JP4513045B2 - 放射線画像読取装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、輝尽性蛍光体シートに蓄積された放射線画像情報を読み取る放射線画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院で発生する放射線画像情報をデジタル化して保存・電送するために、画像情報をデジタルデータとして出力する放射線画像読取装置が多く用いられるようになってきた。このようなデジタルデータを出力する放射線画像読取装置として、輝尽性蛍光体シートを利用した放射線画像読取装置が良く知られている。
【0003】
輝尽性蛍光体シートは、被写体を透過した放射線エネルギーの一部を検出すると同時に、輝尽性蛍光体シートの内部に、検出された放射線エネルギーを蓄積することができる。さらに、輝尽性蛍光体シート中に蓄積された放射線エネルギーは、所定の波長のレーザ光で励起することにより輝尽光として取り出すことができる。この輝尽光をフォトマルチプライヤー等の光電変換素子を用いて電気信号として取り出すことができる。
【0004】
一般に、輝尽性蛍光体シートは、カセッテと呼ばれる持ち運び可能な薄型箱状の筐体内に納められて使用される。このような使用形態は、使用者が輝尽性蛍光体シートをカセッテと共に容易に持ち運ぶことができるので、従来使用されていたスクリーン/フィルム系のカセッテと同様な扱いで放射線撮影を行うことができる。
【0005】
輝尽性蛍光体シートの取り扱い方法には、特開平1−237636号公報で示されるように、柔軟性のある輝尽性蛍光体シートをカセッテの中から吸盤等で取り出し、取り出された輝尽性蛍光体シートをローラーで挟み込んで搬送する接触搬送方式が良く知られている。接触搬送方式では輝尽性蛍光体面がローラーで押圧されるため、ローラーに汚れや塵などが付着していた場合、蛍光体面を汚したり傷つけたりして、輝尽性蛍光体シートの寿命を縮めるという致命的欠点がある。また、輝尽性蛍光体面上の傷や汚れは、読み取った画像中でノイズとなって現れるため、診断画像として良質な画像を提供することができなくなる。
【0006】
この接触搬送方式の欠点を解消する方式として、特開平11−160821号公報に示されるような方式が提案されている。この方式は、輝尽性蛍光体シートをリジッドな板状部材に張り付け、板状部材のみに接触する(輝尽性蛍光体面には接触しない)方法で、輝尽性蛍光体シートと板状部材を搬送する。このように、輝尽性蛍光体面に接触することなく輝尽性蛍光体シートを搬送する方式を非接触搬送方式と呼ぶ。
【0007】
この非接触搬送方式では、輝尽性蛍光体面に対して非接触な搬送が約束されるため、輝尽性蛍光体面が汚れたり傷ついたりしない。このため、読み取った画像に輝尽性蛍光体面の汚れや傷に起因するノイズが現れることが無く、また輝尽性蛍光体シートの寿命が長いなどのメリットがあるため、輝尽性蛍光体シートの新たな搬送方法として注目されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非接触搬送方式の場合、一般的に輝尽性蛍光体シートがリジッドな板状部材に張り付けられた状態で搬送する必要があるため、接触搬送方式のように輝尽性蛍光体プレートを有る程度曲げた状態で搬送することが困難である。すなわち、非接触搬送方式では常に直線的な搬送しか実施することができない。
【0009】
非接触搬送方式では、カセッテから輝尽性蛍光体プレートを引き出しながら画像情報を読み取る方法が考えられる。しかしながら、この方法は、読取中に使用者がカセッテに接触すると、接触によって生じた振動が読み取り動作中の輝尽性蛍光体プレートに伝搬し、読み取り画像の中にノイズを発生させるという欠点がある。特に、非接触搬送方式では、輝尽性蛍光体シート面をローラー等で挟み込んで振動を抑制することができないため、接触搬送に比べて輝尽性蛍光体面が振動しやすい。特に輝尽性蛍光体シートを貼り付けてあるリジッドな板状部材は振動を良く伝えるため、さらに好ましくない。従って、非接触搬送方式では、輝尽性蛍光体プレートをカセッテから完全に取り出した後に、画像情報を読み取ることが必要とされる。
【0010】
輝尽性蛍光体シートの大きさは、例えば半切サイズでは、354mm×430mmにも及ぶ。非棲触搬送方式では、この大きさのサイズをカセッテから完全に取り出した後に、曲げることなく搬送することが要求されるので、必然的に装置が大きくなるという欠点がある。例えば、半切サイズのカセッテの場合、カセッテから直線的に輝尽性蛍光体シートを引き出し、そのまま直線搬送を維持しながら画像情報を読み取る場合を想定すると、カセッテ後端から画像読取後の輝尽性蛍光体シート先端までの距離は半切カセッテ3枚分の距離(430mm×3=1290mm)を必要とし、さらに装置構成上必要とされる部品領域や空間を考慮すると、装置がかなり大型化する。
【0011】
このため、特開平11−160821号公報のように、輝尽性蛍光体シートを下方に引き出した後に、水平方向(輝尽性蛍光体シートの面に対して垂直方向)に平行移動する方式が提案されているが、大きなサイズのシートを、精度良く平行移動するための機構は大変複雑でありコストアップとなる。また、大きなサイズのシートを、精度良く平行移動すること自体に無理があるため、根本的に信頼性、安定性が低下するという欠点がある。
【0012】
この発明は、かかる実状に鑑みてなされたもので、非接触搬送方式を採用しつつ、装置サイズが小さく、低コストで信頼性、安定性の高い放射線画像読取装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0014】
請求項1に記載の発明は、『フロント板とバック板が分離可能なカセッテのバック板側に添付された輝尽性蛍光体シートから放射線画像情報を読み取る放射線画像読取装置であって、
前記カセッテを挿入する挿入口と、
前記カセッテのフロント板とバック板を分離する分離手段と、
前記分離手段によって前記フロント板から分離された前記バック板を副走査する副走査手段と、
前記バック板に添付された前記輝尽性蛍光体シートに保持されている放射線画像情報を読み取る読取手段と、
前記輝尽性蛍光体シートに残存する前記放射線画像情報を消去する消去手段と、
前記フロント板と前記バック板を再び合体させる合体手段と、
前記合体手段により合体された前記カセッテを排出するための排出口と、
前記挿入口に挿入されたカセッテを挿入方向に直線搬送し、前記合体手段により合体されたカセッテを排出方向に直線搬送し、前記挿入方向に直線搬送されたカセッテの前記副走査手段への移動及び前記副走査手段から前記排出方向へのカセッテの移動を、該カセッテの挿入先頭側を回転中心とする回転移動を伴って行う搬送手段とを有することを特徴とする放射線画像読取装置。』である。
【0015】
この請求項1に記載の発明によれば、フロント板とバック板が分離可能なカセッテを使用し、このカセッテのフロント板とバック板を分離する分離手段によって分離されたバック板を副走査する副走査手段へ受け渡し、バック板に添付された輝尽性蛍光体シートに保持されている放射線画像情報を読取手段によって読取った後に、消去手段によって輝尽性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去を行い、次に合体手段によってフロント板とバック板を再び合体してからカセッテを排出口へ排出するように構成し、かつ、挿入口と排出口と副走査手段の間のカセッテの移動を、少なくとも回転移動を伴って行われるように構成したので、非接触搬送方式を採用しつつ、装置を小型化することができる。
【0016】
また、挿入口と排出口と副走査手段の間のカセッテの移動を、回転移動を主体に構成したので、平行移動する場合に比べて、機構の移動点が減少し、装置の安定性、信頼性を向上することができる。また機構の部品点数を削減し低コストな装置を構築することができる。また、カセッテの挿入口と排出口を個別に配置したので、使用者が読取前のカセッテと読取後のカセッテを容易に判別することができ、作業の信頼性が向上する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、『前記挿入方向の角度と前記排出方向の角度が等しく、前記挿入口と前記排出口とが同一の開口であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像読取装置。』である。
【0141】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態例を詳細に説明する。図1〜図5は、この発明の放射線画像読取装置で使用するカセッテ1を示す図である。
【0142】
カセッテ1は、分離可能なフロント板10とバック板20より構成される。図1はカセッテ1のフロント板10とバック板20を分離させた時の斜視図、図2はカセッテ1のフロント板10とバック板20を合体させた時の断面図、図3はロック機構の状態を示すカセッテ1の断面図、図4はカセッテ1のロック機構を説明する図、図5はバック板20を裏側(フロント板10と反対側)から見た図である。
【0143】
フロント板10は、フレーム11と前面板13より構成される。フレーム11は、フレーム側面110と、フレーム底面111と、所定の角度の傾斜を持つ傾斜面112と内向面113と、フレーム内面114と、遮光突起115と、挿入穴14と、切り込み15a、15bと、グリップ用凹部16a、16bにより構成される。傾斜面112と遮光突起115は、フレーム11内部に凹部12を形成する。
【0144】
