路354は、転送信号のほか、極性指示信号POLおよび制御信号INHから、1行の走査線312について、当該走査線312への印加電圧を指定するとともに、互いに排他的にアクティブレベル(Hレベル)となる電圧選択信号a、b、c、dを出力する。ここで、電圧選択信号aがHレベルになると+V(正極性選択電圧)の選択が指示される。同様に、電圧選択信号b、c、dがHレベルになると、それぞれ+V/2(正極性非選択電圧)、−V/2(負極性非選択電圧)、−V(負極性選択電圧)の選択が指示される。
本形態においては、上述したように、選択電圧+Vまたは−Vが印加される期間は、1水平走査期間(1H)の後半期間である。また、非選択電圧は、選択電圧+Vが印加された後では+V/2であり、選択電圧−Vが印加された後では−V/2であって、直前の選択電圧により一義的に定まっている。
このため、電圧選択信号形成回路354は、走査信号の電圧レベルが次の関係になるように、1行の走査線312について電圧選択信号a、b、c、dを出力する。すなわち、転送信号Ys1、Ys2、…、Ys320のいずれかHレベルになって、それに対応する走査線312を選択すべき水平走査期間である旨が指定され、さらに、制御信号INHがHレベルとなって、当該水平走査期間の後半期間であることが通知されると、電圧選択信号形成回路354は、当該走査線312への走査信号の電圧レベルを、第1に、極性指示信号POLの信号レベルに対応した極性の選択電圧とし、第2に、その後半期間が終了すると、当該選択電圧に対応する非選択電圧となるように電圧選択信号を生成する。
具体的には、電圧選択信号形成回路354は、制御信号INHがHレベルとなる期間において、極性指示信号POLがHレベルであれば正極性選択電圧+Vを選択させる電圧選択信号aを当該後半期間にHレベルとし、この後半期間が終了して、制御信号INHがLレベルに遷移すれば、正極性非選択電圧+V/2を選択させる電圧選択信号bをHレベルとして出力する一方、制御信号INHがHレベルとなる後半期間において、極性指示信号POLがLレベルであれば負極性選択電圧−Vを選択させる電圧選択信号dを当該期間にHレベルとし、この後、制御信号INHがLレベルに遷移すれば、負極性非選択電圧−V/2を選択させる電圧選択信号cをHレベルとして出力することになる。
セレクタ群358は、1本の走査線312について、4個のスイッチ3581〜3584を有する。これらのスイッチ3581〜3584の各一端は、それぞれ電圧+V、+V/2、−V/2、−Vの供給線に接続され、スイッチ3581〜3584の他端は、対応する走査線312に共通接続されるとともに、各ゲートには、それぞれ電圧選択信号a、b、c、dが供給されている。そして、スイッチ3581〜3584は、それぞれゲート入力する電圧選択信号a、b、c、dがHレベルになると、それぞれ一端および他端間において導通状態となる。したがって、各走査線312には、スイッチ3581〜3584のうち、オンしたものを介して、電圧+V、+V/2、−V/2、−Vのいずれかが印加される。
次に、上記構成の走査線駆動回路350によって供給される走査信号の電圧波形について説明する。
まず、スタートパルスDYは、図6に示されるように、シフトレジスタ352によりクロック信号YCKにしたがって1水平走査期間(1H)毎に順次シフトされて、これが転送信号Ys1、Ys2、…、Ys320として出力される。
ここで、ある1行の走査線312に対応する転送信号がHレベルになる1水平走査期間において、その後半期間(1/2H)に至ると、当該後半期間における極性指示信号POLの論理レベルに応じて、当該走査線への選択電圧が定められる。
詳細には、ある1行の走査線に供給される走査信号の電圧は、当該走査線が選択される1水平走査期間の後半期間(1/2H)において、極性指示信号POLが例えばHレベルであれば正極性選択電圧+Vとなり、その後、当該選択電圧に対応する正極性非選択電圧+V/2を保持する。そして、1垂直走査期間(1F)が経過して、1水平走査期間の後半期間においては、極性指示信号POLが反転してLレベルになるので、当該走査線に供給される走査信号の電圧は、負極性選択電圧−Vとなり、その後、当該選択電圧に対応する負極性非選択電圧−V/2を保持することになる。
このため、ある垂直走査期間において1行目の走査線312への走査信号Y1は、図6に示されるように、当該水平走査期間の後半期間において、極性指示信号POLのHレベルに対応して正極性選択電圧+Vとなり、その後、正極性非選択電圧+V/2を保持する。次の1水平走査期間の後半期間においては、極性指示信号POLのレベルが前回の選択とは論理反転したLレベルになるので、当該走査線への走査信号Y1は、負極性選択電圧−Vとなり、その後、負極性非選択電圧−V/2を保持する。以下このサイクルの繰り返しとなる。
また、極性指示信号POLは、1水平走査期間(1H)毎に論理レベルが反転するので、各走査線312に供給される走査信号は、1水平走査期間(1H)毎に、すなわち、走査線312の1行毎に交互に極性が反転する関係となる。例えばあるフレームにおいて、1行目の走査信号Y1の選択電圧が正極性選択電圧+Vであれば、1水平走査期間経過後において、2行目の走査信号Y2の選択電圧は負極性選択電圧−Vとなる。
次に、データ線駆動回路250について説明する。図7は、このデータ線駆動回路250の構成を示すブロック図である。この図において、アドレス制御回路252は、階調データの読み出しに用いる行アドレスRadを生成するものであり、当該行アドレスRadを、1フレームの最初に供給される開始パルスDYによりリセットするとともに、1水平走査期間毎に供給されるラッチパルスLPで歩進させる構成となっている。
