JP4351361B2

JP4351361B2 - Aroma-free recycled vegetable oil ink and printed matter using the same

Info

Publication number: JP4351361B2
Application number: JP2000129476A
Authority: JP
Inventors: 学石本; 真澄高瀬; 新太郎山岡
Original assignee: Toyo Ink SC Holdings Co Ltd; Toppan Inc
Current assignee: Toyo Ink SC Holdings Co Ltd; Toppan Inc
Priority date: 2000-04-28
Filing date: 2000-04-28
Publication date: 2009-10-28
Anticipated expiration: 2020-04-28
Also published as: JP2001311029A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天ぷらなど飲食物の製造等に用いた後の植物油を再生処理した再生植物油を用いたインキ、及びそのインキを用いて印刷した雑誌、書籍、ポスター等の印刷物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、植物油、特に大豆油を用いたインキは環境対応として使用されてきている。特に米国では政府刊行物に関して一部法律において大豆油を用いたインキを使用するように定められている。しかし、特に日本においては従来の石油系溶剤に比べて大豆油のコストは高く、大豆油を用いたインキの使用量は、伸びていない。
【０００３】
また一方、飲食物の製造に使用され、残された油（以下、廃食油と称す）は、再生処理することで、飼料の製造に用いたり、燃料としたり、加工して石鹸としたりして再利用されている。しかし廃食油は年々増加しており、処理しきれていない。
【０００４】
また従来、印刷インキ及び塗料に用いられる溶剤としては芳香族含有溶剤が使用されてきた。ところが近年、有機溶剤による大気汚染等の環境問題や作業環境の安全衛生の問題が指摘され、これを受けてナフテン分及びパラフィン分を主体とする非芳香族系インキ溶剤への置換が求められている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、植物油を用いたインキのコストを低減し、かつ飲食物の製造などに使用され、残された油を再利用する手段を提供するとともに、芳香族成分の含有率が１重量％以下の溶剤を含む再生植物油インキを提供し、そのインキを用いて印刷した各種印刷物を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を解決するためになされたものであり、すなわち請求項１記載の発明は、酸価が３以下の植物油を、含水率を０．３重量％以下およびヨウ素価を１００以上として再生処理した植物油と、沸点範囲が２３０〜３３０℃、５０重量％の留分が２４５〜３１０℃、アニリン点が７５〜９５℃、成分としてナフテン分が５０％以上でかつ芳香族成分の含有率が１重量％以下の溶剤を用いることを特徴とするアロマフリー型再生植物油インキである。
すなわち、再生植物油を製造する際、酸価が３以下の植物油を使用し、再生処理した植物油が、含水率０．３重量％以下およびヨウ素価１００以上であり、この再生植物油と請求項１に示した溶剤とを用いたアロマフリー型再生植物油インキである。
【０００７】
本発明は、再生処理した植物油を用いたことで、原材料費がバージンの植物油を使用するより安いものとなり、また、資源の再利用の点からもより一層環境対策がなされたインキを得ることが可能となり、また、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られる。
【０００８】
本発明において、
（１）再生処理する植物油の酸価を３以下とし、
（２）含水率を０．３重量％以下および
（３）ヨウ素価を１００以上
として再生処理した植物油とする理由は、以下のようである。
【０００９】
すなわち、（１）酸価が３以下の植物油を選別して再生処理することで、使用する再生植物油の酸価を低いものとし、インキとした際の乳化を抑制することが可能となり、よって、良好な印刷適性を得ることができ、また、バージンの植物油を使用するより安いものとなり、資源の再利用の点からもより一層環境対応がなされたインキを得ることが可能となり、また、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られる。
【００１０】
また、（２）再生処理において植物油の水分を除去して、含水率を０．３重％以下とすることで、水分に含まれる塩分等の、インキの乳化に影響を与える不純物を取り除くことができ、再生処理が安価に容易に行えることから、バージンの植物油を使用するより安いものとなり、資源の再利用の点からもより一層環境対応がなされたインキを得ることが可能となり、また、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られる。
【００１１】
さらに、（３）ヨウ素価を１００以上として再生処理することで、インキに用いる際に乾燥性の良いものとすることができ、よって印刷作業効率を向上させることができ、また、バージンの植物油を使用するより安いものとなり、資源の再利用の点からもより一層環境対応がなされたインキを得ることが可能となり、また、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られる。
【００１２】
次に請求項２記載の発明は、上記請求項１記載のアロマフリー型再生植物油インキにおいて、再生処理した植物油が、飲食物の製造に用いた植物油を再生処理した植物油であることを特徴とするアロマフリー型再生植物油インキである。
【００１３】
本発明は、飲食物の製造などに使用した植物油を再生処理した植物油を用いてインキ化するので、バージン植物油を使用するより安いインキの製造が可能となり、資源の再利用の点からもより一層環境対策がなされた印刷物を得ることを可能とする。
【００１４】
