JP4421681B2 - 生殖細胞および胚の生存および機能を改善する方法および組成物 - Google Patents

生殖細胞および胚の生存および機能を改善する方法および組成物 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、一般に、精子、卵母細胞、および胚のインビボおよびインビトロでの生存および改善された機能の促進における、アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含有する多糖類の使用に関する。
発明の背景
現実には、精子細胞が温血動物種(ヒトを含む)の雌の中に置かれ、次いで卵母細胞と結合し、融合することにより受精が起こる。次いで、この受精した卵母細胞は、胚を形成するために分裂する。この数十年間に、補助生殖技術(assisted reproduction techniques)の使用は、科学者および臨床医に、いくつかの個体の低受精能(poor fertility)を治療するため、あるいは他の場所または他の時での使用のために精子、卵母細胞、または胚を保存するために、これらの事象に介入することを可能にしてきた。これらの場合に用いられる手順は、以下のものを含む:試料の精子の無い成分(例えば、精漿または細片)から精子が豊富な分画を分離するための精子試料の洗浄;さらに射出精液内の死んだ精子または白血球細胞からの健康な、運動性の(泳いでいる)精子の単離;後日の使用のために、または別の場所の雌に運ぶための精子の凍結または冷蔵(保存);診断テストにおける培養または治療的介入(例えば、インビトロ受精(IVF)または細胞質内精子注入(ICSI))における使用のための精子の伸長(extending)または希釈;インビトロ受精における使用のための雌の卵母細胞の培養または凍結;および妊娠確立のために雌へ戻す前の胚の培養または凍結。
その方法の各段階で、インビトロ介入は、精子、卵母細胞、および胚の正常な生存および機能を低下させる。多くの研究が、これらの手順の改善に費やされてきたが、しかし、全体としての成功は限定されたままである。例えば、IVFの試みの20%未満が、結果として子供の誕生を生じる。さらに、精子細胞の半分以下しか凍結過程で日常的に生存せず、その結果、ドナーからの凍結精子を用いた妊娠率は平均約10%と20%との間である。卵母細胞および胚も、培養または凍結後に著しい機能の途絶を示す。特に、ヒトの卵母細胞は、非常に低いレベルで凍結過程で生存する。従って、数十年の研究にもかかわらず、補助生殖技術の分野(特に、生殖体および胚の操作、培養および保存)において改良の多くの余地が残っている。
精子の収集で用いられる一つの一般的な手順は、精子細胞の洗浄である。補助生殖技術における精子の使用前の精子洗浄は、種々の理由のために重要である。射出精液は、精子細胞に加えて精漿を含み、そして精漿中の糖およびタンパク質は、射精後に精子細胞に対して毒性となり得る。また、凍結されている精子試料は、いくつかの種の雌(特に、鳥類およびヒト女性)の受精の前に精子細胞から洗浄される必要がある凍結保存培地を含む。全ての種に対して、凍結保存培地は、解凍後に脂質膜過酸化(lipid membrane peroxidation)(LPO)および精子の変性を引き起こす。一般的に、洗浄は、希釈洗浄培地での精液または解凍精子の試料の遠心分離を包含し、これは精子が豊富なペレットの回収を可能にする。非常に一般的な手順であるが、遠心分離自体が、精子脂質過酸化(sperm lipid peroxidation)および膜破壊を引き起し得る。
精子の洗浄過程の後に、またはそれに代えて、試料から運動性精子を単離するための特定の手順がなされ得る。射精液は、生存中の運動性精子を損傷し得る酵素を放出する死んだか、または瀕死の精子を含有する。さらに、射精液は、射精液中の健康な精子に対して同様に毒性を示す白血球細胞、赤血球細胞、および細菌を含有する。精子の単離は、診断または治療的な手順の使用のために、生存中の健康な運動性精子の分離を包含する。一般に、運動性精子を、死んだ精子および細片から泳ぎ去らせる(精子スイムアップ(swim-up))ことにより、密度勾配を通して精子を遠心分離することにより、または死んだ精子および細片と結合するカラムに精子を通過させることにより、精子は単離される。これらの各技術は、それ自身の不利な点を有する。スイムアップは、回収する精子数が少なく、そして長い培養期間を必要とする。現在の遠心分離勾配試薬は、一般に精子に対して毒性であり、その結果、精子試料から勾配溶液を除去するために追加の洗浄段階が必要である。カラムの方法は運動性精子に対する選択性が乏しく、射精液全体からの精子量の良好な回収率が常に得られるとは限らない。
一旦、精子が洗浄または単離されると、次いで、それらは種々の用途のために培養または保持培地で伸長(または希釈)される。現存の精子培養技術は、培養において時間の経過とともに、運動性精子を損失し、また精子DNAに傷害を与える。精子は、大部分の種の雌の中で数日間生存するが、培養における精子の生存は、一般的には、インビボで見られる生存の半分の期間であり、そして粗悪な射精液(poor quality ejaculates)を有する男性からの精子は、培養においてさらに短い期間生存し得る。この傷害の大部分は、膜の脂質過酸化およびDNAまたはクロマチンの破壊に起因する。精子の分析および診断テスト、補助生殖技術(例えばIVF、生殖体の卵管内移送またはICSI)、雌への受精、および凍結保存の前の保持での使用のために、精子は培地で伸長される。伸長または希釈された精子のこれらの使用のそれぞれは、基本培地の幾分異なる処方を必要とする。しかし、全ての場合において、精子の生存は、雌の生殖路(reproductive tract)外では最適以下である。
同様に、卵母細胞および胚は、インビボの条件と比較して培養ではしばしば異常に発達する(例えば、染色体数、細胞骨格形成)。さらに現在の培養方法は、高容量の動物タンパク質(血清のような)を使用し、その使用は、必要以上に大きい胎児および子孫の出産時傷害を生じ得る。
補助生殖技術におけるいくつかの困難は、フィーダー層とともに精子、卵母細胞および胚を同時培養することにより克服し得る。しかし、同時培養は、質の変動および信頼性の変動を有し、生存している動物またはヒトに戻される生殖体または胚へのフィーダー細胞からの病原体の移動の危険性も増える。
精子の保存は、商業的な動物繁殖計画、ヒト精子ドナー計画において、およびいくつかの病態を扱う際に、広範な重要性を示す。例えば、精子の生産を最終的に妨害し得るガンまたは他の疾患と診断された男性のために、精子試料が凍結され得る。精子の凍結および保存は、絶滅の危機に瀕した種の保存に関する分野において重大である。これらの種の多くは、現存の方法下で良好に凍結しない精子を有する。標準的な畜産においては、凍結した雄ウシの精子を用いた人工受精(AI)が、乳牛の85%において用いられている。商業的な七面鳥の大部分は重くなりすぎて自然につがうことができないので、ほとんど全ての七面鳥農場でAIは必要とされる。アメリカ合衆国では、毎週およそ六百万の七面鳥の雌鳥が受精される。しかし、収集した七面鳥の精子を保存する現存の方法は、農場間の精子の移送に必要な数時間でさえ精子の生存を補助し得ない(もちろん長期間の凍結も)。これは、生産を改良するための遺伝物質の保存または移送の能力を限定する。ヒトドナーのAIも、重篤な男性不妊症の夫婦のために用いられる。しかし、ヒトにおけるドナー精子での妊娠率は、自然生殖で見られる妊娠率の四分の一しかない。さらに、外科的な受精が必要とされ得る。
全ての種の精子を凍結するための現在の技術は、試料中において膜損傷を起こし、そしてそれに続いて精子細胞の約半分の死亡が起こる。この損傷の大部分は、精子膜の脂質過酸化を引き起こす反応性の酸素種により生じる。これらの広範で重大な問題にもかかわらず、この分野の現状の技術およびプロトコールは、この15年でほとんど変化しないままである。様々な場面で凍結精子の用途が増加していることを考慮すれば、精子を凍結または保存するための新しい方法は、ヒト受精能の専門家、動物生産者、および保存の専門家に対して主要なブレークスルーを提供するものである。
卵母細胞および胚の凍結もまた、絶滅の危機に瀕した種からの遺伝物質の保存、貴重な家畜個体からの子孫生産の増加、または不妊の夫婦のための移送前の胚の保持のために重要である。卵母細胞および胚を凍結する現代技術は、発展の可能性の低下が見られ、決して最適とはいえない。実際に、ヒトの卵母細胞は、めったに成功して凍結されることはなく、したがって、強いて多数の胚を女性の子宮に置くことになり、これは危険でハイリスクな多胎妊娠の数を増加する。さらに、全ての種に由来するIVFの胚または遺伝学的に改変された胚(例えば、遺伝子治療の後に得られた胚)は、現存の凍結培地では非常に悪い凍結後生存率を有する。これは、クローンさせた胚および胚幹細胞(embryonic stem cell)(ESC)由来の胚を含む。
受精能に問題を有する夫婦のために、受胎の機会を改善するための上記補助生殖技術の代替の方針は、卵母細胞の排卵中に、多数の時期を合わせた性交の機会を有することである。これらの夫婦の多くにとって、不妊の感情的ストレスおよび毎月毎月の時期を合わせた性交の必要性が、性交中の人工的な潤滑の必要性に至り得る。しかし、商業的に入手可能な潤滑剤の大部分は殺精子性であり(唾液も同様)、そのため不妊の夫婦はしばしば、彼らの医師から性交中に潤滑剤の製品を使用しないように指示される。さらに、ヒトと動物の両方における生殖医学(reproductive medicine)の多くの局面は、手で行う精子試料収集、人工受精、および子宮カテーテル処置のような手順中の殺精子性でない潤滑剤の使用により、向上される。その殺精子性の性質のため、市販されている潤滑剤の製品は、これらの状況での使用には受容可能ではない。
雌の中での沈着の後、精子は、雌の頸管粘膜に貫入し、卵管(ファロピウス管)まで泳がなければならない。そこは、排卵および受精が起こるまで精子が残存する場所である。弱められた精子は、この粘液を通って泳ぎ得ないので受精プロセスでは利用されず、男性の受精能を限定する。さらに頸管粘液に入ることが遅い精子は、酸性で数時間内で精子を不活性化し得る膣粘液に接触した状態にされる。受精の可能性の低い精子は、凍結された精子、男性が精子を弱める抗体を自己の精液中に有する場合の精子、または異常な動きまたは形状を有する精子を包含する。男性の不妊因子(不妊のケースの60%を占める)を処置するための治療の選択肢は、現在非常に限られており、単一の卵の中に単一の精子を注入するICSIのような非常に高価な介入技術をしばしば最後には利用することになる。さらに、遺伝子および/または出生の欠陥の頻度の増加が、このような精子注入技術からの子孫に対して報告されている。女性の内部での射精または授精後の精子の生存、運動性および粘液への貫入性を改善する製品は、受精のための卵管内の利用可能な精子数を増加し得、したがって、侵襲性の介入無しに受胎が起こる機会が改善し得る。
本発明は、精子、卵母細胞または胚に対して非毒性である種々の組成物を提供する。これらは、さらに、インビトロで操作中におけるそれらの機能および生存を改善し、自然に妊娠することを試みている夫婦による使用、ならびにヒトおよび動物における種々の補助生殖技術の使用のために、精子の機能を改善する。本発明はさらに、他の関連する有利な点を提供する。
発明の要旨
本発明は、インビボとインビトロの両方における生殖細胞(精子および卵母細胞)ならびに胚の機能を改善するための方法および組成物を提供する。
一つの局面では、改善された機能を有する運動性精子を単離するための方法が提供される。その方法は、精子を含有する試料を、アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含む多糖(PCAGH)(PCAGHはアラビノガラクタンではない)を含有する溶液に接触させて、混合物を形成する工程、および次いで、洗浄溶液を除去する工程を包含する。この混合物は、試料の残りから運動性精子を分離するために十分な条件に供され、これにより改善された機能を有する精子を単離する。関連した局面では、試料の精子が無い部分を除去し、改善された機能を有する精子を得るための精子の洗浄方法が提供される。その方法は、精子を含有する試料を、アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含む多糖を含有する溶液(PCAGHはアラビノガラクタンではない)に接触させる工程、および洗浄溶液を除去する工程を包含する。特定の実施態様においては、多糖は、ペクチン、アラビン酸、アラビアゴム、ガッチゴム(gum ghatti)、カラヤゴム、グアルゴム、ガラクトピラノシルアラビノース、ガラクツロン酸、イナゴマメゴム(gum locust bean)、トラガカントゴム、カラゲナン、またはそれらの誘導体である。別の実施態様においては、試料は精液である。さらに別の実施態様においては、試料は、ヒト、ウシ、イヌ、ウマ、ブタ、ヒツジ、鳥類、齧歯類、または外来種から得られる。特定の実施態様においてはまた、デキストラン、イオジキサノール、スクロースポリマー、ニコデンツ(nycodenz)、またはポリビニルピロリジンで被覆されたシリカ(Percoll)のような他の密度勾配化合物を含み得る。他の実施態様においては、溶液は、平衡塩類溶液および高分子を含む。
