JP4439596B2 - 長期の貯蔵寿命を有する、極性薬物又は極性プロドラッグを含有する医薬組成物、及びその製造方法 - Google Patents

長期の貯蔵寿命を有する、極性薬物又は極性プロドラッグを含有する医薬組成物、及びその製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、長期の貯蔵寿命を有する、極性薬物又は極性プロドラッグを含有する医薬組成物に関する。また本発明は、水溶性の低い分解生成物を生成する極性薬物又は極性プロドラッグの貯蔵寿命を延ばす方法に関する。
従来技術
極性薬物及び極性プロドラッグの多くは、それらから生じる水溶性の低い分解生成物の凝集及び/又は沈殿により効能を失ってしまう。そのため、極性薬物及び極性プロドラッグの貯蔵寿命は限られていた。上記の低水溶性の分解生成物が薬物及びプロドラッグに与える影響に関しては、以下の例に明確に示されている。薬物濃度10μm/mlで調剤する場合、分解生成物が10μg/ml[分解生成物が親薬物と等モルであると仮定した場合の量(in parent drug molar equivalents)]存在すると、薬物の分解量がわずか1%を超しただけで薬物の溶液中に分解生成物の沈殿が起こり、薬物は使用不可能になってしまう。
粒状物の存在は薬物において、特に注射用の薬物及びプロドラッグにおいては望ましくないため、親薬物及びプロドラッグは所望の2年間の貯蔵寿命を達成するために非常に高い化学的安定性を有することが必要である。しかし、親薬物が水に不溶である水溶性プロドラッグや水に不溶の分解生成物を生成する水溶性プロドラッグの多くは、安定性の欠如によって、長い(最低でも2年間の)貯蔵寿命を達成することは不可能である。水溶性薬物又はプロドラッグが製造された時点で既に不純物として分解生成物を含有する場合、薬物又はプロドラッグの貯蔵寿命は更に大きく分解生成物の影響を受けて短くなる。
水に不溶の親薬物となる水溶性プロドラッグの例の1つとしてホスフェニトイン(fosphenytoin)が挙げられる。ホスフェニトインは活性薬物化合物フェニトイン(phenytoin)の水溶性プロドラッグとして開発された(米国特許第4,925,860号、Varia et al.,J.Pharm.Sci.73,1074−1080,1984参照)。ホスフェニトインを、ホスフェニトイン二水和物の形で80.6mg/mlの濃度で用いて調剤するか、又は無水ホスフェニトインの形で75mg/mlの濃度で用いて調剤すると、pH値8.0未満で主に、水に対する固有溶解度が25μm/ml未満のフェニトインに分解する。フェニトインの低水溶性のために0.02Mトリス緩衝液中、pH値7.4又は8.0で、ホスフェニトインの分解量が約0.1%を超えただけでフェニトインの凝集が起こってしまう。フェニトインの溶解性の問題を克服するために、プロドラッグとしてのホスフェニトインは一般にpH値8.5で調剤する(米国特許弟4,925,860号参照)。しかし、ホスフェニトインは実際にはこれより低いpH値でも安定である。高pH値におけるホスフェニトインの不安定さのために、プロドラッグ製剤の貯蔵寿命を2年間に以上にするためにはプロドラッグ製剤を凍結乾燥するしかなかった。更に、プロドラッグ製剤に必要とされる高いpH値は生理学的に好ましくなく、分解生成物はより複雑な構造のものとなり、これにより分解生成物の毒性の問題が生じてしまう。
Okimoto et al.,Pharm.Res.13:256−264;Loftsson & Brewster,J.Pharm.Sci.85,1017−1025;及び米国特許第5,134,217号を含む多くの先行技術文献は、シクロデキストリンと薬物との組成物を開示している。これらの先行技術においては、薬物を可溶化するために少なくとも薬物と等モル量のシクロデキストリンを用いることを教示している。しかし、我々の知る限りでは、親薬物化合物が高濃度で存在している際の貧溶解性の分解生成物の可溶化の問題に取り組んだ科学文献又は特許文献は存在しない。
発明の概要
本発明の1つの目的は、シクロデキストリン、極性薬物又は極性プロドラッグ、及び薬学的に許容される担体を包含し、該シクロデキストリンを、該極性薬物又は該プロドラッグのモル量に対して75%未満のモル量含有する、長期の貯蔵寿命を有する極性薬物又は極性プロドラッグ含有医薬組成物を提供することである。但し、該シクロデキストリンの量に関しては、場合によっては上記の量より多く用いてもかまわない。
本発明の他の1つの目的は、シクロデキストリン、及び極性薬物又は極性プロドラッグを包含し、適切なpH値を有する極性薬物又は極性プロドラッグ含有医薬組成物であって、室温での貯蔵寿命が2年間以上である医薬組成物を提供することである。
本発明の更に他の1つの目的は、極性薬物又は極性プロドラッグの貯蔵寿命を延ばすための方法であって、極性薬物又はプロドラッグを含有する医薬組成物に、極性薬物又はプロドラッグのモル量に対して75%未満、好ましくは50%未満のモル量のシクロデキストリンを添加することを包含する方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
図1は、0.02Mトリス緩衝溶液中、60℃でのホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成を示す図である。図中、●はpH7.4におけるフェニトインの生成を示し、▲はpH8.0におけるフェニトインの生成を示す。
