JP4346809B2 - 電子透かし情報検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル画像に著作者や利用者等の電子透かし情報を読み出すための電子透かし情報検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータを利用したマルチメディア情報処理技術の進展により、いわゆるディジタル著作物の保護の重要性が増してきている。ディジタル著作物の保護のため、著作物の不正利用を防止する手段として、電子透かしの技術がある。電子透かし技術によって、ディジタル著作物である電子画像に透かし情報を埋め込んだ電子透かし画像を販売等するとともに、検査対象画像から、透かし情報に相当する情報を抽出し、販売時に埋め込んだ透かし情報と比較することで、ユーザの不正行為を発見・対処することができる。
【0003】
電子透かし技術の基本方式の一つとして、画像データを直交変換等することによって周波数成分に変換し、特定の周波数成分に透かし情報を埋め込む方式がある。周波数変換には、FFT(Fast Fourier Transform)やDCT(Discrete Cosine transform)等が利用される。
【0004】
また、電子透かし技術における別の側面において、データを複数の小さな画素ブロックに分割して各ブロックに透かし情報を埋め込む技術(以下、ブロック分割法と呼ぶ)がある。この技術は、画像データをN×N画素サイズの複数の小さな単位画素ブロックに分け、この単位画素ブロックと同じブロックサイズの透かし情報を足し合わせるようにしている。これによれば、画像データの一部を切り出してもその大きさが単位画素ブロックより小さくない限り透かし情報が残る。再生側においては、埋め込まれたデ−夕が同様の単位画素ブロックに分けられ、単位画素ブロック毎に透かし情報が検出され解読される。
【0005】
図1を用いて上記のブロック分割法について説明する。図1は周波数変換後の画素ブロックの状況と、そこに追加される透かし情報の関係について表している。すなわち、(a)に示すN×N画素サイズの透かし情報を、(b)に示すようにN×N画素毎に画像に埋め込む。なお、(b)を拡大した図が(c)である。
【0006】
画像をブロック分割し周波数領域に情報を埋め込む電子透かし技術には、一つの問題がある。すなわち、画像に小さい幾何学的変化があっても、その変化が周波数成分に大きく影響することである。この問題点について次に説明する。
【0007】
一例として、32×32単位のブロックに分割され、それらのブロックの周波数領域に変換される画像について考えることにする。ここで、画像のサイズが1/32だけ拡大されたとすると、元の各32×32画素ブロックは33×33ブロック画素の集合に拡大される。拡大されたすなわち寸法を変えられた画像を再び32×32ブロックに分割し、かつそれらのブロックの対応する周波数成分を計算したとすると、それらの新たに求められた周波数成分は、通常、元の寸法を変えられていない周波数成分と大きく異なる。その結果、電子透かし検出に失敗する場合が多い。
【0008】
図2は画像の拡大をしたときの拡大前後におけるブロックサイズ間の関係を示す図である。左側の(a)は拡大する前の画像、右側の(b)は拡大後の画像を示す。(b)の図の点線は拡大前のブロックサイズを示し、太線は拡大後の画像の画素中における、拡大前のブロックの境界を示している。
【0009】
従来の方法では、拡大後の画像に対して点線のブロックサイズで検出をするが、拡大前のブロック境界は既に元のブロックサイズの位置にはないため、透かし情報の検出に失敗する。
【0010】
さて、従来の電子透かし技術において雑音に対する耐性を上げるために、透かしデータを信号に挿入する際、スペクトル拡散をする方法がある。その原理は、透かしデータに対して擬似乱数を掛けてスペクトルを一様にし、画像または音声等のデータに加えるものである。これにより、画像または音声等の情報の中で透かし情報スペクトルは一様に広がり、ホワイトノイズ化する。このスペクトル拡散による方法は「特開平9−191394」に開示されており、これにより落書き階調変換等の雑音に対する耐性を上げることができる。しかし、この方法でも拡大・縮小等の幾何学変換に対する耐性に問題がある。
