図1は、本発明を適用したデータ放送システムの構成例を示している。このデータ放送システムによれば、例えばテキストデータを中心とするマルチメディアデータが放送され、受信側では、これを受信して記録媒体に記録し、所望するときにそこからデータを読み出して視聴することができるようになされている。
情報提供者としての新聞社は、全国からの記事が集められ、記憶される大型計算機1を有している。この大型計算機1に収集されたデータから最新のホットニュース記事を作成するため、所定のデータが編集装置(計算機)2に転送される。編集装置2では、テキストデータから、50字乃至100字程度のサマリー記事を作成する。次に、見出しや、関連する写真をディジタイズして圧縮したデータ、動画データを付加する。さらに、サマリー記事をアナウンサーに朗読させ、その音声をディジタルデータとしたデータ、及び記事表示画面のレイアウト、及び画面デザインを指定するデータを付与する。
図2に編集されたマルチメディアの記事データ情報のフォーマットを示す。同図は、記事に写真が一種類と動画が一種類付加された例とされている。この図に示すように、1つの記事データは、各記事固有の記事ID、記事の種類(ジャンル)、その記事が情報提供者から送られた送信日時、記事の重要度(PI)、記事の見出し、サマリー記事の文字数(テキスト文字数)、サマリー記事(サマリーテキスト)、写真IDとサイズ、その写真の画面上の位置情報、写真データへのポインタ、動画IDとサイズ、動画を表示する画面上の位置情報、及び動画データへのポインタ、テキストの音声読み上げデータへのポインタと、詳細記事データへのポインタにより構成される。詳細記事データへのポインタは、サマリー記事を読んでさらに詳しい記事が読みたくなった時に、詳細記事(記事本文)を参照する為の詳細記事データへのポインタである。
以上のように、受信側で見やすい形態に編集装置2で編集した、新聞データを核とするマルチメディア新聞記事データが、例えば地上のデータ回線を介してサービス運用会社3に伝送される。さらに、サービス運用会社3には、その他の情報提供者である出版社が提供する、例えば雑誌や書籍などのデータ、さらにはテレビ局が提供する番組(映像信号と音声信号で構成される)なども供給される。
なお、出版社が提供する雑誌や書籍のデータは、例えば上述した新聞社が提供するデータと同様に、テキストデータ、画像データ、および音声データを組み合わせたマルチメディアデータ(以下、適宜、マルチメディア雑誌/書籍データという)とすることが可能である。
サービス運用会社3に伝送されたデータは、そこから衛星(放送衛星(BS)または通信衛星(CS))4に伝送され、さらに衛星4から、受信側(例えば、各家庭における受信者(契約者)など)に伝送される。即ち、情報提供者が提供する情報(データ)は、衛星回線を介して、受信者側に伝送される。
サービス運用会社3は、例えば図3に示すような送信装置を有している。新聞社からのマルチメディア新聞データと、出版社からのマルチメディア雑誌/書籍データとは、図示せぬ多重化回路で多重化され、マルチメディアデータとして、エンコーダ25に供給される。なお、サービス運用会社3において、例えばマルチメディア雑誌/書籍データは、必要に応じて、受信側で検索し易い形に編集された後、マルチメディア新聞記事データと多重化される。
エンコーダ25には、マルチメディアデータの他、例えばデータ識別子(マルチメディアデータを識別するためのもの)などを含む共通情報、ユーザ管理情報などを含む個別情報、スクランブルキー、およびワークキーなどのデータが入力される。このうち、マルチメディアデータは、データスクランブラ14に供給され、PN(pseudonoise)発生器13が出力する疑似ランダム系列に対応してスクランブルされ、独立データチャンネル多重化回路12に出力される。PN発生器13が発生する疑似ランダム系列は、そこに入力されるスクランブルキーに対応して設定される。なお、このスクランブルキーは、例えば毎日などのように定期的に、あるいは不定期に変更することが可能である。
スクランブルキーは、PN発生器13の他、関連情報暗号化回路11に供給される。暗号化回路11には、スクランブルキーの他、個別情報、共通情報、およびワークキーが供給される。暗号化回路11では、ワークキーを用いて、スクランブルキー、個別情報、および共通情報が暗号化される。暗号化されたデータは、関連情報として、独立データチャンネル多重化回路12に供給される。
独立データチャンネル多重化回路12は、データスクランブラ14より供給されるスクランブルされたマルチメディアデータと、暗号化回路11より供給される関連情報とを多重化し、ディジタルチャンネル信号多重化回路15に出力する。
以上の構成が、図4を参照して後述する独立データチャンネルにおけるデータを生成するためのエンコーダ25を構成している。
また、ディジタルチャンネル信号多重化回路15には、ディジタルチャンネル信号として伝送される音声信号(少なくともその一部は、上述したテレビ局から提供された番組の音声信号である)も入力される。ディジタルチャンネル信号多重化回路15は、入力された音声信号(ディジタル音声信号)と、エンコーダ25より供給されるデータとを多重化し、4相DPSK変調器16に供給する。
