(実施例1)
図1を参照して、本発明の実施例1における電子著作物販売システムは、購入者3が電子著作物の購入手続を行ない、記録メディア2に購入する電子書籍データを書き込む電子書籍販売装置(以下、販売端末と呼ぶ)1と、販売端末1によって販売された電子書籍データに対する著作権料を管理する著作権管理装置(以下、著作権管理センターと呼ぶ)4と、電子書籍の販売元6が使用する販売元端末5と、電子書籍の著作者8が使用する著作者端末7とを含む。販売端末1、著作権管理センター4、販売元端末5および著作者端末7は、それぞれ通信回線28を介して接続されている。
販売端末1は、購入者3が購入する電子書籍を選択するのに必要となる書籍情報や販売端末1の操作方法等を表示する表示部9と、電子書籍の購入のための手続が行なわれる操作部12と、メディア挿入口10を介して挿入された記録メディア2に選択された電子書籍データを書き込む書籍データ書込み部13と、複数の書籍に対応する電子書籍データが記録される書籍データ記憶部14と、販売端末1の全体的な制御を行なう販売端末制御部15と、各地に設置される販売端末1に付与される販売端末1の管理用のID番号が格納される販売端末ID記憶部16と、販売端末1における電子書籍の販売状況に関する情報を記録する販売情報記録部17と、販売される電子書籍の著作権料に関する情報を記憶する著作権料情報記憶部20と、著作権料情報記憶部20に記憶される情報に基づいて販売される電子書籍の著作権料を算出する著作権料算出部19と、電話回線等の通信回線28を介して情報の送受信を行なう販売端末通信部18とを含む。なお、販売端末通信部18は、有線ではなく無線によって情報の送受信を行なうようにしても良い。
購入者3は、メディア挿入口10から記録メディア2を挿入し、表示部9に表示された内容に従って操作部12を操作することによって、記録メディア2に所望の書籍の電子書籍データが書き込まれる。そして、電子書籍データが書き込まれた記録メディア2は、メディア取り出し口11から取り出される。メディア挿入口10とメディア取り出し口11とが別個に設けられているが、これらを共通にした構造であっても良い。
書籍データ記憶部14、販売端末ID記憶部16、販売情報記憶部17および著作権料情報記憶部20は、電気的に読み出しおよび書き込みが可能であり、主電源の供給の有無にかかわらず情報を保持することが可能な不揮発性メモリ、バッテリによってバックアップされたメモリまたは磁気を用いて記録される記録媒体等によって構成される。
また、販売端末制御部15は、CPU(Central Processing Unit)、その実行プログラムが記録されるROM(Read Only Memory)およびワークエリア等に使用されるRAM(Random Access Memory)等によって構成され、CPUがROMまたはRAMに記憶されたプログラムを実行することによって販売端末1の制御が行なわれる。
また、著作権料算出部19は、著作権料情報記憶部20に記憶された著作権情報の中から購入者が選択した電子書籍に対応する著作権料情報を抽出して、その著作権料を算出する。上記販売端末制御部15内のCPUが、この著作権料の算出を行なうようにしても良い。
著作権管理センター4は、著作権管理センター4の全体的な制御を行なう管理センター制御部21と、販売端末1によって販売される電子書籍の販売元に関する情報を管理する販売元情報記憶部22と、各地に設置された各販売端末の販売端末IDおよびその各販売端末IDに対応する販売端末に関する情報を管理する販売端末情報記憶部23と、電話回線等の通信回線を介してデータの送受信を行なう管理センター通信部24と、販売端末1によって販売される電子書籍の著作権に関する情報を記憶する著作権情報記憶部25と、販売端末1によって販売された電子書籍に関する著作権料データを記憶する著作権料データ記録部26と、著作者8が著作者端末7を介して行なう承認手続に基づいて著作権料情報を集計し、販売元端末5へ送信する情報を生成する著作権料データ承認処理部27とを含む。なお、管理センター通信部24は、有線ではなく無線によって情報の送受信を行なうようにしても良い。
販売元端末5は、販売端末1および著作権管理センター4との間でデータ通信可能な通信端末である。また、著作者端末7は、著作権管理センター4との間でデータ通信可能な通信端末である。この販売元端末5および著作者端末7は、通信回線を介してデータ通信を行なうことが可能なパーソナルコンピュータ等の装置によって実現可能である。販売元端末5および著作者端末7に関する情報は、著作権管理センター4によって管理されており、販売者または著作者は、販売元端末5または著作者端末7を介して著作権管理センター4から必要な情報を入手することが可能である。
図1において、販売元端末5と著作者端末7とがそれぞれ別々の装置として構成されているが、販売元6が著作者8の有する電子著作物の著作権を有している場合には、販売元端末5および著作者端末7を同一の端末によって構成することも可能である。その場合、販売元端末5および著作者端末7が同一の端末として著作権管理センター4に登録される。
また、図1においては、1つの販売元6が1つの販売元端末5を使用する構成を示しているが、複数の販売元6が1つの販売元端末5を使用して電子著作物を管理することも可能である。
図2を参照して、購入者3が電子書籍を購入する際の本実施例における電子著作物流通管理システムの処理手順を説明する。まず、購入者3が販売端末1の表示部9の表示内容にしたがって、操作部12を用いて購入する電子書籍を選択する(S1)。そして、購入者3は電子書籍を記録する記録メディア2をメディア挿入口10に挿入する(S2)。
記録メディア2がメディア挿入口10に挿入されると、販売端末制御部15は著作権料算出部19に著作権料の算出を行なわせる。著作権料算出部19は、著作権料情報記憶部20に記憶された著作権料情報を参照して、購入者3によって選択された電子書籍の著作権料を算出する(S3)。
販売端末制御部15は、著作権料算出部19によって算出された著作権料データを販売端末1から著作権管理センター4への伝送開始を示す情報を販売情報記録部17に記録する(S4)。そして、販売端末制御部15は、販売端末通信部18によって著作権料データを通信回線28を介して著作権管理センター4へ伝送する(S5)。
著作権管理センター4の管理センター制御部21は、通信回線28および管理センター通信部24を介して著作権料データを受信し、著作者毎に著作権料を管理して記録する著作権料データ記録部26にその著作権料データを記録する(S6)。そして、管理センター制御部24は、著作権料の登録が終了したことを管理センター通信部24および通信回線28を介して販売端末1に伝送する(S7)。
販売端末制御部15は、通信回線28および販売端末通信部18を介して著作権料の登録が終了したことを受信すると、著作権料データが著作権管理センター4に登録されたことを示す情報を販売情報記録部17に記録する(S8)。そして、販売端末制御部15は、購入者3によって選択された電子書籍データの記録メディア2への書き込み開始を示す情報を販売情報記録部17に記録し(S9)、書籍データ書込み部13によって電子書籍データの記録メディア2への書込みを開始する(S10)。
販売端末制御部15は、購入者3によって選択された電子書籍データの記録メディア2への書込みが終了したことを確認し、正常に書込みが終了した場合には書き込み終了を示す情報を販売情報記録部17に記録する。また、販売端末制御部15は、書込みが正常に終了しなかった場合には販売情報記録部17に書き込みエラー情報を記録する(S11)。販売端末制御部15は、電子書籍データの書き込みが正常に終了したことを確認すると、記録メディア2をメディア取り出し口11から排出する(S12)。
以上説明した処理手順によれば、販売端末1が著作権管理センター4へ著作権料データを伝送している最中に異常が発生し、著作権管理センター4の著作権料データ記録部26に記録されたデータと実際の販売実績との間に齟齬が生じても、販売端末1の販売情報記録部17に記録された情報に基づいてその検証を行なうことが可能となる。
また、販売端末1が購入者3の記録メディア2へ電子書籍データを書き込んでいる最中に、停電等によって販売端末1が停止するという異常が発生した場合であっても、販売情報記録部17に書き込み開始を示す情報のみが記録された状態となり、電子書籍データの販売が正常に終了しなかったことを確認することができる。
また、販売される1つの電子書籍に複数の著作者の著作権が含まれる場合、著作権料算出部19が著作権料情報記憶部20に記憶される情報に基づいて、各著作者に対する著作権料を算出するようにしても良い。著作権管理センター4は、通信回線28および管理センター通信部24を介して各著作者に対する著作権料を受信し、著作権情報記憶部25に記憶された著作権情報に基づいて各著作者に対応した著作権料を著作権料データ記録部26に記録することが可能となる。
著作者8は、著作者端末7によって著作権管理センター4の著作権料データ記録部26に記録された自身の著作権料データを参照し、その著作権料データに対して承認を行なうことができる。著作権料データ承認処理部27は、著作者8からの承認があった場合、管理センター通信部24を介して当該著作権料データを販売元端末5へ送信する。
図3(A)は、1人の著作者によって著作された書籍のデータ構造を示しており、1冊の書籍に相当する電子書籍データの構造を示している。このデータ構造は、書籍1のIDを示す“書籍1−ID”と、書籍のタイトル、価格、著作者または出版社等の書籍に付随した書誌情報を示す“書誌情報1”と、書籍1の著作権者である著作者Aに関する情報を示す“著作者A−ID”と、著作者Aの書籍1に関する著作権料情報を示す“著作権料情報A1”と、書籍1の本文に相当する“書籍データA1”とを含む。
販売端末1に書籍1の電子書籍データを登録する際に、“書籍1−ID”、“書誌情報1”および“書籍データA1”が書籍データ記憶部14に登録され、“著作権料情報A1”が“著作者A−ID”に対応するように著作権料情報記憶部20に登録される。
