JP4532847B2 - 差動増幅器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力電圧範囲が広く、広範囲な出力電圧範囲が得られるコンプリメンタリ型の差動増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、逆導電型の差動対を有する2つの差動増幅回路と基本的で簡単な出力回路の構成にて出力駆動能力の高いプッシュプル出力とした差動増幅器があった(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このような構成では、例えば無負荷時の状態で入力信号が電源電圧付近までなるような場合、出力トランジスタの一方がオンしにくくなることで電流が流れなくなり、出力が不安定になっていた。差動増幅器又は電圧比較器における入力電圧と比較して電源電圧範囲は広いために動作上問題はなかったが、近年は電源電圧の低電圧化に伴い、電源電圧付近までの入力電圧範囲が要求されている。
【0003】
図4は、入出力範囲が広範囲な差動増幅器の従来例を示した図である。
図4では、極性が異なる2つの差動対を用いることで入力電圧範囲を広くとれ、2つの差動増幅回路101及び102の出力信号をいずれもフォールデッドカスコード回路103により折り返す。更に、フォールデッドカスコード回路103からの各出力信号は、プッシュプル回路構成をなして出力電圧範囲を大きくした出力回路104で合成して出力される。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−148906号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような差動増幅器を使用すれば、所望の入出力電圧範囲の広い特性が得られるが、回路を設計する上で次のような問題がある。フォールデッドカスコード回路において、複数のバイアス電圧Va〜Vdが必要であるため、バイアス電圧発生回路が必要になり、フォールデッドカスコード回路の最適なトランジスタサイズを決めるのが困難である。
【0006】
また、差動増幅回路101,102及びフォールデッドカスコード回路103の電流を決めるのが複雑で難しく、特に、トランジスタサイズが不適当であれば、フォールデッドカスコード回路103内のトランジスタ動作状態が3極間領域及び5極間領域が入り混じった状態になる場合があった。一方、出力回路104においては、広範囲なプッシュプル出力構成を得るようにすれば、図4のPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタの両方を駆動する必要があり、フォールデッドカスコード回路からの出力信号を合成して該PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタの両方を制御するための出力制御回路が必要になる。これらのことから、回路規模が大きくなり、レイアウト面積が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、広電圧範囲の入力が可能で、広電圧範囲の出力が得られるコンプリメンタリ型の差動増幅器を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る差動増幅器は、1対の第1入力端及び第2入力端に対応して入力された第1入力信号及び第2入力信号を差動増幅して所定の出力端から出力する差動増幅器において、
非反転入力端に前記第1入力信号が入力されると共に反転入力端に前記第2入力信号が入力される差動出力型の第1差動増幅回路と、
非反転入力端に前記第1入力信号が入力されると共に反転入力端に前記第2入力信号が入力される差動出力型の第2差動増幅回路と、
前記第1差動増幅回路からの1対の出力信号が対応する入力端に入力されるシングルエンド型の第3差動増幅回路と、
前記第2差動増幅回路からの1対の出力信号が対応する入力端に入力されるシングルエンド型の第4差動増幅回路と、
前記第3差動増幅回路及び該第4差動増幅回路の各出力信号を合成して前記所定の出力端に出力する出力回路と、
を備え、