4相DPSK変調器16は、入力されたデータを4相DPSK変調し、映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17に出力する。この映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17には、また、テレビ局から提供された番組の映像信号が入力される。ディジタルチャンネル信号多重化回路15に入力される音声信号がディジタル信号であるのに対して、映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17に入力される映像信号はアナログ信号とされている。
なお、この映像信号は、将来的には、アナログ信号ではなく、ディジタル信号とし、情報提供者(図1においては、新聞社、出版社、およびテレビ局)から伝送されてくるデータを、すべてマルチメディアデータとして取り扱うようにすることが可能である。
また、映像信号は、スクランブルをかけた後、映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17に入力するようにすることが可能である。この場合、映像信号のスクランブルに用いられたスクランブルキーは、例えば関連情報暗号化回路11に入力され、そこで暗号化されて、関連情報に含められる。
映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17は、入力される映像信号と、4相DPSK変調器16より供給される信号とを周波数多重化し、FM変調器18に出力する。FM変調器18は、入力された信号で所定のキャリアをFM変調し、アップコンバータ19に出力する。アップコンバータ19は、入力されたFM信号を、ギガヘルツのオーダの周波数帯域(例えば、KuバンドやKaバンド)の信号に周波数変換する。アップコンバータ19より出力されたFM信号は、電力増幅器20により電力増幅された後、送信アンテナ21に供給され、そこから衛星4(図1)に送出される。
図4は、4相DPSK変調されたディジタルチャンネルデータのフォーマット(Aモードのフォーマット)を表している。同図に示すように、横64ビット、縦32ビットの、合計2048ビットのデータにより、1フレームのデータが構成されている。最初の2ビット×32ビットの範囲には、フレーム同期信号、制御信号およびレンジビット信号が配置(記録)されるようになされている。1フレームのデータは1msの時間で伝送されるため、伝送レートは2.048Mbpsとなる。
フレーム同期信号は、各フレームの同期を取るための信号である。制御信号は、伝送モードがAモードまたはBモードのいずれのモードであるのかや、テレビジョン音声信号(テレビ局から提供された番組の音声信号(図4の音声1と2、または音声3と4に配置される)がステレオ信号であるのか、モノラル1チャンネルの信号であるのか、モノラル2チャンネルの信号であるのかなどを表すようになされている。
次に述べる音声1乃至4には、14ビットで量子化された音声データのうちの、有効桁数の上位10ビットが選択されて配置される。レンジビット信号は、この選択された音声データの範囲(レンジ)を表すようになされている。
図4に示すように、最初の2×32ビットの範囲の次の10×32ビットの範囲、およびそれに続く10×32の3つの範囲には、それぞれ音声1乃至音声4の音声データが記録(配置)されるようになされている(但し、音声3と4には、音声以外のデータが配置される場合もある)。音声4のデータの次には、15×32ビットの範囲に、独立データチャンネルのデータが配置され、さらに最後の7×32ビットの範囲には、横方向の誤り訂正符号が配置されている。
この図4に示す独立データチャンネルのデータは、所定のパケット単位で伝送される。例えば、1パケットは288ビットにより構成され、先頭の16ビットはヘッダとされ、それに続く190ビットに実質的なデータが配置され、最後の82ビットに、パケットの誤り訂正符号が配置される。ヘッダは、少なくともサービス識別符号と、その誤り訂正符号(チェックビット)を含み、サービス識別符号は、例えばそのパケットに配置されたデータが、関連情報およびマルチメディアデータのうちのいずれであるかを識別するための符号などを含んでいる。
独立データチャンネルには、図3に示した関連情報暗号化回路11が出力する関連情報と、データスクランブラ14が出力するマルチメディアデータとが、パケット単位で割り付けられ、そのパケットの割り付けられたデータ(そのデータが、関連情報であるか、またはマルチメディアデータであるか)に対応して、サービス識別符号が設定される。
以上のようなデータが、図1におけるサービス運用会社3から衛星4に伝送され、衛星4から、さらに例えば各家庭における受信者(契約者)に伝送される。各家庭(受信側)においては、衛星4から伝送されてきた信号が、室外装置(パラボラアンテナ)5により受信され、所定の中間周波信号(IF信号)に変換される。このIF信号は、データ受信装置6に入力される。