表示データRAM254は、縦320行×横240列の画素に対応した記憶領域を有するデュアルポートRAMであり、書込側では、図1における制御回路400から供給される階調データDnが、同じく制御回路400からの書込アドレスWadで指定された番地に書き込まれる一方、読出側では、行アドレスRadで指定された番地の階調データDnの1行分240個が、一括して読み出される構成となっている。
次に、デコーダ256は、データ信号X1、X2、……、X240のデータ電圧をそれぞれ選択するための電圧選択信号e、fを、読み出された240個の階調データDnに応じて、リセット信号RES、交流駆動信号MX、階調コードパルスGCPRとから排他的に生成するものである。ここで、電圧選択信号eは+V/2の選択を、電圧選択信号fは−V/2の選択を、それぞれ指定する。本実施形態において、階調データDnは、3ビット(8階調)であるので、デコーダ256は、読み出された240個のうち、ある列の階調データDnについて着目すると、次のような電圧選択信号を生成する。
すなわち、デコーダ256は、極性指示信号POLがHレベルである1水平走査期間(1H)において、階調データDnが白色(000)および黒色(111)以外の中間階調を指定するものであれば、第1に、1水平走査期間の前半期間(1/2H)の最初に供給されるリセット信号RESによって、交流駆動信号MXのレベルとは反対側のレベルにリセットし、第2に、階調コードパルスGCPRのうち、当該階調データDnに対応するものの立ち下がりにて、交流駆動信号MXと同一側のレベルにセットし、第3に、1水平走査期間の後半期間(1/2H)の最初に供給されるリセット信号RESを無視し、第4に、階調コードパルスGCPRのうち、当該階調データDnに対応するものの立ち下がりにて、交流駆動信号MXと同一側のレベルに再セットするような電圧選択信号を生成する。
ただし、デコーダ256は、極性指示信号POLがHレベルである1水平走査期間(1H)において、階調データDnが黒色(111)であれば、交流駆動信号MXとは同一のレベルとなるように、それぞれ電圧選択信号e、fを生成する。また、階調データDnが白色の(000)であれば、1水平走査期間の前半期間(1/2H)の最初に供給されるリセット信号RESによって、交流駆動信号MXのレベルとは同一側のレベルにリセットし、第2に、階調コードパルスGCPRのうち、最初、すなわち(000)に対応するものの立ち下がりにて、交流駆動信号MXと反対側のレベルにセットし、第3に、1水平走査期間の後半期間(1/2H)の最初に供給されるリセット信号RESを無視し、第4に、階調コードパルスGCPRのうち、最初のものの立ち下がりにて、交流駆動信号MXと反対側のレベルに再セットするような電圧選択信号を生成する。
このような電圧選択信号の生成を、デコーダ256は、読み出された240個の階調データDnの各々に対応して実行する。
セレクタ群258は、1列のデータ線212について、2個のスイッチ2581、2582を有する。これらのスイッチ2581、2582の各一端は、それぞれ電圧+V/2、−V/2の供給線に接続され、スイッチ2581、2582の他端は、対応するデータ線212に共通接続されるとともに、各ゲートには、それぞれ電圧選択信号e、fが供給されている。そして、スイッチ2581、2582は、ゲート入力する電圧選択信号e、fがアクティブレベルになると、それぞれ一端および他端間において導通状態となる。したがって、各データ線212は、スイッチ2581、2582のうち、オンしたものを介して、電圧+V/2、−V/2のいずれかが印加される。
結局、データ線駆動回路250によって供給されるデータ信号Xjの電圧波形は、図8に示されるようなものとなる。なお、図8は、デコーダ256に入力される階調データDnの2進数表示と、それをデコードした結果たるデータ信号Xjとの関係を示すものである。特に、本実施形態では、階調データDnが(000)であり、画素を白色(オフ階調)とする場合には、1水平走査期間のうち、選択電圧が印加される後半期間(1/2H)の開始タイミングでは点灯電圧が印加され、その後、期間t1が経過して、非点灯電圧が印加される。
また、図9は、i行目の走査線312への走査信号Yiと、これよりも1行下の走査線312への走査信号Yi+1と、j列目のデータ線212へのデータ信号Xjとにおける各信号波形を示す図である。なお、このデータ信号Xjについては、i行目およびi+1行目の走査線312と、j列目のデータ線212に位置する画素を、白色表示、黒色表示、およびその中間色の灰色表示とする場合についてそれぞれ示している。
これらの図に示されるように、1水平走査期間(1H)が2分割されて前半期間と後半期間とに分けられるとともに、走査信号Yi、Yi+1は、後半期間(1/2H)にわたって選択電圧をとり、データ信号Xjは、画素を暗くするにつれて、点灯電圧をとる期間が長くなる。ここで、点灯電圧は、選択電圧が正極性の+Vであれば、負極性のデータ電圧−V/2であり、反対に選択電圧が負極性の−Vであれば正極性のデータ電圧+V/2である。一方、当該後半期間に先立つ前半期間におけるデータ信号は、当該後半期間におけるデータ信号とは電圧が逆転した関係となっている。