別の局面では、精子洗浄培地が提供され、それは、アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸(PCAGH)、ならびに高分子を含む多糖を含有する(PCAGHはアラビノガラクタンではない)。多糖は、精子の機能を改善するために十分な1〜50%の濃度で存在する。特定の実施態様においては、高分子は、ゼラチン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、卵黄、オビダクチン(oviductin)、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、ゼラチン、カタラーゼ、またはカゼインである。一般的に、溶液はさらに、平衡塩類溶液を含む。
関連した局面では、試料から運動性精子を単離するための培地は、0.01〜5%のPCAGHおよび遠心分離での単離のための密度勾配化合物、またはスイムアップ分離のための高分子を含有する。
別の関連した局面では、精子の伸長培地が提供される。これは、溶液中に精子の機能を改善するために十分な濃度のPCAGHを含有する。
他の局面では、動物における受精の可能性を増加するための殺精子性でない潤滑剤が提供され、これは、殺精子性でない潤滑性化合物およびアラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸(PCAGH)を含有する多糖を含む。特定の実施態様においては、潤滑性化合物は、グリセリン、メチルセルロース、プロピレングリコール、植物油、ワセリン、グリセリンおよびワセリンの組み合わせ、あるいはポリエチレンオキシド、カルボキシポリメチレンナトリウムおよびメチルパラベンの組み合わせである。他の実施態様においては、多糖は、ペクチン、アラビノガラクタン、アラビン酸、アラビアゴム、ガッチゴム、カラヤゴム、グアルゴム、ガラクトピラノシルアラビノース、ガラクツロン酸、イナゴマメゴム、トラガカントゴム、カラゲナン、またはそれらの誘導体である。潤滑剤は、性交または人工受精の前の膣内への投与または配置によりインビボで用いられ、または精液の回収時(例えば容器(receptacle)への射精の前にペニスに潤滑剤を使用すること、または潤滑剤を含む容器での精子の回収)に用いられる。関連した局面では、潤滑剤は、医療デバイスまたは手を潤滑にするために生殖手順の前に用いられる。
さらに本発明の他の局面では、インビトロにおける精子、卵母細胞、胚、および胚幹細胞の生存を増加するための方法が提供される。この方法は、細胞のタイプの一つを含む試料を、細胞に受容可能であり、そしてアラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含有する多糖を含む培地と、接触させる工程を包含する。特定の好ましい実施態様においては、培地は平衡塩類溶液培地を含有する。他の実施態様においては、培地はさらに、血液血清、合成血清サプリメント、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、オビダクチン、スーパーオキシドジスムターゼ、ビタミンE、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、カタラーゼ、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、卵黄、スキムミルク、カゼイン、メラニン、ホルモン、または増殖因子のような高分子を含有する。他の実施態様においては、培地はまた、精子刺激剤を含む。精子刺激剤は、カフェイン、卵胞液、オキシトシン、カリクレイン、プロスタグランジン、胸腺抽出物、ペントキシフィリン、デオキシアデノシン、イノシトール、血小板活性化因子、ヒポタウリンまたはメルカプトエタノールを包む。
さらに他の局面では、冷蔵、凍結、またはガラス化(vitrified)された状態での細胞の保存から生じる機能的な精子の損失の軽減、卵母細胞への細胞損傷の軽減、および胚または胚幹細胞(ESC)への細胞損傷の軽減のための方法が提供される。より詳細には、アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸(PCAGH)を含有する多糖、および精子、卵母細胞、または胚を含有する試料が組み合わせられる。ここで、多糖は、損失または損傷を軽減するための有効量であり、次いで、試料は冷蔵、凍結、またはガラス化された状態で保存される。特定の好ましい実施態様においては、付加的な低温保護(cryoprotective)化合物が添加される。関連した局面では、精子、卵母細胞、または胚を保存するための培地が提供される。これは、平衡塩類溶液およびアラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含有する多糖を含有する。
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することにより明らかになる。さらに、種々の参考文献が以下に記載され、これらは、特定の手順または組成物をより詳しく記載する。これらの参考文献のそれぞれが各々が援用のために個々に記載されているかのように、本明細書中で参考としてその全体が援用される。
【図面の簡単な説明】
図1は、アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸(PCAGH)を含有する多糖を含有する潤滑剤が使用され得る方法の解剖学的な概要を示した図である。
図2は、DNA損傷の後の蛍光出力のシフトを表すグラフである。
図3は、HTF単独または種々の炭水化物(PCAGHを含む)を含有したHTF中で、24時間培養後に正常な膜を有する精子のパーセンテージを表すチャートである。
図4は、種々のPCAGHとともに4時間培養した雄ウシ精子の脂質膜過酸化のレベルを表すチャートである。
図5は、種々の酵素で処理した後の、リンゴペクチンの染色電気永動ゲルである。
図6は、種々のペクチン画分を含有するTALP中で、2または24時間培養後の運動性の雄ウシ精子のパーセンテージを表すチャートである。
図7は、Percollまたはアラビアゴムを含有する緩衝液で精子を洗浄した後の、運動性精子(左のパネル)および正常な膜を有する精子(右のパネル)のパーセンテージを表す一組のチャートである。
図8は、卵黄緩衝液(EYB)伸長剤またはPCAGH伸長剤中の凍結した雄ウシ精子の運動性の性質を表したチャートである。
図9は、24時間培養した後に、示した伸長剤中で凍結および解凍した後の、5%を超える運動性を有する雄ウシ精子の試料数を表したチャートである。
図10は、卵黄緩衝液(EYB)伸長剤またはPCAGH伸長剤中で解凍した後に、10分間精子を保持した後の、凍結した雄ウシ精子の脂質膜過酸化の程度を表すチャートである。
図11Aおよび11Bは、PCAGH(a)または卵黄緩衝液(b)伸長剤中における凍結した精子のDNAのフローサイトメトリーのプロフィールである。
図12は、卵黄緩衝液(EYB)またはPLAGH伸長剤中において凍結した精子の、酸または熱変性に対する、解凍後の精子DNAの感受性を表すチャートである。
図13は、PCAGHを伴うかまたは伴わないHTF培地において4時間培養後の、運動性の、または正常な膜を有するヒト精子のパーセンテージを表すグラフである。
図14は、PCAGHを伴うかまたは伴わないHTF培地において24時間培養後の、運動性の、および正常な膜を有するヒト精子のパーセンテージを表すチャートである。
図15は、種々の添加物を伴ったTALP中において5時間培養後の精子の運動性の結果を表すチャートである。
図16は、PCAGHを伴うかまたは伴わないHTF培地において72時間培養後の、5%を超える運動性精子を有する雄数を表すチャートである。
図17は、PCAGHを伴うかまたは伴わなずに4時間培養した精子の脂質過酸化のレベルを表す。
図18は、PCAGHまたはKY潤滑剤を伴う生の精子を30分間インキュベートした後の、ウシ頸管粘液への貫入を表すグラフである。
図19は、精液のみまたはKY潤滑剤またはPCAGH潤滑剤中においてインキュベートしたときの、経時的な段階的な精子の運動性を表すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明を実施する前に、本明細書中以下で使用される特定の用語の定義を示すことは、それらの理解を助け得る。
本明細書中で使用される、「アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含有する多糖類」(本明細書中以下で「PCAGH」という)は、アラビノースおよびガラクトースまたはヘキスロン酸、あるいはそれらの組み合わせ(例えば、ヘキスロン酸と、ガラクトースまたはアラビノースあるいは両方との組み合わせ)を含むポリマーをいう。ヘキスロン酸のモノマーユニット(例えば、ガラクツロン酸)がまた、本発明の文脈内で使用され得る。多糖類がアラビノースおよびガラクトースを含有する場合、少なくとも二糖が存在しなければならない。しかし一般に、PCAGHは6kDa〜1500kDaの範囲の分子量を有する。PCAGHは、さらに他の糖、またはタンパク質、ペプチド、脂質、核酸などの他の分子を含み得る。PCAGHの例として以下が挙げられるが、これらに限定されない:アラビノガラクタン、ペクチン、アラビン酸、アラビアゴム、フコイジン(fucoidan)、フノラン(funoran)、イリドフィカン(iridophycan)、ガッチゴム、トラガカントゴム、マルメロの種子のゴム、植物(plantago)多糖類、オオバコの種子、アマの種子のゴム、カラヤゴム、グアーガム、イナゴマメゴム、カラゲナン、海草抽出物、Gymnema sylvestre、Helianthus annuus L.、Angelica acutiloba、Ariemisia princps、Bupleurum Falatum L.、Panax ginseng、Malva sylvestris var.mauritiana、Rubus fruticosus、およびHibiscus sabdariffaの植物または根の抽出物;微生物由来の多糖類、植物細胞培養物由来の多糖類、あるいは上記の誘導体。本明細書中で使用される、「ヘキスロン酸」は、ヘキソース糖の酸化によって一般に得られるテトラヒドロキシアルデヒド酸である。このようなヘキスロン酸は、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、グルロン酸、イズロン酸などを含む(「炭水化物」、P.M.Collins編、ChapmanおよびHall、NY、1987;Merck Indexを参照のこと)。
本明細書中で使用される、精子の「改善された機能」は、卵母細胞を受精させる精子の改善された能力をいう。この能力は、移動性、生存性、生存時間、膜安定性、脂質過酸化損傷のレベル、クロマチン安定性、粘液貫入性、卵母細胞受精、または続く胚発生などによって評価され得る。同様に、卵母細胞の「改善された機能」は、精子による卵母細胞の受精、続く正常な発生について改善された能力をいう。胚の「改善された機能」は、正常な発生および子孫産生について改善された能力をいう。卵母細胞および胚についてこの能力は、染色体数、細胞数、細胞骨格形成、および代謝活性を評価することによって評価される。「改善された機能」は、精子、卵母細胞、または胚が、本明細書中で記載される条件下でPCAGHを用いて処置する場合、コントロール(すなわち、PCAGHを用いて処置しない)と比較して、これらのアッセイの1つによって評価されるような増強された能力を有することを意味する。
本明細書中で使用される、「胚」は、胚盤胞段階までの受精後の成長の初期段階における動物をいう。胚は、未分化の全能細胞を有することによって特徴づけられる。対照的に、個体の体細胞は、分化し、そして全能ではない、身体の細胞である。
本明細書中で使用される、「胚幹細胞」(ESC)は、単一の胚起源の確立された培養細胞株である。ESCは同一の遺伝物質を有する細胞の集団である。各細胞は全能であり、そして未受精卵母細胞と融合される場合、遺伝的に同一の動物を生じる。
I.アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含有する多糖類