データ受信装置6では、IF信号が復調され、さらにその復調信号から、契約したデータ(マルチメディアデータ)が取り出される。そして、このデータは、例えば光磁気ディスク(以下、MOという)8などでなる、データ受信装置6の記録媒体用スロットに着脱可能な記録媒体(その他、例えば磁気ディスクなど)などに記録される。
MO8にデータを記録した後、ユーザ(受信者)は、所望するときに、そこから必要なデータを検索し、その検索したデータを出力させることができる。即ち、検索したデータを、例えばテレビジョン受像機やコンピュータディスプレイなどでなるモニタ7に表示させ、あるいは、図示せぬスピーカから出力させることができる。
また、MO8を、例えばポータブル端末や、デスクトップ型の端末(いずれも図示せず)などに装着し、任意の場所で、所望するデータを検索して表示(出力)させることもできる。
図5は、データ受信装置6の構成例を示している。データ受信装置6を構成する各ブロックは、バスを介してデータ(制御用のコマンドなどを含む)のやりとりを行うようになされており、また、CPU,ROM、およびRAMで構成される処理回路32により、各ブロックの制御が行われるようになされている。また、このデータ受信装置6は、リモコン9を操作することにより制御することができるようになされている。即ち、リモコン9を操作することにより、その操作に対応した信号が、入力装置33を介して処理回路32で受信され、処理回路32では、リモコン9からの信号に対応した処理が行われる。
このデータ受信装置6においては、室外装置5からのIF信号が、データ受信回路31に供給される。データ受信回路31では、入力されたIF信号が復調される。さらに、データ受信回路31は、処理回路32の制御の下、受信者が契約したマルチメディアデータ(例えば、所定の新聞社のサマリー記事データとそれに付随するテキストデータ、画像データ、および音声データや、所定の雑誌、書籍のデータとそれに付随するテキストデータ、画像データ、および音声データなど)をデコードし、データ記録媒体コントロール回路34に出力する。データ記録媒体コントロール回路34は、データ受信回路31からのデータを、MO8に記録する。
その後、リモコン9が操作され、その操作に対応する操作信号が、入力装置33で受信されると、入力装置33は、その操作信号を、処理回路32に転送する。処理回路32は、所定の操作信号を受信したとき、MO8に記録されたデータを、データ記録媒体コントロール回路34に再生させ、ディスプレイインターフェイス35に供給する。ディスプレイインターフェイス35は、入力されたデータをビデオ信号に変換し、モニタ7に出力して表示させる(MO8から再生されたデータが音声データである場合には、そのデータは、図示せぬスピーカから出力される)。これにより、契約者は、契約した新聞や雑誌、書籍、さらにはそれに付随するテキスト、画像、音声を視聴することができる。
なお、データ受信回路31では、サービス運用会社3から送られてくる(例えば、受信契約を結ぶことにより郵送されてくる)セキュリティモジュールである、例えばICカード10など(その他、メモリカードなど)よりセキュリティモジュールインターフェイス36を介して供給されるデータを用い、後述するようにしてデータおよび関連情報の復号(デスクランブル)が行われる。
ICカード10は、後述する図6に示すように、ワークキーレジスタ10aおよび契約内容レジスタ10bで構成されており、ワークキーレジスタ10aにはセキュリティ管理を行うための、例えばワークキー(図3の暗号化回路11に入力されるワークキーと同一のもの)が、契約内容レジスタ10bには受信者がサービス運用会社と交わした契約内容が、それぞれ記憶されている。セキュリティモジュールインターフェイス36は、ICカード10に記憶されている情報の読み出しを行い、その結果得られるワークキーおよび契約内容をデータ受信回路31に出力するようになされている。
また、モデム37は、電話回線と接続されており、所定の通信処理を行うようになされている。即ち、モデム37は、例えば処理回路32の指示に従い、所定の電話番号を発呼し、さらに呼設定などの通信制御を行う他、処理回路32から供給されるデータを変調して電話回線に出力するとともに、電話回線を介して入力される信号を復調して処理回路32に供給するようになされている。
図6は、データ受信回路31のより詳細な構成例を示している。室外装置5より入力されたIF信号は、FM復調器71に入力される。FM復調器71は、IF信号を、ベースバンド信号に復調し、映像信号/ディジタルチャンネル信号分離回路72に出力する。映像信号/ディジタルチャンネル信号分離回路72は、入力された信号から映像信号とディジタルチャンネル信号とを分離する。映像信号は、図示せぬデコーダに供給される。デコーダでは、供給された映像信号の受信契約が結ばれている場合に、関連情報復号化回路82から後述するようにして供給されるスクランブルキー(映像信号をスクランブルしたときに用いられたスクランブルキー)を用いての映像信号のデスクランブルが行われる。デスクランブルされた映像信号は、例えばリモコン9の操作に応じて、ディスプレイインターフェイス35(図4)を介してモニタ7に出力されて表示される。
