JP4649965B2 - 健康度判定装置、及びプログラム - Google Patents

健康度判定装置、及びプログラム Download PDF

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本発明は、被検体となる生体の所定部位を測定対象として画像を撮影し、該画像から取得される所定の特徴量に基づいて、被検体の健康度を判定する装置、及びプログラムに関するものである。
人体の健康度を求める手法は数多存在する。例えば、体温、血圧、脈拍など家庭で簡単に計測できる測定値に基づくもの、定期健診や人間ドック等で実施される血液検査、検尿、心電図或いはX線撮影等の検診結果に基づくもの、さらには高度医療機関で実施されるCTスキャンやMRI等の検診結果に基づくもの等がある。しかし、これらの計測や検診は、人体の状態の一面を評価したり、特定の疾病の有無に関する検査を行ったりするものであって、人体の健康度を総合的に測定(評価)するものとは言えない。
一方、古来の東洋医学には、未病(みびょう)という概念がある。すなわち、健康状態から病気状態へ至る過程は連続的に繋がっており、病気にはその前段階が存在するとの考えの下、そのような前段階を「未病」と捉えるものである。現に、この未病の段階において患者に自己回復力を高める処置を行えば、多くの病気を未然に防ぐことが可能である。しかしながら、未病の状態では患者に自覚症状は表出せず、また西洋医学的な検査でも発見することができないことから、未病状態の的確な検出に際しては東洋医学の見極め手法に依存せざるを得ない。
例えば、東洋医学には「舌診」という診断法がある。この「舌診」は、舌及び苔(舌乳頭)の色や形から、体質や体調の偏りを総合的に診断するもので、上記「未病」をも知見可能な診断法である。舌には全身状態の変化が表れやすく、舌は全身を写す鏡と言われている。すなわち、舌の組織は血管が豊富であり、その表面には角質層が無く粘膜で覆われていることから、舌の色は血液や体液の色を如実に反映する。また、人体の上部消化器官の入口に位置しているため、消化器系の状態も反映することになる。更には、自律神経によって制御されている唾液の分泌量によっても、舌の表面状態は変化する。他面、舌は粘膜質で体表に露出していないことから、日焼けや人種による影響を受けず、普遍的な診断が可能であるという特徴もある。
従来、舌診に関連して、例えば特許文献1〜3に開示された方法が知られている。すなわち、特許文献1には、過去の標準的な舌像(標準舌像)を患者の横に投影し、医師が患者の舌像と前記標準舌像とを比較して診断を行う方法が開示されている。また特許文献2には、ネットワークを介して患者の舌診表より漢方薬の処方を提供する方法が開示されている。さらに特許文献3には、基礎舌像情報と患者舌像情報とを比較し、患者舌像情報に近似する基礎舌像情報を検出して診断支援を行う方法が開示されている。
特許2763989号公報 特開2001−357131号公報 特開2001−314376号公報
しかしながら、舌診は医師、薬剤師、鍼灸師などが自身の診療経験に基づいて目視で行うのが一般的であり、定量化された診断手法は未だ確立されていない。このため診断に主観が介入して個人差が生じ易く、診断結果の体系的な記録や伝達が困難であるという問題があった。また舌診は、舌及び苔の色や形など多次元の判定項目より診断するため、それぞれの判定基準や重み付けが複雑で判り辛く、西洋医学の所見との整合性や新人医師の教育などに不都合を生じているのが現状である。つまり、病気を未然に抑止できる「未病」というカテゴリーがあり、舌診等の「未病」検出手法も存在しながら、客観的な舌診方法並びに健康度判定方法が未整備であることから、東洋医学的診断法が備える優れた診療能力を潜在化させてしまっているのである。
上掲の特許文献1〜3に開示された方法は、医師等が舌の画像を見て診断し、過去の標準的な症例と比較するものであるが、比較項目は各々の医師の経験やノウハウの域を出るものではなく、結局診断に個人差が出てしまう。また、健康度判定基準も数値化されておらず、あいまいさを払拭できない。なお、特許文献3には、舌の色や形などの舌像情報を利用することの開示があるが、過去において蓄積された類似症例の舌画像を抽出するための利用であって、診断には直接的に利用されていない。
本発明は以上のような事情に鑑み、東洋医学の診断法を定量化、客観化し、未病を含めた健康度を総合的、かつ簡便に測定することができる健康度判定装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る健康度判定装置は、被検体となる生体の舌部を含む所定部位を撮像して画像を取得する撮像手段と、前記画像から舌部領域の画像を抽出する領域抽出手段と、前記抽出された舌部領域の画像を、n×m区画の分割画像領域に分割する分割手段と、各分割画像領域の画像データに基づいて、分割画像領域ごとに所定の特徴量の計測値をそれぞれ導出する画像処理部と、同様な計測方法により予め求められた健常体の計測値を統合して得たマハラノビス距離算出のための基準評価値が格納される記憶部と、前記画像処理部で導出された各分割画像領域の計測値を統合して得られたマハラノビス距離算出のための照合評価値と、前記記憶部に格納されている基準評価値とのマハラノビス距離を求めて、被検体の健康度に関する判定情報を出力する演算部とを具備することを特徴とする(請求項1)
この構成によれば、各分割画像領域の画像データからそれぞれ得られる所定の特徴量の計測値を統合することで、一つの尺度に統合された照合評価値が作成される。この照合評価値と、同様な計測方法により予め求められた健常体の計測値を統合して得た基準評価値とのマハラノビス距離を求めることで、被検体となる生体の健康度を表す指標を導出することができる。本発明において、被検体となる生体は代表的には人体であるが、犬や猫などのペット類、牛や豚などの家畜類も被検体とすることができる。