図2Aは、50℃で、シクロデキストリン(SBE)7m−β−CDが、ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成に与える影響を、pH7.4/0.06M(SBE)7m−β−CD(−●−);pH8.0/0.03M(SBE)7m−β−CD(−▲−);及びpH8.0/0.06M(SBE)7m−β−CD(−■−)のそれぞれの系を用いて調べた結果を示す。
図2Bは、37℃で、シクロデキストリン(SBE)7m−β−CDが、ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成に与える影響を、pH7.4/0.06M(SBE)7m−β−CD(−●−);pH8.0/0.03M(SBE)7m−β−CD(−▲−);pH8.0/0.00M(SBE)7m−β−CD(−△−);及びpH8.0/0.06M(SBE)7m−β−CD(−■−)のそれぞれの系を用いて調べた結果を示す。
図2Cは、25℃で、シクロデキストリン(SBE)7m−β−CDが、ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成に与える影響を、pH7.4/0.06M(SBE)7m−β−CD(−●−);及びpH7.4/0.00M(SBE)7m−β−CD(−▲−)のそれぞれの系を用いて調べた結果を示す。
図2Dは、25℃で、シクロデキストリン(SBE)7m−β−CDが、ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成に与える影響を、pH8.0/0.03M(SBE)7m−β−CD(−●−);pH8.0/0.06M(SBE)7m−β−CD(−▲−);及びpH8.0/0.00M(SBE)7m−β−CD(−■−)のそれぞれの系を用いて調べた結果を示す。
図3は、pH7.4とpH8.0のそれぞれの条件における、ホスフェニトインの不在下(●)及び存在下(■)でのフェニトイン/(SBE)7m−β−CD系の溶解度を示す相図である。使用したホスフェニトインの濃度は80.6mg/mlである。
図4は、0.02Mトリス緩衝溶液中、37℃での、ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成を示す図である。図中、(●)はpH7.4/60mM(SBE)7m−β−CDの系を示し;(△)はpH8.0/(SBE)7m−β−CDなしの系を示し;(▲)はpH8.0/30mM(SBE)7m−β−CDの系を示し;(■)はpH8.0/60mM(SBE)7m−β−CDの系を示す。
図5は、ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成速度に関するアレニウスプロットを示す。図中、(○)はpH7.4/60mM(SBE)7m−β−CDの系を示し;(△)はpH8.0/30mM(SBE)7m−β−CDの系を示し;(□)はpH8.0/60mM(SBE)7m−β−CDの系を示し;(●)はpH7.4/(SBE)7m−β−CDなしの系を示し;(▲)はpH8.0/(SBE)7m−β−CDなしの系を示し;――はpH7.4の回帰直線を示し;―――はpH8.0の回帰直線を示す。
発明の詳細な説明
本発明の1つの目的は、シクロデキストリン、薬学的活性を有する薬品又はプロドラッグ、及び薬学的に許容される担体を包含し、該シクロデキストリンを、該薬学的活性を有する薬品又は該プロドラッグのモル量に対して75%未満、好ましくは50%未満のモル量含有する、長期の貯蔵寿命を有する極性薬物又は極性プロドラッグ含有医薬組成物を提供することである。
多くの極性薬物及び極性プロドラッグの貯蔵寿命は限られたものであり、その原因は、化合物そのものの効力の損失にあるのではなく、水に対する溶解度の低い分解生成物の凝集/沈殿にある。医薬組成物、特に注射用の薬剤やプロドラッグにおいては、粒状物の存在は好ましくない。多くの極性薬物及び極性プロドラッグの分解生成物の溶解度は低いことから、僅か0.1%の分解によっても医薬組成物は使用不可能となることがある。薬物が分解される傾向にあること、及び分解生成物の溶解度が低いことから、多くの極性薬物及びプロドラッグにおいて、特に組成物のpH値が中性の場合や冷蔵保存しない場合には、少なくとも2年間という適切な貯蔵寿命を得ることは困難であるか或いは不可能である。
本発明は、極性薬物又は極性プロドラッグ、及び薬学的に許容可能な担体に加えて、少量の、即ち、極性薬物又は極性プロドラッグのモル量に対して50%未満のモル量のシクロデキストリンを含有する医薬組成物に関する。シクロデキストリンは、分解生成物が生成されるにつれてそれを可溶化し、医薬組成物中の粒子や沈殿物の形成を防止する。
本発明に用いる極性薬物又は極性プロドラッグは、その極性ゆえにシクロデキストリン類に対する結合性は弱いが、分解後に生じる分解生成物はシクロデキストリンに対して高い結合親和性を示す傾向にある。それ故に、極性薬物又は極性プロドラッグの存在下において、シクロデキストリンは分解生成物を可溶化することができる。
本発明にさらに関連がある薬物及びプロドラッグは、それ自体は水溶液に溶解できるものの、電気的に中性の分解生成物を生じるために貧溶性となる薬品及びプロドラッグである。
それ自体は電荷を帯びているが、その分解生成物が電気的に中性である薬物及びプロドラッグは、本発明の医薬組成物に特に好適である。なかでも、負の電荷を帯びた薬物及びプロドラッグは特に適している。なぜなら、負の電荷を帯びた薬物及びプロドラッグは、例えば米国特許第5,134,127号に記載されているスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのような、負の電荷を帯びたシクロデキストリンとあまり強く結合しないので、シクロデキストリンの使用量をごく少量にすることでができるからである。