【0011】
本発明の実施例ではスペクトル拡散を利用した電子透かし技術を対象としているので、次に、スペクトル拡散を利用した従来の電子透かし技術について説明しておく。
【0012】
スペクトル拡散には2種類の方式があり、それぞれ「直接拡散方式」、「周波数ホッピング方式」と呼ぶ。本発明の実施例では直接拡散方式を使用するので、以下、直接拡散方式について説明する。
【0013】
直接拡散方式は、拡散したい情報に対して擬似乱数系列を直接掛け合わせることによって拡散する。擬似乱数系列としては以下に表すような特徴を持つM系列を使用する。
【0014】
1. 1周期中の0と1の発生確率が一定である。必ず0が1つだけ少ない。
【0015】
2. 0または1の出現に規則性がない。
【0016】
3. 電力スペクトル分布が熱雑音と同じ。
【0017】
4. M系列の自己相関係数の波形は「インパルス関数」によく似ている。
【0018】
直接拡散方式による電子透かし埋め込み方式では、M系列の持つ自己相関係数のインパルス関数性を利用している。すなわち、nビットのM系列は最大2n−1の周期を持ち、M系列の1周期中、1周期に満たない長さの位相の異なる部分系列を持ってきたとするとその二つの部分系列の相関係数はほぼゼロであり、位相が同じ場合のみ有意な値をとる。
【0019】
例えば、あるM系列から持ってきた部分系列が「1001010101100011」であったとする。また別の位相から持ってきた部分系列が「0010111101001010」であったとする。この場合、相関係数に相当する相関係数(絶対値が1に収まるように正規化した相関係数)は
【0020】
【数1】
で求めることができる。この場合は、
【0021】
【数2】
となる。同じ部分系列同士の相関係数は当然1となる。
【0022】
M系列を使用して電子透かしを埋め込む方法を次に説明する。
【0023】
まず、M系列中初期の位相がどこであるかを指定する透かし鍵を用意する。埋め込む透かし情報をP進数に基底変換し、各桁の値をSkとする。次に画像を周波数変換した領域の中から図3のように埋め込む領域を中周波数領域から選びだす。
【0024】
低周波数は視覚的に重要な領域のため、透かし情報を埋め込む程度の変化でも、画像に変化を与えるため、埋め込み対象から排除する。また、高周波数領域は画像の非可逆圧縮時に冗長部分として削除されるため、埋め込み対象から排除する。こうして選び出された埋め込み領域に入る成分数、すなわち部分系列の長さをLとする。
【0025】
透かし情報としてk個の記号情報を埋め込む場合、図4に示すように、透かし鍵によって指定された初期位相からS0ビット離れた位置から始まるLビットの長さを持つ部分系列を選び出す。次に初期位相+P+S1ビット位置から始まるLビットの長さを持つ部分系列を選び出す。この手順を透かし情報の桁数(k個)だけ繰り返す。こうして、透かし情報の桁数個の部分系列の組が選び出される。
【0026】
次に、全ての系列を加算し、平均が0になるようにシフトする。その後画像の周波数成分に重畳する。このようにして電子透かしが埋め込まれる。
【0027】
電子透かしの検出時には逆拡散を行い、擬似乱数と画像の周波数成分から計算される相関係数を計算する。擬似乱数の位相をずらしつつ擬似乱数と画像の周波数成分から相関係数を計算する。相関係数が事前に用意した閾値を超えた場合、その位置に対応するSkが埋め込まれているとする。
【0028】
スペクトル拡散を利用した電子透かしの埋め込み・検出はこのようにして行われる。
【0029】
更に、従来の電子透かし技術の一つに画像の切り取り耐性を向上させる方法がある。「中村・小川・富岡・高嶋:“電子透かしにおける平行移動・切り取り耐性向上の一手法”、SCIS1999、pp.193−198」によれば、平行移動に伴う係数の位相差を考慮して読み取ることにより、画像の平行移動や一部切り取りに対する耐性を向上する方法が提案されている。しかしながら、この手法においても幾何学変換に対する耐性に問題がある。
【0030】
更に、拡大・縮小された電子透かし埋め込み済みの透かし情報を検出する方法の一つに、コンピュータのメモリ上で画像を徐々に拡大・縮小しつつ、その1段階毎に埋め込み時のブロックサイズで検出をする方法がある。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