したがって、1水平走査期間(1H)でみたとき、データ信号Xjは、電圧+V/2と−V/2とをそれぞれ50%の割合でとることになる。このため、画素の階調がいかなるパターンで連続したとしても、1垂直走査期間(1F)において、データ信号Xjが電圧−V/2をとる期間の累計と、電圧+V/2をとる期間の累計とは互いに同一となる。このことは、非選択期間において画素に印加される電圧実効値が、すべての画素にわたって等しいことを意味するので、白色画素および黒色画素が行および列において交互に配置する市松模様や、1行毎に白色画素および黒色画素が反転するゼブラパターンなどを表示する場合に発生する列(縦)方向のクロストークが抑えられる。なお、この縦方向のクロストークについては、例えば、特開2001−147671号公報の図10にも記載されている。
ここで、本実施形態との比較のために従来の駆動波形について説明する。図17は、従来のデータ信号Xjを、階調データDnとの関係において示す波形図である。この波形図において、図8に示す本実施形態の波形図と相違する点は、次の通りである。すなわち、図17では、階調コードパルスGCPRのうち、階調データDn(000)に対応するものが存在せず、また、画素を白色とする場合には、1水平走査期間の後半期間(1/2H)の全域にわたって非点灯電圧が印加される点にある。
この従来例において、例えば図10(a)に示されるように、液晶パネルの表示領域100aに、灰色を背景として矩形状の白色領域をウィンドウ表示しようとする場合を考えてみる。この場合、実際に表示される画像では、図18(a)に示されるように、白色領域B−Eとは行(横)方向で隣接する領域B−D、B−Fが他の灰色領域A−D、A−E、A−F、C−D、C−E、C−Fと比べて暗くなってしまう。この明度差は、行方向に発生することから、上記縦方向のクロストークと区別する意味で、特に横クロストークとも呼ばれている。
なお、図10(b)に示されるように、液晶パネルの表示領域100aに、灰色を背景として矩形状の黒色領域をウィンドウ表示しようとする場合、実際に表示される画像は、図18(b)に示されるようなものとなり、白色領域をウィンドウ表示する場合と比較して、それほど背景の灰色に目立った明度差が生じない。
次に、この横クロストークの原因について検討する。液晶パネル100では、走査線312がITOなどの比較的抵抗率の大きな導電体から形成されるため、ある行の走査線312は、1列目から240列目までのすべてのデータ線212と容量的に結合する。また、走査線312だけでなく、液晶パネル100における配線や信号線のすべてについても、同様に、すべてのデータ線212と少なからず容量的に結合する。このため、データ線212が電圧+V/2、−V/2の一方から他方への切り替わると、スパイク(微分波形ノイズ)として走査線や配線、供給線に現れる。
続いて、このスパイクが、液晶容量に印加される信号波形に、どのように影響するのか検討してみる。図10(a)または図18(a)において、行範囲Aまたは行範囲Cに属する走査線が選択された場合、当該走査線に位置する画素は、すべて背景の灰色であるので、当該走査線に正極性の選択電圧+Vが印加されるのであれば、データ信号では、電圧の切り替えが、図19(a)に示されるように、1水平走査期間(1H)の最初、前半期間の途中および後半期間の途中にて、それぞれ発生する。さらに、この電圧の切り替えは、すべてのデータ線において同時に発生する。したがって、走査信号には、データ電圧の切り替わる方向に比較的大きなスパイクS0、S1、S3が現れることになる。
このうち、スパイクS0、S1は、走査信号として非選択電圧をとる期間、すなわちTFD220が非導通状態のときに現れるので、その影響は小さいが、スパイクS3は、走査信号として選択電圧をとる期間、すなわちTFD220が導通状態のときに現れるので、当該選択電圧+Vを変動させる。このため、走査信号とデータ信号との差で示される画素への印加電圧波形は、図19(a)の部分Pにて大きく歪み、当該画素に印加される電圧実効値を小さくなる方向に作用させてしまう。
なお、図19(a)では、後半期間において正極性の選択電圧+Vをとる1水平走査期間について説明したが、負極性の選択電圧−Vをとる1水平走査期間では、図示の波形を、電圧基準点を中心に極性反転したものとなるので、同様に、画素への印加電圧波形が大きく歪んで、当該画素に印加される電圧実効値を小さくなる方向に作用させてしまう。
したがって、行範囲Aおよび行範囲Cに属する画素(領域A−D、A−E、A−F、C−D、C−E、C−Fに属する画素)は、印加電圧が目的とする本来の値から大きく減少するので、ノーマリーホワイトモードであれば明るくなってしまうことになる。
一方、図10(a)または図18(a)において、行範囲Bに属する走査線が選択された場合、当該走査線に位置する画素は、背景色の灰色と白色との2種類となる。このため、データ信号は、図19(b)に示されるように、当該走査線に正極性の選択電圧+Vが印加されるのであれば、背景にかかる列範囲D、Fに属するデータ線に供給されるものと、白色領域にかかる列範囲Eに属するデータ線に供給されるものとの2種類に分かれる。換言すれば、行範囲Aまたは行範囲Cに属する走査線が選択される場合であれば、すべてのデータ信号が同一灰色に相当するものであったのに対し、行範囲Bに属する走査線が選択される場合であれば、当該灰色に相当するデータ信号の数がおおよそ半分となる。したがって、行範囲Bに属する走査線が選択される場合に現れるスパイクS0、S1、S3は、行範囲Aまたは行範囲Cに属する走査線が選択される場合と比較して小さくなる。このため、後半期間に現れるスパイクS3は、走査信号がとる選択電圧+Vをそれほど大きく変動させず、画素への印加電圧波形における部分Pでの歪みも小さい。負極性の選択電圧−Vをとる1水平走査期間でも同様である。したがって、領域B−D、B−Fの画素に印加される電圧実効値の減少の程度は、行範囲Aおよび行範囲Cに属する画素と比較して小さいので、領域B−D、B−Fの画素は、わずかに明るくなる程度である。