上記のように、アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含有する多糖類(「PCAGH」)は、少なくとも、ヘキスロン酸と組み合わせたアラビノースおよび/またはガラクトースユニット、あるいはヘキスロン酸のみ(例えば、ガラクツロン酸)含むポリマーをいう。好ましいPCAGHは、アラビノース、ガラクトース、およびガラクツロン酸を含む。これらの多糖類は一般に、植物のゴムまたはペクチン画分から得られる水溶性ポリマーとして天然に存在する。このような物質はまた、培養物中の植物細胞および微生物細胞により放出される(Bushelら、Food Hydrocolloids 1:359-363,1987)。PCAGHの化学的および酵素的分画は、本発明にまた有用である活性な画分を提供する(実施例を参照のこと)。PCAGHまたはそれらの誘導体は、インビトロで化学的に合成され得る。さらに、これらのPCAGHの酸処理または熱処理(例えば、オートクレーブ)のような精製(例えば、アラビアゴムからのアラビン酸の生成、およびオートクレーブを介するアラビノガラクタン由来の低分子量誘導体の生成)を通じて得られる誘導体がまた、本発明に有用である。糖タンパク質がまた、それらが活性な画分を含む場合、使用され得る。PCAGHは、アラビノガラクタン、ペクチン、アラビン酸、およびアラビアゴムのような種々の形態で市販されている(Sigma,St.Louis,MO; Glyco Tech.Rockville,MD; Seikagaku,Ijamsville,MD; Accurate Chemical Co.,Westbury,NY; Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)。
ペクチン質(より一般的にはペクチンと呼ばれる)は、α(1→4)結合した部分的にメチルエステル化されているガラクツロン酸ユニットの骨格によって特徴づけられる多糖類の複合混合物である(O’Neillら、Methods in Plant Biochemistry 2:415-441,1990)。全てのペクチンは、いくつかの結合した中性糖(例えば、L-アラビノース、D-ガラクトース、L-ラムノース、D-キシロース、およびD-グルコース)を含む。ペクチンの化学的および酵素的分解は、長く規則的なウロン酸領域(平滑)および側鎖として中性糖を有するラムノースリッチな領域(毛状)を明らかにする。ペクチンは、全ての種子植物の一次細胞壁中に存在し、そして双子葉植物(例えば、柑橘類およびマメ科)ならびに裸子植物(例えば、ダグラスファー)の主要な成分である。ペクチン供給源の商業的に重要な供給源として、リンゴおよび柑橘類の果肉(例えば、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)、テンサイ、およびアルファルファが挙げられる。
ゴム滲出物は、植物から分泌される粘性の液体であり、そして高レベルの多糖類を含む。ゴムはまた、粘性の種子、海草、および微生物の培養物中に見出される。これらのゴムは、複雑であり、そして中性糖とともにヘキスロン酸(代表的には、D-グルクロン酸および/またはガラクツロン酸)残基で高度に分岐している多糖類を含有する(Aspinall,The Carbohydrates、W.PigmanおよびD.Horton,Ch編、39:515-536,1970)。PCAGHを含有するゴムの例として、アラビアゴム、トラガカントゴム、ガッチゴム、カラヤゴム、およびカラマツ(larch)アラビノガラクタンが挙げられる。アラビノガラクタンはほとんどの植物において見出され、そして多くのゴムおよびペクチン複合体中に側鎖として存在する(Clarkeら、Phytochemistry 18:521-540,1979)。II型アラビノ-3,6-ガラクタンは、種子、葉、根、果実、およびゴム滲出物において検出されている。山カラマツ(mountain larch)由来のアラビノガラクタンは、1,6結合した側鎖を有する、β-D(1→3)結合ガラクトピラノシル骨格を有する。アラビノガラクタンの誘導体(例えば、アミノ誘導体、スクシニル−アラビノガラクタン、グルタリルアラビノガラクタン、アラビノガラクタンヒドラジド、ホスホリルアラビノ−ガラクタンなど)が、本発明において使用され得る(例えば、PCT出願第WO93/25239号を参照のこと)。Acacia senegal由来の滲出物であるアラビアゴムは、D-ガラクトピラノース残基の分岐鎖からなる核を有する滲出性ゴムの代表と見なされている。アラビアゴムはまた、典型的に、L-アラビノース、D-ガラクトース、L-ラムノース、およびD-グルクロン酸を含む。アラビン酸は、アラビアゴムの酸−エタノール沈澱誘導体である。これらのゴムの多くが商業的に得られ得る(例えば、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)。
ヘキスロン酸はCOOH基を有する6炭糖である。この糖は直鎖状または環状構造であり得る。さらに側鎖が存在し得る。酸化され得るヘキソースとして、グルコース、ガラクトース、マンノース、グロース、イドース、タロース、アルトース、およびアロースが挙げられる。一般的なヘキスロン酸として、グルクロン酸、ガラクツロン酸、およびマンヌロン酸が挙げられる(他については、「炭水化物」前出;Merck Indexを参照のこと)。
他のPCAGHとして、例えば以下が挙げられる:フコイジン、フノラン、イリドフィカン、マルメロの種子のゴム、オオバコの種子由来の植物多糖類、アマの種子のゴム、グアーガム、イナゴマメゴム、カラゲナン、海草抽出物;Gymnema sylvestre、Helianthus annuus L.、Angelica acutiloba、Ariemisia princps、Bupleurum Falatum L.、Panax ginseng、Malva sylvestris var.mauritiana、Rubus fruticosus、およびHibiscus sabdariffaの植物または根の抽出物、微生物由来の多糖類;植物細胞培養物由来の多糖類;または上記の活性誘導体。
他のPCAGHは、天然に得られるペクチン質の誘導体を通じて、ならびに化学的および酵素的手段によってゴム質を通じて入手され得る(一般に、The Carbohydrates,Ch.39、W.Pigmanら編、Academic Press,N.Y.and London,1970; Methods in Plant Biochemistry 2:415,1990; Stephenら、Methods in Plant Biochemistry 2:483,1990; Lauら、Carb.Res.168:219,1987を参照のこと)入手され得る。酸加水分解および熱自己分解手順は、生物学的活性を有する小さなオリゴマー誘導体を生じる。ポリガラクツロン酸オリゴマーが合成され(NakaharaおよびOgawa、Carbohydrate Research 200:363-375,1990)、そして化学的に改変されている(Moloshokら、Archives of Biochemistry and Biophysics 294(2):731-734,1992)。以下を通じて改変されたゴムもまた含まれる:溶液の粘性を増大するための中性基の導入;メチル基、エチル基、ヒドロエチル基、および類似の基の付加;酸性基の導入;グラフトポリマーの導入;または熱デキストリニゼーション(thermal dextinization)、部分的加水分解、および穏やかな酸化。改変は例えば、ペクチナーゼ、エンドアラビナナーゼ、α-L-アラビノフラノシダーゼおよびエンドポリガラクツロナーゼを用いて行われ得る。酵素は市販されている(例えば、Megazyme,Bozeman,MT; Seikagaku,Ijamsvile,MD; GlycoTech,Rockville,MD; Sigma,St.Louis,MO)。
PCAGHは、単糖またはウロン酸についての検出方法(例えば、GC、質量分析、TLC、NMR、IR分光法)と組み合わせた、酸加水分解、酵素的消化を含む分解手順によって同定され得る。糖類を同定するための他の一般的に使用される方法は、交換可能に置き換えられ得る(例えば、
Figure 0004421681
Gondaら、Carb.Res.198:323,1990;
Figure 0004421681
TaylorおよびBuchanan-Smith、Anal.Biochem.201:190,1992; BachおよびSchollmeyer,Anal.Biochem.203:335,1992;
Figure 0004421681
de Vriesら、Carb.Polymers 3:193,1983; McClearyおよびMetheson,Adv.in Carb.Chem.Biochem.44:147,1986;
Figure 0004421681
Eaglesら、Phyto.Chem.34:709,1993; SelvendranおよびRydan,Methods in Plant Biochemistry 2:549,1990を参照のこと)。
種々の多糖類は、広範に異なる水溶解度を示す。一般に、高い溶解度を有する多糖類は、その粘性によって溶液が本質的に実行不可能になるまでの、約60%まで溶解し得る。溶解度の低い多糖類は、その粘性によって溶液が本質的に実行不可能になるまでの約10%以下まで溶解し得る。高溶解度の多糖類には、アラビノガラクタンおよびアラビアゴムが挙げられる。低溶解度の多糖類には、ペクチンおよびアラビン酸が挙げられる。
II.改善された精子の機能
上記のように、改善された精子の機能は、卵母細胞を受精させる精子の増大された能力をいう。この機能は、広範な測定可能な細胞の機能によってアッセイされ得る。このようなアッセイ可能な機能として、精子の移動性、精子の生存性、精子の膜完全性、インビトロ受精、精子のクロマチン安定性、培養物中での生存時間、子宮頸粘膜の貫入性、ならびに精子の貫入アッセイおよびhemizonaアッセイが挙げられる。精子は、本明細書中で記載される条件下で、PCAGHを有する組成物または方法が、コントロール(すなわち、PCAGHを含むことなく行われたアッセイ)と比較して有意に良好(P<0.05)に行われる場合、その組成物または方法に曝された後に改善された機能を有する。精子の機能を評価するために使用され得る種々のアッセイの簡潔な記載が、本明細書中に示される。これらのアッセイは、例示的な技術として提供され;試験される機能を測定する変更または別の方法が使用され得る。
精子の移動性は、精子の機能を評価するために使用され得る1つの機能であり、従って受精能である。精子の移動性は、運動性の精子の全%として、前進的運動性の精子(前向きに泳ぐ)の全%として、または前進的運動性である精子の速度として表される。これらの測定は、種々のアッセイによって行われ得るが、しかし2つの方法の一方において好都合にアッセイされる。主観的な目に見える測定が、精子を赤血球計中もしくは顕微鏡スライド上に置かれる場合は、位相差顕微鏡を用いて、またはコンピューター補助精液分析器を使用して行われる。位相差顕微鏡下で、移動性かつ全ての精子が計数され、そして速度が、速い、普通、または遅いと評価される。コンピューター補助精子分析器(Hamilton Thorn,Beverly,MA)を用いて、試料中の個々の精子細胞の移動特性が目的に応じて決定される。簡潔には、精子試料はスライド上または分析器について設計されたチャンバーに置かれる。分析器は、個々の精子細胞を追跡し、そして精子の移動性および速度を決定する。データは、パーセント移動性として表され、そして経路速度(path velocity)および追跡速度についての測定値はなどについてもまた得られる。
精子の生存性は、いくつかの異なる方法の1つにおいて測定される。例えば、これらの方法の2つは、膜排除染色を用いる染色、およびATPレベルの測定である。簡潔には、精子の試料は生存可能な色素(例えば、Hoechst 33258またはエオシン−ニグロシン染料)とともにインキュベートされる。細胞は赤血球計中に置かれ、そして顕微鏡分析によって調べられる。破壊された膜を有する死んだ精子はこれらの色素で染色される。染色されていない細胞の数を、計数した全細胞数で割って生存細胞のパーセントを得る。精子試料中のATPレベルは、精子を溶解し、そしてホタルから得られる酵素であるルシフェラーゼ(ATPの存在下で蛍光を発する)とともに溶解物をインキュベートすることによって測定される。蛍光は、ルミノメーター(Sperm Viability Test; Firezyme,Nova Scotia,Canada)で測定される。試料中の蛍光の量を、標準曲線における蛍光の量と比較して、試料中に存在する生存精子の数を測定する。
精子の膜完全性は、代表的には低浸透性膨張(hypo-osmotic swell)試験によってアッセイされる。これは、非等張環境に曝される場合、水または塩をポンプする精子の能力を測定する。簡潔には、低浸透性膨張試験において、精子は75mMのフルクトースおよび25mMのクエン酸ナトリウムの溶液(これは低浸透性(150mOsm)溶液)に懸濁される。完全な、健全な膜を有する精子は、細胞の塩をポンプして細胞をより小さくするために膜を収縮させる。精子の尾は、この固い膜の内側に巻いている(curl)。従って、巻いた尾を有する精子は、通常の膜を有し、生存しかつ健全な精子として計数される。存在する精子の総数と比較される場合、機能的な精子の割合が確立され得る。