このように、フレーム11に傾斜面112を設けることによって、バック板20がフロント板10と合体する時の位置合わせ精度をラフに設計することができる。すなわち、フレーム11に傾斜面112を設けることによって、バック板20がフロント板10と合体する時の位置が多少ずれても、傾斜面112がバック板20を合体位置まで自動的に導くため、装置側の部品精度や組立精度に対する要求を甘くすることができる。また、装置の輸送時に装置の骨格や機構に微妙な変形が生じても、フロント板10とバック板20の合体作業で不具合を起こす確率を極めて小さくすることができる。
【0145】
フレーム11は、例えばアルミニウムや硬質プラスチックなど、全加重撮影時の大きな加重に耐えうる材質でできていることが好ましく、前面板13は、例えばアルミニウムや炭素繊維強化プラスチックなど、放射線吸収の比較的小さい部材で形成されることが好ましい。
【0146】
カセッテの側面側を開閉したり、カセッテの側面板を引き出したりするタイプのカセッテでは、カセッテ側面の外周を切れ目無い構造で構成できないので、フロント側からの荷重に対して弱い構造となっている。一方、この実施の形態では、フロント板10のフレーム11が前面板13の外周を切れ目無く覆う構造となっているので、撮影中にカセッテ1のフロント板10側からかかる荷重をフレーム11全体で均等に受け止めることできる。このため、フロント板10側からかかる荷重に対して極めて強い構造となっている。
【0147】
バック板20は、バック板本体21、薄板24と、薄板26と、鉛箔25と、支持板27と、輝尽性蛍光体シート28より形成される(その他の機構については後述する)。
【0148】
輝尽性蛍光体シート28は、支持板27に固定されており、支持板27は、両面テープや接着剤などによって張り替え可能な強さで薄板26に接着されている。この実施の形態では、鉛箔25は、薄板24と薄板26でサンドイッチされる形で固定されているが、例えば、鉛箔25を、輝尽性蛍光体シート28と支持板27でサンドイッチされる形で固定しても良い。薄板24は、バック板本体21のリブ214に接着されている。リブ214は空気相23を形成し、カセッテの軽量化に貢献する。このように、輝尽性蛍光体シート28は、バック板本体21と一体構造を形成している。
【0149】
輝尽性蛍光体シート28を交換したい場合は、支持板27ごと薄板26から剥がし取り、その後、新しい輝尽性蛍光体シート28が添付された支持板27を、両面テープや接着剤などによって薄板26に接着すれば良い。鉛箔25は、薄板26によって保護されているので、輝尽性蛍光体シート28を支持板27ごと剥がし取る時に、鉛箔25も一緒に剥がし取られることがない。
【0150】
また、輝尽性蛍光体シート28の交換を容易にするために、支持板27を両面テープや接着剤などによって薄板26に接着するのではなく、磁力によって吸着するように構成しても良い。例えば、支持板27をラバーマグネットで構成するか、支持板27の裏面(輝尽性蛍光体シート28が貼り付けられていない方の面)にラバーマグネットを接着し、一方、薄板26、もしくは薄板26の表面を強磁性体の物質で構成する。このような構成を取れば、輝尽性蛍光体シート28が接着された支持板27を簡単にバック板20から取り外すことができる。また、支持板27の裏面を強磁性体で構成し、薄板26をラバーマグネットで構成するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0151】
バック板本体21は、バック板裏面210と、バック板側面211と、リム212と、内壁213とリブ214によって構成されている。リム212と内壁213は、凹部22を形成する。
【0152】
バック板20とフロント板10を図2のように合体したとき、バック板20の凹部22へフロント板10の遮光突起115が入り込むように作用し、フロント板10の凹部12へバック板20のリム21が入り込むように作用する。このような方法で、外光が輝尽性蛍光体シート28へ到達しないように遮光を行う。フロント板10の凹部12へ例えばビロードやスポンジなどを貼り付けるとさらに遮光性を向上することができる。
【0153】
また、図2に示すように、フロント板10とバック板20が合体した状態で、フロント板10の傾斜面112の先端と、バック板側面211の間にある程度の隙間が生ずるように設計されている。この隙間は、フロント板10とバック板20の合体をスムーズに行うために必要な隙間である。隙間の間隔は0.2〜2mm程度あれば、フロント板10とバック板20の合体を十分スムーズに行うことができる。また、この隙間は、フロント板10とバック板20の製造誤差を吸収する意味でも重要であり、フロント板10とバック板20の合体動作の信頼性と安定性を向上させている。
【0154】
この実施の形態では、上述したような凹部と凸部の組合せによる遮光方法を採用しているため、この隙間から入り込んだ外光が、輝尽性蛍光体シート28まで到達して輝尽性蛍光体をかぶらせる心配は無い。
【0155】
バック板本体21は、図6の磁石54へ磁力で吸着可能なように、強磁性体プラスチックなどで形成することが好ましい。もしくは、バック板本体21を通常のプラスチックで形成し、鉄箔などの強磁性体シート(図示せず)をバック板裏面210に張り付けるように構成しても良い。また、バック板裏面210に、強磁性体物質を塗布する方法などを用いても良い。
【0156】
また、バック板裏面210は、磁石54に吸着された時に、磁石54によって形成される平面にバック板裏面210が従うように設計されている。すなわち、バック板20は、ある程度の剛性を有すると共に、磁石54によって形成される平面に従うことができるだけの柔軟性を有している。このように、バック板20にある程度の柔軟性を持たせることで、例えばバック板20が経年変化や使用状況によって変形したり反ったりしても、磁石54側の平面に従うことでバック板20の変形や反りが矯正される。従って、画像情報読み取り時に輝尽性蛍光体シート28の表面を常に平面に保つことができる。
【0157】
フロント板10側から荷重のかかる撮影(ベッド撮影や全荷重撮影など)が行われると、フロント板10の前面板13がバック板20側に相当量しなる状況が発生する。この時、バック板20の剛性が高すぎるとバック板20が平面性を維持してしまうため、輝尽性蛍光体シート28が、フロント板10とバック板20の双方から相当量押圧されることになり、輝尽性蛍光体を痛めてしまう。上述したように、バック板20が、ある程度の剛性と、ある程度の柔軟性の双方を有していれば、バック板20がフロント板20からの押圧にから逃げる方向に、ある程度しなることができるので、輝尽性蛍光体を痛めることが無くなる。
【0158】
無論、バック板20に必要以上の柔軟性を持たせるべきではない。バック板20に必要以上の柔軟性を持たせると、カセッテ1の耐久性が低下してしまう。また、バック板20に必要以上の柔軟性を持たせると、バック板20の自重によるバック板20の弛み量が大きくなって遮光性で問題が生じたり、撮影時に、輝尽性蛍光体面の平面性に問題が生じたりする。
【0159】
フロント板10とバック板20は、分離可能であるが、通常は図2に示すように合体した状態で放射線撮影などが行われる。
【0160】
次に図3、図4を用いて、カセッテのロック機構について説明する。
【0161】
フロント板10とバック板20を合体した状態に保つために、カセッテ1にはロック機構が用意されている。バック板20の30a、30b、30c、30dは、ロック爪であり、それぞれのロック爪の先端は、ロックON/OFF動作に伴って開口部31a、31b、31c、31dから矢矢印Q1、もしくは、矢印Q2の方向に移動するように構成されている。
【0162】
バック板20の32a、32bは、30a、30b、30c、30dとは別のロック爪である。ロック爪32a、32bは、ロックON/OFF動作に伴って開口部33a、33bの中を矢印Q1、もしくは、矢印Q2の方向にスライドするように構成されている。
【0163】
ロックON状態とは、ロック爪30a、30b、30c、30dの先端がバック板側面211より外側に突出た状態を言う。この時、ロック爪の先端はフロント板10のフレーム内面114と内向面113の間に突入した状態にある。
【0164】
ロックON状態の時の図4の点線U1、U2におけるカセッテ1の断面図を図3(A1a)、(A1b)に示す。
【0165】
ロックON状態では、ロック爪32a、32bの先端は矢印Q1の方向へ移動した状態にある。この時、フロント板10の切り込み15a、15b(フレーム内向面113と傾斜面112に設けられた開口)と、ロック爪32a、32bの位相が合わない状態、すなわち、バック板20がフロント板10から分離できない状態となっている。この時の図4の点線U3、U4におけるカセッテ1の断面図を図3(B1a)、(B1b)に示す。
【0166】
ロックOFF状態とは、ロック爪30a、30b、30c、30dの先端がバック板側面211より内側に入り込んだ状態を言う。この時の図4の点線U1、U2におけるカセッテ1の断面図を図3(A2a)、(A2b)に示す。ロックOFF状態では、ロック爪32a、32bは切り込み15a、15bと位相が合う状態となるため、バック板20がフロント板10から分離できるようになる。この時の図4の点線U3、U4におけるカセッテ1の断面図を図3(B2a)、(B2b)に示す。
【0167】
ロック爪30a、30b、32a、32bは、連結部材35と連動するように構成されている。一方、ロック爪30c、30dは、連結部材36と連動するように構成されている。バネ38aは、その一端が連結部材35に連結されており、他端がバック板本体21に連結されている。このバネ38aにより、連結部材35は常に矢印Q1方向に移動しようとする力を受けている。フロント板10の挿入穴14は、合体時にバック板20の挿入穴34に対応する位置関係に有る。
【0168】