この結果、同一階調となるはずの領域B−D、B−Fの画素と、領域A−D、A−E、A−F、C−D、C−E、C−Fに属する画素とは、図18(a)に示されるように、前者領域の画素が後者領域の画素よりも暗くなり、これが横クロスロークとして視認される。
このように考えると、図18(a)に示される横クロストークは、灰色領域B−D、B−Fが暗くなるのではなく、灰色領域A−D、A−E、A−F、C−D、C−E、C−Fが明るくなることに起因して発生する。ただし、白色領域に隣接する灰色領域、または、それ以外の灰色領域のいずれかが明るくなるのか、暗くなるのかについては、あまり重要ではなく、本来同じ明るさとなるべき領域同士において明度差が生じてしまうことが重要な問題なのである。すなわち、この明度差が明確に視認されて、表示上の品位を低下させるからである。
ところで、横クロストークの原因がデータ信号の電圧切り替わりに伴うスパイクだけであるならば、灰色を背景として黒色領域をウィンドウ表示させたときに、横クロストークが目立たない理由を説明することができない。すなわち、横クロストークの発生は、スパイク以外の原因が関与していることになる。
そこで、スパイク以外の原因を検討するために、灰色を背景として白色領域と黒色領域とをウィンドウ表示するときの相違点に検討してみる。
灰色を背景として白色領域をウィンドウ表示する場合に、図10(a)または図18(a)において行範囲Bに属する走査線が選択されるとき、当該走査線には灰色と白色との2種類の画素が存在する。灰色画素となる列範囲D、Fに属するデータ線へのデータ信号、または、白色画素となる列範囲Eに属するデータ線へのデータ信号は、図19(b)に示されるように、当該走査線に選択電圧が印加される開始タイミングでは、いずれも点灯電圧をとらない。すなわち、正極性選択電圧+Vの印加開始タイミングでは、いずれのデータ信号も正極性において非点灯電圧となる電圧+V/2をとる。
一方、灰色を背景として黒色領域をウィンドウ表示する場合に、図10(b)または図18(b)において行範囲Bに属する走査線が選択されるとき、当該走査線には灰色と黒色との2種類の画素が存在する。このうち、黒色画素となる列範囲Eに属するデータ線へのデータ信号は、図19(c)に示されるように、当該走査線に選択電圧が印加される開始タイミングでは点灯電圧をとる。
ここで、走査線312とデータ線212との間には、電気的にみれば、TFD220と液晶容量118との直列接続による合成容量が挿入されている、と考えることができる。選択電圧が走査線312に印加された瞬間において、データ線212が点灯電圧であるとき、合成容量に印加される電圧差は比較的大きいので、当該合成容量の積分によって選択電圧の波形が大きく鈍る、と考えられる。
したがって、灰色を背景として黒色領域をウィンドウ表示する場合に、行範囲Bに属する走査線が選択されるとき、当該走査線には黒色画素が存在するので、当該走査線に印加される走査信号は、図19(c)の部分Rに示されるように鈍化して歪む。
ところで、灰色を背景として白色領域または黒色領域をウィンドウ表示する場合に、行範囲AまたはCに属する走査線が選択されるとき、当該走査線には灰色しか存在しないので、当該走査線に印加される走査信号は、図19(a)に示されるように、部分Rでは歪まない(その歪みは無視できるほどに小さい)が、スパイクS3による歪みは大きい。
一方、灰色を背景として白色領域をウィンドウ表示する場合に、行範囲Bに属する走査線が選択されるとき、当該走査線には黒色画素が存在しないので、当該走査線に印加される走査信号は、図19(b)に示されるように、部分Rでは歪まないし、スパイクS3による歪みも小さい。
また、灰色を背景として黒色領域をウィンドウ表示する場合に、行範囲Bに属する走査線が選択されるとき、当該走査線に印加される走査信号は、図19(c)に示されるように、部分Rでは歪むが、スパイクS3による歪みは小さい。
このため、ウィンドウ表示領域に隣接する領域B−D、B−Fの画素への印加電圧は、灰色を背景として白色領域をウィンドウ表示する場合と黒色領域をウィンドウ表示する場合とで比較すると、黒色領域をウィンドウ表示する場合の方が、白色領域をウィンドウ表示する場合よりも部分Rでの波形鈍りの分だけ、減少する。すなわち、領域B−D、B−Fは、ノーマリーホワイトモードであれば、黒色領域をウィンドウ表示する場合の方が白色領域をウィンドウ表示する場合よりも明るくなる。このため、領域B−D、B−Fは、他の灰色領域A−D、A−E、A−F、C−D、C−E、C−Fとともに明るくなる方向に作用するので、両者の明度差が小さくなり、明度差として視認されにくいのである。
以上のように、横クロストークを解消するためには、データ信号の電圧切り替わりに伴うスパイクだけではなく、選択電圧の印加開始タイミングにおける波形の鈍りについても考慮しなければならないことが判る。
一方、上述したように横クロストークが、本来同じ明るさとなるべき領域同士の明度差に起因する。この明度差を小さくして視認されにくくするためには、明るくなってしまう灰色領域A−D、A−E、A−F、C−D、C−E、C−Fを暗くするように補正する方法と、白色領域に隣接する領域B−D、B−Fを逆に明るくするように補正する方法との2通りが考えられるが、条件を特定しやすい後者の方が容易であると考えられる。
ただし、横クロストークを解消するために、電圧の切り替わるセグメント電極数や検出したスパイク等に応じてデータ信号を補正する技術は、上述したように、構成の複雑化を招くので採用できない。