好ましくは、膜の完全性の程度は脂質過酸化(LPO)測定によって決定される。これは、処理中に放出されるフリーラジカルによって生じる精子の膜損傷を評価する。脂質膜の過酸化は、精子と、硫酸第一鉄およびアスコルビン酸とを、37℃の水浴で1時間インキュベートすることによってアッセイされる。タンパク質は、氷冷トリクロロ酢酸で沈澱される。上清は遠心分離によって回収され、そしてチオバルビツール酸およびNaOHとともに煮沸することによって反応させられる。生じるマロンジアルデヒド(MDA)処方物は、534nmで吸光度を測定することによって、MDA標準との比較として定量される(M.Bellら、J.Andrology 14:472-478,1993)。LPOは、nM MDA/108精子として表される。PCAGHの安定化効果は、減少したLPO生成を生じる。
クロマチンDNAの安定性は、精子クロマチン感受性アッセイ(SCSA)を用いてアッセイされる。このアッセイは、アクリジンオレンジ染色、続く488nmの光での励起による、一本鎖および二本鎖DNAの異染染色に基づく。緑色の蛍光は、二本鎖DNAを示し、そして赤色の蛍光は一本鎖DNAを示す。試料中のDNA変性の程度はαとして示され、そして式α=赤色/(赤色+緑色)によって計算される。全ての場合において、精子はTNE緩衝液(0.01Mのトリスアミノメタン-HCl、0.015MのNaCl、および1mMのEDTA)と混合され、そして即座に凍結される。次いで、精子試料は、異常なクロマチンを有する精子中のDNAの部分的な変性を誘導する、0.01%のTriton-X、0.08NのHClおよび0.15MのNaClに供される。精子は6g/mlのアクリジンオレンジで染色され、そしてフローサイトメーターに通してαが決定される。
インビトロの受精率は、インビトロでの卵母細胞の受精パーセントを測定することによって決定され得る。成熟卵母細胞は、7.5%のウシ胎児血清および50μg/mlの黄体形成ホルモンを加えたM199培地中で22時間、インビトロで培養される。4時間の培養後、精子は、10IUのヘパリンを添加することによって化学的に能力を与えられ、卵母細胞とともに24時間インキュベートされる。インキュベーションの終了時に、卵母細胞をアセトオルセイン染料または等価物で染色され、受精した卵母細胞のパーセントが決定される。あるいは、受精した卵母細胞は2日間培養物中に放置され得、その間に分裂か起こり、そして分裂した胚の数(すなわち、2つまたはそれ以上の細胞)が計数される。
精子の培養物中での生存時間(移動性を欠失する時間)は、精子の機能を確定する別の便利な方法である。このパラメーターは所定の雄の実際の受精能力と相関する。簡潔には、精子のアリコートを、培地(例えば、Tyrodeの培地(pH7.4))上に置き、そして37℃、5%のCO2で加湿雰囲気中でインキュベートする。一定の間隔(例えば、8時間ごと)で、培養物中の移動性の精子の割合が、倒立顕微鏡を用いる可視的な分析により、またはコンピューター補助精子分析器を用いて決定される。終点(endpoint)として、試料は、5%の細胞が前進的な移動性を有する場合、もはや生存していないとみなされる。
精子の機能の別のパラメーターは、子宮頸粘液を貫入する能力である。この貫入試験は、インビトロまたはインビボのいずれかで行われ得る。簡潔には、子宮頸粘液を含む市販のキット(Tru-Trax、Fertility Technologies,Natick,MA)(代表的には、ウシ子宮粘液)が、インビトロで調製される。精子は進路の一方の末端に置かれ、そして精子が所定の時間後に粘液に貫入した距離が決定される。あるいは、粘液の精子の貫入は、女性においてインビボで測定され得る。種々の性交後の時間において、子宮頸粘液の試料を採取し、そして試料中に存在する精子の数について顕微鏡的に試験される。性交後の試験において、改善された精子の機能は、コントロールの潤滑剤に曝された後の患者由来の粘液の試料に対して、PCAGH潤滑剤に曝された後の粘液の試料において、より速い速度を有する精子がより多く見られる場合に確立される。
精子の機能能力の他のアッセイとして、精子の貫入アッセイおよびhemizonaアッセイが挙げられる。精子の貫入アッセイにおいて、卵母細胞に貫入する精子の能力が測定される。簡潔には、市販の帯(zona)を含まないハムスター卵母細胞が使用される(Fertility Technologies,Natick,MA)。ハムスター卵母細胞は、任意の種の精子のためのこのアッセイにおいて適切である。受精能を獲得した精子(例えば、ウシ血清アルブミンとともに18時間培養された精子)がハムスターの卵母細胞とともに3時間インキュベートされる。インキュベーション後、卵母細胞はアセトラクモイド(acetolacmoid)染色または等価染料で染色され、そして各卵母細胞に貫入した精子の数が顕微鏡的に計数される。hemizonaアッセイは、受精能を獲得し、そして卵母細胞に結合する精子の能力を測定する。簡潔には、このアッセイにおいて生存している正常な精子は、受精能獲得を誘発するウシ血清アルブミンを含む培地中でインキュベートされる。次いで、精子は、死んだ卵母細胞(これは、卵母細胞の無細胞コーティングである透明帯に囲まれる)とインキュベートされる。受精能を獲得した精子は帯に結合し、そして結合する精子の数が顕微鏡的に計数される。
III.潤滑剤
上記のように、本発明の1つの局面において、PCAGHは、動物における精子の機能および潜在的な受精能力を改善するために、殺精子性でない潤滑剤として処方される。この潤滑剤は、殺精子性でない潤滑性化合物およびPCAGHを含む基剤を含有する。
潤滑剤の基剤は、殺精子性でない潤滑性化合物である。このような潤滑剤として以下が挙げられる:ワセリン、植物油、グリセリン、ポリカルボフィル(polycarbophill)、ヒドロキシルセルロース、メチルセルロース、シリコンオイル、カルボマー(例えば、カルボマー934)、アルギン酸塩、メチルパラベン、パーム油、ココアバター、アロエ・ベラ、他の植物油、アルギン酸プロピレングリコール、ユニベース(unibase)(Warner-Chilicott)、鉱油、ポリエチレンオキシド、カルボキシポリメチレンナトリウム、およびメチレンパラベンなどの組み合わせ。50%ワセリン/50%グリセリンの基本的な潤滑剤が好ましい。さらなる成分(例えば、pH安定剤および抗酸化剤)が添加され得る。好ましくは、pHを7.4にするために水酸化ナトリウムが添加される。他のpH安定剤として、EDTAまたは双性イオン緩衝液(例えば、TES、PIPES、MOPS、HEPES)が挙げられる。抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャー(例えば、ビタミンE)が添加され得る。特定の実施態様において、シリコンオイルまたはポリビニルアルコールが添加される。
PCAGHは、高粘性の多糖類について0.01〜40%(例えば、0.01〜30%;0.01〜20%)、好ましくは0.1〜5%、そして最も好ましくは0.1〜1%まで潤滑性化合物に添加される;低粘性の多糖類について好ましくは1〜20%、そして最も好ましくは10〜20%まで添加される。好ましい実施態様の例は、0.1%のペクチン、1%のガラクツロン酸、1%のグアーガム、10%のアラビアゴム、または20%のアラビノガラクタンを含む。
潤滑剤は、好ましくは非刺激性であり、そして容易に適用される。ゲル、泡沫、クリーム、ゼリー、坐剤(例えば、Kazmiroskiの米国特許第4,384,003号を参照のこと)などの形態であり得る。潤滑剤は、潤滑剤のチューブおよび膣内適用のためのアプリケーターを含むキットにパッケージされ得る。性交間の使用または人工授精のために、潤滑剤は膣内で適用され得る。これは、性交間の使用のため、または精子の回収のために、ペニスにもまた適用される。一般に、精子ドナーは、潤滑剤の利点を伴わずに手技によって精子試料を回収する。なぜなら、有用な潤滑剤および唾液が殺精子性であるからである。本発明の潤滑剤はペニスに直接適用され、コンドームの内部または外部をコートするか、またはバイアル、チューブ、小さな袋、もしくは他の回収デバイスのような精子回収のための容器中におかれ得る。
さらに、潤滑剤は、種々の補助的な生殖技術および診断手順において使用され得る。たとえば、潤滑剤は、逆行性の(retrograde)射精から精子を回収するために、膀胱への挿入のためのカテーテルをコートするために使用され得る。胚輸送、人工授精、または診断手順(例えば、内視鏡検査、対比(contrast)ラジオグラフィー、または生検)を行う前に、カテーテル、ピペット、または手を滑らかにするために使用され得る。潤滑剤は、精子の回収、性交、補助的な生殖技術などのために任意の動物種において使用され得る。このような動物として、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ヒツジ、鳥類、ネコ、および種々の外国産種または稀な種(例えば、ゾウ、ライオン、サイ)が挙げられるが、これらに限定されない。
IV.精子の単離および洗浄
本発明の他の局面において、精子および精子を含有する試料を洗浄および単離して、精子に富む試料および最も運動性の精子の試料を得るための方法が提供される。このような試料は、機能が改善された精子を含む。精子は、精子を含む試料とPCAGHを含む溶液とを接触させることにより洗浄され、ここで多糖はアラビノガラクタンでない。運動性精子は、精子を含む試料(例えば、射精液)とPCAGHを含む培地溶液とを接触させ(ここで多糖はアラビノガラクタンでない)、そして精子を分離するのに十分な条件に混合物を供することにより単離される。
全てのこれらの方法について、PCAGHは、好ましくは標準的な平衡塩類溶液に添加される。このような培地として、Tyrodeのアルブミンラクテートホスフェート(TALP)、ヒト卵管液(HTF; Fertility Technology,Natick,MA)、HamのF10、HamのF12、Earleの緩衝化塩、Biggers、WhittenおよびWhitingham(BWW)、CZB、T6、EarleのMTF、KSOM、SOF、およびBenezoのB2培地またはB3培地が挙げられるが、これらに限定されない。これらの培地の処方は周知であり、そして予め処方された培地が商業的に得られ得る(例えば、Gibco Co.またはFertility Technology,Natick,MA)。さらに、両性イオン緩衝液(例えば、MOPS、PIPES、HEPES)が添加され得る。PCAGHは、上述の多糖のいずれかを含むが、それらに限定されない。精子の単離および洗浄のためのPCAGHは、好ましくは、ペクチン、グアルゴム(gum guar)、またはアラビアゴムである。洗浄培地は、約1〜50%(例えば、5〜30%;5〜20%;10〜20%)の濃度でPCAGHを含む。好ましい実施態様において、アラビアゴムが約20%まで添加されるか、またはグアルゴムが約5%まで添加される。別の実施態様において、ガラクツロン酸が添加される。
これらの培地は、溶液が平衡塩類溶液のままである限り、さらに高分子を含む。このような高分子として、ポリビニルアルコール、アルブミン(ウシ血清アルブミンまたはヒト血清アルブミン)、オビダクチン(Gandolfiら、Repro.Fert.Dev.5:433,1993)、スーパーオキシドジスムターゼ、ビタミンE、ゼラチン、ヒアルロン酸、カタラーゼ、卵黄、カゼイン、または他のタンパク質が挙げられる。アルブミンまたはゼラチンは、一般的に0.5%で添加され、そしてヒアルロン酸またはポリビニルアルコールは1.0%で添加され;他の高分子は同様の濃度(例えば、約0.05%〜5%)で添加される。精子単離培地は、遠心分離法については密度勾配化合物またはスイムアップ単離法については高分子のいずれかに加えてさらに、約0.01%〜5%(例えば、0.1%〜5%、0.1%〜1%、1%〜5%)で少なくとも1つのPCAGHを含む。密度勾配物質は、一般的に、5〜90%の濃度まで添加される。このような物質として、デキストラン、イオジキサノール、スクロースポリマー、ニコデンツ、またはポリビニルピロリドンで被覆されたシリカ(すなわち、Percoll)が挙げられる。代表的な適用において、精子含有溶液は勾配物質(好ましくは、0.05%ペクチンと混合した30%〜90%のPercoll)上に重層され、次いで、遠心分離に供して、機能が改善された精子を回収する。精子スイムアップを使用して精子を単離する場合、上記のような高分子が添加される。好ましくは、1〜10mg/mlのヒアルロン酸が使用される、好ましい培地は、ヒアルロン酸と組み合わせた0.01〜5%(例えば、0.05%アラビアゴムまたは1%ガラクツロン酸)のPCAGHである。これらのいずれの手順においても使用される培地は、平衡塩類溶液をさらに含み得る。