次に請求項３記載の発明は、上記請求項１または２記載の発明のアロマフリー型再生植物油インキを用いて印刷されていることを特徴とする印刷物である。
【００１５】
本発明のアロマフリー型再生植物油インキを使用し、印刷した印刷物は、廃棄した際における土壌などへの生分解性がある植物油を用いた印刷インキが使用されているため、印刷物の廃棄処理がし易く、また、印刷紙からの脱墨性に優れているため、印刷物の再生紙への容易な再生加工が可能となる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における植物油としては、食用として大豆油、菜種油、トウモロコシ油、米油、綿実油、ごま油、ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油等があり、非食用としてパーム油、椰子油、アマニ油、パーム核油、桐油等があるが、これらに限定されるものではなく、植物油で再生処理可能であるものであれば適用可能である。
【００１７】
本発明において、飲食物の製造などに用いる植物油としては、飲食店や学校給食、惣菜屋などで、天ぷら、フライなど揚げ物の製造に使用した植物油を回収したものが挙げられるが、これに限定されるものではなく、使用後の植物油で再生可能なものであれば適用可能である。
【００１８】
本発明における植物油の再生処理の方法としては、ろ過、静置による沈澱、活性白土などによる脱色といった方法が挙げられるが、特に、これらに限定されるものではなく適宜可能である。
【００１９】
本発明における植物油を用いたインキとしては、特に、平版用インキが挙げられ、さらには枚葉印刷機用インキとオフセット輪転印刷機用インキが挙げられるが、特に、これらに限定されるものではなく適宜可能である。
【００２０】
上記枚葉印刷機用インキの組成の一例としては、顔料１０〜２０重量％、樹脂２５〜３０重量％、溶剤２５〜４０重量％、油１０〜２５重量％、ドライヤー０．５〜１．５重量％、その他補助剤２〜１０重量％程度の構成が挙げられる。これらを通常の方法により適宜配合して練肉することによりインキ化することができる。植物油は、この油と溶剤の一部に用いることが可能である。特に、植物油が大豆油由来のものであって、全体の２０重量％以上が大豆油であるとすると、米国大豆協会の大豆油インキとしての認定基準を満たすので好ましい。
【００２１】
上記オフセット輪転印刷機用インキの組成の一例としては、顔料１０〜２０重量％、樹脂２０〜３０重量％、溶剤２５〜４０重量％、油５〜１５重量％、その他補助剤２〜１０重量％程度の構成が挙げられる。これらを通常の方法により適宜配合して練肉することによりインキ化することができる。植物油は、この油と溶剤の一部に用いることが可能である。特に、植物油が大豆油由来のものであって、全体の７重量％以上が大豆油であるとすると、米国大豆協会の大豆油インキとしての認定基準を満たすので好ましい。
【００２２】
本発明においては、使用する上記溶剤として、沸点範囲が２３０〜３３０℃、５０重量％の留分が２４５〜３１０℃、アニリン点が７５〜９５℃、成分としてナフテン分が５０％以上で、かつ芳香族成分の含有率が１重量％以下のアロマフリー型溶剤を使用するものである。
【００２３】
以下、本発明で使用される溶剤について詳細に説明する。
すなわち、溶剤の沸点範囲は、２３０〜３３０℃で、５０重量％の留分が２４５〜３１０℃のものを使用する。沸点範囲が２３０〜３３０℃より低く、５０重量％の留分が２４５℃以下の物は、乾燥性は向上するが、機上安定性が劣化する。また沸点範囲が２３０〜３３０℃より高く５０重量％の留分が３１０℃以上の物は、機上安定性は向上するが乾燥性が劣化する。
【００２４】
さらに、アニリン点は７５〜９５℃が望ましい。アニリン点が９５℃以上である場合はインキ組成中の使用樹脂との溶解性に乏しく、インキの流動性、光沢、乳化適性等が劣化する。７５℃以下の場合は乾燥時のインキ皮膜からの溶剤の離脱性が悪く乾燥劣化を起こしてしまう。
【００２５】
また、溶剤の成分としては、ナフテン分が５０％以上が望ましい。５０％未満であると樹脂への溶解力に乏しいパラフィン分の比率が多くなる為、インキの光沢が劣化する。
【００２６】
なお、溶剤中の芳香族成分の含有率は１重量％以下の物を用いる。これは従来広く使用されている各種溶剤中のベンゼン・トルエン・キシレン等の芳香族成分は労働安全衛生法で規制されている様に、一般に人体に対して皮膚刺激性・神経障害等をもたらすものとして、厳しい規制がとられている。また、ＩＬＯ（国際労働機関）が化学品を取り扱う労働者の安全を守るための条約を採択した様に、国際的にも化学品の害から人体を保護しようとする機運が高まっている。
【００２７】
この様な背景から従来使用していた芳香族成分を多量に含有したインキ用溶剤に比べて、本溶剤を使用したインキは、印刷現場並びに印刷インキ製造現場の作業環境を向上させ現場作業員の健康を守ることができる。
【００２８】
このように本発明において、アロマフリー型植物油インキを使用して印刷することにより、従来の石油系溶剤を用いた芳香族成分が多いインキに比べて、芳香族成分が１重量％以下ときわめて微量であるため、作業者の衛生面で好ましい。また、植物油を使用しているため、光化学スモッグや温室化現象の防止にもつながり、作業後の印刷機の洗浄もし易いものとなる。その他、植物油は廃棄した際における生分解性があって分解速度も速く、また、紙からの脱墨性にも優れていて、再生紙への処理加工もし易い等の特徴がある。
【００２９】
また、飲食物の製造などに使用した植物油を再生処理し、これを用いてインキ化することにより、バージン植物油を使用するより安いインキの製造が可能となり、資源の再利用の点からもより一層環境対策がなされた印刷物を得ることを可能とする。
【００３０】
本発明のインキを用いた印刷物としては、例えば、雑誌、週刊誌、カタログ、パンフレット、カレンダー、新聞などの一般公知の印刷物や、その他の特殊形態の印刷物があるが、これらに限定されるものではなく、適宜に各種の印刷物類の印刷に使用可能である。
【００３１】
これら印刷物の製造方法としては、上記インキにより定められ、オフセット平版印刷が好適であるが、特にこれに限定されるものではなく、適宜使用可能である。
【００３２】