また、生体の舌部を撮像対象とするので、前述の通り東洋医学において既に具現化されている「舌診」の手法を導入して、人体の健康度の判定を行うことができる
また、被検体の健康度に関する判定は、前記照合評価値と基準評価値とのマハラノビス距離の算出により行われる。これにより、前記健康度の判定は、前記算出されたマハラノビス距離が所定の閾値を超過しているか否かに基づいて行われる構成とすることができる。健康な生体集団と疾病を伴う劣性生体集団との区別のような、二群の集団の判別(照合)方法としては、多変量解析による方法が好適である。この多変量解析方法としてマハラノビス距離を用いるので、比較する複数のパラメータ(本発明の場合、各画像領域から得られる複数の計測値)を一元化することができるので、比較する閾値を一つ設定することで、健康度の判定を行うことができる。
また上記構成において、前記特徴量の計測値として、分割された各画像領域の平均輝度値又は/及び平均色度値を用いることができる(請求項2)。この構成によれば、分割された各画像領域から、それぞれ平均輝度値又は/及び平均色度値が特徴量の計測値(多変量解析されるパラメータ群)として抽出される。そして、各画像領域から得られる複数の平均輝度値又は/及び平均色度値を統合することで照合評価値が作成される。
上記構成において、前記撮像手段が、フラッシュ光源付きのデジタルカメラであることが望ましい(請求項3)。この構成によれば、分割された各画像領域から、それぞれ平均輝度値又は/及び平均色度値が特徴量の計測値(多変量解析されるパラメータ群)を容易に抽出することができる。
また上記構成において、前記演算部は、算出されたマハラノビス距離が所定の閾値を超過しているか否かを判定する判定処理部を具備する構成とすることができる(請求項4)。この構成によれば、判定処理部により、予め設定された一つの閾値と比較することで、健康度の判定を行うことができる。
この場合、マハラノビス距離算出部にて算出されたマハラノビス距離に基づいて、疾患部位の特定情報を出力する疾患部位特定部を備え、疾患部位特定部は、前記分割された画像領域の中から、前記マハラノビス距離の値に寄与している領域を抽出する寄与領域抽出部と、前記分割された画像領域と疾患とを関連付けた各種の疾患情報が格納された疾患情報記憶部と、前記寄与領域抽出部による抽出領域情報と、疾患情報記憶部に格納されている疾患情報とを照合することにより、疾患部位に関する特定情報を出力する照合部とを備える構成とすることができる(請求項5)。
前記「舌診」の手法において、舌部の部分的な変色と疾病が存在する臓器とが一定の関連性を有していることが知られている。従って、分割された各画像領域のうち、マハラノビス距離の値に寄与している領域を特定すれば、それは健康な生体集団との相違部位、すなわち疾患部位として特定できることとなる。上記構成によれば、マハラノビス距離の値に寄与している領域が寄与領域抽出部で特定され、この特定された抽出領域情報と疾患情報記憶部に格納されている疾患情報とが照合部により照合されることで、健康な生体集団との相違部位、すなわち疾患部位が特定されることとなる。
本発明の他の局面に係る健康度判定装置の動作プログラムは、所定の画像処理部、記憶部及び演算部を備える健康度判定装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータに、所定の撮像手段により撮像された、被検体となる生体の舌部を含む所定部位に関する画像を取得させるステップと、前記画像から舌部領域の画像を抽出するステップと、前記抽出された舌部領域の画像を、n×m区画の分割画像領域に分割するステップと、各分割画像領域の画像データに基づいて、分割画像領域ごとに所定の特徴量の計測値をそれぞれ導出させるステップと、前記記憶部から、同様な計測方法により予め求められた健常体の計測値を統合して得たマハラノビス距離算出のための基準評価値を読み出すステップと、前記演算部に、前記画像処理部で導出された各分割画像領域の計測値を統合したマハラノビス距離算出のための照合評価値と、前記記憶部から読み出された基準評価値とのマハラノビス距離を求めて、被検体の健康度に関する判定処理をなわせるステップとを実行させることを特徴とする(請求項6)
上記構成において、前記演算部に被検体の健康度に関する判定処理を行なわせるステップとして、出されたマハラノビス距離が所定の閾値を超過しているか否かを判定するステップを含む構成とすることができる(請求項7)。
本発明によれば、生体の所定部位を撮像して得られた画像データに基づき、一定の判定基準で生体の健康度を表す指標が導出されるので、例えば東洋医学の「舌診」の診断法を、客観的に実施することが可能となる。すなわち、カメラ付き携帯電話、デジタルカメラ、PCカメラ等の身近な撮像装置を用いて検査対象部位を撮像し、画像データを取得することで、誰でも所定の健康度判定が簡単且つ客観的に行えるようになる。従って、手軽に健康状態を把握することができ、生活習慣病等の早期発見や疾病予防に寄与することができる。特に、多忙さゆえに通院機会を逸しがちなビジネスマン、医療機関が少ない地方の住人、外出の難しい術後患者や高齢者などの健康診断、健康管理に有効である。さらに、自身の病状を的確に表現できない幼児や痴呆性患者、或いはペットや家畜類の健康管理にも供することが可能である。他面、健康食品や運動プログラム、健康生活習慣などによる改善効果を客観的に評価することが可能となり、それら物品やサービスの開発、販売促進に役立てることもできる。
また、東洋医学において既に具現化されている「舌診」の手法を導入して、人体の健康度の判定を客観的に行うことが可能であり、誰もが容易に「舌診」を行えるようになる。従って、西洋医学では知見できない「未病」状態を客観的に見極めることも可能となる。