上記のように、精子は、試料とPCAGHを含む溶液とを接触させ(ここで多糖はアラビノガラクタンでない)、そして試料から所望の精子を分離するのに十分な条件にこの混合物を供することにより洗浄または単離される。簡単には、短時間から4時間のインキュベーションまで、細胞を溶液中に入れることにより、細胞は溶液と接触される。接触が生じる温度は、好ましくは、約20℃〜約39℃である。この最初の接触後、異なる方法(例えば、遠心分離、スイムアップ、分離カラムなど)を使用して精子を単離し得る。例えば、1つのこのような方法は、PCAGHを含む溶液の連続勾配を通した精子試料の遠心分離である。この方法において、PCAGHを含む溶液は、遠心分離用チューブに入れられ、そして精液試料または精子細胞は、ほぼ1部の培地に対して1部の精液(または、試料)の割合で培地上に重層される。このチューブは、10〜20分間、約300×gで遠心分離される。機能が改善し、それにより受精能が増加した精子に富む画分は、チューブの底部にペレットで回収される。なぜなら、PCAGHは血清に対して無毒であり、PCAGHを取り除くための引き続く洗浄工程が必要とされない。単離は、上記の洗浄プロセスと同様の方法で行われ得る;しかし、PCAGH溶液は、精子試料の下であるが、Percollのような勾配密度の上に重層されるか、またはPercoll勾配に直接的に混合されるかのいずれかであり得る。あるいは、精子はスイムアップ法により単離される。簡単には、精子スイムアップチューブは、1.5mlの洗浄培地を12×75mm丸底チューブに入れることにより調製される。精子は、2部の洗浄培地に対する1部の精子上清で、27ゲージ針および1mlシリンジを用いてこの洗浄培地の下に重層される。このチューブは、1時間、平静にインキュベートする。インキュベーション後、洗浄培地(これに、運動性精子がスイムアップした)が取り出され、そして300×gで10分間遠心分離される。次いで、運動性精子の最終ペレットは、分析または使用のために回収される。あるいは、他の方法(例えば、カラム分離)が使用され得る。
精子は、本明細書中に記載の方法または使用される他の方法(例えば、Percoll勾配を通す遠心分離)により、精子の単離後さらに洗浄され得る。洗浄精子を使用して、ある溶液からPCAGHを含む別の溶液へ移動させ得る。
これらのいずれの方法についても、試料は、精液、部分的に精製された精子、または精製された精子であり得る。さらに、本発明に適切な精子は、ヒト、ウシ、イヌ、ウマ、ブタ、ヒツジ、齧歯類、鳥類、または外来動物(例えば、ライオン、トラ、キリン、サル、シマウマ、パンダ、ジャガー、ゾウ、サイなど)を含む動物種から得られる。
V.精子細胞の伸長および培養ならびに卵母細胞または胚の培養
本発明の他の局面において、精子を伸長させて(例えば、精子を希釈するか、または懸濁する)、機能が改善した精子を得るための方法が提供される。精子は、PCAGHを含む溶液の添加により伸長される。精子を伸長させるためのPCAGHの濃度は、0.001〜5%(0.01〜5%;0.05〜1%;0.05〜0.5%)である。例えば、ペクチン、ガッチゴム、またはアラビアゴムが0.05%で添加され;グアルゴム、ガラクツロン酸、またはガラクトピラノシルアラビノースが0.1%で添加され;そしてアラビン酸またはアラビノガラクタンが0.5%で添加される。ガラクツロン酸もまた、0.01〜5.0%(例えば、0.01%〜1%;0.05〜0.5%;0.1〜1%)で、単独でまたは他のPCAGHと共に使用され得る。
精子の伸長は、単離または洗浄後に精子ペレットを再懸濁するため、精液試料を希釈するため、精子の培養物を希釈するためなどに使用される。このようにして、精子は、種々の手順(培養、授精、本明細書中に記載の精子注入能のアッセイ、インビトロ受精、凍結、子宮内授精、子宮頸キャップ(cervical cap)授精などを含む)に適切な培地に入れられる。精子は培地に添加され得るか、または培地が精子に添加され得る。好ましくは、培地は、グアルゴム、アラビアゴム、ペクチン、またはガラクツロン酸を含むが、別のPCAGHが使用され得る。本発明の他の局面において、ほぼ室温(例えば、20℃)からほぼ体温(例えば、37℃または39℃)までの温度の範囲で、保持または培養の間のそれらの生存を増大させるために、このような伸長された精子の培養のための方法が提供される。これは、毒性スクリーニング試験における精子の培養、およびフローサイトメトリーにより、雌雄鑑別した子孫を生じるためにX染色体およびY染色体を含む画分に選別する(sorting)ための精子の保持を含む。本発明の他の局面において、精子伸長培地が、卵への注入のためにホールピペットで拾うために運動性精子を遅くするための、より粘性の培地を必要とする、直接的な精子注入、凍結保存、および細胞質内精子注入(ICSI)のために精子を調製するために使用される。ICSIにおいて、培地は、粘度を増大するための日常的な伸長培地(すなわち、1%アラビン酸または5%アラビアゴム)より高いレベルでPCAGHを含む。PCAGHの粘性溶液はまた、インビトロ操作の間の膜損傷および可能なクロマチン破壊を限定することにより、精子機能に対するポジティブな効果を有する。さらなる実施態様は、0.05%のペクチンのようなPCAGHを含むアルギネートまたはプロタミン硫酸マイクロカプセル中の精子のカプセル化(Munkittrickら、J.Diary Sci.75:725-731)を含む。カプセル化は、増大した時間枠にわたって精子の隔離を可能にし、その結果、精子注入は排卵の時期に合わせる必要はない。PCAGHは、現在の手順で観察される破壊から精子膜を安定化する。
カプセル化を除く全てのこれらの方法について、好ましくは、アラビノース、ガラクトース、および/またはヘキスロン酸を含む多糖が、両性イオン緩衝液を含み得る平衡塩類溶液(例えば、TES、HEPES、PIPES、または炭酸水素ナトリウムのような他の緩衝液)に添加される。試料培地は、TALPまたはHTFを含むが、これらに限定されない。さらなる成分は、本明細書中に記載されるような高分子(例えば、アルブミン、オビダクチン、ゼラチン、ヒアルロン酸、乳、卵黄、ホルモン、フリーラジカルスカベンジャー(例えば、メラニン、ビタミンE誘導体、チオレドキシン)、酵素(例えば、SOD、カタラーゼ)、増殖因子(例えば、EGF、IGF、PAF、VIP)、ポリマー分子(例えば、ヘパリン、デキストラン、ポリリジン、PVP、またはPVA))を含み得る。さらに、このような培地は、精子移動性刺激剤(例えば、カフェイン、卵胞液、カルシウム、オキシトシン、カリクレイン(kallikrien)、プロスタグランジン、胸腺抽出物、ペントキシフィリン、2-デオキシアデノシン、イノシトール、フラボノイド(flavanoid)、血小板活性化因子、ハイポタウリン、コンドロイチン硫酸、およびメルカプトエタノール)を含み得る。好ましい刺激剤は、カフェイン(例えば、5mM)およびペントキシフィリン(例えば、1mM)である。抗生物質および抗真菌剤もまた含まれる。
本発明の他の局面において、インビトロ培養系において、卵母細胞、胚、胚性幹細胞(ESC)の生存を増大するための方法が提供される。卵母細胞、胚、またはESCは、種々の診断アッセイおよび毒素学アッセイ、インビトロ精子注入における使用のために、または子孫の増殖のために培養される。これらの方法は、卵母細胞、胚、またはESCを含む試料と、PCAGHを含む培養培地とを接触させる工程を包含する。
一般的に、精子を伸長させるための培地、または精子、卵母細胞、胚、もしくはESCを培養するための培地は、平衡塩類溶液(例えば、M199、合成卵管液、PBS、BO、試験卵黄(Test-yolk)、Tyrode、HBSS、HamのF10、HTF、MenezoのB2、MenezoのB3、HamのF12、DMEM、TALP、Earleの緩衝化塩、CZB、KSOM、BWW培地、およびemCare培地(PETS、Canton、TX))である。1つの実施態様において、M199培地は、卵母細胞培養に好ましい。特定の実施態様において、TALPまたはHTFは、精子培養培地に好ましく、そしてCZBは、胚培養培地に好ましい。
卵母細胞または胚培地におけるPCAGHの濃度は、0.001〜5%(0.01〜5%;0.05〜1%;0.05〜0.5%;0.1〜5%;0.1〜1%)の範囲である。必要に応じて、他の添加剤(例えば、アミノ酸(例えば、グルタミン酸)またはフリーラジカルスカベンジャー)が存在し得る。一般的に、添加剤は、高分子、緩衝液、抗生物質、および精子注入が達成されるべきであれば、おそらく精子刺激剤である。また、ホルモンまたは他のタンパク質が添加され得る。このようなホルモンおよびタンパク質は、黄体形成ホルモン、エストロゲン、プロゲステロン、卵胞刺激ホルモン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、増殖因子、卵胞液、ならびにオビダクチン、アルブミン、およびアミノ酸を含む。一般的に、培地はまた、約1%〜20%の血清を含む。好ましくは、血清は、卵母細胞または胚と同一の動物供給源由来である。精子、卵母細胞、または胚は、37℃で5%CO2および加湿空気中で上記の培地において培養される。培養は、体細胞、通常に照射した細胞、培養細胞、または培養において限定された寿命を有する細胞(例えば、胸腺細胞)を含むフィーダー層を含み得る。
VI.精子、卵母細胞、または胚の凍結
上記のように、本発明の他の局面において、冷蔵、凍結またはガラス化状態での保存から生ずる、機能的な精子の喪失を減少するための、卵母細胞に対する細胞損傷を低減するための、または胚またはESC(胚性幹細胞)に対する細胞損傷を低減するための方法が提供される。この方法は、喪失または損傷を低減するのに有効な量のPCAGHと、精子、卵母細胞、胚、またはESCを含む試料とを組み合わせる工程、および、冷蔵、凍結またはガラス化状態で試料を保存する工程を包含する。
精子、卵母細胞、胚、およびESCは、本明細書中(実施例を参照のこと)に記載のような種々の方法で得られ得る。凍結保存培地は、代表的には、滴下様式で細胞にゆっくりと添加される。このような培地は、有効濃度のPCAGHを、単純培地(例えば、精子についてはTris緩衝液またはクエン酸ナトリウム緩衝液、卵母細胞または胚についてはPBS)および平衡化培養培地(例えば、ESCについてはM199)に添加することにより調製される。PCAGHは、一般的に0.005〜30%(例えば、0.05〜20%、0.05〜10%、0.05%〜5%、0.1〜10%、0.1〜5%、1〜5%)で添加され、または例えば、ペクチンについては0.05%で、ガラクツロン酸については0.1%で、アラビン酸については1.0%で、アラビアゴムについては5%で、もしくはアラビノガラクタンについては<5%で添加される。アルギネートは添加されない。
さらに、低温保護化合物は、必要に応じて含まれる。このような低温保護化合物は、浸透性化合物および非浸透性化合物を含む。最も一般には、DMSO、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコールなどが使用される。他の浸透性薬剤として、プロパンジオール、ジメチルホルムアミド、およびアセトアミドが挙げられる。非浸透性薬剤として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidine)、不凍魚類タンパク質または不凍植物タンパク質、カルボキシメチルセルロース、血清アルブミン、ヒドロキシエチルデンプン、フィコール(Ficoll)、デキストラン、ゼラチン、アルブミン、卵黄、乳製品、脂質ビヒクル、またはレシチンが挙げられる。添加され得る補助剤として、糖アルコール、単糖(例えば、スクロース、ラフィノース、トレハロース、ガラクトース、およびラクトース)、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン、コンドロイチン硫酸)、ブチル化ヒドロキシトルエン、界面活性剤、フリーラジカルスカベンジャー、および抗酸化剤(例えば、ビタミンE、タウリン)、アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン酸)、ならびにフラボノイドおよびタキソール(好ましくは、0.5〜5μm)が挙げられる。精子凍結にはグリセロール、卵母細胞、胚、またはESCの凍結にはエチレングリコールまたはDMSOが好ましい。代表的には、グリセロールが3〜15%で添加される;他の適切な濃度は、本明細書中に記載の方法およびアッセイを用いて容易に決定され得る。他の薬剤は、代表的には、約0.1〜5%の濃度範囲で添加される。ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ウシ胎児血清、卵黄、スキムミルク、ゼラチン、カゼイン、またはオビダクチンのようなタンパク質もまた添加され得る。