一方、映像信号/ディジタルチャンネル信号分離回路72により分離されたディジタルチャンネル信号は、4相DPSK復調器73に入力され、復調される。4相DPSK復調器73より出力された信号は、ディジタルチャンネル信号分離回路74に入力され、そこで音声信号(図3に示した音声1乃至4に配置された信号)と独立データチャンネルの信号とに分離される。音声信号は、それが上述した映像信号に対応するものである場合、例えばリモコン9の操作に応じて、スピーカに供給され、そこから音声として出力される。
また、ディジタルチャンネル信号分離回路74は、分離した独立データチャンネル信号を、マルチメディアデータ/関連情報分離回路81に出力する。マルチメディアデータ/関連情報分離回路81は、入力された信号から、マルチメディアデータと関連情報とを分離し、マルチメディアデータをデータデスクランブラ87に出力するとともに、関連情報を関連情報復号化回路82に出力する。なお、この分離は、上述したサービス識別符号を参照することにより行われる。
復号化回路82は、ICカード10よりセキュリティモジュールインターフェイス36(図5)を介して供給されるワークキーを用いて、関連情報として入力されてきたスクランブルキー、個別情報、および共通情報を復号する。そして、スクランブルキーは、オン/オフ切換回路85に出力され、また共通情報に含まれるデータ識別子、および個別情報に含まれるユーザ管理情報は、ダウンロード可否判定回路83に出力される。
ダウンロード可否判定回路83は、入力されたデータ識別子を、ICカード10よりセキュリティモジュールインターフェイス36を介して供給される契約内容と比較する。この契約内容には、上述したように、あらかじめ契約されているマルチメディアデータのデータ識別子が含まれている。ダウンロード可否判定回路83は、復号化回路82より供給されたユーザ管理情報に、契約料金未納、その他の禁止条件が含まれていない限り、そこに入力される2つのデータ識別子が一致し、さらにその一致したデータ識別子が、ダウンロード要求設定回路84に記憶されているとき、オン/オフ切換回路85をオン状態に切り換える制御信号を出力する。これにより、復号化回路82より出力されたスクランブルキーが、オン/オフ切換回路85を介してPN発生器86に供給される。
ここで、ダウンロード要求設定回路84には、例えばリモコン9を操作することによって、受信者(契約者)が契約したマルチメディアデータのうち、ダウンロードを希望するもののデータ識別子が、あらかじめ登録されている。従って、ダウンロード可否判定回路83において、制御信号は、契約したマルチメディアデータであって、ダウンロードを希望するものが受信されたときに出力されることになる。
PN発生器86は、入力されたスクランブルキーに対応して、疑似ランダム系列を発生する。データデスクランブラ87は、このPN発生器86より供給された疑似ランダム系列を利用して、マルチメディアデータ/関連情報分離回路81より供給されるマルチメディアデータをデスクランブルして出力する。データデスクランブラ87から出力されたマルチメディアデータは、データ記録媒体コントロール回路34を介してMO8に供給されて記録される。
なお、関連情報復号化回路82は、入力された関連情報の復号結果にテレビ局からの映像信号のスクランブルに用いられたスクランブルキーが含まれている場合、それをデコーダに出力する。これにより、デコーダでは、そのスクランブルキーを用いて、上述したように映像信号/ディジタルチャンネル信号分離回路72から出力される映像信号がデスクランブルされる。
以上のようにして、マルチメディアデータがMO8に記録された後は、上述したようにしてリモコン9を操作することにより、ユーザの所望する形で、モニタ7に表示させたり、あるいはスピーカから読み上げの音声や動画に付属した音声を出力させることが出来る。
次に、MO8に記録したデータを読み出す動作例について説明するが、この読み出しの為のモードとして、自動再生モードとしおり再生モードの2つのモードが設けられている。これらのモードにおいては、予め所定のジャンルを登録しておくと、その登録されているジャンルに属するデータのみが表示されるようになる。従って、各ユーザが関心のあるジャンルを予め登録しておくことで、全く興味がないジャンルについて無駄に表示が行われることを防止することができる。
図7は、ジャンル登録の処理例を表している。リモコン9を操作して、入力装置33を介して、処理回路32に対して、ジャンル登録の指令を入力すると、処理回路32は、最初にステップS1において、MO8に記憶されている情報のジャンル(図2のフォーマットに示す種類)を読み出し、その一覧をモニタ7に表示させる。ユーザは、このジャンル一覧の表示を見ながら、ステップS2において、所望のジャンルを選択する処理を実行する。即ち、モニタ7に表示されているジャンル一覧の中から表示を希望するジャンルを指定する。処理回路32は、指定されたジャンルを内蔵するROMに記憶する。