拡大・縮小等の幾何学的座標変換を施した画像に対して、従来の方法では変換済みの画像に対して元画像と同縮尺のサイズに戻すことによって透かし情報を検出してきた。しかし、ユーザー側の変換によって透かし情報が劣化している上に、検出時の幾何学変換による透かし情報の劣化が上乗せされるため、透かし情報を精度よく検出することができなかった。
【0032】
本発明は上記の点に鑑みてさなれたものであり、直交変換によって得られる周波数成分値に電子透かし情報を埋め込んだディジタル画像に対して拡大・縮小による変換が行われても、変換済みの画像自体には幾何学変換をすることなく、埋め込まれている電子透かし情報を確実にかつ迅速に読み出すことができるようにすることを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は次のように構成することができる。
【0034】
請求項1に記載の発明は、画像をあるブロックサイズに分割し、各ブロック毎の周波数成分を求め、該各ブロック毎の所定の周波数成分値に電子透かし情報を埋め込んだ元画像を拡大又は縮小した変換画像から該電子透かし情報を検出する電子透かし情報検出方法において、前記変換画像を入力する入力ステップと、所定のブロックサイズで該変換画像を分割し、電子透かし情報検出のための処理を行う検出ステップと、電子透かし情報が検出されなかった場合に前記所定のブロックサイズを変更する変更ステップと、前記検出ステップ及び変更ステップを、電子透かし情報が検出されるまで又はブロックサイズが所定の範囲を網羅するまで行う探索ステップと、電子透かし情報が検出された場合に該電子透かし情報を出力する出力ステップとを有する。
【0035】
本発明によれば、検出時のブロックサイズを変化させながら透かし情報を取得することとしたので、変換画像自体には幾何学変換をすることがなくなり、変換画像を徐々に拡大・縮小しつつ埋め込み時のブロックサイズで検出をする従来方法に比べて透かし情報の劣化を削減でき、透かし情報を精度よく検出することができる。また、変換画像を拡大・縮小する処理を行わないので、迅速に透かし情報を検出することができる。
【0036】
請求項2に記載の発明は、請求項1の記載において、前記探索ステップにおいて、予めサーチ倍率及びサーチ範囲を指定し、該サーチ倍率及びサーチ範囲で特定される範囲でブロックサイズを変更する。
【0037】
本発明によれば、効率良く探索を行うことが可能となる。
【0038】
請求項3に記載の発明は、請求項1の記載において、前記変換画像が元画像を縦方向にβ倍、横方向にα倍したものである場合、前記所定のブロックサイズを縦方向にβ倍又はα倍、横方向にα倍又はβ倍したブロックサイズを用いて前記検出ステップを行うことにより前記電子透かし情報を検出する。
【0039】
本発明によれば、請求項1の効果に加え、変換画像の変換倍率が判明している場合には迅速に透かし画像を検出することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0041】
本発明の一実施例における電子透かし装置は、下記の手順の処理を実行するプログラムを搭載したコンピュータシステムにより実現できる。また、図5に示すように、電子透かし情報検出処理等のためのDSP(digital signal processor)を備えた装置を使用することもできる。図5に示す装置は、データの入出力を行う入出力部1、電子透かし情報検出処理等のためのDSP2、データやプログラムを記憶する記憶部3、全体の制御を行うCPU4を有し、それらがバス5により接続される。
【0042】
以下、フローチャートを参照して本発明の一実施例における電子透かし装置の動作を説明する。
【0043】
まず、図6、図7を用いて本発明の電子透かし検出の対象となる電子透かしの埋め込み処理について説明する。この埋め込み処理方法は従来の技術と同様である。
【0044】
図6に示すように、まず、元になる画像、透かし情報、及び透かし鍵を入力する(ステップ1)。続いて、それらの情報を基に埋め込み処理を行い(ステップ2)、電子透かし画像を出力する(ステップ3)。その画像は、例えば第3者に販売される。また、上記の透かし情報は例えば2進数で64ビット程度の情報であり、透かし鍵は電子透かし埋め込み時の擬似乱数生成に関する数字である。