凍結保存培地中の細胞の懸濁(例えば、保存のために)後、容器は密封され、続いて、冷蔵されるかまたは凍結される。冷蔵について、簡単には、水で満たした容器中の試料は、1時間または温度が4℃に達するまで冷蔵庫に入れられる。次いで、試料は、クールパック(cool pack)の入ったStyrofoam容器にいれられ、そして精子注入のために、精子の場合は翌日に運ばれ得る。試料が凍結される場合、冷蔵試料は、凍結バイアルまたはストローにアリコートされ、そして1〜2時間液体窒素の気相中に入れられ、次いで長期間の保存のために液体窒素の液相に浸し込まれるか、またはプログラム可能なコンピュータ化フリーザー中で凍結される。凍結試料は、37℃水浴中での加温により解凍され、そして直接精子注入されるか、または精子注入の前に洗浄される。他の冷蔵および凍結のプロトコルが使用され得る。ガラス化は、糖、フィコールなどを用いた卵母細胞または胚の脱水を含む。次いで、卵母細胞または胚は、凍結保護剤に添加され、そして迅速に液体窒素に移動される。
本発明の範囲内で、精子、卵母細胞、または胚は、上記のように調製され、そして保存される。冷蔵は、一般的に、短期間の保存に適切な手段であるが、一方、凍結またはガラス化は、一般的に、長期間または短期間の保存に適切な手段である。
VII.投与および使用
本発明の組成物および方法は、動物の受精能を増大させる。これらの方法は、一般的に、多くの種(ヒト、ウシ、イヌ、ウマ、ブタ、ヒツジ、鳥類、齧歯類などを含む)に適用可能である。受精が所望されるいずれの時でも有用であるが、本発明は、受胎の可能性を増大するための、受精不全を有する動物およびヒトにおける特定の使用を有する。このような機能不全は、精子数の減少、精子の運動性の低下、および精子の異常な形態を含む。これらの機能不全に加えて、本発明の方法および組成物は、人工精子注入手順に有用である。しばしば、商業的な繁殖において、雄と雌が地理的に離れており、精子注入のための精子の発送を必要とする。射精と精子注入との延長した期間のために、冷蔵状態または凍結状態における発送が必要である。同様に、特に価値のあるまたは希な動物については、長期間の保存が所望され得る。ヒトについては、地理的な距離または時間を考慮して、精子の保存が必要になり得る。放射線治療が治療の一部である疾患を有する男性、または精管切除の前の男性は、将来の使用のために精子を保存することを所望するかもしれない。凍結保存の後、細胞は、最終的な使用の間しばしば培養される。培養中の細胞の生存および健康は、凍結保存培地へのPCAGHの添加により改善されることが示されている。
潤滑剤は、精子回収、性交、および人工的な精子注入を含む全ての状況に有用である。現在、精子回収は、市販の潤滑剤および唾液の殺精子性のため、潤滑化なしに行われる(Goldenbergら、Fertility and Sterility 26:872-723,1975,Scoeman&Tyler,J.Reprod.Fert.2:275-281,1985,Millerら、Fert.and Steril.61:1171-1173,1994)。精子機能を改善しそして精子注入能を増大する化合物を含む殺精子性でない潤滑剤の使用は、ドナーの安心のために所望される。このような、潤滑剤は、コンドームまたは他の回収デバイス(例えば、カテーテルまたはバイアル)に適用され得る。不妊の夫婦は、時期の合った性交のストレスおよび受胎の困難のため潤滑剤をしばしば必要とする。しかし、潤滑剤は殺精子性であるので、それらは使用のために推奨されない。これらの場合において、塗布具を用いての、または用いないでの潤滑剤の膣内での適用は、精子機能が増大するため、所望されかつ有益である(図1)。同様に、潤滑剤は、人工精子注入の前に膣内に適用され、受胎の機会を改善し得る。いずれの場合でも。正常な精子は、性交の3分以内に子宮頸粘液の中へ泳ぐはずであり、最大数が性交の3時間後に子宮頸に見出される。膣の酸性環境は、4時間を超えて膣に残った精子を不活化する。潤滑剤製品の膣内適用は、膣における精子の生存を改善し、そして子宮頸粘液への貫入を増大させる。
以下の実施例は、例示のために提供されるが、限定のために提供されない。
実施例
実施例1
精子の単離および培養のための培地
精子の運動性、生存能力および機能的膜健常度(HOS)のような精子機能アッセイを、PCAGHの生物学的活性を測定および/または比較するために用いる。雄ドナーからの精子試料は、生の精液の新たな射精か、または本明細書中に記載のように洗浄するかまたは伸長させることによって処理した冷蔵あるいは冷凍試料のいずれかから得る。基本培地を、全体を通して以下のように使用する:グルコース非含有TALP(表1)を、ウシ精子のために調製し、グルコース(5mMグルコース)を補充したTALPを他の動物種のために調製し、そして、混合粉末からまたは配合表(recipe)(表2)からのヒト卵管液(HTF)をヒト精子の分離のために調製する。基本培地のために、0.05%ペクチン、0.1%ガラクツロン酸、0.5%アラビン酸または0.05%アラビアゴムのようなPCAGHを添加する。次いで、培地を、0.2μのフィルターを通して濾過する。
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Figure 0004421681
実施例2
精子機能アッセイ
懸濁液中の精子数。精子細胞を培養培地または凍結培地中に懸濁する。懸濁液中の数を、血球計もしくはMaklerを用いて手動で、または自動化Coulter計測システム、分光光度計、もしくはコンピューター支援の精液分析器(computer assisted semen analyzer)(CASA)のいずれかで計数する。例えば、6μlの精子懸濁液を、Maklerチャンバー(Fertility Technologies,Natick,MA)上に置く。10四方中で計数した精子の数は、元の懸濁液1mlあたりの精子数に相当する。少なくとも100個の精子が計数されるように適切な希釈物を作製する。
精子の形態。精子の形態または形状を、約25×106細胞/mlで10μlアリコートの精子試料をスライド上に塗沫し、そして、0.1%(w/v)でWright Giemsaのような鑑別染料を用いて30分間染色することにより決定する。次いで、精子を顕微鏡下で観察し、正常あるいは異常な形状(形態)に分類する;(Krugerら、Urology 30:248,1987);か、またはCASAによってコンピューター画像解析に基づいて正常または異常な形状に分類する(Davis,Infertility&Reproductive Medicine Clinics 3:341,1992)。
精子の運動性。精子の運動性の測定は、精子を、運動性のもの(泳いでいるもの)の全%、および次第に運動性を示すもの(その後泳ぎ出す)の全%にグループ化するために位相差顕微鏡を用いた主観的視覚決定により実施し得る。次第に運動性を示すそれらの精子のスピード(すなわち、早い、中間、遅い)もまた決定する。
あるいは、CASAを用いて試料中の個々の精子細胞の運動性の特徴を客観的に決定し得る(Davis,Infertility&Reproductive Medicine Clinics 3:341,1992)。7μlの精子試料をCASAのために設計したスライドまたはチャンバー上に載せ、そしてコンピューターで個々の精子細胞をトレースし、それらの運動性を距離に対する速さとして決定する。次いで、データを運動性%として示し、そして特定の測定値を、平均通過速度および追跡速度のようなパラメーターとして与える。速度および直線性の測定値は、研究されたいくつかの種における将来の受精能に関連している。
精子生存能力。精子の生存能力(すなわち試料中の生存精子の割合)を、ヘキスト33258染色またはエオシン-ニグロシンのような膜排除染色(membrane exclusion stains)によって決定する。死滅した精子は、膜が壊れて染色液が細胞にしみこむため、染色陽性である。例えば、10μlのエオシン-ニグロシン染色(American College of Theriogenologists,Hastings,NE)を、10μlの精子試料と混合する。次いで、この混合物をスライドへ広げ、そしてピンク色(死亡)および白色(生存)の精子の数を決定する。生存能力を、生細胞数を死細胞および生細胞の総数で割ることにより示す。
精子試料中のATPレベルもまた、生存能力の決定に利用され得る。これらは、生存精子細胞からの活性なATPと接した場合発光する単純な発光メーターおよびホタルの酵素を使用して測定する(Firezymeによる精子生存能力試験、Nova Scotia,Canada)。標準曲線に対する発光量を比較することで、試料中に存在する生存精子数を決定することができる。
精子の膜機能。低浸透性膨張試験(HOS)によって決定される精子細胞の機能的膜健常度は、精子を極度に少ない塩を含む溶液(低浸透性)中へ入れることを含む。これは、健康な膜を有する精子が塩を細胞外へ送り出すように誘発し、そして、細胞がより小さくなるにつれて、精子の膜が縮む原因となる。次いで、精子の尾はこのより堅い膜の中へ巻き上がる。巻き上がった尾を有する精子は健常で、機能的な膜を有する精子である。75mmol/Lフルクトースおよび25mmol/Lクエン酸ナトリウムの低浸透性溶液を調製する。この溶液1mlを、100μlの精子試料に加える。30分間のインキュベーション後、10μlアリコートの混合液をスライド上へ置き、そして巻き上がった尾を持つ精子の割合を、評価した100匹の精子の中から決定する(Jeyendranら、J.Reprod.Fert.70:219,1984)。
精子の脂質膜過酸化。活性酸素種による精子膜への損傷はまた、脂質膜過酸化を測定することにより決定され得る。精子を、0.63%の硫化鉄および0.23%のアスコルビン酸中で37℃の水浴で1時間インキュベートする。タンパク質を氷冷した40%トリクロロ酢酸で沈澱させる。上清を低温で3500×gで25分間遠心分離することによって回収し、そして10分間、2%チオバルビツール酸を含む0.05N NaOHで沸騰させることにより反応させた。その生じたマロンジアルデヒド(MDA)構造を、534nmにおける吸光度を測定しMDAの標準と比較することによって定量する。脂質過酸化を、nM MDA/108精子として示す。凍結、解凍した精子は、新たに射精した精子と比較して、LPOの割合が上昇している(Bellら、J.Andrology 14:472-478,1993)。しかし、PCAGH含有培地中の凍結している精子は、脂質過酸化が現存の方法と比較して減少する。
帯結合アッセイ。受精能獲得を受け(受精前に生じるべき精子の生物学的変化)、そして卵母細胞に結合するための精子の能力は、帯結合アッセイを用いて測定され得る(Frankenら、Fert.Ster.59:1075,1993)。この試験では、生存している正常な精子を、受精能獲得を誘発する条件下でインキュベートする。雄ウシの精子を、10 IU/mlのヘパリンとともにTALP中で4時間培養する。次いで、精子を死滅した卵母細胞(透明帯と呼ばれる無細胞のコーティングで囲まれている)と共に1時間インキュベートする。受精能獲得した精子は帯へ結合し、結合している数を顕微鏡で計数する。この数は、試料中の正常な受精能獲得精子の数および精子試料の受精能と関連している。
精子貫入アッセイ:この試験は、精子の卵母細胞へ貫入する能力を決定するために行う(Rogersら、Fert.Ster.32:664,1979)。無帯のハムスター卵母細胞を用いて任意の種の精子についてこの試験を行う。受精能獲得した精子(100μlのBWW培地中1×105精子)を、ハムスター卵母細胞と共に3時間インキュベートする。次いで、卵母細胞を、染色し(1%アセトラクモイドを用いて)そして、それぞれの卵母細胞に貫入する精子の数を計数する。
培養中における精子の生存。培養中での生存は、1アリコートの1×106の精子を5%CO2および空気中、37℃の培養器で、500μl TALPまたはHTF培地を含む2cm2ウェル中へ配置することによって決定する。時間間隔で(例えば8時間毎)、ウェル中の運動性精子の割合を倒立顕微鏡を用いて視覚的に決定する。また、前進速度(速い、中間、遅い)を決定する。試料は、5%より少ない精子しか前進運動していない場合は、もはや生存可能ではないと決定する。
精子クロマチン感受性アッセイ。このアッセイは、アクリジンオレンジ染色、次いで488nm光での隆起、2本鎖DNAに由来する緑の蛍光および1本鎖DNAに由来する赤色の蛍光による1本鎖および2本鎖DNAのメタクロマチック染色に基づく(図2)。試料中でのDAN変性の範囲を、αの平均値、αのSD、およびαに対する変動係数によって評価して、α=赤/赤+緑として示す。全ての場合において、研究されるべき精子を、TNE緩衝液(0.01mol/Lトリスアミノメタン-HCl、0.15 NaCl、および1mM EDTA)と混合し瞬間凍結させる。次いで、精子試料を、0.1%Triton-X、0.08N HCl、0.15NaClに供する。これは、異常なクロマチンを有する精子の部分的DNA変性を含む。次いで、精子を、6μg/mlアクリジンオレンジで染色し、フローサイトメーターへ流してα値を決定する。