図3(B)は、複数の著作者によって著作された書籍のデータ構造を示しており、1冊の書籍に相当する電子書籍データの構造を示している。このデータ構造は、書籍2のIDを示す“書籍2−ID”と、書籍2の書誌情報を示す“書誌情報2”と、著作者AのIDを示す“著作者A−ID”と、著作者Aに対する著作権料を示す“著作権料情報A2”と、著作者Aが著作した本文に相当する“書籍データA2”と、著作者BのIDを示す“著作者B−ID”と、著作者Bに対する著作権料を示す“著作権料情報B2”と、著作者Bが著作した本文に相当する“書籍データB2”を含む。なお、著作者が他にいる場合には、“書籍データB2”以降にそのデータが格納される。
販売端末1に書籍2の電子書籍データを登録する際に、“書籍2−ID”、“書誌情報2”、“書籍データA2”および“書籍データB2”が書籍データ記憶部14に登録され、“著作権料情報A2”および“著作権料情報B2”がそれぞれ“著作者A−ID”および“著作者B−ID”に対応するように著作権料情報記憶部20に登録される。
図3(C)は、1冊の書籍に相当する電子書籍データが章や節等の単位で分割された場合のデータ構造を示している。このデータ構造は、書籍3のIDを示す“書籍3−ID”と、書籍3の書誌情報を示す“書誌情報3”と、著作者AのIDを示す“著作者A−ID”と、書籍データA3aに対する著作権料を示す“著作権料情報A3a”と、本文の最初の章や節等に相当する“書籍データA3a”と、著作者AのIDを示す“著作者A−ID”と、書籍データA3bに対する著作権料を示す“著作権料情報A3b”と、本文の次の章や節等に相当する“書籍データA3b”とを含む。なお、章や節等が他にある場合には、“書籍データA3b”以降にそのデータが格納される。
販売端末1に書籍2の電子書籍データを登録する際に、“書籍3−ID”、“書誌情報3”、“書籍データA3a”および“書籍データA3b”が書籍データ記憶部14に登録され、“著作権料情報A3a”および“著作権料情報A3b”がそれぞれ“著作者A−ID”に対応するように著作権料情報記憶部20に登録される。
本実施例における電子著作物流通管理システムにおいて、電子書籍の販売に対する課金のために、販売端末1に現金を挿入する挿入口を設けても良く、クレジットカードやプリペイドカード等のキャッシュレスカードを挿入する挿入口を設けるようにしても良い。また、販売端末通信部18および通信回線28を介して電子決済によって課金が行なわれるようにしても良い。
また、販売端末1に課金のための挿入口が設けられた場合には、販売端末1は専用端末として駅売店や書店等の店頭に設置され、販売によって課金される料金が回収されることになる。販売端末1に課金のための挿入口が設けられない場合には、販売端末1をパーソナルコンピュータ等の汎用装置によって構成し、販売端末ID記憶部16としてパーソナルコンピュータのハードディスク等の記録装置が使用されて、その記録装置に販売端末ID情報を予め登録するようにする。そして、購入者3が電子書籍を購入する際、操作部12を用いて販売端末IDに関する情報を入力し、この情報を記録装置に記録された販売端末IDと比較して購入の可否を判定するようにしても良い。
この場合、パーソナルコンピュータの所有者が個人であるため、その個人に関する情報が販売端末IDとして登録される。しかし、著作権管理センター4は、実際にその販売端末を使用して電子書籍等の電子著作物を購入する購入者に関する情報を直接的には管理しないので、購入者3の匿名性が必ずしも失われることにはならない。
また、販売端末1、著作権管理センター4、販売元端末5および著作者端末7を接続する通信回線28は、公衆回線以外の専用回線が用いられても良く、また衛星等の無線を利用してデータ通信が行なわれるようにしても良い。また、本実施例における電子著作物流通管理システムは、電子著作物として電子化された書籍データを販売するようにしているが、音楽を電子化したデータ、パーソナルコンピュータ用のプログラム、ゲーム専用機のソフトウェア等の電子著作物が電子著作物流通管理システムによって流通されるようにしても良い。
また、販売端末1の書籍データ記憶部14に電子書籍以外の電子著作物を記憶させ、書籍データ書込み部13が購入者3の記録メディア2にその電子著作物データを書き込むようにして、電子書籍以外の電子著作物を販売するようにしても良い。
以上説明したように、本実施例における電子著作物流通管理システムによれば、販売端末1における電子著作物の販売時に著作権料が算出され、購入者3の記録メディア2に電子著作物データが記録される時に、著作権料データが著作権管理センター4に登録されるようになった。そのため、販売情報を一括管理せずに著作権料を正確に集計でき、販売数量の改ざんにより著作者に対して正当な著作権料が支払われないという問題を解決することが可能となった。
また、販売端末1が電子著作物を販売する際、著作権管理センター4による承認を得るようにすれば、著作権データが設定されていない不正な電子著作物が販売端末1において販売された場合、販売情報記録部17に記録された情報と著作権管理センター4における承認実績との間に不一致が発生し、その不正を検出することが可能となる。
また、販売端末1による販売途中で停電等による異常が発生した場合であっても、販売情報記録部17に記録された情報によってその時の販売状況を知ることができるので、購入者3との間や著作権者との間でトラブルが発生するのを防ぐことが可能となった。
(実施例2)
図4は、本発明の実施例2における電子著作物流通管理システムの概略構成を示すブロック図である。この電子著作物流通管理システムにおいて、記録メディア2、著作権管理センター4、販売元端末5および著作者端末7は、図1に示す実施例1における電子著作物流通管理システムにおけるものと同じであるので、詳細な説明は繰り返さない。
販売端末29は、図1に示す販売端末1と比較して、販売端末29における電子書籍の販売状況に関する情報を記録する販売情報記録部30と、販売情報記録部30に記録される販売情報の書込み、読み出し、削除等の編集を制御する販売情報制御部31と、販売情報制御部31による販売情報の編集処理を管理する販売情報管理部32と、販売情報記録部30に記録された販売情報の読み出しまたは削除する際に、販売情報読み出しカード34または販売情報管理カード35が接続される販売情報管理カード接続部33とが付加された点のみが異なる。したがって、その他の構成および機能についての詳細な説明は繰り返さない。
販売情報記録部30には、実施の形態1において説明した電子書籍の販売時における著作権管理センター4との間の通信経過に関する情報や記録メディア2への書籍データの書込み時における経過の情報が記録される。通常の販売時においては、販売情報制御部31は、これらの情報を特に制約を加えることなく販売情報記録部30に記録する。
販売情報読み出しカード34が販売情報管理カード接続部33に接続されると、操作部12による所定の操作が行なわれることによって、販売情報記録部30に記録された情報の読み出しが開始される。販売情報制御部31は、販売情報管理カード接続部33に販売情報読み出しカード34が接続された状態であることを確認すると、販売情報記録部30に記録された販売情報から必要な情報を読み出し、表示部9にその情報を表示したり、メディア挿入口10から挿入された記録メディア2にその情報を書き込んだり、または販売端末29に接続された図示しないプリンタにその情報を印刷したりする。このようにして、操作者が販売情報記録部30に記録された情報を取得することが可能となる。
また、販売端末29には、販売端末ID記憶部16に記憶された販売端末IDに対応したプログラム(販売情報記録部30に記録された販売情報を読み出すためのプログラム)の一部が記録されている。一方、販売情報読み出しカード34にも販売端末ID記録部16に記録された販売端末IDに対応したプログラムの残りの部分が記録されている。販売情報読み出しカード34は、この販売端末IDに対応しているため、他の販売端末で使用することはできない。このようにして、販売情報管理部32は、販売端末IDに対応した販売情報読み出しカード34が販売情報管理カード接続部33に接続された場合にのみ、販売端末IDに対応したプログラムが実行され、販売情報記録部30からの情報の読み出しが行なわれる。
また、操作者は、操作部12を用いて所定の操作、たとえばパスワードの入力を含んだ所定の操作を行なった場合にのみ、販売情報制御部31が販売情報管理部32を制御して販売情報記録部30から情報を読み出すようにしても良い。すなわち、正しいパスワードが入力された場合にのみ、販売情報制御部31が販売情報記録部30から情報を読み出せるようにハードウェア的に制御したり、販売情報制御部31が販売情報管理カード接続部33および販売情報管理部32を介して販売情報読み出しカード34からプログラムを読み出すようにする。
実施例1において説明したように、販売端末29による電子書籍の販売が行なわれると、販売情報記録部30に販売情報が記録される。販売情報管理カード35が販売情報管理カード接続部33に接続されると、操作部12による所定の操作が行なわれることによって、販売情報記録部30に記録された情報の消去が開始される。販売情報制御部31は、販売情報管理カード接続部33に販売情報管理カード35が接続された状態であることを確認すると、販売情報記録部30に記録された販売情報を読み出し、その情報を販売情報管理カード35に内蔵された管理カード記憶部36に書き込む。そして、販売情報制御部31は販売情報記録部30に記録されている販売情報を消去する。
また、販売端末29には、販売端末ID記憶部16に記憶された販売端末IDに対応したプログラム(販売情報記録部30に記録された販売情報を消去するためのプログラム)の一部が記録されている。一方、販売情報管理カード35にも販売端末ID記録部16に記録された販売端末IDに対応したプログラムの残りの部分が記録されている。販売情報管理カード35は、この販売端末IDに対応しているため、他の販売端末で使用することはできない。このようにして、販売情報制御部31は、販売端末IDに対応した販売情報管理カード35が販売情報管理カード接続部33に接続された場合にのみ、販売端末IDに対応したプログラムが実行され、販売情報記録部30に記録された情報の消去が行なわれる。