ロックON状態の時に、挿入穴14(挿入穴34)から棒状部材を矢印Pの方向へ1回だけ挿入しプッシュすると、連結部材35が矢印Q2の方向へ所定の距離だけ移動した状態で停止し、図3(A2a)、(A2b)に示すロックOFF状態となる。
【0169】
連結部材35が矢印Q2の方向へ移動すると、連結部材35、連結部材36の先端のラック形状とピニオン37とによってラックとピニオンの動作が起こり、連結部材36も矢印R2の方向へ同じ距離だけ移動して停止する。この時、連結部材35と連動してロック爪32a、32bも矢印Q2の方向へ同じ距離だけ移動して停止し、図3(B2a)、(B2b)に示すロックOFF状態となる。
【0170】
すなわち、ロックON状態の時に、挿入穴14(挿入穴34)から棒状部材を矢印Pの方向へ1回だけ挿入しプッシュすると、ロックOFF状態へと移行し、フロント板10とバック板20が分離可能な状態となる。次に、挿入穴14(挿入穴34)から棒状部材を作用させない限り、このロックOFF状態は継続維持される。
【0171】
ロックOFF状態の時に、挿入穴14(挿入穴34)から棒状部材を矢印Pの方向へ1回だけ挿入しプッシュすると、連結部材35が矢印Q1の方向へ所定の距離だけ移動した状態で停止し、図3(A1a)、(A1b)に示すロックON状態へと移行する。
【0172】
連結部材35が矢印Q1の方向へ移動すると、前述のラックとピニオンの動作が起こり、連結部材36も矢印R1の方向へ同じ距離だけ移動して停止する。この時、ロック爪32a、32bも矢印Q1の方向へ同じ距離だけ移動して、図3(B1a)、(B1b)に示すロックON状態となる。
【0173】
すなわち、ロックOFF状態の時に、挿入穴14(挿入穴34)から棒状部材を矢印Pの方向へ1回だけ挿入しプッシュすると、ロックON状態へと移行し、フロント板10とバック板20が分離不可能な状態となる。次に、挿入穴14(挿入穴34)から棒状部材を作用させない限り、このロックON状態は継続維持される。
【0174】
このように、この実施の形態のカセッテ1では、挿入穴14(挿入穴34)から棒状部材を挿入しプッシュする度に、ロックON状態/ロックOFF状態が切り替わる方式(プッシュ・ラッチ方式)を採用している。プッシュ・ラッチ方式は、ボールペンの芯をボールペン外装から出し入れする時に用いられる機構として良く知られている。プッシュ・ラッチ機構は図4のプッシュ・ラッチ部39内に内包されている。バネ38bはその一端がプッシュ・ラッチ部39に連結されており、他端がバック板本体21に連結されている。このバネ38bによりプッシュ・ラッチ部39は常に矢印Q1方向に移動しようとする力を受けている。
【0175】
フロント板10の切り込み15a、15bとロック爪32a、32bは、カセッテ1の側面側の中心位置C(矢印Cで表される位置)から所定の距離離れた場所に配置してある。切り込み15a、15bとロック爪32a、32bをカセッテ1の側面側の中心位置Cからずらして配置することで(ただし、ロック爪32aと切り込み15aのペアか、ロック爪32bと切り込み15bのペアのいずれか一方のペアが、カセッテ1の側面側の中心位置Cからずらして配置されていれば、他方のペアはカセッテ1の側面側の中心位置C上に配置されていても差し支えない)、バック板20とフロント板10の方向が正しい方向でないと合体しないようになっている。これにより、例えば、使用者がカセッテ内部の清掃や輝尽性蛍光体シート28の張り替えなどの理由でカセッテ1を分離し、作業終了後に再び合体しようとした時、バック板20とフロント板10の方向を誤って合体させる危険性を回避できる。
【0176】
このように、バック板20とフロント板10の方向を誤って合体させる危険性を回避するための機構を、逆入れ防止機構と呼ぶ。
【0177】
また、フロント板10のフレーム11(例えば、フレーム側面110の内面や傾斜面112など)かバック板の外周部(例えば、バック板側面211の外面)のいずれか一方に少なくとも1つの凸部を設け、他方に少なくとも1つの凹部を設け、この凸部と凹部を、フロント板10とバック板20が正しい方向で相対した時のみ合致するように配置することで、簡単に逆入れ防止機構を構築することができる。
【0178】
例えば、バック板側面211の外面にロック爪32a、32bと同様な形状の凸部を設け、フロント板10のフレーム11に切り込み15a、15bと同様な形状の凹部を設け、この凸部と凹部を、ロックOFF状態でのロック爪32a、32b、切り込み15a、15bと同じ位置関係に配置することによって、逆入れ防止機構を構築することができる。
【0179】
また、ロック爪30a、30b、30c、30dだけで(ロック爪32a、32bが無い状態で)ロック機構を構成すると、カセッテ1をフロント板10が垂直方向上側を向くように保持した時、バック板20のロック爪が存在しない辺が、バック板20の自重により、垂直下側に向かって弛んでしまう。このように、ロック爪32a、32bによるロック機構は、バック板20が自重で弛まないための機構(弛み防止機構)を兼ねることができる。
【0180】
ただし、バック板20が自重での弛みが発生しにくい比較的小サイズのカセッテ1については、このような弛み防止機構は必ずしも必要ではない。
【0181】
また、この実施の形態では挿入穴14や挿入穴34を円形形状で表現しているが、これは、挿入穴14や挿入穴34を円形形状に限定するものではない。例えば、コイン等を用いてロック解除ができるように、挿入穴14や挿入穴34の形状を長方形や長穴形状等にしても良い。
【0182】
図5はカセッテ1のバック板20を裏側(フロント板10と反対側)から見た図である。図5(A)はロックON状態、図5(B)はロックOFF状態を示している。ロック状態表示手段203は、連結部材35と連動して動作するようになっており、ロックON状態では、開口部202の下側に存在したロック状態表示手段203は、ロックOFF状態では、開口部202の上側に移動する。ロック状態表示手段203の位置は開口部202によってカセッテ1の外部から観察することができるようになっているので、センサーを用いて外部からカセッテ1のロック状態を監視することができる。このようにカセッテ1のロック状態をセンサーで外部から監視することで、フロント板10とバック板20の分離や合体の際に、カセッテ1のロック機構が正しく動作しているかを確認でき、正しく動作していないときには分離動作や合体動作のリトライを行ったり、所定の表示手段にエラーメッセージを表示することが可能となる。
【0183】
バック板裏面210上の挿入穴34と同じ側には、コード記憶素子200が貼り付けられ(または内包され)ている。クリップ201は、コード記憶素子200の反対側のバック板裏面210上に配置されている。
【0184】
この実施の形態では、コード記憶素子200は、電磁波やマイクロ波などの無線技術を用いて、コード記憶素子200に書き込まれたコードを読み取ることが可能な素子である。電磁波やマイクロ波などの無線技術を用いてコードを読取り可能な素子を使用すると、コード記憶素子200とコード記憶素子200の読取装置の位置関係が多少ずれていてもコード記憶素子200に記録されているコードを精度良く読み取ることができるので便利である。このような素子として、例えば、非接触IDラベル(Sラベル)やタイリスと呼ばれる素子などが使用できる。コード記憶素子200には、輝尽性蛍光体シート28の識別番号(ID番号)や製造年月日、輝尽性蛍光体のバージョン番号、カセッテのサイズを表す番号などがコードとして記録されている。
【0185】
コード記憶素子200は光学的に読み取り可能なパターンが印刷されたシートであっても良い。例えばバーコードラベルなどが良く知られている。
【0186】
コード記憶素子200は図5(A)のようにカセッテ1の搬送幅方向の中心線上に配置するか、図5(B)のようにカセッテ1の搬送幅方向の中心線上から一定の距離Xだけ離れた平行線上に配置するのが良い。Xの値は、カセッテサイズによらず常に一定の値である。
【0187】
コード記憶素子200に書き込まれているコードを、電磁波やマイクロ波などの無線技術を用いて読み取る場合は、コード記憶素子200をバック板裏面210ではなく、バック板20の内部に配置するようにしても良い。読み書きが無線技術によって行われるため、コード記憶素子200がバック板裏面210上に存在する必要はない。この場合、バック板裏面210上に、輝尽性蛍光体シート28の識別番号(ID番号)等を印刷したラベルを貼り付けておくと、視覚的にも認識することができるのでより分かりやすい。
【0188】
さらに、バーコード読取方式と無線技術で読み取る方式を併用すれば、さらに便利である。この場合、バーコードラベルの内容と無線技術で読み取る素子に記録した内容が対応づけられていることが重要である。
【0189】
図6は、この発明の放射線画像読取装置の実施の実施の形態を示す図である。
【0190】
装置本体2にはカセッテの挿入口3と、カセッテの排出口4が用意されている。また、装置本体2は、搬送読取り部2aとカセッテ挿入排出部2bの2つのユニットから成り、カセッテ挿入排出部2bは、搬送読取り部2aから簡単に取り外し可能な構造になっている。また、搬送読取り部2aとカセッテ挿入排出部2bの間には防振ゴム73が配してあり、カセッテ挿入/排出時の振動が搬送読取り部2aへ伝わりにくい防振構造になっている。
【0191】
また、カセッテ挿入排出部2b内の副走査手段50と搬送手段40は、同一の基板71上に構築されている。この基板71と底板70の間に防振ゴム72を配置することで、カセッテ挿入排出部2bの振動を副走査手段50に伝搬させない防振構造を実現している。
【0192】
また、副走査手段50の上端と図示しない装置フレームの間は、防振ゴム74が配してあり、副走査手段50に対する防振構造を強化している。