【0045】
図7に埋め込み処理の詳細フローを示す。まず、入力した画像をM×Mのブロックサイズに分割する(ステップ11)。続いて、透かし鍵を元に擬似乱数列を生成し(ステップ12)、その擬似乱数列を元に透かし情報を拡散する(ステップ13)。このとき、拡散する周波数帯を基本周波数に近いものに限定する。これは、画像圧縮・画像縮小時に高周波数帯の情報が欠落してしまうためである。続いて、拡散された透かし情報を実空間に戻すため逆フーリエ変換し(ステップ14)、実空間で表現された透かし情報を元の画像に加算する(ステップ15)。この処理により、透かし情報埋め込み済の画像が生成される。
【0046】
次に、上記の処理により埋め込まれた透かし情報の検出処理について図8のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
まず、透かし情報検出の対象となる画像と透かし鍵を入力する(ステップ21)。この透かし鍵は埋め込み時と同じものを使用する。次に、その透かし鍵を用いて検出処理を行い(ステップ22)、透かし情報が検出されれば透かし情報を出力する(ステップ23)。
【0048】
これにより検出された透かし情報と埋め込み時に使用した透かし情報を比較することで、その画像がオリジナルの画像から不正に改竄/転売/譲渡等されたものであるかどうかを判定する。
【0049】
次に、上記の検出処理(ステップ22)について図9のフローチャートを用いて詳細に説明する。本発明ではサーチ倍率、サーチ範囲を用いてブロックサイズを変更しながら検出処理を行う。
【0050】
まず、画像分割に用いるブロックサイズの初期値、サーチ倍率、サーチ範囲を入力する(ステップ31)。これは操作者がその値をキーボード等から入力することにより行う。次に、ブロック単位を決定する(ステップ32)。決定の方法は後述する。ここで決定されたブロックサイズをNα、Nβとする。Nαは縦方向のブロックサイズであり、Nβは横方向のブロックサイズである。なお、ここでの縦、横は位相空間中の表現であり、実際の画像の縦、横には対応しない。
【0051】
次に、ブロックサイズNα、Nβに従い、画像をブロック分割し(ステップ33)、画像の切り取り位置を検索する(ステップ34)。切り取り位置の検索は、例えば、「中村・小川・富岡・高嶋:“電子透かしにおける平行移動・切り取り耐性向上の一手法”、SCIS1999、pp.193−198」に記載された方法を用いることができる。この方法は、フーリエ変換の平行移動に伴う係数の位相差を考慮する方法であり、その概要を次に説明する。
【0052】
透かしパターンの開始座標から(Ox,Oy)だけオフセットした位置からNα×Nβのブロック画像を切り出して、離散フーリエ変換して得られる係数行列をF(u,v)とする。埋め込み処理によって変更された係数W(un,vn)の次数と同じ次数の係数F(un,vn)に注目すると、フーリエ変換の平行移動に関する性質から、
【0053】
【数3】
となり、係数の次数とオフセットに応じた位相差が生じている状態になる。この位相差を考慮して透かし情報の検出を行うため、まず、切り出されたNα×Nβ画素のブロック画像を離散フーリエ変換する。この時点ではブロック切り出し位置が埋め込み時の透かしパターンの位置からどれだけ移動したものかわからない。そこで、取りうる全ての移動位置のオフセット候補について上記の式から算出される位相差を用いて検出対象系数値の値を修正して検出対象系列を作成し、鍵情報から生成される擬似乱数列で逆拡散して各オフセット候補毎のレスポンス値(擬似乱数系列の初期位相と画素データとの相関係数を正規化したもの)を求める。レスポンス値にピークが現れたときのオフセット候補が実際のオフセットである。さらにこのときの検出対象系列から埋め込んだ透かし情報を検出する。
【0054】
続いて、シンボル値(擬似乱数列と、画素データとの相関値の各文字に対するピーク)を計算し(ステップ35)、そのシンボル値を検証する(ステップ36)。シンボル値の最大値が事前に指定した閾値を超えている場合、検出成功とみなして透かし情報を出力する(ステップ37)。シンボル値の最大値が閾値を超えていない場合、ブロックの探索範囲を網羅したかどうかを判定する(ステップ38)。ブロックの探索範囲を網羅している場合、電子透かしの検出に失敗したとして処理を終了し、網羅していない場合、ステップ32に移り新しいブロックサイズを決定して処理を続ける。
