JP4341141B2 - 人体洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体に温水を浴びせる人体洗浄装置に関する。特には、様々な改良を加えた温水器を備える人体洗浄装置に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
局部洗浄装置等の人体洗浄装置の温水供給手段の一種に、セラミックや金属等で作られた管内を流れる流水を、管外面に配置したヒータ等で所定の温度に加熱する加熱器がある。このような加熱器は、基材パイプを有し、同基材パイプの外表面上に、絶縁層、ヒータエレメント、絶縁保護層からなる層構造のヒータ部が形成されている。
【0003】
基材パイプは、例えば厚さ0.5mm程度のステンレス鋼パイプを用いる。同基材パイプ上には、絶縁ガラスからなる絶縁層が形成されている。絶縁層上には銀パラジウム等の発熱抵抗体が形成されている。同発熱抵抗体の表面は、絶縁ガラスからなる絶縁保護層で保護されている。発熱抵抗体の両端部は絶縁保護層の外部に位置し、銀等で作られた電極となって端子を形成している。この端子間に電圧を印加すると、発熱抵抗体が発熱し、基材パイプ内を流れる流体を加熱する。
【0004】
上述の加熱器においては、ステンレス製の金属基材パイプは、厚さが0.5mm程度であり、熱抵抗が小さいため、発熱抵抗体の熱量はパイプ内孔を流れる水に伝わりやすい。そして、この熱の伝達率は流水本体の熱伝達率に大きく依存する。
【0005】
ここで、基材パイプ中孔を流れる水が層流の場合は、ヒータ(基材パイプ内面)と接触する水はほぼ一定の部分である。このため基材パイプ内面との接触部で水の局部加熱が起こり、また、パイプの断面中心付近を流れる水に熱が伝わりにくく、熱伝達率は上がりにくい。したがって、熱伝達率を向上させるには、流水が基材パイプ内面と接触する時間を長くするか、基材パイプ内の流水に何らかの手段により乱流を起こさせて、流水全体を撹拌して熱を伝えて熱伝達率を向上させることが必要である。
【0006】
近年、局部洗浄装置は一層の小型化が図られており、局部洗浄装置に使用される加熱器も小型で高い熱伝導率を有するものが必要とされている。
【0007】
一方、上述のステンレスヒータは、発熱抵抗体の表面温度が170℃程度に達すると、沸騰音が発生する場合がある。これは、流水の局部加熱によるためであり、局部洗浄装置の使用者に不快感を与えるものである。したがって、ヒータと流水間の熱伝達率を向上させて、ヒータの表面温度を沸騰音が発生しない程度に抑えることが必要である。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、小型で高い熱伝達率を有する加熱器(温水器)を有する人体洗浄装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の人体洗浄装置は、 冷水を加熱して温水を生成する温水器と、 生成された温水を人体に浴びせるノズルと、 を備える人体洗浄装置であって、 前記温水器が、 内孔に水の流れる流路を有する円筒状の金属基材パイプと、 前記金属基材パイプの外表面に絶縁ガラスからなる絶縁層を介し形成された、端子間に電圧を印加することにより発熱する発熱抵抗体と、 前記金属基材パイプの内孔に配置された、内孔に流れる水の流速を早くする中子と、を備え、 前記発熱抵抗体が形成された前記金属基材パイプの内孔に位置する部分の中子の形状が螺旋形であるとともに、中子螺旋形の部分の長さが前記発熱抵抗体が形成された金属基材パイプの部分の長さよりやや長く、 前記中子は、軸の外周面の一部に前記金属基材パイプの長さ方向に沿って螺旋状にねじ山が形成されたことを特徴とする。
ここで、パイプヒータの断面積は、流路の断面積を狭くするための加工等を施さない場合の仮想的なパイプヒータの断面積を示す。
【0010】
パイプヒータの内側に、らせん状、蛇行状等の流路を形成して、流水の流路をパイプヒータの外形的な長さよりも長くしたことによって、パイプヒータの内面と接触する距離が長くなって熱伝達距離が長くなる。さらに、流路の断面積を狭くしたことにより、流路を流れる水の速度が上昇し、熱伝達率を向上させることができる。このため、ヒータの表面温度が過度に上昇することがなく、沸騰音が発生しない。また、筒状の電気加熱部材による加熱であるため熱応答性がよく、温度制御が容易となる。したがって、洗浄装置使用開始後の洗浄水の温度の立ち上がりが早いため、温水供給初期のヒヤリ感が少ない。また、温度応答性が良いので、マッサージ用の温冷制御等が容易となる。さらに初期の捨て水の量が減り、待ち時間が短縮される。