以上の処理が、ステップS3において、ジャンル登録終了の指令が入力されるまで、繰り返し実行される。
図7のジャンル登録処理においては、自動再生モードにおけるジャンルと、しおり再生モードにおけるジャンルを、それぞれ独立に指定することができる。
ジャンルは、例えば、トップ、総合、解説、政治、国際、経済、商況、家庭、ラジオ、スポーツ、地域、社会、テレビ、特集、天気、お知らせ、読書、その他のジャンルなどとすることができる。このようにジャンルを予め登録しておくと、自動再生モードを起動すると、登録したジャンルだけが自動的に再生される。また、しおり再生を起動すると、登録したジャンルの見出しの一覧画面が次々と表示され、その中から自分の読みたい記事をさらに選択することができる。
もちろん、このジャンルとして、予め用意されているジャンルの全てを選択することも可能である。この場合は、提供される情報の全てが表示されることになる。
以上のようにして、ジャンル登録処理を行った後、MO8に記録されている情報の再生を指令すると、処理回路32は、図8のフローチャートに示す処理を実行する。即ち、最初にステップS11において、自動再生としおり再生を選択する、例えば、図9に示すようなメニュー画面をモニタ7に表示する。図9に示すように、この画面においては、「おこのみコース」(自動再生)として指定されたジャンルと、「おすすめコース」(しおり再生)として指定されたジャンルが表示される。この実施例の場合、「おこのみコース」として、トップ、スポーツ、政治、社会のジャンルが指定されており、「おすすめコース」として、トップ、総合、解説、政治、国際、経済、商況、家庭、ラジオ、スポーツ、地域、社会、テレビ、特集、天気、お知らせ、読書、その他、のジャンルが指定されている。
さらに、図9の実施例においては、各コースの再生時間として、5分または10分を選択することができるようになされている。例えば、「おこのみコース」として5分の時間を選択すると、トップ、スポーツ、政治、および社会の各ジャンルの記事を、5分間で再生するように処理回路32により編集処理が行われる。10分を指定した場合においては、これらの各ジャンルが10分間で表示されることになる。
そこで、ステップS12においては、図9に示す画面に表示されているボタンアイコンのいずれかが操作されるまで待機し、「おこのみコース」のボタンアイコンと、その再生時間を指定する5分または10分のボタンアイコンが選択されると、ステップS13に進み、自動再生処理が実行される。これに対して、「おすすめコース」のボタンアイコンと、5分または10分の再生時間を選択するボタンアイコンが選択された場合においては、ステップS14に進み、しおり再生が実行される。この自動再生としおり再生の詳細については、それぞれ図10と図13のフローチャートを参照して後述する。
次に、ステップS15に進み、再生動作の終了が指令されたか否かが判定され、終了が指令されていない場合においては、ステップS11に戻り、同様の処理が繰り返し実行される。再生動作の終了が指令された場合においては、処理が終了される。
次に、図10のフローチャートを参照して、自動再生処理の詳細について説明する。最初にステップS21において、予め登録したジャンルのうち、最初のジャンルの見出し画面が表示される。図11は、この見出し画面の表示例を表している。この実施例は、トップのジャンルの見出し画面を表している。
図11に示すように、この画面の記事情報の表示領域の左側には、「見出し」、「前の記事」、「次の記事」のボタンアイコンが表示され(但し、この表示状態においては、「前の記事」と「次の記事」のボタンアイコンは選択不可のため、実質的には表示されない)、一番上側には、この自動再生モードにおいて、再生すべきジャンルとして登録されている各ジャンルのボタンアイコン(この実施例の場合、トップ、スポーツ、政治、および社会のボタンアイコン)が表示される。
この実施例の場合、4つのジャンルのボタンアイコンのうち、いま選択されているトップのボタンアイコンが引っ込んで表示されているとともに、この表示は見出し画面の表示であるため、見出しのボタンアイコンが黄色く光って表示されている。
また、画面の右上には、自動再生としおり再生のボタンアイコンが表示される。いまの場合、「おこのみコース」(自動再生モード)が選択されているため、見出し画面表示中の場合、または記事画面表示中において自動再生状態が停止している場合を除いて、自動再生のボタンアイコンが、例えば黄色く光って表示されており、しおり再生のボタンアイコンは、常に灰色に表示されている。
また、これらのボタンアイコンの下側には、現在選択されているジャンル(いまの場合、トップ)の記事の見出しが表示されている。この実施例においては、トップの記事として、社会のジャンルの記事が1つ、経済のジャンルの記事が1つ、国際のジャンルの記事が2つ、そして、政治のジャンルの記事が1つ、表示されている。