以上説明したように、本実施例における電子著作物流通管理システムによれば、販売端末29の販売情報管理カード接続部33に販売情報読み出しカード34または販売情報管理カード35が接続されている場合にのみ、販売情報記録部30に記録された販売情報の読み出しまたは消去が行なわれるようにしたので、販売情報記録部30に記録された情報が不正に読み出されたり、書き換えられたり、または消去されたりすることを防止することが可能となった。
また、販売情報記録部30に記録された情報が販売情報管理カード35の管理カード記憶部36に記録されるようにしたので、販売情報を一元管理することが可能となった。また、一般回線等を用いたデータ通信による販売情報の一元管理と比較して、本実施例の販売端末においては販売情報の集計管理が独立した状態で行なわれるため、販売情報が不正にアクセスされたり、漏洩する危険性が極めて少なく、販売端末における販売情報の改ざん等の不正が行なわれるのを防止することが可能となった。
(実施例3)
図5は、本発明の実施例3における電子著作物流通管理システムの概略構成を示すブロック図である。この電子著作物流通管理システムにおいて、記録メディア2、著作権管理センター4、販売元端末5および著作者端末7は、図1に示す実施例1における電子著作物流通管理システムにおけるものと同じであるので、詳細な説明は繰り返さない。
販売端末37は、図1に示す販売端末1と比較して、メディア挿入部10から挿入された記録メディア2が一時的に格納される記録メディア格納部38が付加された点、および販売端末制御部の機能が異なる点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰り返さない。なお、販売端末制御部の参照符号を39として説明する。
メディア挿入口10から挿入された記録メディア2は、一旦記録メディア格納部38に格納される。記録メディア格納部38に複数の記録メディア2が格納されている場合には、書籍データ書込み部13は購入者3からの指示にしたがって、順次複数の記録メディア2に書籍データが書き込まれる。
たとえば、複数の購入者がそれぞれの記録メディア2に書籍データを書き込む場合、まず最初の購入者3が記録メディア2をメディア挿入口10から挿入し、電子書籍データを選択して購入の手続を行なう。この購入の手続が終了すると、この購入者に対して書込みが終了した後に記録メディア2を取り出す方法を示す情報を表示部9に表示したり、販売端末37に接続される図示しないプリンタによってその情報を出力したりする。そして、記録メディア2への電子書籍データの書き込みが開始される。
そして、次の購入者が記録メディア2をメディア挿入口10から挿入すると、記録メディア格納部38に一時格納される。この購入者によって電子書籍データの選択が行なわれると、最初の購入者3の記録メディア2への電子書籍データの書込みが終了するまで次の購入者の記録メディア2への電子書籍データの書き込みが待たされる。そして、最初の購入者3の記録メディア2への電子書籍データの書き込みが終了すると、最初の購入者3の記録メディア2への書込みが終了したことを表示部9に表示する等によって報知し、次の購入者の記録メディアへの電子書籍データの書込みが開始される。なお、最初の購入者は、上述した情報にしたがって書込みが終了した後の記録メディア2を取り出す。
また、購入者3へ書込み終了を通知する際、購入者が所有する通信装置、たとえば通信回線に接続されたパーソナルコンピュータを介して通知するようにしても良い。
以上説明したように、本実施例における電子著作物流通管理システムによれば、販売端末37の書籍データ書込み部13が記録メディア2に電子書籍データを書き込んでいる場合であっても、平行して異なる購入者の購入手続を行なえるようにしたので、購入者による購入手続を効率よく行なうことが可能となった。
(実施例4)
図6は、本発明の実施例4における電子著作物流通管理システムの概念を示す図である。電子書籍表示装置(以下、ビューワと呼ぶ)101は、電子書籍販売装置(以下、ベンダー機と呼ぶ)103から提供された電子書籍の内容であるディジタルデータ(通常、このデータは符号化されているので、以下“符号化コンテンツ”と呼ぶ)を再生して表示する。
ベンダー機103は、ユーザ106に対してメディア102または通信回線を介して符号化コンテンツを提供する。このメディア102は、ディジタルデータを記録でき、パーソナルコンピュータ等の装置によってそのデータを読み取り可能な光磁気ディスク、光ディスク、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープまたはICカード等のメディアによって構成される。また、ベンダー機103は、電子書籍データを内部に記憶しており、ユーザ106による符号化コンテンツの要求と課金があった時に、内部に記憶している符号化コンテンツまたは配信センター104から配信された符号化コンテンツをユーザに提供する。
出版社108は、著者109が著作した著作物の編集や推敲を行ない、その著作物を電子化して符号化コンテンツを作成する。この作成された符号化コンテンツは、配信センター104からの要求に応じて、通信回線等の有線または衛星等の無線によって配信センター104へ配信される。
メーカ105は、ユーザ106にビューワ101を提供する製造メーカであって、ビューワ101をユーザ106に提供する際にビューワ101内部にユーザ鍵を埋め込んで提供するとともに、鍵情報管理装置(以下、鍵管理センターと呼ぶ)110にそのユーザ鍵を提供する。後述するように、このユーザ鍵によってビューワ101による符号化コンテンツの復号が行なわれる。
また、鍵管理センター110は、ベンター機103、メーカ105または出版社108との間で無線または有線による通信によって後述する鍵データ等の管理や発行等を行なう。なお、図6に示す電子著作物流通管理システムにおいては、簡単のため各装置が1台ずつ接続された構成となっているが、通常は各装置が複数台接続される。
また、インターネットを介して電子書籍データを配信することも可能である。この場合、プロバイダ111が家庭端末112(たとえば、パーソナルコンピュータ)へ電子書籍データを配信し、その符号化コンテンツに対する対価はプロバイダ111に対して支払われる。また、プロバイダ111に記憶される電子書籍データは出版社108から配信される。なお、プロバイダ111は配信センター104と同等の機能で実現でき、家庭端末112はベンダー機103の機能と同等の機能で実現できる。
図7は、図6に示すベンダー機103の概略構成を示すブロック図である。ベンダー機103は、ベンダー機103全体の制御を行なうCPU201と、処理内容やプログラム等を記憶するメモリ202と、複数の符号化コンテンツおよびその符号化コンテンツを正常に再生または表示するための補助情報を記憶するハードディスク203と、鍵管理センター110との間で通信回線を介して通信を行なう鍵管理センター回線I/F(インタフェース)205と、配信センター104との間で通信回線を介して通信を行なう配信回線I/F206と、ベンダー機103の使用者に対して情報を表示する表示装置207と、ユーザが所望の電子書籍を検索したり、購入する電子書籍を選択する際に使用されるユーザインタフェース208と、メディア102に電子書籍データを書き込むメディアライタ209と、ビューワ101との間で通信を行なう通信ポート210と、ユーザの符号化コンテンツ購入の対価となる現金またはプリペイドカードの内容を確認し、課金決済を行なう課金装置211と、これらの構成部分が接続される内部バス204とを含む。
図8は、ビューワ101の概略構成を示すブロック図である。ビューワ101は、ビューワ101の全体的な制御を行ない、種々の演算処理を行なうCPUおよびDSP(Digital Signal Processor)から構成される処理部301と、処理部301が使用する情報を一時的に保持するRAM302と、処理部301が実行する処理プログラムおよび後述するビューワ101固有の情報であるユーザ鍵等を記憶するROM303と、ベンダー機103から読み込んだ符号化コンテンツを記憶する内部メディア304と、メディア102から符号化コンテンツを読み取るディスクドライブ等で構成されるメディアドライブ305と、ベンダー機103との間で通信回線を介して通信を行なう通信ポートI/F306と、符号化コンテンツを復号した後、ユーザに提示する画像(コンテンツ情報)が記憶される画像メモリ307と、画像メモリ307に記憶される内容に従って画像を表示するLCD(Liquid Crystal Device)308と、十字カーソルおよびボタンの状態をシリアルデータに変換して出力するシリアルポートや、タブレット等で構成される入力部309と、マイクから入力される音声を符号化したり、符号化された楽音を再生してスピーカから出力するオーディオコーデック等で構成される音声部310と、これらの構成部分が接続されるシステムバス311とを含む。
図9は、鍵管理センター110の概略構成を示すブロック図である。鍵管理センター110は、鍵管理センター110全体の制御を行なうCPU401と、処理内容やプログラム等を記憶するメモリ402と、後述するユーザ鍵等の情報を記憶するハードディスク403と、ベンダー機103との間で通信回線を介して通信を行なうベンダー回線I/F405と、出版社108との間で通信回線を介して通信を行なう出版社回線I/F406と、メーカ105との間で通信回線を介して通信を行なうメーカ回線I/F407と、メディア411に対してデータの読み出しおよび書込みを行なうメディアドライブ410と、これらの構成部分が接続される内部バス404とを含む。
図10は、ビューワ101、ベンダー機103、出版社108および鍵管理センター110の間における鍵情報等の通信内容を示す図である。鍵管理センター110は、内部のハードディスク403にコンテンツ対応テーブル501およびユーザ対応テーブル502を有している。コンテンツ対応テーブル501は、出版社で作成された電子書籍の符号化コンテンツに固有の情報であるコンテンツIDと、ビューワ101においてその符号化コンテンツを解釈、再生して表示するのに必要なコンテンツ鍵とを対にして記憶している。なお、1つのコンテンツIDに対して、複数のコンテンツ鍵を対応させて記憶しても良い。
このコンテンツ対応テーブル501内のコンテンツIDは、以下のいずれかの方法によって作成される。