また、平均輝度値又は/及び平均色度値は、デジタルカメラ等で撮像された画像データから比較的容易に求めることができるので、既存の撮像装置を用いて健康度判定方法を実施することができる。
また、マハラノビス距離を用いて健康度判定を行うので、分割された各画像領域から得られる複数の計測値を一元化することができ、比較する閾値を一つ設定することで、健康度の判定を行うことができる。
また、生体の所定部位を撮像して得られた画像データに基づき、演算部により一定の判定基準で生体の健康度を表す指標が導出されるので、例えば東洋医学の「舌診」の診断法を、客観的に実施することが可能となる。すなわち、身近な撮像装置を用いて検査対象部位を撮像し、画像データを取得することで、誰でも所定の健康度判定が簡単且つ客観的に行えるようになる。
また、分割された各画像領域の平均輝度値又は/及び平均色度値等を特徴量として抽出する場合に、フラッシュ光の所定部位への照射により、対象部位の色や明るさを明瞭化した上で画像データを取得できる。従って、平均輝度値又は/及び平均色度値等を正確に測定でき、これにより一層正確に健康度判定が行えるようになる。
また、マハラノビス距離算出部で算出されるマハラノビス距離を用いて健康度判定を行うので、分割された各画像領域から得られる複数の計測値を一元化することができ、これにより判定処理部で比較する閾値が一つで済むので、処理を簡素化することができる。
また、健康度の判定だけでなく、疾患部位の特定まで行うことができるので、より一層被検者に有用な情報を提供できる健康度判定装置が実現されるようになる。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態につき説明する。
図1は、本発明にかかる健康度判定装置1(本発明にかかる健康度判定方法を実現するシステム)の一実施形態を示す外観構成図である。この健康度判定装置1は、被検体となる人体(被検者)の舌部T(生体の所定部位)を撮影する撮像手段としてのデジタルカメラ2と、該デジタルカメラ2にて取得された画像データに基づいて、所定の健康度判定に関する処理を実行する処理装置3とから構成されている。
デジタルカメラ2は、撮像レンズ、CCD等の撮像素子、画像処理部及び画像メモリなどを具備するカメラ本体部21と、撮影対象となる舌部Tを所定の色温度の照明光で照射するフラッシュ装置22とから構成されている。
図2は、デジタルカメラ2(フラッシュ装置22)の詳細構造を示す斜視図である。フラッシュ装置22は、近接撮影に適したフラッシュ装置であって、左右対称に配置された二個のフラッシュ光源221a、221bが備えられた二灯式のものである。これらフラッシュ光源221a、221bは、カメラ本体部21の撮影レンズに嵌着されるリング状の固定部222から延出されたアーム223a、223bの先端部分に取り付けられている。このような近接撮影用フラッシュ装置22で撮影時に舌部Tを照明することで、舌の表面に適度な影ができ、舌表面のざらつき感や歯痕の凹凸が識別しやすくなる。
前記アーム223a、223bに対してフラッシュ光源221a、221bは、角度調整部224a、224bを介して取り付けられており、フラッシュ光源221a、221bによる照明光の照射角度が調整可能とされている。実際に舌部Tの撮像を行う場合は、被検者の眼にフラッシュ光が入射しないよう、角度調整部224a、224bにより適宜フラッシュ光源221a、221bの角度設定がなされる。なお、フラッシュ光源221a、221bの発光量は、フラッシュコントローラ23によって調整され、前記フラッシュコントローラ23とフラッシュ光源221a、221bとはカールコード225a、225bにて電気的に接続されている。
処理装置3は、例えばパーソナルコンピュータ等を好適に用いることができ、図1に示す例では、ハードディスク装置等を備えた処理本体部31、操作部としてのキーボード32及びマウス33、CRTやLCD等からなる表示部34を備える構成を例示している。この処理装置3と前記デジタルカメラ2とは、USBケーブル等の通信ケーブルCで接続されることで相互に通信可能とされている。
図3は、健康度判定装置1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。デジタルカメラ2は、前述のフラッシュ装置22(フラッシュ光源221a、221b)及びフラッシュコントローラ23の他、撮影レンズ24、CCD等の撮像素子25、カメラ制御処理部26、メモリ部27及び通信用I/F28を備えて構成されている。
撮影レンズ24は所定数のレンズ群を備え、図示省略のレンズ駆動部によるフォーカスやズーム動作を経て被写体像(舌部T)を撮像素子25へ結像させる。撮像素子25は、例えばRGBフィルタがベイヤー配列されてなるCCDが用いられる。すなわち撮像素子25は、異なる3つの波長帯域(RGB)の光をそれぞれ透過させるフィルタを介して入射される舌部Tの光像を電気信号に変換(光電変換)することで、舌部Tの画像についてのRGBのアナログ画像データを取得する。
カメラ制御処理部26は、カメラ各部の動作制御を行うと共に撮像素子25にて取得された画像データに対して画像処理を施す機能を備える。すなわちカメラ制御処理部26は、各部の動作制御機能として、前記撮影レンズ24をフォーカス駆動又はズーム駆動する駆動制御信号を生成したり、撮像素子25の電荷読み出し制御信号を生成したりする。さらに、被写体である舌部Tが均一な照度で照明されるよう、デジタルカメラ2に備えられている図略の距離センサの情報に基づいて舌部Tまでの距離を算出し、フラッシュ光源221a、221bの発光量に関する制御情報信号をフラッシュコントローラ23に与える機能も備える。これにより、舌部T表面の照度を一定とすることができ、舌部Tの色や明るさ等を正確に撮像(測定)することができるようになる。