前述したように、本発明においては、（１）再生処理する植物油の酸価を３以下とし、（２）含水率を０．３重量％以下および（３）ヨウ素価を１００以上として再生処理した植物油を使用する。
【００３３】
このように、植物油の含水率を０．３重量％以下となるように再生処理する。好ましくは０．１重量％以下、最も好ましくは０．０５重量％以下である。再生処理による含水率が０．３重量％を超えるほどに水が含まれていると、インキとした際に過剰乳化を起こしてしまう。
【００３４】
特にオフセット印刷の場合、インキが過剰乳化を起こすと、水中油型の乳化を起こしたものが、版面上の水の中に散らばって、非画線部の広い範囲か一面に、所謂浮き汚れを発生することとなる。
【００３５】
特に飲食物の製造に用いた植物油の場合、不純物として塩分や糖分が存在し、この存在によりインキとした際に乳化が過剰に進んでしまう。これら塩分等の多くは水分中にイオン状態で存在している。
【００３６】
そこで本発明においては、上記のごとく植物油の含水率を０．３重量％以下となるように再生処理することで、油中の水分を除くと共に不純物である塩分や糖分を除去し、インキの過剰乳化を防ぎ印刷適性を向上させる。
【００３７】
上記植物油の含水率を０．３重量％以下となるように再生処理する方法としては、静置し、水分をその他不純物と共に沈澱させ、上澄みをとるという方法により可能であるが、特にこれに限定されるものではなく、その他の方法であっても適用可能である。
【００３８】
さらに、本発明では、植物油のヨウ素価を１００以上となるように再生処理する。好ましくは１１０以上、最も好ましくは１２０以上である。ヨウ素価が１００より低ければインキとした際の乾燥性に劣るものとなってしまい、特にオフセット枚葉印刷による表裏両面印刷の様に、印刷された枚葉印刷物を酸化重合反応で乾燥させる場合、表面印刷後における裏面印刷前の乾燥に時間がかかってしまい、印刷作業効率が大幅に劣るものとなってしまう。
【００３９】
特に飲食物の製造に用いる食用油としての植物油の場合、肉類や魚類の肉汁により不純物として動物性油が存在し、これらの存在によりインキとした際にさらに乾燥性の悪いものとなってしまう。
【００３９】
そこで本発明においては、上記のごとく植物油のヨウ素価を１００以上となるように再生処理することで、動物油を油中から除去し、インキの乾燥性を適切なものとし、印刷作業効率を向上させる。
【００４０】
上記植物油のヨウ素価を１００以上となるように再生処理する方法としては、静置し、ある程度冷却することで動物性油のみをその凝固点の違いにより固化して、比重の軽い固化油分は最表面に浮き上がらせ、その他の不純物は沈澱させ、最表面の固化油分があればそれを除去した後、その下層の上澄み油を採取するという方法により可能である。特に、この方法は上記含水率を０．３重量％以下となるように再生処理する方法と同一の方法で行えることから好ましい方法であるが、特にこれに限定されるものではなく、その他の方法であっても適用可能である。
【００４１】
さらに、本発明では、再生前の植物油の酸価が３以下である植物油を選別して再生処理したものを用いる。好ましくは２以下であり、最も好ましくは１．５以下である。酸価が３より高いものであると、遊離脂肪酸によりインキとした際に乳化が過剰に進んでしまう。
【００４２】
特に飲食物の製造に用いた植物油においては、天ぷら油のように熱処理を加えたものが多く、酸価が高くなってしまう。
【００４３】
そこで本発明においては、上記のごとく再生前の植物油の酸価が３以下である植物油を選別して再生処理することで、再生後の植物油の遊離脂肪酸の数を少ないものとし、インキとした際の過剰乳化を防ぎ、印刷適性を向上させる。
【００４４】
上記再生前の植物油の酸価が３以下の物を選別して再生処理する方法としては、酸価はその植物油の使用状況ごとに異なることから、再生前の植物油を収集してきた箇所ごとに酸価を測定し、その際の酸価が３以下の物を選別する、といったことにより可能である。
【００４５】
【実施例】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【００４６】
＜参考例１＞含水率の調整未使用（バージン）の大豆油（１）と、この大豆油を主に用いている惣菜屋より回収した廃食油（２）と、これをろ過して野外に一昼夜静置した後、上澄みをとり活性白土による脱色をした再生処理した再生植物油（３）とを用意した。これらの含水率を測定したところ、（１）が０重量％、（２）が１０重量％、（３）が０．１重量％であった。これらを油分としてインキを作成したところ、（１）、（３）では、特に問題はみられなかったが、（２）では、顔料成分が水分の影響で分離してしまって、インキとして使用できる状態ではなかった。
【００４７】
＜参考例２＞ヨウ素価の調整上記参考例１における各々油のヨウ素価は、（１）が１３０、（２）が９０、（３）は１２０であった。上記参考例１におけるヨウ素価１３０の（１）のバージン植物油と、ヨウ素価を調整しつつ廃食油を再生処理して、それぞれヨウ素価を１００、１１０、１２０とした各々再生植物油とを用意して、それぞれ植物油から印刷インキを作成した。作成したそれぞれ上記印刷インキを用いて、４色平版枚葉印刷機により印刷用紙の片面に印刷を行って印刷物を得た後、それぞれ印刷物を、１２時間、２４時間、３６時間放置した後、同じインキを用いて、その印刷物の他面に裏刷りを行い、印刷された各々印刷物の片面に印刷された先刷りインキの印刷機圧胴への付着状態を目視検査して、各々インキの乾燥状態の良否を判定して印刷適性を評価した。その結果を表１に示す。
【００４８】
【表１】

表１に示すように、ヨウ素価が１００以上であれば、３６時間の放置により、乾燥状態の良いものとなり、裏刷りが可能となった。
【００４９】
＜参考例３＞酸価の調整上記参考例１における各々油の酸価は、（１）が０、（２）と（３）が２．５であった。上記バージン植物油（１）を熱処理により、酸価１、２、４とした各々植物油を用意して、それぞれ植物油から各々印刷インキ（ウエブ印刷用）を作成した。作成したそれぞれ上記各々印刷インキを用いて、４色オフセット輪転印刷機（三菱重工（株）製のウエブ印刷機；リソピア）により印刷して、乳化の調整のため、湿し水調整用ダイヤル目盛りを５０、６０、７５と調整して印刷し、その際の印刷版面の汚れに起因する印刷物の汚れの発生状態を各々インキについて比較判定した。その結果を表２に示す。ここで、湿し水調整用ダイヤルとは、印刷機の湿し水ローラの回転数を調整するものであって、目盛りは０〜１００まであり、ダイヤル目盛り数が多いほど、湿し水の量も多くなるようになっている。