そこで、本実施形態では、スパイクと波形鈍りとを用いて、白色領域に隣接する領域B−D、B−Fを逆に明るくするような構成を採用している。詳細には、本実施形態は、図8に示したように、階調データDnが(000)であって、画素を白色とする場合には、1水平走査期間のうち、選択電圧が印加される後半期間(1/2H)の開始タイミングでは点灯電圧が印加され、その後、期間t1が経過して、非点灯電圧が印加されるような構成を採用している。
この構成によれば、灰色を背景として白色領域をウィンドウ表示する場合であって、図10(a)において行範囲Bに属する走査線が選択されるとき、白色画素となる列範囲Eに属するデータ線へのデータ信号は、図11(b)に示されるように、当該走査線に選択電圧が印加される開始タイミングにおいて点灯電圧をとる。したがって、当該走査線に印加される走査信号は、同図に示されるように、部分Rにて歪む。なお、正極性の電圧+Vである場合、データ信号は、後半期間(1/2H)の開始タイミングから期間t1が経過した時点において、点灯電圧−V/2から非点灯電圧+V/2となるので、この電圧切り替わりに伴うスパイクS2が走査信号に現れるものの、この電圧切り替わりは、すべてのデータ線ではなく半数程度でしか実行されないために、スパイクS2の程度は小さい。
また、本実施形態では、階調データDnが(000)である場合に相当するデータ信号のみを変化させているので、灰色を背景として白色領域または黒色領域をウィンドウ表示する場合に、行範囲AまたはCに属する走査線が選択されるときの走査信号、データ信号、および画素への印加電圧は、図11(a)に示される通りであり、図19(a)と変わらない。同様に、灰色を背景として黒色領域をウィンドウ表示する場合であって、行範囲Bに属する走査線が選択されるときの走査信号、データ信号、および画素への印加電圧は、図11(c)に示される通りであり、図19(c)と変わらない。
したがって、本実施形態によれば、灰色を背景として白色領域をウィンドウ表示する場合に、当該白色領域に隣接する領域B−D、B−Fの画素への印加電圧は、走査信号が図11(b)の部分Rにおいて鈍る分だけ減少する。このため、本実施形態では、灰色を背景として白色領域をウィンドウ表示する場合でも、黒色領域をウィンドウ表示する場合と同様に、領域B−D、B−Fは、他の灰色領域A−D、A−E、A−F、C−D、C−E、C−Fとの明度差がなくなるので、横クロストークの発生が抑えられることとなる。
さらに、本実施形態では、階調コードパルスGCPRに階調データDn(000)に相当するものが1つだけ増発されて、そのパルスをデータ線駆動回路250(デコーダ256)を処理するようにしただけの構成であるので、補正回路を別途設ける場合と比較して構成が大幅に簡略化される。
なお、この実施形態では、白色領域に隣接する領域B−D、B−Fを明るくするために、データ信号を、階調データDnに対して図8に示されるような波形としたが、例えば、図12に示されるような波形としても良い。詳細には、図12に示される波形では、階調データDnが(000)であって、画素を白色とする場合には、1水平走査期間のうち、選択電圧が印加される後半期間(1/2H)の開始タイミングよりも期間t1だけ先行するタイミングにて非点灯電圧に切り替えておき、その後、後半期間(1/2H)の終了タイミングよりも期間t1だけ先行するタイミングにて点灯電圧に切り替える構成となっている。
このような波形は、例えば、階調コードパルスGCPRを、同図に示されるように、1水平走査期間の前半期間、後半期間のそれぞれにおいて、階調データDnの(110)、(101)、(100)、(011)、(010)、(001)の各々に対応するものの最後に、(000)に対応するものを配列させる一方、デコーダ256(図7参照)が、リセット信号RESによって交流駆動信号MXのレベルとは反対側のレベルにリセットした後、階調コードパルスGCPRのうち、(111)を除いた各々に対応するものの立ち下がりにて、交流駆動信号MXと同一側のレベルにセットするような電圧選択信号を生成する構成によって実現可能である。
また、図13は、図9と同様に、i行目の走査線312への走査信号Yiと、これよりも1行下の走査線312への走査信号Yi+1と、j列目のデータ線212へのデータ信号Xjとにおける各信号波形を示す図であり、図9とは、データ信号Xjについてi行目およびi+1行目の走査線312との交差に位置する画素を白色表示とする場合についてのみ相違している。
データ信号が図12に示されるような波形では、灰色を背景として白色領域をウィンドウ表示する場合に、図10(a)または図18(a)において行範囲Bに属する走査線が選択されるとき、当該走査線には灰色と白色との2種類の画素が存在する。このため、灰色画素となる列範囲D、Fに属するデータ線へのデータ信号、または、白色画素となる列範囲Eに属するデータ線へのデータ信号は、図14(b)に示されるように、当該走査線に選択電圧が印加される開始タイミングでは、いずれも非点灯電圧をとり、点灯電圧をとらない。このため、行範囲A、Cに属する走査線が選択される場合と同様に(図14(a)参照)、走査信号に選択電圧の印加開始タイミングにおいて波形鈍りは生じない。
一方、行範囲Bに属する走査線に選択電圧が印加される期間では、図14(b)に示されるように、列範囲D、Fに属するデータ線が先に非点灯電圧から点灯電圧に切り替わった後に、列範囲Eに属するデータ線が非点灯電圧から点灯電圧に切り替わる。