【0011】
本発明の他の態様の人体洗浄装置は、 冷水を加熱して温水を生成する温水器と、 生成された温水を人体に浴びせるノズルと、を備える人体洗浄装置であって; 前記温水器が、内孔に水の流れる流路を有する管状の電気加熱部材(パイプヒータ)を具備し、該パイプヒータの内孔中央部を塞ぐ部材が設けられており、前記流路が前記パイプヒータ内面に沿う部分に限定されていることを特徴とする。
パイプヒータ内に内孔中央部を塞ぐ部材を設け、流路をパイプヒータ内面に沿って形成したことで水の流速が早くなるため、熱伝達率をより向上させることができる。
【0012】
以上の態様においては、 前記パイプヒータが、金属製の基材と、該基材の上に層状に形成されたヒータ層と、を有することとが好ましい。金属製とすることで基材の厚さを薄くすることができ、電気加熱制御の応答性も速くなる。このため、温度差の大きい温冷制御が容易となる。
【0013】
さらに、 前記パイプヒータの長手方向の限定された部分にのみ加熱部が形成されており、同加熱部における前記流路の断面積が、他のパイプヒータの部分の断面積の1/2以下であることが好ましい。加熱部のみを狭くすることで、不必要な圧力損失を起こさずに流速を上げることができる。
【0014】
さらに、 前記流路が、該流路の長さ方向に沿ったらせん形であることとしてもよい。らせん形とすることにより、流路の長さをパイプヒータの長さの2〜5倍にすることができる。このため、流速が早くなり、熱伝達率も向上する。さらに流水に遠心力が作用して気泡が内側に移動し伝熱面(ヒータとの接触面)に気泡がなく、乱流がさらに促進されて熱伝達率がより向上する。
【0015】
また、 前記流路が、複数の流路への分岐と合流を繰り返す形状であってもよい。あるいは、 前記流路が、該流路の断面積が大きい部分と小さい部分が交互に形成されていることとしてもよい。このような形状とすることで乱流がさらに促進される。
【0016】
また、 前記流路が、前記パイプヒータの発熱抵抗体の配設パターンと合致した形状であることとしてもよい。発熱抵抗体の配設位置を選択し、流路をこの位置と合致した形状とすることで、効率的に熱を伝えることができる。さらに、流水から気泡が滞留し易い部分(重力方向で上側)に発熱抵抗体を配設しない(流路も設けない)場合は、沸騰音の発生をより抑制できる。
【0017】
さらに、 前記パイプヒータの表面温度が160℃以下であることが好ましい。熱伝達率が上がることなり、さらに沸騰音の発生を確実に防ぐことができる。
【0018】
さらに、 前記流路を流れる流体の速度が0.2m/s以上であることが好ましい。局部加熱を防ぎ、沸騰音の発生を抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の1実施例に係る人体洗浄装置に使用される温水器の構造を示す側面断面図である。
この温水器1は、円筒状の基材パイプ3と外筒5からなる二重管構造を有している。基材パイプ3の外面の一部にはヒータ部7が設けられている。また、基材パイプ3の内孔9にはらせん中子11が挿入されている。
【0020】
基材パイプ3は、ステンレス鋼やアルミニウム、銅等の熱伝導性の高い材料で作られ、流水が流れる内孔9を形成している。同基材パイプ3の外面の一部には、ヒータ部7(詳細後述)が印刷形成されている。基材パイプ3上のヒータ部7が設けられている部分の外側には、外筒5がヒータ部7を取り囲むように設けられている。このように構成された加熱器1は、局部洗浄装置に適用される場合、基材パイプ3の径が5〜10mm、外筒5の径が9〜16mm程度の大きさを有する。
【0021】
基材パイプ3の内孔9にはらせん中子11が挿入されている。らせん中子11は金属や耐熱樹脂等で作製され、軸15の外周面の一部に、軸15の長さ方向に沿ってらせん状にねじ山17が形成されたものである。このねじ山17間が流水の流路19となる。一例として、軸15の径は5mm、ねじ山17が形成された軸15の径は9mm、流路19のピッチは3mm、流路19の幅は2mm、ねじ山17の高さは2mmである。ねじ山17が形成された部分の長さは、基材パイプ3上にヒータ部7が形成された部分の長さよりやや長くなっている。ねじ山17の外径は、らせん中子11が基材パイプ3の内孔9に挿入されたとき、ねじ山17の先端がパイプ内面に略接触する程度に設定されている。これにより、流路19は、ねじ山17とらせん中子11の軸15、さらに基材パイプ3の内面に囲まれた断面の流路19となる。この流路19は、軸15の長さ方向に沿って延びるらせん形流路である。この流路19は、らせん中子11が挿入されていない場合の流路の長さより長く、らせん中子11が挿入されていない場合に比べて流水がヒータ部7と接触する距離が長くなる。さらに、流路19の断面積は基材パイプ3の断面積よりも狭いため、流水の速度はらせん中子11を挿入していない場合よりも早くなる。