【００５０】
【表２】

以上に示すように、酸価が４のものは、湿し水調整用ダイヤルを５０としても一部に汚れが発生し、良好な印刷適性が得られなかった。
【００５１】
＜実施例１＞低芳香族溶剤の調整
上記参考例１における再生処理した再生植物油（３）を調整して、含水率０．１重量％、ヨウ素価１２０、酸価１とした再生植物油を用い、それぞれ芳香族成分が１重量％以下の溶剤で、Ａ沸点範囲２３０℃以下で、５０重量％の留分が２４５℃以下のものを含む溶剤、Ｂ沸点範囲２３０〜３３０℃以下で、５０重量％の留分が２４５〜３１０℃の範囲のみの溶剤、Ｃ沸点範囲３３０℃以上で、５０重量％の留分が３１０℃以上のものを含む溶剤をそれぞれ用意し、これから各々ウエブ印刷用インキＡ、Ｂ、Ｃを作成した。作成した各々ウエブ用印刷インキを用いて、４色オフセット輪転印刷（ウエブ印刷機）により、紙面乾燥温度を調整しながらウエブ（長尺）状の印刷用紙に印刷した。機上安定性をみるためにインコメーターを用い、一定量のインキを計り取り、４００ｒｐｍ、３０℃で、１分後と５分後のタック値を測定した。タック値の変化が大きいものほど機上安定性が劣る。その結果を表３に示す。
【００５２】
【表３】

【００５３】
インキＡの乾燥温度は低く、低温でも乾燥するが、タック変化が大きく、機上安定性が著しく劣った。また、インキＣの機上安定性は良好であったが、乾燥温度が高く、乾燥適性において劣った。これに対してインキＢは両者のバランスが好適であった。
【００５４】
【発明の効果】
以上に示すように、本発明のアロマフリー型植物油インキは、芳香族成分の含有率が１重量％の低芳香族溶剤と再生植物油を用いたインキであり、従来の芳香族石油系溶剤からなるインキに比べて、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られる。
【００５５】
また、本発明のアロマフリー型植物油インキは、植物油を用いることで、従来の石油溶剤を用いたインキに比べて揮発性有機化合物の放出を軽減させることができ、印刷現場に揮発性有機化合物の塵が飛散することが少なく、作業能率を向上させるとともに、光化学スモッグの発生及び温室化現象など公害の防止に役立ち、環境にやさしいインキとしての効果があるとともに、印刷稼動後のインキ洗浄作業も行い易い効果がある。
【００５６】
また、植物油には、廃棄した際における生分解性があり、また、印刷紙からの脱墨性に優れていて、印刷物の再生紙への再生加工がし易いなどの特徴ある効果もある。
【００５７】
本発明の請求項１に記載のアロマフリー型植物油インキは、再生処理した植物油を用いたことで、原材料費がバージンの植物油を使用するより安いものとなり、また、資源の再利用の点からもより一層環境対策がなされたインキを得ることが可能となり、また、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られるという作用、効果が発揮される。
【００５８】
また請求項１に記載のアロマフリー型植物油インキは、再生処理において植物油の水分を除去して、含水率を０．３重量％以下とすることで、水分に含まれる塩分等の、インキの乳化に影響を与える不純物を取り除くことができ、再生処理が安価に容易に行えることから、バージンの植物油を使用するより安いものとなり、資源の再利用の点からもより一層環境対応がなされたインキを得ることが可能となり、また、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られるという作用、効果が発揮される。
【００５９】
またこの請求項１に記載のアロマフリー型植物油インキは、ヨウ素価を１００以上として再生処理することで、インキに用いる際に乾燥性の良いものとすることができ、よって印刷作業効率を向上させることができ、また、バージンの植物油を使用するより安いものとなり、資源の再利用の点からもより一層環境対応がなされたインキを得ることが可能となり、また、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られるという作用、効果が発揮される。
【００６０】
またこの請求項１に記載のアロマフリー型植物油インキは、酸価が３以下の植物油を選別して再生処理することで、使用する再生植物油の酸価を低いものとし、インキとした際の乳化を抑制することが可能となり、よって、良好な印刷適性を得ることができ、また、バージンの植物油を使用するより安いものとなり、資源の再利用の点からもより一層環境対応がなされたインキを得ることが可能となり、また、低芳香族溶剤を使用することで大気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が得られるという作用、効果が発揮される。
【００６１】
次に請求項２に記載のアロマフリー型植物油インキは、飲食物の製造などに使用した植物油を再生処理した植物油を用いてインキ化するので、バージン植物油を使用するより安いインキの製造が可能となり、資源の再利用の点からもより一層環境対策がなされた印刷物を得ることを可能とする作用、効果が発揮される。
【００６２】
次に請求項３に記載のアロマフリー型植物油インキを用いた印刷物は、その印刷物に、廃棄した際における土壌などへの生分解性がある植物油を用いた印刷インキが適用されているため、印刷物の廃棄処理がし易く、また、印刷紙からの脱墨性に優れているため、印刷物の再生紙への容易な再生加工が可能となる作用、効果が発揮される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink using a regenerated vegetable oil obtained by regenerating a vegetable oil after being used for production of food and drink such as tempura, and a printed matter such as a magazine, a book, and a poster printed using the ink.