雌中における精子の機能。雌中で生存しそして機能するための精子の能力を、過排卵した雌(卵胞刺激ホルモンでのホルモン刺激のために排卵した異常に多数の卵母細胞)中で受精した卵母細胞の割合によって決定し得る。精子による受精の直後(約24時間で)に卵母細胞を卵管から回収する。受精は1%アセトオルセインで染色することによって評価する。あるいは、受精した卵母細胞から生じた胚を、受精後数日間で子宮から取り出し、そして計数する。雌中で生存し、そして機能する精子の能力をまた、卵管または子宮から回収した卵母細胞に結合しているアクセサリー精子の数によって決定する。卵母細胞へ到達しそれに結合し得る精子の数は、たとえそれらがそれ自身の受精に関連しないとしても、試料からの精子受精に高い関連性がある(Dejarnetteら、J.Am.Sci.70:484,1992)。
インビトロ受精。インビトロ受精率を、卵母細胞を、50μgの黄体形成ホルモン/mlを含むM199培地中インビトロで成熟させることによって決定する(BrackerttおよびZuelke、Theriogenology 39:43,1993)。インキュベーション後、精子をヘパリンと共に(雄ウシ精子)または、アルブミン含有培地と18時間培養(ヒト精子)することで受精能を獲得させ、そして卵母細胞と24時間インキュベートする。次いで、卵母細胞を1%アセトオルセイン染色で染色し、受精した割合を決定するか、または分裂させるために培養液中に残し、形成された胚の数を計数する。
精子の子宮頸管部粘液貫入。雌の生殖路粘液を貫入する精子の能力を、インビトロで精子を頸部粘液を含むトラックへ曝露し(Tru-Trax,Fertility Technologies,Natick,MA)、そして精子が特定の時間間隔で粘液を貫入する距離を測定することによって測定する。性交後インビボ試験は、性交3〜6時間後に検鏡を用いた雌からの子宮頸管部粘液の回復を含む。高能力領域(high power field)あたりの良好な運動性を有する精子の数は、精子機能および子宮頸管部粘液が正常な場合、10より多いはずである。
実施例3
精子機能決定法
精子を含む試料を、5%CO2および加湿空気中で37℃(ヒト)または39℃(動物)でインキュベートする。種々の時間間隔で、精子生存率、運動特性、機能的膜健常状態および膜脂質過酸化レベルを、実施例2に記載のように決定する。種々のPCAGH(ガラクツロン酸、グアルゴム、ガラクトピラノシルアラビノース、カラヤゴムおよびイナゴマメゴム)と共に培養した精子は、アラビノースおよびガラクトースの単糖単位中で、または多糖類を含まないコントロール培地中で培養された精子と比べて、24時間の培養期間を通してより優れた精子運動性を示す(表3)。この同じ実施例において、精子は、HOS試験により決定されたより優れた機能的膜健常状態(図3)、および膜脂質過酸化レベルの減少(図4)を示す。さらに、ペクチン、ガッチゴム、アラビアゴム、アラビン酸、およびアラビノガラクタン中で培養した精子は、PCAGHカラゲナンおよびフコイダン(fucoidan)中、または多糖類を含まないコントロール培地中で培養した精子と比較して、24時間の培養期間にわたり、選択された濃度で、運動性%および前進速度のより優れた精子運動特性を示す(表4)。
Figure 0004421681
Figure 0004421681
実施例4
ペクチンおよびアラビアゴムの酵素的および化学的分画
酵素消化によるペクチンの分画。80μgのペクチン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を、Aspergillus niger由来のエンドアラビナナーゼ、A.niger由来のα-L-アラビノフラノシダーゼ、およびA.niger由来のエンドポリガラクツロナナーゼ(Megazyme,Bozeman,MT)で消化する。試料を、45℃で1晩インキュベートし;沸騰させて酵素を不活性化し、そしてCentricon 30微量コンセントレータ(Amicon)を用いて>30,000MWおよび<30,000MW画分に分画する。エンドガラクツロナナーゼは、ポリガラクツロン酸バックボーンを切断し、側鎖を含めた種々の異なるMWポリマーが生じる。α-L-アラビノフラノシダーゼは、アラビノフラノシル単位を、側鎖の還元末端から切り出し、一方エンドアラビナナーゼは、側鎖をポリガラクツロンバックボーンから取り除く。消化物のゲル分画は、酵素消化した後のオリゴマーの異なるサイズ/ポリマー長を示す(図5)。
酵素画分をSpeed Vacコンセントレーターを用いて乾燥させ、蒸留水で洗浄しそして再び乾燥させる。画分をHTFで0.05%(ペクチンについて)に再懸濁する。培養した精子を37℃、5%CO2および加湿空気中でインキュベートする。種々の時間間隔で、精子運動特性を、実施例2に記載されるように決定する。30、000MWより大きなエンドポリガラクツロナナーゼおよびエンドアラビナナーゼの酵素画分、ならびに>30,000MWの消化されていないペクチンは、コントロールHTFと比較してより優れた精子運動性(運動性精子の割合および速度の両方)を刺激する(表5)。<30Kの全消化フラグメントを示す画分の精子培養物は、不確かなまたは劣っている精子運動性を生じた。それゆえ、ペクチンの酵素誘導体は、培養中の精子運動性の改善について異なった生物学的応答を誘起する。
Figure 0004421681
ペクチンおよびアラビアゴムの化学的分画。粉末状の市販のペクチンおよびアラビアゴム(2g;Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を100mlの96%エタノールへ懸濁し、70℃で30分間加熱する。次いで、アルコール溶性画分と不溶性画分とを、遠心分離によって(3100×gで15分間)分離する。この手順を3回繰り返す。アルコール不溶性画分は、室温で1晩風乾し、そして希塩酸で抽出する(0.1M HCl,80℃,5時間)。酸不溶性画分と溶性画分とを、遠心分離によって分離する。酸不溶性画分を蒸留水で洗浄し、遠心分離して乾燥させる。試料を取り、精子分析のため、精子培養液中へ、約0.05%濃度になるように懸濁する。酸溶性画分を、蒸留水で1晩透析し、画分(20μlまたは200μl)を、精子分析のために、10ml精子培養培地へ希釈する。
上記画分中で培養した精子を、37℃、5%CO2および加湿空気中でインキュベートする。種々の時間間隔で、精子生存率、運動特性および機能的膜健常状態を、本明細書に記載のように決定する。酸加水分解したペクチンおよびアラビアゴムの酸溶性画分中で培養した精子は、未消化ペクチンおよびアラビアゴムと比較して同等またはより優れた機能(24時間にわたる精子生存率、精子運動特性およびHOSにより測定)を示す(表6)。酸溶性画分は、PCAGHの低MWオリゴマーおよび単量体ガラクツロン酸単位を含み得る。
Figure 0004421681
未消化ペクチンの分子量分画。粉末ペクチンを精子培養培地中で0.05%に希釈し、濾過遠心分離によって以下のMWカテゴリに分画する:>0.2μ、>100kDaおよび<0.2μ、ならびに<100kD。得られた各画分を、元の試料中の画分の割合に近似するように、培養培地中の最終的な元の容量にまで再懸濁する。
上記画分中で培養された精子を、37℃、5%CO2および加湿空気中でインキュベートする。種々の時間間隔で、精子生存率および運動性を実施例2に記載のように決定する。100kDaより小さいペクチン画分と培養した雄ウシ精子は、このMWより大きなペクチン画分を含む培地で培養した精子と比較して、より優れた運動特性を示す(図6)。>100kDaのペクチン画分(ただし0.2μより小さい)と培養した精子の精子運動特性は、より劣る運動特性(特に24時間で)を示す。
実施例5
精子洗浄の方法
雄ドナー由来の精子試料を、新鮮な射精液由来の生の精液か、明細書中に記載されているように洗浄するか伸長することによって処理された冷蔵または凍結試料のいずれかから得る。基本培地は以下のものを、全体を通して使用した:グルコース無添加のTALP(表1)をウシ精子の分離用に調製し、グルコース(5mMグルコース)を補充したTALPを他の動物精子の分離用に調製し、そして粉末混合物または配合表(表2)からのヒト卵管液(HTF)をヒト精子の分離物のために調製する。アラビアゴムを最終濃度20%になるように加え、ゼラチンを最終濃度1.0%になるように加え、あるいは5mg/mlでのヒト血清アルブミンをタンパク質巨高分子として用い得る。
各種のために、精子を、射精液の1〜2倍容量となる培地の容量(すなわち、3mlのヒト射精液に対して3〜6mlの培地)を遠心分離用チューブに等分にすることによって洗浄する。次いで、試料を、15分間300×gでまたはそれと等価な遠心分離によって、遠心分離する。上清を吸収して取り除く。次いで精子のペレットを、選択された培地(所望の使用に依存する)(例えば、凍結または授精伸長培地、あるいは実施例2におけるような精子機能アッセイを行うための培養培地)で再懸濁する。
アラビアゴム勾配は、結果として射精液からの運動性精子のより多くの回復を生じる。(図7)これらの精子は優れた膜機能を有し、そしてその後に、Parcoll勾配から回復した精子よりも、培養液中でより長く生存する(表6)。
Figure 0004421681
精子洗浄生成物(sperm wash product)の連続勾配を、平衡化塩培地を用いて調製する。グルコースを含まないTALPをウシ精子に用い、グルコース含有TALPを他の動物種に用い、そしてHTFをヒト精子に用いる。アラビアゴムのようなPCAGHが20%となるようにヒト血清アルブミンまたはゼラチンのような高分子を約0.5%で培地に添加する。高分子(単数または複数)およびPCAGHの濃度を、各種由来の精子の密度に適応させるために変更し得る。混合液を0.45ミクロンのフィルターを通して遠心分離用チューブに濾過する。精液試料を、洗浄生成物2部に対して精子1部の比率で洗浄生成物上に置く。次いで試料を、PCAGH生成物を通じて15分間300×gで遠心分離することによって洗浄する。精子のペレットを、回復精子数、回復精子形態学、精子運動性、膜機能、培地中の生存時間およびIVF率に関してアッセイする。
PCAGHを用いるさらなる利点は、洗浄工程を必要とするパーコールの場合と違って、精子に対して無害であるため、それらを取り除くための引き続いての洗浄工程が要求されないことである。さらに、精子試料の洗浄にさらなる利点を付加し得るPCAGに対するわずかな抗菌活性を示す(表7)。
Figure 0004421681
実施例6
精子の凍結または冷蔵技術
精子試料を新鮮な射精液として得る。精子を、勾配を含むPCAGH(上記のような)を通して洗浄するかまたは生の精液中に残す。凍結培地はTES、Tris、クエン酸ナトリウム、フルクトース、ペニシリン、ストレプトマイシンを含むトリス緩衝化溶液を用いて調製する(Prins and Weidel,Fert.Ster.46:147,1986)。この溶液に、20%卵黄、7%グリセロール、および有効量のPCAGH、(例えば0.1%グアルゴム、0.05%ペクチン、1%アラビノガラクタン、または0.1%ガラクツロン酸)を加える。さらに、1μMタキソールまたは0.25%メチルセルロースを凍結混合物に加え得る。卵黄を含まない配合表もまた用い得る(表8)。次いで、培地を、0.45μのフィルターを通して濾過する。凍結培地を、1:1希釈を達成するまで生の精液に一滴ずつ加える。次いで、伸長した精子試料を、混合物が4℃に達するまで冷蔵庫に置く。精子混合物は、凍結ストローまたは凍結バイアル(cryovials)に等分し、1時間液体窒素気層中に置き、次いで液体窒素中に沈める。冷蔵した場合、精子試料を、この時はクールパック(Kool pack)とともにStyrofoam容器中にて出荷し、翌日精子注入のために一晩で郵送する。液体窒素中で凍結させた場合、精子試料を液体窒素の気層中に置き、そして次の日便の郵送または保存し得る。
PCAGH伸長剤で冷蔵または凍結した精子を、37℃の水浴中で精子試料を解凍し、そして運動性、生存能力、帯結合、膜機能、脂質過酸化、精子クロマチン、IVF、および雌中の精子機能を評価することによって、保存後の機能をアッセイする。
PCAGHで凍結したヒト精子は、標準トリス-卵黄溶液(TEY)を用いて凍結したものと比較して、改善された機能を示す。伸長剤を含むPCAGH中で凍結および解凍した後回復したウシ精子はまた、トリス-卵黄伸長剤(TEY)中で凍結した精子に比べてより優れた運動性率を有し(図8)、培地中の継時生存はより良好であり(図9)、そして脂質膜過酸化およびクロマチンの損傷は少ない(図10〜12)。
この伸長剤はまた、精子を、病原体を有しそして精子凍結前に特別な処理条件を必要とし得る乳製品または卵製品を利用せずに、凍結させることが可能である。
Figure 0004421681
実施例7
精子希釈(伸長)および培養技術
精子試料を上記のように(実施例1を参照のこと)得る。基本培地を全体を通して以下に示すものを使用する。:グルコース非含有TALP(表1)をウシ精子の分離物用に調製し、グルコース(5mMグルコース)を補充したTALPを他の動物精子の分離物用に調製し、そしてヒト卵管液(HTF)をヒト精子の分離物用に調製する。全ての供給物を、Sigma,St.Louis,MO、またはFertility Technologies,Natick,MAから購入する。精子をPCAGHを含む洗浄溶液を用いて精液から分離するか、または培地単独中に直接置く。培養または伸長剤培地を、5mg/mlアルブミン、0.5%ゼラチン、または0.1%PVA、および有効量のPCAGHを基本培地に加えることによって作製する。詳細には、ペクチンまたはアラビアゴムに対しては0.05%、アラビン酸またはアラビノガラクタンに対しては0.5%、そしてグアルゴムまたはガラクツロン酸に対しては0.1%のPCAGH濃度を用いる。