【0055】
上記のように、本発明における電子透かし情報検出方法は、ブロックサイズを変化させながら電子透かしを検出する。ブロックサイズを変化させる方法の詳細を次に説明する。
【0056】
電子透かしの埋め込まれた画像の拡大・縮小はX方向にα倍、Y方向にβ倍で行われるものとする。実際にはαはコンピュータで表現できる程度の精度を持つ実数である。このα、βをサーチにより決定するが、全ての範囲をサーチするのは効率が悪いので、サーチ倍率Bとサーチ範囲Cを予めユーザが指定し、α、β各々につきサーチ倍率Bとサーチ範囲Cで変化させることによりサーチを行う。B、Cの単位は、元の画像サイズに対するパーセンテージとし、例えばBが150%、Cが20%だった場合、サーチ範囲は130%〜170%までとなる。従って、対象画像の元の画像に対する拡大率がこの範囲内にあったならば電子透かしの検出に成功し、範囲以外ならば検出に失敗することになる。なお、B、CはX方向、Y方向各々別個に設定することもできる。
【0057】
サーチ倍率Bは視覚的に判断できるため、実際の倍率に近い値を指定することが期待できる。そこで、例えば、サーチはサーチ倍率Bからはじめ、徐々にサーチ倍率から離れていくようにすれば、比較的早い段階で実際の倍率に近い値に当たることが期待できる。
【0058】
実際のブロックサイズは32〜128程度の整数であり、例えば基本ブロックサイズが64でサーチ倍率が200%、サーチ範囲が20%だった場合、ブロックサイズは128、129、127、130、126‥‥、140、115の順番でサーチするようにする。
【0059】
従って、図9のステップ38における判断、及びステップ32におけるブロック単位の決定は例えば次のようにする。
【0060】
ステップ38では予め設定したM、B、CからM×(B+C)/100を計算し、Nα、Nβと比較する。Nα、Nβ両方ともM×(B+C)/100を超えていた場合には検出に失敗したとして処理を終了する。超えていない場合にはステップ32に移る。
【0061】
ステップ32でブロック単位を決定する場合、最初はNα←M、Nβ←Mとし、次回からのループではNα←M×(B+(‐1)i[i/2]+1)、Nβ←M×(B+(‐1)j[j/2]+1)とする。ここで使用している[]はガウス記号である。i、jはループのためのインデックスで各々1〜2Cまでの範囲を移る。jがiのループの内側に入るようにする。
【0062】
なお、ブロックサイズの変化のさせ方は上記の方法に限られず、所定の範囲を網羅できれば他の方法でもよい。
【0063】
次に、拡大・縮小の倍率と同倍率でブロックサイズを変化させると、透かし情報が検出できる理由を説明する。ここでは簡単化のためα、βは自然数であるとする。
【0064】
画素空間での1ブロックの要素をAn,m(Mを埋め込み時に使用したブロックサイズとすると、n,mはそれぞれ1からブロックサイズMまでの整数である)と表現し、周波数空間の1ブロックの要素をan,mと定義する。次に2次元のフーリエ変換と逆フーリエ変換を以下のように定義する。
【0065】
【数4】
拡大後の画像を
【0066】
【数5】
とするとその要素は
【0067】
【数6】
のように変化するものとする。この行列を数式で表現すると
【0068】
【数7】
となる。この式の中で[]は、整数部分を取得するガウス関数である。ここで得られた
【0069】
【数8】
をX方向にα倍、Y方向にβ倍したブロックサイズでフーリエ変換した結果、
【数9】
は次のように表現される。
【0070】
【数10】
以上の式をまとめると最終的に
【0071】
【数11】
となる。k,jの範囲はそれぞれ0〜βM−1、0〜αM−1である。よって、縦にβ、横にα倍に拡大した画像を、縦にβ倍、横にα倍又は縦にα倍、横にβ倍(縦、横の関係はフーリエ変換の順番で異なる)にしたブロックサイズを用いて検出をすると、正しく元の周波数成分を取り出すことができる。従来の方法で検出に失敗していたのは、元の周波数成分を取り出すことが出来なかったためである。元の周波数成分を取り出すことが出来れば、透かし情報を検出することが可能になる。このことは、電子透かしの埋め込み、検出方法に依存しない。