ここで、走査信号が正極性選択電圧+Vとなる期間では、当該走査信号にデータ信号の切り替わりに伴う下向きのスパイクS3、Scが現れる。ただし、この電圧切り替わりは、すべてのデータ線ではなく半数程度ずつで実行されるために、スパイクS3、Scの程度は小さい。なお、走査信号が負極性選択電圧−Vとなる期間では、特に図示しないが、当該走査信号にデータ信号の切り替わりに伴う上向きのスパイクが現れる。すなわち、走査信号が選択電圧となる期間では、当該走査信号にデータ信号の切り替わりに伴うスパイクS3、Scが、画素への印加電圧を減少させる方向に現れる。
このため、灰色を背景として白色領域をウィンドウ表示する場合に、当該白色領域に隣接する領域B−D、B−Fの画素への印加電圧は、走査信号に現れる2つのスパイクS3、Scの分だけ減少して明るくなる結果、他の灰色領域A−D、A−E、A−F、C−D、C−E、C−Fとの明度差がなくなる。したがって、データ信号が図12に示されるような波形によっても、横クロストークの発生が抑えられることとなる。
なお、走査信号が選択電圧となる前の非選択期間では、スパイクSa、Sbが新たに生じるが、非選択期間におけるスパイクは、画素の明るさに及ぼす影響が少ない点は上述した通りである。また、図14(a)および図14(c)は、それぞれ図11(a)および図11(b)と同じとなるので、その説明は省略している。
実施形態にあっては、中間階調である場合に、選択電圧が印加された期間に対し、点灯電圧が印加される期間を時間的に後方に寄せて印加する後縁駆動を採用したが、これに限られず、点灯電圧を時間的に前方に寄せて印加する前縁駆動を採用しても良い。
上記説明以外にも、階調データDnが(000)である場合、データ信号の点灯電圧と非点灯電圧の切り替えのタイミングは、選択電圧の切り替えのタイミングと一致しない限り、選択期間のいずれの位置にあってもよい。
また、実施形態では、1水平走査期間(1H)を前半および後半期間に分けて、このうち、後半期間に選択電圧を印加する構成としたが、前半期間に印加する構成としても良いし、1水平走査期間(1H)を前半および後半期間に分けることなく、当該1水平走査期間にわたって選択電圧を印加する構成としても良い。
さらに、実施形態では、電圧無印加状態において白色を表示するノーマリーホワイトモードであるとしたが、電圧無印加状態において黒色を表示するノーマリーブラックモードとしても良い。なお、ノーマリーブラックモードであれば、選択電圧が印加される期間において点灯電圧が印加される期間が長いほど、画素が明るくなる。
液晶パネル100は透過型に限られず、反射型や、両者の中間的な半透過半反射型であっても良い。また、液晶パネル100において、TFD220は、データ線212の側に接続され、液晶容量118が走査線312の側に接続されているが、これとは逆に、TFD220が走査線312の側に、液晶容量118がデータ線212の側にそれぞれ接続される構成でも良い。
さらに、TFD220は、二端子型スイッチング素子の一例であり、他に、ZnO(酸化亜鉛)バリスタや、MSI(Metal Semi-Insulator)などを用いた素子のほか、これら素子を2つ逆向きに直列接続または並列接続したものなどを、二端子型スイッチング素子として用いることが可能である。
実施形態では、液晶としてTN型を適用して説明したが、STN型や、分子の長軸方向と短軸方向とで可視光の吸収に異方性を有する染料(ゲスト)を一定の分子配列の液晶(ホスト)に溶解して、染料分子を液晶分子と平行に配列させたゲストホスト型などの液晶を用いても良い。くわえて、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する、という垂直配向(ホメオトロピック配向)の構成としても良いし、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する、という平行(水平)配向(ホモジニアス配向)の構成としても良い。このように、本発明の駆動方法に適合するものであれば、液晶や配向方式として、種々のものを用いることが可能であり、さらには、これらの液晶装置のほかに、プラズマディスプレイなどの電気光学装置にも適用可能である。
さらに、8階調表示に限らず、これによりも低階調の4階調表示としても良いし、これよりも高階調の16、32、64、…、階調としても良い。さらに、R(赤)、G(緑)、B(青)の3画素で1ドットを構成して、カラー表示を行うとしても良い。
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置10を表示装置として有する電子機器について説明する。図15は、実施形態に係る電気光学装置10を用いた携帯電話1200の構成を示す斜視部である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した液晶パネル100を備えるものである。なお、電気光学装置10のうち、液晶パネル100以外の構成要素については電話器に内蔵されるので、外観としては現れない。
図16は、液晶パネル100をファインダに適用したデジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。銀塩カメラは、被写体の光像によってフィルムを感光させるのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号を生成・記憶するものである。ここで、デジタルスチルカメラ1300における本体1302の背面には、上述した液晶パネル100が設けられている。この液晶パネル100は、撮像信号に基づいて表示を行うので、被写体を表示するファインダとして機能することになる。また、本体1302の前面側(図13においては裏面側)には、光学レンズやCCDなどを含んだ受光ユニット2304が設けられている。撮影者が液晶パネル100に表示された被写体像を確認して、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・記憶される。
