JP4535037B2 - インジェクタおよび燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
従来より、低回転域での噴霧微粒化や、高回転域での高噴射率化を促進するため、開放される噴孔数を噴射量に応じて変更することができる可変噴孔式の燃料噴射ノズルを備えるインジェクタが公知である。
しかし、従来の可変噴孔式の燃料噴射ノズルによれば、第1ニードルがリフトし第2ニードルの先端側にも燃料が導かれないと、第2噴孔が開放されない。このため、例えば、アイドル運転のように、噴射量が少ない運転状態が続き第1噴孔のみから燃料が噴射される状態が続くと、第2噴孔の内壁や外部開口周縁にデポジットが堆積する。
請求項1に記載のインジェクタは、筒状の第1ニードルと、第1ニードルの内周側に収容され、第1ニードルと同軸方向に移動する第2ニードルと、第1ニードルおよび第2ニードルを軸方向に移動自在に収容するとともに、第1ニードルの先端部により開閉される第1噴孔、および第1噴孔よりも内周側に設けられ、第2ニードルの先端部により開閉される第2噴孔が設けられたボディとを備える。そして、この燃料噴射ノズルでは、第1ニードルが開方向に付勢されるように、第1ニードルの先端側へ燃料を導く第1燃料流路と、第2ニードルが開方向に付勢されるように、第2ニードルの先端側へ燃料を導く第2燃料流路とが形成され、第1燃料流路と第2燃料流路とが常に連通している。
これにより、第2背圧室の燃料の圧力(第2背圧)を操作することで、第2ニードルを単独でリフトさせることが可能になる。このため、要求される噴射量が少ないときでも、第2背圧を操作することで第2噴孔から燃料を噴射することができる。
これにより、従来型のアクチュエータを、大幅に改造することなく第1、第2背圧操作機構として、2個、軸方向に直列配置することにより、インジェクタを構成できる。つまり、本願発明のインジェクタを、従来型のアクチュエータを大幅に改良することなく容易に組み立てることができる。
請求項2に記載のインジェクタは、第1背圧を増減する第1背圧操作機構と、第2背圧を増減する第2背圧操作機構とを備える。そして、第1背圧操作機構と第2背圧操作機構とは、軸方向に並列に配置されている。
これにより、軸方向の寸法が従来のインジェクタと略同一となるように、本願発明のインジェクタを組み立てることができる。
請求項3に記載のインジェクタは、第1背圧室の流出口を開閉する第1弁体、および通電を受けて第1背圧室の流出口を開放する方向に第1弁体を変位させる第1ソレノイドコイルを有し、第1背圧を増減する第1背圧操作機構と、第2背圧室の流出口を開閉する第2弁体、および通電を受けて第2背圧室の流出口を開放する方向に第2弁体を変位させる第2ソレノイドコイルを有し、第2背圧を増減する第2背圧操作機構とを備える。そして、第1弁体および第2弁体のいずれか一方の弁体が筒状に設けられ、他方の弁体が一方の弁体の内周に摺動自在に配置されている。
これにより、軸方向の寸法が従来のインジェクタと略同一となるように、本願発明のインジェクタを組み立てることができる。また、第1、第2弁体は、互いに摺動自在に組み込まれるため同軸度が安定する。
請求項4に記載のインジェクタによれば、第1燃料流路と第2燃料流路とは、第1ニードルの内周面と第2ニードルの外周面とで形成されるニードル間流路、および第1ニードルの外周側と第1ニードルの内周側とを連通するように設けられた第1ニードル貫通流路により、常に連通している。
これにより、第1燃料流路と第2燃料流路とを簡便に連通させることができる。
請求項5に記載の燃料噴射装置は、請求項1〜請求項3の内のいずれか1つに記載のインジェクタと、第1噴孔のみから燃料が噴射される期間が、所定時間よりも長くなったときに、第2背圧操作機構に指令して第2ニードルを開方向にリフトさせる制御手段とを備える。
これにより、第2噴孔の内壁や外部開口周縁にデポジットが堆積したか否かの判断を簡便に行って、デポジットの堆積を防止したり、堆積したデポジットを除去したりすることができる。