【0193】
このような防振構造により、搬送読取り部2aで輝尽性蛍光体シート28から画像情報を読み取っている最中に、挿入口3へカセッテを挿入したり、排出口4からカセッテを取り出したり、装置本体2を振動させたりしても、読み取った画像情報中に振動によるノイズが生じるのを防止することができる。
【0194】
また、副走査手段50と搬送手段40が同じ基板71上に構築されているので、後述するように、搬送手段40から副走査手段50へバック板20を受け渡す際に、受け渡し位置がぶれることが無い。これにより、フロント板10とバック板20の分離、合体作業が安定的に精度良く実施できる。
【0195】
次に、この発明の放射線画像読取装置の動作について図6〜図9を用いて説明する。
【0196】
図6に示すように、放射線画像撮影が行われたカセッテ1を矢印A1の方向で挿入口3へ挿入する。この時、挿入穴14が下側になり、かつ、フロント板10の前面板13が斜め下側を向くように挿入する。すなわち、輝尽性蛍光体シート28の読み取り面が斜め下側を向くように挿入する。カセッテ1が挿入口3に挿入されると、カセッテ検出センサー(図示せず)によってカセッテ1の存在が認識され、挿入口3に配置されている幅寄せ手段47によって、カセッテが挿入口3のセンターへ幅寄せされる。
【0197】
カセッテが挿入口3のセンターへ幅寄せされると、バック板裏面210に添付された(若しくはバック板20内に内蔵されている)コード記憶素子200とコード読取手段45の位置が合致し、コード記憶素子200に記録されているコードが、コード読取手段45によって読み取られる。
【0198】
コード読取手段45がコードを読みとれない場合、若しくは識別できないコードを読み取った場合は、
1)カセッテ1が逆さまに挿入された、
2)カセッテ1が裏返しに挿入された、
3)異なるカセッテもしくは異質物が挿入された、
4)コード記憶素子200に記録されているコードが破壊された、
5)コード記憶素子200が貼られていない(若しくは正しい位置にない)、
の何れかと判断し、表示手段80(例えば液晶ディスプレイ)へエラーメッセージを表示し、合わせて警告音を発生する。この時、カセッテ1は、装置本体2へは取り込まれない。
【0199】
コード読取手段45がコードを正確に読みとると、読み取られたコードからカセッテサイズを検出し、搬送手段40の幅を、カセッテサイズに合わせて調整を開始する。すなわち、図7の幅寄せ手段401a、401bが矢印Mの方向に、カセッテ1のサイズに合わせて移動を開始する。
【0200】
次に、挿入ローラー42を動作させてカセッテ1を点線aに沿って矢印A2の方向で装置本体2の中へ取り込む。搬送手段40は、挿入ローラー42が動作した時点には、既に点線aの位置に待機しており、挿入口3から挿入ローラー42によって搬入されるカセッテ1を受け取る。昇降台402(搬送手段40に沿って動作する)上のカセッテグリップ402a、402bがカセッテ1の下端をキャッチすると、昇降台402は搬送手段40に沿って矢印A2の方向へカセッテ1を搬送し、カセッテ1の上端が図7、図8の矢印Zで示される位置で停止するように制御される。
【0201】
図8は、異なるカセッテサイズが、搬送機構40上でどのような位置関係にあるかを示した図である。1Aは半切サイズのカセッテ、1Bは大角サイズのカセッテ、1Cは大四つサイズのカセッテ、1Dは四切りサイズのカセッテ、1Eは六切サイズのカセッテ、1Faは24×30cmサイズのカセッテ、1Fbは24×30cmサイズのマンモ撮影用カセッテ、1Gaは、18×24cmサイズのカセッテ、1Gbは、18×24cmサイズのマンモ撮影用カセッテ、1Hは15×30cmサイズの歯科用カセッテである。全てのカセッテが、そのサイズによらず、カセッテ上端が矢印Zの位置に来るように昇降台402が位置制御される。このように、カセッテ1の上端が搬送手段40の常に同じ場所で止まる様に制御する方法を上側基準制御と呼ぶことにする。
【0202】
上側基準制御の利点は、以下の2点である。
【0203】
1)副走査手段50がバック板20を読取位置Bまで搬送する時間を、カセッテサイズによらず最小にすることができるので、装置の処理能力(スループット)を向上させることができる。
【0204】
2)カセッテサイズによらず、バック板20の上端を副走査移動板53より同じ距離だけ突出させることができるので(図7、図8参照)、後述するような、バック板20の上端や側端の検出を行うことができる。これにより、精度良く輝尽性蛍光体シート28の読み取り領域を決定できる。また、搬送手段40でのカセッテ1の搬送精度や搬送手段40から副走査手段50へのバック板20の受け渡し精度を落として、ラフで安価な機構を構築することが可能となる。
【0205】
無論、下側基準の制御、すなわちカセッテ1の下端が搬送手段40の常に同じ場所で止まるようにカセッテ昇降台402の位置を制御する方法を採用しても良いが、この場合は上述した2つの利点を得ることができなくなる。
【0206】
また、図8の点線Vは、副走査移動板53の中心線である。全てのカセッテの中心が、この副走査移動板53の中心線に合わさるように、幅寄せ手段401a、401bが制御される。これをセンター基準の制御と呼ぶ。
【0207】
通常、フィルムを搬送したり、輝尽性蛍光体シートを搬送する場合、フィルムや輝尽性蛍光体シートを片側に寄せて搬送する片側基準の制御が行われる。この実施の形態の場合、搬送手段40や副走査手段50は様々なサイズのカセッテ1やバック板20を扱わなければならないため、片側基準の制御では、カセッテ1やバック板20の水平方向の重心位置と副走査移動板53や昇降台402の中心が合致せず、副走査や搬送のバランスが崩れてしまう。さらに、カセッテ1やバック板20はフィルムや輝尽性蛍光体シートに比べて相当に重量のある物体であるため、片側基準の制御のバランスの悪さは信頼性、安定性の点で好ましくない。従って、この実施の形態ではセンター基準の制御が好ましい。
【0208】
また、搬送機構40と副走査機構50の間でバック板20を受け渡す際に、カセッテグリップ402a、402bと、副走査移動板53(または磁石54)が干渉するために、これを回避する策として副走査移動板53に干渉回避開口540a、540bを設けてある。片側基準の制御では、干渉回避開口の位置が特定できず、より複雑な機構が必要となるので、この意味でも、この実施の形態ではセンター基準の制御が好ましい。
【0209】
この実施の形態ではセンター基準の制御を採用しているが、上記の問題を回避した片側基準の制御を行ってもこの発明の本質を損なうものではない。
【0210】
カセッテ1が上側基準の制御に従って停止すると、グリップ爪403a、403bの先端が、フロント板側面110上に存在するグリップ用凹部16a、16bのくぼみに挿入され、搬送手段40に対してフロント板10を固定した状態にする。
【0211】
搬送手段40は、回転軸404を有し、この回転軸404を回転中心として、少なくとも点線aから点線cの範囲(角度θの範囲)を自由に回転移動することができる。カセッテ1が搬送機構40によって装置本体2の内部に取り込まれると、搬送機構40は回転軸404を回転中心として点線aの位置から矢印A3の方向に点線Cの位置まで回転移動する。搬送機構40が点線cの位置まで回転移動すると、強磁性体を有するカセッテ1のバック板裏面210が、磁石54に磁力で吸着される。
【0212】
図7は、カセッテ1のバック板裏面210が、磁石54に磁力で吸着された状態を示している。この実施の形態では、六切サイズのカセッテを想定した図である。幅寄せ手段401a、401bが、六切サイズのカセッテ1をセンター基準に合わせ込んでいる。幅寄せ手段401a、401b、及び、カセッテグリップ402a、402b、及び、ロックピン402c、及び、昇降台402は、副走査移動板53と干渉しないように、カセッテ1のバック板裏面210よりも副走査移動板53側に突出しないように設計してある。また、カセッテグリップ402a、402bと、副走査移動板53(または磁石54)の干渉を避けるために、副走査移動板53に干渉回避開口540a、540bを設けてある。
【0213】
昇降台402には、カセッテ1のロック機構をON/OFFするためのロックピン402cが配置してあり、ロックピン402cが上下運動することによって、カセッテ1のロック機構をON/OFFすることができる。また、カセッテ1の上端(上側基準位置Z)は、副走査時にカセッテ1の上端もしくは側端を検出する目的で、カセッテ1の上端が副走査手段50の副走査移動板53よりも上側に突出するように構成されている。
【0214】
副走査手段50は、副走査レール51、副走査可動部52a,52b、副走査移動板53、磁石54より構成される。副走査移動板53は副走査可動部52a,52bに固定されており、図示しない駆動部によって、副走査移動板53が副走査レール51上を上下に移動することができるように構成されている。副走査レール51としては搬送性能が高いリニアガイドやリニアベアリングガイドなどが使用できる。
【0215】
この実施の形態では、磁石54は、所定の面積を有するラバーマグネット(永久磁石)である。ラバーマグネットは、図7のように干渉回避開口540a、540bを有する1枚のシートを副走査移動板53の全面に貼り付けても良いし、ラバーマグネットを所定の枚数に分割して副走査可動部52に貼り付けても良い。また、ラバーマグネットは、任意の形状を取ることができる。また、ラバーマグネットの以外の永久磁石や電磁石を用いてもさしつかえない。
【0216】