本発明の組成物に適する薬物及びプロドラッグとしては、ステロイドリン酸エステル、ステロイド又はクロラムフェニコールのヘミコハク酸エステル、及びエストロゲン硫酸エステルが挙げられる。本発明の組成物に用いられる薬物の例としては、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾロン酢酸エステル、06−ベンジルグアニン及びクロラムフェニコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明はさらに、上記のいずれかの薬物のプロドラッグを含む組成物も包含する。
本発明に特に関連があるのは、ホスフェニトインの2水酸化物又は無水ホスフェニトインとして存在することができ、pH値が8.5未満の条件下で分解して非極性の薬物フェニトインを生成するプロドラッグであるホスフェニトインである。
シクロデキストリン(CD)は、細菌Bacillus maceransにより産生される酵素シクロデキストリントランスグリコシラーゼの作用によるデンプンの分解によって得られる一群の環状相同オリゴ糖類である。シクロデキストリントランスグリコシラーゼの製造方法や、シクロデキストリンの製造及び単離方法は公知である。
シクロデキストリンは、6個以上のα−D−グルコピラノース単位からなる環状分子であり、アミロースと同様に上記の単位が1,4位でα結合している。この環状構造のため、この分子は還元末端基も非還元末端基も持たないという特徴を有する。
この分子は下記の概略構造式(1)で表わされ、水酸基はグルコピラノースの2、3及び6位に示されている。
Figure 0004439596
変数nは、4〜6の範囲の数、又はそれ以上であってもよい。
n=4の時、この分子は一般に、α−シクロデキストリン又はシクロヘキサアミロースと呼ばれ、n=5の時はβ−シクロデキストリン又はシクロヘプタアミロースと呼ばれ、n=6の時はγ−シクロデクストリン又はシクロオクタアミロースと呼ばれている。本明細書においては、「シクロデキストリン」という用語は、上記のシクロデキストリンと、nが6より大きいシクロデキストリン分子の両方を含む意味で用いるものである。
好ましいシクロデキストリンは米国特許第5,134,127号に記載されるものであり、下記の式(2)で表わされる構造を有する。
Figure 0004439596
上記式中:
nは4、5又は6であり;
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立的にO-又はO−(C2-6アルキレン)−SO3 -基であり、但し、R1とR2のうち少なくとも1つは独立的にO−(C2-6アルキレン)−SO3 -基であり、好ましくはO−(CH2mSO3 -基であり、mは2〜6、好ましくは2〜4(例えば、OCH2CH2CH2SO3 -やOCH2CH2CH2CH2SO3 -)であり;そして
1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9は各々独立的に薬学的に許容されるカチオン、例えば、H+、アルカリ金属(例えばLi+、Na+やK+)、アルカリ土類金属(例えばCa+2やMg+2)、アンモニウムイオンや、C1-6アルキルアミン、ピペリジン、ピラジン、C1-6アルカノールアミン及びC4-8環状アルカノールアミンなどのアミンカチオンである。
他の1つの好ましい態様(2)においては:
1はO−(C2-6アルキレン)−SO3 -基であり、好ましくはO−(CH2mSO3 -基(例えば、OCH2CH2−CH2SO3−やOCH2CH2CH2CH2SO3 -)であり;
2〜R9はO-であり;そして
1〜S9は上記の態様(1)において定義したのと同様である。
他の1つの好ましい態様(3)においては:
1、R2及びR3は各々独立的にO−(C2-6アルキレン)−SO3 -基であり、好ましくはO−(CH2mSO3 -基(例えば、OCH2CH2CH2SO3 -やOCH2CH2−CH2CH2SO3 -)であり;
4〜R9はO-であり;そして
1〜S9は上記の態様(1)において定義したのと同様である。
他の1つの好ましい態様(4)においては:
1〜R3は上記の態様(2)又は(3)において定義したのと同様であり、
4、R6とR8のうち少なくとも1つはO−(C2-6アルキレン)−SO3 -基であり、好ましくはO−(CH2m−SO3 -基(例えば、OCH2CH2CH2SO3 -やO−CH2CH2CH2CH2SO3 -)であり;
5、R7及びR9はO-であり;そして
1〜S9は上記の態様(1)において定義したのと同様である。
他の1つの好ましい態様(5)においては:
1、R2、R3、R4、R6及びR8は各々独立的にO−(C2-6アルキレン)−SO3 -基であり、好ましくはO−(CH2mSO3 -基(例えば、OCH2CH2CH2SO3 -やOCH2CH2CH2CH2SO3 -)であり;
5、R7及びR9はO-であり;そして
1〜S9は上記の態様(1)において定義したのと同様である。
シクロデキストリンのうちで最も好ましいのは、C2-6アルキレンがC3アルキレン又はC4アルキレンのものである。
シクロデキストリンには2つの別々の極性領域が有り、また複合化すると溶媒構造(solvent structure)が変化するので、シクロデキストリンは様々な有機分子や無機分子と複合体を形成する能力を有している。