請求項6に記載のインジェクタによれば、第1背圧操作機構は、第1背圧室の流出口を開閉する第1弁体、および通電を受けて第1背圧室の流出口を開放する方向に第1弁体を変位させる第1ソレノイドコイルを有し、第2背圧操作機構は、第2背圧室の流出口を開閉する第2弁体、および通電を受けて第2背圧室の流出口を開放する方向に第2弁体を変位させる第2ソレノイドコイルを有する。そして、第1ソレノイドコイルおよび第2ソレノイドコイルは、軸方向の断面形状が楕円環状である。
この手段によれば、アクチュエータとして電磁アクチュエータが採用されている。そして、第1、第2ソレノイドコイルの軸方向の断面形状を楕円環状に設けることにより、第1、第2ソレノイドコイルを形成する導線を長くすることができるので、第1、第2弁体に作用する磁気吸引力を強化できる。
請求項7に記載のインジェクタによれば、第1ソレノイドコイルおよび第2ソレノイドコイルの内で、一方の弁体を変位させる一方のソレノイドコイルが、他方の弁体を変位させる他方のソレノイドコイルよりも先端側に配置されている。
これにより、第1、第2弁体を、確実に個別に駆動することができる。
参考例1の燃料噴射ノズル1(以下、ノズル1とする)、およびノズル1を備える燃料噴射装置2の構成を、図1を用いて説明する。
なお、以下の説明では、ノズル1内において、第1シート部19よりも燃料の流れ方向の上流側の燃料流路を第1燃料流路16とする。
参考例1のノズル1および燃料噴射装置2の作用を、図2ないし図4を用いて説明する。まず、第1噴孔14のみが開放されて燃料が噴射される場合の作用を、図2を用いて説明する。
まず、時間t1において、第1ソレノイドコイル36への通電が開始すると、第1弁体35が開方向へ変位する。これにより、第1背圧室21からの燃料の流出が始まり、第1背圧が低減を開始する。
次に、エンジン運転中に第2噴孔26が閉鎖されている期間が、所定時間よりも長くなり、第2噴孔26のみが開放されて燃料が噴射される場合の作用を、図3を用いて説明する。
まず、時間t1’において、第2ソレノイドコイル40への通電が開始すると、第2弁体39が開方向へ変位する。これにより、第2背圧室31からの燃料の流出が始まり、第2背圧が低減を開始する。
次に、第1、第2噴孔14、26の両方が開放されて燃料が噴射される場合の作用を、図4を用いて説明する。ここで、噴射量が多い場合には、エンジン運転中に第2噴孔26が閉鎖されている期間の長短にかかわらず、第1、第2噴孔14、26の両方が開放される。また、噴射量が少ない場合でも、第1、第2噴孔14、26の両方を開放することもできる。
参考例1のノズル1によれば、第1燃料流路16と第2燃料流路28とが常に連通している。つまり、第1噴孔14のみが開放されていたり、第2噴孔26のみが開放されている場合のみならず、第1、第2噴孔14、26が両方とも開放されている場合や、第1、第2噴孔14、26が両方とも閉鎖されている場合にも、第1燃料流路16と第2燃料流路28とが連通している。
これにより、第1ニードル9がリフトしなくても、常に、第2ニードル10の先端側に、第1ニードル9の先端側に導かれる燃料と略同一の圧力の燃料が導かれる。このため、第1ニードル9に対するのと同様に、第2ニードル10に対しても常に開方向に付勢力を及ぼすことができるので、要求される噴射量が少ないときでも、第2ニードル10をリフトさせて第2噴孔26から燃料を噴射することができる。この結果、第2噴孔26の内壁や外部開口周縁に、デポジットが堆積するのを防止したり、堆積したデポジットを除去したりすることができる。
これにより、第2背圧を操作することで第2ニードル10を単独でリフトさせることが可能になる。このため、要求される噴射量が少ないときでも、第2背圧を操作することで第2噴孔26から燃料を噴射することができる。
これにより、第1ニードル9のリフトと、第2ニードル10のリフトとを完全に独立して制御することができる。このため、第1噴射率と第2噴射率とを合計した全噴射率の推移特性を自在に操作することができる。したがって、例えば、第2シート部27のシート面20への着座と第1シート部19のシート面20への着座との間に時間差が生じないように、全噴射率の推移特性を操作することができる。