またカメラ制御処理部26は、画像処理機能として、撮像素子25にて取得されたRGBのアナログ画像データをA/D変換して得られたデジタル画像データに、黒基準補正、FPN補正、ホワイトバランス調整、色補間及びノイズキャンセルなどの処理を行う。このような画像処理が与えられたRGB画像データは、メモリ部27(又は外部記録媒体)や、後述の処理装置3が備えるRAM361等に保存される。
メモリ部27は、RAMやROM等からなり、前述の通り画像データを一時的に格納すると共に、各種動作プログラムを記憶する。また通信用I/F28は、処理装置3との間の信号伝送動作を実行可能とするインターフェイス部である。
処理装置3は、操作部としてのキーボード32及びマウス33、表示部34の他、制御処理部35、記憶部36、通信用I/F37、及びプリンタ382を備えて構成されている。制御処理部35は、デジタルカメラ2により取得された画像データに対し、領域抽出や画像分割などの必要な画像処理を施すと共に、健康度判定のための所定の演算処理等を行う。記憶部36は、画像データ等を一時的に格納したり、健康度判定に必要な所定のデータを記憶したりする。通信用I/F37は、デジタルカメラ2との間の信号伝送動作を実行可能とするインターフェイス部である。プリンタ382は、健康度判定結果等をペーパー出力するための印刷部である。
図4は、処理装置3の制御処理部35及び記憶部36の機能を詳細に示す機能ブロック図である。制御処理部35は、大別して画像処理部351、健康度判定演算部356(演算部)及び疾患部位特定処理部39を備えている。
画像処理部351は、デジタルカメラ2により取得された舌部Tの画像データに対し、領域抽出や画像分割、さらには特徴量抽出などの必要な画像処理を施す機能部である。ここで、撮影対象とされる舌部Tの組織について簡単に説明しておく。図5は、人体の舌背面(舌表面)の組織を模式的に示す模式図である。舌は全体が粘膜で覆われており、その表面には「舌乳頭」と呼ばれる多数の突起が存在している。
人体の場合、図5に示すように、糸状乳頭、茸状乳頭、葉状乳頭及び有郭乳頭の4種類の舌乳頭が存在する。糸状乳頭は、舌表面の前面に密生する最も数の多い舌乳頭であり、これに剥離細胞や粘膜、細菌などが付着して舌苔を形成する。茸状乳頭は、乳頭先端が茸状に膨大した形状を呈し、前記糸状乳頭間に散在すると共に、舌の先端(舌尖)にかけて数と大きさが共に増大する。また葉状乳頭は左右の舌辺縁の上部(根本部)に、有郭乳頭は舌根部にそれぞれ存在している。舌の内部には毛細血管が多数存在するため、通常は赤みを呈し、これが舌の色となる。なお、舌の中央から先端にかけて存在する糸状乳頭及び茸状乳頭は、三叉神経由来の舌神経と顔面神経由来の鼓索神経の支配を受ける。一方、舌の根本部分に存在する葉状乳頭及び有郭乳頭は、舌咽神経の支配を受ける。
上記画像処理部351は、領域抽出部352、色座標変換部353、画像分割部354及び特徴量計測部355を備えている。領域抽出部352は、デジタルカメラ2により取得された舌部Tを含む撮影画像(画像データ)から、舌部Tに対応する部分の画像(画像データ)を抽出する。すなわち、デジタルカメラ2により舌部Tのみを撮影することは困難であるので、図6(a)に示すように、デジタルカメラ2で顔面Fの下半分を撮影して顔面撮影画像41を取得し、その撮影画像41から、図6(b)に示すように、舌部Tのみを抽出した舌部抽出画像42を生成する。
領域抽出部352は、具体的には顔面撮影画像41の輝度エッジ(画像の中で急激に明るさが変化している部分)に基づいて、舌部Tの輪郭を割り出すことで、舌部Tに相当する画像を抽出する。このような輝度エッジ抽出には、例えば図7に示すようなエッジ抽出フィルタを用いることができる。このエッジ抽出フィルタは、画像から輪郭を抽出する場合に用いられるフィルタであって、1次微分をする時に注目画素の近傍の画素に重み付けをするフィルタである。図7では、3×3画素群においてその中央を注目画素とするとき、注目画素の4つの近傍画素(上下左右の画素)の重みをそれぞれ−1としたフィルタの例を示している。
このようなエッジ抽出フィルタを用い、例えば各画素のグリーン(G)のデータより4近傍の差分を取り、その差分値が所定の閾値αを超える画素を抽出することで、舌部Tの輪郭を形成する輝度エッジが抽出される。すなわち、舌部Tの周囲には、口腔、歯及び舌の影などの起因する輝度差が存在することから、かかる輝度差に基づいて、舌部Tの輪郭を検出するものである。従って、前記閾値αは、舌部Tの周囲の輝度差を検出可能な値に設定される。領域抽出部352は、以上のようなエッジ抽出処理を施すことで、顔面撮影画像41から舌部Tの領域が抽出された舌部抽出画像42を生成する。
色座標変換部353は、デジタルカメラ2で取得された舌部Tの固有的な画像データ(舌部抽出画像42)を、標準的な画像データに変換する処理を行う。デジタルカメラ2により取得された画像は、光源の性質(フラッシュ光源221a、221bの光の性質)や撮像素子25の分光感度が反映された固有のRGBデータにて構成されている。そこで色座標変換部353は、このような固有のRGBデータを、所定の回帰式を用いて例えば国際照明委員会で規格化されているXYZ(Yxy)色度座標に変換する処理を行う。
具体的には、色座標変換部353は、予め求められた所定の変換行列式に、実際に撮影された舌部TのRGBデータを代入して乗ずることで、XYZ色度値を算出する処理を行う。前記変換行列式は、例えば次の手順で予め求められる。すなわち、前記XYZ色度値が既知である複数の色票(カラーチャート)を用い、フラッシュ光源221a、221bを発光させてデジタルカメラ2により前記色票を撮影し、この撮影画像のRGBデータを記録する。そして、撮影画像のRGBデータと色票との関係から、次の(1)式における3×3行列(変換行列)の要素a11〜a33を求める。
Figure 0004649965