本発明の組成物に用いるシクロデキストリンとしては、毒性の無いものあればどのようなものでも用いることができる。毒性の無い好適なシクロデキストリンの選択は、先行技術文献、例えば、米国特許第5,134,127号;Loftsson and Brewster,J.Pharm.Sci,85:1017−1025(1996);及びOkimoto et al.,Pharm.Rsch.13:256−264(1996)などの教示に従って行なうことができる。
特に本発明に関連があるシクロデキストリンは、スルホブチルエーテル(SBE)シクロデキストリンとヒドロキシプロピル(HP)シクロデキストリンである。本発明の組成物におけるシクロデキストリンの配合量は、一般に、薬物又はプロドラッグのモル量に対して75%未満のモル量、最も好ましくは50%未満のモル量である。但し、高濃度のシクロデキストリンを用いることが必要な場合があるかもしれない。シクロデキストリンは、好ましくは薬物又はプロドラッグのモル量に対して50%未満のモル量、より好ましくは25%未満のモル量で用いる。より具体的には、シクロデキストリンは、薬物やプロドラッグが大量に存在する状況下でも、溶解性の乏しい該分解生成物を可溶化することのできる量で用いられる。必要な量/濃度は、相溶解度分析(phasesolubility analysis)を行なうことによって決定することができる。この分析の第1のポイントは、問題となるpH値における分解生成物の溶解度にシクロデキストリン濃度の増加が及ぼす影響を決定することで、第2のポイントは、予想される組成の親薬物やプロドラッグの存在下での分解生成物の溶解度にシクロデキストリン濃度の増加が及ぼす影響を決定することである。このような分析によって、薬物又はプロドラッグの所望の貯蔵寿命において予想される生成量の分解生成物を可溶化するのに必要なシクロデキストリンの最適濃度を決定できる。
本発明において薬学的に許容される担体として好適に用いられるもの例として挙げられるのは、薬物又はプロドラッグを投与するのに有用な水性担体であり、好ましくは、非毒性あるいは不活性で、医学的に許容され、且つ、薬物/プロドラッグ及びシクロデキストリンの両方と相溶性を有する水性担体である。特に有用なのは、緩衝液/生理食塩水をベースにした担体である。本発明の組成物は、更に、抗菌剤などの更なる有効成分や、保存剤などの添加剤を含有することができる。
本発明の組成物が提供される代表的な形態は、注射用医薬組成物である。しかし、本発明の組成物は、液状経口医薬組成物や眼病用液状医薬組成物としても好適である。本発明の組成物における薬学的活性を有する薬品又はプロドラッグの量は一般に1〜250mg/ml、より好ましくは1〜100mg/mlである。また、本発明の組成物は、生理学的に許容されるpH値にできるだけ近いpH値を示すように処方される。本発明の組成物においてプロドラッグとしてホスフェニトインを用いると、組成物のpH値は7.0〜8.5、好ましくは7.4〜8.5、より好ましくは7.4〜8.0となる。
本発明においては、また、凍結乾燥医薬組成物であって、薬物又はプロドラッグと、液状担体に溶解した際に貧溶性の分解生成物を可溶化するのに充分な量のシクロデキストリンとを含んでなる医薬組成物も提供される。即ち、凍結乾燥医薬組成物に用いられるシクロデキストリンの量は一般に薬物又はプロドラッグのモル量に対して75%未満のモル量、好ましくは50%未満のモル量、最も好ましくは25%未満のモル量である。
本発明の凍結乾燥医薬組成物の調製は公知の方法、例えば以下のような方法で行なうことができる。即ち、薬物又はプロドラッグ及びシクロデキストリンを薬学的に許容される好適な担体に溶解して、所望のpH値を有する溶液を得、こうして得られた溶液を凍結乾燥して、水又はその他の許容される液状担体で溶解するだけで使用できる状態にすることによって、所望の凍結乾燥医薬組成物を得る。
本発明においてはまた、不溶性の分解生成物を生成する薬物又はプロドラッグに少量のシクロデキストリンを添加することによって薬物又はプロドラッグの貯蔵寿命を延ばす方法が提供される。本発明の方法において用いるシクロデキストリンの量は、一般に薬物又はプロドラッグのモル量に対して75%未満のモル量、好ましくは50%未満のモル量、最も好ましくは25%未満のモル量である。
シクロデキストリンは濃縮液の形態のものを用いてもよいし、また、固体状のものを用いてもよく、いずれにしても、シクロデキストリンを添加後の最終的な薬剤組成物溶液が、シクロデキストリンの所望の効果を得るのに必要な最終濃度のシクロデキストリンを含有することができればよい。
実施例
本発明の特に重要な態様は、極めて不溶な薬剤を溶解性プロドラッグの形で用いた組成物にある。水不溶性薬剤の溶解性プロドラッグの1例はホスフェニトイン(fosphenytoin)である。ホスフェニトインは、フェニトイン(phenytoin)のプロドラッグである。
pH値が1.0以上8.0未満のとき、ホスフェニトインはよく分解されて、活性薬剤であるフェニトインとなる。しかしながら、
pH値8.0未満におけるフェニトインの溶解性は極めて低いため、20〜25μg/mlのホスフェニトイン製剤はpH値8.0以上となるように製造される。ただし、pH値が高いとホスフェニトインが不安定となり、pH値8.0以上ではホスフェニトインは更に分解して、フェニトインよりも水溶性の高い5,5−ジフェニルグリシンアミドや5,5−ジフェニル−4−イミダゾリジノンと、ヒダントイン酸誘導体となる。下記の式1は、pH値1以上8未満、又は
pH値8以上のときにおけるホスフェニトインの分解パターンを示す。
Figure 0004439596