これにより、第1燃料流路16と第2燃料流路28とを簡便に連通させることができる。
これにより、第2噴孔26の内壁や外部開口周縁にデポジットが堆積したか否かの判断を簡便に行って、デポジットの堆積を防止したり、堆積したデポジットを除去したりすることができる。
参考例2のノズル1および燃料噴射装置2の構成を、図5を用いて説明する。
まず、参考例2の燃料噴射装置2は、ノズル1と、後記する背圧室52の燃料の圧力(背圧)を増減する背圧操作機構43と、後記する中間室56の燃料の圧力(中間圧)を増減する中間圧操作機構44と、背圧、中間圧操作機構43、44に指令を与えるECU5とを備える。
参考例2のノズル1および燃料噴射装置2の作用を、図6ないし図8を用いて説明する。まず、要求される噴射量が少ない場合に、中間圧を低減させない状態で背圧を低減させることで、従来どおり、第1ニードル9を単独でリフトさせることができる。このように第1ニードル9を単独でリフトさせる場合の作用を、図6および図7を用いて説明する。
以下、図7に示すタイムチャートを用いて作用を説明する。
次に、要求される噴射量が少ない場合に、中間圧を低減させた状態で背圧を低減させることで、第2ニードル10を単独でリフトさせることができる。このように第2ニードル10を単独でリフトさせる場合の作用を、図8を用いて説明する。
なお、この場合には中間圧が低減しているため、第1開弁付勢力F2+F3および第2閉弁付勢力F4+F6+Fs2は、中間圧が低減していない場合に比べて全体的に弱くなる。
参考例2のノズル1によれば、第1、第2ニードル9、10を閉方向に付勢する燃料が流出入する背圧室52と、背圧室52とは別に形成され、第2ニードル10を閉方向に付勢する燃料が流出入する中間室56とが形成されている。
参考例3のノズル1および燃料噴射装置2の構成を、図9を用いて説明する。
まず、参考例3の燃料噴射装置2は、参考例2の燃料噴射装置2と同様に、ノズル1と背圧操作機構43と中間圧操作機構44とECU5とを備える。
参考例3のノズル1によれば、第1後端部47の内周側の中空が第1本体部46の内周側の中空よりも径大に形成されている。このため、中間室56は、第1本体部46と第2後端部50との間に形成され、中間室56の燃料は、第2ニードル10を開方向に付勢するとともに第1ニードル9を閉方向に付勢する。
これにより、中間圧を増大すれば、第1ニードル9はリフトしにくくなり、第2ニードル10はリフトしやすくなる。したがって、この手段によれば、中間圧を増大した後に背圧を低減すれば、第2噴孔26を、第1噴孔14よりも先に開放させることができる。
実施例1のインジェクタ6の構成を、図10を用いて説明する。なお、実施例1のインジェクタ6を構成するノズル1は参考例1のノズル1であり、第1、第2背圧操作機構3、4は、参考例1と同様の機能を具備する。そして、実施例1のインジェクタ6によれば、第1、第2背圧操作機構3、4は、軸方向に直列に配置されている。すなわち、軸方向に先端から後端に向かい、ノズル1、第2背圧操作機構4、第1背圧操作機構3が順次組み込まれてインジェクタ6が構成されている。
実施例1のインジェクタ6によれば、第1、第2背圧操作機構3、4は、軸方向に直列に配置されている。
これにより、従来型のアクチュエータを、大幅に改造することなく第1、第2背圧操作機構3、4として、2個、軸方向に直列配置することにより、インジェクタ6を構成できる。つまり、従来型のアクチュエータを大幅に改良することなく、インジェクタ6を容易に組み立てることができる。
実施例2のインジェクタ6の構成を、図11を用いて説明する。なお、実施例2のインジェクタ6を構成するノズル1は参考例1のノズル1であり、第1、第2背圧操作機構3、4は、参考例1と同様の機能を具備する。そして、実施例2のインジェクタ6によれば、第1、第2背圧操作機構3、4は、軸方向に並列に配置されている。すなわち、ノズル1の後端側に第1、第2背圧操作機構3、4が並列に組み込まれてインジェクタ6が構成されている。
また、第1、第2ソレノイドコイル36、40は、軸方向の断面形状が楕円環状である。
実施例2のインジェクタ6によれば、第1、第2背圧操作機構3、4は、軸方向に並列に配置されている。