ここでは、色票のXYZ色度値とデジタルカメラ2のRGBデータとの組み合わせが数多く得られるので、XYZ色度値を目的変量とし、RGBデータを説明変量として、RGBデータから色票のXYZ色度値への変換行列が回帰分析により求められる。かかる変換行列は、例えばROM362等に格納され、実際の撮影時において色座標変換部353により読み出され、上記(1)式の右辺に舌部Tの画像についてのRGBデータが代入され、乗算が行われることでXYZ色度値が求められる。これにより、デジタルカメラ2の固有の特性を排除した、客観的な色データが生成される(舌及び苔の色測定が行われる)ようになる。次の(2)式に、実際の変換行列の一例を示す。
Figure 0004649965
なお、舌部Tの画像についてのRGBデータを、上記(2)式の2次の項(R*B、R*G、G*B)まで求めるようにすると、推定の精度を向上させることができるので好ましい。また、検査対象部位が舌部Tに限定されている場合は、上記変換行列を求めるにあたり、前記色票に代えて実際の舌を撮影するようにしても良い。
画像分割部354は、前記領域抽出部352にて抽出された舌部Tの領域を、所定の複数領域に分割する処理を行う。この分割手法については特に限定はなく、舌部Tの画像を複数の領域に分割するものであれば良い。例えば図8(a)に示すように、舌部Tの領域に内接する正方形領域43の画像を切り出し、これを図8(b)に示すように、縦8×横8のブロックに区画し、矩形状の(1)〜(64)からなる64個の分割画像領域431に分割することができる。なお、前記画像の切り出しを行わず、舌部Tの全領域を対象として分割画像を生成するようにしても良い。
特徴量計測部355は、前記画像分割部354により分割された各画像領域431から、それぞれの領域における画像データ(ここではXYZ色度値又はRGBデータ)を読み出し、64個の分割画像領域431毎に特徴量の計測値を導出する。この特徴量は、例えば個々の分割画像領域431内におけるRGBデータの平均値(平均輝度値)、或いはXYZ色度値の平均値(平均色度値)とすることができる。また、RGBデータ或いはXYZ色度値の度数分布を求め、そのピークポイント、最大値、最小値、分散度などのデータ分布の特徴を示す値であっても良い。上記の場合、特徴量計測部355は、前記平均値を求める演算、若しくは前記分布度数に基づくピークポイント、最大値、最小値、分散度を求める演算を行うこととなる。
上記特徴量は、分割画像領域431内におけるエッジ量等の周波数成分を表す特徴量であっても良い。この場合、前述の図7に示したようなエッジ抽出フィルタを用い、各分割画像領域431内を走査して、演算結果の総和(エッジ量の存在度合い)を求める演算が特徴量計測部355において行われる。以上のようにして、分割画像領域431毎に所定の特徴量に関する64個の計測値が求められ、かかる計測値は、後述のマハラノビス距離算出部357におけるマハラノビス距離の算出において、入力情報として活用されるものである。
次に、健康度判定演算部356は、前記分割画像領域431からそれぞれ得られる所定の特徴量の計測値を統合して照合評価値を作成し、同様な計測方法により予め求められた健常体の計測値を統合して得た基準評価値と、前記照合評価値とを照合することにより、被検者の健康度を判定する機能部である。この実施形態では、健康度判定演算部356は、マハラノビス距離算出部357と、判定処理部358とを備える構成を例示している。
マハラノビス距離算出部357は、マハラノビス距離を用いて、前記画像処理部351(特徴量計測部355)にて求められた特徴量を多変量解析する。すなわち、被検者の舌部Tに関する特徴量を統合した照合評価値(前記計測値のデータ群)が、同様な計測手法により予め求められた健常者の計測値を統合した基準評価値に比べてどの程度乖離しているかの判別分析のために、マハラノビス距離を算出する。つまり、前記照合評価値と前記基準評価値とを照合する手法として、マハラノビス距離の算出という手段を採る。このことは、健康な人々を母集団として、被検者の健康度を、前記母集団が作る空間の原点からのマハラノビス距離により判定することを意味する。なお、当該マハラノビス距離を用いる方法によれば、特徴量の計測値統合して照合評価値を作成するステップと、該照合評価値と基準評価値とを照合するステップとが同時に行われることとなる。
ここでマハラノビス距離とは、多くの計測項目(この場合、分割画像領域431毎の64個の計測項目)ごとのばらつきや相関関係を考慮して計算される距離の尺度である。いま、母集団の個数をn、計測項目毎のデータの平均値(基準評価値;同様な手法で求められた健常者の計測値)をm、標準偏差をσ、計測項目相互の相関を表す相関行列に対する逆行列の要素をaijとし、計測項目をk(この場合、k=64)とすると、m1、m2、・・・mkの平均値ベクトルが、健常者母集団の作る空間の原点となる。ここで標準偏差のベクトルをσ1、σ2、・・・σk、被検者の計測値(照合評価値;前記特徴量計測部355にて求められる分割画像領域431毎の計測値)をx1、x2、・・・xkとすると、マハラノビス距離Dは、次の(3)式により求められる。
Figure 0004649965
上記(3)式において、母集団空間の全対象であるn個のマハラノビス距離の平均は「1」となる。これにより、健康度を示す尺度の原点と距離の単位が定まることになる。このマハラノビス距離が小さいほど被検者は母集団に近く、すなわち健康であると予測され、一方マハラノビス距離が大きいほど母集団から遠く、すなわち疾病若しくは疾病の前兆(未病)など健康上何らかの問題があると予測される。