ホスフェニトインの分解は、それを含む医薬組成物を凍結することにより、或る程度抑えることはできるが、pH7.0以上8.0未満の中性であって、少なくとも2年間は凍結せずに保存できるホスフェニトイン組成物を得ることが望まれる。そのモル量に対して、75%モル量以下、最も好ましくは50%モル量以下の少量のシクロデキストリンを、ホスフェニトイン製剤に添加することにより、中性であって、少なくとも2年間は凍結せずに保存できるホスフェニトインの医薬組成物が完成する。
上述したように、シクロデキストリンを用いて薬剤を可溶化することは、従来知られている。可溶性の薬剤を得るために、従来の組成物は、可溶化する薬剤と等モルか或いはそれ以上の量のシクロデキストリンを含有していた。しかし本発明では、等モルよりはるかに少量のシクロデキストリンを用いて可溶性の薬剤を得ている。好ましいシクロデキストリン類の1つはマイナスに荷電したものであるため、シクロデキストリンは、フェニトインに比べてマイナスに荷電したホスフェニトインに極微小にしか複合しない(表1参照)。その代わり、pH値1〜8のときホスフェニトインは中性のフェニトインへ分解されるため、フェニトインはシクロデキストリンに複合され、溶液から沈殿しないで水溶性物質として留まる。シクロデキストリンは、比較的少量の分解生成物に結合する機能を有しているため、ホスフェニトインを含む医薬組成物の望まれる保存期間の間、シクロデキストリンは、予想されるフェニトイン分解生成物と複合するために本来必要なシクロデキストリンの量である比較的少量の使用で足りる。
(1)ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成
0.02Mトリス緩衝液(pH7.4及び8.0の2種類)中における、ホスフェニトインの化学的安定性を検討した。ホスフェニトインの濃度は(二水和物として)80.6mg/mlとした。この濃度は、モル濃度を基準にしてホスフェニトイン無水物の濃度に換算すると75mg/mlに相当し、フェニトインナトリウムの濃度に換算すると50mg/mlに相当する。この溶液を、孔径0.2μmのメンブランフィルター{ニューヨーク州、Corning Glass Works社製のシリンジ装着型滅菌済みフィルター(Disposal Sterile Syringe Filter)、セルロースアセテートメンブラン、25mm}を用いて濾過することによって微小な粒子の除去と滅菌を行なった後、1mlのガラス製アンプル{開封用の傷を付けてあり、上端が漏斗状になったアンプル(Pre-scoredfunnel top ampule)(ペンシルベニア州ピッツバーグ市、Fisher Scientific社製)を使用}に入れ、このアンプルを60℃のオーブン中に入れておき、定期的に取り出して、アンプル内容物中のフェニトイン濃度を(HPLCにより)分析した。その分析結果に基づき、一定時間当たりのフェニトイン濃度の増加量を求めることにより、初期のフェニトイン生成速度を求めた。pH7.4及び8.0のいずれの場合においても、フェニトイン生成は見かけ上ゼロ次の速度論(zero-order kinetics)に従い、その際の線形相関係数(linear correlation coefficients)は0.99よりも大きかった。フェニトインのピークよりも先にもう1つのピークが現れたので(つまり、フェニトインよりも保持時間の短い物質のピークが観測されたので)、これについても定量を行い、その生成をフェニトインの生成と比較した。pHが8.0の場合には、フェニトインよりも保持時間の短い上記物質のピークの面積がフェニトインのピークの面積に匹敵するものとなっていたが、pHが7.4の場合には、フェニトインのピークが主要分解産物のピークとして観測された。以上の研究結果を図1に示す。この結果は2回の実験結果の平均値で示してある。
(2)シクロデキストリンの存在下における、ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成
シクロデキストリンの存在下における、ホスフェニトインの分解によるフェニトインの生成に関して、上記(1)と同様の方法で検討した。但し、以下の点を変更した。即ち、pH7.4の場合には、シクロデキストリン非存在下及び60mMの(SBE)7m−β−CD存在下で実験を行った。またpH8.0の場合には、シクロデキストリン非存在下及び30mM及び60mMの(SBE)7m−β−CD存在下で実験を行った。
これらの実験はまた、25℃(温度調節可能な水浴中)、37℃及び50℃(オーブン中)で行った。(フェニトイン濃度測定のための)サンプリング時間は、反応温度の違いから見込まれる反応性の違いに応じて設定した。以上の実験結果を図2A〜2Dに示す。この結果は2回の実験結果の平均値で示してある。
(3)フェニトイン/(SBE) 7m −β−CD及びホスフェニトイン/(SBE) 7m −β−CDの結合定数(Bindingconstant、M-1
80.6mg/mlのホスフェニトイン二水和物の存在下又はその非存在下、(SBE)7m−β−CD(含有量は、0〜80mMの間で違いを設けた)を含むトリス緩衝液1mlに、過剰のフェニトインを添加し、超音波処理及びボルテックスミキサーによる攪拌を行った。得られたフェニトイン懸濁液を、温度調節可能な振とう水浴に入れ、25℃で少なくとも5日間おき、その間に定期的にサンプリングして平衡に達したのを確認してから、懸濁液をメンブランフィルター{ゲルマン(Gelman)社製アクロディスク(Acrodisc)(ポリ弗化ビニリデン製、孔径0.2μm)を使用}で濾過し、濾液を回収してHPLCの移動相で希釈し、フェニトイン濃度をHPLCにより測定した。この実験は2回行った。