前記第1差動増幅回路及び第2差動増幅回路の各差動対は逆導電型をなすと共に、前記第3差動増幅回路及び第4差動増幅回路の各差動対は逆導電型をなし、前記第1差動増幅回路及び第3差動増幅回路の各差動対は同導電型をなすと共に、前記第2差動増幅回路及び第4差動増幅回路の各差動対は同導電型をなし、前記第1差動増幅回路及び第2差動増幅回路は、差動対に接続された負荷回路が該差動対をなす各トランジスタにそれぞれ順方向に対応して接続されたダイオードで形成され、前記第3差動増幅回路及び第4差動増幅回路は、差動対に接続された負荷回路がカレントミラー回路を形成してなり、前記第1差動増幅回路は、反転出力端が第3差動増幅回路の反転入力端に接続されると共に非反転出力端が第3差動増幅回路の非反転入力端に接続され、前記第2差動増幅回路は、反転出力端が第4差動増幅回路の反転入力端に接続されると共に非反転出力端が第4差動増幅回路の非反転入力端に接続されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における差動増幅器の構成例を示した図である。
図1において、差動増幅器1は、非反転入力端IN+及び反転入力端IN−に入力された1対の入力信号S1及びS2に対して差動増幅を行い出力端OUTから出力するものであり、差動出力型の第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3、シングルエンド型の第3差動増幅回路4及び第4差動増幅回路5、並びにプッシュプル回路構成をなした出力回路6で構成されている。
【0014】
差動増幅器1の非反転入力端IN+には、第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3の各非反転入力端がそれぞれ接続され、差動増幅器1の反転入力端IN−には、第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3の各反転入力端がそれぞれ接続されている。第1差動増幅回路2において、反転出力端o−は第3差動増幅回路4の反転入力端に接続され、非反転出力端o+は第3差動増幅回路4の非反転入力端に接続されている。同様に、第2差動増幅回路3において、反転出力端o−は第4差動増幅回路5の反転入力端に接続され、非反転出力端o+は第4差動増幅回路5の非反転入力端に接続されている。第3差動増幅回路4及び第4差動増幅回路5の各出力端は出力回路6に接続され、出力回路6の出力端が差動増幅器1の出力端OUTに接続されている。
【0015】
入力された1対の入力信号S1,S2は、第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3の対応する入力端に入力され、入力信号S1,S2の電圧差は第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3でそれぞれ増幅され、第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3の各差動出力信号の電圧差は、対応する第3差動増幅回路4及び第4差動増幅回路5でそれぞれ増幅されて出力回路6にそれぞれ出力される。出力回路6は、第3差動増幅回路4及び第4差動増幅回路5の各出力信号を合成して、出力端OUTに出力し、広い電圧範囲の入力が可能であり、高い利得を得ることができる。
【0016】
図2は、図1の各差動増幅回路の内部構成例を示したブロック図である。
図2において、差動増幅器1は、第1電源電圧V1と第2電源電圧V2を電源として作動している。第1差動増幅回路2は、第1の差動対21、該第1の差動対21に接続された第1の負荷回路22、及び第1の差動対21に電流を供給する第1の定電流源23で構成されている。第1電源電圧V1と第1の差動対21との間に第1の定電流源23が接続され、第2電源電圧V2と第1の差動対21との間に第1の負荷回路22が接続されている。第1の差動対21の各信号入力端は、入力信号S1及びS2が対応して入力されており、第1の差動対21と第1の負荷回路22との各接続部が第1差動増幅回路2の各出力端o+及びo−をそれぞれなしている。
【0017】
第2差動増幅回路3は、第2の差動対31、該第2の差動対31に接続された第2の負荷回路32、及び第2の差動対31に電流を供給する第2の定電流源33で構成されている。第2電源電圧V2と第2の差動対31との間に第2の定電流源33が接続され、第1電源電圧V1と第2の差動対31との間に第2の負荷回路32が接続されている。第2の差動対31の各信号入力端は、入力信号S1及びS2が対応して入力されており、第2の差動対31と第2の負荷回路32との各接続部が第2差動増幅回路3の各出力端o+及びo−をそれぞれなしている。
【0018】