磁石54のバック板裏面210を吸着する表面部分は高い平面性を有し、磁石54がバック板裏面210を吸着した時に、バック板裏面210の強磁性体面が磁石54の平面に従うことで、輝尽性蛍光体シート28の読み取り面ができるだけ完全な平面となるように考慮されている。従って、バック板20が変形したり反っていた場合でも、バック板裏面210が、磁石54に吸着された時点で、その変形や反りが矯正され、輝尽性蛍光体シート28の読取面は平面性を確保することができる。
【0217】
バック板20が磁石54に吸着されると、昇降台402内に収納されていたロックピン402cが上昇し、フロント板10の挿入穴14にロックピン402cの先端が挿入される(図7参照)。この動作により、ロックON状態にあったカセッテ1のロックが解除され、ロックOFF状態に移行する。すなわち、バック板20とフロント板10が分離可能な状態となる。カセッテ1がロックOFF状態に移行すると、ロックピン402cが下降し、再び昇降台402内に収納される。
【0218】
カセッテ1のロックが解除され、ロックOFF状態に移行すると、搬送機構40が矢印A6の方向へ回転移動して待避位置(例えば点線bの位置)で停止する。この操作により、バック板20とフロント板10を完全に分離することが可能となる。
【0219】
図9は、バック板20とフロント板10を完全に分離し、搬送機構40が待避位置で停止した状態の図である。カセッテ1は半切サイズのカセッテを想定している。フロント板10をバック板から十分な角度で待避させることで、バック板20が副走査動作した時に、バック板20とフロント板10が干渉することを防止することができる。このように、バック板20とフロント板10を分離する一連の作業を行う手段を総称して分離手段と呼ぶ。
【0220】
分離手段により、バック板20がフロント板10から完全に分離されると、図示しない駆動部が作動し、バック板20が矢印A4の方向(上方向)へ搬送(副走査)される。この副走査の動作中に、輝尽性蛍光体シート28がレーザー走査ユニット61から射出されるレーザー光Bによって副走査方向と垂直な方向に主走査される。
【0221】
輝尽性蛍光体シート28にレーザー光が作用すると、輝尽性蛍光体シート28に蓄積された放射線エネルギーに比例した輝尽光(画像情報)が放出され、この輝尽光が光ガイド62を通って集光管63に集められる。集光管63は例えば特願2000−103904号明細書に記載されているような構造を有する集光管を使用することが好ましい。集光管の端面には図示しないフォトマルチプラーヤー等の光電変換素子が配してあり、集光された輝尽光を電気信号に変換する。電気信号に変換された輝尽光は、画像データとして所定の信号処理を施された後に、装置本体2から図示しない通信ケーブルを介して、操作端末や画像記憶装置、画像表示装置、ドライイメージャーなどの画像出力装置(何れも図示せず)へ出力される。このようにレーザ走査ユニット61、光ガイド62、集光管63、光電変換素子等で構成される画像情報を読み取る手段を、読取手段60と定義する。読取手段60は、輝尽性蛍光体シート28から画像情報を読み取る手段であれば、この実施の形態以外の構成で達成しても良いことは言うまでもない。
【0222】
画像データの取り込み開始時期は、バック板20の上端をセンサー90で検出することで決定されることが好ましい。センサー90は、バック板20が存在しないときは、レーザー光Bを受けて所定の強度を持つ信号を出力し続けるが、バック板20の上端がレーザー光Bを阻止する位置まで移動すると、センサー90から出力される電気信号の信号出力強度が低下するので、バック板20の上端を検出することが可能となる。
【0223】
また、図10のような機構で、バック板20の側端を検出するように構成しても良い。図10(A1)は、バック板20がレーザー光Bの走査位置に到達していない状態の図である。センサー90の受光面にはロッド91が接続されており、このロッド91を伝ってレーザー光Bがセンサー90まで到達する。センサー90に到達したレーザー光は、センサー90によって光電変換され、電気信号として出力される。
【0224】
ロッド91は、例えば、レーザー光Bを導入するための開口部を持つ中空の管状のもので、少なくともレーザー光Bが直接作用する管の内壁部分には光を拡散させるような物質が塗布してある。またロッド91は、例えば棒状のプラスチック部材もしくはガラス部材であって、レーザー光Bを導入する開口部以外の外壁には光を反射もしくは拡散させるような物質が塗布してある。
【0225】
図10(B1)は、図10(A1)で示される状態で、センサー90から出力される電気信号の信号強度を示す図である。信号強度は、時刻T0に立ち上がり、時刻の経過とともに徐々に強度を低下させ、時刻T2、すなわちロッド91の右端をレーザー光Bが通過する時刻で消失する。
【0226】
図10(A2)は、バック板20の上端がレーザー光Bの走査位置に到達した瞬間の図である。この時のセンサー90から出力される電気信号の信号強度は図10(B2)で表される。信号強度は時刻T0で立ち上がるが、時刻T1、すなわち、カセッテ1の左端をレーザー光Bが通過する時刻で急激に低下する。従って、時刻T1を信号処理等で検出すれば、カセッテ1の側端(本例の場合、左端)を検出することが可能となり、これによりレーザー光のHSyncを制御したり、画像データの生成タイミングを計算したりすることができるようになる。
【0227】
このように、バック板20の上端や側端を検出できれば、精度良く輝尽性蛍光体シート28の読み取り領域を決定できる。また、このようなバック板20端部の検出手段を用いることで、搬送手段40でのカセッテ1の搬送精度や搬送手段40から副走査手段50へのバック板20の受け渡し精度を落として、ラフで安価な機構を構築することが可能となる。
【0228】
また、バック板20の上端や側端を検出する際のレーザー強度は、輝尽性蛍光体シート28を読み取るときのレーザー強度に比べて小さいことが望ましい。理由は、装置内部でレーザー光が反射して、まだ読取を開始していない輝尽性蛍光体シート28を励起してしまうからである。
【0229】
輝尽性蛍光体シート28から画像情報の読み取りが完了すると、図示しない駆動部が、バック板20を矢印A5の方向(下方向)へ搬送を開始する。バック板20が矢印A5の方向へ搬送されている間、消去手段64から消去光Cが発光され、輝尽性蛍光体シート28に残存する画像情報を消去する。消去手段64で使用される消去ランプには、ハロゲンランプや高輝度蛍光灯、LEDアレイなどが使用できる。
【0230】
このように、この実施の形態では、副走査手段50の往路(上方向への搬送)で画像情報の読み取りを行い、副走査手段の復路(下方向への搬送)で残存する画像情報の消去を行うように構成したので、副走査手段の往復運動に要する時間を無駄に消費することなく有効に利用することができる。これにより、放射線画像読取装置の処理能力(スループット)を向上することができる。
【0231】
また、この実施の形態では、消去手段64を読取手段60の垂直方向下段に配置したので、読取手段60による画像情報の読み取り作業が終了すると、直ちに副走査手段50の移動方向を復路方向(下方向)へと切り替えることが可能となる。これにより、副走査手段50の往復運動中に時間のロス無く消去作業を開始できるので、放射線画像読取装置の処理能力(スループット)をさらに向上することができる。
【0232】
また、消去手段64を読取手段60の垂直方向下段に配置したことで、バック板20の下端が読取手段60での読取位置Bを通過することが無くなるので、バック板下端が光ガイド62などの集光部材に干渉してバック板の下降ができなくなるという事故を未然に防ぐことができる。このため、装置の信頼性、安定性を向上させることが可能となる。
【0233】
バック板20が、磁石54に受け渡された位置まで下降した時点で、図示しない駆動部は副走査手段50によるバック板20の移動を停止する。
【0234】
バック板20が、磁石54に受け渡された位置で停止すると、待避位置に待避していた搬送手段40が、再び点線Cの位置まで回転移動し、バック板20とフロント板10を合体させる。バック板20とフロント板10が合体すると、昇降台402内に収納されていたロックピン402cが上昇し、フロント板10の挿入穴14にロックピン402cの先端が挿入される。この動作により、ロックOFF状態にあったカセッテ1にロックがかかり、ロックON状態に移行する。すなわち、バック板20とフロント板10が分離不可能な状態となる。カセッテ1がロックON状態に移行すると、ロックピン402cが下降し、再び昇降台402内に収納される。このように、カセッテ1のロック状態をロックOFF状態からロックON状態に移行させる一連の作業を行う手段を総称して合体手段と呼ぶ。
【0235】
合体手段によりバック板20とフロント板10の合体作業が完了すると、搬送手段40は再び矢印A6の方向に点線bの位置まで回転移動して停止する。このように磁石54からバック板20(カセッテ1)を引き剥がす動作が回転移動を伴って行われるので、平行移動で引き剥がす場合に比べて小さな力でバック板20(カセッテ1)を磁石54から引き剥がすことが可能である。搬送手段40が点線bの位置で停止すると、グリップ爪403a、403bによるフロント板10の固定状態が解除され、カセッテ1が搬送手段40上を搬送可能な状態となる。
【0236】
フロント板10の固定状態が解除されると、昇降台402は搬送手段40に沿って排出口4の方向へカセッテ1を搬送し、カセッテ1を排出ローラー43へ受け渡す。排出ローラー43は、カセッテ1を受け取ると、カセッテ1が排出口4へ完全に排出されるまで排出動作を行う。カセッテ1が排出口4へ完全に排出されると、搬送機構40は、矢印A6の方向に点線aの位置まで回転移動して停止し、次のカセッテ1を受け取り可能な状態へと移行する。
【0237】