【0072】
上記の説明ではα、βを自然数としたが、これらを実数に変えることで、任意サイズの拡大・縮小に対する検出が可能になる。ただし、実数を実際の画素に反映するときに生じる量子化誤差が含まれる場合がある。
【0073】
本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。
【発明の効果】
本発明によれば、拡大・縮小の幾何学的改変を受けた電子透かし情報埋め込み済みの画像を検出する際に、検出時のブロックサイズを変化させながら透かし情報を取得することとしたので、画像を徐々に拡大・縮小しつつ埋め込み時のブロックサイズで検出をする従来方法に対して次の優位点がある。まず、上記従来技術ではコンピュータ内部で拡大・縮小をすることにより量子化・離散化誤差が生じて元の情報を減少させることがあることに対し、本発明ではそのような処理を行わないため、元の情報を減少させることがない。また、上記従来技術では内部で拡大・縮小するために一時的にメモリ容量を確保しなければならないことに対して、本発明ではその必要がない。更に、上記従来技術では内部での拡大の際に中央処理装置(CPU)の演算資源を使用することに対して、本発明ではその必要がない。従って、本発明では高速に処理を行うことが可能となる。
【0074】
以上説明したように、本発明によれば、電子透かし情報が埋め込まれているディジタル画像に対して拡大・縮小が行われても、埋め込まれた電子透かし情報を確実にかつ迅速に読み出すことができるようになる。
【0075】
【図面の簡単な説明】
【図1】ブロック分割法を説明するための図である。
【図2】画像の拡大をしたときの拡大前後におけるブロックサイズ間の関係を示す図である。
【図3】 電子透かし情報を埋め込む領域を説明するための図である。
【図4】M系列から部分系列の組が選び出す方法を説明するための図である。
【図5】 電子透かし装置の一例を示す図である。
【図6】電子透かし情報検出の対象となる電子透かし情報の埋め込み処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】埋め込み処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】電子透かし情報検出処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】電子透かし情報検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 入出力部
2 DSP
3 記憶部
4 DSP
5 バス
Claims (3)
- 画像をあるブロックサイズに分割し、各ブロック毎の周波数成分を求め、該各ブロック毎の所定の周波数成分値に電子透かし情報を埋め込んだ元画像を拡大又は縮小した変換画像から該電子透かし情報を検出する電子透かし情報検出方法において、
前記変換画像を入力する入力ステップと、
所定のブロックサイズで該変換画像を分割し、電子透かし情報検出のための処理を行う検出ステップと、
電子透かし情報が検出されなかった場合に前記所定のブロックサイズを変更する変更ステップと、
前記検出ステップ及び変更ステップを、電子透かし情報が検出されるまで又はブロックサイズが所定の範囲を網羅するまで行う探索ステップと、
電子透かし情報が検出された場合に該電子透かし情報を出力する出力ステップと
を有することを特徴とする電子透かし情報検出方法。 - 前記探索ステップにおいて、予めサーチ倍率及びサーチ範囲を指定し、該サーチ倍率及びサーチ範囲で特定される範囲でブロックサイズを変更する請求項1に記載の電子透かし情報検出方法。
- 前記変換画像が元画像を縦方向にβ倍、横方向にα倍したものである場合、前記所定のブロックサイズを縦方向にβ倍、横方向にα倍又は縦方向にα倍、横方向にβ倍したブロックサイズを用いて前記検出ステップを行うことにより前記電子透かし情報を検出する請求項1に記載の電子透かし情報検出方法。
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