第3差動増幅回路4は、第3の差動対41、該第3の差動対41に接続された第3の負荷回路42、及び第3の差動対41に電流を供給する第3の定電流源43で構成されている。第1電源電圧V1と第3の差動対41との間に第3の定電流源43が接続され、第2電源電圧V2と第3の差動対41との間に第3の負荷回路42が接続されている。第3の差動対41の各信号入力端は、第1差動増幅回路2からの1対の差動出力信号が対応して入力されており、第3の差動対41と第3の負荷回路42との一方の接続部が第3差動増幅回路4の出力端をなし、出力回路6に接続されている。
【0019】
第4差動増幅回路5は、第4の差動対51、該第4の差動対51に接続された第4の負荷回路52、及び第4の差動対51に電流を供給する第4の定電流源53で構成されている。第2電源電圧V2と第4の差動対51との間に第4の定電流源53が接続され、第1電源電圧V1と第4の差動対51との間に第4の負荷回路52が接続されている。第4の差動対51の各信号入力端は、第2差動増幅回路3からの1対の差動出力信号が対応して入力されており、第4の差動対51と第4の負荷回路52との一方の接続部が第4差動増幅回路5の出力端をなし、出力回路6に接続されている。
【0020】
ここで、第1差動増幅回路2及び第3差動増幅回路4は、第1及び第3の各差動対が同導電型であるため、入力信号S1及びS2が第1差動増幅回路2の入力電圧の許容範囲を超えた場合でも、第1差動増幅回路2の差動出力信号は、第3差動増幅回路4の入力電圧の許容範囲となる。同様に、第2差動増幅回路2及び第4差動増幅回路5は、第2及び第4の各差動対が同導電型であるため、入力信号S1及びS2が第2差動増幅回路3の入力電圧の許容範囲を超えた場合でも、第2差動増幅回路3の差動出力信号は、第4差動増幅回路5の入力電圧の許容範囲となる。これらのことから、出力回路6に入力される第3差動増幅回路4及び第4差動増幅回路5の各出力信号は、入力信号S1及びS2が正しく伝わったものとなり、出力回路6で合成されて出力端OUTに出力される。
【0021】
図3は、図2で示した差動増幅器1の回路例を示した図である。
図3において、第1電源電圧V1は、正側電源電圧VDDをなし、第2電源電圧V2は負側電源電圧VSS、例えば接地電圧をなしている。第1差動増幅回路2は、PMOSトランジスタM1,M2、NMOSトランジスタM3,M4及び第1の定電流源23で構成されており、PMOSトランジスタM1及びM2は、第1の差動対21をなし、NMOSトランジスタM3及びM4は第1の負荷回路22をなしている。
【0022】
PMOSトランジスタM1及びM2の各ソースは接続され、該接続部と正側電源電圧VDDとの間に第1の定電流源23が接続されている。PMOSトランジスタM1のドレインと負側電源電圧VSSとの間にはNMOSトランジスタM3が接続され、PMOSトランジスタM2のドレインと負側電源電圧VSSとの間にはNMOSトランジスタM4が接続されている。PMOSトランジスタM1のゲートは差動増幅器1の反転入力端をなし、PMOSトランジスタM2のゲートは差動増幅器1の非反転入力端をなしている。
【0023】
NMOSトランジスタM3のゲートはNMOSトランジスタM3のドレインに接続され、NMOSトランジスタM4のゲートはNMOSトランジスタM4のドレインに接続され、NMOSトランジスタM3及びM4はそれぞれダイオードをなしている。PMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM3の接続部が、第1差動増幅回路2の出力端o+をなし、PMOSトランジスタM2とNMOSトランジスタM4の接続部が、第1差動増幅回路2の出力端o−をなしている。
【0024】
第2差動増幅回路3は、PMOSトランジスタM5,M6、NMOSトランジスタM7,M8及び第2の定電流源33で構成されており、NMOSトランジスタM7及びM8は、第2の差動対31をなし、PMOSトランジスタM5及びM6は第2の負荷回路32をなしている。NMOSトランジスタM7及びM8の各ソースは接続され、該接続部と負側電源電圧VSSとの間に第2の定電流源33が接続されている。
【0025】
正側電源電圧VDDとNMOSトランジスタM7のドレインとの間にはPMOSトランジスタM5が接続され、電源電圧VDDとNMOSトランジスタM8のドレインとの間にはPMOSトランジスタM6が接続されている。NMOSトランジスタM7のゲートは第2差動増幅回路3の反転入力端をなし、NMOSトランジスタM8のゲートは第2差動増幅回路3の非反転入力端をなしている。PMOSトランジスタM5のゲートはPMOSトランジスタM5のドレインに接続され、PMOSトランジスタM6のゲートはPMOSトランジスタM6のドレインに接続され、PMOSトランジスタM5及びM6はそれぞれダイオードをなしている。PMOSトランジスタM5とNMOSトランジスタM7の接続部が第2差動増幅回路3の出力端o+をなし、PMOSトランジスタM6とNMOSトランジスタM8の接続部が、第2差動増幅回路3の出力端o−をなしている。