判定処理部358は、前記マハラノビス距離算出部357にて算出されたマハラノビス距離が所定の閾値を超過しているか否かを判定することで、健康度に関する所定の判定情報を出力する。前記閾値は、健康度判定の目的等に応じて適宜設定することができるが、本発明者の実験によれば、前記分割画像領域431から抽出する特徴量を平均輝度値とした場合、やや体調が悪い被検者でマハラノビス距離=5、通院を要する被検者でマハラノビス距離=10との結果が得られており、かかる値を目安に前記閾値を設定すれば良い。
以上の通り構成された画像処理部351と健康度判定演算部356とを備える制御処理部35とすれば、所定の健康度判定を行うことができるが、本実施形態では単に健康度の判定を行うだけでなく、疾患部位の特定まで行うべく、制御処理部35に疾患部位特定処理部39が備えられている。
東洋医学には「経絡」の考え方がある。曰く、経絡とは「気」のエネルギーが流れる道筋であり、それが体表に表れる箇所が所謂「ツボ」と呼ばれる部位である。舌の表面にもツボが存在しており、図9に示すように舌先端の舌尖部51には心臓と肺臓、舌中央の舌中部52には脾臓と胃、舌の両側の舌辺部53,53には肝臓と胆嚢、舌の根本の舌根部54には腎臓のツボが存在している。そして何らかの疾患で舌に局部的な異常が表れている場合、その異常箇所と経絡で繋がっている臓器に異常があるものと考えられている。なお西洋医学的には、前記「経絡」は神経の繋がりと解釈されている。前述の通り、舌部Tの表面に存在する各乳頭(図5参照)は、それぞれ異なる神経によって支配されているため、神経系統の異常により、各乳頭に異常が惹起されるものと考えられている。
前記疾患部位特定処理部39は、このような医学的根拠に鑑み、臓器異常が存在するときに上記舌尖部51、舌中部52、舌辺部53及び舌根部54などに局部的に表れる舌の色変化等を検出することで、被検者の疾患部位(疾患の有る臓器、疾患の予兆がある臓器)を特定(予測)するものである。具体的には疾患部位特定処理部39は、前記マハラノビス距離算出部357にて算出されたマハラノビス距離に基づいて、疾患部位の特定情報を出力する機能部であり、該疾患部位特定部39は、寄与領域抽出部391と、照合部392とを備えて構成されている。
寄与領域抽出部391は、前記の分割された画像領域(本実施形態では64個の領域)の中から、前記マハラノビス距離の値に寄与している領域を抽出する。すなわち、マハラノビス距離が所定の閾値以上であると前記判定処理部358にて判定され、被検者に何らかの疾患があると予測される場合に、その算出されたマハラノビス距離の値に寄与している領域(つまり、健常者に比較して舌色や光沢、形が大きく相違している部位)を特定できれば、どの臓器に疾患があるかを予測することができる。このため寄与領域抽出部391は、上記(3)式において、i=jと置いたときの下記(4)式の値を比較し、これが所定の値以上である領域を抽出する。
Figure 0004649965
照合部392は、前記寄与領域抽出部391による抽出領域情報と、後述する疾患情報記憶部364に格納されている疾患情報とを照合することにより、疾患部位に関する特定情報を出力する。すなわち、マハラノビス距離の値に寄与している領域の舌部T上の位置情報と、疾患と舌への異常表出部位との関係を関連付けた情報である疾患情報を照合することで、どの臓器に疾患が存在している可能性が高いかについての判定情報を出力するものである。
記憶部36は、RAM361、ROM362、基準評価値記憶部363及び疾患情報記憶部364を備えている。RAM361は、各種データを一時的に格納するもので、例えば画像処理部351の特徴量計測部355で計測された計測値や、デジタルカメラ2から送られてきた画像データ等を一時的に格納する。ROM362は、各種動作プログラム等を記憶するもので、当該健康度判定装置1を動作させる動作プログラム等が格納される。
基準評価値記憶部363には、上述の画像処理部351において実行されるのと同様な計測方法により予め求められた健常体の計測値を統合して得た基準評価値が格納される。この基準評価値は、前記マハラノビス距離算出部357において上記(3)式に基づいてマハラノビス距離の算出が行われる際に読み出される。
疾患情報記憶部364には、分割された画像領域と疾患とを関連付けた各種の疾患情報が格納される。すなわち、例えば図9に示すような舌部Tの局所的な部位と疾患との関係、つまり疾患と舌への異常表出部位との関係を関連付けた情報である疾患情報が格納される。該疾患情報は、前記照合部392において疾患部位に関する特定情報を求める際に読み出される。
出力処理部381は、健康度判定演算部356の判定処理部358から出力される所定の健康度判定情報、或いは疾患部位特定処理部39の照合部392から出力される所定の疾患部位特定情報を、操作部32,33からの指示に応じて、表示部34或いはプリンタ382において所定のフォーマットで表示或いはプリントさせるためのデータ変換を行うものである。
以上の通り構成された健康度判定装置1の動作について説明する。図10は、健康度判定装置1の動作フローを示すフローチャートである。先ず、デジタルカメラ2により被検者の舌部Tを含む領域を撮像して画像データを取得する(ステップS1)。例えば、図6(a)に示すような顔面撮影画像41に関する画像データが取得される。この画像データは、I/F28、37を介して処理装置3の画像処理部351へ送られる。なお、予めデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等で撮像された舌部Tを含む領域の画像を蓄積するサーバや記録メディア等から、所望の画像データを直接又はインターネット等を介して取得するようにしても良い。
次に、画像処理部351の領域抽出部352により、舌部Tの領域のみを抽出する処理が行われる(ステップS2)。例えば、前記顔面撮影画像41から、図6(b)に示すような、舌部抽出画像42が生成される。そして、色座標変換部353により、デジタルカメラ2により取得された固有のRGBデータを、例えば国際照明委員会で規格化されているXYZ色度座標に変換する処理がなされる(ステップS3)。