(1−1)鍵管理センター110が、出版社108ごとにそれぞれコンテンツIDを予め割り付ける。
(1−2)出版社108の要求により、鍵管理センター110がその都度コンテンツIDを作成する。
また、コンテンツ対応テーブル501内のコンテンツ鍵は、以下のいずれかの方法によって出版社が作成し、鍵管理センター110へ送信される。
(2−1)出版社108が、上述したコンテンツIDに対応するコンテンツ鍵を作成し、コンテンツIDとコンテンツ鍵との組を鍵管理センター110へ送信する。そして、鍵管理センター110がコンテンツ対応テーブル501にそのコンテンツIDとコンテンツ鍵との組を追記する。
(2−2)上記(1−1)または(1−2)で得られたコンテンツIDが鍵管理センター110へ送信され、鍵管理センター110がそのコンテンツIDに対応するコンテンツの符号化鍵514と復号化鍵515とを作成して、符号化鍵514のみを出版社108へ送信する。出版社108は、鍵管理センター110から送信された符号化鍵512を用いて電子書籍のコンテンツを符号化する。また、鍵管理センター110は、コンテンツIDとコンテンツ鍵(復号化鍵)との組をコンテンツ対応テーブル501に追記する。
以上、電子書籍のコンテンツ毎にコンテンツIDとコンテンツ鍵が割り付けられる場合について説明したが、全てのコンテンツに同じコンテンツIDとコンテンツ鍵とを対応させたり、各出版社毎に1つのコンテンツIDとコンテンツ鍵とを対応させるようにしても良い。
ユーザ対応テーブル502には、ユーザ106またはビューワ101に固有の情報であるユーザIDと、対応するビューワ101において符号化コンテンツを解釈、再生および表示する際に必要となるユーザ鍵との組が記録されている。このユーザ対応テーブル502内のユーザIDおよびユーザ鍵は、以下のいずれかの方法によって作成される。
(3−1)鍵管理センター110が、ビューワ101毎にユーザIDおよびユーザ鍵を作成してユーザ管理テーブル502に追記した後、ユーザ106またはメーカ105へ送信する。
(3−2)鍵管理センター110が、ビューワ101毎にユーザIDを作成し、メーカ105へ送信する。メーカ105は、ユーザIDを受信するとユーザ鍵を作成してビューワ101内に埋め込む。そして、メーカ105は、ユーザIDとユーザ鍵との組を鍵管理センター110へ送信する。鍵管理センター110は、受信したユーザIDとユーザ鍵との組をユーザ対応テーブル502に追記する。
以上の説明においては、ビューワ101毎にユーザIDとユーザ鍵とが割り付けられたが、全てのビューワ101に同じユーザIDとユーザ鍵とが割り付けられたり、特定のビューワ、たとえば図書館や学校等に設置される複数台のビューワに1つのユーザIDとユーザ鍵との組を割り付けるようにしても良い。また、本実施例の電子著作物流通システムにおいては、ベンダー機103と鍵管理センター110とを別個の装置として説明したが、ベンダー機103に鍵管理センター110の機能を持たせるようにしても良い。
次に、ユーザ106がビューワ101を用いて符号化コンテンツを解釈、再生および表示する手順について説明する。
ユーザ106がベンダー機103から符号化コンテンツを取得する場合、まず、ユーザ106はベンダー機103の表示装置207を参照しながら、ユーザインタフェース208を用いて購入したい符号化コンテンツを選択し、必要に応じてビューワ101と通信ポート210とを接続する。ベンダー機103内のCPU201は、通信ポート210にビューワ101が接続されたのを確認した後、ビューワ101内部に保持されたユーザID510を取得してメモリ202に記憶する。このユーザIDは、ユーザ106によって直接ユーザインタフェース208を介して入力されるようにしても良い。
ベンダー機103のハードディスク203には、符号化コンテンツとそれに対応するコンテンツID504とが所定の単位毎、たとえば電子書籍のタイトル毎に複数記憶されている。CPU203は、ユーザ106が選択した書籍に対応する符号化コンテンツおよびコンテンツIDをハードディスク203から抽出する。
次に、ユーザ106が選択した電子書籍に対する対価、たとえば現金またはプリペイドカードがユーザ106によって課金装置211に投入される。課金装置211は、その対価を確認して決済を行なう。CPU201が課金装置211から決済終了の通知を受信すると、メモリ202内に記憶されているユーザIDおよびコンテンツIDを、鍵管理センター回線I/F205を介して鍵管理センター110へ送信する。なお、ユーザIDが単一の場合には、鍵管理センター110へのユーザIDの送信は行なわれない。たとえば、全てのユーザに対して同じユーザIDおよびユーザ鍵が割り付けられている場合には、ベンダー機103からのユーザIDの送信は省略される。
鍵管理センター110は、ベンダー回線I/F405を介してベンダー機103からコンテンツIDおよびユーザIDを受信してメモリ402に記憶する。そして、鍵管理センター110のCPU401は、コンテンツ対応テーブル501を検索して、受信したコンテンツIDに対応するコンテンツ鍵を抽出してメモリ402に記憶するとともに、ユーザ対応テーブル502を検索して、受信したユーザIDに対応するユーザ鍵を抽出してメモリ402に記憶する。
次に、演算モジュール(CPU401等によって構成される)503は、抽出されたユーザ鍵とコンテンツ鍵とを入力し、これらに演算を施すことによって補助情報としてのビット列を生成して出力する。図11は、演算モジュール503によって生成されたビット列の一例を示している。このビット列は、ビット列自体の長さを示すビット数が格納されるビット数領域601と、ユーザ鍵とコンテンツ鍵とに施した演算の種類を示す識別子が格納される演算種識別子領域602と、ユーザ鍵とコンテンツ鍵とに演算を施すことによって得られた演算結果が格納される演算結果領域603とを含む。なお、演算結果領域603に格納される演算結果は可変長データである。
演算モジュール503は、メモリ402またはハードディスク403内に記憶された複数の演算プログラムの中から演算を選択し、選択された演算の識別子を演算種識別子領域602に格納する。そして、演算モジュール503は、入力されたユーザ鍵とコンテンツ鍵とに対して、選択された演算を施してその演算結果を演算結果領域603に格納する。最後に、演算モジュール503は、ビット列全体の長さを算出してビット数領域601に格納する。
演算モジュール503によって行なわれる演算Fは、2つの入力値から1つの出力値を算出する演算であり、以下の条件を満足するものである。なお、Xはユーザ鍵を表わし、Yはコンテンツ鍵を表わしている。
(条件)B=F(X,Y)で得られた演算結果に対して、Y=G(B,X)となる演算Gが存在する。
本実施例においては、Fを“演算”と定義し、Gを“解演算”と定義することにする。これらの演算Fと解演算Gとの組み合わせは無数に存在するが、以下にその一例を示す。
(1)F(X,Y)=X+Yと、G(B,X)=B−Xとの組み合わせ。
(2)F(X,Y)=X×Yと、G(B,X)=B÷Xとの組み合わせ。
(3)F(X,Y)=X−Yと、G(B,X)=B+Xとの組み合わせ。
(4)F(X,Y)=X÷Yと、G(B,X)=B×Xとの組み合わせ(ただし、Xは“0”でない)。
(5)F(X,Y)=X^Yと、G(B,X)=LogXBとの組み合わせ(ただし、X^Yはべき乗演算を示す)。
(6)F(X,Y)=Y>Xと、G(B,X)=B<Xとの組み合わせ(ただし、Y>Xは数値Yを2進数のビット列と見なし、X回だけ右方向にローテートさせることを意味し、B<Xは数値Bを2進数のビット列と見なし、X回だけ左方向にローテートさせることを意味するものとする)。
演算Fに対して解演算Gが予め対応付けられており、ユーザ鍵Xとコンテンツ鍵Yとの各組に対して演算種識別子が割り当てられた後、演算Fと演算種識別子との組が鍵管理センター110内に記憶される。一方、対応する解演算Gと演算種識別子との組が、予めビューワ101内に記憶されている。
鍵管理センター110は、上述した演算によって得られた演算結果および演算種識別子を含むビット列をベンダー機103へ送信する。ベンダー機103のCPU201は、鍵管理センター110から受信したビット列と既にユーザ106によって選択された符号化コンテンツとを組にして、メディアライタ209によってメディア102にそれを書き込む。
以上の説明においては、ベンダー機103は1つの符号化コンテンツに対して、1種類のビット列を受信してメディア102に書き込んだが、ユーザ106の課金状況に応じて1つの符号化コンテンツに複数のビット列を作成するように鍵管理センター110に要求し、その複数のビット列を受信してメディア102に書き込むようにしても良い。すなわち、ベンダー機103は、符号化コンテンツに対応して課金情報をコンテンツ課金情報テーブル1201に記憶しておき、その課金情報に応じて異なるコンテンツIDを鍵管理センター110へ送信する。
図12は、コンテンツ課金情報テーブル1201の一例を示している。たとえば、ユーザ106が100円を投入した場合、ベンダー機103はコンテンツID1のみを鍵管理センター110へ送信し、コンテンツID1に対応するビット列のみを受信する。また、ユーザ106が300円を投入した場合、ベンダー機103はコンテンツID1、コンテンツID2およびコンテンツID3を鍵管理センター110へ送信し、コンテンツID1、コンテンツID2およびコンテンツID3に対応する3種類のビット列を受信する。すなわち、課金状況に応じて種類や数が異なるコンテンツIDを鍵管理センター110へ送信し、鍵管理センター110からそのコンテンツIDに対応したビット列を受信して、ユーザ106によって選択された符号化コンテンツとこれに対応するビット列との組をメディア102に記録する。
次に、図10を用いてビューワ101がメディア102に記録された符号化コンテンツとビット列との組を処理する手順について説明する。なお、ビューワ101の処理部301は、メディア102に記録されたビット列と符号化コンテンツとを分離する分離モジュール506と、分離モジュール506によって分離されたビット列に含まれる演算結果603に解演算を行なってコンテンツ鍵を生成する解演算モジュール507と、コンテンツ鍵を用いて符号化コンテンツを復号する復号モジュール508とを含む。