【0026】
第3差動増幅回路4は、PMOSトランジスタM9,M10、NMOSトランジスタM11,M12及び第3の定電流源43で構成されており、PMOSトランジスタM9及びM10は、第3の差動対41をなし、NMOSトランジスタM11及びM12はカレントミラー回路を形成して第3の負荷回路42をなしている。
【0027】
PMOSトランジスタM9及びM10の各ソースは接続され、該接続部と正側電源電圧VDDとの間に第3の定電流源43が接続されている。PMOSトランジスタM9のドレインと負側電源電圧VSSとの間にはNMOSトランジスタM11が接続され、PMOSトランジスタM10のドレインと負側電源電圧VSSとの間にはNMOSトランジスタM12が接続されている。PMOSトランジスタM9のゲートは第3差動増幅回路4の反転入力端をなし、PMOSトランジスタM10のゲートは第3差動増幅回路4の非反転入力端をなしている。NMOSトランジスタM11及びM12の各ゲートは接続され、該接続部はNMOSトランジスタM11のドレインに接続されている。PMOSトランジスタM10とNMOSトランジスタM12の接続部が第3差動増幅回路4の出力端をなしている。
【0028】
第4差動増幅回路5は、PMOSトランジスタM13,M14、NMOSトランジスタM15,M16及び第4の定電流源53で構成されており、NMOSトランジスタM15及びM16は、第4の差動対51をなし、PMOSトランジスタM13及びM14はカレントミラー回路を形成して第4の負荷回路52をなしている。NMOSトランジスタM15及びM16の各ソースは接続され、該接続部と負側電源電圧VSSとの間に第4の定電流源53が接続されている。
【0029】
正側電源電圧VDDとNMOSトランジスタM15のドレインとの間にはPMOSトランジスタM13が接続され、正側電源電圧VDDとNMOSトランジスタM16のドレインとの間にはPMOSトランジスタM14が接続されている。NMOSトランジスタM15のゲートは第4差動増幅回路5の反転入力端をなし、NMOSトランジスタM16のゲートは第4差動増幅回路5の非反転入力端をなしている。PMOSトランジスタ13及びM14の各ゲートは接続され、該接続部はPMOSトランジスタM13のドレインに接続されている。PMOSトランジスタM14とNMOSトランジスタM16の接続部が、第4差動増幅回路5の出力端をなしている。
【0030】
出力回路6は、PMOSトランジスタM17及びNMOSトランジスタM18で構成されており、正側電源電圧VDDと負側電源電圧VSSとの間にPMOSトランジスタM17及びNMOSトランジスタM18が直列に接続されている。PMOSトランジスタM17のゲートは第4差動増幅回路5の出力端に接続され、NMOSトランジスタM18のゲートは第3差動増幅回路4の出力端に接続されている。PMOSトランジスタM17及びNMOSトランジスタM18の接続部が出力端OUTに接続され、出力回路6はプッシュプル回路をなしている。
【0031】
このような構成において、入力信号S1及びS2は、PMOSトランジスタM1及びM2で構成された第1の差動対21と、NMOSトランジスタM7及びM8で構成された第2の差動対31へそれぞれ入力される。次に、第1差動増幅回路2の差動出力信号N1及びN2は、PMOSトランジスタM9及びM10で構成された第3の差動対41へそれぞれ入力され、第2差動増幅回路3の差動出力信号N3及びN4は、NMOSトランジスタM15及びM16で構成された第4の差動対51へそれぞれ入力される。
【0032】
入力信号S1及びS2は、第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3でそれぞれ差動増幅され、第1差動増幅回路2から差動出力信号N1及びN2が、第2差動増幅回路3から差動出力信号N3及びN4がそれぞれ出力され、次段の対応する第3差動増幅回路4及び第4差動増幅回路5へ対応して入力される。通常、図3で示したように各差動増幅回路2〜4をCMOSトランジスタで構成した場合の入力電圧範囲は、定電流源が持つ電位差と、差動対をなすトランジスタが持つゲートソース間電圧Vgs、負荷回路が持つ電位差によって制約を受ける。