その後、画像分割部354により、前記舌部抽出画像42を複数の領域に分割する処理が為される(ステップS4)。例えば図8に示すように、舌部Tの領域に内接する正方形領域43の画像を切り出し、これを縦8×横8のブロックに区画し、矩形状の(1)〜(64)からなる64個の分割画像領域431に分割される。続いて、これら分割画像領域431のそれぞれから、特徴量計測部355により、例えば平均輝度値等の所定の特徴量が計測される(ステップS5)。
次いで、健康度判定演算部356のマハラノビス距離算出部357により、上記ステップS5で求められた分割画像領域毎の計測値(照合評価値)と、基準評価値記憶部363に格納されている健常者の同様な計測値(基準評価値)とを用いて、マハラノビス距離が算出される(ステップS6)。そして判定処理部358により、算出されたマハラノビス距離が、所定の閾値を超過しているか否かに基づいて、健康度に関する判定情報が生成される(ステップS7)。ここで、前記ステップS7で「健康」と判定された場合若しくは疾患部位の特定(予測)を行わない場合(ステップS8でNo)、前記ステップS7で求められた健康度判定情報が出力処理部381を介して表示部34又はプリンタ382等へ出力される(ステップS11)。この場合、インターネット等を介して、ユーザの端末機や携帯電話等に判定情報を配信するようにしても良い。
疾患部位の特定(予測)を行う場合(ステップS8でYes)、疾患部位特定処理部39の寄与領域抽出部391により、前記ステップS6で求められたマハラノビス距離の値に大きく寄与している領域(前記ステップS4で分割された領域のうちの、健常者との際が大きい1又は複数の分割画像領域431)が抽出される(ステップS9)。そして、照合部392により、前記ステップS9で抽出された分割画像領域431と、疾患情報記憶部364に格納されている疾患と舌への異常表出部位との関係を関連付けた情報である疾患情報とを照合することにより、どの臓器に疾患が有るかについての判定情報が生成される(ステップS10)。しかる後、前記ステップS7で求められた健康度判定情報と、前記ステップS10で求められた疾患部位特定情報とが、出力処理部381を介して表示部34又はプリンタ382等へ出力される(ステップS11)。以上により、処理が完了する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば下記(1)〜(8)の変形実施形態を採ることができる。
(1)健康な生体集団と疾病を伴う劣性生体集団との区別のような、二群の集団の判別(照合)方法としては、多変量解析による方法が好適である。この多変量解析方法として、上記実施形態ではマハラノビス距離を用いる方法について例示したが、この他、線形関数を用いる方法、回帰分析を用いる方法などを用いるようにしても良い。
(2)上記実施形態では、画像データから抽出される特徴量、すなわち分割画像領域431から求められる平均輝度値や平均色度値等の特徴量のみを用いるようにしたが、これに加えて、画像データ以外の各種特徴量を加えて、健康度判定を行うようにしても良い。例えば問診票や血液検査結果などの検査項目を加えて、マハラノビス距離を算出するようにしても良い。
(3)撮像手段の撮像部(デジタルカメラ2の撮像素子25)において、RGBの3バンドだけでなく、CMYも含めた4〜6バンドの多バンド数で撮影して画像データを取得するようにしても良い。上述の通り、色座標変換部353では、所定の回帰式を用いてXYZ色度値を推定しているが、バンド数を増やすことで説明変量が増加し、これにより推定精度が向上するようになる。
(4)上記実施形態では、フラッシュ装置22から照射される照明光の下で舌部Tを含む画像を撮影する例について説明したが、照明光として、赤外光や紫外光などの可視光以外の光線を被検者の所定部位に照射した状態で撮影された画像を用いるようにしても良い。これにより、例えば血液中のヘモグロビンは酸素濃度に応じて近赤外光の吸収率に変化が生じることから、血中酸素濃度に基づいた各種の健康度判定が行えるようになる。
(5)複数の分割画像領域431をいくつかのグループに分け、各々のグループから目的の異なる計測値を取得するようにしても良い。例えば東洋医学の診断では、舌の中心部分(図8の舌中部52)に存在する糸状乳頭の色により苔の色を抽出し、また舌の辺縁(図8の舌辺部53)上部にある茸状乳頭の色により舌の色を抽出して、舌診を行っている。従って、分割画像領域431を舌中部52付近の領域グループと、舌辺部53付近の領域グループとに区割りし、これらグループの中から、色度の大きい領域をそれぞれ選択するようにすれば、前記東洋医学の診断手法に基づいた、苔色及び舌色の診断を行えるようになる。
(6)診断対象となる疾病の種別に応じて、計測項目を変えるようにしても良い。すなわち、ある疾病をターゲットとして健康度判定を行う場合は平均色度値を照合評価値とし、別の疾病をターゲットとする場合は、輝度ピーク値やエッジ度数を照合評価値とするというように、疾病により関連深いパラメータを適宜選択して計測項目を定めることが望ましい。また、疾患の表れやすい領域の選択(舌部Tの局部を対象領域とする、或いは舌部以外の領域を対象領域とする等)、その疾患に関して健康度の優れた母集団を採用する等により、測定精度、ひいては健康度判定精度を向上させることができる。
(7)図11に示すように、上記領域抽出部352及び画像分割部354において、舌部Tの領域に外接する正方形領域44の画像を切り出し、該画像を複数の領域に分割するようにしても良い。この場合、舌部Tの周辺に唇、歯、皮膚、髭などが含まれた状態の画像を分割し、所定の特徴量が計測されることとなるが、マハラノビス距離を算出する過程で、母集団のばらつきが大きくなり、結果的に健康度の判定にはさほど影響を与えない。なお、健康度判定の精度向上を目指す場合は、前記正方形領域44のうち、舌部Tの任意の領域を例えば正方形などの領域に再配置した上で、画像分割部354で画像分割を行うようにすれば、舌以外の画像部分の影響を排除できるようになる。