これにより、ノズル1を備えるインジェクタ6を、軸方向の寸法が従来品と略同一となるように組み立てることができる。
これにより、第1、第2ソレノイドコイル36、40を形成する導線を長くすることができるので、第1、第2アーマチャ部73、83に作用する磁気吸引力を強化できる。
実施例3のインジェクタ6の構成を、図12を用いて説明する。なお、実施例3のインジェクタ6を構成するノズル1は参考例1のノズル1であり、第1、第2背圧操作機構3、4は、参考例1と同様の機能を具備する。そして、実施例3のインジェクタ6によれば、第1弁体35が筒状に設けられ、第2弁体39が第1弁体35の内周に摺動自在に配置されている。また、第1ソレノイドコイル36が、第2ソレノイドコイル40よりも先端側に配置されている。
実施例3のインジェクタ6によれば、第1弁体35が筒状に設けられ、第2弁体39が第1弁体35の内周に摺動自在に配置されている。
これにより、参考例1のノズル1を備えるインジェクタ6を、軸方向の寸法が従来品と略同一となるように組み立てることができる。また、第1、第2弁体35、39は、互いに摺動自在に組み込まれるため同軸度が安定する。
これにより、第1、第2弁体35、39を、確実に個別に駆動することができる。
実施例1のインジェクタ6によれば、第2背圧操作機構4が第1背圧操作機構3の先端側に配置されていたが、第1背圧操作機構3を第2背圧操作機構4の先端側に配置してもよい。
また、実施例3のインジェクタ6によれば、第1弁体35が筒状に設けられ、第2弁体39が第1弁体35の内周に摺動自在に配置されていたが、第2弁体39を筒状に設け、第1弁体35を第2弁体39の内周に摺動自在に配置してもよい。
3 第1背圧操作機構
4 第2背圧操作機構
5 ECU(制御手段)
6 インジェクタ
9 第1ニードル
10 第2ニードル
11 ボディ
14 第1噴孔
16 第1燃料流路
21 第1背圧室
26 第2噴孔
28 第2燃料流路
29 ニードル間流路
30 第1ニードル貫通流路
31 第2背圧室
35 第1弁体
36 第1ソレノイドコイル
39 第2弁体
40 第2ソレノイドコイル
Claims (7)
- 筒状の第1ニードルと、
この第1ニードルの内周側に収容され、前記第1ニードルと同軸方向に移動する第2ニードルと、
前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを軸方向に移動自在に収容するとともに、前記第1ニードルの先端部により開閉される第1噴孔、およびこの第1噴孔よりも内周側に設けられ、前記第2ニードルの先端部により開閉される第2噴孔が設けられたボディとを備えたインジェクタにおいて、
前記第1ニードルが開方向に付勢されるように、前記第1ニードルの先端側へ燃料を導く第1燃料流路と、
前記第2ニードルが開方向に付勢されるように、前記第2ニードルの先端側へ燃料を導く第2燃料流路と、
前記第1ニードルを閉方向に付勢する燃料が流出入する第1背圧室と、
この第1背圧室とは別に形成され、前記第2ニードルを閉方向に付勢する燃料が流出入する第2背圧室とが形成され、
前記第1燃料流路と前記第2燃料流路とが常に連通し、
前記第1背圧室の燃料の圧力を増減する第1背圧操作機構と、
前記第2背圧室の燃料の圧力を増減する第2背圧操作機構とを備え、
前記第1背圧操作機構と前記第2背圧操作機構とは、軸方向に直列に配置されていることを特徴とするインジェクタ。 - 筒状の第1ニードルと、
この第1ニードルの内周側に収容され、前記第1ニードルと同軸方向に移動する第2ニードルと、
前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを軸方向に移動自在に収容するとともに、前記第1ニードルの先端部により開閉される第1噴孔、およびこの第1噴孔よりも内周側に設けられ、前記第2ニードルの先端部により開閉される第2噴孔が設けられたボディとを備えたインジェクタにおいて、
前記第1ニードルが開方向に付勢されるように、前記第1ニードルの先端側へ燃料を導く第1燃料流路と、