ホスフェニトインの分解によってフェニトインの沈殿が生じるのにかかる時間を予想するため、ホスフェニトインの存在下又は非存在下で、25℃におけるフェニトインの溶解度を測定した。ホスフェニトインの濃度は(二水和物として)80.6mg/ml(ホスフェニトイン無水物の濃度に換算すると75mg/mlに相当)とした。この濃度は、市販の製剤と同一である。pH7.4のとき、ホスフェニトイン非存在下におけるフェニトインの溶解度は18.1μg/mlであり、ホスフェニトイン存在下におけるフェニトインの溶解度は49.8μg/mlであった。また、pH8.0のとき、ホスフェニトイン非存在下におけるフェニトインの溶解度は27.5μg/mlであり、ホスフェニトイン存在下におけるフェニトインの溶解度は61.9μg/mlであった。pH8.0における溶解度がやや高いことは、フェニトインのpKa値が8.06〜8.33であることとよく対応している{AHFS医薬品情報(AHFS Drug Information);G.K.McEvoy著、米国病院薬剤師会(Amer.Soc.of Hospl.Pharmacists)編、1279〜1283、1993}。ホスフェニトイン存在下においてフェニトインの溶解度の上昇が起こるのは、おそらく、ミセル又は複合体の形成によるものと思われる(Anderson et al.、J.Pharm.Soc.、74、375-381;Muller et al.、Int.J.Pharm.、75、201-209、1991)。
フェニトインはβ−CDと相互作用することが知られている(Tsuruka et al.、薬学雑誌、101、360-367、1981)。図3は、25℃、pH7.4(図3a)の0.02Mトリス緩衝液中及びpH8.0(図3b)の0.02Mトリス緩衝液中における、80.6mg/mlのホスフェニトインの存在下又は非存在下での、フェニトインと(SBE)7m−β−CDに関する相溶解度ダイヤグラム(phase solubilitydiagrams)である。これらのダイヤグラムはいずれも、Higuchiらの分類によるAL型である(T.Higuchi and K.A.Connors、Adv.Anal.Chem.Instrum.、4、117-212、1965)。このことは、上記のいずれのpHにおいても、フェニトインと(SBE)7m−β−CDが分子比1:1でフェニトイン/(SBE)7m−β−CD複合体を形成していることを示唆するものである。ホスフェニトインは、(SBE)7m−β−CDとの結合に関してフェニトインと競合するので、予想通り、ホスフェニトインの存在下でのフェニトインの溶解度の上昇は、ホスフェニトインの非存在下でのフェニトインの溶解度の上昇に比べて低かった。
この現象を、式2において具体的に示す。
Figure 0004439596
フェニトイン/(SBE)7m−β−CD複合体の結合定数K1は、下記の等式(2)(T.Higuchi及びK.A.Connors)に基づき、図3(ホスフェニトイン非存在下)に示すデータの勾配と切片から計算できる。
K1=勾配/切片(1−勾配)
ホスフェニトイン/(SBE)7m−β−CD複合体の結合定数K2は、等式6に基づき以下のように計算できる。
K1=(St−So’)/{St−(St−So’)}{Lt−(St−So’)−x}
K1=勾配/So’(1−勾配−x/Lt) (3)
K2=x/(St’−x){Lt−(St−So’)−x}
=(x/Lt)/(St’−x)(1−勾配−x/Lt) (4)
等式3から
x/Lt=1−勾配−勾配/K1So’ (5)
等式4及び等式5から、等式6及び7が導かれる。
K2={1/(St’−x)}(K1So’/勾配−So’K1−1) (6)
Figure 0004439596
ここで使われる種々の用語は、式2で定義たものと同様である。等式6におけるSt’−xは、CD存在下でCDと結合していないホスフェニトインの画分を表わし、理論的には増加するCD濃度と共に変化する。しかし、CDへのホスフェニトインの結合力は弱く、且つモル基準でのCD濃度が常にSt’よりも低いので、等式6から近似の等式7を得、K2を推定できる。図3として記載したホスフェニトインの存在下でのフェニトイン/(SBE)7m−β−CD系の溶解度を示す相図においては、検討した(SBE)7m−β−CD濃度の範囲内において直線が得られたので、上記の推定は妥当であると考えられる。
pH7.4及び8.0におけるK1及びK2の値を、表Iに示した。pH8.0におけるK1値は、pH7.4の場合よりも小さいことが判明した。これは、pH8.0においてはかなりの量のフェニトインが陰イオンとして存在し{AHFS 医薬品情報(AHFS Drug Information);G.K.McEvoy著、米国病院薬剤師会(Amer.Soc.ofHospt.Pharmacists)編、1279〜1283頁、1993}、そのように陰性に荷電した薬物と(SBE)7m−β−CDとの相互作用は弱い(Okimoto等、Pharm.Res,13巻、1996年、256〜254頁)ためであると考えられる。また、いずれのpH値においてもK2がK1よりかなり小さいことは、上記のどちらのpH値においてもジアニオンであるというホスフェニトインの性質と一致する。Okimoto等の研究室の以前の研究では、陰性に荷電した薬物と(SBE)7m−β−CDとの相互作用が弱いものであることが示されており、これはクーロン反発力に起因するものと考えられる。
Figure 0004439596
(4)シクロデキストリン(CD)がホスフェニトインの貯蔵寿命に与える影響