(8)上述の健康度判定装置1としてではなく、該健康度判定装置1が行う判定方法を実行する動作プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。若しくは、処理装置3のハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
本発明にかかる健康度判定装置(本発明にかかる健康度判定方法を実現するシステム)の一実施形態を示す外観構成図である。 上記健康度判定装置で用いられるデジタルカメラの詳細構造を示す斜視図である。 健康度判定装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。 処理装置の制御処理部及び記憶部の機能を詳細に示す機能ブロック図である。 人体の舌背面(舌表面)の組織を模式的に示す模式図である。 顔面撮影画像と、舌部のみを抽出した舌部抽出画像の一例を示す平面図である。 領域抽出部で用いられるエッジ抽出フィルタの一例を示す説明図である。 画像分割部による、舌部の領域を所定の複数領域に分割する処理を説明するための説明図である。 舌部のツボの位置を説明するための平面図である。 本発明にかかる健康度判定装置の動作フローの一例を示すフローチャートである。 舌部抽出画像の他の例を示す平面図である。
1 健康度判定装置
2 デジタルカメラ(撮像手段)
22 フラッシュ装置
221a、221b フラッシュ光源
25 撮像素子
3 処理装置
35 制御処理部
351 画像処理部
352 領域抽出部
353 色座標変換部
354 画像分割部
355 特徴量計測部
356 健康度判定演算部(演算部)
357 マハラノビス距離算出部
358 判定処理部
36 記憶部
363 基準評価値記憶部
364 疾患情報記憶部
39 疾患部位特定処理部
391 寄与領域抽出部
392 照合部
T 舌部

Claims (7)

  1. 被検体となる生体の舌部を含む所定部位を撮像して画像を取得する撮像手段と、
    前記画像から舌部領域の画像を抽出する領域抽出手段と、
    前記抽出された舌部領域の画像を、n×m区画の分割画像領域に分割する分割手段と、
    各分割画像領域の画像データに基づいて、分割画像領域ごとに所定の特徴量の計測値をそれぞれ導出する画像処理部と、
    同様な計測方法により予め求められた健常体の計測値を統合して得たマハラノビス距離算出のための基準評価値が格納される記憶部と、
    前記画像処理部で導出された各分割画像領域の計測値を統合して得られたマハラノビス距離算出のための照合評価値と、前記記憶部に格納されている基準評価値とのマハラノビス距離を求めて、被検体の健康度に関する判定情報を出力する演算部と
    を具備することを特徴とする健康度判定装置。
  2. 前記特徴量の計測値として、各分割画像領域の平均輝度値又は/及び平均色度値が用いられることを特徴とする請求項1に記載の健康度判定装置。
  3. 前記撮像手段が、フラッシュ光源付きのデジタルカメラであることを特徴とする請求項1記載の健康度判定装置。
  4. 前記演算部は、算出されたマハラノビス距離が所定の閾値を超過しているか否かを判定する判定処理部を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の健康度判定装置。
  5. 前記算出されたマハラノビス距離に基づいて、疾患部位の特定情報を出力する疾患部位特定部を備え、
    疾患部位特定部は、
    前記分割された画像領域の中から、前記マハラノビス距離の値に寄与している領域を抽出する寄与領域抽出部と、
    前記分割画像領域と疾患とを関連付けた各種の疾患情報が格納された疾患情報記憶部と、
    前記寄与領域抽出部による抽出領域情報と、疾患情報記憶部に格納されている疾患情報とを照合することにより、疾患部位に関する特定情報を出力する照合部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項4記載の健康度判定装置。
  6. 所定の画像処理部、記憶部及び演算部を備える健康度判定装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータに、
    所定の撮像手段により撮像された、被検体となる生体の舌部を含む所定部位に関する画像を取得させるステップと、
    前記画像から舌部領域の画像を抽出するステップと、
    前記抽出された舌部領域の画像を、n×m区画の分割画像領域に分割するステップと、
    各分割画像領域の画像データに基づいて、分割画像領域ごとに所定の特徴量の計測値をそれぞれ導出させるステップと、
    前記記憶部から、同様な計測方法により予め求められた健常体の計測値を統合して得たマハラノビス距離算出のための基準評価値を読み出すステップと、
    前記演算部に、前記画像処理部で導出された各分割画像領域の計測値を統合したマハラノビス距離算出のための照合評価値と、前記記憶部から読み出された基準評価値とのマハラノビス距離を求めて、被検体の健康度に関する判定処理をなわせるステップと
    を実行させることを特徴とする健康度判定装置の動作プログラム。
  7. 前記演算部に被検体の健康度に関する判定処理を行なわせるステップとして、
    出されたマハラノビス距離が所定の閾値を超過しているか否かを判定するステップを含むことを特徴とする請求項6記載の健康度判定装置の動作プログラム。
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