【0022】
外筒5は金属や樹脂で作られる。外筒5と基材パイプ3は同心円上に配置され、ブッシュ13とOリング29によって基材パイプ3に取り付けられている。基材パイプ3の外面と外筒5の内面間の距離は、基材パイプ3の軸方向に沿って一定である。一例でこの距離は1〜3mmが好ましい。ここで、基材パイプ3と外筒5の間の空間は空気からなる断熱層21が形成される。つまり、ヒータ部7が作動し、ヒータ部7自身及びヒータ部7が設けられている基材パイプ3が高温になっても、この熱量は断熱層で隔離されて外筒5に伝達されにくい。このため、外筒5が過度に温度上昇することを防ぐことができる。
【0023】
図2は、図1の温水器に使用されるヒータ部の構造を模式的に示す断面図である。
このヒータ部7は、通水面側22からステンレス製の金属基材パイプ3、絶縁層23、発熱抵抗体25、絶縁保護層27からなる層構造を有する。
【0024】
この例では、金属基材パイプ3は、厚さ0.3mmのステンレス(例えばSUS304又はSUS444グレード)を使用している。同基材パイプ3上には、ステンレスと同程度の熱膨張率の絶縁ガラス(例えばDUPONT社製Microcircuit MaterialのGLAZE3500N)からなる絶縁層23がスクリーン印刷等により形成されている。同絶縁層23の厚さは0.1mmである。絶縁層23上には銀パラジウム等の発熱抵抗体25がスクリーン印刷等により形成されている。同発熱抵抗体25の表面は、厚さ0.04mmの絶縁ガラスからなる絶縁保護層27で保護されている。絶縁ガラスは2kV程度の絶縁耐圧を有する。発熱抵抗体25の両端部は絶縁保護層27の外部に位置し、銀等で作られた電極となって端子(図示されず)を形成している。この端子間に電圧を印加すると、発熱抵抗体25が発熱する。
このとき、ヒータ部7の電力密度を20W/cm2以上とすることにより、小型で加熱能力に優れた温水器を供給できる。
また、ヒータ部7には温度検出抵抗体(図示されず)が形成されている。
【0025】
次に、本発明の一実施形態に係る局部洗浄装置について説明する。
図3は、本実施形態に係る局部洗浄装置を示す概略図である。
この局部洗浄装置は、以上で説明したような温水器1を含む。温水器1には給水管41が接続されており、水道水等の水が供給される。供給された水は、温水器において加熱されて局部洗浄用の温水となり、便器に付設された吐水口42(ノズル)から噴射される。局部洗浄用水の水温や水量を制御するため、コントロールパネル43や図示しない回路が設けられている。
【0026】
図4は、図3の局部洗浄装置の回路構成を示すブロック図である。
コントロールパネル43において設定された水温や水量の情報は、制御部44に入力される。制御部44の制御により、ヒータ駆動回路45は、端子を介して温水器1のヒータ部7の発熱抵抗体25に通電する。なお、安全のため、ヒータ部7は、アース端子46を介して接地されている。
【0027】
一方、ヒータ部7に含まれる温度検出用抵抗体47は、端子48を介して温度検出回路49に接続されている。温度検出用抵抗体47は、ヒータ部7の温度に従って抵抗値が変化し、温度検出回路49は、その抵抗値に基づいてヒータ部7の温度を検出する。温度検出回路49が検出した温度の情報は、制御部44に入力される。制御部44は、コントロールパネル43からの入力情報と温度検出回路45からの入力情報とに基づいて、局部洗浄用水の水温や水量を制御する。
【0028】
図5〜図8は、図1の温水器に使用される中子の様々な形状を示す図であり、図5(A)は斜視図、図5(B)は断面図、図6〜図8は側面図である。
図5の中子51は断面が円形の円柱状である。この中子51を、基材パイプ3に挿入すると、中子51の外表面と基材パイプ3の内表面間に環状の流路53が形成される。この流路53の厚さは1mm程度である。流路53を薄い環状とすることにより、断面積が小さくなって流速が早くなるため、熱伝達率をより向上させることができる。さらに、局部加熱が起こりにくく沸騰音が発生しない。