また、このデジタルスチルカメラ1300にあって、ケース1302の側面には、外部表示を行うためのビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。
なお、電気光学装置10が適用される電子機器としては、図15に示される携帯電話や、図16に示されるデジタルスチルカメラの他にも、ノートパソコンや、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示装置として、上述した電気光学装置10が適用可能であることは言うまでもない。そして、いずれの電子機器においても、横クロストークを抑えた高品位の表示が簡易な構成によって実現されることになる。
本発明の実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。 同電気光学装置の構成を示す斜視図である。 同電気光学装置における液晶パネルの構成を示す断面図である。 同電気光学装置における画素の構成を示す部分破断斜視図である。 同電気光学装置における走査線駆動回路の構成を示すブロック図である。 同走査線駆動回路による走査信号の波形を示す図である。 同電気光学装置におけるデータ駆動回路の構成を示すブロック図である。 同データ線駆動回路によるデータ信号の波形を示す図である。 同電気光学装置の画素に印加される各信号の波形を示す図である。 同電気光学装置における表示例を示す図である。 同電気光学装置による横クロストークの抑制を説明するための図である。 データ線駆動回路によるデータ信号の別の波形を示す図である。 別の波形を用いた場合において画素に印加される各信号の波形を示す図である。 同波形を用いた場合における横クロストークの抑制を説明するための図である。 同電気光学装置を用いた携帯電話の構成を示す斜視図である。 同電気光学装置を用いたデジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 従来のデータ線駆動回路によるデータ信号の波形を示す図である。 横クロストークの発生例を示す図である。 横クロストークの原因を説明するための図である。
符号の説明
100…液晶パネル、116…画素、212…データ線、250…データ線駆動回路、312…走査線、350…走査線駆動回路、400…制御回路、500…電圧生成回路

Claims (11)

  1. 複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、
    前記走査線を1水平走査期間毎に順次選択するとともに、選択した走査線に選択電圧を印加する走査線駆動回路と、
    一のデータ線に対し、
    当該データ線と選択走査線との交差に対応する画素を点灯させる点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは逆極性の電圧である点灯電圧、または、当該画素を非点灯にさせるとともに、前記選択電圧との差が前記点灯電圧よりも小さい非点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは同一極性の電圧である非点灯電圧のいずれか一方を前記選択電圧が印加される期間のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって印加した後に、その残余期間にわたって前記点灯電圧または前記非点灯電圧の他方に切り替えるよう、データ信号の電圧を印加するデータ線駆動回路であって、
    前記選択電圧が印加される期間にわたって前記非点灯電圧を最も長く印加すべきオフ階調の画素からなる第1の領域が、それよりも前記選択電圧が印加される期間において前記点灯電圧を印加すべき期間が長い階調の画素からなる第2の領域を背景として表示される場合には、前記選択電圧の印加開始タイミングとは異なるタイミングにて、前記点灯電圧から前記非点灯電圧に切り替えるように前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させるデータ線駆動回路と
    を具備することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  2. 前記走査線駆動回路は、1水平走査期間を分割した前半または後半期間の一方において、選択した走査線に選択電圧を印加し、
    前記データ線駆動回路は、
    一のデータ線に対し、
    前記前半または後半期間の一方のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって点灯電圧または非点灯電圧の一方を、その残余期間にわたって点灯電圧または非点灯電圧の他方を、それぞれ印加し、
    前記前半または後半期間の他方のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって点灯電圧または非点灯電圧の他方を、その残余期間にわたって点灯電圧または非点灯電圧の一方を、それぞれ印加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
  3. 記データ線駆動回路は、選択電圧の印加開始タイミングから所定時間だけ遅延したタイミングにおいて前記非点灯電圧の印加を開始するよう、前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