まず、分離モジュール506は、記録メディア102に記録されたビット列と符号化コンテンツとを分離し、ビット列を解演算モジュール507へ転送し、符号化コンテンツを復号モジュール508へ転送する。
解演算モジュール507は、分離モジュール506から転送されたビット列の演算結果領域603に格納される演算結果Bを抽出し、演算種識別子602を抽出して解演算Gを選択する。そして、解演算モジュール507が内蔵されたユーザ鍵Xと演算結果Bとに対して解演算Gを行なうことによって、コンテンツ鍵Yを生成して復号モジュール508へ転送する。
次に、復号モジュール508は、解演算モジュール507から転送されたコンテンツ鍵を用いて符号化コンテンツを復号し、その内容をLCD308に表示するが、その詳細については後述する。
また、出版社108は、電子書籍に対応する符号化コンテンツを作成する際に、本来のコンテンツ鍵512を鍵管理センター110へ送信する代わりに、コンテンツ鍵512に対して暗号鍵514を用いて所定の暗号化を行ない、コンテンツ鍵として鍵管理センター110へ送信するようにしても良い。この場合、ビューワ101において、解演算モジュール507によって生成されたコンテンツ鍵に対して復号鍵516を用いて復号化を行ない、本来のコンテンツ鍵512を得ることができる。
次に、図13を参照してビューワ101が符号化コンテンツを解釈し、それを再生して表示する処理手順について説明する。
ビューワ101のメディアドライブ305にメディア102が挿入されると、処理部301はメディア102からビット列と符号化コンテンツとを読み出し、上述した処理手順でコンテンツ鍵515を生成する。図13に示すように、符号化コンテンツに3種類のビット列が付加されている場合、解演算モジュール507は3種類のコンテンツ鍵を生成してRAM302に格納する。解釈モジュール703は、符号化コンテンツ701を解釈して複数の処理手順704と複数のデータモジュール705とに分割する。各処理手順704は、対応する処理モジュール706によって実行される。なお、解釈モジュール703および各処理モジュール706は、処理部301が所定のプログラムを実行することによって実現される。
処理手順704に対応する処理モジュール706は、解釈モジュール703によって分離されたデータモジュール705を適宜参照しながら処理を行なう。また、データモジュール705には、後述するように画像データ、処理テーブル、フォントデータ、またはビューワ101内に存在しない処理機能を提供するための処理モジュール等が含まれる。なお、解釈モジュール703および処理モジュール706が処理を行なう際に、解演算モジュール507によって生成されたコンテンツ鍵515を適宜参照する。
図14(A)〜図14(D)は、ビューワ101の表示属性を示す図である。図14(A)に示すビューワ101は、768×1024画素、モノクロ8階調のLCDを2枚含んでおり、それぞれのLCDに別の画面を表示することが可能である。
図14(B)に示すビューワ101は、図14(A)に示すLCDと同じ画素数および階調を有するLCDを1枚だけ含んでおり、1画面分の表示データしか表示することができない。また、図14(C)に示すビューワ101も、図14(A)に示すLCDと同じ画素数および階調を有するLCDを1枚だけ含んでおり、2画面分の表示データを縮小して一覧表示することができる。
図14(D)に示すビューワ101は、480×640画素、カラー26万色のLCDを1枚含んでおり、1画面分の表示データしか表示することができない。
これらの各ビューワ101の表示属性は、表示形態に対応してRAM302に登録される。この表示属性には、LCD枚数(ビューワ101に搭載されているLCDの枚数)、LCD画素数(ビューワ101に搭載されているLCDの横方向および縦方向の画素数)、LCD色(モノクロ/カラーの区別、階調数、色数)、表示方向(ユーザ106がLCDを見る際に、画面を横にして見るか縦にして見るかを示す)、ページ枚数(LCD1画面に何ページ分を表示するかを示す)の区別等が含まれる。なお、図14(A)〜図14(D)に示すビューワ101の表示形態に対応する表示属性を図15に示す。
次に、図16を参照して、本実施例のビューワ101の表示画面における座標系を説明する。この座標系には、画像座標系、ページ座標系および表示座標系の3種類が含まれ、画素を単位とし左上を原点とする座標系である。画像座標系は、表示する原画像データを記述するための座標系であり、図16にはイラスト(300×200画素、8階調)、写真(640×480画素、1600万色カラー)およびフォント画像(1文字64×64画素、2階調)が存在する。また、ページ座標系は、画像を表示する際のページ上での位置やサイズを指定するために設けられた仮想的な座標である。また、表示座標系は、上述した表示属性に対応して定義される座標系である。
解釈モジュール703が符号化コンテンツ701に記載されている内容を解釈して分割すると、各処理モジュール706が、画像座標系で記述された表示オブジェクトを表示座標系に変換してLCD308に表示する。
図17および図18は、符号化コンテンツ701の一例を示す図である。この符号化コンテンツは、モジュールと呼ばれるデータおよび処理プログラムが複数記述されて構成されている。解釈モジュール703が各モジュールを連続して読み出し、各処理モジュール706に処理を行なわせることによってコンテンツの再生が行なわれる。
図17に示すステップ1〜ステップ3は、コンテンツ全体に必要なデータであり、解釈モジュール703がこのデータを先に読み込む。それ以降、解釈モジュール703がページ単位でデータを読み込むことによって、ページ単位で順次コンテンツが再生されて表示される。1つのモジュールは、モジュール名、開始識別子および終了識別子を含んでいる。たとえば、画像データの開始識別子(1002)〜画像データの終了識別子(1008)が1つのモジュールを示しており、開始識別子および終了識別子にはモジュール名が付されている。
解釈モジュール703は、各モジュール毎にモジュール名を抽出し、そのモジュール名に対応する処理モジュール706にモジュールを転送する。モジュールが転送された処理モジュール706は、たとえばサブルーチンプログラムを呼び出すことによって、そのモジュールの処理を実行する。たとえば、解釈モジュール703が図17に示すIMAGEモジュール(1002〜1008)を解釈すると、このIMAGEモジュールをIMAGE処理モジュールに転送し、IMAGE処理モジュールが以降の処理を実行する。
図17および図18に示す各モジュールには、コンテンツ鍵を指定する領域が含まれている。解釈モジュール703が各モジュールの解釈を行なう際に、コンテンツ鍵が指定されている場合には、上述した処理によって生成されたコンテンツ鍵を検索し、符号化コンテンツを復号化した後で各処理モジュール706へ転送する。
次に、図17および図18に示す各モジュールの処理内容について説明する。
(1)IMAGE処理モジュール(モジュール名:IMAGE)
符号化画像データが圧縮方法識別子によって示される方式で展開され、RAM302に記憶される。符号化画像データが正常に展開された場合には、この画像データの記憶領域に画像データID番号が付される。
(2)TABLE処理モジュール(モジュール名:TABLE)
画像処理方式を示すテーブルデータが、指定されたコンテンツ鍵を用いて復号され展開されて、RAM302に記憶される。テーブルデータが正常に展開された場合には、このテーブルの記憶領域にテーブルID番号が付される。
図19は、この処理テーブルの一例を示している。たとえば、処理ID“1”が指定されている時に、拡大処理を行なう場合には、画像データに対して線形補間処理を行なった後にエッジ強調処理を行なう。また、縮小処理を行なう場合には、画像データに対して単純縮小処理を行なう。また、減色処理を行なう場合には、画像データに対してビットスライス処理を行なう。このビットスライス処理とは、複数ビットで表現される画像の色データまたは階調データのうち、下位ビットのデータを切り捨てる処理を指す。
(3)MODULE処理モジュール(モジュール名:MODULE)
処理モジュール自体が展開されて、RAM302に処理モジュールとして記憶される。処理モジュールが正常に展開された場合には、この処理モジュールの記憶領域に処理モジュール名が付される。ビューワ101内部に予め登録されている処理モジュール以外の処理を実行したい場合に、このMODULE処理モジュールが用いられる。
(4)PAGE処理モジュール(モジュール名:PAGE)
ページデータの開始を示し、ページのx方向の画素数およびy方向の画素数がページデータの属性としてRAM302に記憶される。電子書籍の場合、このページデータの開始を示す記述子と終了を示す記述子との間の領域が各ページに対応している。
(5)PUTIMAGE処理モジュール(モジュール名:PUTIMAGE)
RAM302内に存在する、指定されたIDを有する画像データの処理が行なわれた後に、この処理後の画像データが画像メモリ307に転送されてLCD308に表示が行なわれる。このPUTIMAGE処理モジュールの処理手順を以下に詳細に説明する。
図20は、PUTIMAGE処理モジュールの処理手順を説明するための図である。PUTIMAGE処理モジュール706は、表示オブジェクトである原画(画像座標系)の画素数(Xo×Yo)、原画の領域始点座標(Xso,Yso)、原画の領域画素数(DXs×DYs)、ページ(ページ座標系)の画素数(Xp×Yp)、ぺージの領域始点座標(Xpo,Ypo)およびページの領域画素数(DXp×DYp)をモジュール内の対応する領域および画像データから読み出す。
次に、PUTIMAGE処理モジュール706は、表示領域(表示座標系)の画素数(Xd×Yd)、表示領域の領域始点座標(Xdo,Ydo)および表示領域の領域画素数(DXd×DYd)をRAM302から抽出し、拡大/縮小処理を行なう。拡大/縮小処理の倍率は、理論的には図20に示すように、画像座標系からページ座標系へ変換するための拡大/縮小処理を行なった後、ページ座標系から表示座標系へ変換するための拡大/縮小処理を行なった場合の全体の倍率となる。したがって、本実施例においては、以下の倍率で原画の領域を拡大/縮小することにする。