溶解度分析と、60℃、(SBE)7m−β−CDの不在下における予備実験の結果から算出したフェニトインの初期生成速度(表IIに示す)に基づき、pH7.4で用いるCD濃度を60mM(SBE)7m−β−CDとし、pH8.0で用いるCD濃度を30mM及び60mM(SBE)7m−β−CDとした。
図4は、37℃での、フェニトインの初期生成速度の変化を時間に対してプロットした典型的なグラフである。検討した全ての温度条件下においてフェニトインの生成は、どの系も似たような擬似0次反応速度を示した。即ち、全ての温度及びCD濃度、並びに2つのpH値において、フェニトインの生成量は時間に対して直線的に変化した。(SBE)7m−β−CD濃度の上昇に伴って安定性が向上するという傾向がわずかながらも認められたものの、ホスフェニトインの濃度(80.6mg/mlの二水和物、即ち、180mM)が(SBE)7m−β−CDの濃度(30mM又は60mM)よりも高いこと、及びホスフェニトインの(SBE)7m−β−CDに対する結合性が非常に弱いこと(表Iを参照)から、(SBE)7m−β−CDはフェニトインの生成速度に影響を与えないと考えられた。フェニトインの初期生成速度を表IIにまとめた。
図5は、ホスフェニトインからフェニトインを生成する速度に関するアレニウスプロットである。見かけ上の活性化エネルギー(Ea)値は、pH7.4においては38.9kcal/molであり、pH8.0においては39.5kcal/molだった。これらの値は以前に報告された値(30.8kcal/mol)よりも高く、また、薬物分解に関する大部分の研究で報告されたEa値(10〜30kcal/mol)(S.Yoshioka、Stability of Drugs and Dosage Forms、南江堂、東京、1995;30〜67頁)よりも高い。このような違いが生じる理由の1つとして、温度がトリス緩衝液のpHに与える影響が考えられる。本発明において使用したトリス緩衝溶液のpHは、25℃において7.40に調節されていたにもかかわらず、50℃では6.77まで低下した。従って、フェニトインの生成速度の変化は、温度の反応速度に与える直接的な影響のみならず、温度のpHに与える影響にも起因すると考えられる。温度がいくつかの基本的な処方の安定性に与える影響を研究することが我々の主目的であったことから、各温度において、緩衝液のpH調整を行わなかった。
表IIIに、表IIのフェニトイン生成温度のデータから計算した、25℃におけるホスフェニトインの推定貯蔵寿命を記載した。貯蔵寿命は、2つの異なる基準、即ち、(SBE)7m−β−CDの存在下または不存在下において、フェニトインの溶解度を超える量のフェニトインが生成されるまでにかかる時間、及びホスフェニトインの0.5%に相当する量を超えるフェニトインが生成されるまでにかかる時間(以下、屡々、「0.5%フェニトイン生成時間」という)である。80.6mg/mlのホスフェニトイン二水和物は、46.0mg/mlのフェニトイン又は50.0mg/mlのフェニトインのナトリウム塩に相当することから、ホスフェニトインの0.5%に由来するフェニトインの生成は、230μg/mlのフェニトインに相当する。60mMの(SBE)7m−β−CDを用いた場合には、いずれのpH値においても、25℃で2年を超える期間フェニトインが沈殿することはないと判断された。最も安定な処方は、pH8.0と60Mm(SBE)7m−β−CDの組み合わせであり、この組み合わせは、25℃で保存される限り少なくとも17年間はフェニトインの沈殿を生じることはないと計算値によって示された。0.5%フェニトイン生成時間を貯蔵限度に設定するした場合の貯蔵寿命が、2年を超えるホスフェニトイン製剤を調製することも可能である。当然のことながら、その他のフェニトイン生成基準を満足するように(SBE)7m−β−CDの量を調整することができる。これらの結果から明らかなように、pH7.4〜8.0の範囲内において、25℃で2年を超える期間、物理的に安定なホスフェニトイン製剤を作製することが可能である。
表IVに、2年または3年の貯蔵寿命を有するホスフェニトイン製剤の典型的な処方を示した。
ここに記された特許及び刊行物の内容は、全て本願に含まれるものとする。
Figure 0004439596
Figure 0004439596
Figure 0004439596

Claims (24)

  1. スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、ホスフェニトイン、及び薬学的に許容される水性担体を包含し、該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量含有する医薬組成物。
  2. 該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して50%未満のモル量含有することを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して25%未満のモル量含有することを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
  4. pH値が7.0〜8.5であることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
  5. pH値が7.0〜8.0であることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
  6. ホスフェニトインに、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量のスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを添加することを含む、ホスフェニトインを含有する水性医薬組成物の貯蔵寿命を延ばす方法。