[0002]
[Prior art]
In recent years, inks using vegetable oils, particularly soybean oil, have been used as environmentally friendly. In particular, in the United States, some government laws stipulate that some inks using soybean oil should be used. However, especially in Japan, the cost of soybean oil is higher than that of conventional petroleum solvents, and the amount of ink using soybean oil has not increased.
[0003]
On the other hand, the remaining oil (hereinafter referred to as waste edible oil) used in the production of food and drink is reprocessed to be used for the production of feed, fuel, or processed into soap. It has been reused. However, waste cooking oil has been increasing year by year and has not been processed.
[0004]
Conventionally, aromatic solvents have been used as solvents used in printing inks and paints. However, in recent years, environmental problems such as air pollution due to organic solvents and safety and health problems in the working environment have been pointed out, and in response to this, replacement with non-aromatic ink solvents mainly composed of naphthene and paraffin components is required. Yes.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in order to solve these problems, and the object of the present invention is to reduce the cost of ink using vegetable oil and to be used in the production of food and drink, etc. In addition to providing a means for reusing oil, it is an object of the present invention to provide a regenerated vegetable oil ink containing a solvent having an aromatic component content of 1% by weight or less and to provide various printed materials printed using the ink.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made to solve this problem. That is, the invention according to claim 1 is characterized in that a vegetable oil having an acid value of 3 or less, a water content of 0.3% by weight or less, and an iodine value of 100 or more. As a vegetable oil regenerated as a boiling point range of 230 to 330 ° C., a 50% by weight fraction of 245 to 310 ° C., an aniline point of 75 to 95 ° C., and a naphthene content of 50% or more and containing aromatic components An aroma-free recycled vegetable oil ink characterized by using a solvent having a rate of 1% by weight or less.
That is, when producing a regenerated vegetable oil, a vegetable oil having an acid value of 3 or less is used, and the regenerated vegetable oil has a water content of 0.3% by weight or less and an iodine value of 100 or more. Aroma-free regenerated vegetable oil ink using the indicated solvent.
[0007]
In the present invention , by using the vegetable oil that has been reprocessed, the raw material cost is lower than that of using the virgin vegetable oil, and it is possible to obtain an ink with further environmental measures from the viewpoint of resource reuse. In addition, by using a low aromatic solvent, a good printing environment with less risk of air pollution and less odor can be obtained.
[0008]
In the present invention,
(1) The vegetable oil to be regenerated has an acid value of 3 or less,
(2) Moisture content is 0.3% by weight or less and
(3) Iodine value is 100 or more
The reason why the vegetable oil is regenerated as follows is as follows.
[0009]
That is, (1) By selecting and regenerating vegetable oil having an acid value of 3 or less, it becomes possible to reduce the acid value of the regenerated vegetable oil to be used, and to suppress emulsification when used as an ink. Good printability can be obtained, it is cheaper than using virgin vegetable oil, it is possible to obtain ink that is more environmentally friendly in terms of resource reuse, and low fragrance. By using a group solvent, it is possible to obtain a good printing environment with less risk of air pollution and less odor.
[0010]
In addition, (2) by removing moisture from the vegetable oil in the regenerating process and setting the moisture content to 0.3% by weight or less, it is possible to remove impurities that affect the emulsification of the ink, such as salt contained in the moisture. Since it is easy to regenerate at low cost, it is cheaper than using virgin vegetable oil, and it is possible to obtain an ink that is more environmentally friendly in terms of resource reuse. By using an aromatic solvent, a good printing environment with less risk of air pollution and less odor can be obtained.
[0011]
Furthermore, (3) by performing a regeneration treatment with an iodine value of 100 or more, it is possible to make the drying property good when used in ink, and thus the printing work efficiency can be improved. It is cheaper to use, and it is possible to obtain inks that are more environmentally friendly in terms of resource reuse, and the use of low aromatic solvents reduces the risk of air pollution and reduces odor. Less good printing environment can be obtained.
[0012]
Next, the invention according to claim 2 is characterized in that, in the aroma-free regenerated vegetable oil ink according to claim 1, the regenerated vegetable oil is a vegetable oil regenerated from the vegetable oil used for the production of food and drink. Aroma-free recycled vegetable oil ink.
[0013]
In the present invention, since the vegetable oil used for the production of food and drink is converted into an ink using a vegetable oil obtained by reprocessing, it is possible to produce a cheaper ink using a virgin vegetable oil, and further from the point of reuse of resources. It is possible to obtain printed materials with environmental measures.
[0014]
Next, the invention described in claim 3 is a printed matter printed using the aroma-free regenerated vegetable oil ink of the invention described in claim 1 or 2 .
[0015]
Using the aroma-free reproduction vegetable oil ink of the present invention, printed prints, since the printing ink using a vegetable oil that is biodegradable to soil at the time of discarding is being used, disposal of printed matter is Since it is easy and has excellent deinking properties from the printed paper, it is possible to easily recycle the printed matter into recycled paper.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
Examples of vegetable oils in the present invention include edible soybean oil, rapeseed oil, corn oil, rice oil, cottonseed oil, sesame oil, sunflower oil, safflower oil, olive oil, etc., and non-edible palm oil, coconut oil, linseed oil, palm kernel There are oil, tung oil, and the like. However, the oil is not limited to these, and any oil that can be regenerated with vegetable oil is applicable.
[0017]
In the present invention, the vegetable oil used for the production of food and drink includes those recovered from the vegetable oil used for the production of fried foods such as tempura and fries at restaurants, school lunches, side dishes shops, etc., but is not limited thereto. It can be applied as long as it is recyclable with vegetable oil after use.