X方向の倍率:(Xd×DXp)/(Xp×DXs)倍
Y方向の倍率:(Yd×DYp)/(Yp×DYs)倍
この拡大/縮小処理は、図19に示す処理テーブルが参照されてその処理方法が選択されて実行される。また、原画の色数が表示可能な色数(表示属性によって決定される)より多い場合には、図19に示す処理テーブルが参照されてその減色処理が選択されて実行される。
以上説明した拡大/縮小処理および減色処理が行なわれた後の画像が、表示座標系における(Xdo=(Xd×Xpo)/Xp,Ydo=(Yd×Ypo)/Yp)を原点として、画像メモリ307内の領域に書き込まれることによって表示が行なわれる。
(6)CAOS処理モジュール(モジュール名:CAOS)
指定されたIDを有する画像データの画素値が、以下に示す関数によって変更された後に画像メモリ307へ転送されることによってLCD308に表示が行なわれる。このCAOS処理について、以下に詳細に説明する。
RAM302に格納されている指定されたIDを有する画像データ(以下、I0(z)と表記する)に対して、モジュール内にある処理パラメータを用いて以下の処理が行なわれて、処理後の画像(以下、結果画像と呼ぶ)が得られる。なお、zは画素データのインデックスを示しており、画像がX0×Y0画素で構成されている場合には、0≦z<(X0×Y0)となる。
a(0)=Aとして、以下に示す演算をN回繰り返す。
a(n+1)=P(1−a(n))×a(n)
z=a(n+1)×X0×Y0
I1(z)=R(I0(z))
ただし、A,P,Nは、モジュール内に記録されている数値である。Aは初期値であり、0<A<1の値である。Pはモジュール内に記録されている処理パラメータでありランダムな値であるが、3.6≦P≦4であることが望ましい。Nは繰り返し回数である。また、関数Rは、ビット反転処理を意味しており、I0の取り得る値が0からMまでとするとR(x)=M−xとなる。
以上の処理によって得られた結果画像I1は、モジュール内に記録されたパラメータが参照されて、PUTIMAGE処理モジュールと同様の方法によって拡大/縮小処理および減色処理が行なわれ、画像メモリ307に転送されて表示が行なわれる。
画像データを作成する際、原画像に対して上記CAOS関数およびパラメータでビット反転が行なわれ、圧縮した後に符号化画像データとして符号化コンテンツ内に記録されたとする。この符号化コンテンツが単純に復号化されただけでは、CAOS関数によって変更された後の画像がLCD308に表示されることになる。したがって、正常な画像が表示されないことになる。一方、符号化コンテンツを復号化した後に上述したCAOS処理が行なわれることによって、正常な画像がLCD308に表示されることになる。CAOS処理モジュールは、モジュール内にコンテンツ鍵が存在する場合にのみ起動されるようにすれば、コンテンツ鍵を有しないビューワ101は正常な画像を表示することができない。
また、上述したCAOS関数の代わりに、たとえば乱数関数RANDを用いる処理モジュールを定義して処理を行なうようにしても良い。この場合、表示される画像の画質や処理モジュールのサイズが異なることとなるが、CAOS関数を用いた場合と同様の効果が得られる。また、画像データに対してCAOSによる雑音の混入/除去を行なう処理について説明したが、他のモジュールに対しても同様にCAOSによる雑音の混入/除去を行なうようにしても良い。
(7)BLUR処理モジュール(モジュール名:BLUR)
指定されたIDを有する画像データに対して、画像処理手法の1つであるぼかし処理を行なった後、画像メモリ307へ転送することによってLCD308にぼけた画像が表示される。モジュール内にコンテンツ鍵が指定されている場合には、後述する繰り返し回数Nを強制的に“0”にすることによって、ぼかし処理を行なわないようにする。以下、このぼかし処理について詳細に説明する。
RAM302に格納されている指定されたIDを有する画像データ(以下、I0(x,y)と表記する)に対して、モジュール内にある処理パラメータを用いて以下の処理が行なわれて、処理後の画像(以下、結果画像I1(x,y)と表記する)が得られる。なお、xおよびyは画素データの座標インデックスを示しており、画像がX0×Y0画素で構成されている場合には、0≦x<X0、0≦y<Y0となる。
全ての画素に対して、以下の演算をN回繰り返す。ただし、N=0の場合には、I1=I0とし、ステップ2に示す処理を1回だけ行なって処理を終了する。
ステップ1:I1(x,y)=I0(x,y)*M(P,x,y)
ステップ2:PUTIMAGEと同様の方法によって、画像I1に拡大/縮小処理および減色処理を行ない、画像メモリ307へ転送することによって画像を表示する。
ステップ3:I0(x,y)=I1(x,y)とし、ステップ1から処理を繰り返す。
ただし、PおよびNはモジュール内に記録されているパラメータであり、*M(P,x,y)は座標(x,y)を中心としたP×Pのマスクを用いた移動平均処理を意味する。このBLUR処理モジュールが実行される際、対応するコンテンツ鍵が存在しないと表示されている画像が次第にぼけることとなる。一方、対するコンテンツ鍵が存在すると画像がぼけることはない。したがって、コンテンツ鍵を有しないビューワ101においては、正常な画像が表示されない。
関数*Mの代わりに、たとえばエッジ強調等の各種画像処理関数を用いた処理モジュールを定義して処理を行なうようにしても良い。この場合、表示される画像の画質や処理モジュールのサイズが異なることとなるが、同様の効果が得られる。
以上の各処理モジュールの説明に基づいて、図17および図18に示す符号化コンテンツ(ステップ1〜ステップ10)によって実行される処理の概略を説明することにする。
(ステップ1)
処理モジュール706によって、IMAGEモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵1が存在するので(図13を参照)、MH(Modified Huffman)符号化によって圧縮処理が行なわれた符号化画像データが伸長処理され、画像データID番号“1”が付されてビットマップ画像としてRAM302にロードされる。
(ステップ2)
処理モジュール706によって、TABLEモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵2が存在するので(図13を参照)、テーブルデータが展開されてそのテーブルにID番号“1”が付され、処理テーブルとしてRAM302にロードされる。図17に示す符号化コンテンツにおいては、コンテンツ鍵2が存在するためこの処理テーブルが正常にロードされる。しかし、ユーザ106によるベンダー機103での課金状況によっては、この処理テーブルが正常にロードされないので、以降の処理においてこの処理テーブルを用いた処理が不可能となる場合もある。
(ステップ3)
処理モジュール706によって、MODULEモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵3が存在するので(図13を参照)、符号化処理モジュールを復号し、処理モジュール名CAOSが付されてRAM302にロードされる。ステップ2と同様に、ユーザの課金状況によってはこの処理モジュールが正常にロードされないので、以降の処理においてCAOS処理モジュールを用いた処理が実行されない場合もある。
(ステップ4)
処理モジュール706によって、PAGEモジュールの処理が実行される。このモジュールにはコンテンツ鍵の指定がないので、どのような場合においても実行される。具体的には、ページ終了記述子/PAGEが読み出されるまで、ページ座標系のX画素数768およびY画素数1024がページデータの属性としてRAM302にロードされ、以降の処理において用いられる。
(ステップ5)
処理モジュール706によって、IMAGEモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵2が存在し、ページ画素数指定(768×1024)がステップ4においてロードされた表示属性と一致するので、JBIG(Joint Bi-level Image Group)符号化によって圧縮されている符号化画像データが伸長処理され、画像データID番号“2”が付されて、ビットマップ画像としてRAM302にロードされる。PAGE記述子内にこのIMAGEモジュールが記述されているので、ページ終了記述子が解釈されるとRAM302からアンロードされる。
(ステップ6)
処理モジュール706によって、IMAGEモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵2が存在するが、ページ画素数指定(480×640)がステップ4においてロードされた表示属性と一致しないので、この処理は行なわれない。
ステップ5およびステップ6において指定されている画像は、表示属性によって選択的に処理が行なわれるため同時にRAM302にロードされることはない。これは、以後の処理対象画像をページ画素数によって変更できることを意味している。たとえば、ビューワ101の表示形態によっては、フォント画像等のように拡大/縮小処理では高画質の表示が不可能であるので、フォント画像等を変更してそれに対応することが可能となる。
(ステップ7)
処理モジュール706によって、IMAGEモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵3が存在し、ページ画素数指定等の表示属性指定が存在しないため、JPEG(Joint Photographic Experts Group)符号化方式で圧縮されている符号化画像データが伸長処理され、画像データID番号“3”が付されてビットマップ画像としてRAM302にロードされる。
たとえば、IMAGE処理モジュール内で指定されているコンテンツ鍵がビューワ101内に存在しない場合には、当該画像データがロードされず、結果としてLCD308に表示されない場合もある。
(ステップ8)