  7. ホスフェニトインに、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量のスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを添加し、これにより溶液を得、
    該溶液を凍結乾燥する
    ことを含む、ホスフェニトインを含有する凍結乾燥医薬組成物を液状担体に溶解した際の貯蔵寿命を延ばす方法。
  8. スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、及びホスフェニトインを包含し、該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量含有する凍結乾燥医薬組成物。
  9. 凍結乾燥された薬学的に許容される担体を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の凍結乾燥医薬組成物。
  10. 該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して50%未満のモル量含有することを特徴とする請求項8に記載の凍結乾燥医薬組成物。
  11. 低水溶性分解生成物を生ずるホスフェニトインの水溶液の貯蔵寿命を延ばす方法であって、ホスフェニトインの水溶液に、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量のスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを添加することにより、該ホスフェニトインより生ずる低水溶性分解生成物の溶解度を高めることを含む方法。
  12. 低水溶性分解生成物又は非水溶性分解生成物を生ずるホスフェニトインを凍結乾燥後に液状担体に溶解して得られる水溶液の貯蔵寿命を延ばす方法であって、
    低水溶性分解生成物又は非水溶性分解生成物を生ずるホスフェニトインに、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量のスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを添加することにより、該ホスフェニトインより生ずる分解生成物の溶解度を高め、
    薬学的に許容される担体を添加して溶液を得、
    該溶液を凍結乾燥する
    ことを含む方法。
  13. 低水溶性分解生成物又は非水溶性分解生成物を生ずるホスフェニトイン、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン及び薬学的に許容される水性担体を含み、該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量含有することを特徴とする溶液状の注射用医薬組成物。
  14. 該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して50%未満のモル量含有することを特徴とする請求項13に記載の注射用医薬組成物。
  15. 該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して25%未満のモル量含有することを特徴とする請求項13に記載の注射用医薬組成物。
  16. pH値が7.0〜8.5であることを特徴とする請求項13に記載の注射用医薬組成物。
  17. 水性液体に溶解して、注射液として用いるための凍結乾燥医薬組成物であって、低水溶性分解生成物又は非水溶性分解生成物を生ずるホスフェニトイン、及びスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含み、該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量含有することを特徴とする凍結乾燥医薬組成物。
  18. 凍結乾燥された、薬学的に許容される担体を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の凍結乾燥医薬組成物。
  19. 該シクロデキストリンを、該ホスフェニトインのモル量に対して50%未満のモル量含有することを特徴とする請求項17に記載の凍結乾燥医薬組成物。
  20. 低水溶性分解生成物又は非水溶性分解生成物を生ずるホスフェニトインを含む、注射用の凍結乾燥医薬組成物を液状担体に溶解した際の貯蔵寿命を延ばす方法であって、
    低水溶性分解生成物又は非水溶性分解生成物を生ずるホスフェニトインを含む注射用医薬組成物に、該ホスフェニトインのモル量に対して75%未満のモル量のスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを添加し、これにより溶液を得、
    該溶液を凍結乾燥する
    ことを含む方法。
  21. 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を含む製剤。
  22. 請求項8〜10のいずれかに記載の組成物を含む製剤。
  23. 請求項13〜16のいずれかに記載の組成物を含む製剤。
  24. 請求項17〜19のいずれかに記載の組成物を含む製剤。
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