JP4621525B2 - Euv露光用ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
また、口径が大きいウエハーを使用する場合、露光後のホットプレートなどによる加熱(PEB)における温度のばらつきが、得られるパターンに影響を及ぼすことがわかってきており、このようなPEB温度依存性を改善することが望まれている。
(A)一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、及び、(B)一般式(BI)で表される化合物を含有することを特徴とするEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
R1は、水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子又はペルフルオロ基を表す。
R2は非酸分解性基を表す。
nは0〜4の整数を表す。
一般式(II)において、
R3〜R5は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
X1は水素原子又は有機基を表す。
Ra〜Rcは、各々独立して、アルキル基又はアリール基を表す。但し、Ra〜Rcのうち少なくとも1つは、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を置換基として有する、アルキル基又はアリール基である。また、Ra〜Rcにおけるアルキル基及びアリール基は、対応するアルカン及びアレーンの1気圧における沸点が各々160℃以上となる基である。
X-は、非求核性アニオンを表す。
2.
前記一般式(BI)におけるRa〜Rcのうち少なくとも1つが、対応するアルカン及びアレーンの1気圧における沸点が200℃以上となる、アルキル基又はアリール基であることを特徴とする上記1に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
3.
前記一般式(BI)におけるRa〜Rcのうち少なくとも1つが、シアノ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を置換基として有する、アルキル基又はアリール基であることを特徴とする上記1又は2に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
4.
前記一般式(BI)におけるRa〜Rcが、各々独立して、アリール基であることを特徴とする上記1に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
5.
樹脂(A)がさらに下記一般式(III)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする上記1〜4のいずれか1項に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
R1は、水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子又はペルフルオロ基を表す。
R2は非酸分解性基を表す。
Xは有機基を表す。
nは0≦n≦5の整数、mは0≦m≦5の整数であり、1≦n+m≦5である。
6.
一般式(II)中のX1及び一般式(III)中のXの少なくともいずれかが脂環構造又は芳香環構造を含有することを特徴とする上記5に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
7.
上記1〜6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により形成したレジスト膜。
8.
上記7に記載のレジスト膜をEUV光により露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明は、上記1〜8に記載の構成を有するが、以下その他についても参考のため記載した。
(1)
(A)一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、及び、(B)一般式(BI)で表される化合物を含有することを特徴とするEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
R1は、水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子又はペルフルオロ基を表す。
R2は非酸分解性基を表す。
nは0〜4の整数を表す。
一般式(II)において、
R3〜R5は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
X1は水素原子又は有機基を表す。
Ra〜Rcは、各々独立して、アルキル基又はアリール基を表す。但し、Ra〜Rcにおけるアルキル基及びアリール基は、対応するアルカン及びアレーンの1気圧における沸点が各々160℃以上となる基である。
X-は、非求核性アニオンを表す。
(2)
樹脂(A)がさらに下記一般式(III)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(1)に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
R1は、水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子又はペルフルオロ基を表す。
R2は非酸分解性基を表す。
Xは有機基を表す。
nは0≦n≦5の整数、mは0≦m≦5の整数であり、1≦n+m≦5である。
(3)
一般式(II)中のX1及び一般式(III)中のXの少なくともいずれかが脂環構造又は芳香環構造を含有することを特徴とする上記(2)に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
(4)更にEUV光の照射により酸を発生する、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩の少なくとも一つを含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
さらに界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
(6)
(B)成分のEUV光の作用により酸を発生する化合物として、EUV光の作用により有機スルホン酸を発生する化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
(7)
(B)成分のEUV光の作用により酸を発生する化合物として、さらにEUV光の作用によりカルボン酸を発生する化合物(B2)を含有することを特徴とする上記(6)に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
(8)