培養した精子を、37℃〜39℃で5%CO2および湿った空気中でインキュベートする。8時間間隔で精子生存率を測定する。さらに、運動性、生存能力、および精子貫入率を評価する。0.05%のペクチンまたは0.05%のアラビアゴムで培養した精子は、PCAGHを用いないコントロール培地中の精子より培養期間を通して長く生存しそして早く泳ぐ(図13〜16)。それらはまた、脂質過酸化が少なく、そして全体として膜機能がよくなる(図17)。
雌の中への直接移入のための精子を、培地を精子試料に加えること、およびカテーテルを介して雌に希釈精子試料を移入することによって、希釈(伸長)する。子宮頸管粘液(cervical mucus)に貫入させるためのこの様式において伸長させた精子の効能のインビトロ試験は、PCAGH培地中の精子がコントロール培地中の精子よりも早く粘液に貫入するということを示している(表9;図18)。
Figure 0004421681
実施例8
PCAGHを含む潤滑剤
50%グリセリンおよび50%ワセリンの基本潤滑剤を調製する。あるいは、Slippery Stuff(Wallace-Ofarrel,Puyallup,WA)のような市販の無害の潤滑剤ベース、またはポリエチレンオキシド、カルボキシポリメチレンおよびメチルパラベンの混合物を使用する。PCAGHを、アラビアゴムまたはペクチンに対しては0.5〜1.0%、またはアラビノガラクタンに対しては5〜10%で加える。水酸化物ナトリウムをpH 7.4に補正するために加える。いくつかの実施態様において、0.5%ポリビニルアルコールまたはゼラチンを、精子粘液貫入を改善するために加える。インビトロ試験のために、精子試料を、精子2部に対して潤滑油(lube)1部で潤滑油を含有するPCAGHと混合する。精子の運動性および生存能力を30分間間隔で観察し、そして、粘液貫入試験を、市販の潤滑剤中または生の精子単独中で精子を見ることに比較して精子の挙動を評価するために行った。
精子は、KYゼリー▲R▼またはPriority Careのいずれかよりも、アラビノガラクタンまたはペクチンを含むグリセリンおよびワセリン潤滑剤中で経時的に、有意に良好な運動性を示す(図19)。KY潤滑油は殺精子性であると報告されているが、Priority Careは「殺精子性ではない」潤滑剤として売買されている。
精子は、20%アラビノガラクタンまたは1%ペクチンを含む潤滑剤中で、子宮頸管粘液に貫入する増加した能力(表10)ならびにKY潤滑油に比べてPCAGH潤滑油中の増加した貫入を示した(図18)。
Figure 0004421681
実施例9
膣粘液におけるPCAGHの試験
精子およびPCAGH(例えば精子凍結伸長剤か潤滑剤のどちらか)を含む産生物を、インビトロおよびインビボの両方で膣粘液の刺激について試験する。
インビトロ試験を、製品の溶液で膣上皮細胞単層をインキュベートすること、および膣上皮細胞(VEC)の(1)組織学的変化および(2)細胞増殖を評価することによって行う。(1)簡単に述べれば、VECはマカークザルから収集し、そしてDME中で培養する。:10%のウシ胎児血清、増殖因子(例えば、10ng/mlでの上皮成長因子)および抗生物質(1%抗生物質/抗真菌剤プレミックス、Gibco)を含むHam’s F12(50:50)培地。VCEを、24-ウェル組織培養プレートのウェル中に置かれた、Matrigelコートした(Collabolative Biochemical,Bedford,VT)カバースリップ上で、偏光、分化および分泌能力を最適化するために、24時間標準培地中で培養する。次いで、細胞を、製品の溶液の低濃度および高濃度(例えば、0.005%〜30%、PCAGHの粘度に依存する)で12、24および48時間培養する。各インキュベーション期間の終わりに、カバーストリップをPBSでリンスし、そして組織固定液中に保存する。細胞をヘマトキシリン/エオシンで染色し、そして細胞変性の徴候について組織学的に観察する。(2)VECを標準培養培地中で、中間的密度(5×103細胞/ウェル、96ウェル組織培養ミクロプレート)でプレートする。24時間の付着期間後、細胞を処理液(例えば、0.005%〜30%製品濃度)またはコントロール培地中で5日間培養する。細胞増殖を、24時間間隔で5日間の処理期間にわたり、改変MTTエンドポイントアッセイを用いて測定する。このアッセイ系では、増殖は、細胞ミトコンドリアによるMTTの取り込み、およびプロパノール中の溶解後560nmで分光学的に評価し得る不溶性ブルーフォルマザン結晶への変換に相関する(R.Mosmann,J.Immunol.Methods 65:55-63,1983)。
実施例10
卵母細胞、胚、およびESCの単離
雄ドナー由来の精子細胞を、生の精液中の新鮮な射精液か、明細書中に記載されているように洗浄または伸長によって処理された冷蔵または凍結試料のどちらかから得る。
雌由来の卵母細胞を、手術の間での卵胞の吸引、超音波誘導した継膣吸引、または雌から取り出した卵巣の吸引によって得る。卵母細胞を、雌胎児、ホルモンで刺激されていない雌(未熟な一次卵母細胞を生じる)、または卵胞刺激ホルモンまたはその等価物で処理されたホルモン的に刺激された雌(成熟した二次卵母細胞を生じる)から得られる。
胚を、卵母細胞のインビトロ受精(IVF)および継代培養、受精および胚の回復後の卵管のフラッシング、受精および胚の回復後の子宮のフラッシング、以前に凍結された胚の解凍、または核移入および胚のクローニングによって得る。クローン化された胚を、複数の胚(遺伝的に同一である)を産生するために存在している胚の脱凝集した細胞と、無受精卵母細胞を融合することによって産生される。
クローン化した胚をまた、胚幹細胞の使用を通して得ることができる。胚幹細胞は、個々の胚由来の全能性細胞の進行中の細胞株である。これらの細胞を、不活性な卵母細胞と融合させる場合、遺伝的に類似した動物の産生を導き得る何千もの単一の細胞を含むペトリ皿で増殖させる。
実施例11
卵母細胞の質のアッセイ
卵母細胞の質を、50μg/mlの黄体形成ホルモンを有するかまたは有さないM199培地中での22時間のインキュベーションの間に膨張する、卵母細胞を囲む卵丘細胞の能力によって測定する。正常な卵母細胞は、膨張した卵丘の>3〜5層を有する。正常な卵丘細胞膨張は、卵母細胞がIVF中で正常に振る舞うために必要とされる。
あるいは、卵母細胞の質を、1%アセトオルセイン染色液で卵母細胞を染色することおよび中期IIに入る卵母細胞のパーセンテージを測定することによって決定する。これは、卵母が雌の細胞の染色体数の半分のみを有することを可能にする必要な成熟化工程である。
実施例12
胚の質のアッセイ
胚の発達を、培養中の胚の通常の分割または分裂(LindnerおよびWright,Theriogenology 20:407,1983);培養中での適切な時間における胞盤胞腔の正常な形成;ヘキスト33342染色液を用いて胚中に見出される細胞の数および健常さを計数すること(Purselら、Theriogenology 24:687);雌への移入および妊娠の確率;ならびに雌への移入およびそれにつづく正常な子孫の誕生を含む様々な試験によって評価し得る。
実施例13
卵母細胞および胚の凍結技術
卵母細胞および胚を、リン酸緩衝化食塩水、および0.05%ペクチンまたはアラビアゴムからなる培地を含むPCAGHに加える。さらに、18%フィコールを加え得る。最終濃度40%のエチレングリコールを得、そして卵母細胞を、液体窒素に沈める前に液体窒素の蒸気中にそれらを置くことによって迅速にガラス化する。あるいは、PCAGH培地中の卵母細胞または胚を、3.5MのDMSOまたは1.5Mのプロパンジオールに加え、次いで、凍結ストローに封入し、そして、プログラム可能な凍結庫に置くか、または1〜2時間液体窒素の蒸気に曝露する。次いで、凍結ストローを、保存のために液体窒素に沈める。卵母細胞または胚を、培地中での正常な発達、および実施例11および12に記載されたように移入後に評価する。
PCAGHを含む培地中で凍結することは、卵母細胞および胚に、病原体を有しそして国際輸送または雌への移入についての危惧を生じさせ得る血清を用いないで凍結させることを可能にする。胚は、PCAGH凍結培地中のより良好でそしてより正常な細胞数で発達し、および移入後により良好な妊娠率を有する。
実施例14
卵母細胞および胚の培養技術
卵母細胞および胚を、0.005〜0.1%のPCAGHおよびアミノ酸を含むCZBまたはM199のような平衡塩培地中で培養する。必要に応じて、体細胞および/または50μg/mlの黄体形成ホルモンを加える。卵母細胞の質を約24時間で測定する。胚の質を、一週間の期間にわたり24時間間隔で評価する。
PCAGH培地は、培養においてより多く卵母細胞を中期IIに到達させ、そしてより多くの胚を培養中により高い細胞数とともに発達させる。また、培養後に移入した胚は、標準培地中で培養した胚に見られるよりも高い妊娠率を生じる。この培養培地中で血清を置換する能力は、IVFから生じる子孫に見られる過剰に大きな(oversize)の発達(血清中の増殖因子によると思われる)を減少させる。
本発明の特定の実施態様は、本明細書中で例示の目的で記載されているが、種々の改変が、本発明の精神および範囲を脱することなく行われ得ることが認識される。従って、本発明は添付の請求の範囲による以外は制限されない。

Claims (17)

  1. 精子の機能を改善するための培地であって、該培地が、平衡塩類溶液、ならびに、ガラクツロン酸またはアラビノガラクタンのいずれかを含有する、培地。
  2. 平衡塩類溶液およびアラビノガラクタンを含む、請求項1に記載の培地。
  3. 冷蔵、凍結、またはガラス化(vitrified)された状態で精子を保存する間の機能的な精子の損失を減少させるための方法であって、以下の工程:
    (a)請求項1または2に記載の培地と精子を含む試料とを組み合わせる工程であって、該培地が、該損失を減少させるための有効量である、工程;および
    (b)該試料を、冷蔵、凍結、またはガラス化された状態で保存する工程、
    を包含する、方法。
  4. さらなる低温保護(cryoprotective)化合物が、保存前に前記試料に含められる、請求項に記載の方法。
  5. 動物における射精後の精子の機能を改善するための殺精子性でない潤滑剤であって、殺精子性でない潤滑性化合物および請求項2に記載の培地を含む、潤滑剤。
  6. 動物における精子の機能を増加させるための殺精子性でない潤滑剤であって、請求項2に記載の培地を、カルボマーを含む殺精子性でない潤滑性化合物と組み合わせて含む、潤滑剤。
  7. 動物における精子の機能を増加させるための請求項のいずれか1つに記載の殺精子性でない潤滑剤であって、ここで該潤滑剤が、精子の沈着前の膣内適用に適切である、潤滑剤。
  8. 請求項のいずれか1つに記載の潤滑剤、および塗布具デバイスを含む、キット。
  9. 請求項のいずれか1つに記載の殺精子性でない潤滑剤であって、ここで該潤滑剤が、容器への射精の前の、ペニスへの適用に適切である、潤滑剤。
  10. 請求項のいずれか1つに記載の潤滑剤で、カテーテル、または、ピペットを潤滑させる方法。
  11. 請求項のいずれか1つに記載の潤滑剤をさらに含む容器を含む、精子を回収するための容器。
  12. 性交の間に雌性動物の膣内に沈着した精子の、性交後の機能を改善するための請求項のいずれか1つに記載の殺精子性でない潤滑剤であって、ここで該潤滑剤が、性交前に動物の膣内に配置されるのに適切である、潤滑剤。
  13. 人工授精によって雌性動物の膣内に沈着した精子の精子注入後機能を改善するための請求項のいずれか1つに記載の殺精子性でない潤滑剤。
  14. 射精後の精子の機能を改善するための請求項のいずれか1つに記載の殺精子性でない潤滑剤であって、ここで該殺精子性でない潤滑剤が、精子回収容器の内部、または補助生殖技術において使用される医療用デバイスに対して、該容器またはデバイス内での精子の沈着前に、適用されるのに適切である、潤滑剤。
  15. 請求項1に記載の殺精子性でない潤滑剤であって、ここで該殺精子性でない潤滑剤が、精子回収容器の内部に対して適用される、潤滑剤。
  16. 請求項1に記載の殺精子性でない潤滑剤であって、ここで該殺精子性でない潤滑剤が、補助生殖技術において使用される医療用デバイスに対して適用される、潤滑剤。
  17. 請求項1〜1のいずれか1つに記載の殺精子性でない潤滑剤であって、ここで該殺精子性でない潤滑性化合物がカルボマーを含む、潤滑剤。
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