【0033】
したがって、PMOSトランジスタM1及びM2で構成される第1差動増幅回路2とPMOSトランジスタM9及びM10で構成される第3差動増幅回路4は、共にPチャネルトランジスタ差動入力構成であることから、第1差動増幅回路2及び第3差動増幅回路4の各入力電圧範囲は同様の制約を受ける。一方、PMOSトランジスタM1及びM2を有する第1差動増幅回路2の差動出力信号N1及びN2をPMOSトランジスタM9及びM10に対応して入力する。
【0034】
このようにすることにより、Pチャネルトランジスタ差動入力構成において、正側電源電圧VDD付近の電圧が反転入力端IN−及び非反転入力端IN+に入力されても、差動出力信号N1及びN2の電圧は負側電源電圧VSS付近に低下して第3差動増幅回路4の入力電圧の許容範囲となり、PMOSトランジスタM9及びM10を含む第3差動増幅回路4の出力信号N5には、入力信号S1及びS2が正しく伝達された信号となる。
【0035】
同様に、NMOSトランジスタM7及びM8で構成される第2差動増幅回路3とNMOSトランジスタM15及びM16で構成される第4差動増幅回路5は、共にNチャネルトランジスタ差動入力構成であることから、第2差動増幅回路3及び第4差動増幅回路5の各入力電圧範囲は同様の制約を受ける。一方、NMOSトランジスタM7及びM8を有する第2差動増幅回路3の差動出力信号N3及びN4をNMOSトランジスタM15及びM16に対応して入力する。
【0036】
このようにすることにより、Nチャネルトランジスタ差動入力構成において、負側電源電圧VSS付近の電圧が反転入力端IN−及び非反転入力端IN+に入力されても、差動出力信号N3及びN4の電圧は正側電源電圧VDD付近に上昇して第4差動増幅回路5の入力電圧の許容範囲となり、NMOSトランジスタM15及びM16を含む第4差動増幅回路5の出力信号N6には、入力信号S1及びS2が正しく伝達された信号となる。
【0037】
すなわち、出力信号N5は、相対する信号レベルをなす1対の入力信号S1及びS2が第1差動増幅回路2によって差動増幅され、更に第3差動増幅回路4によって増幅された信号となって出力回路6のNMOSトランジスタM18のゲートに入力される。同様に、出力信号N6は、相対する信号レベルをなす1対の入力信号S1及びS2が第2差動増幅回路3によって差動増幅され、更に第4差動増幅回路5によって増幅された信号となって出力回路6のPMOSトランジスタM17のゲートに入力される。
【0038】
PMOSトランジスタM17及びNMOSトランジスタM18はそれぞれオープンドレインであるため、出力回路6は、プッシュプル回路構成となって駆動能力の高い出力回路となる。また、出力端OUTがオープンになる無負荷時において、出力信号N5は、入力信号S1及びS2が正側電源電圧VDDから負側電源電圧VSSの範囲で振幅しても、第1差動増幅回路2及び第3差動増幅回路4を通ることによって負側電源電圧VSS付近にはならない。同様に、出力端OUTがオープンになる無負荷時において、出力信号N6は、入力信号S1及びS2が正側電源電圧VDDから負側電源電圧VSSの範囲で振幅しても、第1差動増幅回路2及び第3差動増幅回路4を通ることによって正側電源電圧VDD付近にはならない。これらのことから、出力端OUTから出力される信号は、電圧範囲の広い入力信号S1及びS2に追従した広電圧範囲の信号になる。
【0039】
また、利得に関しても、第1差動増幅回路2から第4差動増幅回路5及び出力回路6によって高い利得を得ることができ、動作速度に関しても、第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3の各負荷回路22,32を、ダイオード接続したMOSトランジスタで形成するようにしたことから、第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3における入力トランジスタのミラー効果による寄生容量を低減させることができるため、高速動作が可能になる。
【0040】
また、第3差動増幅回路4におけるNMOSトランジスタM12及び第4差動増幅回路5におけるPMOSトランジスタM14をダイオード接続せずにカレントミラー回路を形成するようにした。このことは、第3差動増幅回路4及び第4差動増幅回路5が1出力構成であるシングルエンド型の差動増幅回路であり、出力回路6のPMOSトランジスタM17及びNMOSトランジスタM18を駆動させるためにダイナミックレンジを広げることに起因する。なお、本第1の実施の形態では、図中に位相補償用の容量等は付加しておらず、差動増幅器の使用用途によっては、適切な値の容量を回路内、又は外部に付加することで所望の特性を満足できるようにする。