さらに溶剤(E)を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
(9)
上記溶剤(E)として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有することを特徴とする上記(8)に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
(10)
上記溶剤(E)として、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを含有することを特徴とする上記(9)に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜をEUV光にて露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型レジスト組成物が含有する樹脂は、一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有するとともに、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(酸分解性樹脂)であり、酸の作用により分解し、水酸基、カルボキシ基などのアルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)を含有する。
R2としての非酸分解性基の具体的な基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、―OC(=O)R2a、―OC(=O)OR2a、−C(=O)OR2a、−C(=O)N(R2b)R2a、―N(R2b)C(=O)R2a、―N(R2a)C(=O)OR2a、−N(R2b)SO2R2a、−SR2a、―SO2R2a、―SO3R2a、又は―SO2N(R2b)R2aを挙げることができる。ここで、R2a及びR2bは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R2としてのシクロアルキル基は、例えば炭素数3〜15個のシクロアルキル基であって、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基を好ましく挙げることができる。
R2としてのアルコキシ基は、例えば炭素数1〜8の上記アルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
X1は水素原子又は有機基を表す。
例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基(但し、−O−第3級アルキルは除く)、アシル基、シクロアルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミドメチルオキシ基、アルキルアミド基、アリールアミドメチル基、アリールアミド基等が挙げられる。
非酸分解性基としては、好ましくはアシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミドオキシ基、アルキルアミド基であり、より好ましくはアシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基である。
非酸分解性基において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基が好ましい。
R11a〜R13aは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。R14aおよびR15aは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。R16aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。尚、R11a、R12a、R13aのうちの2つ、又はR14a、R15a、R16aのうちの2つが結合して環を形成してもよい。
なお、X1には、酸分解性基を有する基を変性により導入することもできる。このようにして、酸分解性基を導入したX1は、例えば、以下のようになる。
−〔C(R17a)(R18a)〕p−CO−OC(R11a)(R12a)(R13a)
R17aおよびR18aは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。pは1〜4の整数である。
R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を示す。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
また、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ヒドロキシ基、オキソ基、アルキルカルボニル基(好ましくは炭素数2〜5)、アルキルカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜5)、アルキルオキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜5)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)等を挙げることができる。
R1及びR2は、一般式(I)におけるR1及びR2と同義である。
Xは有機基を表す。
nは0≦n≦5の整数、mは0≦m≦5の整数であり、1≦n+m≦5である。
mが2〜4のとき、複数のXは、同じでも異なっていても良く、nが2〜4のとき、複数のR2は、同じでも異なっていても良い。
ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
また、樹脂(A)は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
本発明のレジスト組成物は、EUV光の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)として、下記一般式(BI)で表されるスルホニウム化合物(B)(以下、酸発生剤(B)、化合物(B)とも呼ぶ)を含有する。
Ra〜Rcは、各々独立して、アルキル基又はアリール基を表す。但し、Ra〜Rcにおけるアルキル基及びアリール基は、対応するアルカン及びアレーンの1気圧における沸点が各々160℃以上となる基である。
X-は、非求核性アニオンを表す。
Ra〜Rcにおけるアルキル基又はアリール基は、好ましくは、対応するアルカン及びアレーンの1気圧における沸点が180℃以上となる基であり、更に好ましくは190℃以上となる基であり、特に好ましくは200℃以上となる基である。
ここで、沸点が160℃以上のものとは、常温常圧から160℃まで加熱しても沸騰、昇華、溶解、分解等をおこさずに固体又は液体として存在するものを示し、必ずしも沸点をもつ必要はない。即ち、たとえば常圧で160℃以上の温度で沸騰する前に分解する物質も、沸点が160℃以上であるものとする。