  4. 前記データ線駆動回路は、
    各階調に対応するとともに、選択電圧が印加される期間において順番に階調制御パルスの供給を受け
    択電圧の印加開始タイミングにて点灯電圧の印加を開始するとともに、前記階調制御パルスのうち、前記オフ階調に対応するものの供給を受けると、点灯電圧から非点灯電圧の印加に切り替えるよう、前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の駆動回路。
  5. 記データ線駆動回路は、選択電圧の終了タイミングから所定時間だけ先行したタイミングにおいて前記非点灯電圧の印加を開始するよう、前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
  6. 前記データ線駆動回路は、
    各階調に対応するとともに、選択電圧が印加される期間において順番に階調制御パルスの供給を受け
    択電圧の印加開始タイミングではすでに点灯電圧を印加しているとともに、前記階調制御パルスのうち、前記オフ階調に対応するものの供給を受けると、非点灯電圧から点灯電圧の印加に切り替えるよう、前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置の駆動回路。
  7. 複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
    前記走査線を1水平走査期間毎に順次選択するとともに、選択した走査線に選択電圧を印加し、
    一のデータ線に対し、
    当該データ線と選択走査線との交差に対応する画素を点灯させる点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは逆極性の電圧である点灯電圧、または、当該画素を非点灯にさせるとともに、前記選択電圧との差が前記点灯電圧よりも小さい非点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは同一極性の電圧である非点灯電圧のいずれか一方を前記選択電圧が印加される期間のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって印加した後に、その残余期間にわたって前記点灯電圧または前記非点灯電圧の他方に切り替えるよう、データ信号の電圧を印加し、かつ、
    前記選択電圧が印加される期間にわたって前記非点灯電圧を最も長く印加すべきオフ階調の画素からなる第1の領域が、それよりも前記選択電圧が印加される期間において前記点灯電圧を印加すべき期間が長い階調の画素からなる第2の領域を背景として表示される場合には、前記選択電圧の印加開始タイミングとは異なるタイミングにて、前記点灯電圧から前記非点灯電圧に切り替えるように前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させる
    ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  8. 複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素と、
    前記走査線を1水平走査期間毎に順次選択するとともに、選択した走査線に選択電圧を印加する走査線駆動回路と、
    当該データ線と選択走査線との交差に対応する画素を点灯させる点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは逆極性の電圧である点灯電圧、または、当該画素を非点灯にさせるとともに、前記選択電圧との差が前記点灯電圧よりも小さい非点灯電圧であって前記1水平走査期間のうちに前記選択走査線に印加される選択電圧とは同一極性の電圧である非点灯電圧のいずれか一方を、選択電圧が印加される期間のうち、当該画素の階調に応じた期間にわたって印加した後に、その残余期間にわたって前記点灯電圧または前記非点灯電圧の他方に切り替えるよう、データ信号の電圧を印加するデータ線駆動回路であって、
    前記選択電圧が印加される期間にわたって前記非点灯電圧を最も長く印加すべきオフ階調の画素からなる第1の領域が、それよりも前記選択電圧が印加される期間において前記点灯電圧を印加すべき期間が長い階調の画素からなる第2の領域を背景として表示される場合には、前記選択電圧の印加開始タイミングとは異なるタイミングにて、前記点灯電圧から前記非点灯電圧に切り替えるように前記オフ階調の画素を駆動するときのデータ信号の電圧を変化させるデータ線駆動回路と
    を具備することを特徴とする電気光学装置。
  9. 前記画素は、
    前記走査線または前記データ線のいずれか一方に一端が接続された二端子型スイッチング素子と、
    前記走査線または前記データ線のいずれか他方と、前記二端子型スイッチング素子の他端に接続された画素電極との間に電気光学物質が挟持された電気光学容量と
    を含むことを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。
  10. 前記二端子型スイッチング素子は、導電体/絶縁体/導電体の構造を有することを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置。
  11. 請求項8乃至10のいずれかに記載の電気光学装置を表示装置として備えることを特徴とする電子機器。
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