[0018]
Examples of the method for regenerating vegetable oil in the present invention include methods such as filtration, precipitation by standing, and decolorization by activated clay, but are not particularly limited and can be appropriately performed.
[0019]
The ink using vegetable oil in the present invention includes, in particular, lithographic inks, and further includes sheet-fed printing press inks and offset rotary printing press inks, but is not particularly limited thereto. It is possible as appropriate.
[0020]
As an example of the composition of the ink for the sheet-fed printing press, 10 to 20% by weight of pigment, 25 to 30% by weight of resin, 25 to 40% by weight of solvent, 10 to 25% by weight of oil, and 0.5 to 1.5 of a dryer. The composition of about 2% by weight and other auxiliary agents is 2 to 10% by weight. These can be made into inks by appropriately blending and kneading them by a usual method. Vegetable oil can be used as part of this oil and solvent. In particular, it is preferable that the vegetable oil is derived from soybean oil, and that 20% by weight or more of the whole is soybean oil, since it satisfies the certification standard for soybean oil ink of the American Soybean Association.
[0021]
As an example of the composition of the ink for the above rotary offset printing press, 10 to 20% by weight of pigment, 20 to 30% by weight of resin, 25 to 40% by weight of solvent, 5 to 15% by weight of oil, and 2 to 10% by weight of other auxiliary agents. The structure of a grade is mentioned. These can be made into inks by appropriately blending and kneading them by a usual method. Vegetable oil can be used as part of this oil and solvent. In particular, when the vegetable oil is derived from soybean oil and 7% by weight or more of the whole is soybean oil, it is preferable because it satisfies the certification standard for soybean oil ink of the American Soybean Association.
[0022]
In the present invention, the solvent used has a boiling range of 230 to 330 ° C., a 50% by weight fraction of 245 to 310 ° C., an aniline point of 75 to 95 ° C., a naphthene content of 50% or more as a component, and An aroma-free solvent having an aromatic component content of 1% by weight or less is used.
[0023]
Hereinafter, that describes in detail the solvent used in the present invention.
That is, the solvent has a boiling range of 230 to 330 ° C and a 50% by weight fraction of 245 to 310 ° C. A product having a boiling range lower than 230 to 330 ° C. and a 50% by weight fraction of 245 ° C. or less improves the drying property but deteriorates the on-machine stability. Moreover, the thing whose boiling point range is higher than 230-330 degreeC and whose 50 weight% fraction is 310 degreeC or more improves on-machine stability, but a drying property deteriorates.
[0024]
Furthermore, the aniline point is preferably 75 to 95 ° C. When the aniline point is 95 ° C. or higher, the solubility with the resin used in the ink composition is poor, and the fluidity, gloss, emulsification suitability, etc. of the ink deteriorate. When the temperature is 75 ° C. or lower, the solvent is not easily removed from the ink film during drying, resulting in drying deterioration.
[0025]
Moreover, as a solvent component, the naphthene content is desirably 50% or more. If it is less than 50%, the ratio of the paraffin component having a poor solubility in the resin increases, so the gloss of the ink deteriorates.
[0026]
In addition, the thing of 1 weight% or less is used for the content rate of the aromatic component in a solvent. This is because aromatic components such as benzene, toluene, and xylene in various solvents that have been widely used in the past generally cause skin irritation and nerve damage to the human body as regulated by the Industrial Safety and Health Act. As a result, strict regulations are taken. In addition, as the ILO (International Labor Organization) has adopted a treaty to protect the safety of workers handling chemical products, there is a growing momentum to protect the human body from chemical damage.
[0027]
In this context, inks using this solvent improve the working environment at the printing site and printing ink manufacturing site compared to the ink solvents that contain a large amount of aromatic components that have been used in the past. You can protect your health.
[0028]
In this way, in the present invention, by printing using an aroma-free vegetable oil ink, the amount of aromatic components is 1% by weight or less compared to conventional inks containing a large amount of aromatic components using petroleum solvents. Therefore, it is preferable in terms of the hygiene of the operator. Moreover, since vegetable oil is used, it leads also to prevention of photochemical smog and greenhouse phenomenon, and it becomes easy to wash | clean the printing press after an operation | work. In addition, vegetable oil is biodegradable when discarded, has a high degradation rate, is excellent in deinking from paper, and is easy to process into recycled paper.
[0029]
In addition, by reprocessing the vegetable oil used in the production of food and drink and making it into ink, it becomes possible to produce cheaper ink than using virgin vegetable oil, and from the point of reuse of resources even more It is possible to obtain printed materials with environmental measures.
[0030]
Examples of the printed material using the ink of the present invention include publicly known printed materials such as magazines, weekly magazines, catalogs, pamphlets, calendars, newspapers, and other special forms, but are not limited thereto. It can be used for printing various printed materials as appropriate.
[0031]
A method for producing these printed materials is determined by the above-described ink, and offset lithographic printing is preferable, but is not particularly limited thereto and can be used as appropriate.
[0032]
As described above, in the present invention, (1) the acid value of the vegetable oil to be regenerated is set to 3 or less, (2) the moisture content is set to 0.3% by weight or less, and (3) the iodine value is set to 100 or more. Use vegetable oil.
[0033]
In this way, the regeneration treatment is performed so that the moisture content of the vegetable oil is 0.3% by weight or less. Preferably it is 0.1 weight% or less, Most preferably, it is 0.05 weight% or less. If water is contained so that the water content by regeneration treatment exceeds 0.3% by weight, excessive emulsification occurs when ink is used.
[0034]
In particular, in the case of offset printing, if the ink is excessively emulsified, the oil-in-water type emulsification is scattered in the water on the plate surface, so-called floating stains are spread over a wide area or one side of the non-image area. Will occur.