この実施の形態では、排出口4に2〜5枚程度のカセッテ1をスタックできるスタッカ部を有している。排出口4への排出が完了した直後のカセッテ1の位置を1aで表すと、1aの場所に排出されたカセッテ1は、カセッテ1の自重によってカセッテ1の上端から矢印A8の方向へ倒れ込み、最終的に1bで表される位置へ移動する。この動作が、カセッテ1の自重のみで行われるように、排出口4の底板部分を1a側から1b側に向けて傾斜させておく。また、カセッテ1を1a側から1b側に確実に搬送するため、例えばカセッテ1の下部を矢印A8の方向へ搬送するような搬送機構44を設け、カセッテ1全体が1aの位置から1bの位置まで確実に移動するように構成するようにしても良い。搬送機構44は、ベルト搬送方式やローラー搬送方式などを採用することで実現することができる。また、図示しない機構により、カセッテ1を1a側から1b側へ向けて押し出すような機構を採用しても良い。基本的には、排出口4から排出されたカセッテ1が、排出ローラー43の出口をふさがないように配慮されていれば、排出ローラー43から排出されたカセッテ1が排出口4のスタッカ部内でどのような形態や位置関係を取っていても良い。
【0238】
排出口4は2〜5枚程度の排出カセッテ1(以後、排出口4から排出されたカセッテ1を、適宜、排出カセッテ1と呼ぶことにする)をスタックできるように構成されているので、使用者は、排出口4が排出カセッテ1で満杯になるまで、排出カセッテ1を撤去することなく、順次挿入口3へ撮影済みのカセッテ1を挿入することができる。一般的に放射線撮影の検査は1検査でカセッテ1を1〜5枚、平均で1.8枚程度使用するので、排出口4が、排出カセッテ1を2〜5枚程度スタックできるように構成しておけば、検査中に、使用者は排出カセッテ1の撤去に煩わされることが少なくなり、作業を効率的に行うことができる。
【0239】
排出口4のスタッカ部が排出カセッテ1で満杯の場合に、排出口4から次のカセッテ1を排出すると、排出口4に既にスタックされていた排出カセッテ1が新たに排出されたカセッテ1に押し出されて落下したり、無理にカセッテ1を排出しようとして故障をおこすなどの不具合が生じる。そこで、排出口4のスタッカ部が排出カセッテ1で満杯であるか否かを検出する図示しないセンサーもしくは機構を設けて、排出口4のスタッカ部が排出カセッテ1で満杯であるか否かを検出し、排出口4のスタッカ部が排出カセッテ1で満杯の場合には、以下のような手段により、この不具合を回避することが好ましい。
【0240】
1)挿入口3へカセッテ1を挿入できないようにする。
【0241】
2)挿入口3へはカセッテ1を挿入可能だが、装置本体2の内部へカセッテ1を取り込まないようにする。
【0242】
3)挿入口3へ挿入されたカセッテ1を装置本体2の内部へ取り込むが、画像情報を読み取る前で停止するようにする。
【0243】
4)挿入口3へ挿入されたカセッテ1を装置本体2の内部へ取り込んで画像情報を読み取り後、カセッテ1を排出口4へ排出する前で停止するようにする。
【0244】
また、上記のような手段を取ると同時に、排出口4のスタッカ部が排出カセッテ1で満杯であることを以下のような手段により、使用者に伝えることが好ましい。
【0245】
1)装置本体2にLEDなどを設け、LEDの色や点灯方法などで使用者に伝える。
【0246】
2)表示手段80や装置本体2に接続された図示しない操作端末のモニターなどに、メッセージを表示することで使用者に伝える。
【0247】
3)挿入口3に蓋(図示せず)を設け、蓋が閉まってカセッテ1を挿入できないようにすることで使用者に伝える。
【0248】
4)装置本体2から音を出したりメロディーを流すことで使用者に伝える。
【0249】
使用者によって排出カセッテ1の一部または全部が撤去されて、排出口4のスタッカ部が満杯状態ではなくなると、装置本体2の内部や挿入口3で停止していたカセッテ1の処理が自動的に再開されることが好ましい。
【0250】
また、カセッテ1を装置本体2に取り込む動作中や、カセッテ1を装置本体2に取り込んだ後の搬送動作中や、読取動作中、また、カセッテ1を装置本体2から排出する動作中などに何らかの不具合が生じて、動作が継続できなくなる場合が考えられる。例えば、カセッテ1の搬送動作中に搬送手段40に不具合が生じて、搬送動作を継続することができなくなったり、バック板20の副走査手段50への受け渡し時にバック板20やフロント板10が落下してしまったり、フロント板10とバック板20が分離できなかったり、フロント板10とバック板20が合体できなかったりなど、色々な不具合が生じうる。
【0251】
このような不具合が生じた場合には、排出口4のスタッカ部が排出カセッテ1で満杯であることを使用者に伝えるのと同様な手段で、不具合が生じたことを使用者に伝えることが好ましい。
【0252】
また、カセッテ1を装置本体2の内部に搬送後、カセッテ1を排出可能な状態でエラーが生じた場合には、カセッテ1を挿入口3へは排出せずに、排出口4の方へ排出することが好ましい。理由は、カセッテ1を装置本体2の内部に搬送した後は、使用者が、次のカセッテ1を挿入口3へ挿入しようとしているかもしれないからである。
【0253】
また、挿入口3に次のカセッテ1が挿入されたか否かを図示しないカセッテ検出センサーで調査し、挿入口3にカセッテ1が検出されなかった場合は、挿入口3へカセッテ1を排出するようにしても差し支えない。
【0254】
また、画像情報の読み取り前にエラーが発生した場合は挿入口3に排出し、画像情報の読み取り中または読み取り後にエラーが発生した場合は、排出口4に排出するなど、処理の進行状況に応じて、カセッテ1の排出先を変更するようにしても良い。また、カセッテ1を排出せずに、装置内部に止めたまま装置の動作を停止するようにしても良い。
【0255】
また、エラーが生じた場合は、エラーが生じたカセッテ1を特定するための情報、例えばコード記憶素子200に記憶されている輝尽性蛍光体シート28の識別番号(ID番号)などをエラーメッセージと共に、表示手段80や、装置本体2に接続されている図示しない操作端末のモニターなどに表示して、使用者がエラーが生じたカセッテ1を見分けられるようにすることが好ましい。
【0256】
特に、エラーの生じたカセッテ1を挿入口3や排出口4に排出する場合は、エラーが生じたカセッテ1を特定するための情報やエラーの内容を示すエラーメッセージを使用者に伝えることが好ましい。
【0257】
また、エラー発生時、カセッテ1を排出せずに、装置内部に止めたまま装置の動作を停止する場合は、表示手段80や図示しない操作端末などに、装置内部のどの位置でカセッテ1(もしくはバック板20、もしくはフロント板10など)が停止しているかをマンガ絵で図解表示したり、どのような操作手順で装置内部に停止しているカセッテ1(もしくはバック板20、もしくはフロント板10など)を取り出せば良いかの指示メッセージを表示したりすれば、短い時間で装置内部に停止したカセッテ1(もしくはバック板20、もしくはフロント板10など)を取り出すことができる。
【0258】
また、カセッテ1を外部に排出できない状態でエラーが生じた場合には、装置の動作を停止し、カセッテ1を装置内部に残した状態で、エラーが発生したことを使用者に通知する。
【0259】
カセッテ1や装置機構に関わるエラー以外に生じうるエラーとしては、電気的なエラー、ソフトウエア上のエラー、通信エラー、光学的なエラーなどが考えられる。これらのエラーが生じた場合もエラーの内容をエラーメッセージとして使用者に通知することが望ましい。
【0260】
医療現場で用いられる装置の場合、装置が不具合で停止した時は、不具合が生じたことを使用者に伝えるだけではなく、即座に不具合を解消し、装置が再び使用できるように復帰させることが望ましい。
【0261】
しかしながら、これまでの輝尽性蛍光体を用いた放射線画像読取装置では、このような不具合からの復帰作業は、サービスマンの作業に限定されていた。このため、不具合が生じた場合に使用者はサービスマンを呼び出し、サービスマンが到着するまでの間、放射線撮影業務をストップせざるを得なかった。
【0262】
複写機やプリンターなどでは、出力紙がジャムを起こした場合に、使用者がジャムを解除できるユーザーメンテナンス機構を搭載することが常識となっている。輝尽性蛍光体を用いた放射線画像読取装置ではこのようなユーザーメンテナンス機構が実現されていない理由として、以下のものが考えられる。
【0263】
1)複写機やプリンターの場合、出力紙が大変安価なため、ジャムを起こした出力紙がだめになっても良いと言う前提が成り立つが(再出力を行えば良い)、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像読取装置では輝尽性蛍光体シートが大変高価なため、輝尽性蛍光体シートをだめにしても良いという前提が成り立たない。このような制約のため、ユーザーメンテナンスのための機構を構築することが難しい。
【0264】
2)複写機やプリンターの場合、ジャムを起こした出力紙がだめになっても、再び複写やプリントアウトを行える。一方、放射線画像読取装置で使用する輝尽性蛍光体シートには患者の画像情報が蓄積されている。輝尽性蛍光体シートがだめになった場合、患者の再撮影を行う必要があるが、これは患者に余分な放射線を被爆させることになり、非常に好ましくない。
【0265】
そこで、この実施の形態では、以下のようにして放射線画像読取装置のユーザーメンテナンス機構を実現した。
【0266】
装置本体2には、開閉扉5があり、開閉扉5を開くことで、使用者は装置本体2の内部にアクセスすることができる。さらに、搬送手段40を、点線dの位置まで手動で回転移動させることができ、これにより、使用者は、搬送手段40よりも内側(副走査手段50側)にアクセスすることができる。昇降台402や、幅寄せ手段401a、401bや、カセッテグリップ402a、402bや、グリップ爪403a、403bや、ロックピン402cなどを駆動するための駆動部(図示せず)は、搬送手段40の開閉扉5側に配置してあるので、搬送手段40が、点線dの位置まで回転移動すれば、この駆動部に邪魔されることなく、搬送手段40上に停滞しているカセッテ1を取り外すことができる。