【0029】
図6の中子61は、図1の中子と同様にらせん形に流路が形成されているが、ねじ山17aの幅が厚くなっており、流路19aの断面積が図1の中子より狭い(幅狭単純らせん)。この中子61の流路19aのピッチは2mm、幅は1mm、高さは2mmである。
このような形状とすることにより図1の中子より流速が上がり、熱伝達率がより向上する。
【0030】
図7の中子71は、図1の中子と同様にらせん形に流路19bが形成されているが、流路19bの中央付近に、らせん方向に沿って突起73が設けられている。さらに、ねじ山17bにところどころ突部17cが形成されている。これらの突起73と突部17cによって、並んだ2つの突起73の間で、流路19bが内側に絞られた形状となっている。このような形状によって、流路19bは、突起73の部分で二つに分岐し、絞られた部分で合流する形状となり、この形状が繰り返されている(離合らせん)。
このような形状とすることにより乱流が促進される。
【0031】
図8の中子81は、図1の中子と同様にらせん形に流路19cが形成されているが、流路19cの断面積が大きい部分と小さい部分が交互に繰り返されている(拡縮らせん)。
このような形状にすることにより乱流がさらに促進される。この場合は流路の断面の側面間の距離を変えて拡縮させているが、基材パイプ(流路の底になる部分)に凹部を設けて、断面の上下面間の距離を変えて拡縮させてもよい。
【0032】
図9は、本発明の他の実施例に係る温水器の構造を示す斜視図である。
この例の温水器は、基材パイプ3上に配設された発熱抵抗体25の配置パターンと、中子91の流路93の配置パターンが合致している。つまり、発熱抵抗体25が配置されている部分のみに流路93が形成されており、効率的に熱を伝えることができる。さらに、流水から気泡が滞留し易い部分である重力方向上側に発熱抵抗体を配設しない場合は、流水への熱伝達率をさらに向上させることができる。
【0033】
以下に、中子を使用したときの効果及び中子の形状による熱伝達性を確認した実験の結果を示す。
図10は、流速と発熱抵抗体の平均表面温度との関係を示すグラフである。横軸は流速、縦軸は表面温度を表す。流速は、図1のらせん中子を用いて、ねじ山が形成された部分の軸の径と流路の幅を変える方法を用いた。各流速でのヒータ部の表面温度を放射温度計を使用して計測した。ヒータの電力密度は55W/cm2、通水量は300cc/minである。
このグラフより、流速が早くなるほど表面温度は低下し、ほぼ130℃付近で一定となる。つまり、同じ電力密度でヒータを加熱しても、流速が早くなると、その発熱量がヒータ自身の温度(表面温度)の上昇に向けられるのではなく、ほとんどが流水に伝えられていることとなる。
【0034】
図11は、流速と電力密度の関係から沸騰音の発生域を示すグラフである。横軸は流速、縦軸は電力密度を表す。流速は、図1のらせん中子を用いて、図10の説明と同様に、ねじ山が切られた部分の軸の径と流路の幅を変えて変化させた。各流速でヒータの電力密度を上げていき、沸騰音が発生し始めたときの電力密度をプロットした。グラフ中の実線より上の部分が沸騰音の発生する領域であり、実線より下の部分が沸騰音の発生しない領域である。通水量は300cc/minである。
このグラフから、流速が速くなると沸騰音は発生しにくくなっている。
【0035】
図10、図11より、流速が0.2m/s以上の場合、沸騰音は発生しなかった。したがって、流速を0.2m/s以上とすることで、熱伝達率が大幅に向上し、さらに表面温度は160℃以下となり、沸騰音の発生が抑えられる。また、電力密度が70W/cm2以下で、流速が0.2m/s以上ならば沸騰音は発生しない。このとき、図10のグラフより、電力密度が55W/cm2の場合、表面温度は160℃程度である。
【0036】
図12は、らせん中子の形状による電力密度と表面温度の関係を示すグラフである。横軸は電力密度、縦軸は表面温度を表す。実線はらせん中子の形状が図7に示すもの(離合らせん)、破線は図1に示すもので流路の断面積が広い(単純らせん)である。ここで、離合らせんの流路の平均断面積は11.3mm2、単純らせんの流路の断面積は6mm2である。
各場合において電力密度の上昇とともに表面温度もほぼ同様に上昇している。離合らせんの断面積は単純らせんの断面積の約2倍であり、流速が遅いにもかかわらずほぼ同様の結果が得られる。これは流水の分離と合流の離合効果により乱流が促進されて伝熱効率が上昇したためである。