[0035]
In particular, in the case of vegetable oil used for the production of food and drink, salt and sugar are present as impurities, and this presence causes excessive emulsification when used as an ink. Many of these salts and the like exist in an ionic state in moisture.
[0036]
Therefore, in the present invention, as described above, the water content of the vegetable oil is regenerated so that the water content is 0.3% by weight or less, thereby removing moisture in the oil and removing impurities such as salt and sugar, and excess ink. Prevent emulsification and improve printability.
[0037]
As a method of regenerating so that the moisture content of the vegetable oil is 0.3% by weight or less, it is possible to stand still, precipitate water together with other impurities, and remove the supernatant. However, other methods are also applicable.
[0038]
Furthermore, in this invention, it regenerates so that the iodine value of vegetable oil may be 100 or more . Preferably it is 110 or more, Most preferably, it is 120 or more. If the iodine value is lower than 100, it becomes inferior in drying properties when used as an ink, and particularly when the printed sheet printed matter is dried by an oxidation polymerization reaction, such as front and back double-sided printing by offset sheet printing, It takes time to dry before the back side printing after the front side printing, and the printing work efficiency is greatly deteriorated.
[0039]
In particular, in the case of vegetable oils as edible oils used in the production of foods and drinks, animal oils are present as impurities due to meat and fish gravy, and due to these presences, when used as inks, the dryness becomes even worse.
[0039]
Therefore, in the present invention, as described above, by regenerating the iodine value of the vegetable oil to be 100 or more, the animal oil is removed from the oil, the drying property of the ink is made appropriate, and the printing work efficiency is improved. The
[0040]
As a method of regenerating so that the iodine value of the vegetable oil becomes 100 or more, the animal oil is solidified only by the difference in its freezing point by standing and cooling to some extent, and the solidified oil component having a light specific gravity is the outermost surface. It is possible to cause the other impurities to settle, remove the solidified oil component on the outermost surface, and then remove the supernatant oil from the lower layer. In particular, this method is a preferable method because it can be performed by the same method as the method of regenerating so that the moisture content is 0.3% by weight or less, but is not particularly limited thereto, and other methods Even so, it is applicable.
[0041]
Furthermore, in this invention, what selected and regenerated the vegetable oil whose acid value of the vegetable oil before reproduction | regeneration is 3 or less is used. Preferably it is 2 or less, and most preferably 1.5 or less. When the acid value is higher than 3, emulsification proceeds excessively when ink is formed with free fatty acids.
[0042]
In particular, vegetable oils used for the production of food and drink often have heat treatments such as tempura oil, and the acid value becomes high.
[0043]
Accordingly, in the present invention, as described above, when the vegetable oil before regeneration is selected and regenerated by selecting a vegetable oil having an acid value of 3 or less, the number of free fatty acids in the regenerated vegetable oil is reduced, and ink is used. Prevents excessive emulsification of the ink and improves printability.
[0044]
As a method of selecting and regenerating the above-mentioned vegetable oil having an acid value of 3 or less before regeneration, the acid value varies depending on the use state of the vegetable oil. It is possible by measuring the value and selecting those having an acid value of 3 or less.
[0045]
【Example】
Specific examples of the present invention will be described below.
[0046]
< Reference Example 1> Adjustment of moisture content Unused (virgin) soybean oil (1), waste cooking oil (2) recovered from a vegetable shop mainly using this soybean oil, and filtering it outdoors After leaving it to stand for a whole day and night, a regenerated vegetable oil (3) subjected to a regenerating process after removing the supernatant and decolorizing with activated clay was prepared. When the water content was measured, (1) was 0% by weight, (2) was 10% by weight, and (3) was 0.1% by weight. When inks were prepared using these as oil components, no particular problem was found in (1) and (3), but in (2), the pigment component was separated due to the influence of moisture and can be used as ink. It was not in a state.
[0047]
Reference Example 2 Adjustment of Iodine Value The iodine value of each oil in Reference Example 1 was 130 for (1), 90 for (2), and 120 for (3). (1) Virgin vegetable oil having an iodine value of 130 in the above Reference Example 1 and regenerated vegetable oils each having an iodine value of 100, 110, 120 prepared by regenerating waste cooking oil while adjusting the iodine value A printing ink was prepared from each vegetable oil. Using each of the printing inks prepared above, printing was performed on one side of a printing paper with a four-color lithographic sheet-fed printing machine to obtain a printed material, and then the printed materials were left for 12 hours, 24 hours, and 36 hours, respectively. Using ink, the other side of the printed material is printed on the back, and each ink printed on the printed surface is visually inspected for adhesion of the preprinted ink printed on one side of the printed material to the impression cylinder. The printability was evaluated by judging the quality. The results are shown in Table 1.
[0048]
[Table 1]

As shown in Table 1, when the iodine value was 100 or more, the dried state was good by leaving it for 36 hours, and the back printing was possible.
[0049]
< Reference Example 3> Adjustment of Acid Value The acid value of each oil in Reference Example 1 was 0 for (1) and 2.5 for (2) and (3). Each vegetable oil having an acid value of 1, 2, and 4 was prepared by heat-treating the virgin vegetable oil (1), and printing ink (for web printing) was prepared from each vegetable oil. Using each of the printing inks created above, printing is performed with a four-color offset rotary printing press (web printer manufactured by Mitsubishi Heavy Industries, Ltd .; lithopier), and a dial scale for adjusting the dampening solution is used to adjust the emulsification. 50, 60, and 75 were used for printing, and the occurrence of stains on the printed matter due to stains on the printing plate surface at that time was compared for each ink. The results are shown in Table 2. Here, the fountain solution adjustment dial adjusts the number of rotations of the fountain solution roller of the printing press, and the scale is 0 to 100. The greater the number of dial scales, the greater the amount of fountain solution. Has become more.