【0041】
このように、本第1の実施の形態における差動増幅器は、非反転入力端IN+及び反転入力端IN−に、差動出力型の第1差動増幅回路2及び第2差動増幅回路3の各非反転入力端及び各反転入力端が対応して接続され、第1差動増幅回路2の1対の出力端がシングルエンド型の第3差動増幅回路4の相反する入力端に対応して接続され、第2差動増幅回路3の1対の出力端がシングルエンド型の第4差動増幅回路5の相反する入力端に対応して接続され、第3差動増幅回路4及び第5差動増幅回路5の各出力端がプッシュプル回路構成をなす出力回路6に接続されるようにした。このことから、高利得で、電圧範囲の広い相対する信号レベルの1対の入力信号に追従した広電圧範囲の出力信号を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明の差動増幅器によれば、1対の第1入力端及び第2入力端に制御電極がそれぞれ対応して接続された、互いに逆導電型の第1差動増幅回路及び第2差動増幅回路を備え、第1差動増幅回路及び第2差動増幅回路の各差動出力が、逆導電型の第3差動増幅回路及び第4差動増幅回路へ対応して入力され、第3差動増幅回路及び第4差動増幅回路の各出力信号を合成して出力するようにし、具体的には、前記第1差動増幅回路及び第3差動増幅回路の各差動対は同導電型をなすと共に、前記第2差動増幅回路及び第4差動増幅回路の各差動対は同導電型をなすようにした。このことから、広い電圧範囲の入出力が可能であり、利得も高く、簡単な構成でプッシュプル出力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における差動増幅器の構成例を示した図である。
【図2】 図1の各差動増幅回路の内部構成例を示したブロック図である。
【図3】 図2で示した差動増幅器1の回路例を示した図である。
【図4】 従来の差動増幅器の例を示した回路図である。
【符号の説明】
1 差動増幅器
2 第1差動増幅回路
3 第2差動増幅回路
4 第3差動増幅回路
5 第4差動増幅回路
6 出力回路
21 第1の差動対
22 第1の負荷回路
23 第1の定電流源
31 第2の差動対
32 第2の負荷回路
33 第2の定電流源
41 第3の差動対
42 第3の負荷回路
43 第3の定電流源
51 第4の差動対
52 第4の負荷回路
53 第4の定電流源
Claims (1)
- 1対の第1入力端及び第2入力端に対応して入力された第1入力信号及び第2入力信号を差動増幅して所定の出力端から出力する差動増幅器において、
非反転入力端に前記第1入力信号が入力されると共に反転入力端に前記第2入力信号が入力される差動出力型の第1差動増幅回路と、
非反転入力端に前記第1入力信号が入力されると共に反転入力端に前記第2入力信号が入力される差動出力型の第2差動増幅回路と、
前記第1差動増幅回路からの1対の出力信号が対応する入力端に入力されるシングルエンド型の第3差動増幅回路と、
前記第2差動増幅回路からの1対の出力信号が対応する入力端に入力されるシングルエンド型の第4差動増幅回路と、
前記第3差動増幅回路及び該第4差動増幅回路の各出力信号を合成して前記所定の出力端に出力する出力回路と、
を備え、
前記第1差動増幅回路及び第2差動増幅回路の各差動対は逆導電型をなすと共に、前記第3差動増幅回路及び第4差動増幅回路の各差動対は逆導電型をなし、前記第1差動増幅回路及び第3差動増幅回路の各差動対は同導電型をなすと共に、前記第2差動増幅回路及び第4差動増幅回路の各差動対は同導電型をなし、前記第1差動増幅回路及び第2差動増幅回路は、差動対に接続された負荷回路が該差動対をなす各トランジスタにそれぞれ順方向に対応して接続されたダイオードで形成され、前記第3差動増幅回路及び第4差動増幅回路は、差動対に接続された負荷回路がカレントミラー回路を形成してなり、前記第1差動増幅回路は、反転出力端が第3差動増幅回路の反転入力端に接続されると共に非反転出力端が第3差動増幅回路の非反転入力端に接続され、前記第2差動増幅回路は、反転出力端が第4差動増幅回路の反転入力端に接続されると共に非反転出力端が第4差動増幅回路の非反転入力端に接続されることを特徴とする差動増幅器。
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