処理モジュール706によって、既にロードされている画像データID番号“1”の画像に対してPUTIMAGEモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵2が存在し、ページ画素数指定等の表示属性指定が存在しないため、PUTIMAGEモジュールの処理が実行される。この処理に使用されるID番号“1”を有する処理テーブルがメモリ302に既にロードされているため、拡大/縮小処理および減色処理等の画像処理が必要な場合には、処理テーブル内の処理ID“1”(図19を参照)に相当する処理が用いられる。ユーザ106による課金状況によっては、処理テーブルがロードされていないため、画像処理が行なわれない場合や、予め定められたデフォルト画像処理が行なわれる場合もある。
(ステップ9)
処理モジュール706によって、既にロードされている画像データID“3”の画像データに対して、BLURモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵4が存在しないため、LCD308に表示される画像が時間の経過に伴って徐々にぼけて表示されるようになる。
(ステップ10)
処理モジュール706によって、既にRAM302にロードされている画像データID“2”の画像に対して、CAOSモジュールの処理が実行される。ビューワ101内にコンテンツ鍵3が存在するため、当該画像データが予めCAOS関数で画像処理がされている場合であっても、LCD308に正常な画像が表示される。以降、符号化コンテンツにしたがって、同様の処理が実行される。
また、上述した説明においては、メディア102に符号化コンテンツが1つだけ記録されている場合についてのものであった。しかし、通常メディア102には電子書籍のタイトル毎に複数のコンテンツが記録されており、課金状況に応じてコンテンツ単位で解釈され再生されて表示が行なわれる。
また、画像データに関する処理のみ説明したが、音声再生モジュールや文字データ表示モジュール等を符号化コンテンツ内に記述し、コンテンツ鍵の有無に応じて実行を制御することも可能である。
また、本実施例における電子著作物流通システムで使用される各装置に処理を行なわせる場合、磁気ディスク、光ディスクまたはICカード等のコンピュータ読取可能な媒体に記憶しておき、適宜ハードディスクにインストールしてそのプログラムを実行するようにしても良い。また、通信回線を介して各装置に供給されるようにしても良い。
図21は、上述したビット列がメディア102の非可読領域に存在する場合におけるビューワ101の処理の概要を説明するための図である。メディア102の可読領域にビット列1および符号化コンテンツが記録されており、非可読領域にビット列0が記録されている。ビューワ101内に非可読領域内のビット列を検出する検出モジュール1401が設けられている。検出モジュール1401がこの非可読領域に記録されたビット列0を検出し、解演算モジュール507がこのビット列0とユーザ鍵とからコンテンツ鍵を生成する。それ以降の処理は、上述した処理と同じであるので、詳細な説明は繰り返さない。
図22(A)および図22(B)は、メディア102に設けられた非可読領域を説明するための図である。図22(A)に示すように、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)やMD(Mini Disc)等のディスク形状のメディア102の可読領域の外周に非可読領域が設けられている。可読領域はユーザ106の通常の操作により汎用の読取装置で読み取り可能な領域であり、非可読領域はユーザ106の通常の操作により汎用の読取装置で読み取り不可能な領域である。たとえば、汎用の読取装置ではデータの読み出しが不可能なディスク102の内周や外周に特定の情報や模様を書き込むことによって非可読領域にビット列を記録しておくことが可能である。検出モジュール1401がこの非可読領域に記録されたビット列を検出する。
また、図22(B)に示すように、メディア102を格納するケース1501に非可読領域1503を設けるようにしても良い。メディアドライブ305にメディア102が装着されると、スロット1502が開口してメディア102に記録された内容がメディアディスク305によって読み取られる。非可読領域1503は、ケース1501にバーコードのシールが添付されたり、凹凸加工が施されることによって作成される。検出モジュール1401がこの非可読領域に記録されたビット列を検出する。
検出モジュール1401が非可読領域に記録されたビット列を検出すると、以下に示す方法によって符号化コンテンツの解釈、再生および表示が行なわれる。
(1)ビューワ101内に存在する別のコンテンツ鍵が有効になり、そのコンテンツ鍵が復号化モジュール508によって使用される。
(2)検出されたビット列が解演算モジュール507に入力されて、メディア102の可読領域に存在するビット列と同様の処理が行なわれた後コンテンツ鍵が生成されて、そのコンテンツ鍵が復号化モジュール508によって使用される。
このようにして、汎用の読取装置を用いてメディア102内の可読領域に記録された情報を複製した場合であっても、符号化コンテンツの再生が禁止されるだけでなく、上述した表示制御によって画像がぼける等の制御も行なえるようになる。
以上説明したように、本実施例における電子著作物流通システムによれば、表示属性に応じて画像データを拡大/縮小処理および減色処理を行なうようにしたので、種々の表示属性を有する電子書籍表示装置においても符号化コンテンツを適切に再生することが可能となった。
また、鍵情報管理装置110においてユーザ鍵およびコンテンツ鍵に演算を施してビット列を生成し、電子書籍表示装置においてそのビット列に解演算を施してコンテンツ鍵を生成するようにしたので、符号化コンテンツが特定の電子書籍表示装置でしか再生されない。したがって、ユーザが符号化コンテンツを不正に複写等して、その符号化コンテンツを不正に使用することを禁止することが可能となった。
また、課金状況に応じて各符号化コンテンツを再生するようにしたので、ユーザに提供する電子著作物のコンテンツを柔軟に変更することが可能となった。
(実施例5)
図23は、本発明の実施例5における電子著作物流通管理システムの概略構成を示すブロック図である。この電子著作物流通管理システムは、ベンダー機810およびビューワ820を含む。なお、ベンダー機810およびビューワ820の構成は、それぞれ図7に示すベンダー機103および図8に示すビューワ101の構成と同じであり、機能のみが異なる。したがって、ベンダー機810およびビューワ820の構成の詳細な説明は繰返さない。
出版社は、著作物の編集や推敲を行い、その著作物を電子化して電子書籍データ811を作成する。この作成された電子書籍データ811は、通信回線等を介してベンダー機810へ配信される。電子書籍データ811は、ヘッダとデータとを組にした情報を1組以上含み、図23に示す例ではヘッダ1とデータ1との組を持つ。以下の例では、図23に示すように、ヘッダ1とデータ1とを電子書籍データ811に含むものとして説明するが、ヘッダとデータとの組を複数含む場合、以下に示す処理を各ヘッダおよびデータの組に対して施すか、代表的なヘッダおよびデータの組に対して施すこととなる。なお、データ1のみが出版社から配信され、ヘッダ1は出版社からの配信過程において付加されても良い。
ヘッダ1には、それぞれのコンテンツに対応した2種類の情報が含まれる。この2種類の情報を情報1および情報2とし、以下にその詳細を説明する。
情報1は、各コンテンツの使用期限を示す情報であり、以下の3種類の記載が存在する。
(1)使用期限が記載されない。
(2)コンテンツの使用期限を示す情報が記載されており、たとえば“1998年3月31日まで”等と記載される。
(3)コンテンツの使用期間を示す情報が記載されており、たとえば1ヶ月、1週間、または2年間等と記載される。
また、情報2は後述するユーザIDの比較に基づいて実行する再生処理方式を示す情報であり、以下の3種類の内いずれかが記載されている。なお、ユーザIDは図7に示す通信ポート210を介して受信されるか、ユーザによりユーザインタフェース208を介して直接入力される。
(1)ユーザIDが合致しない場合に、コンテンツの再生を行わないことを示す情報。
(2)ユーザIDが合致しない場合に、再生時に処理を加えることを示す情報。この処理が行なわれる場合には、上述したBLUR処理によるぼかし処理、CAOS処理による雑音の混入処理、または所定のパターンを表示されたコンテンツに上書きする等のいずれかの再生処理方式が指定される。
(3)ユーザIDが合致しない場合でも、正常にコンテンツを再生することを示す情報。
処理部1(814)は、ヘッダ1に記載された情報1を取得し、情報1の内容によって以下の処理を実行する。
(1)情報1に使用期限が記載されていない場合、処理部1(814)は特に処理を行わずにヘッダ1をそのままヘッダ1’として電子書籍データ816に記載する。
(2)情報1に使用期限が記載されている場合、処理部1(814)は特に処理を行わずにヘッダ1をそのままヘッダ1’として電子書籍データ816に記載する。
(3)情報1に使用期間が記載されている場合は、処理部1(814)は時計812から現在時刻を取得し、この現在時刻に使用期間を加算して使用期限を算出する。そして、処理部1(814)は、算出された使用期限をヘッダ1’として電子書籍データ816に記載する。
以上の処理によって、新たに作成された電子書籍データ816のヘッダ1’には、使用期限が記載されていないことを示す情報、または使用期限を示す情報のいずれかが記載されることとなる。
処理部2(815)は、ヘッダ1に記載された情報2を取得し、情報2の内容によって以下の処理を実行する。
(1)情報2に、ユーザIDが合致しない場合にコンテンツの再生を行わないことを示す情報が記載されている場合、処理部2(815)はユーザIDを鍵情報としてデータ1を暗号化してデータ1’を生成して電子書籍データ816に記録する。
(2)情報2に、ユーザIDが合致しない場合に再生時に処理を加えることを示す情報が記載されている場合、処理部2(815)はデータ1を暗号鍵813で暗号化してデータ1’を生成し、電子書籍データ816に記録する。
(3)情報2に、ユーザIDが合致しない場合でも正常にコンテンツを再生することを示す情報が記載されている場合、処理部2(815)はデータ1を暗号鍵813で暗号化してデータ1’を生成し、電子書籍データ816に記録する。