以上の記事情報の表示領域の下方には、広告領域が設けられ、そこに広告情報が表示されている。この広告領域には、「日程紹介」や「広告索引」のボタンアイコンが表示されており、「日程紹介」のボタンアイコンを選択すれば、ここに表示されている旅行広告のより詳細な日程などを表示させることができるようになされている。また、「広告索引」のボタンアイコンを選択すれば、旅行、その他の広告の索引を表示させ、その中から、所望の広告をさらに選択することができるようになされている。
ステップS21において、このように見出し画面が表示された後、所定の時間が経過すると、次にステップS22に進み、ステップS21で表示された見出しに表示された記事のうち、最初の記事の画面が表示される。この実施例の場合、図11の一番上に表示されている「ソリブジン、臨床実験でも3人死亡」の記事が表示される。即ち、その記事のサマリー記事(サマリーテキスト)が表示されるとともに、そのテキストの音声読み上げが行われる。
ステップS23においては、いま行われている音声の読み上げが終了したか否かが判定され、終了していなければステップS24に進み、画面上に表示されているボタンアイコンのうち、いずれかが操作されたか否かが判定される。いずれのボタンアイコンも操作されていなければ、ステップS22に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。即ち、その記事の表示動作が継続される。
ステップS23において、いま表示されている記事の音声読み上げが終了したと判定された場合においては、ステップS25に進み、いま表示されている記事がそのジャンル(いまの場合、トップ)の最後の記事であるか否かが判定される。トップのジャンルの記事がまだ他にもある場合においては、ステップS26に進み、トップのジャンルの次の記事が選択され、ステップS22に戻り、その記事が表示される。即ち、この実施例の場合、次に「政府税調が「実質増税」答申固める」の記事を表示する。
そして、この記事の読み上げが終了したとステップS23において判定されたとき、再びステップS25に戻り、この記事がトップのジャンルの最後の記事であるか否かが判定され、最後の記事でなければ、ステップS26に進み、次の記事「米が日韓に北朝鮮制裁決議草案を示す」の記事が選択される。そして、ステップS22において、この記事が表示される。
以上のようにして、例えば第4番目の記事がステップS26で選択されると、ステップS22において、例えば図12に示すような「北朝鮮の原子力開発の全体像を探る」の記事が表示される。
図12に示すように、この表示画面の記事表示領域には、しおり再生、自動再生、見出し、前の記事、次の記事の各ボタンアイコンが表示されるとともに、さらに、記事全文のボタンアイコンも表示されている。また、広告領域においては、この広告がコンサートに関する広告であるため、そのコンサートの空席情報を知るためのボタンアイコンが、広告索引を表示するボタンアイコンとともに表示されている。
以上のようにして、ステップS25において、トップのジャンルの最後の記事が表示されたと判定された場合においては、ステップS27に進み、いま選択されているジャンルが自動再生の対象として登録されているジャンルの最後のジャンルであるか否かが判定される。最後のジャンルでない場合においては、ステップS28に進み、次のジャンルが選択される。いまの場合、スポーツのジャンルが選択される。そして、ステップS21に戻り、スポーツの見出し画面が表示され、さらにステップS22に進み、そのスポーツのジャンルの最初の記事が表示される。
以下、同様にして、各ジャンルの各記事が順次自動的に表示される。
そして、ステップS27において、自動再生の対象として登録されている最後のジャンル(この実施例の場合、社会)であると判定された場合においては、自動再生処理が終了される。
一方、例えば図12に示すような個別の記事が表示されている状態において、ステップS24で、いずれかのボタンアイコンが操作されたと判定された場合においては、操作されたボタンアイコンに対応して、ステップS29,S30,S31,S34,S37のいずれかの処理が実行される。
ステップS24において、前の記事のボタンアイコンが選択されたと判定された場合においては、ステップS29に進み、前の記事の選択処理が実行される。即ち、例えば図12に示す「北朝鮮の原子力開発の全体像を探る」の記事が表示されている状態において、前の記事のボタンアイコンが選択された場合においては、1つ前の記事である(図11参照)「米が日韓に北朝鮮制裁決議草案を示す」の個別記事が表示される。
これに対して、ステップS24において、次の記事のボタンアイコンが操作されたと判定された場合においては、ステップS30に進み、次の記事選択処理が実行される。例えば図12に示す記事が表示されている状態において、次の記事のボタンアイコンが選択された場合においては、「細川前首相の金銭問題で元秘書が証言」の記事が表示される。
ステップS24において、記事全文のボタンアイコンが選択されたと判定された場合においては、ステップS31に進み、その記事全文(より詳細な記事)の画面を読み出し、表示する処理が実行される。そして、ステップS32において、その記事全文の読み上げが終了されたか否かが判定され、終了されるまで、その全文記事が表示される。読み上げが終了したとステップS32において判定された場合においては、ステップS33に進み、次の記事が選択され、ステップS22に戻り、その記事が表示される。