[0050]
[Table 2]

As shown above, when the acid value was 4, even when the fountain solution adjustment dial was set to 50, stains were partially generated, and good printability could not be obtained.
[0051]
< Example 1 > Adjustment of low aromatic solvent The regenerated vegetable oil (3) regenerated in Reference Example 1 above was adjusted to use a regenerated vegetable oil having a water content of 0.1% by weight, an iodine value of 120, and an acid value of 1. A solvent containing 1% by weight or less of an aromatic component, A solvent having a boiling point range of 230 ° C. or less and a 50% by weight fraction of 245 ° C. or less, and B boiling point range of 230 to 330 ° C. or less, 50% by weight % in fraction only solvent in the range of two hundred and forty-five to three hundred ten ° C., C boiling range 330 ° C. or higher, 50 wt% of the fraction prepared each solvent containing more than 310 ° C., now each web printing ink a , B and C were prepared. Each of the web printing inks prepared was printed on a web (long) printing paper by adjusting the paper surface drying temperature by four-color offset rotary printing (web printing machine). In order to check on-machine stability, an incometer was used to measure a certain amount of ink, and the tack values after 1 minute and 5 minutes were measured at 400 rpm and 30 ° C. The larger the tack value, the lower the on-machine stability. The results are shown in Table 3.
[0052]
[Table 3]

[0053]
Although the drying temperature of ink A was low and it dried even at low temperatures, the tack change was large and the on-machine stability was remarkably inferior. Moreover, although the on- machine stability of the ink C was good, the drying temperature was high and the drying suitability was poor. On the other hand, the balance of ink B was suitable.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, the aroma-free vegetable oil ink of the present invention is an ink using a low aromatic solvent and a regenerated vegetable oil having an aromatic component content of 1% by weight , and is composed of a conventional aromatic petroleum solvent. Compared with ink, the use of a low aromatic solvent provides a good printing environment with less danger of air pollution and less odor.
[0055]
In addition, the aroma-free vegetable oil ink of the present invention can reduce emission of volatile organic compounds by using vegetable oil, compared with conventional inks using petroleum solvents. Less dust scatters, improves work efficiency, helps prevent pollution such as generation of photochemical smog and greenhouse phenomenon, and is effective as an environmentally friendly ink, and also performs ink cleaning work after printing operation There is an easy effect.
[0056]
In addition, vegetable oil has biodegradability when discarded, has excellent deinking properties from printed paper, and has other advantageous effects such as easy reprocessing of printed matter into recycled paper.
[0057]
The aroma-free vegetable oil ink according to claim 1 of the present invention uses a reprocessed vegetable oil, so that the raw material cost is lower than that of using a virgin vegetable oil, and also from the viewpoint of resource reuse. It is possible to obtain ink with further environmental measures, and the use of a low aromatic solvent has the effect of producing a good printing environment with less risk of air pollution and less odor. The
[0058]
In addition, the aroma-free vegetable oil ink according to claim 1 removes the moisture of the vegetable oil in the regeneration process, and the water content is adjusted to 0.3% by weight or less, so that the emulsification of the ink such as salt contained in the moisture is performed. Impurities that affect the water can be removed, and reprocessing can be easily performed at low cost, making it cheaper than using virgin vegetable oil, and more environmentally friendly ink in terms of resource reuse. In addition, the use of a low-aromatic solvent exhibits the action and effect that there is less risk of air pollution and a good printing environment with less odor.
[0059]
In addition, the aroma-free vegetable oil ink according to claim 1 can be made dry when used in ink by regenerating it with an iodine value of 100 or more, thus improving the printing work efficiency. In addition, it becomes cheaper than using virgin vegetable oil, makes it possible to obtain ink that is more environmentally friendly from the viewpoint of resource reuse, and uses a low aromatic solvent. Therefore, the action and effect of obtaining a good printing environment with less risk of air pollution and less odor are exhibited.
[0060]
In addition, the aroma-free vegetable oil ink according to claim 1 is emulsified when the acid value of the regenerated vegetable oil to be used is made low by selecting and regenerating a vegetable oil having an acid value of 3 or less. Therefore, it is possible to obtain a good printability, and it is cheaper than the use of virgin vegetable oil, and more environmentally friendly from the viewpoint of resource reuse. In addition, the use of a low-aromatic solvent exhibits the action and effect that there is less risk of air pollution and a good printing environment with less odor.
[0061]
Next, since the aroma-free type vegetable oil ink according to claim 2 is converted into an ink using a vegetable oil obtained by regenerating a vegetable oil used in the production of food and drink, it is possible to produce a cheaper ink than using a virgin vegetable oil. In addition, from the point of reusing resources, it is possible to obtain a printed material with further environmental measures.
[0062]
Next, since the printed matter using the aroma-free type vegetable oil ink according to claim 3 is applied to the printed matter, the printed matter using the vegetable oil that is biodegradable to the soil when discarded is used. Since it is easy to dispose of the paper and is excellent in deinking from the printing paper, the function and effect of enabling easy reproduction processing of the printed matter to the recycled paper are exhibited.

Claims

A vegetable oil having an acid value of 3 or less, a vegetable oil regenerated with a water content of 0.3% by weight or less and an iodine value of 100 or more, and a boiling point range of 230 to 330 ° C. and a 50% by weight fraction of 245 to 310 ° C. An aroma-free regenerated vegetable oil ink comprising a solvent having an aniline point of 75 to 95 ° C., a naphthene content of 50% or more and an aromatic component content of 1% by weight or less.

The regeneration process was vegetable oil, food aroma-free reproduction vegetable oil ink of claim 1, wherein the vegetable oil is a reproduction processing vegetable oil used in the manufacture of.

A printed matter, which is printed using the aroma-free regenerated vegetable oil ink according to claim 1 or 2 .