Ra〜Rcにおけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等を挙げることができる。
また、アリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
Ra〜Rcとしては好ましくはアリール基である。
これらのうち、好ましい置換基としては、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基があげられ、特に好ましくは、シアノ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
スルホン酸アニオンとしては、アルカンスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
本発明に於いて、他の酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線または放射線の作用により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物の中から適宜に選択して併用することができる。
化合物(B)及び併用する他の酸発生剤の総量の質量比は、通常1/1〜100/1、好ましくは1/1〜10/1である。酸発生剤を併用することにより、露光後のアウトガスおよび現像欠陥がさらに低減される。
また、EUV光の照射によりスルホン酸を発生する化合物(スルホン酸発生剤)とEUV光の照射によりカルボン酸を発生する化合物(カルボン酸発生剤)を併用することも好ましく、この場合、化合物(B)がスルホン酸発生剤であることが好ましい。
R21〜R23としてのアルキル基、アルケニル基又はアリール基は、各々置換基を有していてよく、アルキル基、アルケニル基の置換基の例としては、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)等を挙げることができる。また、アリール基の置換基の例としては、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、ニトロ基、シアノ基、アルキル基(メチル基、エチル基、t-ブチル基、t-アミル基、オクチル基等)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)等を挙げることができる。
R21〜R23は、各々独立に、好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基又は炭素数6〜24のアリール基を表し、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素数6〜15のアリール基である。これらの基は各々置換基を有していてもよい。
R24としてのアルキル基、アルケニル基、アリール基は、置換基を有していてよく、アルキル基、アルケニル基の置換基の例としては、上記R21がアルキル基である場合の置換基の例として挙げたものと同じものが挙げられる。アリール基の置換基の例としては、上記R21がアリール基である場合の置換基の例として挙げたものと同じものが挙げられる。
尚、式(BII)のカチオン部の2つ以上が、単結合又は連結基(例えば、−S−、−O−など)により結合し、式(BII)のカチオン部を複数有するカチオン構造を形成してもよい。
本発明においては、含窒素塩基性化合物を用いることが、解像力などの性能向上、保存安定性の向上などの観点から好ましい。
本発明で用いることができる好ましい含窒素塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。式(B)〜(E)は、環構造の一部であってもよい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、アミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
これらの中では、特に炭素数1〜8のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-(n-ブチル)アンモニウムヒドロキシド等)が好ましい。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
本発明においては、界面活性剤類を用いることができ、製膜性、パターンの密着性、現像欠陥低減等の観点から好ましい。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物には必要に応じて、さらに、染料、光塩基発生剤などを含有させることができる。
本発明においては、染料を用いることができる。
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
本発明の組成物に添加できる光塩基発生剤としては、特開平4−151156号、同4−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、同8−146608号、同10−83079号、欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメート等が好適に用いることができる。これらの光塩基発生剤は、レジスト形状などの改善を目的とし添加される。
本発明のレジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。全レジスト成分の固形分濃度として、通常2〜30質量%とすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
合成例1:ポリマー(A−34)の合成
これに水酸化ナトリウム7.7g(0.19モル)/メタノール100ml/水50mlの水溶液を添加し、1時間加熱還流することにより加水分解させた。その後、水200mlを加えて希釈し、塩酸にて中和し白色の樹脂を析出させた。この樹脂を濾別し、水洗・乾燥させた。更にテトラヒドロフラン200mlに溶解し、5Lの超純水中に激しく攪拌しながら滴下、再沈を行った。この再沈操作を3回繰り返した。得られた樹脂を真空乾燥器中で120℃、12時間乾燥し、ポリマー(A−34)を得た。ガスパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量は8800、分子量分散度(Mw/Mn)は1.54であった。また、1Hおよび13C−NMR解析から、p−ヒドロキシスチレン/t−ブチルアクリレートの組成比が75/25であった。
4,4'−チオジフェノール10gをトリフルオロ酢酸40ml中で攪拌し、氷冷下、30%過酸化水素水5.4mlとトリフルオロ酢酸10.8mlを混合した溶液をゆっくり添加した。その後、氷冷下30分攪拌後、室温で1時間攪拌を行った。さらに、反応液を水にあけ、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をアセトニトリルで再結晶し、スルホキシド体4.6gを得た。