なお、この記事全文の画面には、さらに関連する記事や情報を検索することができるように、所定のデータベースにアクセスするためのボタンアイコンを用意し、このボタンアイコンを操作した場合においては、そのデータベースへ直接アクセスするようにすることも可能である。
ステップS24において、自動再生のボタンアイコンが選択されたと判定された場合においては、ステップS34に進み、自動再生状態を停止させる。そして、自動再生のボタンアイコンを灰色の表示に変化させる。これにより、音声の読み上げも一時中断され、画面も静止画(ポーズ状態)となる。
この状態が、ステップS35において、自動再生のボタンアイコンが再び操作されたと判定されるまで継続され、自動再生のボタンアイコンが再び操作されたと判定されたとき、ステップS36に進み、自動再生のボタンアイコンを明るく表示し、ステップS22に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
即ち、自動再生モードで個別の記事が表示されている状態において、自動再生のボタンアイコンを操作すると、いわゆるポーズ状態となる。そして、このポーズ状態は、自動再生のボタンアイコンを再び操作することで解除される。
ステップS24において、見出しのボタンアイコンが操作されたと判定された場合においては、ステップS37に進み、いま表示されている個別記事が属するジャンルの見出し画面が再び表示される。即ち、ステップS21で表示された見出し画面と同一の見出し画面(図11の見出し画面)が再び表示される。
そして、ステップS38において、その見出し画面に表示されているボタンアイコンのうち、いずれかのボタンアイコンが操作されたと判定されるまで待機する。いずれかのジャンルを選択するボタンアイコンが選択されたと判定された場合においては、ステップS40に進み、その指定されたジャンルを選択する処理が実行され、ステップS37に戻り、その指定されたジャンルの見出し画面が表示される。例えば図11に示すトップのジャンルの見出し画面が表示されている状態において、スポーツのボタンアイコンが選択された場合においては、スポーツの見出し画面が表示される。
ステップS38において、いま表示されているジャンルの見出し画面に表示されている記事に対応するボタンアイコンが選択されたと判定された場合においては、ステップS39に進み、その指定された個別の記事を選択する処理が実行される。そして、ステップS22に戻り、その選択された記事の画面が表示される。
なお、各記事の表示には、サマリー記事の他、記事に応じて付加された写真、動画、図面なども表示されるのは元よりである。
また、自動再生モードを指定した場合における再生の順番は、各情報に対応して付属された重要度(図2)に基づいて決定される。重要度が同一の場合においては、時間的に先に伝送された情報が先に表示される。
以上のようにして、自動的に各記事を順次再生している状態において、前の記事または次の記事を選択すれば、それぞれ前の記事または次の記事を表示した後、再び元の自動再生状態に戻ることができる。また、同様に、所定の記事の詳細を表示させた後も、自動的に元の自動再生状態に戻ることができる。自動再生状態において、一時的に見出し画面を表示させ、その画面から新たな記事を指定したり、新たなジャンルを指定し、そのジャンルの新たな記事を指定した場合においても、その記事の表示が終了すると、再び自動再生状態に戻る。
次に、図13のフローチャートを参照して、図8のステップS14に示すしおり再生処理の詳細について説明する。最初に、ステップS71において、所定のジャンルの最初の見出し画面が表示される。しおり再生の対象とされるジャンルとして、例えば図9に示すようなジャンルが指定された場合、最初のトップのジャンルの見出し画面が表示される。即ち、この実施例の場合、図11に示すような見出し画面が表示されることになる。
次に、ステップS72に進み、ユーザは表示されている記事の中から再生を希望する記事を選択する。この記事を選択する処理がステップS73において、選択操作が終了したと判定されるまで繰り返し実行される。例えば図11に示すように、5つの記事が表示されている場合、この5つの記事の中から再生を希望する記事を指定する。
そして、この指定処理が終了したとき、ステップS74に進み、他のジャンルについても再生を希望する記事を指定するか否かを判定し、他のジャンルについてもその記事の選択を行いたい場合においては、ステップS75に進み、新たなジャンルを選択指定する。例えば、総合のジャンルを指定する。すると、ステップS71において、この総合のジャンルの見出し画面が表示される。そこで、同様にして、その総合のジャンルの見出し画面の中から、表示を希望する記事を選択する処理を実行する。