前記第2ニードルが開方向に付勢されるように、前記第2ニードルの先端側へ燃料を導く第2燃料流路と、
前記第1ニードルを閉方向に付勢する燃料が流出入する第1背圧室と、
この第1背圧室とは別に形成され、前記第2ニードルを閉方向に付勢する燃料が流出入する第2背圧室とが形成され、
前記第1燃料流路と前記第2燃料流路とが常に連通し、
前記第1背圧室の燃料の圧力を増減する第1背圧操作機構と、
前記第2背圧室の燃料の圧力を増減する第2背圧操作機構とを備え、
前記第1背圧操作機構と前記第2背圧操作機構とは、軸方向に並列に配置されていることを特徴とするインジェクタ。 - 筒状の第1ニードルと、
この第1ニードルの内周側に収容され、前記第1ニードルと同軸方向に移動する第2ニードルと、
前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを軸方向に移動自在に収容するとともに、前記第1ニードルの先端部により開閉される第1噴孔、およびこの第1噴孔よりも内周側に設けられ、前記第2ニードルの先端部により開閉される第2噴孔が設けられたボディとを備えたインジェクタにおいて、
前記第1ニードルが開方向に付勢されるように、前記第1ニードルの先端側へ燃料を導く第1燃料流路と、
前記第2ニードルが開方向に付勢されるように、前記第2ニードルの先端側へ燃料を導く第2燃料流路と、
前記第1ニードルを閉方向に付勢する燃料が流出入する第1背圧室と、
この第1背圧室とは別に形成され、前記第2ニードルを閉方向に付勢する燃料が流出入する第2背圧室とが形成され、
前記第1燃料流路と前記第2燃料流路とが常に連通し、
前記第1背圧室の流出口を開閉する第1弁体、および通電を受けて前記第1背圧室の流出口を開放する方向に前記第1弁体を変位させる第1ソレノイドコイルを有し、前記第1背圧室の燃料の圧力を増減する第1背圧操作機構と、
前記第2背圧室の流出口を開閉する第2弁体、および通電を受けて前記第2背圧室の流出口を開放する方向に前記第2弁体を変位させる第2ソレノイドコイルを有し、前記第2背圧室の燃料の圧力を増減する第2背圧操作機構とを備え、
前記第1弁体および前記第2弁体のいずれか一方の弁体が筒状に設けられ、他方の弁体が前記一方の弁体の内周に摺動自在に配置されていることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載のインジェクタにおいて、
前記第1燃料流路と前記第2燃料流路とは、前記第1ニードルの内周面と前記第2ニードルの外周面とで形成されるニードル間流路、および前記第1ニードルの外周側と前記第1ニードルの内周側とを連通するように設けられた第1ニードル貫通流路により、常に連通していることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載のインジェクタを備えた燃料噴射装置において、
前記第1噴孔のみから燃料が噴射される期間が、所定時間よりも長くなったときに、前記第2背圧操作機構に指令して前記第2ニードルを開方向にリフトさせる制御手段を備えることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項2に記載のインジェクタにおいて、
前記第1背圧操作機構は、前記第1背圧室の流出口を開閉する第1弁体、および通電を受けて前記第1背圧室の流出口を開放する方向に前記第1弁体を変位させる第1ソレノイドコイルを有し、
前記第2背圧操作機構は、前記第2背圧室の流出口を開閉する第2弁体、および通電を受けて前記第2背圧室の流出口を開放する方向に前記第2弁体を変位させる第2ソレノイドコイルを有し、
前記第1ソレノイドコイルおよび前記第2ソレノイドコイルは、軸方向の断面形状が楕円環状であることを特徴とするインジェクタ。 - 請求項3に記載のインジェクタにおいて、
前記第1ソレノイドコイルおよび前記第2ソレノイドコイルの内で、前記一方の弁体を変位させる一方のソレノイドコイルが、前記他方の弁体を変位させる他方のソレノイドコイルよりも先端側に配置されていることを特徴とするインジェクタ。
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