また、昇降台402や、幅寄せ手段401a、401bや、カセッテグリップ402a、402bや、グリップ爪403a、403bや、ロックピン402cなどの位置や状態を手動で変更することができる手段を有することが好ましい。このような手段を有していれば、カセッテ1の上部が、挿入ローラー44や排出ローラー43、幅寄せ機構44と干渉して、搬送手段40が点線dの方向に回転移動できない場合などに、手動で昇降台402を失印A2の方向(下方)に搬送したり、グリップ爪403a、403bや、カセッテグリップ402a、402bによるカセッテ1の固定状態を手動で解除することができるので、特殊な治具を用いることなく、また装置の電源が落ちた状態で、使用者が不具合を起こしたカセッテ1を装置外に取り出すことができる。
【0267】
また、カセッテ1やフロント板10、バック板20が、装置本体2内部に落下してしまった場合でも、搬送手段40を点線dの方向に回転移動させることで、落下したカセッテ1やフロント板10、バック板20を拾い出すことができる。
【0268】
また、バック板20が磁石54に吸着された状態で装置が停止した場合も、搬送手段40を点線dの方向に回転移動させることで、バック板20を磁石54から引き剥がすことができる。この実施の形態の場合は、バック板20が磁力のみで副走査手段50に吸着しているので、余分な操作を行うことなく、簡単にバック板20を磁石54から引き剥がすことが可能である。
【0269】
また、副走査手段50の副走査移動板53を手動で上下できるように構成すれば、磁石54からバック板20を剥がし易い位置まで副走査移動板53を手動で操作することができる。
【0270】
さらに、カセッテ挿入排出部2bの位置を手動で容易に変更できるように構成しておけば(例えば、カセッテ挿入排出部2bの位置が手動で上部方向へスライドもしくは回転移動するように構成したり、水平方向に扉状に回転移動したりするように構成したり、容易に取り外しが可能なように構成する)、装置内部へのアクセス空間が広がり、メンテナンス作業がやりやすくなる。
【0271】
図11は、この発明の放射線画像読取装置の別の実施の形態を示す図である。
【0272】
図11の実施の形態は、図6の実施の形態と共通部分が多いので、図6の実施の形態と異なる部分を主体に説明する。なお、図11の実施の形態で使用するカセッテ1は、図6の実施の形態で使用するカセッテ1と同じカセッテである。
【0273】
図6に示す放射線画像読取装置は、挿入口3と排出口4を有し、カセッテ1は挿入口3から挿入し、排出口4へ排出した。図11に示す放射線画像読取装置では、2つの挿入排出口3a、3bを有し、挿入排出口3a、3bの何れに対してもカセッテ1を挿入することができる。また、挿入排出口3aから挿入したカセッテ1は挿入排出口3aへ排出し、挿入排出口3bから挿入したカセッテ1は挿入排出口3bへ排出する。搬送手段40の動作は、カセッテ1の排出角度がカセッテ1の搬入角度と等しくなる点を除けば、図6に示す実施の形態の動作と同一である。装置内部でエラーが発生した場合のカセッテ1の排出先も、そのカセッテ1が挿入された挿入排出口に限定される。
【0274】
挿入排出ローラー42a、42bは、カセッテ1の搬入動作と排出動作の双方の動作を行う。幅寄せ機構47a、47bは、図6の幅寄せ機構47と同様の動作を行う。コード読取手段45a、45bも、図6のコード読取手段45と同様の動作を行う。以上の点を除けば、その他の動作は、図6に示した放射線画像読取装置とほぼ同様である。
【0275】
図11の放射線画像読取装置の利点は、2枚のカセッテ1を、同時に2つの挿入排出口3a、3bへ挿入できる点である。図6の場合、1枚のカセッテ1を挿入口3に挿入後に、次のカセッテ1を挿入口3へ挿入するためには、先に挿入したカセッテ1が装置内部に搬入されるのを待たねばならなかった。先に述べたように、1検査で使用するカセッテの平均枚数は1.8枚であるために、2枚のカセッテ1を同時に挿入可能な図11の放射線画像読取装置は、図6の放射線画像読取装置に比べてカセッテ挿入の待ち時間という点でメリットがある。
【0276】
しかしながら、読取りを終了したカセッテ1の取り出し作業(撤去作業)と言う点では、図6の放射線画像読取装置にメリットがある。図11の放射線画像読取装置では、2つの挿入排出口3a、3bに処理済みのカセッテ1が排出されていた場合、次のカセッテ1を挿入するためには、排出口3a、3bに排出された処理済みカセッテ1を取り出す作業が必要である。一方、図6の放射線画像読取装置では、排出口4に複数枚のカセッテ1をスタックできるので、スタッカ部が満杯にならない限り、処理済みカセッテ1(排出カセッテ1)を取り出す作業を行う必要がない。
【0277】
図12は、この発明の放射線画像読取装置の別の実施の形態を示す図である。
【0278】
図12の実施の形態は、図11の実施の形態の2つの挿入排出口3a、3bの内、挿入排出口3bを残して挿入排出口3aを削除した構成を有している。すなわち、1つの挿入排出口3bのみを有する放射線画像読取装置である。図11の実施の形態から挿入排出口3aを削除しただけなので、動作については、説明を省略する。
【0279】
図12の放射線画像読取装置の利点は設置面積が非常に小さい点である。特にICUや術場では、高い処理能力が要求されない代わりに、小型の装置が求められるので、図10のような設置面積の小さな装置は大変有効である。特に装置の奥行きが小さいと言う点は、医療現場で大きなメリットとなる。
【0280】
図13は、別のカセッテの実施の形態を示す図である。ただし、図13で示すカセッテは、図6、図11、図12で示す放射線画像読取装置では使用することができない。図13で示すカセッテが使用できる放射線画像読取装置を図14、図15に示す。
【0281】
図13(A)は、カセッテ1Kの正面図、図13(B)は、カセッテ1Kの側面図、図13(C)は、カセッテ1Kの断面図である。カセッテ1Kは、フレーム11Kと、回転開閉するキャップ12Kと、前面板13Kと、バック板20Kと、カセッテ1Kから出し入れ可能なプレート29より構成される。フレーム11Kの断面には、支持板27Kの両端を、カセッテ1K内部で支持するための凹部14が形成されている。
【0282】
図13(B)の側面図では、矢印L1で示される方がフロント側で、矢印L2で示される方がバック側である。キャップ12Kを矢印N2の方向に回転させることでキャップ12Kを開放することができる。
【0283】
プレート29は、輝尽性蛍光体シート28、鉛箔25K、支持板27Kより構成され、輝尽性蛍光体シート28、鉛箔25K、支持板27Kは互いに接着された一体構造となっている。また、キャップ12Kを開け、カセッテ1Kに対して、プレート29を矢印N1の方向に、出し入れすることができる。
【0284】
フレーム11Kは、例えばアルミニウムや硬質プラスチックなど、全加重撮影時の大きな加重に耐えうる材質でできていることが好ましく、前面板13Kは、例えばアルミニウムや炭素繊維強化プラスチックなど、放射線吸収の比較的小さい部材で形成されることが好ましい。
【0285】
支持板27Kは、図14の磁石54へ磁力で吸着可能なように、強磁性体プラスチックなどで形成するか、もしくは、マグネシウム合金や通常のプラスチックなどで支持板27Kを形成し、裏面(輝尽性蛍光体シート28が貼り付けられていない面)に鉄箔などの強磁性体シート(図示せず)を張り付けるように構成しても良い。
【0286】
また、支持板27Kの裏面に、強磁性体物質を塗布する方法などを用いても良い。
【0287】
また、支持板27Kは、磁石54に吸着された時に、磁石54によって形成される平面に支持板27Kが従うように設計されている。すなわち、支持板27Kはある程度の剛性を有すると共に、磁石54によって形成される平面に従うことができるだけの柔軟性を有している。このように、支持板27Kに有る程度の柔軟性を持たせることで、例えば支持板27Kが経年変化や使用状況によって変形したり反ったりしても、磁石54側の平面に従うことで支持板27Kの変形や反りが矯正される。従って、画像情報読み取り時に輝尽性蛍光体シート28の表面を常に平面に保つことができる。
【0288】
プレート29をカセッテ1K内に収納し、キャップ12Kを閉じた状態で放射線の撮影が実施される。
【0289】
図14は、この発明の放射線画像読取装置の別の実施の形態を示す図である。
【0290】
図14の実施の形態が、図6や図11の実施の形態と異なる部分を主体に説明する。なお、図14の実施の形態で使用するカセッテは、図13に示されるカセッテ1Kである。
【0291】
図14に示す放射線画像読取装置では、2つの装填口3c、3dを有する。初めに、カセッテ1Kが矢印A1にそって装填口3cに装填された場合の説明を行う。カセッテ1Kは輝尽性蛍光体面が斜め下側を向く状態で装填口3cへ装填される。カセッテ1Kが装填口3cに装填されると、カセッテ1Kを装填口3cに保持したまま、キャップ開閉機構48aがキャップ12Kを開放する。キャップ12Kが開放されると、プレート出し入れ機構49aによって、プレート29がカセッテ1Kより引き出される。
【0292】
図6や図11の実施の形態では、搬送機構402が搬送する対象物はカセッテ1であったが、この実施の形態では、プレート29が搬送する対象物である。グリップ爪403a、403bは、カセッテ1の代わりにプレート29を搬送手段40に固定する。搬送手段40やその他の機構がプレート29を扱う際に、プレート29上の輝尽性蛍光体シート28の面に機構が接触しないように配慮されている。