以上のようにして、所望のジャンルを指定し、その指定したジャンルの中からさらに表示を希望する記事を指定する操作が終了したとき、ステップS74からS76に進み、最初に指定したジャンルの最初の記事が画面に表示される。このとき、自動再生における場合と同様に、サマリー記事、写真、動画、図面などが表示されるとともに、音声読み上げが行われる。ステップS77においては、音声読み上げが終了したか否かが判定され、終了していなければステップS78に進み、ボタンアイコンのいずれかが操作されたか否かが判定される。いずれのボタンアイコンも操作されていなければ、ステップS76に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。即ち、その記事の表示を継続する。
ステップS77において、読み上げが終了したと判定された場合、ステップS79に進み、その記事が表示を希望した最後の記事であるか否かが判定される。最後の記事であれば、しおり再生処理が終了されるが、まだ他に表示していない記事が残っている場合においては、ステップS80に進み、次の記事が選択され、その選択された記事がステップS76において、画面に読み出され、表示される。
以上のようにして、ステップS71乃至S75で指定した記事が順次自動的に再生される。
一方、個別の記事が表示されている状態において、ステップS78で、いずれかのボタンアイコンが操作されたと判定された場合においては、ステップS81,S82,S83,S86,S89のいずれかの処理が実行される。
これらのステップS81以降において実行される処理は、図10の自動再生処理におけるステップS29乃至S40における処理と基本的に同様の処理である。
即ち、ステップS78において、前の記事あるいは次の記事のボタンアイコンが操作されたと判定された場合においては、それぞれステップS81またはS82に進み、それぞれ前の記事または次の記事が選択され、その選択された記事がステップS76に戻り、表示される。
また、記事全文のボタンアイコンが選択されたと判定された場合においては、ステップS83に進み、その記事の全文が表示され、ステップS84において、その記事全文の読み上げが終了したと判定された場合においては、ステップS85において、次の記事が選択され、ステップS76に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
しおり再生のボタンアイコンが操作されたと判定された場合においては、ステップS86でしおり再生が一時的に中止され、しおり再生のボタンアイコンが明るい表示状態から灰色の表示状態に変更される。そして、ステップS87において、しおり再生のボタンアイコンが再び操作されるまで待機し、操作されたとき、ステップS88に進み、しおり再生のボタンアイコンを再び明るく表示し、ステップS76に戻り、一時停止状態を解除して、再びしおり再生を開始する。
ステップS78において、見出しのボタンアイコンが選択されたと判定された場合においては、ステップS89において、現在表示している記事の属するジャンルの見出し画面が読み出され、表示される。そして、ステップS90において、その見出し画面に表示されているボタンアイコンのいずれかが操作されたか否かが判定され、ジャンルを指定するボタンアイコンが操作されたと判定された場合においては、ステップS92に進み、その指定されたジャンルが選択され、さらに、ステップS89において、その指定されたジャンルの見出し画面が表示される。
ステップS90において、個別の記事を選択するボタンアイコンが操作されたと判定された場合においては、ステップS91に進み、その指定された個別の記事が選択され、ステップS76において、その記事が表示される。
以上においては、衛星を介して情報を配信する場合を例として本発明を説明したが、本発明はケーブル、その他の伝送路を介して情報を配信する場合にも適用することが可能である。
1 大型計算機, 2 編集装置, 3 サービス運用会社, 4 衛星, 5 室外装置, 6 データ受信装置, 7 モニタ, 8 光磁気ディスク(MO), 9 リモコン, 10 ICカード, 11 関連情報暗号化回路, 12 独立データチャンネル多重化回路, 13 PN発生器, 14 データスクランブラ, 15 ディジタルチャンネル信号多重化回路, 16 4相DPSK変調器, 17 映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路, 18 FM変調器, 19 アップコンバータ, 20 電力増幅器, 21 送信アンテナ, 25 エンコーダ, 31 データ受信回路, 32 処理回路, 33 入力装置, 34 データ記録媒体コントロール回路, 35 ディスプレイインターフェイス, 37 モデム, 71 FM復調器, 72 映像信号/ディジタルチャンネル信号分離回路, 73 4相DPSK復調器, 74 ディジタルチャンネル信号分離回路, 81 マルチメディアデータ/関連情報分離回路, 82 関連情報復号化回路, 83 ダウンロード可否判定回路, 84 ダウンロード要求設定回路, 85 オン/オフ切換回路, 86 PN発生器, 87 データデスクランブラ