次に、処理部3(817)は、処理部1(814)によって生成されたヘッダ1’、処理部2(815)によって生成されたデータ1’およびユーザIDを参照して、補助情報818を生成する。まず、処理部3(817)は、ハッシュ関数を用いてヘッダ1’およびデータ1’からハッシュ値を算出する。このハッシュ関数は、長いビット列(ヘッダ1’およびデータ1’)を短いビット列に変換する処理であり、たとえばヘッダ1’およびデータ1’のデータを全て加算し、その加算結果の下位8ビットをハッシュ値とする等の処理の他、ハッシュ関数としては、CRC、SHA−1またはMD5などの既存の処理方式が想定される。
次に、処理部3(817)は、算出されたハッシュ値とユーザIDとを入力として、関数Fにより補助情報を算出する。この関数Fは、たとえば共通鍵方式の暗号関数等の関数であり、ハッシュ値を暗号化の対象となるデータとし、ユーザIDを暗号化のための鍵とすると、補助情報は以下のように表記される。
補助情報=F(ハッシュ値、ユーザID)
以上の処理によって生成された補助情報818が電子書籍データ816に付加されてユーザに提供される。なお、処理部1(814)、処理部2(815)および処理部3(817)は、図7に示すCPU201がメモリ202に格納されたプログラムを実行することによって実現される。また、ベンダー機810が電子書籍データ816をユーザに提供する方法は、実施例4において説明した方法と同様である。
次に、ビューワ820の処理手順について詳細に説明する。まず、処理部4(823)は、ベンダー機820によって提供された電子書籍データ816のヘッダ1’およびデータ1’から、ハッシュ関数を用いてハッシュ値を算出する。そして、処理部4(823)は、算出されたハッシュ値とユーザIDとを入力として、上述した関数Fにより補助情報を算出する。処理部4(823)は、このようにして算出された補助情報と、電子書籍データ816に格納された補助情報818とを比較し、これらが一致する場合には“ユーザIDが合致する”と判定する。また、これらが一致しない場合には、ヘッダ1’またはデータ1’が改ざんされたものか、ユーザIDが合致しない場合であり、“ユーザIDが合致しない”と判定する。
処理部5(825)は、ヘッダ1’から情報1を取得し、情報1に使用期限が記載されていない場合には、再生処理部828に対して符号化コンテンツを正常に再生するように指示する。また、処理部5(825)は、情報1に使用期限が記載されている場合には、時計824を参照して現在時刻と使用期限との比較を行う。現在時刻が使用期限を超えていない場合には、処理部5(825)は再生処理部828に対して符号化コンテンツを正常に再生するように指示する。また、現在時刻が使用期限を超えている場合には、処理部5(825)は再生処理部828に対して符号化コンテンツを再生しないように指示する。
処理部6(826)は、ヘッダ1’から情報2を取得し、情報2が“ユーザIDが合致しない場合にコンテンツの再生を行わないことを示す情報”である場合、処理部4(823)による判定結果を取得する。判定結果が“ユーザIDが合致する”である場合、ユーザIDを鍵情報としてデータ1’を復号化して再生処理部828に符号化コンテンツを正常に再生するように指示する。また、判定結果が“ユーザIDが合致しない”である場合、データ1’を復号化せずに符号化コンテンツの再生を行なわない。
また、処理部6(826)は、情報2が“ユーザIDが合致しない場合に再生時に処理を加えることを示す情報”である場合、処理部4(823)による判定結果を取得する。判定結果が“ユーザIDが合致する”である場合、復号鍵827を鍵情報としてデータ1’を復号化して再生処理部828に符号化コンテンツを正常に再生するように指示する。また、判定結果が“ユーザIDが合致しない”である場合、復号鍵827を鍵情報としてデータ1’を復号化するが、符号化コンテンツの再生の際にヘッダ1’の情報2に記載されている再生処理方式で再生するよう再生処理部828に指示する。
また、処理部6(826)は、情報2が“ユーザIDが合致しない場合でも正常にコンテンツを再生することを示す情報”である場合、復号鍵827を鍵情報としてデータ1’を復号化して再生処理部828に符号化コンテンツを正常に再生するように指示する。なお、再生処理部828は、実施例4において説明した符号化コンテンツの再生方法によって再生を行なう。
図24は、本実施例におけるビューワ820のユーザID登録処理の手順を説明するためのフローチャートである。この処理は、ビューワ820のリセット時やソフトウェアのインストール時に起動される処理である。まず、このユーザID登録処理が起動されると、ユーザに対してLCD308に表示等して、ビューワ820が発生したユーザIDを用いるか、または既存のユーザIDを登録するかを確認する。ユーザが、ビューワ820が発生したユーザIDを用いることを選択した場合には(S21,No)、ユーザID発生/登録部821は、乱数、時刻情報またはユーザ名等を入力とする関数を用いてユーザIDを自動生成する(S22)。
また、ユーザが、既存のユーザIDを登録することを選択した場合には(S21,Yes)、ユーザID発生/登録部821は入力部309を介してユーザIDを取得する(S23)。そして、ユーザID発生/登録部821はステップS22において自動生成されたユーザID、またはステップS23において取得されたユーザIDを登録して(S24)、処理を終了する。
なお、複数のビューワ820に同じユーザIDを登録すれば、不正にコピーした符号化コンテンツを再生することが可能となる。しかし、ステップS23においてユーザによるユーザIDの登録を許容しているのは、一人のユーザが複数のビューワ820を所有している場合等を想定したものである。したがって、特定のユーザにのみステップS23の処理を許容し、他のユーザにはステップS23の処理を許容せずに、自動生成によって得られたユーザIDのみがビューワ820に登録されるようにしても良いし、ステップS23の処理をすべてのユーザに許容しないようにしても良い。
また、処理部4(823)、処理部5(825)および処理部6(826)は、図8に示す処理部301がRAM302またはROM303に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
以上説明したように、本実施例における電子著作物流通管理システムによれば、ベンダー機810がヘッダ1およびデータ1からハッシュ値を算出し、入力されたユーザIDを鍵情報としてハッシュ値を暗号化して補助情報を生成し、電子書籍データに付加するようにしたので、ビューワ820が自身で生成した補助情報と電子書籍データに付加された補助情報とを比較することによってユーザIDが合致するか否かを判定でき、不正にコピーされた電子書籍データであるか否かを判定することが可能となった。
また、ユーザIDが合致しない場合であっても、特定の符号化コンテンツを再生可能とすることによって、ユーザがコンテンツの試し読み等を行なうことが可能となった。また、符号化コンテンツ毎に個別に再生処理方式を設定できるようにしたので、試し読み等が可能なコンテンツをさらに細かく設定することが可能となった。
また、ヘッダ1に使用期限または使用期間が記載されている場合に、それらと現在時刻とを比較することによって、購入時からの期限によるエクスパイヤが可能となった。
また、ビューワ820によるユーザIDの自動生成、またはユーザによる既存のユーザIDの入力によってユーザIDを登録するようにしたので、出版社や鍵管理センター等がユーザIDを管理する必要がなくなり、システム全体の構成を大幅に削減することが可能になるとともに、手続の簡略化を図ることが可能となった。
また、ビューワ820が故障した場合や、ビューワ820を買い換えた場合等において、メーカ等がユーザIDを付番して登録を行なう必要がなくなり、手続の簡略化を図ることが可能となった。
1 電子書籍販売装置、2 記録メディア、3 購入者、4 著作権管理センター、5 販売元端末、6 販売元、7 著作者端末、8 著作者、9 表示部、10 メディア挿入口、11 メディア取り出し口、12 操作部、13 書籍データ書込み部、14 書籍データ記憶部、15 販売端末制御部、16 販売端末ID記憶部、17 販売情報記録部、18 販売端末通信部、19 著作権料算出部、20 著作権料情報記憶部、21 管理センター制御部、22 販売元情報記憶部、23 販売端末情報記憶部、24 管理センター通信部、25 著作権情報記憶部、26 著作権料データ記憶部、27 著作権料データ承認処理部、28 通信回線、29 販売端末、30 販売情報記録部、31 販売情報制御部、32 販売情報管理部、33 販売情報管理カード接続部、34 販売情報読み出しカード、35 販売情報管理カード、36 カード記憶部、37 販売端末、38 記録メディア格納部、39 販売端末制御部、101 ビューワ、102 メディア、103 ベンダー機、104 配信センター、105 メーカ、106 ユーザ、108 出版社、109 著者、110 鍵管理センター、111 プロバイダ、112 家庭端末、201 CPU、202 メモリ、203 ハードディスク、205 鍵管理センター回線I/F、206 通信回線I/F、207 表示装置、208 ユーザインタフェース、209 メディアライタ、210 通信ポート、211 課金装置、301 処理部、302 RAM、303 ROM、304 内部メディア、305 メディアドライブ、306 通信ポートI/F、307 画像メモリ、308 LCD、309 入力部、310 音声部、401 CPU、402 メモリ、403 ハードディスク、404 内部バス、405 ベンダー回線I/F、406 出版社回線I/F、407 メーカ回線I/F、501 コンテンツ対応テーブル、502 ユーザ対応テーブル、503 演算モジュール、506 分離モジュール、507 解演算モジュール、508 復号モジュール、512 コンテンツ鍵、516 復号鍵、601 ビット数領域、602 演算種識別子領域、603 演算結果領域、701 符号化コンテンツ、703 解釈モジュール、704 処理手順、705 データモジュール、706 処理モジュール、810 ベンダー機、811 電子書籍データ、820 ビューワ、1401 検出モジュール、1501 ケース。