スルホキシド体3gをトルエン20ml中で攪拌し、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物3.7mlとノナフルオロブタンスルホン酸2.2mlを添加した。反応液を徐々に室温まで昇温し、1時間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを添加し結晶を析出させ、酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶することにより、トリ(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩 (B1)を3.9g得た。
他の化合物も同様に合成したもの、または市販品を用いた。
〔レジスト組成物の調製〕
表2に示す本発明の樹脂:0.948g(固形分換算)
酸発生剤:0.05g
有機塩基性化合物:0.003g
界面活性剤:0.002g
を下記表2に示す溶剤16.79gに溶解させ、固形分濃度が5.0質量%の溶液を調製した。この溶液を0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過し、ポジ型レジスト液を得た。なお、比較用のレジスト組成物では、必要に応じ本発明以外の樹脂や酸発生剤を用いた。
上記のように調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃90秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.15μmのポジ型レジスト膜を形成した。得られたレジスト膜にEUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜10.0mJの範囲で0.5mJづつ変えながら面露光を行い、さらに110℃、90秒ベークした。その後2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、各露光量での溶解速度を測定し、感度曲線を得た。この感度曲線において、レジストの溶解速度が飽和するときの露光量を感度とし、また感度曲線の直線部の勾配から溶解コントラスト(γ値)を算出した。γ値が大きいほど溶解コントラストに優れている。
EUV光による面露光を行って決定した感度での照射量(mJ/cm2)の2.0倍の照射量を照射し、露光後(後加熱前)の膜厚を測定し、以下の式から、未露光時の膜厚からの変動率を求めた。
膜厚変動率=(未露光時の膜厚−露光後の膜厚)/未露光時の膜厚
露光後、107℃と113℃の温度にて90秒間ホットプレート上で加熱(PEB)した時の、下記式のように感度の差をPEB温度依存性として評価した。この数字が小さいほど優れている。
(PEB温度依存性)=(113℃での感度)−(107℃での感度)
使用した(B)酸発生剤については、構造を一般式(BI)に当てはめた場合にRa〜Rcに対応するアルカン及びアレーン、即ちRa−H、Rb−HおよびRc−Hの1気圧における沸点をあわせて示す。尚、ここでは便宜上、沸点の低いものからRa−H、Rb−H、Rc−Hとした。
B’1:トリフェニルスルホニウム ペンタフルオロベンゼンスルホネート
C−1:トリn−オクチルアミン
C−2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
C−3:2,4,6−トリフェニルイミダゾール
D−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)
D−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
D−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
D−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
E−3:乳酸エチル
a−0: 下記構造、重量平均分子量 8700、分子量分散度 1.54
Claims (8)
- (A)一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、及び、(B)一般式(BI)で表される化合物を含有することを特徴とするEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
R1は、水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子又はペルフルオロ基を表す。
R2は非酸分解性基を表す。
nは0〜4の整数を表す。
一般式(II)において、
R3〜R5は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
X1は水素原子又は有機基を表す。
Ra〜Rcは、各々独立して、アルキル基又はアリール基を表す。但し、Ra〜Rcのうち少なくとも1つは、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を置換基として有する、アルキル基又はアリール基である。また、Ra〜Rcにおけるアルキル基及びアリール基は、対応するアルカン及びアレーンの1気圧における沸点が各々160℃以上となる基である。
X-は、非求核性アニオンを表す。 - 前記一般式(BI)におけるRa〜Rcのうち少なくとも1つが、対応するアルカン及びアレーンの1気圧における沸点が200℃以上となる、アルキル基又はアリール基であることを特徴とする請求項1に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
- 前記一般式(BI)におけるRa〜Rcのうち少なくとも1つが、シアノ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を置換基として有する、アルキル基又はアリール基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
- 前記一般式(BI)におけるRa〜Rcが、各々独立して、アリール基であることを特徴とする請求項1に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
- 一般式(II)中のX1及び一般式(III)中のXの少なくともいずれかが脂環構造又は芳香環構造を含有することを特徴とする請求項5に記載のEUV露光用ポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物により形成したレジスト膜。
- 請求項7に記載のレジスト膜をEUV光により露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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