【0037】
図13は、らせん中子の形状による電力密度と表面温度の関係を示すグラフである。横軸は電力密度、縦軸は表面温度を表す。実線はらせん中子の形状が図6に示すもの(幅狭単純らせん)、破線は図8に示すもの(拡縮らせん)である。らせん中子の幅狭単純らせんの流路の断面積は4mm2、拡縮らせんの流路の平均断面積は5mm2である。
各場合において電力密度の上昇とともに表面温度も上昇している。このとき、拡縮らせんの方が(平均)断面積が大きいにもかかわらず、表面温度が低い。つまり、ヒータの発熱量がヒータ自身の温度上昇でなく、流水に伝達されていることとなり、熱伝達率が上がっている。これは、拡縮らせんの方が乱流が促進されているためである。
【0038】
上述の実験において、部分的な小沸騰や水中に混入した空気の分離等の理由により流水中に気泡が発生した場合は、らせん形の流路を流れる間に気泡が内側に離脱し、気泡が基材パイプの内面と接することがなく、熱伝達率がさらに向上している。
なお、以上の結果は基材パイプが断面が円形の直管である場合について得られたものであるが、基材パイプとして断面が楕円や角形の場合や曲管の場合でも同様な結果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、パイプヒータの熱伝達率を向上させることができ、小型で熱伝達率の高い温水器を提供することができ、この温水器を使用した小型で高効率の人体洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る人体洗浄装置に使用される温水器の構造を示す側面断面図である。
【図2】図1の温水器に使用されるヒータ部の構造を模式的に示す断面図である。
【図3】本実施形態に係る局部洗浄装置を示す概略図である。
【図4】図3の局部洗浄装置の回路構成を示すブロック図である。
【図5】図1の温水器に使用される中子の形状を示す図であり、図5(A)は斜視図、図5(B)は断面図である。
【図6】図1の温水器に使用される中子の形状を示す側面図である。
【図7】図1の温水器に使用される中子の形状を示す側面図である。
【図8】図1の温水器に使用される中子の形状を示す側面図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る温水器の構造を示す斜視図である。
【図10】流速とヒータの表面温度の関係を示すグラフである。
【図11】流速と電力密度の関係から沸騰音の発生域を示すグラフである。
【図12】らせん中子の形状による電力密度と表面温度の関係を示すグラフである。
【図13】らせん中子の形状による電力密度と表面温度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 温水器 3 基材パイプ
5 外筒 7 ヒータ部
9 内孔
11、51、61、71、81、91 中子
13 ブッシュ 15 軸
17 ねじ山 19、53、93 流路
21 断熱層 22 流水面
23 断熱層 25 発熱抵抗体
27 絶縁保護層 29 Oリング
41 給水管 43 コントロールパネル
44 制御部 45 ヒータ駆動回路
46 アース端子 47 温度検出用抵抗体
48 端子 49 温度検出回路

Claims (2)

  1. 冷水を加熱して温水を生成する温水器と、
    生成された温水を人体に浴びせるノズルと、
    を備える人体洗浄装置であって、
    前記温水器が、
    内孔に水の流れる流路を有する円筒状の金属基材パイプと、
    前記金属基材パイプの外表面に絶縁ガラスからなる絶縁層を介し形成された、端子間に電圧を印加することにより発熱する発熱抵抗体と、
    前記金属基材パイプの内孔に配置された、内孔に流れる水の流速を早くする中子と、を備え、
    前記発熱抵抗体が形成された前記金属基材パイプの内孔に位置する部分の中子の形状が螺旋形であるとともに、中子螺旋形の部分の長さが前記発熱抵抗体が形成された金属基材パイプの部分の長さよりやや長く、
    前記中子は、軸の外周面の一部に前記金属基材パイプの長さ方向に沿って螺旋状にねじ山が形成されたことを特徴とする人体洗浄装置。
  2. 前記中子の形状は、前記発熱抵抗体の配設パターンと合致した形状であることを特徴とする請求項記載の人体洗浄装置。
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