【0293】
搬送手段40は、図6で説明したのと同様、矢印A3方向への回転移動によって、プレート29を副走査手段50へ受け渡す位置(点線cの位置)まで搬送する。搬送手段40が扱う対象物は、この実施の形態ではカセッテ1ではなくプレート29であるため、図6で説明した分離手段や合体手段は存在しない。
【0294】
プレート29の裏面は強磁性体であるから、プレート29は磁石54へ磁力によって吸着される。プレート29が磁石54へ磁力によって吸着されると、グリップ爪403a、403bは、プレート29の固定を解除する。次に、搬送機構40は矢印A6の方向に回転移動して待避位置(例えば点線bの位置)で停止する。
【0295】
読取動作、消去動作は、図6で説明した動作と同様であるので説明を省略する。消去動作終了後、搬送手段40が待避位置から矢印A3方向に回転移動して、プレート29を受け取りに行く(点線Cの位置に戻る)。グリップ爪403a、403bがプレート29を搬送機構40に固定すると、搬送手段40が再び矢印A6の方向に回転移動して、点線aの位置で停止する。
【0296】
次に、昇降台402がプレート29をA7の方向へ搬送し、プレート29をプレート出し入れ機構49aへ受け渡す。プレート出し入れ機構49aがプレート29をカセッテ1K内部に収納すると、キャップ開閉機構48aがキャップ12Kを閉じて、一連の作業を終了する。
【0297】
以上、カセッテ1Kが装填口3cに装填された場合の説明を行ったが、カセッテ1Kが装填口3dに装填された場合も同様の作業が行われる。
【0298】
この実施の形態の放射線画像読取装置は、図11の実施の形態で説明した放射線画像読取装置と同様のメリットを有する。
【0299】
図15は、本発明の放射線画像読取装置の別の実施の形態を示す図である。
【0300】
図15の実施の形態は、図14の実施の形態の2つの装填口3c、3dの内、装填口3dを残して装填口3cを削除した構成を有している。すなわち、1つの装填口3dのみを有する放射線画像読取装置である。図14の実施の形態から装填口3cを削除しただけなので、動作については、説明を省略する。
【0301】
この実施の形態の放射線画像読取装置は、図12の実施の形態で説明した放射線画像読取装置と同様のメリットを有する。
【0302】
図6、図11、図12、図14、図15で示した実施の形態中の搬送手段40は、昇降台402による直線搬送手段(カセッテ1やプレート29などの搬送物を搬送手段40に沿って上下方向に直線搬送する手段)と、回転軸404を中心としてカセッテ1やプレート29などの搬送物の回転移動を行う回転搬送手段の、少なくとも2種類の搬送手段を有している。
【0303】
図6、図11、図12、図14、図15では、直線搬送手段と回転搬送手段の2つの搬送手段を、搬送手段40として実現した例であるが、例えば、直線搬送手段と回転搬送手段の2つの搬送手段を個別の機構で実現しても良い。例えば、回転搬送手段が回転搬送手段とは個別に回転移動するように構成しても良い。
【0304】
また、回転移動手段が、搬送手段40の一部が回転移動するように構成ても良い。
【0305】
また、回転搬送手段を、複数の回転搬送手段に分割して構成しても良い。
【0306】
同様に、直線搬送手段を、複数の直線搬送手段に分割して構成しても良い。
【0307】
また、図6、図11、図12の実施の形態において、バック板20のバック板裏面210を磁石54に吸着させた後に、フロント板10とバック板20を分離するように構成したが、フロント板10とバック板20を分離した後に、バック板20のバック板裏面210を磁石54に吸着させるように構成しても良い。
【0308】
また、図6、図11、図12の実施の形態において、カセッテ1を回転移動した後に、フロント板10とバック板20を分離するように構成したが、フロント板10とバック板20を分離した後に、バック板20のみを回転移動するように構成しても良い。
【0309】
また、図6、図11、図12、図14、図15の実施の形態において、搬送手段40が回転移動することによって、バック板20やプレート29を副走査手段50に受け渡すように構成したが、副走査移動板53の一部もしくは全体が回転移動することによって、バック板20やプレート29を副走査手段50に受け渡すように構成しても良い。
【0310】
また、図6、図11、図12、図14、図15の実施の形態において、搬送手段40と副走査機能50を同じ基板71上に構築し、基板71を防振ゴム72を介して底板70に固定したが、搬送手段40と副走査機能50を異なる基板上に構築し、それぞれの基板を防振ゴム72を介して底板70に固定しても良いし、搬送手段40を防振せずに直接底板70上に構築するようにしても良い。こうすることで、搬送手段40が動作することによって生じる振動が副走査手段50に伝搬するのを防ぐことができる。
【0311】
また、図6、図11、図12、図14、図15の実施の形態において、バック板20やプレート29をバキューム等の吸引手段を配した副走査移動板53に吸着するように構成しても良い。この場合、バック板裏面210やプレート29の裏面は強磁性体である必要は無く、副走査移動板53上の磁石54も不要である。
【0312】
また、図6の実施の形態において、カセッテ挿入排出部2bの挿入口3もしくは排出口4の何れか一方のみが搬送読取り部2aからに取り外し可能な構造、もしくは手動で位置を変更できる構造となるようにしても良い。また、カセッテ挿入排出部2bの挿入口3と排出口4が、個別に取り外し可能な構造、もしくは個別に手動で位置を変更できる構造となるようにしても良い。
【0313】
また、図11の実施の形態において、カセッテ挿入排出部2bの2つの挿入排出口3a、3bの何れか一方のみが搬送読取り部2aから取り外し可能な構造、もしくは手動で位置を変更できる構造となるようにしても良い。また、カセッテ挿入排出部2bの2つの挿入排出口3a、3bが、個別に取り外し可能な構造、もしくは個別に手動で位置を変更できる構造となるようにしても良い。
【0314】
また、図14の実施の形態において、カセッテ挿入排出部2bの2つの装填口3c、3dの何れか一方のみが搬送読取り部2aから簡単に取り外し可能な構造、もしくは手動で位置を変更できる構造となるようにしても良い。また、カセッテ挿入排出部2bの2つの装填口3c、3dが、個別に取り外し可能な構造、もしくは個別に手動で位置を変更できる構造となるようにしても良い。
【0315】
【発明の効果】
前記したように、請求項1及び請求項2に記載の発明では、非接触搬送方式を採用しつつ、装置サイズが小さく、低コストで信頼性、安定性の高い放射線画像の読み取りを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カセッテのフロント板とバック板を分離させた時の斜視図である。
【図2】カセッテのフロント板とバック板を合体させた時の断面図である。
【図3】バック板とフロント板のロック状態を示す図である。
【図4】バック板とフロント板のロック機構を示す図である。
【図5】カセッテのバック板を裏側から見た図である。
【図6】放射線画像読取装置の一構成例を示す図である。
【図7】バック板受け渡し時の搬送手段と副走査手段の関係を示す図である。
【図8】上側基準及びセンター基準でのカセッテの位置関係を示す図である。
【図9】待避状態での搬送手段と副走査手段の関係を示す図である。
【図10】バック板の側端の検出方法を説明する図である。
【図11】別の放射線画像読取装置の一例を示す図である。
【図12】別の放射線画像読取装置の一例を示す図である。
【図13】別のカセッテ構造の一例を示す図である。
【図14】別の放射線画像読取装置の一例を示す図である。
【図15】別の放射線画像読取装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、1K カセッテ
2 装置本体
2a 搬送読取り部
2b カセッテ挿入排出部
3 挿入口
3a、3b 挿入排出口
3c、3d 装填口
4 排出口
5 開閉扉
10 フロント板
20 バック板
28 輝尽性蛍光体シート
29 プレート
40 搬送手段
50 副走査手段
54 磁石
60 読取手段
64 消去手段
70 底板
80 表示手段
Claims (2)
- フロント板とバック板が分離可能なカセッテのバック板側に添付された輝尽性蛍光体シートから放射線画像情報を読み取る放射線画像読取装置であって、
前記カセッテを挿入する挿入口と、
前記カセッテのフロント板とバック板を分離する分離手段と、
前記分離手段によって前記フロント板から分離された前記バック板を副走査する副走査手段と、
前記バック板に添付された前記輝尽性蛍光体シートに保持されている放射線画像情報を読み取る読取手段と、
前記輝尽性蛍光体シートに残存する前記放射線画像情報を消去する消去手段と、
前記フロント板と前記バック板を再び合体させる合体手段と、
前記合体手段により合体された前記カセッテを排出するための排出口と、
前記挿入口に挿入されたカセッテを挿入方向に直線搬送し、前記合体手段により合体されたカセッテを排出方向に直線搬送し、前記挿入方向に直線搬送されたカセッテの前記副走査手段への移動及び前記副走査手段から前記排出方向へのカセッテの移動を、該カセッテの挿入先頭側を回転中心とする回転移動を伴って行う搬送手段とを有することを特徴とする放射線画像読取装置。 - 前記挿入方向の角度と前記排出方向の角度が等しく、前記挿入口と前記排出口とが同一の開口であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像読取装置。
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